JP2023070237A - 電池用添加剤、それを含む非水電解質及び非水電解質二次電池 - Google Patents

電池用添加剤、それを含む非水電解質及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れた非水電解質二次電池並びにそれを達成可能とする非水電解質及び添加剤を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む電池用添加剤。JPEG2023070237000021.jpg2852(式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2とが、互いに連結して環を形成してもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、電池用添加剤、それを含む非水電解質及び非水電解質二次電池に関する。
スマートフォン、携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ等の携帯電子機器、電気自動車、動力の一部に電力を利用したハイブリッド車への利用が進められている。これらの用途では、電源として非水電解質二次電池が広く用いられている。
携帯電子機器の使用可能時間、自動車の航続距離、更にはそれらの安全性の観点から非水電解質二次電池の更なる性能向上が求められている。特に、充放電を繰り返しても長期間にわたり使用できることが重要であるため、サイクル特性を向上させるための検討が種々行われている。
サイクル特性を向上させた非水電解質としては、例えば、特許文献1、特許文献2等に記載のものが挙げられる。
特表2021-501978号公報 特許第3730855号
近年、サイクル特性の向上とともにエネルギー密度の高い非水電解質二次電池が求められている。非水電解質二次電池の高エネルギー密度化を達成するためには、非水電解質二次電池を安定して駆動させる必要がある。しかしながら、非水電解質二次電池を駆動させると非水電解質に分解が生じ、非水電解質二次電池のサイクル特性を低下させてしまうという課題があった。
本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、サイクル特性に優れる非水電解質二次電池を達成可能とする電池用添加剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記[1]~[6]で示される。
[1]下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、電池用添加剤。
Figure 2023070237000001
(式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2とが、互いに連結して環を形成してもよい。)
Figure 2023070237000002
(式(2)中、RB1は、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、XB1及びXB2は、各々独立して-CH-、-O-、-NH-又は-S-を表すが、少なくとも一方は、-CH-ではない。)
Figure 2023070237000003
(式(3)中、RC1は、炭素原子数3~9のシクロアルキル基を表す。)
[2]上記一般式(1)において、RA1とRA2とが連結してモルホリン環、チアモルホリン環又はイミダゾール環を形成しており、RA3が、炭素原子数1~3の脂肪族炭化水素基である化合物を含む[1]に記載の電池用添加剤。
[3]下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、非水電解質。
Figure 2023070237000004
(式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2とが、互いに連結して環を形成してもよい。)
Figure 2023070237000005
(式(2)中、RB1は、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、XB1及びXB2は、各々独立して、-CH-、-O-、-NH-又は-S-を表すが、少なくとも一方は、-CH-ではない。)
Figure 2023070237000006
(式(3)中、RC1は、炭素原子数3~9のシクロアルキル基を表す。)
[4]有機溶媒を更に含有する[3]に記載の非水電解質。
[5]電解質を更に含有する[3]又は[4]に記載の非水電解質。
[6]正極と、負極と、[3]~[5]の何れかに記載の非水電解質とを含む非水電解質二次電池。
本発明によれば、サイクル特性に優れる非水電解質二次電池を達成可能とする電池用添加剤を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。 本発明の非水電解質二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。 本発明の非水電解質二次電池のラミネート型電池の内部の積層型電極群を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の非水電解質二次電池のラミネート型電池を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の非水電解質二次電池のラミネート型電池を模式的に示す外観平面図である。
以下、本発明の電池用添加剤、それを含む非水電解質及び非水電解質二次電池について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本明細書において、「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折光散乱法により測定された50%粒子径を表す。レーザー回折光散乱法では粒子径は体積基準の直径であり、測定対象物の二次粒子径が測定される。レーザー回折光散乱法で平均粒子径を測定する場合、測定対象物を水、アルコール等の分散媒に分散した状態で行う。
A.電池用添加剤
まず、本発明の電池用添加剤について説明する。
本発明の電池用添加剤は、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種を含むものである。また、本発明の電池用添加剤は、1種の化合物のみを含むものであってもよいし、2種以上の化合物を含むものであってもよい。
Figure 2023070237000007
(式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2とが、互いに連結して環を形成してもよい。)
Figure 2023070237000008
(式(2)中、RB1は、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、XB1及びXB2は、各々独立して、-CH-、-O-、-NH-又は-S-を表すが、少なくとも一方は、-CH-ではない。)
Figure 2023070237000009
(式(3)中、RC1は、炭素原子数3~9のシクロアルキル基を表す。)
A1.一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物
本発明に用いられる化合物は、一般式(1)、(2)又は(3)で表される。
一般式(1)において、RA1、RA2及びRA3で表される炭素原子数1~11の炭化水素基は複素環を含まない基を表す。炭素原子数1~11の炭化水素基としては、炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基又は炭素原子数6~11の芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数1~11のアルキル基、及び該アルキル基中のメチレン基の一部が炭素-炭素間の不飽和結合で置換された基が挙げられる。
なお、本明細書において、所定の炭素原子数の基中の炭素原子数とは、基中の水素原子が置換基で置換されている場合、その置換後の基の炭素原子数を表す。例えば、上記炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基の水素原子が置換されている場合、炭素原子数1~11とは、水素原子が置換された後の基の炭素原子数を表し、水素原子が置換される前の脂肪族炭化水素基の炭素原子数を表すものではない。また、本明細書において、所定の炭素原子数の基中のメチレン基が二価の基で置換されている場合、炭素原子数1~11とは、二価の基で置換された後の基の炭素原子数を表し、二価の基で置換される前の基の炭素原子数を表すものではない。
上記炭素原子数1~11のアルキル基は、直鎖のアルキル基又は分岐を有するアルキル基であり、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、アミル基、iso-ペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、iso-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、1-オクチル基、iso-オクチル基、tert-オクチル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
上記アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-SOH、-ORA4、-COORA4、-CO-RA4又は-SRA4等の置換基で置換されていてもよい。RA4は、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
上記アルキル基中のメチレン基の一部が炭素-炭素間の不飽和結合で置換された基は、不飽和結合を1つ有する基であってもよいし、不飽和結合を2つ以上有する基であってもよい。また、不飽和結合は、二重結合であってもよいし、三重結合であってもよい。
なお、アルキル基中のメチレン基の一部が炭素-炭素間の不飽和結合で置換されるとは、アルキル基の末端メチル基を構成するメチレン基が不飽和結合で置換された、末端に不飽和結合を有する基も含むものである。例えば、不飽和結合で置換される前のアルキル基がエチル基(-CH-CH)であり、末端のメチル基を構成するメチレン基が不飽和結合(二重結合)で置換された場合には、-CH-CH=CHで表される基となる。
上記炭素原子数6~11の芳香族炭化水素基は、芳香族性を有する基を表し、例えば、フェニル基、上述した脂肪族炭化水素基中の水素原子の一部がフェニル基で置換された基等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基のメチレン基の1つ又は2つ以上が、-O-、-S-、-O-CO-、-CO-O-等の2価の基で置換されていてもよい。また、芳香族炭化水素基中の水素原子の1つ又は2つ以上が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-SOH、-ORA4、-COORA4、-CO-RA4又は-SRA4等の置換基で置換されていてもよい。RA4は、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
炭素原子数6~11の芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基、キシリル基、クミル基、メシチル基等が挙げられる。
