以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
1.情報処理装置10の各構成
本願発明の一実施例に係る情報処理装置10は、図1のように、バス11、演算装置12、記憶装置13、入力装置14、表示装置15及び通信IF16を有することができる。また、情報処理装置10は、ネットワーク19と、直接または間接的に接続される。
バス11は、演算装置12、記憶装置13、入力装置14、表示装置15及び通信IF16の間の情報を伝達する機能を有する。
演算装置12の例としては、例えばプロセッサが挙げられる。これは、CPUであってもよいし、MPUであってもよい。また、グラフィックスプロセッシングユニット、デジタルシグナルプロセッサなどを有してもよい。要するに、演算装置12は、プログラムの命令を実行できる装置であればよい。
記憶装置13は、情報を記録する装置である。これは、外部メモリと内部メモリのいずれでもよく、主記憶装置と補助記憶装置のいずれでもよい。また、磁気ディスク(ハードディスク)、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリなどでもよい。また、ネットワークを介した記憶装置又は、ネットワークを介したクラウド上の記憶装置を有してもよい。
なお、演算装置に近い位置で情報を記憶する、レジスタ、L1キャッシュ、L2キャッシュなどは、図1のブロック図においては、演算装置12内に含まれる場合もあるが、計算機アーキテクチャのデザインにおいて、情報を記録する装置としては、記憶装置13がこれらを含んでもよい。要するに、演算装置12、記憶装置13及びバス11が協調して、情報処理を実行できるよう構成されていればよい。
記憶装置13は、本発明に関連するサービスを実行するプログラムを備えることができる。また、本発明に関連するサービスを実行する際に必要なデータを、適宜記録することもできる。また、記憶装置13は、データベースを含んでもよい。
また、上記は、演算装置12が、記憶装置13に備えられたプログラムに基づいて実行される場合を記載したが、上記のバス11、演算装置12と記憶装置13が組み合わされた形式の一つとして、本件システムに係る情報処理を、ハードウェア回路自体を変更することができるプログラマブルロジックデバイス又は実行する情報処理が決まっている専用回路で実現されてもよい。
入力装置14は、情報を入力するものであるが、他の機能を有してもよい。入力装置14としては、キーボード、マウス、タッチパネル、又はペン型の指示装置などの入力装置が挙げられる。
表示装置15は、情報を表示する機能を有する。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられるが、要するに、情報を表示できる装置であればよい。また、タッチパネルのように入力装置14を一部に備えてもよい。
ネットワーク19は、通信IF16と共に、情報を伝達する。すなわち、情報処理装置である10の情報を、ネットワーク19を介して他の情報端末18(図2参照)に伝達できるようにする機能を有する。通信IF16は、どのような接続形式でもよく、USB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、PCI、SCSIなどでもよい。ネットワーク19は、有線と無線のいずれでもよく、光ファイバ、同軸ケーブルなどを用いてもよい。
本願発明の一実施例に係る情報処理装置を構成するハードウェアは、汎用電子計算機であってもよいし、専用電子計算機であってもよい。また、当該ハードウェアは、ワークステーション、デスクトップパソコン、ラップトップパソコン、ノートパソコン、PDA、携帯電話、スマートフォンなどでもよい。
図1では、一台の情報処理装置10として説明したが、情報処理装置10は、複数の情報処理装置で構成されてもよい。当該複数の情報処理装置は、内部的に接続されていてもよいし、外部的に接続されていてもよい。また、情報処理装置10が複数の情報処理装置で構成される場合、その所有者は、異なってもよい。また、情報処理装置10を本願発明に係るシステムとして運営する者は、情報処理装置10の所有者と異なっていてもよい。
