JP2023054704A - 発熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータ投入電力に対する発熱素子の発熱量の比を向上させることができる発熱装置を提供する。【解決手段】発熱装置は、互いに間隔を空けて設けられる一対のヒータ6と、水素を吸蔵可能に形成され、一対のヒータ6の熱による水素の量子拡散において生じる発熱反応を利用して発熱する複数の発熱素子5と、を備え、複数の発熱素子5は、互いに間隔を空けて一対のヒータ6の間に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、発熱装置に関する。
パラジウム合金等の水素吸蔵合金に水素を吸蔵させ、水素が量子拡散する過程に起きる発熱反応を利用して熱エネルギーを得ることが提案されている。特許文献1には、水素を吸蔵した発熱素子をヒータにより加熱すると共に真空引きすることにより水素を量子拡散させ、ヒータによる加熱温度以上の過剰熱を発生させることが開示されている。
特開2019-168221号公報
特許文献1に開示されるように発熱素子をヒータにより加熱して過剰熱を発生させる装置においては、ヒータ投入電力に対する発熱素子の発熱量の比(COP)を向上させることが求められている。
発熱素子をヒータにより加熱する方式として、複数のヒータと複数の発熱素子とを交互に並べて配置し、各発熱素子を両側からヒータにより加熱するいわゆるヒータ/発熱素子交互配列方式がある。ヒータ/発熱素子交互配列方式では、発熱素子の数をnとしたときには、ヒータの数はn+1となり、発熱素子の数に対するヒータの数の比Rnは、
Rn=(n+1)/n
となる。発熱素子の数であるnを大きくすると、Rnは、1となる。すなわち、発熱素子1つに対してヒータが1つ必ず必要になる。そのため、ヒータ/発熱素子交互配列方式では、ヒータ投入電力に対する発熱素子の発熱量の比(COP)の向上を図ることは難しい。
そこで、本発明は、ヒータ投入電力に対する発熱素子の発熱量の比を向上させることができる発熱装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発熱装置は、互いに間隔を空けて設けられる一対のヒータと、水素を吸蔵可能に形成され、前記一対のヒータの熱による前記水素の量子拡散において生じる発熱反応を利用して発熱する複数の発熱素子と、を備え、複数の前記発熱素子は、互いに間隔を空けて前記一対のヒータの間に配置されている。
本発明によれば、ヒータ投入電力に対する発熱素子の発熱量の比を向上させることができる。
本発明による発熱装置の構成を示す概略図である。 (a)は、発熱素子の断面構成を示す断面図であり、(b)は、多層膜において生じる過剰熱の説明に供する概略図である。 図1に示す発熱構造体の拡大断面図である。 隣り合う発熱素子を示す概略図である。 隣り合う発熱素子の間隔と放射熱損失係数との関係を示すグラフである。 第1層と第2層と第3層とを有する第1変形例の発熱素子を説明するための説明図である。 第1層と第2層と第3層と第4層とを有する第2変形例の発熱素子を説明するための説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
(1)本発明の発熱装置の全体構成
図1は、本発明の発熱装置1の構成を示す概略図である。図1に示すように、発熱装置1は、発熱に寄与する水素系ガスが導入される容器2と、容器2の内部に設けられた発熱構造体3と、を有する。発熱装置1は、水素系ガスが容器2に導入された後に、発熱構造体3において発熱素子5(後述する)がヒータ6で加熱されることで、発熱素子5が加熱温度以上の過剰熱を発するものである。容器2に導入される水素系ガスとしては、重水素ガスおよび/または天然水素ガスを適用することができる。なお、天然水素ガスとは、軽水素ガスが99.985%以上含まれている、水素系ガスをいう。
容器2は、例えばステンレス(SUS306やSUS316)等で形成されており、容器2の内部を密閉空間とし得る。容器2は、コバールガラス等の透明部材で形成された窓部2aを有しており、容器2内の密封状態を維持しつつ、容器2内の様子を作業者が直接目視確認し得るようになされている。なお、SUS306及びSUS316は、日本工業規格(JIS)により規定されているステンレス鋼である。
容器2には、水素系ガス導入路16が接続されており、水素系ガス導入路16を通じて容器2の内部に水素系ガスが導入される。容器2の内部に一定量の水素系ガスが貯留されると、水素系ガス導入路16に設けられた調整弁17a,17bが閉じられ、水素系ガス導入路16から容器2の内部への水素系ガスの導入が停止される。