上記式(1)中のRA1、RA2及びRA3で表される炭素原子数1~11のヘテロ原子含有炭化水素基は、上述した炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基中の水素原子の一部が、ヘテロ原子含有基で置換された基を挙げることができる。上記ヘテロ原子含有基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子又はケイ素原子を含む基が挙げられる。上記ヘテロ原子含有基の具体例としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシアルキル基、エポキシ基、アルデヒド基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(-NR)、チオール基(-SR)、シリル基、スルホネート基、リン酸基等が挙げられる。R、R及びRは、各々独立して、水素原子、又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。炭素原子数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。このようなヘテロ原子含有炭化水素基の具体例としては、例えば、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルチオメチル基、ジメチルホスフィノメチル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数1~11のヘテロ原子含有炭化水素基は、ヘテロ原子含有炭化水素基中のメチレン基の1つ又は2つ以上が、-O-、-S-、-O-CO-、-CO-O-で置換されていてもよい。また、ヘテロ原子含有炭化水素基を構成する脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ又は2つ以上が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-SOH、-ORA4、-COORA4、-CO-RA4又は-SRA4等の置換基で置換されていてもよい。RA4は、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基を表す。このようなヘテロ原子含有炭化水素基の具体例としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メチルアセテート基、エチルアセテート基、メチルプロピオネート基、エチルプロピオネート基、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、2-プロパノエートフェニル基等が挙げられる。
上記RA1とRA2とが互いに連結して形成される環は、RA1及びRA2の両者と結合する一般式(1)中の窒素原子を含む環構造を有していればよい。本発明の効果が顕著となるという観点から、上記環は、3員環~10員環であることが好ましく、5員環~9員環であることがより好ましく、5員環又は6員環であることが最も好ましい。
A1とRA2とが互いに連結して形成される環は、飽和環であってもよく、不飽和環であってもよい。
また、上記環の環構造中の水素原子の1つ又は2つ以上が、炭素原子数1~4のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
A1とRA2とが互いに連結して形成される環の具体例としては、例えば、ピロリジン環、メチルピロリジン環、ピロール環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、オキサゾリジン環、イソキサゾリジン環、チアゾリジン環、イソチアゾリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ジオキサゾール環、ジチアゾール環、テトラゾール環、オキサテトラゾール環、チアテトラゾール環、ペンタゾール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン環、ジアジン環、オキサジン環、チアジン環、トリアジン環、テトラジン環、ペンタジン環等が挙げられる。
本発明の効果が顕著となるという観点から、一般式(1)中のRA1とRA2とが連結して環を形成していることが好ましい。本発明の効果が顕著となるという観点から、RA1とRA2とが形成する環の炭素原子数としては、3~11であることが好ましく、3~8であることがより好ましく、3~7であることが最も好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、RA1とRA2とが形成する環に含まれるヘテロ原子の数としては、1個以上であることが好ましく、1個~5個であることがより好ましく、2個~4個であることが更により好ましく、2個であることが最も好ましい。なお、RA1とRA2とが形成する環に含まれるヘテロ原子の数には、一般式(1)中のRA1及びRA2の両者が結合する窒素原子(1個)が含まれる。
A1とRA2とが形成する環としては、芳香族性を有するものであってもよく、芳香族性を有しないものであってもよいが、本発明の効果が顕著となるという観点から、芳香族性を有しないものが好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、RA1とRA2とが形成する環の中でも、モルホリン環、チアモルホリン環及びイミダゾール環が好ましく、モルホリン環及びイミダゾール環がより好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、RA3が、炭素原子数1~11の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1~8の脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素原子数1~3の脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
A3が、炭素原子数6~11の芳香族炭化水素基である場合、本発明の効果が顕著となるという観点から、炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数6~9の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数6~7の芳香族炭化水素基であることが更により好ましく、フェニル基又はメチルフェニル基であることが最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、その製造方法により特に制限されることなく、周知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、4-(メチルスルホニル)モルホリンは、有機塩基の存在下、メタンスルホニルクロライドにモルホリンを反応させることにより効率良く製造することができる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記化合物1-1~1-6が挙げられるが、本発明はこれらの化合物によって限定されるものではない。
Figure 2023070237000010
本発明の効果が顕著となるという観点から、本発明の電池用添加剤は、化合物1-1及び化合物1-2の少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(2)において、RB1で表される炭素原子数1~11の炭化水素基としては、一般式(1)で例示した炭素原子数1~11の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
一般式(2)において、RB1で表される炭素原子数1~11のヘテロ原子含有炭化水素基としては、一般式(1)で例示した炭素原子数1~11のヘテロ原子含有炭化水素基と同様のものが挙げられる。
一般式(2)中のXB1及びXB2は、各々独立して、-CH-、-O-、-NH-又は-S-の群から選択される。
本発明の効果が顕著となるという観点から、RB1は、炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基又はメチレン基の1つ又は2つ以上がエステル基で置換された炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチレン基の1つ又は2つ以上がエステル基で置換された炭素原子数1~11の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、RB1で表される炭化水素基の炭素原子数としては、3~11であることが好ましく、3~8であることがより好ましく、4~8であることが更により好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、一般式(2)中のXB1が、-O-、-NH-又は-S-であり、XB2が、-CH-であることが好ましく、XB1が、-O-又は-S-であり、XB2が、-CH-であることがより好ましく、XB1が、-S-であり、XB2が、-CH-であることが更により好ましい。
一般式(2)で表される化合物は、その製造方法により特に制限されることなく、周知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、エチル-α-メチル-2,4-ジオキソ-3-チアゾリジンアセテートは、水酸化カリウム等の塩基存在下、チアゾリジンジオンにエチル-2-ブロモプロピオネートを反応させることにより効率良く製造することができる。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、下記化合物2-1~2-5等が挙げられるが、本発明はこれの化合物によって限定されるものではない。
Figure 2023070237000011
本発明の効果が顕著となるという観点から、本発明の電池用添加剤は、化合物2-1及び化合物2-2の少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(3)において、RC1で表される炭素原子数3~9のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2,4-ジメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基中の水素原子の一部が、炭素原子数1~4のアルキル基で置換されていてもよい。本発明の効果が顕著となるという観点から、RC1で表されるシクロアルキル基は、3員環~6員環のシクロアルキル基であることが好ましく、5員環~6員環のシクロアルキル基であることがより好ましい。本発明の効果が顕著となるという観点から、RC1で表されるシクロアルキル基の炭素原子数としては、5~8であることが好ましく、5~7であることがより好ましい。
一般式(3)で表される化合物は、その製造方法により特に制限されることなく、周知の製造方法を用いて製造することができる。例えば、シアノ酢酸シクロヘキシルは、酸触媒存在下、シアノ酢酸にシクロヘキサノールを反応させることにより効率良く製造することができる。
一般式(3)で表される化合物の具体例としては、下記化合物3-1~3-3等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物によって限定されるものではない。
Figure 2023070237000012
本発明の効果が顕著となるという観点から、本発明の電池用添加剤は、化合物3-1及び化合物3-2の少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、本発明の電池用添加剤は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましく、一般式(1)で表される化合物を含むことがより好ましい。
