JP2023057633A - 反射体及び電磁波増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造によって、短時間で毒性対象を確実に分解又は不活化及び/又は死滅させて減消させ、且つ長期間継続して毒性対象を減消させていく手段を提供する。【解決手段】第一の波長域の第一電磁波を透過させる基体5と、第二の波長域の第二電磁波を反射させ、上記第一電磁波を透過させる反射層6と、を具え、上記基体は、電磁波を放出する電磁波放出源2を囲繞し得るように、横断面が無端形状を成し、上記電磁波放出源から放出された電磁波の内、第二電磁波を上記反射層によって上記基体の内周面内で高次に反射させて第二電磁波の密度を高度化した領域を作出することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、反射体及び電磁波増幅装置に関するものである。
従来、紫外線を利用した殺菌やウイルスの不活化等の処理が行われている。例えば、医療器具を収納するケース内に紫外線ランプを配した携帯用の紫外線殺菌装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような紫外線殺菌装置は、ケース内面が紫外線を反射させるように金属製(ステンレス板、表面をクロームメッキした鉄板や銅板等)となっている。
また、特許文献2には、筐体内部に空気を取り込み、除菌された空気を排出する除菌装置が開示され、筐体の内部空間において紫外線ランプと、紫外線ランプを取り囲むように筒状に形成した反射部とを配し、紫外線ランプから照射される紫外線を反射させている。
特開平09-225012号公報 特許第6915921号
上述した特許文献1、2に記載された装置は、紫外線を反射させることで、紫外線を増幅させているが、反射面自体の反射率が低いことから高度な紫外線量を得ることが不可能であり、確実に殺菌やウイルスの不活化を行うためには、十数秒~数十秒の間、紫外線を照射し続けることが必要であって非常に時間が掛かるという問題がある。また、紫外線ランプを点灯させ続けていると装置内部の温度が上昇して紫外線ランプの不点灯や照射している紫外線量の低下等の不具合が生じ易くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、短時間で毒性対象を確実に分解又は不活化及び/又は死滅させて減消させ、且つ長期間継続して毒性対象を減消させていくための手段を提供することを目的とする。
本発明の反射体は、第一の波長域の第一電磁波を透過させる基体と、第二の波長域の第二電磁波を反射させ、上記第一電磁波を透過させる反射層と、を具え、上記基体は、電磁波を放出する電磁波放出源を略囲繞し、上記電磁波放出源から放出された電磁波の内、第二電磁波を上記反射層によって上記基体の内周面内の対向する反射層間で高次に反射させて第二電磁波の密度を高度化した領域を作出することを特徴とする。
また、本発明の反射体は、前記反射層が、前記基体の内側表面及び/又は外側表面に設けられることを特徴とする。
また、本発明の反射体は、前記基体の内周面によって囲繞される空間に流体が通過し得ることを特徴とする。
また、本発明の反射体は、前記第一電磁波は、可視光及び赤外線であり、前記第二電磁波は、紫外線であることを特徴とする。
また、本発明の反射体は、前記第一電磁波は、紫外線であり、前記第二電磁波は、可視光及び赤外線であることを特徴とする。
また、本発明の電磁波増幅装置は、第一の波長域の第一電磁波を透過させる基体及び第二の波長域の第二電磁波を反射させて上記第一電磁波を透過させる反射層を有する反射体と、電磁波を放出する電磁波放出源と、を具え、上記反射体は、上記電磁波放出源を囲繞する内周面を有し、上記電磁波放出源から放出された電磁波の内、上記第二電磁波を上記内周面によって画定される空間内で高次に反射させ、密度を高度化させた上記第二電磁波の領域を作出することを特徴とする。
また、本発明の電磁波増幅装置は、前記反射層が、前記基体の内側表面及び/又は外側表面に設けられることを特徴とする。
また、本発明の電磁波増幅装置は、前記第二電磁波の領域内で、流体を流動させる流動部を具えることを特徴とする。
