JP2023055704A - 質量分光測定分析のためのトリプシン耐性ポリペプチドを調製するための方法 - Google Patents

質量分光測定分析のためのトリプシン耐性ポリペプチドを調製するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分析のためのポリペプチドを調製する方法を提供する。【解決手段】分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、a.サンプル中の前記ポリペプチドを第1消化において切断するステップであって、前記切断するステップが、前記ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成するステップ;b.前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を好中球エラスターゼにより切断するステップ;及びc.前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を前記好中球エラスターゼにより切断した後に、前記サンプルを分析するステップを含む方法である。【選択図】図6

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年3月13日に出願され、その全内容が参照により本明細書に、組み込まれる米国仮特許出願第62/642,444号に対する優先権を主張するものである。
配列表
本願は、電子フォーマットの配列表と共に出願されている。「A-2151-WO-PCT sequence listing_ST25.txt」と表題を付けたファイルとして提供された配列表は、2019年3月12日に作成され、サイズは261KBである。電子フォーマットの配列表における情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に提示した主題は、ポリペプチド分析の分野に関する。詳細には、本明細書に提示した主題は、治療用ポリペプチド等の、その中に含まれるポリペプチドを検出するためのサンプルの調製に関する。本明細書に開示した方法は、ポリペプチドの調製における連続消化であって、最後の消化が好中球エラスターゼの使用を含む連続消化を使用する。
マルチ属性法(MAM)は、その後に質量分光測定法に基づく重要な属性の特性解析及び定量が実施される、分子の酵素的消化に依存している。相補性決定領域(CDR)における修飾は、それらが分子の効力及び/又は安全性に影響を及ぼし得るために特に懸念される。リシン及びアルギニン残基のC末端で切断するトリプシンは、典型的には、リシン及びアルギニン残基の高い消化特異性及び発生頻度を含む多数の理由から、ペプチドマッピング及びMAMのための最適な酵素として利用されている;トリプシンの消化は、更に典型的には質量分光測定法に基づく分析のための最適長さを有するC末端上に塩基性残基を備えるペプチドを生じさせる。しかしながら、Amgen社で現在開発中の二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子の多くは、長鎖リンカー領域のすぐ側に2個のCDRを備える保存されたα-CD3ドメインを含有する。これらのCDRの1つ(HGNFGNSYISYWAY)は、脱アミド化を受け易い可能性がある2つのアスパラギン残基及び酸化を受け易い可能性があるトリプトファン残基を含有する。分子のこの領域は、トリプシン消化に適用できる残基を含有していない(図1)。従って、CDRドメイン内の関心対象の属性は、このペプチドのサイズが大きい(約8kDa)こと、修飾されたバージョンのペプチドをクロマトグラフィーによって分離することの困難、ペプチドの不良な回収率及び/又はイオン化並びにこのサイズのペプチドに対応する質量分光測定法を解釈することに関連する一般的課題があるために、MAMによって監視することはできない。更に、このリンカー領域は、Asp-N、Lys-C及びGlu-C等の一般に使用される二次的プロテアーゼに感受性である残基を有していない。キモトリプシンはトリプトファン残基で切断するが、この酵素の利用は、この酵素の特異性が低いこと、及びトリプトファン残基での酸化がこの属性の定量に影響を及ぼす可能性があることの両方のために続行されなかった。同様に、多数のBiTE(登録商標)分子は更に、トリプシン消化を用いて監視するのが同様に困難である標的特異的CDRのすぐ側でより短鎖のリンカーペプチド(約5~7kDa)を有する。例えば、潜在的CDRアスパラギン酸異性化部位は、5.7kDaのリンカーペプチド内に所在する。これらをまとめると、これらの属性は、MAMをベースとする監視を必要とする標的及び/又はCD3結合に大きな影響を及ぼし得る。
第1態様では、本明細書では、分析のためのポリペプチドを調製する方法であって、第1消化においてサンプル中のポリペプチドを切断するステップであって、ここで切断するステップが、ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成し、ポリペプチドのその少なくとも2つの断片は引き続いて好中球エラスターゼによって消化されるステップと、及び好中球エラスターゼを用いてポリペプチドの少なくとも2つの断片を消化した後にサンプルを分析するステップとを含む方法が提供される。
第2態様では、本明細書では、分析のためのポリペプチドを調製する方法であって、第1消化においてサンプル中のポリペプチドを切断するステップであって、ここで切断するステップが、ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成するステップ;少なくとも2つの断片を含むサンプルを第1アリコート及び第2アリコートに分割するステップ;第1アリコートの少なくとも2つの断片を好中球エラスターゼで消化するステップ;並びに第1アリコート及び第2アリコートを分析するステップ含む方法が提供される。一部の部分態様では、少なくとも2つのポリペプチド断片を好中球エラスターゼで消化した後に、第1及び第2アリコートが組み合わされる;そのような場合には、第1及び第2アリコートは、およそ等量のポリペプチドを含み得る。
第1態様及び第2態様のどちらにおいても、第1消化においてポリペプチドを切断するステップは、タンパク質分解性切断又は化学的切断を含む。タンパク質分解性切断を含むそれらの部分態様では、そのような切断は、プロテアーゼによって実施されるが、ここでプロテアーゼは、好中球エラスターゼとは異なる活性を有する。一部の部分態様では、プロテアーゼは、トリプシン、エンドプロテイナーゼGlu-C、エンドプロテイナーゼArg-C、ペプシン、キモトリプシン、キモトリプシンB、Lys-Nプロテアーゼ、Lys-Cプロテアーゼ、Glu-Cプロテアーゼ、Asp-Nプロテアーゼ、パンクレアトペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、プロテイナーゼK及びサーモリシン並びにそれらの組合せから成る群から選択される。これらの第1及び第2態様の一部の部分態様では、プロテアーゼは、トリプシン、Asp-N及びGlu-C並びにそれらの組合せから成る群から選択される;更に他の部分態様では、プロテアーゼは、トリプシンである。しかし、化学的切断が第1及び第2態様におけるサンプル中のポリペプチドを断片するために使用される場合、そのような切断は、臭化シアン、2-ニトロ-5-チオシアノ安息香酸、ヒドロキシルアミン及びBNPS-スカトール並びにそれらの組合せから成る群から選択される化学物質等の化学物質によって実施される。
更に、ポリペプチドは、第1消化におけるサンプル中のポリペプチドを切断する前に、変性され得る、及び/又は還元され得る、及び/又はアルキル化され得る。好中球エラスターゼは、例えば、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)であり得る。サンプルを分析する場合、分析は、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光法又は分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含み得る。例えば、サンプルを分析するための技術がクロマトグラフィーを含む場合、クロマトグラフィー技術は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから成る群から選択することができる;技術が電気泳動法である場合、電気泳動技術は、ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、電気収束法、等速回転電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法、キャピラリーゾーン電気泳動法並びにそれらの組合せから成る群から選択され得る;及び技術が分光法(若しくは分光測定法)である場合、分光法(若しくは分光測定法)技術は、質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから選択され得る。一部の特定の部分態様では、技術は、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法を含む;他の場合には、この技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む。
第3態様では、本明細書に開示したのは、分析のためのポリペプチドを調製する方法であって、ポリペプチドを変性させる、還元させる、及びアルキル化させるステップ;トリプシン切断ポリペプチド断片を生成するためにポリペプチドをトリプシンで消化するステップ;トリプシン切断ポリペプチド断片を第1アリコート及び第2アリコートに分割するステップ;第1アリコートのトリプシン切断ポリペプチド断片を好中球エラスターゼで消化するステップ;第1アリコート及び第2アリコートを約1:1の比で組み合わせるステップ;及び組み合わされたアリコートを分析するステップを含む方法である。好中球エラスターゼは、例えば、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)であり得る。サンプルを分析する場合、分析は、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光法、分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含み得る。例えば、サンプルを分析するための技術がクロマトグラフィーを含む場合、クロマトグラフィー技術は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから選択することができる;技術が電気泳動法である場合、電気泳動技術は、ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、電気収束法、等速回転電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法、キャピラリーゾーン電気泳動法並びにそれらの組合せから成る群から選択され得る;及び技術が分光法である場合、分光法(若しくは分光測定法)技術は、質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから選択され得る。一部の特定の部分態様では、技術は、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法を含む;他の場合には、この技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む。
第4態様では、本明細書で開示するのは、分析のためのポリペプチドを調製する方法であって、ポリペプチドを含むサンプルを準備するステップ、サンプルに分子量カットオフを有するフィルターを適用するステップ、フィルター上のサンプルを第1プロテアーゼで消化するステップ;フィルター上のサンプルを第2プロテアーゼで消化するステップ;及びサンプルを分析するステップを含み;ここで第2プロテアーゼは好中球エラスターゼであり;第1プロテアーゼは第2プロテアーゼとは異なる方法である。この態様では、第1プロテアーゼは、トリプシン、Asp-N及びGlu-Cから成る群から選択されるプロテアーゼを含むことができ;更に、ポリペプチドは、ポリペプチドを第1ポリペプチドで消化する前に変性させる、及び/又は還元させる、及び/又はアルキル化させることができる。好中球エラスターゼは、例えば、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)であり得る。サンプルを分析する場合、分析は、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光法、分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含み得る。例えば、サンプルを分析するための技術がクロマトグラフィーを含む場合、クロマトグラフィー技術は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから選択することができる;技術が電気泳動法である場合、電気泳動技術は、ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、電気収束法、等速回転電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法、キャピラリーゾーン電気泳動法並びにそれらの組合せから成る群から選択され得る;及び技術が分光法若しくは分光測定法である場合、分光法(若しくは分光測定法)技術は、質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから選択され得る。一部の特定の部分態様では、技術は、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法を含む;他の場合には、この技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む。フィルターは、例えば、30kDaの分子量カットオフを有し得る。
更に第5態様では、本明細書で開示するのは、液体クロマトグラフィー、キャピラリーゾーン電気泳動法又は質量分光測定法による分析のためのポリペプチドを調製する方法であって、ポリペプチドを含むサンプルを準備するステップ、サンプルを30kDaのMWCOフィルターに適用するステップ、濃縮液(retentate)を生成するためにフィルター上にサンプルを捕捉するステップ;フィルター上のサンプル濃縮液を変性させるステップ;フィルター上のサンプル濃縮液を還元させるステップ;フィルター上のサンプルをアルキル化させるステップ;フィルター上のサンプルを第1プロテアーゼで消化するステップ;サンプルを同一フィルターに通して濾過して濾液を保持するステップ;フィルター上のサンプルを第2プロテアーゼで消化するステップ;サンプルを同一フィルターに通して以前に保持されていた濾液中へ濾過するステップ;グアニジンを用いて濾液中の活性プロテアーゼをクエンチするステップ;及び濾液を液体クロマトグラフィー、キャピラリーゾーン電気泳動法又は質量分光測定法によって分析するステップを含み;ここで第2プロテアーゼは好中球エラスターゼであり、第1プロテアーゼは、第2プロテアーゼとは異なる方法である。そのような態様では、好中球エラスターゼは、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)であり得る。
これらの5つの態様では、本方法は、少なくとも一部は自動化によって実施され得る。一部の部分態様では、溶液の添加及び交換は、自動液体処理装置若しくはロボットによって取り扱われる。
