JP2023065319A - 半導体試験装置および半導体素子の試験方法。 - Google Patents

半導体試験装置および半導体素子の試験方法。 Download PDF

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Koji Kanzawa
茂男 阪田
Shigeo Sakata
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Abstract

【課題】従来の半導体試験装置では、実使用状態でのトランジスタの温度を精度よく測定することができなかった。【解決手段】トランジスタ117のゲート端子にゲートドライバ回路113からオン電圧を印加して試験電流Idを供給する。試験電流Idの停止後、定電流回路118から定電流Icを供給して端子間電圧Vceを測定する。試験電流Idを停止した時刻t0から、t2=2×t1とした測定ポイントt1およびt2を設定する。t1時に測定したトランジスタのVce電圧をv1と、t2時に測定したトランジスタのVce電圧をv2から、t0での電圧V0を、v0=(2+√2)・v1-(1+√2)・v2として求め、また、特性カーブをY=A・C^(-1・t^n)とし、測定したデータから試験電流Idを停止した時刻tから、C、n、Aの値を決定する。【選択図】図19

Description

本発明は、SiC、IGBT、GaO、MOS-FET、Gan-FET、バイポーラトランジスタ等の半導体素子のパワーサイクル試験を行う半導体試験装置、半導体素子の試験方法等に関するものである。また、ダイオード、サイリスタ等の半導体素子の試験方法等に関するものである。また、ボジスタ、サーミスタ、ホトカプラ等の試験方式等に関するものである。
半導体素子の使用環境での故障モードに近いストレスを効率よく再現でき、高い信頼性でパワー半導体素子等の評価を行うことができる半導体試験装置および半導体素子の試験方法を提供する。
半導体素子の寿命には、半導体素子自体の発熱に起因した熱疲労現象による寿命と、半導体素子の外部環境の温度変化に起因した熱疲労現象による寿命とがある。また、半導体素子のゲート絶縁膜への印加電圧による電圧疲労による寿命等がある。
一般的に、半導体素子の寿命試験は、半導体素子に通電オンオフを繰り返すことが行われている。半導体素子のエミッタ端子(ソース端子)、コレクタ端子(ドレイン端子)等に印加電圧および電流を設定し、ゲート端子に周期的なオンオフ信号(動作/非動作信号)を印加して試験が行われる。
図45、図46は従来例としての半導体試験装置および半導体素子の試験方法の説明図である。半導体素子としてのトランジスタ117のコレクタ端子cには定電流を出力する電流電源装置121が接続されている。トランジスタ117のエミッタ端子eは接地(グランド)されている。トランジスタ117のゲート端子gには、ゲートドライバ回路113が接続されている。
スイッチ回路122a(SWa)122aがオンすることにより、トランジスタ117のコレクタ端子cには電流電源装置121が出力する定電流Iaが印加される。
ゲートドライバ回路113からは、設定された周波数、かつ、設定されたオン電圧時間のトランジスタ117のゲートをオンさせるオン電圧Vgが出力される。オン電圧Vgに基づいて、トランジスタ117はオンオフ制御される。ゲートドライバ回路113はゲート信号制御回路112で制御される。
ゲートドライバ回路113から出力されるVgs信号電圧により、トランジスタ117はオンオフ動作し、トランジスタ117がオンしている期間にトランジスタ117のチャンネル間に電流Idが流れる。
トランジスタ117がオンするトランジスタ117のチャンネル電圧Vceが順方向電圧Vnまで降下する。トランジスタ117がオフするとVce電圧は、電圧Vcまで上昇する。
一例として、トランジスタ117のチャンネル電圧Vce(図46(c))に図示するように、電流Idが流れている時はVn電圧となり、オフ状態ではVc電圧となる。
試験回路系には容量成分である容量リアクタンス(インダクタンス)151がある。また、誘導成分である誘導リアクタンス152がある。また、電流電源装置121は、トランジスタ117がオフとなっても、電流Iaを流し続けようとし、電流電源装置121の端子電圧を上昇させる。
トランジスタ117は電流Idにより発熱する。また、トランジスタ117は、繰り返し印加される試験電流Idにより、トランジスタ117の温度が上昇する。温度の変化は、トランジスタ117に配置された温度センサ126により取得される、温度計128で測定される。
容量リアクタンス151、誘導リアクタンス152、電流電源装置121の定電流動作などによりトランジスタ117のコレクタ電圧(Vc電圧)は上昇し、サージ電圧Vsが発生する(図46(d)Vce’)。容量リアクタンス151は、トランジスタ117がオンする時に、トランジスタ117に大きな電流を供給し、突入電流Isが発生する(図46(e)Id’)。
特開2017-17822
従来の半導体試験装置では、トランジスタ117をオンオフ動作させるとともに、定電流Iaをトランジスタのチャンネルに流すことにより、トランジスタの試験を実施している。
試験は、トランジスタのオン周期、トランジスタのオン時間、トランジスタのオンオフ回数、トランジスタに流れる電流を設定することにより、試験するトランジスタにストレスを与え、トランジスタの寿命予測あるいは試験トランジスタの破壊までの時間測定を行っていた。
試験をするトランジスタ117に試験電流Idを供給することによりトランジスタ117が発熱する。発熱による温度上昇は、トランジスタ117の特性変化に伴って変化する。したがって、試験を実施するトランジスタ117の測定をモニターすることが、トランジスタ117の試験として重要である。
試験電流Idの停止後、トランジスタ117に所定の定電流を供給してトランジスタ117の端子間電圧を測定することにより、トランジスタ117の温度情報Tj(端子間電圧Vi)を取得することができる。
トランジスタ117への試験電流Idを停止するとトランジスタ117は放熱し、トランジスタの温度が低下する。したがって、試験電流Idの停止した直後にトランジスタ117の端子間電圧を測定することが好ましいが、試験電流Idの停止直後は、サージ電圧、サージ電流が発生し、端子間電圧を測定することができない。
サージ電圧、サージ電流が収束した時には、トランジスタ117は冷却されてトランジスタ117の温度が低下し、結果的に、実使用状態でのトランジスタの温度を精度よく測定することができなかった。
発明の半導体素子試験装置は、試験電流Idを供給する電源装置と、半導体素子117をオンオフさせるゲートドライバ回路113と、半導体素子117に定電流Icを供給する定電流回路118と、半導体素子117の端子間電圧Viを取得する電圧測定回路301と、電源装置または半導体素子の端子間の電荷を放電させるスイッチ回路124bと、半導体素子117の端子間電圧を記憶するデータメモリ302と、データメモリ302に記憶された端子間電圧から、トランジスタ117の温度変化に伴う特性式を求める演算処理回路303を具備することを特徴とする。
本発明の半導体素子の試験方法は、半導体素子117に試験電流Idを供給するスイッチ回路124aと、スイッチ回路124aをオフさせた時刻tから、t = 2 × tとした測定ポイント(t、t)を設定し、t時の半導体素子117の端子間の電圧v1と、t時の半導体素子117の端子間の電圧v2から、tでの電圧Vを、下記式より求めることを特徴とする。
= (2 + √2)・v1 - (1 + √2)・v2
トランジスタ117あるいは温度測定用のダイオードDに定電流Icを供給するときは、トランジスタ117のゲート端子に、試験電流Idを供給している時のオン電圧V1よりも高いオン電圧V2を印加する。
本発明の半導体素子の試験方法は、試験電流Idを供給する第1の工程と、試験電流Idを停止後、定電流Icを前記半導体素子に供給する第2の工程と、定電流Icを供給した状態で、所定時間tで半導体素子の端子間電圧Viを測定する第3の工程と、端子間電圧Viから、特性カーブY=A・C^(-1・t^n)として、C、n、Aの値を決定する第4の工程とを行うことを特徴とする。
トランジスタ117の試験電流Idを停止した時刻、スイッチ回路124bで電荷を放電しスイッチ回路124bをオフした時刻から、試験対象の素子(半導体素子等)の端子間電圧Viは時間tを変化させて測定する。初期端子間電圧Viを固定値として含む特性式に求める。試験開始後は、所定の時刻tで測定した端子間電圧Viと特性式に代入し、特性式のA値(初期端子間電圧Vi)あるいは変化量、変化割合を、半導体素子の劣化状態の評価として使用するものである。
本発明は、半導体素子に供給する試験開始前または事前に、試験電流Idを供給して半導体素子の端子間電圧を測定する。測定した端子間電圧より特性式を求める。半導体素子の試験中は所定の時間で測定した端子間電圧を特性式に代入し、試験電流Idの停止直後の半導体素子の温度を求める。したがって、試験電流Idの停止直後のサージ電圧の影響を受けず、安定した半導体素子の温度を取得することができる。
本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法の説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法の説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法の説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体試験装置および試験方法の説明図である。 本発明の半導体試験装置および試験方法の説明図である 本発明の半導体試験装置および試験方法の説明図である 本発明の半導体試験装置および試験方法の説明図である 本発明の半導体試験装置および試験方法の説明図である 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体試験装置の構成図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 本発明の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 従来の半導体試験装置の説明図である。 従来の半導体素子の試験方法のタイミングチャート図および説明図である。 半導体素子の説明図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るパワーサイクル試験などの半導体試験装置および半導体素子の試験方法を説明する。
明細書で記載する実施形態では、半導体素子のうち、IGBTを例にとって説明する。本発明はIGBTに限定されるものではなく、SiC、MOSFET、JFET、GaN、トランジスタ等の各種の半導体素子に適用することができる。また、トランジスタだけに適用されるものではなく、サーミスタ、ポジスタ、ダイオードなどの2端子素子にも本発明は適用できる。また、電力抵抗器など半導体以外の電子部品等に適用できる。
また、パワー半導体素子に限定されるものではなく、低電力用の半導体素子にも本発明は適用できることは言うまでもない。
発明を実施するための形態を説明するための各図面において、同一の機能を有する要素には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、本発明の実施例は、それぞれを組み合わせることができる。
図2は本発明のパワーサイクル試験装置(半導体試験装置)の構成図である。パワーサイクル試験装置は、チラー(冷却・加温装置)136と、加熱冷却プレート134、加熱冷却プレート134とチラー136間を循環する循環水パイプ135を有する。加熱冷却プレート134には、試験サンプルとしてのトランジスタ117が積載されている。
試験をするトランジスタ117の温度情報Tjが所定値となるように、試験電流Id、ゲート電圧Vg、電圧Vceを変化させて試験の条件を設定する。温度情報Tj(端子間電圧Vi)が変化すると、トランジスタ117が劣化あるいは特性が変化していると判断し、トランジスタ117の試験を停止、あるいは制御方法を変更する。
例えば、温度情報Tjの変化で、トランジスタ117の信頼性特性を判定あるいは判定する。また、電圧Vceが所定電圧になる時間、トランジスタ117の破壊までの時間などからトランジスタ117の信頼性、寿命を評価、測定する。
本発明の半導体の試験方法において、トランジスタ117の劣化あるいは特性変化にあわせて外部条件を変える。例えば、トランジスタ117が発熱した場合は水温を下げる。水温を下げると、また、トランジスタ117に流れる電流を少なくすると、トランジスタ117の劣化、特性変化が進まない。結果、トランジスタ117の寿命が延びる。したがって、所定設定条件に対するトランジスタ117の寿命、信頼性特性を定量的に測定、判断することができる。
チラー136の循環水を加温または冷却することにより、トランジスタ117の温度を規定値あるいは所定値に維持する。また、試験条件に対応してトランジスタ等の温度を周期的に変化させ、また、一定に冷却し、加熱させる。また、試験トランジスタの温度情報Tjを測定し、測定した温度情報Tjを一定値に維持するように、チラー136を制御する。
チラーは水や熱媒体の液温を管理しながら循環させることで、機器などの温度を一定に保つことができるように構成している。主に冷却に用いる場合が多いが冷やすだけでなく温めることもでき、様々な温度の制御を実施できるように構成している。
制御ラック131には、トランジスタ117に試験電流、試験電圧を供給する電源装置132と、トランジスタ117を制御あるいは試験条件を設定する制御回路133を有している。
制御回路133には、トランジスタ117の温度情報Tjが入力され、温度情報Tjに基づいてチラー136を制御する。あるいは、温度情報Tjを所定値にするように、チラー136を制御する。
なお、本明細書では循環水として説明するが、水に限定されるものではない。エチレングリコール、グリセリンなどでも良い。また、強制空冷であってもよい。チラー136は循環水パイプ135内の液体を、例えば水温マイナス10℃からプラス100℃までの範囲で制御して試験ユニット3の加熱冷却プレート134に供給する。加熱冷却プレート134は十分に大きな熱容量を持っている。
上記実施形態では加熱冷却プレート134を使用したが、加熱プレートと冷却プレートを別体とし、加熱冷却プレート以外の熱源・冷熱源を用いて加熱・冷却するものであってもよい。
図1は本発明の実施例における半導体試験装置(例えば、パワートランジスタを試験するパワーサイクル試験装置)の構成図である。
電流電源装置121は、トランジスタ117を試験するための大電流の定電流を出力する。電流電源装置121は、コントローラ(パーソナルコンピュータ等)111からの制御信号に同期させて電力(電流、電圧)を供給すると共に、供給された電力を用いて前記負荷を設定された定電流または定電圧で駆動する。また、電流電源装置121は、出力する最大電圧値を設定することができる。
スイッチ回路122a(SWa)は、電流電源装置121が出力する定電流の供給をオン(供給)オフ(遮断)させる。スイッチ回路122aはコントローラ111からの信号に基づき、オン(定電流を出力)またはオフ(定電流を遮断)に設定または制御される。通常、スイッチ回路122aは試験開始前にオンされ、半導体素子の試験中は常時、オン状態に維持される。
図1において、1台の電流電源装置121を図示している。電流電源装置121は1台に限定されるものではない。
例えば、図11に図示するように、本発明の半導体試験装置において、2台以上の電流電源装置121を保有させてもよい。電流電源装置121の台数が増加するほど、多種多様な電流波形Idを発生させることができる。
本発明の実施例において、電流電源装置121として説明するが、電流電源装置121は定電流を出力するものに限定されるものではない。
例えば、電流電源装置121に最大電圧を設定できるものを使用する。一定の条件で、設定された最大電圧において、所定の定電流を出力できるように機能させることが例示される。また、定電流を出力する場合に、出力端子電圧を所定の最大電圧を設定できるように構成されることが例示される。したがって、電流電源装置121は、定電流のみ出力する装置ではなく、電圧、電流を出力できる電源装置であってもよい。
図1などの実施例において、電流電源装置121で試験電流Idを発生させるとして説明するが、試験電流Idは、トランジスタ117のオン抵抗の状態に応じて、印加電圧を調整することによっても実現できる。したがって、本発明の半導体試験装置において、電流を出力する電流電源装置121に限定するものではなく、電圧出力の電源装置で構成しても良いことはいうまでもない。
試験電流Idは、トランジスタ117のゲート電圧の電圧値の制御によっても実現できる。本明細書では、電流電源装置121の制御によって、トランジスタ117に所定の電流を印加するとして説明する。しかし、これに限定するものはなく、トランジスタ117のゲート端子gの電圧、トランジスタ117のコレクタ端子cの電圧を調整あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図1では、定電流IcはダイオードDiに流すように図示しているが、本願発明は、これに限定されるものではない。たとえば、トランジスタ117がIGBTの場合で、ダイオードDiが付加されていない場合、トランジスタ117のチャンネル電流が流れる方向(コレクタc→エミッタe)に定電流Icを流し、チャンネル間(コレクタ-エミッタ間)の電圧を測定する。したがって、試験電流Idと定電流Icの流れる方向は一致する。
本発明の半導体素子の試験方法の実施例では、説明を容易にするため、定電流Ia=Idは電流電源装置121aが発生するとしている。トランジスタ117に流す電流Idは電流電源装置121を動作させることにより供給する。電流電源装置121はコントローラ111からの信号によりオン/オフ制御される。電流制御回路114はコントローラ111によりタイミング制御される。
トランジスタ117のエミッタ端子eは接地(グランド)されている(接地ラインと接続されている)。トランジスタ117のゲート端子gには、ゲートドライバ回路113が接続されている。
ゲートドライバ回路113からは、設定された周波数、かつ、設定されたオン電圧時間でトランジスタ117のゲートをオンさせるオン電圧Vgが出力される。図3の実施例では、図4(a)に図示するように、トランジスタ117のオンオフ周期はtcycleであり、オン時間はton、オフ時間はtoffである。
図4(a)のオン信号電圧Vgsに基づいて、トランジスタ117はオンオフ制御される。ゲートドライバ回路113はゲート信号制御回路112で制御される。
電流電源装置121aは定電流Iaを出力し、定電流Iaがトランジスタ117のIdとして供給される。
ゲートドライバ回路113から出力されるVgs信号電圧により、トランジスタ117はオンオフ動作し、トランジスタ117がオンしている期間にトランジスタ117のチャンネル間に電流Idが流れる。
ゲートドライバ回路113は、内部に可変抵抗回路125を有している。可変抵抗回路125の値は、0(Ω)から500(Ω)間で、所定値に、あるいはステップ的、あるいは連続的に設定できるように構成されている。ゲート端子gの波形を観察しながら、コントローラ111からの制御信号により可変抵抗回路125の値を設定してもよい。
図18に図示するように、ゲートドライバ回路113は、リアルタイムでオン電圧を変化あるいは設定することができる。たとえば、試験電流Idを印加する期間は、オン電圧をV1とし、定電流Icを流しているときは、オン電圧V2とする。電圧V1から電圧V2には段差的な変化ではなく、電圧V1から電圧V2に滑らかに変化させても良い。
一例として、本発明で試験を行う半導体素子はトランジスタ117がIGBTである。IGBTに限定されるものでなく、SiCやGaN等のトランジスタ、その他の半導体素子、電気素子であっても良いことは言うまでもない。
図1等のダイオードDi、図7等のダイオードDsがない場合は、トランジスタ117にオン電圧を印加した状態で、順方向に定電流Icを供給する。定電流Icを供給した状態で、トランジスタ117のチャンネル間電圧Vceを測定する。
図26は、定電流回路118のブロック図である。定電流回路118が出力する電流Icは小電流であり、出力インピーダンスが高いため、定電流Icにノイズが重畳されやすい。
本発明は、図26の構成を採用することにより、ノイズの影響をなくす、あるいは低減させている。定電流Icはトランジスタ117に流し、トランジスタ117のチャンネル電圧(コレクタ-エミッタ間電圧、ドレイン-ソース間電圧)を測定することにより、トランジスタ117の温度情報(チャンネル間電圧Vi、熱抵抗、過渡熱抵抗)を得る。
定電流Icは小さい電流であることが多く、定電流回路はインピーダンスが高いこともあり、ノイズが乗りやすい。したがって、定電流回路118は耐ノイズ性が良好な構成にする必要がある。
図26の構成は、AC-DCコンバータ回路601と信号用電源を切り離すことで、AC-DCコンバータ回路601から回り込む電源起因のノイズを抑制する。AC-DCコンバータ回路601や基準電圧発生回路からのノイズを遮断する。
AC-DCコンバータ回路601、基準電圧回路603、可変抵抗回路125はコントローラ111により、設定、制御される。
AC-DCコンバータ回路601はAC電圧からDC電圧Vbを発生する。DC電圧Vbはコンデンサ602aにより安定化され、基準電圧回路603に供給される。基準電圧回路603は、基準電圧Vsを発生させる。トランジスタ604aのゲート端子には安定した基準電圧Vsが印加される。
トランジスタ604aのc端子の電圧はトランジスタ604bのゲート端子に印加され、トランジスタ604bのエミッタ端子の電圧aが可変抵抗回路125に供給される。
