JP2023056983A - 茶樹用防除装置と茶樹用防除方法 - Google Patents

茶樹用防除装置と茶樹用防除方法 Download PDF

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Michiharu Uchiyama
徹 内山
Toru Uchiyama
実 市原
Minoru Ichihara
幹彦 鈴木
Mikihiko Suzuki
誠一 雪丸
Seiichi Yukimaru
利治 青山
Toshiharu Aoyama
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Abstract

【課題】有機栽培に対応し、種々の病害虫にも対応し、効率的に防除をすることができ、更には、茶樹内の異物を除去することができる防除装置と防除方法を提供する。【解決手段】茶樹31へ向けて吹出口52aから空気を吹き出す送風手段と、吹出口52aから吹き出された空気によって茶樹31から飛散したものを回収口9aから回収する回収手段と、を備え、送風手段は、送風ダクト4の延在方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の送風ノズル5を有するものであり、送風ノズル5は、送風ダクト4から下方又は斜め下方に向けて延在する基部51と、基部51の下端から斜め上方に指向し先端に吹出口52aが形成された吹出部52と、を有するものであり、回収口9aは、吹出口52aの斜め上方に位置し、吹出口52aは、回収口9aに向けて斜め上方に空気を吹き出すものである。【選択図】図5

Description

本発明は、茶樹の病害虫を防除する装置と方法に関するものである。
世界的な健康志向の高まりから、茶製品の輸出が年々増加しており、特にオーガニック志向として有機栽培茶の需要が拡大している。海外の薬剤の残留基準は厳しく、その厳しい薬剤の残留基準対策としても有機栽培は重要である。そのため、有機栽培は早急に取り組むべき重要な課題となっている。しかし、有機栽培の実情は、病害虫対策をほとんど実施せず、夏へ向けた気温の上昇や梅雨などの長期の降雨、台風などに伴う病害虫の多発によって、収穫部位の新芽に対し多大な被害が発生することにより、二番茶以降の摘採ができないことも多い。慣行の防除体系にて管理している茶栽培と比べると年間の茶生葉収量が不安定、且つ少なくなり、経営面積当たりの収益が低い状態となっている。その結果、有機栽培面積は拡大していない。茶生葉の有機栽培の大きな問題は病害虫の発生であり、有機栽培に対応した防除が必要であった。
輸出される茶製品においては、有機栽培ではないものも多くあり、その場合、輸出対象となる国ごとに、使用できる薬剤や残留基準が異なっている。日本国内で開発および登録された薬剤については、残留性などが考慮され、収穫までの使用可能日数や、指定期間内の使用可能回数等が厳密に定義されており、国内向けとして販売及び消費されている茶製品においては問題なく使用できる。しかし、国内での使用が前提の為、海外では登録されていない薬剤が多く、それぞれの国にて残留性及び安全性への確認が取れていないことから、輸入時の残留基準の規制対象となっているものが多く、輸出向けとしてはまったく使用できないものもある。輸出向けとして使用できる薬剤は、旧来からあるものが多く、新しく開発された薬剤に比べ効果の劣るものが多い。銅剤や除虫菊等の天然物を原料とするような薬剤であれば、使用することが可能なものも存在する。
慣行防除において輸出を前提とした場合、あらかじめ輸出対象となる国を定め、使用可能な薬剤のみを使用する必要があるが、茶栽培農家が茶製品を直接輸出販売する事例はまれであり、茶栽培農家単体での対応は困難な状態となっている。
茶生葉の害虫としては、成虫や幼虫で様々な形態があり、翅があって飛来する虫や茶樹を這う虫、新芽を吸汁する虫など色々な害虫がいる。被害の原因となる代表的な害虫は、チャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマ、カンザワハダニなどが知られている。いずれの虫害も、被害にあうと、茶生葉の収量が大幅に減少するとともに、品質も低下し、茶栽培農家にとって大きな痛手となる。
被害の原因となる具体的な病害は、炭疽病、輪斑病、赤焼病などがあるが、6月以降に発生する炭疽病の被害が顕著であり、茶生葉における炭疽病は、葉枯れ、落葉、樹勢低下などをもたらし、収量が減少し、病葉及び落葉が収穫物に混入することにより、茶製品の品質が著しく低下する。また、感染して落葉した病葉には菌が残存し、降雨などの気象条件により感染が拡大することも知られている。
そのため、有機栽培における防除としては、特許文献1、2のような防除装置が公開されている。
慣行の防除体系においては、特許文献3のような防除装置が使用されている。
特開2010-104274号公報 特許第3900489号公報 特開2003-170089号公報
上記特許文献1に関しては、防除装置が大型となり、狭い茶畑や傾斜のある茶畑において採用しにくい状況にあった。
