JP2023062374A - 通信システム、これを用いたインフラストラクチャーシステム、ビルディングオートメーションシステム、及び、ファクトリーオートメーションシステム - Google Patents

通信システム、これを用いたインフラストラクチャーシステム、ビルディングオートメーションシステム、及び、ファクトリーオートメーションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】端末装置に割り当てられている固有アドレスの調査時間を短縮するマルチドロップ接続された通信システム等を提供する。【解決手段】通信システムの中央装置において、各端末装置に割り当てられている固有アドレスを特定する特定部は、記号群マップを作成する作成部と、それに含まれる指定した記号群と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置に、当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信させる情報を含むコマンドパケットを送信した場合にレスポンスパケットを返信する端末装置の数が0、1、複数の何れであるかを判別する判別部と、判別結果に基づいて次に送信するコマンドパケットで指定する記号群の選定やリストに対する情報入力を指示する制御部と、端末装置に割り当てられている固有アドレスが取得できた場合に当該固有アドレスとその送信元の端末装置を示す情報と対応させてリストに入力する入力部と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、通信システム、これを用いたインフラストラクチャーシステム、ビルディングオートメーションシステム、及び、ファクトリーオートメーションシステムに関し、特に、マルチドロップ接続された通信システム、これを用いたインフラストラクチャーシステム、ビルディングオートメーションシステム、及び、ファクトリーオートメーションシステムに関する。
特許文献1には、本出願人による自動通信による電子配線システムが開示されている。この電子配線システムは、コントロールセンタ側に、共有メモリを持つIC化された中央装置を設け、各制御対象(デバイス)側に、入出力ポートと送受信回路とを持つIC化された端末装置を接続し、中央装置と各端末装置との間を、デジタル通信回線(通信ケーブル)を通じてマルチドロップ方式で接続する構成とし、上記共有メモリを介してフルデュープレックス方式でコマンドパケットおよびレスポンスパケットのデータ交換を、プログラムによるプロトコルなしに高速に行う。この電子配線システムによれば、マイクロプロセッサを有するコントロールセンタと、マイクロプロセッサを有しない分散配置された数の制御対象との間を配線する、構成簡易で、開発及び保守が容易で、低コストで、かつ、高速データ通信が可能となる。
このような、例えば、1台の中央装置と10台の端末装置(以下、これらを端末装置1,端末装置2,…,端末装置10と区別して表記する。)とを通信ケーブルを通じてマルチドロップ接続した通信システムにおいては、中央装置が通信先を特定できるようにする目的で、全ての端末装置1~10のそれぞれに対し、例えばローカルアドレス1~10といった一意のローカルアドレスを設定していた。
また、この種の通信システムは、例えば、端末装置1には温度センサを、端末装置2には湿度センサを、端末装置3には温度調整器を、端末装置4には湿度調整器を、デバイスであるところの制御対象として、それぞれ制御させるという使用形態がある。
この場合、例えば、中央装置は、「湿度センサに現在の湿度を計測させ、その湿度の計測結果を含むレスポンスパケットを返信せよ」といった指示を含むコマンドパケットを生成し、通信ケーブルを通じて端末装置2に送信する。これに対して、端末装置2は、当該コマンドパケットに含まれている指示に従って湿度センサに湿度を計測させ、その湿度の計測結果を含むレスポンスパケットを生成し、通信ケーブルを通じて中央装置に返信する。
そして、中央装置は、例えば、端末装置2から返信されたレスポンスパケットに含まれている湿度の計測結果が所定の閾値以上であると判断した場合には、「湿度調整器に対して除湿命令を出力し、その出力が完了したことを示す情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」といった指示を含むコマンドパケットを生成し、通信ケーブルを通じて端末装置4に送信する。これに対して、端末装置4は、コマンドパケットに含まれている指示に従って湿度調整器に除湿命令を出力し、その出力が完了したことを示す情報を含むレスポンスパケットを生成し、通信ケーブルを通じて中央装置に返信する。
このような通信をする際に、中央装置は、端末装置2,4のそれぞれに送信するコマンドパケットの宛先として、これらに設定済みのローカルアドレス2,4を用いることができる。つまり、ローカルアドレスは、通信先の端末装置を特定可能なものであることから、コマンドパケットの宛先としても用いることができる。
ところで、一般的には、多くの場合、通信システムの設計者が、各端末装置に設定するローカルアドレスの割り当てを計画し、そのリストを作成する。そして、通信システムの敷設業者が、そのリストに従って各端末装置に対してローカルアドレスを設定する。
特開平9-326808号公報
しかし、従来の手法によれば、通信システムの設計者は、自身が計画したこともあって、各端末装置に設定するローカルアドレスの割り当てことを誤ることはほとんどない。一方、通信システムの敷設業者は、通信システムの設計者が意図する計画を把握しきれない場合もあるので、間違ったローカルアドレスを設定してしまう可能性がある。間違ったローカルアドレスを宛先として用いると、当然、通信システムは正しく動作することができない。
例えば、本来、ローカルアドレス1を設定すべき端末装置1に対して間違ったローカルアドレス2を設定し、本来、ローカルアドレス2を設定すべき端末装置2に対して正しいローカルアドレス2を設定してしまったのであれば、結果的に、端末装置1,2に対してローカルアドレス2が重複して設定されることになる。
この状態で、中央装置がローカルアドレス2を宛先に含めたコマンドパケットを送信すると、端末装置1,2のいずれもが当該コマンドパケットに対応するレスポンスパケットを返信することになる。
通常、端末装置1,2からほぼ同時に返信されたレスポンスパケットは、通信ケーブルにて相互に衝突し、少なくともいずれか一方が破損する。その場合、それらのレスポンスパケットは、(1)いずれも破損していずれも中央装置で受信できないか、或いは、(2)いずれか一方(例えば端末装置1から返信されたレスポンスパケット)については中央装置で受信できるものの、他方(例えば端末装置2から返信されたレスポンスパケット)については中央装置で受信できず、したがって、実際には端末装置1,2に対してローカルアドレス2が誤って重複設定されているにも拘らず、中央装置でそのことを検知できない事態に陥る。
また、本来ローカルアドレス1を設定すべき端末装置1に対して間違ったローカルアドレス2を設定し、本来ローカルアドレス2を設定すべき端末装置2に対して間違ったローカルアドレス1を設定していたならば、結果的に、端末装置1,2に対してローカルアドレス2,1が入れ違って設定されることになる。
この状態で、除湿の必要性の有無を判断するために、中央装置がローカルアドレス2を宛先に含めたコマンドパケットを送信しても、端末装置1が温度センサによって現在の温度を計測して、その計測結果を含むレスポンスパケットを返信することになる。この場合、中央装置は、正しい湿度調整の制御を行うことができない。
さらに、本来端末装置1~10に対してそれぞれローカルアドレス1~10を設定すべきであるところ、端末装置10に間違ってローカルアドレス11を設定してしまうこともある。そうすると、中央装置が端末装置10に向けてコマンドパケットを送信したつもりでも、端末装置10には間違ったローカルアドレス11が設定されているから、端末装置10がそのコマンドパケットの指示に従って処理をすることもできないし、ましてや、対応するレスポンスパケットを中央装置に返信することもできない。
このように、システム敷設者がローカルアドレスを設定する場合には、間違ったローカルアドレスを設定するというヒューマンエラーが不可避的に生じ得るから、このような事態を回避するためにシステム敷設者が設定したローカルアドレスを宛先として用いるのではなく、製造時に端末装置に割り当てられるMAC(Media Access Control)アドレスなどの固有アドレスを宛先として用いるという考え方がある。
しかし、その場合にも、端末装置に割り当てられている固有アドレスをシステム敷設者等が全て調査して、それらを中央装置に設定するとなれば、この場合も調査時にはヒューマンエラーが生じ得ることから、ヒューマンエラーに基づいて通信が不可能となる事態を完全に払拭することはできない。
このことを回避するために、端末装置に割り当てられている固有アドレスの調査を、人手を介すことなく中央装置が行うようにすることも考えられる。しかし、一般に、MACアドレスは、装置の生涯製造台数を考慮し、例えば16進数8桁のように多数桁の記号が用いられているので(実際、多くの場合には、16進数12桁以上である。)、固有アドレス数は16個(≒43億個)になるから、全ての端末装置の固有アドレスを虱潰しに調査するとしたら、膨大な時間を要するから現実的でない。
ちなみに、この種の調査を行うとしたら、例えば、「自装置に割り当てられている固有アドレスが『00000000』である端末装置はレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含むコマンドパケットを送信し、つぎに、「…『00000001』である端末装置は…」、「…『00000002』である端末装置は…」、…「…『FFFFFFFF』である端末装置は…」というように、順次、約43億回のコマンドパケットを送信することになる。仮に、各コマンドパケットの送信に必要な期間として1msを割り当て、また、レスポンスパケットの返信に必要な期間として1msを割り当てた場合、調査時間は[2ms×43億回=約100日]にもなる。この調査時間は、通信ケーブルに対する端末装置の接続台数によって左右されるものではない。
そこで、本発明は、人手を介さずに行う、端末装置に割り当てられている固有アドレスの調査手法を工夫して、その調査時間を短縮することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、中央装置(例えば、図1の「中央装置200」)と複数の端末装置(例えば、図1の「端末装置300A~300D」)とが通信ケーブル(例えば、図1の「通信ケーブル100」)を通じてマルチドロップ接続された通信システムであって、
前記中央装置は、
