JP2023062376A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止剤表面の高さが適切に調整された液体吐出ヘッド及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の液体吐出ヘッドの生成方法は、基板設置面を有する支持部材、前記基板設置面上に設けられた、液体を吐出するための吐出口を有する素子基板、前記基板設置面上に設けられ、前記素子基板に電気的に接続された、前記素子基板よりも前記基板設置面からの高さが低い配線基板、及び、前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合に、前記素子基板の周囲を囲み、かつ前記配線基板を覆うように前記基板設置面上に設けられたカバーを有する構造体を用意する工程と、前記素子基板と前記カバーの隙間に封止剤を注入する工程とを有し、前記素子基板には、前記カバーから露出した露出面と、端面とを跨ぐ凹部が形成されており、前記凹部への前記封止剤の流れ込みを検知して、前記封止剤の注入を終了することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
近年、各種シリコンデバイスは、インクジェット記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドや、熱型センサ、圧力センサ、加速度センサなどの各種デバイスに応用されている。このような各種シリコンデバイスの製造には、高密度化、高精度化、コスト削減やタクトアップなどの種々の要望を満たすために、マイクロマシニング技術である微細加工技術が用いられている。
液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口が形成された素子基板と、素子基板に電気的に接続された配線基板とを有する。素子基板はシリコン基板を有し、素子基板の端面は剥き出しのシリコンとなっている。素子基板の端面(シリコン)は、高pHの液体によって浸食される虞があるため、封止剤で封止(保護)する必要がある。さらに、素子基板と配線基板との接続部分の電気信頼性を確保するために、当該接続部分も封止剤で封止する必要がある。
特許文献1には、吐出口の外側に封止剤誘導溝を有し、封止剤誘導溝の一面が吐出方向に開放しているインジェットプリントヘッドが開示されている。
特開2006-95959号公報
液体吐出ヘッドから液体を吐出させると、吐出される液滴と共に発生する微小液滴(ミスト)の影響等により吐出口面に液体が付着する。吐出口面に付着した液体が吐出口に入り込むと吐出に影響を及ぼす恐れがあるため、吐出口面に付着した液体を除去することが好ましい。一例として液体の吐出面に付着した液体をバキュームで吸い込みながら、ワイパーでワイピングする(バキュームワイプ)。上述した封止剤表面の高さが素子基板表面の高さよりも高いと隙間が発し、バキュームによる真空が発生せず、ワイピングが効果的に行えなくなる。封止剤表面の高さが素子基板表面の高さよりも低すぎても隙間が発生し、バキュームによる真空が発生せず、ワイピングが効果的に行えなくなる。
しかしながら、特許文献1に開示のインクジェットプリンタヘッドなどの従来の液体吐出ヘッドでは、封止剤表面の高さが素子基板表面の高さよりも高かったり、低すぎたりすることがある。
本発明は、封止剤表面の高さが適切に調整された液体吐出ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドの生成方法は、基板設置面を有する支持部材、前記基板設置面上に設けられた、液体を吐出するための吐出口を有する素子基板、前記基板設置面上に設けられ、前記素子基板に電気的に接続された、前記素子基板よりも前記基板設置面からの高さが低い配線基板、及び、前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合
に、前記素子基板の周囲を囲み、かつ前記配線基板を覆うように前記基板設置面上に設けられたカバーを有する構造体を用意する工程と、前記素子基板と前記カバーの隙間に封止剤を注入する工程とを有し、前記素子基板には、前記カバーから露出した露出面と、端面とを跨ぐ凹部が形成されており、前記凹部への前記封止剤の流れ込みを検知して、前記封止剤の注入を終了することを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、基板設置面を有する支持部材と、前記基板設置面上に設けられた、液体を吐出するための吐出口を有する素子基板と、前記基板設置面上に設けられ、前記素子基板に電気的に接続された、前記素子基板よりも前記基板設置面からの高さが低い配線基板と、前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合に、前記素子基板の周囲を囲み、かつ前記配線基板を覆うように前記基板設置面上に設けられたカバーと、前記素子基板と前記カバーの隙間を埋める封止剤とを有し、前記素子基板には、前記カバーから露出した露出面と、端面とを跨ぐ凹部が形成されており、前記封止剤は、前記凹部の位置まで埋まっていることを特徴とする。
