JP2023067532A - 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法 - Google Patents

乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023067532A
JP2023067532A JP2021178880A JP2021178880A JP2023067532A JP 2023067532 A JP2023067532 A JP 2023067532A JP 2021178880 A JP2021178880 A JP 2021178880A JP 2021178880 A JP2021178880 A JP 2021178880A JP 2023067532 A JP2023067532 A JP 2023067532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
temperature
unit
atmosphere
water vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021178880A
Other languages
English (en)
Inventor
真也 二階堂
Shinya Nikaido
悟 下條
Satoru Shimojo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2021178880A priority Critical patent/JP2023067532A/ja
Publication of JP2023067532A publication Critical patent/JP2023067532A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Gases (AREA)

Abstract

【課題】水溶液を保持する水溶液保持部への加熱による影響を従来に比して抑制することができる乾燥装置を得ること。【解決手段】本開示は、水溶液保持部11に保持される水溶液10を乾燥させる乾燥装置1であって、水溶液温度計測部と、加熱部12と、記憶部と、統括部と、を備える。水溶液温度計測部は、水溶液10の温度を計測する。加熱部12は、水溶液10を加熱する。記憶部は、水溶液10の飽和蒸気圧と温度との関係を示す温度-飽和蒸気圧特性情報を記憶する。統括部は、温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出し、水分放出温度を目標温度に設定し、水溶液10が目標温度となるように加熱部12を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、吸湿材が吸湿した水溶液を乾燥させる乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法に関する。
デシカント空調機器は、吸湿性を有する物質を用いて、空気中の水分を除去する除湿装置を有する。この除湿装置では、潮解性を示す物質が用いられる場合がある。潮解性を示す物質は、潮解すると、温度によって水分を放出または吸湿する水溶液である吸湿性を示す水溶液となる。吸湿性を示す水溶液は、以下に示される温度-飽和蒸気圧特性を有する。すなわち、吸湿性を示す水溶液の飽和蒸気圧は、吸湿性を示す水溶液の温度に依存する。また、吸湿性を示す水溶液の飽和蒸気圧が吸湿性を示す水溶液の雰囲気の水蒸気分圧を上回る場合に、吸湿性を示す水溶液は、吸湿性を示す水溶液の雰囲気に対して水分を放出する。さらに、吸湿性を示す水溶液の飽和蒸気圧が吸湿性を示す水溶液の雰囲気の水蒸気分圧を下回る場合に、吸湿性を示す水溶液は、吸湿性を示す水溶液の雰囲気から水分を吸湿する。
潮解性を示す物質を利用した除湿装置は、吸湿性を示す水溶液によって、空調の対象となる雰囲気の水分を吸湿する。また、潮解性を示す物質を利用した除湿装置は、温度-飽和蒸気圧特性を利用して、加熱部で吸湿性を示す水溶液を加熱して、吸湿後の吸湿性を示す水溶液から水分を放出させる。
ところで、第1種換気を行う換気装置に用いられる全熱交換素子には、潮解性を示す物質が吸湿材として塗布または含浸されている場合がある。このような全熱交換素子では、塗布または含浸された潮解性を示す物質が、潮解によって、吸湿性を示す水溶液となり、上記した温度-飽和蒸気圧特性に従って、水分を放出または吸湿する。吸湿性を示す水溶液が吸湿を続けた場合には、吸湿性を示す水溶液が全熱交換素子から滴下してしまう場合がある。吸湿性を示す水溶液が滴下すると、結果として製品の吸湿性能が低下する。この滴下を抑制するための方法の一例として、デシカント空調機器の除湿装置で行われるような吸湿性を示す水溶液の加熱が挙げられる。
なお、換気装置に関するものではないが、特許文献1には、焼却装置の休止中に潮解性を有するカルシウム塩化物、マグネシウム塩化物の潮解を防止する廃棄物の焼却装置が開示されている。特許文献1の廃棄物の焼却装置では、排煙あるいは灰の存在する雰囲気ガスの水分分圧と該雰囲気ガス温度における飽和水蒸気圧との比で定義される相対湿度が、排煙あるいは灰の存在する空間で55%以下となるように、加熱器が制御される。
特開平8-86424号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、焼却装置中の潮解性を有するカルシウム塩化物およびマグネシウム塩化物の潮解を防止するためのものである。このため、潮解を利用して水分を吸湿させることで除湿を行う、潮解性を示す物質が塗布または含浸された全熱交換素子での水溶液の滴下の抑制には適用することができない。また、デシカント空調機器の除湿装置では吸湿性を示す水溶液を単に加熱させて吸湿性を示す水溶液の水分を放出させるだけである。このため、吸湿性を示す水溶液を保持する水溶液保持部などの吸湿性を示す水溶液の周囲の環境が考慮されずに、一律な温度で加熱が行われ、吸湿性を示す水溶液を保持する水溶液保持部が加熱されてしまう影響については考慮されていなかった。この結果、場合によっては、水溶液保持部が損傷したり、水溶液保持部の寿命が短縮したりする可能性があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、水溶液を保持する水溶液保持部への加熱による影響を従来に比して抑制することができる乾燥装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、水溶液保持部に保持される水溶液を乾燥させる乾燥装置であって、水溶液温度計測部と、加熱部と、記憶部と、統括部と、を備える。水溶液温度計測部は、水溶液の温度を計測する。加熱部は、水溶液を加熱する。記憶部は、水溶液の飽和蒸気圧と温度との関係を示す温度-飽和蒸気圧特性情報を記憶する。統括部は、温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて水溶液の雰囲気の水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出し、水分放出温度を目標温度に設定し、水溶液が目標温度となるように加熱部を制御する。
