JP2023064308A - 回転清掃体、吸込口体、および電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る実施形態は、回転清掃体、吸込口体、および電気掃除機に関する。
軸部と、軸部の外周部に螺旋状に設けられる清掃部材と、軸部のそれぞれの端部に回転可能に接続される一対の保持部材と、を備える回転清掃体が知られている。それぞれの保持部材は、軸部と同軸上に配置される円筒状の中軸部と、中軸部の軸方向に互いに離間された位置に鍔状に突出して対をなす側壁部と、対をなす側壁部の少なくともいずれか一方中軸部側の端部に軸部の軸方向に沿って設けられ、軸部の軸方向と交差する方向に所定の幅を有する凹部と、を備えている。
中軸部の外周面に巻き付いた繊維状の塵埃は、複雑に絡み合っていて単に引っ張っても除去しにくい。そこで、凹部にハサミを差し込んで塵埃を切断することによって塵埃の絡み合いを容易に解除し、塵埃を除去しやすくすることができる。
従来の回転清掃体では、使用者は、中軸部の径方向外側、つまり軸部の径方向外側から凹部へ突き立てられるようにして塵埃を切断するハサミを差し込む。また、使用者は、回転清掃体の軸方向に沿ってハサミの一対の刃を広げて凹部に差し込み、かつ回転清掃体の軸方向に沿って一対の刃を近づけて、一対の刃に挟まれた塵埃を切断する。つまり、従来の回転清掃体は、ハサミを使用可能なように軸方向における凹部の相応の広さを必要とする。この軸方向における凹部の広さが拡大するほど、回転清掃体の全長は、大型化する。
つまり、従来の回転清掃体の凹部は、塵埃の除去を容易化する一方で、回転清掃体の長さ寸法の短縮化を阻む。
そこで、本発明は、絡みつく糸状の塵埃を容易に除去可能であって、かつ長さ寸法を短縮可能な回転清掃体、吸込口体、および電気掃除機を提案する。
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る回転清掃体は、軸端部と、前記軸端部によって回転可能に支持される長尺な清掃体部と、前記清掃体部の少なくとも一方の端部に設けられて前記清掃体部に回転一体に固定されるボビン部と、を備え、前記ボビン部は、第一鍔部と、前記第一鍔部より前記清掃体部に近い第二鍔部と、前記第一鍔部と前記第二鍔部との間に設けられる筒部と、を備え、前記第一鍔部は、前記筒部の外周面に繋がる切欠部を有する。
また、本発明の実施形態に係る吸込口体は、吸込口を有するケースと、前記ケースに回転可能かつ着脱可能に保持されて前記吸込口に配置される前記回転清掃体と、を備えている。
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、掃除機本体と、前記掃除機本体に収容されて負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機が発生させる負圧で空気を吸い込む前記吸込口体と、を備えている。
以下、本発明に係る回転清掃体、吸込口体、および電気掃除機の実施形態について図1から図20を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、二次電池2を電源とする、例えばスティック型であって、ハンディー型でもある。電気掃除機1は、手持ち操作可能な掃除機本体3と、掃除機本体3に着脱可能な延長管5と、延長管5に着脱可能な吸込口体6と、を備えている。
なお、図1は、電気掃除機1を手持ち操作する使用者の左斜め前方から電気掃除機1を見た図に相当する。
また、電気掃除機1は、延長管5および吸込口体6を取り外した、掃除機本体3のみの形態でハンディー型電気掃除機として利用できる。つまり、掃除機本体3は、単独でハンディー型電気掃除機としても利用できる。また、電気掃除機1は、延長管5および吸込口体6に代えて、延長管5よりも極めて短いノズルを装着して使用することもできる。
さらに、電気掃除機1は、キャニスター型、またはアップライト型であっても良い。電気掃除機1は、二次電池2に代えて商用交流電源を電源とするものであっても良い。
掃除機本体3は、把手部11を有する本体ケース12と、本体ケース12に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機13と、電動送風機13の吸込側に流体的に接続される吸込管15と、本体ケース12に着脱可能に装着される分離集塵部16と、主に電動送風機13を制御する本体制御部17と、本体ケース12に着脱可能に装着される二次電池2と、本体ケース12に分離集塵部16を着脱可能に保持する保持機構と、を備えている。
掃除機本体3は、二次電池2が蓄える電力によって電動送風機13を駆動させ、電動送風機13の駆動によって負圧を発生させ、発生した吸込負圧を分離集塵部16に作用させる。分離集塵部16に作用する吸込負圧は、吸込管15、延長管5、および吸込口体6に順次に作用する。吸込口体6に達した吸込負圧は、吸込口体6の吸込口19に作用する。吸込口19に作用する吸込負圧は、床面から塵埃を含んだ空気を吸込口19に吸い込む。以下、塵埃を含んだ空気を「含塵空気」と呼ぶ。吸込口19に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体6、延長管5、および吸込管15を通じて分離集塵部16へ流入する。分離集塵部16は、吸込負圧によって吸い込まれる含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が分離された空気を電動送風機13へ送る。電動送風機13は、塵埃が分離された空気を本体ケース12外へ排気する。
なお、電気掃除機1および掃除機本体3は、掃除機本体3を手に持つ使用者によって、様々な姿勢で利用される。そこで、図1中、実線矢印P方向視を平面視(上面視)とし、実線矢印Pの反対方向視を底面視とする。図1中、実線矢印F方向視を正面視(前面視)とし、実線矢印Fの反対方向視を背面視とする。図1中、実線矢印L方向視を左側面視とし、実線矢印Lの反対方向視を右側面視とする。使用者が延長管5を使用者の前方へ水平に差し向けている場合には、電気掃除機1の前後、上下、左右は、使用者のそれに一致する。
本体ケース12は、電動送風機13、および本体制御部17が実装される制御回路板21を収容している。
本体ケース12は、延長管5の延長線上に配置され、かつ延長管5の延長線に沿って延びる柱状の前部12aと、前部12aから下斜め後方へ垂れ下がる中央部12bと、中央部12bの背面の下半部から後方へ延びる筒状の後部12cと、中央部12bの背面の上半部から後方へ延び、円弧形状に湾曲して後部12cの上面の後端に繋がる把手部11と、を備えている。
また、本体ケース12は、二次電池2へ充電電力を導く充電ソケットを備えている。充電ソケットは、充電回路を介して二次電池2に接続されている。
さらに、本体ケース12は、把手部11を握った使用者が、その手指を動かして操作可能な範囲に配置される入力部22を備えている。
前部12aと中央部12bとは、協働して分離集塵部16を着脱可能に保持している。分離集塵部16は、全体で筒状の外観を有する。前部12aと中央部12bとは、分離集塵部16の中心線C、換言すると長手方向を延長管5の中心線の延長線に平行させて分離集塵部16を保持している。延長管5および分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態では、延長管5の中心線の延長線および分離集塵部16の中心線Cは、本体ケース12を左右に実質的に均等に分断する中央縦断面上に配置されている。長手状の前部12aと筒状の分離集塵部16とは、それぞれの中心線が平行するように併設されている。
本体ケース12の前部12aは、延長管5の長手方向、つまり延伸方向の延長上に配置されて管状に延びる吸込管15を収容している。
本体ケース12の後部12cは、電動送風機13および制御回路板21を収容している。後部12cは、電動送風機13の排気を本体ケース12内から吐出させる排気口25を有している。
本体ケース12の中央部12bは、前部12aに併設される分離集塵部16の後端部の一部を覆い隠すように保持し、かつ分離集塵部16と電動送風機13とを繋ぐ風路(図示省略)を収容している。中央部12bは、実質的に直線状に延びる前部12aの後端部に連接して本体ケース12の下斜め後方へ向かって膨らんでいる。中央部12bは、本体ケース12の後方へ向かって後ろ下がりに傾斜する外観を有している。
吸込管15は、本体ケース12の前部12a内に収容されて本体ケース12に支持されている。本体ケース12に分離集塵部16が装着された状態では、吸込管15は、分離集塵部16に平行に並ぶ。吸込管15は、実質的に屈曲なく真っ直ぐに延びる直管である。吸込管15の中心線に沿う方向、吸込管15の延伸方向、吸込管15の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース12の前後方向に実質的に一致している。
