JP2023064111A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動軸の潤滑性を広い回転域に亘って確保し、より信頼性の高い圧縮機を提供する【解決手段】圧縮機は、偏心部を有する駆動軸と、偏心部の一側に設けられた主軸受14と、偏心部の他側に設けられた副軸受と、主軸受14を挟んで副軸受とは反対側に配置され、駆動軸と一体に回転可能に構成されたモータ回転子と、を備える。駆動軸の軸径をdとして、主軸受14と副軸受との間隔が2.7d以上であり、主軸受14は、軸方向の全長Ltが3d以上であるとともに、フランジ部141と、太径部142と、太径部142よりも外径D2が小さい細径部143と、を有し、細径部143は、軸方向の長さL3がd以上であるとともに、外径D2が1.5d以下であり、太径部142は、外径D1が1.5d以上であり、フランジ部141および太径部142は、軸方向の合計長さL1が2d以上である。【選択図】 図2

Description

本発明に係る実施形態は、圧縮機に関する。
蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、冷媒圧縮機(以下単に「圧縮機」という)は、受熱源である蒸発器を出たガス冷媒を吸入し、圧縮機構部によりこれを圧縮する。圧縮機は、圧縮により高温高圧の過熱蒸気となった冷媒を吐出する。
密閉型のロータリー圧縮機において、圧縮機構部は、駆動軸の偏心部に遊嵌されたローリングピストンを備え、ローリングピストンの偏心回転運動に伴うシリンダ内部の容積変化により、吸入行程と圧縮行程とを実施する。
ここで、駆動軸には、動力源である電動機(以下「モータ」という)から回転駆動力が作用するとともに、冷媒の圧縮に対する反発力が偏心部を介して作用する。これにより、駆動軸に働く力に不均衡が生じ、駆動軸に曲げ方向の変形(つまり、撓み変形)が生じる事態に至る。このような変形は、特にロータリー圧縮機が90Hz以上の高回転域で稼働する場合に顕著となる。
駆動軸が撓み変形を伴いながら回転すると、駆動軸の外周面と駆動軸を支持する軸受けの内周面との間で平行度を維持することができず、摺動面積が縮小して駆動軸と軸受けとの間における良好な油膜形成が阻害され、軸受けの負荷能力を最大限に発揮することが困難となる。
特許文献1には、駆動軸をその主軸部において支持する主軸受の先端部に、駆動軸に傾きまたは変形が生じた場合の接触に対する逃げとなる部分(以下「逃げ形状部」という)を形成し、傾き等が生じた駆動軸と主軸受との間で摺動面積を確保し、油膜を保持することが記載されている。
2022-535395号公報
しかし、前掲文献1に記載の技術には、駆動軸に所定の傾きまたは変形が生じるまでは、駆動軸と主軸受との間の隙間が逃げ形状部において拡大し、油膜が良好に形成されないため、特に低回転域での稼働に際して信頼性に支障を来たす点に懸念がある。
このような実状に鑑み、本発明は、駆動軸の潤滑性を広い回転域に亘って確保し、より信頼性の高い圧縮機を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため、本発明の実施形態に係る圧縮機は、偏心部を有する駆動軸と、前記駆動軸の軸方向に前記偏心部の一側に設けられ、前記駆動軸を回転自在に支持する主軸受と、前記駆動軸の軸方向に前記偏心部の他側に設けられ、前記主軸受と協働して前記駆動軸を回転自在に支持する副軸受と、前記主軸受を挟んで前記副軸受とは反対側に配置され、前記駆動軸と一体に回転可能に構成されたモータ回転子と、を備え、前記駆動軸の軸径をdとして、前記主軸受と前記副軸受との間隔が2.7d以上であり、前記主軸受は、前記軸方向の全長が3d以上であるとともに、前記偏心部に近い基端側に設けられたフランジ部と、前記フランジ部に対して先端側に隣接して設けられた太径部と、前記太径部に対して先端側に隣接して設けられ、前記太径部よりも外径が小さい細径部と、を有し、前記細径部は、前記軸方向の長さがd以上であるとともに、外径が1.5d以下であり、前記太径部は、外径が1.5d以上であり、前記フランジ部および前記太径部は、前記軸方向の合計長さが2d以上である。
本発明の一実施形態に係る圧縮機およびアキュムレータの内部構造を示す断面図である。 同上実施形態に係る圧縮機に備わる主軸受の構成を示す断面図である。 同上実施形態に係る圧縮機の運転中に生じる駆動軸の撓み変形を示す概略図である。 同上実施形態の第1変形例に係る主軸受の構成を示す断面図である。 同上実施形態の第2変形例に係る主軸受の構成を示す断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧縮機1およびアキュムレータ101の内部構造を示す断面図である。
