JP2023056263A - インクジェット用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出安定性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクを提供する。【解決手段】インクジェット用インクは、顔料と、多糖類と、水溶性有機溶媒と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子とを含有する。前記多糖類の含有割合は、0.01質量%以上0.20質量%以下である。前記水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含む。前記特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下である。前記自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する前記顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インクに関する。
インクジェット記録装置には、一般的に、顔料及び水性媒体を含有する水性のインクジェット用インクが用いられている。インクジェット用インクには、吐出安定性に優れることが要求される。また、インクジェット記録装置は、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムのような非浸透性の記録媒体に対して画像を形成する場合がある。インクジェット記録装置を用いて非浸透性の記録媒体に画像を形成すると、形成される画像に画像不良(例えば、滲み及びインク弾き)が発生し易い。更に、インクジェット記録装置を用いて非浸透性の記録媒体に形成した画像は、密着性が低い傾向があり、他の部材によって擦られた際に記録媒体から剥がれることがある。そのため、このような用途に用いるインクジェット用インクには、非浸透性の記録媒体に画像形成する場合においても、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できることが要求される。
このような要求に対して、例えば、天然多糖類等と、着色剤と、溶剤とを含有するインクジェット用インクが提案されている(特許文献1)。上述のインクジェット用インクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に滲みの発生を抑制できるとされる。
特開2012-17400号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット用インクによっても、吐出安定性と、非浸透性の記録媒体に画像を形成する場合における滲みの発生及びインク弾きの発生の抑制と、形成される画像の密着性とを十分に満足することはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吐出安定性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクを提供することである。
本発明に係るインクジェット用インクは、顔料と、多糖類と、水溶性有機溶媒と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子とを含有する。前記多糖類の含有割合は、0.01質量%以上0.2質量%以下である。前記水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含む。前記特定グリコールエーテル化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む。前記特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下である。前記自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する前記顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下である。
本発明に係るインクジェット用インクは、吐出安定性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下において、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、動的光散乱式粒径分布測定装置(マルバーン社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて測定された値である。本明細書では、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
<インク>
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット用インク(以下、単にインクと記載することがある)を説明する。本発明のインクは、顔料と、多糖類と、水溶性有機溶媒と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子とを含有する。多糖類の含有割合は、0.01質量%以上0.2質量%以下である。水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含む。特定グリコールエーテル化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む。特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下である。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下である。本発明のインクは、顔料被覆樹脂、水、特定グリコール化合物及び界面活性剤のうち少なくとも1つを更に含有することが好ましい。
本発明のインクの用途としては、特に限定されないが、例えば、浸透性の記録媒体又は非浸透性の記録媒体への画像形成に用いることができる。本発明のインクは、非浸透性の記録媒体への画像形成に好適である。浸透性の記録媒体は、インクの浸透性に優れる。浸透性の記録媒体としては、例えば、印刷用紙、及び繊維を原料とする媒体(例えば、布地)が挙げられる。印刷用紙としては、例えば、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、及び光沢紙が挙げられる。