吸込管15は、延長管5を着脱可能な継手構造を備えている。この継手構造は、吸込管15の開口端部に設けられている。吸込管15は、掃除機本体3の流体的な入口であり、延長管5と分離集塵部16とを流体的に接続する継手でもある。掃除機本体3から延長管5を取り外すことによって、吸込管15は、掃除機本体3をハンディー型電気掃除機として単体で使用する際の吸込口として機能する。吸込管15の筒先は、掃除機本体3の前方へ開放されている。
吸込管15の後端部は、分離集塵部16に接続される第二開口を有している。第二開口は、吸込管15の径方向外側へ向かって開放されて分離集塵部16へ向かっている。第二開口は、本体ケース12の下方へ向かって開放されている。第二開口は、本体ケース12の前部12aの底面に設けられている。本体ケース12に分離集塵部16が装着されている状態では、前部12aの底面は、分離集塵部16に近接して倣う。そうすると、第二開口は、分離集塵部16に流体的に接続される。
分離集塵部16は、本体ケース12の前部12aと本体ケース12の中央部12bとが成すL文字形状の収容空間に配置されている。分離集塵部16は、掃除機本体3に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機13へ送る。分離集塵部16は、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式である。分離集塵部16の下流側に含塵空気から塵埃を濾し取る濾過分離方式のフィルターが設けられていても良い。
また、分離集塵部16は、本体ケース12の前後方向に沿って筒状に延伸している。換言すると、分離集塵部16は、本体ケース12の前後方向に延びる中心線Cを有する筒形状の容器である。分離集塵部16の中心線Cに沿う方向、分離集塵部16の延伸方向、分離集塵部16の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース12の前後方向に実質的に一致している。したがって、分離集塵部16の中心線Cは、吸込管15の中心線に実質的に平行している。また、分離集塵部16は、吸込管15に併設されている。つまり、分離集塵部16の長手方向は、吸込管15の長手方向に倣っている。分離集塵部16の直径は、吸込管15の直径よりも大きく、分離集塵部16は、吸込管15および本体ケース12の前部12aよりも掃除機本体3の左右方向(幅方向)に突出している。なお、掃除機本体3の左右方向(幅方向)は、筒状の分離集塵部16の中心線Cおよび吸込管15の中心線を実質的に含む仮想的な平面の法線方向、あるいは筒状の分離集塵部16の中心線Cおよび吸込管15の中心線を実質的に通る仮想的な平面の法線方向に相当する。また、この仮想的な平面は、掃除機本体3の中央縦断面に相当する。
保持機構は、分離集塵部16の一方の端部と本体ケース12とを着脱可能に連結する第一機構と、分離集塵部16の他方の端部と本体ケース12とを着脱可能に連結する第二機構と、を備えている。
第一機構は、分離集塵部16に設けられる凹部に、本体ケース12に設けられる凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結するロック機構である。第一機構の凹部と凸部とは、分離集塵部16と本体ケース12との相対的な位置の変化によって引っ掛かったり、外れたりする。
第一機構の凸部は、本体ケース12の前部12aの底面の前端部に設けられている。第一機構の凹部は、分離集塵部16の一方の端部であって、凸部に適合する位置に配置されている。
第二機構は、分離集塵部16に設けられる凸部に、本体ケース12に設けられる凹部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結するロック機構である。第二機構は、第一機構と異なり、分離集塵部16と本体ケース12との相対的な位置を保ったまま、凹部から凸部を外すことが可能な操作片を備えている。操作片は、分離集塵部16に設けられ、第二機構の凸部は、操作片に一体化されている。
第二機構の凹部は、本体ケース12の中央部12bの底部、つまり吸込管15の径方向において吸込管15から最も遠い部位に設けられている。第二機構の凸部は、分離集塵部16の他方の端部であって、凹部に適合する位置に配置されている。そして、第一機構の凹部と第二機構の凸部とは、いずれも分離集塵部16に設けられ、かつ分離集塵部16の長手方向の中心、かつ短手方向の中心に対して実質的に対象に配置されている。また、第一機構の凹部から見て第二機構の凸部は、分離集塵部16内で最も離れた部位に配置されている。
操作片は、スライド、スイングを含む機械的な移動をともなう操作が可能であり、この操作にともなう移動を凹部から凸部を外す動きに変換する種々の機構の一部である。例えば、使用者が操作片をスライドさせることで、第二機構の凸部を凹部から外すことができる。また、操作片は、使用者によって操作されていない場合には、第二機構の凸部を凹部に引っ掛かる位置へ移動させる。操作片は、吸込口本体33の底面33bから突出していないことが好ましい。
分離集塵部16が本体ケース12に装着されている場合には、第一機構は、凹部に凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結し、第二機構は、凹部に凸部を引っ掛けて分離集塵部16と本体ケース12とを連結している。そして、操作片が操作されて第二機構の凸部が第二機構の凹部から抜け出すと、第二機構のロックが解除される。このとき、第一機構の凸部は、凹部に引っ掛かった状態を維持している。そこで、使用者は、第二機構のロックが解除されている状態で、第一機構を支点にして分離集塵部16の他方の端部を本体ケース12から遠ざける。そうすると、分離集塵部16は本体ケース12から離れ、いずれ第一機構の凸部が凹部から抜け出して第一機構のロックも解除される。
分離集塵部16が本体ケース12から離脱している場合には、先ず、第一機構の凸部が凹部に引っ掛けられる。使用者は、第一機構がロックされている状態で、第一機構を支点にして分離集塵部16の他方の端部を本体ケース12に近づける。そうすると、分離集塵部16は本体ケース12に装着され、いずれ第二機構の凸部が凹部に引っ掛かって第二機構もロックされる。
なお、本実施形態に係る分離集塵部16は、円弧軌道を描きながら本体ケース12に着脱されるが、吸込管15の径方向へ直線軌道を描きながら着脱されるものであっても良い。この場合には、第一機構および第二機構は、実質的に同時にロックされたり、ロックを解除されたりすることが好ましい。本体ケース12に分離集塵部16が着脱される際の分離集塵部16の移動方向は、吸込管15の長手方向に交差する方向であれば良い。したがって、本体ケース12に分離集塵部16が装着される際には、分離集塵部16は、吸込管15の径方向において吸込管15に近づく方向へ移動し、本体ケース12から分離集塵部16が離脱される際には、分離集塵部16は、吸込管15の径方向において吸込管15から遠ざかる方向へ移動すれば良い。
本体ケース12の中央部12bは、分離集塵部16の排気側に流体的に接続される連結口と、連結口と電動送風機13とを流体的に接続する分離部下流風路管と、を備えている。中央部12bは、分離集塵部16と本体ケース12の後部12cとの間に挟み込まれている部位を含んでいる。この部位に連結口および分離部下流風路管が配置されている。
連結口は、中央部12bの正面を臨む部位に配置されている。連結口は、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態で、分離集塵部16の後ろ側の端面に正対する。したがって、連結口は、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態で、分離集塵部16の中心線Cの延長線上に配置される。
電動送風機13の吸込側は、連結口および分離部下流風路管を介して分離集塵部16に接続される。電動送風機13は、分離集塵部16から空気を吸い込んで吸込負圧を発生させる。電動送風機13は、羽根車と、羽根車の回転駆動力を発生する電動機と、電動機から羽根車へ回転駆動力を伝達する回転軸と、を備えている。
羽根車は、例えばターボファンであり、複数の羽根を備えている。それぞれの羽根は、円錐状のハブの中心部からハブの外縁部へ向かって徐々にハブの径方向へ向かって起立する、捻れた形状を有している。換言すると、それぞれの羽根は、前縁から後縁に掛けて翼型(airfoil)または翼断面(wing section)が変化する、いわゆる3次元翼である。羽根車は、吸込口を有するケースに覆われている。
