JP2023056340A - 情報処理装置、システム、方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、システム、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電波マップの補間を行うことができる情報処理装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、処理部を具備する。処理部は、所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する第2無線機との間の時変動を含む伝搬路の状況に基づき、所定の地理的範囲の各地点における受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップ上の欠落部分のデータを生成する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、情報処理装置、システム、方法およびプログラムに関する。
近年、第5世代移動通信システム(5G)が注目を集めている。また、5Gの普及に伴って、工場や流通センタなどにおいてモバイルエッジコンピューティング(MEC)の導入が進むことが予測されている。たとえば、あらかじめ決められた経路を移動する無人搬送車(AGV:Auto Guided Vehicle)に代わり、経路を適応的に選択して移動する自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)によって荷物などを搬送することが主流になると考えられている。
現在、自律的に動作する搬送ロボットに限らず、外部からの指示に基づいて動作する搬送ロボットもAMRの範疇に含まれている。後者のタイプのAMRは、MECサーバとの間で通信を行う。より具体的には、AMRは、たとえば工場内や流通センタ内に設置されている基地局(アクセスポイント)との間で無線通信を行う。
MECサーバの制御の下、工場内や流通センタ内などにおいてAMRを適切な経路で移動させるためには、常時、MECサーバとAMRとの間の通信、より具体的には、基地局とAMRとの間の無線通信が快適に行われ得ることが必要である。これまでも、無線通信を快適に行うための様々な技術が提案されている。
特開2019-140585号公報
A. Narzullaev, Y. Park, K. Yoo, and J. Yu, A fast and accurate calibration algorithm for real-time locating systems based on the received signal strength indication. AEU Int J Electron Commun 65(4):305-311
AMRを適切な経路で移動させるための一工程として、基地局とAMRとの間の無線通信に関して、AMRを使って、工場内や流通センタ内などの各地点における受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップを生成することが行われる場合がある。この電波マップを生成するにあたっては、電波マップ上に生じ得るデータの欠落部分を如何に補間するかが重要である。
本発明の1つの実施形態は、電波マップの補間を行うことができる情報処理装置、システム、方法およびプログラムを提供する。
実施形態によれば、情報処理装置は、処理部を具備する。処理部は、所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、第1無線機と通信を行う第2無線機との間の時変動を含む伝搬路の状況に基づき、所定の地理的範囲の各地点における受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップ上の欠落部分のデータを生成する。
実施形態の情報処理装置の一構成例を示す図 実施形態の情報処理装置の一適用例を示す図 フリスの伝搬公式によって得られる電波マップの一例を示す図 欠けが生じている電波マップの一例を示す図 変動成分を含む電波マップの一例を示す図 変動成分を含み、かつ、欠けが生じている電波マップの一例を示す図 短区間変動を追跡する電波マップの一例を、瞬時変動を追跡する電波マップと比較して示す図 実施形態の情報処理装置における受信電力の取得の一例を示す図 実施形態の情報処理装置における電波マップの実測値の一例を示す図 図9の経路[1](Y=0)についてアクセスポイントからの距離とRSSIとの関係をプロットした図 図9の経路[2](Y=3)についてアクセスポイントからの距離とRSSIとの関係をプロットした図 図9の経路[3](Y=6)についてアクセスポイントからの距離とRSSIとの関係をプロットした図 図9の経路[2](Y=3)について補間を適用した結果の一例を示す図 実施形態の情報処理装置による電波マップの補間の誤差の累積確率分布を示す図 実施形態の情報処理装置の動作手順を示すフローチャート 図15のS103の電波マップの補間における補間の方法の使い分けの手順を示すフローチャート 実施形態の情報処理装置の一変形例を示す図
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の情報処理装置1の一構成例を示す図である。情報処理装置1の適用例については後述するが、情報処理装置1は、工場や流通センタなどにおけるAMRの経路選択のための電波マップを生成する装置である。実施形態の情報処理装置1は、電波マップを生成するにあたって、電波マップ上のデータの欠落部分を適切に補間する機能を備えたものであり、以下、この点について詳述する。
図1に示すように、情報処理装置1は、取得部10と、処理部20と、記憶部30と、出力部40とを有する。また、処理部20は、制御部21と、電波マップ生成部22と、伝搬路状況把握部23と、電波マップ補間部24とを有する。