更に、これらの5つの態様では本明細書に開示した方法は、治療用ポリペプチドを調製及び分析するために使用され得る。治療用ポリペプチドは、抗体若しくはその抗原結合断片、抗体若しくは抗体断片の誘導体及び融合ポリペプチドから成る群から選択され得る。抗体及び抗体構築物の例としては、インフリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、パリビズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アルチヌマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、トシリズマブ、バピネウズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、クレネズマブ、cr6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツズマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テフィバズマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テゼペルマブ、TGN1412、トレメリムマブ、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス及び表Hに示したそれらの抗体が挙げられる。更に他の部分態様では、治療用ポリペプチドは、糖タンパク質、CDポリペプチド、HER受容体ポリペプチド、細胞接着ポリペプチド、成長因子ポリペプチド、インスリンポリペプチド、インスリン関連ポリペプチド、凝固ポリペプチド、凝固関連ポリペプチド、アルブミン、IgE、血液型抗原、コロニー刺激因子、受容体、神経栄養因子、インターフェロン、インターロイキン、ウイルス抗原、リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺界面活性剤、腫瘍壊死因子α及びβ、エンケファリナーゼ、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン、アクティビング(activing)、インテグリン、プロテインA、プロテインD、リウマチ因子、イムノトキシン、骨形成タンパク質、スーパーオキシド・ジスムターゼ、表面膜ポリペプチド、崩壊促進因子、AIDSエンベロープ、輸送ポリペプチド、ホーミング受容体、アドレシン、調節ポリペプチド、イムノアドヘシン、ミオスタチン、TALLポリペプチド、アミロイドポリペプチド、胸腺間質リンホポエチン、RANKリガンド、c-kitポリペプチド、TNF受容体及びアンギオポエチン並びにそれらの生物活性断片、アナログ若しくはそれらの変異体から成る群から選択されるポリペプチドである。
一部の場合には、治療用ポリペプチドは、BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)である。
多数のBiTE(登録商標)分子(カノニカル及び半減期延長)間で保存されたα-CD3ドメインを示す図である。トリプシン消化は、複数のホットスポットと共に2つの相補性決定領域(CDR)を含有する8kDaのペプチドを産生する。 ヒト好中球エラスターゼに対する酵素特異性を示す図である。P1は1つのアミノ酸のC末端に対応し、P1’は、それに続く残基のN末端に対応する。相対フォントサイズは、その特定の残基での切断の可能性に対応する(MEROPSデータベースから適合させた;(Rawlings et al.,2014))。 未修飾及び強制脱アミド化後の脱アミド化種を示している、BiTE(登録商標)-1のストレスを受けていないサンプル及び強制脱アミド化(pH8.5、50℃、t=3日間)サンプルの抽出イオンクロマトグラム(EIC)を示す図である。 図3において観察された3種の脱アミド化種のタンデム質量分光測定法(MSMS)を示す図である。診断的b3イオンは、ピーク1及び2と比較してピーク3では+0.9838Daシフトする。この質量シフトは、脱アミド化に対応する。 BiTE(登録商標)分子についての単回消化、従来型MAM及びトリプシンを用いて消化されたサンプルとトリプシンを用いて消化された後に好中球エラスターゼを用いて消化されたサンプルの1:1混合を組み込んでいるMAMアプローチとの差を強調している略図を示す図である。 プロトコル3の有効性及びロバスト性を評価するために使用された実験デザインを示す図である(詳細については、下記の実施例を参照されたい)。 プロトコル4に略述したオーバーサンプル調製を略図で示す図である(例えば、さらなる詳細については下記の実施例を参照されたい)。 BiTE(登録商標)-1、BiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3についてのプロトコル4のトリプシン特異性を示す図である。特異性は、検索パラメーターにおける厳密なトリプシン切断を特定することによって最初にMassAnalyzerによって計算した。データは次に、残基KRVITALのC末端(低特異性)での切断を用いて再検索した。トリプシン特異性は、KRVITAL切断検索を用いて同定されたペプチドの総面積で割った厳密なトリプシン検索を用いて同定されたペプチドの総面積であった。この数値は、パーセントとして表示した。 BiTE(登録商標)-1、BiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3についての8kDaのリンカーペプチドに対応する総面積のパーセントを示す図である。データは、残基KRVITALのC末端(低特異性)での切断を用いてMassAnalyzerにより調査した。8kDaのリンカーペプチドに対応するペプチドの総面積をKRVITAL切断検索を用いて同定した全ペプチドの総面積で割った。この数値は、パーセントとして表示した。8kDaのリンカーペプチドに対応する総面積のパーセントは、BiTE(登録商標)-2がより高いが、これはカノニカルBiTE(登録商標)分子として、半減期延長のために添加されるFcドメインを含有していないためである。 プロトコル3を用いて準備されたBiTE(登録商標)-3サンプルの反復注入の全イオンクロマトグラム(TIC)のオーバーレイを示す図である。注入液は同一バイアルから調製され、約4日間までに分離された。 プロトコル4を用いて準備されたBiTE(登録商標)-3サンプルの反復注入のTICオーバーレイを示す図である。注入液は同一バイアルから調製され、約4日間までに分離された。 プロトコル4及び5を用いて3例ずつ準備したBiTE(登録商標)-2サンプルを比較しているTICオーバーレイを示す図である。全3つのプロトコルの4サンプルにおいて観察された2つのピーク(矢印)は、非特異的アルキル化に一致する。
MAM分析のための切断耐性ポリペプチドの問題に対応するために、切断部位及び多数の市販で入手可能な酵素に対する特異性について試験した。ヒト好中球エラスターゼ(HNE;EC3.4.21.37、エラスターゼ-2、ヒト白血球エラスターゼ(HLE)、骨髄セリンプロテアーゼ、メジュラシン及びPMNエラスターゼとしても公知である)は、バリン、イソロイシン、トレオニン、アラニン及びロイシン残基のC末端で切断すると報告されている(図2;(Doucet and Overall,2011;Rawlings et al.,2014));しかしながら、この酵素は更に非特異的に切断するので、これは基質長が減少するにつれて頻度が減少する不利益である(Stein et al.,1987)。標的ポリペプチドのアミノ酸配列を前提とすると、HNEを用いた消化は、HNEが非特異的にポリペプチドを切断する傾向を別にすれば、ポリペプチド内の所望の領域を監視するための手段として機能し得る。
例えば、本発明者らは、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子がHNEのみによって消化された場合、結果として生じるペプチドが(非特異的切断に起因して)極めて多数且つ低存在度であることを観察した。例えば、図1は、多数のBiTE(登録商標)分子間で保存されたα-CD3ドメイン(カノニカル及び半減期延長)を示している。トリプシン消化は、従来型の質量分光測定法(MS)に基づく実験を使用して同定及び特性解析するのが困難である多数のホットスポットと共に2つの相補性決定領域(CDR)を含有する8kDaのペプチドを産生する。このペプチドには、更にGlu-C及びAsp-N等の他の広く使用される酵素による切断を受け易い残基も欠如している。
本発明者らは更に予想外にも、フィルター上のトリプシン消化に続いて、保存された8kDaのリンカーペプチド及びBiTE(登録商標)分子の分子特異的リンカーペプチドの両方が、フィルター膜が再生セルロース又はポリエーテルスルホンの何れから構成されているかとは無関係に、30kDaの分子量のカットオフ(MWCO)フィルターによって保持されることも又観察した。HNEではない第1プロテアーゼを用いて最初に消化するステップによりHNEの特異性を増強するステップ及び30kDaのMWCO(若しくは他のカットオフ)フィルターによる第1プロテアーゼ消化の結果として生じたリンカーペプチドの予想外の保持を活用するステップは、BiTE(登録商標)分子(及び他のポリペプチド)の特性解析及び重要な属性の定量のための新規なロバスト法の開発を可能にした。
第1消化ステップを使用し、その後にHNEによる消化が実施される、新規なサンプル調製法についての説明が開示される。
定義
上述の一般的説明及び以下の詳細な説明はどちらも、例示的且つ説明的に過ぎず、限定するものではない。単数形の使用は、特に他に明記しない限り、複数形を含む。「又は」の使用は、他に明記しない限り「及び/又は」を意味する。用語「含んでいる」並びに「含む」及び「含まれる」等の他の形態の使用は、限定的ではない。「要素」又は「構成要素」等の用語は、特に他に明記しない限り、1つのユニットを含む要素及び構成要素並びに2つ以上のサブユニットを含む要素及び構成要素の両方を包含する。用語「部分」の使用は、部分の一部又は部分全体を含むことができる。例えば1~5等の数値範囲が言及される場合、1、2、3、4及び5並びに1.5、2.2、3.4及び4.1等のそれらの分数等の全ての介在値は明示的に含まれる。
「約」又は「~」は、量を修飾する場合(例えば「約」3mM)、修飾された量の前後で変動が発生し得ることを意味する。これらの変動は、典型的な測定手順及び処理手順、不注意による誤り、成分の純度等の様々な手段によって発生し得る。
「含んでいる」及び「含む」は、方法が列挙された要素を含むが、その他の列挙されていない要素を除外しないことを意味することが意図されている。用語「~から本質的に成っている」及び「~から本質的に成る」は、本明細書に開示した方法において使用される場合、列挙された要素を含み、本方法の基本的性質を変更させる列挙されていない要素は除外するが、その他の列挙されていない要素は除外しない。用語「~から成っている」及び「~から成る」は、方法を規定するために使用される場合、実質的な方法ステップを除外する。これらの変遷する用語の各々によって定義される実施形態は、本開示の範囲内に含まれる。
「連動(した)」は、直接的並びに間接的に関連していることを意味する。例えば、装置若しくはプロセスは又別の装置若しくはプロセスと直接的に関連し得る、又はこれらの装置若しくはプロセスは、例えば、又別の装置若しくはプロセスを介して相互に間接的に関連し得る。
「タンパク質」、「ペプチド」及び「ポリペプチド」は、各アミノ酸がペプチド結合によって隣と接続されているアミノ酸の鎖を意味するために同義的に使用される。
「変性」、「変性させている」、「変性させる」等は、ポリペプチドが少なくとも部分的に、それらの自然状態においてポリペプチド内で見出される四次構造、三次構造及び二次構造を外部ストレス若しくは試薬(即ち、変性剤)を適用するステップによって失うプロセスを意味する。
「変性剤」は、ポリペプチドを変性させ得る任意の物質、組成物、エネルギー又は状態を意味する。変性剤の例としては、強酸若しくは強塩基、無機塩、有機溶媒、放射線、カオトロピック剤若しくは熱又はこれらの組合せが挙げられる。
「変性ポリペプチド」、「変性タンパク質」等は、天然ポリペプチドから変化したその二次構造、三次構造及び/又は四次構造を有するポリペプチドを意味する。ポリペプチドは、完全に変性され得る、又は部分的に変性され得る。「非変性ポリペプチド」又は「非変性タンパク質」(及び類似用語)は、その二次構造、三次構造及び該当する場合は四次構造を維持しているポリペプチドを意味する。「天然ポリペプチド」若しくは「天然タンパク質」(及び同類のもの)は、自然に見出されるポリペプチドを指し、UniProt Knowledgebaseデータベース(The UniProt,2017)又はUniGeneデータベース(Pontius et al.,2003)に記載された任意の主要参照配列を有する。
「還元ポリペプチド」若しくは「還元タンパク質」(及び類似用語)は、その鎖間若しくは鎖内ジスルフィド結合の少なくとも1つが破断しているポリペプチドを意味する。そのような結合は、例えばシステイン残基上で入手できる基等の還元チオール基間で形成し得る。
「アルキル化ポリペプチド」若しくは「アルキル化タンパク質」(及び同類のもの)は、それにアルキル基が移されているポリペプチドを意味する。実際的に、ポリペプチドは、還元チオールが形成されるのを、又は還元後にジスルフィド結合若しくは架橋を再形成するのを防止するために(例えばシステイン残基で利用可能であるように)チオール基上でアルキル化されることが多い。
ポリペプチドの状況における「消化」等は、2つ以上の断片へのポリペプチドの断片化を意味し、この断片化は又別の物質、化学物質又は酵素によって媒介される。
「タンパク質分解性切断」、「タンパク質分解性消化」等は、ポリペプチド内のペプチド結合を破断することによるポリペプチドを切断するステップ、従って断片を生成するステップを意味する。タンパク質分解性切断は、酵素によって媒介され得る。
「プロテアーゼ」、「ペプチダーゼ」、「タンパク質分解性切断酵素」、「エンドプロテイナーゼ」、「プロテイナーゼ」等は、酵素を意味し、ペプチド結合の加水分解を触媒するポリペプチド若しくはその断片を意味する。プロテアーゼには、そのような触媒活性が変異体内で減少している場合でさえ、ペプチド結合加水分解を触媒する公知のプロテアーゼのアミノ酸配列の変異体が含まれる。
酵素触媒反応は、酵素委員会ナンバリングシステムに従って分類される。プロテアーゼはペプチド結合加水分解を触媒するために、それらは、EC3.4.11のアミノペプチダーゼ、EC3.4.13のジペプチダーゼ、EC3.4.14のジペプチジルペプチダーゼ及びトリペプチジルペプチダーゼ、EC3.4.15のペプチジルジペプチダーゼ、EC3.4.16のセリン型カルボキシペプチダーゼ、EC3.4.17のメタロカルボキシペプチダーゼ、EC3.4.18のシステイン型カルボキシペプチダーゼ、EC3.4.19のωペプチダーゼ、EC3.4.21のセリンプロテアーゼ、EC3.4.22のシステインプロテアーゼ、EC3.4.23のアスパラギン酸エンドペプチダーゼ、EC3.4.24のメタロペプチダーゼ、EC3.4.25のトレオニンエンドペプチダーゼ、EC3.4.99の触媒メカニズムが未知のエンドペプチダーゼを含むEC3.4クラスに分類される。プロテアーゼの特定の例としては、トリプシン(EC3.4.21.4)、エンドプロテイナーゼAsp-N(EC3.4.24.33)及びエンドプロテイナーゼGlu-C(EC3.4.21.19)が挙げられる。
エラスターゼは、(EC3.4.21.70として分類されるものを除く)細胞外マトリックスの弾性繊維ポリペプチドであるエラスチンを加水分解するプロテアーゼである。エラスターゼをコードする8種のヒト遺伝子が存在する(表A):
Figure 2023055704000002
Figure 2023055704000003
「好中球エラスターゼ」(時々は、エラスターゼ-2、白血球エラスターゼ、骨髄セリンプロテアーゼ、メジュラシン若しくはPMNエラスターゼと呼ばれる)は、細菌を崩壊させる炎症中に好中球及びマクロファージが分泌するエラスターゼである。ヒト好中球エラスターゼ(HNE)は、1968年に最初に報告された(Janoff and Scherer,1968)。HNEは、大豆トリプシン阻害剤及び唾液カリクライン阻害剤がHNEを阻害するが、膵臓エラスターゼ活性を阻害しないという点で膵臓エラスターゼとは異なることが証明された。HNEは生理学的塩濃度では活性を維持するが、他方膵臓エラスターゼ活性は減少する。HNEは、血清エラスターゼ阻害剤に対して、膵臓エラスターゼよりも少なくとも10倍超耐性である(Janoff and Scherer,1968によって定義された)。最後に、HNEは更に又、膵臓エラスターゼよりも低pH耐性である(Janoff and Scherer,1968)。
