JP2023064524A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯表面におけるプラークの形成やプラークの成熟化を抑制すること。【解決手段】塩化ドデシルピリジニウム、及びグリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、プラーク(歯垢)形成抑制用組成物等に関する。なお、本明細書に記載される全ての文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
プラーク(歯垢)は、口腔内微生物が凝集したバイオフィルムであり、う蝕や歯周病の原因となり得ると考えられている。このため、プラークコントロール、特にプラーク形成の抑制は重要である。
大まかに言えば、次のようにしてプラークは形成される。すなわち、まず歯の表面に「ペリクル」という唾液や生理的歯肉溝浸出液由来のタンパクの薄い膜が形成され、当該ペリクルを介して連鎖球菌などの通性嫌気性菌(初期付着菌)が歯面に付着する。この初期付着菌に様々な口腔細菌と共凝集するフゾバクテリウム等の媒介細菌が付着し、さらに当該媒介細菌を介して嫌気性菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスやトレポネーマ・デンティコーラ等の後期付着菌が付着・凝集し、プラークは成熟する。特に、後期付着菌は歯周病の原因となり、歯周組織の破壊に直接的、間接的に関係することが知られている。
J Dent Res 90(11):1271-1278, 2011
上記のことから、歯表面におけるプラークの形成を抑制すること、特に後期付着菌が付着・凝集しプラークが成熟化するのを抑制することは、歯周病を予防する上で重要である。
本発明者らは、媒介細菌であるフゾバクテリウムに着目して、検討を行った。様々な細菌と共凝集が可能な媒介細菌であるフゾバクテリウムの働きを抑制することができれば、後期付着菌が歯表面に付着・凝集することを抑制でき、ひいてはプラーク形成の成熟化を抑制することが可能となると考えられるからである。
そこで、フゾバクテリウムを殺菌する手法について検討を進めた。しかし、通常口腔用組成物に用いられる各種殺菌剤を検討してみても、フゾバクテリウムを効率よく殺菌できる殺菌剤は見いだすことができなかった。
通常口腔用組成物に用いられる殺菌剤の一例である、塩化セチルピリジニウムについても例外ではなく、フゾバクテリウムに対する効率的な殺菌効果は認められなかった。しかし、本発明者らはさらに検討を進め、塩化セチルピリジニウムは塩化C16アルキルピリジニウムであるところ、このアルキル基の長さがフゾバクテリウムへの殺菌効果に影響している可能性を見いだし、さらに改良を重ねた。その結果、塩化C12アルキルピリジニウムである塩化ドデシルピリジニウムが、フゾバクテリウムに対する優れた殺菌効果を示すことを見いだした。
そこで、塩化ドデシルピリジニウムを用いて実際に口腔内のフゾバクテリウムを殺菌すべく、さらに検討を進めたところ、塩化ドデシルピリジニウムは、塩化セチルピリジニウムに比べて、歯面滞留性が悪いことがわかった。このため、塩化ドデシルピリジニウムの歯面滞留性を向上させるべく、さらに検討を重ねた。
本開示は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
塩化ドデシルピリジニウム、及び
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
を含有する口腔用組成物。
項2.
塩化ドデシルピリジニウム、及び
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
を含有するプラーク形成抑制用組成物。
項3.
塩化ドデシルピリジニウム、及び
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
を含有するフゾバクテリウム殺菌用組成物。
項4.
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種が、
グリチルリチン酸ジカリウムである、
項1~3のいずれかに記載の組成物。
項5.
塩化ドデシルピリジニウム1質量部に対して、
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を0.1~20質量部
含有する項1~4のいずれかに記載の組成物。
項6.
塩化ドデシルピリジニウムを0.01~0.5質量%含有する、項1~5のいずれかに記載の組成物。
項7.
グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を0.01~1質量%含有する、項1~6のいずれかに記載の組成物。
項8.
