JP2023068640A - 物流コスト算出装置、物流コスト算出システムおよび物流コスト算出プログラム - Google Patents

物流コスト算出装置、物流コスト算出システムおよび物流コスト算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】物流コストを物流パターンに応じて適切に算出する物流コスト算出装置、システム及びプログラムを提供する。【解決手段】物流コスト算出システム1において、倉庫管理システムサーバ10は、物品の作業、保管及び/又は配送の作業パターン、保管パターン及び/又は配送パターンを、物品毎に対応付けた物流特性テーブルと、夫々の最小単位でのコストである作業特性別単価、保管特性別単価及び/又は配送特性別単価を予め設定した物流特性別単価テーブルと、を記憶している。物流コスト算出サーバは、物流特性テーブルに基づき、対象物品の作業パターン、保管パターン及び/又は配送パターンを特定し、物流特性別単価テーブルに基づき、対象物品の作業パターン、保管パターン及び/又は配送パターンに対応する対象物品の作業特性別単価、保管特性別単価及び/又は配送特性別単価を特定し、対象物品の物流コストを算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、物品の物流コストを算出する物流コスト算出装置、物流コスト算出システムおよび物流コスト算出プログラムに関する。
従来、3PLビジネスにおいては、商流の決済方式に準じた商品通過金額の歩率(%)を用いて委託料金契約を締結することが多く、物品の物流コストは、物品単価に所定の料率を掛けた金額として算出されることが多かった。
野口英雄著、「3PLビジネスにおける契約料率設定に関する一考察」、日本物流学会誌第16号、平成20年5月
物品単価に所定の料率を掛けた金額を、物流コストとして扱うことは、物品ごとの物流コストを一律に算出することができ運用を簡易にできる面もあるが、通常、物品ごとに、倉庫内での作業内容、保管方法、配送方法などが異なり、それに伴い、物品の物流コストも変わるため、物品ごとの物流コストを一律に算出してしまうと、実際の物流コストから乖離してしまい、事業者の採算管理を困難にしてしまうという問題があった。
本発明は、物品の物流コストを物流パターンに応じて適切に算出することができる、物流コスト算出装置、物流コスト算出システムおよび物流コスト算出プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る物流コスト算出装置は、物品の作業、保管および/または配送の詳細をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび/または配送パターンを、物品ごとに対応付けた物流特性テーブルと、前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンにおける最小単位でのコストである作業特性別単価、保管特性別単価および/または配送特性別単価を予め設定した物流特性別単価テーブルと、を記憶する記憶装置と、前記物流特性テーブルに基づいて、対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンを特定する物流パターン特定手段と、前記物流特性別単価テーブルに基づいて、前記対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンに対応する、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価を特定する、物流特性別単価特定手段と、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価に基づいて、前記対象物品の物流コストを算出する、物流コスト算出手段と、を有する。
上記物流コスト算出装置において、前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンは、物品の請求単位ごとに細分化されており、前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価も、前記物品の請求単位ごとに予め設定されている構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価は、物品の請求単位当たりの作業直接費、保管直接費および/または配送直接費に、物品の請求単位当たりの作業間接費、保管間接費および/または配送間接費を加味して決定される構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記作業パターンは、入荷作業、補充作業、および出荷作業のうち1以上の作業種別の情報をさらに含み、前記作業特性別単価は、さらに前記作業種別ごとに予め設定される構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記作業特性別単価には、前記作業パターンごとの作業用機器・什器の利用頻度に応じた作業用機器・什器利用料単価が含まれ、前記保管特性別単価には、前記保管パターンごとの保管用機器・什器の利用頻度に応じた保管用機器・什器利用料単価が含まれる構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記配送特性別単価は、配送車両の車格ごとに予め設定されており、前記物流コスト算出手段は、前記対象物品を配送した配送車両の車格に基づいて、前記配送特性別単価を特定する構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価には、間接共通費および/または販管費が配賦されている構成とすることができる。
上記物流コスト算出装置において、前記物品は完成品の部品を含み、前記物流コスト算出手段は、前記部品ごとの物流コストを算出することができる構成とすることができる。
本発明に係る物流コスト算出システムは、上記物流コスト算出装置と、物品の作業実績および/または保管実績を保有する倉庫管理サーバと、物品の配送実績を保有する配送管理サーバと、を有する、物流コスト算出システムであって、前記物流コスト算出装置は、周期的に、物品の前記作業実績および/または前記保管実績を前記倉庫管理サーバから自動で取得し、並びに/若しくは、前記配送実績を前記配送管理サーバから自動で取得し、取得した前記作業実績、前記保管実績および/または前記配送実績に基づいて、前記対象物品の取り扱い数量を求め、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価と乗じることで、前記対象物品の作業コスト、管理コストおよび/または配送コストを算出する。
