JP2023064902A - かご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体の径方向における移動を防止しながら、スロットにおいて導体が配置される領域以外の領域を空隙にすることが可能なかご形誘導回転電機用ロータを提供する。【解決手段】このロータ100(かご形誘導回転電機用ロータ)は、複数のスロット13の各々から突出する導体14の軸方向突出部14b同士を電気的に接続する、鋳造により形成された環状のエンドリング15(鋳造接続部)を備える。また、ロータ100は、ロータコア10の端部10a(10b)において空隙部13aを軸方向から覆うように設けられているとともに、軸方向突出部14bに向かって突出する複数の突起部16aを含む環状のリング部材16を備える。複数の突起部16aの各々は、軸方向突出部14bの径方向外側の側面14c(導体側面)に設けられた凹部14dに嵌め込まれている。【選択図】図2
Description
本発明は、かご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法に関する。
従来、ロータコアのスロットに導体が挿入されているとともに、複数の導体の各々のロータコアからの突出部同士を接続する鋳造接続部を備えるかご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載の回転子(かご形誘導回転電機用ロータ)は、回転子鉄心と、回転子鉄心の軸方向両端部に設けられた円環状の短絡環(鋳造接続部)とを備える。回転子鉄心には、複数のスロットが形成されている。複数のスロットの各々には、銅バー(導体)が挿入されている。銅バーは、複数の銅板が周方向に複数枚重ね合わされることにより構成されている。銅バー(銅板)の端部は、回転子鉄心の軸方向両端部から軸方向の外側に突出している。重ね合わされた複数の銅板の各々の端部のうち半分は周方向一方側に折り曲げられ、残りの半分の端部は周方向他方側に折り曲げられている。これにより、周方向に隣り合うスロットに挿入された銅板の端部同士が重ねられている。その結果、銅バーの径方向における位置ずれが防止されている。また、銅バーが配置されている領域以外のスロットの領域にはアルミバーが配置されている。このアルミバーと短絡環とは、アルミダイキャスト成形(鋳造)により一体的に形成されている。
上記特許文献1に記載の回転子(かご形誘導回転電機用ロータ)では、周方向に隣り合うスロットの銅板の端部同士が重ねられていることにより銅バー(導体)の径方向における位置ずれが防止されている。また、上記特許文献1に記載の回転子では、銅バーが配置されている領域以外のスロットの径方向外側の領域にはアルミバーが配置されている。ここで、回転子を流れる磁束に起因する渦電流損を低減するためには、銅バーが配置されている領域以外のスロットの径方向外側の領域は空隙にするのが好ましい。しかしながら、アルミダイキャスト成形(鋳造)により短絡環(接続部)を形成する場合、上記領域にアルミニウム(溶湯)が流れ込むため、上記領域を空隙にすることが困難である。したがって、銅バー(導体)の径方向における移動を防止しながら、銅バー(導体)が配置される領域以外のスロットの領域を空隙にすることが可能なかご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、導体の径方向における移動を防止しながら、導体が配置される領域以外のスロットの領域を空隙にすることが可能なかご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるかご形誘導回転電機用ロータは、軸方向に沿って延びるとともに周方向に所定の間隔で配置された複数のスロットが設けられているロータコアと、複数のスロットの各々において、空隙部が形成されている径方向外側および径方向内側の一方の領域と径方向に隣り合う径方向外側および径方向内側の他方の領域に設けられているとともに、スロットに収容される収容部とスロットから軸方向の両側に突出する軸方向突出部とを含み、誘導電流が流れる複数の導体と、ロータコアの軸方向の両側において、複数のスロットの各々から突出する軸方向突出部同士を電気的に接続する、鋳造により形成された環状の鋳造接続部と、ロータコアの軸方向の端部において空隙部を軸方向から覆うように設けられているとともに、軸方向突出部に向かって突出するように周方向に沿って所定の間隔を隔てて並んで配置される複数の突起部を含む環状のリング部材と、を備え、ロータコアの軸方向の少なくとも一方側の軸方向突出部の径方向外側および径方向内側の一方の導体側面には、凹部が設けられており、リング部材の複数の突起部の各々は、軸方向突出部の凹部に嵌め込まれている。