非浸透性の記録媒体は、浸透性の記録媒体に比べ、インクの浸透性に劣る。非浸透性の記録媒体において、水性媒体の吸収量は、例えば、1.0g/m2以下である。非浸透性の記録媒体としては、例えば、樹脂製の記録媒体、金属製の記録媒体、及びガラス製の記録媒体が挙げられる。樹脂製の記録媒体としては、例えば、樹脂シート及び樹脂フィルムが挙げられる。樹脂製の記録媒体が含有する樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。具体的な樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。樹脂製の記録媒体としては、例えば、OPPフィルムが挙げられる。本発明のインクで樹脂製の記録媒体に画像形成する場合、記録媒体の表面(印字面)にはコロナ処理が施されていてもよい。
本発明のインクは、上述の構成を備えることにより、吐出安定性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できる。その理由は以下のように推察される。本発明のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子を一定量以上含有する。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子は、バインダー樹脂粒子として機能し、本発明のインクにより形成される画像の記録媒体に対する密着性を確保する。ポリオレフィン樹脂粒子は、バインダー樹脂粒子の中でも、非浸透性の記録媒体(特に、OPPフィルム)との相性がよい。また、自己乳化型樹脂粒子は、記録媒体との密着性を低下させる傾向を有する界面活性剤又は乳化剤を多量に用いなくてもインク中に分散可能である。そのため、本発明のインクは、バインダー樹脂粒子として自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子を用いることにより、非浸透性の記録媒体に対する密着性に優れる画像を形成できる。
また、本発明のインクは、増粘剤の一種である多糖類を一定量以上含有する。多糖類は、本発明のインクに適度な粘性を付与する。これにより、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に滲みの発生を抑制できる。一方、一般的に、バインダー樹脂粒子及び増粘剤を過剰に添加したインクは、吐出安定性が低下する傾向がある。これに対して、本発明のインクでは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)を0.25以上とし、かつ多糖類の含有割合を0.2質量%以下としている。つまり、本発明のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子及び多糖類を過剰に含有していない。また、多糖類は、増粘剤の中でもインクの吐出安定性に与える影響が小さい。これらにより、本発明のインクは、バインダー樹脂粒子(自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子)及び増粘剤(多糖類)の添加による吐出安定性の低下を抑制しているため、吐出安定性に優れる。
更に、本発明のインクは、特定グリコーエーテル化合物を含む。特定グリコーエーテル化合物は、湿潤剤として機能し、非浸透性の記録媒体に対する本発明のインクの濡れ性を最適化する。特定グリコーエーテル化合物は、湿潤剤の中でも、本発明のインクに含まれる他の成分との相溶性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に対する濡れ性を効果的に発揮できる。そのため、本発明のインクは、湿潤剤として特定グリコールエーテル化合物を含有することで、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、インク弾きの発生を抑制できる。
以下、本発明のインクについて、更に詳細に説明する。なお、以下に説明する各成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[顔料]
本発明のインクにおいて、顔料は、例えば、顔料被覆樹脂と共に顔料粒子を構成する。顔料粒子は、例えば、顔料を含むコアと、コアを被覆する顔料被覆樹脂とにより構成される。顔料被覆樹脂は、例えば、溶媒に分散して存在する。本発明のインクの色濃度、色相、又は安定性を最適化する観点から、顔料粒子の体積中位径としては、30nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上130nm以下がより好ましい。
顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、及び193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、及び71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122及び202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、及び33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
本発明のインクにおいて、顔料の含有割合としては、0.5質量%以上10.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。顔料の含有割合を0.5質量%以上とすることで、本発明のインクは、所望する画像濃度を有する画像を形成できる。また、顔料の含有割合を10.0質量%以下とすることで、本発明のインクの流動性を確保できる。
[顔料被覆樹脂]
顔料被覆樹脂は、本発明のインクの溶媒に可溶な樹脂である。顔料被覆樹脂の一部は、例えば、顔料粒子の表面に存在し、顔料粒子の分散性を最適化する。顔料被覆樹脂の一部は、例えば、本発明のインクの溶媒に溶解した状態で存在する。
顔料被覆樹脂としては、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸のうち少なくとも1つのモノマーに由来する繰り返し単位を有する。
本発明のインクにおいて、顔料被覆樹脂の含有割合としては、0.1質量%以上4.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。顔料被覆樹脂の含有割合を0.1質量%以上4.0質量%以下とすることで、本発明のインクの吐出安定性を確保できる。
本発明のインクにおいて、顔料100質量部に対する顔料被覆樹脂の含有量としては、10質量部以上60質量部以下が好ましく、20質量部以上30質量部以下がより好ましい。顔料被覆樹脂の含有量を10質量部以上60質量部以下とすることで、本発明のインクの吐出安定性を確保できる。
[多糖類]
