JP2023069191A - カートリッジインジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】二段的な延伸動作を行うことが可能な外部アクチュエータによって操作され得る、カートリッジインジェクタを提供する。【解決手段】カートリッジインジェクタ(400)は、中空の筐体(410)と、カテーテル(420)と、第1の可動体(430)と、第2の可動体(460)とを備える。筐体(410)は、前側に開口を持つ先端部を有する。カテーテル(420)は、筐体内に設けられ、先端部に対して突出/退避可能である。第1の可動体(430)は、筐体内で、カテーテルの後端部分を保持し、筐体の第1の内壁に対して摺動可能で、カテーテルと連通する収容空間を持つ。第2の可動体(460)は、第1の可動体内に配置され、第1の可動体の第2の内壁に対して摺動可能で、収容空間を収縮することが可能である。【選択図】図4
Description
本発明はカートリッジインジェクタに関し、特に注射装置のようなインジェクタモジュールに用いられるカートリッジインジェクタに関する。
従来から種々の医療用ロボット装置が開発されている。特に、昨今、全世界で蔓延している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を予防するために、ワクチン接種を行うことが推奨されている。このようなワクチン接種は、所定のワクチン接種会場において、注射器を用いて多数の人に対して順次に行われる。したがって、このようなワクチン接種を人の手を介さずに自動で執り行えるロボット装置が望まれている。周知のように、このワクチン接種では、筋肉注射が行われる。ここで、「筋肉注射」とは、ワクチンなどの医薬品を皮下脂肪の奥にある筋肉に直接注射する方法のことを指す。
例えば、特許文献1は、ワクチン接種計画に使用することができる、使い捨て注射器を開示している。使い捨て注射器は、筐体と、押し棒本体と、薬剤室と、注射針と、注射移動手段(付勢手段)と、を備える。筐体は、遠位端から近位端まで延びる軸、および注射部位に当接する近位皮膚接触壁を有する。接触壁には注射針を受ける開口が設けられている。押し棒本体は、近位方向に皮膚接触壁の方を向いた加圧面を有し、第1の近位位置と第1の遠位位置の間を移動するように配置されている。押し棒本体は、筐体内の第1の遠位位置と中間位置と第1の近位位置の間を軸方向に移動することができる。薬剤室は、加圧面と近位皮膚接触壁の間に配置されている。薬剤室は、軸方向に移動することができ、押し棒本体を近位端の方に移動させることによって非軸方向に押圧される。注射針は、薬剤室に取り付けられ、第3の遠位位置と第3の近位位置の間を軸方向に移動するように配置されている。注射移動手段(付勢手段)は、押し棒本体を第1の遠位位置から第1の近位位置まで移動させるよう構成されている。
上記使い捨て注射器において、押し棒本体、薬剤室、および注射針は、押し棒本体が第1の遠位位置から中間位置まで移動し、注射針が第3の遠位位置から第3の近位位置まで移動したところで、注射針の近位端が遠位方向に皮膚接触壁から突き出し、押し棒本体が第1の近位位置まで移動したところで、薬剤室中の液体の少なくとも一部が注射針の近位端から押し出されるように、薬剤室が押圧され、注射針が第3の近位位置から第3の遠位位置まで移動する。
しかしながら、このような構成の使い捨て注射器では、使用者(医療従事者)が、付勢手段の付勢力に抗して、押し棒本体を第1の近位位置から第1の遠位位置まで後退させる必要がある。すなわち、この使い捨て注射器は、人の手を介することが必須であるので、自動で執り行えるロボット装置に組み込むための注射装置として使用するには向いていない。
また、特許文献2は、注射可能な薬剤のボーラス(bolus)の急速放出のための自動注射器を開示している。この自動注射器は、小さい外側寸法を持ち、クレジットカードに近似する、概略平坦な密封した筐体を持つ。平坦な筐体内に含まれるように構成された、注射器は、薬剤であらかじめ満たされている。筐体は、トリガされたとき、自動的に注射器と針を注射位置に前方へ動かして、注射器の容積を圧縮して急速注射を引き起こす、機構を含む。装置の前方注射の端にアクチュエータを含み、そのアクチュエータは、針を常に隠して保護し、注射後の危険を防止する。装置の平坦面は、グラフ記号と、装置の動作および条件に関連する他の可視目印と、を持つ。この装置は、簡単な3ステップの動作を可能として、誤った使用のリスクを減少する。
上記自動注射器において、筐体は、カバーと剥離可能な細長いストリップとに相互に作用する。装置は、アクチュエータアセンブリと注射器キャリアアセンブリとを含む。アクチュエータアセンブリは、概略平坦な針シールドと、そのシールドから後方に延在する一対のアームとを含む。アクチュエータアセンブリは、一対の解放可能なアームロックによって引っ込み位置に保持されている。アクチュエータアセンブリは、一対の長手方向に配置された側圧縮ばねによって前方方向に付勢されている。注射器は、平坦な構成をしており、カップ状容器を備える平坦なピストン型装置によって規定されている。カップ状容器の開放端は、注射針を運ぶピストンを受ける。ピストンの前方端は針キャリアを含み、それによって、注射針は、隔壁と空間を位置合わせして保持される。針キャリアは、長手方向に折りたたみ可能な、前方に延在する、じゃばら状のサポートを含む。針は、針サポート内に、針の一部と共に埋め込まれたアンカに固定されている。注射器アセンブリは、注射器圧縮ばね(駆動ばね)によって付勢されている。針が意図した深さに組織を貫通すると、針サポートは、針シールドの後方面上につく。もどり止め開口が、開口の後方でアームの各々に形成されている。
このような構成の自動注射器は、次のように動作する。剥離可能な細長いストリップとカバーを除いた後、アクチュエータアセンブリの針シールドを患者の皮膚に対して押し付けて、注射器キャリアが、そのラッチ位置から充分な力を持つ駆動ばねの付勢力下で遠心的に駆動されて外され、針を皮膚に突き通して、意図した深さに組織を貫通する。針サポートが後方面に接すると、針の鋭い前方端が意図した深さに患者の組織を貫通する。駆動ばねの連続する付勢力は、そのとき静止したピストン上で注射器キャリアと容器とを前方へ進め、注射器内の容積を折りたたみ、患者に注射されるように薬剤のボーラス(bolus)を引き起こす。注射器の容積の圧縮が終わると、注射が終わる。注射のストロークがその終わりに近づくと、アームロックがはずされる。アクチュエータアセンブリアームが自由になるので、装置が引っ込められるように、アクチュエータアセンブリは、側ばねの付勢力の下で、相対的に筐体の前方へ進む。針シールドは、針の前方端を覆いかつ保護するために延在し、アームロックが後方開口に落とされて、アクチュエータアセンブリと針シールドとを遠心的に延在された針保護構成にロックする。針シールドがその遠心的にロックされた位置に延在すると、シールドの平坦な面上の生物災害の目印が、それらの警告機能をするために、顕著に露出される。
しかしながら、このような構成の自動注射器は、医療従事者が使用するものではなく、患者自身が個別に使用するための注射器である。したがって、そのような自動注射器は、前述したようなワクチン接種会場において用いられる、ワクチン接種用の注射器として使用することを想定していない。また、その内部にアクチュエータを含むので、自動注射器は、非常に複雑な構成をしている。よって、上記ロボット装置に組み込む注射装置としては、注射器それ自体の構成を簡略化すると共に、注射器とは別体に外部に設けたアクチュエータ(以下、「外部アクチュエータ」と呼ぶ)を用いるようにした構成が望ましい。
そのような外部アクチュエータとしては、種々のものが考えられるが、例えば、リニアモータを使用することが可能である。リニアモータには様々なタイプのものがあるが、大きな駆動力を必要としない場合には、永久磁石とコイルとの組み合わせで構成されることが多い。また、周知のように、リニアモータは、「ムービングマグネット型リニアモータ」と「ムービングコイル型リニアモータ」との2種類に大別される。
ムービングマグネット型リニアモータでは、可動子として永久磁石を含み、固定子としてコイル(励磁コイル)を含む(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。
一方、ムービングコイル型リニアモータでは、可動子としてコイル(電機子コイル)を含み、固定子として永久磁石を含む(例えば、特許文献8、特許文献9)。
ムービングマグネット型リニアモータおよびムービングコイル型リニアモータのいずれのリニアモータにしても、その動作原理は、永久磁石から発生する磁束とコイルに流れる電流との間の相互作用(いわゆる、フレミングの左手規則)により発生する推力を利用するものである。換言すれば、いずれの周知のリニアモータも、1つの固定子と、この固定子に対して中心軸に沿って移動自在に配置された1つの可動子とから成る。
しかしながら、上述したような周知のリニアモータを、注射器の外部に設けた外部アクチュエータとして使用しようとした場合、次に述べるような問題がある。