取得部10は、工場内などの所定の地理的範囲を移動する移動体であるAMRからの伝搬路情報と端末情報とを含む各種情報を取得するモジュールである。取得部10は、工場内などに設置されている基地局を介してAMRからの各種情報を取得する。基地局は、AMRが移動する工場内などの所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する無線機である。基地局は、無線通信エリア内のAMR、より具体的には、AMRに搭載されている無線機と無線通信を行う。情報処理装置1と基地局とは、有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。つまり、取得部10の概念は、有線経由で各種情報を取得するモジュールと、無線経由で各種情報を取得するモジュールとを包括する。
伝搬路情報は、たとえば工場内のAMRが位置する地点における基地局とAMRとの間の電波の伝搬路の状況を把握するための一材料となる情報である。伝搬路情報の詳細については後述する。端末情報は、たとえば、AMRに設置されているLRF(Laser Range Finder)のスキャンデータと、AMRの移動速度や向きのデータとの一方または両方である。
処理部20は、取得部10によって取得された情報を処理する。処理部20は、制御装置と演算装置を含む1つ以上の電子回路である。電子回路は、アナログ又はデジタル回路等で実現される。例えば、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、SoC(System-On-Chip)、及びその組み合わせが可能である。また、処理部20内の各部のうち少なくとも一部は、ソフトウェア、プログラムによってこれらの電子回路で実行されてもよい。
電波マップ生成部22、伝搬路状況把握部23および電波マップ補間部24の詳細については後述するが、ここで、まず、処理部22内の各部の概要について説明する。
制御部21は、取得部10が取得した各種情報を記憶部30に保持させ、また、この各種情報を記憶部30から読み取って電波マップ生成部22や伝搬路状況把握部23に引き渡す。記憶部30は、たとえばDRAM(Dynamic RAM[Random Access Memory]といった揮発性の記憶媒体、または、たとえばHDD(Hard Disk Drive)といった不揮発性の記憶媒体である。前者の場合、記憶部30はバッファとして機能し、後者の場合、記憶部30はストレージとして機能する。
電波マップ生成部22は、伝搬路情報、端末情報(端末情報から把握されるAMRの現在位置)、地図情報から電波マップを生成する。電波マップは、たとえば工場内の受信電力の分布を示す情報である。換言すると、たとえば工場内の各地点における受信電力に関するデータがマッピングされた情報である。電波マップの詳細については後述する。地図情報は、たとえば工場内のレイアウトに関する情報であり、端末情報の1つであるLRFスキャンデータから生成される情報である。地図情報の詳細についても後述する。
伝搬路状況把握部23は、伝搬路情報から伝搬路の状況を把握(判定)する。電波マップ補間部24は、伝搬路の状況に基づき、電波マップ生成部22によって生成された電波マップ上の欠落部分を補間する。より具体的には、電波マップ補間部24は、伝搬路の状況に応じて、電波マップを補間する方法を適宜決定する。また、電波マップ補間部24は、補間したデータの信頼度を算出する。
出力部40は、電波マップ生成部22によって生成され、電波マップ補間部24によって欠落部分が補間された電波マップと、電波マップ補間部24によって算出された信頼度を示す信頼度情報とを含む各種情報を出力するモジュールである。各種情報の出力は、有線経由で行われ得るし、無線経由でも行われ得る。つまり、出力部40の概念は、有線経由で各種情報を出力するモジュールと、無線経由で各種情報を取得するモジュールとを包括する。
以上の構成の情報処理装置1では、電波マップのデータが欠けて補間する際、伝搬路状況に応じて補間の仕方を変えることで、より正確な電波マップを再現できる。また、マルチパスが多いような環境では、正確に補間するのが難しいため、信頼度情報を電波マップと対応づけて出力することにより、電波マップを用いて行われるAMRの経路選択などにおいて、その情報を参照できるといった効果を奏する。
次に、実施形態の情報処理装置1の一適用例について説明する。図2は、実施形態の情報処理装置1の一適用例を示す図である。
たとえば工場内で搬送ロボット(AMR)が動き回ることを考える。通路に沿って範囲限定で直線上に動く場合には、制御は簡易なものでも良いが、カーブを曲がる、障害物を避ける、といった高度な動きを要求する場合には、より制御も高度なものとなる。こうした制御を有線で行う場合、線が届く範囲に制御が限定される、断線により制御が効かなくなる、線が絡まる、といった課題が考えられる。特に、多数のロボットを制御する場合には、このようなことが顕著になる。それに対して、無線で制御できれば、これらの問題は解決される。この無線制御は、たとえば、無線LANやLocal 5Gにより行うことができる。ここで、ロボットの種類を大別すると、自律的に動作するものと、外部からの指令に基づいて動作するものの2つに分けることができる。前者のようにロボット各々が状況を判断できれば有用であるものの、1台1台のコストが高くなり、多数のロボットを使用する場合にはその影響は大きい。それに対して、後者の場合、外部から指令する装置に機能を集約することにより、トータルコストを下げることができる。また、各ロボットの情報を一括で把握できることも、管理上都合が良い。