図2は、本実施形態に係る圧縮機1に備わる主軸受14の構成を示す断面図である。
以下に、図2を適宜に参照して、図1により本実施形態に係る圧縮機1の構成について説明する。
本実施形態において、圧縮機1は、密閉型のロータリー圧縮機であり、蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用される。蒸気圧縮式冷凍サイクルは、圧縮機1のほか、凝縮器、膨張弁および蒸発器を備え、これらの冷凍サイクル要素を、冷媒が順次通過するように冷媒配管を介して接続することにより構成される。凝縮器は、放熱器として機能し、蒸発器は、吸熱器として機能する。凝縮器および蒸発器は、いずれも熱交換器により構成することが可能である。
蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、圧縮機1は、蒸発器を出たガス冷媒を吸入し、これを圧縮する。そして、圧縮機1は、圧縮により高温高圧の過熱蒸気となった冷媒を吐出する。圧縮機1にアキュムレータ101を併設し、蒸発器を出た冷媒に液冷媒が含まれる場合に、アキュムレータ101により液冷媒を分離し、分離後のガス冷媒を圧縮機1に供給することが可能である。
圧縮機1は、密閉ケースCを備え、密閉ケースCの内部に、動力源である電動機(以下単に「モータ」という)11と、圧縮機構部12と、が収容されている。モータ11と圧縮機構部12とは、駆動軸13を介して連結され、モータ11の回転駆動力を、駆動軸13を介して圧縮機構部12へ伝達し、圧縮機構部12を駆動することが可能である。モータ11へは、電源から密封端子31を介して電力が供給される。駆動軸13は、複数の軸受け、本実施形態では、主軸受14と副軸受15とにより、密閉ケースCに対して回転自在に支持されている。
密閉ケースCは、全体として円筒形をなす。密封ケースCは、上下に開放された円筒状のケース胴部C1の上端部と下端部とを、半球状の鏡板C21、C22により夫々閉塞させた構成である。ケース胴部C1には、アキュムレータ101から延びる冷媒導入管102a、102bが接続され、アキュムレータ101による分離後のガス冷媒は、これらの冷媒導入管102a、102bを介して密閉ケースCの内部に導入される。圧縮機構部12による圧縮後のガス冷媒は、上側の鏡板C21に取り付けられた吐出管Pdを介して密閉ケースCの外部へ吐出される。
密閉ケースCの内部には、ケース胴部C1の上半部にモータ11が収容され、下半部に圧縮機構部12が収容されている。
モータ11は、ケース胴部C1に固定された固定子111と、固定子111の内径部に配置され、駆動軸13に固定された回転子112と、を備える。回転子112は、固定子111に対して駆動軸13と一体に回転自在な状態にある。固定子111には、コイルが形成され、コイルへの通電により生じる電磁力により回転子112を回転させ、駆動軸13を介して圧縮機構部12を駆動することが可能である。
駆動軸13は、主軸部131、副軸部132および焼嵌部133を有する。主軸部131は、駆動軸13のうち、軸方向の中間部に位置し、主軸部131の外周には、主軸受14が遊嵌されている。副軸部132は、駆動軸13のうち、焼嵌部133とは反対側の軸端部に位置し、副軸部132の外周には、副軸受15が遊嵌されている。このように、駆動軸13は、軸方向に互いに離して設置された主軸受14および副軸受15により支持され、径方向の位置決めがなされた状態にある。焼嵌部133には、モータ11の回転子112が焼き嵌めにより固着されている。回転子112は、駆動軸13の軸受け、つまり、主軸受14および副軸受15により片持ちの状態で支持されている。
駆動軸13は、さらに、主軸部131と副軸部132との間に、複数の偏心部、具体的には、主軸部131に近い第1偏心部134aと、副軸部132に近い第2偏心部134bと、を有する。第1および第2偏心部134a、134bは、クランク部とも呼ばれ、駆動軸13と一体に形成されている。偏心部134a、134bは、いずれも駆動軸13の軸方向に対して垂直な断面において真円状をなし、駆動軸13よりも大きな直径を有する。第1偏心部134aと第2偏心部134bとは、互いに同一の断面形状を有し、駆動軸13に対して中心を径方向にずらして配置されている。第1偏心部134aと第2偏心部134bとは、180°の位相差をもって配置され、換言すれば、駆動軸13の中心に対して互いに逆方向に偏心した関係にある。