図26の点線部であるトランジスタ604aとコンデンサ602bにより、AC-DCコンバータ回路601のノイズは遮断され、可変抵抗回路125はノイズの無く、安定した動作を実現できる。
可変抵抗回路125の抵抗値はコントローラ111により設定される。可変抵抗回路125により定電流Icを設定するオペアンプ回路116の+端子の電圧Vnが設定される。オペアンプ回路116の-端子電圧は、+端子電圧と同一電圧となり、トランジスタ604c、抵抗315、オペアンプ回路116により、安定した定電流Icが発生する。
本明細書、図面では、オペアンプ回路116として説明するが、オペアンプ回路116等で端子間電圧Viを測定する電圧測定回路301を構成する。電圧測定回路301は2端子間Viの電圧値を測定する手段であり、測定した2端子間電圧Viは、デジタルデータまたはアナログデータとして出力する。
定電流Icは、スイッチ回路507がオン(クローズ)することにより定電流Icがトランジスタ117のチャンネル間、あるいはダイオードDiに供給される。
定電流回路は、4層基板を採用することで、デジタルアンプのグランド(3層目)を、AC-DCコンバータ回路601(2層目)や基準電圧回路603の出力部(4層目)と分離し、ノイズを低減している。
定電流Icを流しているときは、定電流Icのよる発熱等の影響を低減させる必要がある。そのため、定電流Icをトランジスタ117に供給しているときは、トランジスタ117を強オン状態とするため、V1電圧よりも高い電圧V2をトランジスタ117のゲート端子に印加する。
つまり、V1<V2の関係となるように設定する。たとえば、V1が10Vであれば、V2は1.5倍以上の15V以上とする。このように、定電流Icを流しているときに、高いオン電圧V2とすることにより、トランジスタ117のチャンネル間抵抗が低くなり、Vce等の端子間電圧Viの電圧測定精度が向上する。
試験時は、V1電圧のため、トランジスタ117に試験電流Idが流れ、トランジスタ117のチャンネルで発熱などが発生し、試験が実施される。
図18に図示するように、ton1の期間にゲートドライバ回路113は、ゲートオン電圧V1をトランジスタ117に印加する。V1電圧の印加後、tsの期間の時間の後、スイッチ回路Ssa124aがオンして、トランジスタ117に試験電流Idを供給する。
トランジスタ117のチャンネル間に定電流回路118から定電流Icを供給する期間は、ton2の期間にゲートドライバ回路113は、ゲートオン電圧V2をトランジスタ117に印加し、トランジスタ117を強オンさせる。なお、トランジスタ117の強オンとは、トランジスタ117のチャンネル間抵抗を低くすることであり、通常よりゲート電圧でトランジスタ117をオン状態することに限定されるものではない。
V2電圧の印加期間に、定電流Icをトランジスタ117の順方向(コレクタ端子からエミッタ端子方向)に供給する。
定電流Icを供給している期間のうち、St1のtc1の期間に、トランジスタ117のVce電圧を測定し、トランジスタTjを求める。
なお、トランジスタ117に定電流Icの供給開始は、スイッチ回路124aがオフしてから、ts期間後に行う。また、V1電圧からV2電圧に変更する期間も同様である。
試験電流Idの供給と、定電流Icの供給が交互に繰り返される場合、オン電圧V1とオン電圧V2に同期して交互に繰り返される。以下の可変抵抗回路125についても繰り返されることは同様である。
以上のように、温度測定用のダイオードDがない場合は、トランジスタ117のゲート端子にオン電圧を印加し、トランジスタ117の順方向に定電流Icを供給して、チャンネル間電圧Vceを測定する。チャンネル間電圧Vceは端子間電圧Viとして、端子間電圧Viより温度情報Tjを求める。
一例として、温度情報をTjとした時、端子間電圧をVとすると、V=A・Tj+Bとして表現される。したがって、Tj=(V-B)/Aで示される。TjとVは線形の関係で表される。端子間電圧VとTjとは比例の関係となる。Vの測定は、トランジスタあるいはダイオードに定電流Icを印加し、加熱冷却装置を用いて、トランジスタあるいはダイオードの温度を変化させ、Vを測定する。
トランジスタ117の特性の変化により、端子間電圧Vの変化幅が大きい場合は、端子間電圧VとTjとは比例の関係とはならない。しかし、端子間電圧Vの変化幅が小さい場合、初期電圧Vに対する変化量をモニターして試験を実施する場合は、端子間電圧VとTjとは比例の関係とみなしても試験としては支障がない。
図18は、本明細書の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施例と組み合わることができることも言うまでもない。
図18の実施例は、図1等に図示するように、ダイオードDiが形成あるいは配置された構成であっても、トランジスタ117の順方向に定電流Icを供給し、チャンネル間電圧Vceを測定、温度情報Tjを求めることができることは言うまでもない。
トランジスタ117のゲート端子gとエミッタ端子eまたは、コレクタ端子c間に抵抗R(図示せず)を配置してもよい。抵抗Rの値を調整することにより、ゲート信号の立ち上がりおよび立ち下がり電圧波形の傾斜角度を調整できる。
可変抵抗回路125の値が大きい場合は、トランジスタ117のゲート端子に印加するトランジスタ117のゲート信号の立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が緩やかになる。
一方、可変抵抗回路125の抵抗値が小さい場合は、ゲート信号の立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜が急峻になる。可変抵抗回路125の値を変更あるいは所定値に設定することにより、トランジスタ117のオン時間を調整できる。
可変抵抗回路125の値を調整し、トランジスタ117のゲート端子に印加するトランジスタ117のゲート信号の立ち上がり/立ち下がり波形の傾斜を変化させることは、トランジスタ117のオフ直後のサージ電圧、サージ電流の発生を調整することになる。したがって、可変抵抗回路125の抵抗値は、図20で説明するw1時間、t1時間、t2時間の設定と密接な関係がある。可変抵抗回路125の抵抗値を設定し、端子間電圧Viの電圧値をオシロスコープ等で観察して、図20で説明するw1時間、t1時間、t2時間を調整することが好ましい。
ゲートドライバ回路113は、トランジスタ117のゲート端子gに印加するゲート電圧において、立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を設定できる。立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tdを別々に調整することによりトランジスタ117のオン時間等を任意に調整できる。
可変抵抗回路125の抵抗値は、コントローラ111により設定する。設定は、一定値であることに限定されない。ゲートドライバ回路113の立ち上がり波形の傾斜(立ち上がり時間Tr)と立ち下がり波形の傾斜(立ち下がり時間Td)を変化させてもよい。ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値と、立ち下がり時の抵抗値とを変化させてもよい。また、リアルタイムに抵抗値を可変制御してもよい。可変抵抗回路125を可変制御することにより、トランジスタ117のオン時間、オン電圧が安定する。
なお、可変抵抗回路125の抵抗値を調整するとしたが、抵抗値の調整は可変抵抗に限定されるものでない。固定抵抗を付け替えて抵抗値調整を行っても良いことは言うまでもない。
ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が急峻になり、高速にトランジスタ117がオンする。ゲート信号の立ち上がり時の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオンする。
ゲート信号の立ち下がり時の抵抗値を小さくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が急峻になり、高速にトランジスタ117がオフする。ゲート信号の立ち下がり時の抵抗値を大きくすると、トランジスタ117のゲート端子に印加されるオン電圧の波形が緩やかになり、緩やかにトランジスタ117がオフする。
以上のように、トランジスタ117のゲート端子に接続された可変抵抗Vrの値、あるいはゲートドライバ回路113の立ち上がり時間/立ち下がり時間を制御あるいは調整または設定することができる。また、オン電圧、オフ電圧が安定する。
したがって、ゲートドライバ回路113の機能として、トランジスタ117に発生させる突入電流Is、サージ電圧Vsを変化あるいは変更することができる。
トランジスタ117の動作は、トランジスタ117のゲート端子のオン電圧の制御だけでなく、電流電源装置121がトランジスタ117に供給する試験電流Idあるいは電圧Vmの値を変化あるいは設定できることは言うまでもない。
ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125はコントローラ111により制御される。図4に図示するゲートドライバ回路113が出力するゲート信号の周期時間tcycle、オン時間tonあるいはオフ時間toffはゲート信号制御回路112が制御し、ゲート信号がトランジスタ117のゲート端子に印加される。また、ゲート信号制御回路112はコントローラ111により制御される。
図1などにおいて、ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125の抵抗値は、可変としたがこれに限定するものではない。例えば、可変抵抗回路125を外付け抵抗とし、抵抗をコネクタ(図示せず)などによりトランジスタ117のゲート端子に接続してもよいことは言うまでもない。
接続する抵抗の値は、トランジスタ117のゲート端子の波形、チャンネル電流Idの波形を観察して設定する。また、図20で説明するw1時間、t1時間、t2時間を調整することが好ましい。
図1などにおいて、トランジスタ117のコレクタ端子cとエミッタ端子e間には定電流回路Pc118が接続されている。定電流回路118は、所定の定電流Icを流す。定電流Icはトランジスタ117の温度をモニターするためである。
なお、IGBTを例示して本明細書は説明するため、トランジスタ117の端子はゲート端子g、コレクタ端子c、エミッタ端子eである。MOSトランジスタ117の場合は、トランジスタ117の端子はゲート端子g、ドレイン端子d、ソース端子sとなる。
トランジスタ117には、ボディダイオードあるいはチャンネルダイオードDiが形成されている。なお、ダイオードDiはトランジスタ117が形成された半導体チップに実装された別の半導体チップのダイオードであってもよい。
ダイオードDiは、トランジスタ117の形成時に副次的に形成されるダイオード(寄生ダイオード)を利用してもよい。寄生ダイオードはトランジスタ117の層構造により副次的に形成される。ダイオードDiは、構造上、トランジスタ117のチャンネル部の近傍に形成される。
ダイオードDiは、トランジスタ117を動作させている時には動作しないものであれば、いずれの素子でもよい。例えば、ダイオードに限定されるものではなく、トランジスタを、図10に図示するように、ダイオード接続して使用しても良いことはいうまでもない。
ダイオードDiは、トランジスタ117チップに内蔵でもよいし、外付けでもよい。また、ダイオードDiがない場合は、トランジスタ117の試験電流Idと同一方向の定電流Icを流し、トランジスタ117のチャンネル間電圧Vce、ダイオードDの端子電圧を測定し、温度変化をモニターあるいは測定あるいは算出する。
また、ダイオードなどの半導体に限定されるものではなく、抵抗などのデバイスでもよい。抵抗などのデバイスに定電流Icを印加することにより、抵抗の端子間電圧を測定する。この電圧を端子間電圧Viとして測定する。
以上のように、温度を取得する素子は、半導体などのデバイスだけでなく、抵抗などのデバイスでもよい。つまり、電流を流すことにより電圧値を取得できるデバイス、あるいは電圧を印加することにより電流値を取得できるデバイスであればいずれのデバイスでも適用できる。
ダイオードDiはトランジスタ117の発熱により抵抗値が変化する。ダイオードDiに定電流Icを流すと、ダイオードDiの抵抗値の変化に比例してダイオードDiの端子間の電圧が変化する。端子間の電圧をモニターあるいは測定すれば、トランジスタ117の温度、または温度の変化を知ることができる。つまり、温度情報Tjを得ることができる。
トランジスタ117の温度をダイオードDiの電圧からモニターするためには、温度係数を予め取得しておく必要がある。
温度係数は、トランジスタ117を恒温槽で所定温度に設定し、ダイオードDiに定電流Icを流して、ダイオードDiの端子間電圧Viを測定する。前記所定温度を変化させ、かつダイオードDiの端子間電圧を測定することにより、温度に対するダイオードの端子間電圧を取得できる。したがって、温度に対するダイオードDiの端子間電圧からトランジスタ117の温度情報Tjを求めることができる。
温度情報Tjは、トランジスタ117の各生産ロットで異なる場合があるが、一般的には生産ロットで一定の値を示す。したがって、各生産ロットで、試験を行うトランジスタ117を抜き取り、温度情報Tjを求めておけば他のトランジスタ117の温度情報Tjにも使用できる。
温度情報Tjと端子間電圧Viとが線形の関係にあれば、端子間電圧Viを測定すれば、温度情報Tjを求めることができる。
精度よく温度情報Tjを取得するには、同じロットでも、各トランジスタ117の温度情報Tjを個別に測定して試験をする。温度情報Tj(端子間電圧Vi)の測定は、恒温槽の使用に限定されない。例えば、トランジスタ117を実装したヒートシンクに流す水温を変えて温度情報Tj(端子間電圧Vi)を取得する。
試験時は、トランジスタ117に間欠的に、試験電流Idを印加する。試験電流Idをオフした直後あるいは、オフした後、短時間の所定時間の経過後、定電流回路118から、温度測定用の定電流Icを流す。
定電流Icでトランジスタ117が発熱することを防止するため、あるいは定電流Icの影響がないようにするため、定電流Icはトランジスタ117のチャンネルに流す試験電流Idよりも十分に小さい電流値にする。定電流Icは、温度測定に影響を与える発熱しない程度の電流を流す。
具体的には、温度係数を求めるための定電流Icは試験時にトランジスタ117に流す電流Idの1/1000以下に設定する。好ましくは、トランジスタ117に流す電流Icは電流Idの1×10の1以上1×10の1以下にする。定電流Icは0.1mA以上100mA以下にする。
チャンネル電流Icを変化させ、ダイオードDi電圧(トランジスタ117のコレクタ-エミッタ端子間電圧)を測定して、温度情報Tjを求める。求められた温度情報Tj(端子間電圧Vi)は、温度測定回路115のデータメモリ302に記憶させる。
温度を測定する時、ダイオードDiがトランジスタ117と同一チップ内に形成されている場合、ゲート電圧Vgsによって飽和電圧のVn電圧が変化する場合がある。ゲート電圧Vgsはゼロ(0)電圧または負電圧(マイナス電圧)とすることが好ましい。
図2に示すように、温度情報Tjに基づいて、コントローラ111はチラー136を制御する。チラー136は循環水(循環溶液)の温度を調整し、加熱冷却プレート134の温度を調整する。
温度情報をTjとした時、端子間電圧をVとすると、V=A・Tj+Bとして表現される。したがって、Tj=(V-B)/Aで示される。TjとVは線形の関係で表される。
以上の実施例では、予め、温度情報Tjを求めるとしたが、本発明の半導体試験方法はこれに限定するものではない。なお、温度係数とダイオード端子間電圧などからトランジスタ117の温度情報Tjを求める。
トランジスタ117と加熱冷却プレート134に密着して配置し、加熱冷却プレート134の温度が、トランジスタ117と略一致するように構成する。
コントローラ111はチラー136を制御して、加熱冷却プレート134の温度を所定温度にし、トランジスタ117に定電流Icを印加して、ダイオードDiの端子間電圧を測定する。
測定結果から、温度情報Tjを求める。加熱冷却プレート134の温度は、複数の温度に設定し、それぞれの温度での温度情報Tjを求め、結果からより温度係数の値の精度を向上させる。
温度情報Tjは、トランジスタ117を加熱冷却プレート134で所定温度にし、ダイオードDiに定電流Icを流して、端子間電圧Viを測定する。端子間電圧Viは複数回測定することが好ましい。測定した端子間電圧Viは平均化処理を行う。
前記所定温度を変化させ、かつトランジスタあるいはダイオードDiの端子間電圧を測定することにより、温度に対するトランジスタあるいはダイオードDiの端子間電圧を取得できる。したがって、温度に対するダイオードDi等の端子間電圧からトランジスタ117の温度情報Tjを求めることができる。
トランジスタ117の試験時は、定電流Icは、チャンネル電流Idが流れていない時にダイオードDiに流す。つまり、トランジスタ117がオンしていない時に、定電流Icを流してダイオードDi等の端子間電圧を測定する。
電圧測定回路301のオペアンプ回路(バッファ回路)116は、ダイオードDiの端子間電圧Vi(端子c-端子e)を出力する。なお、オペアンプ回路116は、オペアンプ素子から構成されるものに限定されない。入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いものであればいずれのものでもよい。電圧測定回路301から出力する電圧Viはアナログデータに限定されるものではない。デジタルデータに変換されたデータであっても良い。
本明細書、図面では、電圧測定回路301は、オペアンプ回路116として図示して説明するが、オペアンプ回路116に限定されるものではない。オペアンプ回路116等で電圧測定回路301を構成する。電圧測定回路301は2端子間の電圧値を測定する手段あるいは回路である。電圧の測定は、差動アンプ出力としても良い。測定した2端子間電圧はデジタルデータ(Tdata)またはアナログデータViとして出力する。
温度測定回路115を保持されている温度情報Tjと端子間電圧Viから、試験を実施しているトランジスタ117の温度情報Tjを求める。温度情報Tjは温度情報としているが、端子間電圧Viからもとめられるものであり、温度情報Tjと端子間電圧Viとは線形の関係がある。
求められた温度情報Tjはコントローラ111に送られる。コントローラ111は、温度情報Tjが所定設定値以上のなった場合、トランジスタ117が所定のストレス状態、あるいは劣化状態となったと判断し、試験の制御変更あるいは試験の停止などを行う。あるいは、コントローラ111は、端子間電圧Viが所定設定値以上となった場合、端子間電圧Viが所定設定値の範囲外となった場合トランジスタ117が所定のストレス状態、あるいは劣化状態となったと判断し、試験の制御変更あるいは試験の停止などを行う。
温度情報Tjはコントローラ111に入力され、トランジスタ117の温度変化が把握される。温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の特性変化、劣化が測定あるいは観察される。温度情報Tjに基づいて、トランジスタ117の試験の停止、中断、試験条件の変更を実施する。
試験でトランジスタが劣化する箇所は主として、トランジスタ117内の接合部であることが多い。半導体そのものが劣化することは少なく、トランジスタ117の接合部(ボンディング、ダイボンドなど)が劣化し、接合部の抵抗値が高くなる。抵抗値が高くなることにより、電圧Vce(端子間電圧Vi)が高くなり、発熱してトランジスタ117の温度が上昇する。発熱はトランジスタ117の温度を上昇させる。トランジスタ117の温度を測定あるいは取得することにより、トランジスタ117の特性劣化を精度よく把握することができる。
半導体が劣化する場合は、トランジスタ117のゲート酸化膜(絶縁膜)の劣化である場合が多い。ゲート酸化膜の劣化が発生した場合は、酸化膜(絶縁膜)の短絡状態になり、電圧Vceは下がる。または、トランジスタ117がオフ状態となり、トランジスタ117には電流は流れず、電圧Vceは電源電圧の最大値まで上昇する。
温度情報Tjは、試験開始時は、最低温度T1から最高温度T2の間を変化する。試験によりトランジスタ117にストレスがかかると、トランジスタ117のVce電圧が変化し、通常は温度情報Tjが高くなる方向に変化する。
したがって、図5(c)に図示するように、最低温度は、温度T1より上昇し、最高温度は温度情報Tm(Tjmax)に近づく。
本発明の半導体の試験方法では、試験の終了は下記のいずれかの条件で停止する。
・温度情報Tjが所定範囲内から外れた場合。
・チャンネル電圧Vceが所定の電圧範囲から外れた場合。
・熱抵抗が所定の範囲内から外れた場合。
図1などの実施例において、スイッチ回路124a、スイッチ回路124bはスイッチの記号を使用している。スイッチ回路124a、スイッチ回路124bは、クローズ(オン)した時の抵抗(オン抵抗)が小さいものであれば、いずれの素子でもスイッチとして使用できる。例えば、FET、トランジスタ、メカニカルリレー、ホトトランジスタ、ホトダイオードスイッチなどが例示される。
本実施例では、スイッチ回路124a、スイッチ回路124bは、図3に図示するようにパワーMOSFETを使用している。パワーMOSFETはチャンネル間の電圧(Vsd)が小さい。
スイッチ回路Ssa、スイッチSsbはパワーMOSFETだけでなく、パワートランジスタなどであっても良いことはいうまもない。
