JP2023061684A - 工具測定装置および工具測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転中の工具において複数の突部を比較した場合の、突部の各々の外面と回転軸線との間の距離のずれの量を把握可能な工具測定装置および工具測定方法を提供する。【解決手段】工具測定装置1は、カメラ22と、主軸回転角度センサ23と、制御装置20と、を備える。工具12は、少なくとも第1突部481と第2突部482との2つの突部48を含む作動部46を有する。制御装置20は、撮影指令制御部25と、演算部27と、を有する。撮影指令制御部25は、主軸11の回転角度が異なる複数の位相において、カメラ22に撮影指令を出力する。演算部27は、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、第1距離、およびこのときの第1位相と、第2距離、およびこのときの第2位相と、を求め、第1距離と前記第2距離との差に相当する作動部ずれ量を演算する。【選択図】図5

Description

本開示は、工具測定装置および工具測定方法に関する。
従来から、工作機械で使用する回転工具の測定装置が提供されている。該工具測定装置は、複数の突部を含む工具、例えば複数の刃を含む工具、具体的にはフライス盤のエンドミルの測定で使用される。
特開2007-49489号公報
複数の突部を含む工具、例えば複数の突部として複数の刃を含む工具について、突部の形状のばらつきや、工具に入力される回転の回転軸線に対する工具の中心軸線のずれなどに起因して、工具に含まれる複数の突部を比較した場合に、突部の各々の外面のうち加工の対象に接触する部分と回転軸線との間の距離に、ずれが生じることが考えられる。このようなずれが大きいと、工具による加工の精度が低下する。このため、工具に含まれる複数の突部を比較した場合の上述したずれの量を把握することが求められている。特に、回転中の工具は遠心力や熱変位等で変形していると考えられるため、回転中の工具において、上述したずれの量を把握することが求められている。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、回転中の工具において複数の突部を比較した場合の、突部の各々の外面と回転軸線との間の距離のずれの量を把握可能な工具測定装置および工具測定方法を提供するものである。
本開示は、工作機械の主軸に設定された工具を測定する工具測定装置であって、前記工具を撮影するカメラと、前記主軸の回転角度を検出する主軸回転角度センサと、制御装置と、を備え、前記工具は、少なくとも第1突部と第2突部との2つの突部を含む作動部を有し、前記制御装置は、前記主軸回転角度センサが検出した前記主軸の回転角度に応じて前記カメラに撮影指令を出力する撮影指令制御部と、前記カメラが撮影した画像に基づき演算を行う演算部と、を有し、前記撮影指令制御部は、前記主軸の回転角度が異なる複数の位相において、前記カメラに撮影指令を出力し、前記演算部は、前記複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、前記主軸の回転軸線と前記第1突部の外面との間の距離が最大となる第1距離、およびこのときの第1位相と、前記主軸の回転軸線と前記第2突部の外面との間の距離が最大となる第2距離、およびこのときの第2位相と、を求め、前記第1距離と前記第2距離との差に相当する作動部ずれ量を演算する、工具測定装置である。
本開示は、前記撮影指令制御部は、前記工具の異なる回転毎に前記撮影指令を順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り出力する、工具測定装置である。
本開示は、前記作動部は、2つ以上の前記突部を含み、このうち、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も大きくなる突部を前記第1突部とし、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も小さくなる突部を前記第2突部とする、工具測定装置である。
本開示は、前記工具は、前記作動部から、前記主軸の回転軸線方向に延び、一端において前記主軸に固定され、他端において前記作動部と接続する、円柱状の軸部を有し、前記演算部は、前記第1位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離と、前記第2位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離との差である軸部ずれ量を演算し、更に前記作動部ずれ量と前記軸部ずれ量との差に基づいて、前記作動部の歪みを求める、工具測定装置である。
本開示は、工作機械の主軸に設定された工具を測定する工具測定方法であって、前記工具は、少なくとも第1突部と第2突部との2つの突部を含む作動部を有し、前記主軸の回転角度を検出し、検出した前記主軸の回転角度に応じて、前記主軸の回転角度が異なる複数の位相において前記工具を撮影する撮影工程と、前記撮影工程で前記複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、前記主軸の回転軸線と前記第1突部の外面との間の距離が最大となる第1距離、およびこのときの第1位相と、前記主軸の回転軸線と前記第2突部の外面との間の距離が最大となる第2距離、およびこのときの第2位相と、を求め、前記第1距離と前記第2距離との差に相当する作動部ずれ量を演算する演算工程と、を備える、工具測定方法である。
本開示は、前記撮影工程において、前記工具の異なる回転毎に順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り前記工具を撮影する、工具測定方法である。
本開示は、前記作動部は、2つ以上の前記突部を含み、このうち、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も大きくなる突部を前記第1突部とし、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も小さくなる突部を前記第2突部とする、工具測定方法である。
本開示は、前記工具は、前記作動部から、前記主軸の回転軸線方向に延び、一端において前記主軸に固定され、他端において前記作動部と接続する、円柱状の軸部を有し、前記演算工程は、前記第1位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離と、前記第2位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離との差である軸部ずれ量を演算する、軸部ずれ量演算工程と、前記作動部ずれ量と前記軸部ずれ量との差に基づいて、前記作動部の歪みを求める、歪み演算工程と、を含む、工具測定方法である。
以上のように、本開示によれば、回転中の工具において複数の突部を比較した場合の、突部の各々の外面と回転軸線との間の距離のずれの量を把握可能な工具測定装置および工具測定方法を提供できる。
図1は、本開示の実施形態に係る工具測定装置及び工作機械を示す概略図。 図2は、本開示の実施形態に係る工作機械の主軸ヘッドを示す概略断面図。 図3は、本開示の実施形態に係る工具の一例を示す断面図。 図4は、本開示の実施形態に係る工具の一例を示す断面図。 図5は、工具測定装置で工具を測定している様子を示す図。 図6は、工具、カメラ及び照明装置の位置関係を示す図。 図7Aは、撮影工程において撮影される画像の一例を示す図。 図7Bは、撮影工程において撮影される画像の一例を示す図。 図8は、画像が撮影される位相の変化と、各位相において撮影される画像における主軸の回転軸線と作動部の外面との間の距離の変化と、の対応を示す図。 図9は、画像が撮影される位相の変化と、各位相において撮影される画像における主軸の回転軸線と軸部の外面との間の距離の変化と、の対応を示す図。 図10Aは、変形例に係る工作機械の主軸ヘッドを示す概略断面図。 図10Bは、変形例に係る工作機械の主軸回転角度センサを示す概略図。 図10Cは、変形例に係る工作機械の主軸回転角度センサから得られる連続パルス信号を示す図。
まず、本開示に係る工具測定装置1によって測定される工具12が設定される工作機械2について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る工具測定装置1及び工作機械2を示す概略図である。図1に示す工作機械2は、ベッド18の上面に位置するテーブル16及び門型のコラム10を有し、コラム10のクロスレール8にはサドル6を介して主軸ヘッド4が支持されている。主軸ヘッド4は主軸11を有する。工具12は、工作機械2の主軸11に設定されている。
ここで、工作機械2の主軸ヘッド4について、図2を参照しつつより詳しく説明する。図2は、本開示の実施形態に係る工作機械2の主軸ヘッド4を示す概略断面図である。主軸ヘッド4は、ビルトインモータのタイプになっており、筐体31と主軸(スピンドル)11とを備えて構成されている。主軸11は、円柱状に形成されており、空気軸受けによって、筐体31に回転自在に支持されている。図2に示す符号L1を付した一点鎖線は、主軸11が回転する中心となる軸線を示している。主軸11が回転する中心となる軸線を、主軸11の回転軸線L1と呼ぶ。主軸11の回転軸線L1は、主軸11から工具12に入力される回転の回転軸線であるともいえる。主軸11の回転軸線L1が延びる方向を軸線方向d1と呼ぶ。図2に示す例において、軸線方向d1は、X方向と平行となっている。
主軸11の回転軸線L1が延びる軸線方向d1の一方の端部(図2の下端部)には、工具保持部33が設けられている。工具保持部33は、工具12を着脱自在に保持する。主軸11のうち工具保持部33に工具12を保持させることによって、主軸11に工具12を設定できる。主軸11の長手方向の他方の端部(図2の上端部)には、モータ35のロータ37が一体的に設けられている。ロータ37の外側にはモータ35のステータ39が設けられている。ステータ39は、ロータ37から僅かに離れて筐体31に一体的に設けられている。モータ35のうちロータ37がステータ39に対して回転することによって、ロータ37に一体化された主軸11が回転する。主軸11が回転することによって、主軸11に設定された工具12も回転する。