上記特許文献2に関しては、チャノミドリヒメヨコバイ及びカンザワハダニに対しては、短い間隔(数日おき)で繰り返し防除を行うことで防除効果が得られる。しかし、防除できる虫害が限定的なことや、防除サイクルが短く、回数も多いことなど、難点も多く、普及してない。
また、上記特許文献2に関しては、チャノキイロアザミウマに対しては効果が認められない。そのため、年間7~9回程度の発生消長がみられるが、特に二番茶時期以降に寄生密度が高くなる。被害としては新芽展開前の芽胞に寄生し吸汁加害をし、被害を受けると新芽の育成遅延、褐変、芯芽の枯死をもたらし、茶生葉の収量が大幅に減少するとともに、品質も低下し、茶栽培農家にとって大きな痛手となる。
さらに、上記特許文献2に関しては、病害に対しては、防除効果が不明であり、散水を伴うことにより感染拡大の虞もあった。
上記特許文献3に関しては、有機栽培においては、有機栽培に対応している薬剤しか散布することができず、一度でも間違った薬剤を使用すると、その茶生葉は有機栽培茶として使用することができない。また、有機栽培に対応している薬剤を散布したとしても、翅があって飛来する害虫の場合は、薬剤の効果がなくなったころに再び飛来して、虫害をもたらす。また、病害の場合、薬剤を散布した病葉がそのまま茶樹に残ることで、再び病害をもたらす虞があった。
以上のことより、本発明は有機栽培に対応し、種々の病害虫にも対応し、効率的に防除をすることができ、更には、茶樹内の異物を除去することができる防除装置と防除方法を提供することを課題としている。
本発明の第1手段は、茶樹を跨いで畝に沿って走行する走行車体と、該走行車体に設けられ茶樹へ向けて吹出口から空気を吹き出す送風手段と、該走行車体に設けられ該吹出口から吹き出された空気によって茶樹から飛散したものを回収口から回収する回収手段と、を備え、
前記送風手段は、送風ファンと、該送風ファンに接続し茶樹の畝幅方向に延在した送風ダクトと、該送風ダクトの延在方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の送風ノズルと、を有するものであり、
前記送風ノズルは、前記送風ダクトから下方又は斜め下方に向けて延在する基部と、該基部の下端から斜め上方に指向し先端に前記吹出口が形成された吹出部と、を有するものであり、
前記回収口は、前記吹出口の斜め上方に位置するものであり、
前記吹出口は、前記回収口に向けて斜め上方に空気を吹き出すものであることを特徴とする茶樹用防除装置。
本発明の第2手段は、前記吹出口と前記回収口は、互いの相対位置を維持しつつ高さを変更可能なものである。
本発明の第3手段は、前記第1または2手段において、前記送風ダクトを、茶樹の畝幅方向に延在する軸を中心に回動させて角度を調整する角度調整手段と、
前記送風ダクトを、前記回収口とは独立して高さを調整する高さ調整手段とのうち、少なくともいずれか一方を有するものである。
本発明の第4手段は、前記第1、2または3手段において、前記吹出口は、空気の吹き出し方向が、水平面に対して5度~60度上向きに設定されたものである。
本発明の第5手段は、前記第1、2、3または4手段において、薬液移送供給手段を備え、
前記薬液移送供給手段は、非化学合成農薬を収容するタンクと、該タンクに接続され、該タンクから供給された非化学合成農薬を、前記吹出口から吹き出される空気に混合させる供給装置と、を有するものである。
本発明の第6手段は、前記第1、2、3または4手段において、水移送供給手段を備え、
前記水移送供給手段は、水を収容するタンクと、該タンクに接続され、該タンクから供給された水を、前記吹出口から吹き出される空気に混合させる供給装置と、を有するものである。
本発明の第7手段は、前記第1手段の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
前記吹出口から空気を吹き出し、茶樹から飛散したものを前記回収口から回収する吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
本発明の第8手段は、前記第5手段の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹冠上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
前記供給装置によって非化学合成農薬を混合させた空気を該吹出口から吹き出し、飛散したものを前記回収口から回収する薬剤混合吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
本発明の第9手段は、前記第6手段の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
前記供給装置によって水を混合させた空気を該吹出口から吹き出し、飛散したものを前記回収口から回収する水混合吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
本発明の第9手段は、前記第7、8または9手段において、前記調整工程は、前記吹出口を茶樹冠の表面から1cm~10cm下方に位置させる工程である。
本発明によって、病害虫を効果的に防除することができ、二番茶以降も安定した収穫作業をおこなえ、茶生葉の年間収量、品質ともに向上する。