また、情報処理装置10は、物理的な存在であってもよいし、仮想的なものであってもよい。例えば、クラウドコンピューティングを用いて、情報処理装置10を仮想的に実現してもよい。
2.情報処理装置の一実施例
本願発明に係るシステムの一実施例として、他の構成例を、図2を用いて次に説明する。
本実施例に係るシステムは、端末18aのみであってもよいし、端末18aとサーバ18bとを含んでもよい。
端末18aは、顧客に対して営業を行う者(以下、「営業担当者」という。)が使用する端末である。端末18aは、営業担当者と顧客が一緒に画面を見るように構成されている。営業担当者と顧客が一緒に情報を入力するようになっていてもよい。図2においては、端末18aを一つのみ示しているが、複数の営業担当者が、複数の顧客に対して営業を行っている場合、各営業担当者に対応して端末18aが存在してもよい。また、端末18aは、後述の、顧客に関する情報を取得する機能、話題又は質問を生成するルール又は学習システム、話題又は質問などを表示する表示部、の一部又は全部を備えてもよい。また、端末18aは、顧客と営業担当者の面談中の音声を取得するよう構成されていてもよいし、顧客の表情を取得するよう構成されていてもよい。また、端末18aは、顧客との面談を記録する機能を有し、その内容を表示する機能を有してもよい。
状況に応じて、本実施例に係るシステムは、サーバ18bを有してもよい。サーバ18bは、端末18aとインターネットを介して接続されており、後述のデータを記録する機能を有する。また、サーバ18bは、後述の、顧客に関する情報を取得する機能、話題又は質問を生成するルール又は学習システムを備えることができ、話題又は質問を送信する機能を有してもよい。
状況に応じて、本実施例に係るシステムは、端末18cを有してもよい。端末18cは、顧客と営業担当者の面談中の音声を取得する機能を有する、又は、顧客の表情を取得する機能を有する。これは、端末18aがかかる機能を有しない場合や、端末18aのかかる機能をより精度よく実現するために、利用されることができる。
状況に応じて、本実施例に係るシステムは、端末18dを有してもよい。端末18dは、顧客との面談を記録する機能を有し、その内容を表示する機能を有する。これは、端末18aが、かかる機能を有しない場合、又は、端末18aがかかる機能を有していても当該端末が他者に利用されている場合などにも、面談内容を確認できるように構成されている。
3.情報処理装置10の機能
次に、図1に示した各構成要素により実現される情報処理装置10の機能について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の機能の具体例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10の機能として、入力部31、記憶部32、出力部33、及び演算部34がある。
情報処理装置10が、複数の情報処理装置から構成される場合、上記の入力部31、記憶部32、出力部33、及び演算部34の各機能は、複数の情報処理装置によって実現されてもよい。特に、以下に述べるとおり、演算部34は種々の機能を有するため、これらが、複数の情報処理装置内の一部の単一の情報処理装置又は複数の情報処理装置によって実現されるよう構成されていてもよい。
3.1.入力部31
入力部31は、記憶部32に情報を入力する機能を有する。入力部31の機能は、通信IF16又は入力装置14によって実現される。また、入力部31は、演算部34の諸機能に必要な情報を入力する機能を有してもよい。また、入力部31は、外部からの情報を受信する機能を有する受信部を有してもよい。
3.2.記憶部32
記憶部32は、情報を記憶する機能を有する。記憶部32の機能は、記憶装置13によって実現される。記憶部32が記憶する情報は、入力部31から入力される情報であってもよいし、演算部34によって演算された結果得られた情報であってもよい。
3.3.出力部33
出力部33は、記憶部32内の情報を、出力する機能を有する。出力部33の機能は、通信IF16又は表示装置15によって実現される。出力部33は、演算部34の諸機能によって生じた情報を出力する機能を有してもよいし、外部に情報を送信する機能を有する送信部を有してもよいし、表示機能を有する表示部を有してもよい。
3.4.演算部34