多糖類は、グリコシド結合によって単糖分子が重合した化合物である。多糖類は、天然の多糖類でもよく、天然の多糖類の誘導体でもよい。天然の多糖類としては、例えば、アミロース、アミロペクチン、デンプン、デキストラン、アガロース、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、アルギン酸、ローカストビーンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸、キチン、ヘパリン及びコンドロイチンが挙げられる。多糖類誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルグアーガム、カチオン化グアーガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカチオン化セルロースが挙げられる。多糖類としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム又はタマリンドガムが好ましい。
本発明のインクにおいて、多糖類の含有割合としては、0.01質量%以上0.20質量%以下であり、0.03質量%以上0.10質量%以下が好ましい。多糖類の含有割合を0.01質量%以上とすることで、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生を抑制できる。多糖類の含有割合を0.20質量%以下とすることで、本発明のインクは、優れた吐出安定性を発揮できる。
[水溶性有機溶媒]
本発明のインクにおいて、水溶性有機溶媒は、溶媒として機能してもよく、分散媒として機能してもよい。水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含む。水溶性有機溶媒は、特定グリコール化合物を更に含んでもよい。本発明のインクにおいて、水溶性有機溶媒の全量に対する特定グリコールエーテル化合物及び特定グリコール化合物の合計含有割合としては、90質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
(特定グリコールエーテル化合物)
特定グリコールエーテル化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含む。
本発明のインクにおいて、特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下であり、10.0質量%以上15.0質量%以下が好ましい。特定グリコールエーテル化合物の含有割合を3.0質量%以上とすることで、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、インク弾きの発生を抑制できる。特定グリコールエーテル化合物の含有割合を24.0質量%以下とすることで、本発明のインクは、優れた吐出安定性を発揮できる。
(特定グリコール化合物)
特定グリコール化合物は、比較的沸点が高く、かつ本発明のインクに含まれる他の成分との相溶性に優れる水溶性有機溶媒である。特定グリコール化合物は、本発明のインクによるノズル詰まりの発生を抑制し、これにより吐出安定性を発揮できる。特定グリコール化合物は、1,2-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール又は3-メチル-1,5-ペンタンジオールを含む。
本発明のインクにおいて、特定グリコール化合物の含有割合としては、3.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以上25.0質量%以下がより好ましく、15.0質量%以上20.0質量%以下が更に好ましい。特定グリコール化合物の含有割合を3.0質量%以上30.0質量%以下とすることで、本発明のインクは吐出安定性を発揮できる。
本発明のインクにおいて、特定グリコールエーテル化合物の質量MAに対する特定グリコール化合物の質量MBの比(MB/MA)としては、0.25以上9.50以下が好ましく、1.00以上3.00以下がより好ましい。比(MB/MA)を0.25以上9.50以下とすることで、本発明のインクは吐出安定性を発揮できる。
[水]
本発明のインクにおいて、水の含有割合としては、40.0質量%以上80.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以上70.0質量%以下がより好ましい。
[自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子]
自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子は、親水性のポリオレフィン樹脂を含む。親水性のポリオレフィン樹脂としては、例えば、酸変性処理(例えば、マレイン酸処理)又は塩素化処理が施されたポリオレフィン樹脂、及びオレフィンモノマーと親水基含有ポリマーとの共重合体が挙げられる。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子は、例えば、界面活性剤の含有割合が1.0質量%以下の水溶液に濃度10質量%で分散可能である。
ポリオレフィン樹脂は、オレフィンモノマーに由来する繰り返し単位を有する。オレフィンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、1-ヘプテン、2-ヘプテン、1-オクテン及び2-オクテンが挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、オレフィンモノマーに由来する繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に有してもよい。他のモノマーとしては、例えば、スチレン、アクリル酸及びアクリル酸エステルが挙げられる。
自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子としては、例えば、自己乳化型ポリエチレン樹脂粒子及び自己乳化型ポリプロピレン樹脂粒子が挙げられる。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の市販品としては、例えば、日本製紙社製「スーパークロン(登録商標)シリーズ」、日本製紙社製「アウローレン(登録商標)シリーズ」、東洋紡株式会社製「ハードレン(登録商標)シリーズ」、及び三菱ケミカル株式会社製「アプトロック(登録商標)シリーズ」が挙げられる。
自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の体積中位径(D50)としては、40nm以上400nm以下が好ましく、100nm以上200nm以下がより好ましい。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の体積中位径を40nm以上とすることで、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、密着性に更に優れる画像を形成できる。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の体積中位径を400nm以下とすることで、本発明のインクの吐出安定性を発揮できる。
