JP2023056106A - マルチコプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンで駆動する発電機と充放電可能なバッテリを搭載したマルチコプタにおいて、バッテリの過熱を抑制し、バッテリからモータへ電力を安定的に供給すること。【解決手段】マルチコプタ1は、モータ24で駆動する複数のロータ25、充放電可能なバッテリ31、エンジン41で駆動する発電機42、エンジン41の運転や発電機42とバッテリ31とモータ24との間の電力供給を制御するコントローラ33を備える。コントローラ33は、飛行電力を充足させるために発電機42からモータ24へ発電電力を供給すると共に不足する電力を補うためにバッテリ31からモータ24へバッテリ電力を放電させ、バッテリ温度が判定温度以上になったとき、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定し、発電機42からモータ24への発電電力を増加させるために発電機42の発電負荷を増加させると共にバッテリ31からモータ24へのバッテリ電力を低減させるためにバッテリ31の放電負荷を低減させる。【選択図】 図2

Description

この明細書に開示される技術は、エンジンで駆動する発電機と充放電可能なバッテリを搭載し、モータへ電力を供給して複数のロータを回転させることにより飛行するマルチコプタに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載されるマルチコプタが知られている。このマルチコプタは、本体と、本体から半系方向へ延伸する複数のアームと、各アームの先端付近に設けられるプロペラ(ロータ)とを備える。また、マルチコプタは、その飛行を制御する装置(FCU)と、FCUに対し供給される電力を管理する装置(PMU)と、PMUを介してFCUに電力を供給する第1のバッテリと、各アームに応じて設けられた揚力発生系統とを更に備える。各揚力発生系統は、ロータの他に、ロータを回転駆動するモータと、モータの回転数を制御する装置(ESC)と、ESCを介してモータに電力を供給する第2のバッテリを備える。そして、FCUは、複数の揚力発生系統いずれかの第2のバッテリに電力低下等の不具合が生じた場合、その不具合が生じている第2のバッテリから電力の供給を受けていたESCを、その第2のバッテリから電気的に切り離し、そのESCを、他の揚力発生系統に設けられる不具合が生じていない第2のバッテリに接続するようにスイッチング回路を制御するようになっている。
特開2020-93724号公報
ところで、マルチコプタの飛行中にバッテリ等の電力供給源に不具合が生じた場合は、飛行を継続してから安全に着陸することが求められる。ここで、特許文献1に記載のマルチコプタでは、第2のバッテリの不具合に対するフェイルセーフとして、複数の独立した第2のバッテリを搭載し、不具合が生じている第2のバッテリによる電力供給を、不具合が生じていない他の第2のバッテリによる電力供給に切り替えることで第2のバッテリの不具合に対処し、マルチコプタの飛行を継続できるようにしている。ところが、特許文献1に記載のマルチコプタでは、不具合が生じている第2のバッテリによる電力供給を、不具合が生じていない他の第2のバッテリによる電力供給に切り替えるときは、対応するモータへの電力供給が瞬間的に止まることになる。その結果、ロータの回転が不安定となり、マルチコプタの安全な飛行の継続と安全な着陸が困難になるおそれがある。
ここで、バッテリの不具合として、特にバッテリの過剰な温度上昇(過熱)がある。バッテリの温度は、化学反応熱や内部抵抗によるジュール熱によって上昇する。マルチコプタにおいて、バッテリの過熱を抑制できれば、バッテリの不具合を減らすことができる。その結果、マルチコプタに複数のバッテリを搭載して、あるバッテリによる電力供給を他のバッテリによる電力供給へ切り替える必要性をなくすことも可能となる。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータへ電力を供給するために、エンジンで駆動する発電機と充放電可能なバッテリを搭載したマルチコプタにおいて、バッテリの過熱を抑制し、バッテリからモータへ電力を安定的に供給することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、複数のロータと、各ロータを回転駆動するためのモータと、モータへ供給する電力を充放電可能に構成されるバッテリと、モータに供給される電力及びバッテリに充電される電力を発電するための発電機と、発電機を駆動するためのエンジンと、エンジンの運転、発電機からモータへの電力の供給、発電機からバッテリへの充電及びバッテリからモータへの放電を制御するための制御手段とを備え、モータへ電力を供給して各ロータを回転させることにより飛行するマルチコプタにおいて、バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段を更に備え、制御手段は、マルチコプタの飛行に必要な飛行電力を充足させるために、発電機からモータへ発電電力を供給すると共に発電電力のみでは不足する電力を補うためにバッテリからモータへバッテリ電力を放電させるように構成され、制御手段は、バッテリ温度検出手段により検出されるバッテリの温度が所定の判定温度以上となったときに、発電機からモータへ供給される発電電力を増加させるために発電機の発電負荷を増加させると共にバッテリからモータへ放電されるバッテリ電力を低減させるためにバッテリの放電負荷を低減させる
こと趣旨とする。