一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の含有量は、電池用添加剤100質量部に対して、100質量部(すなわち、本発明の電池用添加剤が、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物のみを含むもの)であってもよい。本発明の電池用添加剤は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物以外の成分を含んでもよい。
A2.その他
本発明の電池用添加剤は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物を含むものであるが、必要に応じて、その他の成分を含むものであってもよい。
本発明の電池用添加剤は、リチウムイオン非水電解質二次電池、ナトリウムイオン非水電解質二次電池、カリウムイオン非水電解質二次電池、カルシウム非水電解質二次電池、マグネシウムイオン非水電解質二次電池等の公知の非水電解質二次電池の非水電解質への添加剤として用いることができる。また、本発明の電池用添加剤は、それらの非水電解質への添加剤として用いる他に、電極材料として用いることもできる。
B.非水電解質
次に、本発明の非水電解質について説明する。
本発明の非水電解質は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種を含むものである。
本発明の非水電解質を構成する各成分について説明する。
B1.一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物
本発明の非水電解質は、上述した一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物を含むものである。
本発明の非水電解質における一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の合計含有量は、本発明の効果が顕著となるという観点から、非水電解質100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更により好ましい。また、本発明の非水電解質における一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の合計含有量は、本発明の効果が顕著となるという観点から、非水電解質100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが更により好ましい。
B2.有機溶媒
本発明の非水電解質は、本発明の効果が顕著となるという観点から、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種に加えて、有機溶媒を更に含有することが好ましい。
本発明の非水電解質に用いることができる有機溶媒は、非水電解質二次電池の非水電解質に使用される公知の有機溶媒であれば特に制限するものではない。有機溶媒の具体例としては、例えば、飽和鎖状カーボネート化合物、飽和環状カーボネート化合物、飽和鎖状エステル化合物、飽和環状エステル化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物、アマイド化合物等が挙げられる。また、上記有機溶媒としては、イオン液体も用いることができる。有機溶媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記飽和鎖状カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、メチル-tert-ブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、tert-ブチルプロピルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートが好ましい。
上記飽和環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、1,2-プロピレンカーボネート、1,3-プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、1,3-ブチレンカーボネート、1,1-ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、エチレンカーボネート、1,2-プロピレンカーボネート及び1,3-プロピレンカーボネートが好ましい。
上記飽和鎖状エステル化合物としては、分子中の炭素原子数の合計が2~8であるモノエステル化合物及びジエステル化合物が挙げられる。飽和鎖状エステル化合物の具体的な化合物としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、マロン酸メチル、マロン酸エチル、コハク酸メチル、コハク酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジアセチル、プロピレングリコールジアセチル等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、モノエステル化合物が好ましく、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル及びプロピオン酸エチルがより好ましい。
上記飽和環状エステル化合物としては、例えば、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトン等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、γ-ブチロラクトンが好ましい。
上記鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物としては、例えば、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2-ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2-ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2-ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、プロピレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、ジオキソランが好ましい。
上記スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、チオフェン等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、ジメチルスルホキシドが好ましい。
上記スルホン化合物としては、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン(テトラメチレンスルホンともいう)、3-メチルスルホラン、3,4-ジメチルスルホラン、3,4-ジフェニメチルスルホラン、スルホレン、3-メチルスルホレン、3-エチルスルホレン、3-ブロモメチルスルホレン等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、スルホラン及びテトラメチルスルホランが好ましい。
上記アマイド化合物としては、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著となるという観点から、N-メチルピロリドン及びジメチルホルムアミドが好ましい。
本発明の非水電解質は、その他の有機溶媒として、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体、各種イオン液体を用いることができる。
本発明の非水電解質は、有機溶媒として、飽和鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、飽和鎖状カーボネート化合物及び飽和環状カーボネート化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。本発明の非水電解質がこれらの有機溶媒を含有することで、非水電解質の粘度を低くすることができ、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、本発明の非水電解質の粘度が低くなることで、低温での非水電解質二次電池の電池特性を改善することができる。
本発明の非水電解質における有機溶媒の含有量は、非水電解質100質量部に対して、90質量部以上であることが好ましく、92質量部以上であることがより好ましく、95質量部以上であることが更により好ましい。また、本発明の非水電解質における有機溶媒の含有量は、非水電解質100質量部に対して、99.99質量部以下であることが好ましく、99.95質量部以下であることがより好ましく、99.9質量部以下であることが更により好ましい。有機溶媒の含有量を上述の範囲にすることで、本発明の効果がより顕著となる。
B3.高分子化合物
本発明の非水電解質は、高分子化合物を更に含有することができる。
高分子化合物としては、上述した有機溶媒中でゲル化した状態(高分子ゲル)で用いられるもの、後述する電解質を分散する分散媒として用いられるもの等が挙げられる。
上記高分子ゲルとして用いることができる高分子化合物としては、上述の有機溶媒は含まないものであり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
上記分散媒として用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。
高分子ゲルとして用いられる高分子化合物、分散媒として用いられる高分子化合物の配合比率、配合方法については、特に制限はなく、本技術分野で公知の配合比率、公知の複合化方法を採用することができる。
本発明の非水電解質において、高分子ゲルとして用いられる高分子化合物の含有量は、有機溶媒と高分子化合物との合計量に対して、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更により好ましい。また、高分子ゲルとして用いられる高分子化合物の含有量は、有機溶媒と高分子化合物との合計量に対して、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更により好ましい。高分子ゲルとして用いられる高分子化合物の含有量を上述の範囲にすることで、本発明の効果が得られやすくなる。
本発明の非水電解質において、分散媒として用いられる高分子化合物の含有量は、非水電解質100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更により好ましい。分散媒として用いられる高分子化合物の含有量は、非水電解質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更により好ましい。分散媒として用いられる高分子化合物の含有量を上述の範囲にすることで、本発明の効果が得られやすくなる。
B4.電解質
本発明の非水電解質は、電解質を更に含有することができる。本発明の非水電解質に用いられる電解質としては、非水電解質二次電池の非水電解質に使用される公知の電解質であれば特に制限されるものではない。電解質としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
