JP2023061466A - メタノール合成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】純度の高いメタノールを回収することが可能なメタノール合成装置を提供する。【解決手段】本発明のメタノール合成装置1は、水素供給部11と、二酸化炭素供給部12と、水素と二酸化炭素とを化学反応させる触媒31を具備しメタノールを生成するメタノール生成部30と、メタノール生成部から供給された流体を気相と液相とに分離する気液分離部40と、液相に含まれる流体を加熱して気体となった水を分離する水分離部50と、メタノール合成装置1の各部の動作制御を行うECU90を有する。水分離部50は、気液分離部40の下流側における、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部をさらに有する。【選択図】図1
Description
本発明は、水素及び二酸化炭素よりメタノールを合成するメタノール合成装置に関する。
地球環境上の悪影響を軽減するために、自動車の排気ガス規制が一段と進んでいる。この一環として、二酸化炭素を有効利用する取り組みがなされている。従来、水素と二酸化炭素を混合し、触媒を有するリアクタ(反応筒)を通過させることで、燃料を合成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、水蒸気分離膜で仕切られた反応器の中に合成触媒を具備し、原料ガスを反応器に流入させると、水を分離しつつ燃料(メタノール)を回収することができる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術において、メタノール合成反応が発熱反応であるため、反応器内の触媒の温度が高温化するおそれがある。また、二酸化炭素(CO2)や水素(H2)の流量比が十分に制御できないおそれがある。これらの場合、メタノール(CH3OH)と水(H2O)との比率で水の比率が相対的に高くなると、水蒸気分離膜で十分な分離が行われない。これにより、精製したメタノールの純度が低下し、純度の高いメタノールを回収することが困難であるという問題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、純度の高いメタノールを回収することが可能なメタノール合成装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、水素及び二酸化炭素よりメタノールを合成するメタノール合成装置(1)であって、前記水素を供給する水素供給部(11)と、前記二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部(12)と、前記水素供給部から供給された前記水素と前記二酸化炭素供給部から供給された前記二酸化炭素とを化学反応させる触媒(31)を具備し、メタノールを生成するメタノール生成部(30)と、前記メタノール生成部から供給された流体を気相と液相とに分離する気液分離部(40)と、前記液相に含まれる流体を加熱して気体となったメタノール及び水から分離膜(51a)を用いて水を分離する水分離部(50)と、前記メタノール合成装置の各部の動作制御を行う制御部(ECU90)を有し、前記水分離部は、前記気液分離部の下流側における、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部(負圧ポンプ53、加圧ポンプ54)をさらに有することを特徴とする。
このように、水分離部が、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部を有する。これにより、メタノールに対する水の濃度が高くなると、水分離促進部による水分離促進動作が行われることで、水分離部での水分離が促進される。よって、純度の高いメタノールを回収することが可能なメタノール合成装置を提供することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のメタノール合成装置であって、前記制御部は、前記メタノールの前記水に対するモル比が1.0以上になった場合に、前記水分離促進部における水分離促進動作を停止することを特徴とする。
メタノールの水に対するモル比が1.0程度になった場合には、水分離促進動作を行わなくともよい状態と考えられる。このような場合に、制御部が水分離促進動作を停止することで、水分離促進動作にかかるエネルギーを節約することができ、メタノール合成装置全体において必要なエネルギー効率の改善を図ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のメタノール合成装置であって、前記制御部は、前記メタノールの前記水に対するモル比が0.8以下になった場合に、前記水分離促進部における水分離促進動作を開始することを特徴とする。
メタノールの水に対するモル比が0.8程度に少なくなった場合には、水分離促進動作を行う必要がある状態と考えられる。このような場合に、制御部が水分離促進動作を開始することで、メタノールの収率を高めることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメタノール合成装置であって、前記水分離促進部は、前記分離膜の下流側に配置される負圧ポンプ(53)であることを特徴とする。