Sinha et al.(Sinha et al.,1987)は、HNEのアミノ酸配列について最初に報告し、このポリペプチドがブタ膵臓エラスターゼと43%の配列相同性しか有していないことを証明した。UniProtKBについてのUniProteデータベース-P08246(ELNE_HUMAN)(The UniProt,2017)は、ELANEについて、シグナルペプチド(1~27のアミノ酸残基)、プロペプチドドメイン(残基28~29)及び成熟ポリペプチド(残基30~267)から成る267アミノ酸前駆体ポリペプチドとしてHNEをコードすると記載している。成熟ポリペプチド内には、ペプチダーゼS1ドメイン(残基30~247)が存在する。残基55と71、151と208、181と187及び198~223の間で形成しているジスルフィド結合を見出すことができる。88位、124位及び174位でのアスパラギン残基は、グリコシル化(N結合)され得る。HNEについての配列は表Bに示した。表Bでは、シグナルペプチドは、ボールド体で記載されており、プロペプチドドメインには一重下線が付され、成熟ポリペプチドはイタリック体で記載され、S1ペプチダーゼドメインには二重下線が付され、イタリック体及びボールド体で記載されている。
Figure 2023055704000004
HNEは、数種のタイプのコラーゲン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、ヘパリン及び架橋結合フィブリンを含む、細胞外マトリックスのほぼ全てのポリペプチドメンバーを加水分解することができる。
HNEは、その中でP1残基が小さなアルキル基であるペプチド結合を切断する。基質特異性は、図2に要約した。
ポリペプチドの断片を生成する状況における「化学的切断」は、化学物質によるポリペプチドの断片化を意味する。「化学物質」は、非タンパク質分解性物質若しくは化合物である。化学物質は、有機又は無機であり得る。
「分子量のカットオフ」若しくは「MWCO」は、膜のMWCOが様々な分子量(MW)の溶質分子に対する膜選択性の表現であることを意味しており、ここでMW値(ダルトン(Da)で表示する)は、ある範囲の異なるMW溶質が標的溶媒(大多数の液体をベースとする圧駆動膜用途のためには水である)中で濾過される場合に90%の阻止率をもたらす溶質分子から得られ、ここで阻止率は、方程式(1):
Figure 2023055704000005
(式中、Cp及びCfは、透過物及び供給材料それぞれの濃度である)におけるように定義される。
MWCOは、膜若しくはフィルターのMWCOを評価するために、様々な分子量のデキストラン、ポリエチレングリコール及びタンパク質を使用して実験によって決定される。阻止率は、多数の溶質並びに溶質のタイプ、濃度、流体力学、圧力、温度及びpH等のプロセスパラメーターに左右される。MWCOの測定は、通常は各々が所定のMWを備える、異なる溶質を使用する個別実験において実施される。
低範囲のMW(およそ10kDa未満)については、溶質阻止アッセイにおいてポリエチレングリコール(PEG)、n-アルカン及びオリゴスチレンを使用することができる。高範囲のMW(およそ10kDa超)については、デキストラン及び糖が使用されることが多い(Rohani et al.,2011)。
方法
本明細書で開示するのは、サンプル中のポリペプチドを第1プロテアーゼ及び第2プロテアーゼを用いて消化するステップであって、ここで第1プロテアーゼが、ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成し、ポリペプチドの少なくとも2つの断片が引き続いて第2プロテアーゼによって消化されるステップと;及び第2プロテアーゼを用いて消化した後にサンプルを分析するステップであって、ここで第2プロテアーゼが好中球エラスターゼであり;第1プロテアーゼが、第2プロテアーゼとは異なるステップとに関する方法である。本方法における他のステップは、サンプル中のポリペプチドを第1プロテアーゼにより消化した後にサンプルを2つのアリコートに分割するステップと、及び次に2つのアリコートの一方に含まれるポリペプチドを第2プロテアーゼにより消化するステップとを含み得る。これらのアリコートは、次に分析の前に組み合させることができる。サンプル中のポリペプチドは、第1プロテアーゼを用いた消化の前に変性及び/又は還元及び/又はアルキル化させることができる。分析は、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光測定法及びそれらの組合せを含むことができる。
一部の実施形態では、本方法は、第1プロテアーゼを用いてフィルター上のサンプル中のポリペプチドを消化する前にMWCOを有するフィルターにサンプルを適用するステップ、サンプル中のポリペプチドを第2プロテアーゼを用いて消化するステップ、及びサンプルを分析するステップを含む。そのような実施形態は、更に濾過するステップを組み込むことができる。MWCOフィルターは、一部の実施形態では、有意な比率のポリペプチド及びポリペプチド断片を、これらのポリペプチド若しくはポリペプチド断片のサイズがフィルターのMWCOより有意に小さいMWを有する場合でさえ保持する。
方法ステップ
ポリペプチドの変性
一部の実施形態では、本明細書に開示した方法に従って調製及び分析されるポリペプチドは、変性させられる。
ポリペプチドは、様々な当分野で認められた技術及び変性剤を使用して変性させることができる。一部の実施形態では、多数の変性剤が同時又は順々の何れかで一緒に使用される。例えば、SDSの変性剤及び加熱は、ポリペプチドを変性させるために組み合わせられ得る。
タンパク質の変性は、四次、三次又は二次ポリペプチド構造を破壊する任意の手段によって実施することができる。例えば、尿素等のカオトロープ及び変性洗剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))、熱、還元剤及びジスルフィド再形成を遮断するために反応性チオール基を不活性化する作用物質の使用。ポリペプチド含有サンプルのpHは、更に変性を促進するために操作することができる。これらの成分は、ポリペプチドの鎖を効果的に解くために一緒に使用されることが多い。
カオトロープの追加の例としては、尿素に加えて、n-ブタノール、エタノール、塩化グアニジン、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、フェノール、2-プロパノール及びチオ尿素が挙げられる。尿素は、殆どの場合に好ましい。
洗剤は、親水性基:アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性イオン性の形態に分類される。アニオン性及びカチオン性洗剤は、変性する可能性がより高く、それらの例としては:SDS、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン、ドデシル硫酸リチウム(アニオン性)及び臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)及び臭化トリメチル(テトラデシル)アンモニウム(TTAB)(カチオン性)が挙げられる。一部の場合には、両性イオン性洗剤は有用であり得るが、例としては、アミドスルホベタイン-14(ASB-14)、アミドスルホベタイン-16(ASB-16)、C7Bz0、CHAPS、CHAPSO、EMPIGEN(登録商標)BB、3-(N,N-ジメチルオクチルアンモニオ)プロパンスルホネート分子内塩(SB3-8)、d(デシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホネート分子内塩(SB3-10)等が挙げられる。アニオン性洗剤が好ましく、特に好ましいのはSDSである。
変性剤は、(大多数のポリペプチドに対して)熱、例えば30℃以上の高温であり得る。変性剤には撹拌が含まれる。一部の実施形態では、本質的若しくは実質的を含む低塩又は無塩がポリペプチドを変性させ得る。
変性剤は、エタノール若しくは他のアルコール等の溶媒であり得る。
ポリペプチドを変性させるステップは、広範に試験されて報告されている;例えば、詳細については(Tanford,1968)を参照されたい。当業者であれば、ポリペプチド及び選択すべき多数の変性剤の性質を前提に、ポリペプチドを変性させる方法を理解している。
ポリペプチドの還元
還元ポリペプチドは、システイン等のポリペプチド構造において還元可能残基を還元させるために十分な還元条件に曝露させられているポリペプチドである。還元ポリペプチドがチオール基又は硫黄含有残基を含有する場合、還元ポリペプチド内のチオール基が還元させられる。システイン残基を含む還元ポリペプチドは、「-SH」と表示され得る、還元させられたシステイン残基の硫黄原子を有する。還元ポリペプチドは、ジスルフィド結合含有ポリペプチドであり得る。ジスルフィド結合含有ポリペプチドは、ジスルフィド結合含有ポリペプチド内の1つ以上のジスルフィド結合(ジスルフィド架橋)が破断するのを誘発する還元条件に曝露させることによって還元ポリペプチドになり得る。
「還元剤(reducing agent)」、「還元剤(reductant)」又は「還元剤(reducer)」は、酸化還元化学反応において又別の化学種へ電子を失う(又は付与する)要素又は化合物である。還元剤は、ジスルフィド基がチオール基(-SH)基を生成することによって反応性になることを許容する。一般的ポリペプチド還元試薬は、表Cに示した。
Figure 2023055704000006
一部の実施形態では、ポリペプチドの変性及び還元は、同時に実施される。他の実施形態では、ポリペプチドの変性及び還元は、別個のステップで実施される。
当業者であれば、ポリペプチド及び選択すべき還元試薬の性質を前提に、ポリペプチドを還元させる方法を理解している。
サンプル中に含まれるポリペプチドをアルキル化させる
「反応性チオール基を不活性化するステップ」は、望ましくないチオール-ジスルフィドの交換反応を防止するためにポリペプチド内の遊離チオール基を遮断することを意味する。アルキル化剤は、アルキル基による水素の置換を誘発する物質である。
それらの還元後に頻回に生じる遊離システインのアルキル化は、さもなければシステイン残基の遊離チオール間で形成し得るジスルフィド結合の形成及び再形成を防止する。一般に使用されるアルキル化剤としては、n-エチルマレイミド(NEM)、ヨードアセトアミド(IAA)及びヨード酢酸が挙げられる。その他の適切なアルキル化剤の例としては、ジチオビス(2-ニトロ)安息香酸;アクリルアミド;4-ビニルピリジン;ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル及びシクロホスファミド;シスプラチン;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、ロムスチン及びセムスチン;スルホン酸アルキル、例えばブスルファン;エチレンイミン、例えばチオテパ;及びトリアジン、例えばデカルバジンが挙げられる。当業者であれば、スルフヒドリル基を保護するために使用され得る試薬並びにそのような試薬を使用する方法を承知している。
ポリペプチドの消化
本明細書に開示した方法は、サンプル中の分析対象のポリペプチドを第1消化で切断するステップであって、切断するステップがポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成するステップを含む。ポリペプチドを断片化する任意の方法は、ポリペプチドの少なくとも2つの断片が生成されること;更に、ポリペプチドの、例えば単一アミノ酸への完全な分解が望ましくないことを前提に使用され得る。
そのような消化ステップでは、切断の便宜的手段には、プロテアーゼを使用することが含まれる(ここで、プロテアーゼは、好中球エラスターゼではない)。そのようなプロテアーゼがポリペプチドを少なくとも2つの断片に切断する限り、任意のプロテアーゼを使用することができる。好中球エラスターゼを用いて消化する前のこの第1消化を支持する論理的根拠は、ポリペプチド断片を好中球エラスターゼ(ヒト好中球エラスターゼ等)に提供することであり、ここで好中球エラスターゼは、インタクトポリペプチドを用いて提示された場合と比較して、増加した特異性を有する。
一部の実施形態では、2種以上のプロテアーゼの混合物が使用され得る。他の実施形態では、第1消化は、多数の連続消化を含み得る。例えば、第1消化は、第1プロテアーゼを用いて実施され、次にその後の反応では、第2消化が第2プロテアーゼを用いて実施される(ここでどのプロテアーゼも好中球エラスターゼではない)。第2(又はそれ以降の)消化は、ポリペプチドを好中球エラスターゼにより更に切断するステップにおいて使用される好中球エラスターゼの特異性を改良するために完了される。
有用なプロテアーゼ(しかし全部を含むわけではない)の例としては、トリプシン、エンドプロテイナーゼGlu-C、エンドプロテイナーゼArg-C、ペプシン、キモトリプシン、キモトリプシンB、Lys-Nプロテアーゼ、Lys-Cプロテアーゼ、Glu-Cプロテアーゼ、Asp-Nプロテアーゼ、パンクレアトペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、プロテイナーゼK及びサーモリシンが挙げられる。一部の実施形態では、これらのプロテアーゼの組合せが使用される。一部の実施形態では、トリプシン単独が使用される。
ペプチド結合選択性及びEC番号を含むこれらやその他のプロテアーゼは、(Unspecified,2007)から採用した表Dに示した。各プロテアーゼについて示した供給源は、例示のためだけである;これらのプロテアーゼの多くは、市販で入手できる。
一部の実施形態では、10:1、20:1、25:1、50:1又は100:1のタンパク質:プロテアーゼ比(w/w)を使用できる。一部の実施形態において、比率は、20:1である。一部の実施形態では、使用される好中球エラスターゼは、約100ng/mL~1mg/mL、若しくは約100ng/mL~500μg/mL、若しくは約100ng/mL~100μg/mL、若しくは約1μg/mL~1mg/mL、若しくは約1μg/mL~500μg/mL、若しくは約1μg/mL~100μg/mL、若しくは約10μg/mg~1mg/mL、若しくは約10μg/mg~500μg/mL、若しくは約10μg/mg~100μg/mLの濃度にある。一部の実施形態では、消化ステップは、10分間~48時間、若しくは30分間~48時間、若しくは30分間~24時間、若しくは30分間~16時間、若しくは1時間~48時間、若しくは1時間~24時間、若しくは1時間~16時間、若しくは1~8時間、若しくは1~6時間、若しくは1~4時間である。一部の実施形態では、消化ステップは、20℃~45℃、若しくは20℃~40℃、若しくは22℃~40℃、若しくは25℃~37℃の温度でインキュベートされる。一部の実施形態では、消化ステップは、37℃でインキュベートされる。当業者であれば、in vitroプロテアーゼ消化は当分野において明確に理解されているので、適切な条件(緩衝液、インキュベーション時間、プロテアーゼの量、容積等)を選択することができる。
Figure 2023055704000007
Figure 2023055704000008
一部の実施形態では、第1消化は、化学物質を使用して実施される。特に有用な化学物質には、部位特異的方法でポリペプチドを切断する化学物質が含まれる。そのような化学物質には、メチオニン残基のC末端を切断する臭化シアン(CNBr;カルボノニトリジク・ブロミド);システイン残基のN末端を切断する2-ニトロ-5-チオシアノ安息香酸塩(NTCB);ヒドロキシルアミンを使用して切断できるアスパラギン-グリシンジペプチド;アルパラギン酸-プロリン(Asp-Pro)ペプチド結合で切断するギ酸及びトリプトファン残基のC末端を切断するBNPS-スカトール(3-ブロモ-3-メチル-2-(2-ニトロフェニル)スルファニルインドール)が含まれる。当業者であれば、ポリペプチドの濃度、化学物質の濃度、インキュベーション時間及び温度等を含む適切な変量を選択する方法を理解している。例えば、更に(Crimmins et al.,2001;Li et al.,2001;Tanabe et al.,2014)を参照されたい。