そこで、ここでは、MECサーバ100が基地局110経由でAMR200を一元的に制御するシステムを想定する。また、実施形態の情報処理装置1は、受信電力データ処理装置として、その機能がMECサーバ100に組み込まれていることを想定する。AMR200を一元的に制御するシステムとしては、クラウドシステムを想定することも可能である。この場合、クラウド上のサーバに情報処理装置1の機能が組み込まれる。
続いて、無線によるAMR200の制御と電波マップについて説明する。以下、MECサーバ100と基地局110とを基地局110側と総称することがある。
一例として、Local 5Gを用いて、基地局110側で端末(AMR200)の制御を行うことを考える。より具体的には、MECサーバ100にて制御を行い、AMR200を動かす。適切な経路でAMR200を動かすために、AMR200側では各場所で基地局110からの信号(下りリンク[回線])の受信電力を取得する。MECサーバ100では、AMR200を動き回らせて作った地図情報、推定した位置、受信電力を対応づけて、各位置の受信電力のヒートマップ、即ち、電波マップを作成する。地図情報、推定した位置、受信電力の情報は、上りリンクでAMR200から基地局110側に送信する。MECサーバ100では、電波マップの情報を頼りに、AMR200の適切な経路を選択する。たとえば、弱い受信電力の地点はAMR200が制御不能になる可能性があるので、通らないようにする等の制御が可能となる。
次に、地図情報と電波マップの事前準備について説明する。
AMR200が動き回る環境がある程度静的な環境の場合、固定の地図情報を保持しておけばよい。しかし、工場のように時間に応じて物の配置が変わるような環境では、地図情報を適宜更新する必要があり、状況が異なる。そこで、最初に地図作成を行う。MECサーバ100の制御の下、AMR200が搬送で移動する可能性がある範囲全体を動く。AMR200は、LRF等でTOF(Time Of Flight)を測定することにより、壁や障害物までの距離を把握する。そして、LRFスキャンデータ、速度、(車輪の)向きを上りリンクで基地局110側に送り、地図およびAMR200の位置を把握する。続いて、地図情報に基づいて、MECサーバ100の制御の下、AMR200が再度範囲全体を動き回り、電波マップを作成する。基地局110側は、同期信号をブロードキャストしており、AMR200は、この同期信号を受信し、たとえば、SSS-RSRP(Secondary Synchronization Signal Reference Signal Received Power)、PSS-RSRP(Primary Synchronization Signal Reference Signal Received Power)のような受信電力の情報を、上りリンクで基地局110側に返送する。このとき、AMR200は、地図作成時と同様に、LRFスキャンデータ、速度、(車輪の)向きも基地局110側に送信する。これは、地図作成時からの地図更新の意味合いと、受信電力と地図/自己位置との紐づけの意味合いがある。後者に関しては、受信電力が測れても、それがどの場所なのか特定できないと、電波マップとしての意味をなさない。なお、前述の手順では、地図作成と電波マップ作成とを分けているが、最初から同時に行ってもよい。
続いて、地図情報と電波マップの更新について説明する。
前述の事前準備で算出した電波マップに基づき、ある特定の経路を選択して、AMR200は本運用を開始する。たとえば工場だと、荷物の搬送を行うことが一例として考えられる。本運用時も前述と同様に、受信電力と地図/自己位置の測定を行い、情報を更新する。MECサーバ100は、時間的に異なる電波マップを個別に保持してもよいし、最新の電波マップのみを保持してもよいし、最新の電波マップと直近の電波マップをマージして保持してもよい。MECサーバ100は、信頼度情報に基づいて更新の有無を判断してもよい。また、複数のAMR200が運用をしている場合には、それぞれに対する電波マップをマージして保存してもよい。
次に、電波マップのデータ欠けについて説明する。
電波マップをMECサーバ100で生成するとき、場所的に受信電力データが欠けることがある。このことを、Local 5Gの場合を例として考える。基地局110は、同期信号に関して、5ms連続して送り、20msのインターバルを空けて、再度5ms連続して送信することを繰り返す。周波数3~6GHz、サブキャリア間隔15kHzの場合には、5msの間に8回のSS/PBCH (Synchronization Signal/Physical Broadcast Channel)ブロックが送信される。SS/PBCH内にそれぞれ1つずつのPSS、SSSが含まれているため、AMR200は、5msで8回のPSS-RSRP、SSS-RSRPの情報が取得できる。ここで、電波マップを5cm角のピクセルで作成することを考える。AMRが1m/sで走行すると、1ピクセル分走行するのにかかる時間は50msである。つまり、1ピクセルにつき16回のPSS-RSRP、SSS-RSRPの情報が取得されるので、受信電力の情報としては十分である。しかしながら、電波マップを作成するためには、地図の中の場所と対応づけないと意味を持たない。LRFスキャンデータ、受信電力情報、自己位置情報を上りリンクで送ると、データ量の多さによる通信遅延、MECサーバ100での処理遅延等でこれらの対応付けが遅れ、電波マップ内に情報がないピクセルが生じる可能性がある。また、上りリンクのリソースは、それ以前の下りリンクで割り当てを受けなければならず、割り当てられたタイミングによっては、データ発生時にすぐに上りリンクでデータの送信が行えず、遅延する場合もある。
次に、電波マップの空間的な補間と伝搬路について説明する。