さらに、クエン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1~7のいずれかに記載の組成物。
効率よく、プラーク形成における媒介細菌であるフゾバクテリウムを殺菌する手法が提供され、さらには、その殺菌有効成分(塩化ドデシルピリジニウム)が効率よく歯面に滞留可能な手法が提供される。これにより、プラーク形成を効率よく抑制することも可能となる。
塩化アルキルピリジニウム(CPC及びDPC)のフゾバクテリウム殺菌効果検討結果を示す。 塩化アルキルピリジニウム(CPC及びOPC)のフゾバクテリウム殺菌効果検討結果を示す。 DPC及びグリチルリチン酸ジカリウムを含有する組成物における、DPCの歯面滞留性を検討した結果を示す。 DPC及びグリチルリチン酸ジカリウムを含有する組成物における、DPCの歯面滞留性を検討した結果を示す。
以下、本開示に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。本開示は、塩化C12直鎖アルキルピリジニウム(つまり塩化ドデシルピリジニウム)及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する組成物、並びに当該組成物の用途を包含する。当該組成物は、例えば口腔用組成物、フゾバクテリウム殺菌用組成物、及びプラーク形成抑制用組成物等として好ましく用いることができ、本開示はこれらの用途も好ましく包含する。ただし、これらに限定されるわけではなく、本開示は本明細書に開示され当業者が認識できる全てを包含する。
本開示に包含される、塩化ドデシルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する組成物を、「本開示の組成物」ということがある。
なお、ここでのフゾバクテリウムとは、プラーク形成において初期付着菌と後期付着菌との媒介細菌であるフゾバクテリウム属の菌であれば特に限定はされないが、Fusobacterium nucleatum(フゾバクテリウム ヌクレアタム)が好ましく例示される。
本開示の組成物は、上記の通り、塩化ドデシルピリジニウムを含有する。塩化ドデシルピリジニウムの含有量としては、効果が奏される範囲であれば特に制限はされないが、例えば0.01~0.5質量%程度が挙げられる。なお、当該範囲の上限又は下限は、例えば0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49質量%であってもよい。例えば当該範囲は0.02~0.3質量%程度であってもよい。
本開示の組成物は、また、上記の通り、グリチルリチン酸又はその塩を含有する。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ジナトリウム塩またはジカリウム塩がより好ましい。グリチルリチン酸ジカリウムが特に好ましい。グリチルリチン酸又はその塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。つまり、本開示の組成物には、グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。本開示の組成物におけるグリチルリチン酸又はその塩の含有量としては、効果が奏される範囲であれば特に制限はされないが、例えば0.01~1質量%程度が挙げられる。なお、当該範囲の上限又は下限は、例えば0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、又は0.95質量%であってもよい。例えば当該範囲は0.02~2質量%程度であってもよい。また、グリチルリチン酸又はその塩が2種以上組み合わせて用いられる場合は、その合計量が前記範囲であることが好ましい。
本開示の組成物において、塩化ドデシルピリジニウムとグリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種との含有量比は、効果が奏される範囲であれば特に制限はされない。例えば、前者1質量部に対して後者0.1~20質量部程度が挙げられる。当該範囲(0.1~20質量部)の上限又は下限は例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19質量部であってもよい。例えば当該範囲は0.2~10質量部であってもよい。また、前者1質量部に対して後者1質量部以上である場合に、特に優れた塩化ドデシルピリジニウムの歯面滞留性向上効果が奏されるため、特に好ましい。
本開示の組成物は、フゾバクテリウム殺菌用として有用な塩化ドデシルピリジニウムを含有し、さらに、塩化ドデシルピリジニウムの歯面滞留性を向上させることができるグリチルリチン酸又はその塩を含有することから、フゾバクテリウム殺菌用として好ましく用いることができる。また、上記の通り、フゾバクテリウムを殺菌することにより歯表面におけるプラークの形成を抑制することができるといえることから、本開示の組成物は、プラーク形成抑制用組成物としても好ましく用いることができる。そして、このような事情から、本開示の組成物は、口腔用組成物としても好ましく用いることができる。当該口腔用組成物は、プラーク形成抑制用、フゾバクテリウム殺菌用等として、好ましく用いることができる。
本開示の組成物は、固形組成物、液体組成物でありえる。当該組成物は、例えば医薬品、医薬部外品として用いることができる。また、本開示の組成物の形態は、特に限定するものではないが、常法に従って例えば軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、ジェル剤、液剤、スプレー剤、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、ガム剤等の形態(剤形)にすることができる。なかでも、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、軟膏剤、ペースト剤、液剤、ジェル剤であることが好ましい。
本開示の組成物は、効果を損なわない範囲で、例えば口腔用組成物に配合し得る任意成分を単独で又は2種以上さらに含有してもよい。