本発明に係る物流コスト算出プログラムは、コンピューターに、物流コストの算出を実行させるためのプログラムであって、物品の作業、保管および/または配送の詳細をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび/または配送パターンを、物品ごとに対応付けた物流特性テーブルを参照して、対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンを特定し、物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンにおける、物品の最小単位でのコストである作業特性別単価、保管特性別単価および/または配送特性別単価を登録した物流特性別単価テーブルを参照して、前記対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンに対応する、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価を取得し、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価に基づいて、物流コストを算出する。
本発明によれば、物品の物流パターンに対応する物流特性別単価を取得し、取得した物流特性別単価に基づいて物品の物流コストを算出することで、物品の物流コストを、当該物品の作業、保管または配送の内容に応じて適切に算出することができる。
本実施形態に係る物流コスト算出システムの構成図である。 本実施形態に係る物流特性テーブルの一例を示す図である。 本実施形態に係る作業特性別単価テーブルの一例を示す図である。 本実施形態に係る作業特性別単価の設定方法を説明するための図である。 本実施形態に係る保管特性別単価テーブルの一例を示す図である。 本実施形態に係る保管特性別単価の設定方法を説明するための図である。 本実施形態に係る配送特性別単価テーブルの一例を示す図である。 本実施形態に係る物流コスト算出処理を示すフローチャートである。
以下では、図を参照して、本発明に係る物流コスト算出装置、物流コスト算出システムおよび物流コスト算出プログラムの実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る物流コスト算出システム1の構成図である。
物品の物流において生じる物流コストには、入荷作業や出荷作業などの作業により生じる作業費、物品を物流倉庫で保管する際に生じる保管費、物品を配送車両等で配送する際に生じる配送費が含まれる。物品の作業費は、各物品が取り扱われる作業方法に応じて変化する。物流倉庫内での作業としては、荷受け、入荷検品、格納、補充、在庫移動、ピッキング、仕分け、積み付け、ステージングなどの各種作業が行われるが、たとえばピッキングは、トータルピッキングやオーダーピングに分けられるなど、各種作業においても作業方法は異なるためである。また、物品の保管費は、平置きやパレットラック置きなどの置き方や、置き場の広さなどにより変化し、物品の配送費は、物品のサイズ、店舗配送や幹線輸送などの配送方法により変化する。
本実施形態に係る物流コスト算出システム1では、各物品の作業、保管および配送の詳細(作業、保管および配送の内容、方法、条件などの詳細)をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを、物品ごとに予め登録しておくとともに、作業パターン、保管パターンおよび配送パターンにそれぞれに応じた最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位当たり)の作業コスト、保管コストおよび配送コストを作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価として予め設定しておく。
そして、ユーザが所望する対象物品について、作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを特定し、特定した作業パターン、保管パターンおよび配送パターンに対応する作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を求め、作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を対象物品の取り扱い数量で乗じることで、対象物品の作業コスト、保管コストおよび配送コストを、実際に行われた作業、保管または配送の内容に応じて適切に算出することを可能とする。
また、本実施形態に係る物流コスト算出システム1では、完成品である商品や製品に限らず、部品、部材、素材、原料など(以下、まとめて単に「部品」と称す)を物品として取り扱うことができ、これら部品ごとに物流コストを算出することができる。
以下に、本実施形態に係る物流コスト算出システム1の各構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る物流コスト算出システム1は、WMSサーバ10と、TMSサーバ20と、物流コスト算出サーバ30と、情報端末40とを有する。なお、WMSサーバ10、TMSサーバ20、物流コスト算出サーバ30は、物流倉庫などに設置されるサーバであってもよいし、クラウドサーバなどであってもよい。
WMSサーバ10は、倉庫管理システム(Warehouse Management System)を実現可能とするサーバであり、図1に示すように、演算装置11と、記憶装置12と、通信装置13とを有する。WMSサーバ10は、CPUなどの演算装置11および記憶装置12を備えたサーバ装置にWMSソフトウェアおよびデータベースソフトウェアをインストールして構築されている。このWMSソフトウェアは、主要な機能を実現するソフトウェアモジュールとして、倉庫管理機能を実行する。
WMSサーバ10の倉庫管理機能は、一般的な倉庫管理機能に加えて、物品ごとの作業実績情報および保管実績情報を、記憶装置12に記憶する。ここで、作業実績情報とは、たとえば、物流倉庫内における物品の入荷作業、補充作業、出荷作業(ピッキング、仕分け、ラベル貼付および搬送)がどのように行われたかを示す情報であり、たとえば、後述する図3に示すように、入荷作業がケース入荷、ボール入荷およびバラ入荷のいずれであるか、補充方法がケース補充、ボール補充およびバラ補充のいずれであるか、出荷作業において、ピッキング方法がトータルピッキングおよびオーダーピッキングのいずれであるか、仕分け方法がデパレタイザー仕分け、ピースソーター仕分けおよび人手による手作業仕分けのいずれであるか、ラベルの貼付方法がオートラベラ貼付および手貼りラベル貼付のいずれであるか、搬送方法がケースソータ搬送およびエレベーター搬送のいずれであるかなどの情報が含まれる。また、保管実績情報には、物流倉庫内で物品がどのように保管されたかを示す情報であり、保管方法が平置き保管、パレットラック保管およびバラ保管のいずれであるか、また、保管条件が3段ラックを用いた保管であるか否か、保管スペースがどの程度であるかなどの情報が含まれる。また、作業実績情報および保管実績情報には、物品ごとの取り扱い数量の情報も含まれる。
また、WMSサーバ10は、通信装置13を介して、物流コスト算出サーバ30と通信可能となっており、記憶装置12に記憶した、各物流倉庫における各物品の作業実績情報および保管実績情報を、周期的(たとえば1日1回)に、物流コスト算出サーバ30に出力する。なお、WMSサーバ10と物流コスト算出サーバ30とを予め連携させておくことで、作業実績情報および保管実績情報を、周期的かつ自動に、物流コスト算出サーバ30に送信する構成とすることができる。
