JP2023059349A - アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナ - Google Patents

アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材を提供する。【解決手段】アンテナ用の反射部材は、曲面状の芯材11と、芯材11の内側面に沿って設けられた第1表皮12と、芯材11の外側面に沿って設けられた第2表皮13と、第1表皮12の、芯材11に面しない側に設けられた反射鏡面成膜15と、を備え、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、芯材11は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成され、反射鏡面成膜15は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、アンテナ用の反射部材、アンテナ用の反射部材の製造方法、及びテラヘルツ観測用アンテナに関する。
反射鏡型アンテナにおいて、電波の反射層にアルミニウム層を形成することがある。例えば、予めパラボラ形状に成形された樹脂製構造基材の表面にアンカーコート剤層を設け、真空蒸着によりアルミニウム層を形成した構造が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、基材層の表面にプラズマ溶射により形成したアンカー層の表面に、コールドスプレー法により反射層を形成した構造が開示されている(例えば、特許文献2)。
実開平05-002429号公報 特開2020-007573号公報
特許文献1に示すように、反射面層のアルミニウムを真空蒸着により成膜すると、反射面層の金属反射膜が薄くなる。このため、長期宇宙環境耐性が低い。
特許文献2に示すように、反射鏡面をプラズマ溶射で成膜した場合、微細な空隙層が残る。このため、鏡面粗さが大きくなる。よって、高い鏡面形状精度を持つ鏡面が製造できない。
これらから、前記従来の構造によっては、高い鏡面形状精度を必要とするテラヘルツ波帯用の反射部材とすることができない。また、反射部材を人工衛星に搭載して宇宙空間で用いる際には、軽量かつ長期宇宙環境耐性に優れた反射部材が必要とされる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るアンテナ用の反射部材は、曲面状の芯材と、前記芯材の内側面に沿って設けられた第1表皮と、前記芯材の外側面に沿って設けられた第2表皮と、前記第1表皮の、前記芯材に面しない側に設けられた反射鏡面成膜と、を備え、前記芯材と、前記第1表皮と、前記第2表皮とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、前記芯材は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成され、前記反射鏡面成膜は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される。
この発明によれば、芯材と、第1表皮と、第2表皮とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、反射鏡面成膜は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される。
芯材の厚さ方向の両側面に第1表皮及び第2表皮が設けられることで、厚さ方向に対称なサンドイッチパネル構造となる。これにより、芯材の厚さ方向に直交する方向からの入力に対しても変形しにくい構造とすることができる。
芯材、第1表皮、第2表皮が炭素繊維強化樹脂によって形成されることで、反射部材の全体としての重量を軽くすることができる。更に、炭素繊維強化樹脂は熱的安定性が高く、熱膨張による影響が少ない。つまり、周囲の温度あるいは直射日光等によって生じる熱膨張による変形を最小限とすることができる。よって、反射部材全体の大きさが熱膨張によって大きく変動することを防ぐことができる。また、反射部材の耐久性を向上することができる。
また、金属の内部に空隙層があると、反射鏡面成膜の表面を切削によって鏡面加工した時に空隙層によって表面に凸凹が生じる。反射鏡面成膜が金属によって内部に空隙層を有さずに形成されることで、加工後の反射部材の反射鏡面粗さを滑らかにすることができる。また、反射部材に用いる構造をすべて金属によって形成する場合と比較して、用いる金属の量を必要最小限とすることができる。金属の量を必要最小限とすることで、周囲の温度あるいは直射日光等によって金属に生じる熱膨張による変形を最小限とすることができる。