ここで、説明の便宜のために水平な所定の一方向をX方向(X軸方向)とし、X方向に対して直交する水平な所定の他の一方向をY方向(Y軸方向)とし、X方向とY方向とに対して直交する上下方向をZ方向(Z軸方向)とする。
テーブル16はベッド18に対してX軸方向に移動可能である。サドル6はクロスレール8に沿ってY軸方向に移動可能である。主軸ヘッド4はサドル6に対してZ軸方向に移動可能である。これらの3軸を移動させることにより、テーブル16に載置された工作機械2による加工の対象となるワーク14に対して、工具12を3次元で移動させることができる。主軸11を回転させることによって工具12を回転させた状態で、工具12をワーク14に接触させることで、ワーク14を加工することが可能である。
次に、工作機械2に設定される工具12について説明する。図2に示すように、工具12は、作動部46と軸部49とを有する。作動部46は、後述する複数の突部48を有する部分である。図2に示す例において、作動部46は、複数の突部48の一例として、複数の刃48cを有している。なお、図2においては、作動部46が有する複数の突部48の具体的な形状については図示を省略して、作動部46の概形のみを示している。軸部49は、作動部46から、主軸11の回転軸線L1が延びる回転軸線方向(図2に示す軸線方向d1)に延び、一端において主軸11に固定され、他端において作動部46と接続する、円柱状の部分である。図2に示す例においては、軸部49の軸線方向d1における一端(図2における上方の一端)が、主軸11のうち工具保持部33に保持されることによって、軸部49が主軸11に固定される。
図3は、工作機械2の主軸11に設定される工具12の一例を示す図である。図3は、特に、工具12を工作機械2の主軸11に設定された状態で、主軸11の回転軸線L1に垂直な断面において切断した断面図である。図3に示す符号L1を付した点は、主軸11の回転軸線L1の位置を示している。図3に示すように、工具12は、少なくとも第1突部481と第2突部482とを含む作動部46を有する。すなわち、図3に示す例において、作動部46は、第1突部481と第2突部482との2つの突部48を含む。
図4は、工作機械2の主軸11に設定される工具12の、図3に示した例とは異なる一例を示す図である。図4は、特に、工具12を工作機械2の主軸11に設定された状態で、主軸11の回転軸線L1に垂直な断面において切断した断面図である。図4は、後述する基準位置L5における工具12の断面に相当する。図4に示す符号L1を付した点は、主軸11の回転軸線L1の位置を示している。図4に示すように、作動部46は、3つ以上の突部48を含んでもよい。図4に示す例において、作動部46は、第1突部481と第2突部482と第3突部483との3つの突部48を含む。
図3及び図4に示す例において、作動部46は、円柱状の基部45を有する。図3及び図4に示す例においては、作動部46のうち突部48と基部45との境界を、便宜的に符号45aを付した破線によって示している。本明細書中、「突部」とは、工具12のうち、回転軸線L1を中心とする円柱状の基部45に対して半径方向に突出する部分をいう。そして、複数の突部48は、円柱状の基部45を螺旋状に周回するように設けられている。このため、図3及び図4に示すような、工具12を主軸11の回転軸線L1に垂直な断面において切断した断面図において、複数の突部48は、主軸11の回転軸線L1を周回する周回方向d2に並ぶ。
工具12は、例えば、金型のコアやキャビティの表面を切削加工で形成するときに使用されるものである。上記切削加工は、例えば金型のコアやキャビティの表面を最終仕上げ加工するためにされるものである。上記切削加工によって、金型のコアやキャビティの表面が鏡面のようになる。
図3及び図4に示す工具12は、切削加工用の、作動部46が複数の突部48として複数の刃48cを有する工具12である。図示はしないが、工具12は、作動部46が複数の突部48として複数の突起を有する、ワーク14の研磨用の工具12であってもよい。
工具12として、例えばエンドミルを掲げることができる。工具12として用いられるエンドミルの外径は、例えば1mm程度である。
なお、工具12としてエンドミルが用いられる場合、エンドミルとしては、ボールエンドミル、スクエアエンドミル、又はラジアスエンドミル等が用いられてもよい。またエンドミルは、PCD工具等の砥石型のエンドミルであっても良い。
なお、工具12の回転数は、例えば6万回転/分程度である。工具12の最大回転数は、12万回転/分程度に設定できる。
図3及び図4に示す距離w1は、第1突部481における、主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離である。本開示の実施形態において、主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離のうち最大の距離w1を、第1距離w1と呼ぶ。図3及び図4に示す例において、第1距離w1は、主軸11の回転軸線L1と第1突部481の先端48bとの間の距離に相当する。図3及び図4に示す距離w2は、第2突部482における、主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離である。本開示の実施形態において、主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離のうち最大の距離w2を、第2距離w2と呼ぶ。図3及び図4に示す例において、第2距離w2は、主軸11の回転軸線L1と第2突部482の先端48bとの間の距離に相当する。なお、後述するように、工作機械2の主軸11以外の部分に対する主軸11の回転軸線L1の位置が、正規の位置からずれていることが想定される場合には、以下のように第1距離w1及び第2距離w2を定めてもよい。第1距離w1を、第1突部481における、正規の位置にある仮想の主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離としてもよい。また、第2距離w2を、第2突部482における、正規の位置にある仮想の主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離としてもよい。
理想的な形状の工具12において、複数の突部48の各々における主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離は等しくなる。例えば、第1突部481における、主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離である第1距離w1と、第2突部482における、主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離である第2距離w2とは等しくなる。しかしながら、実際の工具においては、図3及び図4に示すように、複数の突部48の各々における主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離は等しくならない場合がある。図3及び図4に示す例において、第1距離w1と第2距離w2とは、等しくなっていない。
工具12を回転させてワーク14を加工しているときに、複数の突部48の各々における主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離が等しくならない理由としては、以下の理由が考えられる。工具12の製造時の誤差、工具12を回転させてワーク14を加工する際の、工具12に生じる熱による工具12の変形、遠心力による工具12の変形、及び摩耗による工具12の形状の変化などのために、作動部46の形状が歪んでいることが考えられる。図3及び図4に示す例においては、作動部46の形状が歪んでいるために、第1突部481と第2突部482との形状が異なっており、このために第1距離w1と第2距離w2とが等しくなっていない。
工具12を回転させてワーク14を加工しているときに、複数の突部48の各々における主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離が等しくならない理由として、以下の理由も考えられる。主軸11に対する工具12の位置が、理想的な位置からずれていることも考えられる。例えば、主軸11の回転軸線L1に対して、後述する工具12の中心軸線L2がずれていることが考えられる。具体的には、主軸11の回転軸線L1に対して工具12の中心軸線L2が傾いていることが考えられる。また、工具12のうち主軸11に設定されている部分、具体的には工具12のうち軸部49が、主軸11のうち工具保持部33に保持されている部分において、主軸11の回転軸線L1に対して工具12の中心軸線L2が偏心していることも考えられる。また、工作機械2の主軸11以外の部分に対する主軸11の回転軸線L1の位置が、正規の位置からずれていることによって、複数の突部48の各々における、正規の位置にある仮想の主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離が等しくならないことも考えられる。
図3及び図4に示す例においては、複数の突部48のうち、突部48の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の最大の距離が最も大きくなる突部48が、第1突部481となる。また、複数の突部48のうち、突部48の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の最大の距離が最も小さくなる突部48が、第2突部482となる。換言すれば、主軸11の回転軸線L1と突部48の外面48aとの間の最大の距離は、作動部46に含まれる複数の突部48のうち第1突部481において最大となり、第2突部482において最小となっている。
続いて、本開示に係る工具測定装置1について説明する。工具測定装置1は、上述の通りに工作機械2の主軸11に設定された工具12を測定する。図1において、工具測定装置1はテーブル16の端に設置されている。
