JP2023065058A - 唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、唾液分泌量の低下が認められないにも関わらず口腔乾燥感の自覚症状が重い者に該当するか否かについて、客観的かつ正確に判定することのできる判定方法に関する。【解決手段】刺激時混合唾液分泌量が正常である判定対象者に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を尺度値として判定する、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年8月20日 https://va.apollon.nta.co.jp/jsom2021/ 「第34回日本口腔診断学会・第31回口腔内科学会 合同学術大会 プログラム・抄録集」に発表 (2)令和3年9月9日 「第34回日本口腔診断学会・第31回口腔内科学会合同学術大会(エッサム神田ホール1号館)」にて発表
本発明は、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症を判定する方法に関する。
口腔乾燥症とは、自覚的な口腔乾燥感又は他覚的な唾液の量的減少や質的変化を認める状態であり、ドライマウスとも称される。口腔乾燥症(ドライマウス)には、唾液が減少して口腔乾燥感のある者のみならず、唾液の減少はあるが口腔乾燥感はない者や、口腔乾燥感はあるが唾液の減少はない者も含まれる。
従来、口腔乾燥症に対しては、唾液の分泌を促進することが有効であるとの視点に立ち、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、プロタミンの加水分分解物を有効成分とする唾液分泌促進剤が開示されており、また特許文献2には、唾液分泌に関連付けられる障害を治療又は予防するための、シアル酸を含む組成物が提案されている。
一方、特許文献3では、唾液中に存在する1種又は2種以上のタンパク質の測定量を指標とする、口腔内の乾燥状態の評価方法を開示している。
特開2010-265217号公報 特表2011-519896号公報 特開2016-70702号公報
しかしながら、本発明者らは、口腔乾燥症を唾液分泌量のみによって診断するのは適切ではなく、唾液分泌量が同等であっても口腔乾燥感の自覚症状の程度が異なる者も存在し、このような唾液分泌量の低下が認められないにも関わらず口腔乾燥感の自覚症状が重い者についても、口腔乾燥症の罹患者として対処すべきであるが、上記特許文献1~3に記載の技術では対処できない、との知見を得るに至った。
したがって、本発明は、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者に該当するか否かについて、客観的かつ正確に判定することのできる判定方法に関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、刺激時混合唾液分泌量は正常でありながら口腔乾燥感に問題を有する者は、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の量に特徴を有することを見出し、かかる測定量を用いることによって、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者であるか否かを客観的かつ正確に判定することのできる判定方法を見出した。
したがって、本発明は、刺激時混合唾液分泌量が正常である判定対象者に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を尺度値として判定する、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法を提供するものである。
本発明の判定方法によれば、判定対象者の刺激時混合唾液分泌量及び唾液中に存在する炭酸脱水酵素6の測定量を求めることにより、判定対象者が正常な唾液分泌量でありながら口腔乾燥感に問題を有する者であるか否かについて、客観的かつ正確に判定することができる。
このように、唾液分泌量に問題がないために通常の方法では見落とされがちであるなか、本発明の判定方法であれば、口腔内の乾燥感についての実感のみに依ることなく、個人差による種々の影響を最大限に抑えながら、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の罹患者を容易に精度高く抽出して、何等かの治療や処置を要する者として早期に認識することが可能となる。
実施例1において構築した判定尺度としての、各被験者(被験者(x1)、被験者(x2)及び被験者(y1))における炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を示す箱ひげ図である。 実施例1において構築した判定尺度としての、各被験者(被験者(x1)、被験者(x2)及び被験者(y1))におけるラクトフェリン、及びカリクレイン-1の測定量を示す箱ひげ図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において「口腔乾燥症」とは、唾液分泌量の低下を伴う「唾液分泌低下症」に該当する場合のみならず、唾液分泌量に関わらず口腔乾燥感の自覚症状を有する場合をも含む広義の意味である。
本発明の、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法は、刺激時混合唾液分泌量が正常である判定対象者に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を尺度値として判定する。なお、「刺激時混合唾液分泌量」とは、口腔内に一定の刺激を与え続けた一定の時間内に分泌される唾液の総量である。
以下、「刺激時混合唾液分泌量」を単に「唾液分泌量」とも称する。
「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」とは、唾液分泌量の低下が認められないにも関わらず口腔乾燥感の自覚症状が強く重い状態を意味する。このような「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者には、一般的な「唾液分泌量の低下を伴う口腔乾燥症」とは別の、適切な治療や処置を施す必要がある。本発明の判定方法は、この「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患した者であるか否かを判定するための方法である。