圧縮機構部12は、主軸受14と副軸受15との間に設けられている。本実施形態において、圧縮機構部12は、複数の圧縮機構、具体的には、第1偏心部134aを含む第1圧縮機構12aと、第2偏心部134bを含む第2圧縮機構12bと、を有する。第1圧縮機構12aと第2圧縮機構12bとの間には、仕切板16が介在する。
第1圧縮機構12aは、第1シリンダ17aと、駆動軸13の第1偏心部134aと、第1ローリングピストン18aと、により構成される。第1シリンダ17aには、第1シリンダ室S1aが形成され、第1ローリングピストン18aは、円環状をなし、第1偏心部134aに遊嵌された状態で、第1偏心部134aとともに第1シリンダ室S1aに収容されている。第1シリンダ17aの内径は、第1ローリングピストン18aの外径よりも大きく、第1シリンダ17aと第1ローリングピストン18aとの間には、隙間が形成されている。第1シリンダ17aには、第1シリンダ17aの内周部から径方向に伸びる第1ベーン溝が形成され、第1ベーン溝には、第1スライドベーン(図示せず)が挿入されている。第1シリンダ17aと第1スライドベーンとの間には、バネが圧縮状態で介装され、第1スライドベーンは、このバネにより第1ローリングピストン18aの外周面に押し付けられた状態にある。第1シリンダ17aと第1ローリングピストン18aとの間の隙間は、第1スライドベーンにより2つの空間、つまり、吸入室と圧縮室とに区画されている。
第1シリンダ17aと第1ローリングピストン18aとの間の空間、つまり、第1圧縮機構12aの吸入室および圧縮室は、上側に配置された主軸受14と、下側に配置された仕切板16と、により封止されている。第1シリンダ17aには、第1シリンダ17aの内周面に開口し、第1圧縮機構12aの吸入室に繋がる第1吸込口hiが形成され、第1吸込口hiへは、アキュムレータ101から延びる冷媒導入管102aが挿入接続されている。これにより、アキュムレータ101を出た冷媒が、冷媒導入管102aから第1吸込口hiを介して吸入室に導入される。
第2圧縮機構12bは、第2シリンダ17bと、駆動軸13の第2偏心部134bと、第2ローリングピストン18bと、により構成される。第2シリンダ17bには、第2シリンダ室(図示せず)が形成され、第2ローリングピストン18bは、円環状をなし、第2偏心部134bに遊嵌された状態で、第2偏心部134bとともに第2シリンダ室に収容されている。第1圧縮機構12aと同様に、第2シリンダ17bの内径は、第2ローリングピストン18bの外径よりも大きく、第2シリンダ17bと第2ローリングピストン18bとの間には、隙間が形成され、この隙間は、第2シリンダ17bの第2ベーン溝に挿入された第2スライドベーン19bにより吸入室と圧縮室とに区画されている。
第2シリンダ17bと第2ローリングピストン18bとの間の空間、つまり、第2圧縮機構12bの吸入室および圧縮室は、上側に配置された仕切板16と、下側に配置された副軸受15と、により封止されている。第2シリンダ17bには、第2シリンダ17bの内周面に開口し、第2圧縮機構12bの吸入室に繋がる第2吸込口(図示せず)が形成され、第2吸込口へは、アキュムレータ101から延びる冷媒導入管102bが挿入接続されている。これにより、アキュムレータ101を出た冷媒が、冷媒導入管102bから第2吸込口を介して吸入室に導入される。
第1シリンダ17aと第2シリンダ17bとは、各シリンダ室の中心を駆動軸13の中心軸に合致させた状態で仕切板16を挟んで積み重ねられ、駆動軸13の軸方向に両者を貫通する通しボルトによる共締めにより互いに固定されている。通しボルトは、第1吐出マフラ20、主軸受14、第1シリンダ17a、仕切板16、第2シリンダ17b、副軸受15および第2吐出マフラ21を貫通する。第1シリンダ17aが密封ケースCに対して周方向の適宜の箇所で溶接等により固定され、圧縮機構部12は、その全体が密封ケースCに対して第1シリンダ17aの溶接部により支持されている。