パワーMOSFET124bのオン時のチャネル電圧(Vsdb)は、パワーMOSFET124aのオン時のチャネル電圧(Vsda)以下となるものを選定する。つまり、パワーMOSFET124bのオン時のチャネル電圧(Vsdb)は、パワーMOSFET124aのオン時のチャネル電圧(Vsda)よりも小さくなるようにする。スイッチ回路124bがオンした時、完全に電流電源装置121aの端子間を短絡して、電流Imを安定して流すためである。スイッチ回路124bをオンさせることにより、電流電源装置121の端子間、トランジスタ117等の半導体素子の端子間に電荷が放電させることができる。電荷の放電により、突入電流、サージ電圧の発生を抑制できる。
以上の事項は、スイッチ回路124がパワートランジスタなどの場合も同様である。パワートランジスタ124の場合は、チャンネル電圧はVceとなる。
図4は、実施例における本発明の半導体素子の試験方法の説明図である。図4においてVgsは、試験をするトランジスタ117のゲート端子に印加するゲート信号である。Idは試験時にトランジスタ117に流す電流である。説明を容易にするため、トランジスタ117がオン時に定電流Iaを流すとしている。
図4(c)St1はダイオードDiに電流Icを流すタイミング信号であり、St1がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDiに電流が流れる。オペアンプ回路116はダイオードDiの端子間電圧Viを取得し、温度測定回路115は端子間電圧Viを温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ111に送られ、コントローラ111は温度情報Tjにしたがってトランジスタ117の試験を実施する。
なお、時間tに対する端子間電圧Viを測定し、特性式に代入等して試験電流Idの遮断直後のトランジスタ117の温度を推定等する実施れは、図15、図20等で説明をしている。
試験電流Idは試験を行うトランジスタ117に流れる電流であり、電流電源装置121が出力する電流である。St1、St2は温度測定用のダイオードあるいはトランジスタに測定用の定電流Icを流す時間あるいは温度の測定時間である。
図4(e)において、Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ信号、図4(f)Ssbはスイッチ回路124bのオンオフ信号である。
スイッチ回路(Ssb)124bは、スイッチ回路Ssa124aとの関係を示す通り、スイッチ回路124aがオフ(オープン)する前のta2期間からスイッチ回路124bをオン状態にさせる。スイッチ回路124bは、試験電流Idをスイッチ回路124aで遮断する以前に、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124bをスイッチ回路124aのオープンよりも前にオンさせることにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
スイッチ回路124bは、スイッチ回路124aのオフ後も、ta1期間の間、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124aのオープン後に、ta1期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
ta2期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。ta1期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。
以上の実施例では、スイッチ回路124aで試験電流Idを遮断するとしたが、トランジスタ117のゲート端子gに印加するオン電圧をオフ電圧とすることによっても、試験電流Idを遮断することができる。図4のゲート電圧Vgsにオン電圧(Vg)をオフ電圧(0V電圧、またはVt電圧)にすることにより、トランジスタ117がオフとなり、試験電流Idが遮断される。Vt電圧に変化した時(ton->toff)には、スイッチ回路Ssbはオン期間のta1である。
トランジスタ117のゲート端子gにオフ電圧と印加する前(以前に)、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制することができる。また、トランジスタ117のゲート端子gにオフ電圧を印加後、所定期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制することができる。
以上の事項は、スイッチ回路124aにより、試験電流Idを供給する前の期間においても適用される。
スイッチ回路(Ssb)124bは、スイッチ回路Ssa124aとの関係を示す通り、スイッチ回路124aがオン(クローズ)する前のtb2期間からスイッチ回路124bをオンさせる。スイッチ回路124bは、試験電流Idをスイッチ回路124aで供給する以前に、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124bをスイッチ回路124aのクローズよりも前にオンさせることにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
スイッチ回路124bは、スイッチ回路124aのオン後も、tb1期間の間、オン(クローズ)状態を保持させる。スイッチ回路124aのクローズ後の、tb1期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
tb2期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。tb1期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。
以上の実施例では、スイッチ回路124aで試験電流Idを供給するとしたが、トランジスタ117のゲート端子gに印加するオフ電圧からオン電圧とすることによっても、試験電流Idを供給することができる。図4のゲート電圧Vgsにオフ電圧(0V電圧またはVt電圧)をオン電圧(Vg電圧)とすることにより、トランジスタ117がオンとなり、試験電流Idが供給される。Vg電圧に変化した時(toff->ton)前には、スイッチ回路Ssbはオン期間のtb2である。トランジスタ117のゲート端子gにオン電圧を印加する前(以前に)、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。また、トランジスタ117のゲート端子gにオン電圧を印加後も所定期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
tb2期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。tb1期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。
以上の事項は、図5、図6、図12、図14、図20、図21、図34、図35、図36、図42、図43の実施例おいても適用できることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例に適用できることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。
図4(g)Vceはトランジスタ117のc端子の電圧(トランジスタ117のチャンネル電圧)、温度情報Tj(端子間電圧Vi)は測定されたトランジスタ117の温度変化を示す。
図4(a)に図示するように、ゲートドライバ回路113からゲート信号Vgsがトランジスタ117のゲート端子gに印加される。ゲート信号Vgsは周期時間tcycle、オン時間tonである。周期時間tcycle、オン時間tonはゲート信号制御回路112で任意の値に設定することができる。また、オン電圧Vgも任意の電圧に設定することができる。
オン電圧は、試験電流Idの印加または供給時と、定電流Icの印加または供給時とを変化あるいは可変させる。また、オフ電圧も、試験電流Idの印加または供給時と、定電流Icの印加または供給時とを変化あるいは可変させてもよい。
図4(d)St2は図7に示す実施例において、ダイオードDsa、ダイオードDsbに電流Icを流すタイミング信号である。St2がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDsaまたはDsbに電流が流れる。トランジスタ117と独立したデバイス(ダイオード)に定電流Icを流して温度情報Tjを取得する場合である。
オペアンプ回路116はダイオードDsaまたはDsbの端子間電圧を取得し、温度測定回路115は端子間電圧を温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ111に送られ、コントローラ111は温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の試験を実施する。なお、St2に関連する事項は、図7等で説明する。
理解を容易にするため、測定された温度情報Tjは図4(h)で示すように、T1からT2の間を変化するとして説明する。温度情報Tjはトランジスタ117に通電されることにより高くなり、通電する電流が停止すると低下する。また、温度情報Tjはトランジスタ117の特性変化にともなって変化する。
図4(e)Ssaはスイッチ回路Ssaのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsaがVonになるとスイッチ回路Ssaがクローズ(オン)する。0の場合は、スイッチ回路Ssaがオープン(オフ)になり、電流あるいは電圧の印加が遮断される。
図4(f)Ssbはスイッチ回路Ssbのオンオフ制御信号のタイミングを示す。SsbがVonになるとスイッチ回路Ssbがクローズ(オン)する。0の場合は、スイッチ回路Ssbがオープン(オフ)になる。
図4(g)Vceはトランジスタ117のチャンネル電圧(エミッタ端子とコレクタ端子間の電圧)である。トランジスタ117のオンオフにともなって、サージ電圧、ザージ電流が発生し、また、トランジスタ117のオン抵抗の変化にともないVce波形が時間的に複雑に変化する。また、ダイオードDiに定電流Icが流れることにより、トランジスタ117のVce波形は変化する。
本明細書、図面では、説明を容易にするため、あるいは作図を容易にするため、トランジスタ117がオンの時は電圧Vnになるとし、トランジスタがオフの時は電圧Veになるとして説明をする。
ゲート信号は、周期tcycle、オン時間ton、オフ時間toffで試験をするトランジスタ117のゲート端子に印加される。
ゲート信号Vgsはトランジスタ117がNチャンネルの場合は、グランド(接地)電圧0Vがオフ電圧であり、Vgがオン電圧である。トランジスタ117がPチャンネルの場合は、オン電圧の電位とオフ電圧の電位を変更する。
トランジスタ117をオンする前のtn2期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にする。また、トランジスタ117をオフ後のtn1期間は、オフ電圧よりもマイナス側のVt電圧にする。
Vt電圧は、0Vよりも低く、-4Vよりも高い電圧である。したがって、Vtとは、-4V以上かつ0Vよりも低い電圧である。
Vt電圧は図40、図41(b)で、オン電圧をV1aからV1bに変化させているのと同様に、図41(d)のVnからV0に、あるいはV0からVnに、図41(b)と同様に変化させることができる。
本発明は、トランジスタのオフ電圧は、0VとVtの2つの電圧として説明している。本発明の半導体試験装置は、オフ電圧を任意に設定し、可変することができる。ゲート信号制御回路112の指示値に基づいて、ゲートドライバ回路113から出力されるゲート信号のオン電圧、オフ電圧を可変、設定することができる。
図37、図38、図39では、オン電圧をV1電圧から変化させている。図40、図41(b)では、オン電圧をV1aからV1bに変化させている。本発明は、オフ電圧についても、図41(d)のVnからV0に、あるいはV0からVnに、図41(b)と同様に変化させることができる。
なお、トランジスタ117がSiCの場合はオフ電圧をVt電圧とし、IGBTの場合は、オフ電圧を0Vとする。以上のように、試験するトランジスタ117の種類に応じて、トランジスタ117に供給するオフ電圧を変更できるように本発明の半導体試験装置を構成している。
Vt電圧が印加されている時に、St1(St2)をHレベルにしてトランジスタ117の温度を測定する。Vt電圧を印加している期間にダイオードDiに定電流Icを流す。また、St1(St2)のHレベルに期間には定電流Icを流す。
トランジスタ117のゲート端子にVt電圧が印加されることにより、トランジスタ117のオフ状態が安定し、温度情報Tjの測定を安定して実施することができる。また、温度情報Tjの測定時にノイズが乗りにくく、温度情報Tj(端子電圧Vi)の測定精度が向上する。
トランジスタ117のゲート端子にVt電圧を印加することにより、トランジスタ117のリーク電流が減少し、端子間電圧Viの測定精度が向上、また測定が安定する。
ゲート信号Vgsは、tn1、tn2の時間にVt電圧にされる。一例としてtn1、tn2の時間は、0.2m秒以上2m秒以下の時間である。トランジスタ117は0Vでオフする。
したがって、トランジスタ117のゲート端子gには、Vg、0V、Vtの3電圧を印加する。Vtを印加している期間に、トランジスタのダイオードDiに電流を流して温度情報Tjを測定する。
ダイオードDiに定電流Icを流すときには、スイッチ回路Ssaをオフして、電流電源装置121aからの電流がトランジスタ117に印加されないように制御する。
ダイオードDiに定電流Icを流すことにより、ダイオードDi等の端子間電圧Viを取得し、オペアンプ回路116は端子間電圧に対応する端子間電圧Viを出力する。端子間電圧Viは温度測定回路115に入力され、温度測定回路115はトランジスタ117の温度に対応する温度情報Tjを求める。
温度情報Tjはコントローラ111に転送され、コントローラ111は温度情報Tjに基づいてトランジスタ117の試験の継続、停止、条件変更など、トランジスタ117の試験を制御する。
図4(e)Ssaはスイッチ回路124aのオンオフ制御するタイミング信号である。図4(f)Ssbはスイッチ回路124bのオンオフ制御するタイミング信号である。
スイッチ回路124aは、トランジスタ117のVgs信号がVgになってから、tm2時間遅れてオンする。tm2時間はコントローラ111により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124aがオンする前のtb2時間前にスイッチ回路124bがオンする。スイッチ回路124aがオンしてからtb1時間後までスイッチ回路124bのオン状態は維持される。tb2時間、tb1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、tb1の設定は重要である。tb1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察して、適正に設定あるいは変更する。
スイッチ回路124aは、トランジスタ117のVgs信号がVtになるtm1時間前にオフする。tm1時間はコントローラ111により変更設定できるように構成されている。
スイッチ回路124aがオフする前のta2時間前にスイッチ回路124bがオンする。スイッチ回路124aがオフしてからta1時間後までスイッチ回路124bのオン状態は維持される。ta2時間、ta1時間は独立して変更設定できるように構成されている。
特に、ta1の設定は重要である。ta1の時間は、トランジスタ117のVce電圧の波形を観察あるいは測定して、適正に設定あるいは変更する。
スイッチ回路Ssbがオンすることにより、電流電源装置121aの出力端子がグランド(接地ライン)と短絡し、電荷が放電される。電荷が放電されることにより電流電源装置121aの端子電圧は0V(グランド電圧)となる。また、電流電源装置121aが出力する電流Iaを、電流Imとして接地(グランド)へ流す。したがって、電流Iaはトランジスタ117に印加されることはなく、また、トランジスタ117のコレクタ電圧が上昇することはない。
tb2時間は、電流電源装置121aの出力電圧が0Vあるいは0V近傍になる時間、あるいは、電流電源装置121aの出力電圧の方が、トランジスタ117のコレクタ電圧よりも低くなる時間を観察あるいは測定して設定する。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(tb2経過後)で、スイッチ回路124aをオンさせて、電流電源装置121aからの電流Ia(=Id)を印加する。しかし、このときは、スイッチ回路124bがオンしているため、電流電源装置121aからの電流Ia(=Id)は、スイッチ回路124bを介して電流Imとしてグランド(接地ライン)に流れる。したがって、トランジスタ117には試験電流Idは流れない。
スイッチ回路124aがオンしてから、tb1時間経過後、スイッチ回路124bがオフし、試験電流Idがトランジスタ117に供給される。
試験電流Idは、図4のように、スイッチ回路124aに同期して、トランジスタ117に供給される。
以上のようにスイッチ回路124a、124bを動作させることにより、トランジスタ117にはサージ電圧Vsあるいは突入電流Isが印加されない。または、サージ電圧Vsあるいは突入電流Isが抑制され、良好なトランジスタ117の試験を実施することができる。
トランジスタ117への試験電流Idの停止時は、スイッチ回路124aのオフさせるta2前にスイッチ回路124bをオンさせる。スイッチ回路Ssbを介して、電流電源装置121aが出力する定電流Iaは電流Imとしてグランドに流れ、トランジスタ117には供給されない。
ta2時間は、電流電源装置121aの出力電圧が0Vあるいは0V近傍になる時間、あるいは、電流電源装置121aの出力電圧の方が、トランジスタ117のコレクタ電圧よりも低くなる時間を観察して設定する。
上記の電圧の関係が所定値になった時刻(ta2経過後)で、スイッチ回路124aをオフさせる。スイッチ回路124aがオフしてから、ta1時間経過後、スイッチ回路124bがオフされる。
以上のようにスイッチ回路124a、124bを以上のように動作あるいは制御することにより、トランジスタ117にはサージ電圧Vsあるいは突入電流Isが印加されない。または、サージ電圧Vsあるいは突入電流Isが抑制され、良好なトランジスタ117の試験を実施することができる。
一例として、温度情報Tjは、(Vi-B)/Aで求められる。A、Bは試験をするトランジスタの温度に対する端子間電圧Viの測定により、あらかじめ求めておく。したがって、温度情報TjはViに比例する値である。A、Bは試験をするトランジスタのロットでは共通の値になる。端子間電圧Viが大きくなれば、温度情報Tjは端子間電圧Viに比例して変化する。端子間電圧Viはトランジスタ117等の温度を示す。この温度に関するデータが温度情報Tjとなる。
トランジスタ117に試験電流Idが供給されることにより、温度情報Tjは上昇する。トランジスタ117への試験電流Idが停止することにより、温度情報Tjは下降する。温度情報TjはT1とT2間を変動する。試験によりトランジスタ117の特性が変動すると温度情報Tjは徐々に上昇する。
一定値の電流Idをトランジスタ117に印加するには、電流電源装置121aを動作させ、トランジスタ117に電流Id(=Ia)を印加する。
温度測定の定電流Icをトランジスタ117のコレクタ端子cからエミッタ端子eの方向に流すときは、試験電流Idと定電流Icの方向が同一方向のため、サージ電圧は発生し難い。したがって、スイッチ回路124bをオンさせて、放電せずともよい。つまり、スイッチ回路124bはオープンの状態(スイッチ回路124bは不要)で、スイッチ回路124aをオフさせて、定電流回路118から定電流Icをトランジスタ117に供給する。定電流Icを供給した状態で、温度測定回路115は、トランジスタ117のVce電圧を測定する。
図1、図5などに図示するように、ゲートドライバ回路113の可変抵抗回路125の抵抗値も設定することができる。抵抗値を大きくすることにより、ゲート信号Vgsの立ち上がり/立ち下がり波形は、図5(a)の点線あるいは一点鎖線のように変化させることができる。
ゲート信号Vgsの変化あるいは設定により、トランジスタ117に流れる試験電流Idは図5(b)に図示するように、点線あるいは一点鎖線のように変化させることができる。
電流Idの立ち上り波形、立ち下り波形を変化させることにより、サージ電圧Vsあるいは突入電流Isを調整あるいは抑制することができる。
端子間電圧Viは図5(c)に図示するように、試験によりトランジスタ117の特性が変化するにともなって、実線から点線、点線から一点鎖線に変化する。端子間電圧ViがVmのレベルに達した時に試験を停止する。あるいは、端子間電圧Viの変化割合が所定値になったときに試験と停止する。また、試験条件を変更する。
図6に図示するように、スイッチ回路Ssa(スイッチ回路124a)がオフ状態の時に、St1信号をHにして、温度情報Tj(端子間電圧Vi)を測定する。St1信号は、ゲート信号がVtの時に、Hレベルにする。tn2期間で、tc2の期間にHレベルにして、温度情報Tjを測定する。tn1期間で、tc1の期間に端子間電圧Viを測定して、温度情報Tjを取得する。
tc2の期間に取得した温度情報Tjは、トランジスタ117が冷却された時点の温度情報Tjとなる。tc1期間に取得した温度情報Tjは、トランジスタ117に電流Idを停止した直後の温度情報Tjとなる。
試験の停止、条件変更、制御の変更などは、tc2の期間に測定した温度情報Tjと、tc1期間に測定した温度情報Tjで判断する。