複数の前記端末装置の各々に割り当てられている固有アドレスがn進数m桁からなるn個の記号群のいずれかである場合に(n、mはいずれも整数)、n個の記号群を昇順で第1階層(例えば、図4の「第1階層」)に配し、第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した前記n/n(P-1)個の記号群を、前記第p階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く(m-(p-1))桁のうち(m-p)桁の記号群が一致するn個を1組にグルーピングして、相違する1桁を任意の記号としたn/n個の記号群を前記第p階層に対して上位の第p+1階層に昇順で配したツリー状の階層構造の記号群マップ(例えば、図4に示す「第1階層」~「第4階層」の記号群マップ)を作成する作成部(例えば、図3の「作成部242」)と、
前記作成部によって作成された記号群マップに昇順で配している記号群(例えば、図4の「第4階層」の「0XXX」)のうち「指定された記号群と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含むコマンドパケットを生成する生成部(例えば、図2の「生成部220」)と、
前記生成部によって生成されたコマンドパケットを前記通信ケーブルを通じて送信した場合に当該コマンドパケットに応じて前記通信ケーブルを通じてレスポンスパケットを返信した端末装置の数が「複数」/「1」/「0」のいずれであるかを判別する判別部(例えば、図3の「判別部244」)と、
次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を、前記判別部によって判別された端末装置の数が「複数」である場合(例えば、図5のサイクルC1の判別ステップJ1が「複数」の場合)に直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(例えば、図4の「0XXX」)が属する階層(例えば、図4の「第4階層」)の次に下位の階層(例えば、図4の「第3階層」)における最小の記号群(例えば、図4の「00XX」)と選定し、かつ、前記判別部によって判別された端末装置の数が「複数」でない場合(例えば、図5のサイクルC5の判別ステップJ5が「0」の場合)に直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(例えば、図4の「10XX」)が属する階層(例えば、「第3階層」)と同一以上の階層(例えば、図4の「第3階層」又は「第4階層」)において調査対象となっていない最も大きな記号群(例えば、図4の「第3階層」の「11XX」)と選定する制御部(例えば、図3の「制御部246」)と、
前記判別部によって判別された端末装置の数が「1」である場合(例えば、図5のサイクルC2の判別ステップJ2が「1」の場合)に前記レスポンスパケットに含まれている固有アドレス(例えば、図5のサイクルC2の「0001」)と当該レスポンスパケットの返信元(例えば、図5の端末装置300A)を示す情報とを対応させてリストに入力する入力部(例えば、図3の「入力部248」)と、
を備える。
なお、前記中央装置は、複数の前記端末装置の各々の設定情報を取得する取得部を備えることもできる。設定情報の取得例としては、前記入力部によってリストに入力された各固有アドレスを宛先として、複数の前記端末装置の各々に対して送信する「自装置の設定情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含むコマンドパケットを生成し、それらの各コマンドパケットを、順次、複数の前記端末装置の各々に向けて送信することが挙げられる。なお、複数の前記端末装置から順次返信されるレスポンスパケットに含まれている設定情報は、当該各レスポンスパケットの返信元の端末装置に割り当てられている固有アドレスと対応させて前記リストに入力するとよい。
また、複数の前記端末装置の各々に一意のローカルアドレス又は設定情報を設定する設定部を備えることもできる。ローカルアドレスは、コマンドパケットの宛先としても用いることができるので、複数の前記端末装置の各々に対して設定される一意のローカルアドレス等とそれに対応する固有アドレスとを対応させて前記リストに入力し、前記リストに入力された各固有アドレスを宛先とし、これに対応するローカルアドレス等を指定して「今後のコマンドパケットの宛先には当該ローカルアドレスを用いるので、宛先設定を更新せよ」という趣旨の指示を含むコマンドパケットを生成して、順次、対応する端末装置に向けて送信することも一法である。
さらに、前記通信ケーブルに対して他の端末装置が接続されたことを検知する検知部を備えることもできる。検知部によって接続が検知された他の端末装置に設定すべき情報が前記リストに入力されている場合には、当該情報を当該他の端末装置に設定することもできる。
またさらに、本発明のインフラストラクチャーシステム、ビルディングオートメーションシステム、及び、ファクトリーオートメーションシステムは、上記通信システムを備える。
本発明の実施形態の通信システムの概要説明図である。 図1に示す中央装置200及び端末装置300の模式的な構成を示すブロック図である。 図2に示す特定部240の模式的な構成を示すブロック図である。 図3に示す作成部242によって作成される記号群マップの説明図である。 図4に示す記号群マップに基づいて図1に示す中央装置200が端末装置300に割り当てられている固有アドレスを取得する際の動作説明図である。 図5を用いて説明した手法の変形例を示す図である。 本発明の実施例1のインフラストラクチャーシステムの説明図である。 本発明の実施例2のファクトリーオートメーションシステムの説明図である。 本発明の実施例3のビルディングオートメーションシステムの説明図である。
100 通信ケーブル
200,200A~200D 中央装置
210 通信部
220 生成部
230 処理部
240 特定部
242 作成部
244 判別部
246 制御部
248 入力部
300,300A~300D 端末装置
310 通信部
320 生成部
330 処理部
340 設定部
400 デバイス
1000 トンネル
2000 車両
3000 商業施設
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<本発明の実施形態の通信システムの概要の説明>
本発明の実施形態の通信システムは、コンピュータが相互にLANケーブルにて1:1接続されてTCP/IPプロトコルに従って通信を行う、いわゆるイーサネットとは全く異なる通信システムである。そのため、はじめに本発明の実施形態の通信システムの概要について説明しておく。
本発明の実施形態の通信システムは、N台の中央装置とM台の端末装置とが、通信ケーブルに対してマルチドロップ接続されることによって構成されている。ここで、N及びMは1以上であって、N=Mの場合も含まれる。もっとも、典型的には、1:M(Mは2以上)接続が採用されることが多いので、本発明の実施形態の通信システムは、1:1接続しかできないイーサネットとは構成上の大きな相違がある。
ここで、マルチドロップでは、通常、複数台の端末装置が存在していることから、各端末装置に対してレスポンスパケットを返信可能な期間を制御することが必要である。そうしないと、複数の端末装置がほぼ同時にレスポンスパケットを返信し、レスポンスパケットが通信ケーブルにて相互に衝突して、各レスポンスパケットの少なくとも一方が破損し、中央装置で所望のデータを受信できない事態に陥る。
レスポンスパケットを返信可能な期間を制御する手法としては、
(1)一般的に多く採用されている手法であるが、中央装置の主導で、全ての端末装置に対して、逐次、レスポンスパケットの送信時期を指示するというもの、
(2)以下、本明細書において主として説明する手法であるが、コマンドパケット及びレスポンスパケットの通信のタイムスケジュールを予め中央装置及び全ての端末装置に割り当てておくというもの、
(3)上記の(1)と(2)との手法を組み合わせたもの、
という3つに大別される。
図1は、本発明の実施形態の通信システムの概要説明図である。図1には、理解容易のため、引用により本願明細書に取り込まれたものとする、特許文献1である特開平9-326808号公報に典型的に示されているように、1台の中央装置200と4台の端末装置300A~300Dとが通信ケーブル100を通じてマルチドロップ接続された「1:4接続」の状態を示している。なお、以下、端末装置300A~300Dを区別することなく表記する場合には、これらを総称する場合も含めて端末装置300と称する。
図1に示す通信システムは、全二重通信方式と半二重通信方式とのいずれも採用することができる。これらのいずれの方式でも、大掴みにすると、中央装置200と端末装置300との間のコマンドパケット及びレスポンスパケットの送受信の順序は同じである。すなわち、通信システム全体としてみれば、これらのいずれの方式を採用する場合でも、通信ケーブル100を通じて、
(1)中央装置200が端末装置300Aに対してコマンドパケットを送信し、かつ、端末装置300Aが中央装置200にレスポンスパケットを返信し、
(2)中央装置200が端末装置300Bに対してコマンドパケットを送信し、かつ、端末装置300Bが中央装置200にレスポンスパケットを返信し、
(3)中央装置200が端末装置300Cに対してコマンドパケットを送信し、かつ、端末装置300Cが中央装置200にレスポンスパケットを返信し、
(4)中央装置200が端末装置300Dに対してコマンドパケットを送信し、かつ、端末装置300Dが中央装置200にレスポンスパケットを返信する。
もう少し詳細に述べると、まず、半二重通信方式の場合、通信ケーブル100を通じて、
(1-1)中央装置200が端末装置300A向けを意図したコマンドパケットを送信し、
(1-2)端末装置300Aが中央装置200に向けてレスポンスパケットを返信し、
(2-1)中央装置200が端末装置300B向けを意図したコマンドパケットを送信し、
(2-2)端末装置300Bが中央装置200に向けてレスポンスパケットを返信し、
(3-1)中央装置200が端末装置300C向けを意図したコマンドパケットを送信し、
(3-2)端末装置300Cが中央装置200に向けてレスポンスパケットを返信し、
(4-1)中央装置200が端末装置300D向けを意図したコマンドパケットを送信し、
(4-2)端末装置300Dが中央装置200に向けてレスポンスパケットを返信する。
この場合、端末装置300は、通常、通信ケーブル100を伝送してくるコマンドパケット及びレスポンスパケットを全て受信する。つまり、例えば、端末装置300Aは、中央装置200から送信されたものと、他の端末装置300B~300Dから送信されたとの双方を、装置故障や通信異常等がない限り受信する。
そこで、各端末装置300は、一旦受信した全てのパケットのうち、自装置向けのコマンドパケットが送信されるタイミングで送信されたコマンドパケットについてのみ取り込んで、そのコマンドパケットに含まれている指示に従う処理をする一方で、他のタイミングで送信されたパケットは廃棄するようにしている。