図3は、周波数4.8GHzを想定し、フリスの伝搬公式によって得られる、各地点の受信電力をマッピングした電波マップの一例を示す図である。フリスの伝搬公式では、受信電力が距離に対して単調に減少し、直接波が支配的なチャネルを模擬する。図3のようにすべての地点に対して受信電力を取得できれば良いが、前述の通り、たとえば図4に示すように、電波マップに欠けが生じる場合がある。ただし、この場合は受信電力が単調減少なので、補間が容易と考えられる。
一方、図5は、フリスの伝搬公式で得られる受信電力に対してランダムで0~6dBの変動を加えたものである。反射波が存在する場合、受信地点での直接波と反射波の位相関係、反射波同士の位相関係により強弱が発生し、このように受信電力が距離に対して単調減少しない。この状態で、たとえば図6に示すように電波マップに欠けが生じると、補間の難易度が高くなる。つまり、伝搬路の状況により、補間の方法を変える必要性が示唆される。なお、図3~図6の電波マップは、xy平面の2次元で考えているが、これにz軸を加えて3次元で考えてもよいし、z軸でスライスして、高さ毎にxy平面の2次元の電波マップを考えてもよい。
電波マップの空間的な補間と伝搬路についてさらに説明する。
セルラ通信で、速度1m/sのAMR200が動き回る場合は、前述の通り、受信電力は高頻度で取得される。仮にアップリンクの通信が遅滞なく行われれば、前述した5cm角の電波マップの取得が可能である。そして、各ピクセルで細かく取得している受信電力データに基づいて、直接波が支配的な環境であれば、一定の精度で補間できる。しかしながら、マルチパスが多い場合や空間分解能が細かく必要でない場合には、このような補間のアプローチは適さない。
ここで、電波伝搬の理論として、[1]瞬時変動(フェージング)、[2]短区間変動(シャドーイング)、[3]長区間変動(伝搬距離特性)の3つの考え方がある。[1]瞬時変動(フェージング)では、波長以下の分解能で、数波長程度までの区間を見る。到来する多重波による空間的な定在波分布が把握できる。[2]短区間変動(シャドーイング)では、1~10mの分解能で、100m程度までの区間を見る。セルラ環境だと、移動することにより建物などから受ける遮蔽度合いが変わるので、場所によりその影響が現れる。[3]長区間変動(伝搬距離特性)では、10~100mの分解能で、kmオーダーの区間を見る。たとえば、マクロセルでは3~4乗で減衰するマクロな傾向が把握できる。
そこで、実施形態の情報処理装置1は、伝搬路の状況に基づき、電波マップの補間の方法を適宜選択する。即ち、情報処理装置1は、瞬時変動(第1変動)を追跡する方法と、短区間変動(第2変動)を追跡する方法と、長区間変動(第3変動)を追跡する方法とを適応的に使い分ける。
たとえば、マルチパスが多い場合や空間分解能が細かく必要でない場合、情報処理装置1は、電波マップの補間について、[1]瞬時変動(フェージング)ではなく、[2]短区間変動(シャドーイング)または[3]長区間変動(伝搬距離特性)を想定する。電波マップのピクセルの分解能と、[1]瞬時変動(フェージング)、[2]短区間変動(シャドーイング)および[3]長区間変動(伝搬距離特性)とには関連があり、[2]短区間変動(シャドーイング)または[3]長区間変動(伝搬距離特性)を想定する場合、情報処理装置1は、電波マップのピクセルを、図7に示すように、(A)のような細かい分解能(たとえば5cm)から、(B)のような粗い分解能(たとえば1~10mまたは10~100m)に変更する。また、場所により分解能を変えてもよい。
情報処理装置1は、電波マップを経路選択で利用する際の利便性や障害物に衝突する可能性がある領域か否かなど、要求に即して分解能を変えてもよい。要求により瞬時変動まで追跡する必要があり、マルチパスの影響が大きい場合には、情報処理装置1は、アレーアンテナによる空間的なダイバーシティ技術や、周波数方向や時間方向の受信電力の平均によりマルチパスの影響を抑圧した状態で補間してもよいし、補間した値の信頼度の指標を合わせて用いてもよい。
次に、伝搬路情報について説明する。
情報処理装置1は、伝搬路情報として、基地局110からの同期信号もしくは参照信号によりAMR200側で測定した受信電力を用いる。指標としては、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)などを用いる。たとえば5Gでは、基地局110からの同期信号がブロードキャストされており、端末(AMR200)側で同期信号のSSSやPSSの受信電力を取得することが可能である。
また、5Gでは、チャネル情報推定用の参照信号CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)や復調用の参照信号DMRS(Demodulation Reference Signal)などの参照信号が複数用意されており、情報処理装置1は、周波数毎の受信電力や伝搬路のインパルス応答を伝搬路情報としてもよい。
基地局110側、より具体的には、MECサーバ100は、AMR200側で測定した受信電力の情報を上りリンクで取得する。このように取得される各地点、各時間における受信電力の情報を、MECサーバ100(情報処理装置1)は、伝搬路の状態を把握するための一材料とすることができる。
続いて、現在位置および地図情報について説明する。
MECサーバ100は、AMR200のLRFスキャンデータ、移動速度、向きの情報を受け取って、現在位置や地図情報を把握する。地図情報に関しては、たとえば工場内を想定した場合には、既知の初期レイアウトを参照し、順次更新してもよい。また、一例として、AMR200に高さ方向の上部を見るLRFと下部を見るLRFとの2つが搭載されている場合、それらの情報を取得することで、MECサーバ100側で、工場内で荷物もしくは障害物が積み上がっていることが把握できる。情報処理装置1の伝搬路状況把握部23においては、伝搬路情報の変動のみだと、それが何に起因しているのかを把握することが難しいが、地図情報を伝搬路情報と結びつけて総合的に判断することにより、より正確に伝搬路の状況を把握できる。