詳述すると、上述した周知のリニアモータでは、1つの可動子を固定子に対して中心軸に沿って移動させることしかできない。すなわち、1つの可動子に関連付けられた(連結されたまたは当接した)1つの被駆動体のみを、中心軸に沿って移動させるだけである。換言すれば、周知のリニアモータは、1つの被駆動体のみを移動させる、単純な延伸動作しか行えない。
一方、上述した筋肉注射を行おうとした場合、外部アクチュエータを使用して、少なくとも次に述べる3つのステップ(第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ)の動作を、注射器にさせる必要がある。第1のステップは、注射器の筐体の前面から注射針を突出させて注射針の先端を人の筋肉に到達させるステップ(以下、「注射針突出ステップ」と呼ぶ。)である。第2のステップは、注射針の先端から薬液を筋肉内に押し出すステップ(以下、「薬液押出ステップ」と呼ぶ)である。第3のステップは、突出した注射針を注射器の筐体内に退避させるステップ(以下、「注射針退避ステップ」と呼ぶ)である。すなわち、注射器用の外部アクチュエータとしては、注射針のみを移動させるための第1の被駆動体と、薬液を押し出すための第2の被駆動体との、少なくも異なる2つの被駆動体を移動させる必要がある。換言すれば、注射器用の外部アクチュエータとして、少なくとも二段的な延伸動作を行えるリニアモータが必要である。
たとえ二段的な延伸動作を行うことが可能な外部アクチュエータが開発されたとしても、そのような外部アクチュエータによって操作され得る簡易型注射器(カートリッジインジェクタ)が必要となる。しかしながら、そのような簡易型注射器(カートリッジインジェクタ)は知られていない。
本発明の課題は、二段的な延伸動作を行うことが可能な外部アクチュエータによって操作され得る、カートリッジインジェクタを提供することにある。
本発明の一態様によれば、中心軸に沿って延在した第1の内壁を持つ中空の筐体であって、第1の方向の前側に先細った形状をした、開口を持つ先端部を有する、筐体と;筐体内で、第1の方向側で中心軸に沿って延在して設けられたカテーテルであって、先端部に対して突出/退避可能で、第1の方向とは逆方向である第2の方向側に後端部分を有する、カテーテルと;筐体内で、カテーテルの後端部分を保持する第1の可動体であって、筐体内に、中心軸に沿って筐体の第1の内壁に対して摺動しながら第1の方向および第2の方向に移動可能に配置され、カテーテルと連通する柱状の収容空間を形成する第2の内壁を持つ、第1の可動体と;第1の可動体内で、第2の方向側に配置された第2の可動体であって、第1の可動体内に、中心軸に沿って第1の可動体の第2の内壁に対して摺動しながら第1の方向に移動可能に配置され、収容空間を収縮することが可能な、第2の可動体と;を備えたカートリッジインジェクタが提供される。
上記カートリッジインジェクタにおいて、筐体、第1の可動体、および第2の可動体の各々は、中心軸に対して実質的に回転対称な形状をしていてよい。
また、第2の可動体は、中心軸及びその近傍に配置された実質的に円柱形状をしており;第1の可動体は、第2の可動体の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしており;筐体は、第1の可動体の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしていてよい。
上記収容空間は、薬液を収容していてよい。
さらに、上記カテーテルは、斜めにカットされた先端を持つことが好ましい。
上記筐体の先端部の開口は、シリコーンで塞がれていてよい。
上記カートリッジインジェクタは、筒状の第1の操作部と柱状の第2の操作部とを備えた外部アクチュエータによって、その後面から操作され得るように構成されてよい。この場合、第1の可動体と第2の可動体との組み合わせは、第1の操作部によって第1の可動体の後面から第1の方向へ向けて押し出されたときに、筐体に対して中心軸に沿って第1の方向に移動するように構成されており、それによって、カテーテルは、筐体の先端部の開口を介して第1の方向へ突出する。また、第2の可動体は、第2の操作部によって第2の可動体の後面から第1の方向へ向けて押し出されたときに、第1の可動体に対して中心軸に沿って第1の方向に移動するように構成されており、それによって、収容空間が収縮して、薬液がカテーテルを介して先端から外部へ押し出される。このような構成の場合、上記カートリッジインジェクタは、外部アクチュエータの第1の操作部および第2の操作部が、第2の方向へ後退したときに、第1の可動体と第2の可動体との組み合わせを第2の方向へ付勢する付勢手段を更に備えることが好ましい。
上記第1の可動体は、第2の方向の後側に設けられた筒状の後端部であって、第1の内壁と摺接する外周面を持つ、後端部と;第1の方向の前側に設けられた前端部であって、保持部材を介してカーテルの後端部分を保持する、前端部と;後端部と前端部との間に設けられた筒状の中間部であって、第1の内壁の内径よりも小さい外径を持つ、中間部と;から構成されてよい。この場合、後端部と中間部とは、共通に、上記収容空間を形成する第2の内壁を持ち、後端部は、第1の操作部の先端と当接する環状の後端を持つことが好ましい。
上記第2の可動体は、第1の方向の前側に設けられた前方部材であって、第1の可動体の第2の内壁と協働して収容空間を形成する前壁面を持つ、前方部材と;第2の方向の後側に設けられた後方部材であって、第2の操作部の先端と当接する後壁面を持つ、後方部材と;から構成されてよい。
上記カートリッジインジェクタにおいて、上記付勢手段は、筐体の先端部と第1の可動部の後端部との間に前記中心軸に沿って配置されてよい。
本発明に係るカートリッジインジェクタは、二段的な延伸動作を行うことが可能な外部アクチュエータによって、操作され得る。
(本発明が適用される装置の一例)
本発明の理解を容易するために、本発明が適用される装置として、医療用ロボット装置の一種である自動ワクチン接種ロボット装置100について説明する。この自動ワクチン接種ロボット装置100は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症を予防するために自動的にワクチン接種を行うロボット装置である。
本発明の理解を容易するために、本発明が適用される装置として、医療用ロボット装置の一種である自動ワクチン接種ロボット装置100について説明する。この自動ワクチン接種ロボット装置100は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染症を予防するために自動的にワクチン接種を行うロボット装置である。
図1乃至図3は、自動ワクチン接種ロボット装置100の外観を、ワクチン接種される人200と共に示す図である。図1は、自動ワクチン接種ロボット装置100の外観を、斜め右前方から見た斜視図である。図2は、自動ワクチン接種ロボット装置100の外観を、略右側から見た概略右側面図である。図3は、自動ワクチン接種ロボット装置100の外観を、斜め右後方から見た斜視図である。
ここでは、図1乃至図3に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。図1乃至図3に示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸方向は前後方向であり、Y軸方向はX軸方向と直交する左右方向であり、Z軸方向はX軸方向およびY軸方向に直交する上下方向である。よって、X軸方向は前方向X1および後方向X2に延在し、Y軸方向は右方向Y1および左方向Y2に延在し、Z軸方向は上方向Z1および下方向Z2に延在する。尚、本明細書において、前方向X1は、順方向または進行方向とも呼ばれ、前方向X1と逆の方向である後方向X2は、逆方向または後退方向とも呼ばれる。尚、以後の図面でも、上記直交座標系(X,Y,Z)を使用する。また、本明細書において、前方向X1は「第1の方向」とも呼ばれ、後方向X2は「第2の方向」とも呼ばれる。なお、本明細書において、「前」および「後」は、それぞれ、適宜「第1の」および「第2の」と呼び替えてもよい。
図1乃至図3から明らかなように、自動ワクチン接種ロボット装置100の前方向X1の位置(接種位置)で、被接種者である人200が、顔を右方向Y1に向けた状態で、椅子300に腰かけて座っている。換言すれば、図示の例では、自動ワクチン接種ロボット装置100は、人200の左上腕210から筋肉注射によってワクチン接種する装置である。
自動ワクチン接種ロボット装置100は、基台110と、第1乃至第4の腕部121、122、123、および124と、インジェクタモジュール130とを含む。第1乃至第4の腕部121~124は、基台110から上方向Z1へこれらの順に配置されている。インジェクタモジュール130は、第4の腕部124の上端に取り付けられている。図示の例では、基台110は床面上に固定されているが、床面上をX軸方向およびY軸方向に移動可能に構成された、移動基台であってもよい。
