JP2023069018A - レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能なレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供する。【解決手段】レーザ加工装置1では、デバイス層150を介して第2ウェハ200に接合された第1ウェハ100にレーザ光Lを照射してレーザ加工を行う。デバイス層150は、複数のチップを含むアクティブエリア160とアクティブエリア160を囲うようにアクティブエリア160の外側に位置する周縁部170とを含む。そして、レーザ加工では、この周縁部170上において環状に延びる第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射することにより、第1ラインA1に沿った第1改質領域121を形成する。これにより、第1改質領域121や第1改質領域121から延びる第1亀裂131を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分(除去領域E)として除去するトリミングが可能となる。【選択図】図21

Description

本開示は、レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法に関する。
特許文献1には、ワークを保持する保持機構と、保持機構に保持されたワークにレーザ光を照射するレーザ照射機構と、を備えるレーザ加工装置が記載されている。特許文献1に記載のレーザ加工装置では、集光レンズを有するレーザ照射機構が基台に対して固定されており、集光レンズの光軸に垂直な方向に沿ったワークの移動が保持機構によって実施される。
特許第5456510号公報
ところで、例えば半導体デバイスの製造工程では、半導体ウェハからその外縁部分を不要部分として除去するトリミング加工が実施される場合がある。すなわち、対象物からその外縁部分を除去するために、対象物の外縁の内側において環状に延在するラインに沿ってレーザ光の集光領域を相対的に移動させることにより、当該ラインに沿って改質領域を形成する場合がある。特に、現在では、半導体ウェハのデバイス層を介して半導体ウェハを別部材(例えば別のウェハ)に接合して構成される貼合ウェハに対して、上記のトリミング加工を行う要求がある。
ここで、貼合ウェハでは、半導体ウェハの内部に応力が生じている場合がある。この応力は、一例として、反りが生じた状態の半導体ウェハや別部材を互いに接合したときや、デバイス層の周縁部においてデバイス層と別部材との剥離を行ったときに生じ得る。半導体ウェハの内部にそのような応力が生じていると、半導体ウェハにトリミング加工のための改質領域を形成した際に、当該改質領域からデバイス層(別部材)側に延びる亀裂が、当該応力によって意図しない方向に伸展するおそれがある。そのような意図しない方向への亀裂の伸展は、トリミング加工の品質低下の原因となる。
そこで、本開示は、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能なレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供することを目的とする。
本開示に係るレーザ加工装置は、第1面と第1面と反対側の第2面とを含み、第1面側において別部材に接合されたウェハに対して、第2面を入射面としてレーザ光を照射することによりウェハに改質領域を形成するためのレーザ加工装置であって、ウェハを支持するための支持部と、支持部に支持されたウェハに向けてレーザ光を照射するための照射部と、レーザ光の集光領域をウェハに対して相対移動させるための移動部と、照射部及び移動部を制御するための制御部と、を備え、第1面には、複数のチップを含むと共に別部材に接合されたデバイス層が形成されており、デバイス層は、複数のチップを含むアクティブエリアと、第1面に交差するZ方向からみてアクティブエリアを囲うようにアクティブエリアの外側に位置する周縁部と、を含み、制御部は、照射部及び移動部を制御することにより、Z方向からみて周縁部上において環状に延びる第1ラインに沿って集光領域を相対移動させながらレーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第1改質領域を第1ラインに沿って形成すると共に、第1改質領域から第1面に至るように第1亀裂を形成する第1加工処理と、Z方向からみて周縁部上においてウェハの外縁から第1ラインに至るように延びる第2ラインに沿って集光領域を相対移動させながらレーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第2改質領域を第2ラインに沿って形成する第2加工処理と、Z方向からみて周縁部上において第1ライン及び第2ラインと異なる位置に集光領域を位置させつつレーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第3改質領域を形成する第3加工処理と、を実行し、制御部は、第1加工処理において第1亀裂を第1面に至るように伸展させる前に第3加工処理を実行する。
本開示に係るレーザ加工方法は、第1面と第1面と反対側の第2面とを含み、第1面において別部材に接合されたウェハに対して、第2面を入射面としてレーザ光を照射することによりウェハに改質領域を形成するレーザ加工工程を備え、第1面には、複数のチップを含むと共に別部材に接合されたデバイス層が形成されており、デバイス層は、複数のチップを含むアクティブエリアと、第1面に交差するZ方向からみてアクティブエリアを囲うようにアクティブエリアの外側に位置する周縁部と、を含み、レーザ加工工程は、Z方向からみて周縁部上において環状に延びる第1ラインに沿って、集光領域を相対移動させながらレーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第1改質領域を第1ラインに沿って形成すると共に、第1改質領域から第1面に至るように第1亀裂を形成する第1加工工程と、Z方向からみて周縁部上においてウェハの外縁から第1ラインに至るように延びる第2ラインに沿って、集光領域を相対移動させながらレーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第2改質領域を第2ラインに沿って形成する第2加工工程と、Z方向からみて周縁部上において第1ライン及び第2ラインと異なる位置に集光領域を位置させつつ、レーザ光をウェハに照射することにより、改質領域としての第3改質領域を形成する第3加工工程と、を含み、第3加工工程は、第1加工工程において第1亀裂を第1面に至るように伸展させる前に実施される。
この装置及び方法では、デバイス層を介して別部材に接合されたウェハにレーザ光を照射してレーザ加工を行う。デバイス層は、複数のチップを含むアクティブエリアとアクティブエリアを囲うようにアクティブエリアの外側に位置する周縁部とを含む。そして、レーザ加工では、この周縁部上において環状に延びる第1ラインに沿ってレーザ光をウェハに照射することにより、第1ラインに沿った第1改質領域を形成する。これにより、第1改質領域や第1改質領域から延びる第1亀裂を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分として除去するトリミングが可能となる。
特に、この装置及び方法では、レーザ加工において、デバイス層の周縁部上においてウェハの外縁から第1ラインに至るように延びる第2ラインに沿ってレーザ光をウェハに照射することにより、第2改質領域を第2ラインに沿って形成する。これにより、第2改質領域や第2改質領域から延びる亀裂を利用して、ウェハの外縁部分を周方向に複数の部分に分割して容易にトリミングを行うことが可能となる。
さらに、この装置及び方法では、デバイス層の周縁部上の第1ライン及び第2ラインと異なる位置においてレーザ光をウェハに照射することにより、第3改質領域を形成する。このような第3改質領域は、ウェハ内部に生じた応力を緩和する。したがって、この第3改質領域の形成を、第1改質領域から延びる第1亀裂を第1面に至るように伸展させる前に行うことにより、ウェハ内部の応力によって第1亀裂が意図しない方向に伸展することが抑制される。よって、この装置及び方法によれば、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。
本開示に係るレーザ加工装置では、制御部は、第1加工処理の前に第3加工処理を実行してもよい。この場合、第3改質領域の形成を、より確実に、第1亀裂が第1面に至るように伸展する前に行うことが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、周縁部は、デバイス層の外縁を含む領域であって、別部材との接合が弱化された前処理領域と、Z方向からみて前処理領域の内側に位置する接合領域と、を有し、第1加工処理では、制御部は、第1亀裂が前処理領域と接合領域との境界に向けて延びるように第1改質領域を形成してもよい。このように、ウェハの接合部分であるデバイス層が、接合の弱化された前処理領域を含む場合、ウェハ内部に応力が生じやすくなる。したがって、上記のとおり第3改質領域を形成して応力緩和を図ることがより有効となる。また、この場合には、第1亀裂が意図せずに前処理領域の内部に至るように伸展することが抑制され、品質低下が抑制される。
本開示に係るレーザ加工装置では、第1加工処理において、制御部は、第1亀裂が第2面から第1面に向かうにつれて接合領域から境界に向かって斜めに延びるように第1改質領域を形成してもよい。この場合、第1亀裂が斜め亀裂となることから、第1亀裂がデバイス層を越えて別部材に至ることが抑制される。
本開示に係るレーザ加工装置では、第3加工処理において、制御部は、少なくとも前処理領域上に集光領域を位置させてレーザ光を照射することにより、少なくとも前処理領域上に第3改質領域を形成してもよい。この場合、前処理領域に起因するウェハ内部の応力を確実に緩和することが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、第3加工処理において、制御部は、少なくとも、Z方向からみて前処理領域上において環状に延びる第3ラインに沿って集光領域を相対移動させながらレーザ光を照射することにより、第3ラインに沿って第3改質領域を形成してもよい。この場合、ウェハの全周にわたって応力緩和を図ることが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、第2加工処理において、制御部は、第2ラインのうちのウェハの外縁から第3ラインに至る第1部分に沿って集光領域を相対移動させながらレーザ光を照射することにより、第2改質領域を第1部分に沿って形成する第1部分処理と、第2ラインのうちの第3ラインから第1ラインに至る第2部分に沿って集光領域を相対移動させながらレーザ光を照射することにより、第2改質領域を第2部分に沿って形成する第2部分処理と、を実行し、制御部は、少なくとも第1部分処理を第1加工処理の前に実行してもよい。この場合、第1亀裂が第1面に至るように伸展する前に、第3改質領域に加えて第2ラインの第1部分に形成される第2改質領域によって、ウェハ内部の応力緩和を図ることが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、制御部は、第1部分処理及び第2部分処理を第1加工処理の前に実行してもよい。この場合、第1亀裂が第1面に至るように伸展する前に、第3改質領域に加えて第2ラインの第1部分及び第2部分に形成される第2改質領域によって、ウェハ内部の応力緩和を図ることが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、第3加工処理において、制御部は、第3改質領域を形成すると共に当該第3改質領域から延びる亀裂を第2面に到達させてもよい。この場合、ウェハ内部の応力緩和に加えて、ウェハの反りも抑制可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、第3加工処理において、制御部は、周縁部上において第1ライン及び第2ラインと異なる位置に集光領域を位置させつつレーザ光を照射することにより、第3改質領域から延びる亀裂が第1面及び第2面に至らないように第3改質領域を形成してもよい。この場合、第3改質領域や第3改質領域から延びる亀裂に起因したウェハの割れを抑制可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置では、第1加工処理において、制御部は、複数のZ方向の位置に集光領域を位置させてレーザ光を照射することによって、Z方向に沿って複数の第1改質領域を形成し、第3加工処理において、制御部は、複数の第1改質領域のうちの最も第1面側に位置する第1改質領域を形成するときの集光領域のZ方向の位置である第1Z位置に集光領域を位置させてレーザ光を照射することにより、第3改質領域を形成してもよい。この場合、第3改質領域や第3改質領域から延びる亀裂に起因したウェハの割れを抑制可能となる。