図5は、工具測定装置1で工具12を測定している図を示している。図2及び図5に示すように、工具測定装置1は、工具12を撮影するカメラ22と、主軸11の回転角度を検出する主軸回転角度センサ23と、制御装置20と、を備える。工具測定装置1は、照明装置24を更に備える。先に示した3軸により図5に示す位置まで工具12を移動させることによって、工具測定装置1を用いて工具12を測定することができる。図5に示すように、工具測定装置1は、カメラ22と照明装置24の間に位置した状態の工具12を測定する。
主軸回転角度センサ23は、主軸11の回転角度を検出するセンサである。一例として、主軸回転角度センサ23は、主軸11の回転の位相のうち1つの位相を基準位相と定めて、基準位相からの主軸11の回転角度を検出する。主軸回転角度センサ23は、主軸11に設けられている。
主軸回転角度センサ23は、例えば主軸11の回転角度を検出するように設けられたロータリエンコーダである。ロータリエンコーダの分解能は、例えば0.1°以上5°以下であってもよく、0.1°未満であってもよい。ロータリエンコーダの分解能は、例えば1°である。主軸回転角度センサ23としてロータリエンコーダを用いることによって、ロータリエンコーダが検出した主軸11の回転角度に応じて制御装置20の後述する撮影指令制御部25が撮影指令を出力することで、工具12の適切な画像が撮影される。
制御装置20は、工具測定装置1を制御するが、この制御装置20は、工具測定装置1を制御するとともに、工作機械2に接続されて工作機械2を制御してもよい。この場合、制御装置20は、主軸11の回転数や回転角度の位置決め等の制御を行ってもよい。制御装置20は、例えば図示しないCPUとメモリとを備えて構成されている。
制御装置20は、主軸回転角度センサ23が検出した主軸11の回転角度に応じてカメラ22に撮影指令を出力する撮影指令制御部25と、カメラ22が撮影した画像に基づき演算を行う演算部27と、を有する。撮影指令制御部25は、主軸11の回転角度が異なる複数の位相において、カメラ22に撮影指令を出力する。演算部27は、撮影指令制御部25の撮影指令に応じて、複数の位相の各々においてカメラ22によって撮影された複数の画像に基づいて、後述する作動部ずれ量w6を演算する。撮影指令制御部25が撮影指令を出力する具体的な方法については、工具測定装置1を用いた工具測定方法の説明において後述する。演算部27が作動部ずれ量w6を演算する具体的な方法についても、工具測定装置1を用いた工具測定方法の説明において後述する。
カメラ22は、図5に示すようにカメラ22と照明装置24の間に位置した状態の工具12を撮影する。特に、カメラ22は、回転している工具12を撮影して、工具12の画像(静止画像)を得るものである。カメラ22は、例えば、デジタルカメラであり、グローバルシャッターによって工具12を撮影するようになっている。一例として、カメラ22は高速シャッターを備えていて、工具12が数千回転/分で回転中でも静止画のような撮影が可能であってもよい。この場合、工具12を撮影するときのカメラ22のシャッタースピードは、回転している工具12の画像がほぼ静止画となる程度の短い時間になっている。またカメラ22にはズームレンズが取り付けられていて、制御装置20で拡大率の制御が行うことができるようになっていてもよい。図5に示すように照明装置24からの光を工具12の後ろから当てて画像を撮影することによって、工具12が影として撮影される。
次に、照明装置24について説明する。図6は、本開示の実施形態に係る、工具12、カメラ22及び照明装置24の位置関係を示す図である。図6は、軸線方向d1に平行な視線から見た、工具12、カメラ22及び照明装置24の位置を示している。図6に示す例において、照明装置24はストロボ61を有し、回転している工具12がカメラ22と照明装置24との間に挟まれるように、カメラ22及び照明装置24が設置されている。この場合、ストロボ61に工具12とカメラ22とに向けて光を発させた上で、カメラ22での工具12の撮影を行うことができる。このとき、ストロボ61は、工具12に向けて平行光79を発するように構成されている。
カメラ22で工具12を撮影する際に、ストロボ61はバックライトとして機能し、これによって、カメラ22を用いて工具12のシルエットを撮影できる。
次に、カメラ22とストロボ61の構成についてさらに説明する。ストロボ61が発する平行光79の進行方向は、例えばX方向になっている。ストロボ61が発する平行光79の進行方向は、主軸11の回転軸線L1に対して直交している。カメラ22のレンズ69の光軸71は、ストロボ61が発する平行光79の進行方向に平行に延びている。
上述したように、カメラ22と照明装置24とは、カメラ22と照明装置24との間で回転している工具12を挟むよう配置される。そして、ストロボ61が工具12とカメラ22とに向けて平行光79を発させた上で、カメラ22での工具12の撮影をすることによって、実際の工具12の外形と差異が無い、工具12のシルエットを撮影することができる。
工具12のシルエットを静止画像として撮影することで、工具12の外形が鮮明に表れる画像を容易に撮影することができる。
上述したように、照明装置24はストロボ61を有する。ストロボ61を有する照明装置24は、工具12が高速で回転する場合、特に工具12が1万回転/分以上の回転数で回転する場合に、好適に用いられる。照明装置24がストロボ61を有する場合、ストロボ61の発光は、カメラ22の撮影によって、より鮮明な工具12の静止画像が得られるように、また、より短時間で工具12を撮影できるように、調整されてもよい。例えば、カメラ22のシャッターが開いている時間よりもストロボ61が発光している時間のほうが短くなり、且つカメラ22のシャッターが開いている時間内にストロボ61が発光するように、ストロボ61の発光が調整されてもよい。
すなわち、制御装置20によるカメラ22への撮影指令の出力によってカメラ22のシャッターが開いている時間内(カメラ22のシャッターが全開している時間内)にストロボ61が発光するように、ストロボ61の発光が調整されていてもよい。
ストロボ61は、カメラ22がシャッターを開く動作を開始した時刻よりもわずかな時間が経過した時刻であって、カメラ22がシャッターを閉じる動作を開始する前の時刻に、発光するように調整されていてもよい。
一例として、カメラ22が、制御装置20によるカメラ22への撮影指令の出力がされたときに直ちにシャッターを開く動作を開始するように設定されている場合について考える。この場合、制御装置20が、主軸回転角度センサ23の測定結果をトリガーとして、カメラ22のシャッターに撮影指令を出力すると同時にストロボ61に発光すべき旨の指示を出力することも考えられる。ただし、この場合、カメラ22に撮影指令が出力されてからカメラ22のシャッターが開ききるまでには時間差があるため、カメラ22のシャッターが開ききらないうちにストロボ61が発光してしまうことも考えられる。これを回避するために、ストロボ61の発光のタイミングが、カメラ22がシャッターを開く動作を開始するタイミングよりも遅れるように、カメラ22への撮影指令及びストロボ61への発光すべき旨の指示が出力されるタイミングが調整されてもよい。この場合、十分にシャッターが開ききったタイミングでストロボ61を発光させることができる。
特に、カメラ22のシャッターが開ききらないうちにストロボ61が発光しないように、カメラ22への撮影指令及びストロボ61への発光すべき旨の指示が出力されるタイミングが調整されてもよい。また、カメラ22のシャッターが閉じてしまっている状態、もしくは、閉じている途中の状態で、ストロボ61が発光しないように、カメラ22への撮影指令及びストロボ61への発光すべき旨の指示が出力されるタイミングが調整されてもよい。
ストロボ61を使用して(ストロボ61の瞬間的な発光によって)工具12の静止画を撮影する場合には、上述したように、カメラ22のシャッタースピードを比較的遅くしたとしても、工具12を撮影することができる。なお、ストロボ61の発光体としてLEDが採用されている場合においては、LEDの輝度が高く非常に明るいために、撮影環境を特に暗くしなくても、工具12のシルエットが明確に観察できる画像を撮影し得る。
図6に示すように、工具測定装置1は、工具12に対するストロボ61のアライメントを調整するためのアライメント調整装置73を備えてもよい。図6で示すアライメント調整装置73は、Z方向に延びている所定の回転軸線を中心としたストロボ61の回転角度と、Y方向に延びている所定の回転軸線を中心としたストロボ61の回転角度とを調整することによって、ストロボ61を回転位置決めする。また、図示はしないが、工具測定装置1は、工具12に対するカメラ22のアライメントを調整するための、カメラ22用のアライメント調整装置を備えていてもよい。カメラ22用のアライメント調整装置は、Z方向に延びている所定の回転軸線を中心としたカメラ22の回転角度と、Y方向に延びている所定の回転軸線を中心としたカメラ22の回転角度とを調整することによって、カメラ22を回転位置決めしてもよい。
工具測定装置1が、ストロボ61用のアライメント調整装置73及びカメラ22用のアライメント調整装置を備えることによって、ストロボ61が発する平行光79の進行方向とカメラ22のレンズ69の光軸71とをお互いが平行になるように調整することが容易になる。
カメラ22が高速シャッターを備え、且つ照明装置24がストロボ61を有する場合には、数μsecの短い発光時間のストロボ61を用いることによって、工具12が特に高速で回転する場合であっても、回転中の工具12の測定が可能である。ストロボ61に用いられる発光体(発光源)として、たとえばLEDを採用することができる。
本開示の実施形態に係る照明装置24の効果について説明する。本開示の実施形態に係る照明装置24はストロボ61を有し、ストロボ61は、工具12に向けて光を発するように構成されている。このため、カメラ22のシャッターが開いている時間内にストロボ61が発光するようにストロボ61の発光を調整することによって、カメラ22のシャッターの開閉によって画像を撮影する場合に比べて、より短時間で工具12を撮影することができる。これによって、回転している工具12の鮮明な画像を安価にしかも容易に得ることができる。