本開示によれば、水溶液を保持する水溶液保持部への加熱による影響を従来に比して抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る乾燥装置の構成の一例を模式的に示す図 実施の形態1に係る乾燥装置に備えられる制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図 水溶液の温度-飽和蒸気圧特性情報の一例を示す図 実施の形態1に係る乾燥制御方法の手順の一例を示すフローチャート 乾球温度-水蒸気分圧特性情報の一例を示す図 実施の形態2に係る乾燥制御方法の手順の一例を示すフローチャート 実施の形態3に係る熱交換換気装置の構成の一例を模式的に示す上面図
以下に、本開示の実施の形態にかかる乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る乾燥装置の構成の一例を模式的に示す図である。乾燥装置1は、水溶液保持部11と、加熱部12と、水溶液状態計測部13と、水溶液雰囲気計測部14と、制御装置15と、を備える。
水溶液保持部11は、水溶液10を保持する部材であり、容器であってもよいし、容器の形状をしていない部材であってもよい。一例では、水溶液保持部11は、潮解性を示す物質を保持する部材である。潮解性を示す物質は、潮解することによって吸湿性を示す水溶液10となる。すなわち、この場合では、水溶液10は、潮解性を示す物質を溶質とする水溶液である。潮解性を示す物質が、部材に塗布されていたり、含浸されていたりする場合には、塗布または含浸されている部材が水溶液保持部11となる。水溶液10は、水分が放出されるときに、影響を水溶液雰囲気計測部14に及ぼすものであってもよい。
加熱部12は、水溶液10を加熱する。水溶液10を直接加熱するものであってもよいし、間接的に加熱するものであってもよい。間接的に加熱する方法の一例は、温風を水溶液10に向かって送風することによる加熱である。
水溶液状態計測部13は、水溶液10の状態を計測する。水溶液10の状態の一例は、温度、濃度等である。つまり、水溶液状態計測部13の一例は、水溶液10の温度を計測する温度センサである水溶液温度計測部、水溶液10の濃度を計測する濃度センサである水溶液濃度計測部等である。濃度は、水溶液10の溶質である潮解性を示す物質の濃度である。水溶液状態計測部13は、水溶液10の状態として少なくとも水溶液10の温度を計測するものであればよいが、ここでは水溶液10の温度および濃度を計測するものとする。
水溶液雰囲気計測部14は、水溶液10の雰囲気の状態を計測する。水溶液10の雰囲気の状態の一例は、水蒸気分圧である。つまり、水溶液雰囲気計測部14の一例は、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を計測する水蒸気分圧計測部である。ここでは、水溶液雰囲気計測部14は、水蒸気分圧を直接計測することができるセンサであるものとする。
制御装置15は、水溶液状態計測部13から得られる水溶液10の温度および濃度並びに水溶液雰囲気計測部14から得られる水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧に基づいて、水溶液10を乾燥させることができる温度のうち最低温度である水分放出温度を算出する。また、制御装置15は、水分放出温度が水溶液保持部11または水溶液保持部11を有する製品を劣化させる温度である限界温度よりも高いかを判定し、低い場合には、水分放出温度で水溶液10を加熱するように加熱部12を制御する。また、制御装置15は、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、加熱部12による加熱を行わない。あるいは制御装置15は、限界温度で水溶液10を加熱するように加熱部12を制御する。
図2は、実施の形態1に係る乾燥装置に備えられる制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置15は、電源部21と、制御部22と、出力部23と、を備える。電源部21は、制御部22および出力部23に、これらを駆動する電力を供給する。制御部22は、外部の計測機器31、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置32から情報311,321を取得し、上記した水分放出温度を決定する。外部の計測機器31の一例は、水溶液状態計測部13、水溶液雰囲気計測部14であり、情報311の一例は、水溶液10の温度、濃度、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧である。情報321の一例は、水溶液10の飽和蒸気圧と温度との関係を示す温度-飽和蒸気圧特性情報である。出力部23は、制御部22による制御の下、加熱部12を水分放出温度で動作させるように、温度制御の信号を加熱部12に出力する。
制御部22は、入力部221と、記憶部222と、統括部223と、を備える。入力部221、記憶部222および統括部223は、バス224を介して接続される。
入力部221は、制御装置15の外部の機器からの情報を受け付け、受け付けた情報を記憶部222に記憶する。一例では、入力部221は、水溶液状態計測部13および水溶液雰囲気計測部14と信号線を介して接続され、水溶液10の温度および濃度、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧等の情報311を受け付ける。他の例では、入力部221は、通信線を介して情報処理装置32と接続され、情報処理装置32から水分放出温度を決定する際に用いられる情報321を受け付ける。他の例では、入力部221は、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体を読み込み可能な装置であり、記憶媒体から水分放出温度を決定する際に用いられる情報を受け付ける。また、他の例では、入力部221には、乾燥装置1を備える空気調和機に設けられる送風機、乾燥装置1を備える空気調和機等に対する設定を行うリモートコントローラが接続されてもよい。
記憶部222は、水分放出温度を決定する際に用いられる情報を記憶する。水分放出温度を決定する際に用いられる情報の一例は、水溶液10の温度および濃度、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧、水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性を示す温度-飽和蒸気圧特性情報である。また、記憶部222は、水溶液保持部11の温度に対する耐性を示す情報である温度耐性情報を記憶していてもよい。温度耐性情報は、水溶液保持部11が加熱環境において耐えることができる温度である限界温度を含む。なお、温度耐性情報は、水溶液保持部11の限界温度ではなく、水溶液保持部11を備える製品、水溶液保持部11の周囲に配置されている部品等の限界温度を記憶していてもよい。
記憶部222は、RAM(Random Access Memory)、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD等である。