この発明の第1の局面によるかご形誘導回転電機用ロータでは、上記のように、リング部材によりロータコアの軸方向の端部において空隙部が軸方向から覆われている。これにより、ロータコアの軸方向の端部において鋳造により鋳造接続部を形成する際に、鋳造接続部の溶湯が空隙部に漏れる(流れ込む)のをリング部材により防止することができる。また、この発明の第1の局面によるかご形誘導回転電機用ロータでは、上記のように、リング部材の突起部が導体側面の凹部に嵌め込まれている。これにより、導体が移動した場合でも、突起部の先端部と凹部の底面とが接触することによって、導体の径方向における位置ずれを防止することができる。これらにより、導体の径方向における移動を防止しながら、導体が配置される領域以外のスロットの領域を空隙にすることができる。
また、この発明の第2の局面におけるかご形誘導回転電機用ロータの製造方法は、軸方向に沿って延びるとともに周方向に所定の間隔で配置された複数のスロットが設けられているロータコアの複数のスロットの各々において、スロットのうち径方向外側および径方向内側の一方の領域に空隙部が形成されるように、スロットのうち径方向外側および径方向内側の他方の領域に、スロットに収容される収容部とスロットから軸方向の両側に突出する軸方向突出部とを含むとともに、軸方向の少なくとも一方側の軸方向突出部の径方向外側および径方向内側の一方の導体側面に凹部が設けられる誘導電流が流れる導体を配置する導体配置工程と、導体配置工程の後に、ロータコアの軸方向の端部に、径方向外側および径方向内側の他方に突出するとともに周方向に沿って所定の間隔を隔てて並んで配置される複数の突起部を含む環状のリング部材を、軸方向から空隙部を覆うように配置するリング部材配置工程と、リング部材配置工程の後に、リング部材を周方向に回転させることによって、リング部材の複数の突起部の各々を軸方向突出部の凹部に嵌め込むリング部材回転工程と、リング部材回転工程の後に、ロータコアの軸方向の両側において複数のスロットの各々から突出する軸方向突出部同士を電気的に接続する環状の鋳造接続部を鋳造により形成する鋳造接続部形成工程と、を備える。
この発明の第2の局面によるかご形誘導回転電機用ロータの製造方法では、上記のように、ロータコアの軸方向の端部において空隙部を軸方向から覆うようにリング部材が配置された状態で後の工程で鋳造接続部が形成される。これにより、鋳造接続部の溶湯が空隙部に漏れる(流れ込む)のをリング部材により防止することができる。また、軸方向突出部の凹部にリング部材の突起部が嵌め込まれた状態で後の工程で鋳造接続部が形成される。これにより、導体が移動した場合でも、突起部の先端部と凹部の底面とが接触することによって、鋳造接続部の形成時に導体の径方向における位置ずれを防止することができる。これらにより、導体の径方向における移動を防止しながら、導体が配置される領域以外のスロットの領域を空隙にすることが可能なかご形誘導回転電機用ロータの製造方法を提供することができる。
また、この発明の第2の局面によるかご形誘導回転電機用ロータの製造方法では、上記のように、リング部材を周方向に回転させることによってリング部材の複数の突起部の各々が軸方向突出部の凹部に嵌め込まれる。これにより、リング部材を回転させることによって突起部を凹部に容易に嵌め込むことができる。
本発明によれば、導体の径方向における移動を防止しながら、導体が配置される領域以外のスロットの領域を空隙にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図9を参照して、本実施形態によるロータ100およびロータ100の製造方法について説明する。なお、ロータ100は、特許請求の範囲の「かご形誘導回転電機用ロータ」の一例である。
以下の説明では、「軸方向」とは、ロータコア10の回転軸線(符号O)(Z方向)に沿った方向(図1参照)を意味する。また、「周方向」とは、ロータコア10の周方向(E方向)を意味する。また、「径方向」とは、ロータコア10の径方向(R方向)を意味する。
(ロータの構成)
図1に示すように、ロータ100は、ステータ101と共に、回転電機102に設けられている。すなわち、ロータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部として構成されている。ロータ100は、ステータ101の径方向内側(R1側)に配置されている。