上記リチウム塩の具体例としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO、LiB(C、LiBF(C)、LiSbF、LiSiF、LiSCN、LiClO、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF、LiAlCl、LiPO及びこれらの誘導体等が挙げられる。
上記ナトリウム塩の具体例としては、例えば、NaPF、NaBF、NaAsF、NaCFSO、NaCFCO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaN(SOF)、NaC(CFSO、NaB(CFSO、NaB(C、NaBF(C)、NaSbF、NaSiF、NaSCN、NaClO、NaCl、NaF、NaBr、NaI、NaAlF、NaAlCl、NaPO、これらの誘導体等が挙げられる。
上記カリウム塩の具体例としては、例えば、KPF、KBF、KAsF、KCFSO、KCFCO、KN(CFSO、KN(CSO、KN(SOF)、KC(CFSO、KB(CFSO、KB(C、KBF(C)、KSbF、KSiF、KSCN、KClO、KCl、KF、KBr、KI、KAlF、KAlCl、KPO、これらの誘導体等が挙げられる。
上記カルシウム塩の具体例としては、例えば、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[fC]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca[BF(CF)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[C(SOCF、Ca(CFSOO)、Ca(CFCOO)、及びCa(RCOO)(Rは、炭素原子数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)、これらの誘導体等が挙げられる。
上記マグネシウム塩の具体例としては、例えば、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[fC]、Mg[BOB]、Na(ClO、Mg[BF(CF)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[C(SOCF、Mg(CFSO、Mg(CFCOO)、及びMg(RCOO)(Rは、炭素原子数1~4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)、これらの誘導体等が挙げられる。
本発明の非水電解質は、本発明の効果が顕著となるという観点から、電解質として、チウム塩又はナトリウム塩を含有することが好ましく、リチウム塩を含有することがより好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、液体状非水電解質、又は高分子ゲル状非水電解質に用いるリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiPO、LiC(CFSO、LiCFSOの誘導体及びLiC(CFSOの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明の効果が顕著となるという観点から、高分子電解質(あるいは、溶媒を用いずにリチウム塩を分散させて得られる高分子電解質)に用いるリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO及びLiB(Cからなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明の非水電解質における電解質の含有量は、非水電解質100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.05質量部以上であることが更により好ましい。また、非水電解質における電解質の含有量は、非水電解質100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが更により好ましい。電解質の含有量を上述の範囲にすることで、十分な電流密度が得られ、非水電解質の安定性が良好なものとなる。
B5.電解質添加剤
本発明の非水電解質は、一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種、上述した有機溶媒、高分子化合物及び電解質以外に、本発明の効果を損なわない範囲で公知の電解質添加剤を含むことができる。電解質添加剤としては、例えば、電極被膜形成剤、酸化防止剤、難燃剤、過充電防止剤等が挙げられる。
上記電極被膜形成剤は、電極表面に固体電解質界面(Solid electrolyte inerface:SEI)被膜を形成し、電解液中のイオン電導を向上させるものが挙げられる。本発明の非水電解質は、公知の電極被膜形成剤を含むことができる。電極被膜形成剤の具体例としては、例えば、フッ素含有カーボネート、ビニレンカーボネート、プロパンスルトン、特許第4918740号に記載のニトリル基を有する化合物、特開2017-122058号公報に記載のアミノスルホニルイミド塩等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、電極に含まれるバインダーや非水電解質の保存安定性を向上させるものが挙げられる。本発明の非水電解質は、公知の酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤の具体例としては、例えば、特許第6828685号に記載の水溶性酸化防止剤、特許第6762465号に記載のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤、特許第4411735号に記載の酸化防止剤等が挙げられる。
上記難燃剤は、非水電解質に難燃化を付与するものや、リチウムのデンドライドを抑制するものが挙げられる。本発明の非水電解質は、公知の難燃剤を含むことができる。難燃剤の具体例としては、例えば、特開平10-172615号公報、特開2016-045987号公報等に記載の難燃剤等が挙げられる。
上記過充電防止剤は、非水電解質二次電池の過充電時の発熱や非水電解質の漏液を防ぐためのものが挙げられる。本発明の非水電解質は、公知の過充電防止剤を含むことができる。過充電防止剤の具体例としては、例えば、特開2020-047426号公報、特開2017-91687号公報等に記載の過充電防止剤が挙げられる。
本発明の非水電解質における電解質添加剤の合計含有量は、非水電解質100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが更により好ましい。また、本発明の非水電解質における電解質添加剤の合計含有量は、非水電解質100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更により好ましい。電解質添加剤の合計含有量を上述の範囲にすることで、添加量に見合った効果が得られやすくなる。
C.非水電解質二次電池
次に、本発明の非水電解質二次電池(以下、「本発明の電池」という場合がある。)について説明する。本発明の電池は、正極と、負極と、上述した非水電解質とを含むものである。以下、本発明の電池の構成について詳細に説明する。
C1.正極
本発明の電池で用いることができる正極は、非水電解質二次電池に使用される公知の正極であれば特に制限されるものではない。正極の具体例としては、例えば、正極活物質を含む電極合剤層を用いた電極、金属箔からなる電極が挙げられる。電極合剤層としては、正極活物質以外に、バインダー及び導電助剤を含むものを用いることができる。
電極合剤層を用いた電極としては、電極合剤層のみからなるものであってもよく、集電体、導電層、被覆層等を含む多層構造であってもよい。電極合剤層の形成方法としては、例えば、正極活物質、バインダー及び導電助剤を、有機溶媒又は水でスラリー化して得られる正極合剤スラリーを塗布して乾燥する方法等を挙げることができる。
本発明の電池においては、起電力の大きな電池が得られやすいという観点から、正極が、電極合剤層を用いた電極であることが好ましい。
C1-1.正極活物質
正極活物質は、非水電解質二次電池に使用される公知の正極活物質を用いることができる。正極活物質の具体例としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有ケイ酸塩化合物、リチウム含有遷移金属硫酸化合物等が挙げられる。
上記リチウム含有遷移金属複合酸化物の遷移金属は、本発明の電池の電池特性が良好なものとなるという観点から、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等であることが好ましい。リチウム含有遷移金属複合酸化物の具体例としては、例えば、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部を他の金属(例えば、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等)で置換した化合物等が挙げられる。
主体となる遷移金属原子の一部を他の金属で置換したリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、Li1.1Mn1.8Mg0.1、Li1.1Mn1.85Al0.05、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.80Co0.17Al0.03、LiNi0.80Co0.15Al0.05、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiMn1.8Al0.2、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO-LiMO(M=Co,Ni,Mn)等が挙げられる。
上記リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、本発明の電池の電池特性が良好なものとなるという観点から、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等であることが好ましい。リチウム含有遷移金属リン酸化合物の具体例としては、例えば、LiFePO、LiMFe1-xPO(M=Co、Ni、Mn;0≦x<1)等のリチウム含有リン酸鉄化合物、LiCoPO等のリチウム含有リン酸コバルト化合物、これらのリチウム含有遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等の他の金属で置換したもの、Li(PO等のリチウム含有リン酸バナジウム化合物等が挙げられる。
上記リチウム含有ケイ酸塩化合物としては、例えば、LiFeSiO等が挙げられる。
上記リチウム含有遷移金属硫酸化合物としては、例えば、LiFeSO、LiFeSOF等が挙げられる。
本発明の電池は、正極活物質として硫黄変性有機化合物を用いることができる。上記硫黄変性有機化合物としては、硫黄原子が有機化合物に物理吸着しているか、又は硫黄原子が有機化合物を構成する原子と共有結合を形成しているものが挙げられる。これらの中でも、硫黄原子の一部が有機化合物と共有結合を形成しているものが好ましい。上記有機化合物の具体例としては、例えば、ポリアクリロニトリル化合物、エラストマー化合物、ポリエーテル化合物、ピッチ化合物、多核芳香族環化合物、脂肪族炭化水素酸化物、ポリアセン化合物、ポリアミド化合物、ヘキサクロロブタジエン等が挙げられる。