また、本発明の電磁波増幅装置は、前記第一電磁波は、可視光及び赤外線であり、前記第二電磁波は、紫外線であることを特徴とする。
また、本発明の電磁波増幅装置は、前記第一電磁波は、紫外線であり、前記第二電磁波は、可視光及び赤外線であることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造によって、短時間で毒性対象を確実に分解又は不活化及び/又は死滅させて減消させ、且つ長期間継続して毒性対象を減消させていくことができる。
本実施形態の紫外線増幅装置を示す斜視図である。 反射層の配設位置の例を示す図である。 反射体による紫外線の反射、赤外線及び可視光の透過を示す概略図である。 紫外線増幅装置を搭載している毒性対象減消装置の断面図である。 毒性対象減消装置内を通過する空気の流動方向を示す図である。 反射体による赤外線及び可視光の反射、紫外線の透過を示す概略図である。
以下に本発明の反射体を搭載している電磁波増幅装置について説明する。電磁波増幅装置は、特定の波長の電磁波を放出する電磁波放出源、該特定の波長の電磁波を反射させる反射体等を有し、反射体が画定する内部空間内で電磁波を増幅する装置である。
具体的に電磁波増幅装置としての紫外線増幅装置1について図1を参照して説明する。図1は本実施形態の紫外線増幅装置1を示す斜視図である。紫外線増幅装置1は、長尺状で且つ放射状に紫外線を放出する紫外線放出部2(電磁波放出源)、紫外線反射体4(反射体)等を有する。また紫外線増幅装置1は、不図示の制御部、操作部、電源部等を具えており、操作部によって検出した入力操作等に従って紫外線照射等を行う。
紫外線放出部2は、紫外線によってターゲットである毒性対象の分解、不活化、消毒、除菌、殺菌、滅菌等の減消を行う。紫外線放出部2は、殺菌灯、紫外線ランプ、紫外線LED等の紫外線光源を有するものであり、長尺状の直管形状を成し、軸方向視で略放射状に紫外線を放出する。なお、紫外線放出部2の形状は、直管形状に限定するものではなく、例えば、電球形状、環形状、曲線形状等に設定し得る。
紫外線放出部2によって照射される紫外線は、波長が100~400nm程度であることが好ましく、特に250~270nm近傍に設定することがより望ましい。勿論、紫外線は、少なくとも毒性対象を減消させ得るものであれば波長が260nm未満の近紫外線(UV-C)、遠紫外線(波長10~200nm)、極端紫外線(波長10~121nm)等であってもよい。また、波長が300nmを超える近紫外線(UV-A、UV-B)であってもよい。
紫外線反射体4は、横断面形状が環状で、軸心が紫外線放出部2の長手方向と平行である略筒形状を成し、内周面によって紫外線放出部2を囲繞する。即ち、紫外線反射体4は、内周面によって囲繞される内側空間を形成し、該内側空間に紫外線放出部2が配される。内側空間における紫外線放出部2の位置は適宜設定し得るが、ここでは内側空間の中央部に配するものとする。
紫外線反射体4は、可視光や赤外線に対する透過性を有する材料を含んだ基体5に反射層6を設けて構成される。基体5は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料やガラス系材料等の透明性の材料から選択される一種以上によって形成することができる。なお、透明性を有する材料に、金属材料、セラミック等の窯業系材料、セメント等の水硬性材料、炭素材料等を加えて基体5を構成してもよい。
反射層6は、可視光及び赤外線に対して透過性を有し、紫外線に対して反射性を有するように構成される。反射層6は、例えば紫外線を反射させるコールドミラーが有り得る。このような反射層6は、例えば基体5に誘電体を多層にわたって蒸着させた誘電体多層膜によって形成することができる。或いはコールドミラーを蒸着させた薄板を基体5に張り付けたり、基体5の内側に配置したりして反射層6を設けてもよい。その場合の薄板は、可視光及び赤外線に対する透過性を有する材料から構成される。