容器2は、排気経路18を介して真空排気部19と接続されている。真空排気部19は、例えばドライポンプを有する。排気経路18を通じて容器2内のガスを容器2の外へ排出することにより、真空排気や圧力調整等を行い得る。排気経路18には調整弁17cが設けられており、調整弁17cが閉じられると、容器2からのガスの排出が停止される。
容器2には、複数の温度測定部11a,11b,12a,12b,12cが設けられている。この実施形態の場合、温度測定部11a,11bは、容器2の内壁に沿って設けられており、当該内壁の温度を測定し得る。温度測定部12a,12b,12cは、発熱構造体3において発熱素子5を保持するホルダー4に設けられており、ホルダー4における温度を測定し得る。温度測定部12a,12b,12cは、それぞれ長さが異なっており、例えば、ホルダー4において、発熱素子5に近い下段、発熱素子5から離れた上段、下段および上段の中間にある中段の各部位の温度を測定し得る。
ヒータ6は、例えば板状のセラミックヒータである。ヒータ6は、外部の加熱電源13に配線10a,10bを介して接続されており、発熱素子5を所定温度に加熱する。ヒータ6は、熱電対を内蔵しており、熱電対により温度測定を行い得る。配線10a,10bには、電流電圧計14が設けられており、ヒータ6に印加される入力電流・入力電力は、電流電圧計14により測定される。ヒータ6により発熱素子5を加熱する際の加熱温度は、発熱素子5を構成する水素吸蔵金属の種類により異なってくるが、少なくとも300℃以上、好ましくは500℃以上、さらに好ましくは600℃以上である。
(2)発熱素子について
次に、発熱素子5について、図2を参照して説明する。図2(a)は、発熱素子5の断面構成を示す断面図であり、図2(b)は、多層膜25において生じる過剰熱の説明に供する概略図である。
図2(a)に示すように、発熱素子5は、水素吸蔵金属、水素吸蔵合金またはプロトン導電体からなる台座22と、台座22の表面に成膜された多層膜25と、を有する。多層膜25は、台座22により支持されている。台座22となる水素吸蔵金属としては、Ni、Pd、V、Nb、Ta、Tiを適用でき、また、台座22となる水素吸蔵合金としては、LaNi、CaCu、MgZn、ZrNi、ZrCr、TiFe、TiCo、MgNi、MgCuを適用できる。プロトン導電体としては、例えば、BaCeO系(例えばBa(Ce0.950.05)O3-6)、SrCeO系(例えばSr(Ce0.950.05)O3-6)、CaZrO系(例えばCaZr0.950.053-α)、SrZrO系(例えばSrZr0.90.13-α)、β Al、β Gaを適用できる。
多層膜25は、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金からなる第1層23と、第1層23とは異なる水素吸蔵金属、水素吸蔵合金またはセラミックスからなる第2層24と、を含む。第1層23と第2層24は交互に積層されており、第1層23と第2層24との間に異種物質界面26が形成されている。
第1層23は、例えば、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金のうち、いずれかからなることが望ましい。第1層23の合金としては、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金でもよいが、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが特に望ましい。
第2層24は、例えば、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金、SiCのうち、いずれかからなることが望ましい。第2層24の合金としては、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金でもよいが、Ni、Pd、Cu、Mn、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが特に望ましい。
第1層23と第2層24との組み合わせとしては、元素の種類を「第1層23-第2層24」として表すと、Pd-Ni、Ni-Cu、Ni-Cr、Ni-Fe、Ni-Mg、Ni-Coであることが望ましい。また、第2層24をセラミックスとしたときには、「第1層23-第2層24」が、Ni-SiCであることが望ましい。
第1層23および第2層24は、バルクの特性を示さないナノ構造を維持することが望ましいため、第1層23および第2層24の厚さは1000nm未満が好ましい。さらに、完全にバルクの特性を示さないナノ構造を維持するために、第1層23および第2層24の厚さは、500nm未満であることが、より望ましい。