統括部223は、水溶液10の温度、濃度および水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧と、温度-飽和蒸気圧特性情報と、を用いて、水分放出温度を決定し、水分放出温度を水溶液10を加熱部12で加熱する目標の温度である目標温度として、水溶液10が目標温度となるように加熱部12を制御する。このとき、統括部223は、水分放出温度と限界温度とを比較し、水分放出温度が限界温度よりも低い場合に、水分放出温度を目標温度とし、目標温度を出力部23に出力してもよい。また、統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、加熱部12による加熱を行わず、加熱部12の動作を停止してもよいし、限界温度を目標温度として、出力部23に出力してもよい。
統括部223は、プロセッサである。統括部223は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)とも称される)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。
上記した構成を有する制御部22は、処理回路として実現される。処理回路は専用のハードウェアであってもよいし、集積回路であってもよいし、プロセッサを備える回路であってもよい。
制御部22は、水溶液10の温度、濃度および水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧に基づいて水分放出温度を算出し、水分放出温度と限界温度との比較に基づいて加熱部12の制御の処理の手順を記述したプログラムを記憶部222から読み出し、統括部223が実行することにより実現される。また、複数の統括部223および複数の記憶部222が連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部22の機能のうちの一部を専用のハードウェアである電子回路として実装し、他の部分を統括部223および記憶部222を用いて実現するようにしてもよい。
ここで、統括部223による目標温度の選択処理の詳細について説明する。上記したように、ここでは、水溶液状態計測部13が水溶液10の温度および濃度を計測するものとする。図3は、水溶液の温度-飽和蒸気圧特性情報の一例を示す図である。この図において、横軸は水溶液10の温度Taを示し、縦軸は圧力Paを示している。また、この図において、曲線L11は、水溶液10の濃度が100%である場合の温度-飽和蒸気圧特性情報を示しており、曲線L12は、水溶液10の濃度が100%未満のx%における温度-飽和蒸気圧特性情報を示している。水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11,L12は、水溶液10の飽和蒸気圧が、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧となるときに、水溶液10が水分を放出する、すなわち乾燥するか、水溶液10が水分を吸湿するか、の境界となる。すなわち、このときに、水分の放出と吸湿とがつり合った状態となる。
図3の曲線L11,L12に示されるように、温度-飽和蒸気圧特性情報は、水溶液10の飽和蒸気圧と温度との間の関係を示すものであり、この関係は濃度によっても変化する。このため、統括部223は、基準となる濃度の温度-飽和蒸気圧特性情報を、得られた水溶液10の濃度を用いて補正し、得られた水溶液10の濃度に対応する温度-飽和蒸気圧特性情報を得る。一例では、曲線L12が基準となる濃度の温度-飽和蒸気圧特性情報であるとすると、矢印101に示されるように、温度-飽和蒸気圧特性情報のグラフは、基準となる濃度よりも水溶液10の濃度が低い場合には左の方向に移動し、基準となる濃度よりも水溶液10の濃度が高い場合には右の方向に移動する。そして、濃度が100%のときに曲線L11となる。
ついで、統括部223は、補正した温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出する。一例では、図3で水蒸気分圧がP11である場合の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L12の水分放出温度はT11となる。上記したように、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧がP11である場合には、水溶液10の温度をT11にすると、水溶液10の水分の放出と吸湿とがつり合うことになる。
その後、統括部223は、算出した水分放出温度が水溶液保持部11に対して設定されている限界温度よりも低いかを判定する。統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも低い場合には、水分放出温度を水溶液10の目標温度に設定し、目標温度を出力部23に出力する。統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、加熱部12を用いた加熱を停止させるか、あるいは限界温度を目標温度に設定して出力部23に出力する。なお、水分放出温度が限界温度と等しい場合は、水分放出温度が限界温度よりも低い場合および水分放出温度が限界温度よりも高い場合のいずれか一方に含めることができる。
なお、上記した説明では、統括部223が、水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を水溶液10の濃度によって補正する場合を説明したが、実施の形態1の態様がこれに限定されるものではない。一例では、水溶液10の濃度毎の温度-飽和蒸気圧特性情報を予め記憶部222に記憶させておき、統括部223は、計測した水溶液10の濃度に対応するまたは計測した水溶液10の濃度に近い濃度の温度-飽和蒸気圧特性情報を選択し、選択した温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて水分放出温度を算出してもよい。
また、上記した説明では、水溶液状態計測部13が水溶液10の温度および濃度を計測することを前提としていた。しかし、水溶液状態計測部13は、少なくとも水溶液10の温度を計測することができればよい。そこで、次に水溶液状態計測部13が水溶液10の温度を計測するが、濃度を計測しない場合の統括部223による目標温度の選択処理の詳細について説明する。
水溶液10の濃度が不明な場合には、濃度が100%である水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を用いる。上記したように、水溶液10の飽和蒸気圧が、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を上回る場合には、水溶液10は雰囲気に対して水分を放出する。また、水溶液10の飽和蒸気圧が、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を下回る場合には、水溶液10は雰囲気から水分を吸湿する。このため、図3の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L12の左側の領域では、濃度がx%および100%の水溶液10は水分を吸湿する。温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L12と曲線L11との間に挟まれた領域では、濃度がx%の水溶液10は水分を放出し、濃度が100%の水溶液10は水分を吸湿する。温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11上では、濃度がx%の水溶液10は水分を放出し、濃度が100%の水溶液10は、水分の放出と吸湿とが釣り合った状態にある。温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11よりも右側の領域では、濃度がx%および100%の水溶液10は水分を放出する。一例では、水蒸気分圧がP11の場合において、温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11に対応する水分放出温度はT12となる。以上より、水蒸気分圧がP11の場合に、水分放出温度がT12以上であれば、どの濃度の水溶液10においても、水分を放出する。つまり、温度T12は、水蒸気分圧P11の下で、水溶液10の濃度がどの値であっても、水分を放出しない最高温度となり、水分を放出する最低温度となる。そして、この関係は、任意の水蒸気分圧について成り立つ。