電動送風機13は、回転軸を中心とする円筒状、または円柱状の形状を有している。回転軸の中心線を本体ケース12の前後方向へ向け、かつ吸込口を前方へ向けて本体ケース12に収容されている。また、電動送風機13の回転軸の中心線は、実質的に分離集塵部16の延長線上に配置されている。
本体ケース12の後部12cは、本体制御部17が実装される制御回路板21を収容している。制御回路板21は、電動送風機13の真後ろに配置されている。
本体制御部17は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメーターなどを記憶する記憶装置を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定、つまり引数を記憶している。複数の運転モードは電動送風機13の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値、つまり電動送風機13の入力値であり、電動送風機13に流れる電流目標値が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部22が受け付ける操作入力に関連付けられている。本体制御部17は、入力部22への操作入力に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機13を運転する。
本体ケース12の後部12cは、分離集塵部16が本体ケース12に装着された状態において、分離集塵部16の中心線Cの延長線上に配置されている。
二次電池2は、蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。二次電池2は、電動送風機13や本体制御部17で消費される電力を蓄える。二次電池2は、本体ケース12の後部12cの底部に着脱可能に装着されている。二次電池2は、着脱不能に固定されていても良い。着脱可能な二次電池2は、複数の二次電池2を準備しておくことで、適宜に交換して利用できる。電気掃除機1に装着されている二次電池2の充電率が低下した場合には、この二次電池2を、充電済みの二次電池2に交換することによって、電気掃除機1は、運転を継続できる。
なお、電気掃除機1は、二次電池2に代えて一次電池を電源として利用するものであっても良いし、商用交流電源を利用するものであっても良い。
把手部11は本体ケース12に一体に設けられている。把手部11は、電気掃除機1で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。そのため、把手部11は、人の手指で把持し易い適宜の形状を有することが好ましい。
把手部11は、本体ケース12の前部12aと後部12cとの間に架設されている。把手部11は、前部12aの後端から延長管5の延長方向へ延び、かつ弧状に湾曲して後部12cの後端部に繋がっている。把手部11と本体ケース12の中央部12bの背面との間、および把手部11と本体ケース12の後部12cの天面との間には、一続きの空間が、本体ケース12の左右方向(幅方向)へ貫通している。この空間には、把手部11を握る使用者の手指、もっぱら人差し指、中指、薬指、および小指を含む四指が配置される。この空間に四指が配置されることによって、使用者は電気掃除機1および掃除機本体3を容易に手持ち操作できる。
入力部22は、把手部11を握った使用者が、その親指で容易に操作できるよう、把手部11の前側の端部の天面に設けられている。
入力部22は、電動送風機13の運転開始操作を受け付ける運転開始スイッチ22aと、電動送風機13の運転停止操作を受け付ける運転停止スイッチ22bと、を備えている。運転開始スイッチ22aおよび運転停止スイッチ22bは、本体制御部17に電気的に接続されている。電気掃除機1の使用者は、入力部22を操作して電動送風機13の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ22aは、電動送風機13の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能している。この場合、本体制御部17は、運転開始スイッチ22aから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部22は、運転開始スイッチ22aに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
吸込口体6は、木床やカーペットなどの被掃除面上を走行自在あるいは滑走自在であり、走行状態または滑走状態において被掃除面に対向する底面に吸込口19を有している。また、吸込口体6は、吸込口19に配置される回転自在な回転清掃体31と、回転清掃体31を駆動させる電動機32と、を備えている。吸込口体6の一方の端部(ここでは、後方の端部)には、延長管5の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体6は、延長管5を通じて分離集塵部16に流体的に接続されている。つまり、吸込口体6、延長管5、および分離集塵部16は、電動送風機13から吸込口19へ通じる吸込風路である。
電気掃除機1は、運転開始スイッチ22aが操作されると電動送風機13を始動させる。例えば、電気掃除機1は、電動送風機13が停止している状態で、運転開始スイッチ22aが操作されると、先ず電動送風機13を強運転モードで運転し、再び運転開始スイッチ22aが操作されると電動送風機13を中運転モードで運転し、三度、運転開始スイッチ22aが操作されると電動送風機13を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機13への入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。
次いで、吸込口体6について詳述する。
次いで、吸込口体6について詳述する。
図2は、本発明の実施形態に係る吸込口体の底面側の斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係る吸込口体の底面図である。
図4は、図3のIV-IV線における、本発明の実施形態に係る吸込口体の断面図である。
図2から図4に示すように、本実施形態に係る吸込口体6は、進行方向である前後方向へ短く左右方向へ幅広い扁平な吸込口本体33と、吸込口本体33の中央部後部に設けられる接続管部35と、を備えている。
ここで、吸込口体6の前進方向(図2から図4の実線矢印Fo)を前方、その反対方向を後方とする。
吸込口本体33は、吸込口本体33の底面33bに開口する吸込口19を有する吸込室41を区画する内面を有するケース34を有している。ケース34は、電動機32を収容する電動機室42と、電動機32の駆動を制御する電動機用制御回路板を収容する制御回路板室と、を有していても良い。吸込口本体33は、吸込口19を有する下ケース36と、下ケース36の後半部を上方から覆う上ケース37と、上ケース37の前方に隣り合う上カバー38と、上カバー38の前縁部から垂れ下がる前カバー39と、を備えている。
なお、ケース34は、少なくとも底面33bに開口する吸込口19を有し、かつ吸込口19と延長管5とを繋ぐ風路を区画する部材を含むものであって、構成部品への分割箇所、および構成部品の分割数を問わない。
下ケース36は、吸込口19を有する吸込室41の下半部41a、吸込室41に隣り合う電動機室42の下半部、および吸込室41に隣り合う制御回路板室の下半部を区画している。
吸込室41の底面および吸込室41の正面は、開放されている。吸込室41の底面側の開放部分は、吸込口19に相当する。吸込室41の正面側の開放部位を正面吸込口43と呼ぶ。吸込口19と正面吸込口43とはひと続きに連続している。正面吸込口43の上寄りの大部分は、前カバー39によって塞がれている。
また、吸込室41は、吸込口本体33の前半部に配置されて左右に延びている。吸込室41は、接続管部35に流体的に繋がっている。つまり、吸込室41は、接続管部35および延長管5を通じて掃除機本体3に流体的に繋がっている。
吸込口本体33の後半部であって、吸込室41の後方に隣り合い、かつ接続管部35の側方に隣り合う箇所は、吸込口本体33の左右に一対ある。そのうちの一方、本実施形態では左方には電動機室42が区画され、他方、本実施形態では右方には制御回路板室が区画されている。
電動機室42は、吸込口本体33の後半部に配置されて吸込室41の後方に隣り合い、かつ接続管部35の一方の側方に隣り合う。制御回路板室は、吸込口本体33の後半部に配置されて吸込室41の後方に隣り合い、かつ接続管部35の他方の側方に隣り合う。