これらによって、第1表皮及び反射鏡面成膜に熱ひずみが生じることを防ぐことができる。よって、反射鏡面成膜の耐久性を向上し、長期にわたって反射鏡面成膜の精度を高く維持することができる。
以上から、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材とすることができる。このような作用を有する反射部材は、例えば、宇宙用、人工衛星搭載用の軽量高精度反射鏡型アンテナに適用する際に顕著な効果をもたらす。
また、前記反射鏡面成膜はアルミニウムによって形成されてもよい。
この発明によれば、反射鏡面成膜はアルミニウムによって形成される。これにより、より反射部材の軽量化に寄与することができる。
また、前記反射鏡面成膜の厚さは、20μm以上40μm以下であってもよい。
この発明によれば、反射鏡面成膜の厚さは、20μm以上40μm以下である。よって、十分な反射鏡面成膜の厚さを確保し、長期宇宙環境耐性の向上に寄与することができる。
また、本発明に係るアンテナ用の反射部材は宇宙空間で用いられてもよい。
この発明によれば、反射部材は宇宙空間で用いられる。これにより、上述の各作用効果を顕著にもたらすことができる。
また、本発明に係るアンテナ用の反射部材の製造方法は、前記アンテナ用の反射部材を製造する製造方法であって、前記第1表皮に金属を溶射する溶射工程と、前記第1表皮に溶射された前記金属の内部における空隙層を除去するショットピーニング工程と、前記ショットピーニング工程を行った後の前記金属の表面を切削する切削工程と、を備える。
この発明によれば、第1表皮に金属を溶射する溶射工程と、第1表皮に溶射された金属の内部における空隙層を除去するショットピーニング工程と、ショットピーニング工程を行った後の金属の表面を切削する切削工程と、を備える。つまり、第1表皮に溶射された金属にショットピーニング工程を施した後に、切削工程によって表面を整えることで反射鏡面成膜を形成する。
ショットピーニング工程によって、溶射後の金属の内部における空隙層を除去することができる。切削工程によって金属の表面を切削することで、ショットピーニング工程を行った後の金属の表面を修正加工することができる。ここで、上述のショットピーニング工程によって金属の内部の空隙層が除去されている。このため、空隙層によって切削工程後の金属の表面に生じる凹凸を無くすことができる。よって、より反射鏡面成膜の表面粗さを滑らかにすることができる。これにより、高い鏡面形状精度の反射部材とすることができる。
また、前記溶射工程において、前記金属の厚さを250μm以上溶射してもよい。
この発明によれば、金属の厚さを250μm以上溶射する。これにより、その後のショットピーニング工程及び切削工程を経た後においても十分な反射鏡面成膜の厚さを確保することができる。
また、本発明に係るテラヘルツ観測用アンテナは、前記アンテナ用の反射部材を備える。
この発明によれば、本発明に係るアンテナ用の反射部材をテラヘルツ観測用アンテナに備える。炭素繊維強化樹脂を構成に用いることで、軽量且つ安定した性能を備えたアンテナとすることができる。また、本発明に係る反射鏡面成膜によって、テラヘルツ波帯用とする用途に対応することができる。よって、宇宙用、人工衛星搭載用としてテラヘルツ波帯まで対応でき、かつ高い信頼性を備えた軽量高精度反射鏡型アンテナとすることができる。
本発明によれば、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材を提供することができる。
本発明に係る反射部材を備えるテラヘルツ観測用アンテナの一例を示す斜視図である。 図1に示すII部に係る、反射部材の各層の構造を示す模式図である。 本発明に係る反射部材の積層工程を示す第1図である。 本発明に係る反射部材の積層工程を示す第2図である。 本発明に係る反射部材における、反射鏡面成膜の拡大図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るアンテナ用の反射部材を説明する。
図1に示すアンテナ100は、反射部材10と、放射器20と、支持部30と、基台部40と、を備える、いわゆるパラボラアンテナである。本実施形態に係るアンテナ100は、例えば、テラヘルツ観測用アンテナとして、宇宙用あるいは人工衛星搭載用に好適に用いられる。
反射部材10は、テラヘルツ波帯をはじめとする観測対象の電波を放射器20に向けて反射する。
放射器20は、反射部材10によって反射された電波を観測し、不図示の受信機に伝達する。放射器20は、反射部材10の焦点に設けられる。
支持部30は、反射部材10と基台部40とを連結し、支持する役割を有する。
基台部40は、反射部材10、放射器20、支持部30をそれぞれ支持する部位である。基台部40は、例えば、アンテナ100を人工衛星に搭載する際に、前記人工衛星と連結する部位である。あるいは、アンテナ100を地上に設置する際に地面に設けられてもよい。
