JP2023070515A - 搬送装置 - Google Patents

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Satoru Kaneko
尚礼 鈴木
Hisanori Suzuki
康明 青山
Yasuaki Aoyama
遼佑 星
Ryosuke Hoshi
信二 東
Shinji Azuma
武司 玉腰
Takeshi Tamakoshi
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Abstract

【課題】コイルの巻線に流れる電流の情報から被搬送物の位置を推定する機能を有する搬送装置において、被搬送物の位置又は速度の推定精度が低い区間においても安定した搬送速度制御を実現する。【解決手段】磁性体を有する被搬送物を搬送する搬送装置であって、磁性体に作用する磁束を発生する複数のコイルと、複数のコイルのそれぞれに電圧を印加するコイル駆動部と、電流制御部及び位置推定部を有する演算制御部と、を備え、電流制御部は、上記の電圧を決定し、位置推定部は、コイルに電圧パルスを印加し発生した電流変化に基づいて被搬送物の位置を推定し、位置推定部で推定された被搬送物の位置を示す位置推定値に応じて、被搬送物の速度を制御する速度制御モードと、コイルの電流を制御する電流制御モードとの切り替えをする。【選択図】図7

Description

本開示は、搬送装置に関する。
医療の高度化及び高齢化社会の進展に伴い、臨床検査における検体処理の重要性が高まってきている。
臨床検査に用いられる検体処理装置は、血液、血漿、血清、尿といった体液等の生体試料(検体)について、所定の分析項目を検査するものである。検体処理装置は、複数の機能を有する装置を接続し、自動的に各工程を処理することができる。言い換えると、検査室の業務合理化のために、生化学や免疫など複数の分析分野の分析部を搬送ラインで接続し、1つの装置として運用している。
従来の搬送ラインは、ベルト駆動方式が主流である。このため、搬送途中でなんらかの異常により搬送が停止してしまうと、それより下流側の装置に検体を供給できなくなる。
検体処理装置の処理能力を向上するためには、検体の高速搬送、大量同時搬送および複数方向への搬送が望まれている。
特許文献1には、永久磁石等の磁気的活性デバイスを備えた容器キャリアであって試料容器を運ぶように適合されたものを運ぶように適合された搬送平面の下方に静止して配置された電磁アクチュエータであって、容器キャリアに磁力を印加することによって搬送平面の上で容器キャリアを移動させるように適合されたものが開示されている。また、特許文献1には、搬送平面上で移動する容器キャリアの速度は、隣接する電磁アクチュエータの連続した起動の間の時間を設定することによって設定されることが開示されている。また、特許文献1には、搬送平面上に位置する容器キャリアの存在および位置を検知するために、赤外線(IR)主体の反射光バリアに基づいて具現化される容器キャリア検知デバイスが設けられることが開示されている。
特許文献2には、ラボラトリ試料分配システムに用いられる複数の電磁アクチュエータの各々が強磁性コアおよび励磁巻線を備え、励磁巻線が垂直方向においてその割り当てられる強磁性コアを越える構成が開示されている。また、特許文献2には、ラボラトリ試料分配システムの移送面の下方には、複数の電磁アクチュエータが配置され、移送面の上には、Hallセンサとして具体化される複数の位置センサが分配されることが開示されている。
さらに、特許文献3には、被搬送体側に設けられた第1磁性体と、第2磁性体からなるコア、およびコアの外周側に巻かれている巻線を有する磁気回路と、磁気回路の巻線に電流を供給する駆動回路と、磁性体の位置、または速度を検出する被搬送体検出部と、を備え、被搬送体検出部によって検出された磁性体の位置または速度情報に基づいて巻線に供給する電流を変化させる、搬送装置が開示されている。