仮に、荷物もしくは障害物が積み上がっていることにより、伝搬路情報が変化しているとき、信頼度の指標は下げずに、その地点を境に補間に使用するデータを分けるといった方法が取れる。逆に、荷物もしくは障害物が積みあがっていないのに、伝搬路情報が変化しているときは、その地点の信頼度の指標を下げて受信電力を補間するといった方法が取れる。
以上を踏まえて、情報処理装置1の処理部20の各部について詳細に説明する。
まず、電波マップ生成部22について説明する。
電波マップ生成部22は、地図上でAMR200が動き回る範囲に関して、位置と受信電力とを紐づけたマップを生成する。
位置に関しては、1ピクセルの大きさを決めて基準点からの座標で示してもよいし、距離そのもので示してもよい。また、1ピクセルの大きさを部分的に変えることで、分解能を変えてもよい。また、1ピクセルの大きさは識別できる障害物の最小単位に基づいて決定してもよい。受信電力に関しては、スループット、ビットエラーレートで置き換えてもよい。
電波マップ生成部22が、このように電波マップを生成することで、MECサーバ100で行われる、基地局110-AMR200間の通信状況の良いAMR200の経路選択に活用でき、AMR200の安定した稼働が実現できる。
次に、伝搬路状況把握部23について説明する。
図8は、実施形態の情報処理装置1における受信電力の取得の一例を示す図である。
図8に示すように、AMR200は、基地局側110からの同期信号/参照信号により第1受信電力を取得する(1)。AMR200は、その情報を上りリンクのパケットへ格納して基地局110側に送る(2)。これにより、基地局110側において、各地点での受信電力(第1受信電力)を把握することができる(3)。また、このときの上りリンクのパケットにも参照信号が付加されているので、基地局側110においては、この参照信号を利用して、第2受信電力を取得することができる(4)。
電波伝搬では、双対性により、理論的には第1受信電力と第2受信電力とは等しい。したがって、伝搬路状況把握部23は、第1受信電力と第2受信電力とに大きな隔たりがあれば、そこに何らかの伝搬変動があったと予想され、時変動を把握することができる。
ここで、AMR200が移動することによっても第1受信電力と第2受信電力との差は生まれるため、AMR200において受信電力を測定するのは、ブロードキャストする同期信号よりも第1受信電力の取得時と第2受信電力の取得時との時間差が小さい参照信号の方が望ましい。たとえば下りリンクでは参照信号CSI-RSのRSRPを取得し、上りリンクでは参照信号SRS(Sounding Reference Signal)のRSRPを取得することで、より適切に時変動を把握することを実現できる。
時変動把握の別の方法として、伝搬路状況把握部23は、電波マップの最小分解能に対して第1受信電力を複数取得して、その差を把握してもよい。前述の通り、電波マップを5cm角のピクセルで作成し、AMR200が1m/sで走行すると、1ピクセル分走行するのにかかる時間は50msである。たとえば、その50msの間に複数回取得した同期信号の電力差を把握する方法がある。このとき、逆に同期信号のインターバルと1ピクセルのサイズとを考慮して、AMR200の速度を定めてもよい。なお、時変動を優先的に把握する際は、AMR200を等速で動かして、一時的に上りリンクで送るLRFスキャンデータや位置情報を止め、上りリンクで受信電力データを瞬時に送ることを優先させてもよい。
このように、電波マップの1ピクセルに対してオーバーサンプリングする形で受信電力を取得し、その変動を見ることにより、伝搬路状況把握部23は、時変動が大きい伝搬路なのか否かを把握することができる。
また、電波伝搬では、直接波と反射波との電力の比を表すライスファクタという指標がある。反射波強度が弱い場合には、ライスファクタは大きくなり、反射波強度が強い場合には、ライスファクタは小さくなる。たとえば、時間的に複数取得したOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の各サブキャリアの受信電力と、ライスファクタを複数振って理論的に導出した伝搬路の受信電力とを比較することによって、その環境のライスファクタを導出することができる。
さらには、複数の素子を有するアレーアンテナで信号を受信するとき、各素子に入る信号の類似度を示す指標として空間相関がある。空間相関が高い場合には、直接波の影響が強く、低い場合には直接波の影響が弱いことが判断できる。
このようにして、ライスファクタや空間相関により、多重波(マルチパス)の度合いを把握することができる。直接波の影響が強い場合には、距離に対して受信電力が単調に減少する傾向が強くなる。反射波の影響が強い場合には、位相の強め合いや打消しにより、距離に対して受信電力が変動する傾向が強くなる。このように伝搬路状況把握部23が伝搬路の状況を把握することで、それに基づき、電波マップ補間部24が補間の方法を変えることができる。なお、直接波が支配的なチャネルと反射波が支配的なチャネルとの分類に関しては、ライスファクタXdB以上/以下のように閾値を設けてもよいし、合わせて空間相関Y以上/以下のように閾値を設けてもよい。
また、5Gでは復調用参照信号DMRSが周波数方向に配置されている。DMRSを用いて、周波数に対する受信電力や伝搬路のインパルス応答を算出し、周波数特性を把握することができる。広帯域伝送の場合、受信電力の周波数特性がフラットであれば直接波の影響が強く、変動が大きければ多重波の影響が強い。それを伝搬路状況把握部23が把握すれば、この伝搬路の状況に応じて電波マップ補間部24が補間の方法を変えることができる。