このように、水分離促進部として分離膜の下流側に負圧ポンプを配置し、負圧ポンプを作動させることで、分離膜を通過する水を増加させることができる。これにより、分離膜による水分離を促進させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメタノール合成装置であって、前記水分離促進部は、前記分離膜の上流側に配置される加圧ポンプ(54)であることを特徴とする。
このように、水分離促進部として分離膜の上流側に加圧ポンプを配置し、加圧ポンプを作動させることで、分離膜を通過する水を増加させることができる。これにより、分離膜による水分離を促進させることができる。
[第一実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態のメタノール合成装置1を詳細に説明する。なお、下記の説明において、上流側や下流側という用語は、説明対象となる各部に流れる流体の流れる方向における上流側と下流側を表す。
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態のメタノール合成装置1を詳細に説明する。なお、下記の説明において、上流側や下流側という用語は、説明対象となる各部に流れる流体の流れる方向における上流側と下流側を表す。
図1は、第一実施形態のメタノール合成装置1の全体構造を示す図である。メタノール合成装置1は、水素供給部11、二酸化炭素供給部12、メタノール生成部30、気液分離部40、水分離部50、及び燃料タンク60を有する。メタノール合成装置1の各部は、ECU90(Electronic Control Unit)によって制御される。このような構成により、メタノール合成装置1は、水素(H2)及び二酸化炭素(CO2)より燃料としてのメタノールを合成する。次に、各部を詳細に説明する。
水素供給部11は、水素(H2)を貯蔵するタンクと、タンク内の水素の流量を調整する流量調整弁(不図示)とから構成される。水素供給部11は、その下流側に水素配管1aを有する。これにより、水素供給部11のタンクに貯蔵された水素は、その流量が調整されながら、水素配管1aを介して後述の反応筒上流側配管1cに供給される。なお、本実施形態の水素供給部11のタンク内に貯蔵される水素は、水電解により得られたものであるが、これに限るものではなく、その他の方法によって得られた水素であってもよい。
二酸化炭素供給部12は、二酸化炭素(CO2)を貯蔵するタンクと、タンク内の二酸化炭素の流量を調整する流量調整弁(不図示)とから構成される。二酸化炭素供給部12は、その下流側に二酸化炭素配管1bを有する。これにより、二酸化炭素供給部12のタンクに貯蔵された二酸化炭素は、その流量が調整されながら、二酸化炭素配管1bを介して後述の反応筒上流側配管1cに供給される。なお、二酸化炭素タンク20は、自動車等の車両における内燃機関から排出された排気中のCO2を吸着剤にて吸着したものであってもよい。この場合、必要に応じてCO2を脱離させれば、二酸化炭素タンクとして用いることができる。
メタノール生成部30は、触媒31を具備し、反応筒上流側配管1cから供給される水素と二酸化炭素とを反応筒30a内において所定比で化学反応させることにより、二酸化炭素を還元するとともにメタノール(CH3OH)を合成する。反応筒30aには、触媒31が配置され、反応筒上流側配管1cからの流体が導入される筒である。反応筒30aの上流側には、反応筒上流側配管1cが接続され、反応筒30aの下流側には、反応筒下流側配管1dが接続される。反応筒上流側配管1cには、反応筒30aへ供給される流体を圧縮する圧縮機21と、反応筒30aへ供給される流体を昇温する加熱器22とが配置される。なお、メタノール生成部30や反応筒30aの構成や圧縮機21及び加熱器22の反応筒上流側配管1cにおける並びは、図1のものに限られるものではない。
メタノール生成部30におけるメタノール合成の過程は、周知の技術を用いて行うことができる。例えば、二酸化炭素と水素の比が所定比になるように、反応筒上流側配管1cから反応筒30a内に原料ガスを噴射し、同時に圧縮機21や加熱器22によって反応筒30a内のガスを昇温、圧縮する。これにより、反応筒30a内では二酸化炭素還元触媒の作用下で、二酸化炭素の水素化反応(下記式(1)参照)が進行し、メタノールが生成される。また同時に、この二酸化炭素還元触媒の作用により、逆水性ガスシフト反応(下記式(2)参照)、及び一酸化炭素の水素化反応(下記式(3)参照)も進行し、メタノールを含む合成ガスが生成される。
CO2+3H2→CH3OH+H2O …(1)
CO2+H2→CO+H2O …(2)
CO+2H2→CH3OH …(3)
CO2+3H2→CH3OH+H2O …(1)
CO2+H2→CO+H2O …(2)
CO+2H2→CH3OH …(3)
触媒31は、二酸化炭素還元触媒であり、二酸化炭素及び水素の存在下において二酸化炭素を還元するとともにメタノールを生成する二酸化炭素の水素化反応を促進する。二酸化炭素還元触媒としては、例えば、アルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2)等の酸化物からなる担体に、銅(Cu)や亜鉛(Zn)等の遷移金属からなる触媒金属が担持された銅-亜鉛酸化物系触媒等の既知のものが用いられる。しかしながら、二酸化炭素還元触媒は本実施形態のものに限られない。