tc1期間に測定した温度情報Tjがtc2の期間に測定した温度情報Tjに比較して変化率が大きい場合、tc1期間に測定した温度情報Tjがtc2の期間に測定した温度情報Tjとの絶対値の差が大きい場合等、測定値温度情報Tjに対応して、試験を制御、変更する。
また、tc2の期間に測定した温度情報Tjが標準値と所定値が異なっていると場合、トランジスタ117の接続状態、試験装置に問題があるかを判定し「試験を開始せず」の判断などを行う。
tc2あるいはtc1期間に、Viを複数回測定し、Viに対する温度情報Tjを求める。
図7の実施例では、図4(d)のSt2信号のタイミングで温度情報Tjを測定する。スイッチ回路Ssa(スイッチ回路124a)がオフ状態の時に、St2信号をHにして、温度情報Tjを測定する。tn2期間で、tc2の期間にHレベルにして、温度情報Tjを測定する。tc1の期間は、tonの期間、tn1の期間にいずれの期間に温度情報Tjを測定してもよい。tc2の期間に測定した温度情報Tjと、tc1期間に測定した温度情報Tjは、平均を取り、温度情報Tjを求める。
tc2あるいはtc1期間に、Viを複数回測定し、Viに対する温度情報Tjを求める。図4の他の信号あるいはスイッチの動作は、図1で説明した実施例と同一あるいは同様である。
以上の実施例は、トランジスタ117に付加する、あるいは形成されたダイオードで温度情報Tjを測定する実施例であった。
図7は本発明の実施例における半導体試験装置の説明図である。図7の実施例では、トランジスタ117にトランジスタとは接続されていない(独立した)ダイオードDsが形成された実施例である。
ダイオードDsaは定電流Icを流す向きに形成されている。ダイオードDsbは定電流Ic’を流す向きに形成されている。定電流回路118(Pc)は定電流Icおよび定電流Ic’を発生する。
ダイオードDsa、ダイオードDsbは温度測定用のダイオードである。ダイオードDsa、ダイオードDsbの構造は、図1のダイオードDiと類似あるいは同一である。
ダイオードDiがトランジスタ117の端子(c、e)と接続されているのに対して、ダイオードDsa、ダイオードDsbはトランジスタ117の端子とは接続されておらず、独立した端子に接続されている点、ダイオードDiは図4(c)のSt1のタイミングで温度情報Tjが測定されるのに対し、ダイオードDsa、ダイオードDsbは図4(d)St2のタイミングで温度情報Tjが測定される点以外は、同一動作あるいは同一構成である。ダイオードDsa、ダイオードDsbの端子間電圧Viが温度情報Tjである。
図7の実施例では、トランジスタ117に電流Idを流している状態でもダイオードに定電流Icを流すことができる。したがって、温度情報Tjを測定する時間を自由に設定することができる。図4(d)に図示するように、tc1、tc2の位置を設定することができる。
ただし、tc2にあっては、図4(d)に示すように、ゲート信号がVtの期間に配置あるいは設定する。tc2の期間で測定する温度情報Tjは、トランジスタ117が動作前の値として使用する。tc1の期間は、トランジスタ117の試験電流Idを停止する直前が好ましい。なお、試験電流Idの停止した直後でもよい。直前、直後とは1m秒以内の時間とすることが好ましい。
図4(d)のSt2はダイオードDs(Dsa、Dsb)の定電流Ic(または定電流Ic’)を流すタイミング信号である。
St2がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDs(Dsa、Dsb)に電流が流れる。オペアンプ回路116はダイオードDsの端子間電圧を取得し、温度測定回路115は端子間電圧を温度情報Tjに変換する。
温度情報Tjはコントローラ111に送られ、コントローラ111は温度情報Tjにしたがってトランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御を変更する。
St2がHレベルの時に、定電流回路118は定電流Icを流し、定電流IcはダイオードDsaに流れる。また、定電流回路118は定電流Ic’を流し、定電流Ic’はダイオードDsbに流れる。定電流Icまたは定電流Ic’により、ダイオードDsに端子間電圧Viが発生する。
定電流Icと定電流Ic’は同一の大きさの電流である。ただし、ダイオードDsaとダイオードDsbの閾値電圧が異なる場合、ダイオードDsaとダイオードDsbの特性が異なる場合などは、定電流Icと定電流Ic’の大きさを異ならせることが好ましい。
オペアンプ回路116はダイオードDsaまたはDsbの端子間電圧Viを取得し、温度測定回路115は端子間電圧Viを温度情報Tjに変換する。一例としてTj=(Vi-B)/Aである。温度情報Tjはコントローラ111に送られ、コントローラ111は温度情報Tjにもとづいてトランジスタ117の試験を実施する。
定電流Icを流して求めたTjと、定電流Ic’を流して求めた温度情報Tjとは、平均値をとる、あるいは重みづけ処理を行い、1つの温度情報Tjの値とする。この温度情報Tjを用いて、コントローラ111はトランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御を変更する。
他の事項は、本明細書、図面で説明した事項あるいは内容と同一あるいは類似であるので説明を省略する。
本発明はその要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
図8は本発明の実施例における半導体試験装置の説明図である。図8において、トランジスタ117のゲート端子とエミッタ端子間にダイオードDia、ダイオードDibが形成されている。
ダイオードDia、ダイオードDibは寄生ダイオードとしてトランジスタ117の形成にともない形成される。また、トランジスタ117の温度測定のために付加的に形成される場合もある。なお、ダイオードDiaとダイオードDibの両方が形成される場合もあるが、一方の場合もある。
トランジスタ117のゲート端子には、スイッチ回路124cが形成または配置される。スイッチ回路124cはアナログスイッチ、メカニカルリレー、ホトMOSスイッチなどが例示される。
端子間電圧Viを測定する(温度情報Tiを求める)タイミングは、図4(c)のSt1で実施される。スイッチ回路Ssa(スイッチ回路124a)がオフ状態の時に、St1信号をHにして、端子間電圧Viを測定して、温度情報Tjを取得する。St1信号は、ゲート信号がVtの時に、Hレベルにする。tn2期間で、tc2の期間にHレベルにして、端子間電圧Viを測定して、温度情報Tjを取得する。tn1期間で、tc1の期間に端子間電圧Viを測定して、温度情報Tjを取得する。tc2の期間に取得した温度情報Tjは、トランジスタ117が冷却された時点の温度情報Tjとなる。tc1期間に取得した温度情報Tjは、トランジスタ117に電流Idを停止した直後の温度情報Tjとなる。
ダイオードDiaは定電流Icを流す向きに形成されている。ダイオードDibは定電流Ic’を流す向きに形成されている。定電流回路118は定電流Icおよび定電流Ic’を発生する。
ダイオードDia、ダイオードDibは温度情報Tjを取得するためのダイオードである。ダイオードDia、ダイオードDibは、図1のダイオードDiと類似である。ダイオードDiがトランジスタ117のコレクタ端子とエミッタ端子と接続されている。ダイオードDia、ダイオードDibはトランジスタ117のベース端子とエミッタ端子は接続されている。
図8の実施例では、トランジスタ117に電流Idを流していない状態でもダイオードに定電流Icを流す。
図4(c)のSt1はダイオードDi(Dia、Dib)に電流Ic(または電流Ic’)を流すタイミング信号である。
St1がHレベルの時、トランジスタ117のダイオードDiに電流が流れる。ダイオードDi(Dia、Dib)に電流Ic(または電流Ic’)を流す時は、スイッチ回路124cをオープン(ハイインピーダンス)にする。スイッチ回路124cをオープンにした状態で、ダイオードDiに定電流Icまたは定電流Ic’を流す。
オペアンプ回路116はダイオードDiの端子間電圧Vi(トランジスタ117のゲート端子とエミッタ端子間の電圧)を測定し、温度測定回路115は端子間電圧Viを温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ111に送られる。コントローラ111は温度情報Tjによってトランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御を変更する。
図4(c)のようにSt1がHレベルの時に、定電流回路118は定電流Icを流し、定電流IcはダイオードDiaに流れる。また、定電流回路118は定電流Ic’を流し、定電流Ic’はダイオードDibに流れる。
なお、定電流Icと定電流Ic’は同一の大きさの電流である。ただし、例えば、ダイオードDsaとダイオードDsbの閾値電圧が異なる場合、ダイオードDsaとダイオードDsbの特性が異なる場合などは、定電流Icと定電流Ic’の大きさを異ならせることが好ましい。
オペアンプ回路116はダイオードDiaまたはDibの端子間電圧Viを取得し、温度測定回路115は端子間電圧を温度情報Tjに変換する。温度情報Tjはコントローラ111に送られ、コントローラ111は温度情報Tjにもとづいてトランジスタ117の試験を実施あるいは継続する。
定電流Icを流して求めた温度情報Tjと、定電流Ic’を流して求めた温度情報Tjとは、平均値をとる、あるいは重みづけ処理を行って、1つの温度情報Tjの値とする。この温度情報Tjを用いて、コントローラ111はトランジスタ117の試験を実施あるいは停止あるいは制御方法を変更する。
図9は本発明の実施例における半導体試験装置の説明図である。図1との差異は、ダイオード接続されたトランジスタ117sが試験を行うトランジスタ117mに流す試験電流Idの経路に配置されている点である。他の箇所は同一であるので説明を省略する。
トランジスタ117sは一例として、試験を実施するトランジスタ117と同一のトランジスタである。トランジスタ117sのゲート端子とコレクタ端子は接続され、トランジスタ117sは等価的にダイオードDとみなせる。
スイッチ回路124bがオンすると電流Imが流れ、電流電源装置121aの電荷を放電する。あるいは、電流電源装置121aが出力する電流Iaはスイッチ回路124bを介して、グランドに流す。
試験をするトランジスタ117mに突入電流Isが流れるとトランジスタ117mを突入電流Isあるいはサージ電圧Vsの発生によって、トランジスタ117mが破壊する。突入電流Isあるいはサージ電圧Vsの発生することを防止するため、スイッチ回路124a、124bのオンオフ制御、オンオフ順序を制御する。特に、124bのオンさせることにより、トランジスタ117の端子間の電荷、電圧が放電され、サージ電圧Vs、サージ電流Isの発生を抑制できる。
周期tcycleを速くして、トランジスタ117mの試験を実施する場合、スイッチ回路124a、スイッチ回路124bのオンオフを高速に実施する必要がある。この場合、スイッチ回路124のオンオフタイミングにより、突入電流Isあるいはサージ電圧Vsが発生する場合がある。
トランジスタ117のコレクタ端子の電圧Vmの電圧が、電流電源装置の出力部の電圧Vpよりも高ければ、試験電流Idは電流Imとしてグランドに向かって流れ、トランジスタ117mには流れないか、わずかとなる。
Vm > Vpの関係を作るため、図9に示す実施例では、ダイオード接続したトランジスタ117sを試験電流Idの経路に配置している。トランジスタ117sに試験電流Idが流れる場合、トランジスタ117sのチャンネル電圧分だけ、電圧Vmに積み上がる状態になる。したがって、電圧Vpは、電圧Vmより低い状態となり、トランジスタ117mに突入電流Isは印加されなくなる。トランジスタ117mが突入電流Isあるいはサージ電圧Vsで破壊することはない。
図10は本発明の実施例における半導体試験装置の説明図である。図1の実施例との差異は、図1のトランジスタ117にはダイオードDiが配置されているのに対し、図10の実施例ではダイオード接続されたトランジスタ117dが形成または配置されている点である。トランジスタ117dのゲート端子gとコレクタ端子cとが接続されている。他の事項等については、図1の実施例等と同一あるいは類似であるので説明を省略する。
トランジスタ117dのゲート端子とエミッタ端子は接続され、トランジスタ117dは等価的にダイオードとみなせる。
トランジスタ117mの試験時は、定電流Icは、チャンネル電流Idが流れていない時にトランジスタ117dに流す。つまり、トランジスタ117がオンしていない時に、定電流Icを流してトランジスタ117dの端子間電圧を測定する。
オペアンプ回路(バッファ回路)116は、トランジスタ117dの端子間電圧Viを出力する。
温度測定回路115を保持されている温度情報Tj(A、B)と端子間電圧Viから、試験を実施しているトランジスタ117の温度情報Tjを求める。求められた温度情報Tjはコントローラ111に送られる。コントローラ111は、温度情報Tjが所定設定値以上のなった場合、トランジスタ117が所定のストレス状態となったと判断して試験の停止、あるいは試験の制御条件の変更などを行う。
図11は本発明の実施例における半導体試験装置の説明図である。電流電源装置121a、電流電源装置121bは、トランジスタ117を試験するための等価的な突入電流Isを発生させる電源装置である。
電流電源装置121は、コントローラ(パーソナルコンピュータ等)111からの制御信号に同期させて電力(電流、電圧)を供給すると共に、供給された電力を用いて前記負荷を設定された定電流または定電圧で駆動する。また、電流電源装置121は、出力する最大電圧値を設定することができる。
スイッチ回路122(SWa122a、SWb122b)は、電流電源装置121が出力する定電流の供給をオン(供給)オフ(遮断)させる。スイッチ回路122は電流制御回路114からの信号に基づき、オン(定電流を出力)またはオフ(定電流を遮断)に設定制御される。
スイッチ回路122a(SWa)は電流電源装置121aの電流経路に配置されている。スイッチ回路122b(SWb)は電流電源装置121bの電流経路に配置されている。スイッチ回路122は、電流制御回路114からの信号に基づき、オン(定電流を出力)またはオフ(定電流を遮断)に設定制御される。
図11では2台の電流電源装置121を図示している。電流電源装置121は2台に限定されるものではない。3台以上の電流電源装置121を保有してもよい。電流電源装置121の台数が増加するほど、多種多様な電流波形Idを発生させることができる。
本発明の実施例において、電流電源装置121として説明するが、電流電源装置121は定電流を出力するものに限定されるものではない。例えば、電流電源装置121が最大電圧を設定し、一定の条件で、設定された最大電圧において、所定の定電流を出力できるように機能させることが例示される。したがって、電流電源装置121は、定電流の出力する装置ではなく、電圧、電流を出力できる電源装置である。
トランジスタ117を現実に使用している状態を想定あるいは調査し、突入電圧Isが発生するように試験装置を構成して、トランジスタ117に印加する電流を制御すればよい。
図12は、本発明の突入電流Isを発生させる方法の説明図である。トランジスタ117のチャンネルに流す試験電流Idを図12(b)に示す。ベース電流I1は電流電源装置(Pa)121aにより定電流Iaとしてトランジスタ117に供給される。
トランジスタ117に供給される定電流Iaはスイッチ回路122a(SWa)122aによりオンオフ制御される。また、オン時間tonはトランジスタ117のゲート端子gに印加されるゲート信号Vgsにより規定される。
tcの期間に、電流電源装置121bから定電流Ibが出力される。定電流Ibはスイッチ回路122b(SWb)122bにより印加時間が制御される。
トランジスタ117には、電流電源装置121aと電流電源装置121bとが出力される定電流(Ia、Ib)が加算されて印加される。
図11に図示するように、本発明の半導体試験装置は、第1の電流電源装置(Pa)121aと、第2の電流電源装置(Pb)121bとを具備する。
半導体素子の試験として、半導体素子に試験電流Idを供給するため電流電源装置として記載しているが、半導体素子に供給あるいは印加するのは、電流に限定されるものではない。電圧であって良い。したがって、電流電源装置とは電圧あるいは電流を印加あるいは供給する電源装置である。
スイッチ回路122、スイッチ回路124は、電流制御回路114によって、オン(クローズ)、オフ(オープン)制御が実施される。電流制御回路114はコントローラ111で制御される。たとえば、電流制御回路114は図20等で説明するタイミング制御を実現する。
スイッチ回路122a(SWa)122aは、周期tcycleの時間中、tonの時間に定電流Iaをトランジスタ117に印加する。なお、ton他のタイミング、電圧あるいは電流波形は、図4、図5、図6、図12、図18、図20、図21、図34、図35、図40、図41、図42、図43等を実施例に適用することができる。あるいはこれらの実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例に適用できることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。
第2の電流電源装置121bが出力する定電流Ibは、第1の電流電源装置121aが出力する定電流Iaと同期して、トランジスタ117に印加される。最初は、定電流Iaと定電流Ibは加算(重畳)されてトランジスタ117に流れ、定電流Ibはtc時間流れる。
なお、実際にトランジスタ117に流れる電流は図4に図示して説明したように他のスイッチで制御されるが、ここでは説明を容易にするために前述のように記載している。
突入電流Is=Ia+Ibとして、トランジスタ117の試験を実施する。図12では、I1=Ia、I2=Is=Ia+Ibとしている。電流Iaの立ち上がりと電流Ibの立ち上がりは同時、あるいは略一致させる。実際には、回路の容量成分などにより、電流波形は点線のようになる。ゲート端子に印加するオン電圧信号についても同様である。
以上の実施例では、第1の電流電源装置(Pa)121aが定電流Iaを出力し、第2の電流電源装置121bが定電流Ibを出力するとしたが、これに限定するものではない。
図6(b)で図示する電流Idを発生できるものであれば、いずれの電流電源装置であってもよい。例えば、1台の電流電源装置121で、定電流I2を出力し、tc時間の経過後、定電流I1(A)を出力し、tonの時間後、電流出力を0(A)とできればよい。
図12(b)の実線で図示する電流Id波形は、回路などに存在する容量、トランジスタ117のオン抵抗の変化により波形が鈍り、点線のような信号波形となる。
突入電流Isにより、トランジスタ117に電流ストレスが印加される。突入電流Isをトランジスタ117が使用される実回路と同等あるいは類似とすることにより、適正な試験を実施できる。
図11の実施例では、主として電流電源装置121が発生する電流を重畳等させることにより、突入電流Isを発生させるとして説明したが、本発明はこれに限定するものではない。
例えば、第1の電流電源装置(Pa)121aと電圧電源装置1として定電圧V1を発生させる。第2の電流電源装置(Pb)121bと電圧電源装置2として定電圧V2を発生させる。定電圧V1または定電圧V2をトランジスタ117の端子cに印加することにより、トランジスタ117に突入電流Isを流すように構成してもよい。定電圧V1は定電圧V2より大きいという関係にする。
突入電流Is、サージ電圧Vsの発生状態、発生時間、発生波形は、スイッチ回路124bを制御することにより、調整あるいは設定することができる。
定電圧V1により、トランジスタ117に電流Iaがトランジスタ117に流れ、定電圧V2の印加により電流Ibがトランジスタ117に流れる。したがって、定電圧V1または定電圧V2の加により、トランジスタ117に突入電流Isを流すことができる。
以上のように、本発明は、試験する半導体素子に突入電流Isを容易に設定して試験を実施できる。したがって、半導体素子に対して実際の使用環境、実際の使用回路を想定してトランジスタ117の信頼性を評価することができる。
図1などにおいて、2台の電流電源装置121を図示している。電流電源装置121は2台に限定されるものではない。3台以上の電流電源装置121を保有してもよい。電流電源装置121の台数が増加するほど、多種多様な電流波形Idを発生させることができる。
1台の電流電源装置121が図6などで図示する電流Id信号を発生できる場合は、1台の電流電源装置121を有すればよいことは言うまでもない。1つの電流電源装置121が、定電流I2を出力し、tc時間の経過後、定電流I1を出力し、tonの時間後、電流出力を0とできれば1台の電流電源装置121でよいことは言うまでもない。
本発明の実施例において、電流電源装置121として説明するが、電流電源装置121は定電流を出力するものに限定されるものではない。例えば、電流電源装置121が最大電圧を設定し、一定の条件で、設定された最大電圧において、所定の定電流を出力できるように機能させることが例示される。したがって、電流電源装置121は、定電流の出力する装置ではなく、電圧、電流を出力できる電源装置である。
図13は、本発明の実施例における半導体試験装置の構成図、および試験方法の説明図である。図13において、電流電源装置121に並列して、試験を行う複数のトランジスタ117(トランジスタ117Q1~トランジスタ117Qn)が接続されている。
図14は、図13の動作を説明する本発明の実施例における半導体素子の試験方法の説明図である。