本発明のインクにおける自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の含有割合としては、0.5質量%以上15.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の含有割合を0.5質量%以上とすることで、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、密着性に更に優れる画像を形成できる。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の含有割合を15.0質量%以下とすることで、本発明のインクは優れた吐出安定性を発揮できる。
本発明のインクにおいて、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下であり、0.60以上1.50以下が好ましい。比(MY/MX)を0.24以上とすることで、本発明のインクは、優れた吐出安定性を発揮できる。比(MY/MX)を3.10以下とすることで、本発明のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、密着性に優れる画像を形成できる。
[界面活性剤]
界面活性剤は、記録媒体に対する本発明のインクの浸透性(濡れ性)を確保する。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、モノデカノイルショ糖、及びアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
本発明のインクにおける界面活性剤の含有割合としては、0.1質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
[他の成分]
本発明のインクは、必要に応じて、公知の添加剤(例えば、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤及び防カビ剤)を更に含有してもよい。
[インクの製造方法]
本発明のインクは、例えば、顔料を含有する顔料分散液と、多糖類と、特定グリコールエーテル化合物と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションと、必要に応じて配合される他の成分(例えば、水、特定グリコール化合物及び界面活性剤)とを攪拌機により均一に混合することにより製造できる。本発明のインクの製造では、各成分を均一に混合した後、フィルター(例えば孔径5μm以下のフィルター)により異物及び粗大粒子を除去してもよい。
(顔料分散液)
顔料分散液は、顔料を含む分散液である。顔料分散液は、顔料被覆樹脂を更に含むことが好ましい。顔料分散液の分散媒としては、水が好ましい。
顔料分散液における顔料の含有割合としては、5.0質量%以上25.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。顔料分散液における顔料被覆樹脂の含有割合としては、1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上6.0質量%以下がより好ましい。
顔料分散液は、顔料と、顔料被覆樹脂と、分散媒(例えば、水)と、必要に応じて添加される成分(例えば、界面活性剤)とをメディア型湿式分散機により湿式分散することで調製できる。メディア型湿式分散機による湿式分散では、メディアとして、例えば、小粒径ビーズ(例えば、D50が0.5mm以上1.0mm以下のビーズ)を用いることができる。ビーズの材質としては、特に限定されないが、硬質の材料(例えば、ガラス及びジルコニア)が好ましい。
本発明のインクの製造において顔料分散液を添加する場合、インクの全原料に対する顔料分散液の割合としては、例えば、10.0質量%以上40.0質量%以下である。
(自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルション)
自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子を含む分散液である。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションの分散媒としては、水が好ましい。
自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションにおける自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の含有割合としては、10.0質量%以上40.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以上35.0質量%以下がより好ましい。
本発明のインクの製造において自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションを添加する場合、インクの全原料に対する自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子含有エマルションの割合としては、例えば、3.0質量%以上45.0質量%以下である。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
[シアン顔料分散液の調製]
顔料としてのシアン顔料(BASF社製「HELIOGENDBLUE7088」、C.I.PigmentBlue15:3)15質量部と、顔料被覆樹脂含有溶液(ビックケミー社製「DISPERBYK(登録商標)190」、アクリル樹脂含有分散液、不揮発分:40%)10質量部と、水75質量部とを、ディスパー混合機で予備混合した。得られた混合物を、ビーズミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製「ダイノーミル」、容積0.6L)を用い、4時間の分散処理を行った。分散処理において、メディアとしては、ジルコニアビーズ(直径0.1mm)1800gを用いた。これにより、シアン顔料分散液を調製した。
[ブラック顔料分散液の調製]
顔料をシアン顔料からブラック顔料(オリオンエンジニアドカーボン社製「Printex(登録商標)85」)15質量部に変更した以外は、シアン顔料分散液の調製と同様の方法により、ブラック顔料分散液を調製した。
