JP2023062731A - ヒノキチオール含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物の提供。【解決手段】ヒノキチオールを有効成分とする、好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、ヒノキチオール含有組成物及びその用途等に関する。
Matrix metalloproteinase(MMP)は、活性部位に亜鉛(II)イオンを保有する細胞外マトリックス分解酵素の総称である。その主たる基質は、コラーゲン、ラミニン、ゼラチン、フィブロネクチンなどの生体高分子である。
MMPは、生体内における組織のリモデリングや創傷治癒の過程において、不要な細胞外マトリックスを分解し、血管新生や新たな組織の構築を制御することによって恒常性を維持する働きをすると考えられている。しかし、MMPの活性が亢進しすぎると組織破壊が進行し、歯周病、関節リウマチ、腫瘍浸潤やその転移現象等に関わるとされているため、その活性を制御できる成分の探索が行われている。
特許第5339708号公報
日歯周誌59(4):185-190,2017 J Clin Periodontol.2021 Aug;48(8):1051-1065.
MMP-8は、好中球が産生するコラゲナーゼであることから、好中球コラゲナーゼとも称され、主にコラーゲン等の細胞外マトリックスを分解すること、歯肉溝浸出液中のMMPの約8割を占めることが知られている。好中球が、歯周ポケットでの炎症に反応し歯肉溝浸出液中に集積し、好中球コラゲナーゼ(MMP-8)を産生することで、歯周ポケット内の付着上皮が破壊され、歯周ポケットの深化が起こり、歯周病が進行すると考えられている(非特許文献1)。このため、好中球コラゲナーゼの活性を制御できる成分の探索が望まれている(特許文献1)。
本開示は、好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、ヒノキチオールが好中球コラゲナーゼに対する阻害活性を有することを見出し、さらに改良を重ねた。
本開示は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
ヒノキチオールを有効成分とする、好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物。
項2.
ヒノキチオールを有効成分とする好中球コラゲナーゼ活性阻害剤を含有する、歯周ポケット形成抑制、歯周ポケット深化抑制、及び/又はアタッチメントロス抑制のための、組成物。
項3.
前記組成物中、ヒノキチオールの含有量が0.0075~0.3質量%である、項1または2に記載の組成物。
項4.
口腔用組成物である、項1~3のいずれかに記載の組成物。
好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物が提供される。
ヒノキチオールを添加した場合の好中球コラゲナーゼ活性の測定結果を示す。 ヒノキチオールを添加した場合の細胞生存率の測定結果を示す。 各素材を添加した場合の好中球コラゲナーゼ(MMP-8)活性の測定結果を示す。 各素材を添加した場合の繊維芽細胞コラゲナーゼ(MMP-1)活性の測定結果を示す。
以下、本開示に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本開示に包含されるヒノキチオール含有組成物は、好中球コラゲナーゼ活性を阻害するための組成物である。本明細書において、当該組成物を「本開示の組成物」と表記することがある。
ヒノキチオールは、以下の式:
Figure 2023062731000001
で表される化合物である。本開示の組成物に用いられるヒノキチオールは、合成品であってもよく、また天然物(例えばヒバ等)から抽出されたものであってもよい。
本開示の組成物におけるヒノキチオール含有量は、効果が奏される範囲であれば、特に限定されない。例えば、本開示の組成物中、ヒノキチオールの含有量は、0.004~0.3質量%程度とすることができる。当該範囲の上限又は下限は、例えば、0.005、0.0075、0.01、0.015、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、又は0.25質量%あってもよい。
特に限定はされないが、ヒノキチオールによる好中球コラゲナーゼ活性に対する阻害活性がより一層強く奏されるという観点から、ヒノキチオール含有量は、0.0075質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。
また、特に限定はされないが、細胞障害性が低いという観点から、ヒノキチオール含有量は、0.3質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがさらに好ましい。
好中球コラゲナーゼ(EC 3.4.24.34)とは、好中球が産生するコラゲナーゼであり、MMP-8とも称される。
好中球コラゲナーゼ活性阻害とは、好中球コラゲナーゼによる基質(例えば、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン等のコラーゲン等)の分解作用を阻害することを意味する。
ヒノキチオールは、好中球コラゲナーゼによる基質の分解を阻害することから、好中球コラゲナーゼによる組織(例えば、付着上皮、歯肉溝上皮等)の破壊を抑制することができる。また、本開示の組成物は、好中球コラゲナーゼ活性阻害作用を有することから、既に産生された好中球コラゲナーゼの活性を阻害することができる。
このため、本開示の組成物は、口腔用組成物として好適である。より具体的には、本開示の組成物は、例えば、歯周ポケット形成抑制、歯周ポケット深化抑制、アタッチメントロス抑制、歯周組織コラーゲン保護、慢性炎症に伴う歯周組織の破壊抑制、及び/又は象牙質コラーゲンの保護等のために用いることができる。
本明細書において、「歯周ポケット形成抑制」とは、歯周ポケットの形成を抑制することを意味する。本明細書において、「歯周ポケット深化抑制」とは、歯周ポケットの深化を抑制することを意味する。本明細書において、「アタッチメントロス抑制」とは、歯肉の付着上皮が歯の表面から剥離し、歯肉と歯の付着位置が歯根側に移行していくことを抑制することを意味する。