一部の実施形態では、第1消化は、複数の連続消化を含むことができ、ここでそのような連続消化の少なくとも1回は、CNBr、NTCB、ヒドロキシルアミン、ギ酸及びBNPS-スカトール等の化学物質を使用するステップを含む。例えば、第1消化は、ポリペプチドを少なくとも2つの断片に切断する化学物質を用いて実施され、及び次にその後の反応では、第2消化が1種のプロテアーゼを用いて実施される(ここでプロテアーゼは好中球エラスターゼではない)、又はその逆も当てはまる。第2(又はそれ以降)の消化は、ポリペプチドを好中球エラスターゼにより更に切断するステップにおいて使用される好中球エラスターゼの特異性を改良するために完了される。
本明細書に開示した方法では、その後の消化は、好中球エラスターゼを用いて実施される。一部の実施形態では、好中球エラスターゼは、ヒトである。
一部の実施形態では、10:1、20:1、25:1、50:1又は100:1のタンパク質:好中球エラスターゼ比(w/w)を使用できる。一部の実施形態において、比率は、20:1である。一部の実施形態では、使用される好中球エラスターゼは、約100ng/mL~1mg/mL、若しくは約100ng/mL~500μg/mL、若しくは約100ng/mL~100μg/mL、若しくは約1μg/mL~1mg/mL、若しくは約1μg/mL~500μg/mL、若しくは約1μg/mL~100μg/mL、若しくは約10μg/mg~1mg/mL、若しくは約10μg/mg~500μg/mL、若しくは約10μg/mg~100μg/mLの濃度にある。一部の実施形態では、消化ステップは、10分間~48時間、若しくは30分間~48時間、若しくは30分間~24時間、若しくは30分間~16時間、若しくは1時間~48時間、若しくは1時間~24時間、若しくは1時間~16時間、若しくは1~8時間、若しくは1~6時間、若しくは1~4時間である。一部の実施形態では、消化ステップは、35分間インキュベートされる。一部の実施形態では、消化ステップは、20℃~45℃、若しくは20℃~40℃、若しくは22℃~40℃、若しくは25℃~37℃の温度でインキュベートされる。一部の実施形態では、消化ステップは、37℃でインキュベートされる。当業者であれば、様々なパラメーターを理解することができ、好中球エラスターゼを用いた消化のために適切な条件を選択することができる。
サンプルをアリコートに分割する
実施形態では、分析対象のポリペプチドを含むサンプルが好中球エラスターゼを用いて消化される前に、サンプルは、アリコートに分割される。一部の場合には、サンプルをアリコートに分割するステップは、好中球エラスターゼを用いて消化する前に、サンプルの容積の半分を単純に取り上げることによって実施される。一部の場合には、アリコートは、例えば、紫外分光測光法を使用してポリペプチド濃度について均等化することができる。
フィルターの選択
特定用途のために適切なMWCOを選択する場合、サンプルの濃度、組成、分子の形状並びに温度、圧力及びクロスフロー速度等の作動条件を含む多数の因子が検討される。分子通路の流動に関する他の変量も又考慮に入れられる。例えば、直鎖分子、高い膜間差圧(TMP)及び低いサンプル濃度は、分子通路を増加させる可能性があり、他方では低い温度及び膜汚染は分子通路を減少させる可能性がある。MWCOについての検証方法は、それらが製造業者毎に変動するので、必ずしも比較可能ではない。当分野では一般に、保持されている溶質の分子量よりも少なくとも2倍小さいMWCOを選択することが勧告されている。
本明細書に開示した方法については、フィルターの形状も又検討される。1~2mLの容積については、フィルターユニットが下地と垂直な場合にフィルターが傾斜しているフィルターユニットは、フィルターユニットが下地と垂直な場合にフィルターが水平である場合よりも望ましくない。
MWCO膜のために適切な材料は、親水性である。適切な親水性材料としては、ポリエーテルスルホン、二フッ化ポリビニリデン及び再生セルロースが挙げられる。
好適なカットオフフィルターは、例えばPall Corporation(Port Washington、NY)又はMillipore,Inc(Burlington、MA、例えばMicrocon(登録商標)フィルター等)から市販で入手することができる。本明細書に開示した方法については、これらの特定の製造業者からのフィルターは、適切であるMWCO仕様書を有する。他の製造業者からの匹敵するフィルターも又使用できる。製造業者によって提供されるMWCO仕様書は、製造業者間のMWCO評価間の相違を公平に考慮に入れているために信頼することができ、本明細書に開示した方法は、一部には低分子量の分子が、これらの分子がフィルターの評価されたMWCO以下である(及び実質的に低いことが多い)分子量を有する場合でさえフィルターによって保持されるという驚くべき観察所見を上手に活用している(例えば、実施例11を参照されたい)。
MWCOフィルターを使用してサンプルを濾過するステップは、任意の適切なフィルター装置を使用する、任意の適切なフィルター法を使用することができる。濾過するステップは、重力、キャピラリー力又は超遠心分離を含む一般的な遠心分離によって発生させることができる。
サンプルを分析するステップ
ポリペプチドが好中球エラスターゼを用いて消化された後に、結果として生じたポリペプチド断片は、任意の適切な方法によって分析することができる。手順に関する考察は、調製されたポリペプチドを分析するために使用できる方法を決して限定することは意図していない。
一般に、好適な分析方法は、クロマトグラフィー、電気泳動法及び分光測定法であり得る。これらの方法の一部は、組み合わせることができる。
当業者であれば、例えば、適切な分析方法、並びに、例えば、それらの方法を実施するために適切な条件の選択を容易にする、例えば(Gunzler and Williams,2001)を含むハンドブックを利用できる。
クロマトグラフィー法は、その相が固定相を保持する構造を通して処理される移動相内のポリペプチド断片を分離する方法である。ポリペプチド断片はサイズ及び組成が異なるために、各断片は、固有の分配係数を有する。分配係数が異なるために、ポリペプチドは、固定相上に示差的に維持される。当分野において公知のそのような方法の例としては、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーが挙げられる。
公知のクロマトグラフィー法の一部の概要は、表Eに示した。
Figure 2023055704000009
Figure 2023055704000010
調製されたポリペプチドは、更に、電気泳動法-ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、等電点電気泳動法、等速電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法、キャピラリー電気泳動法及びキャピラリーゾーン電気泳動法を使用して分析することもできる。当業者であれば、(Kurien and Scofield,2012;Lord,2004)等の概観及びハンドブックを入手することができる。
電気泳動法は、電場によって溶媒を通して輸送される、それらの等電点には存在しないポリペプチド等の荷電分子を分析するために使用することができる。ポリペプチドは、それらの荷電密度に比例する速度で移動する。電場を通してのポリペプチドの移動度は:電場の強度、ポリペプチド上の正味電荷、ポリペプチドのサイズ及び形状、イオン強度並びにポリペプチドがそれを通って移動するマトリックスの特性(例えば、粘度、孔径)に左右される。ポリアクリルアミド及びアガロースは、2種の一般的な支持マトリックスである。これらのマトリックスは、多孔質媒体として機能し、分子ふるいのように挙動する。ポリアクリルアミドは、より小さな孔径を備える支持体を形成し、本明細書に開示した方法において特に有用であり、大多数のポリペプチド断片を分離するために理想的である。
表Fは、ポリペプチドの電気泳動技術の例を提示している。
Figure 2023055704000011
Figure 2023055704000012
Figure 2023055704000013
調製されたポリペプチドは、更に、分光測定法-質量分光測定法(Rubakhin and Sweedler,2010)、紫外分光測定法、可視分光測定法、蛍光分光測定法及び紫外-可視分光測定法(Nowicka-Jankowska,1986)を使用して分析することができる。
表Gは、ポリペプチドの電気泳動技術の例を提示している。
Figure 2023055704000014
質量分光測定法(MS)を可能にする原理は、化学的化合物をイオン化して荷電分子若しくは分子断片を生成するステップ、及び次に質量電荷比を測定するステップから成る。例示的なMS手順では、サンプルがMS機器に装填されて気化させられ、サンプルの成分は、正電荷粒子の形成を生じさせる様々な方法(例えば、それらに電子ビームで衝撃を与えることによる)の1つによってイオン化され、陽イオンは次に磁場によって加速され、電磁場を通してそれらが通過するのでイオンの運動の詳細に基づいて粒子の質量電荷比(m/z)についての計算、及びそれらのm/z比に従って分類されるイオンの検出が実施される。
実例となるMS機器は、3つのモジュール:気相サンプル分子をイオンに変換する(又は、エレクトロスプレーイオン化の場合、溶液中に存在するイオンを気相内に移動させる)イオン源;電磁場を適用することによってそれらの質量電荷比によってイオンを分類する質量分析器;及びインジケーター量の数値を測定するので、従って存在する各イオンの存在度を計算するためのデータを提供する検出器を有する。
MS技術は、未知の化合物を同定すること、分子内の要素の同位体組成を決定すること、及びその断片化を観察することによって化合物の構造を決定することを含む定性的及び定量的両方の使用を有する。含まれるのは、ガスクロマトグラフィー-質量分光測定法(GC/MS又はGC-MS)、液体クロマトグラフィー質量分光測定法(LC/MS又はLC-MS)及びイオン移動度分光測定/質量分光測定法(IMS/MS又はIMMS)である。
分析方法(クロマトグラフィー法、電気泳動法及び分光測定法)は、組み合わせることができる。例えば、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法及びイオン移動度分光測定法-質量分光測定法等の組合せ。
自動化
本明細書に開示した方法の様々なステップは、液体処理ロボットを使用して実施することができる。そのようなロボットは、試薬、サンプル若しくは他の液体を指定の容器に分注する。ロボットは、ロボット自体に直接的に統合されたソフトウエア又は接続されたコンピューターの何れかによって制御される。液体処理を自動化することによって、本明細書に開示した方法は、ハイスループットで、より少ないエラーで、及び分析者が実際に操作する時間を減少させて実施することができる。
液体処理ロボットは、遠心分離機、PCR装置、コロニーピッカー、振とう装置、加熱器具等の様々な実験室用器具を使用して構成することができる。そのようなカスタマイズ化は、これらの機械を特定方法に適応させることを許容する。
一部の場合には、そのようなロボットは、液体を移動させるために音響を使用すること(音響液体処理)によってピペット及び/又はシリンジの使用に取って代わる。
現在は、Agilent Technologies(Santa Clara、CA)、Beckman Coulter,Inc.(Indianapolis、IN)、Eppendorf North America(Hauppauge、NY)、Hamilton Robotics(Reno、NV)、Hudson Robotics,Inc.(Springfield、NJ)及びTecan AG(Mannedorf、Switzerland)は、そのようなロボットの製造業者の一部である。
治療用ポリペプチド
以下の1つ以上に結合するものを含むポリペプチドは、本明細書で開示する方法において調製及び分析することができる。これらには、受容体結合を妨害するものを含む、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD30及びCD34を含むCDタンパク質が含まれる。HER2、HER3、HER4及びEGF受容体を含むHER受容体ファミリータンパク質。細胞接着分子、例えば、LFA-I、MoI、pl50、95、VLA-4、ICAM-I、VCAM及びαv/β3インテグリン。成長因子、例えば、血管内皮増殖因子(「VEGF」)、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、ミュラー管阻害物質、ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-1α)、エリスロポエチン(EPO)、NGF-β等の神経成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、例えばaFGF及びbFGF等を含む線維芽細胞増殖因子、上皮成長因子(EGF)、特にTGF-α及びTGF-β、例えばTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4又はTGF-β5を含むトランスフォーミング成長因子(TGF)、インスリン様成長因子I並びにインスリン様成長因子II(IGF-I及びIGF-II)、des(l-3)-IGF-I(脳IGF-I)及び骨誘導因子。インスリン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、及びインスリン様成長因子結合タンパク質を含むインスリン及びインスリン関連タンパク質。とりわけ第VIII因子、組織因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、α-1-アンチトリプシン等の凝固及び凝固関連タンパク質、例えば、ウロキナーゼ及び組織プラスミノーゲン活性化因子(「t-PA」)等のプラスミノーゲン活性化因子、ボンバジン(bombazine)、トロンビン及びトロンボポエチン;(vii)アルブミン、IgE及び血液型抗原を含むがそれらに限定されない他の血液タンパク質及び血清タンパク質。以下の、例えば特に、M-CSF、GM-CSF及びG-CSF並びに例えばCSF-1受容体(c-fms)等のそれらの受容体を含む、コロニー刺激因子及びそれらの受容体。例えば、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、LDL受容体、成長ホルモン受容体、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」、「c-mpl」)、グルカゴン受容体、インターロイキン受容体、インターフェロン受容体、T細胞受容体、c-Kit等の幹細胞因子受容体及び他の受容体を含む、受容体及び受容体関連タンパク質。例えば、OX40受容体のリガンドであるOX40Lを含む、受容体リガンド。骨由来神経栄養因子(BDNF)及びニューロトロフィン-3、-4、-5又は-6(NT-3、NT-4、NT-5又はNT-6)を含む、神経栄養因子。リラキシンA鎖、リラキシンB鎖及びプロリラキシン;例えば、インターフェロン-α、-β及び-γ並びにそれらの受容体を含む、インターフェロン及びインターフェロン受容体。IL-1~IL-33及びIL-1~IL-33受容体、例えば、とりわけIL-8受容体を含む、インターロイキン及びインターロイキン受容体。AIDSエンベロープウイルス抗原を含む、ウイルス抗原。リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺界面活性物質、腫瘍壊死因子-α及び-β、エンケファリナーゼ、ランテス(RANTES;regulated on activation normally T-cell expressed and secreted)、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン及びアクチビン。インテグリン、プロテインA又はD、リウマチ因子、免疫毒素、骨形成タンパク質(BMP)、スーパーオキシド・ジスムターゼ、表面膜タンパク質、崩壊促進因子(DAF)、AIDSエンベロープ、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、イムノアドヘシン、抗体。ミオスタチン、TALL-I、アミロイドタンパク質、例えば、以下に限定されないが、アミロイドβタンパク質、胸腺間質性リンパ球新生因子(「TSLP」)、RANKリガンド(「OPGL」)、c-kitを含むTALLタンパク質、TNF受容体1型を含むTNF受容体、TRAIL-R2、アンジオポエチン並びに前述の何れかの生物活性断片又はアナログ又は変異体。