一例をあげると、例えば端末装置300Cは、上記の期間(1-1)で中央装置200から送信されたコマンドパケットをとりあえず受信するが、期間(1-1)というのは端末装置300A向けのコマンドパケットが送信される割当期間であって、自装置向けのコマンドパケットが送信される割当期間ではないから、上記の期間(1-1)で中央装置200から送信されたコマンドパケットを廃棄する。
本実施形態では、期間(1-1)~期間(4-2)の1サイクルに要する期間を一定としている。この期間を本明細書では「1サイクルの一定期間」と称する。1サイクルの一定期間は、典型的には通信システムの設計者が適宜設定する。中央装置200から端末装置300Aにコマンドパケットを例えば1サイクル目に送信した場合には、端末装置300Aから中央装置200に向けたレスポンスパケットも同じ1サイクル目で返信される。以上が、半二重通信方式についての説明である。
これに対して、全二重通信方式の場合には、中央装置200から端末装置300に向けて送信されたコマンドパケットが伝送される下り回線と、端末装置300から中央装置200に向けた返信されたレスポンスパケットが伝送される上り回線と、が別個に設けられている。
このため、例示するならば、4サイクル目の期間(2-1)と4サイクル目の期間(1-2)とに対して同一の期間を割り当て、4サイクル目の期間(3-1)と4サイクル目の期間(2-2)とに対して同一の期間を割り当て、4サイクル目の期間(4-1)と4サイクル目の期間(3-2)とに対して同一の期間を割り当て、5サイクル目の期間(1-1)と4サイクル目の期間(4-2)とに対して同一の期間を割り当て、双方向で同時にデータ通信をすることができる。
すなわち、全二重通信方式の場合には、例えば、中央装置200が端末装置300B向けのコマンドパケットを送信すると同時に、端末装置300Aが中央装置200にレスポンスパケットを送信することが可能である。したがって、全二重通信方式の場合の1サイクルの一定期間の長さは、同条件のシステム構成がされている半二重通信方式の場合の1サイクルの一定期間の長さの半分程度となる。
ここで、中央装置200と端末装置300との間で所要の通信を行うためには、コマンドパケットのヘッダにその送信先を示す情報を含め、端末装置300は、受信したコマンドパケットのヘッダを参照して、それが自装置宛てのものであると判定した場合に取り込むことができる。
その他にも、典型的には、既述の期間(1-1)~期間(4-2)を全て例えば1msに統一し、中央装置200は、コマンドパケットの送信を、
・端末装置300Aに対しては期間(1-1)でしか行えず、
・端末装置300Bに対しては期間(2-1)でしか行えず、
・端末装置300Cに対しては期間(3-1)でしか行えず、
・端末装置300Dに対しては期間(4-1)でしか行えず、
また、中央装置200に対するレスポンスパケットの返信を、
・端末装置300Aに対しては期間(1-2)でしか行えず、
・端末装置300Bに対しては期間(2-2)でしか行えず、
・端末装置300Cに対しては期間(3-2)でしか行えず、
・端末装置300Dに対しては期間(4-2)でしか行えず、
というように、各期間を固定的に割り当てたタイムスケジュールと、
タイムスケジュールの進行を同期させるための計時手段と、
を中央装置200及び端末装置300に備えることもできる。
このように時分割をすると、
期間(1-1)は、中央装置200が端末装置300A向けのコマンドパケットを送信する専用期間、かつ、端末装置300Aがそのコマンドパケットを取り込む専用期間となり、
期間(2-1)は、中央装置200が端末装置300B向けのコマンドパケットを送信する専用期間、かつ、端末装置300Bがそのコマンドパケットを取り込む専用期間となり、
…、
期間(4-1)は、中央装置200が端末装置300D向けのコマンドパケットを送信する専用期間、かつ、端末装置300Dがそのコマンドパケットを取り込む専用期間となる。
こうすれば、端末装置300は、自装置に割り当てられた専用期間内に送信されてきたコマンドパケットを取り込み、自装置に割り当てられた専用期間外に送信されてきたコマンドパケット廃棄することが可能となる。
なお、期間(1-1)~(4-2)のそれぞれの長さは、相互に一致している必要はないが、中央装置200及び端末装置300が確実にパケットの送受信をするのに必要最低限の長さを確保しなければならない点に留意されたい。
また、本発明の実施形態の通信システムは、中央装置200がある条件下では端末装置300として振る舞うことがあり、反対に、端末装置300がある条件下では中央装置200として振る舞うことがある点にも留意されたい。
<通信システムの全体構成の説明>
再び、図1に戻る。中央装置200は、端末装置300に接続される図示しないデバイスに関する種々の指示などを含むコマンドパケットを、端末装置300に対して通信ケーブル100を通じて送信するものである。また、端末装置300は、中央装置200から送信されたコマンドパケットに含まれている指示に応じて、自装置に接続されているデバイスに関する処理を実行し、当該処理結果に関する情報やデータを含むレスポンスパケットを、中央装置200に対して通信ケーブル100を通じて返信するものである。
ここでいうデバイスとしては、既述の温度センサ、湿度センサを含む各種センサなどのほかに、ランプ、モータ、ソレノイドなど様々なものが挙げられる。これらの例であれば、中央装置200は、端末装置300に対して、各種センサによるセンシング結果を取得して返信せよという趣旨の指示を含むコマンドパケットを送信したり、ランプの光量変更、モータの回転速度、ソレノイドの開閉切替を実行せよという趣旨の指示を含むコマンドパケットを送信したりすることが挙げられる。
さらに、本実施形態の場合の各種センサの別の例としては、ビルディングオートメーション分野に好適な例としては工場・建物内などに設置される火災検知センサ、インフラストラクチャー分野に好適な例としては鉄道駅のプラットホームに設置される線路への転落防止センサ、ファクトリーオートメーション分野に好適な例としては工場内などに設置される機械設備の作動停止センサなどが挙げられる。
ここで、マルチドロップ接続された一般的な通信システムを火災警報システムに適用する場合、当業者であれば、火災を検知した場合に火災検知情報を出力する火災検知センサ及びこれに接続された端末装置300Cを工場内に配置し、火災が発生したことを入力した場合に警報する火災警報器及びこれに接続された端末装置300Dを事務所に配置することが考えられる。
そうすると、
(1)「火災検知センサが火災検知情報を出力した場合、そのことを含むレスポンスパケットを返信せよ」という指示を含むコマンドパケットを端末装置300Cに向けて送信すること、
(2)端末装置300Cから火災検知情報が出力されたことを含むレスポンスパケットが返信された場合に「火災警報器に対して警報発令を出力し、その出力が完了したことを示す情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」というコマンドパケットを、端末装置300Dに向けて送信すること、
を中央装置200に実行させる制御プログラムを用いることによって、工場で火災が発生した場合に、そのことを、工場から離れた事務所にいる通信システムの管理者などに報知することができる。
<中央装置200及び端末装置300の構成の説明>
図2は、図1に示す中央装置200及び端末装置300の模式的な構成を示すブロック図である。図2Aには中央装置200の構成を示し、図2Bには端末装置300の構成を示している。
図2Aに示す中央装置200は、
通信ケーブル100を通じて端末装置300との間でパケット通信を行う通信部210と、
通信部210によって送信されるコマンドパケットを生成する生成部220と、
通信部210によって受信されたレスポンスパケットのペイロードに含まれている情報に従った処理を実行する処理部230と、
端末装置300の各々に例えば製造時などに割り当てられているMACアドレスなどの固有アドレスを特定する特定部240と、を備えている。
図2Bに示す端末装置300の構成は、
通信ケーブル100を通じて中央装置200との間でパケット通信を行う通信部310と、
通信部310によって返信されるレスポンスパケットを生成する生成部320と、
通信部310によって受信された自装置宛てのコマンドパケットのペイロードに含まれている情報に従った処理を実行する処理部330と、
通信部310によって受信されたコマンドパケットのペイロードに含まれている情報に従って設定を行う設定部340と、を備えている。
また、例えば、中央装置200における、通信部210、生成部220、処理部230及び特定部240のうちいくつかは、ユニット化することもできるし、CPU及びメモリなどの汎用的なハードウェアで構成することもできるし、ステートマシーンのように専用LSIで構成することもできる。このことは、端末装置300においても当てはまる。
また、例えば、中央装置200における、通信部210、生成部220、処理部230及び特定部240の各々の機能又は当該機能を実現するための一部の動作は、相互に他の部分が担ってもよい。すなわち、例えば、特定部240は、図3を用いて以下説明する各部を備えているが、特定部240が行う処理の一部については、処理部230が担ってもよい。このことも、端末装置300においても当てはまる。
図3は、図2に示す特定部240の模式的な構成を示すブロック図である。図3に示す特定部240は、
後述する図4に示すような記号群マップを作成する作成部242と、
作成部242によって作成された記号群マップに配された記号群のうち指定された記号群と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよという趣旨の情報を含むコマンドパケットを通信部210によって送信した場合に、対応するレスポンスパケットを返信する端末装置300の数が「0」、「1」、「複数」のいずれであるかを判別する判別部244と、
判別部244による判別結果に基づいて次に送信されるコマンドパケットで指定する記号群を選定したり、下記リストに対する情報入力を指示したりすることを含む種々の制御を実行する制御部246と、
端末装置300に割り当てられている固有アドレスが取得できた場合に当該固有アドレスとその送信元の端末装置300を示す情報と対応させてリストに入力する入力部248と、を備えている。
ここで、端末装置300がレスポンスパケットを返信すれば、それを伝送する通信ケーブル100の状態が変化する。したがって、判別部244は、例えば、1サイクルの一定期間内での通信ケーブル100の状態変化の有無判定を行い、状態変化がなければレスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「0」であると判別できる。一方、状態変化があれば、レスポンスパケットを返信する端末装置300の数が「1」又は「複数」であると判別できる。