特許文献4には、複数のコイルの各々に電圧を印加するコイル駆動部が、位置推定部で推定された被搬送物の位置および経路情報格納部に格納された経路情報に基づいて、所定のコイルに駆動用の電流を印加するとともに、被搬送物に最も近いと推定される最近接コイル、および最近接コイルの周囲のコイルに位置検出用の電流を印加する、搬送装置が開示されている。また、特許文献4には、インダクタンス特性から位置毎の電流変化量を算出すること、この電流変化量を逐次演算することで永久磁石の位置を随時推定すること、被搬送物が所定の経路から逸脱しているか否かを判定し、所定の経路に戻すよう所定のコイルに対してパルス電圧を出力することが開示されている。
特開2017-77971号公報 特開2017-102103号公報 特開2020-142913号公報 特開2020-125930号公報
特許文献1においては容器キャリア検知デバイス、特許文献2においてはHallセンサといった位置を検出するセンサ(位置センサ)が多数必要となり、高コスト化や位置センサの故障による信頼性の低下が懸念される。さらに、特許文献1及び2においては、被搬送物がある程度位置センサに接近しないと、被搬送物の有無を検知できないため、搬送面上のすべての領域で被搬送物を検知することは困難であると考えられる。
また、特許文献3においては、被搬送物の位置、重量等に応じて巻線に流れる電流を変化させるが、位置等の検出が困難な区間における電流値の決定方法は不明である。このため、被搬送物間の速度のばらつきが発生することが考えられる。
特許文献4においては、被搬送物の逸脱については修正するが、被搬送物の速度の調整については不明である。
本開示の目的は、コイルの巻線に流れる電流の情報から被搬送物の位置を推定する機能を有する搬送装置において、被搬送物の位置又は速度の推定精度が低い区間においても安定した搬送速度制御を実現することにある。
本開示の搬送装置は、磁性体を有する被搬送物を搬送するものであって、磁性体に作用する磁束を発生する複数のコイルと、複数のコイルのそれぞれに電圧を印加するコイル駆動部と、電流制御部及び位置推定部を有する演算制御部と、を備え、電流制御部は、上記の電圧を決定し、位置推定部は、コイルに電圧パルスを印加し発生した電流変化に基づいて被搬送物の位置を推定し、位置推定部で推定された被搬送物の位置を示す位置推定値に応じて、被搬送物の速度を制御する速度制御モードと、コイルの電流を制御する電流制御モードとの切り替えをする。
本開示によれば、コイルの巻線に流れる電流の情報から被搬送物の位置を推定する機能を有する搬送装置において、被搬送物の位置又は速度の推定精度が低い区間においても安定した搬送速度制御を実現することができる。
実施例の搬送装置を示す概略構成図である。 図1の演算部の構成を示すブロック図である。 図1においてコイル25に流れる電流の時間変化率が永久磁石10の位置によりどのように影響されるかについての例を示すグラフである。 印加対象となるコイルへの電圧パルスの波形の例を示すグラフである。 搬送装置のコイルの配置を示す斜視図である。 被搬送物の速度のフィードバック制御を実施するための構成の例を示すブロック図である。 被搬送物の位置推定値に基づいて制御モードを切り替える制御の構成を示すブロック図である。 速度制御モードを示す模式図である。 電流制御モードを示す模式図である。 比較例の搬送速度を示すグラフである。 実施例の搬送速度を示すグラフである。
本開示は、例えば、血液や尿などの生体試料(以下「検体」という。)の分析を行う検体分析システムや、分析に必要な前処理を行う検体前処理装置に好適な搬送装置に関する。
以下、本開示の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、実施例の搬送装置を示す概略構成図である。
本図において、搬送装置100は、永久磁石10と、2つのコイル25と、コイル駆動部50(駆動回路)と、電源55と、電流検出器30と、演算部40(演算制御部)と、を備えている。永久磁石10は、被搬送物である検体フォルダ等に設けられている。コイル25は、円柱状のコア22と、コア22の外周側に設けられた巻線21と、で構成されている。なお、本図においては、コイル25を2個示しているが、通常、2個以上のコイル25が設けられている。