本発明によれば、封止剤表面の高さが適切に調整された液体吐出ヘッド及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る液体吐出ヘッド(封止後)の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッド(封止後)の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッド(封止前)の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る第1封止剤の注入方法の一例を示す図である。 本実施形態に係る第1封止剤の注入方法の他の例を示す図である。 本実施形態に係る第1封止剤の注入方法の他の例を示す図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの他の例を示す断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの他の例を示す断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの他の例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1,3は液体吐出ヘッド1の平面図(液体吐出ヘッド1を支持部材6の基板設置面などに垂直な方向から見た上面図)の一例であり、図2は図1のA-A部分の断面図(液体吐出ヘッド1を支持部材6の基板設置面などに平行な方向から見た断面図)である。液体吐出ヘッド1は、例えば、インクジェットプリンタのプリントヘッド(インクジェット記録ヘッド)のように、紙などの被記録媒体に対して液体(インク)を吐出して記録する液体記録装置で用いられる。液体吐出ヘッド1は、基板設置面を有する支持部材6、基板設置面上に設けられた素子基板2、基板設置面上に設けられた配線基板5、及び、基板設置面上に設けられたカバー7を有する。素子基板2と配線基板5は電気的に接続され、その接続部分は第1封止剤8と第2封止剤9で封止される。また、素子基板2の周囲(端面)は第1封止剤8で封止される。図1,2は、第1封止剤8と第2封止剤9による封止後の状態を示し、図3は、第1封止剤8と第2封止剤9による封止前の状態を示す。以後、支持部材6に設けられた各部材について、支持部材6の基板設置面に対向する面を「下面(うら面)」と称し、裏面とは反対側の面を「上面(おもて面)」と称する。
支持部材6は素子基板2と配線基板5を支持する部材であり、例えば支持部材6の基板設置面上に素子基板2と配線基板5が接着剤10で固定(接着)される。基板設置面上に素子基板2と配線基板5を設けることができれば、支持部材6のサイズや形状、材料などは特に限定されない。例えば、支持部材6の材料は、樹脂、セラミック、金属などを含む
様々な材料から選択することができる。本実施形態では、熱硬化性接着剤を用いて素子基板2と配線基板5とを支持部材6に固定するとする。そのため、支持部材6として、耐熱性に優れたアルミナ製の支持部材を使用することが好ましい。
カバー7は、支持部材6に接着された配線基板5を保護するための保護部材である。カバー7は、支持部材6の基板設置面を当該基板設置面に垂直な方向から見た場合に、素子基板2を囲み、かつ配線基板5を覆うように設けられ、素子基板2(素子基板2の端面)とカバー7の隙間に第1封止剤8が注入される。カバー7が配線基板5を保護できれば、カバー7のサイズや形状、材料などは特に限定されない。但し、素子基板2の周囲を第1封止剤8で確実に覆うためには、カバー7の上面の高さ(支持部材6の基板設置面からの高さ)は、素子基板2の上面の高さもよりも高いことが好ましい。支持部材6の基板設置面が平坦な場合には、カバー7の厚さは、素子基板2の厚さよりも大きいことが好ましい。「高さ」は、「支持部材6の基板設置面などに垂直な方向における位置」と捉えることもでき、「厚さ」は「支持部材6の基板設置面などに垂直な方向におけるサイズ」と捉えることもできる。カバー7の材料は、樹脂、セラミック、金属などを含む様々な材料から選択することができる。本実施形態では、熱硬化性接着剤を用いてカバー7を配線基板5と支持部材6に固定するとする。そのため、カバー7として、アルミナ製の支持部材を使用することが好ましい。
