JP2023067467A - 3’-エキソヌクレアーゼを用いた長鎖核酸の精製法 - Google Patents

3’-エキソヌクレアーゼを用いた長鎖核酸の精製法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、核酸の化学合成において生じる不純物を選択的に除去する方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明によれば、化学合成した核酸断片を、3’-エキソヌクレアーゼを用いて精製する方法であって、核酸合成過程において3’-エキソヌクレアーゼによる酵素分解に耐性である化学修飾基を該核酸断片の3’末端の核酸に導入又は誘導し、3’-エキソヌクレアーゼにより処理する工程を含む方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸合成の分野に関し、より具体的には、DNA断片の化学合成において、合成過程で出現する不純物のみを酵素により選択的に分解及び除去(精製)し、高純度のDNAを合成する方法を提供する。
PCR、アンチセンス技術、核酸構造解析、及びRNAi研究を含む広範な用途にオリゴヌクレオチド(<10mer)が広く用いられている。オリゴヌクレオチドの化学合成技術は、最初にKhoranaらのリン酸ジエステル法(非特許文献1)が開発され、その後、リン酸トリエステル法(非特許文献2、3)、ホスファイト法(非特許文献4)、ホスファイト法の改良法でありホスホロアミダイト化したより安定なヌクレオシド誘導体を用いるCaruthersらのホスホロアミダイト法(非特許文献5、6)、さらにH-ホスホネート法(非特許文献7)等が開発された。ホスホロアミダイト法の改良法としてKosterらによって開発されたβ-シアノエチルホスホロアミダイト法(非特許文献6)は、DNA/RNA自動合成装置において広く利用されている。
これらのオリゴヌクレオチド合成技術に関しては、それぞれの反応に適した試薬や反応条件の検討、改良が詳細になされてきており、例えば1回のオリゴヌクレオチド鎖伸長反応(縮合反応)の収率として、β-シアノエチルホスホロアミダイト法等を含むホスファイト法ではおよそ98~99%を達成している。
これらのオリゴヌクレオチド合成法は、化学反応としては、ほぼ完成された方法とみなされているが、1回の縮合反応の収率が99%であっても微量な副反応によって変異が導入されたり、又は所望の鎖長に満たないオリゴヌクレオチドが生じることが多い。特に50merを超えるような長鎖オリゴヌクレオチドの合成を行う場合、これらの変異有するオリゴヌクレオチドや短鎖オリゴヌクレオチドをHPLC等で除去することは容易ではないという問題がある。
P.T.Gilham,H.G.Khorana,J.Am.Chem.Soc.,80,6212(1958) R.L.Letsinger,K.K.Ogilvie,J.Am.Chem.Soc.,89,4801(1967) H.Ito et al.,Nucleic Acids Res.,10,1755(1982) R.L.Letsinger,W.B.Lundsford,J.Am.Chem.Soc.,98,3655(1976) M.D.Matteucci,M.H.Caruthers,J.Am.Chem.Soc.,103,3185(1981) N.D.Sinha,J.Biernat and H.Koster,Nucleic Acids Res.,12,4539(1984) B.C.Froehler et al.,Nucleic Acids Res.,14,5399(1986)
本発明は、目的とする鎖長を有する合成核酸の収率を向上させるために、化学合成において生じる短鎖の合成核酸(不純物)を除去することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、核酸断片(オリゴヌクレオチド、オリゴDNA、オリゴDNAプール)の合成において、固相担体上で5’から3’方向に化学合成をする場合に、3’末端の核酸に3’-エキソヌクレアーゼに耐性な化学修飾を施すことにより、核酸合成過程において生じる不純物を除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]化学合成した核酸断片を、3’-エキソヌクレアーゼを用いて精製する方法であって、核酸合成過程において3’-エキソヌクレアーゼによる酵素分解に耐性である化学修飾基を該核酸断片の3’末端の核酸に導入し、3’-エキソヌクレアーゼにより処理する工程を含む、上記方法。
[2]精製が、目的とする鎖長より短い核酸断片を3’-エキソヌクレアーゼにより選択的に分解及び除去するものである、[1]に記載の方法。
[3]3’-エキソヌクレアーゼによる酵素分解に耐性である、導入される化学修飾基が、ホスホロチオエート結合、ジメトキシトリチル基、リン酸基及びチオリン酸基からなる群から選択される、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]ホスホロアミダイト法に基づく核酸の化学合成において、[1]~[3]のいずれかに定義される方法を用いることを含む、高純度の核酸配列を合成する方法。
[5]核酸配列の合成において不純物の発生率を10分の1又はそれ以下に低減させることを特徴とする、[4]に記載の方法。
[6](a)固相担体に結合させたヌクレオシドの3’水酸基を酸処理により除去する工程;
(b)ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体を酸触媒で活性化し、縮合反応により、直接又はユニバーサルリンカーを介して、固相担体上のヌクレオシドの5’水酸基と三価リン酸結合により連結させる工程;
(c)未反応の該5’又は3’水酸基をキャッピングする工程;
(d)該三価リン酸結合を酸化する工程;
(e)上記工程を反復する工程;
(f)反復する工程の最終において、工程(c)の後に3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導する工程;
(g)化学合成された核酸を固相担体から遊離させる工程;及び
(h)3’-エキソヌクレアーゼで処理する工程
を含む、[4]又は[5]に記載の方法。
[7]ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体が、下記式(I):
Figure 2023067467000001
〔式中、
Bは、核酸塩基又は保護基で保護された核酸塩基であり;
は、水素原子、水酸基、又は保護基で保護された水酸基であり;
は、水素原子又は水酸基の保護基であり;
は、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;
は、-N(R(式中、Rは、独立して、C1~6アルキル、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルである)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基である〕
で表される、[6]に記載の方法。
[8]PCA法に基づく核酸の化学合成において、[4]~[7]のいずれかに記載の方法によって得られた核酸配列を用いることを含む、高純度の二本鎖長鎖核酸を合成する方法。