図1に示すように、ロータ100は、ステータ101と共に、回転電機102に設けられている。すなわち、ロータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部として構成されている。ロータ100は、ステータ101の径方向内側(R1側)に配置されている。
ロータ100は、ロータコア10を備える。ロータコア10は、Z方向に沿った中心軸線Oを中心軸とした円筒形状(環形状)を有する。ロータコア10は、複数の電磁鋼板11(図2参照)がZ方向に積層されることにより形成されている。
また、ロータコア10には、図示しないシャフトが挿入されるシャフト挿入孔12が設けられている。上記シャフトは、ギア等の回転力伝達部材を介して、エンジンや車軸等に接続されている。たとえば、回転電機102は、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成されており、車両に搭載されるように構成されている。
ロータコア10には、軸方向(Z方向)に沿って延びるとともに周方向に所定の間隔で配置された複数のスロット13が設けられている。スロット13は、環状のロータコア10の周方向において中心軸線Oを中心に等角度間隔で配列されている。スロット13のうち径方向外側の領域には、空隙部13a(図2参照)が形成されている。また、スロット13は、径方向外側に開口部13b(図6参照)が設けられている。すなわち、ロータ100は、オープンスロット型である。
ロータ100は、複数のスロット13の各々において、空隙部13aが形成されている径方向外側の領域と径方向に隣り合う径方向内側の領域に設けられている複数の導体14を備える。導体14は、ステータ101の図示しない巻線に電力が供給されることにより、誘導電流が流れるように構成されている。
図2に示すように、導体14は、スロット13に収容される収容部14aを含む。また、導体14は、スロット13から軸方向の両側に突出する軸方向突出部14bを含む。なお、導体14は、銅により形成されている。
また、ロータ100は、複数のスロット13の各々から突出する軸方向突出部14b同士を電気的に接続する環状(円環状)ののエンドリング15(図1では一点鎖線により囲まれた斜線部で図示)を備える。エンドリング15は、ロータコア10の軸方向の両側に設けられている。エンドリング15は、鋳造により形成されている。エンドリング15は、アルミニウムにより形成されている。なお、エンドリング15は、特許請求の範囲の「鋳造接続部」の一例である。
ロータコア10の軸方向の両側の軸方向突出部14bの径方向外側(R2側)の側面14cには、凹部14dが設けられている。すなわち、凹部14dは、側面14cから径方向内側(R1側)に窪むように形成されている。なお、側面14cは、特許請求の範囲の「導体側面」の一例である。
図3に示すように、凹部14dは、軸方向突出部14bのうち周方向(E方向)の一方端14eから周方向の他方端14fに渡って設けられている。凹部14dの軸方向(Z方向)の幅W1は、周方向の位置によらず一定である。また、凹部14dの径方向(R方向)の幅W2(図2参照)は、周方向の位置によらず一定である。また、凹部14dのロータコア10側の端部14gの軸方向位置は、ロータコア10の軸方向の端部10aの軸方向位置と同じである。なお、図3では、凹部14dの説明のために、後述するリング部材16およびエンドリング15の図示が省略されている。
また、図2に示すように、ロータ100は、環状(円環状)(図4参照)のリング部材16を備える。
図4に示すように、リング部材16は、複数の突起部16aを含む。複数の突起部16aは、軸方向突出部14bに向かって突出するように周方向(E方向)に沿って所定の間隔を隔てて並んで配置されている。突起部16aは、軸方向突出部14bと同数設けられている。なお、突起部16aは、Z方向から見て、矩形形状を有する。
リング部材16は、複数の突起部16a同士を接続する環状のリング接続部16bを含む。複数の突起部16aの各々は、リング接続部16bから径方向内側(R1側)に突出するように設けられている。
図2に示すように、リング部材16(リング接続部16b)は、ロータコア10の空隙部13aを軸方向から覆うように設けられている。また、リング部材16の複数の突起部16aの各々は、軸方向突出部14bの凹部14dに嵌め込まれている。