素子基板2は、シリコン基板(不図示)と、シリコン基板の上面に配置された複数の電極端子3と、液体を吐出するためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子(不図示)と、液体を吐出するための吐出口を有する樹脂層4とを含む。シリコン基板の厚さは、例えば、0.6mm~1.0mm程度である。そして、素子基板2は、各電極端子3とエネルギー発生素子とを電気的に接続する電気配線(不図示)を有している。素子基板2は、支持部材6の基板設置面に対向する設置面(下面)と、設置面とは反対側の面であってカバー7から露出する露出面(上面)とを有する。露出面は、素子基板2における実装面(様々な素子が形成される面)である。素子基板2は、露出面と、支持部材6の基板設置面に対して垂直な端面との境目部分に、封止剤検知溝11(凹部)を有する。封止剤検知溝11は、第1封止剤8の注入(塗布)を終了すべきタイミングを検知するためのものであり、露出面で開口する部分(露出面開口部)と、端面で開口する部分(端面開口部)とを有するように、露出面と端面とを跨いで形成されている。
エネルギー発生素子は、電極端子3から電気配線を介して供給された電力を熱エネルギーに変換する。エネルギー発生素子が発生させた熱エネルギーがインクなどの液体に加えられると、樹脂層4に形成された吐出口から液体が吐出される。素子基板2における電気配線は、例えば成膜技術を用いてシリコン基板に形成される。素子基板2は、エネルギー発生素子に対応した複数の吐出口と、複数の吐出口にそれぞれ連通する複数の液体流路と、複数の液体流路に液体を供給するための液体供給路とを含む。液体供給路は、シリコン基板の上面から下面まで貫通する穴によって形成されている。複数の吐出口及び複数の液体流路はフォトリソグラフィー技術により、シリコン基板上に形成される。
上記電気配線に繋がる複数の電極端子3は、素子基板2の上面の一辺に沿って並んでおり、端子列を構成している。電極端子3は、平面性や電気信号を伝達する際の抵抗などの観点から、金めっきが施された端子であることが好ましい。なお、図示しないが、本実施形態では、素子基板2には複数の吐出口やエネルギー発生素子が複数の電極端子3に沿って配置されている。
封止剤検知溝11は、ブレードやスクライビングツール、レーザーなどによる物理的な方法や、レジストをマスクとしてドライエッチングやウェットエッチングを行う化学的な方法により、形成することができる。封止剤検知溝11は、シリコンウエハに複数の素子
基板2を形成する際にまとめて形成してもよいし、シリコンウエハから各素子基板2を分離してチップ化した後に個別に形成してもよい。
配線基板5は、導電性の銅箔プリント配線を、絶縁性の薄く柔らかい2枚のフィルムで挟み、貼り合わせることで形成される。配線基板5の上面の高さは、素子基板2の上面の高さよりも低い。本実施形態では、配線基板5は素子基板2よりも薄いとする。配線基板5として、例えば、厚さ0.1mm~0.3mmのフレキシブル基板を用いることができる。貼り合わせる2枚のフィルムのうち、一方のフィルムを、他方のフィルムよりも小さくすることで、2枚のフィルムを貼り合わせた状態で、銅箔プリント配線の端部が露出する。銅箔プリント配線の露出した端部は、接続端子として用いられ、素子基板2の複数の電極端子3とワイヤーボンディングで接続される。これにより、素子基板2と配線基板5が電気的に接続される。
図3に示すような構造体(素子基板2の周囲を第1封止剤8で封止する前の液体吐出ヘッド1)を用意した後、素子基板2の周囲を第1封止剤8で封止する。素子基板2の周囲を第1封止剤8で封止する方法について説明する。図4(a)は、素子基板2の周囲を第1封止剤8で封止する前の液体吐出ヘッド1を示す平面図である。図4(a)の液体吐出ヘッド1は、支持部材6に素子基板2と配線基板5を接着し、支持部材6に接着された素子基板2と配線基板5をワイヤーボンディングにより電気的に接続した後、カバー7を配線基板5と支持部材6に接着することで得られる。