[9]核酸がDNAである、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、3’-エキソヌクレアーゼを利用した核酸合成法を提供することにより、高純度に核酸配列又は長鎖核酸を精製することができる。
未修飾ODN(ODN1及び6)の分解評価を行った結果である。 ODN2及びODN3の分解評価を行った結果である。 ODN4及びODN5の分解評価を行った結果である。 ODN5及びODN7の分解評価を行った結果である。 PCA法における3’-エキソヌクレアーゼによる精製の効果を示す。
本発明は、核酸合成過程において、3’-エキソヌクレアーゼに耐性な化学修飾基を、核酸配列の3’末端の核酸の3’位に導入することにより、3’-エキソヌクレアーゼによって、所望より短い核酸断片を分解及び除去することを特徴とし、ホスホロアミダイト法による核酸合成法、PCA法による遺伝子合成等において、高純度の核酸断片(例えば、オリゴDNAプール)を提供することができる。本発明において「核酸」、「核酸配列」及び「核酸断片」はともに、「ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド配列」と同義に使用され、2塩基長(2mer又は2bp)以上のヌクレオチドを指し、オリゴヌクレオチド(<10bp)、遺伝子(10~10bp)、遺伝子クラスター(10~10bp)、ゲノム(>10bp)が含まれ得る。本発明では、核酸は、DNA(オリゴデオキシリボヌクレオチド)及びRNA(オリゴリボヌクレオチド)であり得る。
本発明の精製法は、最終のカップリング(縮合)工程において、3’末端の核酸に3’-エキソヌクレアーゼに耐性な化学修飾基を導入又は誘導することにより、該核酸がカップリングされていない核酸断片と比較して、不純物を10分の1又はそれ以下に低減させることができる。したがって、本発明の精製法を用いることにより、オリゴ核酸(例えば、<10mer程度のDNA)の合成に限らず、約10bpの遺伝子クラスターや10bp以上のゲノム合成もより正確かつ高純度に生成させることができる。本発明によれば、長鎖核酸合成に用いるオリゴヌクレオチドのとりわけ好適な例としては、30~200merの核酸、好ましくは50~100merの核酸である。なお、本明細書で使用する場合、用語「不純物」とは、核酸合成において、所望の長さに満たない短い配列を有する核酸を指す。したがって、1塩基でも短い配列を有する核酸は、不純物に含まれる。
本発明によれば、概して、当該技術分野において当業者に公知である、例えば、PCA法による遺伝子合成、Gibson Assembly法による遺伝子クラスター合成に適用することができる。本発明は、公知のCaruthersらのホスホロアミダイト法、その改良法であるKosterらのβ-シアノエチルホスホロアミダイト法又はそれらの改良法の原理に基づく核酸の化学合成に適用することができる。これらの公知の方法は、縮合反応に用いるヌクレオシド-3’-O-ホスホロアミダイト誘導体を、酸触媒を用いてそのN-N-ジイソプロピルアミノ基に対しプロトンを供与して活性化し、それにより固相担体上に固定された核酸(ヌクレオシド又はポリヌクレオチド)の5’-末端のヌクレオシドの5’-水酸基(5’-末端水酸基)との間で縮合反応を起こさせ、それらを三価リン酸結合により結合させること、及びその三価リン酸結合を酸化して安定な五価リン酸結合にすることに基づくものである。
なお、本発明の精製法は、上記される不純物を3’-エキソヌクレアーゼにより分解及び除去するため、通常の固相担体上で行っている3’から5’方向に核酸を伸長する方法とは異なり、5’から3’方向に化学合成を行い、3’-エキソヌクレアーゼに耐性な化学修飾基が導入された核酸を3’末端に有さない、所望の長さ未満の核酸配列(核酸断片)は3’-エキソヌクレアーゼにより分解及び除去される。
1.定義
本発明で使用される用語は、特段記載がない限り、当業者が一般的に理解する技術用語及び科学用語の意味を有する。本明細書において、本発明で使用される用語のうち、特に重要な用語については、少なくとも下記に定義される意味を有するものとする。
本明細書で使用される場合、用語「核酸」とは、ヌクレオチドがホスホジエステル結合により連結された鎖状の化合物(オリゴヌクレオチド)を意味し、DNA及びRNA等が含まれる。核酸は、1本鎖、2本鎖のいずれであってもよいが、核酸合成機による効率的な合成が可能であることから、好ましくは1本鎖である。一実施形態では、合成後に固相担体から遊離した核酸断片をまとめ、オリゴ核酸(例えば、DNA)プールとして提供することができる。また、「核酸」には、アデニン(A)、グアニン(G)等のプリン塩基及びチミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)等のピリミジン塩基を含有するオリゴヌクレオチドのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基を含有する修飾オリゴヌクレオチドも含まれる。
本発明で使用される場合、用語「3’-エキソヌクレアーゼ」は、ヌクレオチド間の結合、好ましくは、リン酸ジエステル結合を核酸配列(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドなど)の末端から1つずつ切断する酵素であって、核酸配列の3’末端からの切断に特異的な活性を有する酵素を指す。また、3’-エキソヌクレアーゼは、その種類により、一本鎖の核酸配列のみを切断するタイプ、二本鎖の核酸配列のみを切断するタイプ、又は一本鎖及び二本鎖の核酸配列を切断するタイプに分けられる。本発明の方法では、いずれのタイプの3’-エキソヌクレアーゼを使用してもよい。
さらに、本発明の方法に使用される3’-エキソヌクレアーゼは、3’末端の核酸に導入された化学修飾基を明確に区別して、核酸を選択的に切断することができるか又は切断することができない。核酸に導入される「化学修飾基」の例としては、限定されないが、ホスホロチオエート結合、ジメトキシトリチル基(DMTr)、リン酸基、リン酸ベンジルエステル、チオリン酸基、ホスホロジチオエート結合、ホスホロアミデート結合、ボラノホスフェート結合などが挙げられる。このうち、3’-エキソヌクレアーゼが核酸配列を切断することができない(すなわち、3’-エキソヌクレアーゼに対して耐性のある)化学修飾基の例としては、限定されないが、ホスホロチオエート結合、DMTr、ホスホロジチオエート結合、及びホスホロアミデート結合が挙げられる。一方、3’-エキソヌクレアーゼが核酸配列を切断することができる(すなわち、3’-エキソヌクレアーゼに対して耐性のない)化学修飾基の例としては、限定されないが、リン酸基及びリン酸ベンジルエステルなどが挙げられる。
本発明で使用される「固相合成」とは、多孔質担体、ポリマービーズ、ゼラチン様樹脂、反応容器の側壁、底面その他の固相担体(後述)の表面上で核酸合成を行う反応を指す。本発明によれば、固相合成のための核酸合成手法としては、限定されないが、一般的に、ホスホロアミダイト法に基づく核酸の化学合成が採用され得る。ホスホロアミダイト法は、固相担体上で(1)脱保護→(2)縮合(カップリング)→(3)キャッピング→(4)酸化の4工程を連続的に行うものであるが、1塩基分の鎖伸長反応を完了する過程を1サイクルとし、それを目的の鎖長に達するまで繰り返し行うことにより、目的の核酸配列を得ることができる。