本開示によれば、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能なレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。 図2は、図1に示された照射部の構成を示す模式図である。 図3は、図2に示された4fレンズユニットを示す図である。 図4は、図2に示された空間光変調器を示す図である。 図5は、斜め亀裂形成の知見を説明するための対象物の断面図である。 図6は、斜め亀裂形成の知見を説明するための対象物の断面図である。 図7は、レーザ光の集光領域のビーム形状を示す図である。 図8は、変調パターンのオフセットを示す図である。 図9は、斜め亀裂の形成状態を示す断面写真である。 図10は、変調パターンの一例を示す図である。 図11は、集光レンズの入射瞳面における強度分布、及び、集光領域のビーム形状を示す図である。 図12は、集光領域のビーム形状、及び、集光領域の強度分布の観測結果を示す図である。 図13は、変調パターンの一例を示す図である。 図14は、非対称な変調パターンの別の例を示す図である。 図15は、集光レンズの入射瞳面における強度分布、及び、集光領域のビーム形状を示す図である。 図16は、変調パターンの一例、及び集光領域の形成を示す図である。 図17は、本実施形態に係る加工対象物を示す断面図である。 図18は、本実施形態に係る加工対象物を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図19は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図20は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図21は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図22は、第1加工工程の一工程を示す断面図である。 図23は、第1加工工程の一工程を示す断面図である。 図24は、第1加工工程の一工程を示す断面図である。 図25は、第1加工工程の一工程を示す断面図である。 図26は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図27は、変形例を説明するための断面図である。 図28は、変形例を説明するための平面図である。 図27は、変形例を説明するための断面図である。 図30は、第1ウェハの一例を示す平面図である。 図31は、本実施形態に係る加工対象物を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図32は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図33は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す断面図である。 図34は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す断面図である。 図35は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す断面図である。 図33は、本実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す断面図である。
以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、X軸、Y軸、及びZ軸によって規定される直交座標系を示す場合がある。
[レーザ加工装置、及び、レーザ加工の概要]
図1は、一実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。図1に示されるように、レーザ加工装置1は、ステージ(支持部)2と、照射部3と、移動部4,5と、制御部6と、を備えている。レーザ加工装置1は、対象物11にレーザ光Lを照射することにより、対象物11に改質領域12を形成するための装置である。
ステージ2は、例えば対象物11に貼り付けられたフィルムを保持することにより、対象物11を支持する。ステージ2は、Z方向に平行な軸線を回転軸として回転可能である。ステージ2は、X方向及びY方向のそれぞれに沿って移動可能とされてもよい。なお、X方向及びY方向は、互いに交差(直交)する第1水平方向及び第2水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
照射部3は、対象物11に対して透過性を有するレーザ光Lを集光して対象物11に照射する。ステージ2に支持された対象物11の内部にレーザ光Lが集光されると、レーザ光Lの集光領域C(例えば後述する中心Ca)に対応する部分においてレーザ光Lが特に吸収され、対象物11の内部に改質領域12が形成される。なお、集光領域Cは、詳細な説明は後述するが、レーザ光Lのビーム強度が最も高くなる位置又はビーム強度の重心位置から所定範囲の領域である。
改質領域12は、密度、屈折率、機械的強度、その他の物理的特性が周囲の非改質領域とは異なる領域である。改質領域12としては、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等がある。改質領域12は、改質領域12からレーザ光Lの入射側及びその反対側に亀裂が延びるように形成され得る。そのような改質領域12及び亀裂は、例えば対象物11の切断に利用される。
一例として、ステージ2をX方向に沿って移動させ、対象物11に対して集光領域CをX方向に沿って相対的に移動させると、複数の改質スポット12sがX方向に沿って1列に並ぶように形成される。1つの改質スポット12sは、1パルスのレーザ光Lの照射によって形成される。1列の改質領域12は、1列に並んだ複数の改質スポット12sの集合である。隣り合う改質スポット12sは、対象物11に対する集光領域Cの相対的な移動速度及びレーザ光Lの繰り返し周波数によって、互いに繋がる場合も、互いに離れる場合もある。
移動部4は、ステージ2をZ方向に交差(直交)する面内の一方向に移動させる第1移動部41と、ステージ2をZ方向に交差(直交)する面内の別方向に移動させる第2移動部42と、を含む。一例として、第1移動部41は、ステージ2をX方向に沿って移動させ、第2移動部42は、ステージ2をY方向に沿って移動させる。また、移動部4は、ステージ2をZ方向に平行な軸線を回転軸として回転させる。移動部5は、照射部3を支持している。移動部5は、照射部3をX方向、Y方向、及びZ方向に沿って移動させる。レーザ光Lの集光領域Cが形成されている状態においてステージ2及び/又は照射部3が移動させられることにより、集光領域Cが対象物11に対して相対移動させられる。すなわち、移動部4,5は、対象物11に対してレーザ光Lの集光領域Cを相対移動させるために、ステージ2及び照射部3の少なくとも一方を移動させる。
制御部6は、ステージ2、照射部3、及び移動部4,5の動作を制御する。制御部6は、処理部、記憶部、及び入力受付部を有している(不図示)。処理部は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。処理部では、プロセッサが、メモリ等に読み込まれたソフトウェア(プログラム)を実行し、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信を制御する。記憶部は、例えばハードディスク等であり、各種データを記憶する。入力受付部は、各種情報を表示すると共に、ユーザから各種情報の入力を受け付けるインターフェース部である。入力受付部は、GUI(Graphical User Interface)を構成している。
図2は、図1に示された照射部の構成を示す模式図である。図2には、レーザ加工の予定を示す仮想的なラインAを示している。図2に示されるように、照射部3は、光源31と、空間光変調器(成形部)7と、集光レンズ33と、4fレンズユニット34と、を有している。光源31は、例えばパルス発振方式によって、レーザ光Lを出力する。なお、照射部3は、光源31を有さず、照射部3の外部からレーザ光Lを導入するように構成されてもよい。空間光変調器7は、光源31から出力されたレーザ光Lを変調する。集光レンズ33は、空間光変調器7によって変調されて空間光変調器7から出力されたレーザ光Lを対象物11に向けて集光する。
図3に示されるように、4fレンズユニット34は、空間光変調器7から集光レンズ33に向かうレーザ光Lの光路上に配列された一対のレンズ34A,34Bを有している。一対のレンズ34A,34Bは、空間光変調器7の変調面7aと集光レンズ33の入射瞳面(瞳面)33aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。これにより、空間光変調器7の変調面7aでのレーザ光Lの像(空間光変調器7において変調されたレーザ光Lの像)が、集光レンズ33の入射瞳面33aに転像(結像)される。なお、図中のFsはフーリエ面を示す。
図4に示されるように、空間光変調器7は、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)である。空間光変調器7は、半導体基板71上に、駆動回路層72、画素電極層73、反射膜74、配向膜75、液晶層76、配向膜77、透明導電膜78及び透明基板79がこの順序で積層されることで、構成されている。
半導体基板71は、例えば、シリコン基板である。駆動回路層72は、半導体基板71上において、アクティブ・マトリクス回路を構成している。画素電極層73は、半導体基板71の表面に沿ってマトリックス状に配列された複数の画素電極73aを含んでいる。各画素電極73aは、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成されている。各画素電極73aには、駆動回路層72によって電圧が印加される。
反射膜74は、例えば、誘電体多層膜である。配向膜75は、液晶層76における反射膜74側の表面に設けられており、配向膜77は、液晶層76における反射膜74とは反対側の表面に設けられている。各配向膜75,77は、例えば、ポリイミド等の高分子材料によって形成されており、各配向膜75,77における液晶層76との接触面には、例えば、ラビング処理が施されている。配向膜75,77は、液晶層76に含まれる液晶分子76aを一定方向に配列させる。
透明導電膜78は、透明基板79における配向膜77側の表面に設けられており、液晶層76等を挟んで画素電極層73と向かい合っている。透明基板79は、例えば、ガラス基板である。透明導電膜78は、例えば、ITO等の光透過性且つ導電性材料によって形成されている。透明基板79及び透明導電膜78は、レーザ光Lを透過させる。
以上のように構成された空間光変調器7では、変調パターンを示す信号が制御部6から駆動回路層72に入力されると、当該信号に応じた電圧が各画素電極73aに印加され、各画素電極73aと透明導電膜78との間に電界が形成される。当該電界が形成されると、液晶層76において、各画素電極73aに対応する領域ごとに液晶分子76aの配列方向が変化し、各画素電極73aに対応する領域ごとに屈折率が変化する。この状態が、液晶層76に変調パターンが表示された状態である。変調パターンは、レーザ光Lを変調するためのものである。
すなわち、液晶層76に変調パターンが表示された状態で、レーザ光Lが、外部から透明基板79及び透明導電膜78を介して液晶層76に入射し、反射膜74で反射されて、液晶層76から透明導電膜78及び透明基板79を介して外部に出射させられると、液晶層76に表示された変調パターンに応じて、レーザ光Lが変調される。このように、空間光変調器7によれば、液晶層76に表示する変調パターンを適宜設定することで、レーザ光Lの変調(例えば、レーザ光Lの強度、振幅、位相、偏光等の変調)が可能である。なお、図3に示された変調面7aは、例えば液晶層76である。
以上のように、光源31から出力されたレーザ光Lが、空間光変調器7及び4fレンズユニット34を介して集光レンズ33に入射され、集光レンズ33によって対象物11内に集光されることにより、その集光領域Cにおいて対象物11に改質領域12及び改質領域12から延びる亀裂が形成される。さらに、制御部6が移動部4,5を制御することにより、集光領域Cを対象物11に対して相対移動させることにより、集光領域Cの移動方向に沿って改質領域12及び亀裂が形成されることとなる。
[斜め亀裂形成に関する知見の説明]
ここで、このときの集光領域Cの相対移動の方向(加工進行方向)をX方向とする。また、対象物11におけるレーザ光Lの入射面である第2面11aに交差(直交)する方向をZ方向とする。また、X方向及びZ方向に交差(直交)する方向をY方向とする。X方向及びY方向は第2面11aに沿った方向である。なお、Z方向は、集光レンズ33の光軸、集光レンズ33を介して対象物11に向けて集光されるレーザ光Lの光軸として規定されてもよい。
図5に示されるように、加工進行方向であるX方向に交差する交差面(Y方向及びZ方向を含むYZ面S)内において、Z方向及びY方向に対して傾斜するラインRA(ここではY方向から所定の角度θをもって傾斜するラインRA)に沿って斜めに亀裂を形成する要求がある。このような斜め亀裂形成に対する知見について、加工例を示しながら説明する。
ここでは、改質領域12として改質領域12a,12bを形成する。これにより、改質領域12aから延びる亀裂13aと、改質領域12bから延びる亀裂13bとをつなげて、ラインRAに沿って斜めに延びる亀裂13を形成する。ここでは、まず、図6に示されるように、対象物11における第2面11aをレーザ光Lの入射面としつつ集光領域C1を形成する。一方、集光領域C1よりも第2面11a側において、第2面11aをレーザ光Lの入射面としつつ集光領域C2を形成する。このとき、集光領域C2は、集光領域C1よりもZ方向に距離Szだけシフトされており、且つ、集光領域C1よりもY方向に距離Syだけシフトされている。距離Sz及び距離Syは、一例として、ラインRAの傾きに対応する。
他方、図7に示されるように、空間光変調器7を用いてレーザ光Lを変調することにより、集光領域C(少なくとも集光領域C2)のYZ面S内でのビーム形状を、少なくとも集光領域Cの中心Caよりも第2面11a側において、Z方向に対してシフトの方向(ここではY方向の負側)に傾斜する傾斜形状とする。図7の例では、中心Caよりも第2面11a側において、Z方向に対してY方向の負側に傾斜すると共に、中心Caよりも第2面11aと反対側の第1面11b側においても、Z方向に対してY方向の負側に傾斜する弧形状とされている。なお、YZ面S内における集光領域Cのビーム形状とは、YZ面S内における集光領域Cでのレーザ光Lの強度分布である。
このように、少なくとも2つの集光領域C1,C2をY方向にシフトさせると共に、少なくとも集光領域C2(ここでは集光領域C1,C2の両方)のビーム形状を傾斜形状とすることにより、図9の(a)に示されるように、斜めに伸びる亀裂13を形成することができる。なお、対象物11がZ方向に比較的薄い場合や、より第1面11b側において加工を行う場合には、改質領域12aのみの形成でも、改質領域12aから延びる亀裂13aが第1面11bに到達する場合がある。この場合には、改質領域12aを形成するための集光領域C1のビーム形状を、少なくとも集光領域Cの中心Caよりも第2面11a側において、所望する亀裂13aのZ方向に対する傾斜方向に応じた傾斜形状とすることにより、改質領域12bの形成を行うことなく、第1面11bに至る斜め亀裂(亀裂13a)を形成可能である。また、例えば空間光変調器7の変調パターンの制御によって、レーザ光Lを分岐することにより集光領域C1,C2を同時に形成して改質領域12及び亀裂13の形成を行ってもよいし(多焦点加工)、集光領域C1の形成により改質領域12a及び亀裂13aを形成した後に、集光領域C2の形成により改質領域12b及び亀裂13bを形成するようにしてもよい(シングルパス加工)。