図1は茶樹用防除装置の一例を示した斜視図である。 図2は茶樹用防除装置の一例を示した正面図である。 図3(a)は茶樹用防除装置の一例を示した側面図である。同図(b)は、同図(a)の一点鎖線の円で囲んだB部の拡大図である。 図4は茶樹用防除装置の一例を示した上面図である。 図5(a)は図2に示す茶樹用防除装置のA-A線断面図である。同図(b)は送風ダクト、送風ノズル及び送風誘導ダクトの開口(回収口)を概念的に示す図である。同図(c)及び(d)は送風ダクトと送風ノズルの角度調整を説明するための図である。 図6は送風ダクトと送風ノズルを概念的に示した図である。 図7は茶樹用防除方法の実施形態を概念的に示した図である。 図8は各茶樹用防除方法について、無処理の場合と比較した炭疽病の発病葉数を示すグラフである。
一般的に、走行車体による管理をおこなう現在の茶樹は、約3000Rの弧を描く形状となっており、茶生葉の収穫とは、茶樹31における、茶樹冠311より上へ生育した新芽312のみを収穫するものである(図7(b)参照)。
実施例について図面を参照して説明する。本実施例の茶樹用防除装置100は、茶樹31を跨ぐ門型フレーム1と無端帯による走行装置2を有する走行車体がベースとなっている。この走行車体は、茶樹31を跨いで畝に沿って走行するものである。茶樹用防除装置100は、図1において、太線の矢印で示す方向に走行する。すなわち、図1において、右斜め上方から左斜め下方に向かう方向が、茶樹用防除装置100の走行方向となる。走行車体として、他の構成要素を搭載可能であれば、乗用型摘採機、乗用型茶園管理機、その他運搬車などを用いてもよい。
送風手段としては、茶樹31の表面に沿った形状で、門型フレーム1が跨ぐ茶樹31の畝幅方向(図2参照)略全域に均一に分配する送風ダクト4を備え、その送風ダクト4に配設され、茶樹31へ空気を吹き出す複数の送風ノズル5と、送風ダクト4への風を供給する送風ファン3を設ける。送風ダクト4は、茶樹31の畝幅方向に延在したものであり、複数の送風ノズル5は、送風ダクト4の延在方向に所定の間隔をあけて設けられている。本実施例では、送風ファン3は、走行車体である乗用型摘採機に備えられた送風ファンを用いているが、送風されれば他のものを用いてもよい。
送風手段の後方(走行方向における後方)には、送風ノズル5から吹き出された空気によって茶樹31から飛散したものを回収する回収手段を設けている。図5(a)に示すように、回収手段は、送風ノズル5から吹き出された空気を迎える形に形成した送風誘導ダクト9と、回収袋10からなり、回収袋10は載置台11の上に置くことで茶樹31を痛めることがない。本実施例において送風誘導ダクト9は、走行車体である乗用型摘採機に備えられている茶生葉誘導ダクトを転用し使用しているが、これに限るものではない。本実施例では、布製の回収袋10に茶樹31から飛散したものを回収しているが、回収したものがこぼれることなく回収可能であれば、この限りではない。なお、本実施例では、送風誘導ダクト9の開口(図5(b)参照)が、本発明における回収口の一例に相当し、以下の説明では回収口9aと称することがある。
走行車体には、散布する薬剤を貯留するタンク6と、薬剤を計量供給可能な供給装置7とからなる薬液移送供給手段を設け、薬液移送供給手段の先端はホース8によって各送風ノズル5の出口へ合流し、薬剤が混合された空気が送風ノズル5から吹き出されるように構成されている。タンク6は、走行車体に安全に搭載可能な容量であれば相応の大きな容積の方がよいが、本実施例では50リットルの容積の物を使用している。ここで、薬剤としては、非化学合成農薬を用いることができ、具体的には、有機JAS認証適合農薬(有機JAS規格 別表2記載の農薬)や、天然物由来の農薬を用いることができる。
また、薬剤に代えて水をタンク6に貯留し、水(ミスト)が混合された空気が送風ノズル5から吹き出されるようにすることも可能である。この態様では、散布する水を貯留するタンク6と、水を計量供給可能な供給装置7とからなる水移送供給手段を設け、水移送供給手段の先端はホース8によって各送風ノズル5の出口へ合流し、水(ミスト)が混合された空気が送風ノズル5から吹き出されるように構成される。なお、薬剤を貯留するタンク6とは別に、水を貯留するタンクを設け、送風ノズル5から吹き出される空気に対し、薬剤と水とを選択的に交合させる構成としてもよい。
図5(a)に示すように、複数の送風ノズル5が設けられた送風ダクト4、送風誘導ダクト9及び載置台11は、昇降フレーム12によって昇降ユニット20としてユニット化され、一体的に昇降自在となっている。すなわち、送風ノズル5の吹出口52aと回収口9aは、互いの相対位置を維持しつつ高さを変更可能に構成されている(図5(b)参照)。また、図5(b)に示すように、送風ダクト4に設けられた送風ノズル5は、送風ダクト4から下方又は斜め下方に向けて延在する長さLの基部51と、基部51の下端から斜め上方に指向し先端に吹出口52aが形成された吹出部52と、を有するものである。回収口9aは、間隔Sをあけて、吹出口52aの斜め上方に位置するものであり、太線の矢印で示すように、吹出口52aから、回収口9aに向けて斜め上方に空気が吹き出される。吹出口52aから吹き出される空気の吹き出し方向は、水平面に対して角度α2上向きに設定されている。具体的には、詳しくは後述する角度調整手段によって、角度α2は、5度~60度に設定される。なお、角度α2は、45度程度に設定するのがより好ましい。