上述のように、反射部材10は、観測対象の電波を反射する。図2に示すように、反射部材10は、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13と、接着層14と、反射鏡面成膜15と、を備える。
芯材11は、外周が円状であり、表面が曲面状の部材である。芯材11の表面の曲面状は、芯材11の中心を通る任意の断面曲線が、例えば、放物線(パラボラ)となるように形成される。これにより、芯材11は飛来する電波に対する焦点を有し、アンテナ100における反射部材10の基礎を構成する。あるいは、前記断面曲線は、放物線状でなく、アンテナ100や光学系の電気設計の結果によって適宜決定されてもよい。
芯材11は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって形成されることが好ましい。芯材11は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成される。例えば、図2に示すように、芯材11は、前記柱が六角柱の、いわゆるハニカム構造であることが好ましい。これにより、芯材11の厚さ方向の変形を抑える。前記柱は、三角柱や四角柱、あるいは円柱が複数並べられて形成されてもよい。前記柱は中空であってもよいし、中実であってもよい。
第1表皮12は、芯材11の曲面状の内側面に沿って設けられたシート状の部材である。つまり、第1表皮12は、芯材11と同様に曲面状の部材である。第1表皮12の、芯材11に面しない側の側面には、反射鏡面成膜15が形成される(後述する)。
第2表皮13は、芯材11の曲面状の外側面に沿って設けられたシート状の部材である。つまり、第2表皮13は、芯材11と同様に曲面状の部材である。あるいは、各構成部品の設計によっては、第2表皮13は曲面状でなくてもよい。例えば、平面状であってもよい。本実施形態において、第2表皮13の芯材11に面しない側の側面には、例えば、支持部30が取り付けられる。
第1表皮12及び第2表皮13は、炭素繊維強化樹脂によって形成されることが好ましい。具体的には、シート状の炭素繊維強化樹脂を積層し、図3に示すように、成形型Dによってオートクレーブ成形されることが好ましい。なお、このとき、第1表皮12あるいは第2表皮13と成形型Dとの間には、離型剤Pが配置されることが好ましい。
接着層14は、芯材11と第1表皮12及び芯材11と第2表皮13とを固定する。接着層14には、例えば、エポキシ樹脂が好適に用いられる。
このように、炭素繊維強化樹脂によって形成された第1表皮12と第2表皮13とが芯材11の両側面を挟むように設けられることで、反射部材10におけるサンドイッチパネル構造を形成する。
上述のように、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13とは、いずれも炭素繊維強化樹脂によって形成されることが好ましい。具体的には、ピッチ系高弾性炭素繊維の一方向繊維材による疑似等方積層構造であることが好ましい。また、前記高弾性炭素繊維の弾性率は、例えば、60tのものが好適に用いられる。これにより、上述の各構成の熱変形を少なくする。また、面内構造の方向性を有さない構造とすることが好ましい。
また、炭素繊維強化樹脂におけるマトリックス樹脂はポリシアネート系であることが好ましい。これにより吸湿性を少なくすることで、真空状態でのパネルの脱湿変形を少なくすることが好ましい。
また、炭素繊維強化樹脂の炭素繊維の繊維含有率を60%として、熱変形をさらに小さくすることがより好ましい。
反射鏡面成膜15は、第1表皮12の、芯材11に面しない側に設けられる。反射鏡面成膜15は、反射部材10に向けて飛来した電波(特にテラヘルツ波帯)を反射する。上述のように、第1表皮12は芯材11の曲面状に沿って設けられ、前記曲面状は焦点を備える。よって、反射鏡面成膜15によって反射した電波は焦点に集約される。
反射鏡面成膜15はアルミニウムをはじめとする金属によって、内部に空隙層を有さずに形成されることが好ましい。本実施形態において、空隙層を有さないとは、反射鏡面成膜15を形成する金属の内部における空隙層が5%未満の状態をいうものとする。以下において、反射部材10の製造方法及び反射鏡面成膜15の成形方法を説明する。
(反射部材10の製造方法)
反射部材10は、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13とが接着層14によって接着され、第1表皮12に反射鏡面成膜15が設けられることで形成される。具体的には、下記のように製造される。