こうした「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者は、唾液分泌量が正常であるため、治療や処置を施すべき「口腔乾燥症」に罹患している者として認識されにくい。また「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者であることを判定するにあたり、唾液分泌量を確認するほかは、個々人に対する口腔乾燥感の自覚症状のみに頼らざるを得ないため、客観的な判定が困難な状況にある。
しかしながら、本発明者は、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患している者は、健常者に比べて唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の量に特徴を有することを判明するに至った。
したがって、本発明の判定方法であれば、唾液分泌量が正常である判定対象者に対し、具体的には、かかる唾液分泌量として判定対象者の刺激時混合唾液分泌量を用い、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を尺度値として、すなわち、刺激時混合唾液分泌量と炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量とを指標にして、かかる判定対象者が「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患しているか否かを判定することができる。そのため、個人差の大きい口腔乾燥感の自覚症状のみに依ることなく定量的な根拠に基づく判定が可能となり、判定対象者のなかから「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患した者を客観的かつ正確に判定することができる。
本発明の唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法(以下、本発明の「判定方法」とも略す。)では、唾液分泌量が正常である判定対象者に対して判定を行う。したがって、まず唾液分泌量の確認を要する。具体的には、刺激時混合唾液分泌量を測定し、正常であるか否かを判別する。
刺激時混合唾液分泌量とは、具体的には、採取対象者に10分間チューインガムを噛んでもらい、その間に分泌された唾液をシリンジ又はメスシリンダー等を用いて集積した唾液量を測定した値を意味する。
さらに、「唾液分泌量が正常である」者とは、測定した刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上の者と刺激時混合唾液分泌量が1ml/min未満の者と二分化したときに、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上の者を意味する。本発明の判定方法では、この「唾液分泌量が正常である」者を判定対象者とする。
次に、本発明の判定方法では、上記判定対象者の唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6(「CA6」とも略す。)の測定量を尺度値として、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症であるか否かを判定する。
唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患している者は、「唾液分泌量が正常であり、口腔乾燥感の自覚症状にも問題のない者」いわゆる「健常者」に比べ、唾液中に存在するCA6の量が異なることが、本発明者により判明した。
したがって、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定するにあたり、かかる判定対象者の唾液中に存在するCA6の測定量を尺度値とすれば、個人的感覚のみに依ることなく、客観的かつ正確な判定が可能となる。
CA6は、唾液中に存在する種々のタンパク質のうちの一種であり、CA6の測定量とは、唾液総タンパク質量(例えば100μg)あたりのCA6の相対量を元にした値を意味し、質量%表示とした値や、基準値との差異を指数表示とした値をも含む。これを測定する方法としては、プロテオーム解析を用いる方法や、ELISA法、電気泳動法等の市販の測定キット等を用いた方法が挙げられる。
また、得られた結果を元に箱ひげ図を作製し、これを用いて判定を行ってもよく、例えば、Mann-Whitney U Testを行うことにより、さらに統計学的な有意差を求め、これを活用してもよい。
具体的には、例えば図1に示すように、CA6の測定量を尺度値として判定することができる。
図1の箱ひげ図においては、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について重度の自覚症状がある被験者(x1)が、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の罹患者」に該当する一方、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2)が、「健常者」に該当する。かかる被験者(x1)は、被験者(x2)に比べ、唾液中に存在するCA6の測定量が顕著に増大する。
したがって、予め健常者(被験者(x2))の唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を判定尺度として決定しておけば、かかる判定尺度と、判定対象者の唾液中に存在するCA6の測定量(尺度値)とを照合し、判定尺度からの増減の程度を見極めることにより、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定することができる。すなわち、判定対象者の唾液中に存在するCA6の測定量(尺度値)について、判定尺度よりも増大していれば、かかる判定対象者について、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患している」と判定することができる。