水溶液10の濃度が不明な場合には、濃度が100%である水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11から得られる水蒸気分圧に対応する水分放出温度まで、水溶液10を加熱することで、濃度が100%未満の水溶液10では水分を放出することになる。また、濃度が100%の水溶液10でも水分の放出と吸湿とがつり合った状態であり、水溶液10がこれ以上水分を吸湿することがない。つまり、この水分放出温度まで上げれば、水溶液10がどんな濃度であったとしても、少なくとも水分の放出と吸湿とがつり合った状態の境界温度に達したか、あるいは境界温度以上の水分を放出する温度になったということになる。
そこで、統括部223は、濃度が100%の水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11を用いて、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧に対応する温度を水分放出温度として算出する。一例では、図3で水蒸気分圧がP11である場合の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L11の水分放出温度はT12となる。水分放出温度を算出後の処理は、上記したものと同様であるので、説明を省略する。
つぎに、実施の形態1に係る乾燥装置1による水溶液10の乾燥制御方法について説明する。図4は、実施の形態1に係る乾燥制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、水溶液状態計測部13は、水溶液10の温度および濃度を計測するものとする。また、このフローチャートでは、制御装置15の統括部223の処理が示されている。
まず、制御装置15の統括部223は、水溶液状態計測部13によって計測された水溶液10の温度および濃度を取得する(ステップS11)。また、統括部223は、水溶液雰囲気計測部14によって計測された水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を取得する(ステップS12)。
ついで、統括部223は、記憶部222から水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を取得し(ステップS13)、取得した水溶液10の濃度を用いて温度-飽和蒸気圧特性情報を補正する(ステップS14)。ついで、統括部223は、補正した温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、取得した水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出する(ステップS15)。
その後、統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも低いかを判定する(ステップS16)。水分放出温度が限界温度よりも低い場合(ステップS16でYesの場合)には、統括部223は、水分放出温度に基づいて目標温度を設定する。ここでは、統括部223は、水分放出温度を目標温度に設定する(ステップS17)。そして、統括部223は、出力部23を介して、水溶液10の温度が目標温度となるように加熱部12を制御する(ステップS18)。以上で、処理が終了する。
また、水分放出温度が限界温度以上である場合(ステップS16でNoの場合)には、統括部223は、加熱部12による水溶液10の加熱を行わず、処理が終了する。
実施の形態1では、乾燥装置1は、水溶液10の温度と、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧と、を計測し、濃度が100%の場合の水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧のときの水分放出温度を算出する。乾燥装置1は、水分放出温度を目標温度に設定し、水溶液10が目標温度となるように加熱部12を制御する。水分放出温度は、水溶液10が水分を吸湿する最高温度、すなわち水溶液10が水分を放出する最低温度であり、この温度よりも高い温度で水溶液10が加熱されることはない。このため、水溶液保持部11および水溶液保持部11が必要以上温度に加熱されることがなく、水溶液保持部11への加熱による影響を従来に比して抑制することができるという効果を奏する。
また、乾燥装置1は、水分放出温度が水溶液保持部11の限界温度よりも低いかを判定し、限界温度よりも低い場合に、水溶液10が水分放出温度となるように、加熱部12を制御する。加熱部12によって水溶液10が水分放出温度まで加熱されると、水溶液10の濃度に関わらず、現状における水溶液10がこれ以上の吸湿を行うことがなくなり、場合によっては水分を放出する。また、乾燥装置1は、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、一例では、加熱部12による加熱を行わない。これによって、水溶液保持部11または水溶液保持部11を備える製品が、限界温度よりも高い温度に加熱されることによって、損傷されたり、寿命が短縮されたりしてしまうことを抑制しながら、吸湿性を示す水溶液10の水分を放出させることができる。
さらに、乾燥装置1は、水溶液10の温度に加えて濃度を計測する場合には、水溶液10の濃度に対応する温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧のときの水分放出温度を算出する。乾燥装置1は、水分放出温度が水溶液保持部11の限界温度よりも低いかを判定し、限界温度よりも低い場合に、水溶液10が水分放出温度となるように、加熱部12を制御する。加熱部12によって水溶液10が水分放出温度まで加熱されると、計測した水溶液10の濃度で、現状における水溶液10がこれ以上の吸湿を行うことがなくなる。つまり、水溶液10の濃度を計測しない場合に比して、水溶液10が吸湿を行う温度を高精度で決定することができる。この結果、必要以上に、水溶液保持部11が加熱されることを抑制することができる。また、上記で説明してきた温度-飽和蒸気圧特性情報は、潮解性を示す物質を含む水溶液10に関するものであり、乾燥対象の水溶液の濃度別の温度-飽和蒸気圧特性情報があれば、水溶液10に溶解している潮解性を示す物質の種類は限定されない。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる方法で水分放出温度を算出する場合が説明される。実施の形態2に係る乾燥装置1は、実施の形態1の図1に示した乾燥装置1と同様の構成を有する。ただし、実施の形態2に係る乾燥装置1では、水溶液雰囲気計測部14は、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を直接に計測するものではなく、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を算出することができる雰囲気の状態を計測する。このような水溶液10の雰囲気の状態の一例は、水溶液10の雰囲気の温度、相対湿度、気圧等である。つまり、実施の形態2では、水溶液雰囲気計測部14は、水溶液10の雰囲気の温度を計測する温度センサである雰囲気温度計測部、水溶液10の雰囲気の相対湿度を計測する相対湿度センサである雰囲気相対湿度計測部等である。また、水溶液雰囲気計測部14は、温度および相対湿度を計測し、計測した温度および相対湿度を制御装置15に送信する。水溶液10の雰囲気の温度は、乾球温度とも称される。