つぎに、判別部244は、通信部210においてレスポンスパケットの受信ができたのであれば、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「1」であると判別でき、通信部210においてレスポンスパケットの受信ができないのであれば、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「複数」であると判別できる。
なお、レスポンスパケットの受信ができたということは、通信部210が当該レスポンスパケットに対し、例えば、パリティ、チェックサム、CRC、ハミング符号、BCH符号などの既知の手法を用いた誤り検定を行った結果、誤りが検出されなかったことをいう。
このように、判別部244は、上記有無判定及び上記誤り検定を行うことで、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「0」、「1」、「複数」のいずれであるかを判別することができる。そして、判別部244によって判別された、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「複数」であるか否かによって、制御部246は、次に送信されるコマンドパケットで指定する記号群を選定する。このことについては、図4を用いて詳述する。
また、制御部246は、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が、判別部244によって「1」であると判別された場合には、当該レスポンスパケットを返信した端末装置300を示す情報とそれに割り当てられている固有アドレスとを対応させてリストに入力するように入力部248に対して指示をする。
図4は、図3に示す作成部242によって作成される記号群マップの説明図である。なお、作成部242によって作成される記号群マップは、図4に示す態様に限定されるものではなく、例えば、これと同じ概念の他の態様のものでもよいことに留意されたい。
図4に示す例では、「2進数4桁」で示される記号群「0000」~「1111」の合計16個のうち、例えば、太枠で囲った、「0001」、「0100」、「1110」、「1111」が端末装置300A~300Dにそれぞれ割り当てられている固有アドレスであるとしている。なお、記号群とは、図4の例でいえば各枠内にある単体のものを指す。したがって、例えば、記号群「0000」は、「0」という4つの記号から構成されたものである。
まず、図4に示す記号群マップの意味合いについて概説する。本実施形態では、例えば、図4の下から上に向けて「第1階層」、「第2階層」、「第3階層」、「第4階層」と位置付けている。
「第1階層」には、記号群「0000」~記号群「1111」という、「2進数4桁」で示される合計16個の全ての記号群を昇順で配し、
「第1階層」の上位である「第2階層」には、記号群「000X」、「001X」、「010X」、…、「111X」という合計8個の記号群を昇順で配し、
「第2階層」の上位である「第3階層」には、記号群「00XX」、「01XX」、「10XX」、「11XX」という合計4個の記号群を昇順で配し、
「第3階層」の上位である「第4階層」には、記号群「0XXX」、「1XXX」という合計2個の記号群を昇順で配している。第2~第4階層に昇順で記号群を配するルールは以下のとおりである。
例えば、「第1階層」に昇順で配した記号群「0000」~「1111」のうち連続する記号群「0000」と記号群「0001」とに着目すると、1桁目(一の位)の記号が「0」と「1」とで相違するものの、他の2桁目~4桁目(十の位~千の位)の記号はいずれも「000」で一致する。このような1桁目を任意の記号を「X」で表した記号群「000X」~「111X」を上位の第2階層に昇順で配している。
同様に、「第2階層」に昇順で配した「000X」~「111X」のうち連続する記号群「000X」と記号群「001X」とに着目すると、2桁目(十の位)の記号が「0」と「1」とで相違するものの、他の3桁目~4桁目(百の位~千の位)の記号はいずれも「00」で一致する。このような2桁目を任意の記号を「X」で表した記号群「00XX」~「11XX」を上位の第3階層に昇順で配している。
同様に、「第3階層」に昇順で配した「00XX」~「11XX」のうち連続する記号群「00XX」と記号群「01XX」とに着目すると、3桁目(百の位)の記号が「0」と「1」とで相違するものの、他の4桁目(千の位)の記号はいずれも「0」で一致する。このような3桁目を任意の記号を「X」で表した記号群「0XXX」~「1XXX」を上位の第4階層に昇順で配している。
図4に示す記号群マップに配した記号群を「2進数4桁」の記号群に限定せずに一般化すると、複数の端末装置300の各々に割り当てられている固有アドレスがn進数m桁からなるn個の記号群のいずれかである場合に(n、mはいずれも整数)、n個の記号群を昇順で第1階層に配し、第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した前記n/n(P-1)個の記号群を、前記第p階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く(m-(p-1))桁のうち(m-p)桁の記号群が一致するn個を1組にグルーピングして、相違する1桁を任意の記号としたn/n個の記号群を前記第p階層に対して第p+1階層に昇順で配したツリー状の階層構造と定義できる。
このように一般化した記号群マップは、表現上、やや複雑であることから、その構成要素を以下のように分け、n,m,pのそれぞれの変数に具体的な数値を代入し、各構成要素の記載事項が図4の内容に合致していることを検証する。
A:複数の端末装置300A~300Dの各々に割り当てられている固有アドレスがn進数m桁からなるn個の記号群のいずれかである場合に(n、mはいずれも整数)、
B:n個の記号群を昇順で第1階層に配し、
C-1:第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した前記n/n(P-1)個の記号群を、
C-2:前記第p階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く(m-(p-1))桁のうち(m-p)桁の記号群が一致するn個を1組にグルーピングして、
C-3:相違する1桁を任意の記号としたn/n個の記号群を前記第p階層に対して上位の第p+1階層に昇順で配した
D:ツリー状の階層構造。
<構成要素Aについて>
構成要素Aは、一般化した記号群マップの説明に含まれる変数「n」及び「m」を規定するものである。図4に示す記号群マップの場合、端末装置300A~300Dの各々に割り当てられている固有アドレスは、「2進数4桁からなる16個の記号群のいずれか」であるから、「n=2」、「m=4」となる。
<構成要素Bについて>
構成要素Bは、「n個の記号群を昇順で第1階層に配し、」と規定されているところ、「n=2」、「m=4」を代入すると、「16個の記号群を第1階層に昇順で配し、」となる。図4では、記号群「0000」~記号群「1111」という合計16個の記号群を第1階層に昇順で配している。したがって、構成要素Bは図4の内容に合致する。
<構成要素C全体について>
構成要素Cは、更に構成要素C-1~C-3に分けているが、「第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した…」と規定されているので、例えば、第2階層について見ていく場合には、「p=1」になる。まず、「n=2」、「m=4」、「p=1」を代入して第2階層について検証する。
<構成要素C-1について>
構成要素C-1は、「n=2」、「m=4」、「p=1」をそれぞれ代入すると、「第『1』階層に昇順で配した前記『2/2(1-1)』個の記号群を、」すなわち、「第『1』階層に昇順で配した前記『16』個の記号群を、」となる。
<構成要素C-2について>
構成要素C-2は、同様の条件で代入すると、「前記第『1』階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く『(4-(1-1))』桁のうち『(4-1)』桁の記号群が一致する『2』個を1組にグルーピングして、」すなわち、「前記第『1』階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く『4』桁のうち『3』桁の記号群が一致する『2』個を1組にグルーピングして、」となる。
<構成要素C-3について>
構成要素C-3は、同様の条件で代入すると、「相違する1桁を任意の記号とした『2/2』個の記号群を前記第『1』階層に対して上位の第『1』+1階層に昇順で配した」すなわち「相違する1桁を任意の記号とした『8』個の記号群を前記第『1』階層に対して上位の第『2』階層に昇順で配した」となる。図4では、第1階層に配している「0000」~「1111」という16個の記号群のうち一の位の記号を除く3桁の記号群が一致する例えば「0000」と「0001」を1組にグルーピングして、相違する1桁を任意の記号Xとした「8」個の記号群「000X」等を昇順で第2階層に配している。したがって、構成要素Cは第2階層について図4の内容に合致する。
<構成要素Dについて>
図4には、第1階層から第4階層までツリー状の記号群マップが示されている。したがって、構成要素Dは詳細に対比するまでもなく図4の内容に合致する。
念のため、第3階層についても、簡単に検証する。なお、構成要素A,B,Dについては、当業者であれば、第2階層の場合と詳細に対比するまでもなく同じであることがわかるから検証を省略する。
<構成要素C全体について>
構成要素Cは、「第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した…」と規定されているので、第3階層について見ていく場合、「p=2」になる。
<構成要素C-1について>
構成要素C-1は、「第『2』階層に昇順で配した前記『2/2(『2』-1)』個の記号群を、」すなわち、「第『2』階層に昇順で配した前記『8』個の記号群を、」となる。
<構成要素C-2について>
構成要素C-2は、同様に代入すると、「前記第『2』階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く『(4-(『2』-1))』桁のうち『(4-『2』)』桁の記号群が一致する『2』個を1組にグルーピングして、」すなわち、「前記第『2』階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く『3』桁のうち『2』桁の記号群が一致する『2』個を1組にグルーピングして、」となる。
<構成要素C-3について>