なお、判定尺度とは、尺度値である「判定対象者の唾液中に存在するCA6の測定量」と照合し、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定するための尺度である。かかる判定尺度は、尺度値と照合する前に、予め構築しておくのがよい。
上記判定尺度は、精度の高い判定尺度であるのが望ましく、かかる判定尺度を構築するには、予め複数の被験者を対象として、唾液分泌量、唾液中に存在するCA6の測定量、及び口腔乾燥感の自覚症状を用いるのがよい。すなわち、本発明の判定方法は、唾液分泌量、唾液中に存在するCA6の測定量、及び口腔乾燥感の自覚症状を用いて判定尺度を構築した後、得られた判定尺度と尺度値とを照合して判定する方法であるのが好ましい。
かかる判定尺度を構築した後、得られた判定尺度と、尺度値である判定対象者の唾液中に存在するCA6の測定量とを照合して、判定尺度からの増減の程度を見極め、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定すればよい。
なお、口腔乾燥感の自覚症状を用いるには、例えば、問診結果や医療機関への罹患の有無を指標とすればよい。
問診結果を指標とする場合、具体的には、適宜問診表を用いた問診を行い、自覚症状の程度を把握して判別すればよい。問診表を用いる場合、例えば口腔乾燥感の自覚に関する種々の評価項目ごとに自覚の程度に分けたランク付け(ランク「0」を全く感じない、ランク「5」をとてもひどくて我慢できない程度としたランク付け)が可能な問診表を被験者に提示し、自身による該当ランクへのチェックを行い、その結果を獲得すればよい。かかる問診結果として、例えば、全評価項目においてチェックした全ランクの平均値が1.0未満の者を「自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある者」とし、全評価項目においてチェックした全ランクの平均値が1.0以上の者を「重度の自覚症状がある者」として分類してもよい。
医療機関への罹患の有無を指標とする場合、具体的には、例えばドライマウス外来患者を「口腔乾燥について重度の自覚症状がある者」、非ドライマウス外来患者を「口腔乾燥について自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある者」として分類してもよい。
上記判定尺度を構築するには、さらに図1のような箱ひげ図を使用するのが好ましい。かかる箱ひげ図を使用することにより、CA6の測定量における、平均値、中央値、各四分位数(25パーセンタイル値、50パーセンタイル値、75パーセンタイル値)、最大値等を活用することができる。これらの値のなかから適宜選択して判定尺度とし、かかる判定尺度と尺度値とを照合すれば、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かについて、簡易かつ精度の高い判定が可能となる。
本発明の判定の精度をより高めるには、さらに、唾液中に存在するラクトフェリン(Lactoransferin)(「LFN」とも略す。)、及びカリクレイン-1(Kallikrein)-1(「KLK1」とも略す。)から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量を尺度値として判定するのが好ましい。上記CA6の測定量とともに、これらのタンパク質の測定量も尺度値として併用することにより、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症であるか否かの判定をより客観的かつ正確に行うことができる。
なお、これらタンパク質の測定量は、上記CA6の測定量と同様、唾液総タンパク質量(例えば100μg)あたりの各タンパク質の相対量を元にした値を意味し、質量%表示とした値や、基準値との差異を指数表示とした値をも含む。また、測定する方法も上記CA6と同様であるが、プロテオーム解析を用いることにより、これらタンパク質のなかから適宜選択したタンパク質をCA6ともに全て一括して測定することができる。
具体的には、例えば図2に示すように、ラクトフェリン及びKLK1から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量をさらに尺度値として判定することができる。図2の箱ひげ図においては、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について重度の自覚症状がある被験者(x1)が、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の罹患者」に該当する一方、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2)が、「健常者」に該当する。
より具体的には、図2(a)には、ラクトフェリンの測定量を示しており、被験者(x1)は、被験者(x2)に比べ、唾液中に存在するラクトフェリンの測定量が顕著に減少する。
図2(b)には、KLK1の測定量を示しており、被験者(x1)は、被験者(x2)に比べ、唾液中に存在するKLK1の測定量が顕著に増大する。
そして、CA6と同様、これらタンパク質についても、予め健常者(被験者(x2))の唾液中に存在するCA6の測定量を判定尺度として決定しておけば、かかる判定尺度と、判定対象者の唾液中に存在する各タンパク質の測定量(尺度値)とを照合して増減の程度を見極め、判定対象者について、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定することができる。そして得られた結果と、CA6の測定量を尺度値とした結果とを照らし合わせ、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを総合的に判定することができる。
上記判定尺度を構築するにあたり、健常者(被験者(x2))の唾液中に存在するCA6等の測定量に加え、さらに判定尺度として、唾液分泌量の低下を伴い、かつ口腔乾燥感について重度の自覚症状がある被験者(y1)の唾液中に存在するCA6等の測定量も用いることにより、より一層精度の高い判定が可能となる。