上記技術の構成によれば、マルチコプタは、モータへ電力を供給して各ロータを回転させることにより飛行する。ここで、制御手段は、エンジンの運転、発電機からモータへの電力の供給、発電機からバッテリへの充電及びバッテリからモータへの放電を制御する。そして、制御手段は、マルチコプタの飛行に必要な飛行電力を充足させるために、発電機からモータへ発電電力を供給すると共に発電電力のみでは不足する電力を補うためにバッテリからモータへバッテリ電力を放電させる。また、制御手段は、バッテリ温度検出手段により検出されるバッテリの温度が所定の判定温度以上となったときに、発電機からモータへ供給される発電電力を増加させるために発電機の発電負荷を増加させると共にバッテリからモータへ放電されるバッテリ電力を低減させるためにバッテリの放電負荷を低減させる。従って、バッテリの温度が所定の判定温度以上となってバッテリが過熱しそうになると、発電機からモータへ供給される発電電力が増え、その代わりにバッテリが負担するバッテリ電力が減るので、発電機からバッテリに充電される電流及びバッテリからモータへ放電される電流が抑制される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、制御手段は、バッテリの放電負荷を低減させるときは、バッテリからモータへ放電されるバッテリ電流が所定の範囲値内に収まるように低減させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、バッテリからモータへ放電されるバッテリ電流が所定の範囲値内に収まるように低減されるので、バッテリ電流の低減に多少の変動が許容される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、制御手段は、発電機の発電負荷を増加させるために、エンジンの回転数を増加させて発電機の回転数を増加させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、エンジンにより発電機の回転数を増加させて発電機の発電負荷を増加させることにより、請求項1又は2に記載の技術と同等の作用が得られる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術において、制御手段は、発電機の発電負荷を増加させるときは、所定時間毎に段階的に増加させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の作用に加え、発電機の発電負荷を所定時間毎に段階的に増加させるので、発電機の動作の急変が抑えられる。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の技術は、請求項4に記載の技術において、制御手段は、バッテリの放電負荷を低減させるときは、発電負荷の段階的な増加に合わせて所定時間毎に段階的に低減させることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項4に記載の技術の作用に加え、発電負荷の段階的な増加に合わせてバッテリの放電負荷を所定時間毎に段階的に低減させるので、バッテリの放電負荷の急変が抑えられる。
請求項1に記載の技術によれば、モータへ電力を供給するために、エンジンで駆動する発電機と充放電可能なバッテリを搭載したマルチコプタにおいて、バッテリの過熱を抑制することができ、バッテリからモータへ電力を安定的に供給することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、発電機等の応答性やマルチコプタの飛行挙動のばらつきに対し急な動きがなくなり、安定した電力供給の動作を実現することができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の効果に加え、安定してバッテリ等を動作させることができる。
請求項5に記載の技術によれば、請求項4に記載の技術と同等の効果を得ることができる。
一実施形態に係り、マルチコプタの外観を示す斜視図。 一実施形態に係り、マルチコプタの構成を示すブロック図。 一実施形態に係り、発電用エンジンシステムとその関連機器の一部を示す概略構成図。 一実施形態に係り、マルチコプタの飛行時におけるエンジン回転数と発電電流に対する、等燃費率線、等出力線、エンジン全開性能線、等電圧線及び動作線の関係を示すグラフ。 一実施形態に係り、電力供給制御の内容を示すフローチャート。 一実施形態に係り、マルチコプタが定常飛行する場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 一実施形態に係り、マルチコプタが定常飛行の途中で巡航速度を上げたり、高度を上昇させたりした場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 一実施形態に係り、マルチコプタが定常飛行の途中で向かい風を受けた場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。
以下、マルチコプタを具体化した一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[マルチコプタの構成等について]
図1に、この実施形態のマルチコプタ1の外観を斜視図により示す。図2に、マルチコプタ1の構成をブロック図により示す。以下に、マルチコプタ1の構成等について、図1、図2を参照して詳細に説明する。
マルチコプタは、ヘリコプターの一種であり、3つ以上のロータを搭載した回転翼機のことである。この実施形態のマルチコプタ1は、機体11と、エンジン発電ユニット12とを備える。機体11は、先端が二股に分かれた複数(この実施形態では4本)のアーム21と、複数のアーム21を放射状に片持ち支持するアームベース22と、アームベース22を支持する機体ベース23と、各アーム21の先端に設けられた複数(この実施形態では8個)のモータ24と、各モータ24により回転駆動される複数(この実施形態では8個)のロータ25とを含む。このマルチコプタ1は、複数のロータ25を対応する各モータ24により同時に回転させることで飛行するようになっている。
アームベース22は、機体ベース23の上に設けられる。アームベース22の中には、バッテリ31、燃料タンク32、メインコントローラ33、フライトコントローラ34、パワーコントロールユニット35、エレクトリックスピードコントローラ36などが設けられる。また、アームベース22には、外部を撮像または録画する撮像部37が設けられる。撮像部37は、カメラ及び録画メモリ等を含む。