演算部34は、記憶部32と連携して、情報を生成する機能を有する。演算部34の機能は、演算装置12、入力装置14、表示装置15、通信IF16などの種々の装置によって実現される。演算部34における各機能は、適宜、入力部31から情報を入力してもよいし、記憶部32との間で情報を記録し又は情報を取得してもよいし、出力部33から情報を出力してもよいし、これらの入力部31、記憶部32、出力部33の機能と連携して実現されてもよい。
演算部34は、以下の実施例で述べる一部の機能を有する。例えば、演算部34は、ルール部34aを備え、取得された情報に対してルールを適用して情報を出力できるよう構成されていてもよい。また、演算部34は、ニューラルネットワーク部34bを備え、ニューラルネットワーク部34bにより生成されたルールをルール部34aで使用してもよいし、また、ニューラルネットワーク部34bにより生成された情報に対してルール部34aでルールを適用されてもよい。また、ニューラルネットワーク部34bと共に又は代えて、後述するような他の人工知能技術を利用してもよい。
4.実施例
4.1.実施例1
本願発明は、種々の目的に使用することが可能であるが、実施例1のシステムにおいては、上述の各機能の一部又は全部を用いて、保険の営業に使用するシステムを説明する。
本実施例のシステムの流れは、図4の記載のとおりである。まず、本実施例のシステムに営業担当者などシステムを利用する者がログインする(401)。そして、営業予定の顧客の情報を登録する(402)。ここで、具体的な案件を登録してもよい(403)。アポイントの活動が必要な営業であれば、アポイントの活動も登録してよい(404)。実際の面談が決定したら、その予定の登録を行ってもよい(405)。実際に面談する場面において、まず、本実施例のシステムの画面を顧客に見せつつ、自己紹介や会社説明を行う(406)。また、各種の説明を行ってもよい(407)。顧客の情報を登録する手段として、必要があれば、家系図登録を用いてもよい(408)。顧客との面談中に、顧客の情報を取得しつつ、ライフプランを作成してもよい(409)。そして、面談が終了した際には、面談のサマリを提示してもよい(410)。また、面談の振り返りをしてもよい(411)。本実施例のシステムを他のシステムと連携させて、情報を共有化してもよい(412)。例えば、他のシステムを用いて、顧客がライフシミュレーションを希望していれば、ライフシミュレーションを実施し(413)、保険の設計書を希望していれば、設計書を作成する(414)。保険契約が成立したら、その情報を記録する(415)。
図5は、顧客との面談時における本実施例のシステムの使用の例である。図4における406乃至411の流れの他の例である。本実施例のシステムのトップ画面(501)においては、種々の項目にアクセスが可能となっている。顧客は、営業担当者との面談の結果、商品等の対価を支払う可能性もあることから、私たちの役割(502)においては、営業担当者の役割を丁寧に説明することが可能である。また、人生のリスクと社会保障(503)において、顧客の関心のある分野を確認できる。当該画面では、各分野においてどの程度の資金が必要であるかの資料を提示できるようになっている。分野は、例えば、生活資金、住宅資金、教育資金、子供の結婚資金、医療資金、シニアライフ/介護、死後の整理資金(葬式)、相続関連資金などの分野が挙げられる。また、保険検討のポイント(504)においては、保険に関する資料が提示され、理解を深めることができるようになっている。ライフカウンセリング紹介(505)においては、面談の流れと目的を説明し、顧客に関する情報を踏まえ、顧客の夢や希望を実現できる設計図の提案につながることを説明できる。
ライフカウンセリングの観点で、まず基本情報として、ご家族の情報(506)画面で、顧客の情報を取得する。次に、顧客のライフイベントや想いを登録する(507)。このような基本情報や将来のライフイベント・想い・夢・希望などの情報に基づいて、将来の収支イメージを視覚化し(508)、面談結果へとつながるよう構成されている(509)。
このように、本実施例のシステムでは、面談の流れに沿って、顧客の基本情報と将来への希望、想い、実現したいライフイベントなどの情報を取得しつつ、これらを実現できる商品等を提示できる構成となっているため、顧客は営業の結果希望していない商品等を提供されるのではないかという不安から払拭され、納得した上で商品等を選択しそれらに満足できるようサポートできるシステムに構成されている。