例示的なポリペプチド及び抗体としては、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ);アリロクマブ、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチン-α)、Epogen(登録商標)(エポエチンα若しくはエリスロポエチン);Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ);Betaseron(登録商標)(インターフェロンβ);ボコシズマブ(L1L3と指定された抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8080243号明細書を参照);Campath(登録商標)(アレムツズマブ);Dynepo(登録商標)(エポエチンδ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト);Eprex(登録商標)(エポエチンα);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ);エボロクマブ;Genotropin(登録商標)(ソマトロピン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン[rDNA由来]注射液);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Infergen(登録商標)(インターフェロンαcon-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド);Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ);Benlysta(商標)(ベリムマブ);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンβ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗C5補体);MEDI-524(Numax(登録商標));Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);エドレコロマブ(Panorex(登録商標));Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DMl);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン);Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3)、Procrit(登録商標)(エポエチンα);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Stelara(商標)(ウステキヌマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7153507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 Trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-I受容体成分(1型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(エゼチマイブ)、アタシセプト(TACI-Ig)、抗α4β7 mAb(ベドリズマブ);ガリキシマブ(抗CD80 mAb)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);Simponi(商標)(ゴリムマブ);マパツズマブ(ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);オクレリズマブ(抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A及び毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗TSLP抗体;抗TSLP受容体抗体(米国特許第8101182号明細書);A5と指定された抗TSLP抗体(米国特許第7982016号明細書);(抗CD3 mAb(NI-0401));アデカツムマブ(MT201、抗EpCAM-CD326 mAb);MDX-060、SGN-30、SGN-35(抗CD30 mAb);MDX-1333(抗IFNAR);HuMax CD38(抗CD38 mAb);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗スクレロスチン抗体(米国特許第8715663号明細書又は同第7592429号明細書を参照)、Ab-5と指定された抗スクレロスチン抗体(米国特許第8715663号明細書又は同第7592429号明細書);抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);MEDI-545、MDX-1103(抗IFNα mAb);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12/IL23p40 mAb(ブリアキヌマブ);抗IL-23p19 mAb(LY2525623);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL-17 mAb(AIN457);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-Ol8、CNTO95);抗IPIO潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001);抗PDlmAb(MDX-1 106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;NVS抗体#2及びアミロイドβモノクローナル抗体が挙げられる。
本方法及び医薬製剤のために好適な抗体の例としては、表Hに示した抗体が挙げられる。好適な抗体のその他の例としては、インフリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、パリビズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アルチヌマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、トシリズマブ、バピネウズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、クレネズマブ、cr6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツズマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テフィバズマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テゼペルマブ、TGN1412、トレメリムマブ、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクスが挙げられる。
抗体としては、更にアダリムマブ、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エレヌマブ、エボロクマブ、インフリキシマブ、ナタリズマブ、パニツムマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロモソズマブ、テゼペルマブ及びトラスツズマブ並びに表Hから選択される抗体も挙げられる。
Figure 2023055704000015
Figure 2023055704000016
一部の実施形態では、治療用ポリペプチドは、BiTE(登録商標)分子である。BiTE(登録商標)分子は、癌細胞に対してT細胞の細胞傷害活性を指示する遺伝子組換え二重特異性モノクローナル抗体である。それらは、約55キロダルトンの単一ペプチド鎖上の様々な抗体の2つの一本鎖可変断片(scFv)又は4個の異なる遺伝子由来のアミノ酸配列の融合である。scFvの1つはCD3受容体を介してT細胞に結合し、他の1つは腫瘍特異的分子を介して腫瘍細胞に結合する。ブリナツモマブ(BLINCYTO(登録商標))は、CD19に対して特異的であるBiTE(登録商標)分子の1つの例である。それらの半減期を延長させるように修飾された分子等の修飾されているBiTE(登録商標)分子も又、本明細書に開示した方法において使用できる。
下記の実施例のセクションは、単に例として提示されたものであり、決して本明細書の開示又は特許請求項を限定するために明記されたものではない。
実施例1-実施例2~4のための試薬の調製
変性緩衝液(7MのグアニジンHCl、100mMのtris、20mMのメチオニン、pH8.3)は、10mLの1Mの(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(tris)、pH7.8(Teknova、Hollister、CA、P/N T1078)を87.5mLの8MのグアニジンHCl(Pierce、Rockford、IL、P/N 24115)に添加し、その後に299mgのL-メチオニン(J.T.Baker、P/N 2085-05)を添加することによって調製した。この溶液のpHは、6Nの塩酸塩(HCl)(Sigma.St.Louis.MO、P/N 84429)を用いてpH8.3に調整した。容積は、HPLCグレード水を用いて100mLに調整した。還元溶液(500mMのDTT)は、7.7mgの事前に計量したジチオトレイトール(DTT)(Pierce、Rockford、IL、P/N 20291)を100μLの変性緩衝液に溶解させることによって調製した。アルキル化溶液(500mMのNaIAA)は、500mMのNaIAAを産生するために十分な容積の変性緩衝液中に15~65mgのヨウ化酢酸ナトリウム(NaIAA)(Sigma、St.Louis、MO、P/N I-9148)を溶解させることによって調製した。消化緩衝液(100mMのtris、20mMのメチオニン、pH7.8)は、10mLの1Mのtris、pH7.8中に299mgのL-メチオニンを溶解させ、100mLのHPLCグレード水を添加することによって調製した。この溶液のpHはHClを用いてpH7.8に調整し、容積はHPLCグレード水を用いて100mLに調整した。酵素溶液(1mg/mLのトリプシン、1mg/mLのHNE)は、100μgのトリプシン(Roche、Basel、Switzerland、P/N 03708969001)又は100μgのHNE(Elastin Products Company、Owensville、MO、P/N SE563)に100μLの消化緩衝液を添加することによって調製した。消化クエンチング溶液(10%のTFA)は、1.0mLの100%のトリフルオロ酢酸(TFA)(Pierce、Rockford、IL、P/N 28904)を9.0mLのHPLCグレード水に添加することによって調製した。
実施例2-トリプシン及びHNEの個別の消化物
サンプルは、57.1μLの変性緩衝液及び2μLの還元溶液を42.9μLのサンプル(処方緩衝液中で1~2mg/mL)に添加し、その後に37℃で35分間インキュベートすることによって変性及び還元させた。還元後、9μLのアルキル化溶液を各サンプルに添加し、その後に室温の暗所で20分間インキュベートした。アルキル化は、7μLの還元溶液の添加によってクエンチした。サンプルは、製造業者の取扱説明書に従って1,500×gでの回転を伴うEppendorf 5430遠心分離機(Hamburg、Germany)を使用してZeba Spin脱塩カラム(Thermo Scientific、Waltham、MA、P/N 89883)により脱塩した。サンプルの濃度は、Implen NanoPhotometer Pearl(Munchen、Germany)又はThermo Scientific Nanodrop 2000c(Waltham、MA)の何れかを使用する脱塩後に測定した。酵素溶液(トリプシン又はHNEの何れか)は、1:20の酵素:基質比で各サンプルに添加した。サンプルは37℃で35分間に渡り水浴中でインキュベートした。消化は、6μLの消化クエンチング溶液の添加によってクエンチした。
実施例3-トリプシン及びHNEの連続消化物
サンプルは、57.1μLの変性緩衝液及び2μLの還元溶液を42.9μLのサンプル(処方緩衝液中で1~2mg/mL)に添加し、その後に37℃で35分間インキュベートすることによって変性及び還元させた。還元後、9μLのアルキル化溶液を各サンプルに添加し、その後に室温の暗所で20分間インキュベートした。アルキル化は、7μLの還元溶液の添加によってクエンチした。サンプルは、製造業者の取扱説明書に従って1,500×gでの回転を伴うEppendorf 5430遠心分離機(Hamburg、Germany)を使用してZeba Spin脱塩カラム(Thermo Scientific、Waltham、MA、P/N 89883)により脱塩した。サンプルの濃度は、Implen NanoPhotometer Pearl(Munchen、Germany)又はThermo Scientific Nanodrop 2000c(Waltham、MA)の何れかを使用して脱塩後に測定した。トリプシン溶液を1:20の酵素:基質比で各サンプルに添加した。サンプルは、37℃で35分間に渡り水浴中でインキュベートした。HNE溶液を1:20の酵素:基質比で各サンプルに添加した。サンプルは37℃で30分間に渡り水浴中でインキュベートした。消化は、6μLの消化クエンチング溶液の添加によってクエンチした。
実施例4-トリプシン消化物及びトリプシン-HNE連続消化物の混合物
サンプルは、57.1μLの変性緩衝液及び2μLの還元溶液を42.9μLのサンプル(処方緩衝液中で1mg/mL)に添加し、その後に37℃で35分間インキュベートすることによって変性及び還元させた。還元後、9μLのアルキル化溶液を各サンプルに添加し、その後に室温の暗所で20分間インキュベートした。アルキル化は、7μLの還元溶液の添加によってクエンチした。サンプルは、製造業者の取扱説明書に従って1,500×gの回転でEppendorf 5430遠心分離機を使用するZeba脱塩カラムを用いて脱塩した。サンプルの濃度は、NanoPhotometer Pearl又はNanodrop 2000cの何れかを使用して脱塩後に測定した。トリプシン溶液は、1:20の酵素:基質比で各サンプルに添加した。サンプルを37℃の水浴中で35分間に渡りインキュベートした。トリプシン消化後、各サンプルは、2本の等量のアリコート(各約55μL)に分割した。3μLの消化クエンチング溶液は、第1アリコートに添加し、これをその後取り置いた。第2アリコートに、HNE溶液を1:20の酵素:基質比で添加した。このアリコートを37℃で30分間に渡り水浴中でインキュベートし、その後に3μLの消化クエンチング溶液を添加した。2本のアリコートは、次に1:1の比で組み合わせ、その後に緩徐に混合した。
実施例5-実施例6及び7のための試薬の調製