2.本発明による精製法
本発明は、核酸合成過程において、3’-エキソヌクレアーゼに耐性な化学修飾基を、核酸配列の3’末端の核酸の3’位に導入又は誘導することにより、3’-エキソヌクレアーゼによって、目的とする核酸配列よりも短い核酸断片を分解及び除去する方法に関する。本発明者らは、ある種の3’-エキソヌクレアーゼが、核酸配列の3’末端の核酸に導入又は誘導された化学修飾基の違いにより、核酸配列を切断し得る場合とそうでない場合があることを見出した。これを利用することにより、所望の鎖長を有する核酸配列の3’末端の核酸には3’-エキソヌクレアーゼに耐性である化学修飾を施すことによって、このような化学修飾が施されていない若しくは未修飾であるか又は耐性のない化学修飾が施されている短い核酸配列を不純物として除去することができる。
本発明によれば、固相合成において生じる不純物の分解及び除去は、合成した核酸断片が固相担体に結合した状態で行われるプロセスであってもよく、又は合成した核酸断片を固相担体から切り出した液相中で行われるプロセスであってもよい。一般的には、酵素とその基質との反応効率を低下させないため、液相中で行われることが好ましい。3’-エキソヌクレアーゼの添加量及び作用時間は、当業者であれば、使用する3’-エキソヌクレアーゼの種類及びその酵素活性を考慮して、適宜調整することができる。なお、固相担体から核酸断片を切り出す方法は、限定されないが、固相担体と第1の核酸における結合を切断(加水分解)する試薬、又は固相担体と第1の核酸との間にスペーサーが存在する場合は、そのスペーサーを切断(加水分解)する試薬を使用することでよい。このような試薬の例としては、アンモニア水(NHOH)、メチルアミン溶液などが挙げられる。
上記の通り、本発明の方法は、核酸合成において生じる不純物を3’-エキソヌクレアーゼにより分解及び除去することにより、高純度の所望の核酸配列を得ることができる。「高純度」とは、合成した全核酸断片の数のうち、不純物の発生率を10分の1又はそれ以下に低減させることを指し、例えば、10分の1、11分の1、12分の1、13分の1、14分の1、15分の1、16分の1、17分の1、18分の1、19分の1、20分の1、又はそれ以下(若しくはそれ未満)に低減させることができる。あるいは、上記発生率が、10%又はそれ以下であることを指し、例えば、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下であり得る。
3.本発明による高純度の核酸配列を合成する方法
本発明の高純度の核酸配列を合成する方法は、本質的には、ホスホロアミダイト法に基づく核酸の化学合成に基づく。上述したように、ホスホロアミダイト法は、固相担体上で(1)脱保護→(2)縮合(ホスホロアミダイト誘導体のカップリング)→(3)キャッピング→(4)酸化の4工程を連続的に行い、これを1サイクルとして繰り返すことにより、目的の核酸配列を得る核酸合成法である。本発明の精製法では、最終サイクルの工程(2)の後、3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導することを特徴とする。
具体的な実施形態では、本発明の高純度の核酸配列を合成する方法は、以下:
(a)固相担体に結合させたヌクレオシドの3’水酸基を酸処理により除去する工程;
(b)ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体を酸触媒で活性化し、縮合反応により、直接又はユニバーサルリンカーを介して、固相担体上のヌクレオシドの5’水酸基と三価リン酸結合により連結させる工程;
(c)未反応の該5’又は3’水酸基をキャッピングする工程;
(d)該三価リン酸結合を酸化する工程;
(e)上記工程を反復する工程;
(f)反復する工程の最終において、工程(c)の後に3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導する工程;
(g)化学合成された核酸を固相担体から遊離させる工程;及び
(h)3’-エキソヌクレアーゼで処理する工程
を含む。
上記ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体としては、下記の一般式(I):
Figure 2023067467000002
で表されることが好ましい。上記式中、Bは、核酸塩基又は保護基で保護された核酸塩基であり;
は、水素原子、水酸基、又は保護基で保護された水酸基であり;
は、水素原子又は水酸基の保護基であり;
は、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;
は、-N(R(式中、Rは、独立して、C1~6アルキル、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルである)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル基」とは、直鎖、分枝鎖又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を指し、好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基、より好ましは炭疽原子数1~3のアルキル基である。「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。用語「アラルキル基」とは、1又は2個以上のアリール基で置換されたアルキル基を指し、炭素原子数7~15のアラルキル基が好ましく、炭素原子数7~11のアラルキル基がより好ましい。「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2-ナフチルメチル基等が挙げられる。「アルケニル基」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分枝鎖又は環状の1価の不飽和炭化水素基を指し、炭素原子数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基がより好ましい。「アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、2-シクロヘキセニル基等が挙げられる。「アルキニル基」とは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖、分枝鎖又は環状の1価の不飽和炭化水素基を指し、炭素原子数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基がより好ましい。「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、プロパルギル、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル、5-へキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、およびウンデシニル基等が挙げられる。用語「ハロゲン」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。用語「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基を指し、炭素原子数6~14のアリール基が好ましく、炭素原子数6~10のアリール基がより好ましい。「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