構成要素C-3は、同様に代入すると、「相違する1桁を任意の記号とした『2/2『2』』個の記号群を第『2』階層に対して上位の第『2』+1階層に昇順で配した」すなわち「相違する1桁を任意の記号とした『4』個の記号群を第『2』階層に対して上位の第『3』階層に昇順で配した」となる。図4では、第2階層に配している「000X」~「111X」という8個の記号群のうち一の位及び十の位の記号を除く2桁の記号群が一致する例えば「000X」と「001X」を1組にグルーピングして、相違する1桁を任意の記号Xとした4個の記号群「00XX」等を第2階層の上位の第3階層に配している。したがって、構成Cは、第3階層について図4の内容に合致する。第4階層についても同様であるので、説明が冗長とならないように割愛する。
また、本明細書では、
(1)第4階層における記号群「0XXX」から、第3階層の記号群「00XX」及び第2階層の記号群「000X」を経て、第1階層の記号群「0000」までのルートを第1直系ルート、
(2)第4階層における記号群「0XXX」から、第3階層の記号群「00XX」及び第2階層の記号群「000X」を経て、第1階層の記号群「0001」までのルートを第2直系ルート、
(3)…
(16)第4階層における記号群「1XXX」から、第3階層の記号群「11XX」及び第2階層の記号群「111X」を経て、第1階層の記号群「1111」までのルートを第16直系ルート、
と定義する。
図5は、図4に示す記号群マップに基づいて図1に示す中央装置200が端末装置300に割り当てられている固有アドレスを取得する際の動作説明図である。図5では、「サイクル」単位で動作説明を行う。
まず、サイクルC1における動作について説明する。
図1に示す通信システムの管理者等が中央装置200に対して固有アドレス取得命令を入力すると、制御部246は、最初に送信するコマンドパケットで指定する記号群を、第4階層に昇順で配している記号群のうち最小の記号群「0XXX」を初期値として選定して、生成部220に出力する。
生成部220は、制御部246から出力される選定結果に従って「指定された記号群『0XXX』と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を有するコマンドパケットを生成する。
通信部210は、生成部220によって生成されたコマンドパケットを、サイクルC1の期間において、通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。この条件を満たす端末装置300は、図4に太枠で示すとおり、第2,第5直系ルートに属する記号群「0001」,「0100」が割り当てられている端末装置300A,300Bである。
したがって、端末装置300A,300Bの各生成部320は、コマンドパケットの指示に従って、自装置に割り当てられている固有アドレス「0001」、「0100」を含めたレスポンスパケットを生成する。
端末装置300A,300Bの各通信部310は、各生成部320によって生成されたレスポンスパケットを、サイクルC1の期間内に中央装置200が受信できるように、通信ケーブル100を通じて中央装置200に向けて送信する。
ここでは、端末装置300A,300Bがレスポンスパケットを返信したので、通信ケーブル100の状態が変化する。そして、これらのレスポンスパケットが通信ケーブル100において相互に衝突するので、典型的にはいずれのレスポンスパケットも破損する。
したがって、中央装置200は、通信部210が端末装置300A,300Bから返信されたレスポンスパケットのいずれかも受信できない。このため、判別部244は、当該レスポンスパケットを返信する端末装置300の数を「複数」であると判別し(ステップJ1)、その判別結果を制御部246に出力する。
制御部246は、判別部244からの判別結果を入力し、ここでは「複数」であると判別されているので、次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(この例では「0XXX」)が属する階層(この例では「第4階層」)の次に下位の階層(この例では「第3階層」)における最小の記号群(この例では「00XX」)と選定し、当該選定結果を生成部220に出力する。以上が、サイクルC1における動作である。
つぎに、サイクルC2における動作について説明する。
生成部220は、制御部246から出力される選定結果に従って「指定された記号群『00XX』と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を有するコマンドパケットを生成する。
通信部210は、生成部220によって生成されたコマンドパケットを、サイクルC2の期間において、通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。この条件を満たす端末装置300は、第2直系ルートに属する記号群「0001」が割り当てられている端末装置300Aだけである。
したがって、端末装置300Aの生成部320は、コマンドパケットの指示に従って、自装置に割り当てられている固有アドレス「0001」を含めたレスポンスパケットを生成する。
端末装置300Aの通信部310は、その生成部320によって生成されたレスポンスパケットを、サイクルC2の期間内に中央装置200が受信できるように、通信ケーブル100を通じて中央装置200に向けて送信する。
ここでは、端末装置300Aがレスポンスパケットを返信したので、通信ケーブル100の状態が変化する。そして、このレスポンスパケットが通信ケーブル100において他のレスポンスパケットと衝突するという状況は起こり得ないので、当該レスポンスパケットは破損しない。
したがって、中央装置200では、通信部210が端末装置300Aから返信されたレスポンスパケットを受信できる。このため、判別部244は、当該レスポンスパケットを返信する端末装置300の数を「1」であると判別し(ステップJ2)、その判別結果を制御部246に出力する。
制御部246は、判別部244からの判別結果を入力し、ここでは「1」である(すなわち「複数」でない)と判別されているので、次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(この例では「00XX」)が属する階層(この例では「第3階層」)と同一以上の階層(この例では「第3階層」/「第4階層」)において調査対象となっていない最も大きな記号群(この例では「第3階層」の「01XX」)と選定し、当該選定結果を生成部220に出力する。
また、制御部246は、端末装置300Aに割り当てられている固有アドレスが「0001」であるという情報を取得するから、「端末装置300A」と「0001」とを対応させてリストに入力するよう入力部248に指示を出力する。
入力部248は、制御部246から出力された指示を入力すると、その指示に従って「端末装置300A」と「0001」とを対応させてリストに入力する。なお、リストは、これに限定されるものではないが、例えばデータベースとすることができる。以上が、サイクルC2における動作である。
ここで、サイクルC2では、サイクルC3で送信するコマンドパケットで指定する記号群を「01XX」であると選定することになるが、その理由はサイクルC2で調査した記号群「00XX」が属する第1~第4直系ルートに端末装置300B~300Dに割り当てられている固有アドレスと同一の記号群が存在しないからである。つまり、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「1」/「0」となれば、当該直系ルートに属する記号群についての調査を継続する必要がなくなる。
したがって、中央装置200は、当該第1~第4直系ルートにおいて調査を継続しないので、その調査を実行しない分だけ、虱潰しに調査をする場合に比して、固有アドレスの調査時間の短縮化が図れる。
なお、レアケースではあるが、通信障害などの何らかの理由により、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数が実際には「複数」であるにも拘わらず「1」であると誤って判別されてしまう可能性がある。本実施形態では、このような事態を回避するために、判別部244によってレスポンスパケットを返信した端末装置300の数が「1」であると判別された場合に、制御部246はその真偽判定を行うことも一法である。
図5のサイクルC2に示す例では、そのような誤判別がされる前提で示していないが、ここでいう真偽判定とは「直前に送信したコマンドパケットで指定した記号群(この例では「00XX」)を含む直系ルート(この例では「第1~第4直系ルート」))に属する記号群(この例では「0000」~「0011」)であって、直前に送信したコマンドパケットで指定した記号群(この例では「0001」)以外の記号群(この例では「0000」,「0010」,「0011」)が自装置に割り当てられている固有アドレスである端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」というコマンドパケットを生成部220に生成させ、通信部210によって送信させてもよい。
この真偽判定を行えば、通信障害などの理由が回復不能なものでなければ、対応する端末装置300がレスポンスパケットを返信することになるので、誤った判別は是正される。なお、誤判別は、通信故障がなくとも発生し得る。典型例としては、中央装置200に対して近距離/遠距離に位置する端末装置300A/端末装置300Dが同一サイクルでレスポンスパケットを返信した場合には当該レスポンスパケットは相互に衝突するが、その際、通信ケーブル100を相対的に長距離を伝送してくる端末装置300Dから返信されたレスポンスパケットは信号強度が弱くなっているからパケットが破損する一方で、通信ケーブル100を相対的に短距離を伝送してくる端末装置300Aから返信されたレスポンスパケットは信号強度が強いままであるからパケットが破損はしない、という場合が挙げられる。
つぎに、サイクルC3における動作について説明する。その動作はサイクルC2の場合と同様であるが、一通り説明する。
生成部220は、制御部246から出力される選定結果に従って「指定された記号群『01XX』と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を有するコマンドパケットを生成する。
通信部210は、生成部220によって生成されたコマンドパケットを、サイクルC3の期間において、通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。この条件を満たす端末装置300は、第5直系ルートに属する記号群「0100」が割り当てられている端末装置300Bだけである。
したがって、端末装置300Bの生成部320は、コマンドパケットの指示に従って、自装置に割り当てられている固有アドレス「0100」を含めたレスポンスパケットを生成する。
端末装置300Bの通信部310は、その生成部320によって生成されたレスポンスパケットを、サイクルC3の期間内に中央装置200が受信できるように、通信ケーブル100を通じて中央装置200に向けて送信する。