誘電体多層膜は、高屈折率材料の誘電体薄膜と、低屈折率材料の誘電体薄膜とを交互に積層することによって構成することができる膜である。高屈折率材料としては、例えば、二酸化チタン(TiO )、酸化アルミニウム(AL )、酸化ジルコニウム(ZrO )等が有り得る。低屈折率材料としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO )、過酸化亜鉛(ZnO )、フッ化マグネシウム(MgF )等が有り得る。
反射層6は、紫外線放出部2から照射された略全ての紫外線を反射し得るように、紫外線反射体4の表面における紫外線放出部2に対向する箇所全域に配される。勿論、反射層6の配設箇所は適宜設定し得、例えば紫外線反射体4の内周面において軸方向及び/又は周方向に沿って断続的に設けることもできる。
反射層6の厚みは、適宜設定し得るが、多層膜によって形成する場合、一層当たりの厚みを、例えば反射させる紫外線の波長の1/4の整数倍(紫外線の波長の1/4の奇数倍又は偶数倍)に設定することが出来る。具体的には反射させる対象となる紫外線の波長を253.7(nm)と設定した場合、一層の厚みを63.4(nm)(即ち、波長の1/4の1倍)、126.8(nm)(即ち、波長の1/4の2倍)、190.3(nm)(波長の1/4の3倍)等に設定する。勿論、反射層6を多層膜によって形成する場合の一層当たりの膜厚は、数10μm程度の所謂厚膜であってもよく、数μm程度の所謂薄膜であってもよく、数nm以下の所謂超薄膜であってもよい。
また紫外線反射体4は、横断面が略無端形状とすることで紫外線放出部2を囲繞するように形成され、紫外線が内側に高次に、即ち多数回繰り返し反射するように、反射層6を内周面(内側表面)に配設する(図2(a)参照)。勿論、図2(b)に示すように反射層6を基体5の外周面(外側表面)に配設して基体5を透過した紫外線を内側に反射させるようにしてもよい。
上記紫外線反射体4の形成方法は適宜設定し得る。例えば、予め筒形状に形成した基体5の内側及び/又は外側に反射層6を設けて成るものであってもよく、板状の基体5に反射層6を設けて該基体5を筒状となるように曲げて成るものであってもよい。なお、筒形状を成す基体5の外側表面に反射層6を設ける場合には、基体5は紫外線透過性も有する材料とする。これにより、筒内から透過してくる紫外線を外側表面に設けた反射層6によって内部に向け反射させ、筒内の紫外線密度を上昇させるように構成することができる。
図3は、反射体による紫外線の反射、赤外線及び可視光の透過を示す概略図である。紫外線増幅装置1によれば、紫外線反射体4の内側に高密度で高線量の紫外線領域を作出することができる。即ち、紫外線放出部2から放出された電磁波の内、紫外線は、反射層6によって半径方向内向きに紫外線放出部2側に向かって反射する。なお、紫外線放出部2側に反射した紫外線は、紫外線放出部2を透過(通過)して延長線上の反射層6で再び半径方向内側に反射する。従って、紫外線は、径方向に沿って往復するように反射層6によって複数回、好ましくは多数回(十数回以上)、望ましくは極めて多数回(百数回以上)の反射を繰り返す。
他方で、紫外線放出部2から放出された電磁波の内、可視光及び赤外線は、図3の点線で示すように反射層6及び基体5を透過する。即ち、可視光及び赤外線は、紫外線反射体4の外側へ放出される。
紫外線反射体4によって紫外線を反射させたときの累積紫外線照射エネルギについて、コールドミラーを利用した場合を例に説明する。ここでコールドミラーによる紫外線の反射率を99%とする。これは紫外線がコールドミラーで反射したとき、その光子量が反射前から1%減少することに相当するものである。従って、光子の残量率(反射回数が0回のとき、100%である。)は、紫外線がコールドミラーでの反射回数が1回のときに99%となり、反射回数が2回のときに98.01%、反射回数が3回のときに約97.03%のように、累積的に減少する。
以下の式では紫外線の反射率を99%(反射時の光子の減少率を1%)とし、∞回まで紫外線を反射させたときの累積紫外線照射エネルギとして計算するものである。
Figure 2023057633000002
又は、
Figure 2023057633000003
これにより、紫外線反射が∞回までの累積紫外線エネルギとして、100という値が得られる。これは紫外線を一回照射したときの紫外線照射エネルギを1とした場合に、累積紫外線照射エネルギが概ね100倍に相当するものであることを示す。