は、水素原子、水酸基、又は保護基で保護された水酸基であり得る。
は、水素原子又は水酸基の保護基である。水酸基の保護基としては、典型的には、ジメトキシトリチル基(DMTr)を使用しているが、例えば、光制御により核酸をフロー合成する場合には、水酸基の保護基として、光分解性保護基を使用してもよい。「光分解性保護基」とは、カップリング反応において、ホスホロアミダイトの糖部分の3’位の水酸基を保護し、さらに、光照射により脱離する、すなわち、末端官能基を露出させる任意の基を指す。「光分解性保護基」としては、限定されないが、ニトロベンジル基、ニトロフェニルエチルエステル基(NPE)、ジメトキシニトロベンジルエステル基(DMNB)、ブロモヒドロキシクマリン(Bhc)基、ジメトキシベンゾイン基、2-ニトロピペロニルオキシカルボニル(NPOC)基、2-ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)基、5’-(α-メチル-2-ニトロピペロニル)オキシカルボニル(MeNPOC)基、2-(2-ニトロ-4-エチル-5-チオフェニルフェニル)プロピルオキシカルボニル(SPhNPPOCO)基、α-メチル-2-ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)基、2,6-ジニトロベンジルオキシカルボニル(DNBOC)基、α-メチル-2,6-ジニトロベンジルオキシカルボニル(MeDNBOC)基、1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(NPEOC)基、1-メチル-1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(MeNPEOC)基、9-アントラセニルメチルオキシカルボニル(ANMOC)基、1-ピレニルメチルオキシカルボニル(PYMOC)基、3’-メトキシベンゾイニルオキシカルボニル(MBOC)基、3’,5’-ジメトキシベンゾイルオキシカルボニル(DMBOC)基、7-ニトロインドリニルオキシカルボニル(NIOC)基、5,7-ジニトロインドリニルオキシカルボニル(DNIOC)基、2-アントラキノニルメチルオキシカルボニル(AQMOC)基、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、5-ブロモ-7-ニトロインドリニルオシキカルボニル(BNIOC)基等を挙げることができる。
は、リン酸基の保護基であり、例えば、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり得る。本発明では、保護基の脱離容易性の点から、酸性条件下では脱離しないが塩基性条件下で容易に脱離する保護基が好ましく、2-シアノエチル基がより好ましい。
は、窒素原子上に炭素数1~6個の同一又は異なるアルキル基が2個結合したジアルキルアミノ基であり得る。典型的には、ジイソプロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、又はモルホリノ基などのアミン類を含むアミン誘導体が挙げられる。
上記のいずれの置換基においてアミノ基を有する場合、反応においてアミノ基が保護されていることが好ましく、「アミノ基の保護基」の例としては、限定されないが、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS、第3版、JOHN WILLY&SONS出版(1999年)等に記載されている保護基であってもよい。「アミノ基の保護基」の具体例としては、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基、4-tert-ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらの中でも、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基およびジメチルホルムアミジニル基が好ましい。
また、本発明によれば、カルボニル基が保護されていてもよく、例えば、フェノール、2,5-ジクロロフェノール、3-クロロフェノール、3,5-ジクロロフェノール、2-ホルミルフェノール、2-ナフトール、4-メトキシフェノール、4-クロロフェノール、2-ニトロフェノール、4-ニトロフェノール、4-アセチルアミノフェノール、ペンタフルオロフェノール、4-ピバロイロキシベンジルアルコール、4-ニトロフェネチルアルコール、2-(メチルスルフォニル)エタノール、2-(フェニルスルフォニル)エタノール、2-シアノエタノール、2-(トリメチルシリル)エタノール、ジメチルカルバミン酸クロライド、ジエチルカルバミン酸クロライド、エチルフェニルカルバミン酸クロライド、1-ピロリジンカルボン酸クロライド、4-モルフォリンカルボン酸クロライド、ジフェニルカルバミン酸クロライド等を反応させて、カルボニル基を保護することができる。ここで、カルボニル基の保護基については、特に導入しなくてもよい場合がある。
最終のカップリング工程において、3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導する方法は限定されず、当業者であれば、化学修飾基の種類及び性質に応じて、適宜、公知の方法を選択することができる。例えば、化学修飾基としてチオエート結合の誘導では、末端のリン酸ジエステル結合からチオエート結合への変換によって達成することができ、限定されないが、硫化剤(例えば、3-((ジメチルアミノ-メチリデン)アミノ)-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオンなど)を使用する方法が挙げられる。別の例では、化学修飾基としてDMTrの導入では、上述した式(I)で表される化合物において、Rにおいて保護基として導入されたDMTrを3’末端において脱保護しないことによって達成される。さらに別の例では、化学修飾基としてリン酸基の導入では、限定されないが、リン酸化試薬(例えば、2-[2-(4,4’-ジメトキシトリチルオキシ)エチルスルホニル]エチル-(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)-ホスホルアミダイト)を使用する方法が挙げられる。さらに、リン酸基からチオリン酸基の導入は、硫化剤の使用によって達成される。