TMSサーバ20は、輸配送管理システム(Transport Management System)を実現可能とするサーバであり、図1に示すように、演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23とを有する。TMSサーバ20も、CPUなどの演算装置21および記憶装置22を備えたサーバ装置にTMSソフトウェアおよびデータベースソフトウェアをインストールして構築されている。このTMSソフトウェアは、主要な機能を実現するソフトウェアモジュールとして、配送管理機能を実行する。
TMSサーバ20の配送管理機能は、一般的な配送管理機能に加えて、各物品の配送実績情報を記憶装置22に記憶する機能を有する。配送実績情報には、物品の配送方法として、物品を収容する容器の種類(たとえばケースでの配送か折り畳みコンテナでの配送か)、配送サイズ、配送車両の車格などの情報が含まれる。また、配送実績情報には、物品ごとの取り扱い数量の情報も含まれる。本実施形態において、TMSサーバ20は、通信装置23を介して、物流コスト算出サーバ30と通信可能となっており、記憶装置22に記憶した各物品の配送実績情報を、周期的(たとえば1日1回)に、物流コスト算出サーバ30に出力する。なお、TMSサーバ20も、物流コスト算出サーバ30と予め連携させておくことで、配送実績情報を、周期的かつ自動に、物流コスト算出サーバ30に送信する構成とすることができる。
物流コスト算出サーバ30は、物品の物流パターンに応じた物流コストを算出するためのサーバであり、図1に示すように、演算装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、データベース34とを有する。本実施形態において、データベース34は、各物品の物流コストを算出するために、作業実績テーブルと、保管実績テーブルと、配送実績テーブルと、費用実績テーブルと、物流特性テーブルと、物流特性別単価テーブルとを記憶している。以下においては、データベース34が記憶する各テーブルについて説明する。
作業実績テーブルは、WMSサーバ10から取得した作業実績情報を登録するためのテーブルである。作業実績テーブルには、どの物品が、どの数量だけ入荷、補充、出荷されたかの情報が記憶されている。同様に、保管実績テーブルは、WMSサーバ10から取得した保管実績情報を登録するためのテーブルであり、どの物品が、どの数量だけ、どの期間保管されたかの情報が記憶されている。さらに、配送実績テーブルは、TMSサーバ20から取得された配送実績情報を登録するためのテーブルであり、どの物品が、どの数量だけ、どの配送車両により、どの配送先に配送されたかの情報が記憶されている。
費用実績テーブルは、物品の物流工程において発生した費用(物品の作業、保管、配送により発生した費用)が登録されるテーブルである。このような費用には、管理者人件費、作業者人件費、管理者および作業者の交通費、作業用マテハン機器・什器などの設置スペース費用、作業用マテハン機器・什器などの減価償却費、作業用マテハン機器の水道光熱費、作業間接費などの『作業費』、在庫保管スペースの費用、保管用マテハン機器・什器減価償却費、保管用マテハン機器・什器の水道光熱費、保管間接費などの『保管費』、店舗配送費や幹線輸送費などの『配送費』に加えて、共通スペースの費用、システム開発費、システム機器費用、システム運用保守費、通信費、共通部分の水道光熱費、ラベル・帳票代などの『共通間接費』や、営業担当者人件費、事務員人件費、営業担当者および事務員の交通費、事務所スペースの費用、駐車場のスペース費用、倉庫外の水道光熱費、事務用備品代、警備・セキュリティ費用、振込手数料などの『販管費』を含めることができる。
なお、「作業用マテハン機器・什器」とは、物流倉庫での物品の移動に用いられる機器・什器のうち入荷作業、補充作業、出荷作業などの作業の際に用いられる機器・什器であり、作業の際の物品の移動に用いる機器・什器であれば特に限定されず、たとえば、台車、パレット、ドックレベラー、パレタイザ、デパレタイザー、フォークリフト、ベルトコンベア、ピッキングカート、無人搬送車、ソーター、ロボットアーム、ピッキングロボットなどである。また、「保管用マテハン機器・什器」とは、物流倉庫での物品の移動に用いられる機器・什器のうち物品を保管する際に用いられる機器・什器であり、保管の際に物品の移動に用いられる機器・什器であれば特に限定されず、たとえば、自動倉庫や移動ラックなどである。
物流特性テーブルは、物品と当該物品の物流パターンとを関連づけたテーブルである。ここで、図2は、物流特性テーブルの一例を示す図である。図2に示すように、本実施形態に係る物流特性テーブルでは、各物品について、入荷作業パターン、補充作業パターン、出荷作業パターン、保管パターンおよび配送パターンが予め設定されている。
ここで、入荷作業パターンとは、物品の入荷作業の内容をパターン化したものであり、たとえば、後述する図3に示すように、入荷作業が、ケース単位で物品を入荷するケース入荷であるか、ボール単位で物品を入荷するボール入荷であるか、バラ単位で物品を入荷するバラ入荷であるかなどのパターンが含まれる。また、補充作業パターンとは、物品の補充作業の内容をパターン化したものであり、たとえば、後述する図3に示すように、補充作業が、ケース単位で物品を補充するケース補充であるか、ボール単位で物品を補充するボール補充であるか、バラ単位で物品を補充するバラ補充であるかなどのパターンが含まれる。さらに、出荷パターンとは、物品の出荷作業の内容をパターン化したものであり、後述する図3に示すように、出荷作業におけるピッキング方法、仕分け方法、ラベルの貼付方法、搬送方法の組み合わせパターンが設定される。たとえば、ピッキング方法がトータルピッキングであり、仕分け方法がデパレタイザー仕分けであり、ラベルの貼付方法がオートラベラ貼付であり、搬送方法がケースソータ搬送である場合には、出荷作業パターンは「トータルピック+デパレタイザー+オートラベラ貼付+ケースソータ搬送」などのように設定される。
また、保管パターンは、物品の保管方法や保管条件などをパターン化したものであり、保管に用いる什器の種類および段数、保管における占有面積などの組み合わせをパターン化したものである。たとえば、後述する図5に示すように、パレットラックを用いて3段重ねで1PL(パレットラック)分の広さで保管する場合には、保管パターンは「パレットラック+3段+1PL」などのように設定される。さらに、配送パターンは、物品の配送方法や配送条件などをパターン化したものであり、配送時に物品が収容される容器の種類(ケース、折り畳みコンテナ)や、物品のサイズとの組み合わせをパターン化したものである。たとえば、物品が90cmサイズのケースで配送される場合には、配送パターンは「ケース配送90サイズ」などのように車格ごとに設定される。