リング部材16(リング接続部16b)により空隙部13aが軸方向から覆われていることにより、鋳造によりエンドリング15を形成する際に、エンドリング15の溶湯が空隙部13aに漏れる(流れ込む)のをリング部材16(リング接続部16b)により防止することができる。また、リング部材16の突起部16aが側面14cの凹部14dに嵌め込まれていることにより、導体14が移動した場合でも、突起部16aの先端部16c(図5参照)と凹部14dの底面14h(図5参照)とが接触することによって、導体14の径方向における位置ずれを防止することができる。これらにより、導体14の径方向における移動を防止しながら、導体14が配置される領域以外のスロット13の領域を空隙にすることができる。
また、突起部16aが凹部14dに嵌め込まれているので、導体14の軸方向における位置ずれを防止することができる。
また、導体14の径方向の位置ずれを防止することにより複数のスロット13の各々における導体14の径方向位置を互いに同じにすることができるので、ロータ100の回転がアンバランスになるのを防止することが可能である。
図5に示すように、リング部材16は、軸方向(Z方向)の厚みt1が一定の平板形状を有している。リング部材16の厚みt1は、凹部14dの軸方向の幅W1(図3参照)よりも僅かに小さい。すなわち、リング部材16の突起部16aと凹部14dとの間には、軸方向に沿って長さL1を有する隙間C1が形成されている。長さL1は、凹部14dの幅W1とリング部材16の厚みt1との差分(L1=W1-t1)である。なお、隙間C1の長さL1は、リング部材16の厚みt1よりも小さい。
また、リング部材16の突起部16aの先端部16cには、軸方向(Z方向)に沿って延びる側面16dが設けられている。また、凹部14dには、リング部材16(突起部16a)の側面16dと径方向(R方向)に対向する底面14hが設けられている。底面14hは、軸方向に沿って延びている。なお、リング部材16の側面16dおよび凹部14dの底面14hは、平坦面形状を有している。
リング部材16の側面16dと凹部14dの底面14hとの間には、隙間C2が形成されている。隙間C2の径方向(R方向)の長さL2は、突起部16aの周方向(E方向)の幅W3(図4参照)よりも小さい。また、隙間C2の径方向の長さL2は、突起部16aの径方向(R方向)の幅W4よりも小さい。なお、突起部16aの径方向の幅W4は、凹部14dの径方向の幅W2(図2参照)と隙間C2の径方向の長さL2との差分(W4=W2-L2)である。
また、突起部16aの周方向の幅W3は、導体14の周方向における幅W14(図3参照)以上である。また、突起部16aの周方向の幅W3は、スロット13の周方向における幅W13(図3参照)の最大値以上である。なお、図6に示すように、スロット13の周方向における幅W13は、導体14が配置されている領域において最大となるとともに、開口部13bの近傍において径方向外側に向かって徐々に小さくなる。なお、図6では、簡略化のために、エンドリング15およびリング部材16の図示が省略されている。
また、図2に示すように、リング部材16は、軸方向の両側の凹部14dの各々に対応するように、ロータコア10の軸方向の両側の端部(10a、10b)に設けられている。すなわち、リング部材16は2つ設けられている。
これにより、導体14の径方向における位置ずれが軸方向の両側のリング部材16により規制されるので、導体14の径方向における位置ずれをより確実に防止することができる。また、エンドリング15を鋳造により形成する際に、軸方向の両側において、エンドリング15の溶湯が空隙部13aに漏れる(流れる)のをリング部材16により防止することができる。
また、軸方向の両側のリング部材16は、互いに同じ形状を有し、かつ、互いに同じ材質により形成されている。
具体的には、リング部材16は、非磁性の部材により形成されている。たとえば、リング部材16は、非磁性のステンレス(SUS)により形成されている。
これにより、ロータコア10の磁束がリング部材16に漏れるのを極力防止することができる。その結果、ロータ100のトルクが低減するのを極力防止することができる。