基台110は、当該自動ワクチン接種ロボット装置100を制御するためのコントローラ(図示せず)と電源装置(図示せず)とを内蔵している。尚、電源装置を内蔵する代わりに、自動ワクチン接種ロボット装置100は、外部の電源装置から有線または無線で電源供給を受けるように構成されてもよい。また、コントローラは、有線または無線で、外部のコンピュータ(図示せず)と接続されている。コントローラは、コンピュータから当該自動ワクチン接種ロボット装置100を動作させるための種々の指令を受ける。コントローラは、種々の指令に従って、自動ワクチン接種ロボット装置100の動作を制御する。
基台110および第1乃至第4の腕部121~124は、第1乃至第4の関節部141、142、143、および144を介して、連接されている。詳述すると、第1の腕部121の下端は、基台110の上面で、第1の関節部141を介して、回転可能に連結されている。第1の腕部121の上端と第2の腕部122の下端とは、第2の関節部142を介して、第2の関節部142の回転軸の回りで回動自在に、連結されている。第2の腕部122の上端と第3の腕部123の下端とは、第3の関節部143を介して、第3の関節部143の回転軸の回りで回動自在に、連結されている。第3の腕部123の上端と第4の腕部124の下端とは、第4の関節部144を介して、第4の関節部144の回転軸の回りで回動自在に、連結されている。第1乃至第4の関節部141~144は、それぞれ、第1乃至第4のモータ(図示せず)によって駆動される。第1乃至第4のモータは、上記コントローラから送られてくる制御信号に基づいて、それぞれ、第1乃至第4の関節部141~144を回動駆動する。
第4の腕部124の上端に取り付けられたインジェクタモジュール130は、人200に対してワクチンを接種するための注射装置である。すなわち、インジェクタモジュール130は、本自動ワクチン接種ロボット装置100に組み込まれた注射装置として動作する。インジェクタモジュール130は、上記コント―ラから送られてくる操作指令に従って、後述するように人200の左上腕210に対してワクチン接種をする。
インジェクタモジュール130は、後述する外部アクチュエータを覆う第1の筐体131と、外部アクチュエータによって駆動される複数のカートリッジインジェクタ(後述する)を覆う第2の筐体132とを含む。第2の筐体132には、複数のカートリッジインジェクタを装填できるように構成されたマガジン装置(図示せず)が内蔵されている。
詳述すると、第2の筐体132は、待機室(図示せず)と、廃棄室(図示せず)と、操作部(後述する)とを内蔵している。待機室は、初期状態において、複数のカートリッジインジェクタの全てを保持収容している。廃棄室は、使用済みのカートリッジインジェクタを収容するためのものである。マガジン装置は、複数のカートリッジインジェクタを、一つずつ待機室から操作部へ順次に送り込み、その後、使用済みのカートリッジインジェクタを操作部から廃棄室へ退避するように、動作する。マガジン装置は、上記コント―ラから送られてくる装填指令に従って、上述したような装填動作を行う。
一方、操作部に送り込まれたカートリッジインジェクタは、後述するように、外部アクチュエータによって操作され、人200の左上腕210に対してワクチン接種を行うように、動作する。すなわち、操作部に送り込まれたカートリッジインジェクタは、筋肉注射を行なう簡易型の注射器として働く。
引き続いて、図4乃至図6を参照して、上記操作部に送り込まれた、本発明の一実施形態に係るカートリッジインジェクタ400の構成について説明する。図4は、カートリッジインジェクタ400を、斜め右前方から見た斜視断面図である。図5は、カートリッジインジェクタ400を、略右側から見た概略右側断面図である。図6は、カートリッジインジェクタ400を、斜め右後方から見た斜視断面図である。
前述したように、図4乃至図6においても、図1乃至図3において示されたものと同様の直交座標系(X,Y,Z)を使用している。使用する直交座標系(X,Y,Z)については、既に詳述したので、説明を簡略化するために、その説明を省略する。
図4乃至図6から明らかなように、カートリッジインジェクタ400は、前後方向Xに延在する中心軸CAに対して実質的に回転対称な形状をしている。カートリッジインジェクタ400は、中心軸CAに沿って延在する、中空の筐体410を含む。筐体410は、金属製または樹脂製である。筐体410は、後端が開口した、実質的に、第1の内径Di1の第1の内壁411を持つ円筒形をしている。筐体410は、その前方向X1に、先細った形状をした先端部412を持つ。筐体410は、その先端部412に、後述する注射針(カテーテル)420を突出/退避可能とする、直径Daの円柱形状の開口4121を持つ。直径Daは、上記第1の内径Di1より小さい。なお、この先端部412の開口4121は、図示しないシリコーンで塞がれている。したがって、注射針(カテーテル)420は、シリコーンを貫通可能な形状をしている。
注射針(カテーテル)420は、筐体410内で、その前方向X1(第1の方向)側で中心軸CAに沿って延在して設けられている。注射針(カテーテル)420は、実質的に円筒形をしており、その先端421が斜めにカットされている。注射針(カテーテル)420の後端部分422は、第1の可動体430に、保持部材440を介して保持されている。
第1の可動体430は、筐体410内に、中心軸CAに沿って内壁411に対して摺動しながら、前後方向Xに移動可能に配置されている。詳述すると、第1の可動体430は、後方向X2(第1の方向)側の後端部432と、前方向X1(第1の方向)側の前端部434と、後端部432と前端部434との間に配置された中間部436と、から成る。
後端部432は、円筒部と、円筒部から半径方向外側に上方向Z1、下方向Z2、右方向Y1、および左方向Y2に突出する4本の突条部とを有する。4本の突条部は、前後方向Xに延在している。後端部432の4本の突条部の半径方向外側の先端面を周方向に仮想的に接続する外周面は、第1の内径Di1と実質的に等しい外径の外壁4321を形成している。後端部432の円筒部は、第1の内径Di1より小さい第2の内径Di2の内壁4322を持つ。したがって、後端部432の外壁4321が、筐体410の第1の内壁411に対して摺動する。
中間部436は、上記後端部432の円筒部と同形状の円筒形をしている。中間部436は、第1の内径Di1より小さい第1の外径Do1の外壁4361と、第2の内径Di2と等しい内径の内壁4362とを持つ。したがって、後端部432の内壁4322と中間部436の内壁4362とは、同じ第2の内径Di2を持って連続している。また、中間部436の外壁4361と筐体410の内壁411との間には、隙間が空いている。この隙間には、後述するスプリング450の後端部が配置される。
後端部432の内壁4322と中間部436の内壁4362とによって囲まれた、第2の内径Di2の円柱状の空間は、後述する薬液(液剤)を収容するための収容空間ASとして働く。したがって、後端部432の内壁4322と中間部436の内壁4362とは、共通に、収容空間ASを形成するための第2の内壁として作用する。
前端部434は、前方から見て十字型をしている外形を持ち、中央部に円柱状の内壁4342を持つ。前端部434の十字型外形の最も離間して周方向に仮想的に形成された外壁4341間の距離は、第1の外径Do1よりも小さい第2の外径Do2を持つ。また、前端部434の内壁4342は、第2の内径Di2よりも小さい第3の内径Di3を持つ。この前端部434の内壁4342に、上記保持部材440が配置されている。よって、注射針(カテーテル)420の後端部422は、第1の可動体430の前端部434に、保持部材440を介して保持される。ここで、注射針(カテーテル)420の円柱状の内部空間は、上記収容空間ASと連通していることに注意されたい。
したがって、第1の可動体430は、筐体410を第1のシリンダとして、第1のシリンダ内を中心軸CAに沿って前後方向Xに往復運動する、第1のピストンとして働く。第1の可動体430は、後述する外部アクチュエータの第1の可動子(第1の操作部)によって中心軸CAに沿って前方向X1に移動させられる。したがって、第1の可動体430は、注射針(カテーテル)420を中心軸CAに沿って前方向X1へ移動させる第1の被駆動体として働く。
尚、図4乃至図6に図示したカートリッジインジェクタ400は、初期状態を示している。筐体410は、その後方向X2(第2の方向)に、後端部413を持つ。後端部413は、筐体410の内壁411から半径方向の内側へ突出する突出部4131を持つ。したがって、突出部4131の内径は、上記第1の内径Di1よりも若干小さい。初期状態において、第1の可動体430の後端部432の4本の突条部の後端432bと、筐体410の後端部413の突出部4131とが、係合している。ここで、「係合」とは、係わり合うことを意味する。