当業者に理解されるように、核酸配列の固相合成に使用される固相担体として、種々の形態及び組成を有することができ、天然に存在する材料(天然材料)、合成により修飾された天然材料、又は合成材料から得ることができる。例えば、シリコン;ガラス(例えば、微小多孔質ガラス、多孔質ガラス(例えば、コントロールポアドガラス(CPG)など);金属(例えば、金、プラチナなど);フェライトを芯にグリシンメタクリレートで表面を覆った磁性ビーズ;プラスチック(例えば、ポリエチレングリコール樹脂、シリカゲル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂);多糖(例えば、アガロース、デキストラン、ニトロセルロースなど);ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;ヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートとのコポリマーなどが挙げられる。固相担体の形状としては、板状(基板状)、ビーズ状、糸状、球状、多角形状、粉末状など、任意の形状のものであってもよい。また、固相担体は、任意の形態で用いることができるが、DNA/RNA自動合成装置等では、カラム等の容器に充填した形態で用いることが好ましい。また、上記と関連して、使用される固相担体として、従来よりDNAチップ及び遺伝子検出用マイクロアレイを製造するために用いられているものを特に制限なく用いることができる。
以下、前述の5’から3’方向に核酸合成するためのホスホロアミダイト法の反応工程を、典型例を用いて簡単に説明する。
(1)脱保護工程
固相担体上に固定された核酸(オリゴヌクレオチド又はヌクレオシド)を酸処理することにより、その核酸の3’-末端のヌクレオシドの3’-水酸基(以下、単に「3’-水酸基」とも呼ぶ)の保護基を酸性条件下で脱離(脱保護)させ、この3’-水酸基を遊離状態とする。3’-水酸基の保護基は、限定されないが、一般的にはジメトキシトリチル基(DMTr)である。3’-水酸基からのジメトキシトリチル基の脱離は、限定されはないが、好ましくは、3%トリクロロ酢酸-ジクロロメタン溶液又は3%ジクロロ酢酸-ジクロロメタン溶液を用いることができる。
(2)縮合工程(カップリング工程)
上記脱保護工程で脱保護された3’-水酸基を有する固相担体上の核酸に、次に該核酸に連結させるべきヌクレオシド-3’-O-ホスホロアミダイト誘導体と、活性化剤である酸触媒とを添加する。この結果、ヌクレオシド-3’-O-ホスホロアミダイト誘導体は、酸触媒により活性化され、それに固相担体上の核酸の遊離3’-水酸基が反応して、両者は縮合反応により連結されることになる。この縮合反応により生じる結合は、三価のリン酸結合である。
酸触媒としては、限定されないが、1H-テトラゾール、5’-エチルチオ-1H-テトラゾール、ベンチルチオ-1H-テトラゾール、ジシアノイミダゾール、サッカリン/1-メチルイミダゾールなどの公知の酸触媒(活性化剤)を使用することができる。酸触媒は、アセトニトリル等の溶媒に溶解させた溶液として添加することが好ましく、その酸触媒溶液は0.1M~0.45M、好ましくは0.25M~0.45Mで調製したものを用いることができるが、この濃度に限定されるものではなく、当業者が適宜調節可能である。
(3)キャッピング工程
上記縮合工程後、固相担体上のヌクレオシドの未反応の3’-水酸基を、脱保護工程で脱保護するものとは別の保護基で保護することにより、不活性化(すなわち、キャッピング)することができる。
ホスホロアミダイト法はこれまでに開発されたリン酸エステル縮合反応の中では最も活性があり、98~99%の5’-水酸基と反応する。その結果、固相担体上にはわずかに未反応の5’-水酸基を有するヌクレオシドが残存することになるが、これは次の鎖長伸長反応サイクルで伸長反応を生じると分離し難い不純物となるため、未反応の遊離な状態の5’-水酸基を有する未反応のヌクレオシド又はヌクレオチドを次のサイクルに持ち越さないようにする、キャッピングにより未反応の5’-水酸基を不活性化して伸長反応を停止させることが好ましい。
キャッピングは、公知の方法で行うことができるが、一般的には、その未反応の3’-水酸基をアセチル化することにより行うことが好ましい。未反応の3’-水酸基のアセチル化は、限定されないが、無水酢酸又は無水フェノキシ酢酸によるアセチル化を利用することができる。また、未反応の3’-水酸基のキャッピングには、非塩基不安定性試薬(例えば、UniCap)を使用して達成され、脱保護後、ヌクレオチド配列上に遊離水酸基ではなくリン酸基を残すことができる。
上記の例において、未反応の3’-水酸基のキャッピングのためには、例えば、無水酢酸を含む溶液を、反応時に生じる酢酸と塩形成させるための塩基性触媒と共に固相担体に添加することが好ましい。無水酢酸を含む溶液と、塩基性触媒である1-メチルイミダゾール等を含む溶液は、別々に調製してキャッピング工程の際に用時調製することが好ましい。無水酢酸とともに添加される塩基性触媒としては、限定されないが、1-メチルイミダゾール、ピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる。無水酢酸及び塩基性触媒は、各々、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル等)に溶解した溶液として添加すればよい。
(4)酸化工程
上記縮合工程で鎖伸長されたヌクレオチドの三価のリン酸結合を、酸化試薬を固相担体に添加することにより酸化し、安定な五価の正リン酸結合に変換する。三価のリン酸結合(三価リン酸トリエステル結合)は加水分解されやすく不安定なためである。酸化試薬としては、公知の酸化試薬を用いることができるが、例えば、ヨウ素を含む水性溶液又は過酸化物などを好適に使用することができる。具体例としては、0.02Mヨウ素-ピリジン溶液を水性溶媒又は有機溶媒に溶解した溶液、例えば、ヨウ素-ピリジン-水-テトラヒドロフラン溶液、(1S)-(+)-(10-カンファースルホニル)オキサジリジン、t-ブチルハイドロパーオキシド-メチレンクロリドなどの過酸化物を用いることができるが、これに限定されない。
(5)反復工程
核酸塩基の種類を変更して、上記工程(1)~(4)を繰り返すことにより、核酸配列を伸長させ得る。
(6)化学修飾工程
伸長させた核酸配列の3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導させる。上記(2)の縮合工程において、酸化工程に進めることなく、例えば、硫化剤により、末端のリン酸ジエステル結合をチオエート結合に誘導することができ、又は脱保護しないことによりDMTrを残存させることができ、又はリン酸化試薬によりリン酸基の導入、さらには硫化剤によりチオリン酸基を導入することができる。
4.本発明による高純度の長鎖核酸を合成する方法
本発明によれば、上記で得られた核酸配列を固相担体から遊離させ、得られた核酸プール(例えば、オリゴDNAプール)を用いて長鎖核酸(~10bp)を得ることができる。より長い核酸を得る方法としては、当該技術文献において周知であるPCA(Polymerase Cycling Assembly)法を利用することができる。PCA法は、一般的に、化学合成した一本鎖オリゴDNA(<10mer)から遺伝子レベル(10~10bp)の二本鎖DNAを作製する方法として知られている。PCA法では、オーバーラップ配列(典型的には、15~25bp)を有する2つのオリゴDNA(典型的には、60~80mer)同士をアニーリングし、一本鎖部分のギャップ(例えば、数十bp)を耐熱性DNAポリメラーゼで埋めて(合成して)、二本鎖DNAを調製することができる。熱変性による一本鎖化→アニーリング→DNAポリメラーゼによるDNA合成のサイクルを繰り返すことにより、現在では、最大で約50の核酸断片からなる一本鎖オリゴDNAから目的とする遺伝子レベルの二本鎖DNAを1ポッド反応で連結することができる。