仮にストロボ61を有しない照明装置24を用いた場合、カメラ22として、短いシャッタースピードで十分に鮮明な画像を連続して撮影できるカメラ22を用いる必要が生じる。このため、非常に高価なカメラ22が必要となり得る。これに対して、ストロボ61は立ち上がり時間が早く且つ短い時間の発光が可能であるため、ストロボ61を有する照明装置24を使用することによって、回転している工具12の鮮明な画像を撮影することができる。
次に、工作機械2の主軸11に設定された工具12を測定する工具測定方法について説明する。特に、図1に示すようにテーブル16にワーク14を載置して、工具12を回転させることによってワーク14を加工しているときに、ワーク14を加工するための工具12の回転を継続したままで工具12を測定する方法について説明する。
工具測定方法は、主軸11の回転角度を検出し、検出した主軸11の回転角度に応じて、主軸11の回転角度が異なる複数の位相において工具12を撮影する撮影工程と、撮影工程で複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離が最大となる第1距離w1、およびこのときの第1位相と、主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離が最大となる第2距離w2、およびこのときの第2位相と、を求め、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する演算工程と、を備える。本開示の実施形態において、工具測定方法は、工具12の少なくとも作動部46がカメラ22と照明装置24の間に位置するように、工具12を移動させる移動工程を更に備える。
工具測定方法においては、まず、移動工程において、工具12の少なくとも作動部46がカメラ22と照明装置24の間に位置するように、工具12を移動させる。移動工程は、例えば工作機械2でワーク14を加工しているときに、制御装置20に設定してある指定した時間が経過することで開始される。移動工程においては、主軸11の回転に伴って回転し、テーブル16に載置されたワーク14を加工している工具12を、回転を維持したままで、工具12の少なくとも作動部46がカメラ22と照明装置24の間に位置するように移動させる。テーブル16のベッド18に対する移動、サドル6のクロスレール8に沿っての移動、主軸ヘッド4のサドル6に対する移動によって、工具12を主軸ヘッド4とともに移動させることができる。
撮影工程においては、主軸11の回転角度を検出し、検出した主軸11の回転角度に応じて、主軸11の回転角度が異なる複数の位相において工具12を撮影する。複数の位相における工具12の撮影は、上述した撮影指令制御部25が主軸11の回転角度が異なる複数の位相においてカメラ22に撮影指令を出力することによって、行われる。一例として、工具12の撮影は、0°以上360°未満の全位相範囲に渡って行われる。主軸11の回転角度の検出は上述した主軸回転角度センサ23によって行われる。
撮影工程について、より具体的に説明する。撮影工程においては、まず、主軸11の回転の位相のうち1つの位相を基準位相と定めて、基準位相において撮影指令制御部25に撮影指令を出力させて、工具12を撮影する。また、主軸回転角度センサ23によって、基準位相にある主軸11の位置を把握する。次に、基準位相から角度θだけずれた位相において、撮影指令制御部25に撮影指令を出力させて、工具12を撮影する。この後、先の画像が撮影された位相から、更に角度θだけずれた位相において撮影指令制御部25に撮影指令を出力させて工具12を撮影する操作を繰り返す。これによって、工具12の撮影を、角度θだけずれた位相毎に、0°以上360°未満の全位相範囲に渡って行うことができる。この場合の角度θは、例えば1°である。角度θが1°のときは、工具12の撮影を、1°だけずれた位相毎に360回繰り返すことによって、工具12の撮影を0°以上360°未満の全位相範囲に渡って行うことができる。角度θは、5°であってもよい。角度θが5°のときは、工具12の撮影を、5°だけずれた位相毎に72回繰り返すことによって、工具12の撮影を0°以上360°未満の全位相範囲に渡って行うことができる。
ここで、撮影工程においては、工具12の異なる回転毎に工具12を撮影する。言い換えると、撮影工程において、工具12が一回転する間には、2回以上の撮影を行わない。例えば、撮影工程において、第nの位相(nは正の整数とする)においてn回目の工具12の撮影を行った後、第nの位相から角度θだけずれた第n+1の位相においてn+1回目の工具12の撮影を行う場合には、以下のように撮影を行う。n+1回目の工具12の撮影を、n回目の工具12の撮影を行ってから工具12が角度θだけ回転したときに行うのではなく、工具12がm回転した上で更に角度θだけ回転したときに行う(mは正の整数、例えば10回転とする)。n+1回目の工具12の撮影は、例えば、n回目の工具12の撮影を行ってから、工具12が10回転した上で更に角度θだけ回転したときに行うことができる。n+1回目の工具12の撮影は、n回目の工具12の撮影を行ってから、工具12が5回転した上で更に角度θだけ回転したときに行ってもよい。
一例として、撮影工程においては、工具12の異なる回転毎に順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り工具12を撮影する。この場合、撮影指令制御部25は、工具12の異なる回転毎に撮影指令を順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り出力する。
なお、工具12の異なる回転毎に順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り工具12を撮影する操作には、基準位相において工具12を撮影した後に、主軸11の回転角度の小さな位相から大きな位相に向かって順に工具12を撮影することが含まれる。また、工具12の異なる回転毎に順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り工具12を撮影する操作には、主軸11の回転角度の大小とは無関係な順序で工具12を撮影することも含まれる。また、工具12の異なる回転毎に撮影指令を順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り出力する撮影指令制御部25には、基準位相において工具12を撮影する撮影指令を出力した後に、主軸11の回転角度の小さな位相から大きな位相に向かって順に撮影指令を出力する撮影指令制御部25が含まれる。また、工具12の異なる回転毎に撮影指令を順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り出力する撮影指令制御部25には、主軸11の回転角度の大小とは無関係な順序で撮影指令を出力する撮影指令制御部25も含まれる。
撮影工程において、工具12の異なる回転毎に工具12を撮影することの効果について説明する。n回目の工具12の撮影を行ってから工具12が角度θだけ回転したときにn+1回目の工具12の撮影を行う場合について考える。この場合、n回目の撮影とn+1回目の撮影とを行うためには、工具12が角度θだけ回転する短時間の間に、n回目の撮影とn+1回目の撮影とを続けて行う必要が生じる。特に、上述したように工具12が高速回転している場合には、工具12が角度θだけ回転する時間は、極めて短時間となってしまう。
これに対して、工具12の異なる回転毎に工具12を撮影するものとし、n回目の工具12の撮影を行ってから工具12がm回転、例えば10回転した上で更に角度θだけ回転したときにn+1回目の工具12の撮影を行うことによって、以下の効果が得られる。すなわち、工具12がm回転、例えば10回転した上で更に角度θだけ回転するまでの間にn回目の撮影とn+1回目の撮影とを行うことで、第nの位相と、第nの位相から角度θだけずれた第n+1の位相とにおいて工具12の画像を撮影できる。このために、mの値を大きくすることによって、高速回転する工具12を撮影する場合であっても、カメラ22のシャッタースピードが追い付かなくなる懸念なく、画像を撮影できる。
本開示の実施形態に係る工具測定方法は、本開示の実施形態に係る工具測定装置1を用いて行われる。そして、工具測定装置1は、主軸11の回転角度を検出する主軸回転角度センサ23と、主軸回転角度センサ23が検出した主軸11の回転角度に応じてカメラ22に撮影指令を出力する撮影指令制御部25を有する制御装置20と、を備える。このために、上述したように、n回目の工具12の撮影を行ってから、工具12がm回転した上で更に角度θだけ回転したときに、n+1回目の工具12の撮影を行うことができる。これによって、工具12が一回転する間に複数回の撮影を行わなくとも、0°以上360°未満の全位相範囲に渡って、角度θずつずれた位相における工具12の画像を撮影できる。
なお、特定の位相における工具12を撮影することが求められた場合に、主軸11が該特定の位相まで回転したときに撮影指令制御部25が撮影指令を出力していると、実際の撮影タイミングが遅れる場合がある。撮影タイミングの遅れは、例えば撮影指令制御部25が撮影指令を出力してからカメラ22が撮影を行うまでのタイムラグ、主軸回転角度センサ23に起因して発生するタイムラグ、又は制御装置20に起因して発生するタイムラグ等のために生じる。撮影タイミングの遅れの影響は、特に主軸11が高速回転している場合に顕著に表れると考えられる。これを防止するために、撮影指令制御部25は、主軸11が該特定の位相まで回転する少し前に撮影指令を出力してもよい。この場合、主軸11が該特定の位相にどの程度近づいたら撮影指令を出力するのかを事前に実験で測定しておいてもよい。また、照明装置24は、上述した撮影タイミングの遅れを考慮して、実際の撮影タイミングにおいて発光するように設定されていてもよい。一例として、撮影指令の出力から照明装置24が発光するまでの時間は、μsec単位で調整できる。