コイル駆動部50は、それぞれのコイル25に接続されている。電流検出器30は、それぞれのコイル駆動部50からそれぞれのコイル25の巻線21に流れる電流を検出する。
永久磁石10には、コイル25との相互作用により推進力が発生する。永久磁石10が設けられている検体フォルダ等の被搬送物は、この推進力を受けて移動する。これにより、検体フォルダに設置された検体容器等(図示しない)が搬送される。被搬送物の速さ、移動の方向、終着点等は、コイル25に流れる電流を制御することにより調整される。
通常、コイル25と永久磁石10との間には、永久磁石10を支持する搬送面(図示省略)が設けられている。コイル25は、搬送面の下方に複数個が一列に設けられた構成であってもよい。この場合、搬送面は、直線状又は曲線状の経路に沿って被搬送物を移動させるものであってもよい。また、コイル25は、搬送面をxy面とした場合に、xy平面の下方に、x軸方向及びy軸方向のそれぞれに複数個が列をなして設けられた構成であってもよい。永久磁石10は、その搬送面上を滑るように移動する。なお、搬送される容器は、検体容器に限らず、試薬容器等であってもよい。このため、搬送される容器は、「搬送容器」と呼んでもよい。このほか、被搬送物には、搬送可能な小型の機器が含まれる。
搬送装置100は、巻線21に電流を流し、永久磁石10に電磁力を作用させることにより、被搬送物のコイル25間における移動を行う。電磁力を効率よく作用させること、被搬送物を所望の方向に移動させること等を実現するためには、永久磁石10とコイル25との相対的な位置情報が必要となる。
例えば、永久磁石10が2つのコイル25の一方の直上にある場合、その直下のコイル25に電流を流しても搬送方向への力は発生しない。これに対して、永久磁石10が直上にあるコイル25の隣のコイル25に電流を流せば、永久磁石10を当該隣のコイル25に引き寄せる力を発生させることができる。つまり、効率よく力を発生させ、その力の方向を制御できることになる。
コイル25を3個以上並べて配置した構成とし、通電するコイル25(通電コイル)を順次切替えることによって、永久磁石10を有する被搬送物を任意に移動させることが可能になる。
本実施例においては、搬送面上にある永久磁石10の位置を検出するために、コイル25のインダクタンス特性に基づく方法を用いる。この点、従来技術のように、多数の位置センサを搬送面上に配置して、被搬送物の位置を検出する方法とは異なる。
従来技術のように多数の位置センサを用いる場合、位置情報は得られるが、新たに位置センサを実装した基板等が必要となるため、コストの上昇や装置の大型化を招く点が問題となる。
以下、実施例の位置検出方法について説明する。
図1に示す手前側のコイル25の上方に永久磁石10がある場合、永久磁石10により生じる磁束がコイル25に作用する。手前側のコイル25と奥側のコイル25とでは、作用する磁束の大きさが異なる。言い換えると、永久磁石10とコイル25との相対的な位置関係によって、コイル25に作用する磁束の大きさが変わる。
コイル駆動部50により巻線21に電圧を印加して電流を流すと、その電流によって生じる磁束がコア22に発生する。したがって、コア22においては、永久磁石10による磁束と、巻線21に流した電流によって生じる磁束とが重なり合う。
一般に、巻線21に電流を流すと、その周りに磁場が発生する。この際、生じる磁束は、流した電流値に比例する。この比例定数は、インダクタンスと呼ばれる。
しかし、コア22などの磁性体を有する回路においては、コア22の磁気飽和特性により、インダクタンスが変化する。つまり、永久磁石10の磁束の大きさによって巻線21のインダクタンスが変化する。これは、永久磁石10(すなわち、被搬送物)の位置によって巻線21のインダクタンスが変化することを意味する。
よって、巻線21のインダクタンスを計測できれば、搬送面上の永久磁石10の位置を検出できることになる。
以上がコイル25のインダクタンス特性に基づく位置検出方法の原理である。