接続管部35は、電気掃除機1の延長管5に着脱自在な継手である。接続管部35は、延長管5に対して吸込口本体33を上下方向に揺動自在、かつ回転自在に接続する自在継手を兼ねている。吸込口体6が被掃除面上を移動している最中に、延長管5と被掃除面とがなす角は、刻々と変化する。接続管部35は、この延長管5と被掃除面とがなす角に追従して吸込口本体33の底面33bを被掃除面へ円滑に対面させる。接続管部35は、吸込口本体33の左右方向(幅方向)において電動機室42および制御回路板に挟み込まれている。接続管部35は、吸込室41に負圧を作用させる。接続管部35は、吸込室41に接続される固定管45と、固定管45に対して回転、および揺動する自在継手部46と、を備えている。
回転清掃体31は、吸込室41に配置されて吸込口本体33に回転可能に支持されている。回転清掃体31の一部は、吸込口19の外側に突出している。回転清掃体31は、吸込室41を横断して延びる回転軸51と、回転軸51の周囲に設けられて実質的に吸込室41の全幅に渡って螺旋状に延びる複数の清掃体52と、を備えている。複数の清掃体52は、軟質樹脂製のブレードおよび帯状のブラシ毛を単独または交互に組み合わせたものである。
電動機32は、電動機室42に収容されている。電動機32は、回転清掃体31を回転させる駆動力を発生させる。電動機32の出力軸は、吸込口本体33の左右方向(幅方向)に向けられている。電動機32の出力軸は、吸込口本体33の左右いずれか電動機32に近い方の側壁へ向かって突出している。この側壁は、電動機室の側壁であって、接続管部35から最も遠い側壁である。電動機32と回転清掃体31とは、動力伝達機構55を介して接続されている。動力伝達機構55は、電動機32が出力する回転駆動力を回転清掃体31へ伝達する。動力伝達機構55は、電動機32の出力軸に設けられるドライブ側プーリー56と、回転清掃体31の軸端に接続されるドリブン側プーリー57と、ドライブ側プーリー56とドリブン側プーリー57との間に巻き掛けられるベルト58と、を備えている。
上ケース37は、下ケース36に組み合わされて電動機室42の上半部を区画し、および制御回路板室の上半部を区画している。
また、上ケース37は、電動機室42と制御回路板室との間に架け渡されている。接続管部35の固定管45は、この上ケース37の架設部分と下ケース36との間に挟み込まれて保持されている。
上カバー38は、下ケース36に一体に成形されて吸込室41の上半部41bを閉じている。
前カバー39の上端縁は、上カバー38の前縁部に隣接している。前カバー39は、ヒンジ機構61を介して上カバー38に支持されている。ヒンジ機構61は、前カバー39を正面吸込口43の前後方向へ揺動自在に支持している。ヒンジ機構61は、捻りばねを含んでいる。捻りばねは、前カバー39をその揺動範囲の前端側へ押し出すばね力を発生している。吸込口体6の正面が壁際に押し付けられると、前カバー39は、捻りばねのばね力に抗して後方へ揺動し、つまり回転清掃体31へ近づく方向へ揺動して、床面へ近づく。この前カバー39の動きは、正面吸込口43の開口面積を絞り、空気の流速を上昇させて、壁際の塵埃をより確実に吸込室41へ吸い取る。
また、本実施形態に係る吸込口体6は、吸込口本体33の底面33bに設けられて被掃除面に吸込口本体33を支える複数の車輪62と、吸込口19の縁に沿って延びて吸込口本体33の底面33bから突出するシール部63、64と、を備えている。
複数の車輪62は、吸込口本体33の後ろ側に設けられる第一車輪65と、吸込口本体33の前後方向における中程に設けられる複数の第二車輪66と、を含んでいる。
第一車輪65は、吸込口本体33に回転可能に設けられている。
複数の第二車輪66は、例えば2つあって、吸込口本体33の左右それぞれの側部に配置されている。2つの第二車輪66の回転軸は、同一軸線上に配置されている。
吸込口体6の前後方向では、第一車輪65の回転軸と複数の第二車輪66の回転軸との間に接続管部35の関節部分が配置されていることが好ましい。そのような関節部分と複数の車輪62との配置関係は、被掃除面に接地する吸込口本体33の姿勢を安定させ、相互に対面する吸込口本体33の底面33bと被掃除面との位置関係を安定させる。
シール部63は、吸込口19の後ろ側の縁に沿って延びている。シール部63は、吸込口本体33の底面33bと被清掃面との間、かつ吸込室41の後方での空気の流れを阻害する風路抵抗として機能して吸込室41の静圧を高める。シール部63および2つの第二車輪66の回転軸は、吸込口本体33の底面視において一直線上に並んでいることが好ましい。そのようなシール部63と複数の第二車輪66との配置関係は、シール部63と被掃除面との相対的な位置関係、すなわち両者の間の距離を安定させ、ひいてはシール部63のシール機能を安定させる。
なお、複数の第二車輪66は、シール部63の延長線から外れて配置される回転軸を有する第二車輪66を含んでいても良い。
第二シール部64は、吸込口19の左右それぞれの側方、かつ吸込口本体33の底面33bの左右それぞれの縁に沿って延びている。第二シール部64は、吸込口本体33の底面33bと被清掃面との間、かつ吸込室41の左方および右方での空気の流れを阻害する風路抵抗として機能して吸込室41の静圧を高める。
図5は、本発明の実施形態に係る吸込口体の車輪保持機構の表側の分解斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係る吸込口体の車輪保持機構の裏側の第一分解斜視図である。
図7は、本発明の実施形態に係る吸込口体の車輪保持機構の裏側の第二分解斜視図である。
図8は、本発明の実施形態に係る吸込口体の部分的な断面図である。
図8は、第二車輪66の回転中心線を通り、かつ吸込口本体33の底面33bに垂直な断面の断面図である。
図5から図8に示すように、本実施形態に係る吸込口体6は、ケース34の底面と同じ方向を向く表側69fと、ケース34の底面を臨む裏側69bと、表裏に貫通する車輪配置口68と、を有してケース34の底部に装着される複数の車輪保持体69を備えている。
それぞれの車輪保持体69は、下ケース36の底面36bの一部を覆って下ケース36に装着されている。下ケース36の底面36bは、車輪保持体69に覆い隠される隠蔽部位36hと、車輪保持体69によって覆い隠されることなく暴露される暴露部位36eと、を含んでいる。ケース34に装着された車輪保持体69の表側69f、および下ケース36の底面36bの暴露部位36eが、吸込口本体33の底面33bに相当する。
複数の車輪保持体69は、吸込口本体33の右側方に配置される右保持体71と、吸込口本体33の左側方に配置される左保持体72と、を含んでいる。右保持体71は、吸込口本体33の右側端部の前縁から後縁に渡る。左保持体72は、吸込口本体33の左側端部の後半部に限定されている。複数の車輪保持体69は、吸込口19および正面吸込口43に重ならず、これらを遮らないよう配置されている。左側の第二シール部64は、左保持体72に設けられている一方、右側の第二シール部64は、下ケース36に設けられている。
吸込口本体33から右保持体71が取り外されると、回転清掃体31の一方の軸端、ここでは右側の軸端部75が露出する。回転清掃体31の右側の軸端部75が露出している状態で動力伝達機構55のドリブン側プーリー57から回転清掃体31の左側の軸端が切り離されると、回転清掃体31は、吸込口本体33から分離される。換言すると、回転清掃体31は、右保持体71が吸込口本体33に装着されている場合には、吸込口本体33から取り外すことが阻止され、右保持体71が吸込口本体33から取り外されている場合には、吸込口本体33から取り外すことができる。
第二車輪66は、図6および図7の二点鎖線矢印に示すように、それぞれの車輪保持体69の裏側69bから表側69fへ向かって車輪配置口68に配置されている。また、第二車輪66は、ケース34とそれぞれの車輪保持体69との間に挟み込まれて保持される車軸76を有している。第二車輪66は、ケース34に組み合わされた車輪保持体69とケース34との間に挟み込まれる車軸76によって吸込口本体33に強固に保持されている。
第二車輪66は、車軸76によって回転可能に支持されるローラー77を備えていても良いし、車軸76に回転一体のローラー77を備えて車軸76を車輪保持体69に回転可能に支持されていても良い。車軸76を車輪保持体69で回転可能に保持する場合には、車輪保持体69は、車軸76の軸受部位に耐摩耗性を有していることが好ましい。この軸受部位は、車輪保持体69の別部材であっても良いし、車輪保持体69自体が耐摩耗性を有する材料で製造されていても良い。車軸76を車輪保持体69で回転可能に支える態様は、ローラー77を車軸76で回転可能に支える態様よりも糸状の塵埃が第二車輪66に絡みつきにくい。