撮影工程で複数の位相の各々において撮影された複数の画像には、例えば図7A及び図7Bに示すような画像が含まれる。図7Aは、図4に示す、作動部46が3つの突部48を含む工具12を、図4の矢印26Aで示した方向から撮影した画像を示す図である。矢印26Aで示した方向は、主軸11の回転軸線L1に垂直な方向である。図7Bは、図4に示す工具12を、図4の矢印26Bで示した方向から撮影した画像を示す図である。矢印26Bで示した方向は、矢印26Aで示した方向とは異なり、且つ主軸11の回転軸線L1に垂直な方向である。なお、図7A及び図7Bにおいては、作動部46が有する複数の突部48の具体的な形状については図示を省略して、作動部46の概形を矩形として示している。
本開示の実施形態においては、図7A及び図7Bに示すように、工具12の作動部46が写るように、画像が撮影されている。図7A及び図7Bに示す例においては、作動部46とともに軸部49が写るように、画像が撮影されている。図7A及び図7Bに示す例においては、工具12のうち作動部46の全体と軸部49の一部とのシルエットの画像が撮影されている。
演算工程においては、撮影工程で複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、作動部ずれ量を演算する。具体的には、主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離が最大となる第1距離w1、およびこのときの第1位相を求める。また、主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離が最大となる第2距離w2、およびこのときの第2位相を求める。そして、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する。本開示の実施形態に係る工具測定方法において、演算工程は、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7と、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7との差である軸部ずれ量w8を演算する、軸部ずれ量演算工程と、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みを求める、歪み演算工程と、を含む。
演算工程は、上述した演算部27によって行われる。すなわち、演算部27は、主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離が最大となる第1距離w1、およびこのときの第1位相を求める。また、主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離が最大となる第2距離w2、およびこのときの第2位相を求める。また、本開示の実施形態に係る演算部27は、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7と、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7との差である軸部ずれ量w8を演算し、更に作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みを求める。
演算工程においては、まず、撮影工程で撮影された複数の画像の各々において、主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離を求める。具体的には、撮影工程で撮影された複数の画像の各々には工具12のシルエットが表れるところ、複数の画像の各々において工具12のうち作動部46のシルエットの輪郭をなす外面46aと、主軸11の回転軸線L1と、の間の距離を求める。特に、複数の画像の各々において、作動部46のシルエットの輪郭をなす外面46aのうち、主軸11の回転軸線L1を境界として一方の側(図7A及び図7Bに示す例においては図の左側)に位置する外面46aと、主軸11の回転軸線L1と、の間の距離を求める。
なお、画像における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離は、例えばデジタル画像の画素数を数えることによって求められる。また、画像における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離を求めるに際して、例えば以下の方法によって、演算部27に主軸11の回転軸線L1の位置を特定させることができる。制御装置20に、カメラ22が撮影する画像における主軸11の回転軸線L1の位置を記憶させておく。そして、記憶された主軸11の回転軸線L1の位置を、演算部27に参照させる。これによって、演算部27に、画像における主軸11の回転軸線L1の位置を特定させることができる。
ここで、撮影された画像において、主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離は、軸線方向d1における異なる位置で比較して、一定ではない場合がある。図7A及び図7Bに示す符号L2を付した二点鎖線は、工具12の中心を通る軸線を示している。工具12の中心を通る軸線を、工具12の中心軸線L2と呼ぶ。工具12が歪みのない理想的な形状を有する場合において、工具12の形状は、中心軸線L2を中心として回転対称となる。図7A及び図7Bに示す例においては、工具12の中心軸線L2が、主軸11の回転軸線L1に対してずれているために、画像における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離が、軸線方向d1における異なる位置で比較して、一定ではない。例えば、図7A及び図7Bの各々において、軸線方向d1の第1の位置L3における作動部46の外面46aと主軸11の回転軸線L1との間の距離w3と、軸線方向d1の第2の位置L4における作動部46の外面46aと主軸11の回転軸線L1との間の距離w4とは、等しくない。また、上述したように突部48が基部45を螺旋状に周回するように設けられているために、撮影された画像における作動部46の外面46aと主軸11の回転軸線L1との間の距離が一定とならないことも考えられる。
この場合、主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離として、軸線方向d1の特定の位置である基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離を求めてもよい。基準位置L5は、例えば、工具12のワーク14に接触し得る位置に定められる。具体的には、基準位置L5は、工具12のワーク14に接触し得る位置のうち、最も主軸11から離れた位置に定められてもよい。本開示の実施形態においては、第1の位置L3を基準位置L5とする。この場合、演算工程において、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離として、図7A及び図7Bに示す画像の距離w3が求められる。
図8は、図4に示す、作動部46が3つの突部48を含む工具12における、画像が撮影される位相の変化と、各位相において撮影される画像の基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離w3の変化との対応を示すグラフである。なお、図8においては、画像が撮影される位相の変化と距離w3との対応を、曲線によって表している。当該曲線は、例えば、グラフ上に画像が撮影された各位相と距離w3との対応を示す複数の点をプロットし、プロットされた複数の点を結ぶことで得られる。また、図8においては、図4の矢印26Bで示した方向から画像が撮影される位相を基準位相、すなわち主軸11の回転角度が0°の位相と定めて、工具12が周回方向d2を第1側s1に向かって回転する場合の、0°以上360°未満の全位相範囲に渡る位相の変化を横軸に示している。図8に示す符号L6を付した破線は、図4の矢印26Aで示した方向から画像が撮影される位相における主軸11の回転角度の位置を示している。また、図8に示すグラフには、作動部46のうち基部45の断面形状には歪みがなく、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれが特に小さい場合の、画像が撮影される位相の変化と距離w3の変化との対応が示されている。
図8に示す例において、距離w3は、画像が撮影される位相の変化に応じて、複数の極大値93を示すように変化している。図8に示す位相範囲には、距離w3の複数回の山型の変化が表れている。
距離w3は、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化に応じて、作動部46に含まれる突部48の数だけ山型の変化が表れるように変化する。また、距離w3は、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化に応じて、作動部46に含まれる突部48の数の極大値93が表れるように変化する。図4に示す工具12の作動部46には3つの突部48が含まれる。このため、図8に示すグラフには、3つの山型の変化が表れている。また、距離w3は、極大値93a、極大値93b、極大値93cの3つの極大値93が表れるように変化している。
図8に示すような、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化と距離w3との対応を示すグラフから、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離が最大となる第1距離w1、およびこのときの第1位相を求めることができる。また、図8に示すようなグラフから、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離が最大となる第2距離w2、およびこのときの第2位相を求めることができる。以下、第1距離w1、第1位相、第2距離w2及び第2位相を求める方法の一例として、図8に示すグラフから第1距離w1、第1位相、第2距離w2及び第2位相を求める方法について説明する。
まず、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化と、距離w3と、の対応を示すグラフに表れる複数の極大値93を特定する。特定された複数の極大値93の各々は、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と複数の突部48の各々の外面48aとの間の最大の距離に相当する。