次に、物流特性別単価テーブルについて説明する。本実施形態では、データベース34に、物品の物流パターンごとの物流特性別単価が登録された物流特性別単価テーブルが格納されている。本実施形態では、物流特性別単価テーブルとして、作業特性別単価テーブル、保管特性別単価テーブル、配送特性別単価テーブルが含まれ、それぞれ、作業パターンに応じた作業特性別単価、保管パターンに応じた保管特性別単価、配送パターンに応じた配特性別単価が登録されている。以下に、各物流特性別単価テーブルについて説明する。
図3は、作業特性別単価テーブルの一例を示す図である。作業特性別単価テーブルでは、作業パターンごとの最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位当たり)の作業コストが作業特性別単価として設定されている。また、作業特性別単価テーブルでは、図3に示すように、作業種別ごと、請求単位ごとに、作業特性別単価が設定されている。ここで、作業種別とは、図3に示すように、入荷作業、補充作業、出荷作業などが例示される。また、請求単位には、物品の取り扱い単位を用いることができ、たとえば、ケース単位、ボール単位、バラ単位などである。さらに、作業特性別単価は、各作業パターンの作業を行った場合の最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位)での作業コストであり、ユーザまたは管理者が登録し更新することができる。ここで、図4を参照して、本実施形態に係る作業特性別単価の設定方法を説明する。なお、図4に示す作業特性別単価の設定方法は一例であり、この方法に限定されるものではない。
本実施形態では、図4に示すように、ユーザまたは管理者が、データベース34の費用実績テーブルに登録された作業費と、作業実績テーブルに登録された作業実績情報とに基づいて、作業特性別単価を設定することができる。具体的には、ユーザまたは管理者は、まず、「人件費単価」と「作業工数」とを乗じて、「作業種別単価」を求めることができる。ここで、「人件費単価」は、管理者人件費、作業者人件費、管理者および作業者の交通費の合計額を総労働時間で割った単価(円/時間)とすることができ、「作業工数」は、請求単位および作業パターンごとの、各物品の作業にかかるの最小の作業工数(時間)とすることができる。
また、ユーザまたは管理者は、「作業種別単価」に「作業用マテハン機器・什器利用料単価」を加えることで、「直接作業費単価」を求めることができる。ここで、「作業用マテハン機器・什器利用料単価」は、作業用マテハン機器・什器などの設置スペース費用、作業用マテハン機器・什器などの減価償却費、作業用マテハン機器の水道光熱費の合計を、請求単位および作業パターンごとの作業用マテハン機器・什器の利用頻度に応じて按分した金額とすることができる。
さらに、ユーザまたは管理者は、「直接作業費単価」に「間接作業費単価」を加算して「作業費単価」を求めることができる。ここで、「間接作業費単価」は、たとえば、間接作業費を、請求単位ごと、作業パターンごとの物品の取り扱い数量に応じて按分した費用とすることができる。
また、ユーザまたは管理者は、「作業費単価」に「共通間接費調整率」を乗じて「調整作業費単価」を求めることができる。ここで、「共通間接費調整率」とは、全体での売上原価(全体での作業費、保管費、配送費および間接共通費の合計)を、全体での作業費、保管費および配送費の合計で除した数値である。なお、作業費には、たとえば、管理者人件費、作業者人件費、管理者および作業者の交通費、作業スペースの費用、作業用マテハン機器・什器設置スペース費用、作業用マテハン機器・什器減価償却費、作業用マテハン機器・什器の水道光熱費などが含まれる。また、保管費には、たとえば、在庫保管スペースの費用、保管用マテハン機器・什器減価償却費、保管用マテハン機器・什器の水道光熱費などが含まれる。さらに、配送費には、たとえば、店舗配送費や幹線輸送費などが含まれる。加えて、間接共通費には、共通スペースの費用、システム開発費、システム機器費用、システム運用保守費、通信費、共通部分の水道光熱費、ラベル・帳票代などが含まれる。たとえば、全体の売上原価が1,000万円であり、全体の作業費が500万円、全体の保管費が200万円、全体の配送費が200万円である場合、「共通間接共通費調整率」は1000/(500+200+200)=1.11となる。この場合、「作業費単価」に1.11を乗じた額を「調整作業費単価」として求めることができる。なお、共通間接費によっては、作業費、保管費および配送費のうちの一部において使用される費用があり、そのような費用については、使用される作業費、保管費および配送費の一部で按分されるように、「共通間接費調整率」が設定される。たとえば、「ラベル代」が、ケースまたはバラ・ボールを詰め合わせするオリコンへ貼付する出荷作業のみにおいて発生する費用である場合、「ラベル代」は作業費のみに加算され、「ラベル代」を除く共通間接費(「ラベル代」の他に作業費、保管費および配送費のうちの一部のみで使用される費用がある場合はさらにそれを除いた共通間接費)が、作業費、保管費および配送費で按分されるように、「共通間接費調整率」が設定される。
さらに、ユーザまたは管理者は、「調整作業費単価」に「販管費調整率」を乗じて「作業特性別単価」を求めることができる。ここで、「販管費調整率」とは、全体での物流原価(全体での売上原価と販管費の合計)を、全体での売上原価で除した数値である。なお、「販管費」には、たとえば、営業担当者人件費、事務員人件費、営業担当者および事務員の交通費、事務所スペースの費用、駐車場のスペース費用、倉庫外の水道光熱費、事務用備品代、警備・セキュリティに関する費用、振込手数料などが含まれる。たとえば、全体の売上原価が1,000万円、販管費が300万円である場合、「販管費調整率」は(1000+300)/1000=1.3となる。この場合、「調整作業費単価」に1.3を乗じた額を「作業特性別単価」として算出することができる。
このように、ユーザまたは管理者は、作業特性別単価を求め、求めた作業特性別単価を作業特性別単価テーブルに登録することができる。
また、図5は、保管特性別単価テーブルの一例を示す図である。保管特性別単価テーブルでは、保管パターンごとの最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位当たり)の保管コストが保管特性別単価として設定されている。また、保管特性別単価テーブルでは、図5に示すように、請求単位ごとに、保管特性別単価が設定されている。ここで、請求単位は、図2に示す作業特性別単価テーブルと同様に、物品の取り扱い単位であるケース単位、ボール単位、バラ単位などが例示される。さらに、保管特性別単価は、各保管パターンで物品を保管した場合の最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位)での保管コストであり、ユーザまたは管理者が登録し更新することができる単価である。