機体ベース23の下側には、エンジン発電ユニット12が懸架される。エンジン発電ユニット12は、後述する発電用エンジンシステム15(エンジン41を含む)と、エンジン41により駆動されて発電する発電機(ジェネレータ)42とを含む。
各モータ24は、エレクトリックスピードコントローラ36(インバータ(不図示)を含む)とパワーコントロールユニット35を介してジェネレータ42に電気的に接続される。この接続により、ジェネレータ42で発電された電力が、パワーコントロールユニット35とエレクトリックスピードコントローラ36を介してモータ24に供給されるようになっている。
バッテリ31は、電力を充放電可能な二次電池により構成される。バッテリ31は、パワーコントロールユニット35を介してジェネレータ42に電気的に接続され、ジェネレータ42で発電された電力を充電するようになっている。バッテリ31は、パワーコントロールユニット35とエレクトリックスピードコントローラ36を介して各モータ24に電気的に接続され、バッテリ31から放電する電力を各モータ24に供給するようになっている。バッテリ31には、バッテリ31の電流及び電圧をそれぞれ検出するセンサ(図示略)と、バッテリ31の温度を検出するバッテリ温センサ74が設けられ、これらセンサがその検出結果に関する電気信号をメインコントローラ33へ送るようになっている。バッテリ温センサ74は、この開示技術におけるバッテリ温度検出手段の一例に相当する。
燃料タンク32には、燃料(例えば、ガソリン)が貯留される。この燃料は、エンジン41を駆動するために使用される。燃料タンク32に設けられたレベルセンサ(図示略)は、燃料残量に関する電気信号をメインコントローラ33へ送るようになっている。
メインコントローラ33は、小型のコンピュータとして構成され、マルチコプタ1に関する全ての動作を制御するようになっている。メインコントローラ33は、風向取得部45、回転制御部46、風力取得部47、機械制御部48及びエンジン制御部50を備える。ここで、例えば、エンジン制御部50は、ジェネレータ42での発電を制御するためにエンジン41の動作を制御するようになっている。メインコントローラ33は、エンジン41の運転、ジェネレータ42から各モータ24への電力の供給、ジェネレータ42からバッテリ31への充電及びバッテリ31から各モータ24への放電を制御するようになっている。メインコントローラ33は、この開示技術における制御手段の一例に相当する。
フライトコントローラ34は、マルチコプタ1の飛行を制御する装置である。このフライトコントローラ34は、マルチコプタ1の飛行に関する推力をメインコントローラ33とエレクトリックスピードコントローラ36へ指令する電気信号を送る一方で、メインコントローラ33からバッテリ31の充電状態に関する電気信号を受け取るようになっている。フライトコントローラ34は、後述するリモコン30から操縦者の操作指令に関する電気信号を受け取り、後述する各種センサ28から検出結果に関する電気信号を受け取るようになっている。
パワーコントロールユニット35は、各モータ24へ供給される電力を制御する装置である。このパワーコントロールユニット35は、ジェネレータ42で発電された電力を受給したり、バッテリ31との間で電力の供給及び受給を行ったり、エレクトリックスピードコントローラ36へ電力を供給したりするようになっている。パワーコントロールユニット35は、メインコントローラ33から充放電の切替指令に関する電気信号を受け取るようになっている。また、パワーコントロールユニット35は、バッテリ31の電流に関する電気信号と、ジェネレータ42の電流に関する電気信号をそれぞれメインコントローラ33へ送るようになっている。
エレクトリックスピードコントローラ36は、各モータ24の回転数を制御する装置である。このエレクトリックスピードコントローラ36は、パワーコントロールユニット35を介して供給される電力を駆動電力として各モータ24に供給するようになっている。エレクトリックスピードコントローラ36は、フライトコントローラ34から推力指令に関する電気信号を受け取るようになっている。
エンジン発電ユニット12は、エンジン41を含む発電用エンジンシステム15の一部及びジェネレータ42などを備える。エンジン41は、ジェネレータ42の駆動源であって、この実施形態では、レシプロタイプの小型ガソリンエンジンより構成される。すなわち、エンジン41は、各モータ24又はバッテリ31へ供給される電力をジェネレータ42で発電するために、ジェネレータ42を駆動するようになっている。また、後述する発電用エンジンシステム15を構成する各種部品57,60,62は、メインコントローラ33のエンジン制御部50から、発電を目的としたエンジン制御指令に関する電気信号を受け取るようになっている。
この実施形態で、マルチコプタ1は、各種センサ28とリモコン30を備える。各種センサ28は、マルチコプタ1の高度、姿勢、緯度や経度、加速度及び障害物などをそれぞれ検出するためのセンサを含む。リモコン30は、マルチコプタ1の操縦者が持つ操作器であり、操縦者により操作されるジョイスティックからの操作に関する電気信号をマルチコプタ1へ送信したり、マルチコプタ1からの動作に関する電気信号を受信したりする送受信機などの機器を含む。
この本実施形態のマルチコプタ1では、各モータ24とバッテリ31とエンジン41によりシリーズ式のハイブリッドシステムが構成される。すなわち、このマルチコプタ1では、エンジン41がジェネレータ42による発電のみに使用され、各モータ24が各ロータ25を回転駆動するために使用され、バッテリ31がジェネレータ42で発電された電力を充放電するために使用される。このようにして、マルチコプタ1は、エンジン41の動力によりジェネレータ42を動作させて発電し、その発電した電力で各モータ24を動作させて各ロータ25を回転させることで飛行するようになっている。また、このマルチコプタ1は、エンジン41の動力によりジェネレータ42で発電された電力のうち、各モータ24へ供給されて余った余剰電力を、バッテリ31に一旦蓄え、必要に応じてバッテリ31から各モータ24へ供給するようになっている。