4.2.実施例2
実施例2のシステムは、一例として、実施例1のシステムにおける家系図登録(408)に関する場面に係る。
図6は、本人に関する情報を取得する画面である。本人の名前のほか、性別、年齢、生年月日、職業、勤務先などを入力できるように構成されている(601)。また、本人を模したイメージは、本人に係る情報に基づいて作成されてもよい(602)。例えば、実施例2のシステムが撮像機能を有していれば、顧客を撮像して得た画像を、画像処理し、予め顔の一部と関連付けられた顔面イメージを組み合わせることによって、顧客を模したイメージ像を用いて作成されてもよい。これにより、顧客が自分自身のために現在面談がされていることをより具体的にイメージすることができ、親近感を持てるようになる。
すなわち、実施例のシステムは、顧客を撮像する撮影部と、顔面の一部と対応付けられた顔面の模式図のルールを有する記憶部と、前記撮像された画像の各部に対して前記ルールを適用して組み合わせて顔面模式図を生成する生成部と、を備えるよう構成されてもよい。
同様に、顧客の家族も情報を入力するよう構成されてよい。図7を用いて説明すると、具体的には、配偶者を入力できるよう構成され(702)、子供を入力(703、704)できるよう構成されてもよい。将来子供を増やす予定の顧客に対しても対応が可能なように、未来の子も入力できるよう構成されてもよい(705)。また、兄弟、姉妹などは、顔面イメージのない人(706)として表示されている。このように、本実施例のシステムは、その場にはいない人も、名前がない人として表示され、顧客も情報を提示しやすくなる。このように、顧客から兄弟、姉妹など新たな関係者の情報を取得しやすくなる。
顧客との面談において、本実施例のシステムが家系図が表示できるよう構成されることで、親、兄弟、姉妹、子供など、その面談の場にはいない人など、顧客の情報のうち取得されていない情報を、画像内の欠損情報として表示する情報処理システムを提供することができる。
上述では、実施例1のシステムにおける家系図登録に関するものとして説明したが、保険営業の場面に限定されずとも、本人及びその家族に関する情報を収集する場合であれば、商品等を提供するための消費者の情報を収集するマーケティング目的において、利用することが可能である。
4.3.実施例3
実施例3のシステムは、一例として、実施例1のシステムにおけるライフプラン(409)に関する場面に係る。
図8は、顧客の希望やライフプランを視覚化するための手段の一例である。図8を用いて、ライフプランを説明すると、まず、顧客の関心分野がトピックとして提示されている(801)。これは、顧客が漠然と興味を持っている分野を示すものであり、本実施例のシステムが、顧客の関心分野を提示する構成を備えることにより、種々の話題を扱う中で、営業担当者がこれらの話題を忘れないようにすることが可能である。
次に、顧客とその家族が提示されている(802)。そして、各人に対して、将来を示す部分がある(803)。図8においては、左側が現在であり、右方向に向かって5年後、10年後、15年後、20年後と時系列に示されている。ここには、対応して、各人の年齢も提示されている。例えば、太郎は、現在は、26であるところ、5年後の2023年には32歳、10年後の2028年には37歳、15年後の2033年には42歳と具体的な年齢が記載されている。人は将来の年齢をイメージしにくいことから、本実施例のシステムが、このような年齢を将来の時期に対応して具体的に表示できるよう構成されていることで、顧客は具体的なイメージを持ってライフプランを検討することができる利点がある。
また、ライフプランにおける各イベントを示す模式図が部品として提示されている(804)。これらのイベントを、ライフステージ上に設置することにより、各人のライフプランが視覚化される。イベントには、例えば、結婚、出産、住宅購入、リフォーム、退職、老人ホーム、孫の誕生、旅行、車、ペット、子供の結婚、子供の入学、などのものがある。また、これら以外の特殊な趣味、例えば、船の購入、別荘の購入などがあれば、適宜入力が可能なように、「フリー」というアイコンも準備されている。なお、遺産相続及び葬儀のアイコンは、予定できるものでないことから、アイコンを設置できないように構成されていてもよい。