発熱素子5は、第1層23および第2層24がナノサイズ(1000nm未満)の膜厚でなり、これら第1層23および第2層24が交互に成膜された構成とすることで、第1層23および第2層24間の各異種物質界面26を水素(水素原子)が透過可能となる。
図2(b)は、第1層23及び第2層24を面心立法構造の水素吸蔵金属とし、第1層23における金属格子中の水素が、異種物質界面26を透過して第2層24の金属格子中に移動する様子を示した概略図である。
容器2(図1参照)の内部に水素系ガスが導入されると、発熱素子5の多層膜25および台座22に水素(重水素または軽水素)が吸蔵される。容器2の内部への水素系ガスの導入が停止されても、多層膜25および台座22は、水素を吸蔵した状態を維持する。ヒータ6(図1参照)による発熱素子5の加熱が開始されると、多層膜25および台座22に吸蔵されている水素が放出され、多層膜25内をホッピングしながら量子拡散する。
水素は軽く、ある物質Aと物質Bの水素が占めるサイト(オクトヘドラルやテトラヘドラルサイト)をホッピングしながら量子拡散していくことが分かっている。真空状態でヒータ6による発熱素子5の加熱が行われることで、第1層23および第2層24間の異種物質界面26を、水素が量子拡散により透過し、或いは、異種物質界面26を水素が拡散して、発熱素子5において加熱温度以上の過剰熱が発生する。換言すれば、発熱素子5は、水素の量子拡散において生じる発熱反応を利用して発熱する。
図2に示す例では、複数の第1層23および複数の第2層24が交互に積層され、多層膜25が2つ以上の異種物質界面26を有している。本発明はこれに限らず、第1層23および第2層24が少なくとも1層ずつ設けられ、異種物質界面26が1つであってもよい。つまり、多層膜25は、異種物質界面26を1つ以上有していればよい。
図2(a)および図2(b)に示した発熱素子5は以下のようにして製造できる。先ず、板状の台座22を用意した後、蒸着装置を用いて、第1層23や第2層24となる水素吸蔵金属または水素吸蔵合金を気相状態にして、凝集や吸着によって台座22上に、第1層23および第2層24を交互に成膜していく。これにより発熱素子5を製造できる。
第1層23および第2層24を成膜する蒸着装置としては、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金を物理的な方法で蒸着させる物理蒸着装置を適用できる。物理蒸着装置としては、台座22上に、スパッタリングにより水素吸蔵金属または水素吸蔵合金を堆積させていくスパッタリング装置、あるいは真空蒸着装置、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置が好ましい。また、電気めっき法により台座22上に水素吸蔵金属または水素吸蔵合金を析出させていき、第1層23および第2層24を交互に成膜していってもよい。
なお、第1層23および第2層24間に自然酸化膜が形成されず異種物質界面26のみが形成されるように、発熱素子5の製造時に第1層23および第2層24が真空状態で連続的に成膜されることが望ましい。
(3)発熱構造体について
図3は、発熱構造体3の拡大断面図である。図3において、ホルダー4の図示を省略している。図3に示すように、ヒータ6は、互いに間隔を空けて一対設けられており、一対のヒータ6の間に複数の発熱素子5が設けられている。図1及び図3に示す例では、発熱構造体3は、5つの発熱素子5を有しているが、発熱素子5は、2つ以上であればよい。隣り合う発熱素子5の間にはスペーサ7が設けられている。
ここで、ヒータ6の加熱効率を考える指標の1つとして、発熱素子5の数とヒータ6の数の比Rnを用いることがある。発熱素子5の数をnとしヒータ6の数をmとすると、発熱素子5の数に対するヒータ6の数の比Rnは、
Rn=m/n
となる。
従来のように、複数のヒータ6と複数の発熱素子5とを交互に並べて配置し、各発熱素子5を両側からヒータ6により加熱するいわゆるヒータ/発熱素子交互配列方式では、ヒータ6の数mはn+1となり、発熱素子5の数に対するヒータ6の数の比Rnは、
Rn=(n+1)/n
となる。発熱素子5の数nを大きくすると、比Rnは、極めて「1」に近くなる。すなわち、1つの発熱素子5に対してヒータ6が1つ必ず必要になる。そのため、ヒータ/発熱素子交互配列方式では、ヒータ6への投入電力に対する発熱素子5の発熱量の比(COP)の向上を図ることは難しい。
本実施形態では、一対のヒータ6の間に複数の発熱素子5が設けられるため、ヒータ6の数mは、「2」であり、発熱素子5の数に対するヒータ6の数の比Rnは、