また、実施の形態2に係る乾燥装置1では、制御装置15は、空気線図を用いて、水溶液雰囲気計測部14から取得した雰囲気の温度および相対湿度に対応する水蒸気分圧を算出する機能をさらに有する。なお、水蒸気分圧と、水溶液10の温度と、を用いて、水分放出温度を算出する処理、水分放出温度と限界温度とを比較する処理、および加熱部12を制御する処理は、実施の形態1と同様である。
実施の形態2に係る乾燥装置1の制御装置15の構成は、実施の形態1の図2で示したものと同様である。ここでも、実施の形態1とは異なる部分のみ説明する。
実施の形態2では、制御装置15の記憶部222は、水溶液10の雰囲気の空気線図をさらに記憶する。空気線図は、一例では、各相対湿度について、乾球温度と水蒸気分圧との間の関係を示す図、すなわち、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を示す図である。また、制御装置15の統括部223は、水溶液10の雰囲気の温度および相対湿度に対応する水蒸気分圧を算出する機能をさらに有する。
ここで、統括部223による目標温度の選択処理の詳細について説明する。ここでも、水溶液状態計測部13が水溶液10の温度および濃度を計測するものとする。図5は、乾球温度-水蒸気分圧特性情報の一例を示す図である。図5において、横軸は水溶液10の雰囲気の温度Tb、すなわち乾球温度を示し、縦軸は水蒸気分圧Pbを示している。また、曲線L21は、相対湿度が100%の場合の乾球温度-水蒸気分圧特性情報、すなわち飽和線を示している。曲線L22は、相対湿度が100%未満のy%における乾球温度-水蒸気分圧特性情報を示している。
図5に示されるように、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を示す曲線L21,L22は、水蒸気分圧と乾球温度との間の関係を示すものであり、この関係は相対湿度によって変化する。そこで、記憶部222は、相対湿度ごとの乾球温度-水蒸気分圧特性情報を保持している。統括部223は、水溶液10の雰囲気の相対湿度に対応する乾球温度-水蒸気分圧特性情報を記憶部222から取得し、取得した乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて、水溶液10の雰囲気の温度に対応する水蒸気分圧を算出する。一例では、相対湿度がy%であり、温度がT21である場合には、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を示す曲線L22から、水蒸気分圧はP11であると算出される。
ついで、統括部223は、温度-飽和蒸気圧特性情報を取得した濃度を用いて補正する。統括部223は、算出した水蒸気分圧と、補正した温度-飽和蒸気圧特性情報と、を用いて、実施の形態1で説明したように、水分放出温度を算出する。一例では、図3で、水溶液10の濃度がx%であり、水蒸気分圧がP11である場合の温度-飽和蒸気圧特性情報を示す曲線L12の水分放出温度はT11となる。上記したように、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧がP11である場合には、水溶液10の温度をT11にすると、水溶液10の水分の放出と吸湿とがつり合うことになる。
その後、統括部223は、実施の形態1で説明したように、水分放出温度と限界温度とを比較し、水分放出温度が限界温度よりも低い場合に、水分放出温度を目標温度として加熱部12を制御する。また、統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも高い場合に、加熱部12の動作を停止するか、限界温度を目標温度として加熱部12を制御する。
上記した説明では、水溶液10の雰囲気の圧力が大気圧、すなわち1気圧である場合を前提としている。乾球温度-水蒸気分圧特性情報は、雰囲気の圧力によっても変化する。一般的に知られている乾球温度-水蒸気分圧特性情報、すなわち空気線図の情報は1気圧におけるものである。1気圧における空気線図の情報によって求められた水蒸気分圧を用いても、水溶液10の水分が放出される温度は算出可能であるが、近似値となる。この温度を用いた加熱部12の制御は可能であるが、精度は落ちてしまう。より精度よく制御するためには、乾球温度-水蒸気分圧特性情報について、水溶液10の雰囲気の圧力による補正を行うことが望ましい。
具体的には、1気圧だけではなく他の気圧の場合の空気線図の情報を予め記憶部222に記憶しておく。1気圧を含む他の気圧の場合の空気線図は、予め外部から入手しておき、入手したものを記憶部222に記憶させておいてもよい。また、この場合には、水溶液雰囲気計測部14は、雰囲気の温度および相対湿度だけではなく、雰囲気の圧力も計測する。つまり、水溶液雰囲気計測部14は、水溶液10の雰囲気の圧力を計測する圧力センサである雰囲気圧力計測部を有していてもよい。そして、統括部223は、水溶液雰囲気計測部14によって計測された水溶液10の雰囲気の圧力に応じた乾球温度-水蒸気分圧特性情報を記憶部222から取得し、取得した乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて、水溶液雰囲気計測部14によって計測された雰囲気の温度に対応する水蒸気分圧を求める。
あるいは、1気圧から他の気圧に変化すると乾球温度-水蒸気分圧特性情報がどのように変わるかの関係を予め求めておき、この関係と水溶液雰囲気計測部14から取得した雰囲気の圧力とを用いて1気圧の乾球温度-水蒸気分圧特性情報を補正してもよい。一例では、図5における1気圧で相対湿度がy%である乾球温度-水蒸気分圧特性情報を示す曲線L22は、気圧を用いた補正によって矢印102の方向に変化することになる。
乾燥装置1が例えばチャンバ内に収容され、内部圧力が大気圧と異なる場合もあり得る。このような場合は、上述したような雰囲気の圧力による補正が、精度の良い制御を行う上で有効となる。
上記した説明では、水溶液状態計測部13が水溶液10の濃度を計測する場合を示したが、水溶液10の濃度を計測しない場合もある。この場合には、実施の形態1で説明したように、水溶液10の濃度が100%である場合の温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、水分放出温度の算出が行われる。