主軸受14には、基端側に設けられたフランジ部141に吐出口hd1が形成されている。図2に示すように、吐出口hd1には、第1吐出弁145および押さえ部材(図示せず)が設置されている。主軸受14の吐出口hd1は、一端において第1シリンダ17aのシリンダ室S1aに連通し、フランジ部141を駆動軸13の軸方向Yに貫通する。第1吐出マフラ20は、吐出口hd1が形成されたフランジ部141の側端面を覆うように主軸受14に被せられ、主軸受14との間に、圧縮後の冷媒が吐出される吐出室S2aを形成する。吐出室S2aは、吐出口hd1を介してシリンダ室S1aに連通する。シリンダ室S1a(つまり、圧縮室)で圧縮された冷媒の圧力が所定の吐出圧に達した場合に、第1吐出弁145が開き、冷媒が吐出される。押さえ部材は、第1吐出弁145の開度を制限する。冷媒は、第1吐出マフラ20内部の吐出室S2aから、第1吐出マフラ20に形成された連通口hd2を介して密封ケースCの内部に送り込まれる。
副軸受15には、基端側に設けられたフランジ部151に吐出口が形成されている。吐出口には、第2吐出弁155および押さえ部材が設置されている。副軸受の吐出口は、一端において第2シリンダ17bのシリンダ室に連通し、フランジ部151を駆動軸13の軸方向に貫通する。第2吐出マフラ21は、吐出口が形成されたフランジ部151の側端面を覆うように副軸受15に被せられ、副軸受15との間に、圧縮後の冷媒が吐出される吐出室S2bを形成する。吐出室S2bは、吐出口を介してシリンダ室に連通する。シリンダ室(つまり、圧縮室)で圧縮された冷媒の圧力が所定の吐出圧に達した場合に、第2吐出弁155が開き、冷媒が吐出される。押さえ部材は、第2吐出弁155の開度を制限する。冷媒は、第2吐出マフラ21内部の吐出室S2bから、第2吐出マフラ21に形成された連通口を介して密封ケースCの内部に送り込まれる。
第1吐出マフラ20および第2吐出マフラ21夫々の吐出室から密封ケースCの内部に送り込まれた冷媒は、モータ11内部の隙間や回転子112に形成された通風孔を介して密閉ケースCの上端部に至り、吐出管Pdを介して圧縮機1から吐出される。
密閉ケースCの内部には、潤滑油が封入されている。圧縮機構部12は、その大部分がこの潤滑油に浸漬した状態にある。
圧縮機1の運転中、圧縮機構部12は、駆動軸13の偏心部134a、134bに遊嵌された第1および第2ローリングピストン18a、18bの偏心回転運動に伴うシリンダ内部の容積変化により、吸入行程と圧縮行程とを同時に実施する。
ここで、駆動軸13には、動力源であるモータ11から回転駆動力が作用するとともに、冷媒の圧縮に対する反発力が偏心部134a、134bを介して作用する。これにより、駆動軸13に働く力に不均衡が生じ、駆動軸13に曲げ方向の変形、つまり、駆動軸13の中心軸を含む平面内での撓み変形が生じる事態に至る。
ここで、図2に示すように、主軸受14(副軸受15についても同様である)には、基端側の側端面、換言すれば、第1偏心部134aの方向に向く側端面に開口し、駆動軸13の軸方向Yに延びる環状溝が形成され、この環状溝の内径側に、主軸受14の太径部142から基端側へ延びる断面円環状の薄肉突出部(以下「環状薄肉部」という)144が形成されている。駆動軸13に撓み変形による傾きが生じた場合に、環状薄肉部144がこの傾きに倣うように変形することで、駆動軸13と主軸受14との摺動面積を確保し、潤滑性の低下を抑制する。
しかし、主軸受14と副軸受15との間隔が広く、具体的には、駆動軸13の軸径をdとしてこの間隔が2.7d以上であると、特に圧縮機1が90Hz以上の高回転域で稼働する場合に、駆動軸13の撓み変形が顕著となる。
図3は、本実施形態に係る圧縮機1の運転中に生じる駆動軸13の撓み変形を示す概略図である。図3中、一点鎖線Axは、通常時における駆動軸13の中心軸を示し、二点鎖線Ax1、Ax1’は、撓み変形後における駆動軸13の中心軸を示す。二点鎖線Ax1、Ax1’は、いずれも駆動軸13の中心軸を示すが、撓み変形の位相が互いに180°だけずれた関係にある。
図3に示すように、圧縮機1の運転中、特に90Hz以上の高回転域における運転中、駆動軸13には、主軸受14により支持される主軸部131と、副軸受15により支持される副軸部132と、のそれぞれに定点(第1定点Fp1、第2定点Fp2)が形成される撓み変形が生じる。この撓み変形により、駆動軸13には、中心軸Axに沿った各点で径方向Xの変位が生じる。ここで、第1および第2定点Fp1とは、撓み変形により径方向Xに生じる変位が0(ゼロ)または最小となる点をいう。撓み変形により駆動軸13に生じる径方向Xの変位は、第1および第2定点Fp1、Fp2で最小となり、第1定点Fp1に対して第2定点Fp2とは反対側にある駆動軸13の軸端部135で最大となる。よって、駆動軸13の変位は、第1定点Fp1から軸端部135にかけて軸端部135に近付くほど増大し、主軸受14により支持される主軸部131では、軸端部135に近い先端部で最大となる。