本開示組成物の適用対象としては、例えば、好中球コラゲナーゼ活性が亢進している対象が好ましい。より具体的には、例えば、歯周病の診断基準でステージ1、2、3、又は4に該当する人、あるいはグレードCに該当する人等が挙げられる(非特許文献2)。歯周病の診断基準は、アメリカ歯周病学会とヨーロッパ歯周病学連盟共催ワークショップにて作成された診断基準で、日本歯周病学会のウェブサイト(https://www.perio.jp/file/news/info_191220.pdf)で確認できる。歯周病の診断基準でステージ1に該当する人としては、例えば、歯間部の最も大きなクリニカルアタッチメントレベル(セメントエナメル境から歯肉溝上皮までの距離(1mm単位で測定))が、1~2mm程度の人等が挙げられる。歯周病の診断基準でステージ2に該当する人としては、例えば、歯間部の最も大きなクリニカルアタッチメントレベルが、3~4mm程度の人等が挙げられる。歯周病の診断基準でステージ3又は4に該当する人としては、例えば、歯間部の最も大きなクリニカルアタッチメントレベルが、5mm以上の人等が挙げられる。中でも、歯周病の診断基準でステージ3に該当する人としては、例えば、歯周病を起因とする歯の喪失を1~4本経験している人等が挙げられる。また、歯周病の診断基準でステージ4に該当する人としては、例えば、歯周病を起因とする歯の喪失を5本以上経験している人等が挙げられる。歯周病の診断基準でグレードCに該当する人としては、例えば、クリニカルアタッチメントレベルの経年変化が、5年で2mm以上の人等が挙げられる。
また、本開示組成物の適用対象としては、ヒトを含む哺乳動物(例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ヒツジ、ウマ、ウシ、サル等)等が例示される。中でもヒトが好ましい。
本開示の組成物は、例えば、固形組成物、液体組成物等で有り得る。また、本開示の組成物は、本開示の組成物(特に口腔用組成物)は、常法に従って例えば軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、ジェル剤、液剤、スプレー剤、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、ガム剤、タブレット、ドロップ等の形態(剤形)にすることができる。なかでも、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、軟膏剤、ペースト剤、液剤、ジェル剤であることが好ましい。
本開示の組成物には、効果を損なわない範囲で、例えば口腔用組成物に配合し得る任意成分を単独で又は2種以上さらに含有してもよい。
例えば、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、例えば、ノニオン界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド類;グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレン付加係数が8~10、アルキル基の炭素数が13~15であるポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン付加係数が10~18、アルキル基の炭素数が9であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;セバシン酸ジエチル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩;ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型活性剤;N-ココイル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全量に対して0.1~5質量%である。
また、香味剤として、例えば、メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d-カンフル、d-ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等の香料を用いることができる。これらは、単独または2種以上を組み合わせて組成物全量に対して例えば0.001~1.5質量%配合することができる。
また、甘味剤として、例えば、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、p-メトキシシンナミックアルデヒド等を用いることができる。これらは、組成物全量に対して例えば0.01~1質量%配合することができる。
さらに、湿潤剤として、ソルビット、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3―ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、ポリオキシエチレングリコール等を単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体、キサンタンガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリン、寒天、ペクチン、プルラン、ジェランガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウムなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成高分子、増粘性シリカ、ビーガムなどの無機粘結剤、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性粘結剤が挙げられる。これら粘結剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
防腐剤として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤として、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を配合してもよい。
pH調整剤として、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等を配合してもよい。これらは、組成物のpHが4~8、好ましくは5~7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。pH調整剤の配合量は例えば0.01~2重量%であってよい。