オリゴDNAプールを出発材料とした場合、PCAの反応液中には連結が完結していない短鎖のDNA断片が残留するため、最後に目的配列の両端をプライミングサイトとしたPCR(Polymerase Chain Reaction)を行い、所望の長鎖DNAだけを指数的に増幅させる。PCRにより増幅可能なDNAの長さは最大で数千bpであるため、したがって、PCA法が適用できるのは数千bpが限界となる。なお、このPCA法は、Polymerase Chain Assembly法やAssembly PCR法と呼ばれることがある。
後述する実施例2に記載されるように、上記ホスホロアミダイト法によって得られた、化学修飾基が導入された核酸配列(核酸断片)をPCA法によりアセンブリし、増幅させて長鎖(552bp)DNAについても、3’-エキソヌクレアーゼに耐性のない化学修飾基(リン酸基)が導入された長鎖DNAは、3’-エキソヌクレアーゼにより分解され、一方、耐性のある化学修飾基(ホスホロチオエート結合)が導入された長鎖DNAは分解されないことが実証された。また、両方の長鎖DNAにおける連結効率には相違はなく、核酸増幅効率に影響はないことも示された。なお、本発明の核酸合成法では、上記の通り、化学修飾基の使用により核酸配列中に導入されるが、合成した核酸配列を鋳型として増幅する回数の増加により、実質的に化学修飾基を含む核酸配列は存在しないものとみなすことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例で使用した合成試薬及び有機溶媒等は、特に言及がない限り、東京化成工業、和光純薬工業、関東化学、シグマアルドリッチで購入したものを使用した。
実施例1:エキソヌクレアーゼI及びエキソヌクレアーゼIIIを用いた酵素分解反応評価
エキソヌクレアーゼI(EXO-1、5U/μL)750U 2650A、及びエキソヌクレアーゼIII(EXO-3、200U/μL)5000U 2170Aは、タカラバイオ株式会社から購入した。40w/v%アクリルアミド/ビス混合液(29:1)は富士フィルム和光製薬株式会社から購入した。SYBR(登録商標)Goldは、Thermo Fisher Scientificから購入した。核酸自動合成機に使用する試薬は、富士フィルム、和光純薬株式会社及びGlenResearch社から購入した。なお、エキソヌクレアーゼIは、DNAのリン酸化エステル結合の加水分解を触媒することにより、一本鎖DNAの3’-OH末端から5’-モノヌクレオチドを遊離させる3’→5’エキソヌクレアーゼである。また、エキソヌクレアーゼIIIは、二本鎖DNAの3’-OH末端から5’-モノヌクレオチドを遊離させる3’→5エキソヌクレアーゼある。
HPLC
陰イオン交換クロマトグラフィーHPLCは、島津製作所社製Shimadzu LC-10Avpを用いた。カラムは、Thermo Fisher Scientific社製DNAPac(商標)semi-prep PA100 9×250mmを用いた。測定は50℃定温、溶媒B:0%(0分)から溶媒B:60%(60分)の直線勾配により実施した。
溶媒A:25mMリン酸緩衝生理食塩水(pH6.0)+10vol%のCHCN
溶媒B:25mMリン酸緩衝生理食塩水(pH6.0)+1MのNaCl+10vol%のCHCN
ESI-TOF-MASS
ESI-TOF-MASSには、BrukerDaltonics社製microTOF IIを用いた。
オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)
ODN1(T-20):5’-T*TTTTTTTTTTTTTTTTTTT-3’(=ホスホロチオエート)(配列番号1)
ODN2(T20-P):5’-TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT-P-3’(P=リン酸基)(配列番号2)
ODN3(T-20-PS):5’-TTTTTTTTTTTTTTTTTTT*T-3’(=ホスホロチオエート)(配列番号3)
ODN4(T20-DMTr):5’-TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT-DMTr-3’(配列番号4)
ODN5(T20-P(O)(OBn)OH):5’-TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT-P(O)(OBn)OH-3’(配列番号5)
ODN6(A20):5’-A*AAAAAAAAAAAAAAAAAAA-3’(=ホスホロチオエート)(配列番号6)
ODN7(A20-PS):5’-AAAAAAAAAAAAAAAAAAA*A-3’(=ホスホロチオエート)(配列番号7)
なお、ODN1~3及びODN6~7は、Integrated DNA Technologies社から購入し、ODN4~5は、以下のプロトコールにより合成した。
オリゴ合成
ODN4~5は、3’-O-(ジメトキシトリチル)チミジンの5’-水酸基をスクシニルリンカーを介して導入したコントロールポアドガラス(CPG)担体上で核酸自動合成機nS-8IIを用いて1μmolスケールで合成した。合成サイクルは以下の通りである。
(1)脱トリチル化:CH2Cl中の3%トリクロロ酢酸、24秒;
(2)カップリング:ACN中の0.1Mの3’-O-(4,4’-ジメトキトリチル)-チミジン-5’-CEDホスホロアミダイト、CHCN-NMP(10:1、v/v)中の0.1Mの6-ニトロ-HOBt/0.2MのBIT、5秒;
(3)キャッピング:TNF中の10vol%AcO、THF-1-メチルイミダゾール-ピリジン(8:1:1、v/v/v)、30秒;
(4)酸化:THF-ピリジン-HO(90:2:8、v/v/v)中の0.02MのI、20秒
を19サイクル繰り返し、ODN4(T20-DMTr)を合成した。ODN5(T20-P(O)OBnOH)については、アミダイト試薬を0.25Mジベンジル-N,N,ジイソプロピルアミダイトに変更し、上記合成サイクルをもう一度繰り返した。合成終了後、28%NH水溶液で室温2時間処理することにより、固相担体から切り出し、続いて、遠心エバポレータを用いて減圧留去し、Sep-Pak(登録商標)を用いて簡易精製した。その後、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて分取精製した後、Sep-Pak(登録商標)を用いて脱塩をし、ESI-TOF-MASSを用いて目的物であることを確認した。
ODN4(T20-DMTr):ESI-TOF-MASS[M+H]計算値6324.30、実測値6319.96;
ODN5(T20-P(O)OBnOH):ESI-TOF-MASS[M+H]計算値6192.04、実測値6189.69。
酵素分解評価