筐体410の内部には、その前方向X1(第1の方向)側に、上記スプリング450が配置されている。スプリング450は、中心軸CAに沿って、前後方向Xに延在して配置されている。スプリング450は、前方向X1(第1の方向)に前端部451を持ち、後方向X2(第2の方向)に後端部452を持つ。スプリング450の前端部451の前端451aは、筐体410の先端部412の後端412bに係合する。前述したように、スプリング450の後端部452は、第1の可動体430の中間部436の外壁4361と筐体410の内壁411との間に形成された隙間に配置されている。そして、スプリング450の後端部452の後端452bは、第1の可動体430の後端部432の4本の突条部の前端432aと係合する。
したがって、スプリング450は、筐体410の先端部412と第1の可動体430の後端部432との間に、中心軸CAに沿って配置されている。前述したように、図4乃至図6は、カートリッジインジェクタ400の初期状態を示している。この初期状態では、スプリング450は筐体410内に配置された第1の可動体430に対して付勢力を働かせることはない。しかしながら、第1の可動体430が中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動しようとすると、スプリング440は、その付勢力によって、第1の可動体430を、筐体410に対して相対的に後方向X2(第2の方向)へ付勢する。すなわち、スプリング450は、第1の可動体430を、筐体410に対して中心軸CAに沿って後方向X2(第2の方向)へ付勢する付勢手段として働く。したがって、初期状態においては、このスプリング450によって、第1の可動体430の後端部432の後端432bは、筐体410の後端部413の突出部4131に係止している。ここで、「係止」とは、係わり合って止まることを意味する。
よって、後述する外部アクチュエータの第1の可動子(第1の操作部)によって、第1の可動体430は、後述する第2の可動体460と共に、初期状態から、スプリング450の付勢力に抗して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)に移動させられる。また、外部アクチュエータの第1の可動子の第1の駆動力(第1の推力;第1のローレンツ力)が消失すると、第1の可動体430は、スプリング450の付勢力によって初期状態に復帰することが可能となる。
また、前述したように、第1の可動体430の後端部432の第2の内壁4322および中間部436の第2の内壁4362によって囲まれた、円柱状の空間は、薬液(液剤)を収容するための収容空間ASである。この収容空間ASの後方向X2(第2の方向)側に、第2の可動体460が配置されている。この第2の可動体460は、実質的に円柱状の外形をしており、中心軸CAに沿って前方向X1に移動可能である。第2の可動体460の外周壁は、第1の可動体430の後端部432の第2の内壁4322および中間部436の第2の内壁4362の第2の内径Di2と実質的に同一の外径を持つ。すなわち、第2の可動体460の外周壁は、第1の可動体430の第2の内壁(4322;4362)に対して摺動可能である。
第2の可動体460は、その前方向X1(第1の方向)に設けられた前方部材462と、その後方向X2(第2の方向)に設けられた後方部材464とから成る。前方部材462と後方部材464とは、錠と鍵のように互いに連結して組み合わされている。前方部材462は、ガスケット(パッキン)としての役目を持っている。前方部材462は、その前方向X1(第1の方向)に円形の前壁面462aを持つ。後方部材464は、その後方向X2(第2の方向)に円環状の後壁面464bを持つ。よって、より正確に述べると、上記収容空間ASは、第1の可動体430の後端部432の第2の内壁4322と、中間部436の第2の内壁4362と、前端部434の環状の後壁面434bと、第2の可動体460の前壁面462aとによって囲まれた、円柱状の空間である。この収容空間ASは、第1の可動体430に対して、第2の可動体460が相対的に前方向X1(第1の方向)へ移動することにより、収縮する。この収容空間ASの収縮によって、収容空間ASに収容された薬液(液剤)は、注射針(カテーテル)420の内部空間を介して、外部へ放出されることになる。
したがって、第2の可動体460は、第1の可動体430を第2のシリンダとして、第2のシリンダ内を中心軸CAに沿って前後方向Xに往復運動可能な、第2のピストンとして働く。第2の可動体460は、後述する外部アクチュエータの第2の可動子(第2の操作部)によって中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)に移動させられる。したがって、第2の可動体460は、収容空間AS内の薬液(液剤)を中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ押し出すための第2の被駆動体として働く。
このような構成のカートリッジインジェクタ400は、次に述べるように操作される。先ず、前述したように、外部アクチュエータの第1の可動子(第1の操作部)によって、第1の可動体430と第2の可動体460との組み合わせは、初期状態から、スプリング450の付勢力に抗して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)に移動させられる。これにより、注射針(カテーテル)420が中心軸CAに沿って筐体410の開口4121から前方向X1(第1の方向)へ突出し、注射針(カテーテル)420の先端421が、人200の左上腕210(図1乃至図3参照)から筋肉に到達する。その後に、外部アクチュエータの第2の可動子(第2の操作部)によって、第2の可動体460は、収容空間AS内の薬液(液剤)を中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ押し出す。これにより、収容空間AS内に収容された薬液(液剤)が、注射針(カテーテル)420の内部空間を介して、人200の筋肉内に押し出される。その後、外部アクチュエータの第1の可動子および第2の可動子の駆動力(推力;ローレンツ力)が消失する。これにより、スプリング450の付勢力によって、自動的に、突出した注射針(カテーテル)420が筐体410の内部に退避される。
尚、第1の可動体430は外筒とも呼ばれ、第2の可動体460は内筒とも呼ばれる。
引き続いて、図7乃至図9を参照して、図4乃至図6に図示されたカートリッジインジェクタ400を駆動するための外部アクチュエータとして用いられる、リニアモータ500の構成について説明する。図7は、リニアモータ500を、第2の筐体132の操作部に配置されたカートリッジインジェクタ400と共に、斜め右前方から見た斜視断面図である。図8は、リニアモータ500を、第2の筐体132の操作部に配置されたカートリッジインジェクタ400と共に、略右側から見た概略右側断面図である。図9は、リニアモータ500を、第2の筐体132の操作部に配置されたカートリッジインジェクタ400と共に、斜め右後方から見た斜視断面図である。
前述したように、図7乃至図9においても、図1乃至図3において示されたものと同様の直交座標系(X,Y,Z)を使用している。使用する直交座標系(X,Y,Z)については、既に詳述したので、説明を簡略化するために、その説明を省略する。
リニアモータ500の構成について説明する前に、リニアモータ500の周囲における、インジェクタモジュール130の構成(すなわち、リニアモータ500の周囲部品)について説明する。
図1乃至図3を参照して説明したように、インジェクタモジュール130は、外部アクチュエータであるリニアモータ500を覆う第1の筐体131と、複数のカートリッジインジェクタ400を覆う第2の筐体132とを含む。インジェクタモジュール130は、第1の筐体131および第2の筐体132の内部で、中心軸CAと平行に前後方向Xに延在するベース133を備えている。ベース133は、第2の筐体132内に前端133aを持ち、第1の筐体131内に後端133bを持つ。第2の筐体内132内で、ベース133の前方向X1(第1の方向)側には、操作中のカートリッジインジェクタ400を保持する保持ブロック134が、ベース133から上方向Z1に立設している。したがって、この保持ブロック134が、第2の筐体132の操作部を構成している。
第1の筐体131内で、ベース133から第1および第2のブラケット136、137と、別のブラケット138とが上方向Z1へ立設している。別のブラケット138は、保持ブロック134に対して、所定の距離L1だけ離間した状態で、近接して設けられている。第1のブラケット136は、ベース133のほぼ中央から立設している。第2のブラケット137は、ベース133の後方向X2(第2の方向)側で立設している。第1および第2のブラケット136および137は、後述するリニアモータ500の固定子を保持するためのものである。
ベース133上には、中心軸CAに沿ってガイドレール150が敷設されている。ガイドレール150は、前方向X1(第1の方向)に前端150aを持ち、後方向X2(第2の方向)に後端150bを持つ。ガイドレール150の前端150aは、別のブラケット138と第1のブラケット136との間にある。ガイドレール150の後端150bは、第2のブラケット137とベース133の後端133bとの間にあり、かつ、ベース133の後端133bに近接している。ガイドレール150上には、中心軸CAと平行に前後方向Xに摺動可能な、第1および第2の摺動部材151および152が立設している。第1の摺動部材151は、別のブラケット138と第1のブラケット136との間を、ガイドレール150上で中心軸CAと平行に前後方向Xに摺動可能に構成されている。第2の摺動部材152は、第2のブラケット137とベース133の後端133b(ガイドレール150の後端150b)との間を、ガイドレール150上で中心軸CAと平行に前後方向Xに摺動可能に構成されている。