気液分離部40は、メタノール生成部30から反応筒下流側配管1dを介して供給される合成ガスからメタノール(CH3OH)と水(H2O)を含む液相を回収し、これを、液相側配管1eに供給する。より具体的には、気液分離部40は、メタノール生成部30から排出される合成ガスを熱交換によって凝縮することにより、メタノールを主成分とする液相と、副生成物の一酸化炭素(CO)、未反応の二酸化炭素及び窒素(N2)を含む気相とに分離する。ここで、未反応の気相には、未回収となったメタノールや水も含まれ、気相側配管1gに導かれる。気液分離部40にて気相として分離された、未反応及び未回収となった気体は、気相側配管1gを介してメタノール生成部30の上流側に導かれることとしてもよい。一方、気液分離部40にて液相として分離されたメタノールは、上述のように、液相側配管1e内で加熱されつつ水分離部50に導かれる。
水分離部50は、液相側配管1eに導かれたメタノールと水を含む流体から水を分離する。なお、液相側配管1eに導かれた流体は、液相側配管1e内で加熱器55で加熱されて気体となっている。このため、分離膜51aは、気体状態の水(水蒸気)を分離することとなる。水が分離されメタノールを主成分とする流体は、燃料配管1fを介して燃料タンク60に導かれる。本実施形態の水分離部50は、その内部に分離膜51aが配置される反応器51と、濃度センサ52と、負圧ポンプ53と、加熱器55とを有する。次に、水分離部50の各部の構成を詳細に説明する。
反応器51は、分離膜51aを有する。反応器51において水を分離された燃料は、反応器51の下流側で且つ燃料が流れる側に接続された燃料配管1fに導かれる。一方、反応器51において分離された水(水蒸気)は、反応器51の下流側で且つ水蒸気が流れる側に接続された水蒸気配管1hに導かれる。
分離膜51aは、液相側配管1eに導かれた気体状態の流体から、メタノールを透さず、水を透す水蒸気分離膜である。分離膜51aは、反応器51の上流側に接続される液相側配管1eに導かれた流体から水を分離する。
濃度センサ52は、本実施形態では、メタノールの水に対する物質量の比(モル比:CH3OH/H2O)を検知するセンサである。濃度センサ52は、反応器51の上流側にある液相側配管1eに配置される。濃度センサ52の検知結果は、ECU90に送信される。なお、本実施形態の濃度センサ52は、メタノールの水に対するモル比を検知するとしたが、これに限るものではない。すなわち、水分離に係るメタノールの何らかの濃度が分かればよく、メタノールと水を含むその他の組み合わせの比率から、メタノールの濃度を検知するものとしてもよい。また、本実施形態において、濃度センサ52は、メタノール濃度をFTIR計を用いて検知し、水濃度をH2O湿度計を用いて検知し、両濃度を用いて物質量の比を算出する。FTIRは、Fourier Transform Infrared Spectroscopyの略である。しかしながら、濃度検知の方法は、これに限るものではない。また、濃度センサ52が直接的に物質量の比を算出する構成でなくともよく、メタノールの濃度と水の濃度を検知するのみで、ECU90が物質量の比を算出する構成であってもよい。
負圧ポンプ53は、反応器51の下流側で且つ水(水蒸気)が流れる側に接続された水蒸気配管1hに配置される。負圧ポンプ53の作動の開始や停止は、濃度センサ52の検知結果に基づいてECU90により制御される。
加熱器55は、反応器51の上流側に接続された液相側配管1eに配置される。加熱器55は、液相側配管1e内の液体を気化させる。これにより、水濃度をH2O湿度計を用いて検知可能な状態とする。本実施形態では、加熱器55は、液相側配管1eにおいて、濃度センサ52より下流側に配置される。
燃料タンク60は、水分離部50にて分離され且つ燃料配管1fを介して供給されたメタノールを貯蔵するタンクである。
ECU90は、不図示のCPUやRAM及びROMを具備したコンピュータで構成され、メタノール合成装置1の各部を制御する制御部として機能する。具体的には、メタノール合成装置1の各部の流量や温度や圧力の動作制御を行う。本実施形態では、特に、水分離部50における制御で且つ水分離促進動作の制御を中心に説明する。本実施形態における水分離促進動作の開始は、負圧ポンプ53を作動させることであり、水分離促進動作の停止は、負圧ポンプ53の作動を停止させることである。
以上の構成に基づく、本実施形態において水分離促進動作に関する具体的な制御を説明する。図2は、第一実施形態の水分離促進部の制御のフローチャートである。本実施形態では、負圧ポンプ53が水分離促進部の機能を担う。この制御は、ECU90のROM等の記憶装置に格納されたプログラムを、ECU90のCPUが実行することにより行われる。
ステップS11で、濃度センサ52が、メタノールの水に対するモル比Rm(モル比:CH3OH/H2O)を検知する。検知結果は、ECU90に送信される。
ステップS12で、ECU90は、モル比Rmが0.8以下であるかを判断する。Rm≦0.8である場合には、ECU90は、制御をステップS13に進め、Rm≦0.8でない場合には、ECU90は、制御をステップS14に進める。