[樹脂粒子含有エマルション]
インクの原料として、以下の樹脂粒子含有エマルション(E-1)~(E-3)を準備した。
樹脂粒子含有エマルション(E-1):自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子(A)を含有するエマルション(三菱ケミカル株式会社製「アプトロック(登録商標)BW-5635」、不揮発分:30質量%、D50:140nm)
樹脂粒子含有エマルション(E-2):自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子(B)を含有するエマルション(住友精化株式会社製「ザイクセン(登録商標)A」、不揮発分:25質量%、D50:180nm)
樹脂粒子含有エマルション(E-3):ウレタン樹脂粒子を含有するエマルション(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス820」、不揮発分:30質量%、D50:30nm)
[多糖類]
インクの原料として、以下の多糖類を準備した。
カルボキシメチルセルロース:ダイセルミライズ株式会社製「CMCダイセル1330」
キサンタンガム:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「エコーガム」
タマリンドガム:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「グリロイド 6C」
<インクの調製>
以下の方法により、実施例1~13及び比較例1~8のインクを調製した。
[実施例1]
シアン顔料分散液20.0質量部(シアン顔料:3.0質量部)と、カルボキシメチルセルロース0.05質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.0質量部と、1,2-プロパンジオール18.0質量部と、樹脂粒子含有エマルション(E-1)10.0質量部(ポリオレフィン樹脂粒子(A):3.0質量部)と、界面活性剤(日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)E1010」、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物)0.4質量部とを、攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーターBL-600」)を用いて回転数400rpmで攪拌して均一に混合した。得られた混合液から異物及び粗大粒子を除去するため、孔径5μmのフィルターを用いて混合液をろ過した。これにより、実施例1のインクを調製した。
[実施例2~13及び比較例1~8]
インクの組成が下記表1~3に示す通りとなるように原料の種類及び量を変更した以外は、実施例1のインクの調製と同様の方法により、実施例2~13及び比較例1~8のインクを調製した。なお、下記表1~3において、「部」は、質量部を示す。
Figure 2023056263000001
Figure 2023056263000002
Figure 2023056263000003
<評価>
以下の方法により、実施例1~13及び比較例1~8のインクについて、吐出安定性と、非浸透性の記録媒体に対して画像形成した際の滲み及びインク弾きの発生の有無と、形成される画像の密着性とを評価した。評価結果を下記表4~5に示す。なお、評価は、温度25℃、湿度60%RHで行った。
[評価機]
評価機として、ラインヘッド搭載インクジェット記録装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製試験機)を用いた。
[滲み]
評価機を用いて、非浸透性の記録媒体であるOPPフィルム(東レ株式会社製「トレファン(登録商標)#50-2500H」)、及びマット紙(セイコーエプソン株式会社製「スーパーファイン紙」)に対して、線幅1ドットの細線を形成した。次に、OPPフィルムに形成した細線の線幅A[mm]と、マット紙に形成した細線の線幅B[mm]とを測定した。そして、下記式に線幅A及び線幅Bを当てはめることで算出される値を、非浸透性の記録媒体に対して画像形成した際の滲みの評価値とした。滲みは、下記基準に沿って判定した。
滲みの評価値=線幅A/線幅B
(滲みの基準)
A(良好):評価値が1.00未満
B(不良):評価値が1.00超
[インク弾き]
評価機を用いて、上述のOPPフィルムにソリッド画像を形成した。形成されたソリッド画像の端部を目視で観察し、インク弾きによる画像不良の発生の有無を確認した。インク弾きは、下記基準に沿って判定した。
(インク弾きの基準)
A(良好):インク弾きが確認されない
B(不良):インク弾きが確認される
[密着性]
評価機を用いて、上述のOPPフィルムにソリッド画像を形成した。このOPPフィルムに対して、JIS(日本産業規格)K5600-5-6:1999に準拠した碁盤目試験(クロスカット法)を実施した。具体的には、OPPフィルム上のソリッド画像に対し、縦横各6本の2mm間隔の格子状(碁盤目様)の切り込みを入れ、一辺2mmの正方形状のマス目を25個形成した。切り込みを入れたソリッド画像上に粘着テープ(ニチバン株式社製「セロテープ(登録商標)CT-24」)を張り付け、約45度の角度で上述の粘着テープを一気に剥離した。粘着テープの剥離後、ソリッド画像における25個のマス目を観察し、剥離によってソリッド画像の剥がれ又は欠けが発生したマス目の数を数えた。密着性は、下記基準に沿って判定した。
(密着性の基準)
A(良好):剥がれ又は欠けが発生したマス目の数が0個以上5個以下
B(不良):剥がれ又は欠けが発生したマス目の数が6個以上25個以下
[吐出安定性]
評価機を用いて、上述のマット紙100枚に対して連続してソリッド画像を形成した。次に、上述の評価機の記録ヘッドに対して、インクをパージするパージ処理を行った後、記録ヘッドにおけるインク吐出面をクリーニングワイパーでワイプするワイプ処理を行った。次に、上述の評価機を用いて、上述のマット紙に対してノズルチェックパターンの形成を行った。その結果、何れの評価対象においても、全てのノズルからインクが吐出されていることが確認された。次に、上述の評価機の記録ヘッドに対して、上述のパージ処理及びワイプ処理を行った。次に、上述の評価機の記録ヘッドにキャップを付けない状態で、上述の評価機を8時間静置した。次に、上述の評価機の記録ヘッドに対して、上述のパージ処理及びワイプ処理を行った。次に、上述の評価機を用いて、上述のマット紙に対してノズルチェックパターンの形成を行った。そして、形成されたノズルチェックパターンを観察し、ノズル詰まりが発生したノズルの本数を確認した。評価機の記録ヘッドの全ノズル本数に対するノズル詰まりが発生したノズルの本数の割合を、吐出安定性の評価値とした。吐出安定性は、下記基準に沿って判定した。