図9は、あるオフィス環境における電波マップの実測値の一例を示す図である。ここでは、5GHz帯無線LANのアクセスポイント(AP)110Aを、高さ1.2mに設置し、ビーコンを受信する端末(AMR200)を、高さ0.2mの経路上を直線的に等速0.1m/sで移動させる。なお、AP110A側はシングルアンテナ、AMR200側はマルチアンテナでダイバーシティを適用している。3つの経路共にAP110Aから遠ざかるほど、受信電力は低下する傾向にある。
図10~図12は、図9のY=0,3,6の3つの経路に対してAPからの距離とRSSIの関係をプロットしたものである。なお、AP110Aからの距離は4~15mの範囲であり、理論的には受信電力は距離のx乗に比例するため、片対数グラフでプロットしている。回帰線も併せて表示している。図11のY=3と、図12のY=6とは、図9で示されているように、いずれの受信点も見通し内にあることから、おおよそ回帰線から5dB程度の範囲には収まり距離に対して単調に減少する傾向にある。また、回帰線の傾きによりY=3は1.2乗則、Y=6は0.8乗則であった。しかし、見通し内/見通し外を含むY=0では、図9に示されているパーティションを境に見通し内/見通し外が変わるので、傾向が大きく変化し、回帰線から10dB程度データが外れる場合もある。したがって、電波伝搬の減衰の乗数が障害物を境に変わると考えてよい。
このように、伝搬路状況把握部23は、減衰乗数が大きく変化する地点に障害物があることを判断でき、データの欠けがある場合には、電波マップ補間部24は、そこを境に補間の仕方を変えることができる。
次に、電波マップ補間部24について説明する。
電波マップ補間部24は、伝搬路状況把握部23で把握した伝搬路状況に応じて、電波マップの欠けを補間する。まずは時変動の有無を確認する。時変動の有無に関しては、前述の通り、伝搬路状況把握部23のアップリンクとダウンリンクとの受信電力差、オーバーサンプリングした電力データの差異により確認することができる。時間変動がある場合には、電波マップ補間部24は、障害物等によるレイアウトの変化を疑い、前述のように2つ以上のLRFスキャンデータや伝搬乗数の変化があった場合には、予想される障害物を境に補間に使用するデータを分ける。LRFスキャンデータや伝搬乗数の変化がない場合には、電波マップ補間部24は、補間を行うものの補間したデータの信頼度を下げる。
また、伝搬路状況把握部23で多重波が少ないと判定された場合には、受信電力は距離に対して単調減少するので、電波マップ補間部24は、波長オーダー、つまり、瞬時変動(フェージング)を想定して電波マップのデータを補間する。その際、電波マップ補間部24は、図10に示すような横軸片対数でリニアに補間してもよいし、取得した受信電力データから回帰線を引き、それに基づいて補間してもよい。内挿補間のみならず、同じように多重波が少ないと予想される場所について、電波マップ補間部24は、取得した受信電力データの回帰線より、外挿補間してもよい。基地局110-AMR200間の距離が離れるに従い、AMR200の移動に対する基地局110-AMR200間の距離の変化は小さくなる。その性質を利用して、隣のピクセルの受信電力値をコピーしてもよい。すべての実測データを補間に使用するのではなく、補間に使用するものと、その精度を検証するもので分けてもよい。電波マップ補間部24は、取得した受信電力データの回帰線から大きく乖離したプロット点、たとえば20dB乖離したプロット点を外れ値として補間に使用するデータから外してもよい。電波マップ補間部24は、最小受信感度に近い受信電力の地点では、補間の分解能を上げる、もしくは最小受信感度を下回る地点を外挿補間するなどしてもよい。また、時間変動が少なく、多重波も少ない場合には、電波マップ補間部24は、補間したデータの信頼度を高くする。
さらに、電波マップ補間部24は、伝搬路状況把握部23で多重波が多いと判定された場合には、受信電力は距離に対して大きく変動するので、波長オーダーよりも長い短区間変動(シャドーイング)もしくはそれ以上の長区間変動(伝搬距離特性)を想定して、電波マップのデータを補間する。その際、電波マップ補間部24は、図7を参照して説明したように、電波マップの空間分解能を下げる。隣接する電波マップの受信電力値により線形補間してもよいし、受信電力自体は多重波が少ない場合と同じ分解能で、Krigingやグラフ理論、圧縮センシング等の手法を用いて補間してから、空間分解能を下げて、平均化してもよい。また、時間変動が少なくても、多重波が多い場合には、電波マップ補間部24は、補間したデータの信頼度を低くする。
一方で、基地局110側もしくはAMR200側で複数のアンテナを用いた空間ダイバーシティが活用できる場合、または、使用する周波数の帯域幅やAMR200の速度調整により受信信号を周波数的、時間的に十分平均化できる場合には、多重波の影響を抑圧できるので、電波マップ補間部24は、細かい分解能のまま線形補間してもよく、補間したデータの信頼度を高くしてもよい。
電波マップ補間部24は、電波マップの各ピクセルと対応づけた信頼度を出力する。電波マップ補間部24は、信頼度が低い点のみを出力してもよい。電波マップの補間時、このように信頼度も合わせてマップ化することにより、AMR200の経路選択時の利便性を高める効果を奏する。前述の第1受信電力と第2受信電力との差が大きい場合に、時変動の影響が大きいものとして、電波マップ補間部24は、そのデータを使って補間した電波マップのピクセルの信頼度を下げても良い。また、多重波の度合いが大きい受信点のデータを用いて補間する際は、電波マップ補間部24は、同じくピクセルの信頼度を下げてもよい。
また、電波マップ補間部24は、ピクセルごとに区切った1次元、2次元あるいは3次元の座標とその座標に対応する受信電力を出力する。電波マップ補間部24は、設定した原点からのx方向、y方向、z方向の距離と受信電力との対応関係を出力してもよい。
図13は、図9の経路[2](Y=3)に関して、補間を適用した結果である。