従って、紫外線反射体4の内部空間には、単に紫外線放出部2から放出された紫外線エネルギ量の約100倍の高線量の紫外線領域が作出されるので、紫外線反射体4の内周面と紫外線放出部2との間の空隙に存する毒性対象に対し、紫外線を無反射で照射している場合よりも、遥かに高い放射量の紫外線を照射することができる。そのため、毒性対象を非常に僅かな時間(例えば、0.05秒未満)で99.9999%以上のウイルス不活化率を以って確実に減消させることが出来る。
また、紫外線放出部2から放射される電磁波の内、温度上昇を来たす熱線である可視光及び赤外線は、紫外線反射体4を透過するため、紫外線反射体4における内部温度の上昇を抑制することが出来、温度依存性の高い紫外線放出部2であっても、温度上昇に伴う紫外線放出の出力低下を抑えることができ、安定した動作を長時間行うことができる。
なお、一般的に使用され得る紫外線反射性を有する材料には、アルミニウムやステンレス等の金属材料が用いられており、波長域が250~270nmの紫外線に対する反射率は、アルミニウムで約46%、ステンレスで約26%である。従って、アルミニウムを用いた反射層によって得られる累積紫外線エネルギは、約1.85倍となる。またステンレスを用いた反射層によって得られる累積紫外線エネルギは、約1.35倍となる。
従って、一般的に利用されるアルミニウムやステンレス等の紫外線反射性を有する材料を用いても、高線量の紫外線領域を作出することは非常に困難であるのに対し、本実施形態の紫外線増幅装置1によれば、遥かに高倍率の累積紫外線エネルギを得ることが出来、極めて低い消費電力でありながら、高度な高密度・高線量の紫外線空間を作出することが可能となる。
また、反射体4は、少なくとも紫外線放出部2を囲繞する形状を有するものであればよく、横断面形状を円形、楕円形、長円形、矩形、多角形、星形、ルーローの多角形、一部に放物線を含む形状等が有り得る。
また、反射体4は、筒形状に限定するものではなく、蓋等によって内部を密閉可能な箱形状等であってもよい。箱形状とすることによって内部に収納されるものに付着している毒性対象の滅菌や不活化等の減消を行うことができる。
また、反射層6による反射率を99%としたが、勿論反射率はこれに限定するものではない。しかし、反射率が下がることで累積紫外線エネルギの倍率が低下してしまう。そのため、好ましくは、反射率を80%以上で累積紫外線エネルギの増幅率を5倍以上とし、より好ましくは、反射率を90%以上で増幅率を10倍以上とし、望ましくは反射率を98%以上で増幅率を50倍以上とする。これらの反射率の反射層を形成する手段としては、紫外線反射性の塗料(例えば、粒子状のシリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)等を含んだ塗料)の塗布等も有り得る。
また、反射層6を形成する領域は、少なくとも紫外線を高次に繰り返し反射させる位置に反射層6を設けていればよく、例えば、紫外線放出部から放出された紫外線を反射させた反射層の紫外線の反射方向に対向する箇所に反射層が位置するように、基体5の内側表面及び/又は外側表面に反射層を点在させてもよい。
次に本発明の紫外線増幅装置を搭載した毒性対象減消装置について説明する。図4は紫外線増幅装置1を搭載している毒性対象減消装置10の断面図であり、毒性対象減消装置10は、略筒型の筐体12内に本発明の紫外線増幅装置1、送風機14等を設け、筐体12に形成されている吸込口から外気を導入し、紫外線増幅装置1を通過させて排出口から排出することで、空気に含まれる毒性対象を減消させるものである。
筐体12は、それぞれが吸込口16、排出口18の何れかとなる二つの開口を有する。これらの開口は筐体12の長手方向に沿って離間した位置に配され、ここでは吸込口16を頂部、排出口18を中間部に配する。また、筐体12には、紫外線放出部2の点灯を視認可能な視認部を筐体12全体又は一部に形成してもよい。即ち、筐体12には、紫外線放出部2から放出され反射体4を透過した電磁波(即ち、可視光及び赤外線)が透過し得る透明部材の視認部を形成することが出来る。このとき筐体12全体を透明部材にすれば、筐体12全体が可視光を透過させ得る視認部として機能する。また筐体12の一部を窓状に開口させ、該開口に透明部材の視認部を設け、視認部を介して透過する可視光によって、紫外線放出部2の点灯が視認可能となる。