つぎに、実施の形態2に係る乾燥装置1による水溶液10の乾燥制御方法について説明する。図6は、実施の形態2に係る乾燥制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、水溶液状態計測部13は、水溶液10の温度および濃度を計測し、水溶液雰囲気計測部14は水溶液10の雰囲気の温度、相対湿度および圧力を計測するものとする。
まず、制御装置15の統括部223は、水溶液状態計測部13によって計測された水溶液10の温度および濃度を取得する(ステップS31)。また、統括部223は、水溶液雰囲気計測部14によって計測された水溶液10の雰囲気の温度、相対湿度および圧力を取得する(ステップS32)。
ついで、統括部223は、記憶部222から水溶液10の雰囲気の圧力に対応する乾球温度-水蒸気分圧特性情報を取得する(ステップS33)。統括部223は、取得した乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて、取得した水溶液10の雰囲気の相対湿度および温度に対応する水蒸気分圧を算出する(ステップS34)。これが、水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧になる。
その後、統括部223は、記憶部222から水溶液10の温度-飽和蒸気圧特性情報を取得し(ステップS35)、取得した水溶液10の濃度を用いて温度-飽和蒸気圧特性情報を補正する(ステップS36)。ついで、統括部223は、補正した温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、ステップS34で算出した水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出する(ステップS37)。
その後は、実施の形態1の図3のステップS16からS18と同様の処理を行う。すなわち、統括部223は、水分放出温度が限界温度よりも低い場合には、水分放出温度を目標温度として、水溶液10の温度が目標温度となるように加熱部12を制御する。また、水分放出温度が限界温度以上である場合には、統括部223は、加熱部12による水溶液10の加熱を行わない(ステップS38からS40)。そして、処理が終了する。
なお、上記した説明では、水溶液雰囲気計測部14は、計測した水溶液10の雰囲気の温度および相対湿度を制御装置15に送信する場合を説明した。しかし、水溶液雰囲気計測部14は、計測した水溶液10の雰囲気の温度および相対湿度を用いて水溶液10の雰囲気の水蒸気分圧を算出し、算出した水蒸気分圧を制御装置15に送信してもよい。この場合、水溶液雰囲気計測部14は、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を有する記憶部と、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて雰囲気の温度および相対湿度に対応する水蒸気分圧を算出する制御部と、を備える。
実施の形態2では、水溶液雰囲気計測部14が水溶液10の雰囲気の温度および相対湿度を計測し、制御装置15が、乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて水溶液10の雰囲気の温度および相対湿度に対応する水蒸気分圧を算出する。そして、制御装置15が、温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて算出した水蒸気分圧に対応する水分放出温度を算出し、水分放出温度を目標温度として、水溶液10が目標温度となるように加熱部12を制御する。また、乾燥装置1は、水分放出温度が水溶液保持部11の限界温度よりも低い場合に、水溶液10が水分放出温度となるように、加熱部12を制御し、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、一例では、加熱部12による加熱を行わない。これによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、水溶液雰囲気計測部14で雰囲気の圧力を計測し、雰囲気の圧力に対応する乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いることで、水溶液10の雰囲気における水蒸気分圧をより正確に算出することができ、この結果、より正確に水溶液10の水分を放出させることができる温度となるように水溶液10の温度を制御することが可能となる。なお、実施の形態2では、水溶液10の雰囲気の相対湿度および温度から乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて水蒸気分圧を算出し、水蒸気分圧および水溶液10の濃度から温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて水分放出温度を算出し、加熱部12を制御している。このため、実施の形態2に係る乾燥装置1は、雰囲気の相対湿度を制御に直接利用している特許文献1とは、制御に使用する情報の点で異なっている。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1,2に示した乾燥装置1を熱交換換気装置に適用した場合が説明される。熱交換換気装置は、建築物の内部に設けられ、建築物の外部の空気と建築物の内部の空気との間で熱交換をさせながら、換気を行う装置である。以下では、建築物の内部は、室内と称される。
図7は、実施の形態3に係る熱交換換気装置の構成の一例を模式的に示す上面図である。熱交換換気装置50は、筐体51を有する。一例では、筐体51は直方体状である。筐体51は、外郭に、空気の出入口である、給気吸込口51a、給気吹出口51b、排気吸込口51cおよび排気吹出口51dを有する。給気吸込口51aは、建築物の外部の空気を吸い込む開口部である。給気吹出口51bは、外部の空気を室内に吹き出す開口部である。排気吸込口51cは、室内の空気を吸い込む開口部である。排気吹出口51dは、室内の空気を建築物の外部に吹き出す開口部である。給気吸込口51aおよび排気吹出口51dは、筐体51の長手方向に垂直な側面511に設けられ、給気吹出口51bおよび排気吸込口51cは、筐体51の長手方向に垂直な側面であり、側面511と対向する側面512に設けられる。
熱交換換気装置50は、筐体51の内部に、熱交換器52と、給気用送風機53と、排気用送風機54と、換気制御回路55と、を備える。筐体51は、内部に、給気吸込口51aから熱交換器52を経由し、給気吹出口51bに至る給気風路61と、排気吸込口51cから熱交換器52を経由し、排気吹出口51dに至る排気風路62と、を備える。筐体51は、内部に給気風路61と排気風路62とを仕切る仕切板56を有する。これによって、給気風路61および排気風路62は、互いに独立した風路となる。
熱交換器52は、給気風路61を流れる給気流SFと排気風路62を流れる排気流EFとの間で熱交換を行わせる。熱交換器52の内部は、給気風路61に通じて給気流SFが流れる1次側風路と、排気風路62に通じて排気流EFが流れる2次側風路と、が互いに分離し、かつ交差した構造となっている。熱交換器52の内部で、1次側風路と2次側風路との間での空気の出入りはないが、熱のやりとり、すなわち熱交換が可能となっている。
給気用送風機53は、給気風路61に設置されて給気風路61に給気流SFを生成する。一例では、給気用送風機53は、給気風路61の給気吹出口51b側、すなわち熱交換器52に対し下流側に設置される。