また、本実施例では、図3(b)に示すように、送風ダクト4は、角度調整プレート42と高さ調整金具43を介して、角度と高さを調整自在に昇降フレーム12に取り付けられている。すなわち、送風ダクト4に設けられた送風ノズル5は、その吹出口52aを、回収口9aに対して、角度と高さを調整することができる。具体的には、上下方向に延びた長孔431が上下に間隔をあけて一対形成された高さ調整金具43が昇降フレーム12に固定されている。また、角度調整プレート42には、高さ調整金具43の一対の長孔431,431にそれぞれ挿入される一対のピン423,423が設けられている。これにより、長孔431にガイドされて角度調整プレート42を上下にスライドさせることができる。また、角度調整プレート42には、畝幅方向(図3(b)における紙面と直交する方向)に延在する軸421が設けられ、この軸421を中心とした円弧状の円弧孔422が形成されている。送風ダクト4には、角度調整プレート42の円弧孔422に挿入される第2ピン41が設けられており、軸421を中心として、第2ピン41が円弧孔422にガイドされて送風ダクト4を回動角度αの範囲で回動させることができる。すなわち、角度調整プレート42、軸421及び第2ピン41が、角度調整手段の一例に相当し、高さ調整金具43及びピン423が、高さ調整手段の一例に相当する。回動角度αは、45度程度確保することが好ましい。なお、一対のピン423,423のそれぞれには、高さ調整後に固定する不図示の固定部材が設けられ、第2ピン41には、角度調整後に固定する不図示の固定部材が設けられる。また、角度調整手段と高さ調整手段は、いずれか一方のみを設ける構成としてもよい。
図5(c)は、前述の角度調整手段によって、送風ノズル5における基部51の、水平面に対する角度α3を45度に調整した例を示している。図5(d)は、前述の角度調整手段によって、送風ノズル5における基部51の、水平面に対する角度α3を75度に調整した例を示している。
また、図6に概念的に示すように、本実施例では、送風ダクト4を、茶樹31の表面に沿った形状で、門型フレーム1(図1等参照)が跨ぐ茶樹31の畝幅の全域にわたって延在するように構成している。このため、送風ダクト4の両端部分に配置される送風ノズル5を、一点鎖線で示す送風ノズル5A’のように、送風ダクト4から直線状に斜め下方に延在させる構成とすると、茶樹31の端部に送風されにくくなる。そこで、本実施例では、送風ダクト4の両端部分に配置される送風ノズル5Aを、外向きのテーパ形状(下側部分が鉛直方向に向いた形状)としている。
次に上記の茶樹用防除装置を用いた第1~第3の防除方法(第1~第3の茶樹用防除方法)について、茶樹冠から新芽が伸びていない時期と、茶樹冠から新芽が伸びた時期とに分けて、その一例を説明する。
第1の茶樹用防除方法において、茶樹冠から新芽が伸びていない時期には、前述した角度調整手段によって、図5(c)に示すように、送風ノズル5における基部51の角度α3が45度程度(具体的には40度~50度)になるように調整する。なお、必要に応じて、高さ調整手段によって送風ダクト4の高さを調整する。次いで、走行車体を処理対象の茶樹の畝の開始端部付近へ乗り入れる。次に、図5(a)に示す昇降ユニット20を昇降させ、図7(a)に示すように、送風ノズル5の吹出口52aが茶樹冠311内に位置し、回収口9aが茶樹31上に位置するように調整する(調整工程)。なお、茶樹冠から新芽が伸びていない場合には、茶樹冠311の上端と茶樹31の上端の高さは一致する。具体的には、送風ノズル5の吹出口52aは、茶樹冠311の表面から1cm~10cm下方に位置させる。これにより、送風ノズル5の吹出口52aを、葉層(濃い緑の古葉の層)の中まで沈めることができる。なお、送風ノズル5が茶樹冠311内に挿入される高さが10cm程度であれば、茶樹31を痛める虞は少ない。
次いで、走行車体を、茶樹31を跨いで畝に沿って走行させる(走行工程)。具体的には、走行装置2を駆動させる。また、非化学合成農薬を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する薬剤混合吹出回収工程を実施する。具体的には、送風ファン3を作動させるとともに、供給装置7を起動する。なお、走行装置2の駆動、送風ファン3の作動、及び供給装置7の起動は、同時に開始してもよいし、所定の間隔をあけて順次開始してもよい。
送風ノズル5の吹出口52aから吹き出される空気により、樹冠面付近に存在する異物を分離するとともに、吹き出された空気に混合されている薬剤が微細化されて樹冠面付近に接触し付着する。茶樹31より分離されて飛散した異物は、回収口9aから回収袋10内に回収される。ここで、吹出口52aは、空気の吹き出し方向の角度α2(図5(b)参照)が、5度~60度上向きに設定されたものであるため、茶樹31より分離された異物を、回収口9aに向けて効率よく送ることができる。また、送風ノズル5における基部51の角度α3が45度程度に調整されているため、走行車体を走行させる際における、茶樹31と送風ノズル5との接触抵抗を抑えることができる。