本実施形態では、図6に示すように、ユーザまたは管理者が、データベース34の費用実績テーブルに登録された保管費と、保管実績テーブルに登録された保管実績情報とに基づいて、保管特性別単価を設定することができる。具体的には、ユーザまたは管理者は、まず、「賃料」と「保管スペース」と「稼働率」とを乗じて「保管種別単価」を求めることができる。ここで、「賃料」および「稼働率」は倉庫全体での実際の賃料および稼働率を用いることができ、「保管スペース」は、請求単位および作業パターンに応じて、実際に使用される保管スペースの広さ(物品の専有面積)を用いることができる。なお、「稼働率」は、変動要素が大きいため、一律80%など一定の稼働率を用いて「保管種別単価」を求めることができる。
また、ユーザまたは管理者は、「保管種別単価」と「保管用マテハン機器・什器利用料単価」と「間接保管費単価」とを合計して「保管費単価」を求めることができる。ここで「保管用マテハン機器・什器利用料単価」とは、保管用マテハン機器・什器などの設置スペース費用、保管用マテハン機器・什器などの減価償却費、保管用マテハン機器の水道光熱費を、請求単位および保管パターンに応じた保管用マテハン機器・什器の利用頻度に応じて按分した金額とすることができる。なお、保管パターンに応じて、保管用マテハン機器・什器の利用状況が異なるため、本実施形態では、ユーザまたは管理者が、物品ごとの保管用マテハン機器・什器の利用状況に基づいて、請求単位ごと保管パターンごとの保管用マテハン機器・什器利用料単価を適宜決定することができる。さらに、「間接保管費単価」とは、間口・間口内それぞれの稼働有余分となる間接保管費を、請求単位および保管パターンごとに按分して求めた単価であり、物品ごとの取り扱い数量や保管スペースの占有度合いなどに基づいて、適宜設定することができる。
さらに、ユーザまたは管理者は、「保管費単価」に上述した「共通間接費調整率」を乗じて「調整保管費単価」を算出し、算出した「調整保管費単価」に「販管費調整率」を乗じることで「保管特性別単価」を求めることができる。
さらに、図7は、本実施形態に係る配送特性別単価テーブルの一例を示す図である。図7に示すように、配送特性別単価テーブルでは、配送パターンごとの最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位当たり)の配送コストが配送特性別単価として設定されている。また、配送特性別単価テーブルでは、図7に示すように、請求単位ごとに配送特性別単価が設定されている。請求単位としては、物品の取り扱い単位であるケース単位と、ボール・バラ単位とが例示される。さらに、本実施形態においては、図7に示すように、物品を配送する配送車両の車格別に配送特性別単価が登録されている。配送特性別単価は、各配送パターンで物品を配送した場合の最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位)での配送コストであり、ユーザまたは管理者が登録し更新することができる。なお、配送特性別単価の設定方法は、特に限定されないが、たとえば、ユーザまたは管理者が、データベース34の費用実績テーブルに登録された配送費と、配送実績テーブルに登録された配送実績情報とに基づいて、物品を収容する容器の種別ごと、物品のサイズごと、車格(2t、4t、10t)ごとに、1カートラック当たりのコストを求め、求めたコストをさらに1カートラック当たりの入数(請求単位での入数)で割ることで、物品の請求単位当たりのコストを配送特性別単価として求めることができる。
次に、物流コスト算出サーバ30の機能について説明する。物流コスト算出サーバ30は、CPUなどの演算装置31および記憶装置32を備えたサーバ装置に物流コスト算出ソフトウェアおよびデータベースソフトウェアをインストールして構築されている。この物流コスト算出ソフトウェアは、主要な機能を実現するソフトウェアモジュールとして、実績情報登録機能と、物流特性別単価設定機能と、物流コスト算出機能とを備えており、物流コスト算出サーバ30を物流コスト算出装置として機能させる。以下に、物流コスト算出サーバ30の各機能の詳細について説明する。
実績情報登録機能は、WMSサーバ10から作業実績情報および保管実績情報を取得し、物流コスト算出サーバ30のデータベース34に登録する。本実施形態では、1日1回(たとえば毎日24時に)、WMSサーバ10から物品ごとの作業実績情報および保管実績情報を取得し、データベース34の作業実績テーブルおよび保管実績テーブルにそれぞれ登録する。同様に、実績情報登録機能は、TMSサーバ20から配送実績情報を取得し、データベース34の配送実績テーブルに登録する。なお、本実施形態において、実績情報登録機能は、WMSサーバ10およびTMSサーバ20と連携することで、作業実績情報、保管実績情報および配送実績情報を周期的かつ自動に取得し、データベース34に登録する構成とすることができる。さらに、ユーザまたは管理者は、情報端末40を用いて物流コスト算出サーバ30にアクセスすることで、実績情報登録機能により、過去に取り扱った物品の費用情報をデータベース34に登録することができる。
また、物流特性別単価設定機能は、物流特性別単価を、物流特性別単価テーブルに登録するための機能である。本実施形態では、ユーザまたは管理者が、情報端末40から物流コスト算出サーバ30にアクセスすることで、この物流特性別単価設定機能により、作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を、作業特性別単価テーブル、保管特性別単価テーブルおよび配送特性別単価テーブルに登録することができる。また、ユーザまたは管理者は、計画値(標準原価)と、本実施形態に係る物流コスト算出システムで算出された物流コストとを比較し、比較結果に基づいて、物流特性別単価設定機能により、作業特性別単価テーブル、保管特性別単価テーブルおよび配送特性別単価テーブルにそれぞれ登録された作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を適宜変更することもできる。
物流コスト算出機能は、ユーザが所望する物品(以下、対象物品といもいう)の物流コストを算出する。具体的には、物流コスト算出機能は、ユーザから対象物品の物流コストの要求が送信された場合に、物流特性テーブルを参照し、対象物品の作業パターン(入荷作業パターン、補充作業パターンおよび出荷作業パターン)、保管パターン、配送パターンなどの物流パターンを特定する。そして、物流コスト算出機能は、物流特性別単価テーブルを参照し、対象物品の物流パターンに応じた作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を取得する。そして、物流コスト算出機能は、取得した対象物品の作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価と、対象物品の取り扱い数量とを乗じて、対象物品の作業コスト、保管コストおよび配送コストの物流コストを算出する。なお、ユーザは、ユーザが所望する範囲(時期、取引企業、物品(完成品および部品を含む)などの範囲)を指定して物流コストを要求することができ、物流コスト算出サーバ30は、ユーザが指定する範囲において対象物品の物流コストを算出することができる。なお、物流コスト算出機能による物流コストの算出方法の詳細については後述する。