Rn=2/n
となる。発熱素子5の数nを大きくすると、比Rnは、極めて「0」に近くなる。すなわち、ヒータ6への投入電力を発熱素子5の発熱量に対して極めて小さくすることができ、ヒータ6への投入電力に対する発熱素子5の発熱量の比(COP)の向上を期待することができる。
本実施形態において、隣り合う発熱素子5の間隔hが狭すぎると、真空排気部19を用いても隣り合う発熱素子5の間からガスが排気されず、水素系ガス導入路16を通じて容器2の内部に導入された水素系ガスが隣り合う発熱素子5の間へ行き渡らなくなる。その結果、発熱素子5が十分な量の水素を吸蔵できなくなり、期待したCOP増大効果を得られないおそれがある。また、隣り合う発熱素子5の間隔hが広すぎると、発熱素子5の発熱面から周囲へ放射される熱量が増大する。その結果、放射熱損失が増大し、期待したCOP増大効果を得られないおそれがある。そこで、COP増大効果を期待できる間隔hを求める。
まず、隣り合う発熱素子5の間隙をスリットと考え、真空コンダクタンスから、間隔hの下限値を求める。ここでは、隣り合う発熱素子5により、流路断面(真空排気方向に直交する切断面をいう)が長方形に形成されるものとする。この場合、隣り合う発熱素子5の間隔hは、図4に示すように、長方形の流路断面の短辺寸法に相当する。流路断面の長辺に沿う方向における発熱素子5の寸法を「a」とし、真空排気方向における発熱素子5の寸法を「b」とすると、20℃の空気のときの真空コンダクタンスCは、補正係数Ksを用いて
C=30.9Ks(ah/b)[cm/s]・・・(式1)
として表される。
式1を変形すると、
h={C/(30.9Ks)×(b/a)}(1/2)・・・(式2)
となり、式2により算出される数値が間隔hの下限値となる。なお、式2において、補正係数Ksは、「1」として扱うことができる。
隣り合う発熱素子5の間隙における真空コンダクタンスCは、真空排気部の定格真空排気流量Qと、真空排気時における隣り合う発熱素子5の間の圧力と発熱素子5の周囲の圧力との差Δpと、を用いて、
C=Q/Δp[cm/s]・・・(式3)
として表される。
例えば、発熱素子5の寸法a,bをそれぞれ2.5cm、2.5cmとし、真空排気部の定格真空排気流量Qを2.79E-2cm・Pa/sとし、隣り合う発熱素子5の間の圧力を0.1Paとし、真空排気時における発熱素子5の周囲の圧力を1E-5Paとすると、式2から求められる間隔hは0.095cm、すなわち0.95mmとなる。したがって、間隔hの下限値は0.95mmとなる。
次に、隣り合う発熱素子5を有限幅の平行平板と考え、隣り合う発熱素子5の間隔hと放射熱損失係数Hcとの関係から、間隔hの上限値を求める。隣り合う発熱素子5の放射熱損失係数Hcは、発熱素子5の寸法a,bをそれぞれ2.5cm、2.5cmとしたときに最大となることがわかっており、このとき、隣り合う発熱素子5の間隔hと放射熱損失係数Hcとの間には、図5に示すグラフの関係がある。図5に示すグラフにおいて、横軸は、隣り合う発熱素子5の間隔hであり、縦軸(対数軸)は、放射熱損失係数Hcである。放射熱損失係数Hcは、0.1以下が好適であるとわかっているため、図5から、隣り合う発熱素子5の間の間隔hの上限値は、1.2mmとなる。
そこで、本実施形態では、隣り合う発熱素子5の間隔hを、次式を満たす値とする。
{C/(30.9Ks)×(b/a)}(1/2)≦h[mm]≦1.2・・(式4)
そのため、隣り合う発熱素子5の間における真空排気が妨げられず水素が供給され、複数の発熱素子5が十分な量の水素を吸蔵することが可能となる。また、発熱素子5の発熱面からの放射熱損失を抑えることが可能となる。したがって、ヒータ6への投入電力に対する発熱素子5の発熱量の比をより向上させることができる。
隣り合う発熱素子5の間には、発熱素子5の線膨張係数以下の線膨張係数を有するスペーサ7が設けられる。そのため、スペーサ7の線膨張係数が発熱素子5の線膨張係数よりも大きい場合と比較して、発熱素子5とスペーサ7との間の接触面での熱応力は小さくなる。したがって、接触面での発熱素子5の破損を防止することができる。
スペーサ7となる材料としては、例えば、発熱素子5がNi(線膨張係数は約12.8E-6/℃)からなる場合には、Ni、SUS430(線膨張係数は約10.4E-6/℃)、SUS410(線膨張係数は約9.9E-6/℃)、SUS630(線膨張係数は約10.8E-6/℃)、アルミナ(線膨張係数は約7.0E-6/℃)、炭化ケイ素(線膨張係数は約4.0E-6/℃)、窒化ケイ素(線膨張係数は約3.0E-6/℃)、ジルコニア(線膨張係数は約10.0E-6/℃)、窒化アルミニウム(線膨張係数は約5.0E-6/℃)を適用することができる。なお、SUS430、SUS410及びSUS630は、日本工業規格(JIS)により規定されているステンレス鋼である。
アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア及び窒化アルミニウム等のセラミックスは、Ni等の金属、並びにSUS430、SUS410及びSUS630等の合金と比較して線膨張係数が小さいため、熱応力の観点からは好ましいが、金属及び合金と比較して脆く、隣り合う発熱素子5の間に配置する際に破損するおそれがある。このような理由から、スペーサ7は、金属又は合金からなることが好ましい。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
[第1変形例]
上記実施形態では、発熱素子5が第1層23および第2層24を交互に積層した多層膜25を有する例について説明したが、本発明はこれに限らず、図6に示す発熱素子5Aであってもよい。発熱素子5Aは、第1層23および第2層24に加え、これら第1層23および第2層24とは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスからなる第3層24aを積層することによって形成された多層膜25Aを有している。第3層24aとしては、第1層23および第2層24と同様に、厚さが1000nm未満であることが望ましい。
このような第3層24aを設けた発熱素子5Aは、台座22上に第1層23、第2層24、第1層23、および第3層24aの順番で積層し、第2層24および第3層24a間に第1層23を介在させた積層構成とし、この4層の積層構成を繰り返し設けた構成を有する。このような構成でも、第1層23および第2層24間の異種物質界面や、第1層23および第3層24a間の異種物質界面を、水素が量子拡散により透過することで、加熱温度以上の過剰熱を発生させることができる。
例えば、第3層24aとしては、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Co、これらの合金、SiC、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのうちいずれかであることが望ましい。第3層24aの合金としては、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金でもよいが、特に好ましくは、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが望ましい。これらのうちCaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第3層24aを設けた場合には、発熱素子5での水素の吸蔵量が増加し、異種物質界面を透過する水素の量を増加でき、その分、高い過剰熱を得ることができる。
ただし、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOは、水素を透過し難いことから、これらCaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第3層24aでは、厚さを1000nm未満、特に10nm以下として極めて薄く形成することが望ましい。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第3層24aは、完全な膜状に形成せずに、アイランド状に形成されていても良い。また、第1層23および第3層24aも、真空状態を維持したまま連続的に成膜し、第1層23および第3層24a間に自然酸化膜を形成せずに異種物質界面を作製することが望ましい。
なお、第3層24aを設けた発熱素子5Aとしては、図6の第2層24および第3層24aの順番を換える等、第2層24および第3層24aを任意の順に積層し、かつ、第2層24および第3層24a間に第1層23を介在させた積層構成とし、この4層の積層構成を繰り返し設けた構成であってもよい。また、第3層24aは、発熱素子5Aに1層以上形成されていればよい。
特に、第1層23、第2層24および第3層24aの組み合わせとしては、元素の種類を「第1層23-第3層24a-第2層24」として表すと、Pd-CaO-Ni、Pd-Y-Ni、Pd-TiC-Ni、Pd-LaB-Ni、Ni-CaO-Cu、Ni-Y-Cu、Ni-TiC-Cu、Ni-LaB-Cu、Ni-Co-Cu、Ni-CaO-Cr、Ni-Y-Cr、Ni-TiC-Cr、Ni-LaB-Cr、Ni-CaO-Fe、Ni-Y-Fe、Ni-TiC-Fe、Ni-LaB-Fe、Ni-Cr-Fe、Ni-CaO-Mg、Ni-Y-Mg、Ni-TiC-Mg、Ni-LaB-Mg、Ni-CaO-Co、Ni-Y-Co、Ni-TiC-Co、Ni-LaB-Co、Ni-CaO-SiC、Ni-Y-SiC、Ni-TiC-SiC、Ni-LaB-SiCであることが望ましい。