各ODNは、30μM、EXO-3は20U/μL、EXO-1は0.5U/μLになるように50mM Tris-HCl(pH8.0)、5mM MgCl、1mM DTT溶液に溶解し、37℃でインキュベートした後、90℃で5~15分間、失活させた。その後、反応溶液5μLとゲルローディング・ダイ・パープル(6×)1μLを加え、7M尿素を含む20%変性PAGE電気泳動を用いて酵素による分解評価を行なった。電気泳動後、TBE緩衝液40mLにSYBR(登録商標)Gold 4μLを加え、調製した染色液にゲルサンプルを抽出した。
未修飾ODN(ODN1及び6)の分解評価を行った結果を図1に示す。(左から)レーン4は、ODN1とONDN6の二本鎖DNAがEXO3によって切断されるが、一方、レーン5に見られるようにEXO1では切断されないことが示された。また、レーン8では、ODN1(一本鎖)がEXO1により切断されることを示すが、EXO3は、同じ一本鎖の核酸配列を切断することが示された。これは、今回使用したEXO3は、二本鎖DNAを切断する活性に加えて、一本鎖DNAも切断する活性を併せ持つことが示された。上記の結果は、各エキソヌクレアーゼによるオリゴ核酸の切断(分解)が特異的であることが示された。
次に、3’末端が化学修飾されたオリゴDNAを用いて、3’-エキソヌクレアーゼによる分解評価を行った(図2)。図2左は、オリゴDNAとしてODN2(3’末端にリン酸基が導入されたもの)を使用し、図2右は、ODN3(3’末端にホスホロチオテートが導入されたもの)を使用し、3’-エキソヌクレアーゼ(EXO1)による分解評価を行った結果である。一本鎖DNAを切断するEXO1により、ODN2は、経時的に穏やかに分解されていくことが観察されたが、一方、ODN3は一本鎖であるにもかかわらず、分解されなかった。これは、EXO1によるオリゴDNA核酸の分解には、3’末端の化学修飾基の相違が大きく作用することが示唆された。
同様に、ODN4(3’末端にジメトキトリチル(DMTr)基が導入されたもの)及びODN5(3’末端にリン酸ベンジルエステルが導入されたもの)について分解評価を行った(図3)。図3左は、ODN4(3’末端にDMTrが導入されたもの)を使用し、図3右は、ODN5(3’末端にリン酸ベンジルエステルが導入されたもの)を使用し、3’-エキソヌクレアーゼ(EXO1)による分解評価を行った結果である。EXO1は、化学修飾を選択的に認識し、リン酸ベンジルエステルが導入された核酸を分解したが、DMTrが導入された核酸は分解しなかった。
さらに、各鎖における化学修飾基が相違する二本鎖核酸についても同様に分解評価を行った(図4)。ODN5(前述)とODN7(3’末端にホスホロチオエート結合が導入されたもの)の組み合わせでは、二本鎖核酸を分解するExo3であっても、核酸配列に3’末端にホスホロチオエート結合が導入されたことにより、ODN5とODN7の二本鎖核酸は分解されなかった。
実施例2:エキソヌクレアーゼIIIを用いたPCA-PCR増幅連結反応
エキソヌクレアーゼIII(EXO-3、200U/μL)5000U 2170Aは、タカラバイオ株式会社から購入した。Q5 High-Fidelity DNAポリメラーゼ、10mM dNTPs、5×Q5反応緩衝液は、New England Biolabs Japanから購入した。
以下の使用したODN8~17およびPrimer1~2はIntegrated DNA Technologies(IDT)社から購入した。
(A)3’末端が化学修飾されていない配列
ODN8(106mer)
TGATCCGTATGCGGGTGTTCTGGATCGTGTTAATTATGATCAGATGAGCGTTTATGTTGGTCGTGGTGTTGGTGGTGGTAGCCTGGTTAATGGTGGTATGGCAGTT(配列番号8)
ODN9(120mer)
GTAGCCTGGTTAATGGTGGTATGGCAGTTGCACCGAAACGTAGCTATTTTGAAGAAGTTCTGCCTCGCGTTGATAGCGCAGCAATGTATGATCGTTATTTTCCGCGTGCAAATAGCATGC(配列番号9)
ODN10(120mer)
TCGTTATTTTCCGCGTGCAAATAGCATGCTGCGTGTGAATCATATTGATAACGGTTGGTTTGAAGGCACCGATTGGTATAAATTCGCACGTGTTAGCCGTGATCAGGCCCAGAAAGCAGG(配列番号10)
ODN11(120mer)
ACTTCGGCTGCCAGTGCGCTTTTCGGAACTTCACCATTGGCTTCACGACGCATGTAATCGAAATCATAAACATTCGGAACATGAACGGTGCCCAGACCTGCTTTCTGGGCCTGATCACGG(配列番号11)
ODN12(120mer)
GCCTGATGCAGGGTTTCAATGGTAACTTTACCGGTGCCTAATGCTGCTGCCAGATAGGTTTTGTCCAGGCTCTGTTTACCATGATTATTACCATAAATAACTTCGGCTGCCAGTGCGCTT(配列番号12)
ODN13(98mer)
CGACCATCTGCGTCTTTCTGTTCAACGGTCAGCAGATATGTGCCATCTTTCTGCTGACGAATGGTACGTGCCTGATGCAGGGTTTCAATGGTAACTTT(配列番号13)
(B)3’末端がホスホロチオエート結合で化学修飾された配列(^:ホスホロチオエート結合)
ODN14(106mer)
TGATCCGTATGCGGGTGTTCTGGATCGTGTTAATTATGATCAGATGAGCGTTTATGTTGGTCGTGGTGTTGGTGGTGGTAGCCTGGTTAATGGTGGTATGGCAGT^T(配列番号14)
ODN15(120mer)
GTAGCCTGGTTAATGGTGGTATGGCAGTTGCACCGAAACGTAGCTATTTTGAAGAAGTTCTGCCTCGCGTTGATAGCGCAGCAATGTATGATCGTTATTTTCCGCGTGCAAATAGCATG^C(配列番号15)
ODN16(120mer)
TCGTTATTTTCCGCGTGCAAATAGCATGCTGCGTGTGAATCATATTGATAACGGTTGGTTTGAAGGCACCGATTGGTATAAATTCGCACGTGTTAGCCGTGATCAGGCCCAGAAAGCAG^G(配列番号16)
ODN17(120mer)
ACTTCGGCTGCCAGTGCGCTTTTCGGAACTTCACCATTGGCTTCACGACGCATGTAATCGAAATCATAAACATTCGGAACATGAACGGTGCCCAGACCTGCTTTCTGGGCCTGATCACG^G(配列番号17)
ODN18(120mer)
GCCTGATGCAGGGTTTCAATGGTAACTTTACCGGTGCCTAATGCTGCTGCCAGATAGGTTTTGTCCAGGCTCTGTTTACCATGATTATTACCATAAATAACTTCGGCTGCCAGTGCGCT^T(配列番号18)
ODN19(98mer)
CGACCATCTGCGTCTTTCTGTTCAACGGTCAGCAGATATGTGCCATCTTTCTGCTGACGAATGGTACGTGCCTGATGCAGGGTTTCAATGGTAACTT^T(配列番号19)