送風ノズル5が茶樹31の畝の終端部へ到達した時点で送風ファン3と供給装置7を停止し、送風ノズル5からの空気の吹き出しと薬剤の供給を止める。茶樹31の畝の外へ走行車体を移動して停車し、回収袋10が一杯であれば回収袋10の交換を行う。また、薬剤の残量が不足している場合は、追加で薬剤をタンク6に注入する。次に、走行車体を次の処理対象の茶樹の畝の開始端部へ移動し、処理対象とする茶樹31の畝すべての処理が完了するまで繰り返す。
茶樹冠から新芽が伸びた時期には、前述した角度調整手段によって、図5(d)に示すように、送風ノズル5における基部51の角度α3が75度程度(具体的には70度~80度)になるように調整する。なお、必要に応じて、高さ調整手段によって送風ダクト4の高さを調整する。次いで、走行車体を処理対象の茶樹31の畝の開始端部付近へ乗り入れる。次に、図5(a)に示す昇降ユニット20を昇降させ、図7(b)に示すように、送風ノズル5の吹出口52aが茶樹冠311内に位置し、送風ダクト4と回収口9aが、新芽312よりも上(茶樹31上)に位置するように調整する(調整工程)。これにより、送風ダクト4や回収口9aによって新芽312が押し倒されて、痛めてしまう虞を回避することができる。さらに、送風ノズル5の基部51の角度α3を75度程度に調整することで、送風ダクト4と回収口9aを、新芽312よりも上に位置させつつ、吹出口52aを、葉層の中まで沈めることができる。
その後は、茶樹冠から新芽が伸びていない時期と同様に、走行工程と、薬剤混合吹出回収工程を実施すればよい。本実施例によれば、送風ノズル5の吹出口52aから吹き出される空気により、新芽312及び樹冠面新芽付け根付近に存在する異物を分離するとともに、吹き出された空気に混合されている薬剤が微細化されて新芽312や樹冠面付近に接触し付着する。茶樹31より分離されて飛散した異物は、回収口9aから回収袋10内に回収される。
また、走行工程によって走行車体が走行すると、送風ノズル5によって新芽312が一旦倒され、送風ノズル5が通過した後に新芽312が元の姿勢に戻ることになる。このため、元の姿勢に戻った後の新芽312に対して、送風ノズル5の吹出口52aから空気と薬剤を吹き出し、茶樹31より分離されて飛散した異物が、回収口9aから回収されるように、図5(b)に示す、吹出口52aと回収口9aとの間隔Sが設定されている。
第2の茶樹用防除方法では、薬剤に代えて水をタンク6に収容し、薬剤混合吹出回収工程に代えて、水(ミスト)を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する水混合吹出回収工程を実施する。
第3の茶樹用防除方法では、薬剤混合吹出回収工程に代えて、送風ノズル5の吹出口52aから空気を吹き出し、茶樹から飛散したものを回収口9aから回収する吹出回収工程を実施する。具体的には、走行工程と同時、或いは走行工程の前後に送風ファン3の作動を開始する。
実施例1では、茶樹冠から新芽が伸びた時期に実施した第1の茶樹用防除方法について、チャノミドリヒメヨコバイを例に挙げ、説明する。チャノミドリヒメヨコバイは二番茶以降に発生することが多く、吸汁による新芽の黄化、萎縮、褐変、伸長抑制などが被害としてあるため、各茶期の萌芽期から生育期に第1の茶樹用防除方法を実施した。本実施例では、有機栽培及び輸出向けに対応可能と見込まれる、アセチル化グリセリドを主成分とする薬剤ベミデタッチ(登録商標、石原バイオサイエンス株式会社製)を用いた。ベミデタッチは用法に従って水で希釈し、走行車体に搭載されたタンク6に注入し、供給装置7の流量計にて目標散布量(20~200リットル/10アール)に調整した。なお本薬液を用いた第1の茶樹用防除方法においては、走行車体を、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度で走行させた。
茶樹畝に進入した後、新芽312の付け根付近から薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する薬剤混合吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出すと、チャノミドリヒメヨコバイは送風により茶樹31から離れ、回収口9aから回収袋10へ回収された。薬液を散布することにより、捕虫後の新芽312に薬液が残り、その後の新芽312にチャノミドリヒメヨコバイが付着して、吸汁するのを防ぐことができた。
実施例2では、茶樹冠から新芽が伸びた時期に実施した第1の茶樹用防除方法について、チャノキイロアザミウマを例に挙げ、説明する。チャノミドリヒメヨコバイは二番茶以降に発生することが多く、吸汁による新芽の伸長抑制、褐変などが被害としてあるため、各茶期の萌芽期から生育期に第1の茶樹用防除方法を実施した。本実施例では、有機栽培及び輸出向けに対応可能な、スピノサドを主成分とする薬剤スピノエース(登録商標)フロアブル(コルテバ・アグリサイエンス社製)を用いた。スピノエースフロアブルは用法に従って水で希釈し、走行車体に搭載されたタンク6に注入し、供給装置7の流量計にて目標散布量(20~200リットル/10アール)に調整した。なお本薬液を用いた第1の茶樹用防除方法においては、走行車体を、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度で走行させた。