すなわち、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について重度の自覚症状がある被験者(x1)の唾液中に存在するCA6等の測定量は、健常者(被験者(x2))の測定量との間のみならず、被験者(y1)の測定量との間にも特徴を有する。そのため、これら健常者(被験者(x2))の測定量と被験者(y1)の測定量とを用いて判定尺度を構築し、かかる判定尺度と尺度値とを照合することにより、判定対象者が、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定する際の精度をより一層高めることが可能となる。
具体的には、例えば図1の箱ひげ図に示すように、唾液分泌量が正常であって、口腔乾燥感について重度の自覚症状がある被験者(x1)は、被験者(x2)に比べ、唾液中に存在するCA6の測定量が顕著に増大する(有意差あり)が、被験者(y1)と比べると、その増大程度は緩やか(p値の差が小さい)である。
さらに図2(a)の箱ひげ図に示すように、被験者(x1)は、被験者(y1)に比べ、唾液中に存在するラクトフェリンの測定量が減少するが、被験者(x2)と比べたときよりも、その減少程度は緩やか(p値の差が小さい)である。
さらに図2(b)の箱ひげ図に示すように、被験者(x1)は、被験者(x2)と比べ、唾液中に存在するKLK1の測定量が顕著に増大する(有意差あり)が、被験者(y1)と比べると、ほぼ同程度である。
このように、CA6等のタンパク質について、被験者(x1)は、健常者(被験者(x2))に対してのみならず、被験者(y1)に対しても各々特徴的な差異を有するため、これら健常者(被験者(x2))と被験者(y1)の唾液中に存在するCA6等の測定量を併せて判定尺度を構築すれば、かかる得られた判定尺度と、唾液分泌量が正常である判定対象者の唾液中に存在する各タンパク質の測定量(尺度値)とを照合して増減の程度を見極め、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを総合的に判定することができる。
すなわち、本発明の判定方法において用いる判定尺度は、具体的には、まず次のステップ(I)~(IV):
(I)被験者の刺激時混合唾液分泌量を測定して、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上の被験者(X)と、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min未満の被験者(Y)とに二分化するステップ
(II)ステップ(I)にて分化した被験者(X)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(x1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2)とに二分化するステップ
(III)ステップ(II)にて分化した被験者(x1)及び被験者(x2)に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を求めるステップ
を含む方法により構築することができる。
ステップ(I)は、被験者の刺激時混合唾液分泌量を測定して、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上の被験者(X)と、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min未満の被験者(Y)とに二分化するステップである。かかるステップ(I)を経ることにより、被験者の唾液分泌量について、まずは正常であるか(唾液分泌量の低下を伴わない被験者(X))、低下が認められ異常をきたしているか(唾液分泌量の低下を伴う被験者(Y))を判別することができる。唾液分泌量の測定には、上述の方法を用いることができる。
ステップ(II)は、ステップ(I)にて分化した被験者(X)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(x1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2)とに二分化するステップである。かかるステップ(II)を経ることにより、唾液分泌量については正常である(唾液分泌量の低下を伴わない)と判別した被験者(X)に対し、さらに口腔乾燥感の自覚症状について正常である(自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2))か、異常をきたしているか(重度の自覚症状がある被験者(x1))を判別することができる。
なお、上述のとおり、被験者(x1)が、「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症」に罹患した者に該当する。
ステップ(III)は、ステップ(II)にて分化した被験者(x1)及び被験者(x2)に対し、唾液中に存在するCA6の測定量を求めるステップである。かかるステップ(III)を経ることにより、被験者(x1)のCA6の測定量が、被験者(x2)に比べてどの程度増大するのか、判定尺度として決定することができる。
このような判定尺度を構築するにあたり、判定の精度を上げる観点から、可能な限り複数の被験者を対象とするのが望ましい。そして、図1~2に示すような箱ひげ図を作製し、適宜平均値、中央値、各四分位数(25パーセンタイル値、50パーセンタイル値、75パーセンタイル値)、最大値等を活用して、具体的な判定尺度を決定してもよい。
上記判定尺度を構築する方法は、さらに次のステップ(IV)~(V):
(IV)ステップ(I)にて分化した被験者(Y)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(y1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(y2)とに二分化するステップ
(V)ステップ(IV)にて分化した被験者(y1)に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を求めるステップ