すなわち、図4に示すように、上述のように成形型Dによってオートクレーブ成形された第1表皮12又は第2表皮13の上に接着層14を配置し、その上に芯材11を設置する。その後、芯材11に接着層14を配置し、第2表皮13又は第1表皮12を設置する。これにより、反射部材10の基礎的な構造を形成する。
次に、上述のように形成された構造の第1表皮12に、反射鏡面成膜15を形成する。反射鏡面成膜15の形成手順には、溶射工程と、ショットピーニング工程と、切削工程と、を備える。
(溶射工程)
溶射工程では、第1表皮12(表皮)にアルミニウム(金属)を溶射する。具体的には、大気プラズマ溶射が好適に用いられる。また、第1表皮12にアルミニウムを溶射する際、図5に示すように、第1表皮12の表面にはアンダーコート層UCを設けることが好ましい。アンダーコート層UCは、例えば、シリカを含む無機系の材料を用いることが好ましい。ここで、大気プラズマ溶射によって溶射されたアルミニウムには、内部に空隙層が生じる。下記のショットピーニング工程によって、前記空隙層を除去する。
(ショットピーニング工程)
上述のように、第1表皮12に溶射されたアルミニウムの内部における空隙層を除去する工程である。具体的には、無数のショットを、アルミニウムの表面に衝突させる。ショットは、例えば、直径70μm程度の炭素鋼ビーズが好適に用いられる。また、ショットの衝突速度は40m/s程度であることが好ましい。この工程により、アルミニウムの内部に生じた空隙層を除去するとともに、アルミニウムの表面に改質硬化を与える。
(切削工程)
ショットピーニング工程を行った後のアルミニウムの表面を切削する工程である。具体的には、CNC機械切削加工により、上述のように形成したアルミニウムの層を、設計曲面になるように削る。機械切削によってアルミニウムの層を修正加工することで、高精度な鏡面形状を形成する。あるいは、精度誤差を少なくする。これにより、高精度なアルミ反射面形状(例えば、表面粗さ1μm以下)を形成する。
上述の各工程、特に溶射工程とショットピーニング工程とは、以下のように行うことが可能である。すなわち、例えば、一度の溶射工程によって、その後のショットピーニング工程及び切削工程によっても第1表皮12が露出しない程度に比較的厚くアルミニウムの層を形成してもよい(例えば、40μm程度)。あるいは、溶射工程とショットピーニング工程とを交互に繰り返し行うことで、一度の溶射工程によるアルミニウムの層の厚さを薄く形成してもよい(例えば、20μm程度)。
アルミニウムの層を形成する際は、切削加工による削り代を確保するために、少なくとも250μm以上の層を形成することが好ましい。
これらの工程によって、図5に示す断面のように、アルミニウムの層の内部に空隙層を有さず、かつアルミニウムの表面粗さを滑らかにした反射鏡面成膜15を形成する。
以上説明したように、本実施形態に係る反射部材10によれば、芯材11と、第1表皮12と、第2表皮13とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、反射鏡面成膜15は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される。
芯材11の厚さ方向の両側面に第1表皮12及び第2表皮13が設けられることで、厚さ方向に対称なサンドイッチパネル構造となる。これにより、芯材11の厚さ方向に直交する方向からの入力に対しても変形しにくい構造とすることができる。
芯材11、第1表皮12、第2表皮13が炭素繊維強化樹脂によって形成されることで、反射部材10の全体としての重量を軽くすることができる。更に、炭素繊維強化樹脂は熱的安定性が高く、熱膨張による影響が少ない。つまり、周囲の温度あるいは直射日光等によって生じる熱膨張による変形を最小限とすることができる。よって、反射部材10全体の大きさが熱膨張によって大きく変動することを防ぐことができる。また、反射部材10の耐久性を向上することができる。
また、金属の内部に空隙層があると、反射鏡面成膜15の表面を切削によって鏡面加工した時に空隙層によって表面に凸凹が生じる。反射鏡面成膜15が金属によって内部に空隙層を有さずに形成されることで、加工後の反射部材10の反射鏡面粗さを滑らかにすることができる。また、反射部材10に用いる構造をすべて金属によって形成する場合と比較して、用いる金属の量を必要最小限とすることができる。金属の量を必要最小限とすることで、周囲の温度あるいは直射日光等によって金属に生じる熱膨張による変形を最小限とすることができる。
これらによって、第1表皮12及び反射鏡面成膜15に熱ひずみが生じることを防ぐことができる。よって、反射鏡面成膜15の耐久性を向上し、長期にわたって反射鏡面成膜15の精度を高く維持することができる。
以上から、軽量かつ高精度で、長期環境耐性に優れた反射部材10とすることができる。このような作用を有する反射部材10は、例えば、宇宙用、人工衛星搭載用の軽量高精度反射鏡型アンテナに適用する際に顕著な効果をもたらす。