上記のように構成したマルチコプタ1は、各モータ24に電力を供給し、複数のロータ25をそれぞれ回転させることで各種飛行を実現するようになっている。すなわち、マルチコプタ1は、各ロータ25の回転数を制御することで、各ロータ25により発生する揚力をマルチコプタ1に作用する重力とバランスさせてホバリング飛行を実現する。マルチコプタ1は、各ロータ25により発生する揚力をマルチコプタ1に作用する重力よりも大きくすることで、上昇飛行を実現し、各ロータ25により発生する揚力をマルチコプタ1に作用する重力よりも小さくすることで、下降飛行を実現する。また、マルチコプタ1は、各ロータ25の回転数を制御し、各ロータ25により発生する揚力に不均衡を生じさせることで前進・後進・左右移動飛行を実現する。更に、マルチコプタ1は、相対回転する各ロータ25の回転数に差を設けることで、旋回(回転)飛行を実現する。
ここで、メインコントローラ33は、パワーコントロールユニット35へ電力供給切り替え指令に関する電気信号を送ることで、ジェネレータ42で発電された電力の各モータ24への供給とバッテリ31への充電を制御すると共に、バッテリ31に充電された電力の各モータ24への放電を制御するようになっている。
[発電用エンジンシステムについて]
次に、発電用エンジンシステム15について説明する。図3に、この実施形態の発電用エンジンシステム15とその関連機器の一部を概略構成図により示す。以下に、発電用エンジンシステム15の構成について、図3を参照して詳細に説明する。
この発電用エンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」と言う。)15は、単気筒で構成されるエンジン41を備える。エンジン41は、4サイクルのレシプロエンジンであり、燃焼室を含む1つの気筒52及びクランクシャフト53の他、周知の構成要素を含む。エンジン41には、気筒52に吸気を導入するためにエンジン41へ吸気が流れる吸気通路54と、気筒52から排気を導出するための排気通路55とが設けられる。吸気通路54の入口には、エアクリーナ56が設けられる。吸気通路54の途中には、サージタンク54aが設けられ、そのサージタンク54aの上流側にはスロットル装置57が設けられる。スロットル装置57は、吸気通路54を流れる吸気量を調節するために開閉動作する。スロットル装置57は、ポペット式弁より構成され、弁座に対し往復駆動する弁体(図示略)と、その弁体を開度可変に駆動するためのステップモータ58とを含む。この実施形態のエンジンシステム15には、弁体の開度(スロットル開度)を検出するためのスロットルセンサが設けられていない。スロットル装置57は、弁体で流路を開閉することにより、吸気通路54を流れる吸気量を調節するようになっている。一方、排気通路55には、排気を浄化するための触媒59が設けられる。
吸気通路54には、同通路54に燃料を噴射するための1つのインジェクタ60が設けられる。インジェクタ60は、前述した燃料タンク32から供給される燃料(ガソリン)を噴射するように構成される。この実施形態のエンジン41は、一連の吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程を含むエンジンサイクルをもって動作する。吸気通路54では、エンジンサイクルの吸気行程で導入された吸気と、インジェクタ60から吸気通路54に噴射された燃料とにより可燃性の混合気が形成される。
エンジン41には、気筒52に対応して1つの点火プラグ61とイグニションコイル62が設けられる。点火プラグ61は、イグニションコイル62から出力される点火信号を受けてスパーク動作する。気筒52において、混合気は、エンジンサイクルの圧縮行程で点火プラグ61のスパーク動作により爆発・燃焼し、その爆発行程が経過する。燃焼後の排気は、排気行程で気筒52から排気通路55へ排出される。排気は、触媒59を流れて浄化され、外部へ排出される。これら一連のエンジンサイクルを720℃Aのクランク角をもって周期的に繰り返すことで、エンジン41のクランクシャフト53が回転し、エンジン41に出力が得られる。この実施形態では、エンジン41のクランクシャフト53は、ジェネレータ42の駆動軸に直接接続される。従って、ジェネレータ42の駆動軸の回転数、クランクシャフト53の回転数と同じになる。
エンジン41に対応して設けられる各種センサ等71,72,73は、エンジン41の運転状態を検出するための手段を構成する。エンジン41に設けられたエンジン温センサ71は、エンジン41のシリンダブロックの温度をエンジン温度THEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン41に設けられた回転数センサ72は、クランクシャフト53の回転数をエンジン回転数NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク54aに設けられた吸気圧センサ73は、サージタンク54a(吸気通路54)における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
このエンジンシステム15は、エンジン41の運転を制御するための前述したエンジン制御部50を含む。エンジン制御部50には、各種センサ等71~73がそれぞれ接続される。また、エンジン制御部50には、スロットル装置57のステップモータ58、各インジェクタ60及びイグニションコイル62がそれぞれ接続される。周知のようにエンジン制御部50は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を含む。