図14(a)に図示するように、スイッチ回路St1(124s1)~スイッチ回路Stn(124sn)がオンすることにより、トランジスタ117に試験電流Id1~試験電流Idnが流れる。例えば、試験電流Idの印加時間はtonであり、試験電流Id1と試験電流Id2とは時間tcycleの間隔で順次トランジスタ117に印加される。トランジスタ117はオンすることにより、トランジスタ117のチャンネル電圧が順次、変化する(図14(c))。
したがって、たとえば、試験電流Id1と試験電流Id2とは時間的に重なりがない。そのため、電流電源装置121の出力容量は、1つのトランジスタ117の試験に必要とする出力容量でよい。
試験電流Id(Id1~Idn)は重ならないように制御する。また、好ましくは試験電流Id(Id1~Idn)のそれぞれの電流Id間は、1μ(マイクロ)秒以上の間隔をあけることが好ましい。なお、各トランジスタ117に対しては、図4で説明した駆動方法、制御方法を実施する。
各トランジスタ117Qに供給する定電流Icは、スイッチ回路Ssa(Ssa1~Ssan)を順次オンさせて、各トランジスタ117QのダイオードDsに供給する。
ダイオードDsの端子間電圧に対応する電圧Vi(Vi1~Vin)はスイッチ回路Ssa(Ssa1~Ssan)に同期して、セレクタ127によって選択される。例えば、トランジスタ117Q1に電流Icが供給されている時は、セレクタ127はトランジスタ117Q1のダイオードDsの端子間電圧を選択する。トランジスタ117Q3に電流Icが供給されている時は、セレクタ127はトランジスタ117Q3のダイオードDsの端子間電圧を選択する。選択された電圧Viが温度測定回路115に供給される。
他の構成、動作は他の実施例で説明している構成、動作と同様であるので説明を省略する。
図13、図14の実施例においても、図18で説明するオン電圧V1、オン電圧V2を印加する駆動方法あるいは試験方法を適用できることは言うまでもない。
図15、図17は、本発明の実施例における試験方法の説明図である。図15、図17は、横軸を時間のルート(√t)とし、縦軸を求められたジャンクション温度Tjとしている。また、図16は、Tj値を求めるための計算式の説明図である。
パワーサイクル試験において、寄生ダイオード、電圧Vceでの測定等、ターンオフ後の電圧にてジャンクション温度Tjを測定する場合、トランジスタ117のオフ直後はリンギング、サージが発生する。トランジスタ117の端子間電圧Viから、温度情報Tjを求めるため、サージ電圧が発生すると端子間電圧Viが変動する。たとえば、図15に図示するように、端子間電圧Viがリンキングし、求められる温度情報TjのリンキングTjsが発生する。
Tjsは、トランジスタ117のVce電圧から求められる。したがって、Vce電圧にサージが発生していると、Tjsのようにリンキングが発生する。
Tjがリンキングしているときには、正確な測定ができないことを意味する。したがって、温度測定回路115による温度測定タイミングを少し遅延させる必要がある。つまり、Tjのリンキング発生期間をさける必要がある。
Tjのリンキングは、トランジスタ117をオフさせた直後に発生する。リンキングを回避するため、本願発明は、スイッチ回路124bをクローズ(オン)させ、電荷を放電させる。または、電流電源装置121aが出力する電流IdをImとしてトランジスタ117に印加されないようにする。その後、あるいは同時にスイッチ回路124aをオフ(オープン)にする。
スイッチ回路124a等のオープン直後は、Tjs等のリンギングが発生するため、試験電流Idのオフ時間から、所定時間を遅延させた時刻で、温度測定(Vce電圧)を行う。
トランジスタ117への試験電流Idを停止させると、図2の加熱冷却プレート134に熱が逃げ、トランジスタ117が放熱する。トランジスタ117への試験電流Idを停止してから、遅延した時刻では、トランジスタ117は放熱し、トランジスタ117の動作時の温度(Tjmax)より低下する。
図15の実施例は、トランジスタ117への試験電流Idを停止した直後のトランジスタ117の温度(実温度)を推定するため(求めるため)、あるいは実温度(Tjmax)値を推測する方法(求める方法)する方法である。図15の横軸は時間の平方根(√t)としている。
図15に図示するように、スイッチ回路124aあるいはスイッチ回路124bのうち、少なくとも一方がターンオフ直後からの温度遷移は、時間の平方根(√t)に対し直線性がある。
この直線性があることを利用し、図17のA点であるターンオフ点(0)まで延伸して推定値vを求める。
図17に図示するように、ターンオフ後の2点の測定ポイント(t、t)を設定する。tとtの時間は、t = 2 × tとする。
図16に説明するように、t = 2 × t
とすることにより、また、tの電圧値(推定値)をv、t、tの電圧値(測定値)を
それぞれv1、v2とすることにより、
= (2 + √2)・v1 - (1 + √2)・v2
と、簡単な計算で、Vce電圧の推測値vを求めることができる。
は、試験時は、常に演算等を実施し、高速で求める必要があるため、vが高速で、容易に求められることは効果が大きい。
、t時の電圧から、対応するVce電圧(v1、v2)を測定する。
測定されたv1、v2のデータから、下記の計算式にて、Tjmax時の電圧Vce推測値(v)を算出する。
= (2 + √2)・v1 - (1 + √2)・v2
上記から算出したvとK-Factorから、Tjmax推定値を算出する。
以上の実施例は、tとtの時間は、t = 2 × tとした場合である。
= 2 × tの2を変数sとすれば、t = s × tとなる。したがって、v =v1 -(v2 - v1)(√s - 1)/(s - 1)となる。
sの値は、任意の値を設定することができる。sの値は、設定値であり、測定するv2とv1でvを求めればよい。
図15~図17の実施例は、図18の実施例と組み合わせることにより、よりTjmaxの測定精度が向上する。特に試験電流Idの停止直後には、図15の実施例を選択し、それ以降には図21で説明する実施例を実施することが例示される。
図15、図18で説明した事項は、他の実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。
以上の実施例は、測定したv1v2から試験を行う試験電流Idを停止した直後の端子間電圧Vi=v0を求めるものであった。v0から温度情報Tjを取得できる。本発明はこれに限定されるものではない。
トランジスタ117に試験電流Idを流している期間はトランジスタ117が発熱する。トランジスタ117への試験電流Idを停止するとトランジスタ117が放熱して温度が低下する。
トランジスタ117の試験における温度は、トランジスタ117への試験電流Idを停止した直後のトランジスタ117の温度を取得することが好ましい。つまり、トランジスタ117への試験電流Idを停止した直後にトランジスタ117あるいはダイオードDに定電流Icを流して端子間電圧Viを測定できることが好ましい。
しかし、図15等でも説明したように、試験する試験電流Idの停止直後は、サージ電圧、サージ電流が発生して、測定される端子間電圧Viにはリンギングが発生する。そのため、温度情報Tjもリンギングの影響を受けた温度情報Tjsとなり、真の温度情報Tjを取得することができない。つまり、試験電流Idの停止直後のv0を取得することが難しい。
図21は、本発明の実施例における温度情報Tjの取得する方法の説明図である。また、試験電流Idの停止後の端子間電圧Viを求める方法の説明図である。
図21において、縦軸は、端子間電圧Vを示し、試験電流Idの停止直後の推定端子間電圧を1.0として規格値として図示している。横軸は時間であり、理解を容易にするため、時間は無単位としている。特性カーブ(特性式)を求めるための時間tに対する端子間電圧の側的期間は1000m秒以下である。
図21に図示するように、試験電流Idの停止後、定電流IcをダイオードDあるいはトランジスタ117に供給する前に、スイッチ回路Ssb124bをオンさせて電源装置121の端子間あるいはトランジスタ117のチャンネル間(エミッタe-コレクタc間)の電荷を放電させる。
試験電流Idの停止は、スイッチ回路Ssb124aのオフあるいはトランジスタ117のゲート端子にオフ電圧を印加することにより行う。
試験電流Idの停止等によりサージが発生する。試験電流Idの停止直後あるいは短時間後は測定される端子間電圧Viがリンキングする。図15に図示するように求められる温度情報Tjもリンキングした値となり、試験電流Idの停止直後の端子間電圧V0は不安定であり、端子間電圧V0から求められる温度情報Tj0も不安定である。したがって、試験電流Idの停止直後の温度情報Tj0は実測では取得することができない。
リンギングを発生させる突入電流、サージ電圧を抑制するため、スイッチ回路124bをオンさせて、電流経路の電荷を放電させるが、それでも試験電流Idの停止直後は端子間電圧Viは不安定である。
図21に図示するように、トランジスタ117のゲート端子に印加するゲート電圧をオンからオフに変化させた時、あるいはスイッチ回路124bをオン(On)からオフ(Off)に変化した時間を0.0(トランジスタ117の試験電流Idを停止した時間、あるいはスイッチ回路124bをオフした時間)とする。丸印は0.2時間間隔で電圧V(規格値で示す)を測定した結果である。三角印は0.1を初期値(最初の開始時間t)とし、0.2時間間隔で電圧V(規格値で示す)を測定した結果である。
スイッチ回路124bをオンする期間は短時間であり、トランジスタ117の試験電流Idを停止した直後の時間の端子間電圧と、スイッチ回路124bをオフした直後の時間でのトランジスタ117の端子間電圧とは、ほとんど差異がない。
点線は、説明のために、トランジスタ117が試験電流Idの停止直後の端子間電圧Viを1.0とし、時間経過にしたがって、トランジスタ117が放熱するに端子間電圧Jiの変化を模式的に図示したものである。
なお、Viはトランジスタ117の端子間電圧として説明をするが、これに限定するものではない。たとえば、ダイオードD(ダイオードDs、ダイオードDi)の端子間電圧であっても良い。また、端子間電圧Viは試験をする半導体素子等の温度情報Tjに対応する電圧であればいずれのものであっても良い。
時間0.4までは、発生したサージ電圧等の影響で測定された端子間電圧Viが変動するが、時間0.4より後は、点線に沿って丸印と三角印のデータが測定される。時間が経過するにしたがって、トランジスタ117等の端子間電圧Viが低下するのは、トランジスタ117が放熱し、端子間電圧Viが低下するためである。
点線(特性式)は、時間tの関数として電圧V(規格値)を示す。Aは説明を容易とするため、図21では、A=1としているが、実際にはAは時間t=0.0での端子間電圧Viの値であり、トランジスタ117への試験電流Idの停止直後の端子間電圧である。t=0.0の時、Y=A=Viとなる。nは累乗である。つまり、tの「n乗」である。
Yの式は、
Y=A・exp(-1・t^n) (1)
Y=A・10^(-1・t^n) (2)
のいずれかを選択する。
より一般的には、Cは任意の整数あるいは実数とし、
Y=A・C^(-1・t^n) (3)
を選択する。
本実施例では、理解を容易にするため、主として、特性式はY=A・exp(-1・t^n)、または、Y=A・10^(-1・t^n)のいずれかを選択するとして説明をする。
式(1)と式(2)の選択は、一例として図21に示す丸印、三角印に、最小二乗法で残差が少なくなるようにnを変化させて、点線をフィティングさせる。
丸印、三角印は、スイッチ回路Ssb124aをオン(On)からオフ(Off)に変化した時間を基準位置として、各時間tでの端子間電圧Viを測定する。なお、トランジスタ117への試験電流Idの停止した時間を基準と考えても良い。試験電流Idの停止は、スイッチ回路124aをオープンにすること、あるいはトランジスタ117のゲート端子にオフ電圧を印加することによって実施することができる。
理解を容易にするために、丸印は0.2時間間隔で電圧V(規格値で示す)を測定した結果であり、三角印は0.1を初期値とし、0.2時間間隔で電圧V(規格値で示す)を測定した結果としたが、これに限定するものではない。他の時間間隔であっても良い。
多くのVi測定により、点線(特性式あるいは特性カーブ)をフィティングさせるためのnの値、Y=A・exp、Y=A・10^の選択性は向上する。
図21に図示するように、0.0~0.4時間は、測定データである端子間電圧Viがバラツキ易い。バラツキは、サージ電圧、突入電流が影響している。一定範囲時間である0.0~0.4時間の端子間電圧Viの値は点線のカーブを決定するのに、重みづけ係数を使用する。一例として、0.0~0.4時間の端子間電圧Vi値は、重みづけ係数を他の時間帯よりも小さくする。重みづけ係数を小さくすることにより、サージ電圧等で影響を受けた電圧データが点線の近似曲線の与える影響を低減できる。
本発明は、重みづけ係数は変更できるように構成している。重みづけ係数の設定、変更は演算処理回路303で実施する。重みづけ係数を変更することにより、測定される電圧データに応じて、最適に点線カーブをフィティングさせることができる。
図21に図示するように、時間tを変化させて、端子間電圧を測定、各時間での端子間電圧を測定することにより、点線カーブを求める。点線カーブは、測定電圧Viに応じて、Y=A・exp(-1・t^n)または、Y=A・10^(-1・t^n)を選択し、同時にnの値を決定する。
点線カーブから、t=0.0の時の端子間電圧Viを求めることができ、Viから温度情報Tjを取得すること、あるいは求めることができる。
図21では説明を容易にするため、t=0.0の時の電圧Vは規格値として、1.0としている。実測定で、丸印、三角印のデータを測定すると、t=0.0の時に電圧値Vは、試験電流Idを遮断した直後のダイオードDまたはトランジスタのチャンネル間電圧の値もしくは近似する電圧値を示す。もしくは、スイッチ回路124aをオンからオフした直後のダイオードDまたはトランジスタのチャンネル間電圧の値もしくは類似する電圧値を示す。
時間経過とともに、ダイオードDまたはトランジスタのチャンネル間電圧Viを測定し、測定した電圧データは、データメモリ302に記憶される。
図22は、A=1とし、Y=A・10^(-1・t^n)において、一例として、n=3、n=4、n=6とした時のグラフを示す。nの値は、測定時の時間tと測定された電圧データより、決定される値である。nの値が、大きくなるにしたがって、時間tに対するカーブの傾斜角度が大きくなる。なお、A=1としているのは、実施例の説明のためであり、Aは測定時の時間tと測定された電圧データより、決定される値である。
図23は、A=1とし、Y=A・exp(-1・t^n)において、n=3、n=4、n=6とした時にグラフを示す。nの値が、大きくなるにしたがって、時間tに対するカーブの傾斜角度が大きくなる。Y=A・10^(-1・t^n)に対しては、同一のn値に対するカーブの傾斜角度が小さくなる。
したがって、Y=A・exp(-1・t^n)を選択するか、Y=A・10^(-1・t^n)を選択するかで、測定された電圧Viデータ(端子間電圧Vi)をフィティングさせる時間-電圧カーブに適切に一致させることができる。
半導体素子117の試験を開始する前、あるいは事前に、図21で説明したように、時間を変化させて、端子間電圧(トランジスタのチャンネル間電圧Vce、ダイオードD端子間電圧等)を測定する。
測定した端子間電圧から、Y=A・exp(-1・t^n)を選択するか、Y=A・10^(-1・t^n)を選択し、選択したY式に適合するように、点線の曲線を求める。点線の曲線により、n値、A値が算出あるいは取得される。n値は試験中の固定値となる。A値は、時間がt=0.0での端子間電圧Vi(半導体素子117の試験前(特性変化前)の端子間電圧(初期値))となる。
半導体素子117の試験中は、所定の時間tで測定された端子間電圧Vとすれば、A=V/(10^(-1・t^n))あるいは、A=V/(exp(-1・t^n))から、A値が算出される。A値は、時間が0.0での端子間電圧Vi(初期端子間電圧Vi0)となる。端子間電圧Viから温度情報Tj(初期温度情報Tj0)を取得することができる。
通常、A値は半導体試験を実施するにしたがって、半導体素子は劣化(変化)するため、発熱し、トランジスタ117等の端子間電圧Vceが高くなる。端子間電圧Viを測定し、測定したデータから特性カーブ(特性式)のA値を求めることにより、トランジスタ117等の劣化を精度よく把握することができる。A値は、初期端子電圧Vi0からの電圧変化量、電圧変化割合を示す。
A値は、半導体素子の試験中、複数の時間tで端子間電圧Viを測定し、算出あるいは取得することにより、より精度よく試験をする半導体素子の特性変化を把握することができる。データを取得する最小の時間tは、t=0.0に近い方が好ましい。図21で説明したように、サージ電圧の影響等があり、測定される電圧Viがばらつく。t=0.0に近い箇所は、図15、図16、図17、図18等で説明した実施例を実施しても良いことは言うまでもない。つまり、図21の実施例との組み合わせである。
本発明では、Y=A・exp(-1・t^n)、あるいはY=A・10^(-1・t^n)を選択し、n値を求め、また、初期温度情報Tjである初期電圧であるA値を求めておく。そのため、時間tが0.0時間から離れていても、精度よくt=0.0での端子間電圧を推定あるいは取得することができる。
時間t=0.0以外の多数の測定時間tで、多数の端子間電圧Viを測定し、測定された複数の端子間電圧Viから、A値、温度情報Tj値を求め、あるいは修正する、あるいは平均化処理することにより、温度情報Tjの値あるいは初期温度情報Tj0からの変化量を定量的に取得することができる。
時間t=0.0以外の多数の時間tで、端子間電圧を測定し、t=0.0での端子間電圧を算出等すると説明したが本願発明はこれに限定するものではない。t=0.0に限定されるものではなく、たとえば、t=0.1での電圧値を基準電圧とし、t=0.1以上の時間で、端子間電圧を測定し、t=0.1での基準電圧に対する電圧値あるいは電圧の変化量を求め、温度情報Tjを得ても良いことは言うまでもない。
本発明は、Y=A・10^(-1・t^n)の数式において、n値等をあらかじめ求めておき、所定の時間tで端子間電圧を求め、初期のA値(Y値)からの変化あるいは変化量から初期の端子間電圧からの電圧差、電圧変化量から温度情報Tjを取得するものである。
本発明では、Y=A・10^(-1・t^n)としたが、Y=A・10^(-1・t^n)の10は、10に限定するものではない。たとえば、12、16等の他の値の整数であっても良い。また、整数で限定されるものではなく実数であっても良い。
つまり、10の箇所を任意の値Cとし、Y=A・C^(-1・t^n)としても良い。測定したデータから、特性カーブを描き、C、n、Aの値を決定して、点線カーブにフィティングさせれば良い。一般式Y=A・C^(-1・t^n)とすることにより、Y=A・exp(-1・t^n)も、Y=A・C^(-1・t^n)に含まれる。
本発明は、Y=A・10^(-1・t^n)等の数式に、所定時間tで測定された電圧値をフィティングさせるとしたが、数式に限定されるものではない。数式はマクローリン展開したものを用いても良い。また、各時間tに対する電圧データ(Y)を、n、Aに対応してマトリックス状のデータファイルを作成し、各時間tに対するn、Aを決定しても良い。また、数式を用いずとも等価的にn値を算出して固定し、所定時間tで測定された電圧値からA値を求めることができることは言うまでもない。
また、本発明は、特性式Y=A・C^(-1・t^n)に限定されるものではない。トランジスタ117の試験電流Idを停止した時刻、スイッチ回路124bで電荷を放電しスイッチ回路124bをオフした時刻から、試験対象の素子の端子間電圧Viは時間tを変化させて測定し、初期端子間電圧Viを固定値として含む特性式に求め、試験開始後は、所定の時刻tで測定した端子間電圧Viと特性式に代入し、特性式のA値(初期端子間電圧Vi)を、半導体素子の劣化状態の評価として使用するものである。
図24は、Y=A・10^(-1・t^n)の場合において、時間軸tを√tとし、図示化した例である。図22と図24と比較すると、図24の時間軸tを√tにすることによりフィティングさせる特性カーブが緩やかになる。特性カーブが緩やかになることにより、図22に比較して、時間軸√tと特性カーブの電圧Viから、Y=A・10^(-1・t^n)のn、Aを精度よく求めることができる。
図25は、Y=A・exp(-1・t^n)の場合において、時間軸tを√tとし、図示化した例である。図23と図25と比較すると、図25の時間軸tを√tにすることによりフィティングさせる特性カーブが緩やかになる。特性カーブが緩やかになることにより、図23に比較して、時間軸√tと特性カーブの電圧Viから、Y=A・exp(-1・t^n)のn、Aを精度よく求めることができる。
図15、図16、図17、図18等で説明した実施例は、時間軸を√tとしている。図24、図25のように、時間軸√tとすることにより、図15、図16、図17、図18等で説明した実施例と組み合わせができる。
図21、図22、図23、図24、図25の実施例は、図4、図6、図15、図16、図17、図18等で説明した実施例と組み合わせても良いことは言うまでもない。たとえば、図21において0.0~0.4時間の範囲で、図4、図6、図15、図16、図17、図18等で説明した実施例を適用し、0.4時間以上の範囲で、図21等で説明した実施例を適用し、組み合わせることが例示される。
図15、図16、図17、図18等で説明した実施例と、図21等で説明した実施例の両方を実施あるいは演算して、ViあるいはTjを求めて、加算平均を取る実施例が例示される。また、また、図15、図16、図17、図18等で説明した実施例と図21等で説明した実施例とをそれぞれ重みづけ処理をする実施例が例示される。