第1および第2の摺動部材151および152は、後述するリニアモータ500の第1の可動子を保持するためのものである。したがって、リニアモータ500の第1の可動子は、ガイドレール150の上方で、第1および第2の摺動部材151および152と共に、中心軸CAに沿って前後方向Xに移動可能である。
次に、図7乃至図9を参照して、保持ブロック134で保持されたカートリッジインジェクタ400を駆動するためのリニアモータ500の構成について説明する。最初にリニアモータ500の本体部品について説明し、その後で、リニアモータ500の付属部品について説明する。
図7乃至図9から明らかなように、カートリッジインジェクタ400と同様に、リニアモータ500の本体部品も、前後方向Xに延在する中心軸CAに対して実質的に回転対称な形状をしている。したがって、保持ブロック134で保持されたカートリッジインジェクタ400とリニアモータ500の本体部品とは、同じ中心軸CAを共有している。
リニアモータ500は、その本体部品として、固定子510と、可動子とを含む。可動子は、固定子510に対して中心軸CAに沿って前後方向Xに移動自在に配置されている。可動子は、第1の可動子520と、第2の可動子530とから成る。第1の可動子520は、固定子510に対して中心軸CAに沿って前後方向Xに移動自在に配置されている。第2の可動子530は、第1の可動子520に対して中心軸CAに沿って前後方向Xに移動自在に配置されている。このように、リニアモータ500は、可動子として、2つの可動子520、530を備えているので、カートリッジインジェクタ400の異なる2つの被駆動体430、460を移動させる、二段的な延伸動作を行うことが可能である。以下では、第1の可動子520と第2の可動子530との組み合わせから成る可動子を、可動子(520;530)と表記する。
図示の例では、第2の可動子530は、中心軸CA及びその近傍に配置された実質的に円柱形状をしている。第1の可動子520は、第2の可動子530の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしている。固定子510は、第1の可動子520の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしている。
詳述すると、第1の可動子520は、環状の断面形状を有し、中心軸CAに沿って配列された複数の円筒状の永久磁石522を含む。図示の例では、第1の可動子520は、4個の永久磁石522を含む。複数の永久磁石522は、図10に示されるように、その外周部および内周部へそれぞれ外周磁束OMおよび内周磁束IMを発生する。
固定子510は、第1の可動子520に対して外側ギャップを介して、第1の可動子520を囲むように中心軸CAに沿って連続的に配置された複数の外側電磁石用コイル512を含む。図示の例では、固定子510は、15個の外側電磁石用コイル512を含む。複数の外側電磁石用コイル512に流す外側電流と外周磁束OMとの相互作用により、固定子510は、第1の可動子520を中心軸CAに沿って走行させることが可能である。このとき、第2の可動子530も、第1の可動子520と共に、中心軸CAに沿って走行させられる。従って、上記外側電流と上記外周磁束OMとの相互作用により、固定子510は、可動子(520;530)を中心軸CAに沿って走行させることが可能である。
第2の可動子530は、第1の可動子520に対して内側ギャップを介して、第1の可動子520で囲まれるように中心軸CAに沿って連続的に配列された複数の内側電磁石用コイル532を含む。図示の例では、第2の可動子530は、12個の内側電磁石用コイル532を含む。複数の内側電磁石用コイル532に流す内側電流と内周磁束IMとの相互作用により、第2の可動子530は、第1の可動子520に対して中心軸CAに沿って走行可能である。
固定子510は、複数の外側電磁石用コイル512として、スター結線された外側U相コイル、外側V相コイル、外側W相コイルを含む。同様に、第2の可動子530は、複数の内側電磁石用コイル532として、スター結線された内側U相コイル、内側V相コイル、内側W相コイルを含む。したがって、本リニアモータ500は三相リニアモータから成る。
図11を参照して、複数の外側電磁石用コイル512又は複数の内側電磁石用コイル532として使用される、U相コイル、V相コイル、W相コイルについて説明する。
図11は、3つのU相コイル、W相コイル、V相コイルを1組とする基本構成を3組、すなわち合計9個のコイルを備える場合の接続と制御ドライバ600を使用する場合の接続例を示す。制御ドライバ600は、単相100Vの交流電源700に接続する場合、単相-三相変換器を内蔵し、U相、V相、W相の各相がU相コイル、V相コイル、W相コイルに接続される。但し、電源のU相、V相、W相がU相コイル、V相コイル、W相コイルに一対一の関係で接続されるとは限らない。電源とU相コイル、V相コイル、W相コイルとの接続には様々な形態がある。
制御ドライバ600にはまた、制御データ入力手段及びデータ処理手段としてパーソナルコンピュータ等による上記コンピュータが接続される。制御ドライバ600は、コンピュータから与えられる操作指令に基づき、第1の可動子520または第2の可動子530の動作を制御する。
ここでは、U相コイルについては第1のコイルU1の巻き始め端Sを制御ドライバ600のU端子に接続し、第1のコイルU1の巻き終り端Eを第2のコイルU2の巻き終り端Eに接続している。そして、第2のコイルU2の巻き始め端Sを第3のコイルU3の巻き始め端Sに接続し、第3のコイルU3の巻き終り端Eをコモン端子に接続している。同様に、W相コイルについては第1のコイルW1の巻き終り端Eを制御ドライバ600のW端子に接続し、第1のコイルW1の巻き始め端Sを第2のコイルW2の巻き始め端Sに接続している。そして、第2のコイルW2の巻き終り端Eを第3のコイルW3の巻き終り端Eに接続し、第3のコイルW3の巻き始め端Sをコモン端子に接続している。一方、V相コイルについては第1のコイルV1の巻き始め端Sを制御ドライバ600のV端子に接続し、第1のコイルV1の巻き終り端Eを第2のコイルV2の巻き終り端Eに接続している。そして、第2のコイルV2の巻き始め端Sを第3のコイルV3の巻き始め端Sに接続し、第3のコイルV3の巻き終り端Eをコモン端子に接続している。
簡単に言えば、図11のように9個のコイルを備える場合には、2つの相については3つのコイルのうちの中間のコイルをその両側のコイルと巻き始め端S、巻き終り端Eを逆にして接続し、残りの1つの相については3つのコイルのうちの両側のコイルをそれらの間のコイルと巻き始め端S、巻き終り端Eを逆にして接続している。
これを12個以上、すなわち4組以上の複数の組のコイルを有する場合について言えば、複数組における複数のU相コイル、複数のW相コイル、複数のV相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されて制御ドライバ600にスター結線により接続される。しかも、2つの相における複数のコイルは奇数組における磁極に対して偶数組における磁極が反対向きになるように接続され、残りの1つの相における複数のコイルは奇数組における磁極が前記2つの相における複数のコイルの前記奇数組における磁極と反対向きであり、偶数組における磁極は前記2つの相における複数のコイルの前記偶数組における磁極と反対向きになるように接続される。
複数の永久磁石522の各々は、各相のコイルの3倍の長さ寸法を持つ。複数の永久磁石522は、図10に示されるように、隣接する磁極が互いに同極同士で密着し合うように中心軸CAに沿って直列的に組み合わされている。しかしながら、同じ磁極が隣り合う永久磁石522の間に磁性体、例えば鉄板によるリング状のスペーサを介在させてもよい。
固定子510において、複数の外側電磁石用コイル512は、溝を有する筒状体514に収容されている。筒状体514は、第1のブラケット136と第2のブラケット137との間に固定されている。
第1のブラケット136および第2のブラケット138の各々は、第1の可動子520が貫通可能な円形開口を持つ。したがって、第1の可動子520は、第1のブラケット136および第2のブラケット137の開口を介して、中心軸CAに沿って前後方向Xに延在している。第1の可動子520において、複数の永久磁石522は、円筒状のケース524に収容されている。このケース524は、第1のブラケット136および第2のブラケット137の開口を介して、中心軸CAに沿って前後方向Xに延在している。ケース524は、前方向X1(第1の方向)の前端部5241と、後方向X2(第2の方向)の後端部5242とを有する。ケース524の前端部5241は、第1の摺動部材151に保持されている。ケース524の後端部5242は、第2の摺動部材152に保持されている。このような構成により、第1の可動子520は、ガイドレール150の上方で、第1および第2の摺動部材151および152と共に、中心軸CAに沿って前後方向Xに移動可能である。