それぞれの車輪保持体69は、吸込口本体33から取り外された状態で、車軸76が車輪保持体69から抜けて第二車輪66が車輪保持体69から脱落することを防止する車軸脱落防止部79を備えている。車軸脱落防止部79は、例えば、車輪保持体69の裏側69bから離れる方向へ開放される凹部81である。凹部81の間口は、凹部81の底よりも狭く、凹部81から車軸76が容易に抜け出ないように保持する。凹部81による車軸76の保持力は、第二車輪66の自重で車軸76が凹部81から脱出しない程度、例えば数十グラムから百数十グラム程度あれば良く、成人女性の指の力、例えばキログラム単位の力が作用した場合には車軸76が凹部81から容易に脱出する程度で良い。車軸脱落防止部79は、吸込口本体33から車輪保持体69を取り外した際の、第二車輪66の紛失の防止を意図するものであり、第二車輪66を車輪保持体69に強固に保持する機能を有していなくて良い。
なお、吸込口体6は、ケース34と車輪保持体69との間に配置される中間部材83を備えていても良い。この場合には、第二車輪66は、中間部材83と車輪保持体69との間に挟み込まれて保持される車軸76を有することが好ましい。車輪保持体69は、ケース34から取り外された状態で、中間部材83が車輪保持体69から外れて脱落することを防止する脱落防止部を備えていることが好ましい。脱落防止部は、例えば、車輪保持体69および中間部材83のいずれか一方に設けられる凸部と、車輪保持体69および中間部材83のいずれか他方に設けられて凸部を嵌め込む凹部と、を備える嵌合構造である。嵌合構造の保持力は、自重で中間部材83が車輪保持体69から脱落しない程度、例えば数十グラムから百数十グラム程度あれば良く、成人女性の指の力、例えばキログラム単位の力が作用した場合には中間部材83が車輪保持体69から容易に分離する程度で良い。脱落防止部は、ケース34から車輪保持体69を取り外した際の、中間部材83の紛失の防止を意図するものであり、中間部材83を車輪保持体69に強固に保持する機能を有していなくて良い。
吸込口本体33は、車輪保持体69を下ケース36に着脱可能に保持する第二保持機構8585を備えている。第二保持機構85は、それぞれの車輪保持体69に設けられている。つまり、右保持体71および左保持体72は、個別に第二保持機構85を備えている。
第二保持機構85は、車輪保持体69および下ケース36のいずれか一方に設けられる第一凹部と、車輪保持体69および下ケース36のいずれか他方に設けられて第一凹部に引っ掛かる固定凸部と、車輪保持体69および下ケース36のいずれか一方に設けられる第二凹部と、車輪保持体69および下ケース36のいずれか他方に設けられて第二凹部に引っ掛かる可動凸部と、を備えている。可動凸部は、例えば、車輪保持体69に設けられるスライド機構87によって第二凹部に挿抜可能に移動する。第二保持機構85は、第一凹部に引っ掛かる固定凸部と、第二凹部に引っ掛かる可動凸部と、によって車輪保持体69と下ケース36とを連結する。また、第二保持機構85は、スライド機構87が操作されて第二凹部から可動凸部が離脱することで、第一凹部から固定凸部を離脱可能になり、車輪保持体69と下ケース36とを分離可能にする。スライド機構87は、吸込口体6の左右方向へスライドすることが好ましい。吸込口体6は、もっぱら前後方向へ走行する。そのため、前後方向へスライドするスライド機構は、吸込口体6の走行中に不意に障害に引っ掛かって第二保持機構85を解除してしまう虞がある。左右方向へスライドするスライド機構87は、吸込口体6の走行中に不意に障害に引っ掛かる恐れが低く、第二保持機構85が解除される可能性を低下させる。
また、吸込口本体33は、車輪保持体69の車輪配置口68と協働して第二車輪66の一部を納める窪み部88を備えている。車輪保持体69がケース34に連結されると、車輪保持体69の車輪配置口68とケース34の窪み部88とは、第二車輪66の一部を納める空間、いわゆるタイヤハウスを画定する。
ところで、線状の塵埃、例えば糸くずや毛髪が、第二車輪66に巻き付いたり、綿状の塵埃が第二車輪66に巻き込まれて窪み部88の奥側、つまり第二車輪66のタイヤハウスの奥側に入り込んでしまったりする場合がある。
そのような場合、本実施形態に係る吸込口体6では、第二保持機構85を解除し、車輪保持体69をケース34から取り外すことで、ケース34の窪み部88が容易に開放される。ケース34から車輪保持体69とともに第二車輪66が分離されると、窪み部88の奥側に入り込んだ塵埃は、第二車輪66に隠れることなく下ケース36の底面36bの隠蔽部位36hに露顕して容易に除去可能になり、または第二車輪66に付着したまま窪み部88から容易に除去される。
また、車輪保持体69がケース34から取り外されている状態では、使用者は、車輪保持体69の裏側69bおよび表側69fの両面から第二車輪66をお手入れできる。そのため、使用者は、第二車輪66に付着した塵埃を容易に除去可能であるし、第二車輪66の車軸76やローラー77に巻き付いた塵埃を車輪保持体69の裏側69bまたは表側69fに露顕する端部で引っ張って容易に除去可能である。線状の塵埃が第二車輪66に絡まりついている場合には、使用者は、車輪保持体69の裏側69bまたは表側69fに露顕している部位をハサミのような道具で切断したり、第二車輪66を車輪保持体69から一時的に取り外して絡みついた塵埃を解いて除去したりすることができる。
図9は、車輪保持体を取り外した、本発明の実施形態に係る吸込口体の部分的な斜視図である。
図10は、車輪保持体を取り付けた、本発明の実施形態に係る吸込口体の部分的な斜視図である。
図11は、本発明の実施形態に係る吸込口体の部分的な断面図である。
図9から図11に示すように、本実施形態に係る吸込口体6は、車輪保持体69が吸込口本体33に装着されている場合(図2、図10)には吸込口本体33に固定され、車輪保持体69が吸込口本体33から取り外されている場合(図9)には吸込口本体33から別離可能な直線状のシール部63を備えている。
シール部63は、吸込口本体33の左右方向へ直線状に延びる刷毛91と、刷毛91の基台を保持するCチャンネル形状の保持枠体92と、を備えている。刷毛91の基台は、吸込口本体33の前後方向へ幅の狭い平板状の布地であり、刷毛91は、この基台の法線方向へ延びる多量の毛の集合である。保持枠体92は、刷毛91の基台を強固に保持し、Cチャンネル形状の開放部位から多量の毛、つまり刷毛91を突出させている。
吸込口本体33は、吸込口19の縁に沿って延びてシール部63を摺動させて配置可能なシール配置部93を備えている。
シール配置部93は、吸込口本体33の底面33bに開放される溝部95と、溝部95の開口縁に設けられてシール部63に引っ掛かる複数の爪部96と、を含んでいる。溝部95のいずれか一方の端部、本実施形態では左側の端部95Lは、下ケース36の底面36bの隠蔽部位36hで開放されている。つまり、溝部95の左側の端部95Lは、吸込口本体33に左保持体72が装着された状態では左保持体72によって塞がれる。複数の爪部96は、溝部95の開口縁で対向する複数の対を含んでいる。複数の爪部96の対は、溝部95の延伸方向に間隔を開けて配置されている。本実施形態に係る爪部96の対は4つあって、溝部95の延伸方向へ等間隔に並んでいる。
シール配置部93は、溝部95に配置されたシール部63の保持枠体92を爪部96で押さえることで、溝部95からシール部63が吸込口本体33の底面33bが臨む方向へ脱落することを防いでいる。
また、車輪保持体69は、シール配置部93に納まるシール部63の摺動を阻害してシール部63を吸込口本体33に固定している。つまり、左保持体72は、溝部95の端部95Lの開口を塞ぐことで、溝部95の長手方向へシール部63が抜け出ることを防いでいる。
つまり、本実施形態に係る吸込口体6は、吸込口本体33から左保持体72を取り外すと、吸込口本体33の底面33bに露顕する溝部95の左側の端部95Lからシール部63を引き抜くことができる。吸込口体6は、電動機32や電動機用制御回路板を収容しているので、吸込口本体33に装着されたままのシール部63を水洗いすることは難しい。そこで、本実施形態に係る吸込口体6は、シール配置部93から容易に取り外し可能であって、単独で容易に水洗い可能なシール部63を備えている。お手入れが完了したシール部63は、溝部95の端部95Lの開口から溝部95内へ差し込むように挿入することでシール配置部93に容易に復帰する。
なお、車輪保持体69は、シール部63の抜け止め機能(図9から図11)と第二車輪66の保持機能(図5から図7)とのいずれか一方を有していれば良い。換言すると、シール部63の抜け止め機能を有する一方で、第二車輪66の保持機能を有さず、シール部63の抜け止め機能を奏する保持体99であっても良い。