茶樹畝に進入した後、新芽312の付け根付近から薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する薬剤混合吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出すと、チャノキイロアザミウマは送風により茶樹31から離れ、回収口9aから回収袋10へ回収された。薬液を散布することにより、捕虫後の新芽312に薬液が残り、その後の新芽312にチャノキイロアザミウマが付着して、吸汁するのを防ぐことができた。
実施例3では、茶樹冠から新芽が伸びた時期に実施した第2の茶樹用防除方法について、コミカンアブラムシを例に挙げ、説明する。コミカンアブラムシは一番茶以降に発生することが多く、吸汁による新芽の萎縮、伸長抑制などが被害としてあるため、秋冬番茶萌芽期から生育期に第2の茶樹用防除方法を実施した。本実施例では、水を走行車体に搭載されたタンク6に注入し、供給装置7の流量計にて目標散布量(20~200リットル/10アール)に調整した。なお水(ミスト)を用いた第2の茶樹用防除方法においては、走行車体を、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度で走行させた。
茶樹畝に進入した後、新芽312の付け根付近から水(ミスト)を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する水混合吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。水(ミスト)を混合させた空気を吹出口52aから吹き出すと、コミカンアブラムシは送風により茶樹31から離れ、回収口9aから回収袋10へ回収された。
実施例4では、茶樹冠から新芽が伸びた時期に実施した第1の茶樹用防除方法について、ヨモギエダシャクを例に挙げ、説明する。茶生葉の食害などが被害としてあるため、各茶期の萌芽期から生育期に第1の茶樹用防除方法を実施した。本実施例では、有機栽培及び輸出向けに対応可能な薬剤スピノエースフロアブルを用いた。スピノエースフロアブルは用法に従って水で希釈し、走行車体に搭載されたタンク6に注入し、供給装置7の流量計にて目標散布量(20~200リットル/10アール)に調整した。なお本薬液を用いた第1の茶樹用防除方法においては、走行車体を、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度で走行させた。
茶樹畝に進入した後、新芽312の付け根付近から薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する薬剤混合吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出すと、ヨモギエダシャクは送風により茶樹31から離れ、回収口9aから回収袋10へ回収された。薬液を散布することにより、捕虫後の新芽312に薬液が残り、その後の新芽312にヨモギエダシャクが付着して、茶生葉を食害するのを防ぐことができた。これにより、茶生葉の収量が増加し、摘採率の向上を図ることができる。
実施例5では、第1の茶樹用防除方法及び第3の茶樹用防除方法について、代表的な病害である炭疽病を例に挙げ説明する。炭疽病は先にも述べた通り二番茶以降に発生することが多く、葉枯れ、落葉、樹勢低下等の症状を伴う。このため、本作業の実施時期としては、一番茶及び二番茶の萌芽期から一葉期に実施することが望ましい。本実施例では、一番茶及び二番茶それぞれについて、萌芽期又は一葉期に、第3の茶樹用防除方法を実施した。また、二番茶の萌芽期又は一葉期に、第1の茶樹用防除方法を実施した。区画面積は、10.8m(1.8m×6m)であり、各区画を2回反復した。第1の茶樹用防除方法の薬剤としては、有機栽培及び輸出向けに対応可能な銅水和剤である、クプロシールド(登録商標、アグロカネショウ株式会社製)を用いた。クプロシールドは、水で500倍に希釈し、走行車体に搭載されたタンクに注入し、供給装置の流量計にて目標散布量(200リットル/10アール)にあらかじめ調整した。走行車体の素行速度は、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度とした。
図8は、各茶樹用防除方法について、無処理の場合と比較した炭疽病の発病葉数を示すグラフである。なお、炭疽病の発病葉数は、二番茶摘採前に調査したものである。図8に示すように、第1の茶樹用防除方法又は第3の茶樹用防除方法を、一番茶と二番茶の萌芽期に実施することにより、炭疽病の発病を抑制することができた。また、1葉期には新葉への炭疽病の感染が始まっていると考えられるため、萌芽期に第1の茶樹用防除方法又は第3の茶樹用防除方法を実施し、罹病葉を除去することが炭疽病の防除に有効と考えられる。