ステップS13で、ECU90は、負圧ポンプ53を作動させる。これにより、メタノールの水に対する濃度が低くなった場合、すなわち液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体における水の濃度が高くなった場合に、負圧ポンプ53による水分離促進動作を開始することができる。その後、ECU90は、制御をステップS16に進める。
ステップS14で、ECU90は、モル比Rmが1.0以上であるかを判断する。Rm≧1.0である場合には、ECU90は、制御をステップS15に進め、Rm≧1.0でない場合には、ECU90は、制御をステップS16に進める。
ステップS15で、ECU90は、負圧ポンプ53を停止させる。これにより、メタノールの水に対する濃度が高い場合、すなわち液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体における水の濃度が低い場合に、負圧ポンプ53による水分離促進動作を停止することができる。その後、ECU90は、制御をステップS16に進める。
ステップS16で、ECU90は、水分離促進の制御を終了させるか否かを判断する。水分離促進の制御を終了させる場合の判断は、種々のタイミングに基づいて判断する。例えば、メタノール合成装置1の稼働が終了したことに基づいてもよいし、不図示の指示手段を用いたユーザの指示に基づいてもよいし、水分離促進部の稼働後に所定の時間が経過したことに基づいてもよい。水分離促進の制御を終了すると判断した場合は、ECU90は、制御を終了させ、水分離促進の制御を終了すると判断した場合は、ECU90は、制御をステップS11に進める。
以上のように、本実施形態によれば、水分離部50が、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部として負圧ポンプ53を有する。これにより、液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体におけるメタノールに対する水の濃度が高くなると、負圧ポンプ53による水分離促進動作が行われることで、水分離部50での水分離が促進される。よって、純度の高いメタノールを回収することが可能なメタノール合成装置1を提供することができる。
また、メタノールの水に対するモル比が1.0程度になった場合には、水分離促進動作を行わなくともよい状態と考えられる。このような場合に、ECU90が負圧ポンプ53を停止することで、水分離促進動作にかかるエネルギーを節約することができ、メタノール合成装置1全体において必要なエネルギー効率の改善を図ることができる。
また、メタノールの水に対するモル比が0.8程度に少なくなった場合には、水分離促進動作を行う必要がある状態と考えられる。このような場合に、ECU90が水分離促進動作を開始することで、メタノールの収率を高めることができる。なお、水分離促進動作は、メタノール合成装置1の動作中全てで行われるわけではなく、上述のように、前記モル比が1.0程度になった場合には、水分離促進動作を停止させることとなる。このため、水分離促進動作は、必要な場合に一時的に行われる。
[第二実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第二実施形態のメタノール合成装置1を詳細に説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成については、特に必要な場合を除き、同符号を付して説明を省略する。
以下、図面を参照しながら、本発明の第二実施形態のメタノール合成装置1を詳細に説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成については、特に必要な場合を除き、同符号を付して説明を省略する。
図3は、第二実施形態のメタノール合成装置1の全体構造を示す図である。本実施形態のメタノール合成装置1の全体構成は、第一実施形態と同様である。第二実施形態は、第一実施形態と比較して水分離部50の詳細構成のみが異なるため、次に、水分離部50の詳細構成を説明する。
本実施形態の水分離部50は、その内部に分離膜51aが配置される反応器51と、濃度センサ52と、加圧ポンプ54と、加熱器55とを有する。第一実施形態と異なる点は、負圧ポンプ53がなく加圧ポンプ54がある点である。
加圧ポンプ54は、反応器51の上流側に接続された液相側配管1eに配置される。加圧ポンプ54の作動の開始や停止は、濃度センサ52の検知結果に基づいてECU90により制御される。
以上の構成に基づく、本実施形態において水分離促進動作に関する具体的な制御を説明する。図4は、第二実施形態の水分離促進部の制御のフローチャートである。本実施形態では、加圧ポンプ54が水分離促進部の機能を担う。この制御は、ECU90のROM等の記憶装置に格納されたプログラムを、ECU90のCPUが実行することにより行われる。
第二実施形態は、第一実施形態と比較して、作動させるポンプが異なる点のみが異なる。このため、ポンプを作動させる工程以外の工程は、本実施形態と第一実施形態とで同一である。このため、以下の説明では、一部省略しながら簡略に説明を行う。
ステップS21で、濃度センサ52が、メタノールの水に対するモル比Rmを検知し、検知結果をECU90に送信する。ステップS22で、ECU90は、モル比Rmが0.8以下であるかを判断し、Rm≦0.8である場合に、制御をステップS23に進め、Rm≦0.8でない場合には、ECU90は、制御をステップS24に進める。