この実施形態で、エンジン制御部50は、エンジン41を運転するために、各種センサ等71~73からの電気信号に基いてスロットル装置57(ステップモータ58)、各インジェクタ60及びイグニションコイル62をそれぞれ制御するようになっている。
ここで、図4には、マルチコプタ1の飛行時におけるエンジン回転数とジェネレータ42の電流(発電電流)に対する、等燃費率線EFCL、等出力線EOL、エンジン全開性能線WOT、等電圧線IL及び動作線OLの関係をグラフにより示す。図4において、等燃費率線EFCLは1点鎖線で示し、等出力線EOLは実線で示し、エンジン全開性能線WOTは太い2点鎖線で示し、等電圧線ILは破線で示し、動作線OLは太い実線で示す。動作線OLは、等燃費率線EFCLに直交するように設定される。複数の等電圧線ILは、その配列の左側A1から右側A2へ向けて電圧が大きくなる。複数の等出力線EOLは、その配列の下側B1から上側B2へ向けて出力が大きくなる。複数の等燃費率線EFCLは、その配列の中側C1から外側C2へ向けて燃費率が大きくなる。この実施形態では、マルチコプタ1の飛行出力とジェネレータ42の発電出力とが同じになるように、エンジン41の出力が動作線OL上を遷移するように設定される。マルチコプタ1は、通常は、エンジン41の燃費が最適となる動作線OL上の燃費動作点P1でジェネレータ42を動作させ、充電状態(SOC)が下がったり、極めて大きい飛行電力が必要になったときに動作線OL上の出力動作点P2でジェネレータ42を動作させ、バッテリ31の過熱を回避するときは、燃費動作点P1と出力動作点P2との間の動作線OL上の中間動作点P3でジェネレータ42を動作させるようになっている。また、それとは関係なく、飛行電力に合わせてジェネレータ42の出力を変えるようになっている。
この実施形態のマルチコプタ1では、充放電可能に構成されたバッテリ31の過熱の要因として、主に内部抵抗によるジュール熱の影響が考えられる。バッテリ31の過熱を回避するためには、バッテリ31の充放電による電流を極力ゼロにすることが好ましい。マルチコプタ1の飛行に必要な電力は、機体11の運動状態や姿勢、風などの外乱により変化する。この飛行に必要な飛行電力に合わせてジェネレータ42の出力を変えることで、バッテリ31の充放電に関する電流を極力ゼロにすることができ、バッテリ31の過熱を抑制することが可能となる。そこで、メインコントローラ33は、バッテリ31の過熱を抑制するために次のような電力供給制御を実行するようになっている。
ここで、メインコントローラ33は、マルチコプタ1の飛行に必要な飛行電力FP(図6~図8参照)を充足させるために、ジェネレータ42から各モータ24へ発電電力PG(図6~図8参照)を供給すると共にその発電電力PGのみでは不足する電力を補うためにバッテリ31から各モータ24へバッテリ電力BP(図6~図8参照)を放電させるように構成される。
[電力供給制御について]
次に、メインコントローラ33が実行する電力供給制御について説明する。図5に、この電力供給制御の内容をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、メインコントローラ33は、ステップ100で、バッテリ温センサ74の検出値に基づきバッテリ31の温度(バッテリ温度)THBを取り込む。
次に、ステップ110で、メインコントローラ33は、取り込まれたバッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上か否かを判断する。この判定温度TH1は、例えば「60℃」である。メインコントローラ33は、この判断結果が肯定となる場合は、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定し、処理をステップ120へ移行する。メインコントローラ33は、この判断結果が否定となる場合は、バッテリ31に過熱のおそれがないと判定し、処理をステップ100へ戻す。
ステップ120では、メインコントローラ33は、パワーコントロールユニット35を制御することで、ジェネレータ42の負荷電流JLCを、例えば「5A」増加させる。
次に、ステップ130で、メインコントローラ33は、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGを増加させるためにジェネレータ42の発電負荷を増加させる。そのために、メインコントローラ33は、スロットル装置57を制御する(スロットル開度を増加させる)ことで、エンジン41の回転数を増加させてジェネレータ42の回転数を、例えば「200rpm」増加させる。
次に、ステップ140で、メインコントローラ33は、バッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電力BPを低減させるためにバッテリ31の放電負荷を低減させる。そのために、メインコントローラ33は、パワーコントロールユニット35を制御することで、バッテリ31から放電されるバッテリ電流BCを低減させる。
次に、ステップ150で、メインコントローラ33は、バッテリ電流BCが所定の範囲値RV1の内か否かを判断する。この範囲値RV1は、例えば「-10A~+10A」である。ここで、メインコントローラ33は、バッテリ電流BCのばらつきを抑えるために、バッテリ電流BCをなまし処理する。メインコントローラ33は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ120へ戻す。
ここで、処理がステップ150からステップ120へ戻った場合、メインコントローラ33は、ステップ120~ステップ150の処理を繰り返すことになる。そして、メインコントローラ33は、ジェネレータ42の負荷電流JLC及び回転数(発電負荷)を増加させるときは、所定時間(例えば、1秒)毎に段階的にそれを増加させる。また、メインコントローラ33は、バッテリ31のバッテリ電流BC(放電負荷)を低減させるときは、負荷電流JLC及び回転数(発電負荷)の段階的な増加に合わせて所定時間(例えば、1秒)毎に段階的にそれを低減させる。