硫黄変性有機化合物の製造方法としては、公知の製造方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、硫黄と有機化合物とを混合し、非酸化性雰囲気下、250℃~600℃で加熱することで硫黄変性有機化合物を製造することができる。原料としての有機化合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記硫黄変性有機化合物の具体例としては、例えば、硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物、硫黄変性エラストマー化合物、硫黄変性ポリエーテル化合物、硫黄変性ピッチ化合物、硫黄変性多核芳香環化合物、硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物、ポリチエノアセン化合物、硫黄変性ポリアミド化合物、ポリ硫化カーボン等が挙げられる。本発明においては、充放電容量の大きな電極が得られやすいという観点から、硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物が好ましい。より大きな充放電容量を得る観点から、硫黄変性有機化合物に含まれる硫黄の含有量は、25質量%~70質量%であることが好ましい。硫黄変性有機化合物に含まれる硫黄の含有量は、例えば、硫黄及び酸素が分析可能なCHN分析装置(例えば、エレメンター社Virio Microcube等)を用いた元素分析により測定することができる。
硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物を構成する有機化合物としてのポリアクリロニトリル化合物は、アクリロニトリルのホモポリマーであってもよいし、アクリロニトリルと他のモノマーとのコポリマーであってもよい。ポリアクリロニトリル化合物におけるアクリロニトリルの含有量が少な過ぎると電池性能が低くなる。アクリロニトリルの含有量が十分であると、炭化が比較的容易であり、ポリアクリロニトリル化合物の炭化物が比較的高い導電性を示す。アクリロニトリルと他のモノマーとのコポリマーにおけるアクリロニトリルの含有量は少なくとも90質量%であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、ポリアクリロニトリルのホモポリマーであることが更により好ましい。アクリロニトリルの含有量を上述の範囲にすることで、非水電解質二次電池の高容量化を図ることができる。
上記アクリロニトリルと他のモノマーとのコポリマーにおける、他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、酢酸ビニル、N-ビニルホルムアミド、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)が挙げられる。硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、25質量%~80質量%であることが好ましく、25質量%~70質量%であることがより好ましい。硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物の製造方法としては、硫黄とポリアクリロニトリルとを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、250℃~600℃の温度範囲で行うことが好ましい。
上記硫黄変性エラストマー化合物を構成する有機化合物としてのゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムは1種を単独で使用することができ、2種以上を組合せて使用することができる。ゴムは、加硫ゴムであってもよく、加硫前のゴムであってもよい。硫黄変性エラストマー化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、35質量%~75質量%であることが好ましく、40質量%~70質量%であることがより好ましい。硫黄変性エラストマー化合物の製造方法としては、硫黄とゴムとを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、250℃~550℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記硫黄変性ポリエーテル化合物を構成する有機化合物としてのポリエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリエーテル化合物は、末端がアルキルエーテル基、アルキルフェニルエーテル基、アシル基であってもよく、グリセリン、ソルビトール等のポリオールのエチレンオキシド付加物であってもよい。ポリエーテル化合物の重量平均分子量は、通常は100~20,000であり、150~10,000であることが好ましく、200~8,000であることがより好ましい。ポリエーテル化合物の重量平均分子量を上述の範囲にすることで、取り扱いやすくなる。本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
未反応の単体硫黄は二次電池のサイクル特性を低下させる要因となるため、例えば、加熱や溶媒洗浄等により硫黄変性ポリエーテル化合物から除去することが好ましい。硫黄変性ポリエーテル化合物の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、30質量%~75質量%であることが好ましく、40質量%~70質量%であることがより好ましい。
上記硫黄変性ピッチ化合物を構成する有機化合物としてのピッチ類としては、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ、メソフェーズピッチ、アスファルト、コールタール、コールタールピッチ、縮合多環芳香族炭化水素化合物の重縮合で得られる有機合成ピッチ、ヘテロ原子含有縮合多環芳香族炭化水素化合物の重縮合で得られる有機合成ピッチ等が挙げられる。ピッチ類は様々な化合物の混合物であり、縮合多環芳香族を含む。ピッチ類に含まれる縮合多環芳香族は、単一種であってもよいし、複数種であってもよい。この縮合多環芳香族は、環の中に、炭素及び水素以外に、窒素原子や硫黄原子を含んでいる場合がある。硫黄変性ピッチ化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、20質量%~75質量%であることが好ましく、25質量%~70質量%であることがより好ましい。硫黄変性ピッチ化合物の製造方法としては、硫黄とピッチ類とを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、300℃~500℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記硫黄変性多核芳香環化合物を構成する有機化合物としての多環芳香環化合物としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、クリセン、ピセン、ピレン、ベンゾピレン、ペリレン、コロネン等のベンゼン系芳香環化合物、ベンゼン系芳香環化合物の一部が5員環となった芳香族環化合物、又はこれらの炭素原子の一部が硫黄、酸素、窒素等に置き換わったヘテロ原子含有複素芳香環化合物が挙げられる。更に、これらの多核芳香環化合物は、炭素原子数1~12の鎖状、又は分岐状アルキル基、アルコキシル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミノカルボニル基、アミノチオ基、メルカプトチオカルボニルアミノ基、カルボキシアルキルカルボニル基等の置換基を有してもよい。硫黄変性多核芳香環化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、35質量%~75質量%であることが好ましく、40質量%~70質量%であることがより好ましい。硫黄変性多核芳香環化合物の製造方法としては、硫黄とピッチ類とを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、250℃~550℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物を構成する有機化合物としての脂肪族炭化水素酸化物としては、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族アルデヒド、脂肪族ケトン、脂肪族エポキシド、脂肪酸等の脂肪族炭化水素酸化物等が挙げられる。硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、40質量%~80質量%であることが好ましく、45質量%~75質量%であることがより好ましい。硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物の製造方法としては、硫黄と脂肪族炭化水素酸化物とを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、300℃~500℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記ポリチエノアセン化合物は、下記一般式(4)で表される、硫黄を含むポリチエノアセン構造を有する化合物である。
Figure 2023070237000013
上記ポリチエノアセン化合物を構成する有機化合物としては、ポリエチレン等の直鎖構造を有する脂肪族のポリマー化合物や、ポリチオフェン等のチオフェン構造を有するポリマー化合物等が挙げられる。ポリチエノアセン化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、25質量%~85質量%であることが好ましく、30質量%~80質量%であることがより好ましい。ポリチエノアセン化合物の製造方法としては、硫黄と脂肪族のポリマー化合物若しくはチオフェン構造を有するポリマー化合物とを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、300℃~600℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記硫黄変性ポリアミド化合物を構成する有機化合物としては、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格を有する有機化合物であり、具体的には、アミノカルボン酸化合物、ポリアミン化合物とポリカルボン酸化合物とを反応させたものが挙げられる。硫黄変性ポリアミド化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、35質量%~75質量%であることが好ましく、40質量%~70質量%であることがより好ましい。硫黄変性ポリアミド化合物の製造方法としては、硫黄とアミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格を有する有機化合物とを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、250℃~600℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