次に、より具体的な位置検出方法の原理について述べる。
巻線21に生じる電圧Vは、下記式(1)で表される。すなわち、電圧Vは、単位時間当たりの磁束の変化量である。
V=-dφ/dt …(1)
式中、φは磁束、tは時間である。
また、電流をI、インダクタンスをLとすると、次の関係式(2)が成立する。
dI/dt=(1/L)×(dφ/dt) …(2)
上記式(1)及び(2)から、次の関係式(3)が得られる。
dI/dt=-V/L …(3)
つまり、一定の電圧を巻線21に印加した場合、上記式(3)に示すようにインダクタンスLの大きさによって供給される電流Iの時間微分が変化する。これは、電圧を印加した場合に供給される電流の立ち上がり方が異なること意味する。
したがって、電圧を巻線21に印加した際に、巻線21に発生する電流の変化量(dI/dt)を検出することで、インダクタンスLを演算で求めることができる。つまり、永久磁石10の位置によって変化する巻線21のインダクタンスLの特性が予め把握できていれば、位置検出用の電圧信号を印加し、それによって発生する電流の変化量(dI/dt)を検出することにより、永久磁石10、すなわち被搬送物の位置が求められることになる。
次に、実施例の位置センサレスの位置検出方法について更に説明する。
図1に示すように、コイル駆動部50により巻線21に電圧を印加し、その電圧によって流れるコイル電流を電流検出器30で検出する。ここで、コイル駆動部50は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)の信号で駆動される双方向チョッパ等が相当する。また、電流を検出する電流検出器30は、シャント抵抗やカレントトランスによるもの、ホール電流センサを用いたものなどがあるが、本実施例においては、特にこれらに限定されるものではない。
なお、コイル駆動部50は、電源55に接続されており、この電源電圧をデューティー制御することにより、コイル25の巻線21に所定の電流を流す。
さらに、演算部40は、被搬送物を搬送するために必要な推力を得るためにコイル駆動部50に印加する電圧指令値を算出するとともに、電流検出器30によって検出された電流値を基に、コイル25に生じる電流変化率dI/dtを計測し、コイル25と永久磁石10との相対的な位置関係を演算して、搬送装置1内における永久磁石10の位置を推定する。演算部40は、推定された永久磁石10の位置情報を用いて、コイル駆動部50から永久磁石10(被搬送物)の搬送に必要な電流を流すタイミングを決定し、実際に適切なコイル25に電流を流す。
図2は、図1の演算部の構成を示すブロック図である。
図2においては、搬送装置の演算部40は、電流制御部56と、デューティー設定部60と、電流変化率演算部61と、位置推定部62と、通電コイル決定部63と、コイル切り替え部64と、を含む。
電流制御部56には、推力指令(コイルに流す電流指令)及び実際のコイル電流が入力される。電流制御部56は、コイル電圧指令値を算出し、デューティー設定部60に出力する。この場合に、実際のコイル電流の値がコイルに流す電流指令の値に一致するように、コイルに印加するコイル電圧指令値を計算する。言い換えると、電流制御部56は、コイル駆動部50で印加する電圧を決定する。
デューティー設定部60は、PWM等の電圧パルス信号を決定し、コイル駆動部50に対して出力する。
一方、複数のコイル25のうちいずれのコイルに通電するかを決定するために、電流検出器30からの電流値を入力として、電流変化率演算部61でコイルの電流変化率(dI/dt)を算出し、その値に応じて位置推定部62において被搬送物の位置を推定する。さらに、検体の搬送位置目標と前述の被搬送物の位置とに基づいて、実際に通電を行うコイルを通電コイル決定部63で決定する。この決定に従い、コイル切り替え部64において、所望のコイル25への通電が可能となるように回路を切り替える。なお、ここで述べた制御ブロックは、マイクロコンピュータ等の演算装置で実現することができる。