ステップ160では、メインコントローラ33は、バッテリ温センサ74の検出値に基づきバッテリ温度THBを取り込む。
次に、ステップ170で、メインコントローラ33は、取り込まれたバッテリ温度THBが所定の復帰温度TH2以下か否かを判断する。復帰温度TH2は、例えば「55℃」である。メインコントローラ33は、この判断結果が肯定となる場合は、バッテリ31に過熱のおそれがないと判定し、処理をステップ180へ移行する。また、メインコントローラ33は、この判断結果が否定となる場合は、バッテリ31に未だ過熱のおそれがあると判定し、処理をステップ160へ戻す。
ステップ180では、メインコントローラ33は、ジェネレータ42の負荷電流JLCと回転数(発電負荷)を、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻す。そのために、メインコントローラ33は、パワーコントロールユニット35とスロットル装置57を制御する。
また、ステップ190で、メインコントローラ33は、バッテリ電流BC(放電負荷)を、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻す。そのために、メインコントローラ33は、パワーコントロールユニット35を制御する。その後、メインコントローラ33は、処理を一旦終了する。
上記した電力供給制御によれば、メインコントローラ33は、バッテリ温センサ74により検出されるバッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上となったときに、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定し、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGを増加させるためにジェネレータ42の発電負荷を増加させると共にバッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電力BPを低減させるためにバッテリ31の放電負荷を低減させるようになっている。
上記した電量供給制御によれば、メインコントローラ33は、バッテリ31の放電負荷を低減させるときは、バッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電流BCが所定の範囲値RV1の内に収まるように低減させるようになっている。
上記した電量供給制御によれば、メインコントローラ33は、ジェネレータ42の発電負荷を増加させるために、エンジン41の回転数を増加させてジェネレータ42の回転数を増加させるようになっている。
上記した電量供給制御によれば、メインコントローラ33は、ジェネレータ42の発電負荷を増加させるときは、所定時間毎に段階的に増加させるようになっている。
また、上記した電量供給制御によれば、メインコントローラ33は、バッテリ31の放電負荷を低減させるときは、ジェネレータ42の発電負荷の段階的な増加に合わせて所定時間毎に段階的に低減させるようになっている。
更に、上記した電量供給制御によれば、メインコントローラ33は、バッテリ温センサ74により検出されるバッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上となってから所定の復帰温度TH2以下に低下したときは、バッテリ31に過熱のおそれがないと判定し、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGをバッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻すためにジェネレータ42の発電負荷を低減させると共にバッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電力BPをバッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻すためにバッテリ31の放電負荷を増加させるようになっている。
[マルチコプタの作用及び効果]
以上説明したこの実施形態のマルチコプタ1の構成によれば、マルチコプタ1は、各モータ24へ電力を供給して各ロータ25を回転させることにより飛行する。ここで、メインコントローラ33(制御手段)は、エンジン41の運転、ジェネレータ42から各モータ24への電力の供給、ジェネレータ42からバッテリ31への充電及びバッテリ31から各モータ24への放電を制御する。そして、メインコントローラ33は、マルチコプタ1の飛行に必要な飛行電力FPを充足させるために、ジェネレータ42から各モータ24へ発電電力PGを供給すると共に発電電力PGのみでは不足する電力を補うためにバッテリ31から各モータ24へバッテリ電力BPを放電させる。また、メインコントローラ33は、バッテリ温センサ74により検出されるバッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上となったときに、バッテリ31に過熱のおそれがあると判定し、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGを増加させるためにジェネレータ42の発電負荷を増加させると共にバッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電力BPを低減させる(バッテリ電流BCを低減させる)ためにバッテリ31の放電負荷を低減させる。従って、バッテリ31の温度が所定の判定温度TH1以上となって過熱しそうになると、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGが増え、その代わりにバッテリ31が負担するバッテリ電力BPが減るので、ジェネレータ42からバッテリ31に充電される電流及びバッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電流BCが抑制される。このため、各モータ24へ電力を供給するために、エンジン41で駆動するジェネレータ42と充放電可能なバッテリ31を搭載したマルチコプタ1において、バッテリ31の過熱を抑制することができ、バッテリ31から各モータ24へ電力を安定的に供給することができる。この結果、バッテリ31の過熱により各モータ24の回転が不安定になることを防止することができ、マルチコプタ1の安全な飛行と着陸を実現することができる。