したがって、中央装置200では、通信部210が端末装置300Bから返信されたレスポンスパケットを受信できる。このため、判別部244は、当該レスポンスパケットを返信する端末装置300の数を「1」であると判別し(ステップJ3)、その判別結果を制御部246に出力する。
制御部246は、判別部244からの判別結果を入力し、ここでは「1」である(すなわち「複数」でない)と判別されているので、次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(この例では「01XX」)が属する階層(この例では「第3階層」)と同一以上の階層(この例では「第3階層」/「第4階層」)において調査対象となっていない最も大きな記号群(この例では「第4階層」の「1XXX」)と選定し、当該選定結果を生成部220に出力する。
また、制御部246は、端末装置300Bに割り当てられている固有アドレスが「0100」であるという情報を取得するから、「端末装置300B」と「0100」とを対応させてリストに入力するよう入力部248に指示を出力する。
入力部248は、制御部246から出力された指示を入力すると、その指示に従って、「端末装置300B」と「0100」とを対応させてリストに入力する。以上が、サイクルC3における動作である。
したがって、中央装置200は、当該第6~第8直系ルートにおいて調査を継続しないので、その調査を実行しない分だけ、虱潰しに調査をする場合に比して、固有アドレスの調査時間の短縮化が図れる。
つぎに、サイクルC4における動作について説明する。その動作はサイクルC1の場合と同様であるが、一通り説明する。
生成部220は、制御部246から出力される選定結果に従って「指定された記号群『1XXX』と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を有するコマンドパケットを生成する。
通信部210は、生成部220によって生成されたコマンドパケットを、サイクルC4の期間において、通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。この条件を満たす端末装置300は、図4に太枠で示すとおり、第15,16直系ルートに属する記号群「1110」,「1111」が割り当てられている端末装置300C,300Dである。
したがって、端末装置300C,300Dの各生成部320は、コマンドパケットの指示に従って、自装置に割り当てられている固有アドレス「1110」、「1111」を含めたレスポンスパケットを生成する。
端末装置300C,300Dの各通信部310は、各生成部320によって生成されたレスポンスパケットを、サイクルC4の期間内に中央装置200が受信できるように、通信ケーブル100を通じて中央装置200に向けて送信する。
中央装置200では、ステップJ1の場合と同じく、判別部244が、当該レスポンスパケットを返信する端末装置300の数を「複数」であると判別し(ステップJ4)、その判別結果を制御部246に出力する。
制御部246は、判別部244からの判別結果を入力し、ここでは「複数」であると判別されているので、次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群(この例では「1XXX」)が属する階層(この例では「第4階層」)の次に下位の階層(この例では「第3階層」)における最小の記号群(この例では「10XX」)と選定し、当該選定結果を生成部220に出力する。以上が、サイクルC4における動作である。
つぎに、サイクルC5における動作について説明する。
生成部220は、制御部246から出力される選定結果に従って「指定された記号群『10XX』と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を有するコマンドパケットを生成する。
通信部210は、生成部220によって生成されたコマンドパケットを、サイクルC5の期間において、通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。この条件を満たす端末装置300は、存在しない。
したがって、いずれもの端末装置300もレスポンスパケットを返信しないので、通信ケーブル100の状態は変化しない。そして、そのまま、サイクルC5の期間が満了する。
中央装置200では、判別部244が、当該レスポンスパケットを返信する端末装置300の数を「0」であると判別し(ステップJ5)、その判別結果を制御部246に出力する。
制御部246は、判別部244からの判別結果を入力し、ここでは「0」である(すなわち「複数」でない)と判別されているので、次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を直近で送信したコマンドパケットで指定した記号群(この例では「10XX」)が属する階層(この例では「第3階層」)と同一以上の階層(この例では「第3階層」/「第4階層」)において調査対象となっていない最も大きな記号群(この例では「第3階層」の「11XX」)と選定し、当該選定結果を生成部220に出力する。以上が、サイクルC5における動作である。
したがって、中央装置200は、当該第9~第12直系ルートにおいて調査を継続しないので、その調査を実行しない分だけ、虱潰しに調査をする場合に比して、固有アドレスの調査時間の短縮化が図れる。
サイクルC6,C7における動作は、その動作はサイクルC4,C5の場合と同様である。サイクルC8~C10における動作は、その動作はサイクルC1~C3の場合と同様である。この種の動作はいずれも十分に説明したので重複して説明しない。
なお、この例では、サイクルC9の処理を実行した結果、中央装置200は、端末装置300Cの固有アドレスが「1110」であることが特定できるので、調査をしていない端末装置300Dの固有アドレスが、必然的に、唯一残っている記号群「1111」であることが消去法的に特定できる。したがって、サイクルC10の全ての処理を実行するのではなく、「端末装置300D」と「1111」とを対応させてリストに入力する処理のみをサイクルC9において実行して、更に調査時間の短縮化を図ってもよい。
以上述べた手法によれば、端末装置300に割り当てられている固有アドレスの調査時間は、サイクルC10の全ての処理を実行したとしても1サイクルの一定期間が2msであるサイクルを10回繰り返すだけでよいので20msで済む。しかも、本実施形態の通信システムは、この調査時間内に端末装置300と固有アドレスとの対応リストを作成することもできる。
なお、図4に示す太枠の記号群は、固有アドレスの調査時間を故意に短縮化できたように見せかけるために恣意的に選定したものでない。このことは、端末装置300に割り当てられている固有アドレスが、第1~第4直系ルートにおける記号群「0000」、「0001」、「0010」、「0011」である場合の最短調査期間が16msであること、及び、第7,第8,第15,第16直系ルートにおける記号群「0110」、「0111」、「1110」、「1111」である場合の最長調査時間が28msであることと対比すればわかる。
また、本実施形態の手法を採用せずに虱潰しに調査をするとなれば、第1階層に属する[記号群数16×2ms=32ms]の調査時間が必要であるから、本実施形態の手法を採用した場合には、少なくとも調査時間を12.5%短縮することができる。
この調査時間を一般化すると、16進数8桁のMACアドレスを固有アドレスとして用いるとすると記号群数は「約43億個」で、かつ、通信ケーブル100に対する端末装置300の最大接続数はRS-485規格によれば「32」であるから、最長調査期間は[2ms×928回≒2秒]である。人手を介さない場合に100日程度必要であるといえる固有アドレスの調査時間が2秒弱で済むとなれば、その効果は多大である。なお、仮に、通信ケーブル100に対する端末装置300の接続数を「16」とした場合には、最少調査回数は30回、最大調査回数は478回となり、それぞれの調査時間は60ms、956msである。
図6は、図5を用いて説明した固有アドレスの調査手法の変形例を示す図である。ここでは、固有アドレスの調査時間を更に短縮化する手法について、図5を用いて説明したこととの相違点を中心に説明する。
本実施形態の通信システムは、既述のように、中央装置200及び端末装置300A~300Dの各々タイムスケジュールと計時手段とを備えることを条件に、各パケットに対してその送信先を示す情報を含めなくても所要の通信を行うことができる。図6に示す固有アドレスの調査手法は、この時分割の考え方を用いたものである。
なお、図6において、サイクルC11-1のように枝番「-1」が含まれているものはサイクルC11の時間的に前半を、サイクルC11-2のように枝番「-2」が含まれているものはサイクルC11の時間的に後半を、それぞれ意味する。また、図6には明示していないが、本明細書ではこれらの枝番を除いた一組の総称をサイクルC11のように称する。
まず、図5,図6に示す調査手法を相互に対比すると、例えば、サイクルC1,C11において所定のコマンドパケットを送信する点で一致するが、図5に示す調査手法の場合には当該コマンドパケットに対するレスポンスパケットの返信タイミングを前後半で分けていないのに対して、図6に示す調査手法の場合には当該コマンドパケットに対するレスポンスパケットの返信タイミングを前後半で分けているという点で相違する。
図6では、「自装置に割り当てられている固有アドレスが記号群「0『0』XX」と同一である場合には、サイクルC11-1でレスポンスパケットを返信せよ。自装置に割り当てられている固有アドレスが記号群「0『1』XX」と同一である場合には、後半のサイクルC11-2でレスポンスパケットを返信せよ」という指示をコマンドパケットに含め、タイムスケジュールとしてコマンドパケットの送信に必要な割当期間を1ms、サイクルC11-1でレスポンスパケットの返信に必要な割当期間を1ms、サイクルC11-2でレスポンスパケットの返信に必要な割当期間を1msように設定する。
そうすると、これら合計3msの処理時間中に、サイクルC11-1,C11-2においてレスポンスパケットを返信した端末装置300の数はいずれも「1」という判別結果になり(ステップJ11-1,J11-2)、端末装置300A,300Bに割り当てられている固有アドレスが、それぞれ「0001」,「0100」であると特定でき、これらに関する特定結果がリストに入力される。
つぎに、サイクルC12-1では、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数は「0」という判別結果となるので(ステップJ12-1)、その記号群「1XXX」が属する直系ルートについての調査は継続しない。一方、サイクルC12-2では、レスポンスパケットを返信した端末装置300の数は「複数」という判別結果となるので(ステップJ12-2)、その記号群「1XXX」が属する直系ルートについての調査を継続する。