位置推定部62においては、前述のように、コイル25のインダクタンスLに反比例する値である電流変化率(dI/dt)が入力され、被搬送物の位置推定値が算出され、出力される。この位置推定値は、被搬送物の位置を示す値である。まとめると、位置推定値は、複数のコイルのうちの所定のコイルの電流変化率に基づいて算出される。
図3は、図1においてコイル25に流れる電流の時間変化率が永久磁石10の位置によりどのように影響されるかについての例を示すグラフである。横軸には永久磁石10を有する被搬送物の位置X、縦軸にはコイル25の電流変化率dI/dt(単位:A/s)をとっている。コイル25の直上部を原点としてX=0に定めている。dI/dtは、上述のとおり、インダクタンスLに反比例するものであり、コイル25と永久磁石10とが一体となっているとみなした場合のL、言い換えると、コイル25に永久磁石10が影響を及ぼす状態におけるLに反比例するものである。
図3に示すように、永久磁石10がコイル25の直上部から離れるほどdI/dtが小さくなっている。位置P3は隣のコイル25の直上部であり、位置P2はP1とP3とを結ぶ線分の中点である。また、P1及びP3においては、dI/dtの傾きが小さくなっている。
図2の位置推定部62には、例えば、図3に示すような被搬送物(永久磁石10)の位置と電流変化率との関係についての特性テーブルが記録されている。
本実施例においては、上記のインダクタンスの位置特性を利用して被搬送物の位置を推定することが原理であるが、実際に処理される制御ロジックでは、コイルの電流変化率を入力とする。このため、位置推定部62内には、図3に示すような電流変化率(dI/dt)の位置特性データテーブルとして設定する。
ここで、被搬送物の位置を検出するために必要な電圧の印加方法について述べる。
図4は、印加対象となるコイルへの電圧パルスの波形の例を示すグラフである。
本図に示す電圧パルスは、PWM変換方式で生成された電圧信号であり、印加したい電圧の大きさに応じて電圧のパルス幅を増減する変換方式である。この電圧をコイル25に印加した場合、推力を発生させるために必要な平均電流に、パルスによって発生する電流脈動(図中に破線で示すような電流変化)が重畳されたような電流となる。
このような電流を発生させることにより、被搬送物を搬送でき、同時にその際の電流変化率を計測することにより、被搬送物の位置も推定することが可能となる。
図5は、搬送装置のコイルの配置を示す斜視図である。
本図に示すように、搬送装置は、複数のコイル25から構成されている。コイル25はそれぞれ、巻線21及びコア22を有する。これらのコイル25のうち被搬送物の搬送経路に応じて、被搬送物付近のコイル25に適切な電圧パルスを印加し、被搬送物の位置を検知するとともに、被搬送物の搬送を実施する。
搬送装置の搬送能力の向上及び今後の検体の大量搬送の観点から、隣り合う被搬送物の距離が近くなっても、これらが接触しないように、それぞれの被搬送物の速度が等しくかつ一定となるように高精度にそれぞれの被搬送物の速度を制御する必要がある。
このような速度制御を実現するためには、被搬送物の速度のフィードバック制御を行うことが望ましい。
図6は、被搬送物の速度のフィードバック制御を実施するための構成の例を示すブロック図である。
速度制御部65には、現在の検体搬送量に応じて決定された被搬送物の速度指令値が入力される。速度演算部66には、前述の被搬送物の位置推定値が入力され、被搬送物の速度演算値が算出される。そして、速度演算値は、フィードバック値として速度制御部65に入力される。速度制御部65においては、コイル電流指令値が算出される。
コイル電流指令値は、電流制御部56に入力される。電流制御部56には、コイル電流も入力される。電流制御部56は、これらの入力を用いてコイル電圧指令値を算出し、出力する。
ここで、速度制御部65及び電流制御部56は、比例積分演算を実施することでその機能を実現することができる。また、速度演算部66は、入力された被搬送物の位置推定値を用いて、その所定時間間隔ごとの位置変化量(dx/dt)を演算することで、被搬送物の速度演算値を得ることができる。