送風機14としては、軸流ファン(プロペラファン)、斜流ファン、遠心ファン(多翼ファン、シロッコファン、ラジアルファン、プレートファン、ターボファン、リミットロードファン、エアフォイルファン等)、遠心軸流ファン、渦流ファン、横断流ファン(クロスフローファン等)等を適用することができる。
また、筐体12内には、紫外線の毒性対象減消装置10外への漏出を防止する漏出防止部20等が配設される。漏出防止部20は、空気を流動させる空隙を確保しつつ紫外線を遮るような形状を有していれば適宜形状を設定し得る。例えばハニカム構造や、軸方向に対して傾斜させたスラットを複数平行に並べた構造等を用いることもできる。また、漏出防止部20は、紫外線反射体4と吸込口14との間に配することが出来る。
このような毒性対象減消装置10によれば、紫外線増幅装置1を搭載することにより外部の空気を取り込みながら、空気中の毒性対象等に高線量の紫外線を放射して毒性対象等を減消させることができる。即ち、図5に示すように送風機14の駆動により、吸込口16を介して吸い込まれた空気は、基体5(紫外線反射体4)の内周面によって囲繞される空間を通過して排出部18から外部に排出される。このとき、紫外線増幅装置1によって作出された高密度の紫外線領域を空気が通過するため、空気中に含まれる毒性対象に高線量の紫外線が照射され、結果毒性対象を減消させることができる。しかも上述したように、高密度の紫外線領域の線量は、紫外線放出部2から照射される紫外線の約100倍に増幅される為、紫外線増幅装置1内を一度通過させた菌やウイルス等の毒性対象を確実に分解又は不活化及び/又は死滅して減消させることができる。
また、開口端からの内部への物体の侵入や覗き込み防止時の安全性を確保する手段として、人検知センサや、物体感知センサを設けて人や物体の検知時に紫外線発光体を消灯させたり、ファン(流動発生部30)の動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、紫外線増幅装置1は、紫外線放出部2及び紫外線反射体4の表面を保護し、塵、埃等の異物や汚れが付着するのを防止するための防汚部材を具えてもよい。防汚部材は、紫外線透過材料で形成された略筒形状とし、紫外線反射体4の内周面に沿って周回状に設けてもよく、紫外線放出部2の外周面に沿って周回状に設けてもよい。防汚部材を形成する紫外線透過性材料としては、ガラス、石英(SiO)、サファイア(Al)、PTFE等の非晶質のフッ素系樹脂、アクリル樹脂等があり得る。
また、紫外線反射体4内に配設される紫外線放出部2は、一本に限定するものではなく、複数本配してもよく、本数を増やすほど累積紫外線エネルギが増加するので、より毒性対象を減消させるのに要する時間が短縮されるので、毒性対象減消装置10の送風機14による空気の流入量を増加させることができ、所定範囲内における毒性対象の減消効率を向上させることができる。
なお、本発明の紫外線増幅装置は、空気中の毒性対象を減消させるものに限定して使用されるものではなく、流体中の毒性対象に対して使用することができる。ここで流体とは、気体、液体、粉体を含む概念であり、毒性対象とは、菌やウイルス等の病原微生物の他、有害分子を含んだホルムアルデヒドや亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、臭気成分等を含むものであって少なくとも人体に対して毒性を有し、流体と共に移動する対象物である。
従って、紫外線増幅装置は、種々の装置や器具に搭載したり、埋め込んだり、組み込んだり、組み合わせたりして使用することが出来る。そのような装置や器具は、例えば、エアコン、扇風機、サーキュレータ、空気清浄機、加湿器、除湿器、換気扇、掃除機、循環ポンプ、ミストシャワー(散布機)、排気装置、プラント、浄化槽、配管、配管同士を連結する連結部材等、内部で流体が流動し得るもの全般に用いることができる。また、紫外線増幅装置の配設数や配設位置等は適宜設定し得る。例えば、流体の流路途中に複数の紫外線増幅装置を配してもよい。