このように、本実施例のシステムは、一般の人が定型的に行いうる結婚、出産、住宅購入、リフォーム、退職、老人ホーム、孫の誕生、旅行、車、ペット、子供の結婚、子供の入学などのライフイベントをアイコン化し、各人の将来を時系列上に示されたライフステージ上に設置できるよう構成されることで、顧客と営業担当者がライフプランを容易に把握しかつ具体的に共有できる利点がある。ここで、上述のように、本実施例のシステムが、各人の将来の時期に対応して各人の年齢が提示されるよう構成されていることで、顧客と営業担当者は各イベント時の年齢を具体的に共有し検討できる利点がある。これは、例えば、子供ができた直後の若い夫婦において生計維持者が会社員であるとした場合において、15年後の子供の教育費が必要となる時期に自分の年齢とその時点の会社内の状況の予測や健康問題や親の介護の問題などを同時に具体的に検討できるなどの利点が挙げられる。
図8のライフプランの画面において、顧客は、各イベントと金銭的な情報を入力できる。本実施例のシステムは、図8において本人の財産に関するアイコンをクリックすることで、財産に関する情報を入力できるように構成されている。例えば、図9は、年収、現在の金融資産、年額積立金などを入力できるように構成されている(901)。また、配偶者も同様に入力できるよう構成されている。また、支出に関しても、毎月の生活費に関し、現在と、老後の生活費を入力できるように構成されている(902)。
なお、各アイコンにおいては、顧客の想いも入力できるように構成されている。各分野に関する顧客の想いは、顧客が口頭で述べたことが音声で入力されて記録されてもよいし、営業担当者が入力するよう構成されてもよい。これらの想いは、顧客が各分野に対して考える潜在的なニーズに関連すると考えられ、より具体的なニーズに関連しうる。
各アイコンに関しては、具体的な金額が入力できるように構成されている。例えば、車では支払の費用残額が入力できるように構成されており、住宅購入ではローン借入額、住宅取得総額、頭金、金利、返済期間、管理費・駐車代、修繕積立金、固定資産税、などの情報を入力できるように構成されている。
教育関連の資金としては、例えば、図10のように、家族の年齢、学校種別、塾の有無、入学卒業予定年、教育資金、教育機関に自宅から通うかどうかなどが入力できるように構成されている。また、本実施例のシステムが、家族の年齢について(1001)は、子供が幼稚園、小学校、中学校、高校、大学の各時期における家族の年齢が具体的に表示できるよう構成されていることで、顧客は子供の成長時の状態を具体的にイメージできるように構成されている。また、お子様に対する想いを入力できるように構成されている(1002)ことで、子供の特性や、希望、将来の夢をかなえることができるようなライフプランを具体的にイメージできるように構成されている。なお、これらを検討するにあたり、具体的な教育資金の参考情報も表示できるように構成されている(1003)。
本実施例のシステムは、アイコンが準備されたもの以外の定型外の出費に関しては、「フリー」のアイコンを用いることができるように構成されている。図11は、その一例であり、「結婚10年記念」としての出費を予定するものである。また、本実施例のシステムは、想いを取得できるように構成されており、どのような気持ちでその出費を考えたのかを具体的に記録に残せるようにされている。
以上のように、アイコンが設定されると、図12のように、時系列上に収入と支出とをそなえたライフプランが作成される。図12は、水平方向に時系列上に年齢が年代として表示され(1201)、上方が収入で下方が支出として構成され(1202)ている。これにより、給与収入が増加し、退職金を取得し、空白期間の後に、年金収入が取得できるという収入面が表示され、生活費と、住宅購入及びそのローンと、教育などの支出が表示されるよう構成されている。ここで、シニアライフ、子供の結婚、葬儀準備(1203)は、他と異なる表現となっており、情報が欠けていることを表現している。