上記ポリ硫化カーボンは、一般式(CS(xは0.5~2であり、nは4以上の数である)で表される化合物である。ポリ硫化カーボンを構成する有機化合物としては、例えば、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物と単体硫黄との複合体に、ヘキサクロロブタジエン等のハロゲン化不飽和炭化水素を反応させたものが挙げられる。ポリ硫化カーボン化合物中の硫黄含有量は、大きな充放電容量が得られるという観点から、60質量%~80質量%であることが好ましく、65質量%~75質量%であることがより好ましい。ポリ硫化カーボンの製造方法としては、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物と単体硫黄との複合体に、ヘキサクロロブタジエン等のハロゲン化不飽和炭化水素を反応させたものを加熱処理する方法を用いることができる。このような加熱処理は、非酸化性雰囲気下、300℃~450℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が5体積%未満である雰囲気、好ましくは酸素濃度が2体積%未満である雰囲気、より好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や、硫黄ガス雰囲気を表す。
これらの硫黄変性有機化合物の中でも、大きな充放電容量と安定したサイクル特性が得られるという観点から、硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物、硫黄変性エラストマー化合物及び硫黄変性ポリエーテル化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、本発明の効果がより顕著となるという観点から、硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物が最も好ましい。
また、正極活物質として、硫黄-炭素複合体を用いることができる。硫黄-炭素複合体とは、多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を含有したものであり、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る、二次電池の電極活物質として使用可能なものをいう。多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を担持した硫黄-炭素複合体の硫黄含有量は、少なすぎると充放電容量が大きくならず、多すぎると電子伝導性が低下する。そのため、硫黄-炭素複合体の硫黄含有量は、25質量%~80質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましい。多孔性炭素の細孔内に単体硫黄を担持させる方法は、公知の方法を採用することができる。
本発明の電池において、正極活物質の形状は、特に限定されないが、例えば、球状、多面体状、繊維状、棒状、板状、鱗片状、又は無定形状であり、これらは中空状であってもよい。これらの中でも、正極合剤スラリーによる塗膜を均一に形成しやすいことから、球状又は多面体状が好ましい。
正極活物質の平均粒子径(D50)は、小さ過ぎると粉体を取り扱う上で作業が難しくなり、大き過ぎると電極の均一性・平滑性が低下する。そのため、正極活物質の平均粒子径(D50)は、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることが更により好ましい。また、正極活物質の平均粒子径(D50)は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更により好ましい。正極活物質の平均粒子径(D50)を上述の範囲にすることで、安定して駆動する正極を製造することができる。
正極の電極合剤層(以下、「正極合剤層」ということもある。)における正極活物質の配合量は、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更により好ましい。また、正極合剤層における正極活物質の配合量は、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更により好ましい。正極活物質の配合量を上述の範囲にすることで、本発明の効果がより顕著となる。
C1-2.バインダー
正極合剤層に用いるバインダーは、正極活物質を集電体に保持したり、正極活物質同士を結合したりする機能を有するものが挙げられる。本発明の電池は、非水電解質二次電池に使用される公知のバインダーを用いることができる。バインダーの具体例としては、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スチレン-イソプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、アクリル酸、ポリアクリル酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースナノファイバー、デンプン等が挙げられる。バインダーは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。これらの中でも、環境負荷が低く、正極活物質が正極から電解質へ流出するのを抑制しやすいという観点から、水系バインダーが好ましく、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びポリアクリル酸がより好ましい。
正極合剤層におけるバインダーの配合量は、正極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更により好ましい。また、正極合剤層におけるバインダーの配合量は、正極活物質100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更により好ましい。バインダーの配合量を上述の範囲にすることで、充放電の繰返しにおける電極の安定性が良好になる。
C1-3.導電助剤
正極合剤層に用いる導電助剤は、正極の導電性を向上させるものであればよく、非水電解質二次電池に使用される公知の導電助剤を用いることができる。導電助剤の具体例としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コールタールピッチ、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、剥片化黒鉛、グラフェン、フラーレン、ニードルコークス等の炭素材料;アルミニウム粉、ニッケル粉、チタン粉等の金属粉末;酸化亜鉛、酸化チタン等の導電性金属酸化物;La、Sm、Ce、TiS等の硫化物が挙げられる。導電助剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
導電助剤の平均粒子径(D50)は、0.0001μm以上であることが好ましく、0.0005μm以上であることがより好ましく、0.001μm以上であることが更により好ましい。また、導電助剤の平均粒子径(D50)は、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更により好ましい。導電助剤の平均粒子径(D50)を上述の範囲にすることで、導電性が良好であり且つ表面が滑らかな正極合剤層が得られやすくなる。
正極合剤層における導電助剤の配合量は、正極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更により好ましい。また、正極合剤層における導電助剤の配合量は、正極活物質100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更により好ましい。導電助剤の配合量を上述の範囲にすることで、導電性が良好であり且つ表面が滑らかな正極合剤層が得られやすくなる。
C1-4.有機溶媒
正極活物質を含む正極合剤スラリーを塗布して正極合剤層を形成する場合、正極合剤スラリーは有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒としては、非水電解質二次電池に使用される公知の有機溶媒を用いることができるが、正極活物質を含む正極合剤スラリーの粘度の調整や塗布性を向上させるものであることが好ましい。有機溶媒の具体例としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ニトロメタン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ポリエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。また、正極活物質を含む正極合剤スラリーにおいて、有機溶媒の代わりに水を用いてもよい。
正極活物質を含む正極合剤スラリーにおける有機溶媒の配合量は、正極合剤スラリーを塗布する際に選択する塗布方法にあわせて調整することができる。例えば、ドクターブレード法による塗布の場合、有機溶媒の配合量は、正極合剤スラリー100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更により好ましい。同様に、有機溶媒の配合量は、正極合剤スラリー100質量部に対して、300質量部以下であることが好ましく、200質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることが更により好ましい。有機溶媒の配合量を上述の範囲にすることで、塗布性が良好であり且つ電極合剤層を形成しやすくなる。
C1-5.その他の成分
正極活物質を含む正極合剤スラリーを塗布して正極合剤層を形成する場合、本発明の効果を損なわない範囲で、正極合剤スラリーは、その他の成分を含むことができる。その他の成分としては、例えば、粘度調整剤、補強材、レベリング剤、酸化防止剤、pH調整剤、分散剤等が挙げられる。正極合剤スラリーは、上記その他の成分だけでなく、非水電解質二次電池に使用される公知の成分も含むことができる。正極合剤スラリーにおいて、上記その他の成分及び公知の成分は、公知の配合比率で使用することができる。
上記粘度調整剤は、正極合剤スラリーの粘度を調整させるものが挙げられ、非水電解質二次電池に使用される公知の粘度調整剤を用いることができる。粘度調整剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/115096号に記載の粘度調製剤等が挙げられる。
上記補強材は、電極の強度を向上させたり壊れにくくしたりするものが挙げられ、非水電解質二次電池に使用される公知の補強材を用いることができる。補強材の具体例としては、例えば、フュームドシリカ、フュームドアルミナ等の各種の無機及び有機の球状、板状、棒状、又は繊維状のフィラー等が挙げられる。
上記レベリング剤は、正極活物質を含む組成物の塗布性を向上させるものが挙げられ、非水電解質二次電池に使用される公知のレベリング剤を用いることができる。レベリング剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/115096号に記載のレベリング剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、電極材料の酸化を抑制したり、電極寿命を向上させたりするものが挙げられ、非水電解質二次電池に使用される公知の酸化防止剤を用いることができる。酸化防止剤の具体例としては、例えば、国際公開第2019/172281号に記載のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。
上記pH調整剤は、正極活物質を含む組成物のpHを調整するものが挙げられ、非水電解質二次電池に使用される公知のpH調整剤を用いることができる。pH調整剤の具体例としては、例えば特開2020-140957号公報に記載のpH調整剤等が挙げられる。
C1-6.集電体