また、集光領域C1と集光領域C2との間に別の集光領域を形成することにより、図9の(b)に示されるように、改質領域12aと改質領域12bとの間に別の改質領域12cを介在させ、より長く斜めに伸びる亀裂13を形成してもよい。
引き続いて、集光領域CのYZ面S内でのビーム形状を傾斜形状とするための知見について説明する。まず、集光領域Cの定義について具体的に説明する。ここでは、集光領域Cとは、中心Caから所定範囲(例えばZ方向について中心Caから±25μmの範囲)の領域である。中心Caは、上述したように、ビーム強度が最も高くなる位置、又は、ビーム強度の重心位置である。ビーム強度の重心位置は、例えば、レーザ光Lを分岐させるための変調パターンといったようなレーザ光Lの光軸をシフトさせる変調パターンによる変調が行われていない状態でのレーザ光Lの光軸上で、ビーム強度の重心が位置する位置である。ビーム強度が最も高くなる位置やビーム強度の重心は、以下のように取得できる。すなわち、レーザ光Lの出力を対象物11に改質領域12が形成されない程度に(加工閾値よりも)低くした状態で、対象物11にレーザ光Lを照射する。これと共に、対象物11のレーザ光Lの入射面と反対側の面(ここでは第1面11b)からのレーザ光Lの反射光を、例えば図12に示されるZ方向の複数の位置F1~F7についてカメラで撮像する。これにより、得られた画像に基づいてビーム強度の最も高くなる位置や重心を取得できる。なお、改質領域12は、この中心Ca付近で形成される。
集光領域Cでのビーム形状を傾斜形状とするためには、変調パターンをオフセットさせる方法がある。より具体的には、空間光変調器7には、波面の歪を補正するための歪補正パターン、レーザ光を分岐するためのグレーティングパターン、スリットパターン、非点収差パターン、コマ収差パターン、及び、球面収差補正パターン等の種々のパターンが表示される(これらが重畳されたパターンが表示される)。このうち、図8に示されるように、球面収差補正パターンPsをオフセットさせることにより、集光領域Cのビーム形状を調整可能である。
図8の例では、変調面7aにおいて、球面収差補正パターンPsの中心Pcを、レーザ光Lの(ビームスポットの)中心Lcに対して、Y方向の負側にオフセット量Oy1だけオフセットさせている。上述したように、変調面7aは、4fレンズユニット34によって、集光レンズ33の入射瞳面33aに転像される。したがって、変調面7aにおけるオフセットは、入射瞳面33aでは、Y方向の正側へのオフセットになる。すなわち、入射瞳面33aでは、球面収差補正パターンPsの中心Pcは、レーザ光Lの中心Lc、及び入射瞳面33aの中心(ここでは、中心Lcと一致している)からY方向の正側にオフセット量Oy2だけオフセットされる。
このように、球面収差補正パターンPsをオフセットさせることにより、レーザ光Lの集光領域Cのビーム形状が、図7に示されるように弧状の傾斜形状に変形される。以上のように球面収差補正パターンPsをオフセットさせることは、レーザ光Lに対してコマ収差を与えることに相当する。したがって、空間光変調器7の変調パターンに、レーザ光Lに対してコマ収差を付与するためのコマ収差パターンを含ませることにより、集光領域Cのビーム形状を傾斜形状としてもよい。なお、コマ収差パターンとしては、Zernikeの多項式の9項(3次のコマ収差のY成分)に相当するパターンであって、Y方向にコマ収差が発生するパターンを使用することができる。
なお、このように斜めに延びる亀裂13を形成するためのビーム形状の制御は、上記の例に限定されない。引き続いて、ビーム形状を傾斜形状とするための別の例について説明する。図10の(a)に示されるように、加工進行方向であるX方向に沿った軸線Axに対して非対称な変調パターンPG1によってレーザ光Lを変調し、集光領域Cのビーム形状を傾斜形状としてもよい。変調パターンPG1は、Y方向におけるレーザ光Lのビームスポットの中心Lcを通るX方向に沿った軸線AxよりもY方向の負側にグレーティングパターンGaを含むと共に、軸線AxよりもY方向の正側に非変調領域Baを含む。換言すれば、変調パターンPG1は、軸線AxよりもY方向の正側のみにグレーティングパターンGaが含まれる。なお、図10の(b)は、図10の(a)の変調パターンPG1を集光レンズ33の入射瞳面33aに対応するように反転させたものである。
図11の(a)は、集光レンズ33の入射瞳面33aにおけるレーザ光Lの強度分布を示す。図11の(a)に示されるように、このような変調パターンPG1を用いることにより、空間光変調器7に入射したレーザ光LのうちのグレーティングパターンGaにより変調された部分が集光レンズ33の入射瞳面33aに入射しなくなる。この結果、図14の(b)及び図15に示されるように、YZ面S内における集光領域Cのビーム形状を、その全体がZ方向に対して一方向に傾斜した傾斜形状とすることができる。
すなわち、この場合には、集光領域Cのビーム形状が、集光領域Cの中心Caよりも第2面11a側において、Z方向に対してY方向の負側に傾斜する共に、集光領域Cの中心Caよりも第2面11aと反対側の第1面11b側において、Z方向に対してY方向の正側に傾斜することとなる。なお、図12の(b)の各図は、図12の(a)に示されたZ方向の各位置F1~F7におけるレーザ光LのXY面内の強度分布を示し、カメラによる実際の観測結果である。集光領域Cのビーム形状をこのように制御した場合であっても、上記の例と同様に、斜めに伸びる亀裂13を形成できる。
さらに、軸線Axに対して非対称な変調パターンとしては、図13に示される変調パターンPG2,PG3,PG4を採用することもできる。変調パターンPG2は、軸線AxよりもY方向の負側において、軸線Axから離れる方向に順に配列された非変調領域Ba及びグレーティングパターンGaを含み、軸線AxよりもY方向の正側に非変調領域Baを含む。すなわち、変調パターンPG2は、軸線AxよりもY方向の負側の領域の一部にグレーティングパターンGaを含む。
変調パターンPG3は、軸線AXよりもY方向の負側において、軸線Axから離れる方向に順に配列された非変調領域Ba及びグレーティングパターンGaを含むと共に、軸線AxよりもY方向の正側においても、軸線Axから離れる方向に順に配列された非変調領域Ba及びグレーティングパターンGaを含む。変調パターンPG3では、軸線AxよりもY方向の正側とY方向の負側とで、非変調領域Ba及びグレーティングパターンGaの割合を異ならせることで(Y方向の負側で相対的に非変調領域Baが狭くされることで)、軸線Axに対して非対称とされている。
変調パターンPG4は、変調パターンPG2と同様に、軸線AxよりもY方向の負側の領域の一部にグレーティングパターンGaを含む。変調パターンPG4では、さらに、X方向についても、グレーティングパターンGaが設けられた領域が一部とされている。すなわち、変調パターンPG4では、軸線AxよりもY方向の負側の領域において、X方向に順に配列された非変調領域Ba、グレーティングパターンGa、及び、非変調領域Baを含む。ここでは、グレーティングパターンGaは、X方向におけるレーザ光Lのビームスポットの中心Lcを通るY方向に沿った軸線Ayを含む領域に配置されている。
以上のいずれの変調パターンPG2~PG4によっても、集光領域Cのビーム形状を、少なくとも中心Caよりも第2面11a側においてZ方向に対してY方向の負側に傾斜する傾斜形状とすることができる。すなわち、集光領域Cのビーム形状を、少なくとも中心Caよりも第2面11a側においてZ方向に対してY方向の負側に傾斜するように制御するためには、変調パターンPG1~PG4のように、或いは、変調パターンPG1~PG4に限らず、グレーティングパターンGaを含む非対称な変調パターンを用いることができる。
さらに、集光領域Cのビーム形状を傾斜形状とするための非対称な変調パターンとしては、グレーティングパターンGaを利用するものに限定されない。図14は、非対称な変調パターンの別の例を示す図である。図14の(a)に示されるように、変調パターンPEは、軸線AxよりもY方向の負側に楕円パターンEwを含むと共に、軸線AxよりもY方向の正側に楕円パターンEsを含む。なお、図14の(b)は、図14の(a)の変調パターンPEを集光レンズ33の入射瞳面33aに対応するように反転させたものである。
図14の(c)に示されるように、楕円パターンEw,Esは、いずれも、X方向及びY方向を含むXY面における集光領域Cのビーム形状を、X方向を長手方向とする楕円形状とするためのパターンである。ただし、楕円パターンEwと楕円パターンEsとでは変調の強度が異なる。より具体的には、楕円パターンEsによる変調の強度が楕円パターンEwによる変調の強度よりも大きくされている。すなわち、楕円パターンEsによって変調されたレーザ光Lが形成する集光領域Csが、楕円パターンEwによって変調されたレーザ光Lが形成する集光領域CwよりもX方向に長い楕円形状となるようにされている。ここでは、軸線AxよりもY方向の負側に相対的に強い楕円パターンEsが配置されている。
図15の(a)に示されるように、このような変調パターンPEを用いることにより、YZ面S内における集光領域Cのビーム形状を、中心Caよりも第2面11a側においてZ方向に対してY方向の負側に傾斜する傾斜形状とすることができる。特に、この場合には、YZ面S内における集光領域Cのビーム形状が、中心Caよりも第2面11aと反対側においてもZ方向に対してY方向の負側に傾斜することとなり、全体として弧状となる。なお、図15の(b)の各図は、図15の(a)に示されたZ方向の各位置H1~F8におけるレーザ光LのXY面内の強度分布を示し、カメラによる実際の観測結果である。
さらには、集光領域Cのビーム形状を傾斜形状とするための変調パターンは、以上の非対称なパターンに限定されない。一例として、そのような変調パターンとして、図16に示されるように、YZ面S内において複数位置に集光点CIを形成して、複数の集光点CIの全体で(複数の集光点CIを含む)傾斜形状である集光領域Cを形成するように、レーザ光Lを変調するためのパターンが挙げられる。このような変調パターンは一例として、アキシコンレンズパターンに基づいて形成できる。このような変調パターンを用いた場合には、改質領域12自体もYZ面S内において斜めに形成することができる。このため、この場合には、所望する傾斜に応じて正確に斜めの亀裂13を形成できる。一方、このような変調パターンを用いた場合には、上記の他の例と比較して、亀裂13の長さが短くなる傾向がある。したがって、要求に応じて各種の変調パターンを使い分けることにより、所望の加工が可能となる。
なお、上記集光点CIは、例えば、非変調のレーザ光が集光される点である。以上のように、本発明者の知見によれば、YZ面S内において少なくとの2つの改質領域12a,12bをY方向及びZ方向にシフトさせ、且つ、YZ面S内において集光領域Cのビーム形状を傾斜形状とすることにより、Z方向に対してY方向に傾斜するように斜めに延びる亀裂13を形成することができるのである。
なお、ビーム形状の制御に際して、球面収差補正パターンのオフセットを利用する場合、コマ収差パターンを利用する場合、及び、楕円パターンを利用する場合には、回折格子パターンを利用してレーザ光の一部をカットする場合と比較して、高エネルギーでの加工が可能となる。また、これらの場合には、亀裂の形成を重視する場合に有効である。また、コマ収差パターンを利用する場合には、多焦点加工の場合に、一部の集光領域のビーム形状のみを傾斜形状とすることが可能である。さらに、アキシコンレンズパターンを利用する場合は、他のパターンの利用は、他のパターンと比較して改質領域の形成を重視する場合に有効である。
[レーザ加工の第1実施形態]
引き続いて、第1実施形態に係るレーザ加工について説明する。ここでは、トリミング加工を行う。トリミング加工は、対象物11において不要部分を除去する加工である。図17及び図18は、本実施形態に係る加工対象物を示す図である。図17の(a),(b)及び図18の(b)は、断面図であり、図18の(a)は平面図である。以下、理解の容易化のため、断面図においてハッチングを省略する場合がある。
図17及び図18に示されるように、対象物11は、第1ウェハ(ウェハ)100と第2ウェハ(別部材)200とを含む。第1ウェハ100は、第1面101と第1面101の反対側の第2面102とを含む。第1ウェハ100及び第2ウェハ200は、任意のウェハであるが、例えば半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)である。
第1ウェハ100は、第1面101側において第2ウェハ200に接合されている。より具体的には、第1ウェハ100の第1面101には、デバイス層150が形成されており、このデバイス層150において第2ウェハ200に接合されている。なお、ここでは、第2ウェハ200にもデバイス層250が形成されており、デバイス層150及びデバイス層250が互いに接合されている。このように、本実施形態では、対象物11は、第1ウェハ100がデバイス層150,250を介して別部材としての第2ウェハ200に接合されて構成される貼合ウェハである。
デバイス層150は、例えば、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、メモリ等の回路素子等である複数の機能素子のチップを含む。デバイス層150は、第1面101及び第2面102に交差(直交)するZ方向からみてデバイス層の中心部分を含むアクティブエリア160と、Z方向からみてアクティブエリア160を囲うようにアクティブエリア160の外側に位置する環状の周縁部170と、を含む。アクティブエリア160は、上記の複数のチップを含むエリアである。
周縁部170は、トリミング加工により除去される部分を含む。周縁部170は、デバイス層150の外縁153を含む領域であって、第2ウェハ200との接合が弱化された前処理領域172を含む。また、周縁部170は、Z方向からみて前処理領域の内側(アクティブエリア160側)に位置すると共に、第2ウェハ200との接合が維持されている接合領域を含む。デバイス層150の周縁部170において、接合領域171と前処理領域172とは接しており、互いの境界B12を形成している。