図19に図示するように、温度測定回路115には、時間tあるいは時間√tで測定された端子間電圧Vi(トランジスタチャンネル間電圧Vce、ダイオード(Ds、Di)端子間電圧)データ(Tdata)が蓄積される。基本的には電圧データ(Tdata)は、端子間電圧Viをデジタル化したものが対応する。
なお、電圧データ(Tdata)は半導体素子の端子間電圧に限定されるものではない。電圧値であれば、いずれのものであっても良い。また、測定値対象が電流の場合は、前記電流を抵抗素子等に流し、抵抗素子の端子間電圧として測定すれば良い。
本発明は時間tと端子間電圧Viの関係を示す特性式を求めることを特徴とする。時間tは、tおよび√tを例示しているがこれに限定されるものではない。tの2乗、1/t等他の時間軸であっても良いことは言うまでもない。
また、特性式は、試験する各半導体素子で求める必要がない場合が多い。半導体素子はロットごとに一定の特性を有していることから、各ロットで一度、特性式を求めておけば、この特性式(特性カーブ)を流用することができる。
電圧データ(Tdata)の蓄積は、試験を開始前あるいは試験開始の初期期間に、複数サイクルにおいて実施される。好ましくは電圧データ(Tdata)の蓄積は、数十サイクルにおいて実施される。
また、電圧データ(Tdata)の蓄積、特性式を求めること、特性式を順次補正することは、半導体素子117の試験中であっても実施しても良いことは言うまでもない。試験中にこれらを実施することにより、より特性式が最適なものとなる。
所定の時間t(あるいは時間√t)で端子間電圧Vi(Tdata)が測定される。測定された端子間電圧Vi(Tdata)と測定時の所定の時間t(あるいは時間√t)は、データメモリ302に記憶される。あるいは、あらかじめ、所定の時間t(あるいは時間√t)で端子間電圧Vi(Tdata)が測定する。
演算処理回路303は、データメモリ302に記憶された端子間電圧Vi(Tdataを用いて演算処理を実施し、図21等で説明した特性曲線を求め、n値、A値、C値を算出あるいは取得する。
必要に応じて、蓄積された電圧データ(Tdata)は、各時間t、または各時間√tの電圧データ(Tdata)が平均化処理される。平均化処理された電圧データ(Tdata)は、図22~図25のいずれかの曲線カーブにフィティングされ、nおよび初期値あるいは測定開始時のAデータを算出あるいは取得する。
半導体素子117の試験モードにおいては、所定の時間tで、Y値としての端子間電圧Viを測定し、初期値Aに対する変化量あるいは差を取得あるいは算出する。
図20は、初期値としてのn、A、また、C値を求めるためのタイミングチャート図および説明図である。
図20(a1)、図20(b1)、図20(c1)は第1の方法による特性カーブの求めるための電圧データ取得のためのタイミングチャート図である。
図20(a2)、図20(b2)、図20(c2)は第2の方法による特性カーブの求めるための電圧データ取得のためのタイミングチャート図である。
図20(a3)、図20(b3)、図20(c3)は第3の方法による特性カーブの求めるための電圧データ取得のためのタイミングチャート図である。
図20(a1)に図示するように、試験電流Idが試験をする半導体素子(トランジスタ)117に流れることにより、トランジスタ117が発熱する。トランジスタ117は劣化等により熱抵抗が高くなるにしたがって、発熱量が増加する。この発熱によるトランジスタ117の温度変化を測定することにより、トランジスタ117の特性変化、寿命を試験あるいは評価することができる。
図20(b1)に図示するように、試験電流Idが遮断されるタイミングあるいは遮断する直前にスイッチ回路124bをt1時間オンさせる。試験電流Idの制御は、トランジスタ117に印加するオン電圧の制御、スイッチ回路124aで制御する。
スイッチ回路124bをオンさせることにより、電源装置121間に端子間、トランジスタ117の端子間の電荷が放電される。あるいは端子間の電圧が0あるいは小さくなる。
スイッチ回路124bをt1時間オンさせ、オフさせたタイミングで図20(c1)に図示するように、トランジスタ117あるいはダイオード(Di、Ds)の端子間電圧Viを測定する。端子間電圧Viはm1時間に測定され、デジタルデータTdataとして、温度測定回路115のデータメモリ302に記憶される。
測定されたデジタルデータTdataはm1期間に1回あるいは複数測定される。複数回Tdataを測定する場合は、m1期間において、等時間間隔で測定される。測定は、図21で説明したように、丸印あるいは三角印のように測定され、測定された電圧データはデータメモリ302に記録される。
丸印あるいは三角印は、測定タイミングが異なるものであると説明するがこれに限定するものではない。丸印あるいは三角印を一度にあるいは順次、連続して測定しても良い。丸印の測定と三角印の測定は測定間の電圧データを補間する。
Tdataの測定は、図20(a1)に図示するように、ts期間後にも同様に実施される。m1期間でのTdataの測定は複数期間、実施される。任意のm1時間でのt時間間隔の測定と、次のm1時間でのt時間間隔の測定とは、タイミングを異ならせることが好ましい。たとえば、任意のm1時間でのt時間間隔の測定では図21の丸印のタイミングでの端子間電圧測定を実施し、次のm1時間でのt時間間隔の測定とは、三角印のタイミングでの端子間電圧測定を実施する。
ts期間は、図12等で説明したtcycleに一致させて、特性カーブ(特性式)を取得することが好ましい。
図4の実施で説明したように、スイッチ回路124bは、試験電流Idの停止前にオンさせることが好ましい。Ssbはスイッチ回路124bのオンオフ信号である。
スイッチ回路(Ssb)124bは、スイッチ回路Ssa124aとの関係を示す通り、スイッチ回路124aがオフ(オープン)する前にスイッチ回路124bをオン状態にさせることが好ましい。
スイッチ回路124bは、試験電流Idをスイッチ回路124aで遮断する以前に、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124bをスイッチ回路124aのオープンよりも前にオンさせることにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
スイッチ回路124bは、スイッチ回路124aのオフ後も、t1あるいはt2期間の間、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124aのオープン後に、所定の期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
トランジスタ117のゲート端子gに印加するオン電圧をオフ電圧とすることによっても、試験電流Idを遮断することができる。ゲート電圧Vgsにオン電圧をオフ電圧(0V電圧、またはVt電圧)にすることにより、トランジスタ117がオフとなり、試験電流Idが遮断される。
トランジスタ117のゲート端子gにオフ電圧と印加する前(以前に)、スイッチ回路124bのオン状態とすることにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制することができる。また、トランジスタ117のゲート端子gにオフ電圧を印加後、所定期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制することができる。
以上の事項は、スイッチ回路124aにより、試験電流Idを供給する前の期間においても適用される。
図4等で説明したように、スイッチ回路(Ssb)124bは、スイッチ回路Ssa124aとの関係を示す通り、スイッチ回路124aがオン(クローズ)する前の期間からスイッチ回路124bをオンさせる。スイッチ回路124bは、試験電流Idをスイッチ回路124aで供給する以前に、オン(クローズ)させる。スイッチ回路124bをスイッチ回路124aのクローズよりも前にオンさせることにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
スイッチ回路124bは、スイッチ回路124aのオン後も、所定期間の間、オン(クローズ)状態を保持させる。スイッチ回路124aのクローズ後の、所定期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
所定期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。
以上の実施例では、スイッチ回路124aで試験電流Idを供給するとしたが、トランジスタ117のゲート端子gに印加するオフ電圧からオン電圧とすることによっても、試験電流Idを供給することができる。
ゲート電圧Vgsにオフ電圧(0V電圧またはVt電圧)をオン電圧(Vg電圧)とすることにより、トランジスタ117がオンとなり、試験電流Idが供給される。トランジスタ117のゲート端子gにオン電圧を印加する前(以前に)、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。また、トランジスタ117のゲート端子gにオン電圧を印加後も所定期間、スイッチ回路124bのオン状態を保持することにより、サージ電圧Vs、突入電流Isを抑制できる。
所定期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。tb1期間は0~10m秒以下の期間である。好ましくは、0~5m秒以下の期間とすることが好ましい。
以上の事項は、図4、図6、図12、図14、図18、図20、図21、図34、図35、図42、図43の実施例おいても適用できることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例に適用できることは言うまでもない。また、本発明の他の実施例と組み合わせることができることは言うまでもない。
演算処理回路303はデータメモリ302のTdataを読み出し、複数回実施されて測定されたTdataは、等時間間隔ごとにTdataが平均化処理される。平均化処理することにより、Tdataのバラツキが小さくなる。演算処理はリアルタイムで実施しても良い。
演算処理回路303は、平均化処理されたTdataから、図21等で示す点線の特性カーブ(特性式)を求め、特性カーブのn、A、また、C値を決定する。一例として、特性カーブ(特性式)は測定データを最小近似法により求める。また、最小二乗法により求める。
n、A、また、C値を決定された特性カーブ式Y=A・C^(-1・t^n)が、トランジスタ117の初期での温度情報Tjを示す。C、nが初期の特性カーブ(特性式)として定数値であれば、Aがt=0での端子間電圧Viを示す。
トランジスタ117の寿命試験等が実施され、試験時間が経過した後に、時刻tで測定された端子間電圧Vは、寿命試験等で変化した値である。初期端子間電圧Vi0-Vが変化した電圧を示す。端子間電圧Vから温度情報Tjが求まる。
図20(c1)でのTdataの測定(取得)は、スイッチ回路124bのオフ直後から実施する。試験をするトランジスタ117に通電状態から遮断状態した直後の温度情報の取得になる。しかし、図21で説明したように、t=0.0の近傍はサージ電圧の影響を受けやすく、Tdataのバラツキが発生する。
t=0.0の近傍では、図15、図16、図17、図18で説明した本発明の実施例との組み合わせることが有効である。
図20(a2)、図20(b2)、図20(c2)は実施例の方法によるタイミングチャート図である。
図20(c2)で図示するタイミングチャートは、Tdataの測定(取得)は、スイッチ回路124bのt1後にW1の時間を経過した後に実施する。
図20(b2)に図示するように、試験電流Idが遮断されるタイミングあるいは遮断する直前にスイッチ回路124bをt1時間オンさせる。スイッチ回路124bをオンさせることにより、電源装置121間に端子間、トランジスタ117の端子間の電荷が放電される。あるいはトランジスタ117のチャンネル間が短絡し、電位差が0になる。
その後、図20(b2)、図20(c2)に図示するように、w1時間の経過後に、Tdataの測定を開始する。w1期間によりサージ電圧あるいはサージ電流が低減してTdataは安定して測定できる。
スイッチ回路124bをt1時間オンさせ、w1期間の経過後、オフさせたタイミングで図20(c2)に図示するように、トランジスタ117あるいはダイオード(Di、Ds)の端子間電圧Viを測定する。端子間電圧Viはm1期間に測定され、デジタルデータTdataとして、温度測定回路115のデータメモリ302に記憶される。データの記憶はリアルタイムであって良いし、バッファ回路に一度記憶してからデータメモリ302に記憶させても良い。また、演算処理回路303による演算処理は、リアルタイムであっても良いし、一連のデータ取得が完了してから実施しても良い。
t1期間は、2m秒以下の短時間が好ましいが、t1時間が短時間の場合、電荷が放電されず、サージ電圧Vsの抑制不足になる場合がある。
測定されたデジタルデータTdataはm1期間に1回以上測定される。m1期間において、等時間間隔で測定される。また、同一のt時間に複数回、端子間の電圧Viを測定し、測定された複数回の電圧Vを平均化処理してViデータすることが好ましい。
なお、等時間間隔に限定されるものでない。ランダムは時間間隔で実施しても良い。測定した電圧データは、電圧データはデータメモリ302に記録される。同一時間tで複数回の電圧データTdataを取得しても良い。複数回の電圧データTdataは演算処理回路303が平均化処理、中央値処理、移動平均化処理等を実施して、データメモリ302に記憶させ、処理される。
Tdataの測定は、図20(a2)に図示するように、ts期間後にも実施される。t3期間は、任意あるいは所定時間に設定できるように構成することが好ましい。ts時間は、トランジスタ117の試験時に実施する試験電流Idのサイクルタイムと一致させることが好ましい。ton期間は、図12等で説明した試験時のton期間と一致あるいは近似させることが好ましい。
m1期間でのTdataの測定は複数期間、実施される。任意のm1時間でのt時間間隔の測定と、次のm1時間でのt時間間隔の測定とは、タイミングを異ならせることが好ましい。
たとえば、任意のm1時間でのt時間間隔の測定では図21の丸印のタイミングでの端子間電圧測定を実施し、次のm1時間でのt時間間隔の測定とは、三角印のタイミングでの端子間電圧測定を実施する。
m1時間の開始タイミングは、t1時間を変化させて設定しても良い。たとえば、t1時間を0.1m秒から200m秒の範囲で設定することが例示される。
各ts時間のタイミング測定されたデータ(端子間電圧、Tdata)は、同一タイミング時間で平均化処理、移動平均化処理が実施される。
図20(a3)、図20(b3)、図20(c3)は実施例の方法によるタイミングチャート図である。図20(c3)と図20(c1)との差異は、スイッチ回路124bのオン時間が長い点である。スイッチ回路124bのオン時間が長いほど電源装置121間に端子間、トランジスタ117の端子間の電荷が放電されて安定する。
スイッチ回路124bをオフ後、図20(b3)、図20(c3)に図示するように、m1期間でTdataの測定を開始する。
スイッチ回路124bをt2時間オンさせた後、図20(c3)に図示するように、トランジスタ117あるいはダイオード(Di、Ds)の端子間電圧Viを測定する。端子間電圧Viはm1期間に測定され、デジタルデータTdataとして、温度測定回路115のデータメモリ302に記憶される。
測定されたデジタルデータTdataはm1期間に1回以上測定される。m1期間において、等時間間隔で測定される。
なお、等時間間隔に限定されるものでない。ランダムは時間間隔で実施しても良い。測定した電圧データは、電圧データはデータメモリ302に記録される。同一時間tで複数回の電圧データTdataを取得しても良い。複数回の電圧データTdataは演算処理回路303が平均化処理、中央値処理、移動平均化処理等を実施して、データメモリ302に記憶され、処理される。
Tdataの測定は、図20(a3)に図示するように試験電流Idを印加後、試験電流Idのオフタイミングに同期して、実施される。t2時間は任意あるいは所定時間に設定できるように構成することが好ましい。ts時間は、トランジスタ117の試験時に実施する試験電流Idのサイクル時間と一致させることが好ましい。
試験を実施するトランジスタ等の半導体素子117を、試験の開始前あるいは事前に図20等で説明した特性カーブの測定を実施し、特性カーブのn、A、C値等を決定する。また、図15等で説明した実施例と組み合わせる。
特性カーブの決定後は、所定のt時刻、あるいは任意のt時刻において、端子間電圧Vi等の電圧値を測定する。m1期間で連続して電圧値を測定し、測定した電圧値より特性式を求める。
特性式の初期値Aと、試験時の時間tで測定した端子間電圧Viとの電位差、電位比率、電圧値、変化割合を求め、あるいは取得して、試験しているトランジスタ117等の評価、特性変化を把握あるいは評価する。
図15、図21等の本発明は、以下の試験装置、試験装置の構成、試験方法においても適用される。
図27は半導体素子117にダイオードが内蔵されていない素子の試験方法の説明図である。トランジスタ117は3端子を有している。この端子をc端子、e端子、g端子とする。
ton時間は、スイッチ回路124aのオン期間、トランジスタ117のゲート端子に印加するオン電圧期間により設定され、また、スイッチ回路124bのオン時間で設定される。
トランジスタ117として、SiCトランジスタ、IGBT、GaNトランジスタ、MOS-FET、バイポーラトランジスタ等が例示される。
トランジスタ117のg端子(ゲート端子、ベース端子)には、ゲートドライバ回路113が接続される。ゲートドライバ回路113の出力電圧は、ゲート信号制御回路112の出力データにより、可変あるいは設定される。
ゲートドライバ回路113から出力されるオン電圧、オフ電圧によりトランジスタ117はオンオフ制御される。トランジスタ117のゲート端子にオン電圧が印加されている時に、試験電流Idが流れる。また、試験電流Idをトランジスタ117に流すときは、スイッチ回路124aをオン(クローズ)させる。スイッチ回路124aをオフ(オープン)させることにより、試験電流Idは停止する。
説明を容易にするため、あるいは理解を容易にするために、ゲートドライバ回路113の出力電圧は、トランジスタ117をオフさせる電圧V0、Vnとし、トランジスタ117をオンさせる電圧V2、V1とする。
各電圧は、任意の電圧に設定することができる。各電圧は、1周期で可変あるいは設定することができる。ゲート信号制御回路112により、短時間で、任意の電圧に設定することができる。
トランジスタ117の初期の温度情報Tj(あるいは端子間電圧Vi)を取得するタイミング、動作、試験電流Idの大きさ等は、トランジスタ117を試験する動作は一致させることが好ましい。
トランジスタ117に流す試験電流Idの大きさ、時間でトランジスタ117は発熱する。また、トランジスタ117に試験電流Idが流れていない時は、冷却される。したがって、図15、図21等で説明した特性カーブと基準として、試験による変化を評価するためには、試験時も同一の試験電流Idの大きさ、時間とすることが好ましい。
特に、図36、図37、図38、図39、図40、図41に図示するように、V1電圧は電圧を高く(b方向)、V1電圧は電圧を低く(a方向)に可変あるいは設定することができる。また、1周期(t2~t6期間)であっても、変化させることができる。
特性カーブのn、C、Aの決定あるいは取得をする際も、図36、図37、図38、図39、図40、図41に図示する駆動方法を採用することができる。
V1電圧を高くすることにより、トランジスタ117のオン抵抗は低くなる。V1電圧を低くすることにおり、トランジスタ117のオン抵抗は高くなる。V1電圧を試験条件にあわせて、所定の電圧に設定することにより、トランジスタ117の試験条件を所定条件に変更あるいは設定できる。g端子電圧を変化させることにより、試験電流Idに対するトランジスタ117の発熱状態を任意に変更あるいは設定することができる。
トランジスタ117に試験電流Idを印加する期間(時間)は、スイッチ回路124aをオン(クローズ)させる。あるいはトランジスタ117のg端子にオフ電圧を印加する。
試験電流Idは電源装置132から供給される。試験電流Idをトランジスタ117に印加するときは、トランジスタ117のg端子にV1電圧を印加して、トランジスタ117をオンさせる。
トランジスタ117に試験電流Idを印加しないときは、スイッチ回路124aをオフ(オープン)させるか、トランジスタ117のg端子にオフ電圧(V0電圧、Vn電圧)を印加する。
トランジスタ117に定電流Icを供給する際は、スイッチ回路507をオン(クローズ)させる。また、トランジスタ117のg端子に、V2電圧を印加してトランジスタ117をオンさせる。
トランジスタ117の試験では、試験電流Idを供給する時、g端子にはV1電圧が印加される。V1電圧は、試験条件により、所定の電圧に設定あるいは操作される。V2電圧は温度情報Tjを求めるときに、トランジスタ117のg端子に印加した電圧である必要がある。したがって、V1電圧を変化しても、V2電圧は、所定の値に固定することが必要である。V2電圧は、V1電圧よりも大きくし、トランジスタ117V2オン状態、または強オン状態にすることが好ましい。
トランジスタ117に試験電流Idを流す時は、トランジスタ117にV1電圧印加する。V1電圧は試験条件に対応させて変化あるいは可変する。