排気用送風機54は、排気風路62に設置されて排気風路62に排気流EFを生成する。一例では、排気用送風機54は、排気風路62の排気吹出口51d側、すなわち熱交換器52に対し下流側に設置される。
換気制御回路55は、給気用送風機53および排気用送風機54の運転または停止を制御する。
給気吸込口51aには、建築物の外壁に設けられる図示しない吸気口と接続される図示しない屋外側給気ダクトが接続され、屋外と連通している。給気吹出口51bには、室内の天井または側壁に設けられる図示しない給気口と接続される図示しない室内側給気ダクトが接続され、室内と連通している。排気吸込口51cには、室内の天井または側壁に設けられる図示しない還気口と接続される図示しない室内側排気ダクトが接続され、室内と連通している。排気吹出口51dには、建築物の外壁に設けられる図示しない排気口と接続される図示しない屋外側排気ダクトが接続され、屋外と連通している。
熱交換換気装置50は、実施の形態1または2で示した乾燥装置1を備える。すなわち、熱交換換気装置50は、水溶液状態計測部13と、水溶液雰囲気計測部14と、加熱部12と、を備える。なお、図7の場合では、熱交換器52には、吸湿材として潮解性を示す物質が塗布または含浸されており、熱交換器52が水溶液保持部11となる。また、換気制御回路55は、実施の形態1,2で説明した乾燥装置1の制御装置15の機能も有する。以下では、熱交換換気装置50は、実施の形態2で示した乾燥装置1を備える場合を例に挙げる。
水溶液状態計測部13は、熱交換器52の温度すなわち熱交換器52に塗布または含浸された潮解性を示す物質の温度を計測する。一例では、水溶液状態計測部13は、熱交換器52に接するように設けられる。水溶液状態計測部13は、計測した温度を換気制御回路55に送信する。
水溶液雰囲気計測部14は、熱交換器52内を通過する空気、すなわち潮解性を示す物質の雰囲気の温度および相対湿度を計測する。ここでは、水溶液雰囲気計測部14は、給気風路61、特に熱交換器52よりも上流側に配置されている。水溶液雰囲気計測部14は、計測した雰囲気の温度および相対湿度を換気制御回路55に送信する。
加熱部12は、潮解性を示す物質を保持する熱交換器52を加熱する。ここでは、加熱部12は、給気風路61の熱交換器52よりも上流側に配置される。つまり、加熱部12は、給気風路61の熱交換器52内を通過する前の空気を加熱することによって、熱交換器52すなわち潮解性を示す物質を間接的に加熱する。加熱部12は、換気制御回路55からの指示に従って動作する。
次に、熱交換換気装置50の動作について説明する。使用者が図示しないリモートコントローラなどの操作部を操作して熱交換換気装置50の運転を指示することによって、操作部は、熱交換換気装置50へ運転操作信号を送信する。熱交換換気装置50の換気制御回路55は、操作部からの運転操作信号を受信すると、給気用送風機53および排気用送風機54に運転指令を送信する。これによって、給気用送風機53および排気用送風機54が運転指令に基づいて運転を開始する。給気用送風機53の運転によって、図7に示されるように給気流SFが発生する。すなわち、屋外の空気が、屋外側給気ダクト、熱交換器52および室内側給気ダクトを経る給気風路61を介して室内に供給される。また、排気用送風機54の運転により、図7に示されるように排気流EFが発生する。すなわち、室内の空気が、室内側排気ダクト、熱交換器52および屋外側排気ダクトを経る排気風路62を介して屋外に排出される。
水溶液状態計測部13は、熱交換器52に塗布または含浸された潮解性を示す物質の温度を計測し、計測結果を換気制御回路55に送信する。水溶液雰囲気計測部14は、熱交換器52を通過する空気の温度および相対湿度を計測し、計測結果を換気制御回路55に送信する。
換気制御回路55は、実施の形態2に示した方法に従って、水溶液雰囲気計測部14からの情報、および換気制御回路55内に予め記憶されている乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて、熱交換器52を通過する空気の水蒸気分圧を算出する。また、換気制御回路55は、算出した水蒸気分圧、水溶液状態計測部13からの情報、および換気制御回路55内に予め記憶されている温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、潮解性を示す物質の水溶液10の水分放出温度を算出する。換気制御回路55は、算出した水分放出温度に基づき、潮解性を示す物質の目標温度を設定する。すなわち、水分放出温度が限界温度よりも低い場合には、換気制御回路55は、水分放出温度を目標温度とする。また、水分放出温度が限界温度よりも高い場合には、換気制御回路55は、加熱部12を動作させない。そして、換気制御回路55は、水溶液状態計測部13が計測した温度すなわち潮解性を示す物質の温度が上記目標温度になるように、加熱部12を制御する。これによって、熱交換器52を通過する空気の温度が加熱制御される。
なお、上記した説明では、熱交換換気装置50が実施の形態2で示した乾燥装置1を備える場合を示したが、実施の形態1で示した乾燥装置1を備えるものであってもよい。
実施の形態3によれば、熱交換換気装置50に乾燥装置1を適用することで、熱交換換気装置50の熱交換器52に塗布または含浸された潮解性を示す物質の水溶液10が、水分を吸湿しすぎることによって水分が滴下したり、水分の滴下に伴う吸湿性能が低下したりしてしまうことを抑制することができる。また、必要以上の加熱を行うことによる乾燥装置1および乾燥装置1が適用された製品の損傷および寿命短縮を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 乾燥装置、10 水溶液、11 水溶液保持部、12 加熱部、13 水溶液状態計測部、14 水溶液雰囲気計測部、15 制御装置、21 電源部、22 制御部、23 出力部、31 計測機器、32 情報処理装置、50 熱交換換気装置、51 筐体、51a 給気吸込口、51b 給気吹出口、51c 排気吸込口、51d 排気吹出口、52 熱交換器、53 給気用送風機、54 排気用送風機、55 換気制御回路、56 仕切板、61 給気風路、62 排気風路、221 入力部、222 記憶部、223 統括部、224 バス、311,321 情報、511,512 側面、EF 排気流、SF 給気流。

Claims (9)

  1. 水溶液保持部に保持される水溶液を乾燥させる乾燥装置であって、
    前記水溶液の温度を計測する水溶液温度計測部と、
    前記水溶液を加熱する加熱部と、
    前記水溶液の飽和蒸気圧と温度との関係を示す温度-飽和蒸気圧特性情報を記憶する記憶部と、
    前記温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて前記水溶液の雰囲気の水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出し、前記水分放出温度を目標温度に設定し、前記水溶液が前記目標温度となるように前記加熱部を制御する統括部と、
    を備えることを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記水溶液の雰囲気の前記水蒸気分圧を計測する水蒸気分圧計測部をさらに備え、