また、紫外線増幅装置を搭載する器具は、流体を流動させるための機構を有するものに限定するものではなく、少なくとも流体を通過させるように、吸込部及び排出部が外部と連通するように構成された器具を対象としてもよい。そのような器具としては、例えば、乗り物のルーフや、シートの背もたれ、シートヘッドレスト、コンパネ、テーブル、デスク、椅子、壁、天井、エレベータ等が有り得る。特に、紫外線発光体を用いて毒性対象等を減消する場合、上記の人の集まる空間或いは人が密集し易い空間に設置されている器具に埋め込んで使用することができる。
また、本発明の電磁波増幅装置として紫外線増幅装置を例に説明したが、赤外線を増幅させる赤外線増幅装置として利用することもできる。具体的には、図6に示すように、基体5が成す筒内の電磁波放出部から放出された電磁波の内、赤外線(及び可視光)を反射層6によって内部に向け反射させ、紫外線を基体5及び反射層6を透過させて筒内の赤外線密度を上昇(更に可視光を増幅)させるように構成することができる。
勿論、反射層によって反射し得る電磁波であれば、本発明の電磁波増幅装置によって紫外線、赤外線及び可視光以外の電磁波でも増幅させることができる。このように反射体によって特定の波長域の電磁波を反射させることで、当該特定の波長域の電磁波を増幅する装置としての電磁波増幅装置を利用することができる。
1…電磁波増幅装置、2…紫外線発光体、4…反射体、5…基体、6…反射層、10…毒性対象減消装置、12…筐体、14…送風部。

Claims (10)

  1. 第一の波長域の第一電磁波を透過させる基体と、
    第二の波長域の第二電磁波を反射させ、上記第一電磁波を透過させる反射層と、を具え、
    上記基体は、電磁波を放出する電磁波放出源を略囲繞し、
    上記電磁波放出源から放出された電磁波の内、第二電磁波を上記反射層によって上記基体の内周面内の対向する反射層間で高次に反射させて第二電磁波の密度を高度化した領域を作出することを特徴とする反射体。
  2. 前記反射層は、前記基体の内側表面及び/又は外側表面に設けられることを特徴とする請求項1記載の反射体。
  3. 前記基体の内周面によって囲繞される空間に流体が通過し得ることを特徴とする請求項1又は2記載の反射体。
  4. 前記第一電磁波は、可視光及び赤外線であり、
    前記第二電磁波は、紫外線であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の反射体。
  5. 前記第一電磁波は、紫外線であり、
    前記第二電磁波は、可視光及び赤外線であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の反射体。
  6. 第一の波長域の第一電磁波を透過させる基体及び第二の波長域の第二電磁波を反射させて上記第一電磁波を透過させる反射層を有する反射体と、
    電磁波を放出する電磁波放出源と、を具え、
    上記反射体は、上記電磁波放出源を囲繞する内周面を有し、
    上記電磁波放出源から放出された電磁波の内、上記第二電磁波を上記内周面によって画定される空間内で高次に反射させ、密度を高度化させた上記第二電磁波の領域を作出することを特徴とする電磁波増幅装置。
  7. 前記反射層は、前記基体の内側表面及び/又は外側表面に設けられることを特徴とする請求項6記載の電磁波増幅装置。
  8. 前記第二電磁波の領域内で、流体を流動させる流動部を具えることを特徴とする請求項6又は7記載の電磁波増幅装置。
  9. 前記第一電磁波は、可視光及び赤外線であり、
    前記第二電磁波は、紫外線であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の電磁波増幅装置。
  10. 前記第一電磁波は、紫外線であり、
    前記第二電磁波は、可視光及び赤外線であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の電磁波増幅装置。

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