第2の可動子530は、第1の可動子520に対して、中心軸CAに沿って前後方向Xに移動可能に配置されたセンタコア534を含む。センタコア534は、実質的に円柱形状をしている。このセンタコア534の周囲に、複数の内側電磁石用コイル532が装着されている。より詳細に述べると、センタコア534は、前方向X1(第1の方向)側の前方コア部分5341と、後方向X2(第2の方向)側の後方コア部分5342と、それらの間の中央にある中央コア部分5343とから成る。前方コア部分5341と中央コア部分5343との間の箇所で、センタコア534には第1のOリング536が嵌められている。また、中央コア部分5343と後方コア部分5342との間の箇所で、センタコア534には第2のOリング537が嵌められている。第1のOリング536と第2のOリング537との間で、センタコア534の周囲に、複数の内側電磁石用コイル532が装着されている。
次に、リニアモータ500の付属部品について説明する。リニアモータ500は、付属部品として、筒状の第1の操作部560と、柱状の第2の操作部570と、ストッパ580とを備える。
第1の操作部560は、第1の摺動部材151の前面151aに、中心軸CAに沿って前方向X1(第1方向)に延在して設けられている。第1の操作部560は、円筒状の筒状部562と、円筒体564とを含む。
第1の操作部560において、筒状部562は、円筒部5622と、環状底部5624と、把持部5626とを有する。円筒部5622は、中心軸CAに沿って前方向X1(第1方向)に延在する。環状底部5624は、円筒部5622の後端から半径方向外側へ延びる。この環状底部5624は、第1の摺動部材151の前面151aに固着されている。把持部5626は、円筒部5622の前端に一体に取り付けられ、円筒体564の後端部を把持する。
筒状部562の把持部5626で把持された、円筒体564は、筒状部562から中心軸CAに沿って前方向X1(第1方向)に延在する円筒形状をしている。この円筒体564は、別のブラケット138に開けられた開口1381の直径よりも小さい外径を持つ。したがって、円筒体564は、別のブラケット138の開口1381を介して中心軸CAに沿って前方向X1(第1方向)に移動可能である。
円筒体564が前方向X1(第1方向)に移動したとき、その円筒体564の前端(先端)564aは、保持ブロック134で保持されたカートリッジインジェクタ400の第1の可動体430の後端部432の後端432b(図5参照)に当接する。ここで、「当接」とは、突き当てた状態に接することを意味する。そして、円筒体564は、当接しつつ第1の可動体430と第2の可動体460との組み合わせを中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。円筒体564は、第1の可動体430の上記第1の内径Di2よりも若干大きい内径を持つ。したがって、円筒体564の前端(先端)564aは、カートリッジインジェクタ400の第2の可動体460の後壁面464b(図6参照)と当接することはない。
第1の操作部560の外周に、第1のスプリング566が配置されている。第1のスプリング566は、筒状部562の環状底部5624と、別のブラケット138の円柱状凹部1382との間に配置されている。すなわち、第1のスプリング566は、第1の摺動部材151と別のブラケット138との間に配置されている。第1のスプリング566の前端566aは、別のブラケット138の円柱状凹部1382に接触し、第1のスプリング566の後端566bは、筒状部562の環状底部5624に接触する。
図7乃至図9は、リニアモータ500が初期状態の場合を図示している。この初期状態では、第1のスプリング566は、その第1の付勢力を実質的に働かすことない状態にある。この初期状態において、固定子510の複数の外側電磁石用コイル512に外側電流を流すとする。この場合、外側電流と第1の可動子520の外周磁束OMとの相互作用により、可動子(520;530)は、第1および第2の摺動部材151および152と共に、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動しようとする。そのため、第1の摺動部材151に固着された、第1の操作部560(筒状部562および円筒体564)は、第1のスプリング566の第1の付勢力に抗して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。
固定子510の複数の外側電磁石用コイル512への外側電流の給電を停止すると、可動子(520;530)に対する第1の推力(第1の駆動力;第1のローレンツ力)が消失する。よって、第1のスプリング566の第1の付勢力によって、可動子(520;530)、第1および第2の摺動部材151および152、第1の操作部560(筒状部562および円筒体564)は、図7乃至図9に図示された初期状態へ自動的に復帰する。したがって、第1のスプリング566は、可動子(520;530)を後方向X2(第2に方向)へ付勢する、第1の付勢手段として働く。
第2の操作部570は、第2の可動子530のセンタコア534の前面534aから中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ突出するように延在する、実質的に円柱状の棒からなる。第2の操作部570の後端部は、センタコア534の前方コア部分5341に形成された凹部に嵌め込まれている。第2の操作部570は、第1の操作部560の筒状部562および円筒体564中を、接触せずに(ギャップを空けて)貫通している。第2の操作部570は、その前方向X1(第1の方向)の先端に突出部570aを持つ。
前述したように、図7乃至図9は、リニアモータ500が初期状態の場合を図示している。この初期状態では、第2の操作部570の突出部570aは、実質的に、第1の操作部560の円筒体564の前端(先端)564aと前後方向Xで同じ位置にある。この初期状態において、第2の操作部570が前方向X1(第1方向)に移動したとき、第2の操作部570の突出部570aは、保持ブロック134で保持されたカートリッジインジェクタ400の第2の可動体460の後壁面464b(図6参照)に当接する。そして、第2の操作部570は、当接しつつ第2の可動体460を中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。第2の操作部570は、第1の可動体430の上記第2の内径Di2とより若干小さい直径を持つ。したがって、第2の操作部570の突出部570aは、カートリッジインジェクタ400の第1の可動体430の後端部432の後端432b(図5参照)と当接することはない。
ストッパ580は、第2の摺動部材152の円形開口に嵌め込まれた状態で、第2の摺動部材152に固着されている。ストッパ580は、第2の摺動部材152から中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ延在するように形成された、円筒形状をしている。ストッパ580の内部を、第2の可動子530のセンタコア534の後方コア部分5342が隙間を空けて貫通している。ストッパ580の前方向X1(第1の方向)の環状前面580aに、センタコア534に装着された第2のOリング537が係止する。
第1の摺動部材151の円形開口には、ケース524の前端部5241の内周壁に挿入された状態で、円筒状の保持部153が中心軸CAに沿って後方向X2(第2の方向)に立設している。保持部153の内径は、センタコア534の外径よりも大きい。したがって、センタコア534の前方コア部分5341は、保持部153を隙間を空けて貫通している。保持部153の後面153bには、保持部153の内径と同じ内径を持つ第1のキャップ部分156が、後方向X2(第2の方向)に突出して固着されている。よって、センタコア534の前方コア部分5341は、この第1のキャップ部分156も隙間を空けて貫通する。一方、センタコア534に装着された第1のOリング536には、前方向X1(第1の方向)に突出して、中空の第2のキャップ部分157が取付けられている。第2のキャップ部分157の内径は、センタコア534の外径と実質的に同じでもそれよりも若干大きくてもよい。何故なら、第2のキャップ部分157は、第1のOリング536に取り付けられているので、センタコア534が軸方向CAに沿って前後方向Xに移動すると、第2のキャップ部分157はセンタコア534と一緒に移動するからである。