(吐出安定性の基準)
A(良好):評価値が10%未満
B(不良):評価値が10%以上
Figure 2023056263000004
Figure 2023056263000005
表1~3に示すように、実施例1~13のインクは、顔料と、多糖類と、水溶性有機溶媒と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子とを含有していた。多糖類の含有割合は、0.01質量%以上0.20質量%以下であった。水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含んでいた。特定グリコールエーテル化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含んでいた。特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下であった。自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下であった。表4~5に示すように、実施例1~13のインクは、吐出安定性に優れると共に、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みの発生及びインク弾きの発生を抑制しつつ密着性に優れる画像を形成できた。
一方、比較例1のインクは、多糖類の含有割合が0.01質量%未満であった。比較例1のインクは、多糖類の量が不十分であるため、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に滲みが発生した。
比較例2のインクは、多糖類の含有割合が0.20質量%超であった。比較例2のインクは、多糖類の量が過剰であるため、吐出安定性が不良であった。
比較例3のインクは、特定グリコールエーテル化合物の含有割合が3.0質量%未満であった。比較例3のインクは、特定グリコールエーテル化合物の量が不十分であるため、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、滲みが発生した。また、比較例3のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、形成される画像の密着性が不良であった。
比較例4のインクは、特定グリコールエーテル化合物の含有割合が24.0質量%超であった。比較例4のインクは、特定グリコールエーテル化合物の量が過剰であるため、吐出安定性が不良であった。
比較例5のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)が3.10超であった。比較例5のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量が顔料の質量に対して不十分であるため、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、形成される画像の密着性が不良であった。
比較例6のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する顔料の質量MYの比(MY/MX)が0.24未満であった。比較例6のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量が顔料の質量に対して過剰であるため、吐出安定性が不良であった。
比較例7のインクは、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の代わりにウレタン樹脂粒子を含有していた。ウレタン樹脂粒子は、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子と比較し、非浸透性の記録媒体との相性が良くなかった。そのため、比較例7のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際に、形成される画像の密着性が不良であった。
比較例8のインクは、特定グリコールエーテル化合物以外のグリコールエーテル化合物を含有していた。特定グリコールエーテル化合物以外のグリコールエーテル化合物は、非浸透性の記録媒体に対する濡れ性を十分に確保することができない。そのため、比較例8のインクは、非浸透性の記録媒体に画像を形成する際にインク弾きが発生した。
本発明のインクは、画像を形成するために用いることができる。

Claims (5)

  1. 顔料と、多糖類と、水溶性有機溶媒と、自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子とを含有し、
    前記多糖類の含有割合は、0.01質量%以上0.20質量%以下であり、
    前記水溶性有機溶媒は、特定グリコールエーテル化合物を含み、
    前記特定グリコールエーテル化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含み、
    前記特定グリコールエーテル化合物の含有割合は、3.0質量%以上24.0質量%以下であり、
    前記自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の質量MXに対する前記顔料の質量MYの比(MY/MX)は、0.24以上3.10以下である、インクジェット用インク。
  2. 前記多糖類は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム又はタマリンドガムを含む、請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記水溶性有機溶媒は、特定グリコール化合物を更に含み、
    前記特定グリコール化合物は、1,2-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール又は3-メチル-1,5-ペンタンジオールを含む、請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記特定グリコールエーテル化合物の質量MAに対する前記特定グリコール化合物の質量MBの比(MB/MA)は、0.25以上9.50以下である、請求項3に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記自己乳化型ポリオレフィン樹脂粒子の含有割合は、1.0質量%以上10.0質量%以下である、請求項1~4の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
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