第1の茶樹用防除方法では、茶樹畝に進入した後、薬剤を混合させた空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する薬剤混合吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。また、第3の茶樹用防除方法では、茶樹畝に進入した後、空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。薬剤を混合させた空気又は空気を吹出口52aから吹き出すと、葉層内に落葉している羅病葉及び葉層に残されている羅病葉は、葉層から分離され、分離された羅病葉は、回収口9aから回収袋10へ回収された。第1の茶樹用防除方法では、吹出口52aから吹出された薬液は風により微細化され、茶樹冠及び新芽へ接触、付着し、防除効果が発揮された。また、散布した薬液が新芽312に残り、その後の新芽312に病原菌が付着して感染し、発病するのを防ぐことができた。これにより、二番茶、秋冬番茶の茶生葉の収量が増加し、摘採率の向上を図ることができる。
実施例6では、秋冬番茶期に実施した第1の茶樹用防除方法及び第2の茶樹用防除方法について、コミカンアブラムシとヨモギエダシャクを例に挙げ、説明する。本実施例では、秋冬番茶期(9~10月)の1葉期と生育期に、コミカンアブラムシに対しては第2の茶樹用防除方法を実施し、ヨモギエダシャクに対しては第1の茶樹用防除方法及び第2の茶樹用防除方法を実施した(2回処理)。区画面積は、32.4m(1.8m×6m×3畝)であり、各区画を2回反復した。第1の茶樹用防除方法の薬剤としては、水で4000倍に希釈したスピノエースフロアブルと、水で500倍に希釈したベミデタッチを混用した。混用した薬剤の目標散布量は、20リットル/10アールと、200リットル/10アールの2種類実施した。また、第2の茶樹用防除方法における水の目標散布量も、20リットル/10アールと、200リットル/10アールの2種類実施した。なお、走行車体の走行速度は、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度とした。調査方法は、処理から13日後に任意の新芽100本を摘み取り、各種害虫の被害を調査した。表1は、コミカンアブラムシに対する防除効果を示す表であり、表2は、ヨモギエダシャクに対する防除効果を示す表である。
Figure 2023056983000002
Figure 2023056983000003
表1に示すように、コミカンアブラムシに対して、第2の茶樹用防除方法による被害防止効果が認められた。また、表2に示すように、ヨモギエダシャクに対して、第1の茶樹用防除方法による被害防止効果が認められた。
実施例7では、第3の茶樹用防除方法による異物除去について説明する。茶樹の異物は年間を通して存在し、周辺の防風林の落葉やほこり、害虫ではない虫や雑草の付着などがあった。これらの異物が収穫した茶生葉に混入すると、茶製品の低下を招くことになる。本実施例7は、一番茶の整枝前に実施した。なお、台風の後に第3の茶樹用防除方法による異物除去を実施することも好ましい。走行車体は、好適な結果が得られることが分かっている0.3メートル/秒程度で走行させた。
茶樹畝に進入した後、新芽312の付け根付近から空気を吹出口52aから吹き出し、飛散したものを回収口9aから回収する吹出回収工程を実施した(図7(b)参照)。空気を吹出口52aから吹き出すと、樹冠上の異物が、回収口9aから回収袋10へ回収された。この結果、約96パーセントの異物を除去することができた。よって、第3の茶樹用防除方法による異物除去を実施することで、手作業による異物の除去を大幅に削減することが見込める。
実施例8では、秋冬番茶期に実施した第2の茶樹用防除方法による異物除去について説明する。本実施例では、秋冬番茶期(9~10月)の1葉期に実施した(1回処理)。区画面積は、32.4m(1.8m×6m×3畝)であり、各区画を2回反復した。水の目標散布量は、20リットル/10アールに設定し、走行車体は、好適な結果が得られることが分かっている0.46メートル/秒程度で走行させた。調査方法は、第2の茶樹用防除方法を実施後に回収袋10に回収された病害虫を袋ごと冷凍庫(-20℃)で保管した。数日保管した後、落葉及び昆虫を丁寧に選別し、各種病害虫やその他の虫の捕捉数をカウントした。表3は、第2の茶樹用防除方法によって回収された病葉及び落葉の数を示す表であり、表4は、第2の茶樹用防除方法によって回収された各種害虫の数を示す表である。また、表5は、第2の茶樹用防除方法によって回収されたその他の虫の数を示す表である。
Figure 2023056983000004
Figure 2023056983000005
Figure 2023056983000006
表3~5に示すように、第2の茶樹用防除方法により、炭疽病葉、輪斑病葉、及びチャノミドリヒメヨコバイ等の各種病害虫が回収されるとともに、病葉以外のその他落葉も回収された。なお、雑木林と隣接する茶園では、摘採前に茶以外の落葉を手作業で回収しており、こうした場面での活用が考えられる。