前処理領域172は、例えば、第1ウェハ100と第2ウェハ200とを接合する前に、エッチング等により接合面を荒らす前処理にて形成され得る。この場合、第1ウェハ100と第2ウェハ200とを接合する際に、前処理領域172の全体において接合がなされない場合もあるし、部分的に接合がなされる場合もあり得るが、全体として他の部分よりも接合が弱化される(接合強度が小さくなる)。
また、前処理領域172は、第1面101と第2ウェハ200とを接合した後に、第1ウェハ100を透過すると共に接合部分で吸収されるレーザ光を照射することにより、Z方向に交差する面内に延びる亀裂を形成する前処理にて形成され得る。この場合、前処理領域172の全体にわたって亀裂が形成され、前処理領域172の全体において剥離が行われている場合もあるし、部分的に接合が維持される場合もあり得るが、全体として他の部分よりも接合が弱化される(接合強度が小さくなる)。
本実施形態に係るレーザ加工では、第1ウェハ100のアクティブエリア160に対応する領域へのレーザ光Lの照射を抑制しつつ、以上のような周縁部170に対応する領域へのレーザ光Lの照射により、第1ウェハ100の除去領域Eを除去して有効領域Rを残存させるトリミング加工を行う。そのために、本実施形態に係るレーザ加工では、Z方向からみて周縁部170上において環状(ここでは円環状)に延びる第1ラインA1に沿った第1加工と、Z方向からみて周縁部170上において第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように直線状に延びる複数(ここでは4つ)の第2ラインA2に沿った第2加工と、Z方向からみて周縁部170上において第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置での第3加工と、を行う。
本実施形態では、第3加工は、Z方向からみて周縁部170上において環状(ここでは円環状)に延びる第3ラインA3に沿って行われる。第3ラインA3は、第1ラインA1と外縁103との間、より具体的には境界B12と外縁103との間に設定されている。すなわち、第3ラインA3は前処理領域172上に位置する。なお、本実施形態では、第1ラインA1は境界B12よりもアクティブエリア160側に設定される。すなわち、第1ラインA1は接合領域171上に位置する。
引き続いて、各加工を含む本実施形態に係るレーザ加工方法(レーザ加工工程)について具体的に説明する。なお、以下の説明において、Z方向は第1ウェハ100の第1面101及び第2面102に交差(直交)する方向であり、X方向はZ方向からみたときの第1ウェハ100の外縁103の接線方向(又は周方向)であり、Y方向はZ方向からみたときの第1ウェハ100の中心から外縁103に向かう径方向である。
図19に示されるように、本実施形態に係るレーザ加工方法では、まず、第3加工を行う(工程S101:第3加工工程)。より具体的には、この工程S101では、第1ウェハ100の第1面101がステージ2側となるように、対象物11がステージ2に支持された状態とされる。したがって、この工程S101を含む以下の工程では、第1ウェハ100の第2面102が照射部3側に臨む状態とされる。そして、第2面102をレーザ光Lの入射面として、レーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、第1ウェハ100に改質領域12及び改質領域12から延びる亀裂13を形成する。
工程S101では、制御部6が移動部4,5を制御することにより、ステージ2と照射部3との相対的な位置を調整し、第1ウェハ100上に照射部3を位置させる。特に、工程S101では、レーザ光Lの集光領域Cが、第1ウェハ100の内部において第3ラインA3直下に位置させられる。その状態において、制御部6は、照射部3を制御することによりレーザ光Lを第1ウェハ100に照射すると共に、移動部4を制御することによりステージ2を回転させる。これにより、レーザ光Lの集光領域Cが第3ラインA3に沿って第1ウェハ100に対して相対移動させられながら、レーザ光Lが第1ウェハ100に照射される。これにより、第1ウェハ100の内部に改質領域12としての第3改質領域123が形成される(図20参照)。
すなわち、工程S101では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置に集光領域Cを位置させつつレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第3改質領域123を形成する第3加工処理を実行する。特に、工程S101では、第3加工処理として、制御部6が、第3ラインA3に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第3ラインA3に沿って第3改質領域123を形成する。上述したように、第3ラインA3は、前処理領域172上に設定される。したがって、第3加工処理では、制御部6は、前処理領域172上に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、前処理領域172上に第3改質領域123を形成する。
また、工程S101では、図20に示されるように、制御部6が、Z方向について複数の位置に集光領域Cを位置させて同様のレーザ光Lの照射を行うことにより、Z方向に沿って複数の第3改質領域123を形成する。そして、この例では、Z方向に沿って複数の第3改質領域123にわたって延びる第3亀裂133を形成し、当該第3亀裂133を第2面102に到達させる。
引き続いて、図21に示されるように、本実施形態に係るレーザ加工方法では、第1加工を行う(工程S102:第1加工工程)。より具体的には、この工程S102では、制御部6が、移動部4,5を制御することにより、ステージ2と照射部3との相対的な位置を調整し、レーザ光Lの集光領域Cを第1ウェハ100の内部において第1ラインA1の下部に位置させる。その状態において、制御部6が、照射部3を制御することによりレーザ光Lを第1ウェハ100に照射すると共に、移動部4を制御することによりステージ2を回転させる。これにより、レーザ光Lの集光領域Cを第1ラインA1に沿って第1ウェハ100に対して相対移動させながら、レーザ光Lが第1ウェハ100に照射される。これにより、第1ウェハ100の内部に改質領域12としての第1改質領域121が形成される(図26等参照)。
すなわち、工程S102では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において環状に延びる第1ラインA1に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第1改質領域121を第1ラインA1に沿って形成する第1加工処理を実行する。
ここで、工程S102(第1加工処理)では、斜め亀裂の形成と垂直亀裂の形成とが行われる。この点についてより具体的に説明する。工程S102では、まず、斜め亀裂の形成が行われる。そのために、まず、図22に示されるように、集光領域Cの位置を、第1ウェハ100の中心から外縁103に向かうY方向について第1Y位置Y1とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。なお、第1Y位置Y1は、複数の第1改質領域121を形成する際に集光領域Cを位置させる複数のY方向の位置のうちの最も境界B12側の位置である。また、第1Z位置Z1は、複数の第1改質領域121を形成する際に集光領域Cを位置させる複数のZ方向の位置のうちの最も第1面101側の位置である。これにより、図23に示されるように、第1改質領域121としての第1Z改質領域121a及び第1Z改質領域121aから延びる亀裂13としての第1亀裂131を形成する。
その後、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1よりも境界B12と反対側(すなわち第1ウェハ100の中心側)の第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1よりも第2面102側の第2Z位置Z2として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、図24に示されるように、第1Z改質領域121aよりも第2面102側且つ第1ウェハ100の外縁103と反対側に第1改質領域121としての第2Z改質領域121bを形成する。これらの第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121bの形成時には、上述した斜め亀裂形成に係る知見に示されるように、集光領域Cの少なくとも中心Caよりも第2面102側において、Z方向に対して第1Y位置Y1から第2Y位置Y2に向かう方向(シフト方向)に傾斜する傾斜形状とする。これにより、第1亀裂131が、第2Z改質領域121bから第1Z改質領域121aにわたると共に第1Z改質領域121aから境界B12に向かうように斜めに伸展させられ、第1面101(特に境界B12)に至らせられる。
以上のように、工程S102(第1加工処理)では、制御部6が、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することによって、Z方向に沿って複数の第1改質領域121(第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121b)を形成し、複数の第1改質領域121のうちの最も第1面101側に位置する第1改質領域121(第1Z改質領域121a)から第1面101に至るように第1亀裂131を形成する。
また、工程S102(第1加工処理)では、制御部6が、第1亀裂131が前処理領域172と接合領域171との境界B12に向けて延びるように、複数の第1改質領域121(第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121b)を形成する。特に、工程S102(第1加工処理)では、制御部6が、第1亀裂131が、第2面102から第1面101に向かうにつれて接合領域171から境界B12に向かって斜めに延びるように、複数の第1改質領域121(第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121b)を形成する。
より具体的には、工程S102(第1加工処理)では、制御部6が、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1としてレーザ光Lを照射することにより第1Z改質領域121aを形成する第1斜め加工処理を実行する。そして、第1斜め加工処理の後に、制御部6が、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1よりも第1ウェハ100の外縁103と反対側の第2Y位置Y2とし、且つ、前記Z方向について第1Z位置Z1よりも第2面102側の第2Z位置Z2としてレーザ光Lを照射することにより、第1Z改質領域121aよりも第2面102側且つ第1ウェハ100の外縁103と反対側に第2Z改質領域121bを形成し、第1Z改質領域121aから境界B12に向かうように斜めに第1亀裂131を伸展させる第2斜め加工処理を実行する。
続いて、工程S102では、垂直亀裂の形成を行う。そのために、図24に示されるように、レーザ光Lの集光領域Cの位置を、Y方向について第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第2Z位置Z2よりも第2面102側の第3Z位置Z3として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、図25に示されるように、第1改質領域121としての第3Z改質領域121cを形成する。ここでは、複数の第3Z位置Z3について同様にレーザ光Lの照射を行うことにより、Z方向に沿って複数の第3Z改質領域121cを形成すると共に、当該複数の第3Z改質領域121cにわたるようにZ方向に沿って延びる第3亀裂(垂直亀裂)131bを形成する。このとき、第3亀裂131bを第2面102に至るように伸展させることができる。
このように、工程S102(第1加工処理)では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、第2Y位置Y2において、第2Z位置Z2よりも第2面102側の複数の第3Z位置Z3に集光領域Cを位置させ、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射することにより、第2Y位置Y2においてZ方向に沿って配列された複数の第3Z改質領域121cを形成し、当該複数の第3Z改質領域121cにわたって垂直に第3亀裂131bを伸展させる垂直加工処理を実行する。
引き続いて、図26に示されるように、本実施形態に係るレーザ加工方法では、第2加工を行う(工程S103、第2加工工程)。より具体的には、この工程S103では、制御部6が、移動部4,5を制御することにより、ステージ2と照射部3との相対的な位置を調整し、レーザ光Lの集光領域Cを第1ウェハ100の内部において第2ラインA2の下部に位置させる。その状態において、制御部6が、照射部3を制御することによりレーザ光Lを第1ウェハ100に照射すると共に、移動部4及び移動部5の少なくとも一方を制御することにより、ステージ2をY方向に沿って移動させる。これにより、レーザ光Lの集光領域Cを第2ラインA2に沿って第1ウェハ100に対して相対移動させながら、レーザ光Lが第1ウェハ100に照射される。これにより、第1ウェハ100の内部に改質領域12としての第2改質領域122が形成される(図26等参照)。
このように、工程S103では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように直線状に延びる第2ラインA2に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第2改質領域122を第2ラインA2に沿って形成する第2加工処理を実行する。