図12は、本発明の実施形態に係る吸込口体の他の例の底面図である。
図12に示すように、本実施形態に係る吸込口体6Aは、吸込口19よりも大幅に左右へ延びるシール部63Aを備えていても良い。
換言すると、シール部63Aは、吸込口本体33のシール配置部93に保持される第一部位と、保持体99Aの第二シール配置部101に保持される第二部位と、を有している。シール部63Aの第一部位は、吸込口19の縁に沿い、シール部63Aの第二部位は、第一部位から延伸して保持体99Aの表側99fからも突出する。吸込口体6Aの底面視では、シール部63Aは、ケース34の底面の暴露部位36eから保持体99Aの表側99fに渡って伸びている。
保持体99Aは、少なくともシール部63Aの一方の端部を保持し、吸込口本体33は、シール部63Aの他部を保持する。右保持体71Aは、シール部63Aの右側の端部を保持し、左保持体72Aは、シール部63Aの左側の端部を保持する。保持体99Aは、吸込口本体33のシール配置部93と同様な構造を有する第二シール配置部101を備えている。つまり、保持体99Aは、第二部位を摺動させて配置可能な第二シール配置部101を備えている。
なお、シール部63Aは、右保持体71Aおよび左保持体72Aのいずれか一方側へのみ延長されていても良い。
また、シール部63Aは、第一部位と第二部位とで分割されていても良い。換言すると、シール部63Aは、吸込口本体33のシール配置部93に保持されるシール部63と、シール部63の延伸方向へ並び、かつ保持体99Aの表側99fから突出する第二シール部102と、を備えていても良い。この場合、保持体99Aの第二シール配置部101は、第二シール部102を単独で挿抜可能に保持し、保持体99Aがケース34に装着されると、シール部63Aと第二シール部102とは、相互の端面で押し合って互いの抜け止め機能を奏する。
第二車輪66は、図12に二点鎖線で示すように、シール部63Aの第二部位の前方に配置されていても良いし、シール部63Aの第二部位の後方に配置されていても良い。また、第二車輪66は、図3と同様にシール部63Aの延長線上に直線状に配置されていても良い。シール部63Aの第二部位の前方または後方に第二車輪66を配置する場合には、シール部63Aの延長線上に第二車輪66を配置する場合に比べて、吸込口本体33の幅寸法を小型化し易い。また、シール部63Aの第二部位の前方に第二車輪66を配置する場合には、第二車輪66を他の部位に配置する場合に比べて、第一車輪65の回転軸中心と第二車輪66の回転軸中心との軸間距離が延長され、被掃除面に接地する吸込口本体33の姿勢の安定と接続管部35の関節部分の配置の余裕度とが向上する。
図13は、本発明の実施形態に係る回転清掃体の斜視図である。
図14は、本発明の実施形態に係る回転清掃体の軸端部の平面図である。
図15は、本発明の実施形態に係る回転清掃体の側面図である。
図16は、本発明の実施形態に係る吸込口体の部分的な断面図である。
図15は、回転清掃体31をその軸方向から見た図に相当する。図16は、回転清掃体31の回転中心線を通る。
図13から図16に示すように、本実施形態に係る回転清掃体31は、一対の軸端部75と、一対の軸端部75によって回転可能に支持される長尺な清掃体部112と、清掃体部112の少なくとも一方の端部に設けられて清掃体部112に回転一体に固定されるボビン部113と、を備えている。
一方の軸端部75aは、清掃体部112のボビン部113に隣接し、他方の軸端部75bは、動力伝達機構55のドリブン側プーリー57を回転可能に支持している。ドリブン側プーリー57は、清掃体部112に着脱可能、かつ回転一体に連結される。つまり、他方の軸端部75bは、吸込口本体33に固定されてドリブン側プーリー57を回転可能に支持している。
それぞれの軸端部75は、吸込口本体33に固定される軸受保持体115と、軸受保持体115に保持される軸受116と、を備えている。軸受保持体115は、回転清掃体31の回転中心を基準に径寸法が変化する形状、例えば、回転清掃体31の回転中心線に沿う方向から見て四角形状を有している。このような形状の軸受保持体115は、吸込口本体33に容易に回転不能に保持される。軸受116は、清掃体部112に回転一体のボビン部113から突出する軸部117、または清掃体部112に回転一体のドリブン側プーリー57から突出する軸部117を回転可能に支持している。また、それぞれの軸端部75は、軸部117が軸受116から抜けないように適宜の抜け止め機構を有している。
清掃体部112は、吸込室41を横断して延びる回転軸51と、回転軸51の周囲に設けられて実質的に吸込室41の全幅に渡って螺旋状に延びる複数の清掃体52と、を有している。回転軸51は、中空軸であることが好ましい。清掃体部112の一方の端部は、ボビン部113に固定され、清掃体部112の他方の端部は、ドリブン側プーリー57と清掃体部112とを連結する嵌合構造を有している。この嵌合構造は、例えばカップリングである。嵌合構造は、清掃体部112の径方向に並んで清掃体部112およびドリブン側プーリー57のいずれか一方に設けられる複数の凹部と、清掃体部112およびドリブン側プーリー57のいずれか他方に設けられ、かつ複数の凹部を嵌め込み可能な複数の凸部と、を有している。回転清掃体31は、車輪保持体69(左保持体72、72A)を吸込口本体33から取り外して一方の軸端部75aを露顕させ、一方の軸端部75aを吸込口本体33から取り出し、この嵌合構造の嵌合を解除することで、吸込口本体33から容易に取り出される。
なお、回転清掃体31は、嵌合構造を備えず、ドリブン側プーリー57と清掃体部112とが回転一体に固定されているものであっても良い。この場合、回転清掃体31は、他方の軸端部75bを吸込口本体33から取り出し、かつベルト58をドリブン側プーリー57から外すことで、吸込口本体33から容易に取り出される。
ボビン部113は、第一鍔部121と、第一鍔部121より清掃体部112に近い第二鍔部122と、第一鍔部121と第二鍔部122との間に設けられる筒部123と、を備えている。
第一鍔部121、第二鍔部122、および筒部123は、いずれも回転清掃体31の回転中心線に沿う方向から見て円形状、または正多角形状であることが好ましい。筒部123の最大外径は、第一鍔部121の最大外径、および第二鍔部122の最大外径よりも小さく、第一鍔部121の最大外径は、第二鍔部122の最大外径よりも大きいことが好ましい。そのような寸法関係によれば、ボビン部113は、清掃体部112の軸端部に巻き付こうとする糸状の塵埃を捕捉しやすい。
第一鍔部121は、第二鍔部122より一方の軸端部75aに近い。そして、第一鍔部121は、筒部123の外周面に繋がる切欠部125を有している。
また、ボビン部113は、切欠部125に連続して筒部123の一部を清掃体部112の回転中心線へ向かって窪ませる凹部126を有している。凹部126は、ボビン部113に近い軸端部75側へ開放されていて、見通すことができる。
清掃体部112の回転方向、つまり清掃体部112の周方向における切欠部125の幅、および凹部126の幅は、第一鍔部121の板厚よりも大きい所定の幅寸法を有している。切欠部125の幅、および凹部126の幅の幅寸法は、例えば3ミリメートルから6ミリメートルであって、市販のハサミを回転清掃体31の軸方向へ移動させて切欠部125、および凹部126に容易に差し込むことが可能な寸法に設定される。
このような構造の回転清掃体31では、使用者は、市販のハサミや刃物を回転清掃体31の軸方向へ移動させて切欠部125および凹部126に容易に差し込み、ボビン部113に巻き付いた塵埃を切除することができる。従来の回転清掃体では、ハサミや刃物は、回転清掃体31の中心線へ向かって回転清掃体31の径方向外側から差し込まれていた。そのため、ハサミや刃物を使うための空間的な余裕が少なく、ハサミや刃物の取り扱いに困難を来すこともあった。本実施形態の回転清掃体31では、使用者は、切欠部125および凹部126に差し込んだハサミや刃物を回転清掃体31の中心線から径方向外側へ離れる方向へ取り扱うことができる。切欠部125および凹部126の径方向外側、つまりボビン部113の径方向外側は、何らの障害のない、開放空間である。したがって、使用者は、切欠部125および凹部126に差し込んだハサミや刃物を極めて容易かつ意図する通りに取り扱うことができる。また、ボビン部113の軸方向長さは、切欠部125および凹部126に差し込まれるハサミや刃物の扱いやすさに左右されず、糸状の塵埃を絡め取る、必要十分な長さであれば良い。すなわち、回転清掃体31の全長は、切欠部125および凹部126に差し込まれるハサミや刃物の扱いやすさに左右されず、短縮を図ることができる。