センタコア534の前方コア部分5341の外周に、第2のスプリング572が配置されている。第2のスプリング572は、第1のキャップ部分156と第2のキャップ部分157との間に、配置されている。すなわち、第2のスプリング572は、第1の摺動部材151よりも後方向X2(第2の方向)であって、かつ、第1の可動子520の内周側に形成された空間に配置されている。第2のスプリング572の前端572aは、第1のキャップ部分156の底部に接触し、第2のスプリング572の後端572bは、第2のキャップ部分157の底部に接触する。
図7乃至図9は、リニアモータ500が初期状態の場合を図示している。この初期状態では、第2のスプリング572は、その付勢力を実質的に働かすことない状態にある。この初期状態において、第2の可動子530の複数の内側電磁石用コイル532に内側電流を流すとする。この場合、内側電流と第1の可動子520の内周磁束IMとの相互作用により、第2の可動子530は、第1の可動子520に対して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動しようとする。そのため、第2の可動子530に固着された、第2の操作部570は、第2のスプリング572の付勢力に抗して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。
第2の可動子530の複数の内側電磁石用コイル532への内側電流の給電を停止すると、第2の可動子530に対する第2の推力(第2の駆動力;第2のローレンツ力)が消失する。よって、第2のスプリング572の第2の付勢力によって、第2の可動子530および第2の操作部570は、図7乃至図9に図示された初期状態へ自動的に復帰する。したがって、第2のスプリング572は、第2の可動子530を後方向X2(第2に方向)へ付勢する、第2の付勢手段として働く。
次に、図4乃至図9を参照して、インジェクタモジュール130(カートリッジインジェクタ400およびリニアモータ500)の全体の動作について説明する。
図7乃至図9に示す初期状態において、コントローラの制御の下で、リニアモータ500の固定子510の複数の外側電磁石用コイル512に外側電流を流す。その結果、この外側電流と第1の可動子520の複数の永久磁石522から生成されている外側磁束OM(図10参照)との間の相互作用により、固定子510に対して相対的に第1の可動子520に、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ走行させる第1の推力(第1のローレンツ力)が作用する。従って、この第1の推力(第1のローレンツ力)によって、可動子(520;530)は、第1のスプリング566の第1の付勢力に抗して、ガイドレール150上で、第1および第2の摺動部材151および152と共に、前方向X1(第1の方向)へ移動(走行)する。
この可動子(520;530)の前方向X1(第1の方向)への移動(走行)と共に、第1の摺動部材151に固着されている第1の操作部560も中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。この第1の操作部560が中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動すると、第1の操作部560は、その前端(先端)564aがカートリッジインジェクタ400の第1の可動体430の後端432bと係合しつつ、第1の可動体430を、スプリング450の付勢力に抗して、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動させる。
これにより、カートリッジインジェクタ400の筐体410の先端部412からその開口4121を介して注射針(カテーテル)420が突出し、その突出した注射針(カテーテル)420の先端421を、人200の左上腕310からその人200の筋肉に到達させる。これによって、注射針突出ステップが完了する。
引き続いて、コントローラの制御の下で、リニアモータ500の第2の可動子530の複数の内側電磁石用コイル532に内側電流を流す。その結果、この内側電流と第1の可動子520の複数の永久磁石522から生成されている内側磁束IM(図10参照)との間の相互作用により、第1の可動子520に対して相対的に第2の可動子530に、中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ走行させる第2の推力(第2のローレンツ力)が作用する。従って、この第2の推力(第2のローレンツ力)によって、第2の可動子530は、第2のスプリング572の第2の付勢力に抗して、前方向X1(第1の方向)へ移動(走行)する。
この第2の可動子530の前方向X1(第1の方向)への移動(走行)と共に、第2の可動子530の先端部に固着されている第2の操作部570も中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動する。この第2の操作部570が中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動すると、第2の操作部570は、その先端にある突出部570aがカートリッジインジェクタ400の第2の可動体460の後壁面464bと係合しつつ、第2の可動体460を中心軸CAに沿って前方向X1(第1の方向)へ移動させる。
これにより、カートリッジインジェクタ400の第1の可動体430の収容空間ASが収縮して、その収容空間ASに収容されていた薬液(液剤)が、注射針(カテーテル)420の内部空間を経由して、その先端421から人200の筋肉内に押し出される。これによって、薬液押出ステップが完了する。
このようにして筋肉注射が終了した後、コントローラの制御の下で、上記外側電流および上記内側電流を流すのを停止する。これにより、上述した第1および第2の推力(第1および第2のローレンツ力)がともに消失する。その結果、リニアモータ500の第1のスプリング566の第1の付勢力によって、可動子(520;530)が中心軸CAに沿って後方向X2(第2の方向)へ付勢されると共に、第2のスプリング572の第2の付勢力によって、第2の可動子530も中心軸CAに沿って後方向X2(第2の方向)へ付勢される。これにより、第1の可動子520、第1および第2の摺動部材151および152、第1の操作部560、第2の可動子530、および第2の操作部570の全てが、後方向X2(第2の方向)へ自動的に退避することになる。この退避によって、リニアモータ500は、図7乃至図9に図示された初期状態に復帰する。
上記退避と同時に、カートリッジインジェクタ400のスプリング450の付勢力によって、筐体410内の第1の可動体430も中心軸CAに沿って後方向X2(第2の方向)へ付勢される。その結果、外部に突出していた注射針(カテーテル)420が筐体410内に退避される。これによって、注射針退避ステップが完了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態によれば、カートリッジインジェクタ400は、二段的な延伸動作を行うことが可能なリニアモータ500のような外部アクチュエータによって、操作され得る。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば、上述した実施形態に係るカートリッジインジェクタ400では、付勢手段として、スプリング450を使用しているが、ゴムのような弾性を示す弾性体から成るような、別の種類の付勢手段を使用しても良いのは勿論である。また、上述した実施形態では、外部アクチュエータとして、図7~図9に図示されたようなリニアモータ500を用いているが、それに限定されないのは勿論である。すなわち、外部アクチュエータとしては、筒状の第1の操作部と、柱状の第2の操作部とを備えたものであれば、どのような構成のものであっても構わない。
本発明によるカートリッジインジェクタは、インジェクタモジュール用の簡易型注射器だけに限定されず、二段的な延伸動作を行う外部アクチュエータによって操作され得る、2つの被駆動体を有するカートリッジインジェクタとして有効である。
100 自動ワクチン接種ロボット装置
110 基台
121 第1の腕部
122 第2の腕部
123 第3の腕部
124 第4の腕部
130 インジェクタモジュール(注射装置)
131 第1の筐体
132 第2の筐体
133 ベース
133a 前端
133b 後端
134 保持ブロック
136 第1のブラケット
137 第2のブラケット
138 別のブラケット
1381 開口
1382 円柱状凹部
141 第1の関節部
142 第2の関節部
143 第3の関節部
144 第4の関節部
150 ガイドレール
150a 前端
150b 後端
151 第1の摺動部材
151a 前面
152 第2の摺動部材
153 保持部
153b 後面
156 第1のキャップ部分
157 第2のキャップ部分
200 人
210 左上腕
300 椅子
400 カートリッジインジェクタ(簡易型注射器)
410 筐体
411 第1の内壁
412 先端部
412b 後端
4121 開口
413 後端部
4131 突出部
420 注射針(カテーテル)
421 先端
422 後端部分
430 第1の可動体(第1の被駆動体)
432 後端部
432a 前端
432b 後端
4321 外壁