第1封止剤8には、硬化可能な液状の樹脂を用いることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂などを用いることが好ましい。第1封止剤8の硬化方法は、硬化剤を混合する二液混合硬化、加熱による熱硬化、紫外線照射によるUV硬化などの複数の方法のいずれであってもよい。また、素子基板2と配線基板5の間のワイヤー(不図示)下部の空間に第1封止剤8を充填させ、かつ素子基板2の周囲を第1封止剤8で均一に封止するために、第1封止剤8に適度な流動性があることが好ましい。例えば、第1封止剤8の粘度は、3Pa・s以上320Pa・s以下であることが好ましく、3Pa・s以上40Pa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の高い封止剤を第1封止剤8として用いてもよい。その場合には、第1封止剤8の温度を上げることで、第1封止剤8の粘度を下げてもよい。
素子基板2と配線基板5の間のワイヤー下部の空間と、素子基板2の周囲の空間とを第1封止剤8で充填する簡便な方法として、ディスペンス方式による注入(塗布)が挙げられる。具体的には、図4(a)に示すように、素子基板2の周囲の一点を注入位置12として決定し、注入位置12から素子基板2とカバー7の間の空間に第1封止剤8を注入する。すると、図4(b)~4(d)に示すように、第1封止剤8が素子基板2の周囲の空間を徐々に埋めていく。そして、図4(e)に示すように、第1封止剤8は、素子基板2に対して注入位置12とは反対側の封止剤検知溝11に流れ込む。封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込み(封止剤検知溝11に流れ込んだ第1封止剤8)を検知して、第1封止剤8の注入を終了する。封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みは、例えば、カメラで撮影して二値化した画像を解析することで検知してもよいし、封止剤検知溝11に挿入したセンサーで物理的に検知してもよい。なお、封止剤検知溝11を素子基板2の端面から凹ませることで、第1封止剤8の表面の高さが封止剤検知溝11の底面の高さを越えたときに第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込むようにできる。そして、封止剤検知溝11を素子基板2の露出面からも凹ませることで、封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みを、図3に示すような構造体の外部から確認することができる。封止剤検知溝11の底面は、素子基板2の端面に隣接する面や、それと同じ向きの面であり、例えば支持部材6の基板設置面と略平行な面である。
なお、第1封止剤8の注入方法は、図4(a)~4(e)に示すように注入位置12を移動させずに第1封止剤8を注入する方法(第1封止剤8のディスペンスノズルを移動させない方法)であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、図5(a)~5(e)に示すように、素子基板2の周囲に沿って注入位置12を移動させながら第1封止剤8を注入する方法(第1封止剤8のディスペンスノズルを移動させる方法)であってもよい。
更に、注入位置12の決定方法は特に限定されない。一点の注入位置12を決定して当該注入位置12を移動させずに第1封止剤8を注入する場合を考える。この場合には、支持部材6の基板設置面を当該基板設置面に垂直な方向から見た場合における、素子基板2の中心に対して封止剤検知溝11と点対称の位置近傍を、注入位置12として決定することが好ましい。図4(a)では、そのように注入位置12が決定されている。こうすることで、素子基板2の周囲全体に亘って、第1封止剤8の表面の高さを封止剤検知溝11の底面の高さよりも高くすることができる。次に、一点の注入位置12(始点)を決定して当該注入位置12を移動させながら第1封止剤8を注入する場合を考える。この場合には、支持部材6の基板設置面を当該基板設置面に垂直な方向から見た場合における封止剤検知溝11の位置近傍が注入位置12の終点となるように、注入位置12の始点を決定することが好ましい。図5(a)では、そのように注入位置12が決定されている。こうすることでも、素子基板2の周囲全体に亘って第1封止剤8の表面の位置を封止剤検知溝11の位置よりも高くすることができる。
更に、注入位置12の数や封止剤検知溝11の数は特に限定されない。例えば、図6(a)~6(e)に示すように、二点の注入位置12a,12bから第1封止剤8を注入してもよい。封止剤検知溝11が複数形成されている場合は、例えば、複数の封止剤検知溝11の全てへの第1封止剤8の流れ込みを検知して、第1封止剤8の注入を終了する。図6(a)~6(e)では、4つの封止剤検知溝11a~11dが形成されており、封止剤検知溝11a~11dの全てへの第1封止剤8の流れ込みを検知して第1封止剤8の注入を終了している。図6(a)~6(e)では注入位置12を移動させていないが、複数の注入位置12から第1封止剤8を注入する場合も、複数の封止剤検知溝11が形成されている場合も、注入位置12は移動させてよい。