また、この実施形態の構成によれば、バッテリ31から各モータ24へ放電されるバッテリ電流BCが所定の範囲値RV1の内に収まるように低減されるので、バッテリ電流BCの低減に多少の変動が許容される。このため、ジェネレータ42やパワーコントローラユニット35の応答性やマルチコプタ1の飛行挙動のばらつきに対し急な動きがなくなり、安定した電力供給の動作を実現することができる。
また、この実施形態の構成によれば、ジェネレータ42の発電負荷を所定時間毎に段階的に増加させるので、ジェネレータ42の動作の急変が抑えられる。このため、安定してバッテリ31やパワーコントローラユニット35を動作させることができる。
また、この実施形態の構成によれば、ジェネレータ42の発電負荷の段階的な増加に合わせてバッテリ31の放電負荷を所定時間毎に段階的に低減させるので、バッテリ31の放電負荷の急変が抑えられる。このため、安定してバッテリ31やパワーコントローラユニット35を動作させることができる。
また、この実施形態の構成によれば、バッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上となってから所定の復帰温度TH2以下に低下し、バッテリ31に過熱のおそれがなくなると、ジェネレータ42から各モータ24へ供給される発電電力PGをバッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻すためにジェネレータ42の発電負荷が減り、その代わりにバッテリ31が負担するバッテリ電力BPをバッテリ31に過熱のおそれがあると判定する前の状態に戻すためにバッテリ31の放電負荷が増える。従って、ジェネレータ42を駆動するエンジン41の運転負荷が元の状態に低減する。このため、エンジン41の燃費の必要以上の悪化を抑えることができる。
図6は、この実施形態に係り、マルチコプタ1が定常に飛行する場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動をタイムチャートにより示す。図7は、この実施形態に係り、マルチコプタ1が定常飛行の途中で巡航速度を上げたり、高度を上昇させたりした場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動をタイムチャートにより示す。図8は、同じくこの実施形態に係り、マルチコプタ1が定常飛行の途中で向かい風を受けた場合における電力供給制御に関連した各種パラメータの挙動をタイムチャートにより示す。図6~図8において、(a)はバッテリ温度THBの変化を示し、(b)はマルチコプタ1の飛行に必要な飛行電力FPの状態を示し、(c)はジェネレータ42の発電電力PGの変化を示し、(d)はエンジン回転数NE(ジェネレータ42の回転数でもある)の変化を示し、(e)はジェネレータ42の負荷電流JLCの変化を示し、(f)はバッテリ電力BPの変化を示し、(g)はバッテリ31から放電されるバッテリ電流BCの変化を示す。ただし、図7及び図8では、(a)のバッテリ温度THBの変化の表示を省略する。
図6に示すように、マルチコプタ1が定常に飛行する場合は、時刻t1で、(a)のバッテリ温度THBが所定の判定温度TH1(例えば、60℃)以上になると、(d)のエンジン回転数NEが増加(例えば、200rpm)し、それに伴って(c)の発電電力PGが増加(例えば、250W)し、(e)の負荷電流JLCが増加(例えば、5A)する。このとき、負荷電流JLCの増加に合わせて、(f)のバッテリ電力BPが減少(例えば、250W)し、(gf)のバッテリ電流BCが減少(例えば、5A)する。その後、所定時間(例えば、1秒)が経過した時刻t2でも、(d)のエンジン回転数NEが更に増加(例えば、200rpm)し、(c)の発電電力PGが更に増加(例えば、250W)し、それに伴って(e)の負荷電流JLCが更に増加(例えば、5A)する。このとき、負荷電流JLCの増加に合わせて、(f)のバッテリ電力BPが更に減少(例えば、250W)し、(gf)のバッテリ電流BCが更に減少(例えば、5A)し、バッテリ電流BCが所定の範囲値RV1(例えば、+10A~-10A)の内に収まる。このように、この実施形態の電力供給制御によれば、バッテリ電流BCが所定の範囲値RV1の内に収まるまでジェネレータ42の動作点が変えられ、(d)のエンジン回転数NE、(c)の発電電力PG及び(e)の負荷電流JLCが所定時間(例えば、1秒)毎に段階的に増加し、その負荷電流JLCの増加に合わせて、(f)のバッテリ電力BP及び(g)のバッテリ電流BCが所定時間(例えば、1秒)毎に段階的に減少する。ここで、時刻t2では、(g)のバッテリ電流BCが所定の範囲値RV1の内に収まるので、それ以降、(c)の発電電力PG、(d)のエンジン回転数NE、(e)の負荷電流JLC、(f)のバッテリ電力BP及び(g)のバッテリ電流BCに変化はなく、時刻t3でバッテリ温度THBが低下し始める。そして、時刻t4で、バッテリ温度THBが所定の復帰温度(例えば、55℃)以下になると、(c)の発電電力PG、(d)のエンジン回転数NE及び(e)の負荷電流JLCがそれぞれ増加前の元の状態まで減少し、(f)のバッテリ電力BP及び(g)のバッテリ電流BCが減少前の元の状態まで増加する。このようにマルチコプタ1が定常飛行する場合は、(b)の飛行電力FPは、(c)の発電電力PGと(f)のバッテリ電力BPにより充足され、常時一定値となる。この実施形態の電力供給制御によれば、バッテリ温度THBが所定の判定温度TH1以上になると、発電電力PGの負担割合を増やし、その代わりバッテリ電力BPの負担割合を減らすので、バッテリ温度THBの上昇を回避できるのである。