Primer1(27mer)
TGATCCGTATGCGGGTGTTCTGGATCG(配列番号20)
Primer2(30mer)
CGACCATCTGCGTCTTTCTGTTCAACGGTC(配列番号21)
1.エキソヌクレアーゼIII(Exo-3)による反応
ODN8~13又はODN14~19は各50pM、Exo-3は10U/μlになるように、50mM Tris-HCl緩衝溶液(pH8.0、5mM MgCl、1mM DTT)に溶解した。この溶液を37℃で30分間インキュベートした後、90℃で15分処理した。
2.PCA反応
5μlのExo-3の反応溶液をPCR用8連チューブに分注し、2U/μlのQ5 High-Fidelity DNAポリメラーゼを0.25μl、10mMのdNTPを0.5μl、5×Q5反応緩衝液(125mM TAPS-HCl、250mM KCl、10mM MgCl、5mM β-メルカプトエタノール)を5μl、及びMQを加え、25μlにした。その後、Biorad社のMJ Mini(商標)Personal Thermal Cyclerを用いて以下のプロトコールでPCA反応を行なった。
Figure 2023067467000003
3.PCR反応
PCA反応溶液に、Primer1を27pmol、Primer2を27pmol、2000U/mlのQ5 High-Fidelity DNAポリメラーゼを0.25μl、10mMのdNTPを0.5μl、5×Q5反応緩衝液(125mM TAPS-HCl、250mM KCl、10mM MgCl、5mM β-メルカプトエタノール)を5μl、及びMQを加え、全量を50μlにした。その後、Biorad社のMJ Mini(商標)Personal Thermal Cyclerを用いて以下のプロトコールでPCA反応を行なった。
Figure 2023067467000004
得られた反応液を島津社製マイクロチップ電気泳動装置MultiNAを用いて定量分析を行なった。3’末端が化学修飾されていない6配列(ODN8~13)をPCAにより断片を組み合わせ、PCRに増幅した二本鎖核酸配列を「PO」と称し、一方、3’末端がホスホロチオエート結合で化学修飾された6配列(ODN14~19)をPCAにより断片を組み合わせ、PCRに増幅した二本鎖核酸配列を「PS」と称する(図5上)。いずれの配列も552bpのDNAであった。
Exo3の非添加系において各断片から核酸配列を連結させた場合、PO及びPSのいずれもそう対比が1.0(又はその近傍)であったことから、化学修飾の有無による連結効率に違いがないことが判明した(図5下)。次に、Exo3の添加系において同様に連結させた場合、POは、Exo3により分解されたのに対して、PSは分解されず、非添加系と比較しても同等の増幅効率であって。このように、核酸断片からPCA法により長鎖核酸を得る場合において、3’-エキソヌクレアーゼの使用と適切な化学修飾基の導入により、POなどの不純物を選択的かつ高効率で除去することができる。
本発明に係る核酸配列の3’末端に導入した化学修飾、及び3’-エキソヌクレアーゼの使用した核酸断片の化学合成法により、核酸合成の過程で生じる不純物のみを選択的に分解及び除去することができ、高純度の核酸断片及び長鎖核酸を提供することができる。
本明細書に引用する全ての刊行物及び特許文献は、参考により全体として本明細書中に援用される。なお、例示の目的として、本発明の特定の実施形態を本明細書において説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の改変が行われる場合があることは、当業者に容易に理解されるであろう。

Claims (9)

  1. 化学合成した核酸断片を、3’-エキソヌクレアーゼを用いて精製する方法であって、核酸合成過程において3’-エキソヌクレアーゼによる酵素分解に耐性である化学修飾基を該核酸断片の3’末端の核酸に導入し、3’-エキソヌクレアーゼにより処理する工程を含む、上記方法。
  2. 精製が、目的とする鎖長より短い核酸断片を3’-エキソヌクレアーゼにより選択的に分解及び除去するものである、請求項1に記載の方法。
  3. 3’-エキソヌクレアーゼによる酵素分解に耐性である、導入される化学修飾基が、ホスホロチオエート結合、ジメトキシトリチル基、リン酸基及びチオリン酸基からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ホスホロアミダイト法に基づく核酸の化学合成において、請求項1~3のいずれか1項に定義される方法を用いることを含む、高純度の核酸配列を合成する方法。
  5. 核酸配列の合成において不純物の発生率を10分の1又はそれ以下に低減させることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. (a)固相担体に結合させたヌクレオシドの3’水酸基を酸処理により除去する工程;
    (b)ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体を酸触媒で活性化し、縮合反応により、直接又はユニバーサルリンカーを介して、固相担体上のヌクレオシドの5’水酸基と三価リン酸結合により連結させる工程;
    (c)未反応の該5’又は3’水酸基をキャッピングする工程;
    (d)該三価リン酸結合を酸化する工程;
    (e)上記工程を反復する工程;
    (f)反復する工程の最終において、工程(c)の後に3’末端の核酸に化学修飾基を導入又は誘導する工程;
    (g)化学合成された核酸を固相担体から遊離させる工程;及び
    (h)3’-エキソヌクレアーゼで処理する工程
    を含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. ヌクレオシド-O-ホスホロアミダイト誘導体が、下記式(I):
    Figure 2023067467000005
    〔式中、
    Bは、核酸塩基又は保護基で保護された核酸塩基であり;
    は、水素原子、水酸基、又は保護基で保護された水酸基であり;
    は、水素原子又は水酸基の保護基であり;
    は、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;
    は、-N(R(式中、Rは、独立して、C1~6アルキル、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルである)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基である〕
    で表される、請求項6に記載の方法。
  8. PCA法に基づく核酸の化学合成において、請求項4~7のいずれか1項に記載の方法によって得られた核酸配列を用いることを含む、高純度の二本鎖長鎖核酸を合成する方法。
  9. 核酸がDNAである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
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