更に、封止剤検知溝11の形状は特に限定されない。複数の封止剤検知溝11を形成する場合には、(支持部材6の基板設置面に垂直な方向における)素子基板2の露出面からの複数の封止剤検知溝11の深さは同じであってもよいし、図7に示すように異なっていてもよい。但し、バキュームワイプを効果的に行うために、素子基板2の露出面から第1封止剤8の表面まで距離は0.2mm以下であることが好ましい。従って、封止剤検知溝11の深さ(素子基板2の露出面からの深さ)は0.2mm以下であることが好ましく、複数の封止剤検知溝11を形成する場合は、全ての封止剤検知溝11の深さが0.2mm以下であることが好ましい。このようにすれば、バキュームワイプが効果的に行えるようになるだけでなく、素子基板2の端面を十分に封止することができる(素子基板2の端面に封止剤で封止されない部分があっても、当該部分は極わずかとなる)。
例えば、図7に示すように深さの異なる2つの封止剤検知溝11を形成する場合には、一方の封止剤検知溝11の深さを0.2mmなどとし、他方の封止剤検知溝11の深さを0.1mmなどとしてもよい。図6(a)~6(e)では、封止剤検知溝11c,11dの深さが封止剤検知溝11a,11bの深さがよりも大きいとする。そのため、封止剤検知溝11c,11dへ第1封止剤8が流れ込むタイミングが、封止剤検知溝11a,11bへ第1封止剤8が流れ込むタイミングよりも後になっている。
深さの異なる複数の封止剤検知溝11を形成すれば、第1封止剤8の表面の高さの上限と下限を規定することができる。例えば、複数の封止剤検知溝11の少なくともいずれか
への第1封止剤8の流れ込みを検知して、第1封止剤8の注入を終了する。最も深い封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは下限の高さとなる。最も浅い封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは上限の高さとなる。中間の深さの封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは中間の高さとなる。
図8,9に示すように、階段状の封止剤検知溝11を形成してもよい。図8,9の封止剤検知溝11は、素子基板2の端面に隣接する第1の底面と、第1の底面に隣接し且つ第1の底面よりも浅い第2の底面とを含む。第2の底面は素子基板2の端面に隣接してもよいし、隣接しなくてもよい。図8では第2の底面は素子基板2の端面に隣接しておらず、図9では第2の底面は素子基板2の端面に隣接している。この場合も、第1封止剤8の表面の高さの上限と下限を規定することができる。例えば、少なくとも第1の底面を越えて第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込んだことを検知して、第1封止剤8の注入を終了する。最も深い第1の底面のみを越えて第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込んだことを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは下限の高さとなる。第1の底面よりも浅い第2の底面まで越えて第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込んだことを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは下限の高さよりも高くなる。最も浅い底面まで越えて第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込んだことを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは上限の高さとなる。中間の深さの底面まで越えて第1封止剤8が封止剤検知溝11に流れ込んだことを検知して第1封止剤8の注入を終了すれば、第1封止剤8の表面の高さは中間の高さとなる。
また、第1封止剤8の種類や、素子基板2の厚さなどに依っては、素子基板2の周囲全体に第1封止剤8が回り込んだタイミングで第1封止剤8の注入を終了すればよい。従って、そのようなタイミングが検知できるよう、封止剤検知溝11の代わりに、素子基板2の上面から下面まで延びた切り欠きなどの別の凹部を、素子基板2の端面に形成してもよい。