    前記統括部は、前記水蒸気分圧計測部から取得した前記水蒸気分圧を用いて前記水分放出温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記水溶液の雰囲気の温度を計測する雰囲気温度計測部と、
    前記水溶液の雰囲気の相対湿度を計測する相対湿度計測部と、
    をさらに備え、
    前記記憶部は、各相対湿度について、乾球温度と水蒸気分圧との間の関係を示す乾球温度-水蒸気分圧特性情報をさらに記憶し、
    前記統括部は、前記相対湿度計測部で計測された相対湿度に対応する乾球温度-水蒸気分圧特性情報を用いて、前記雰囲気温度計測部で計測された前記雰囲気の温度に対応する水蒸気分圧を算出し、算出した前記水蒸気分圧を用いて前記水分放出温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  4. 前記水溶液の雰囲気の圧力を計測する圧力計測部をさらに備え、
    前記統括部は、前記圧力計測部で計測された前記圧力を用いて前記乾球温度-水蒸気分圧特性情報を補正することを特徴とする請求項3に記載の乾燥装置。
  5. 前記温度-飽和蒸気圧特性情報は、前記水溶液の濃度が100%である場合に対応した情報であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の乾燥装置。
  6. 前記水溶液の濃度を計測する濃度計測部をさらに備え、
    前記統括部は、前記濃度計測部で計測された前記濃度を用いて前記温度-飽和蒸気圧特性情報を補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の乾燥装置。
  7. 前記水溶液の濃度を計測する濃度計測部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記水溶液の濃度ごとの前記温度-飽和蒸気圧特性情報を記憶し、
    前記統括部は、前記濃度計測部で計測された前記濃度に対応する前記温度-飽和蒸気圧特性情報を用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の乾燥装置。
  8. 給気風路および排気風路を備える筐体と、
    前記給気風路に設置されて前記給気風路に給気流を生成する給気送風機と、
    前記排気風路に設置されて前記排気風路に排気流を生成する排気送風機と、
    前記給気流と前記排気流との間で熱交換を行わせ、潮解物質が塗布または含浸されている熱交換器と、
    請求項1から7のいずれか1つに記載の乾燥装置と、
    を備え、
    前記水溶液保持部は、潮解性を示す物質が塗布または含浸された前記熱交換器であることを特徴とする熱交換換気装置。
  9. 水溶液を保持する水溶液保持部と、
    前記水溶液の温度を計測する水溶液温度計測部と、
    前記水溶液を加熱する加熱部と、
    前記加熱部を制御する制御部と、
    を備える乾燥装置で、前記水溶液の乾燥を制御する乾燥制御方法であって、
    前記制御部が、前記水溶液温度計測部から前記水溶液の温度を取得する工程と、
    前記制御部が、前記水溶液の雰囲気の水蒸気分圧を取得する工程と、
    前記制御部が、前記水溶液の飽和蒸気圧と温度との関係を示す温度-飽和蒸気圧特性情報を用いて、取得した前記水溶液の雰囲気の前記水蒸気分圧に対応する温度である水分放出温度を算出する工程と、
    前記制御部が、前記水分放出温度に基づいて目標温度を設定する工程と、
    前記制御部が、前記水溶液の温度が前記目標温度となるように前記加熱部を制御する工程と、
    を含むことを特徴とする乾燥制御方法。
JP2021178880A 2021-11-01 2021-11-01 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法 Pending JP2023067532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021178880A JP2023067532A (ja) 2021-11-01 2021-11-01 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021178880A JP2023067532A (ja) 2021-11-01 2021-11-01 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023067532A true JP2023067532A (ja) 2023-05-16

Family

ID=86325684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021178880A Pending JP2023067532A (ja) 2021-11-01 2021-11-01 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023067532A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9885485B2 (en) Humidity control apparatus, environment test apparatus, and temperature and humidity control apparatus
JP5487857B2 (ja) 空調システム
JP5396705B2 (ja) 調湿装置
US11703237B2 (en) Controlling drying conditions to maintain humidity levels during HVAC operation
JP2009109091A (ja) 調湿装置
JP4783048B2 (ja) 恒温恒湿装置
KR20210044710A (ko) 공기 조절용 테스트 챔버 및 방법
JP2009109124A (ja) 調湿装置
CN115956181A (zh) 空调机
JP2023067532A (ja) 乾燥装置、熱交換換気装置および乾燥制御方法
JP7025663B2 (ja) 換気装置
JP3277136B2 (ja) 加湿装置
JP5082775B2 (ja) 換気装置
JP2011002132A (ja) 調湿システム
JP5414466B2 (ja) イオン送風システム及びそれに用いる天吊カセット形空気調和器
JPH05288375A (ja) 加湿装置における湿度検出方法、及び、湿度検出装置
JP2021076342A (ja) 空気調和装置
SE2250840A1 (en) A system and method for controlling humidity in a defined space
WO2022264350A1 (ja) 換気システム
JPH08178399A (ja) 除加湿装置
JP5289170B2 (ja) 除湿乾燥機
JP7018627B2 (ja) 空調設備
JP2023144542A (ja) 換気装置
JPH068478Y2 (ja) 除湿乾燥機
CN117917531A (zh) 空调机、空调机的控制方法和计算机可读存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240509