また、図5に示すように、リング部材16のリング接続部16bの径方向(R方向)の幅W5は、エンドリング15のうち導体14よりも径方向外側の部分15aの径方向の幅W6以上で、かつ、空隙部13aの径方向の長さL3以下である。すなわち、リング部材16の外周面16eは、径方向において、ロータコア10の外周面10cとエンドリング15の外周面15bとの間の範囲に設けられている。リング部材16の外周面16eが、径方向において、ロータコア10の外周面10cまたはエンドリング15の外周面15bと同じ位置に設けられてもよい。なお、リング部材16の外周面16eの径方向位置がロータコア10の外周面10cの径方向位置に近いのが好ましい。図5では、リング接続部16bの幅W5と空隙部13aの長さL3とが略等しく、リング部材16の外周面16eがロータコア10の外周面10cと面一である例が示されている。
リング接続部16bの径方向(R方向)の幅W5がエンドリング15の部分15aの径方向の幅W6以上であることにより、エンドリング15の鋳造時に、エンドリング15の溶湯がリング部材16を超えて空隙部13aに漏れる(流れる)のをより一層確実に防止することができる。また、リング接続部16bの径方向の幅W5が空隙部13aの径方向の長さL3以下であることにより、ロータ100(リング部材16)とステータ101との間のギャップが過度に小さくなるのを防止することができるとともに、リング部材16とステータ101とが干渉するのを防止することができる。
[ロータの製造方法]
図7および図8を参照して、ロータ100の製造方法について説明する。
図7および図8を参照して、ロータ100の製造方法について説明する。
まず、ステップS1において、複数のスロット13の各々において、スロット13の径方向外側の領域に空隙部13aが形成されるように、スロット13の径方向内側の領域に導体14を配置する導体配置工程が行われる。具体的には、導体配置工程(S1)では、予め形成された導体14が、複数のスロット13の各々に軸方向に沿って挿入される。
次に、ステップS2において、ロータコア10の軸方向の両側の端部(10a、10b)において、軸方向から空隙部13aを覆うようにリング部材16を配置するリング部材配置工程が行われる。具体的には、リング部材配置工程(S2)では、リング部材16の複数の突起部16aの各々が周方向に隣り合うスロット13(導体14)同士の間に配置される(図8参照)ように、リング部材16がロータコア10に配置される。この際、複数のスロット13の各々の空隙部13a(図2参照)は、リング接続部16bにより軸方向から覆われる。なお、リング部材配置工程(S2)では、リング部材16は、ロータコア10に対して軸方向に沿って相対的に移動される。
次に、ステップS3において、リング部材16を周方向(E方向)に回転させるリング部材回転工程が行われる。図9に示すように、リング部材回転工程(S3)は、リング部材16を周方向に回転することにより、リング部材16の複数の突起部16aの各々を軸方向突出部14bの凹部14d(図2参照)に嵌め込む工程である。すなわち、リング部材16の突起部16aは、凹部14dに周方向の一方側から挿入される。なお、リング部材16が回転されても、リング接続部16bの径方向位置は変化しないので、空隙部13aはリング接続部16bにより軸方向から覆われたままである。
空隙部13aがリング接続部16bにより軸方向から覆われている状態で後の工程でエンドリング15が鋳造により形成されるので、エンドリング15の溶湯が空隙部13aに漏れるのをリング部材16により防止することができる。また、軸方向突出部14bの凹部14dにリング部材16の突起部16aが嵌め込まれた状態でエンドリング15が後の工程で形成される。これにより、導体が移動した場合でも、突起部16aの先端部16c(図5参照)と凹部14dの底面14h(図5参照)とが接触することによって、エンドリング15の形成時に導体14の径方向における位置ずれを防止することができる。これらにより、導体14の径方向における移動を防止しながら、導体14が配置される領域以外のスロット13の領域を空隙にすることが可能なロータ100の製造方法を提供することができる。
また、リング部材16を回転させることによって突起部16aを凹部14dに容易に嵌め込むことができる。
次に、ステップS4において、ロータコア10の軸方向の両側において複数の軸方向突出部14b同士を電気的に接続するエンドリング15を鋳造により形成するエンドリング形成工程が行われる。具体的には、ロータコア10の軸方向の両側に図示しない鋳造用型が配置された状態で鋳造用型の内部にエンドリング15の溶湯が流し込まれ、その後、鋳造用型の内部に充填された溶湯が硬化されることにより、エンドリング15が形成される。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、スロット13のうち径方向外側の領域に空隙部13aが設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。スロットのうち径方向内側の領域に空隙部が設けられていてもよい。