情報端末40は、本実施形態に係る物流コスト算出システム1を利用するユーザや管理者が操作するタブレット、コンピューター、スマートフォンなどの装置である。ユーザは、情報端末40を操作することで、情報端末40を介して、対象物品(完成品および/または完成品の部品を含む1または複数の物品)の物流コストの要求を、物流コスト算出サーバ30に送信することができる。また、情報端末40は、ユーザや管理者の要求に応じて物流コスト算出サーバ30から送信された、対象物品の物流コストの情報を受信し、情報端末40が有するディスプレイなどの出力装置に出力する。これにより、ユーザは、対象物品の物流コストを把握することができ、これら情報を用いて、計画値(標準原価)を適切に策定することなどが可能となる。
次に、図8を参照して、本実施形態に係る物流コスト算出処理について説明する。図8は、本実施形態に係る物流コスト算出処理を示すフローチャートである。なお、図8に示す物流コスト算出処理は、物流コスト算出サーバ30の演算装置31により実行される。また、図8に示す物流コスト算出処理は、たとえば、ユーザが、情報端末40を介して、対象物品の物流コストの要求を物流コスト算出サーバ30に送信することで開始される。また、ユーザは、ユーザが所望する範囲(時期、取引企業)の対象物品(完成品および部品を含む、1の物品または複数の物品群)を指定して物流コストを要求することができ、物流コスト算出サーバ30は、ユーザが指定する範囲における対象物品の物流コストを算出し、ユーザが操作する情報端末40に送信することで、ユーザにユーザが所望する対象物品の物流コストを提示することができる。
まず、ステップS101では、物流コスト算出機能により、情報端末40から送信された、対象物品の物流コストの要求が受信される。そして、ステップS102では、物流コスト算出機能により、対象物品の請求単位および物流パターンの特定が行われる。具体的には、物流コスト算出機能は、物流特性テーブルを参照し、対象物品の請求単位、並びに、入荷作業パターン、補充作業パターン、出荷作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを取得する。
ステップS103では、物流コスト算出機能により、ステップS102で取得した対象物品の請求単位および作業パターンに基づいて、対象物品の物流特性別単価の取得が行われる。たとえば、図3に示す例において、対象物品Xの入荷作業パターンが「ケース入荷」である場合、入荷作業の作業特性別単価として「A円」が取得され、補充作業パターンが「ケース補充」である場合、補充作業の作業特性別単価として「D円」が取得され、また、出荷作業の請求単位が「ケース」であり、出荷作業パターンが「トータルピック+デパレタイザー+オートラベラ貼付+ケースソータ搬送」である場合、出荷作業の作業特性別単価として「G円」が取得される。
ステップS104では、物流コスト算出機能により、対象物品の作業コストの算出が行われる。具体的には、物流コスト算出機能は、ステップS103で取得した対象物品の作業特性別単価に、対象物品の取り扱い数量(請求単位での数量)を乗じた額を、各作業種別の作業コストとして算出する。たとえば、対象物品Xが10ケース取り扱われており、入荷作業のケース単位の作業特性別単価として「A円」が取得されている場合には、物流コスト算出機能は、対象物品Xの入荷作業の作業コストとして「A×10円」を算出する。また、対象物品Xが10ケース取り扱われており、補充作業のケース単位の作業特性別単価として「D円」が取得されている場合には、物流コスト算出機能は、対象物品Xの補充作業の作業コストとして「D×10円」を算出する。さらに、対象物品Xが10ケース取り扱われており、出荷作業のケース単位の作業特性別単価として「G円」が取得されている場合には、物流コスト算出機能は、対象物品Xの出荷作業の作業コストとして「G×10円」を算出する。
次に、ステップS105では、物流コスト算出機能により、対象物品の保管特性別単価の取得が行われる。具体的には、物流コスト算出機能は、データベース34に登録された保管特性別単価テーブルを参照し、ステップS102で特定した対象物品の請求単位および保管パターンに対応する、保管特性別単価を取得する。たとえば、図5に示す例において、対象物品Xの請求単位が「ケース」であり、保管パターンが「パレットラック+3段+1PL」である場合、対象物品Xの保管特性別単価として「Q円」が取得される。
ステップS106では、物流コスト算出機能により、対象物品の保管コストの算出が行われる。具体的には、物流コスト算出機能は、ステップS105で取得した保管特性別単価に、対象物品の保管日数および取り扱い数量(請求単位での数量)を乗じた額を、対象物品の保管コストとして算出する。たとえば、対象物品Xを10ケース、3日間保管した場合において、保管特性別単価として「Q円」が取得されている場合には、物流コスト算出機能は、対象物品Xの保管コストとして「Q×3×10円」を算出する。
ステップS107では、物流コスト算出機能により、対象物品が配送された配送車両の車格が特定される。具体的には、物流コスト算出機能は、データベース34の配送実績テーブルに記憶された配送実績情報を参照し、対象物品が配送された配送車両の車格を特定する。たとえば、物流コスト算出機能は、対象物品の配送先の情報を配送実績テーブルから取得し、取得した対象物品の配送先の情報に基づいて、対象物品が配送された配送車両の車格を特定することができる。たとえば、マザーセンターの機能を有する物流倉庫から、店舗仕分けセンターへと対象物品を配送する場合は車格が大きい配送車両(10tトラックなど)が選択されるため、この場合、配送車両の車格として10tトラックなどを特定することができる。また、物流倉庫から店舗へと対象物品を配送する場合は、車格が小さい車両が選択されるため、配送車両の車格として中型または小型の配送車両を特定することができる。特に、配送先である店舗において、中程度の車格の車両(6tトラックや4tトラック)が接車できるスペースを有しないなどの制約がある場合には、小型の車格(3tトラックや2tトラックなど)が選択されるため、このような配送先の制約に応じた車格が特定されることとなる。
そして、ステップS108では、物流コスト算出機能により、対象物品の配送特性別単価の取得が行われる。物流コスト算出機能は、配送特性別単価テーブルを参照し、ステップS102で取得した対象物品の請求単位および配送パターンと、ステップS107で特定した対象物品の配送車両の車格とに基づいて、対象物品の配送特性別単価を取得する。たとえば、図7に示す例において、対象物品Xが、請求単位が「ケース」であり、配送パターンが「ケース配送90サイズ」であり、かつ、小型の「2t」トラックで配送された場合には、対象物品Xの配送特性別単価として「c1円」が取得される。