トランジスタ117に定電流Icを流す時は、トランジスタ117のゲート端子にV2電圧を印加して強オンにさせる。あるいは、試験電流Idを流す時に印加しているV1電圧が変化させても、トランジスタ117に定電流Icを流す時では、一定のV2電圧を印加する。トランジスタ117に定電流Icを流す時に、所定のV2電圧とすることにより、温度情報Tj、端子間電圧Viを安定して測定することができる。
本発明の試験装置、試験方法は、トランジスタ117に試験電流Idを供給するときにg端子に印加する電圧と、トランジスタ117に定電流Icを供給するときにg端子に印加する電圧とを任意に設定できることに特徴がある。
定電流Icをトランジスタ117に供給するときは、g端子にV2電圧を印加される。V2電圧は、V1電圧に依存せず、一定の電圧値である。V2電圧は、トランジスタ117の温度情報Tjを得るための電圧である。温度情報Tjは事前に求めた、あるいは設定した温度情報Tjに基づいて得られる。また、特性カーブのn、C、Aに基づいて得られる。
V2電圧はV1電圧以上であることにより、定電流Icを供給する際に、トランジスタ117のオン抵抗が小さくなり、トランジスタ117の発熱が小さくなるから、好ましい。ただし、V2電圧はV1電圧以上に限定されるものでない。温度情報Tj、特性カーブのAを取得あるいは測定する時に、一定のV2電圧とする。
定電流Icが小さくなると、ノイズの影響を受けるため、図26で説明する回路構成、説明構成を実施することが好ましいことは言うまでもない。以上の事項は、本発明の他の実施例においても同様である。
トランジスタ117のパッケージには熱電対等の温度センサ521を取付け、温度センサ521が出力する温度データを取得することが好ましい。温度センサ521により、トランジスタ117の温度を測定することにより、試験で測定あるいは取得された温度情報Tjが異常でないか、想定範囲を超えていないかを判断することができる。
トランジスタ117に試験電流Idが流れていない時に、定電流Icを流し、トランジスタ117等の端子間電圧Viを測定し、初期の特性カーブの定数値Aからの変化割合、変化を取得して温度情報Tjを得る。
温度情報Tjは、トランジスタ117の各生産ロットで異なる場合があるが、一般的には生産ロットで一定の値を示す。したがって、各生産ロットで、試験を行うトランジスタ117を抜き取り、温度情報Tjを求めておけば、他のトランジスタ117の温度情報Tjにも使用できる。特性式も各ロットで、求めておけば、同一ロットで各トランジスタの特性式を求めておく必要はない。
V0電圧からV2電圧の変化、V2電圧からV1電圧の変化、V2電圧からV0電圧の変化を急峻にすると、過渡現象が発生する場合がある。そのため、ゲートドライバ回路113が出力する電圧の変化は緩やかな変化となるように制御する。
精度よく温度情報Tjを取得するには、同じロットでも、各トランジスタ117の温度情報Tjを個別に測定して試験をする。温度情報Tjの測定は、恒温槽の使用に限定されない。例えば、トランジスタ117を実装したヒートシンクに流す水温を変えて温度情報Tjを取得する。
図36に図示するように、定電流回路118か定電流Icとトランジスタ117に供給する期間(t1~t2、t6~t7)にg端子にV2電圧を印加し、トランジスタ117を強オンまたは、オン抵抗が小さい状態に設定する。したがって、V2>V1の関係である。なお、強オンにする電圧V2とは、V1電圧よるも高い電圧である。
V2、V1の電圧により、サージ電圧Vs、突入電流Isの発生状態が異なる。したがって、図20で説明する端子間電圧Viの測定タイミング(t1、t2、m1、w1)を設定、調整する必要がある。本発明は、測定タイミング(t1、t2、m1、w1)を設定、調整できることに特徴がある。
図36において、t1~t2、t6~t7がトランジスタ117のチャンネル間電圧(c端子-e端子間電圧)である端子間電圧Viを測定(取得)し、温度情報Tjを得る期間である。
端子間電圧Viを測定(取得)は、t1~t2、t6~t7の両方の期間で行う必要はなく、t6~t7期間だけであっても良い。その場合は、t1~t2期間は、V2電圧でなく、V1電圧をg端子に印加しても良い。
図39に図示するように、t6~t7期間に定電流Icを供給し、また、t6~t7期間にg端子電圧をV2電圧としても良い。t1~t2期間は、V0電圧またはVn電圧に設定する。
t2~t6期間は、トランジスタ117のg端子にV1電圧を印加し、トランジスタ117に試験電流Idを供給する。試験電流Idの供給は、所定の周期で実施する。なお、V1電圧は、1周期ごと、あるいは複数周期ごとに変化あるいは変更しても良い。また、V1電圧に対応して、端子間電圧Viの測定タイミング(t1、t2、m1、w1)を設定、調整する。
図27の実施例では、トランジスタ117に定電流Icをトランジスタ117に供給し、トランジスタ117のチャンネル間電圧(c端子-e端子間電圧)を測定する方法であった。トランジスタ117に定電流Icを供給せず、トランジスタ117に試験電流Idを供給した状態でトランジスタ117のチャンネル間電圧を測定しても良い。あるいは試験電流Idを変化させて、定電流Icとする。この場合は、定電流回路118は不要である。この実施例を図38に図示している。
図38では、定電流Icは、印加(供給)しない(0Aである)。トランジスタ117のg端子電圧は、V2電圧とV1電圧に変化させる。t1~t2期間、t6~t7期間がトランジスタ117のチャンネル間電圧を測定(取得)する期間である。試験電流Idは、t1~t7期間に供給する。
試験電流Idをトランジスタ117に印加する試験を継続すると、トランジスタ117のチャンネル間電圧は、トランジスタ117の変化に伴って変化する。したがって、チャンネル間電圧をモニターすることにより、トランジスタ117の劣化あるいは変化を測定できる。
t1~t2期間、t6~t7期間は、g端子電圧はV2電圧とし、トランジスタ117は、温度情報Tjを求めた端子間電圧Viとする。したがって、温度情報Tjは、V2電圧を印加した状態で取得する。端子間電圧は、V2電圧にも依存するので、特性式はV2電圧に対応して求める。
t2~t6期間は、試験電流Idを印加した試験期間となる。定電流Icを供給する期間であるt1~t2期間、t6~t7期間は、t2~t6期間に比較して非常に短い期間である。
g端子電圧は、V1電圧とV2電圧に変化させることにより、良好な試験を実施でき、また、良好な温度情報Tj(端子間電圧Vi)、特性式を取得することができる。トランジスタ117に試験電流Idを印加している時に、試験条件としてV1電圧を変化させる。たとえば、10Vあるいは12Vに設定して試験電流Idを供給する。この場合においても、温度情報Tj(端子間電圧Vi)を取得する際には、トランジスタ117のゲートオン電圧としてV2電圧を印加することにより、安定して端子間電圧Vi等を測定できる。
以上のように、本発明の試験装置および試験方法は、g端子電圧を複数の電圧(V1電圧、V2電圧)に設定できることに特徴を有する。また、V1電圧、V2電圧に対応して、特性式のA(Vi0)、C、n値を決定しておく。この特性式を用いて、半導体素子の試験を実施し、初期端子間電圧Vi0に対する電圧の変化量、電位の差異、変化割合を取得することにより、試験をしている半導体素子の劣化評価、特性変化評価を実施する。
図27、図36は、トランジスタ117のチャンネル間に定電流Icを印加し、トランジスタ117の温度情報Tj(端子間電圧Vi)、特性式を得る方法であった。図28、図37はトランジスタ117に内蔵された(トランジスタ117とダイオードが同一のプロセスで形成された)ダイオードDi、あるいは近傍に位置するダイオードDi、もしくはトランジスタ117の寄生ダイオードDiに、定電流Icを供給あるいは印加してトランジスタ117の端子間電圧Vi、温度情報Tjを得る実施例の説明図である。
図28の実施例では、定電流Icの供給方向は、e端子側からc端子側の方向である。定電流IcはダイオードDiに流れる。定電流IcがダイオードDiに流れることによりダイオードDiの端子間電圧が発生する。
ダイオードDiの端子間電圧は温度依存性がある。ダイオードDiはトランジスタ117に内蔵あるいはトランジスタ117の近傍に配置されているため、トランジスタ117の発熱によりダイオードDiの温度が変化して、端子間電圧Viが変化する。したがって、ダイオードDiに一定の定電流Icを供給し、ダイオードDiの端子間電圧を測定すれば、トランジスタ117の発熱状態(トランジスタ117の温度)を把握、あるいは測定あるいは取得することができる。
定電流Icを流す期間には、トランジスタ117はオフ状態に維持する必要がある。トランジスタ117がオフ状態の時で、スイッチ回路507がオンの時に、定電流IcがダイオードDiに供給される。
トランジスタ117がSiCの場合、オフ時に印加する電圧は、図6で説明したように、0Vよりも低いVt電圧に設定することが好ましい。
トランジスタ117に流す試験電流Idを遮断するには、スイッチ回路124をオフさせて試験電流Idの供給を停止させる。トランジスタ117がオフの場合は、定電流Icの方向は、c端子からe端子方向でも、e端子からc端子方向でも良い。トランジスタ117がオン状態の場合は、定電流Icの方向は、e端子からc端子方向に設定する。
定電流Icの流れる電圧が逆方向になると、端子間電圧Viの極性は逆になる。この場合は、オペアンプ回路116の+端子と-端子に印加される電圧極性を入れ替えると良い。
たとえば、IGBT等のトランジスタは、g端子にオン電圧が印加されると、c端子からe端子の方向に流れる。したがって、電流が流れる方向は、一方向である。
SiC、GaN等を使用するトランジスタは、MOS型である場合が多い。MOS型のトランジスタは、電流の流れる方向は双方向である。そのため、SiC、GaN等の半導体素子117に形成されたダイオードDiに定電流Icを流すためには、半導体素子117のg端子には、オフ電圧を印加し、半導体素子117に定電流Icが流れないように設定しておく必要がある。
図29は、SiC、GaN等のMOS型のトランジスタ(FET)に対して試験を行う試験装置および試験方法の説明図である。
図29では、トランジスタ117に内蔵された(トランジスタ117とダイオードが同一のプロセスで形成された)ダイオードDi、あるいは近傍に位置するダイオードDi、もしくはトランジスタ117の寄生ダイオードDiに定電流Icを供給あるいは印加してトランジスタ117の温度情報Tj(端子間電圧Vi)、特性式を得る方法の説明図である。
ダイオードDiに定電流Icを供給するためには、トランジスタ117のg端子にオフ電圧を印加し、トランジスタ117をオフする必要がある。
SiCは、IGBTと同じ電位であるV0電圧でもオフするが、V0電圧ではオフリークが発生する場合がある。なお、V0電圧は、グランド電圧(AGND)である。
図37の実施例では、ダイオードDiに定電流Icを供給する期間(t1~t2期間、t6~t7期間)は、V0電圧より低い電圧(電位)であるVn電圧にする。Vn電圧とすることにより、トランジスタ117のオフリーク電流は減少し、また、トランジスタ117は完全なオフ状態となる。したがって、定電流Icが良好にダイオードDiに供給される。Vn電圧は、グランド電圧(AGND)に対して、1~3V低い電位とすることが好ましい。
試験電流Idをトランジスタ117に印加(供給)する期間(t2~t6期間)は、スイッチ回路124をオンし、スイッチ回路507をオフさせる。
図30の実施例は、半導体素子117はMOS型トランジスタであり、ダイオードDiがない。MOS型トランジスタ117に定電流Icを印加(供給)することにより、温度情報Tjを取得する方法の実施例である。
定電流Icを供給する期間は、スイッチ回路124をオフさせ、スイッチ回路507をオンさせる。トランジスタ117のg端子への印加電圧は、図36と同様である。
スイッチ回路124をオフすることにより、電源装置132からの試験電流Idの供給は停止される。スイッチ回路507は、t1~t2期間、t6~t7期間にオンする。あるいは、スイッチ回路507はt6~t7期間にオンする。
トランジスタ117のg端子には、オン電圧が印加され、定電流回路118から定電流Icがトランジスタ117に供給される。定電流Icの方向は、c端子からe端子に流れる方向でも、e端子からc端子に流れる方向でも良い。
定電流Icが流れている期間に、チャンネル間の端子間電圧Viを測定あるいは取得する。端子間電圧Viから、温度情報Tjを得る。また、求めておいた特性式から、各t時間(t時刻)で測定された端子間電圧Viと初期端子間電圧A(Vi0)との変化量を評価し、半導体素子の特例変化状態を評価する。
以上のように、トランジスタ117に試験電流Idを印加するとき(時間)は、スイッチ回路124をオン(クローズ)させる。試験電流Idは電源装置132から供給される。試験電流Idをトランジスタ117に印加するときは、トランジスタ117のg端子にV1電圧を印加して、トランジスタ117をオンさせる。
トランジスタ117に試験電流を印加しないときは、スイッチ回路124をオフ(オープン)させるか、トランジスタ117のg端子にオフ電圧(V0電圧、Vn電圧)を印加する。特にSiCトランジスタの場合は、オフ電圧として、Vn電圧をg端子に印加する。
トランジスタ117に定電流Icを供給する際は、スイッチ回路507をオン(クローズ)させる。また、トランジスタ117のg端子に、V2電圧を印加してトランジスタ117をオンさせる。
トランジスタ117の試験では、試験電流Icを供給する時、g端子にはV1電圧が印加される。V1電圧は試験条件により、所定の電圧に設定あるいは操作される。V2電圧は温度情報Tj(初期端子間電圧Vi)を求めた時、あるいは特性カーブのn、A、Cを求めた時に、トランジスタ117のg端子に印加した電圧であることが好ましい。したがって、V1電圧を変化しても、V2電圧は、所定の値に固定することが必要である。
トランジスタ117のゲート電圧として、V2電圧を印加し、端子間電圧Viを測定する。測定された端子間Viを温度情報Tjに変換し、また、所定あるいは任意のt時間における端子間電圧Viと、特性カーブのA値との変化量あるいは差を求めて、試験をしているトランジスタ117の特性変化状態を評価する。特性変化状態により、試験の継続、停止を判断する。
本発明は、トランジスタ117に試験電流Idを供給するときにg端子に印加する電圧と、トランジスタ117に定電流Icを供給するときにg端子に印加する電圧とを別々に設定できることに特徴がある。また、特に定電流Icを流す時のg端子の電圧は、試験電流Idを流す時にg端子の電圧に依存せず、所定電圧V2に設定する。
定電流Icを流す時にg端子に印加する電圧は、試験電流Idを流す時にg端子に印加する電圧よりも高くする(トランジスタ117がNチャンネルの場合)。トランジスタ117がPチャンネルの場合は、V2電圧は、V1電圧よりも低い電圧に設定する。
図40に図示するように、t2~t6の期間は、g端子の電圧は任意に変化させることができる。電圧は、ゲート信号制御回路112の出力に基づいて、ゲートドライバ回路113の出力であるg端子電圧が変化する。
図40の実施例では、t2の時、V1a電圧であり、t6の時V1b電圧となるようにg端子電圧を変化させている。g端子電圧により、トランジスタ117のチャンネル間抵抗が変化するから、トランジスタ117の発熱状態も変化する。発熱状態の変化により、多様な試験を実施あるいは実現できる。また、トランジスタ117のチャンネル間電圧Vceが変化させることができるため、多様な試験条件を設定できる。
図41(a)に図示するように、試験電流Idをトランジスタ117に供給あるいは印加する土岐のg端子電圧を周期的に変化させても良い。図41(a)では、A期間、C期間では、V1a電圧を印加し、B期間では、V1b電圧を印加している。A期間(C期間)とB期間は、交互に繰り返される。
以上のように、本発明は試験電流Idを印加する期間において、トランジスタ117の
ゲート端子電圧を複数の電圧に可変、あるいは電圧を連続的に変化させることができる。
図41(b)に図示するように、図40に示す電圧の変化を実施しても良い。A期間、C期間では、V1a電圧からV1b電圧に変化し、B期間では、V1b電圧からV1a電圧に変化させている。A期間(C期間)とB期間は、交互に繰り返される。
図41(c)に図示するように、t1~t2期間、t6~t7期間のg端子電圧を変化させることもできる。
図41(c)では、A期間(C期間)において、t1~t2期間は、V1b電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。t6~t7間は、V2電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。B期間において、t1~t2期間は、V1b電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。また、t2~t6期間もV1b電圧を維持する。t6~t7間は、V2電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。
図41(d)では、A期間、B期間、C期間において、t1~t2期間は、Vn電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。t6~t7間は、V2電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。A期間(C期間)において、t2~t6期間は、V1a電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。B期間において、t2~t6期間は、V1b電圧をトランジスタ117のg端子に印加する。
図41において、端子間電圧Viを測定する期間、特性カーブ(特性式)の定数(A、C、n)を求める期間は、t6~t7期間である。好ましくは、t1~t2期間にも測定する。t1~t2期間の端子電圧Viとt6~t7期間の端子間電圧Viとを比較することにより、より多様な試験を実施することができ、また、試験をするトランジスタ117の評価状況を詳細に把握することができる。
図32、図33、図44は、本発明の半導体試験装置、試験方法の説明図である。図32、図33において、電源装置132に並列して、試験を行う複数のトランジスタ117(トランジスタ117Q1~トランジスタ117Qn)が接続されている。
図44は、図32、図33の動作を説明する本発明の実施例における半導体素子の試験方法の説明図である。
図32に図示するように、トランジスタ117Q1に試験電流Id1を供給するときは、スイッチ回路124s1をオンさせる。この時、スイッチ回路Ssa1はオフさせて、定電流Icはトランジスタ117Q1には供給されないようにする。一方、トランジスタ117Q2に接続されたスイッチ回路124s2はオフ状態にして、試験電流Id1は供給されないようにする。定電流Icは、スイッチ回路Ssa2をオンさせて、トランジスタ117Q2に供給する。
1つの電源装置132からの試験電流Idは、1つのスイッチ回路124aをオンさせることにより、1つのトランジスタ117Qに供給する。1つの定電流回路118からの定電流Icは、1つのスイッチ回路Ssaをオンさせることにより、1つのトランジスタ117Qに供給する。
以上のように、動作あるいは操作することにより、1つの電源装置132、定電流回路118で複数のトランジスタ117Qを試験することができる。
図44(a)に図示するように、スイッチ回路St1(スイッチ回路124s1)~スイッチ回路Stn(スイッチ回路124sn)がオン(VgeにVg電圧が印加)することにより、トランジスタ117に試験電流Id1~試験電流Idnが流れる。例えば、試験電流Idの印加時間はtonであり、試験電流Id1と試験電流Id2とは時間tcycleの間隔で順次トランジスタ117に印加される。トランジスタ117はオンすることにより、トランジスタ117のチャンネル電圧が順次、変化する。
例えば、試験電流Id1と試験電流Id2とは時間的に重なりがない。そのため、電流電源装置121の出力容量は、1つのトランジスタ117の試験に必要とする出力容量で良い。
図44(a)に図示するように、各トランジスタ117のゲート端子に印加するオン電圧(Vg)は時間的に重ならないように制御する。また、好ましくは試験電流Id(Id1~Idn)のそれぞれの電流Id間は、1μ秒以上の間隔をあけることが好ましい。なお、各トランジスタ117に対しては、本発明の他の実施例で説明した駆動方法、制御方法を実施する。
各トランジスタ117Qに供給する定電流Icは、スイッチ回路Ssa(Ssa1~Ssan)を順次オンさせて、各トランジスタ117Qに供給する。
トランジスタ117の端子間電圧に対応する電圧Vi(Vi1~Vin)はスイッチ回路Ssa(Ssa1~Ssan)に同期して、セレクタ127によって選択される。例えば、トランジスタ117Q1に電流Icが供給されている時は、セレクタ127はトランジスタ117Q1の端子間電圧を選択する。トランジスタ117Q3に電流Icが供給されている時は、セレクタ127はトランジスタ117Q3の端子間電圧を選択する。選択された電圧Viが温度測定回路115に供給される。
他の構成、動作は他の実施例で説明している構成、動作と同様であるので説明を省略する。
図44(a)のタイミングチャートでは、トランジスタ117Q1~トランジスタ117Q5(一例として、試験とするトランジスタ117は5個としている)が、順次、オン電圧(Vg)が印加されて、トランジスタ117に試験電流Idが印加されて試験が実施される。
しかし、試験の途中で、トランジスタ117が破壊して該当トランジスタ117への試験電流を停止することがある。あるいは、トランジスタ117が劣化して該当トランジスタ117への試験電流を停止することがある。
図44(b)は、トランジスタ117Q3への試験電流を停止した状態を示している。トランジスタ117Q3が停止する(停止させる)と、t3~t4間で、トランジスタ117Q3にはVg電圧が印加されず、トランジスタ117Q3のゲート単位に印加させる電圧は0Vに維持される。