例えば、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、例えば、ノニオン界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド類;グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレン付加係数が8~10、アルキル基の炭素数が13~15であるポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン付加係数が10~18、アルキル基の炭素数が9であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;セバシン酸ジエチル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩;ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型活性剤;N-ココイル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型活性剤;N-ラウリルジアミノエチルグリシン等のアミノ酸型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全量に対して0.1~5質量%である。
また、香味剤として、例えば、メントール、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、シトロネール、α-テルピネオール、メチルアセタート、シトロネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d-カンフル、d-ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等の香料を用いることができる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて組成物全量に対して例えば0.001~1.5質量%配合することができる。
また、甘味剤として、例えば、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、p-メトキシシンナミックアルデヒド等を用いることができる。これらは、組成物全量に対して例えば0.01~1質量%配合することができる。
さらに、湿潤剤として、ソルビット、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、ポリオキシエチレングリコール等を単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
防腐剤として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤として、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を配合してもよい。
pH調整剤として、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等を配合してもよい。これらは、組成物のpHが4~8、好ましくは5~7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。pH調整剤の配合量は例えば0.01~2重量%であってよい。
本開示の組成物においてpH調整剤を用いる場合には、特にクエン酸又はその塩が好ましい。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩またはカリウム塩がより好ましい。クエン酸又はその塩は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。つまり、本開示の組成物には、クエン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。本開示の組成物におけるクエン酸又はその塩の含有量としては、効果が奏される範囲であれば特に制限はされないが、例えば0.01~2質量%程度が挙げられる。なお、当該範囲の上限又は下限は、例えば0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、又は2.9質量%であってもよい。例えば当該範囲は0.02~2質量%程度であってもよい。また、クエン酸又はその塩が2種以上組み合わせて用いられる場合は、その合計量が前記範囲であることが好ましい。また、クエン酸とクエン酸塩とが組み合わせて用いられる場合、特に限定はされないが、その比率は、クエン酸1質量部に対してクエン酸塩1~15質量部程度であることが好ましい。当該範囲(1~15質量部)の上限又は下限は例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14質量部であってもよい。例えば当該範囲は2~10質量部であってもよい。
本開示の組成物において、塩化ドデシルピリジニウムとクエン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種との含有量比は、効果が奏される範囲であれば特に制限はされない。例えば、前者1質量部に対して後者0.5~20質量部程度が挙げられる。当該範囲(0.5~20質量部)の上限又は下限は例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19質量部であってもよい。例えば当該範囲は1~15質量部であってもよい。
本開示の組成物には、塩化ドデシルピリジニウムのみならず、さらに、薬効成分として酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸トコフェロール、またはニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、ドデシルジアミノエチルグリシン等の両性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール等の非イオン性殺菌剤、ラウロイルサルコシンナトリウム等のアニオン系殺菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン系殺菌剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物、トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、アラントイン、カルバゾクロム、ヒノキチオール、硝酸カリウム、パラチニット等を、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