集電体は、正極合剤スラリーの被塗布物として用いられ、電極の集電体として公知のものであれば特に制限なく用いることができる。集電体の具体例としては、例えば、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、カーボン、導電性樹脂等の導電材料が挙げられる。集電体の形状としては、箔状、板状、網状、三次元網目状、発泡状、不織布状等が挙げられ、集電体は多孔質、又は無孔のどちらでも構わない。また、これらの導電材料は、密着性や電気特性を改良するために表面処理が施されていてもよい。これらの導電材料の中でも、正極電位での安定性、導電性及び価格の観点から、アルミニウムが好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。集電体の厚みは、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更により好ましい。集電体の厚みは、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが更により好ましい。集電体の厚みを上述の範囲にすることで、本発明の非水電解質二次電池の充放電の容量が大きくなる。本発明の非水電解質二次電池の放電容量が大きくなるという観点から、多孔構造の導電材料を集電体として用いることが好ましい。
多孔質の集電体における孔の直径は、3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更により好ましい。多孔質の集電体における孔の直径は、0.01mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがより好ましく、0.1mm以上であることが更により好ましい。孔の直径を上述の範囲にすることで、本発明の非水電解質二次電池の電池性能が優れたものとなる。
多孔質の集電体における孔の個数は、10cm当たり、1個以上であることが好ましく、10個以上であることがより好ましく、20個以上であることが更により好ましい。孔の個数を上述の範囲にすることで、本発明の非水電解質二次電池の電池性能が優れたものとなる。
C1-7.その他
正極活物質を含む正極合剤スラリーを用いて正極を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、国際公開第2019/064538号に記載の製造方法等が挙げられる。
正極合剤層が、硫黄変性有機化合物及び硫黄-炭素複合体の少なくとも1種を正極活物質として含む場合、硫黄変性有機化合物及び硫黄-炭素複合体の少なくとも1種を含む正極合剤層を有する正極を作製した後、リチウムをプリドープして使用することもできる。プリドープの方法は、公知の方法に従えばよい。例えば、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けた後、電解液の中に放置し電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けプリドープ法によりリチウムを挿入する方法、活物質とリチウム金属とを機械的に衝突させ、リチウムを挿入するメカニカル法等が挙げられるが、これらに限定されるのもではない。
C2.負極
本発明の電池で用いることができる負極は、非水電解質二次電池に使用される公知の負極であれば特に制限されるものではない。負極の具体例としては、例えば、負極活物質を含む電極合剤層を用いた電極、金属箔からなる電極が挙げられる。電極合剤層としては、負極活物質以外に、バインダー及び導電助剤を含む電極合剤層を含むものを用いることができる。
電極合剤層を用いた電極としては、電極合剤層のみからなるものであってもよく、集電体、導電層、被覆層等を含む多層構造であってもよい。電極合剤層の形成方法としては、例えば、正極活物質、バインダー及び導電助剤を、有機溶媒又は水でスラリー化して得られる負極合剤スラリーを塗布して乾燥する方法等を挙げることができる。
本発明の電池においては、起電力の大きな電池が得られやすいという観点から、負極が、電極合剤層を用いた電極であることが好ましい。
C2-1.負極活物質
負極活物質は、非水電解質二次電池に使用される公知の負極活物質を用いることができる。負極活物質の具体例としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、リチウム、リチウム合金、珪素、珪素合金、酸化珪素、スズ、スズ合金、酸化スズ、リン、ゲルマニウム、インジウム、酸化銅、硫化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化亜鉛の他、LiVO、LiVO、LiTi12、チタンニオブ系酸化物等の複合酸化物等が挙げられる。負極活物質は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極活物質として、上記「C1-1.正極活物質」で説明した硫黄変性有機化合物及び硫黄-炭素複合体を用いることもできる。
負極活物質の平均粒子径(D50)は、大き過ぎると均一で平滑な電極合剤層が得られない場合があり、小さ過ぎるとスラリー化工程でのハンドリング性が低下する。そのため、負極活物質の平均粒子径(D50)は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが更により好ましい。負極活物質の平均粒子径(D50)は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更により好ましい。負極活物質の平均粒子径(D50)を上述の範囲にすることで、安定して駆動する負極を製造することができる。
負極活物質は、粉砕等の方法により所望の粒子径とすることができる。粉砕は、気体中で行う乾式粉砕でも、水等の液体中で行う湿式粉砕でもよい。工業的な粉砕方法としては、例えば、ボールミル、ローラーミル、ターボミル、ジェットミル、サイクロンミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。
負極の電極合剤層(以下、「負極合剤層」ということもある。)における負極活物質の配合量は、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更により好ましい。また、負極合剤層における負極活物質の配合量は、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更により好ましい。負極活物質の配合量を上述の範囲にすることで、本発明の非水電解質二次電池の充放電容量が大きくなる。
C2-2.バインダー
負極合剤層に用いるバインダーは、非水電解質二次電池に使用される公知のバインダーであれば特に制限されるものではない。バインダーの具体例としては、正極に用いるバインダーと同様のものが挙げられる。バインダーは、1種のみを使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
負極合剤層におけるバインダーの配合量は、負極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更により好ましい。また、負極合剤層におけるバインダーの配合量は、負極活物質100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更により好ましい。バインダーの配合量を上述の範囲にすることで、充放電の繰返しにおける電極の安定性が良好になる。
C2-3.導電助剤
負極合剤層に用いる導電助剤は、負極の導電性を向上させるものであればよく、非水電解質二次電池に使用される公知の導電助剤を用いることができる。導電助剤の具体例としては、正極合剤層に用いる導電助剤と同様のものが挙げられる。導電助剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
負極合剤層における導電助剤の配合量は、負極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更により好ましい。また、負極合剤層における導電助剤の配合量は、負極活物質100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更により好ましい。導電助剤の配合量を上述の範囲にすることで、導電性が良好であり且つ表面が滑らかな負極合剤層が得られやすくなる。
C2-4.有機溶媒
負極活物質を含む負極合剤スラリーを塗布して負極合剤層を形成する場合、負極合剤スラリーは有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒としては、非水電解質二次電池に使用される公知の有機溶媒であれば特に制限するものではない。有機溶媒の具体例としては、上述した正極活物質を含む正極合剤スラリーに用いることができる有機溶媒と同様のものが挙げられる。また、負極活物質を含む負極合剤スラリーにおいて、有機溶媒の代わりに水を用いてもよい。有機溶媒の配合量は、正極活物質を含む正極合剤スラリーにおける有機溶媒の配合量と同様とすることができる。
C2-5.その他の成分
負極活物質を含む負極合剤スラリーを塗布して負極合剤層を形成する場合、本発明の効果を損なわない範囲で、負極合剤スラリーは、その他の成分を含むことができる。その他の成分としては、正極活物質を含む正極合剤スラリーにおいて説明したその他の成分と同様のものが挙げられる。
C2-6.集電体
負極の集電体としては、正極に用いられる集電体と同様のものを用いることができる。
C2-7.その他
負極活物質を含む負極合剤スラリーを用いて負極を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、正極活物質を含む正極合剤スラリーを用いて正極を製造する方法と同様の方法とすることができる。
負極活物質が、リチウム、リチウム合金、スズ、スズ合金等の金属又は金属合金である場合、金属又は合金を、例えば板状、シート状、又はフィルム状等の形態で負極として使用することもできる。この場合、バインダーや導電助剤、溶媒は不要である。また、上記金属又は金属合金を負極活物質として用いる場合、負極活物質自体の電子伝導性が高いため集電体を使用しなくてもよいが、電池の構成の都合によっては、負極活物質と合金を形成しない金属材料を集電体として使用することもできる。
C3.セパレータ
本発明の電池は、正極と負極との間にセパレータが介在していることが好ましい。セパレータとしては、非水電解質二次電池に使用される公知のセパレータであれば特に制限されるものではない。セパレータの具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、アルミナやシリカ等のセラミック材料、酸化マグネシウム、アラミド樹脂、ポリフッ化ビニリデンでコートされていてもよい。
セパレータとして用いるフィルムは、単層で用いてもよいし、フィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。本発明の電池においてセパレータとして用いるフィルムとしては、比較的安価な材料であるという観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン又はポリスルホンからなるものが好ましい。
セパレータとして用いるフィルムは、電解質が浸み込んでイオンが透過し易いように、微多孔化されたものが好ましい。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、更に延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられる。これらの微多孔化の方法は、フィルムの種類等に応じて適宜選択される。
C4.外部包装
本発明の電池の形状は、特に制限がなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート型電池等、種々の形状の電池とすることができ、外部包装部材として金属製容器又はラミネートフィルムを用いることができる。外部包装部材の厚さは、通常0.5mm以下であり、好ましくは0.3mm以下である。外部包装部材の形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等が挙げられる。