すなわち、本実施例のシステムは、葬儀準備の予定費用や給与収入など、一般的には第三者に対して開示しにくい情報を、取得された金額費用とは異なる態様により、画像内の欠損情報として表示する構成を備えてもよい。これにより、営業担当者が、顧客から簡単に取得しにくい情報を、システム上欠如していることを明示させることで、顧客から情報を取得してライフプランを完成させやすくする利点がある。
4.4.実施例4
実施例4のシステムは、実施例3のシステムをよりサポートできるシステムである。図8のライフプランの画面では、顧客の実現したい人生を視覚化する作業を行う。そして、各アイコンは一般的に費用を伴うライフイベントであるところ、経験が浅い営業担当者や技能の低い営業担当者はうまく会話をつないで、各イベントを説明できないことがある。そこで、本実施例のシステムは、顧客との会話をうまく誘導して情報を取得できるように、話題や質問を表示するよう構成されてもよい。図13は、話題や質問を表示するアイコンを示す例である。キャラクター(1301)は、その一例であり、発言をするかのように表示されるよう構成されている。図13は、当該発言が文字により記載される例であるが、実際の音声により発話されてもよい。発言として表示される内容は、何か話題であってもよいし、質問であってもよい。また、キャラクタなしで文字が提示されても、よい。
図14は、条件と発話例のルールを示した一例である。本実施例のシステムは、顧客との面談中に、条件が成立したときに、キャラクタが対応する発話を行うよう構成されている。条件は、種々なものであってよい。例えば、住宅購入アイコンがクリックされたときに、「夢のマイホームだね!」と共感してもらえるような内容を表示してもよいし、住宅購入アイコンの中の住宅ローンを入力するときに、「住宅ローンは控除があるんだよね?」であるとか、「住宅ローンっていろいろあるの?」などのような質問であってもよい。
本実施例のシステムは、条件は、このように、アイコンがクリックされたときに発動してもよいし、アイコンのクリックの結果の各情報を入力する画面の段階で発動してもよいし、また、住宅ローンという具体的な入力欄が入力できる状態であったり、入力中であったり、あるいはこれらのイベントから10秒や20秒のような一定時間が経過した後に発動するよう構成されてもよい。
また、本実施例のシステムは、上述の「住宅ローンの入力のとき」と同一の条件が複数あってもよい。このとき、発動される「住宅ローンは控除があるんだよね?」と「住宅ローンっていろいろあるの?」というような表示は、いずれかがランダムに表示されるように構成されてもよいし、順に表示されるよう構成されてもよいし、両方が同時に表示されるよう構成されてもよい。
また、確定拠出年金に関する場面が提示されているときに「確定拠出年金って何?」とある程度知っているが正確には理解できていないかもしれない点に関して、顧客の質問を代弁してくれるような表示であってもよい。すなわち、本実施例のシステムは、顧客の質問を代弁してくれるような表示を行うよう構成されている場合、面談に対する顧客の興味を維持できる利点がある。
また、団信の文字が表示されているときに、「団信って何?」と、顧客として注意をもってほしい箇所を予め質問形式にして表示してくれるように構成してもよい。すなわち、本実施例のシステムは、面談中に顧客に留意してほしい点を予め設定しておくことで、その点に関して顧客に対して説明できる機会を得ることができ、営業担当者として説明責任を果たすことに役立ちつつ顧客も重要な箇所に関する説明を受ける機会を得ることができる利点がある。
また、住宅購入の場面において、「住宅と生保は一緒に考えた方がいいね!」と関連しうるが他の話題を喚起するようにして、次につながる話題を表示するよう構成されてもよい。
このように、本実施例のシステムは、話題Aに関する議論と関連して検討した方がよい話題Bが存在している場合において、話題Aの場面において話題Bを表示するよう構成されていることにより、営業担当者は唐突に話題Bを出す必要がなく、本実施例のシステムに話題Bを表示され、これを顧客と一緒に共有することを通して、スムーズに話題Bに進むことができる利点がある。
また、高額医療費が示されている場合などにおいて、「自己負担額が高額になったらどうしよう・・・」と顧客の不安を表現してくれることにより、顧客は、不安を解消しつつ説明を受けることができる。すなわち、本実施例のシステムは、顧客の不安が生じやすい箇所において当該不安を質問形式で表現することにより、営業担当者は顧客の不安が生じやすい箇所において、そのタイミングを逃さずに説明できる機会を得ることができる。