また、反射鏡面成膜15はアルミニウムによって形成される。これにより、より反射部材10の軽量化に寄与することができる。
また、反射鏡面成膜15の厚さは、20μm以上40μm以下である。よって、十分な反射鏡面成膜15の厚さを確保し、長期宇宙環境耐性の向上に寄与することができる。
また、反射部材10は宇宙空間で用いられる。これにより、上述の各作用効果を顕著にもたらすことができる。
また、第1表皮12に金属を溶射する溶射工程と、第1表皮12に溶射された金属の内部における空隙層を除去するショットピーニング工程と、ショットピーニング工程を行った後の金属の表面を切削する切削工程と、を備える。つまり、第1表皮12に溶射された金属にショットピーニング工程を施した後に、切削工程によって表面を整えることで反射鏡面成膜15を形成する。
ショットピーニング工程によって、溶射後の金属の内部における空隙層を除去することができる。切削工程によって金属の表面を切削することで、ショットピーニング工程を行った後の金属の表面を修正加工することができる。ここで、上述のショットピーニング工程によって金属の内部の空隙層が除去されている。このため、空隙層によって切削工程後の金属の表面に生じる凹凸を無くすことができる。よって、より反射鏡面成膜15の表面粗さを滑らかにすることができる。これにより、高い鏡面形状精度の反射部材10とすることができる。
また、金属の厚さを250μm以上溶射する。これにより、その後のショットピーニング工程及び切削工程を経た後においても十分な反射鏡面成膜15の厚さを確保することができる。
また、本発明に係る反射部材10をテラヘルツ観測用アンテナに備える。炭素繊維強化樹脂を構成に用いることで、軽量且つ安定した性能を備えたアンテナ100とすることができる。また、本発明に係る反射鏡面成膜15によって、テラヘルツ波帯用とする用途に対応することができる。よって、宇宙用、人工衛星搭載用としてテラヘルツ波帯まで対応でき、かつ高い信頼性を備えた軽量高精度反射鏡型アンテナとすることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、芯材11における第2表皮13を備える側、すなわち反射鏡面成膜15が設けられない側の表面は、曲面状でなくてもよい。
また、反射鏡面成膜15には、上述のアルミニウム以外の金属を用いてもよい。
また、アンテナ100は、支持部30あるいは基台部40を有さず、反射部材10が直接人工衛星に取り付けられてもよい。
また、上述のサンドイッチパネル構造、すなわち芯材11を厚くすることで、熱による変形をさらに抑制することを可能としてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 反射部材
11 芯材
12 第1表皮
13 第2表皮
15 反射鏡面成膜
100 アンテナ

Claims (7)

  1. 曲面状の芯材と、
    前記芯材の内側面に沿って設けられた第1表皮と、
    前記芯材の外側面に沿って設けられた第2表皮と、
    前記第1表皮の、前記芯材に面しない側に設けられた反射鏡面成膜と、
    を備え、
    前記芯材と、前記第1表皮と、前記第2表皮とは炭素繊維強化樹脂によって形成され、
    前記芯材は、高さ方向が厚さ方向に面する柱が複数並べられて形成され、
    前記反射鏡面成膜は金属によって内部に空隙層を有さずに形成される、
    アンテナ用の反射部材。
  2. 前記反射鏡面成膜はアルミニウムによって形成される、
    請求項1に記載のアンテナ用の反射部材。
  3. 前記反射鏡面成膜の厚さは、20μm以上40μm以下である、
    請求項1又は2に記載のアンテナ用の反射部材。
  4. 宇宙空間で用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材を製造するアンテナ用の反射部材の製造方法であって、
    前記第1表皮に金属を溶射する溶射工程と、
    前記第1表皮に溶射された前記金属の内部における空隙層を除去するショットピーニング工程と、
    前記ショットピーニング工程を行った後の前記金属の表面を切削する切削工程と、
    を備える、
    アンテナ用の反射部材の製造方法。
  6. 前記溶射工程において、前記金属の厚さを250μm以上溶射する、
    請求項5に記載のアンテナ用の反射部材の製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナ用の反射部材を備える、
    テラヘルツ観測用アンテナ。
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