変性緩衝液(6MのグアニジンHCl、200mMのtris、20mMのメチオニン、pH8.3)は、20mLの1Mの(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(tris)、pH8.3(Teknova、St.Louis、MO、P/N T1083)を87.5mLの8MのグアニジンHCl(Pierce、Rockford、IL、P/N 24115)に添加し、その後に299mgのL-メチオニン(J.T.Baker、P/N 2085-05)を添加することによって調製した。この溶液のpHは、1Nの塩酸(HCl)(Ricca、Arlington、TX、P/N R3700100-120A)又は1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)(Merck、Kenilworth、NJ、P/N 1.09137.100)の何れかを用いてpH8.3に調整した。容積は、HPLCグレード水を用いて100mLに調整した。還元溶液(500mMのDTT)は、7.7mgの事前に計量したジチオトレイトール(DTT)(Pierce、Rockford、IL、P/N 20291)を100μLの変性緩衝液に溶解させることによって調製した。アルキル化溶液(500mMのNaIAA)は、500mMのNaIAAを産生するために十分な容積の変性緩衝液中に15~65mgのヨウ化酢酸ナトリウム(NaIAA)(Sigma、St.Louis、MO、P/N I-9148)を溶解させることによって調製した。消化緩衝液(50mMのtris、20mMのメチオニン、pH7.8)は、10mLの1Mのtris、pH7.8中に299mgのL-メチオニンを溶解させ、100mLのHPLCグレード水を添加することによって調製した。この溶液のpHは、1Nの塩酸塩(HCl)(Ricca、Arlington、TX、P/N R3700100-120A)又は1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)(Merck、Kenilworth、NJ、P/N 1.09137.100)の何れかを用いてpH7.8に調整し、容積は、HPLCグレード水を用いて100mLに調整した。酵素溶液(1mg/mLのトリプシン、1mg/mLのHNE)は、100μgのトリプシン(Roche、Basel、Switzerland、P/N 03708969001)又は100μgのHNE(Elastin Products Company、Owensville、MO、P/N SE563)に100μLの消化緩衝液を添加することによって調製した。消化クエンチング溶液(8MのグアニジンHCl、250mMの酢酸塩、pH4.7)は、76.4gのグアニジンHCl(Sigma、St.Louis、MO、P/N 50933)及び1.0gの酢酸ナトリウム(Sigma、P/N 32319)を95mLのHPLCグレード水に溶解させることによって調製した。716μLの氷酢酸(Sigma、St.Louis、MO、P/N 320099)を次に添加し、HCl又はNaOHの何れかを用いてpHをpH4.7に調整した。容積は、次にHPLCグレード水を用いて100mLに調整した。
実施例6-MWCOスピンフィルター支援連続消化物
処方緩衝液中の100μgのサンプルを濾液収集のために遠心チューブ内に配置された膜ユニットから成る30kDaの分子量カットオフ回転装置に添加した。(Millipore、Billerica、MA、P/N MRCF0R030又はPall、Port Washington、NY、P/N OD030C34)。この装置は、Eppendorf 5430遠心分離機を使用して14,000×gで15分間に渡り回転させた。濾液を廃棄した。200μLの変性緩衝液をサンプルに添加し、フィルター装置を15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した;これを更に2回繰り返した。各サンプルに対し、3μLの還元溶液を37μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した。サンプルは、37℃の水浴で45分間インキュベートすることによって変性及び還元させた。次にサンプルを15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した。各サンプルに対し、7μLのアルキル化溶液を33μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した。サンプルを暗所の室温で20分間インキュベートすることによってアルキル化させた。次にサンプルを15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した。各サンプルに対し、4μLの変性溶液を36μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加してアルキル化をクエンチさせた。次にサンプルを15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した。200μLの消化緩衝液をサンプルに添加し、フィルター装置を15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した;これを更に2回繰り返して変性剤、還元剤及びアルキル化剤を除去した。各サンプルに対し、5μLのトリプシン溶液を35μLの消化緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した(1:20の酵素;基質比)。サンプルは60分間に渡り37℃の水浴中でインキュベートした。フィルター装置は、新規なコレクションチューブ(コレクションチューブ2)に移した。最初のコレクションチューブ(コレクションチューブ1)は、取り除いた。フィルター装置は15分間に渡り14,000×gで遠心分離した。トリプシンペプチドを含有する濾液は、コレクションチューブ2の中に保持された。20μLの消化緩衝液をフィルター装置に添加し、フィルター装置(コレクションチューブ2内)を15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液はコレクションチューブ2内に保持した;これを更に1回繰り返した。フィルター装置をコレクションチューブ1に移し戻し、コレクションチューブ2を取り除いた。各サンプルに対し、5μLのHNE溶液を35μLの消化緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した(今度はコレクションチューブ1内、出発材料に基づいて1:20の酵素:基質比)。サンプルを30分間に渡り37℃の水浴中でインキュベートした。フィルター装置は、コレクションチューブ2に移した。コレクションチューブ1を廃棄した。フィルター装置を15分間に渡り14,000×gで遠心した。HNE消化の結果として生じるペプチドを含有している濾液は、コレクションチューブ2内に(先行ステップからのトリプシンペプチドと一緒に)保持した。20μLの消化緩衝液をフィルター装置に添加し、フィルター装置(コレクションチューブ2内)を15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液はコレクションチューブ2内に保持した;これを更に1回繰り返した。消化は、160μLの消化クエンチング緩衝液をコレクションチューブ2に添加することによってクエンチした。
実施例7-MWCOスピンフィルター支援連続消化物、短縮板
200μLの変性緩衝液は、濾液収集のために遠心チューブ内に配置された膜ユニットから成る30kDaの分子量カットオフ回転装置に添加した。(Millipore、Billerica、MA、P/N MRCF0R030又はPall、Port Washington、NY、P/N OD030C34)。この装置は、Eppendorf 5430遠心分離機を使用して14,000×gで10分間に渡り回転させた。濾液を廃棄した。処方緩衝液中の100μgのサンプルをフィルター装置に添加し、10分間に渡り14,000×gで回転させた。濾液を廃棄した。各サンプルに対し、3μLの還元溶液を37μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した。サンプルは、30分間に渡り37℃の水浴でインキュベートすることによって変性及び還元させた。各サンプルに対し、7μLのアルキル化溶液を33μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した。サンプルは、20分間に渡り暗所の室温でインキュベートすることによってアルキル化させた。各サンプルに対し、4μLの変性溶液を36μLの変性緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加してアルキル化をクエンチさせた。次にサンプルを15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した。200μLの消化緩衝液をサンプルに添加し、フィルター装置を15分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液を廃棄した;これを更に2回繰り返して変性剤、還元剤及びアルキル化剤を除去した。各サンプルに対し、5μLのトリプシン溶液を35μLの消化緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した(1:20の酵素;基質比)。サンプルは60分間に渡り37℃の水浴中でインキュベートした。フィルター装置は、新規なコレクションチューブ(コレクションチューブ2)に移した。最初のコレクションチューブ(コレクションチューブ1)は、取り除いた。フィルター装置は10分間に渡り14,000×gで遠心分離した。トリプシンペプチドを含有する濾液は、コレクションチューブ2の中に保持された。20μLの消化緩衝液をフィルター装置に添加し、フィルター装置(コレクションチューブ2内)を10分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液はコレクションチューブ2内に保持した;これを更に1回繰り返した。フィルター装置をコレクションチューブ1に移し戻し、コレクションチューブ2を取り除いた。各サンプルに対し、5μLのHNE溶液を35μLの消化緩衝液に添加し、この溶液40μLをフィルター装置に添加した(今度はコレクションチューブ1内、出発材料に基づいて1:20の酵素:基質比)。サンプルを30分間に渡り37℃の水浴中でインキュベートした。フィルター装置は、コレクションチューブ2に移した。コレクションチューブ1を廃棄した。フィルター装置を10分間に渡り14,000×gで遠心した。HNE消化の結果として生じるペプチドを含有している濾液は、コレクションチューブ2内に(先行ステップからのトリプシンペプチドと一緒に)保持した。20μLの消化緩衝液をフィルター装置に添加し、フィルター装置(コレクションチューブ2内)を10分間に渡り14,000×gで回転させ、濾液はコレクションチューブ2内に保持した;これを更に1回繰り返した。消化は、160μLの消化クエンチング緩衝液をコレクションチューブ2に添加することによってクエンチした。プロトコル4と5との差を強調している比較は、表9にまとめた。
実施例8-超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)の条件
全サンプルについて、移動相Aは、0.1%のギ酸水溶液から構成され、移動相Bは、アセトニトリル中の0.1%のギ酸から構成された。プロトコル1及び2を使用した最初の実験について、ペプチドは、CSH C18 1.7μm、2.1×150mmのUPLCカラム(Waters、Milford、MA、P/N 186005298)を使用して分離した。架橋データを獲得した後、実施例2~4からの方法を使用する残りの実験は、BEH C18 1.7μm、2.1×150mmのUPLCカラム(Waters、Milford、MA、P/N 186003556)を使用して実施した。UPLCの分離は、表1~3に略述した勾配を(実験に依存して)利用してThermo Scientific U-3000システム(Waltham、MA)、Waters Acquity H-Classシステム(Milford、MA)及び/又はAgilent 1290システム(Santa Clara、CA)の何れかを使用して実施した。出発材料に基づいて、約3~4μgのサンプルをカラム上に装填した。
実施例9-質量分光測定法の条件
消化の結果として生じたペプチドは、Thermo Scientific Q Exactive(Waltham、MA)、Thermo Scientific Q Exactive Plus(Waltham,MA)又はThermo Scientific Q Exactive BioPharma(Waltham、MA)を使用して分析した。多数の機器を使用したので、データ収集パラメーターは、機器に依存して僅かに変動した。機器は、200~2,000m/zのスキャン範囲に渡ってデータ依存方式(上部4~8)で操作した。AGC標的は、MS1スキャンに対しては1E6に設定し、タンデム質量分光測定法(MSMS)スキャンに対しては5E5に設定した。MS1スキャンは、35,000又は140,000何れかの解像度で収集し、MS2スキャンは17,500の解像度で収集した。MSMSスキャンに対しては2~4m/zの単離窓を特定した。未使用の荷電状態及び8より大きい荷電状態は、MSMSから排除した。動的排除は、10秒間に設定した。m/z 391.28430のロックマスが可能になった。
実施例10-データ分析
MSデータは、MassAnalyzerを用いて検索した(データは、数カ月間に渡り収集したので、多数のバージョンのMassAnalyzerを使用した)。カルボキシメチル化は、静的修飾として特定した。実験に依存して、切断は、非特異的又はアミノ酸KRVITALアミノ酸のC末端何れかであると特定された。全検索のために、信号対雑音比は20に設定し、15ppmの質量精度を特定し、信頼は0.95に設定した。配列カバレッジマップのために、最少ピーク面積はベースピークの1%に設定し、相対ピーク面積閾値は17%に設定し、最少信頼は0.95に設定し、最高ペプチド質量は15,000に設定した。
実施例11-結果
BiTE(登録商標)分子の消化のためのHNEの有効性を調査する初期の実験は、プロトコル1及び勾配1を使用した、BiTE(登録商標)-3についてのトリプシン消化とHNE消化との直接比較であった。トリプシン消化は、何れかのCDRにおける属性を特性解析するために使用できるペプチドを産生しなかった。他方、HNEを用いた消化は、リンカー領域に対応する数種のペプチドを生じさせた。これらのペプチドの多くは、低シグナル強度(<10)で同定され、特異性のこの欠如(14種のペプチドが同定された)は、潜在的にこの領域における属性の定量を無効にさせる可能性があった。しかし、HNEの特異性は、消化される基質の長さに関連すると考えられた(Stein et al.,1987)。この酵素の特性は、より短いアミノ酸長を備える潜在的基質を生成するために最初にトリプシンを用いてBiTE(登録商標)-3を消化し、その後にHNEを用いた消化を続ける(プロトコル2)ことによって活用された。この連続消化は、高シグナル強度(>1.5×10)を備える単一ペプチドを生じさせた。
関心対象のα-CD3 CDRにおける属性を監視するためにトリプシン-HNE 消化を利用してサンプル調製の実現可能性を証明した後に、ストレスを受けていないサンプルに加えて、光崩壊(1,200万ルクス時間のクールホワイト光、t=3日間)及び強制脱アミド化(pH8.5、50、t=3日間)を受けていた追加の分子(BiTE(登録商標)-1、半減期延長BiTE(登録商標);BiTE(登録商標)-2、カノニカルBiTE(登録商標);及びCDH19、半減期延長BiTE(登録商標);BiTE(登録商標)-3、半減期延長BiTE(登録商標)に加えて)は、プロトコル2及び勾配1を使用して調製した。ストレスを受けていないサンプルについては、α-CD3 CDR1についての配列カバレッジは、極めて再現性であった(図4)。このCDR内の潜在的アスパラギン脱アミド化部位に対応する1つ又は2つのペプチドは、一貫して高シグナル強度(>10)で同定された。同様に、CDH19を除く全分子について、潜在的トリプトファン酸化部位に対応する単一ペプチドは、高シグナル強度で同定された。強制脱アミド化条件は、ストレスを受けていないサンプルにおいては観察されなかった、全4種の分子についてα-CD3 CDR1における脱アミド化に対応するピークを生じさせた(図3は、代表的サンプルとしてBiTE(登録商標)-1を示している)。MSMS(図4)は、最初の2つを溶出する2つのピークは-GNS-モチーフに対応するが、最後に溶出したピークは-GNF-モチーフの脱アミド化に対応することを確証した。全4つの分子についての修飾パーセンテージの比較(表11.1)は、このCDRにおける修飾を受け易かった、及び監視されなければならなかった両方の潜在的脱アミド化部位を強調している。CDRトリプトファンの酸化も又有意に低いパーセンテージで光崩壊後に観察された(表11.2)。大きなリンカーペプチド(α-CD3 CDR2)のすぐ側の第2CDRについて脱アミド化の増加は観察されなかった。これらの初期の結果は、α-CD3 CDR内にはトリプシンの消化を使用して監視できない不安定部位が存在することだけではなく、トリプシン-HNE連続消化を使用するとこれらの修飾を同定及び監視できることを確証した。