特に限定される訳ではないが、本開示の組成物は塩化セチルピリジニウムをさらに含有することが中でも好ましい。塩化セチルピリジニウムをさらに含有する場合、その含有量は例えば0.01~0.5質量%程度が挙げられる。なお、当該範囲の上限又は下限は、例えば0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.3、0.31、32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.4、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49質量%であってもよい。例えば当該範囲は0.02~0.3質量%程度であってもよい。
また、基剤として、アルコール類、シリコン、アパタイト、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、プラスチベース等を添加することも可能である。
また、本開示の組成物は、公知の方法または公知の方法から容易に想到する方法により調製することができる。例えば、塩化ドデシルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩並びに必要に応じてその他の成分等を適宜混合することによって調製することができる。
本開示の組成物を適用する対象は、特に限定はされず、ヒト及び非ヒト哺乳類が好ましく挙げられる。非ヒト哺乳類としては、家畜やペットなどが好ましく、より具体的には例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、サル等が挙げられる。また、本開示の組成物は、特に限定はされないが、上記の通り、塩化ドデシルピリジニウムが媒介細菌たるフゾバクテリウムを効率よく殺菌できることから、特にプラークが形成されていないか、形成途中(後期付着菌が付着していない)の対象の口腔に適用するために、特に適しているということができる。
なお、上述した本開示の組成物に関する記載は、例えば口腔用組成物として用いられないプラーク形成抑制用組成物や上記フゾバクテリウム殺菌剤含有組成物(例えば義歯洗浄用として使用される場合が挙げられる)についても、そのまま当てはまり得る。
本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本開示は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本開示の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本開示に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本開示には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、例を示して本開示の実施形態をより具体的に説明するが、本開示の実施形態は下記の例に限定されるものではない。
フゾバクテリウムに対する塩化アルキルピリジニウムの殺菌効果の検討
以下の3種類の塩化アルキルピリジニウムを水に各種濃度(0.03%、0.05%、又は0.10%)になるよう溶解させ、殺菌剤液として用いた。なお、当該殺菌剤液の塩化アルキルピリジニウム濃度(%)はw/v%であるが、溶媒が水であること、及び濃度が比較的低いことから、質量%(w/w%)とほとんど数値としては変わらず、近似することができる。以下のいずれの検討においても同様である。
塩化オクチルピリジニウム(OPC):下記式でR=(CHCH
塩化ドデシルピリジニウム(DPC):下記式でR=(CH11CH
塩化セチルピリジニウム(CPC):下記式でR=(CH15CH
Figure 2023064524000001
また、供試菌として、以下のフゾバクテリウムの2つの亜種を用いた。
菌1:Fusobacterium nucleatum subsp. nucleatum ATCC23726
菌2:Fusobacterium nucleatum subsp. nucleatum ATCC25586
供試菌をGAMブイヨン培地(日水製薬株式会社)10mlにそれぞれ植菌し、37℃で2日間嫌気培養した。当該培養液を供試菌液として用いた。
濃度の異なる殺菌剤液200μlに供試菌液200μlを混合した。混合から30秒後に当該混合液100μlを採取し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に大豆レシチン、Tween 80をそれぞれ終濃度0.07%、0.5%になるように添加した薬剤不活化PBS900μlを加え(混合液を10倍希釈)、殺菌剤の殺菌作用を不活化した。また、薬剤不活化PBSにより混合液を段階希釈し、前記混合液を10~10倍まで希釈した(段階混合液希釈液)。
CDC嫌気性菌用ヒツジ血液寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)に、調製した段階混合液希釈液をそれぞれ100μlずつ塗抹し、37℃で3日間嫌気培養し、生菌数をカウントした。
結果を図1及び図2に示す。なお、これらの図は、Log(生菌数)CFU/mlを縦軸としたグラフである。また、これらの図におけるCPC、DPC、OPCの濃度は、殺菌剤液として調製した当該成分の濃度を示す。CPC及びOPCはフゾバクテリウムに対して殺菌効果を示さない一方で、DPCは比較的低濃度であってもフゾバクテリウムに対して殺菌効果を示すことが分かった。
次に、DPCの歯面滞留性を、以下のようにして検討した。
[唾液の採取]
唾液の採取はクリーンルームにおいて実施した。被験者からの唾液採取は、自然に分泌される唾液を約3mlに達するまで行った。採取した唾液は、スイングローター式遠心分離機を用いて、5℃、11,000rpm、10分の条件で処理し、上清画分を採取した。採取した上清画分は氷冷の下、約1時間紫外線を照射し、試験に供するまで冷蔵した。
[HAP(ヒドロキシアパタイト)担体の調製]
歯牙表面と同様の挙動を示すHAP担体(ヒドロキシアパタイト粉末唾液処理物)を以下の手順に従って、調製した。
ヒドロキシアパタイト粉末(Bio-GelHTP Gel;BIO-RAD Lab.社製)50mgをPPチューブ(Falcon2059)に秤取し、蒸留水を2ml添加し、1時間振とう処理を行った。処理後、室温、3000rpm、5分の条件で遠心分離処理を行い、上清を除去した。次いで、前記で得られた唾液を2ml添加し、タッチミキサーで均一にしたのちに、37℃に設定した恒温層内で約15時間振とう処理を行った。その後、再び室温、3000rpm、5分の条件で遠心分離処理を行い、上清を除去し、「HAP担体」を得た。
[吸着試験]