以上の第2工程で形成される第2改質領域122及び第2改質領域122から延びる亀裂は、第1ウェハ100の外縁103から、第1ラインA1に沿って形成された第1改質領域121及び第1亀裂131に至るように形成される。これにより、第1ウェハ100の除去領域Eが周方向に沿って第2ラインA2の数(ここでは4つ)だけ分割することが可能となる。
その後、所定の治具や装置を利用して、第1ウェハ100から除去領域Eを除去し、デバイス層150,250を介して第2ウェハ200に接合された有効領域Rが残存させられる。これにより、対象物11のトリミング加工が完了する。その後、第2面102側から有効領域Rを研削して薄化する工程を実施した後に、薄化された有効領域Rに別のウェハをさらに接合すると共に上記の一連の工程を繰り返し実施することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、デバイス層150,250を介して第2ウェハ200に接合された第1ウェハ100にレーザ光Lを照射してレーザ加工を行う。デバイス層150は、複数のチップを含むアクティブエリア160とアクティブエリア160を囲うようにアクティブエリア160の外側に位置する周縁部170とを含む。そして、レーザ加工では、この周縁部170上において環状に延びる第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射することにより、第1ラインA1に沿った第1改質領域121を形成する。これにより、第1改質領域121や第1改質領域121から延びる第1亀裂131を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分(除去領域E)として除去するトリミングが可能となる。
特に、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、レーザ加工において、デバイス層150の周縁部170上において第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように延びる第2ラインA2に沿ってレーザ光を照射することにより、第2改質領域122を第2ラインA2に沿って形成する。これにより、第2改質領域122や第2改質領域122から延びる亀裂を利用して、第1ウェハ100の除去領域Eを周方向に複数の部分に分割して容易にトリミングを行うことが可能となる。
さらに、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、デバイス層150の周縁部170上の第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置においてレーザ光Lを照射することにより、第3改質領域123を形成する。このような第3改質領域123は、第1ウェハ100内部に生じた応力を緩和する。したがって、この第3改質領域123の形成を、第1改質領域121から延びる第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させる前に行うことにより、第1ウェハ100内部の応力によって第1亀裂131が意図しない方向に伸展することが抑制される。よって、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。
なお、第1改質領域121から延びる第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させる前(一例としては第1加工処理の前)に形成された改質領域12(ここでは第3改質領域123)は、第1亀裂131が意図しない方向に伸展しないように第1ウェハ100内部の応力を緩和するための改質領域として機能する。
このような観点から、レーザ加工装置1では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12を形成する応力緩和処理を実行することとなる。特に、制御部6は、第1改質領域121から延びる第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させる前(一例としては第1加工処理の前)に、応力緩和処理を実行することとなる。
なお、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、第1ラインA1に沿った第1改質領域121をZ方向に複数形成する。これにより、複数の第1改質領域121や第1改質領域121から延びる第1亀裂131を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分(除去領域E)として除去するトリミングを可能とする。そして、第3改質領域123の形成を、複数の第1改質領域121のうちの最も第1ウェハ100の第1面101側(すなわちデバイス層150側)に位置する第1Z改質領域121aから延びる第1亀裂131が、第1面101に至るように伸展させるための加工前に行うことにより、第1ウェハ100内部の応力によって第1亀裂131が意図しない方向に伸展することを抑制する。よって、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。なお、複数の第1改質領域121のうちの最も第1ウェハ100の第1面101側に位置する第1Z改質領域121aから延びる第1亀裂131が第1面101に至るように伸展させるための加工とは、ここでは、第2Z改質領域121bを形成する加工である。
したがって、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、制御部6が、複数の第1改質領域121のうちの第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させるための第1改質領域121(ここでは第2Z改質領域121b)を形成する前(一例としては第1加工処理の前)に、応力緩和処理を実行することとなる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、制御部6が、第1加工処理の前に第3加工処理を実行する。これにより、第3改質領域123の形成を、より確実に、第1亀裂131が第1面101に至るように伸展する前に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、周縁部170は、デバイス層150の外縁153を含む領域であって、第2ウェハ200との接合が弱化された前処理領域172と、Z方向からみて前処理領域172の内側に位置する接合領域171と、を有する。そして、第1加工処理では、制御部6は、第1亀裂131が前処理領域172と接合領域171との境界B12に向けて延びるように第1改質領域121を形成する。このように、第1ウェハ100の接合部分であるデバイス層150が、接合の弱化された前処理領域172を含む場合、第1ウェハ100の内部に応力が生じやすくなる。したがって、上記のとおり、第3改質領域123を形成して応力緩和を図ることがより有効となる。また、この場合には、第1亀裂131が意図せずに前処理領域172の内部に至るように伸展することが抑制され、品質低下が抑制される。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1加工処理において、制御部6が、第1亀裂131が第2面102から第1面101に向かうにつれて接合領域171から境界B12に向かって斜めに延びるように第1改質領域121を形成する。このため、第1亀裂131が斜め亀裂となることから、第1亀裂131がデバイス層150を越えて第2ウェハ200に至ることが抑制される。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第3加工処理において、制御部6が、前処理領域172上に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、前処理領域172上に第3改質領域123を形成する。これにより、前処理領域172に起因する第1ウェハ100内部の応力を確実に緩和することが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第3加工処理において、制御部6が、Z方向からみて前処理領域172上において環状に延びる第3ラインA3に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第3ラインA3に沿って第3改質領域123を形成する。このため、第1ウェハ100の全周にわたって応力緩和を図ることが可能となる。
さらに、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第3加工処理において、制御部6が、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、Z方向に沿って複数の第3改質領域123を形成すると共に、当該複数の第3改質領域123にわたって延びる第3亀裂133を第2面102に到達させる。これにより、第1ウェハ100内部の応力緩和に加えて、第1ウェハ100の反りも抑制可能となる。
[第1実施形態の変形例]
引き続いて、第1実施形態の変形例について説明する。また、上記第1実施形態に係るレーザ加工装置1では、工程S101(第3加工工程、第3加工処理)において、制御部6が、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、Z方向に沿って複数の第3改質領域123を形成すると共に、当該複数の第3改質領域123にわたって延びる第3亀裂133を第2面102に到達させる例について説明した。しかし、工程S101では、単一の第3改質領域123を形成しつつ第3亀裂133を第2面102に到達させてもよい。すなわち、工程S101では、制御部6が、第3改質領域123を形成すると共に当該第3改質領域123から延びる第3亀裂133を第2面102に到達させてもよい。また、上記第1実施形態では、工程S101(第3加工工程、第3加工処理)において、第3亀裂133が第1ウェハ100の第2面102に至るように、且つ、第1ウェハ100の第1面101に至らないように複数の第3改質領域123を形成する例について説明した。
しかしながら、図27の(a)に示されるように、工程S101では、第3亀裂133が第1面101及び第2面102のいずれにも至らないように複数の第3改質領域123を形成してもよい(第3改質領域123は1つでもよい)。すなわち、第3加工処理では、制御部6が、周縁部170上において第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置に集光領域Cを位置させつつレーザ光Lを照射することにより、第3改質領域123から延びる第3亀裂133が第1面101及び第2面102に至らないように第3改質領域123を形成することができる。この場合、第3改質領域や第3改質領域から延びる亀裂に起因したウェハの割れを抑制可能となる。
また、図27の(b)に示されるように、工程S101において、第3亀裂133が第1面101及び第2面102に至らないように第3改質領域123を形成する場合に、より深い位置(より第1面101に近い位置)に第3改質領域123を形成してもよい。この場合の第3改質領域123(当該第3改質領域123を形成するさいの集光領域C)のZ方向の位置は、少なくとも第1ウェハ100のZ方向の中心よりも第1面101側の位置とすることができる。
この例では、第1加工処理において、制御部6が、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することによって、Z方向に沿って複数の第1改質領域121を形成しており、その複数の第1改質領域121のうちの最も第1面101側に位置する第1改質領域121を形成するときの集光領域CのZ方向の位置である第1Z位置Z1に集光領域Cを位置させ、第3改質領域123を形成している。すなわち、第3加工処理では、制御部6が、複数の第1改質領域121のうちの最も第1面101側に位置する第1改質領域121を形成するときの集光領域CのZ方向の位置である第1Z位置Z1に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、第3改質領域123を形成してもよい。この場合、第3改質領域123や第3改質領域123から延びる第3亀裂133に起因した第1ウェハ100の割れを抑制可能となる。特に、この場合には、第3改質領域123が前処理領域172の直上に形成されることから、前処理領域172に起因した応力を好適に緩和することが可能となる。
なお、以上の例では、工程S101において、Y方向について1列の第3改質領域123を形成する例を挙げたが、Y方向について複数列の第3改質領域123を形成してもよい。例えば、周縁部170上に同心円状に複数の第3ラインA3を設定し、それぞれの第3ラインA3に沿ってのレーザ光Lの照射を行うことにより、Y方向について複数列の第3改質領域123を形成することが可能である。
また、上記第1実施形態では、工程S103(第2加工工程、第2加工処理)において、第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至る1つの第2ラインA2に沿って、一括してレーザ光Lの照射を行う例について説明した。しかし、第2ラインA2に沿ったレーザ光Lの照射を複数回に分けて行ってもよい。
より具体的には、図28に示されるように、第2ラインA2が、第1ウェハ100の外縁103から第3ラインA3に至る第1部分A2aと、第3ラインA3から第1ラインA1に至る第2部分A2bと、を含むものとし、それぞれの部分に対してレーザ光Lの照射を行うことができる。一例として、第1部分A2aに沿ったレーザ光Lの照射を、第1工程S101の前に行うと共に、第2部分A2bに沿ったレーザ光Lの照射を、第1工程S101の後に行うことができる。
すなわち、第2加工処理では、制御部6が、第2ラインA2のうちの第1部分A2aに沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第2改質領域122を第1部分A2aに沿って形成する第1部分処理と、第2ラインのうちの第2部分A2bに沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第2改質領域122を第2部分A2bに沿って形成する第2部分処理と、を実行すると共に、制御部6が、少なくとも第1部分処理を第1加工処理の前に実行することができる。