実験データはAMR200側で細かく1cm置きに取得している。符号a1が示す丸印は、この実測値(データ)を表している。一例として、上りリンクで送るときに遅延するなどして、基地局側で20cm置きにしかデータが取得できなかった場合を想定する。符号a2が示す星印は、基地局110側で取得できたデータを表している。そして、この20cm置きのデータから情報処理装置1が補間したデータと、実測の1cm置きのデータと値を比較した。符号a3が示す三角印は、この補間されたデータを表している。なお、本環境は見通し内で空間ダイバーシティも適用しているため、補間は線形補間により行っている。
図14は、その結果を累積確率分布(CDF:Cumulative Distribution Function)で示す図である。
電波伝搬では3dBは誤差とみなされるレベルであり、図14から、90%近くのデータが誤差3dB以内に収まっていることが確認できる。これにより、伝搬路の状況によっては簡易な線形補間でも一定の精度で補間できることが確認できる。
図15は、実施形態の情報処理装置1の動作手順を示すフローチャートである。この手順は、プログラムによって前述のような電子回路で実行されてもよい。
情報処理装置1は、まず、電波マップを作成する(S101)。情報処理装置1は、基地局110とAMR200との間の伝搬路の状況を把握する(S102)。情報処理装置1は、伝搬路の状況に基づき、電波マップの補間を行う(S103)。
図16は、図15のS103の電波マップ補間における補間の方法の使い分けの手順を示すフローチャートである。
情報処理装置1は、まず、多重波が多い(マルチパスリッチな)環境か否かを判定する(S201)。多重波が少ない環境の場合(S201:NO)、情報処理装置1は、瞬時変動(フェージング)を想定した電波マップの補間を実行する(S202)。つまり、細かい粒度で補間を行う。
一方、多重波が多い環境の場合(S201:YES)、情報処理装置1は、基地局110またはAMR200がマルチアンテナでダイバーシティを適用しているか否かを判定する(S203)。ダイバーシティを適用していない場合(S203:NO)、情報処理装置1は、短区間変動(シャドーイング)または長区間変動(伝搬距離特性)を想定した電波マップの補間を実行する(S04)。つまり、粗い粒度で補間を行う。なお、情報処理装置1は、ダイバーシティを適用していない場合の別の方法として、Krigingやグラフ理論、圧縮センシング等の手法を用いて補間してから、空間分解能を下げて、平均化してもよい。この場合、多重波が多い環境であり、かつ、ダイバーシティを適用していない状況下において、細かい粒度での補間が行われることとなる。
ダイバーシティを適用している場合には(S203:YES)、情報処理装置1は、多重波が多い環境であっても、瞬時変動(フェージング)を想定した電波マップの補間を実行する(S202)。つまり、細かい粒度で補間を行う。
以上のように、実施形態の情報処理装置1は、伝搬路状況に応じて、電波マップの補間方法を変えることで、より正確な電波マップを再現できる。つまり、実施形態の情報処理装置1は、電波マップの補間を適切に行うことができる。
(変形例)
図17は、実施形態の情報処理装置1の一変形例を示す図である。
前述の説明では、電波マップを生成し、かつ、伝搬路の状況に応じて、電波マップの補間を行う受信電力データ処理装置として実現されている例を示した。受信電力データ処理装置としての情報処理装置1の機能は、たとえばAMR200を一元的に管理するMECサーバ100に組み込まれ、MECサーバ100は、情報処理装置1から出力される電波マップおよび信頼度情報に基づき、AMR200の経路選択を実行する。
図17に示す一変形例の情報処理装置1は、処理部20が、経路生成部25をさらに有する。経路生成部25は、電波マップ補間部24から出力される電波マップおよび信頼度情報に基づき、AMR200の経路選択(経路生成)を実行する。
つまり、一変形例の情報処理装置1は、受信電力データ処理に加えて、経路生成をも実行する経路生成装置として実現されている。経路生成装置としての情報処理装置1の機能を組み込んだMECサーバ100は、電波マップや信頼度情報に代わり、情報処理装置1から経路情報を得ることができる。
あるいは、実施形態の情報処理装置1の処理部20から電波マップ生成部22を削除する変形例も考えることができる。つまり、情報処理装置1は、電波マップを生成する機能は持たず、伝搬路の状況に応じて、電波マップの補間を行う機能のみを持つ受信電力データ処理装置として実現されてもよい。
これらの変形例においても、情報処理装置1は、電波マップの補間を適切に行うことができるという効果を奏する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…情報処理装置、10…取得部、20…処理部、21…制御部、22…電波マップ生成部、23…伝搬路状況把握部、24…電波マップ補間部、25…経路生成部、30…記憶部、40…出力部、100…MECサーバ、110…基地局、200…AMR。

Claims (18)

  1. 所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、前記所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する第2無線機との間の伝搬路の状況に基づき、前記所定の地理的範囲の各地点における無線信号の受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップ上の欠落部分のデータを生成する処理部、
    を具備する情報処理装置。
  2. 前記処理部は、前記第1無線機と前記第2無線機との間で送受信される同期信号または参照信号から測定される受信電力を用いて、前記伝搬路の状況を判定する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記処理部は、さらに、前記所定の地理的範囲の地図情報を用いて、前記伝搬路の状況を判定し、