なお、ボビン部113は、切欠部125および凹部126のうち、少なくとも切欠部125を備えていれば良い。また、ボビン部113は、嵌合構造を有する清掃体部112の端部、つまりドリブン側プーリー57に隣り合う清掃体部112の端部に設けられていても良いし、清掃体部112の両方の端部に設けられていても良い。
吸込口本体33は、ボビン部113の第一鍔部121と第二鍔部122との間に挟まれる第二リブ128を有している。第二リブ128は、車輪保持体69(左保持体72、72A)にも設けられている。第二リブ128は、回転清掃体31の回転を妨げない範囲でボビン部113の筒部123に接近していることが好ましい。第二リブ128の突出端は、ボビン部113の筒部123の形状に倣っていることが好ましい。第二リブ128は、清掃体部112やボビン部113に巻き付く糸状の塵埃が回転清掃体31の回転部分と固定部分との境界部位に入り込むことを容易に妨げる。
図17は、本発明の実施形態に係る回転清掃体の他の例の側面図である。
図17に示すように、本実施形態に係るボビン部113Aは、第一鍔部121と第二鍔部122との間に架設される第三リブ131を備えていても良い。
回転清掃体31の回転中心線に沿う方向から見て、第三リブ131は、隣り合う第三リブ131の突出端の間に仮想的に引かれる直線L、および第三リブ131の突出端から筒部123の外周面へ仮想的に引かれる接線Tのいずれか短い方が、切欠部125を横切るように配置されていることが好ましい。
第三リブ131は、ボビン部113Aの筒部123の外周面とボビン部113Aに巻き付く糸状の塵埃との間の隙間を拡大し、糸状の塵埃の切断の容易性を向上させる。
図18は、本発明の実施形態に係る吸込口体の第二車輪の支持構造の他の例の分解斜視図である。
図19は、本発明の実施形態に係る吸込口体の第二車輪の支持構造の他の例の斜視図である。
図5から図7に示すように、吸込口体6は、吸込口本体33の底面33bの裏側から吸込口本体33の底面33bの表側へ接近する方向へ移動して取り付けられる車軸76を有する第二車輪66を備えている。ここで言う「吸込口本体33の底面33bの裏側」は、車輪保持体69の裏側69bに相当し、「吸込口本体33の底面33bの表側」は、車輪保持体69の表側69fに相当する。
これに対して、図18および図19に示すように、本実施形態に係る吸込口体6Bは、吸込口本体33Bの底面33bに平行する方向から取り付けられる車軸76を有する第二車輪66Bを備えている。
吸込口本体33Bのケース34Bは、保持体99Bの車輪配置口68と協働して第二車輪66Bの一部を納める窪み部88Bを備えている。ケース34Bに保持体99Bが連結されると、保持体99Bの車輪配置口68と吸込口本体33Bの窪み部88Bとは、第二車輪66Bの一部を納める空間、いわゆるタイヤハウスを画定する。
窪み部88Bは、図5から図7に示したケース34の窪み部88とは異なり、第二車輪66Bの車軸76を支える
第二車輪66Bは、車軸76によって回転可能に支持されるローラー77を備えている。第二車輪66Bのローラー77は、図18の二点鎖線矢印に示すように、ケース34Bの底面の隠蔽部位36hの遠方から隠蔽部位36hに近づいて窪み部88Bに配置される。第二車輪66Bの車軸76は、吸込口本体33Bの底面33bに平行する方向から窪み部88Bに配置される。つまり、窪み部88Bの左右の壁のいずれか一方は、車軸76を支持する貫通孔を有し、窪み部88Bの左右の壁のいずれか他方は、非貫通の止り穴を有している。窪み部88Bの左右の壁のうち、吸込口体6の外縁に近い方の壁、本実施形態では右側の壁は、貫通孔を有し、吸込口体6の外縁から遠い方の壁、本実施形態では左側の壁は、止り穴を有している。
止り穴は、穴の底へ向かうほど穴径が小さくなるテーパー穴であることが好ましい。そのような止り穴は、車軸76がケース34Bから抜けて第二車輪66Bがケース34Bから脱落することを防止する車軸脱落防止部として機能する。止り穴による車軸76の保持力は、車軸76の自重で車軸76が止り穴から脱出しない程度、例えば数十グラムから百数十グラム程度あれば良く、成人女性の指の力、例えばキログラム単位の力が作用した場合には車軸76が止り穴から容易に脱出する程度で良い。
車軸脱落防止部は、貫通孔の開口端に設けられていても良い。そのような車軸脱落防止部は、車軸76が貫通孔から抜けることを防止するよう、貫通孔の穴径を部分的に縮小する突起で良い。この突起による車軸76の保持力は、車軸76の自重で車軸76が貫通孔から脱出しない程度、例えば数十グラムから百数十グラム程度あれば良く、成人女性の指の力、例えばキログラム単位の力が作用した場合には車軸76が貫通孔から容易に脱出する程度で良い。
止り穴に設けられる車軸脱落防止部、および貫通孔に設けられる車軸脱落防止部のいずれも、ケース34Bから保持体99Bを取り外した際の、第二車輪66Bの紛失の防止を意図するものであり、第二車輪66Bを窪み部88Bに強固に保持する機能を有していなくて良い。
保持体99Bは、ケース34Bの底面と同じ方向を向く表側99fと、ケース34Bの底面を臨む裏側99bと、表裏に貫通する車輪配置口68と、を有してケース34Bの底部に装着されている。
保持体99Bは、下ケース36Bの底面36bの一部を覆って下ケース36Bに装着されている。つまり、下ケース36Bの底面36bは、保持体99Bに覆い隠される隠蔽部位36hと、車輪保持体69によって覆い隠されることなく暴露される暴露部位36eと、を含んでいる。ケース34Bに装着された保持体99Bの表側69f、および下ケース36Bの底面36bの暴露部位36eが、吸込口本体33Bの底面33bに相当する。
なお、吸込口体6、6A、6Bは、図5から図7に示すような、第二車輪66Bの車軸76が車軸76の径方向、かつ車輪保持体69の裏側69bから表側69fへ移動して車輪保持体69に配置される態様、図18に示すような、第二車輪66Bの車軸76が車軸76の軸方向、かつ吸込口本体33Bの底面33bに平行する方向へ移動して窪み部88Bに配置される態様、に限られない。吸込口体6、6Aは、図18に類するように、第二車輪66の車軸76が車軸76の軸方向、かつ車輪保持体69の底面に平行する方向へ移動して車輪配置口68に配置される態様を含む。また、吸込口体6Bは、図5から図7に類するように、第二車輪66Bの車軸76が車軸76の径方向、かつ吸込口本体33Bの上方から下方へ移動して窪み部88Bに配置される態様を含む。具体的には、第二車輪66Bの車軸76が車軸76の径方向、かつ吸込口本体33Bの底面33bを臨みつつ吸込口本体33Bの前上方から後ろ下方へ移動して窪み部88Bに配置される態様が含まれる。
つまり、図18に類するように、車軸76が先ず吸込口本体33、33Bに装着される場合には、車輪保持体69(もしくは保持体99、99A、99B)が、車軸76を吸込口本体33、33Bに取り付ける際に車軸76が移動する経路を塞いで車軸76の移動を妨げる閉塞部として機能する。また、図5から図7に類するように、車軸76が先ず車輪保持体69(もしくは保持体99、99A、99B)に装着される場合には、吸込口本体33、33Bが、車軸76を車輪保持体69(もしくは保持体99、99A、99B)に取り付ける際に車軸76が移動する経路を塞いで車軸76の移動を妨げる閉塞部として機能する。
なお、吸込口体6Bは、ケース34Bと保持体99Bとの間に配置される中間部材を備えていても良い。この場合には、中間部材が、車軸76をケース34Bまたは保持体99Bに取り付ける際に車軸76が移動する経路を塞いで車軸76の移動を妨げる閉塞部として機能する。ケース34Bまたは保持体99Bは、保持体99Bがケース34Bから取り外された状態で、中間部材がケース34Bまたは保持体99Bから外れて脱落することを防止する脱落防止部を備えていることが好ましい。脱落防止部は、例えば、ケース34Bおよび中間部材のいずれか一方に設けられる凸部と、ケース34Bおよび中間部材のいずれか他方に設けられて凸部を嵌め込む凹部と、を備える嵌合構造である。また、脱落防止部は、例えば、保持体99Bおよび中間部材のいずれか一方に設けられる凸部と、保持体99Bおよび中間部材のいずれか他方に設けられて凸部を嵌め込む凹部と、を備える嵌合構造であっても良い。嵌合構造の保持力は、自重で中間部材がケース34Bまたは保持体99Bから脱落しない程度、例えば数十グラムから百数十グラム程度の保持力があれば良く、成人女性の指の力、例えばキログラム単位の力が作用した場合には中間部材がケース34Bまたは保持体99Bから容易に分離する程度で良い。脱落防止部は、ケース34Bから保持体99Bを取り外した際の、中間部材の紛失の防止を意図するものであり、中間部材をケース34Bまたは保持体99Bに強固に保持する機能を有していなくて良い。