ステップS23で、ECU90は、加圧ポンプ54を作動させる。これにより、メタノールの水に対する濃度が低くなった場合、すなわち液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体における水の濃度が高くなった場合に、加圧ポンプ54による水分離促進動作を開始することができる。その後、ECU90は、制御をステップS26に進める。
ステップS24で、ECU90は、モル比Rmが1.0以上であるかを判断する。Rm≧1.0である場合には、ECU90は、制御をステップS25に進め、Rm≧1.0でない場合には、ECU90は、制御をステップS26に進める。
ステップS25で、ECU90は、加圧ポンプ54を停止させる。これにより、メタノールの水に対する濃度が高い場合、すなわち液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体における水の濃度が低い場合に、加圧ポンプ54による水分離促進動作を停止することができる。その後、ECU90は、制御をステップS26に進める。
ステップS26で、ECU90は、水分離促進の制御を終了させるか否かを判断する。水分離促進の制御を終了すると判断した場合は、ECU90は、制御を終了させ、水分離促進の制御を終了すると判断した場合は、ECU90は、制御をステップS21に進める。
以上のように、本実施形態によれば、水分離部50が、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部として加圧ポンプ54を有する。これにより、液相側配管1e内で加熱されたメタノールと水との混合気体におけるメタノールに対する水の濃度が高くなると、加圧ポンプ54による水分離促進動作が行われることで、水分離部50での水分離が促進される。よって、純度の高いメタノールを回収することが可能なメタノール合成装置1を提供することができる。
また、メタノールの水に対するモル比が1.0程度になった場合には、ECU90が加圧ポンプ54を停止することで、水分離促進動作にかかるエネルギーを節約することができ、メタノール合成装置1全体において必要なエネルギー効率の改善を図ることができる。
また、メタノールの水に対するモル比が0.8程度に少なくなった場合には、ECU90が水分離促進動作を開始することで、メタノールの収率を高めることができる。なお、第一実施形態と同様に、水分離促進動作は、必要な場合に一時的に行われるものである。
[他の実施形態]
[他の実施形態]
本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、構造的に可能な範囲において、上述の実施形態を組み合わせることができる。
1…メタノール合成装置
11…水素供給部
12…二酸化炭素供給部
30…メタノール生成部
31…触媒
40…気液分離部
50…水分離部
51a…分離膜
53…負圧ポンプ(水分離促進部)
54…加圧ポンプ(水分離促進部)
90…ECU(制御部)
11…水素供給部
12…二酸化炭素供給部
30…メタノール生成部
31…触媒
40…気液分離部
50…水分離部
51a…分離膜
53…負圧ポンプ(水分離促進部)
54…加圧ポンプ(水分離促進部)
90…ECU(制御部)
Claims (5)
- 水素及び二酸化炭素よりメタノールを合成するメタノール合成装置であって、
前記水素を供給する水素供給部と、
前記二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部と、
前記水素供給部から供給された前記水素と前記二酸化炭素供給部から供給された前記二酸化炭素とを化学反応させる触媒を具備し、メタノールを生成するメタノール生成部と、
前記メタノール生成部から供給された流体を気相と液相とに分離する気液分離部と、
前記液相に含まれる流体を加熱して気体となったメタノール及び水から分離膜を用いて水を分離する水分離部と、
前記メタノール合成装置の各部の動作制御を行う制御部を有し、
前記水分離部は、前記気液分離部の下流側における、メタノールに対する水の濃度が所定値になった場合に、水の分離を促す水分離促進部をさらに有する
ことを特徴とするメタノール合成装置。 - 前記制御部は、前記メタノールの前記水に対するモル比が1.0以上になった場合に、前記水分離促進部における水分離促進動作を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載のメタノール合成装置。 - 前記制御部は、前記メタノールの前記水に対するモル比が0.8以下になった場合に、前記水分離促進部における水分離促進動作を開始する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のメタノール合成装置。 - 前記水分離促進部は、前記分離膜の下流側に配置される負圧ポンプである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメタノール合成装置。 - 前記水分離促進部は、前記分離膜の上流側に配置される加圧ポンプである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメタノール合成装置。
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