4322 第2の内壁
434 前端部
434b 後壁面
4341 外壁
4342 内壁
436 中間部
4361 外壁
4362 第2の内壁
440 保持部材
450 スプリング
451 前端部
451a 前端
452 後端部
452b 後端
460 第2の可動体(第2の被駆動体)
462 前方部材(ガスケット;パッキン)
462a 前壁面
464 後方部材
464b 後壁面
500 リニアモータ(外部アクチュエータ)
510 固定子
512 外側電磁石用コイル
514 筒状体
520 第1の可動子
522 永久磁石
524 ケース
5241 前端部
5242 後端部
530 第2の可動子
532 内側電磁石用コイル
534 センタコア
534a 前面
5341 前方コア部分
5342 後方コア部分
5343 中央コア部分
536 第1のOリング
537 第2のOリング
560 第1の操作部
562 筒状部
5622 円筒部
5624 環状底部
5626 把持部
564 円筒体
564a 前端(先端)
566 第1のスプリング
566a 前端
566b 後端
570 第2の操作部
570a 突出部
572 第2のスプリング
572a 前端
572b 後端
580 ストッパ
580a 環状前面
600 制御ドライバ
700 交流電源
Da 直径
Di1 第1の内径
Di2 第2の内径
Di3 第3の内径
Do1 第1の外径
Do2 第2の外径
CA 中心軸
AS 収容空間
OM 外周磁束
IM 内周磁束
110 基台
121 第1の腕部
122 第2の腕部
123 第3の腕部
124 第4の腕部
130 インジェクタモジュール(注射装置)
131 第1の筐体
132 第2の筐体
133 ベース
133a 前端
133b 後端
134 保持ブロック
136 第1のブラケット
137 第2のブラケット
138 別のブラケット
1381 開口
1382 円柱状凹部
141 第1の関節部
142 第2の関節部
143 第3の関節部
144 第4の関節部
150 ガイドレール
150a 前端
150b 後端
151 第1の摺動部材
151a 前面
152 第2の摺動部材
153 保持部
153b 後面
156 第1のキャップ部分
157 第2のキャップ部分
200 人
210 左上腕
300 椅子
400 カートリッジインジェクタ(簡易型注射器)
410 筐体
411 第1の内壁
412 先端部
412b 後端
4121 開口
413 後端部
4131 突出部
420 注射針(カテーテル)
421 先端
422 後端部分
430 第1の可動体(第1の被駆動体)
432 後端部
432a 前端
432b 後端
4321 外壁
4322 第2の内壁
434 前端部
434b 後壁面
4341 外壁
4342 内壁
436 中間部
4361 外壁
4362 第2の内壁
440 保持部材
450 スプリング
451 前端部
451a 前端
452 後端部
452b 後端
460 第2の可動体(第2の被駆動体)
462 前方部材(ガスケット;パッキン)
462a 前壁面
464 後方部材
464b 後壁面
500 リニアモータ(外部アクチュエータ)
510 固定子
512 外側電磁石用コイル
514 筒状体
520 第1の可動子
522 永久磁石
524 ケース
5241 前端部
5242 後端部
530 第2の可動子
532 内側電磁石用コイル
534 センタコア
534a 前面
5341 前方コア部分
5342 後方コア部分
5343 中央コア部分
536 第1のOリング
537 第2のOリング
560 第1の操作部
562 筒状部
5622 円筒部
5624 環状底部
5626 把持部
564 円筒体
564a 前端(先端)
566 第1のスプリング
566a 前端
566b 後端
570 第2の操作部
570a 突出部
572 第2のスプリング
572a 前端
572b 後端
580 ストッパ
580a 環状前面
600 制御ドライバ
700 交流電源
Da 直径
Di1 第1の内径
Di2 第2の内径
Di3 第3の内径
Do1 第1の外径
Do2 第2の外径
CA 中心軸
AS 収容空間
OM 外周磁束
IM 内周磁束
Claims (10)
- 中心軸に沿って延在した第1の内壁を持つ中空の筐体であって、第1の方向の前側に先細った形状をした、開口を持つ先端部を有する、前記筐体と、
前記筐体内で、前記第1の方向側で前記中心軸に沿って延在して設けられたカテーテルであって、前記先端部に対して突出/退避可能で、前記第1の方向とは逆方向である第2の方向側に後端部分を有する、前記カテーテルと、
前記筐体内で、前記カテーテルの前記後端部分を保持する第1の可動体であって、前記筐体内に、前記中心軸に沿って前記筐体の前記第1の内壁に対して摺動しながら前記第1の方向および前記第2の方向に移動可能に配置され、前記カテーテルと連通する柱状の収容空間を形成する第2の内壁を持つ、前記第1の可動体と、
前記第1の可動体内で、前記第2の方向側に配置された第2の可動体であって、前記第1の可動体内に、前記中心軸に沿って前記第1の可動体の前記第2の内壁に対して摺動しながら前記第1の方向に移動可能に配置され、前記収容空間を収縮することが可能な、前記第2の可動体と、
を備えたカートリッジインジェクタ。 - 前記筐体、前記第1の可動体、および前記第2の可動体の各々は、前記中心軸に対して実質的に回転対称な形状をしている、請求項1に記載のカートリッジインジェクタ。
- 前記第2の可動体は、前記中心軸及びその近傍に配置された実質的に円柱形状をしており、
前記第1の可動体は、前記第2の可動体の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしており、
前記筐体は、前記第1の可動体の外周近傍に配置された実質的に円筒形状をしている、
請求項2に記載のカートリッジインジェクタ。 - 前記収容空間は、薬液を収容している、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジインジェクタ。
- 前記カテーテルは、斜めにカットされた先端を持つ、請求項4に記載のカートリッジインジェクタ。
- 前記筐体の前記先端部の開口は、シリコーンで塞がれている、請求項5に記載のカートリッジインジェクタ。
- 前記カートリッジインジェクタは、筒状の第1の操作部と柱状の第2の操作部とを備えた外部アクチュエータによって、その後面から操作され得るように構成されており、
前記第1の可動体と前記第2の可動体との組み合わせは、前記第1の操作部によって前記第1の可動体の後面から前記第1の方向へ向けて押し出されたときに、前記筐体に対して前記中心軸に沿って前記第1の方向に移動するように構成されており、それによって、前記カテーテルは、前記筐体の前記先端部の開口を介して前記第1の方向へ突出し、
前記第2の可動体は、前記第2の操作部によって前記第2の可動体の後面から前記第1の方向へ向けて押し出されたときに、前記第1の可動体に対して前記中心軸に沿って前記第1の方向に移動するように構成されており、それによって、前記収容空間が収縮して、前記薬液が前記カテーテルを介して前記先端から外部へ押し出され、
前記カートリッジインジェクタは、
前記外部アクチュエータの前記第1の操作部および前記第2の操作部が、前記第2の方向へ後退したときに、前記第1の可動体と前記第2の可動体との組み合わせを前記第2の方向へ付勢する付勢手段を更に備える、請求項4~6のいずれかに記載のカートリッジインジェクタ。 - 前記第1の可動体は、
前記第2の方向の後側に設けられた筒状の後端部であって、前記第1の内壁と摺接する外周面を持つ、前記後端部と、
前記第1の方向の前側に設けられた前端部であって、保持部材を介して前記カーテルの前記後端部分を保持する、前記前端部と、
前記後端部と前記前端部との間に設けられた筒状の中間部であって、前記第1の内壁の内径よりも小さい外径を持つ、前記中間部と、
から成り、
前記後端部と前記中間部とは、共通に、前記収容空間を形成する前記第2の内壁を持ち、
前記後端部は、前記第1の操作部の先端と当接する環状の後端を持つ、
請求項7に記載のカートリッジインジェクタ。 - 前記第2の可動体は、
前記第1の方向の前側に設けられた前方部材であって、前記第1の可動体の前記第2の内壁と協働して前記収容空間を形成する前壁面を持つ、前記前方部材と、
前記第2の方向の後側に設けられた後方部材であって、前記第2の操作部の先端と当接する後壁面を持つ、前記後方部材と、
から成る、請求項8に記載のカートリッジインジェクタ。 - 前記付勢手段は、前記筐体の前記先端部と前記第1の可動部の前記後端部との間に前記中心軸に沿って配置されている、
請求項8又は9に記載のカートリッジインジェクタ。
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JP2021180882A JP2023069191A (ja) | 2021-11-05 | 2021-11-05 | カートリッジインジェクタ |
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