なお、本開示の口腔用組成物には、さらに、薬効成分として酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸トコフェロール、またはニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、ドデシルジアミノエチルグリシン等の両性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、ラウロイルサルコシンナトリウム等のアニオン系殺菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン系殺菌剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物、トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、アラントイン、カルバゾクロム、硝酸カリウム、パラチニット等を、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
また、基剤として、アルコール類、シリコン、アパタイト、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、プラスチベース等を添加することも可能である。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本開示は、本明細書に説明した構成要件の任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本開示の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本開示に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本開示には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
本開示の内容を以下の実験例を用いて具体的に説明する。しかし、本開示はこれらに何ら限定されるものではない。下記において、特に言及する場合を除いて、実験は大気圧及び常温条件下で行っている。また特に言及する場合を除いて、「%」は「(重量/容積)%」を意味する。
好中球コラゲナーゼ活性阻害
1.各素材(グリチルリチンジカリウム(GK2)、ヒノキチオール(Hino)、ニコチン酸dl-α-トコフェロール(VEN)、酢酸DL-α-トコフェロール(VEA)、L-アスコルビン酸(VC)、トラネキサム酸(TXA))を溶媒(キット付属のバッファー+5%DMSO)で適当な添加濃度に溶解した。
2.好中球コラゲナーゼ活性は、MMP-8 fluorimetricdrug discovery kit(Enzo Life Sciences,Inc.,BML-AK415-0001)、線維芽細胞コラゲナーゼ活性はMMP-1 fluorimetricdrug discovery kit(Enzo Life Sciences,Inc.,BML-AK405-0001)を用いて評価を実施した。すなわち、上記1で調製した各素材溶液20μl、200倍に希釈したMMP-8 20μlもしくは100倍に希釈したMMP-1 20μl、キット添付のバッファー50μlを混和し、37℃で60分間反応させた。このとき、陽性コントロールとして素材を添加せずバッファーを等量加えたサンプル、また基質のみのバックグラウンドの測定のためにMMP-8もしくはMMP-1を添加せずバッファーを等量加えたサンプルを用意した。
3.蛍光基質(BML-P126-9090)を溶かし、バッファーを用いて10倍希釈した(濃度40μM)。希釈した蛍光基質10μlを添加し、MMP-8は37℃で20分、MMP-1は37℃で60分反応させた後に、励起光:328nm、放出光:420nmの蛍光強度を測定した。陽性コントロールサンプルの蛍光強度から基質のみの蛍光強度をバックグラウンドとして引いた値(NC)を100%として、各素材溶液添加サンプルの蛍光強度から基質のみの蛍光強度をバックグラウンドとして引いた値の比率を酵素活性として算出した。なお、両キット添付の反応基質(BML-P126-9090 SUBSTRATE)に対して、MMP-8の方がMMP-1より反応性が高かったため、本試験において反応性を同程度に近い条件で検討するためMMP-8、MMP-1それぞれ希釈率、反応時間を変えて試験を実施した。
細胞傷害性
1.96wellプレートに歯肉線維芽細胞(HGF)を1.0×10cells/wellの濃度で100μl播種し、37℃5%CO条件下で6時間半培養した。
2.ヒノキチオール(Hino)を培地(DMEM+10%FBS)で適当な添加濃度になるように溶解し、素材溶液を作製した。溶媒は培地中に5%DMSOとなるよう統一した。作製した素材溶液100μlを培養後の細胞に添加し、3分間処理した。
3.上清200μlを除いた後に培地200μlを添加し、37℃5%CO条件下で約15時間培養した。
4.上清を除いた細胞において、WST-1試薬(Cat.MK400,TaKaRa)を30分間反応させ、450nm、600nmの吸光度を測定し、450nmの吸光度から600nmの吸光度を引いた値を算出した。
5.上記4で算出した値の内、溶媒のみ処理の値(NC)を100%として細胞生存率を算出した。
ヒノキチオールの好中球コラゲナーゼ活性の測定結果を図1に、細胞生存率の測定結果を図2に示す。
図1に示すとおり、ヒノキチオールは、好中球コラゲナーゼに対する阻害活性を有することが確認された。中でも、ヒノキチオールの濃度が0.01%以上の場合には、50%以上の好中球コラゲナーゼ阻害効果を示すことが分かった。
図2に示すとおり、ヒノキチオールの濃度が0.2%以下の場合には、50%以上の細胞生存率を示すことが確認された。
各素材の好中球コラゲナーゼ(MMP-8)活性及び繊維芽細胞コラゲナーゼ(MMP-1)活性の測定結果を図3及び4に示す。
図4に示すとおり、すべての素材について、繊維芽細胞コラゲナーゼに対する阻害活性は認められなかった。一方、図3に示すとおり、ヒノキチオールは、好中球コラゲナーゼに対して高い阻害活性を有することが確認された。

Claims (4)

  1. ヒノキチオールを有効成分とする、好中球コラゲナーゼ活性阻害用組成物。
  2. ヒノキチオールを有効成分とする好中球コラゲナーゼ活性阻害剤を含有する、歯周ポケット形成抑制、歯周ポケット深化抑制、及び/又はアタッチメントロス抑制のための、組成物。
  3. 前記組成物中、ヒノキチオールの含有量が0.0075~0.3質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 口腔用組成物である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
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