上記で得られたHAP担体(約50mg)に各被検体2mlを添加し、タッチミキサーで均一にしたのちに、37℃に設定した恒温層内で15分間振とう処理を行い、室温、3000rpm、5分の条件で遠心分離処理を行って上清を除去した。得られた残渣に、蒸留水2mlを添加し、タッチミキサーを用いて均一にした後に、室温、3000rpm、5分の条件で遠心分離処理を行って上清を除去した。得られた残渣に対して、前記と同じ条件で蒸留水洗浄処理を行ない、残渣として吸着処理後のHAP担体を得た。
[吸着量の測定]
クエン酸(4.2g)、クエン酸2水素1ナトリウム(4.64g)を溶解した1000mlの蒸留水のpHを3.0に調整した。次いで、ラウリル硫酸ナトリウム(2.88g)を加え、アセトニトリル3000mlを添加し均一にしたのちに脱泡処理を行い、抽出溶媒とした。上記で得られた吸着処理後のHAP担体に、抽出溶媒5mlを加え、タッチミキサーで均一にしたのちに、10分間振とう処理を行った。処理後、室温、3000rpm、5分の遠心分離処理を行った後に、得られた上清を20mlメスフラスコに分取した。さらにもう一度前記の抽出処理を行い、得られた上清を前記メスフラスコに秤取した。その後、20mlに定容し、得られた溶液中の塩化アルキルピリジニウム(DPC、CPC)の含有量を、HPLCを用いて測定した。具体的には、DPC及びCPCの濃度既知標準溶液を調製し、滞留性試験サンプルとのピーク面積比較により吸着量を算出した。HPLC分析条件は次の通りとした。
<分析条件>
カラム:C18カラム(逆相)
移動相:過塩素酸溶液/アセトニトリル混液
温度:50℃
検出器:PDA(250~260nm付近)
結果は、HAP担体50mgに対する塩化ドデシルピリジニウム吸着量(μg)及び塩化セチルピリジニウム吸着量(μg)として計算することにより得た。
[具体的な検討内容及び結果]
まず、DPC0.05%水溶液、CPC0.05%水溶液、並びに、DPC0.05%及びCPC0.05%水溶液、の3種類の水溶液を、被検体として吸着試験に供した。結果を表1に示す。
Figure 2023064524000002
当該結果から、塩化ドデシルピリジニウム(DPC)は、歯面滞留性が悪いことがわかった。
そこで、DPCの歯面滞留性を向上させる素材を見いだすべく、各種成分及びDPCを含む水溶液を調製したところ、グリチルリチン酸又はその塩がDPCの歯面滞留性を向上させることを見いだした。このことを示すデータを以下に記載する。すなわち、表2に示す組成に従って各組成物(実施例1a~1d及び比較例A)を調製し、被検体として吸着試験に供した。結果を表2にあわせて示す。また、当該結果をグラフ化して図3に示す。
Figure 2023064524000003
さらに、グリチルリチン酸ジカリウム量を振って、DPCの歯面滞留性が変化するかも検討した。すなわち、表3に示す組成に従って各組成物(実施例2a~2d及び比較例A)を調製し、被検体として吸着試験に供した。結果を表3にあわせて示す。また、当該結果をグラフ化して図4に示す。
Figure 2023064524000004
当該結果から、グリチルリチン酸又はその塩の含有量が、DPC含有量より多い場合に、特に優れたDPCの歯面滞留性が奏されることが分かった。
なお、さらに、DPCの歯面滞留性を向上させる素材について探索を行ったところ、クエン酸又はその塩もDPCの歯面滞留性を向上させることを見いだした。このことを示すデータを以下に記載する。すなわち、表4に示す組成に従って各組成物を調製し、被検体として吸着試験に供した。結果を表4にあわせて示す。
Figure 2023064524000005
当該結果から、クエン酸又はその塩により、DPCの歯面滞留性を向上させることができることがわかった。
そこで、さらに、クエン酸又はその塩の含有量を変化させてDPCの歯面滞留性を検討した。また、クエン酸又はその塩以外のpH調整剤を用いても、DPCの歯面滞留性を向上させることができるかを検討した。具体的には、表5に示す組成に従って各組成物(実施例1~11及び比較例1~3)を調製し、被検体として吸着試験に供した。結果を表3にあわせて示す。また、各組成物のpHを、25℃においてpHメーターを用いて測定した。当該結果も表3にあわせて示す。
Figure 2023064524000006
当該結果から、pH調製剤の中でも、クエン酸またはその塩を使用することで、DPCの歯面滞留性を向上させることができることがわかった。

Claims (8)

  1. 塩化ドデシルピリジニウム、及び
    グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
    を含有する口腔用組成物。
  2. 塩化ドデシルピリジニウム、及び
    グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
    を含有するプラーク形成抑制用組成物。
  3. 塩化ドデシルピリジニウム、及び
    グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種
    を含有するフゾバクテリウム殺菌用組成物。
  4. グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種が、
    グリチルリチン酸ジカリウムである、
    請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
  5. 塩化ドデシルピリジニウム1質量部に対して、
    グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を0.1~20質量部
    含有する請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
  6. 塩化ドデシルピリジニウムを0.01~0.5質量%含有する、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
  7. グリチルリチン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を0.01~1質量%含有する、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
  8. さらに、クエン酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
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