また、収入情報が入力されていない場合、実施例3のシステムにおいては、欠損情報が表示されるよう構成したが、その具体的な意味に関して顧客が理解できていない場合、営業担当者が説明する必要があった。そこで、収入情報が入力されていないとき、「ライフプランには収入の情報も必要だよ。」と表示させることにより、表示によって説明させることができる。すなわち、本実施例のシステムは、情報が入力されていない場合、当該情報が入力されていないことを表示させるよう構成されることにより、営業担当者が聞きにくい情報であっても情報を取得しやすくなる利点がある。特に、キャラクタが上記情報を発言するよう構成されている場合、顧客が当該情報を開示することに抵抗を感じている場合も、情報を取得できる可能性が高まりうる。
また、顧客の家族構成において、15歳以下の男の子がおり、かつ、教育の画面をはじめて開いたとき、キャラクタが「○○君は将来何になりたいのかな?」と表示し、15歳以下の女の子がおり、かつ、教育の画面をはじめて開いたとき、キャラクタが「○○ちゃんは将来何になりたいのかな?」と表示されてもよい。このように、本実施例のシステムは、顧客の子供の有無、子供の年齢、家族の性別、家族の名前、を用いて、対応するルールが適用されて話題又は質問の表示がされるように構成されてもよい。このように、具体的な顧客の家族に合わせた質問が表示されることで、顧客は一般論としてではなく、自分の家族のみの話として検討し満足感を得ることができる。
また、話題として具体的なデータなどの資料が提示されることが好ましい場合もある。図13の右下(1302)は、状況に関連した資料を提示できるように構成されており、この箇所をクリック又は接触することにより、対応する資料が表示されるよう構成されている。資料は、ファイルであってもよいし、ウインドウ内のポップアップなどで構成されてもよい。
図15は、条件と提示される資料のルールを示した一例である。本実施例のシステムは、顧客との面談中に、条件が成立したときに、対応する資料が提示されるよう構成されている。なお、本実施例のシステムは、資料の提示のタイミングで、上述のキャラクタが、関連する発言をするよう構成されてもよいし、発言をしないよう構成されてもよい。また、当該資料は、自動的に表示されるよう構成されてもよいし、資料が提示できる準備ができたことをアイコンが示すよう構成され、当該アイコンをクリックしたり指などで接触するなどの操作情報を取得することで当該資料が表示されるよう構成されてもよい。資料が提示できる準備ができたことは、例えば、アイコンの色が変わったり、アイコンが点滅したり、アイコンの文字が変更したり、またはこれらの組みあわせであったりしてよい。当該資料が自動的に表示されるか、操作情報を取得することで資料が表示されるかは、予め定められてもよいし、表示されたときの資料の大きさに依存してもよい。例えば、資料の大きさが、表示画面の面積の半分以下であれば、自動的に表示されるよう構成されるが、表示画面の面積の半分を超える場合は、操作者の操作を取得することで表示するよう構成されてもよい。
条件としては、例えば、教育の「塾・習い事の費用」の場面において、子供が15歳以下の場合、人気のある習い事が表示されるよう構成されてもよい。すなわち、本実施例のシステムは、顧客の子供の有無及び子供の年齢と子供に関連する資料とを関連付けたルールを記録し、取得した顧客の子供の有無と子供の年齢を前記ルールに適用して、子供の年齢に応じた資料を提示できるよう構成されてもよい。
条件として、例えば、教育の場面において、顧客の子供が男の子であれば、男の子に人気のある職業が表示され、顧客の子供が女の子であれば、女の子に人気のある職業が表示されるよう構成されてもよい。すなわち、本実施例のシステムは、顧客の子供の有無及び子供の性別と子供の性別に関連する資料とを関連付けたルールを記録し、取得した顧客の子供の性別を前記ルールに適用して、子供の性別に対応した関連する資料を提示できるよう構成されてもよい。ここでは、年齢を考慮していないことから、年齢を考慮していない人気の職業でよい。