具体的には、図10に示すように、導体114は、ロータコア110のスロット113のうち径方向外側の領域に設けられている。また、スロット113のうち径方向内側の領域には、空隙部113aが形成されている。この場合、導体114の軸方向突出部114bの径方向内側の側面114cには凹部114dが設けられている。凹部114dには、リング部材116の突起部116aが嵌め込まれている。突起部116aは、リング部材116のリング接続部116bから径方向外側に突出するように設けられている。この場合、ロータコア110は、図示しないステータの径方向外側に配置される。なお、側面114cは、特許請求の範囲の「導体側面」の一例である。
また、上記実施形態では、リング部材16の突起部16aがZ方向から見て矩形形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。突起部16aがZ方向から見て矩形形状以外の形状を有していてもよい。
具体的には、図11に示すように、リング部材216の突起部216aは、リング部材216の先端部216c側の角部216dが面取り加工されている。角部216dは、突起部216aの周方向(E方向)の両側に設けられている。すなわち、突起部216aは、Z方向から見て多角形形状を有する。これにより、リング部材216を回転させることにより導体14の凹部14dに突起部216aを嵌め込みやすく(挿入しやすく)することが可能である。
また、図12に示すように、リング部材316の突起部316aは、先端部316cの側面316dを有している。側面316dは、径方向外側に凸の湾曲形状を有する。また、導体314の凹部314dは、突起部316aが凹部314dに嵌め込まれた状態で側面316dと対向する底面314hを有する。底面314hは、突起部316aの側面316dと同様に、径方向外側に凸の湾曲形状を有する。なお、底面314hは、突起部316aの側面316dと平行に延びるように湾曲している。また、図12では、リング部材316を回転させる前の状態が図示されている。
また、上記実施形態では、リング部材16がロータコア10の軸方向の両側に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。リング部材16がロータコア10の軸方向の一方側のみに設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、リング部材16がステンレス(SUS)により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、リング部材がアルミニウムにより形成されていてもよい。また、上記実施形態では、エンドリング15(鋳造接続部)がアルミニウムにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。エンドリングが銅またはアルミニウム合金により形成されていてもよい。また、導体14が、銅合金により形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ロータ100がオープンスロット型である例を示したが、本発明はこれに限られない。ロータ100がクローズドスロット型であってもよい。
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
リング部材(16)の突起部(16a)の先端部(16c)に設けられる第1側面(16d)と、凹部(14d)のうちリング部材(16)の第1側面(16d)と径方向に対向する第2側面(14h)との間の隙間(C2)の径方向の長さ(L2)は、突起部(16a)の周方向の幅(W3)よりも小さい。
凹部(14d)は、軸方向突出部(14b)のうち周方向の一方端(14e)から周方向の他方端(14f)に渡って設けられている。
10、110…ロータコア、10a、10b…端部、13…スロット、13a、113a…空隙部、14、114、314…導体、14a…収容部、14b、114b…軸方向突出部、14c、114c…側面(導体側面)、14d、114d、314d…凹部、15…エンドリング(鋳造接続部)、15a…部分(鋳造接続部の部分)、16…リング部材、16a、116a、216a、316a…突起部、16b、116b…リング接続部、100…ロータ(かご形誘導回転電機用ロータ)、L3…長さ(空隙部の長さ)、W5…幅(リング接続部の幅)、W6…幅(鋳造接続部の部分の幅)