本開示の実施形態においては、上述したように、図4に示す基準位置L5における工具12の断面図において、複数の突部48のうち、突部48の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の最大の距離が最も大きくなる突部48を、第1突部481とする。また、複数の突部48のうち、突部48の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の最大の距離が最も小さくなる突部48を、第2突部482とする。このため、特定された極大値93のうち最も大きな極大値93aは、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と第1突部481の外面48aとの間の距離が最大となる第1距離w1に相当する。また、特定された極大値93のうち最も小さな極大値93bは、基準位置L5における主軸11の回転軸線L1と第2突部482の外面48aとの間の距離が最大となる第2距離w2に相当する。このため、特定された極大値93から最も大きな極大値93aを特定することによって、第1距離w1を求めることができる。また、特定された極大値93から最も小さな極大値93bを特定することによって、第2距離w2を求めることができる。なお、図8に示す極大値93cは、図4に示す第3突部483の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の最大の距離に相当する。
第1位相は、図7A及び図7Bに示すような撮影工程で撮影された複数の画像のうち、距離w3が第1距離w1となる画像が撮影された位相である。第1位相は、図8に示すような画像が撮影される位相の変化と距離w3との対応を示すグラフの、距離w3が最も大きな極大値93aをとるときの位相として求められる。図8に示す例において、第1位相は、主軸11の回転角度が符号L6に位置を示す回転角度となる位相である。第2位相は、図7A及び図7Bに示すような撮影工程で撮影された複数の画像のうち、距離w3が第2距離w2となる画像が撮影された位相である。第2位相は、図8に示すような画像が撮影される位相の変化と距離w3との対応を示すグラフの、距離w3が最も小さな極大値93bをとるときの位相として求められる。図8に示す例において、第2位相は、主軸11の回転角度が符号L7を付した破線によって位置を示す回転角度となる位相である。
第1距離w1、第1位相、第2距離w2及び第2位相を求めた後に、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する、図8に示す作動部ずれ量w6を演算する。作動部ずれ量w6は、第1距離w1から第2距離w2を引くことによって求められる。
なお、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、第1距離w1、第1位相、第2距離w2及び第2位相を求め、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する演算工程は、上述した例に限られない。本開示の実施形態に係る演算部27には、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、実質的に第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する演算工程が含まれる。
また、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、第1距離w1、第1位相、第2距離w2及び第2位相を求め、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する演算部27は、上述した例に限られない。本開示の実施形態に係る演算部27には、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、実質的に第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する演算部27が含まれる。
例えば、演算工程においては、以下の方法によって作動部ずれ量w6を演算してもよい。まず、第1位相において撮影された画像と第2位相において撮影された画像とを、主軸11の回転軸線L1及び基準位置L5が重なるように重ねる。そして、第1位相において撮影された画像に表れている第1突部481の外面48aと、第2位相において撮影された画像に表れている第2突部482の外面48aと、の距離を求め、作動部ずれ量w6とする。この方法によっても、実質的に第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算できる。上述した方法は、演算部27によって行うことができる。
演算により作動部ずれ量w6を求めることの効果について説明する。作動部ずれ量w6が大きいほど、工具12を用いてワーク14を加工する際に、作動部46の複数の突部48の各々のワーク14への接触が不均等になる。このため、作動部ずれ量w6が大きいほど、工具12による加工の精度が低下すると考えられる。演算により作動部ずれ量w6を求めることによって、求められた作動部ずれ量w6に基づいて、作動部46の複数の突部48の各々のワーク14への接触の不均等さの度合いを把握できる。更に、作動部ずれ量w6を、工具12の交換や主軸11に対して工具12が設定される位置の調整を行う指標とすることによって、工具12による加工の精度を確保できる。
また、上述したように、本開示の実施形態に係る演算工程は、軸部ずれ量演算工程と、歪み演算工程と、を含む。
軸部ずれ量演算工程においては、撮影工程で撮影された複数の画像に基づいて、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7と、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7との差である軸部ずれ量w8を演算する。
軸部ずれ量演算工程の一例について説明する。軸部ずれ量演算工程においては、まず、撮影工程で撮影された複数の画像の各々において、主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離を求める。具体的には、撮影工程で撮影された複数の画像の各々には工具12のシルエットが表れるところ、複数の画像の各々において工具12のうち軸部49のシルエットの輪郭をなす外面49aと、主軸11の回転軸線L1と、の間の距離を求める。特に、複数の画像の各々において、軸部49のシルエットの輪郭をなす外面49aのうち、主軸11の回転軸線L1を境界として一方の側(図7A及び図7Bに示す例においては図の左側)に位置する外面49aと、主軸11の回転軸線L1と、の間の距離を求める。撮影された画像における主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離を求める方法の詳細は、上述した、演算工程において画像における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離を求める方法の詳細と同様である。
ここで、撮影された画像において、主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離は、軸線方向d1における異なる位置で比較して、一定ではない場合がある。図7A及び図7Bに示す例においては、工具12の中心軸線L2が、主軸11の回転軸線L1に対してずれているために、画像における主軸11の回転軸線L1と作動部46の外面46aとの間の距離が、軸線方向d1における異なる位置で比較して、一定ではない。
この場合、主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離として、軸線方向d1の特定の位置である軸部基準位置L8における主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離を求めてもよい。軸部基準位置L8は、例えば図7A及び図7Bに示すように、軸部49と作動部46との境界の位置に定められる。この場合、軸部ずれ量演算工程において、軸部基準位置L8における主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離として、図7A及び図7Bに示す画像の距離w7が求められる。なお、後述するように、工作機械2の主軸11以外の部分に対する主軸11の回転軸線L1の位置が、正規の位置からずれていることが想定される場合には、以下のように距離w7を定めてもよい。距離w7を、正規の位置にある仮想の主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離としてもよい。
図9は、図4に示す工具12における、画像が撮影される位相の変化と、各位相において撮影される画像の軸部基準位置L8における主軸11の回転軸線L1と軸部49の外面49aとの間の距離w7の変化との対応を示すグラフである。なお、図9においては、画像が撮影される位相の変化と距離w7との対応を、曲線によって表している。当該曲線は、例えば、グラフ上に画像が撮影された各位相と距離w7との対応を示す複数の点をプロットし、プロットされた複数の点を結ぶことで得られる。また、図9においては、図4の矢印26Bで示した方向から画像が撮影される位相を基準位相、すなわち主軸11の回転角度が0°の位相と定めて、工具12が図4に示す周回方向d2を第1側s1に向かって回転する場合の、0°以上360°未満の全位相範囲に渡る位相の変化を横軸に示している。図9に示す符号L9を付した破線は、図4の矢印26Aで示した方向から画像が撮影される位相における主軸11の回転角度の位置を示している。図9に示す例において、第1位相は、主軸11の回転角度が符号L9に位置を示す回転角度となる位相である。また、図9に示す例において、第2位相は、主軸11の回転角度が符号L10を付した破線によって位置を示す回転角度となる位相である。また、図9に示すグラフには、軸部49の断面形状には歪みがない場合の、画像が撮影される位相の変化と距離w7の変化との対応が示されている。