この場合、第1亀裂131が第1面101に至るように伸展する前に、第3改質領域123に加えて第2ラインA2の第1部分A2aに形成される第2改質領域122によって、第1ウェハ100内部の応力緩和を図ることが可能となる。この場合、第3改質領域123に加えて、第1部分処理で形成される第2改質領域122も、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12として機能する。したがって、制御部6は、第1部分処理と同時に応力緩和処理を実行することとなる。
さらに、この場合において、制御部6が、第1部分処理及び第2部分処理の両方を、第1加工処理の前に行うことも可能である。この場合、第1亀裂131が第1面101に至るように伸展する前に、第3改質領域123に加えて第2ラインA2の第1部分A2a及び第2部分A2bに形成される第2改質領域122によって、第1ウェハ100内部の応力緩和を図ることが可能となる。この場合、第3改質領域123に加えて、第1部分処理及び第2部分処理で形成される第2改質領域122も、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12として機能する。したがって、制御部6は、第1部分処理及び第2部分処理と同時に応力緩和処理を実行することとなる。
一方で、制御部6が、第1部分処理を第1加工処理の前に行うと共に、第2部分処理を第1加工処理の後に行うことも可能である。この場合、第2ラインA2のうちの第1ラインA1に至る第2部分A2bにおける第2改質領域122の形成時に、第1ラインA1において第1改質領域121が既に形成されていることから、第2改質領域122から水平方向に延びる亀裂の伸展が、第1改質領域121によって留められる。なお、いずれの場合においても、工程S101(第3加工工程、第3加工処理)との前後関係については任意である。
さらに、工程S101と工程S102とが、少なくとも部分的に同時に行われてもよい。より具体的には、図29に示されるように、工程S101で第1Z改質領域121aを形成する際(第1斜め加工処理のとき)に、レーザ光Lを複数(ここでは2つ)のレーザ光L1,L2に分岐し、第1Z位置Z1及び第1Y位置Y1にレーザ光L1の集光領域Cを位置させつつ、第1Z位置Z1及び第3Y位置Y3にレーザ光L2の集光領域Cを位置させてレーザ光L1,L2の照射を行うことにより、それぞれの位置において第1Z改質領域121aと第3改質領域123とを同時に形成することができる。なお、第3Y位置Y3は、境界B12のY方向の位置よりも外縁153側の位置である。また、Y方向に複数の第3改質領域123を第1Z改質領域121aと同時に形成する場合には、レーザ光Lを3つ以上に分岐すればよい。
以上の例では、工程S102(第1加工工程、第1加工処理)において、斜め亀裂(第1亀裂131)を形成する場合について説明した。しかし、工程S102では、垂直亀裂のみを形成してもよい。すなわち、第1改質領域121からZ方向に延びる第1亀裂131を第1面101(特に境界B12)に至るように形成してもよい。或いは、複数の第1改質領域121のうちの最も第1面101側の第1改質領域121からZ方向に延びる第1亀裂131を第1面101(特に境界B12)に至るように形成してもよい。
ここで、以上の例では、工程S101(第3加工工程、第3加工処理)において、Z方向からみて円環状の第3ラインA3に沿ったレーザ光Lの照射を行い、第3ラインA3に沿って第3改質領域123を形成した。しかし、第3改質領域123は、第1ウェハ100の少なくとも周縁部170上の領域に形成されればよく、このような円環状の第3ラインA3の全体にわたって形成される場合に限定されない。換言すれば、工程S101では、第3ラインA3の一部のみにおいて第3改質領域123を形成してもよい。
図30は、第1ウェハの一例を示す平面図である。図30の例では、第1ウェハ100がシリコンウェハである。第1ウェハ100は、第2面102が(100)面とされており、一の(110)面と、別の(110)面と、一の(110)面に直交する第1結晶方位K1と、別の(110)面に直交する第2結晶方位K2と、を含む結晶構造を有している。なお、第3結晶方位K3及び第4結晶方位K4は、いずれも(100)面に直交する結晶方位である。
第2結晶方位K2と第3ラインA3とが直交する点を0°及び180°とし、第1結晶方位K1と第3ラインA3とが直交する点を90°及び270°とし、第3ラインA3における0°と90°との中間の点を45°、90°と180°との中間の点を135°、180°と270°との中間の点を225°、270°と0°との中間の点を315°とする。45°及び225°の点は、第3結晶方位K3と第3ラインA3とが直交する点である。135°及び315°の点は、第4結晶方位K4と第3ラインA3とが直交する点である。なお、第1ウェハ100には、0°の位置にノッチ100nが設けられている。
工程S101で第3ラインA3の一部のみに第3改質領域123を形成する場合であって、工程S102で垂直亀裂のみを形成する場合には、以上の角度の定義づけに沿って、第3ラインA3の5°~15°の第1角度範囲、及び、75°~85°の第2角度範囲において、レーザ光Lの照射を行って部分的に第3改質領域123を形成することが有効である。これは、第1角度範囲及び第2角度範囲が、垂直亀裂の制御が相対的に難しい範囲であるため、応力緩和がより有効に作用するためである。なお、第1角度範囲及び第2角度範囲は、それぞれ、上記の数値に90°の整数倍を加算した範囲も含む。
また、工程S101で第3ラインA3の一部のみに第3改質領域123を形成する場合であって、工程S102で斜め亀裂を形成する場合(上記第1実施形態の場合)には、第3ラインA3の45°を含む範囲(例えば40°~50°)の第3角度範囲において、レーザ光Lの照射を行って部分的に第3改質領域123を形成することが有効である。これは、第3角度範囲が、斜め亀裂の制御が相対的に難しい範囲であるため、応力緩和がより有効に作用するためである。なお、第3角度範囲は、上記の数値に90°の整数倍を加算した範囲も含む。
なお、上記変形例では、円環状の第3ラインA3の一部に第3改質領域123を形成する場合について説明したが、第3改質領域123の形成の態様は、円環状に形成される場合に限定されず、任意である。また、第3改質領域123の形成位置及び形成数も任意である。例えば、第3改質領域123は、周縁部170上において、第1改質領域121よりも第1ウェハ100の中心側に形成されてもよいし、第1改質領域121の両側に形成されていてもよい。
[レーザ加工の第2実施形態]
引き続いて、第2実施形態に係るレーザ加工について説明する。ここでは、第1実施形態と同様にトリミング加工を行う。図31は、本実施形態に係る加工対象物を示す図である。図31の(a)は、平面図であり、図31の(b)は断面図である。図31に示される対象物11は、図17等に示される第1実施形態の対象物11と同様である。すなわち、本実施形態においても、対象物11は、第1ウェハ100がデバイス層150,250を介して別部材としての第2ウェハ200に接合されて構成される貼合ウェハである。
本実施形態に係るレーザ加工においても、第1実施形態と同様に、第1ウェハ100のアクティブエリア160に対応する領域へのレーザ光Lの照射を抑制しつつ、周縁部170に対応する領域へのレーザ光Lの照射により、第1ウェハ100の除去領域Eを除去して有効領域Rを残存させるトリミング加工を行う。ただし、本実施形態に係るレーザ加工では、Z方向からみて周縁部170上において環状(ここでは円環状)に延びる第1ラインA1に沿った第1加工と、第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように直線状に延びる複数(ここでは4つ)の第2ラインA2に沿った第2加工と、を行う。すなわち、本実施形態に係るレーザ加工では、第1実施形態と比較して、Z方向からみて周縁部170上において第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置での第3加工が行われない(第3加工が必須でない)。また、本実施形態では、第1ラインA1が、Z方向からみて前処理領域172上に設定される。
各加工を含む本実施形態に係るレーザ加工方法(レーザ加工工程)について具体的に説明する。図32に示されるように、本実施形態に係るレーザ加工方法では、まず、第1加工を行う(工程S201:第1加工工程)。より具体的には、この工程S101では、制御部6が、移動部4,5を制御することにより、ステージ2と照射部3との相対的な位置を調整し、レーザ光Lの集光領域Cを第1ウェハ100の内部において第1ラインA1の下部に位置させる。その状態において、制御部6が、照射部3を制御することによりレーザ光Lを第1ウェハ100に照射すると共に、移動部4を制御することによりステージ2を回転させる。これにより、レーザ光Lの集光領域Cを第1ラインA1に沿って第1ウェハ100に対して相対移動させながら、レーザ光Lが第1ウェハ100に照射される。これにより、第1ウェハ100の内部に改質領域12としての第1改質領域121が形成される(図36等参照)。
すなわち、工程S201では、制御部が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において環状に延びる第1ラインA1に沿って、集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第1改質領域121を第1ラインA1に沿って形成する第1加工処理を実行する。
ここで、工程S201(第1加工処理)では、斜め亀裂の形成と垂直亀裂の形成とが行われる。この点についてより具体的に説明する。工程S201では、まず、斜め亀裂の形成が行われる。そのために、まず、図33に示されるように、集光領域Cの位置を、第1ウェハ100の中心から外縁103に向かうY方向について第1Y位置Y1とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。なお、第1Y位置Y1は、複数の第1改質領域121を形成する際に集光領域Cを位置させる複数のY方向の位置のうちの最も境界B12側の位置である。また、第1Z位置Z1は、複数の第1改質領域121を形成する際に集光領域Cを位置させる複数のZ方向の位置のうちの最も第1面101側の位置である。
また、一例として、ここでの第1Z位置Z1は第1実施形態での第1Z位置Z1と同様であり、且つ、第1Y位置Y1は第1実施形態での第1Y位置Y1と異なる。すなわち、第1実施形態では、第1Y位置Y1は、境界B12よりもアクティブエリア160側の位置であったが、ここでは、境界B12よりも外縁103,153側の位置である。これにより、図34に示されるように、第1改質領域121としての第1Z改質領域121a及び第1Z改質領域121aから延びる亀裂13としての第1亀裂131を形成する。ここでは、第1Z改質領域121a及び第1亀裂131は、上記のような第1Y位置Y1に応じて境界B12よりも外縁103,153側に形成される。すなわち、本実施形態では、第1ウェハ100の前処理領域172上の領域に第1Z改質領域121a及び第1亀裂131を形成する。
その後、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1よりも外縁103,153側の第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1よりも第2面102側の第2Z位置Z2として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、図35に示されるように、第1Z改質領域121aよりも第2面102側且つ第1ウェハ100の外縁103側に第1改質領域121としての第2Z改質領域121bを形成する。これらの第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121bの形成時には、上述した斜め亀裂形成に係る知見に示されるように、集光領域Cのなくとも集光領域Cの中心Caよりも第2面102側において、Z方向に対して第1Y位置Y1から第2Y位置Y2に向かう方向(シフト方向)に傾斜する傾斜形状とする。これにより、第1亀裂131が、第2Z改質領域121bから第1Z改質領域121aにわたると共に第1Z改質領域121aから境界B12に向かうように斜めに伸展させられ、第1面101(特に境界B12)に至らせられる。
以上のように、工程S201(第1加工処理)では、制御部6が、Z方向からみて前処理領域172上の位置において、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、Z方向に沿って複数の第1改質領域121(第1Z改質領域121a及び第2Z改質領域121b)を形成し、複数の第1改質領域121のうちの最も第1面101側に位置する第1改質領域121(第1Z改質領域121a)から、第2面102から第1面101に向かうにつれて境界B12の外側から境界B12に向かうように斜めに延びる第1亀裂131を形成する。
より具体的には、工程S201(第1加工処理)では、制御部6が、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1としてレーザ光Lを照射することにより、第1改質領域121としての第1Z改質領域121aを形成する第1斜め加工処理を実行する。そして、第1斜め加工処理の後に、制御部6が、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1よりも第1ウェハ100の外縁103側の第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1よりも第2面102側の第2Z位置Z2としてレーザ光Lを照射することにより、第1Z改質領域121aよりも第2面102側且つ第1ウェハ100の外縁103側に第1改質領域121としての第2Z改質領域121bを形成し、第1Z改質領域121aから境界B12に向かうように斜めに第1亀裂131を伸展させる第2斜め加工処理を実行する。