駆動軸13がこのような撓み変形を伴いながら回転すると、一般的な主軸受では剛性が全体として過剰となり、駆動軸13の外周面と主軸受14の内周面との間で平行度を維持することができず、摺動面積が縮小して駆動軸13(つまり、主軸部131)と主軸受14との間における良好な油膜形成が阻害され、主軸受14の負荷能力を最大限に発揮することが困難となる。
これに対し、本実施形態では、主軸受14の先端側に形成される細径部143を従来よりも肉薄とし、細径部143を駆動軸13の撓み変形に追従して変形可能とする。以下に、図2を参照して、主軸部14の構成についてさらに説明する。
本実施形態において、主軸受14は、駆動軸13の軸径、つまり、主軸受14の内径をdとして、副軸受15から駆動軸13の中心軸に沿って2.7d以上の距離を空けて配置されている。換言すれば、主軸受14と副軸受15とは、フランジ部141、151の互いに向き合う側端面が、駆動軸13の軸方向Yに2.7d以上の間隔を空けて配置されている。よって、圧縮機構部12は、2.7d以上の比較的広い間隔を空けた主軸受14および副軸受15の間に収められている。
主軸受14は、駆動軸13の軸方向(以下単に「軸方向」という場合は、駆動軸13の軸方向をいう)Yの全長Ltが3d以上であり、外径または肉厚に応じて区分される部分として、圧縮機構部12(具体的には、第1偏心部134a)に近い基端側から順に、フランジ部141、太径部142および細径部143を有する。
フランジ部141は、軸方向Yに沿ってみた状態で真円状であって、全体として円盤状をなす。本実施形態において、フランジ部141は、軸方向Yにおける太径部142との合計長さL1が2dである。フランジ部141と太径部142との合計長さL1は、2dよりも長くてもよい。
太径部142は、フランジ部141に対して先端側に連設され、1.5d以上の外径D1を有する。本実施形態において、太径部142は、軸方向Yの全体(長さL2)に亘って一定の外径D1を有し、外径D1は、1.8dである。太径部142は、これに限らず、1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で、主軸受14に必要な強度または剛性を確保可能な適宜の外径D1をもって形成することが可能である。
細径部143は、太径部142に対して先端側に連設され、軸方向Yの長さL3がdである。細径部143の長さL3は、dよりも長くてもよい。さらに、細径部143は、1.5d以下の外径D2を有する。本実施形態において、細径部143は、軸方向Yの全体に亘って一定の外径D2を有し、外径D2は、太径部142の外径D1よりも小さく、1.2dである。細径部143は、外径D1よりも小さく、1.2以上かつ1.5d以下の範囲で、ジャーナル軸受である主軸受14の要素として備えるべき機能を確保可能な適宜の外径D2をもって形成することが可能である。細径部143に求められる機能は、例えば、駆動軸13の撓み変形に追従して変形しつつも、駆動軸13を適度な強度をもって支持し、駆動軸13の外周面と主軸受14の内周面との間に潤滑油を保持してこの隙間に油膜を形成することである。
本実施形態に係る圧縮機1は、以上の構成を有する。以下に、本実施形態により得られる効果について述べる。
本実施形態では、駆動軸13の軸径をdとして、主軸受14と副軸受15とが2.7d以上の間隔をもって配置された圧縮機1において、主軸受14に、フランジ部141と、太径部142と、太径部142よりも外径D2が小さい細径部143(D2<D1)と、を形成し、主軸受14の軸方向Yの長さ、つまり、全長Ltを3d以上とするとともに、細径部143の長さL3をd以上、太径部142とフランジ部141との合計長さL1を2d以上とした。さらに、太径部142の外径D1を1.5d以上とする一方、細径部143の外径D2を太径部142よりも小径となる範囲で1.5d以下とした。これにより、圧縮機1の運転、特に90Hz以上の高回転域での運転に際し、駆動軸13を太径部142により支持しながら、駆動軸13に撓み変形が生じた場合に、この変形に対して細径部143の変形を許容することが可能となる。