図9に示す例において、距離w7は、画像が撮影される位相の変化に応じて、正弦曲線と同様の形状の波形を描くように変化している。図9に示す例において、距離w7は、最大値94と、最小値95とが表れるように変化している。
一例として、図9に示すような、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化と距離w7との対応を示すグラフから、軸部基準位置L8における、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7と、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7との差である軸部ずれ量w8を演算することができる。以下、軸部ずれ量w8を求める方法の一例として、図9に示すグラフから軸部ずれ量w8を求める方法について説明する。
まず、画像が撮影される位相の0°以上360°未満の全位相範囲に渡る変化と、距離w7と、の対応を示すグラフから、軸部基準位置L8における、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7を特定する。また、軸部基準位置L8における、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7を特定する。そして、特定された第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7から、特定された第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7を引く。これによって、軸部基準位置L8における、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7と、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7との差である軸部ずれ量w8を演算できる。なお、第1位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7のほうが、第2位相における軸部49の外面49aから主軸11の回転軸線L1までの距離w7よりも大きい場合には、距離w7は負の値となる。
歪み演算工程においては、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みを求める。すなわち、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みの度合いを評価する。具体的には、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みの度合いを表す歪み度αを計算して、歪み度αの大きさに基づいて、作動部46の歪みの度合いを評価する。なお、軸部ずれ量w7が負の値である場合には、歪み度αは、作動部ずれ量w6に軸部ずれ量w8の絶対値を足した値となる。
作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて作動部46の歪みを求めることの効果について説明する。上述したように、作動部ずれ量w6に基づいて、作動部46の複数の突部48の各々のワーク14への接触の不均等さの度合いを把握できる。しかしながら、作動部ずれ量w6の大きさは、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれと、複数の突部48の各々の大きさが異なる等の作動部46の歪みとの、両方の影響によって決まる。また、工作機械2の主軸11以外の部分に対する主軸11の回転軸線L1の位置が正規の位置からずれていることが想定される場合には、主軸11の回転軸線L1の位置の正規の位置からのずれも、作動部ずれ量w6の大きさに影響する。そして、作動部ずれ量w6を求めるだけでは、作動部ずれ量w6が、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれや主軸11の回転軸線L1の位置の正規の位置からのずれが大きいために大きくなっているのか、作動部46の歪みが大きいために大きくなっているのかは把握できない。
これに対して、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて作動部46の歪みを求めることによって、作動部ずれ量w6に対する作動部46の歪みの影響の大きさを把握できる。例えば、求められた作動部ずれ量w6が大きい場合に、作動部46の歪み度αが大きければ、作動部46の歪みが大きいために作動部ずれ量w6が大きくなっていると判断できる。また、求められた作動部ずれ量w6が大きい場合に、作動部46の歪み度αが小さければ、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれや主軸11の回転軸線L1の位置の正規の位置からのずれが大きいために作動部ずれ量w6が大きくなっていると判断できる。
なお、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて作動部46の歪みを求めることには、軸部ずれ量w8に基づいて軸部ずれ量w8の補正値を計算し、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8の補正値との差に基づいて作動部46の歪みを求めることも含まれる。
軸部ずれ量w8の補正値を計算する方法の一例について説明する。図7A及び図7Bに示すように、主軸11の回転軸線L1に対して工具12の中心軸線L2が傾いていることが考えられる。この場合、工具12の中心軸線L2の傾きによる影響は、基準位置L5において求められる作動部ずれ量w6よりも、基準位置L5よりも主軸11側に位置する軸部基準位置L8において求められる軸部ずれ量w8において、大きくなると考えられる。このような場合、以下のようにして軸部ずれ量w8の補正値を計算してもよい。工具12の主軸11側の端部から基準位置L5までの距離をw9とする。また、工具12の主軸11側の端部から軸部基準位置L8までの距離をw10とする。このときに、軸部ずれ量w8に(w9/w10)を乗じて軸部ずれ量w8の補正値を算出し、この軸部ずれ量w8と作動部ずれ量w6との差に基づいて作動部46の歪みを求めてもよい。言い換えると、作動部46の歪みの度合いを表す歪み度αを、以下の式(1)によって求めてもよい。
Figure 2023061684000002
演算工程の後に、演算工程の結果に基づいて、工作機械2及び工具12を調整してもよい。工作機械2及び工具12の調整は、例えば作動部ずれ量w6、軸部ずれ量w8又は歪み度αが小さくなるように行う。
工作機械2及び工具12の調整は、例えば以下のように行う。作動部ずれ量w6、軸部ずれ量w8及び歪み度αについて、許容できる最大の数値である基準値を定めておく。基準値は、例えば工作機械2及び工具12を用いた加工に求められる精度に応じて定められる。演算工程において求められた作動部ずれ量w6、軸部ずれ量w8及び歪み度αのいずれかが基準値を超えた場合には、当該数値が基準値以下となるように工作機械2及び工具12を調整する。演算工程において求められた作動部ずれ量w6、軸部ずれ量w8及び歪み度αのいずれもが基準値以下であった場合には、工作機械2及び工具12の調整を行わない。工作機械2及び工具12の調整としては、工具12の交換や、主軸11に対する工具12の位置の調整を行うことができる。
特に、作動部ずれ量w6が基準値を超え、且つ歪み度αが基準値を超えた場合には、摩耗などによって作動部46の歪みが大きくなっていると判断してもよい。この場合には、工具12の交換を行ってもよい。また、作動部ずれ量w6が基準値を超え、且つ歪み度αが基準値以下であった場合には、作動部46の歪みは許容できる程度に小さいが、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれが大きいために作動部ずれ量w6が大きくなっていると判断してもよい。この場合には、主軸11の回転軸線L1に対する工具12の中心軸線L2のずれが小さくなるように、主軸11に対して工具12が設定される位置を調整してもよい。
なお、工具測定装置1は、演算部27によって求められた作動部ずれ量w6、軸部ずれ量w8又は歪み度αが基準値を超えていた場合には、アラームを発して使用者に工作機械2及び工具12の調整を促してもよい。
演算工程の結果に基づいて、工作機械2及び工具12を調整するか、又は工作機械2及び工具12の調整は不要と判断した後に、工作機械2及び工具12を用いたワーク14の加工を再開してもよい。工作機械2を用いて工具12を図5に示す位置から3次元で移動させることによって、工具12をワーク14に接触させて、ワーク14の加工を再開することができる。
本開示の実施形態に係る工具測定装置1及び工具測定方法の作用効果について説明する。本開示の実施形態に係る工具測定装置1において、演算部27は、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて第1距離w1および第2距離w2を求め、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する。また、本開示の実施形態に係る工具測定方法は、複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて第1距離w1および第2距離w2を求め、第1距離w1と第2距離w2との差に相当する作動部ずれ量w6を演算する、演算工程を備える。これによって、複数の突部48を比較した場合の、突部48の各々の外面48aと主軸11の回転軸線L1との間の距離のずれの最大値に相当する、作動部ずれ量w6を求めることができる。このため、作動部ずれ量w6を、工具12の交換や主軸11に対して工具12が設定される位置の調整を行う指標とすることによって、工具12による加工の精度を確保できる。
特に、本開示の実施形態に係る工具測定装置1及び工具測定方法によれば、回転中の工具の作動部ずれ量w6を演算することができる。このため、回転中に工具12に生じる遠心力や熱等の影響を受けた状態で、作動部ずれ量w6を演算できる。