なお、複数の第1改質領域121のうちの第2Z改質領域121bは、第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させるためのものである。また、第1Z改質領域121aは、前処理領域172上に形成されて第1ウェハ100内部の応力緩和に寄与する。したがって、工程S201では、制御部6は、Z方向からみて周縁部170上の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12(第1Z改質領域121a)を形成する応力緩和処理を、複数の第1改質領域121のうちの第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させるための第1改質領域121(第2Z改質領域121b)を形成する前に実行することとなる。すなわち、ここでは、第1斜め加工処理が応力緩和処理と捉えられる。
続いて、工程S201では、垂直亀裂の形成を行う。そのために、図35に示されるように、レーザ光Lの集光領域Cの位置を、Y方向について第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第2Z位置Z2よりも第2面102側の第3Z位置Z3として、第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、図36に示されるように、第1改質領域121としての第3Z改質領域121cを形成する。ここでは、複数の第3Z位置Z3について同様にレーザ光Lの照射を行うことにより、Z方向に沿って複数の第3Z改質領域121cを形成すると共に、当該複数の第3Z改質領域121cにわたるようにZ方向に沿って延びる第3亀裂(垂直亀裂)131bを形成する。このとき、第3亀裂131bを第2面102に至るように伸展させることができる。
このように、工程S201(第1加工処理)では、制御部6が、第2斜め加工処理の後に、第2Y位置Y2において、第2Z位置Z2よりも第2面102側の複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、第2Y位置Y2においてZ方向に沿って配列された複数の第1改質領域121(第3Z改質領域121c)を形成し、当該複数の第1改質領域121にわたって垂直に第3亀裂131bを伸展させる垂直加工処理を実行する。
引き続いて、第1実施形態と同様に、本実施形態に係るレーザ加工方法でも、第2加工を行う(工程S202、第2加工工程)。より具体的には、この工程S202では、制御部6が、移動部4,5を制御することにより、ステージ2と照射部3との相対的な位置を調整し、レーザ光Lの集光領域Cを第1ウェハ100の内部において第2ラインA2の下部に位置させる(図26参照)。その状態において、制御部6が、照射部3を制御することによりレーザ光Lを第1ウェハ100に照射すると共に、移動部4及び移動部5の少なくとも一方を制御することにより、ステージ2をY方向に沿って移動させる。これにより、レーザ光Lの集光領域Cを第2ラインA2に沿って第1ウェハ100に対して相対移動させながら、レーザ光Lが第1ウェハ100に照射される。これにより、第1ウェハ100の内部に改質領域12としての第2改質領域122が形成される(図26参照)。
このように、工程S202では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように直線状に延びる第2ラインA2に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第2改質領域122を第2ラインA2に沿って形成する第2加工処理を実行する。
以上の第2工程で形成される第2改質領域122及び第2改質領域122から延びる亀裂は、第1ウェハ100の外縁103から、第1ラインA1に沿って形成された第1改質領域121及び第1亀裂131に至るように形成される。これにより、第1ウェハ100の除去領域Eが周方向に沿って第2ラインA2の数(ここでは4つ)だけ分割することが可能となる。
その後、所定の治具や装置を利用して、第1ウェハ100から除去領域Eを除去し、デバイス層150,250を介して第2ウェハ200に接合された有効領域Rが残存させられる。これにより、対象物11のトリミング加工が完了する。その後、第2面102側から有効領域Rを研削して薄化する工程を実施した後に、薄化された有効領域Rに別のウェハをさらに接合すると共に上記の一連の工程を繰り返し実施することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、デバイス層150,250を介して第2ウェハ200に接合された第1ウェハ100にレーザ光Lを照射してレーザ加工を行う。デバイス層150は、複数のチップを含むアクティブエリア160とアクティブエリア160を囲うようにアクティブエリア160の外側に位置する周縁部170とを含む。そして、レーザ加工では、この周縁部170上において環状に延びる第1ラインA1に沿ってレーザ光Lを照射することにより、第1ラインA1に沿った第1改質領域121を形成する。これにより、第1改質領域121や第1改質領域121から延びる第1亀裂131を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分(除去領域E)として除去するトリミングが可能となる。
特に、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、デバイス層150の周縁部170に対して、第2ウェハ200との接合が弱化された前処理領域172が形成されている。このように前処理領域172が形成される場合には、上述したように第1ウェハ100内部に応力が生じるおそれがある。前処理領域172の形成に起因した第1ウェハ100内部の応力は、前処理領域172上に改質領域12を形成することによって緩和することが可能である。そこで、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1では、前処理領域172上の位置において、レーザ光Lを照射して第1改質領域121を形成することにより、前処理領域172の形成に起因した第1ウェハ100内部の応力を緩和しつつ、第1改質領域121から意図した方向に斜めに第1亀裂131を伸展させることが可能となる。よって、本実施形態に係るレーザ加工方法及びレーザ加工装置1によれば、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1加工処理において、制御部6が、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1としてレーザ光Lを照射することにより、第1改質領域121としての第1Z改質領域121aを形成する第1斜め加工処理と、第1斜め加工処理の後に、集光領域Cの位置を、Y方向について第1Y位置Y1よりも外縁103側の第2Y位置Y2とし、且つ、Z方向について第1Z位置Z1よりも第2面102側の第2Z位置Z2としてレーザ光Lを照射することにより、第1Z改質領域121aよりも第2面102側且つ外縁103側に第1改質領域121としての第2Z改質領域121bを形成し、第1Z改質領域121aから境界B12に向かうように斜めに第1亀裂131を伸展させる第2斜め加工処理と、を実行する。このように、斜めに並ぶ少なくとも2つの改質領域12を順に形成することにより、より好適に斜め亀裂の形成を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1加工処理では、制御部6が、第2斜め加工処理の後に、第2Y位置Y2において、第2Z位置Z2よりも第2面102側の複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、第2Y位置Y2においてZ方向に沿って配列された複数の第1改質領域121(第3Z改質領域121c)を形成し、当該複数の第1改質領域121にわたって垂直に第3亀裂131bを伸展させる垂直加工処理を実行する。このように、レーザ光Lの入射面である第2面102からより遠い(より深い)Z位置において第1斜め加工処理及び第2斜め加工処理が行われた後に、より浅い位置において垂直加工処理が行われる。よって、いずれの処理においても、既に形成された改質領域12の影響を受けることなく、新たな改質領域12を形成することが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、制御部6が、第1加工処理の後に、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上において第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように延びる第2ラインA2に沿って、集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第2改質領域122を第2ラインA2に沿って形成する第2加工処理を実行する。これにより、第2改質領域122や第2改質領域122から延びる亀裂を利用して、第1ウェハ100の外縁部分(除去領域E)を周方向に複数の部分に分割して容易にトリミングを行うことが可能となる。特に、この場合には、第1加工処理の後に第2加工処理が行われる。このため、第2改質領域122から延びる亀裂の伸展を、第1ラインA1に沿って既に形成されている第1改質領域121及び第1改質領域121から延びる亀裂によって留めることが可能となる。よって、加工品質の低下を抑制できる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、Z方向からみて周縁部170上の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12(第1Z改質領域121a)を形成する応力緩和処理(第1斜め加工処理)を実行する。特に、制御部6が、第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させる前に、応力緩和処理を実行する。
このように、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1改質領域121から延びる第1亀裂131が、第1面101に至るように伸展させられる前に、第1ウェハ100内部の応力を緩和するための改質領域12(第1Z改質領域121a)を形成する。このため、第1ウェハ100内部の応力によって第1亀裂131が意図しない方向に伸展することが抑制される。よって、本実施形態に係るレーザ加工装置1によれば、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。
なお、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1ラインA1に沿った第1改質領域121をZ方向に複数形成する。これにより、複数の第1改質領域121や第1改質領域121から延びる第1亀裂131を利用して、ウェハの外縁部分を不要部分(除去領域E)として除去するトリミングを可能とする。そして、制御部6が、複数の第1改質領域121のうちの少なくとも第1亀裂131を第1面101に至るように伸展させるための第1改質領域121(第2Z改質領域121b)を形成する前に、応力緩和処理を実行する。
このように、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、複数の第1改質領域121のうちの最も第1ウェハ100の第1面101側(すなわちデバイス層150側)に位置する第1改質領域121(第1Z改質領域121a)から延びる第1亀裂131が、第1面101に至るように伸展させるための加工前に、第1ウェハ100内部の応力を緩和するための改質領域12(第1Z改質領域121a)を形成する。このため、第1ウェハ100内部の応力によって第1亀裂131が意図しない方向に伸展することが抑制される。よって、本実施形態に係るレーザ加工装置1によれば、貼合ウェハのトリミング加工の品質低下を抑制可能である。
[第2実施形態の変形例]
引き続いて、第2実施形態の変形例について説明する。まず、上記第2実施形態では、第3改質領域123を形成する第3加工処理を行わない場合について説明した。しかし、第2実施形態にあっても、第1実施形態と同様に第3加工処理をさらに行ってもよい。すなわち、制御部6が、工程S201(第1加工工程、第1加工処理)の前において、Z方向からみて周縁部170上において第1ラインA1及び第2ラインA2と異なる位置に集光領域Cを位置させつつ、レーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第3改質領域123を形成する第3加工処理を実行してもよい。第3加工処理の実行のタイミングや具体的な処理内容については、第1実施形態と同様に行うことが可能である。また、第2実施形態にて第3加工処理を行う場合には、第1実施形態の変形例と同様の変形を採用することも可能である。
また、上記第2実施形態では、工程S201(第1加工工程、第1加工処理)の後に、工程S202(第2加工工程、第2加工処理)を行って、第2ラインA2に沿って第2改質領域122を形成する例を説明した。しかし、この順序は変更可能である。この点について、より具体的に説明する。
すなわち、第2施形態に係るレーザ加工装置1では、制御部6が、第1加工処理の前に、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、第2ラインA2に沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを第1ウェハ100に照射することにより、改質領域12としての第2改質領域122を第2ラインA2に沿って形成する第2加工処理を実行してもよい。この場合にも、上記の場合と同様に、第2改質領域122や第2改質領域122から延びる亀裂を利用して、第1ウェハ100の除去領域Eを周方向に複数の部分に分割して容易にトリミングを行うことが可能となる。特に、この場合には、第1加工処理の前に第2加工処理が行われる。よって、第2加工処理で形成される第2改質領域122によって、第1ウェハ100内部の応力をさらに緩和した状態において、第1加工処理において斜めに延びる第1亀裂131を形成することが可能となる。