本実施形態に係る吸込口体6Bでは、第二保持機構85を解除し、保持体99Bをケース34Bから取り外すことで、第二車輪66Bの車軸76を吸込口本体33Bから容易に取り外し、かつ第二車輪66Bのローラー77を窪み部88Bから取り出すことで、ケース34Bの窪み部88Bが容易に開放される。窪み部88Bの奥側に入り込んだ塵埃は、第二車輪66Bに隠れることなく下ケース36Bの底面36bの隠蔽部位36hに露顕して容易に除去可能になり、または第二車輪66Bのローラーに付着したまま窪み部88Bから容易に除去される。
また、車軸76が吸込口本体33Bから取り外されている状態では、使用者は、第二車輪66のローラー77を容易にお手入れできる。そのため、使用者は、第二車輪66Bに付着した塵埃、および車軸76やローラー77に巻き付いた塵埃を容易に除去可能である。
図20は、本発明の実施形態に係る吸込口体の他の例の底面拡大図である。
本実施形態に係る電気掃除機1および吸込口体6、6Aは、図2から図17に示すように、車輪保持体69および第二車輪66を一括して吸込口本体33から工具不要で離脱可能に保持する第二保持機構85を備えている。
また、本実施形態に係る電気掃除機1および吸込口体6、6Aは、図20に示すように、工具を利用することで車輪保持体69および第二車輪66を一括して吸込口本体33から離脱可能に保持する第二保持機構85Aを備えていても良い。この場合、第二保持機構85Aは、工具、例えばねじ回し(ドライバー)を利用して締結可能なファスナー、例えばねじ141である。吸込口本体33は、ねじ141を締め付ける雌ねじ部を備え、車輪保持体69は、ねじ141を挿し通す開口を有している。ねじ141の頭は、吸込口本体33の底面33bから突出していないことが好ましい。そのため、車輪保持体69は、ねじ141の頭を納める凹部142を有している。凹部142は、塵埃が詰まらないように吸込口本体33の後方へ開放されていることが好ましい。
第二車輪66の保持機能を有さない、保持体99、99A、99Bの場合も同様に、吸込口体6、6A、6Bは、吸込口本体33から工具不要で離脱可能に保持する第二保持機構85を備えていても良いし、工具を利用することで吸込口本体33から離脱可能に保持する第二保持機構85Aを備えていても良い。
以上説明したとおり、本実施形態に係る電気掃除機1、吸込口体6、6A、6B、および回転清掃体31は、清掃体部112の少なくとも一方の端部に設けられて清掃体部112に回転一体に固定されるボビン部113を備えている。このボビン部113は、筒部123の外周面に繋がる切欠部125を有する第一鍔部121を備えている。そのため、使用者は、ボビン部113に絡みついた塵埃を、切欠部125に差し込んだハサミや刃物で、極めて容易に切除できる。また、回転清掃体31の全長は、切欠部125および凹部126に差し込まれるハサミや刃物の扱いやすさに左右されず、短縮を図ることができる。
また、本実施形態に係る電気掃除機1、吸込口体6、6A、6B、および回転清掃体31は、切欠部125に連続して筒部123の一部を清掃体部112の回転中心線へ向かって窪ませ、かつボビン部113に近い軸端部75側から見通すことが可能な凹部126を有している。そのため、使用者は、ボビン部113の切欠部125および凹部126に極めて容易にハサミや刃物を差し込むことができる。
清掃体部112の回転方向における凹部126の幅は、第一鍔部121の板厚よりも大きい所定の幅寸法に設定される。そのため、使用者は、ボビン部113の切欠部125および凹部126に極めて容易かつ確実にハサミや刃物を差し込むことができる。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機1、吸込口体6、6A、6B、および回転清掃体31は、第一鍔部121と第二鍔部122との間に架設される第三リブ131を有するボビン部113Aを備えている。そのため、ボビン部113の筒部123の外周面とボビン部113に巻き付く糸状の塵埃との間の隙間が拡大されて、糸状の塵埃の切断の容易性が向上する。
また、本実施形態に係る電気掃除機1、および吸込口体6、6A、6Bは、ボビン部113の第一鍔部121と第二鍔部122との間に挟まれる第二リブ128を備えている。そのため、電気掃除機1、および吸込口体6、6A、6Bは、回転清掃体31に巻き付く糸状の塵埃が回転清掃体31の回転部分と固定部分との境界部位に入り込むことを容易に妨げる。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機1、吸込口体6、6A、6B、および回転清掃体31によれば、絡みつく糸状の塵埃を容易に除去可能であって、かつ回転清掃体31の長さ寸法を短縮できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電気掃除機、2…二次電池、3…掃除機本体、5…延長管、6、6A、6B…吸込口体、11…把手部、12…本体ケース、12a…前部、12b…中央部、12c…後部、13…電動送風機、15…吸込管、16…分離集塵部、17…本体制御部、19…吸込口、21…制御回路板、22…入力部、22a…運転開始スイッチ、22b…運転停止スイッチ、25…排気口、31…回転清掃体、32…電動機、33、33B…吸込口本体、33b…底面、34、34B…ケース、35…接続管部、36、36B…下ケース、36b…底面、36h…隠蔽部位、36e…暴露部位、37…上ケース、38…上カバー、39…前カバー、41…吸込室、41a…下半部、41b…上半部、42…電動機室、43…正面吸込口、45…固定管、46…自在継手部、51…回転軸、52…清掃体、55…動力伝達機構、56…ドライブ側プーリー、57…ドリブン側プーリー、58…ベルト、61…ヒンジ機構、62…車輪、63、63A…シール部、65…第一車輪、66、66B…第二車輪、68…車輪配置口、69…車輪保持体、69f…表側、69b…裏側、71、71A…右保持体、72、72A…左保持体、75、75a、75b…軸端部、76…車軸、77…ローラー、79…車軸脱落防止部、81…凹部、83…中間部材、85、85A…第二保持機構、87…スライド機構、88、88B…窪み部、91…刷毛、92…保持枠体、93…シール配置部、95…溝部、95L…端部、96…爪部、99、99A、99B…保持体、99f…表側、99b…裏側、101…第二シール配置部、102…第二シール部、112…清掃体部、113、113A…ボビン部、115…軸受保持体、116…軸受、117…軸部、121…第一鍔部、122…第二鍔部、123…筒部、125…切欠部、126…凹部、128…第二リブ、131…第三リブ、141…ねじ、142…凹部。
Claims (7)
- 軸端部と、
前記軸端部によって回転可能に支持される長尺な清掃体部と、
前記清掃体部の少なくとも一方の端部に設けられて前記清掃体部に回転一体に固定されるボビン部と、を備え、
前記ボビン部は、
第一鍔部と、
前記第一鍔部より前記清掃体部に近い第二鍔部と、
前記第一鍔部と前記第二鍔部との間に設けられる筒部と、を備え、
前記第一鍔部は、前記筒部の外周面に繋がる切欠部を有する回転清掃体。 - 前記ボビン部は、前記切欠部に連続して前記筒部の一部を前記清掃体部の回転中心線へ向かって窪ませ、かつ前記ボビン部に近い前記軸端部側から見通すことが可能な凹部を有する請求項1に記載の回転清掃体。
- 前記清掃体部の回転方向における前記凹部の幅は、前記第一鍔部の板厚よりも大きい所定の幅寸法を有する請求項2に記載の回転清掃体。
- 前記ボビン部は、前記第一鍔部と前記第二鍔部との間に架設されるリブを備える請求項1から3のいずれか1項に記載の回転清掃体。
ここは実施形態
前記リブは、前記リブの径方向外側の端部から前記筒部の外周面へ仮想的に引かれる接線が、前記清掃体部の回転中心線方向へ見て前記切欠部を横切るように配置されている請求項1または2に記載の回転清掃体。 - 吸込口を有するケースと、
前記ケースに回転可能かつ着脱可能に保持されて前記吸込口に配置される請求項1から4のいずれか1項に記載の回転清掃体と、を備える吸込口体。 - 前記ケースは、前記ボビン部の前記第一鍔部と前記第二鍔部との間に挟まれる第二リブを有する請求項5に記載の吸込口体。
- 掃除機本体と、
前記掃除機本体に収容されて負圧を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機が発生させる負圧で空気を吸い込む請求項5または6に記載の吸込口体と、を備える電気掃除機。
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