また、本開示の実施形態に係る工具測定装置1によれば、撮影指令制御部25が、工具12の異なる回転毎に撮影指令を出力する。また、本開示の実施形態に係る工具測定方法によれば、撮影工程において、工具12の異なる回転毎に工具12を撮影する。これによって、高速回転する工具12を撮影する場合であっても、カメラ22のシャッタースピードが追い付かなくなる懸念なく、画像を撮影できる。
また、本開示の実施形態に係る工具測定装置1によれば、演算部27が、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて、作動部46の歪みを求める。また、本開示の実施形態に係る工具測定方法によれば、演算工程が、作動部ずれ量w6と軸部ずれ量w8との差に基づいて作動部46の歪みを求める、歪み演算工程を含む。これによって、作動部ずれ量w6に対する作動部46の歪みの影響の大きさを把握できる。
以上の通り、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
(変形例)
変形例に係る工具測定装置1は、上述した実施形態に係る工具測定装置1と同様にして、工作機械2の主軸11に設定された工具12の形状を測定する装置であり、カメラ22と主軸回転角度センサ23と制御装置20とを備えている。
図10Aは、変形例に係る工作機械2の主軸ヘッド4を示す概略断面図である。図10Aには、工作機械2の主軸ヘッド4とともに、主軸11の回転角度を検出する主軸回転角度センサ23が示されている。変形例に係る工具測定装置1において、主軸回転角度センサ23は、主軸11(主軸11に設置されている工具12)の回転角度を検出するものである。また、主軸回転角度センサ23は、主軸11が回転しているときに連続パルス信号(図10Cを参照)を出力するとともに、主軸11が一回転する毎に一周期のパルス信号を発するように構成されている。なお、主軸11が一定速度で回転していることで、連続パルス信号の周期は一定値になっている。
主軸回転角度センサ23について、図10A及び図10Bを参照してさらに詳しく説明する。図10Bは、変形例に係る工作機械の主軸回転角度センサ23を、図10Aに示す方向VBから見た様子を示す図である。主軸回転角度センサ23は、たとえば、反射式の光電センサ43とマーク47とを備えて構成されている。
光電センサ43は主軸11に一体的に設けられている。マーク47は、主軸11にたとえばこの半周にわたって一体的に設けられている(図10Bの破線を付した部位を参照)。そして、主軸11が回転すると、光電センサ43がマーク47を検出している状態と検出していない状態とを繰り返し、光電センサ43が図10Cで示すような連続パルス信号を発するようになっている。光電センサ43は筐体31に一体的に設けられていてもよい。
すでに理解されるように、主軸回転角度センサ23による主軸11の回転角度の分解能は、極めて大きく180°になっている。
主軸回転角度センサ23は、主軸11の回転数(回転角速度)も検出するように構成されている。主軸回転角度センサ23は、上述したように、一定の回転数で回転している主軸11によってたとえば図10Cで示すような矩形波状の連続パルス信号を発するように構成されている。
制御装置20が、主軸回転角度センサ23が発した連続パルス信号を受信し、所定の時間あたりの、オン・オフされる連続パルス信号の時間間隔(連続パルス信号の周期)を測定することで、主軸11の回転数を検出することができる。また、制御装置20の代わりに主軸回転角度センサ23がオン・オフされる連続パルス信号の時間間隔を測定することで、主軸回転角度センサ23によって主軸11の回転数が検出されてもよい。
変形例に係る主軸回転角度センサ23によれば、以下の方法によって、0°以上360°未満の全位相範囲に渡って、角度θずつずれた位相における工具12の画像を撮影できる。まず、制御装置20または主軸回転角度センサ23によって検出された回転数から、主軸11が一回転する時間、及び主軸11が角度θだけ回転する時間を算出する。次に主軸11の回転の位相のうち1つの位相を基準位相と定めて、基準位相において撮影指令制御部25に撮影指令を出力させて、工具12を撮影する。次に、主軸11がm回転(mは正の整数、例えば10回転とする)した上で更に角度θだけ回転する時間を空けて、撮影指令制御部25に撮影指令を出力させる。これによって、基準位相から角度θだけずれた位相において工具12の撮影を行うことができる。更に、同様の方法によって、第nの位相(nは正の整数とする)においてn回目の工具12の撮影を行った後、第nの位相から角度θだけずれた第n+1の位相においてn+1回目の工具12の撮影を行う操作を繰り返す。これによって、0°以上360°未満の全位相範囲に渡って、角度θずつずれた位相における工具12の画像を撮影できる。
上記実施形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組み合わせることも可能である。あるいは、上記実施形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 工具測定装置
2 工作機械
11 主軸
12 工具
20 制御装置
22 カメラ
23 主軸回転角度センサ
24 照明装置
25 撮影指令制御部
27 演算部
46 作動部
48 突部
481 第1突部
482 第2突部
49 軸部

Claims (8)

  1. 工作機械の主軸に設定された工具を測定する工具測定装置であって、
    前記工具を撮影するカメラと、
    前記主軸の回転角度を検出する主軸回転角度センサと、
    制御装置と、を備え、
    前記工具は、少なくとも第1突部と第2突部との2つの突部を含む作動部を有し、
    前記制御装置は、前記主軸回転角度センサが検出した前記主軸の回転角度に応じて前記カメラに撮影指令を出力する撮影指令制御部と、前記カメラが撮影した画像に基づき演算を行う演算部と、を有し、
    前記撮影指令制御部は、前記主軸の回転角度が異なる複数の位相において、前記カメラに撮影指令を出力し、
    前記演算部は、前記複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、前記主軸の回転軸線と前記第1突部の外面との間の距離が最大となる第1距離、およびこのときの第1位相と、前記主軸の回転軸線と前記第2突部の外面との間の距離が最大となる第2距離、およびこのときの第2位相と、を求め、前記第1距離と前記第2距離との差に相当する作動部ずれ量を演算する、工具測定装置。
  2. 前記撮影指令制御部は、前記工具の異なる回転毎に前記撮影指令を順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り出力する、請求項1に記載の工具測定装置。
  3. 前記作動部は、2つ以上の前記突部を含み、このうち、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も大きくなる突部を前記第1突部とし、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も小さくなる突部を前記第2突部とする、請求項1又は2に記載の工具測定装置。
  4. 前記工具は、前記作動部から、前記主軸の回転軸線方向に延び、一端において前記主軸に固定され、他端において前記作動部と接続する、円柱状の軸部を有し、
    前記演算部は、前記第1位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離と、前記第2位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離との差である軸部ずれ量を演算し、更に前記作動部ずれ量と前記軸部ずれ量との差に基づいて、前記作動部の歪みを求める、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の工具測定装置。
  5. 工作機械の主軸に設定された工具を測定する工具測定方法であって、
    前記工具は、少なくとも第1突部と第2突部との2つの突部を含む作動部を有し、
    前記主軸の回転角度を検出し、検出した前記主軸の回転角度に応じて、前記主軸の回転角度が異なる複数の位相において前記工具を撮影する撮影工程と、
    前記撮影工程で前記複数の位相の各々において撮影された複数の画像に基づいて、前記主軸の回転軸線と前記第1突部の外面との間の距離が最大となる第1距離、およびこのときの第1位相と、前記主軸の回転軸線と前記第2突部の外面との間の距離が最大となる第2距離、およびこのときの第2位相と、を求め、前記第1距離と前記第2距離との差に相当する作動部ずれ量を演算する演算工程と、を備える、工具測定方法。
  6. 前記撮影工程において、前記工具の異なる回転毎に順次0°以上360°未満の全位相範囲に渡り前記工具を撮影する、請求項5に記載の工具測定方法。
  7. 前記作動部は、2つ以上の前記突部を含み、このうち、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も大きくなる突部を前記第1突部とし、前記突部の外面と前記主軸の回転軸線との間の最大の距離が最も小さくなる突部を前記第2突部とする、請求項5又は6に記載の工具測定方法。
  8. 前記工具は、前記作動部から、前記主軸の回転軸線方向に延び、一端において前記主軸に固定され、他端において前記作動部と接続する、円柱状の軸部を有し、
    前記演算工程は、前記第1位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離と、前記第2位相における前記軸部の外面から前記主軸の回転軸線までの距離との差である軸部ずれ量を演算する、軸部ずれ量演算工程と、前記作動部ずれ量と前記軸部ずれ量との差に基づいて、前記作動部の歪みを求める、歪み演算工程と、を含む、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の工具測定方法。
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