したがって、サイクルC13において、上記記号群「1XXX」の下位階層の記号群「11XX」についての調査を行うが、図4,図6に示すように、結果的には、記号群「11XX」についてはサイクルC12と同様の処理がされる。
つぎに、サイクルC14において、上記記号群「11XX」の下位階層の記号群「111X」についての調査を行うが、図4,図6に示すように、結果的には、サイクルC14-1,C14-2においてレスポンスパケットを返信した端末装置300の数はいずれも「1」という判別結果になり(ステップJ14-1,J14-2)、端末装置300C,300Dに割り当てられている固有アドレスが、それぞれ「1110」,「1111」であると特定でき、これらに関する特定結果がリストに入力される。
以上述べた手法によれば、端末装置300に割り当てられている固有アドレスの調査時間は、既述の条件に即していえば、1サイクルの一定期間が3msであるサイクルを4回繰り返すだけでよいので12msで済む。したがって、図5に示した調査手法の場合に比して調査時間を60%に減少することができる。
ここで、MACアドレスが16進数8桁、時分割する場合の分割数を4とすると、図5,図6を用いてそれぞれ説明した一般化した調査時間を纏めると表1のとおりになる。したがって、図6を用いて説明した時分割の調査手法を採用すると、調査時間減少に貢献することがわかる。
Figure 2023062374000002
なお、図6には、サイクルC11をサイクルC11-1,C11-2という前後半に2分割する例を示したが、例えば第1~第4サイクルC11-a~C11-dという4分割することも可能である。第1サイクルC11-aに対応する割当時間を「0『00』X」、第2サイクルC11-bに対応する割当時間を「0『01』X」、第3サイクルC11-cに対応する割当時間を「0『10』X」、第4サイクルC11-dに対応する割当時間を「0『11』X」のようにすればよい。
以上、主として、図4~図6を用いて、端末装置300に割り当てられている固有アドレスの調査手法について述べたが、中央装置200は、これらの調査の結果として、端末装置300に割り当てられている固有アドレスを取得した結果、次のような処理を行うこともできる。
<端末装置300からの各種情報等の取得>
中央装置200は、リストにある固有アドレスを宛先として、端末装置300から様々な設定情報を取得する取得部を有することができる。ここでいう設定情報には、例えば、製品型式といったメーカ由来の情報、当該端末装置300に接続されるデバイス(火災検知センサ、火災報知器等)に対する制御プログラムといった通信システムの設計者や通信システムの管理者由来の情報、通信システムの稼働中に記録される端末装置300の動作のログ情報といった端末装置300由来の情報、など各種情報が含まれる。
中央装置200は、リストにある固有アドレスを宛先とし、「自装置の設定情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含めたコマンドパケットを生成部220によって生成し、通信部210によって通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。
中央装置200は、端末装置300から返信されるレスポンスパケットを通信部210によって受信し、入力部248によって当該設定情報についても当該返信元を示す情報に対応させてリストに入力する。こうすると、通信システムの管理者が、当該端末装置300の交換目安の時期を把握したり、当該端末装置300を交換する際にデバイスと相性のよいものを選択したりすることも可能となる。
<端末装置300に対する各種情報等の設定>
中央装置200は、リストにある固有アドレスを宛先として、端末装置300に対して一意のローカルアドレスを設定することができる。ここでいうローカルアドレスとは、従前、通信システムの敷設業者が、そのリストに従って端末装置に設定していたものである。ローカルアドレスは、コマンドパケットを送信する際に宛先としても用いることもできる。
例えば、中央装置200は、端末装置300に対して設定すべきローカルアドレスを、入力部248によって対応する固有アドレスに紐付け、事前に通信システムの管理者等が既述のリストに入力しておく。それから、中央装置200は、リストにある固有アドレスを宛先とし、「指定された一意のローカルアドレスを設定し、その設定処理が完了したらそのことを示す情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含めたコマンドパケットを生成部220によって生成し、通信部210によって通信ケーブル100を通じて端末装置300に向けて送信する。
中央装置200は、通信ケーブル100を通じてコマンドパケットを送信することによって、端末装置300に一意のローカルアドレスを設定できるので、通信システムの敷設業者が間違ってローカルアドレスを設定することによって生じ得るヒューマンエラーを回避することができる。
加えて、中央装置200は、生成部220によって生成するコマンドパケットに「今後のコマンドパケットの宛先には当該ローカルアドレスを用いるので宛先設定を更新し、その更新処理が完了したらそのことを示す情報を含むレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含めさせてもよい。
こうすると、固有アドレスは、MACアドレスが一般的に16進数12桁以上であり、ビット数換算でも48ビット以上と相対的に多いので、これよりもローカルアドレスのビット数を例えば16進数2桁という8ビットのように少なくして宛先に用いると、ヘッダの使用容量を減らし、1パケットあたりのビット数も減らすことができる。
また、中央装置200は、同様の手法により、例えば、通信ケーブル100に対して接続している端末装置300を他の端末装置300に交換した場合に、当該他の端末装置300に対して交換前の設定情報を設定することができる。他の端末装置300は、交換前の端末装置300が故障して修理をしている間に代用されるものも含む。
特に、端末装置300(他の端末装置300も含む)を活線挿抜対応装置とすれば、通信ケーブル100から端末装置300を取り外したり、通信ケーブル100に対して端末装置300を接続したりすると、そのことを中央装置200が備える検知部で検知することができるので、これをトリガーに上記コマンドパケットの生成及び送信をすると、人手を全く介することなく、当該他の端末装置300に対して交換前の設定情報を設定することができる。
また、通信ケーブル100に対して新たに他の端末装置300を増設する場合にも、当該他の端末装置300に対して設定すべき設定情報やローカルアドレスを、入力部248によって対応する固有アドレスに紐付け、事前に通信システムの管理者等が既述のリストに入力すれば、既述の要領で当該他の端末装置300に設定情報やローカルアドレスを設定することができる。
なお、端末装置300(他の端末装置300も含む)を活線挿抜対応装置とすれば、端末装置300に対する各種情報等の設定は、端末装置300が主導で行うこともできる。例えば、通信ケーブル100に接続されている端末装置300が取り外され、通信ケーブル100に他の端末装置300が接続された場合でいうと、他の端末装置300は、自装置に割り当てられている固有アドレスと自装置宛てにパケットを送信するように要求する趣旨の情報とを含めた設定情報等要求パケットを生成部320によって生成し、少なくとも1サイクル分のパケットの受信状況を確認して他のパケットと衝突しないタイミングで、通信部310によって通信ケーブル100を通じて中央装置200に向けて設定情報等要求パケットを送信する。
中央装置200は、他の端末装置300から送信されてきた設定情報等要求パケットを受信すると、通信ケーブル100から端末装置300が取り外されたことと通信ケーブル100に対して他の端末装置300が接続されたことを検知しているから、当該端末装置300から当該他の端末装置300に交換されたと判断し、設定情報等要求パケットに含まれている固有アドレスを宛先とし、当該端末装置300の設定情報等をリストから読み出して、設定情報等送信パケットを生成して、通信部210によって通信ケーブル100を通じて他の端末装置300に送信し、リスト内の固有アドレスを更新すればよい。
なお、端末装置300が中央装置200として振る舞うこともあるから、全て又は一部の端末装置300は、中央装置200の構成と同様に入力部248及びリスト等を備えることもできる。これにより、中央装置200でのリスト消失時の危険回避ができる。ちなみに、このことは中央装置200を2台以上とすることによっても達成できる。
もっとも、中央装置200を2台以上とする場合には、それらを相互に接続させて相互に同期をとることもできるが、実際には、複数台の中央装置200は、図示しない上位装置にそれぞれ接続されることが多い。上位装置は、各中央装置200に対して、同じ指示を出力する。したがって、2台以上の中央装置200によって、パケット通信システムをデュアル制御することが可能な構成が実現できる。
また、端末装置300(他の端末装置300を含む)は、ローカルアドレスや設定情報の設定処理が完了するまで、自装置に接続されたデバイスとの間のやり取りを開始しないようにする制御抑止部を備えておくとよい。これにより、設定作業に不慣れな通信システムの管理者等が、当該設定処理の完了に先だって通信システムを稼働させてしまった場合においても、デバイス制御に誤動作が生じることを回避することができる。
ところで、確率的には非常に低いと思われるが、2台の中央装置200又は端末装置300がともに故障等する可能性はゼロではないから、中央装置200又は端末装置300には、リストに入力された設定情報を読み出す読出部を備えておくとよい。具体的には、この読出部は、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はSDカードなどの外部記憶メモリと、外部記憶メモリが装着されかつ格納部に接続されているスロットとによって構成することができる。
これにより、読出部によってリストに入力されている最新の設定情報を定期若しくは不定期に又は所定の規則に従って読み出して、通信ケーブル100から分離した機器等に格納可能とすればよい。
なお、読出部を備えることによって、リストに入力されている最新の設定情報には、制御対象の過去の動作のログ情報を含めることができるので、これを読み出せるようにすることは、ビッグデータの有効活用をすることができるといった効果がある。
(実施例1)
図7は、本発明の実施例1のインフラストラクチャーシステムの説明図である。本実施例では、実施形態で説明した通信システムを、インフラストラクチャーシステムであるところの道路設備に適用した例について説明する。
図7において、図1等に示した部分と同様の部分には、同一符号を付しており、図7において固有のものとしては、トンネル1000と、トンネル内を通行している車両2000とがある。