以上のように、図6に示す速度制御系を構成することで、被搬送物の搬送速度を制御することが可能となる。
但し、本実施例では、被搬送物の位置を測定するために位置センサを設けることなく、コイル電流の変化量に応じて被搬送物の位置を推定する方法、すなわち位置センサレスの手法を用いている。よって、速度演算部66で得られる被搬送物の速度演算値の特性は、位置センサレスの位置推定の精度に影響を受けることになる。
その位置推定の精度は、例えば、図3に示す被搬送物の位置に対するコイルの電流変化率の特性によって判定することができる。図3に示すように、特に、被搬送物が通電コイルから離れるにつれて、言い換えると、位置P3に近づくにつれて、電流変化率の値が小さくなる。すなわち、インダクタンスが大きくなる。
このため、位置P3付近の区間では、電流検出精度の影響で、位置推定精度が低下する。このように精度が低下した位置推定値の時間変化で得られた被搬送物の搬送速度の演算値(検体搬送速度演算値)も、誤差を含む値になる。このような誤差を含む速度演算値を速度制御部65に入力した場合、速度制御精度も低下することになる。結果として、大量の検体搬送が困難となることが考えられる。
そこで、上記のような課題を解決し、検体搬送速度を高精度に制御するためには、推定精度が低い位置区間においては、速度フィードバック制御を停止し、直接コイル電流指令を入力して電流制御を実施することが有効である。
図7は、被搬送物の位置推定値に基づいて制御モードを切り替える制御の構成を示すブロック図である。
本図においては、図6に示す速度制御部65及び電流制御部56に加え、制御モード判定部70及び制御モード切り替え部71が追加されている。これらの構成要素はすべて、演算部40に含まれる。制御モード切り替え部71は、速度制御部65と電流制御部56との間に設けられている。制御モード切り替え部71には、制御モード判定部70が接続されている。
制御モード判定部70は、予め設定された位置推定値の閾値を有している。
制御モード判定部70は、通電コイル情報及び位置推定値を受信し、位置推定値が閾値以下の場合(通電コイルより遠い場合)は、速度演算精度が低いと判定し、電流制御モードとする。この場合、本図に示す接続状態から切り替える。ここで、電流制御モードとは、コイルの電流(コイル電流)を制御する制御モードをいう。
一方、制御モード判定部70で位置推定値が閾値より大きいと判定した場合(通電コイルに近い場合)は、速度演算精度が高いと判定し、本図に示す接続状態である速度制御モードとする。ここで、速度制御モードとは、被搬送物の速度を制御する制御モードをいう。
詳しくは、速度制御モードの場合は、速度制御部65から出力されるコイル電流指令値を入力とする。また、電流制御モードの場合は、任意にコイル電流を決定し、直接電流制御部56に入力する。このようにすることで、速度演算値の精度が低い場合でも、安定した搬送速度制御性能を維持することが可能となる。なお、上記の電流制御モードにおけるコイル電流指令値の決定方法については、検体搬送の性能を損なうようなことがなければ、任意に設定することが可能であるが、例えば、前回の通電コイルで流れた電流値と同等の電流指令とすれば、速度変動の小さい搬送速度制御を継続することができる。まとめると、電流制御モードでは、前回の通電コイルに流れた電流の大きさに基づいて電流指令を生成する。
また、上記の切り替えに関してまとめると、制御モード判定部70は、複数のコイルのうち通電しているコイルの情報及び位置推定値を受信し、被搬送物の速度の演算値の精度に基づいて前記切り替えの判定をし、その判定の結果を制御モード切り替え部71に送信する。
つぎに、速度制御モードと電流制御モードとを切り替える制御による動作の例について説明する。
図8Aは、速度制御モードを示す模式図である。
本図に示すように、搬送面83の下方には、図中左から右に向かってコイル85、86、87が配置されている。搬送面83の上面には、検体81を載せた搬送容器82が移動可能に配置されている。