一方、図7に示すように、マルチコプタ1が定常飛行の途中で巡航速度を上げたり、高度を上昇させたりした場合、又は、図8に示すように、マルチコプタ1が定常飛行の途中で向かい風邪を受けた場合、時刻t0~時刻t3の定常飛行中には、各種パラメータ(b)~(g)は、図6と同様の挙動を示す。その後、時刻t4で、マルチコプタ1が巡航速度を上げたり、向かい風邪を受けたりして飛行電力FPが増加すると、その直後に、先ずは(f)のバッテリ電力BPが一旦増え、(g)のバッテリ電流BCが増加する。その後、(g)のバッテリ電流BCが所定の範囲値RV1を超えると、時刻t5で、ジェネレータ42の出力を上げるために(d)のエンジン回転数NEが増加(例えば、200rpm)し、それに伴って(c)の発電電力PGが増加(例えば、250W)し、(e)の負荷電流JLCが増加(例えば、5A)する。そして、時刻t5~時刻t7の間で、(c)の発電電力PG、(d)のエンジン回転数NE及び(e)の負荷電流JLCが所定時間(例えば、1秒)毎に段階的に増加し、それらの増加に合わせて、(f)のバッテリ電力BP及び(g)のバッテリ電流BCが所定時間(例えば、1秒)毎に段階的に減少する。このように、飛行電力FPが増加する場合でも、発電電力PGの負担割合を増やすが、その代わりバッテリ電力BPの負担割合を減らすので、バッテリ温度THBの上昇を回避できるのである。
更に、この実施形態のマルチコプタ1の構成によれば、発電用エンジンシステム15のエンジン41によりジェネレータ42が駆動されて発電し、その発電した電力がマルチコプタ1を飛行させるために各モータ24へ供給される。また、その発電した電力がバッテリ31へ充電されて充電量が補充される。従って、エンジン41が停止してジェネレータ42を駆動できなくなっても、バッテリ31に充電された電力を各モータ24へ供給することで、マルチコプタ1の飛行が可能となる。このため、ジェネレータ42で発電した電力をバッテリ31に充電補充できる分だけマルチコプタ1の航続距離及び滞空時間を延ばすことができる。
[別の実施形態について]
なお、この開示技術は前記実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記実施形態では、エンジン41の回転数を変更するためにスロットル装置57の開度を制御するように構成したが、スロットル装置57の代わりにインジェクタ60からの燃料噴射量を制御したり、点火プラグ61による混合気の点火を制御したりするように構成することもできる。
(2)前記実施形態において、図1に示すマルチコプタ1の外観は一例を示すものであり、機体11の形状、モータ24やロータ25の数及び配置等については、適宜変更することができる。
この開示技術は、エンジンで駆動する発電機と充放電可能なバッテリとを備えたマルチコプタに適用することができる。
1 マルチコプタ
24 モータ
25 ロータ
31 バッテリ
33 メインコントローラ(制御手段)
41 エンジン
42 ジェネレータ(発電機)
74 バッテリ温センサ(バッテリ温度検出手段)
THB バッテリ温度
FP 飛行電力
PG 発電電力
BP バッテリ電力
JLC ジェネレータの負荷電流
BC バッテリ電流
RV1 範囲値
TH1 判定温度

Claims (5)

  1. 複数のロータと、
    前記各ロータを回転駆動するためのモータと、
    前記モータへ供給する電力を充放電可能に構成されるバッテリと、
    前記モータに供給される電力及び前記バッテリに充電される電力を発電するための発電機と、
    前記発電機を駆動するためのエンジンと、
    前記エンジンの運転、前記発電機から前記モータへの電力の供給、前記発電機から前記バッテリへの充電及び前記バッテリから前記モータへの放電を制御するための制御手段と
    を備え、前記モータへ電力を供給して前記各ロータを回転させることにより飛行するマルチコプタにおいて、
    前記バッテリの温度を検出するためのバッテリ温度検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記マルチコプタの飛行に必要な飛行電力を充足させるために、前記発電機から前記モータへ発電電力を供給すると共に前記発電電力のみでは不足する電力を補うために前記バッテリから前記モータへバッテリ電力を放電させるように構成され、
    前記制御手段は、前記バッテリ温度検出手段により検出される前記バッテリの温度が所定の判定温度以上となったときに、前記発電機から前記モータへ供給される前記発電電力を増加させるために前記発電機の発電負荷を増加させると共に前記バッテリから前記モータへ放電される前記バッテリ電力を低減させるために前記バッテリの放電負荷を低減させる
    ことを特徴とするマルチコプタ。
  2. 請求項1に記載のマルチコプタにおいて、
    前記制御手段は、前記バッテリの前記放電負荷を低減させるときは、前記バッテリから前記モータへ放電されるバッテリ電流が所定の範囲値内に収まるように低減させる
    ことを特徴とするマルチコプタ。
  3. 請求項1又は2に記載のマルチコプタにおいて、
    前記制御手段は、前記発電機の前記発電負荷を増加させるために、前記エンジンの回転数を増加させて前記発電機の回転数を増加させる
    ことを特徴とするマルチコプタ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のマルチコプタにおいて、
    前記制御手段は、前記発電機の前記発電負荷を増加させるときは、所定時間毎に段階的に増加させる
    ことを特徴とするマルチコプタ。
  5. 請求項4に記載のマルチコプタにおいて、
    前記制御手段は、前記バッテリの前記放電負荷を低減させるときは、前記発電負荷の段階的な増加に合わせて所定時間毎に段階的に低減させる
    ことを特徴とするマルチコプタ。
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