    前記地図情報は、前記第1無線機または前記第1無線機を搭載する移動体に設置される1以上のLRF(Laser Range Finder)のスキャンデータに基づいて随時更新される、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記処理部は、前記第1無線機側で測定される第1受信電力と、前記第2無線機側で測定される第2受信電力との差に基づいて、前記伝搬路の状況を判定する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記処理部は、前記電波マップの所定の分解能に対して前記第1受信電力を複数取得し、前記複数の第1受信電力の間の差に基づいて、前記伝搬路の状況を判定する請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記電波マップは、第1分解能および前記第1分解能よりも低い第2分解能を含み、
    前記所定の分解能は、前記第1分解能である、
    請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記処理部は、ライスファクタまたは空間相関によって得られる直接波および反射波に関する情報に基づいて、前記伝搬路の状況を判定する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 前記処理部は、前記第1無線機と前記第2無線機との間で送受信される復調用の参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)を用いて、周波数に対する受信電力または前記伝搬路のインパルス応答を算出し、前記周波数に対する受信電力または前記伝搬路のインパルス応答から得られる周波数特性に基づいて、前記伝搬路の状況を判定する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  9. 前記処理部は、前記第1無線機と前記第2無線機との間の距離に対する受信電力の減衰乗数の変化に基づいて、前記伝搬路の状況を判定する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 前記処理部は、直接波の受信電力が反射波の受信電力よりも大きい場合、受信電力の第1変動に基づいて前記電波マップ上の欠落部分のデータを生成する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  11. 前記処理部は、反射波の受信電力が直接波の受信電力よりも大きい場合、受信電力の第2変動または前記第2変動よりも長い区間における第3変動に基づいて前記電波マップ上の欠落部分のデータを生成する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  12. 前記処理部は、反射波の受信電力が直接波の受信電力よりも大きい場合、受信電力の第2変動または前記第2変動よりも長い区間における第3変動に基づいて前記電波マップ上の欠落部分のデータを生成し、
    前記第2変動は、前記第1変動よりも長い区間における変動である、
    請求項10に記載の情報処理装置。
  13. 前記処理部は、前記電波マップ中の少なくとも前記生成した欠落部分のデータの信頼度を出力する請求項1乃至12のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  14. 前記処理部は、前記第1無線機側で測定された第1受信電力と、前記第2無線機側で測定された第2受信電力との差が所定以上のデータを用いて生成した前記欠落部分のデータの信頼度を、前記欠落部分以外のデータの信頼度よりも低下させる請求項12に記載の情報処理装置。
  15. 前記処理部は、前記欠落部分のデータを生成して補間した前記電波マップに基づき、前記第1無線機が移動すべき前記所定の地理的範囲上の経路を生成し、
    前記処理部によって生成された前記経路を前記第1無線機へ出力する出力部をさらに具備する、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  16. 所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、
    前記所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する第2無線機と、
    請求項1乃至15のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
    を具備するシステム。
  17. 所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、前記所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する第2無線機との間の伝搬路の状況に基づき、前記所定の地理的範囲の各地点における無線信号の受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップ上の欠落部分のデータを生成する、
    方法。
  18. 情報処理装置に、
    所定の地理的範囲を移動する第1無線機と、前記所定の地理的範囲を含む無線通信エリアを形成する第2無線機との間の時変動を含む伝搬路の状況に基づき、前記所定の地理的範囲の各地点における無線信号の受信電力に関するデータがマッピングされた電波マップ上の欠落部分のデータを生成させる、
    プログラム。
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