第1封止剤8を注入(塗布)した後、素子基板2と配線基板5の接続部分(素子基板2の複数の電極端子3、配線基板5の接続端子、及び、それらを接続するワイヤーを含む部分)の上に第2封止剤9を塗布する。第2封止剤9は、第1封止剤8と同じものであってもよいし、第1封止剤8と組成や粘度が異なるものであってもよい。第1封止剤8と異なる封止剤を第2封止剤9として用いる場合でも、第2封止剤9には、第1封止剤8と同様に、液状のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂などを用いることができる。また、第2封止剤9の粘度は、100Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましい。第2封止剤9の粘度が100Pa・s以上500Pa・s以下であれば、ワイヤーから第2封止剤9が流れ落ちることを抑制できる。
以上述べたように、本実施形態によれば、素子基板2に露出面と端面を跨ぐ封止剤検知溝11(凹部)が形成されており、封止剤検知溝11への第1封止剤8の流れ込みを検知して、第1封止剤8の注入が終了される。これにより、封止剤表面の高さが適切に調整された液体吐出ヘッドを製造することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、以下の方法で液体吐出ヘッドを作製した。まず、表面に複数のエネルギ
ー発生素子と複数の駆動回路とが形成され、メンブレン膜としての酸化シリコン及び窒化シリコンが成膜されたシリコン基板(シリコンウエハ)を用意した。そして、シリコン基板に樹脂及びレジストを塗布した後に露光及び現像を行い、当該レジスト(レジストパターン)をマスクとしてドライエッチングを行うことにより、シリコン基板に複数の液体供給路と複数の封止剤検知溝を形成した。続いて、樹脂層をドライフィルム化した後に、シリコン基板へ転写してパターニングすることで、複数の液体流路と複数の吐出口とを形成した。こうして、複数の素子基板が形成されたシリコン基板を得た。そして、このシリコン基板をダイシングソータにより切断分離してチップ化し、素子基板を得た。レーザーソータなどでシリコン基板をチップ化してもよい。また、公知の方法で、配線基板としてのフレキシブル基板を得た。これら素子基板及び配線基板をアルミナ製の支持部材に接着剤で固定し、ワイヤーボンディングにより素子基板及び配線基板を電気的に接続した。その後、カバーを接着剤で固定し、素子基板とカバーの間に空間のある構造体を得た。この空間に、第1封止剤としての粘度40Pa・sのエポキシ樹脂を、素子基板2の中心に対して封止剤検知溝と点対称の位置近傍から注入した。封止剤検知溝を上部からカメラで撮影して二値化した画像に基づいて、封止剤検知溝への第1封止剤の流れ込みを検知し、当該流れ込みを検知したタイミングで第1封止剤の注入をストップした。その後、第2封止剤としての粘度320Pa・sの封止剤を、素子基板と配線基板を接続するワイヤー上に塗布した。こうして得た構造体を樹脂製のタンクと接合して、液体吐出ヘッドを得た。この液体吐出ヘッドでは、素子基板の周囲における第1封止剤の表面の高さは、素子基板の上面から0.15mmの位置であり、適切な範囲内であった。
(実施例2)
実施例2では、封止剤検知溝を2か所に形成した。また、第1封止剤のディスペンスノズルを素子基板の周囲に沿った一方向に走査しながら第1封止剤を注入した。これら以外は、実施例1と同様である。実施例2の方法で得られた液体吐出ヘッドでは、素子基板の周囲における第1封止剤の表面の高さは、素子基板の上面から0.10mmの位置であり、適切であった。
(実施例3)
実施例3では、封止剤検知溝を4か所に異なる深さで形成した。また、第1封止剤のディスペンスノズルを素子基板の周囲に沿った一方向に走査しながら第1封止剤を注入した。これら以外は、実施例1と同様である。実施例3の方法で得られた液体吐出ヘッドでは、素子基板の周囲における第1封止剤の表面の高さは、素子基板の上面から0.10mmの位置であり、適切な範囲内であった。
(実施例4)
実施例4では、第1封止剤として、粘度が3Pa・sの封止剤を使用した。これ以外は、実施例1と同様である。実施例4の方法で得られた液体吐出ヘッドでは、素子基板の周囲における第1封止剤の表面の高さは、素子基板の上面から0.10mmの位置であり、適切な範囲内であった。
(比較例)