本図においては、コイル86に通電して励磁している状態である。搬送容器82は、2つのコイル85、86の間に位置するX0からX1までの区間を移動している。この区間は、図3に示す電流変化率の位置感度が高い区間、すなわち、搬送速度を高精度に算出可能な区間であり、速度制御モードが好適である。
図8Bは、電流制御モードを示す模式図である。
本図においては、コイル87に通電して励磁している状態である。搬送容器82は、コイル86の直上部に位置する位置区間X1からX0までの区間を移動している。この区間は、図3に示す電流変化率の位置感度が低い区間、すなわち、搬送速度を高精度に算出できない区間であり、電流制御モードが好適である。
このように、搬送容器82が移動し、位置X1を通過した時点で通電コイルをコイル86からコイル87に切り替える。
ここで、上記の制御モードの切り替え、すなわち速度制御モードと電流制御モードとの切り替えを行う場合と行わない場合とで、搬送速度がどのように違ってくるかについて説明する。
図9Aは、比較例の搬送速度を示すグラフである。横軸には位置X、縦軸には搬送速度vをとっている。
本図においては、制御モードの切り替えを行わないため、電流変化率の位置感度が低いX1からX0までの区間においては、搬送速度の精度が低くなる。このため、実際の搬送速度(実線の曲線で示す。)が速度指令値vd(破線で示す。)から乖離する。言い換えると、当該区間においては、実際の搬送速度と速度指令値vdとの差が大きくなる。
一方、図9Bは、実施例の搬送速度を示すグラフである。横軸には位置X、縦軸には搬送速度vをとっている。
本図においては、制御モードの切り替えを行う。この場合、電流変化率の位置感度が低いX1からX0までの区間においては、その前のX0からX1までの区間の電流指令を用いて駆動を続けるため、実際の搬送速度の速度指令値からの乖離が抑えられている。
以上において説明したように、コイル電流の値を用いて位置センサレスの位置推定を行う搬送装置においては、搬送時の被搬送物の位置に応じて制御モードの切り替えを実施することで、搬送速度制御を高精度化することができる。
10:永久磁石、21:巻線、22:コア、25:コイル、30:電流検出器、40:演算部、50:コイル駆動部、55:電源、56:電流制御部、60:デューティー設定部、61:電流変化率演算部、62:位置推定部、63:通電コイル決定部、64:コイル切り替え部、65:速度制御部、66:速度演算部、70:制御モード判定部、71:制御モード切り替え部、81:検体、82:搬送容器、83:搬送面、85、86、87:コイル、100:搬送装置。

Claims (4)

  1. 磁性体を有する被搬送物を搬送する搬送装置であって、
    前記磁性体に作用する磁束を発生する複数のコイルと、
    前記複数のコイルのそれぞれに電圧を印加するコイル駆動部と、
    電流制御部及び位置推定部を有する演算制御部と、を備え、
    前記電流制御部は、前記電圧を決定し、
    前記位置推定部は、前記コイルに電圧パルスを印加し発生した電流変化に基づいて前記被搬送物の位置を推定し、
    前記位置推定部で推定された前記被搬送物の前記位置を示す位置推定値に応じて、前記被搬送物の速度を制御する速度制御モードと、前記コイルの電流を制御する電流制御モードとの切り替えをする、搬送装置。
  2. 前記電流制御モードでは、前回の通電コイルに流れた電流の大きさに基づいて電流指令を生成する、請求項1記載の搬送装置。
  3. 前記位置推定値は、前記複数のコイルのうちの所定のコイルの電流変化率に基づいて算出される、請求項1記載の搬送装置。
  4. 前記演算制御部は、制御モード判定部及び制御モード切り替え部を更に有し、
    前記制御モード判定部は、前記複数のコイルのうち通電しているコイルの情報及び前記位置推定値を受信し、前記被搬送物の前記速度の演算値の精度に基づいて前記切り替えの判定をし、その判定の結果を前記制御モード切り替え部に送信する、請求項1記載の搬送装置。
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