を含むことができる。さらにこれらのステップを経ることにより、被験者(y1)の唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量も判定尺度として用いることが可能となる。
ステップ(IV)は、上記ステップ(I)にて分化した被験者(Y)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(y1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(y2)とに二分化するステップである。上記ステップ(I)にて分化した一方の被験者(X)については、さらに上記(II)~(III)を経て被験者(x1)及び被験者(x2)に関するCA6の測定量を求めるが、かかるステップ(IV)では、ステップ(I)にて分化した被験者(Y)について、被験者(y1)を判別し、かかる者の唾液中に存在するCA6の測定量を判定尺度の構築に組み込むことを可能とする。
唾液分泌量の測定には、上述の方法を用いることができる。
なお、被験者(y1)とは異なり、被験者(y2)は判定尺度の構築に寄与しないため、かかるステップ(IV)において、被験者(y2)を判定して予め排除しておく意義もある。
ステップ(V)は、ステップ(IV)にて分化した被験者(y1)に対し、唾液中に存在するCA6の測定量を求めるステップである。かかるステップ(V)を経ることにより、被験者(x1)のCA6の測定量が、被験者(x2)のみならず、被験者(y1)に比べても、どの程度増大するのか、判定尺度としての決定に活用して、判定の精度を高めることができる。
上記判定尺度を構築する方法において、さらに唾液中に存在するラクトフェリン、及びカリクレイン-1から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量を用いて一層判定の精度を高めるには、上記(III)及び/又はステップ(V)において、かかるタンパク質の測定量を求めればよい。すなわち、上記(III)及び/又はステップ(V)において、唾液中に存在するCA6の測定量とともに、これらのタンパク質の測定量も一括して求めればよい。
このように、上記ステップ(I)~(IV)、或いはさらに(IV)~(V)を含む方法により判定尺度を構築した後、得られた判定尺度と、刺激時混合唾液分泌量の測定値が正常である判定対象者の唾液中に存在する各タンパク質の測定量(尺度値)とを照合し、判定対象者が唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者であるか否かを判定すればよい。
本発明の判定方法であれば、唾液分泌量に問題がないために通常の方法では客観的な判定が難しい「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の罹患者」を容易に精度高く抽出することができるため、唾液分泌量に関わらず口腔乾燥感の自覚症状を有する場合をも含む広義の「口腔乾燥症」の罹患者について、客観的な根拠を持って「唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の罹患者」を含む分類をも可能にする。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
《判定尺度の構築》
1)重篤な全身及び口腔の疾患を認めない者であって、唾液分泌促進剤等の服薬のない者59名を被験者とし(平均年齢69歳)、「口腔乾燥について重度の自覚症状がある者」46名と「口腔乾燥について自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある者」13名とに分類し、次の2)に移行するまで通常どおりの生活を送ってもらった。
2)まず、各被験者とも座位で10分間チューインガムを噛んでもらい、分泌された唾液を採取して、シリンジ又はメスシリンダーにより刺激時混合唾液分泌量として測定した。
「口腔乾燥について重度の自覚症状がある者」のうち、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上であった者を被験者(x1)、1ml/min未満であった者を被験者(y1)、「口腔乾燥について自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある者」を被験者(x2)とした。なお、被験者(x2)の刺激時混合唾液分泌量は1ml/min以上であった。被験者(x1)は9名、被験者(x2)は13名、被験者(y1)は37名であった。
3)上記2)で採取した被験者(x1)、被験者(x2)及び被験者(y2)の各唾液を試験管ミキサー(柴田科学製、TTM-1型)で約30秒撹拌した後、速やかに氷上に置き、これ以降の操作は氷上で行った。採取した唾液を、遠心分離機(日立工機 CF15R)を用いて、回転子の回転速度10,000rpm、4℃で10分間の遠心分離に処した。得られた上清について限外濾過膜 (Merck社製、Amicon Ultra 0.5ml遠心式フィルター、カットオフ値3000kDa)を用いて、濃縮処理を行った。得られた濃縮サンプルについて、Advanced Protein Assay(Cytoskelton社)を用いて唾液総タンパク質濃度を測定した。
次に、濃縮サンプル90μl(総タンパク質濃度として60μgに調製)に還元液(100mMジチオトレイトール(シグマ社製)、100mMトリスバッファー(シグマ社製))を5μlを加え、56℃で45分間インキュベートを行った。さらに、アルキル化液(600mMヨードアセトアミド(富士フィルム和光純薬社製)、100mMトリスバッファー(シグマ社製))を5μl加え、遮光条件下、37℃で30分間インキュベートした。さらに、トリプシン液(0.1μg/μlトリプシン(プロメガ社製)、100mMトリスバッファー(シグマ社製))を50μl加え、37℃で18時間消化を行い、終濃度0.3%となるよう、10%トリフルオロ酢酸(富士フィルム和光純薬社製)を加えて反応を停止させた。これにより唾液のタンパク質測定の前処理サンプルを調製した。