このように、駆動軸13の撓み変形に対して細径部143により追従可能として、駆動軸13に撓み変形による傾きが生じた場合であっても駆動軸13の外周面と主軸受14(細径部143)の内周面との間で平行度を維持し、主軸受14の先端側で油膜切れが生じる事態を回避し、油膜を良好に形成することが可能となる。
ここで、主軸受14と副軸受15との間隔が2.7d以上である場合は、軸受間における駆動軸13の撓み変形が大きく、主軸受14の内部における駆動軸13の傾きが顕在化する傾向にある。よって、主軸受14と副軸受15との間隔が2.7d以上である圧縮機1においては上記効果をより顕著に得ることができる。
このように、本実施形態によれば、駆動軸13の潤滑性を90Hzを超える広い回転域に亘って確保して、駆動軸13と主軸受14との間で異常摩擦による焼き付き等が生じる事態を抑制することができ、信頼性の高い圧縮機1を提供することが可能となる。
さらに、細径部143の外径を1.2d以上としたことで、ジャーナル軸受の一部である細径部143の剛性を適度に保持しながら、細径部143の変形を許容することができ、駆動軸13と主軸受14との間で、主軸受14の全体に亘って油膜を良好に形成することが可能となる。
そして、太径部142の外径D1を1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で一定としたことで、太径部142の剛性を確保し、駆動軸13を確実に支持することが可能となる。
具体的な構成の一例として、主軸受14と副軸受15との間隔が2.7dである圧縮機1において、主軸受14の全長Ltを3d、細径部143の長さL3をd(よって、太径部142とフランジ部141との合計長さL1を2d)、太径部142の外径D1を長さL2に亘って一定の1.8d、細径部143の外径D2を1.2dとすることで、主軸受14の先端部、つまり、細径部143の先端部に対して圧縮機1の運転時にかかる荷重、換言すれば、細径部143の先端部と撓み変形を生じた駆動軸13との接触力が5[N]未満に抑えられることが判明している。
以上の説明では、主軸受14の太径部142について、外径D1を長さL2に亘って一定とした。太径部142の外径D1は、これに限らず、1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で、外周面に段差を付けて形成することも可能である。
図4は、本実施形態の第1変形例に係る主軸受14の構成を示す説明図である。第1変形例の主軸受14は、図2に示す主軸受14とは太径部142の構成においてのみ相違し、フランジ部141および細径部143等、太径部142以外の構成については図2に示すものと同様である。
第1変形例の主軸受14は、太径部142の外周面に段差を付けた構成であり、太径部142は、フランジ部141に近い基端側の第1太径部1421と、細径部143に近い先端側の第2太径部1422と、を有する。第1太径部1421は、1.5d以上かつ1.8d以下の外径D11を有する。他方で、第2太径部1422は、1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で、第1太径部1421よりも小さな外径D12を有する。第1太径部1421と第2太径部1422とは、駆動軸13の軸方向Yに連なり、径方向Xに径方向Xに広がる段差部1423を介して接続されている。
このように、太径部142の外周面に段差を付けて構成したことで、太径部142に必要な剛性を確保しながら、主軸受14にかかる応力を細径部143だけでなく太径部142(第2太径部1422)にかけても分散させ、細径部143と太径部142との接合部、つまり、細径部143の付け根に応力が過度に集中する事態を回避することが可能となる。
第1変形例では、太径部142を第1太径部1421と第2太径部1422との2段に形成したが、外径が1.5d以上かつ1.8d以下に収まる範囲で3段以上に形成してもよい。さらに、太径部142に加えるかまたは太径部142に代えて、細径部143の外周面に段差を付けて形成することも可能である。この場合は、細径部143のうち、最も太い部分の外径を1.5d以下とし、最も細い部分の外径を1.2d以上に設定する。
さらに、以上の説明では、主軸受14の細径部143について、外径D2を長さL3に亘って一定とした。細径部143の外径D2は、これに限らず、1.2d以上かつ1.5d以下の範囲で、テーパ状に形成することも可能である。