本発明は上述の実施例に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。また、以上説明した各実施例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の実施例に適用してもよい。
100 茶樹用防除装置
1 門型フレーム
2 走行装置
3 送風ファン
4 送風ダクト
5 送風ノズル
6 タンク
7 供給装置
8 ホース
9 送風誘導ダクト
9a 回収口
10 回収袋
11 載置台
21 運転席
22 操縦部
31 茶樹
311 茶樹冠
312 新芽

Claims (10)

  1. 茶樹を跨いで畝に沿って走行する走行車体と、該走行車体に設けられ茶樹へ向けて吹出口から空気を吹き出す送風手段と、該走行車体に設けられ該吹出口から吹き出された空気によって茶樹から飛散したものを回収口から回収する回収手段と、を備え、
    前記送風手段は、送風ファンと、該送風ファンに接続し茶樹の畝幅方向に延在した送風ダクトと、該送風ダクトの延在方向に所定の間隔をあけて設けられた複数の送風ノズルと、を有するものであり、
    前記送風ノズルは、前記送風ダクトから下方又は斜め下方に向けて延在する基部と、該基部の下端から斜め上方に指向し先端に前記吹出口が形成された吹出部と、を有するものであり、
    前記回収口は、前記吹出口の斜め上方に位置するものであり、
    前記吹出口は、前記回収口に向けて斜め上方に空気を吹き出すものであることを特徴とする茶樹用防除装置。
  2. 前記吹出口と前記回収口は、互いの相対位置を維持しつつ高さを変更可能なものであることを特徴とする請求項1記載の茶樹用防除装置。
  3. 前記送風ダクトを、茶樹の畝幅方向に延在する軸を中心に回動させて角度を調整する角度調整手段と、
    前記送風ダクトを、前記回収口とは独立して高さを調整する高さ調整手段とのうち、少なくともいずれか一方を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶樹用防除装置。
  4. 前記吹出口は、空気の吹き出し方向が、水平面に対して5度~60度上向きに設定されたものであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項記載の茶樹用防除装置。
  5. 薬液移送供給手段を備え、
    前記薬液移送供給手段は、非化学合成農薬を収容するタンクと、該タンクに接続され、該タンクから供給された非化学合成農薬を、前記吹出口から吹き出される空気に混合させる供給装置と、を有するものであることを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項記載の茶樹用防除装置。
  6. 水移送供給手段を備え、
    前記水移送供給手段は、水を収容するタンクと、該タンクに接続され、該タンクから供給された水を、前記吹出口から吹き出される空気に混合させる供給装置と、を有するものであることを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項記載の茶樹用防除装置。
  7. 請求項1記載の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
    前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
    前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
    前記吹出口から空気を吹き出し、茶樹から飛散したものを前記回収口から回収する吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
  8. 請求項5記載の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
    前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
    前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
    前記供給装置によって非化学合成農薬を混合させた空気を該吹出口から吹き出し、飛散したものを前記回収口から回収する薬剤混合吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
  9. 請求項6記載の茶樹用防除装置を用いて実施する茶樹用防除方法において、
    前記吹出口が茶樹冠内に位置し、前記回収口が茶樹上に位置するように、前記送風ノズルと前記回収手段の高さ位置を調整する調整工程と、
    前記走行車体を、茶樹を跨いで畝に沿って走行させる走行工程と、
    前記供給装置によって水を混合させた空気を該吹出口から吹き出し、飛散したものを前記回収口から回収する水混合吹出回収工程と、を有することを特徴とする茶樹用防除方法。
  10. 前記調整工程は、前記吹出口を茶樹冠の表面から1cm~10cm下方に位置させる工程であることを特徴とする請求項7~9のうちいずれか1項記載の茶樹用防除方法。
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