[第2変形例]
図7に示す発熱素子5Bを用いてもよい。発熱素子5Bは、第1層23、第2層24および第3層24aに加えて、さらに、第1層23、第2層24および第3層24aとは異種の水素吸蔵金属、水素吸蔵合金、またはセラミックスからなる第4層24bを積層することによって形成された多層膜25Bを有している。第4層24bは、第1層23や第2層24、第3層24aと同様に厚さが1000nm未満でなることが望ましい。
例えば、第4層24bとしては、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、CO、これらの合金、SiC、CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのうちいずれかであってもよい。第4層24bの合金としては、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coに添加元素を添加させた合金でもよいが、特に好ましくは、Ni、Pd、Cu、Cr、Fe、Mg、Coのうち2種以上からなる合金であることが望ましい。
第4層24bを設けた発熱素子5Bは、第2層24、第3層24a、第4層24bが任意の順に積層し、かつ、これら第2層24、第3層24a、第4層24bのそれぞれの間に第1層23が設けられた積層構成とし、これら6層の積層構成を繰り返し設けた構成が望ましい。すなわち、図7に示すような第1層23、第2層24、第1層23、第3層24a、第1層23、第4層24bの順や、その他、図示しないが、第1層23、第4層24b、第1層23、第3層24a、第1層23、第2層24の順等に積層させた発熱素子5Bであることが望ましい。また、第4層24bは、発熱素子5Bに1層以上形成されていればよい。
特に、第1層23、第2層24、第3層24a、および第4層24bの組み合わせとしては、元素の種類を「第1層23-第4層24b-第3層24a-第2層24」として表すと、Ni-CaO-Cr-Fe、Ni-Y-Cr-Fe、Ni-TiC-Cr-Fe、Ni-LaB-Cr-Feであることが望ましい。
CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第4層24bを設けた場合、発熱素子5Bでの水素の吸蔵量が増加し、異種物質界面を透過する水素の量を増加でき、その分、高い過剰熱を得ることができる。これらCaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第4層24bでは、厚さを1000nm未満、特に10nm以下として極めて薄く形成することが望ましい。CaO、Y、TiC、LaB、SrO、BaOのいずれかからなる第4層24bは、完全な膜状に形成せずに、アイランド状に形成されていても良い。また、第1層23および第4層24bでも、真空状態を維持したまま連続的に成膜し、第1層23および第4層24b間に自然酸化膜を形成せずに異種物質界面を作製することが望ましい。
1 発熱装置
5,5a,5b 発熱素子
6 ヒータ
7 スペーサ

Claims (3)

  1. 互いに間隔を空けて設けられる一対のヒータと、
    水素を吸蔵可能に形成され、前記一対のヒータの熱による前記水素の量子拡散において生じる発熱反応を利用して発熱する複数の発熱素子と、を備え、
    複数の前記発熱素子は、互いに間隔を空けて前記一対のヒータの間に配置されている、
    発熱装置。
  2. 隣り合う前記発熱素子の間におけるガスを真空排気する真空排気部を更に備え、
    隣り合う前記発熱素子には、次式を満たす間隔hが設けられている、
    請求項1に記載の発熱装置。
    {C/(30.9Ks)×(b/a)}(1/2)≦h[mm]≦1.2
    ただし、C:隣り合う前記発熱素子の間隙における真空コンダクタンス
    Ks:補正係数
    a:流路断面の長辺に沿う方向における前記発熱素子の寸法
    b:真空排気方向における前記発熱素子の寸法
  3. 隣り合う前記発熱素子の間に設けられ、隣り合う前記発熱素子の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有するスペーサを更に備える、
    請求項1又は2に記載の発熱装置。

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