Claims (5)
- 軸方向に沿って延びるとともに周方向に所定の間隔で配置された複数のスロットが設けられているロータコアと、
前記複数のスロットの各々において、空隙部が形成されている径方向外側および径方向内側の一方の領域と径方向に隣り合う径方向外側および径方向内側の他方の領域に設けられているとともに、前記スロットに収容される収容部と前記スロットから前記軸方向の両側に突出する軸方向突出部とを含み、誘導電流が流れる複数の導体と、
前記ロータコアの前記軸方向の両側において、前記複数のスロットの各々から突出する前記軸方向突出部同士を電気的に接続する、鋳造により形成された環状の鋳造接続部と、
前記ロータコアの前記軸方向の端部において前記空隙部を前記軸方向から覆うように設けられているとともに、前記軸方向突出部に向かって突出するように前記周方向に沿って所定の間隔を隔てて並んで配置される複数の突起部を含む環状のリング部材と、を備え、
前記ロータコアの前記軸方向の少なくとも一方側の前記軸方向突出部の径方向外側および径方向内側の前記一方の導体側面には、凹部が設けられており、
前記リング部材の前記複数の突起部の各々は、前記軸方向突出部の前記凹部に嵌め込まれている、かご形誘導回転電機用ロータ。 - 前記軸方向の両側の前記軸方向突出部の前記導体側面には、前記凹部が設けられており、
前記リング部材は、前記軸方向の両側の前記凹部の各々に対応するように、前記ロータコアの前記軸方向の両側の前記端部に設けられている、請求項1に記載のかご形誘導回転電機用ロータ。 - 前記リング部材は、非磁性の部材により形成されている、請求項1または2に記載のかご形誘導回転電機用ロータ。
- 前記リング部材は、前記複数の突起部同士を接続するとともに前記空隙部を覆うように設けられる環状のリング接続部を含み、
前記リング部材の前記リング接続部の径方向の幅は、前記鋳造接続部のうち前記導体よりも径方向内側および径方向外側の前記一方に設けられる部分の前記径方向の幅以上で、かつ、前記空隙部の前記径方向の長さ以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のかご形誘導回転電機用ロータ。 - 軸方向に沿って延びるとともに周方向に所定の間隔で配置された複数のスロットが設けられているロータコアの前記複数のスロットの各々において、前記スロットのうち径方向外側および径方向内側の一方の領域に空隙部が形成されるように、前記スロットのうち径方向外側および径方向内側の他方の領域に、前記スロットに収容される収容部と前記スロットから前記軸方向の両側に突出する軸方向突出部とを含むとともに、前記軸方向の少なくとも一方側の前記軸方向突出部の径方向外側および径方向内側の前記一方の導体側面に凹部が設けられる誘導電流が流れる導体を配置する導体配置工程と、
前記導体配置工程の後に、前記ロータコアの前記軸方向の端部に、径方向外側および径方向内側の前記他方に突出するとともに前記周方向に沿って所定の間隔を隔てて並んで配置される複数の突起部を含む環状のリング部材を、前記軸方向から前記空隙部を覆うように配置するリング部材配置工程と、
前記リング部材配置工程の後に、前記リング部材を前記周方向に回転させることによって、前記リング部材の前記複数の突起部の各々を前記軸方向突出部の前記凹部に嵌め込むリング部材回転工程と、
前記リング部材回転工程の後に、前記ロータコアの前記軸方向の両側において前記複数のスロットの各々から突出する前記軸方向突出部同士を電気的に接続する環状の鋳造接続部を鋳造により形成する鋳造接続部形成工程と、を備える、かご形誘導回転電機用ロータの製造方法。
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JP2021175341A JP2023064902A (ja) | 2021-10-27 | 2021-10-27 | かご形誘導回転電機用ロータおよびかご形誘導回転電機用ロータの製造方法 |
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JP2023064902A true JP2023064902A (ja) | 2023-05-12 |
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