Figure 2023055704000017
Figure 2023055704000018
トリプシン-HNEの消化は関心対象の2つのα-CD3 CDRに対して高品質のペプチドを産生したが、残りの分子についての配列カバレッジ及び修飾の定量は、依然として従来型MAMによって利用されるトリプシンペプチドを必要とした。
トリプシン、その後にHNEを用いて消化されたサンプルのアリコートと組み合わせられたトリプシン消化サンプルの1:1混合物を対象に単一分析を実施した(図5)。2つの消化物の混合物を分析するこのアプローチの追加の強さは、本質的に1回の注入で2つのペプチドマップについてのデータが入手されるという事実にある;これはより大きな配列カバレッジが同定されることを可能にするだけではなく、BiTE(登録商標)-2の場合には、トリプシン-HNE消化の結果として生じる極めて重要な属性(CDRアスパラギン酸異性化)を含有するペプチドは、対応するトリプシンペプチドよりも優れたシグナル品質及び再現性を産生した。更に、分離のために利用したUPLC勾配を勾配2に切り替え、カラムはWaters CSH C18カラムからWaters BEH C18カラムに切り替えた。このアプローチのロバスト性は、2つのサンプル(BiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3)に対応する、ストレスを受けていないサンプル、光崩壊サンプル、pHジャンプサンプル及び熱分解サンプルを分析することによって評価した。トリプシン消化サンプル、トリプシン-HNE連続消化サンプル並びにトリプシン消化及びトリプシン-HNE消化サンプルの1:1混合物は、2人の分析者によって調製され、2種の異なる質量分光測定装置(Thermo QExactive及びThermo QExactive Plus)に接続された2種のUPLCシステム(Thermo U-3000及びWaters Acquity H-Class)を使用して分析された(図8)。全サンプルは2例ずつ調製されたので、各条件について計4回の注入が入手された。
表11.3には、アスパラギン脱アミド化を備える代表的なペプチドとしてのBiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3両方からのα-CD3 CDR1からの脱アミド化の定量結果をまとめた。この表に提示したデータについては、光崩壊は192,000ルクス時間を用いて2日間実施した;pHジャンプ崩壊は、pH8.4、37℃で7日間実施した;及び熱分解は40℃で4週間に渡り実施した。これらの結果は、トリプシン消化物をトリプシン-HNE消化物と混合するステップが定量結果にはほんの僅かな影響しか及ぼさなかったことを示している。それでも勾配を低下させることは3種の脱アミド化種の明確な分離を生じさせた(-GNS-ピーク1から約1.5分間分離された未修飾、-GNS-ピーク2から約0.5分間分離された-GNS-ピーク1、-GNF-から約1.3分間分離された-GNS-ピーク2(データは示していない)。更に、両方の分子についての脱アミド化レベルの精度は、トリプシン-HNE消化が別個にランされたのか、又はトリプシン消化物と混合されたのかにはかかわらず、匹敵していた。脱アミド化及びアスパラギン酸異性化は、対応する未修飾ペプチドからクロマトグラフィーによって分離するためには典型的には最も難題の修飾であったために、表11.4には、アスパラギン酸異性化を備える代表的なペプチドとしてのBiTE(登録商標)-3のD510異性化についての定量結果をまとめた。この表に提示したデータについては、光崩壊は192,000ルクス時間を用いて2日間実施した;pHジャンプ崩壊は、pH8.4、37℃で7日間実施した;及び熱分解は40℃で4週間に渡り実施した。トレオニン及びロイシン残基を含有しているにもかかわらず、BiTE(登録商標)-3の配列の一部分はHNEによる連続消化中に僅かに切断されるので、トリプシン消化物、トリプシン-HNE連続消化物又はこれら2種の消化物の1:1混合物の何れが分析されたのかにはかかわらず、完全なトリプシンペプチドを使用してD510異性化を定量することは可能であった。これらの結果では、D510異性化レベルは、消化条件とは無関係に一貫していたので、これは、これらの消化物を混合することが属性の定量に殆ど影響を及ぼさないという観察を再び補強した。これらの結果は、2つの並行消化物を混合することがBiTE(登録商標)分子(並びに他のポリペプチド)にとっての合理的アプローチであること、そしてそのように行うことが、トリプシンペプチド又はトリプシン-HNEペプチドが使用されるかどうかとは無関係に修飾の定量に殆ど影響を及ぼさないことを証明している。
Figure 2023055704000019
Figure 2023055704000020
上述した方法(プロトコル3、勾配2)を利用するMAMがBiTE(登録商標)-2(ATM-000401)及びBiTE(登録商標)-3(ATM-000391)のために適格かどうかを評価した。しかし、分析中、本方法に組み込まれた新しいピーク検出手順(ふるい)が多数の新しいピークを同定した。これは、配列のシステム適合性の失敗を生じさせた。詳細な評価を行った後、多数のピークが失敗したトリプシン切断に対応した。しかしながら、これらのピークの一部は最終システム適合性注入においても観察された(しかし、初期プレラン注入では観察されなかった)。これらの観察所見は、トリプシンの有効性が何らかの形で妨害されていることを示唆したが、更にそれらは酵素の1つが消化後のサンプルの酸性化にもかかわらず依然として活性であることを示唆した。しかしながら、属性の定量は、新規なピークによる影響を受けなかった(システム適合性のチェックのみ)。トラブルシューティングは、プロトコル1~3で利用された脱塩カラムが消化前のサンプルからグアニジンを完全には除去しないことを示していた。トリプシンの有効性は、低レベルのグアニジンによって阻害され得るので、脱塩カラムによるグアニジンの可変性の除去が一貫していないトリプシンの消化を生じさせた可能性が高かった。更に、トリプシン消化の酸によるクエンチングが報告されているので、酸化はHNE消化を十分にはクエンチしないと推測された。酵素活性は、酸性化に起因して減少したが、ある時間の後に単一バイアルから複数回の注入が実施された場合には新規なピークの観察を生じさせるであろう;これは、順に、システムの適合性評価の失敗を生じさせるであろう。
これらの問題に対処するため、複数の調製方法の徹底的な探査を実施した。これらには、複数の脱塩カラム(Zeba、Biospin、NAP-5)を評価するステップ、変性のためにグアニジン(Rapigest)を必要としない調製方法及び複数の製造業者(Pall及びMicrocon(登録商標)(Millipore(Waltham、MA))から入手可能なMWCOフィルターをベースとする方法並びに複数の分子量カットオフ(製造業者によって規定された30kDa、5kDa)が含まれた。更に、消化クエンチング緩衝液は、両方の酵素を不活性化するために高濃度のグアニジンを含むように更新した。プロトコル1~3では、酸クエンチングは、典型的には最終サンプルpH2を生じさせた。更新した消化クエンチング緩衝液は、トリプシン及びHNS活性を阻害するために十分に低かったが、低pHへの長期間の曝露に起因して生じる可能性がある人工的修飾(例えば、脱アミド化及び異性化)を最小限に抑えるためには十分に高かった。このクエンチング緩衝液はグアニジンを含有していたために、UPLC勾配における初期の洗浄ステップは延長された;グアニジンクエンチング緩衝液を利用する全実験は、MS分析の前にサンプルを完全に脱塩するために勾配3の使用を必要とした。
この調査研究の結論は、MWCOフィルターに基づく方法(上記のプロトコル4、以前に報告したフィルター支援サンプル調製(FASP)法(Wisniewski et al.,2009))は、数種の数値指標に基づく他の調製方法より優れていた(例えば、繰返し性、回収率、定量、配列カバレッジ、濃度範囲等)。プロトコル4の略図は、図7に提示した。この方法では、分子は、30kDaのMWCOスピンフィルターの上部に捕捉され、変性、還元、アルキル化、脱塩及び消化の全部がフィルター上で発生する。消化後、生じたペプチドは遠心分離を通して収集される。プロトコル4に略述した連続消化では、トリプシン消化後、トリプシンペプチドが収集され、フィルターを通過しない種は次にHNEによる消化にかけられる。この方法の驚くべき観察所見の1つは、製造業者であるMicrocon(登録商標)及びPallそれぞれによる「濃縮しようと考えるタンパク質溶質の分子量より少なくとも2倍小さいMWCOの膜を使用すること」及び「保持される溶質の分子量より3~6倍小さいMWCOを選択すること」という勧告にもかかわらず、関心対象の8kDaのリンカーペプチドが30kDaのフィルターによって保持されたことであった。製造業者は保持する対象の種よりも2~6倍小さいMWCOを使用することを推奨したが、驚くべきことに、8kDaのペプチドがペプチド自体よりもほぼ4倍大きなMWCOによって保持されている。
異なる材料(Microcon(登録商標)膜は再生セルロースであり、Pallの膜は、修飾ポリエーテルスルホンである)から成る膜を備える30kDaのMWCOフィルターによる8kDaのペプチドの保持は、これが製造業者特異的アーチファクトではないことを強調している。MWCOフィルターのこの新規な使用だけが連続消化を可能にしたのではなく、5kDaのMWCOフィルターに対して30kDaのMWCOフィルターを利用するこの方法の直接比較は、30kDaフィルター法が5kDaフィルター法に比して、トリプシンの消化効率、繰返し性、属性定量の精度及び回収率に関して有意に優れていることを証明した。この方法の主要な長所は、トリプシン消化によって与えられた酵素特異性が分子のバルクのために保存されており、MSによって特性解析するのが困難である大きなペプチドだけが、それらがフィルター上に保持されるためにより小さなペプチドに更に消化されることにある。これは、Microcon(登録商標)及びPallの両社によって製造されたフィルターを使用して、BiTE(登録商標)-1、BiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3(各分子について3回ずつの分析)について同定されたペプチドのトリプシン特異性を強調している図8に例示されている。これらの結果では、同定されたペプチドの95%超が典型的にはトリプシン消化に対応したが、残りの同定されたペプチドは主として、関心対象の大きな8kDaのリンカーペプチドに対応した(図9)。両方の製造業者からのフィルターを使用したBiTE(登録商標)-2についての属性の定量は、並行消化(プロトコル3)についての結果と匹敵していた(表11.5)。BiTE(登録商標)-1及びBiTE(登録商標)-3についても同様の結果が観察された。この方法は、上記で考察した他の方法と比較して、グアニジンを除去することによってより完全に新規なピークの問題を解決し、これらの酵素は更新されたクエンチング緩衝液によって、又はMWCOフィルター上での保持によっての何れかで更に不活性化された。図10では、プロトコル3を用いて調製したBiTE(登録商標)-3サンプルは、約4日後に再注入された。数個のピークは初期注入でのみ存在したが、それらは第2注入では存在しなかった。これとは対照的に、プロトコル4を用いて調製したサンプルは、注入間を経過した4日後でさえ一致していた(図11)。これらの結果は、プロトコル4に略述したMWCOフィルターに基づく調製法がロバストであり、以前に報告されたものと一致する定量結果を生じさせ、プロトコル3を用いて観察された新規なピークの根本原因の多くを排除することを示唆している。
Figure 2023055704000021
プロトコル4に関する主要な懸念の1つは、サンプルを調製するために必要な時間の長さであった;プロトコル4を利用する連続消化は、8時間超を要するであろう。分析者の疲労及びその他の要因に加えて、この方法を使用してサンプルを調製するために必要な時間の量は、周囲実験室条件への延長された曝露の結果として生じるアーチファクト修飾を導入するであろう。これらの懸念に対応するために、短縮されたフィルターに基づく調製法(プロトコル5)が開発された。表11.6は、プロトコル4と5との差を強調している。プロトコル5によって導入された時間の節約のバルクは、不必要な遠心分離ステップを排除すること、遠心分離時間を減少させること、及びインキュベーション時間を減少させることによって可能にされた。これらの減少は、理論的には大まかに2時間の時間の節約を生じさせるが、実際的には、時間の節約は、典型的には3時間超であった。プロトコル3等の溶液に基づく調製方法よりも依然として僅かに長いが、これらの修飾は、サンプル調製時間を溶液に基づく方法に匹敵するポイントまで減少させた。
Figure 2023055704000022
図12には、プロトコル4及び5を用いて調製したBiTE(登録商標)-2サンプルを比較するオーバーレイを提示した(各調製は3回ずつ実施した)。観察された唯一の注目に値するピークの差は、プロトコル4を用いて調製された全サンプルにおいて存在した約24分間でのピーク及び約47分間でのピークにある肩であったが、プロトコル5を用いて調製されたサンプルについては何れも存在しなかった。これらのピークの原因は、過剰アルキル化の結果として生じる非特異的カルボキシメチル化に帰せられた。同様に、変性/還元インキュベーション時間は減少させられ、還元とアルキル化との間の回転ステップが排除されたために、全システイン残基についてのアルキル化レベルを比較した(表11.7)。この表に記載したデータについて、アルキル化のパーセンテージは、MassAnalyzerを用いてデータを検索するステップ、カルボキシメチル化を(典型的には規定される静的修飾よりむしろ)可変性修飾として特定するステップによって決定された。全BiTE(登録商標)-1サンプルについてのアルキル化レベルは、プロトコル4及び5の何れを用いて調製したかとは無関係に、99.7%超であった。プロトコル5によって導入された時間の減少を示唆しているBiTE(登録商標)-2及びBiTE(登録商標)-3について観察された類似の結果は、アルキル化レベルにマイナスの影響を全く示さなかった。属性の定量は、サンプルがプロトコル4及び5の両方を用いて調製された場合に匹敵していたが、これは順に歴史的に観察された修飾レベルとも一致していた(表11.8)。この表におけるデータについては、各調製は、3回ずつ実施された。D54+D57+D62の異性化は、MDR-001581のためのI51-R65を使用して定量された。C44-E65は、より効率的なトリプシン消化のためにフィルターに基づく実験において定量のために使用した。プロトコル5についてのこれらの初期の結果は有望であったので、限定されたロバスト性の評価が実施された(2人の分析者、3回ずつ調製されたBiTE(登録商標)-2サンプル)。新規なピーク検出は、全サンプルについて合格し(例えば、新規なピークは検出されなかった)、全6回の注入についての属性定量は、MDR-001581と一致していた(表11.9)。これらの結果に基づいて、トリプシンの特異性、同定された全面積、8kDaのリンカーペプチドの回収率及び消化のために使用された酵素に対応する同定された面積のパーセント等の他の評価指標の比較と一緒に、プロトコル5は、データの品質に有意なマイナスの影響を及ぼさずに調製時間に有意な時間的節約を導入する。
Figure 2023055704000023
Figure 2023055704000024
参考文献
全ての参考文献は、本明細書にそれらの全体として参照して組み込まれる。
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Claims (43)

  1. 分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、
    a.サンプル中の前記ポリペプチドを第1消化において切断するステップであって、前記切断するステップが、前記ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成するステップ;