比較例では、封止剤検知溝を設けなかった。第1封止剤の注入は任意のタイミングでストップした。これら以外は、実施例1と同様である。比較例の方法で得られた液体吐出ヘッドでは、素子基板の周囲における第1封止剤の表面の高さは、素子基板の上面から0.30mmの位置であった。第1封止剤の表面の高さが低すぎた(第1封止剤の量が不足していた)ため、追加で第1封止剤の注入を行ったところ、第1封止剤の表面の高さが素子基板の上面よりも高くなってしまった。具体的には、第1封止剤が素子基板とカバーの間の空間からあふれて吐出口に入ってしまい、液体が吐出できない状態となってしまった。
1:液体吐出ヘッド 2:素子基板 5:配線基板 6:支持部材 7:カバー
8:第1封止剤 11:封止剤検知溝

Claims (9)

  1. 基板設置面を有する支持部材、
    前記基板設置面上に設けられた、液体を吐出するための吐出口を有する素子基板、
    前記基板設置面上に設けられ、前記素子基板に電気的に接続された、前記素子基板よりも前記基板設置面からの高さが低い配線基板、及び、
    前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合に、前記素子基板の周囲を囲み、かつ前記配線基板を覆うように前記基板設置面上に設けられたカバー
    を有する構造体を用意する工程と、
    前記素子基板と前記カバーの隙間に封止剤を注入する工程と
    を有し、
    前記素子基板には、前記カバーから露出した露出面と、端面とを跨ぐ凹部が形成されており、
    前記凹部への前記封止剤の流れ込みを検知して、前記封止剤の注入を終了する
    ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記カバーの、前記基板設置面に対向する面とは反対側の面の、前記基板設置面から高さは、前記素子基板よりも高い
    請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合における、前記素子基板の中心に対して前記凹部と点対称の位置近傍を、前記封止剤の注入位置として、前記封止剤を注入する
    請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合における前記凹部の位置近傍を前記封止剤の注入位置の終点として、前記素子基板の周囲に沿って前記注入位置を移動させながら、前記封止剤を注入する
    請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記素子基板には前記凹部が複数形成されており、
    前記複数の凹部への前記封止剤の流れ込みを検知して、前記封止剤の注入を終了する
    請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記素子基板には前記凹部が複数形成されており、
    前記複数の凹部は、前記露出面からの深さが互いに異なり、
    前記複数の凹部の少なくともいずれかへの前記封止剤の流れ込みを検知して、前記封止剤の注入を終了する
    請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記凹部は、前記端面に隣接する第1の底面と、前記第1の底面に隣接し前記第1の底面よりも浅い第2の底面とを含み、
    少なくとも前記第1の底面を越えて前記封止剤が前記凹部に流れ込んだことを検知して、前記封止剤の注入を終了する
    請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記露出面からの前記凹部の深さは、0.2mm以下である
    請求項1~7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 基板設置面を有する支持部材と、
    前記基板設置面上に設けられた、液体を吐出するための吐出口を有する素子基板と、
    前記基板設置面上に設けられ、前記素子基板に電気的に接続された、前記素子基板よりも前記基板設置面からの高さが低い配線基板と、
    前記基板設置面を前記基板設置面に垂直な方向から見た場合に、前記素子基板の周囲を囲み、かつ前記配線基板を覆うように前記基板設置面上に設けられたカバーと、
    前記素子基板と前記カバーの隙間を埋める封止剤と
    を有し、
    前記素子基板には、前記カバーから露出した露出面と、端面とを跨ぐ凹部が形成されており、
    前記封止剤は、前記凹部の位置まで埋まっている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
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