ステップS109では、物流コスト算出機能により、対象物品の配送コストの算出が行われる。具体的には、物流コスト算出機能は、ステップS109で取得した配送特性別単価に、対象物品の取り扱い数量(請求単位での数量)を乗じた額を、配送コストとして算出する。たとえば、対象物品Xが10ケース取り扱われている場合において、配送特性別単価として「c1円」が取得されている場合には、物流コスト算出機能は、対象物品Xの配送コストとして「c1×10円」を算出する。また、物流コスト算出機能は、配送日数が2日以上かかる場合には、算出した対象物品Xの配送コストに配送日数を乗じて配送コストを算出する構成とすることができ、また、燃料費や有料道路使用料金を按分して配送コストに加算する構成とすることもできる。
そして、ステップS110では、物流コスト算出機能により、ステップS104で算出した作業コスト、ステップS106で算出した保管コスト、および、ステップS109で算出した配送コストが、ユーザの情報端末40へと送信される。これにより、ユーザの情報端末40において、物流コスト算出サーバ30で算出された作業コスト、保管コスト、配送コストの情報がユーザに提示されることとなる。
以上のように、本実施形態では、各物品の物流倉庫内での作業内容、保管方法および配送方法などの詳細をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを、物品ごとに設定しておくとともに、作業パターン、保管パターンおよび配送パターンにおける最小単位(物品の請求単位または取り扱い単位)の作業コスト、保管コストおよび配送コストを、作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価としてそれぞれ設定しておくことで、対象物品の作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを特定し、特定した作業パターン、保管パターンおよび配送パターンに基づいて、対象物品の作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価を取得し、取得した作業特性別単価、保管特性別単価および配送特性別単価に基づいて、対象物品の作業内容、保管方法および配送方法に応じた作業コスト、保管コストおよび配送コストをより正確に算出することができる。また、対象物品の作業、保管、配送に応じた物流コストを算出することができるため、荷主や卸業者に対して、適切な価格設定を行うことが可能となり、また、コストの高い作業、保管、配送などの問題点を把握することも可能となる。さらに、本実施形態では、物品の作業パターンに応じた作業コスト、管理パターンに応じた管理コスト、配送パターンに応じた配送コストを物品ごとにそれぞれ算出することができるため、各物品(あるいは一定範囲の物品群)について、作業にかかったコスト、保管にかかったコスト、配送にかかったコストをそれぞれ適切に把握することも可能となる。加えて、入荷作業や出荷作業などの作業種別ごとのコストも算出することができるため、各作業種別にかかったコストをそれぞれ適切に把握することも可能となる。
さらに、複数の会社がトラック等の配送手段をシェアリングするに当たっては、各作業種別に係る物流コストが適切に把握できなくては、適切な費用分担を行うことができないが、本実施形態によれば、入荷作業から出荷作業からなる一連の物流において、一部の作業のみで使用する配送手段をシェアリングするといったことも可能となる。例えば、A社の配送において往路では搭載余剰スペースがなく、復路では搭載余剰スペースがあるトラックが生じた場合に、復路のみB社にトラックの搭載余剰スペースをシェアリングするといったことが容易に実現可能となる。
また、本実施形態では、全体にかかる共通間接費や販管費を按分して、物流特性別単価に配賦することで、間接共通費や販管費を加味した、より高い精度の物流コストを算出することができる。さらに、本実施形態では、物品の請求単位および作業パターンごとに、作業用マテハン機器・什器の利用状況、作業スペースの使用状況、取り扱い数量などに応じて按分した、作業用マテハン機器・什器利用料単価および間接作業費単価を加えて、作業特性別単価が設定されるため、物品の実際の作業により適応した作業コストを算出することができる。同様に、物品の請求単位および保管パターンごとに、保管用マテハン機器・什器の利用状況、保管スペースの使用状況、取り扱い数量などに応じて按分した、保管用マテハン機器・什器利用料単価および間接保管費単価を加えて、保管特性別単価が設定されるため、物品の実際の保管により適応した保管コストを算出することができる。
さらに、本実施形態に係る物流コスト算出システム1では、対象物品の作業パターン、保管パターン、配送パターンに応じた作業コスト、保管コストおよび配送コストを算出することができるため、標準原価を適切に見直すことも可能となる。すなわち、予め設定されている標準原価と、本実施形態に係る物流コスト算出システム1で算出した作業コスト、保管コストおよび配送コストなどの物流コストとを比較することで、各対象物品の標準原価の設定が、対象物品に対して行われる作業、保管、配送に即して設定されているのか検証することができ、標準原価を適宜見直すことが可能となる。これにより、標準原価に基づいて算出される請求額の見直しを行うこともでき、顧客企業との価格交渉にも役立てることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、上述した実施形態では、対象物品の作業パターン、保管パターンおよび配送パターンを特定し、対象物品の作業特性別単価、保管特性別単価および保管特性別単価を取得することで、対象物品の作業コスト、保管コストおよび配送コストを算出する構成を例示したが、この構成に限定されず、対象物品の作業パターン、保管パターンおよび配送パターンのうち1以上の物流パターンを特定し、対象物品の作業特性別単価、保管特性別単価および保管特性別単価のうち1以上を取得することで、対象物品の作業コスト、保管コストおよび配送コストのうち1以上を算出する構成とすることもできる。
また、上述した実施形態に加え、配送車両の物流倉庫への接車情報を加味して、配送特性別単価を求める構成とすることができる。たとえば、物品ごとの積み込み作業で占有するスペースや、積み込み作業の工数などの接車情報に応じて、配送パターンを細分化し、物流特性テーブルに設定しておくとともに、配送特性別単価テーブルにおいても、細分化した配送パターンごとに、接車にかかるコストも含めて配送特性別単価を設定しておく。たとえば、物品のケースを手積で積込するよりも、物品のケースをカゴ車やパレットなどの搬送什器を用いて積み込むほうが接車時間は短くなり、配送車両がバースに接車して滞在する時間が短くなるため(積込作業スペースの占有が少なくなるため)、配送コストが低くなるように、配送特性別単価を設定することができる。なお、接車パターンを加味して配送特性別単価を設定する際には、トラック予約システムサーバ(不図示)に登録された接車実績情報と接車にかかるコストとに基づいて、接車パターンに応じた最小単位のコストを求め、当該コストを物品の配送コストに加えることで、配送特性別単価を設定することができる。
さらに、上述した実施形態では、種別ごと、請求単位ごと、および物流パターンごとに、物流特性別単価が設定される構成を例示したが、この構成に限定されず、種別および請求単位を物流パターンに含め、物流パターンのみで、物流特性別単価が特定される構成とすることもできる。