トランジスタ117Q3のゲート電圧にオン電圧が印加されていないと、その期間には電源装置132から試験電流Idに供給されない状態となり、電源配線2に電流が流れない。また、該当スイッチ回路124がオンされないなどの状態が発生し、図44(a)の試験状態から熱状態などが変化する。また、試験時のサージ電圧、サージ電流の状態が変化し、一定の試験状態が維持できない。
図44(b)では、この課題に対して、トランジスタ117Q3への試験電流を停止するが、t3~t4間で、トランジスタ117Q4にVg電圧を印加し、電流電源装置121が出力される電流は一定状態を維持させる。つまり、動作を停止させたトランジスタのオン電圧を印加する期間に、次のトランジスタをオンさせて、トランジスタを順次、オンする状態を維持する。つまり、試験するトランジスタは、前詰め動作される。
以上の図4、図6、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図27、図28、図29、図30、図32、図33、図36、図37、図38、図39、図40、図41、図44等で図示および明細書に記載した事項は、相互に一部または全部を組み合わせることができることは言うまでもない。また、本明細書、図面に記載した実施例は、相互に一部または全部を組み合わせることができることは言うまでもない。
以上の図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図27、図28、図29、図30、図32、図33、図36、図37、図38、図39、図40、図41、図44等で図示および明細書に記載した事項は、たとえば、図1、図2、図3、図4、図5、図6の実施例に適用、あるいは、相互に一部または全部を組み合わせることができることは言うまでもない。
図34は、トランジスタ117等に印加する信号のタイミングチャート図である。Vdataはコントローラ111がDAコンバータ回路508に印加するデータである。VdataによりDAコンバータ回路508a、DAコンバータ回路508bが出力する電圧が決定あるいは可変あるいは設定される。
切替え回路605は、DAコンバータ回路508aまたはDAコンバータ回路508bが出力する電圧を選択し、ゲート制御信号Vsgとしてゲートドライバ回路113に印加する。したがって、切替え回路605はV1電圧またはV2電圧を選択して、ゲート制御信号Vsgとして出力するだけであるので、V1電圧、V2電圧の変化は高速である。
図34(a)において、V0電圧が印加されている期間は、トランジスタ117がオフである。時間t1でVdataによりVsg電圧がV1電圧に設定される。V1電圧はトランジスタ117のゲート端子に印加され、tc期間後のt2で電圧発生回路509から電流Idがトランジスタ117に供給される。
次に、スイッチ回路124bがt4からt6の期間にオンし、トランジスタ117のチャンネル間を短絡して電荷を放電させる。また、電圧発生回路509に接続されているスイッチ回路122bがオープンする。
t5にはVdataによりVsg電圧がV2電圧になり、V2電圧はトランジスタ117のゲート端子に印加されトランジスタ117を強オン(V2はV1よりも高い電圧)させる。t6ではスイッチ回路507がオンし、図1、図2のトランジスタ117に温度情報を得るための定電流Icをte期間の間で印加する。定電流Icの印加期間中に得られた端子間電圧Viから、温度測定回路115は温度情報Tjを処理する。
tf期間は、2m秒以下の期間に設定する。また、好ましくは、tc期間、td期間は1m秒以下の期間である。試験電流Idを印加することによりトランジスタ117は発熱し温度上昇する。発熱による温度上昇は、トランジスタ117の特性変化状態に対応して生じる。したがって、トランジスタ117の温度を取得あるいは測定することによりトランジスタ117の劣化状態、特性変化を把握することができる。
試験電流Idを停止するとトランジスタ117は冷却される。したがって、試験電流Idの停止後、ミリ秒レベルの短期間の間に定電流Icを印加してトランジスタ117の温度情報Tjを得る必要がある。
本発明の半導体試験装置は、試験電流Idの停止後、2m秒以内の短時間後に、定電流Icを印加して端子間電圧Viを測定し、温度情報Tj、特性カーブ式を得ることができる。したがって、トランジスタ117の温度は維持されているため、トランジスタ117の特性変化等を精度よく、かつ的確に測定あるいは取得することができる。
図34に図示するように、トランジスタ117に負荷電流を印加するta期間後、温度情報を得るためにトランジスタ117にV2電圧を印加するtb期間を設け、試験電流Idの停止後、2m秒以下の期間内で温度情報を得るための定電流Icをtb期間の間、印加する。
図34の実施例では、V1電圧を印加して試験電流Idを供給し、その後、V2電圧に定電流Icを供給して端子間電圧Viを測定し、温度情報Tj、特性カーブ式を得る実施例であった。本発明はこれに限定するものではない。
図35は、電流Idの印加前および電流Idの印加後に、温度情報Tjを得る実施例の説明図である。温度情報Tjは、トランジスタ117が電流Idを印加前の放熱された状態での温度情報Tjと電流Idを印加して温度上昇した状態での、特性(カーブ)式、温度情報Tjを得る。放熱された状態での温度情報Tjと温度上昇した状態での温度情報Tjの2つの温度情報Tjを得ることによりトランジスタ117の特性変化、劣化状態をより精度よく得ることができる。
図35は、トランジスタ117等に印加する信号のタイミングチャート図である。V2電圧は、試験電流Idを流す前と流した後のそれぞれに印加する。V2電圧を印加しているときに定電流Icをトランジスタ117に印加し、温度情報Tjを取得あるいは測定する。
定電流Icを印加する前にスイッチ回路124bをオンさせ、トランジスタ117のチャンネル間(コレクタ端子-エミッタ端子間)の電荷を放電させる。
V0電圧が印加されている期間は、トランジスタ117がオフである。t0でVdataによるV2電圧がトランジスタ117のゲート端子にVsgとして印加される。V2電圧を印加している期間に、トランジスタ117に定電流Icが印加され、トランジスタのチャンネル間電圧Viが測定される。
端子間電圧Viは、トランジスタ117に通電されておらず、試験電流Id印加後、放熱された状態での端子間電圧Viとなる。この端子間電圧Viもトランジスタ117の劣化状態、特性変化情報が含まれる。したがって、負荷サイクル試験での端子間電圧Viを比較、変化を把握することにより、有用な情報が得られる。
時間t1でVdataによりVsg電圧がV1電圧に設定される。V1電圧はトランジスタ117のゲート端子に印加され、tc期間後のt2で電圧発生回路509から電流Idがトランジスタ117に供給される。
次に、スイッチ回路124bがt4からt6の期間にオンし、トランジスタ117のチャンネル間を短絡して電荷を放電させる。また、電圧発生回路509に接続されているスイッチ回路122bがオープンする。
t5にはVdataによりVsg電圧がV2電圧になり、V2電圧はトランジスタ117のゲート端子に印加されトランジスタ117を強オンさせる。t6ではスイッチ回路507がオンし、図1のトランジスタ117に温度情報を得るための定電流Icをte期間の間で印加する。定電流Icの印加期間中に得られた端子間電圧Viから、温度測定回路115は温度情報Tjを処理する。この端子間電圧Viは、試験電流Idの通電直後のトランジスタ117の温度情報となる。
試験電流Idを印加することによりトランジスタ117は発熱し、温度上昇する。トランジスタ117の特性変化あるいは特性劣化状態により、トランジスタ117の温度上昇状態は変化する。発熱による温度上昇は、トランジスタ117の特性変化状態に対応して生じる。したがって、トランジスタ117の温度を取得あるいは測定することによりトランジスタ117の劣化状態、特性変化を把握することができる。また、試験電流Idを通電前のTjと試験電流Idの通電後の温度情報Tjからトランジスタ117の試験電流Id印加による変化状態を得ることができる。したがって、トランジスタ117の特性変化等を精度よく、かつ的確に測定あるいは取得することができる。
図34、図35のタイミングチャートは、トランジスタ117への試験電流Id、定電流Icの印加に関して図示したものである。負荷試験、アバランシェ試験は、数万サイクル以上、トランジスタ117をオンオフ動作させて実施する。
図42は試験電流Idと定電流Icをサイクルtsで実施する際のタイミングチャート図である。V1電圧をta期間印加し、V2電圧をtb期間印加する。トランジスタ117の通電期間後、V0電圧を印加してトランジスタ117をオフさせる。V1電圧、V2電圧、V0電圧を1サイクルtsとして負荷試験、アバランシェ試験を実施する。
なお、図42は、図34の試験方法をtsサイクルで実施した実施例であるが、図35でも同様に適用できることは言うまでもない。
また、図34等において、V0電圧をオフ電圧としたが、V0電圧は1レベルの電位に限定するものではない。例えばV0a電圧とV0b電圧等と複数にし、複数のオフ電圧を使用しても良い。例えば、V1電圧に変化させる前のオフ電圧を10m秒以下の期間、V0a電圧とし、他のオフ電圧の印加期間はV0b電圧として良い。V0aとV0b電圧の電位レベルは、V0a<V0bとすることが好ましい。V0a電圧を低くすることにより、V0a電圧からV1電圧の変化速度が大きくなり、オンオフ動作の中間状態が短くなる。
図31は、本発明の他の実施例における半導体素子試験装置および半導体素子の試験方法の説明図である。半導体素子117は、図40等が例示される。半導体素子117は、図31のA、B、C部に接続される。図31では、同時に、あるいは順次試験を行う半導体デバイスは3個であるが、本願発明はこれに限定するものではない。2個であっても良いし、4個以上であっても良い。
図43は図31の導体素子試験装置および半導体素子の試験方法におけるタイミングチャート図である。
サンプル接続回路203は3つの半導体素子117のゲート端子に印加されるVsg信号が接続される。各Vsg信号により半導体素子117がオンオフ制御される。各半導体素子117には、定電流Icが順次、印加され、半導体素子117のチャンネル間電圧Viが測定される。
図31の実施例は、半導体素子117を、複数個を同時に、あるいは順次に試験する実施例である。半導体素子117は1つのコントローラ回路111で制御される。
図34と同様に定電流Icを印加前に、スイッチ回路124bをオンさせて半導体素子117のチャンネル間電圧を0Vにする。また、チャンネル間の電荷を放電させる。この際、定電流Icを流す半導体素子117のスイッチ回路124aをオンさせる。また、試験中に試験電圧あるいは試験電流を印加するトランジスタはスイッチ回路124aをオンさせて選択する。
定電流回路121、電圧発生回路509、可変容量コンデンサ505が半導体素子117に並列に接続されている。定電流回路121はスイッチ回路122aで選択し、電圧発生回路509はスイッチ回路122bで選択し、可変容量コンデンサ505はスイッチ回路506bで選択する。コイル502は、スイッチ回路506aで回路系に挿入と非挿入とを選択する。
可変容量コンデンサ505、コイル502の値により、端子間電圧Viは変化する。したがって、特性式の定数(A、C、n)等は可変容量コンデンサ505、コイル502の影響を加味して決定をする。
図34において、ゲート制御信号Vsg(ゲート制御信号Vsga、ゲート制御信号Vsgb、ゲート制御信号Vsgc)は図34または図35と同様であり、V0電圧とta期間のV1電圧とtb期間のV2電圧が繰り返し、各半導体素子117に印加される。
ta期間に定電流回路121または電圧発生回路509からの電流Idが流れる。どの半導体素子117(半導体素子117a、半導体素子117b、半導体素子117c・・・・・)に電流Idを流すかはスイッチ回路124a(スイッチ回路124aa、スイッチ回路124ab、スイッチ回路124ac、・・・・・・)で選択する。
スイッチ回路124aは、コントローラ111により制御される。各半導体素子117は、ts2周期で選択されて、電流Idが印加され試験される。
tb期間は、各半導体素子117に定電流Icが供給され、各半導体素子117のチャンネル間電圧Viが測定される。測定された端子間電圧Viから温度情報Tjが求められる。定電流Icの印加前には、スイッチ回路124bがオンされて半導体素子117のチェンネル間の電荷を放電させる。
図31、図32、図33の実施例では、複数の半導体素子117を試験する。各半導体素子117は、それぞれ端子間電圧Viが測定され、温度情報Tj、特性(カーブ)式が求められることは、本明細書、図面の他の実施例で説明した事項と同様である。
図4、図12、図18、図34、図35、図42、図43等におけるスイッチ回路124bの動作、タイミング制御は、図20等で説明した実施例を適用することができ、また、以上の実施例に図15、図19、図21等で説明した実施例を適用できることは言うまでもない。図27、図28、図29、図30、図31、図32、図33の半導体試験装置の実施例についても同様である。
本発明は、トランジスタ等のチャンネル間電圧(コレクタ-エミッタ間電圧、ドレイン-ソース間電圧)等を測定あるいは取得することを実施例として説明した。本願発明はこれに限定するものではない。
図2、図7において、可変抵抗回路125の抵抗値を所定値とし、可変抵抗回路125に流れる電流を測定する方式が例示される。可変抵抗回路125には、トランジスタ117のゲート(ベース)端子に流れる電流(リーク電流)が流れる。リーク電流を測定することにより、トランジスタ等の半導体素子117の特性変化、劣化状態を試験あるいは評価することができる。
リーク電流の測定は、図3、図4、図5、図6、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40、図41等に図示するように、g端子電圧(V2、V1、V0、Vn)を可変あるいは設定して実施する。また、ゲートドライバ回路113の出力電圧を変化、可変あるいは所定値に設定して実施する。また、半導体素子117のc端子、e端子電圧を所定電圧あるいはAGND電圧に設定あるいは可変して実施する。
リーク電流に対する特性式を図15、図21等で説明した方法であらかじめ求めておく。試験時は、リーク電流を測定し、求めておいた特性式の初期値からの変化量を算出し、試験をする半導体素子の試験状態を把握、半導体素子の劣化状態を定量化することができる。
可変抵抗回路125に流れる電流方向は、正方向、負方向に変化する状態を測定あるいは取得する。
本発明の実施例において、試験を行うトランジスタ117は、IGBTを例示して説明したが、これに限定するものではない。例えば、ダイオード等の2端子素子であっても良い。また、半導体素子に限定されるものではなく、コンデンサ、抵抗等の電気素子であればいずれのものでも適用できる。
本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
図27、図28、図29、図30、図32、図33、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40、図41、図42、図43、図44等は、一実施態様としての本発明の半導体素子117の試験方法の説明図である。各実施例は相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
たとえば、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10で説明した試験装置あるいは試験方法と組み合わせることができることは言うまでもない。
図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21等で説明した試験装置あるいは試験方法と組み合わせることができることは言うまでもない。
また、図11、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図18、図19、図20の構造あるいは構成と組み合わせることができることは言うまでもない。
また、21の回路構成あるいは駆動方法と組み合わせることができることは言うまでもない。
以上、本明細書において、実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、一部または全部を相互に組み合わせることができることは言うまでもない。
本発明の実施例において、トランジスタ117は、IGBTを例示して説明したが、これに限定するものではない。
例えば、NチャンネルのJFET(図47(a))、PチャンネルのJFET(図47(b))、NチャンネルのMOSFET(図47(c))、PチャンネルのMOSFET(図47(d))、NチャンネルのバイポーラFET(図47(e))、PチャンネルのバイポーラFET(図47(f))であっても良いことは言うまでもない。
また、3端子のデバイスに限定されるものではなく、図47(g)に図示するダイオードなどの2端子素子であってもよい。2端子素子では、ゲート信号Vgsは必要がない。また、図47(h)に図示するサイリスタ等の半導体素子であってもよい。
電流電源装置121で試験電流Idを流して試験することにより、本発明の半導体試験装置、半導体素子の試験方法を適用できることは言うまでもない。
以上、本明細書において、実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
本明細書および図面に記載した事項あるいは内容は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。例えば、図8で示すスイッチ回路124cは、他の実施例にも適用できる。例えば、図11、図13の構成あるいは動作は、図1、図7などの他の実施例にも適用できることは言うまでもない。また、例えば、図11、図13の実施例に対して図4の実施例を適用できることは言うまでもない。
本発明は、実際の試験環境下でのトランジスタの特性評価状態を精度より評価することができる。したがって、優れたパワーサイクル試験装置および試験方法を提供することができる。
111 コンピュータ(コントローラ)
112 ゲート信号制御回路
113 ゲートドライバ回路
114 電流制御回路
115 温度測定回路
116 オペアンプ(バッファアンプ回路)
117 半導体素子(パワートランジスタ等)
118 定電流回路
121 電流電源装置
122 スイッチ回路
124 スイッチ回路
125 可変抵抗
127 セレクタ
128 温度計
131 制御ラック
132 電源装置
134 加熱冷却プレート
135 循環水パイプ
136 チラー
151 容量リアクタンス
152 誘導リアクタンス
203 サンプル接続回路
301 電圧測定回路
302 データメモリ
303 演算処理回路
305 抵抗
502 コイル
505 可変容量コンデンサ
506 スイッチ回路
507 スイッチ回路
509 電圧発生回路
521 温度センサ
601 ACDCコンバータ回路
602 コンデンサ
603 基準電圧回路
604 トランジスタ
605 切替え回路

Claims (4)

  1. 第1の端子と第2の端子を有する半導体素子試験装置であって、
    試験電流を供給する電源装置と、
    前記半導体素子をオンオフさせるゲートドライバ回路と、
    前記半導体素子に定電流を供給する定電流回路と、
    前記半導体素子の端子間電圧を取得する電圧取得回路と、
    前記端子間電圧を記憶する記憶回路と、
    前記記憶回路に記憶された端子間電圧から、前記トランジスタの温度変化に伴う特性カーブを求める演算回路を具備することを特徴とする半導体素子試験装置。
  2. 第1の端子と第2の端子を有する半導体素子の試験方法であって、
    前記半導体素子に、第1の電流を供給する第1のスイッチを有し、
    前記第1のスイッチをオフさせた時刻tから、
    = 2 × tとした測定ポイント(t、t)を設定し、
    時の前記第1の端子と前記第2の端子間の電圧v1と、t時の前記第1の端子と前記第2の端子間の電圧v2から、tでの電圧Vを、下記式より求めることを特徴とする半導体素子の試験方法。
    = (2 + √2)・v1 - (1 + √2)・v2
  3. 第1の端子と第2の端子を有する半導体素子の試験方法であって、
    前記半導体素子に第1の電流を供給する第1の工程と、
    前記第1の電流を停止後、第2の電流を前記半導体素子に供給する第2の工程と、
    前記第2の電流を供給した状態で、所定時間tで前記半導体素子の端子間電圧を測定する第3の工程と、
    前記端子間電圧から、特性カーブY=A・C^(-1・t^n)として、C、n、Aの値を決定する第4の工程とを行うことを特徴とする半導体素子の試験方法。
  4. 第1の端子と第2の端子を有する半導体素子の試験方法であって、
    前記半導体素子に第1の電流を停止した時刻から、時間を変化させて前記半導体素子の第1の端子と第2の端子間の電圧を測定し、
    測定した電圧から特性式を求め、
    前記特性式から、前記半導体素子の変化を求めることを行うことを特徴とする半導体素子の試験方法。

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CN117706317B (zh) * 2024-02-06 2024-05-28 中国电子产品可靠性与环境试验研究所((工业和信息化部电子第五研究所)(中国赛宝实验室)) 热阻测试方法和热阻测试电路

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