金属製容器としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、又はアルミニウム合金等から形成したものが挙げられる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金において、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量を1質量%以下にすることで、高温環境下での長期信頼性及び放熱性を飛躍的に向上させることができる。
ラミネートフィルムは、樹脂フィルム間に金属層を有する多層フィルムを用いることができる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂フィルムは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材を形成することができる。
C5.その他
その他の構成要素については、例えば、端子、絶縁板、リード板、過電流防止素子等の部品が挙げられ、それらは公知の非水電解質二次電池の構成要素を適宜採用することができる。
C6.電池の用途
本発明の電池の用途としては、例えば、スマートフォン、携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ等の携帯電子機器等の電源、ハイブリッド自動車又は電気自動車用の駆動電源、再生エネルギーの蓄電電池等が挙げられる。
図1は、本発明の電池のコイン型非水電解質二次電池の一例を、図2及び図3は円筒型非水電解質二次電池の一例を、図4~図6はラミネート型非水電解質二次電池の一例をそれぞれ示したものである。
図1に示すコイン型非水電解質二次電池10において、1はリチウムイオンを放出できる正極合剤層、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる負極合剤層、2aは負極集電体、3は非水電解質、4はステンレス製の外部包装の正極ケース、5はステンレス製の外部包装の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
なお、この例においては、正極が、正極合材層1及び正極集電体1aを含むものであり、負極が、負極合材層2及び負極集電体2aを含む例を示すものである。
図2及び図3に示す円筒型非水電解質二次電池10’において、11は負極合剤層、12は負極集電体、13は正極合剤層、14は正極集電体、15は非水電解質、16はセパレータ、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23は外部包装のケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
なお、この例においては、正極が、正極合材層13及び正極集電体14を含むものであり、負極が、負極合材層11及び負極集電体12を含む例を示すものである。
図4は、ラミネート型非水電解質二次電池28の電極群29を模式的に示す分解斜視図である。後述の実施例では、ラミネート型非水電解質二次電池を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。電極群29は、例えば、シート状の負極合剤層11と、シート状の正極合剤層13と、負極合剤層11及び正極合剤層13を仕切るシート状のセパレータ16を交互に積層した構造を有する。17は正極端子、18は負極端子である。
なお、この例においては、正極が、正極合材層13を含むものであり、負極が、負極合材層11を含む例を示すものである。
図5は、ラミネート型非水電解質二次電池28を模式的に示す分解斜視図であり、図6は、ラミネート型非水電解質二次電池28を模式的に示す外観平面図である。17は正極端子、18は負極端子、29は電極群、30は外部包装のケース側ラミネートフィルム、31は外部包装のふた側ラミネートフィルムである。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
〔非水電解質に添加する化合物〕
化合物1-1:4-(メチルスルホニル)モルホリン
化合物1-2:2,6-ジメチル-4-(メチルスルホニル)モルホリン
化合物2-1:エチル-α-メチル-2,4-ジオキソ-3-チアゾリジンアセテート
化合物3-1:シアノ酢酸シクロヘキシル
比較化合物1:1,3-プロパンスルトン
〔非水電解質の調製〕
25℃の条件下、エチレンカーボネート36質量%、エチルメチルカーボネート64質量%、及びLiPFを1.0mol/Lの濃度で含有する混合溶媒に、上記化合物1-1、化合物1-2、化合物2-1、化合物3-1及び比較化合物1のいずれかを下記表1に示す濃度になるように添加し、実施例1~8及び比較例2~3の非水電解質を調製した。上記化合物のいずれも添加しない非水電解質を比較例1とした。なお、表中の( )の質量%は、非水電解質に対して添加した化合物の量を示す。
〔正極の作製〕
正極合剤層を形成する材料として、正極活物質としてLiNi8/10CO1/10Mn1/10O 290質量部、導電助剤としてアセチレンブラック 5質量部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF) 5質量部を混合した後、N-メチル-2-ピロリドン(NMP) 140質量部に分散させて正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーをアルミニウム製の集電体上に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、これを所定の大きさにカットして円盤状の正極を作製した。
〔負極の作製〕
負極合剤層を形成する材料として、負極活物質として人造黒鉛97.0質量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1.5質量部、及び粘度調整剤としてカルボキシメチルセルロース1.5質量部を混合し、水120質量部に分散させて負極合剤スラリーを調製した。この負極合剤スラリーを銅製の集電体上に塗布し、乾燥後、プレス成型した。その後、これを所定の大きさにカットして円盤状の負極を作製した。
〔電池の組み立て〕
厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを正極及び負極で挟み、ケース内に保持した。非水電解質として、表1に記載の実施例1~8及び比較例1~3の非水電解質のいずれかをケース内に注入し、ケースを密閉・封止して非水電解質二次電池(φ20mm、厚さ3.2mmのコイン型)を作製した。
〔サイクル特性試験〕
非水電解質二次電池を、25℃の恒温槽内に入れ、充電電流0.3mA/cm(0.2C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で4.2Vまで定電流充電し、放電電流1.5mA/cmで2.75Vまで定電流放電を行うサイクルを5回繰り返し、電池の安定化を行った。
安定化後の非水電解質二次電池を、45℃の恒温槽内に入れ、充電電流1.5mA/cm(1C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で4.2Vまで定電流充電し、放電電流1.5mA/cmで2.75Vまで定電流放電を行うサイクルを200回繰り返して行った。
1回目の充放電における放電容量に対する、200回目の充放電における放電容量の比(%)を放電容量比として求めた。結果を表1に示す。放電容量比(%)の値が大きいほど、充放電を繰り返しても充電容量の低下が少なく、サイクル特性に優れることを示す。
Figure 2023070237000014
表1より、一般式(1)~(3)で表される化合物を添加した実施例1~8の非水電解質を用いた非水電解質二次電池は、比較例1~3の非水電解質を用いた非水電解質二次電池に比べて、放電容量比が高く、優れたサイクル特性を示すことが確認された。
1 正極合剤層
1a 正極集電体
2 負極合剤層
2a 負極集電体
3 非水電解質
4 外部包装の正極ケース
5 外部包装の負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型非水電解質二次電池
10’円筒型非水電解質二次電池
11 負極合剤層
12 負極集電体
13 正極合剤層
14 正極集電体
15 非水電解質
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極板
22 正極リード
23 外部包装のケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子
28 ラミネート型非水電解質二次電池
29 電極群
30 外部包装のケース側ラミネートフィルム
31 外部包装のふた側ラミネートフィルム

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、電池用添加剤。
    Figure 2023070237000015
    (式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2が、互いに連結して環を形成してもよい。)
    Figure 2023070237000016
    (式(2)中、RB1は、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、XB1及びXB2は、各々独立して、-CH-、-O-、-NH-又は-S-を表すが、少なくとも一方は、-CH-ではない。)
    Figure 2023070237000017
    (式(3)中、RC1は、炭素原子数3~9のシクロアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)において、RA1とRA2とが連結してモルホリン環、チアモルホリン環又はイミダゾール環を形成しており、RA3が、炭素原子数1~3の脂肪族炭化水素基である化合物を含む請求項1に記載の電池用添加剤。
  3. 下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、非水電解質。
    Figure 2023070237000018
    (式(1)中、RA1、RA2及びRA3は、各々独立して、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、RA1とRA2が、互いに連結して環を形成してもよい。)
    Figure 2023070237000019
    (式(2)中、RB1は、炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有する炭化水素基、又は炭素原子数1~11の無置換若しくは置換基を有するヘテロ原子含有炭化水素基を表し、XB1及びXB2は、各々独立して、-CH-、-O-、-NH-又は-S-を表すが、少なくとも一方は、-CH-ではない。)
    Figure 2023070237000020
    (式(3)中、RC1は、炭素原子数3~9のシクロアルキル基を表す。)
  4. 有機溶媒を更に含有する請求項3に記載の非水電解質。
  5. 電解質を更に含有する請求項3又は4に記載の非水電解質。
  6. 正極と、負極と、請求項3~5の何れか一項に記載の非水電解質とを含む非水電解質二次電池。
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