加えて、上述した実施形態では、物流特性別単価を、「物品の最小単位」での物流コストとし、「物品の最小単位」として、物品の請求単位または取り扱い単位を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、物流特性別単価を物品1個当たりの物流コストとすることもできる。たとえば、ケース単位、またはボール単位で取り扱われる物品について、物品1個当たりの物流コストを求めることで、求めた物品1個当たりの物流コストを、物流特性別単価として設定する構成とすることができる。
1…物流コスト算出システム
10…WMSサーバ
11…演算装置
12…記憶装置
13…通信装置
20…TMSサーバ
21…演算装置
22…記憶装置
23…通信装置
30…物流コスト算出サーバ
31…演算装置
32…記憶装置
33…通信装置
34…データベース
40…情報端末

Claims (10)

  1. 物品の物流コストを算出する物流コスト算出装置であって、
    物品の作業、保管および/または配送の詳細をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび/または配送パターンを、物品ごとに対応付けた物流特性テーブルと、前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンにおける最小単位でのコストである作業特性別単価、保管特性別単価および/または配送特性別単価を予め設定した物流特性別単価テーブルと、を記憶する記憶装置と、
    前記物流特性テーブルに基づいて、対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンを特定する物流パターン特定手段と、
    前記物流特性別単価テーブルに基づいて、前記対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンに対応する、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価を特定する、物流特性別単価特定手段と、
    前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価に基づいて、前記対象物品の物流コストを算出する、物流コスト算出手段と、を有する、物流コスト算出装置。
  2. 前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンは、物品の請求単位ごとに細分化されており、
    前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価も、前記物品の請求単位ごとに予め設定されている、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  3. 前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価は、物品の請求単位当たりの作業直接費、保管直接費および/または配送直接費に、物品の請求単位当たりの作業間接費、保管間接費および/または配送間接費を加味して決定される、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  4. 前記作業パターンは、入荷作業、補充作業、および出荷作業のうち1以上の作業種別の情報をさらに含み、
    前記作業特性別単価は、さらに前記作業種別ごとに予め設定される、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  5. 前記作業特性別単価には、前記作業パターンごとの作業用機器・什器の利用頻度に応じた作業用機器・什器利用料単価が含まれ、
    前記保管特性別単価には、前記保管パターンごとの保管用機器・什器の利用頻度に応じた保管用機器・什器利用料単価が含まれる、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  6. 前記配送特性別単価は、配送車両の車格ごとに予め設定されており、
    前記物流コスト算出手段は、前記対象物品を配送した配送車両の車格に基づいて、前記配送特性別単価を特定する、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  7. 前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価には、間接共通費および/または販管費が配賦されている、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  8. 前記物品は完成品の部品を含み、
    前記物流コスト算出手段は、前記部品ごとの物流コストを算出することができる、請求項1に記載の物流コスト算出装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の物流コスト算出装置と、
    物品の作業実績および/または保管実績を保有する倉庫管理サーバと、
    物品の配送実績を保有する配送管理サーバと、を有する、物流コスト算出システムであって、
    前記物流コスト算出装置は、周期的に、物品の前記作業実績および/または前記保管実績を前記倉庫管理サーバから自動で取得し、並びに/若しくは、前記配送実績を前記配送管理サーバから自動で取得し、取得した前記作業実績、前記保管実績および/または前記配送実績に基づいて、前記対象物品の取り扱い数量を求め、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価と乗じることで、前記対象物品の作業コスト、管理コストおよび/または配送コストを算出する、物流コスト算出システム。
  10. コンピューターに、物流コストの算出を実行させるためのプログラムあって、
    物品の作業、保管および/または配送の詳細をパターン化した作業パターン、保管パターンおよび/または配送パターンを、物品ごとに対応付けた物流特性テーブルを参照して、対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンを特定し、
    物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンにおける、物品の最小単位でのコストである作業特性別単価、保管特性別単価および/または配送特性別単価を登録した物流特性別単価テーブルを参照して、前記対象物品の前記作業パターン、前記保管パターンおよび/または前記配送パターンに対応する、前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価を取得し、
    前記対象物品の前記作業特性別単価、前記保管特性別単価および/または前記配送特性別単価に基づいて、物流コストを算出する、物流コスト算出プログラム。

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