通信ケーブル100の長さは、トンネル1000の長さに応じて決定される。トンネル1000の長さは、数百m~数kmという長さになるものは珍しくない。したがって、通信ケーブル100の長さも、数百m以上ということになることがある。
中央装置200は、監視者等がトンネル1000内の状況をモニタリング等する監視制御室に設置されている。既述の上位装置は、監視制御室内に設けられてもよいし、他の場所に設けられてもよい。
端末装置300A,300Cは、トンネル1000内の環境データを収集する環境センサ400A,400Cに接続されている。トンネル1000内の環境データとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、車両2000の交通量であったり、トンネル1000内の排気ガス濃度であったり、以下説明するランプ400B,400Dの光量だったりと様々である。
端末装置300B,300Dは、トンネル1000の天井付近に設置されているランプ400B,400Dに接続されている。端末装置300B,300Dは、環境センサ400A,400Cの検知結果に基づいて、ランプ400B,400Dの光量などの照明制御を行う。
本実施例のインフラストラクチャーシステムによれば、トンネル1000内の環境を向上させることができ、車両の通行の快適さを高めることができる。すなわち、例えば、ランプ400B,400Dが寿命を迎えて消灯してしまった場合には、環境センサ400A,400Cによって、受光強度が低下したことを検知できるので、データ収集端末装置300A,300Cは通信ケーブル100を通じて、これらのことを中央装置200に送信することが可能となる。
この結果、監視制御室にいる監視者は、ランプ400B,400Dの交換作業を行うことが可能となるとともに、寿命を迎えたランプ周辺のランプ光量を増やすなどして、トンネル1000内が暗くなることを防止することができる。
また、環境データとして車両2000がトンネル1000内に存在しないことが検知された場合には、ランプ400B,400Dの光量を低下させることとして、省エネルギー化を図ることもできる。
なお、図7には明示していないが、車両2000も、様々な制御対象を備えている。具体的には、ルームランプのオン/オフ制御、カーエアコンと称されるエアーコンディショナーの温度制御などがある。したがって、車両2000自体にも既述の通信システムを適用することができる。
また、本実施例では、通信システムの適用例として道路設備を例に説明したが、道路設備に適用することに限定されるものではなく、以下説明するように、様々なインフラストラクチャーシステムに適用することができる。
例えば、ダム、橋を含む河川設備において、水位センサ400の検知結果に基づいて、ゲート400の開閉を制御するということが挙げられる。
例えば、鉄道及び鉄道設備において、乗客が駅のプラットホームから線路に落下したことを赤外線センサ400による検知結果に基づいて電車の緊急停止をさせるといった制御をしたり、駅のプラットホームに設置されているホームドア付近に人感センサ400を取り付けてホームドアの開閉を制御したりすることが挙げられる。
例えば、飛行機及び飛行場設備において、飛行機の油圧センサ400の検知結果に基づいて油の流出量を制御したり、飛行場の滑走路に設置された照度センサ400の検知結果に基づいて滑走路誘導灯400の光量を制御したりすることが挙げられる。
例えば、船舶及び港湾設備を含む乗物設備において、操舵手の舵切りの検知結果に基づいて舵の角度を制御したり、ガントリークレーンの操作者の積降操作に従ってレール上の移動量を制御したりすることが挙げられる。
このように、本実施例のインフラストラクチャーシステムは、電気的な制御を行うものであれば、小規模のものから大規模のものまで、多種多様な設備等に適用することができる。
(実施例2)
図8は、本発明の実施例2のファクトリーオートメーションシステムの説明図である。本実施例では、実施形態で説明した通信システムを、ファクトリーオートメーションであるところのロボットアームに適用した例について説明する。
図7の実施形態での説明は、端末装置300に対して制御対象が接続されている例を用いたが、本実施例では、制御対象400のセンサ付き端末装置300とする例について説明する。なお、中央装置200自体の図示については割愛している。
加圧センサ付き端末装置300A及び角度センサ付き端末装置300Bは、いずれも、主としてロボットアームの関節の動きを制御するための検知をして、検知結果を中央装置200に向けて送信するものである。
加圧センサ付き端末装置300Aは、主として、指関節に設けられており、物体を把持する際の掴み強度を制御したり、関節のトルク/荷重などの負荷を検出して駆動トルクを制御したりするために用いられる。角度センサ付き端末装置300Bは、間接の角度を制御するために用いられる。
本実施例のファクトリーオートメーションシステムは、各実施形態で説明した通信システムを用いれば、相対的に多数の端末装置300と中央装置200との高速パケット通信が可能となるので、ロボットアームを用いることによって得られる製品の製造スループットを向上させることができる。
また、本実施例では、通信システムの適用例としてロボットアームを例に説明したが、ロボットアームに適用することに限定されるものではなく、例えば、各種産業用ロボットの関節の動作の制御にも適用することができるし、工作機械の移動量・速度・回転量などの制御にも適用することができる。
さらには、工場内には火災検知設備が設けられたり、空調設備が設けられたり、作業者の安全性確保のために工作機械の緊急停止機構が設けられたりすることが少なくない。これらに対する各種制御用にも、本発明の通信システムの適用が可能である。
このように、本実施例のファクトリーオートメーションシステムは、電気的な制御を行うものであれば、小規模のものから大規模のものまで、多種多様な設備等に適用することができる。
(実施例3)
図9は、本発明の実施例3のビルディングオートメーションシステムの説明図である。本実施例では、実施形態で説明した通信システムを、ビルディングオートメーションシステムであるところの商業施設に適用した例について説明する。
図9において、図1等に示した部分と同様の部分には、同一符号を付しており、図9において固有のものとしては、デパート或いはショッピングセンターなどの商業施設3000がある。
通信ケーブル100の長さは、商業施設3000の規模に応じて決定される。図9には20階建ての商業施設3000を例示しており、この場合には、通信ケーブル100の長さは、数百m以上ということになる。
なお、上位装置と中央装置200A~200Bとは、相互に遠隔配置させることも可能であり、その場合には、これらは図示している通信ケーブル100とは異なる回線100’で有線又は無線接続されることになる。中央装置200A~200Bは、監視者等が商業施設3000内の状況をモニタリング等する監視制御室にそれぞれ設置されている。
端末装置300は、商業施設3000内の各種データを収集する図示しないセンサ等の制御対象に接続されている。商業施設3000に設置される制御対象としては、昇降機(エレベータ)、室温センサ及び空調設備、火災検知器及び火災報知器、非常通報ボタン及び通常時に開状態であるが非常時に閉状態とされる非常シャッターといった防災・防犯設備、人感センサ及び照明、などが挙げられる。
本実施例のビルディングオートメーションシステムによれば、商業施設3000内の快適空間並びに安全・安心な空間を提供することができる。
また、本実施例では、通信システムの適用例として商業施設3000を例に説明したが、ビルディングオートメーションシステムは、商業施設3000に適用することに限定されるものではなく、例えば、オフィスビルディングであったり、マンションなどの集合住宅であったりといった、他のビルディングにも適用できる。
このように、本実施例のビルディングオートメーションシステムは、電気的な制御を行うものであれば、小規模のものから大規模のものまで、多種多様な設備等に適用することができる。

Claims (7)

  1. 中央装置と複数の端末装置とが通信ケーブルを通じてマルチドロップ接続された通信システムであって、
    前記中央装置は、
    複数の前記端末装置の各々に割り当てられている固有アドレスがn進数m桁からなるn個の記号群のいずれかである場合に(n、mはいずれも整数)、n個の記号群を昇順で第1階層に配し、第p階層(pは1~mまでの各整数)に昇順で配した前記n/n(P-1)個の記号群を、前記第p階層に昇順で配している記号群のうち下記任意の記号を除く(m-(p-1))桁のうち(m-p)桁の記号群が一致するn個を1組にグルーピングして、相違する1桁を任意の記号としたn/n個の記号群を前記第p階層に対して上位の第p+1階層に昇順で配したツリー状の階層構造の記号群マップを作成する作成部と、
    前記作成部によって作成された記号群マップに昇順で配している記号群のうち「指定された記号群と自装置に割り当てられている固有アドレスとが同一である端末装置は当該固有アドレスを含めたレスポンスパケットを返信せよ」という趣旨の指示を含むコマンドパケットを生成する生成部と、
    前記生成部によって生成されたコマンドパケットを前記通信ケーブルを通じて送信した場合に当該コマンドパケットに応じて前記通信ケーブルを通じてレスポンスパケットを返信した端末装置の数が「複数」/「1」/「0」のいずれであるかを判別する判別部と、
    次に送信するコマンドパケットで指定する記号群を、前記判別部によって判別された端末装置の数が「複数」である場合に直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群が属する階層の次に下位の階層における最小の記号群と選定し、かつ、前記判別部によって判別された端末装置の数が「複数」でない場合に直近で送信したコマンドパケットで指定された記号群が属する階層と同一以上の階層において調査対象となっていない最も大きな記号群と選定する制御部と、
    前記判別部によって判別された端末装置の数が「1」である場合に前記レスポンスパケットに含まれている固有アドレスと当該レスポンスパケットの返信元を示す情報とを対応させてリストに入力する入力部と、
    を備える通信システム。
  2. 前記中央装置は、複数の前記端末装置の各々の設定情報を取得する取得部を備える、請求項1記載の通信システム。
  3. 複数の前記端末装置の各々に一位のローカルアドレス又は設定情報を設定する設定部を備える、請求項1記載の通信システム。
  4. 前記通信ケーブルに対して他の端末装置が接続されたことを検知する検知部を備える請求項1記載の通信システム。
  5. 請求項1記載の通信システムを備える、インフラストラクチャーシステム。
  6. 請求項1記載の通信システムを備える、ビルディングオートメーションシステム。
  7. 請求項1記載の通信システムを備える、ファクトリーオートメーションシステム。
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