一方で、第2実施形態についても、第1実施形態と同様に、第2加工処理では、制御部6が、第2ラインA2のうちの第1部分A2aに沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第2改質領域122を第1部分A2aに沿って形成する第1部分処理と、第2ラインのうちの第2部分A2bに沿って集光領域Cを相対移動させながらレーザ光Lを照射することにより、第2改質領域122を第2部分A2bに沿って形成する第2部分処理と、を実行すると共に、制御部6が、少なくとも第1部分処理を第1加工処理の前に実行することができる。
この場合、第1亀裂131が第1面101に至るように伸展する前に、第3改質領域123に加えて第2ラインA2の第1部分A2aに形成される第2改質領域122によって、第1ウェハ100内部の応力緩和を図ることが可能となる。この場合、第1部分処理で形成される第2改質領域122も、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12として機能する。したがって、制御部6は、第1部分処理と同時に応力緩和処理を実行することとなる。
さらに、この場合において、制御部6が、第1部分処理及び第2部分処理の両方を、第1加工処理の前に行うことも可能である。この場合、第1亀裂131が第1面101に至るように伸展する前に、第2ラインA2の第1部分A2a及び第2部分A2bに形成される第2改質領域122によって、第1ウェハ100内部の応力緩和を図ることが可能となる。この場合、第1部分処理及び第2部分処理で形成される第2改質領域122も、第1ウェハ100の内部に生じた応力を緩和するための改質領域12として機能する。したがって、制御部6は、第1部分処理及び第2部分処理と同時に応力緩和処理を実行することとなる。
一方、第2実施形態においても、制御部6が、第1部分処理を第1加工処理の前に行うと共に、第2部分処理を第1加工処理の後に行うことも可能である。この場合、第2ラインA2のうちの第1ラインA1に至る第2部分A2bにおける第2改質領域122の形成時に、第1ラインA1において第1改質領域121が既に形成されていることから、第2改質領域122から水平方向に延びる亀裂の伸展が、第1改質領域121によって留められる。
[第1実施形態及び第2実施形態に共通の変形例]
ここで、上記第1及び第2実施形態では、工程S102,S201において、斜め亀裂を形成するための第1斜め加工処理、第2斜め加工処理、及び、垂直亀裂を形成するための垂直加工処理を、この順で行う例について説明した。しかし、この順序は変更可能である。より具体的には、制御部6は、工程S102,S201において、第1斜め加工処理及び第2斜め加工処理の前に、垂直加工処理を実行してもよい。
すなわち、制御部6は、第1加工処理では、第1斜め加工処理の前に、第2Y位置Y2において、第2Z位置Z2よりも第2面102側の複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することにより、第2Y位置Y2においてZ方向に沿って配列された複数の第1改質領域121(第3Z改質領域121c)を形成し、当該複数の第1改質領域121にわたって垂直に第3亀裂131bを伸展させる垂直加工処理を実行することができる。この場合、垂直加工処理にて形成される第1改質領域121によってウェハ内部の応力を緩和した状態において、第1斜め加工処理及び第2斜め加工処理にて斜めに延びる第1亀裂131を形成することが可能となる。
また、上記第1及び第2実施形態では、第1加工処理、第2加工処理、及び、第3加工処理において、レーザ光Lの照射により改質領域12を形成したが、各処理において異なるレーザ光を使用することも可能である。
また、上記第1及び第2実施形態では、第1加工処理において、制御部6が、照射部3及び移動部4,5を制御することにより、複数のZ方向の位置に集光領域Cを位置させてレーザ光Lを照射することによって、Z方向に沿って複数の第1改質領域121を形成する場合について説明した。しかし、対象物11がZ方向に比較的薄い場合や、より第1面101側において加工を行う場合には、第1加工処理において、第1Z改質領域121aの形成によって(第2Z改質領域121bを形成することなく)、第1Z改質領域121aから第1面101に至る第1亀裂131を形成することができる。これは、第1亀裂131がZ方向に対して傾斜する斜め亀裂である場合、及び、第1亀裂131がZ方向に沿って延びる垂直亀裂である場合のいずれについても同様である。
また、上記第1及び第2実施形態では、第2ラインA2が、第1ウェハ100の外縁103から第1ラインA1に至るように直線状に延びる場合について説明した。しかし、第2ラインA2は、外縁103から第1ラインA1に至っていればよく、曲線状であってもよい。一例としては、第2ラインA2は、ステージ2のZ軸に沿った回転軸の周りの回転運動と、照射部3のY方向への直線運動との組み合わせで生成される(部分的な)渦巻き状の曲線とされ得る。
さらに、上記第1及び第2実施形態の対象物11は、第1ウェハ100を第2ウェハ200に接合することで構成される貼合ウェハであるものとした。しかし、第1ウェハ100が接合される別部材は、第2ウェハ200に限定されない。
1…レーザ加工装置、2…ステージ(支持部)、3…照射部、4,5…移動部、6…制御部、12…改質領域、13…亀裂、100…第1ウェハ(ウェハ)、101…第1面、102…第2面、103…外縁、121…第1改質領域、121a…第1Z改質領域、121b…第2Z改質領域、121c…第3Z改質領域、122…第2改質領域、123…第3改質領域、131…第1亀裂、131b…第3亀裂、150…デバイス層、153…外縁、160…アクティブエリア、170…周縁部、171…接合領域、172…前処理領域、A1…第1ライン、A2…第2ライン、A3…第3ライン、B12…境界。

Claims (12)

  1. 第1面と前記第1面と反対側の第2面とを含み、前記第1面側において別部材に接合されたウェハに対して、前記第2面を入射面としてレーザ光を照射することにより前記ウェハに改質領域を形成するためのレーザ加工装置であって、
    前記ウェハを支持するための支持部と、
    前記支持部に支持された前記ウェハに向けて前記レーザ光を照射するための照射部と、
    前記レーザ光の集光領域を前記ウェハに対して相対移動させるための移動部と、
    前記照射部及び前記移動部を制御するための制御部と、
    を備え、
    前記第1面には、複数のチップを含むと共に前記別部材に接合されたデバイス層が形成されており、
    前記デバイス層は、前記複数のチップを含むアクティブエリアと、前記第1面に交差するZ方向からみて前記アクティブエリアを囲うように前記アクティブエリアの外側に位置する周縁部と、を含み、
    前記制御部は、前記照射部及び前記移動部を制御することにより、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において環状に延びる第1ラインに沿って前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第1改質領域を前記第1ラインに沿って形成すると共に、前記第1改質領域から前記第1面に至るように第1亀裂を形成する第1加工処理と、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において前記ウェハの外縁から前記第1ラインに至るように延びる第2ラインに沿って前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第2改質領域を前記第2ラインに沿って形成する第2加工処理と、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において前記第1ライン及び前記第2ラインと異なる位置に前記集光領域を位置させつつ前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第3改質領域を形成する第3加工処理と、
    を実行し、
    前記制御部は、前記第1加工処理において前記第1亀裂を前記第1面に至るように伸展させる前に前記第3加工処理を実行する、
    レーザ加工装置。
  2. 前記制御部は、前記第1加工処理の前に前記第3加工処理を実行する、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記周縁部は、前記デバイス層の外縁を含む領域であって、前記別部材との接合が弱化された前処理領域と、前記Z方向からみて前記前処理領域の内側に位置する接合領域と、を有し、
    前記第1加工処理では、前記制御部は、前記第1亀裂が前記前処理領域と前記接合領域との境界に向けて延びるように前記第1改質領域を形成する、
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1加工処理では、前記制御部は、前記第1亀裂が、前記第2面から前記第1面に向かうにつれて前記接合領域から前記境界に向かって斜めに延びるように前記第1改質領域を形成する、
    請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記第3加工処理では、前記制御部は、少なくとも前記前処理領域上に前記集光領域を位置させて前記レーザ光を照射することにより、少なくとも前記前処理領域上に前記第3改質領域を形成する、
    請求項3又は4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記第3加工処理では、前記制御部は、少なくとも、前記Z方向からみて前記前処理領域上において環状に延びる第3ラインに沿って前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を照射することにより、前記第3ラインに沿って前記第3改質領域を形成する、
    請求項5に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記第2加工処理では、前記制御部は、
    前記第2ラインのうちの前記ウェハの外縁から前記第3ラインに至る第1部分に沿って前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を照射することにより、前記第2改質領域を前記第1部分に沿って形成する第1部分処理と、
    前記第2ラインのうちの前記第3ラインから前記第1ラインに至る第2部分に沿って前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を照射することにより、前記第2改質領域を前記第2部分に沿って形成する第2部分処理と、
    を実行し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1部分処理を前記第1加工処理の前に実行する、
    請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記制御部は、前記第1部分処理及び前記第2部分処理を前記第1加工処理の前に実行する、
    請求項7に記載のレーザ加工装置。
  9. 前記第3加工処理では、前記制御部は、前記第3改質領域を形成すると共に当該第3改質領域から延びる亀裂を前記第2面に到達させる、
    請求項1~8のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記第3加工処理では、前記制御部は、前記周縁部上において前記第1ライン及び前記第2ラインと異なる位置に前記集光領域を位置させつつ前記レーザ光を照射することにより、前記第3改質領域から延びる亀裂が前記第1面及び前記第2面に至らないように前記第3改質領域を形成する、
    請求項1~8のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記第1加工処理では、前記制御部は、複数の前記Z方向の位置に前記集光領域を位置させて前記レーザ光を照射することによって、前記Z方向に沿って複数の前記第1改質領域を形成し、
    前記第3加工処理では、前記制御部は、複数の前記第1改質領域のうちの最も前記第1面側に位置する前記第1改質領域を形成するときの前記集光領域の前記Z方向の位置である第1Z位置に前記集光領域を位置させて前記レーザ光を照射することにより、前記第3改質領域を形成する、
    請求項10に記載のレーザ加工装置。
  12. 第1面と前記第1面と反対側の第2面とを含み、前記第1面において別部材に接合されたウェハに対して、前記第2面を入射面としてレーザ光を照射することにより前記ウェハに改質領域を形成するレーザ加工工程を備え、
    前記第1面には、複数のチップを含むと共に前記別部材に接合されたデバイス層が形成されており、
    前記デバイス層は、前記複数のチップを含むアクティブエリアと、前記第1面に交差するZ方向からみて前記アクティブエリアを囲うように前記アクティブエリアの外側に位置する周縁部と、を含み、
    前記レーザ加工工程は、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において環状に延びる第1ラインに沿って、前記レーザ光の集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第1改質領域を前記第1ラインに沿って形成すると共に、前記第1改質領域から前記第1面に至るように第1亀裂を形成する第1加工工程と、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において前記ウェハの外縁から前記第1ラインに至るように延びる第2ラインに沿って、前記集光領域を相対移動させながら前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第2改質領域を前記第2ラインに沿って形成する第2加工工程と、
    前記Z方向からみて前記周縁部上において前記第1ライン及び前記第2ラインと異なる位置に前記集光領域を位置させつつ、前記レーザ光を前記ウェハに照射することにより、前記改質領域としての第3改質領域を形成する第3加工工程と、
    を含み、
    前記第3加工工程は、前記第1加工工程において前記第1亀裂を前記第1面に至るように伸展させる前に実施される、
    レーザ加工方法。
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