図5は、本実施形態の第2変形例に係る主軸受14の構成を示す説明図である。第2変形例の主軸受14は、図2に示す主軸受14とは細径部143の構成においてのみ相違し、フランジ部141および太径部142等、細径部143以外の構成については図2に示すものと同様である。
第2変形例の主軸受14は、基端側から先端側に向けて先窄まりとなるテーパ状に形成され、太径部142に近い基端部1431の肉厚が大きく、反対側の先端部1432の肉厚が小さく形成されている。基端部1431と先端部1432とは、いずれも1.2d以上かつ1.5d以下の外径D21、D22を有する。例えば、基端部1431の外径D21は、1.5dであり、先端部1432の外径D22は、1.2dである。基端部1431の周縁部と先端部1432の周縁部とは、切頭円錐面の形状である外周面1433により滑らかに接続されている。
このように、細径部143を基端側から先端側に向けて先窄まりとなるテーパ状に形成したことで、基端側では細径部143の剛性を確保して、駆動軸13をより確実に支持する一方、先端側ほど撓みが生じやすい形状として、駆動軸13に追従した変形を許容し、駆動軸13の支持と潤滑性の確保との両立を図ることが可能となる。
第2変形例では、細径部143をテーパ状に形成したが、細径部143に加えるかまたは細径部143に代えて、太径部142をテーパ状に形成することも可能である。この場合に、太径部142は、基端側から先端側に向けて先窄まりとなるテーパ状に形成し、基端部の外径を1.5d以上かつ1.8d以下とする一方、先端部の外径を1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で、基端部の外径よりも小さく設定する。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…圧縮機、11…電動機(モータ)、111…固定子、112…回転子、13…駆動軸、131…主軸部、132…副軸部、133…焼嵌部、134a…第1偏心部、134b…第2偏心部、14…主軸受、141…フランジ部、142…太径部、1421…第1太径部、1422…第2太径部、1423…段差部、143…細径部、1431…細径部の基端部、1432…細径部の先端部、1433…外周面、15…副軸受、16…仕切板、17a…第1シリンダ、17b…第2シリンダ、18a…第1ローリングピストン、18b…第2ローリングピストン、C…密封ケース、C1…ケース胴部、C21、C22…鏡板、101…アキュムレータ、102a、102b…冷媒導入管、Pi…吸入管、Pd…吐出管、Fp1…第1定点、Fp2…第2定点、Ax…駆動軸の中心軸。

Claims (5)

  1. 偏心部を有する駆動軸と、
    前記駆動軸の軸方向に前記偏心部の一側に設けられ、前記駆動軸を回転自在に支持する主軸受と、
    前記駆動軸の軸方向に前記偏心部の他側に設けられ、前記主軸受と協働して前記駆動軸を回転自在に支持する副軸受と、
    前記主軸受を挟んで前記副軸受とは反対側に配置され、前記駆動軸と一体に回転可能に構成されたモータ回転子と、を備え、
    前記駆動軸の軸径をdとして、前記主軸受と前記副軸受との間隔が2.7d以上であり、
    前記主軸受は、前記軸方向の全長が3d以上であるとともに、前記偏心部に近い基端側に設けられたフランジ部と、前記フランジ部に対して先端側に隣接して設けられた太径部と、前記太径部に対して先端側に隣接して設けられ、前記太径部よりも外径が小さい細径部と、を有し、
    前記細径部は、前記軸方向の長さがd以上であるとともに、外径が1.5d以下であり、
    前記太径部は、外径が1.5d以上であり、
    前記フランジ部および前記太径部は、前記軸方向の合計長さが2d以上である、圧縮機。
  2. 前記細径部は、外径が1.2以上である、請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記細径部は、基端側から先端側に向けて先窄まりとなるテーパ状に形成されている、請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記太径部は、外径が1.5d以上かつ1.8d以下の範囲で一定である、請求項1に記載の圧縮機。
  5. 最大回転数が90Hz以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機。
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