    b.前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を好中球エラスターゼにより切断するステップ;及び
    c.前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を前記好中球エラスターゼにより切断した後に、前記サンプルを分析するステップ
    を含む方法。
  2. 分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、
    a.サンプル中の前記ポリペプチドを第1消化において切断するステップであって、前記切断するステップが前記ポリペプチドの少なくとも2つの断片を生成するステップ;
    b.前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を含む前記サンプルを第1アリコート及び第2アリコートに分割するステップ;
    c.前記第1アリコートの前記少なくとも2つの断片を好中球エラスターゼにより消化するステップ;及び
    d.前記第1アリコート及び前記第2アリコートを分析するステップ
    を含む方法。
  3. 前記ポリペプチドの前記少なくとも2つの断片を前記好中球エラスターゼにより消化した後に、前記第1及び第2アリコートが組み合わされる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1及び第2アリコートは、前記ポリペプチドのほぼ等量を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1消化において前記ポリペプチドを前記切断するステップは、タンパク質分解性切断又は化学的切断を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記切断するステップは、プロテアーゼによって実施されるタンパク質分解性切断であって、ここで前記プロテアーゼは、前記好中球エラスターゼとは異なる活性を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記プロテアーゼは、トリプシン、エンドプロテイナーゼGlu-C、エンドプロテイナーゼArg-C、ペプシン、キモトリプシン、キモトリプシンB、Lys-Nプロテアーゼ、Lys-Cプロテアーゼ、Glu-Cプロテアーゼ、Asp-Nプロテアーゼ、パンクレアトペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、プロテイナーゼK及びサーモリシン並びにそれらの組合せから成る群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記プロテアーゼは、トリプシンである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記切断するステップは、化学物質によって実施される化学的切断である、請求項5に記載の方法。
  10. 前記化学物質は、臭化シアン、2-ニトロ-5-チオシアノ安息香酸、ヒドロキシルアミン及びBNPS-スカトール並びにそれらの組合せから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ポリペプチドは、前記第1消化において前記サンプル中の前記ポリペプチドを切断する前に変性される、請求項1又は2に記載の方法。
  12. 前記ポリペプチドは、前記第1消化において前記サンプル中の前記ポリペプチドを切断する前にアルキル化される、請求項1又は2に記載の方法。
  13. 前記ポリペプチドは、前記第1消化において前記サンプル中の前記ポリペプチドを切断する前に変性され、アルキル化又は還元の何れかが行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドは、前記第1消化において前記サンプル中の前記ポリペプチドを切断する前に、変性、還元及びアルキル化される、請求項1又は2に記載の方法。
  15. 前記好中球エラスターゼは、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)である、請求項1又2に記載の方法。
  16. 分析するステップは、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含む、請求項1又2に記載の方法。
  17. 前記サンプルを分析するための前記技術は、
    a.ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから成る群から選択されるクロマトグラフィー;
    b.ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、等電点電気泳動法、等速電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法、キャピラリー電気泳動法及びキャピラリーゾーン電気泳動法並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される電気泳動法;又は
    c.質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから成る群から選択される分光法若しくは分光測定法
    を含む請求項16に記載の方法。
  18. 前記技術は、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む、請求項17に記載の方法。
  20. 分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、
    a.前記ポリペプチドを変性させる、還元させる、及びアルキル化させるステップ;
    b.トリプシン切断ポリペプチド断片を生成するために前記ポリペプチドをトリプシンにより消化するステップ;
    c.前記トリプシン切断ポリペプチド断片を第1アリコート及び第2アリコートに分割するステップ;
    d.前記第1アリコートの前記トリプシン切断ポリペプチド断片を好中球エラスターゼにより消化するステップ;
    e.前記第1アリコート及び第2アリコートを約1:1の比で組み合わせるステップ;及び
    f.ステップ(e)の組み合わせられた前記アリコートを分析するステップ
    を含む方法。
  21. 前記好中球エラスターゼは、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記サンプルを分析するステップは、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含む、請求項20に記載の方法。
  23. a.前記技術は、クロマトグラフィーを含み、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから成る群から選択される;
    b.前記技術は、電気泳動法を含み、ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、等電点電気泳動法、等速電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される;又は
    c.前記技術は、分光法若しくは分光測定法を含み、質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから成る群から選択される、
    請求項22に記載の方法。
  24. 分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、
    a.前記ポリペプチドを含むサンプルを準備するステップ;
    b.分子量カットオフを有するフィルターに前記サンプルを適用するステップ;
    c.前記フィルター上の前記サンプル中の前記ポリペプチドを第1プロテアーゼにより消化するステップ;
    d.前記フィルター上の前記サンプル中の前記ポリペプチドを第2プロテアーゼにより消化するステップ;及び
    e.前記サンプルを分析するステップを含み、
    ここで、
    i.前記第2プロテアーゼは、好中球エラスターゼであり;及び
    ii.前記第1プロテアーゼは、前記第2プロテアーゼとは異なる
    方法。
  25. 前記第1プロテアーゼは、トリプシン、Asp-N及びGlu-Cから成る群から選択されるプロテアーゼを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドを前記第1プロテアーゼにより消化する前に前記フィルター上で変性される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドを前記第1プロテアーゼにより消化する前に、前記フィルター上でアルキル化される、請求項24に記載の方法。
  28. 前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドを前記第1プロテアーゼにより消化する前に、前記フィルター上で変性され、還元又はアルキル化の何れかが行われる、請求項24に記載の方法。
  29. 前記ポリペプチドは、前記ポリペプチドを前記第1プロテアーゼで消化する前に、前記フィルター上で変性され、還元され、及びアルキル化される、請求項24に記載の方法。
  30. 前記好中球エラスターゼは、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)である、請求項24に記載の方法。
  31. 前記サンプルを分析するステップは、クロマトグラフィー、電気泳動法、分光測定法及びそれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの技術を含む、請求項24に記載の方法。
  32. 前記サンプルを分析するための前記技術は、
    a.ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、超高速液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、拡張吸着流動床クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィー並びにそれらの組合せから成る群から選択されるクロマトグラフィー;
    b.ゲル電気泳動法、フリー・フロー電気泳動法、等電点電気泳動法、等速電気泳動法、親和性電気泳動法、免疫電気泳動法、逆電気泳動法、キャピラリー電気泳動法及びそれらの組み合わせから成る群から選択される電気泳動法;又は
    c.質量分光測定法、紫外分光法、可視分光法、蛍光分光法及び紫外-可視分光法並びにそれらの組合せから成る群から選択される分光法若しくは分光測定法
    を含む請求項31に記載の方法。
  33. 前記技術は、液体クロマトグラフィー-質量分光測定法を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 分子量カットオフを有する前記フィルターは、30kDaの分子量カットオフを有する、請求項34に記載の方法。
  36. 液体クロマトグラフィー、キャピラリーゾーン電気泳動法又は質量分光測定法によって分析するためのポリペプチドを調製する方法であって、
    a.前記ポリペプチドを含むサンプルを準備するステップ;
    b.前記サンプルを30kDaのMWCOフィルターに適用するステップ;
    c.濃縮液を生成するために前記サンプルを前記フィルターに通して濾過するステップ;
    d.前記フィルター上の前記サンプル濃縮液中の前記ポリペプチドを変性させるステップ;
    e.前記フィルター上の前記サンプル濃縮液中の前記ポリペプチドを還元するステップ;
    f.前記フィルター上の前記サンプル中の前記ポリペプチドをアルキル化させるステップ;
    g.前記フィルター上の前記サンプル中の前記ポリペプチドを第1プロテアーゼにより消化するステップ;
    h.前記サンプルを前記同一フィルターに通して濾過し、前記濾液を保持するステップ;
    i.前記フィルター上の前記サンプル中の前記ポリペプチドを第2プロテアーゼにより消化するステップ;
    j.前記サンプルを前記同一フィルターに通してステップ(g)の前記濾液中に濾過するステップ;
    k.前記濾液中の前記活性プロテアーゼをグアニジンでクエンチするステップ;及び
    l.前記濾液を液体クロマトグラフィー、キャピラリーゾーン電気泳動法又は質量分光測定法によって分析するステップ
    を含み、
    ここで、
    i.前記第2プロテアーゼは、好中球エラスターゼであり;及び
    ii.前記第1プロテアーゼは、前記第2プロテアーゼとは異なる
    方法。
  37. 前記好中球エラスターゼは、ヒト好中球エラスターゼ(EC3.4.21.37)である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記技術は、質量分光測定法に連動されたキャピラリーゾーン電気泳動法を含む、請求項36に記載の方法。
  39. 前記ポリペプチドは、治療用ポリペプチドである、請求項1、2、24又は36の何れか一項に記載の方法。
  40. 前記治療用ポリペプチドは、抗体若しくはその抗原結合断片、抗体若しくは抗体断片の誘導体及び融合ポリペプチドから成る群から選択される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記治療用ポリペプチドは、インフリキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ラニビズマブ、パリビズマブ、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アルチヌマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、トシリズマブ、バピネウズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、クレネズマブ、cr6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツズマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テフィバズマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テゼペルマブ、TGN1412、トレメリムマブ、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、糖タンパク質、CDポリペプチド、HER受容体ポリペプチド、細胞接着ポリペプチド、成長因子ポリペプチド、インスリンポリペプチド、インスリン関連ポリペプチド、凝固ポリペプチド、凝固関連ポリペプチド、アルブミン、IgE、血液型抗原、コロニー刺激因子、受容体、神経栄養因子、インターフェロン、インターロイキン、ウイルス抗原、リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺界面活性剤、腫瘍壊死因子α及びβ、エンケファリナーゼ、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン、アクティビング(activing)、インテグリン、プロテインA、プロテインD、リウマチ因子、イムノトキシン、骨形成タンパク質、スーパーオキシド・ジスムターゼ、表面膜ポリペプチド、崩壊促進因子、AIDSエンベロープ、輸送ポリペプチド、ホーミング受容体、アドレシン、調節ポリペプチド、イムノアドヘシン、ミオスタチン、TALLポリペプチド、アミロイドポリペプチド、胸腺間質リンホポエチン、RANKリガンド、c-kitポリペプチド、TNF受容体及びアンギオポエチン並びに表Hに示した抗体並びにそれらの生物活性断片、アナログ若しくは変異体から成る群から選択される、請求項39に記載の方法。
  42. 前記治療用ポリペプチドは、二重特異性T細胞エンゲージャー分子である、請求項39に記載の方法。
  43. 前記方法は、少なくとも部分的に自動液体処理装置によって実施される、請求項1、2、24又は36に記載の方法。
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