唾液に含まれるタンパク質のうち、炭酸脱水酵素6、ラクトフェリン、及びKLK1の3種類のタンパク質について、前処理済みの唾液サンプルをLC-MSにて分析し、対象タンパク質由来ペプチドのピーク面積値をそのタンパク質の相対定量値とした。具体的には、前処理後の試料のタンパク質濃度をLC-UV(LC:nanoAcquity UPLC, UV検出器:Acquity TUV(Waters))にて算出し、各試料についてタンパク質1μgをLC-MS(LC:Ultimate 3000RSLCnano System(Dionex)、MS:TripleTOF 5600+(AB SCIEX))にて分析した。
この際、Analyst TF 1.6ソフトウェアを用いて、2.5時間の分析メソッドでSCAN測定した。次いでMultiQuant 2.1ソフトウェアを用いて、解析対象タンパク質由来のペプチドの抽出イオンクロマトグラムからピーク面積を算出し、各タンパク質の相対定量値として得た。なお、解析対象タンパク質由来のペプチド及びそのm/z値として、以下のものを用いた。
CA6:QSPINLQR;m/z478.26
LFN:FQLFGSPSGQK;598.307
KLK1:LTEPADTITDAVK;m/z687.363
4)上記3)で得られた各タンパク質量を元に、被験者(x1)、被験者(x2)及び被験者(y2)について、各タンパク質ごとに箱ひげ図を作製した。図1に炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6、図2(a)にラクトフェリン、図2(b)にKLK1の箱ひげ図を示す。
《唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定》
1)予め、上記と同様の方法により刺激時混合唾液分泌量を測定し、1ml/min以上であった者1名(唾液分泌量:1.45ml/min)を抽出して判定対象者Aとした。
次いで、上記と同様の方法により、各タンパク質量(炭酸脱水酵素6、ラクトフェリン、及びKLK1)を測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 2023065058000001
2)次いで、得られた各測定量を尺度値として、予め構築した上記判定尺度と照合すべく、図1~2に示す箱ひげ図に照らし合わせた。
その結果、CH6の値は、被験者(x1)の中央値から75パーセンタイル値の間であって、被験者(x2)の中央値や被験者(y1)の中央値と比較して顕著に高値であった。さらにラクトフェリンの値は、被験者(x1)の中央値付近であって、被験者(y1)の中央値よりやや低値であり、被験者(x2)の中央値と比較して顕著に低値であった。
このことから、判定対象者Aは、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症に罹患した者と判定した。

Claims (8)

  1. 刺激時混合唾液分泌量が正常である判定対象者に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を尺度値として判定する、唾液分泌量の低下を伴わない口腔乾燥症の判定方法。
  2. 判定対象者の刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上である、請求項1に記載の判定方法。
  3. さらに、唾液中に存在するラクトフェリン、及びカリクレイン-1から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量を尺度値として判定する、請求項1又は2に記載の判定方法。
  4. 刺激時混合唾液分泌量、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量、及び口腔乾燥感の自覚症状についての問診結果を用いて判定尺度を構築した後、得られた判定尺度と尺度値とを照合して判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の判定方法。
  5. 判定尺度を構築するにあたり、さらに唾液中に存在するラクトフェリン、及びカリクレイン-1から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量を用いる請求項4に記載の判定方法。
  6. 判定尺度を、次のステップ(I)~(IV):
    (I)被験者の刺激時混合唾液分泌量を測定して、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min以上の被験者(X)と、刺激時混合唾液分泌量が1ml/min未満の被験者(Y)とに二分化するステップ
    (II)ステップ(I)にて分化した被験者(X)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(x1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(x2)とに二分化するステップ
    (III)ステップ(II)にて分化した被験者(x1)及び被験者(x2)に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を求めるステップ
    を含む方法により構築する、請求項4又は5に記載の判定方法。
  7. 判定尺度を構築する方法が、さらに次のステップ(IV)~(V):
    (IV)ステップ(I)にて分化した被験者(Y)に対し、口腔乾燥感の自覚症状に応じて、重度の自覚症状がある被験者(y1)と自覚症状がない又は軽度の自覚症状がある被験者(y2)とに二分化するステップ
    (V)ステップ(IV)にて分化した被験者(y1)に対し、唾液中に存在する炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)6の測定量を求めるステップ
    を含む、請求項6に記載の判定方法。
  8. ステップ(III)及び/又はステップ(V)において、さらに唾液中に存在するラクトフェリン、及びカリクレイン-1から選ばれる1種又は2種のタンパク質の測定量を求める、請求項6又は7に記載の判定方法。
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