さらに、顧客の子供の年齢を考慮して、関連する資料を提示できるように構成されてもよい。すなわち、子供の年齢に応じて将来希望する職業は異なるデータがある場合において、本実施例のシステムは、顧客の子供の有無、子供の性別及び子供の年齢と話題等とを関連付けたルールを記録し、取得した面談中の顧客の子供の有無、子供の性別及び子供の年齢を適用して、当該子供の性別と年齢に応じた話題等を提示できるよう構成されてもよい。
また他の例として、話題等を提供しない条件が備えられていてもよい。例えば、子供がいない家族において遺族年金は、一般的には必要な話題ではなく話題にしない方が良い場合もある。そのため、顧客の家族に子供がいない場合、遺族年金の話題は出ないように構成されてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、顧客の子供の有無と話題等とを関連付けたルールを記録し、取得した面談中の顧客の子供の有無、子供の性別及び子供の年齢を適用して、当該子供の性別と年齢に応じた話題等を提示できるよう構成されてもよい。
また、顧客の性別に合わせて、内容を提示したり、あるいは内容の導入の仕方を変更したり、内容の表現を変えるよう構成されてもよい。例えば、内容としては、顧客が女性であれば、乳がんについての基本的な情報や乳がんの自己検診方法を提示するが、男性であればかかる情報は自動的には提示されないよう構成されてもよい。
また、画面に表示される資料は、顧客の家族構成に合致したデータを含む資料が表示されるよう構成されてもよい。例えば、顧客が夫婦と子供二人の家族であれば、税金や法定相続などの家族構成によって変更される情報を含む資料は、夫婦と子供二人の家族構成の場合のみの資料が表示されるように構成されてもよい。顧客の家族構成は、顧客の性別、独身又は既婚、既婚で子供一人、既婚で子供二人、既婚で子供三人など、多数のパターンがあるところ、これらの顧客の家族構成に合致した資料が提示されることにより、顧客に関連のないデータが含まれず、多数の文字や数字を含む資料であっても、見やすい資料が提示され、顧客が理解しやすい利点がある。
すなわち、本実施例のシステムは、第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得する取得部と、顧客との面談中に得ることができる情報と、営業目的に応じた話題又は質問と、の関連付けを含むルールを記憶する記憶部と、前記第1顧客との面談中に得ることができる情報を、前記ルールに適用して、前記第1顧客に対する話題又は質問を生成する生成部と、前記生成された話題又は質問を、前記第1顧客との面談中に、前記第1顧客に対して提示する提示部と、を備えた情報処理システムであって、前記生成された話題又は質問は、前記第1顧客に関連のない情報は提示されない情報処理システムとしてもよいし、又は、前記第1顧客に関連のある情報のみが提示される情報処理システムとしてもよい。本実施例のシステムは、かかる構成を備えることにより、顧客に関係のないデータが資料にないことから、顧客は資料を見るときに見やすくなる。さらに、顧客自身にマッチした情報が提示されることで、満足感を得やすい。
また、家族構成に加えて又は家族構成と代替的に、顧客の性格に合わせた情報が提示されるよう構成されてもよい。性格としては、例えば、節約志向であったり、優柔不断であったり、こだわりがある等が挙げられる。
例えば、顧客が節約志向であれば、「ふるさと納税」、「生命保険料控除」、「健康体料率」、「クレジットカードのお得な支払方法」など、節約志向に沿った情報を、より優先して話題を提供するよう構成されてもよい。そのために、情報と話題等の各ルールは、同じような話題の場合にどの話題をより優先して先に提示するのかを示す話題の優先度を示す情報を備えてもよい。例えば、雑談としての話題において、ふるさと納税の話題と35歳時の長生き確率の話題とは、例えば他の条件がいずれも同じであるとすると、顧客の性格に合わせたものとして、ふるさと納税の話題を優先して取り上げるよう構成されてもよい。
また、顧客がこだわりの性格であれば、各制度の説明の資料において、通常のバージョンの資料の、よりデータが詳細な説明資料を提示するよう構成されてもよい。
ここで、節約志向、優柔不断、こだわりなどの情報は、以下で述べる人工知能技術を用いてもよいし、営業担当者が入力するよう構成されてもよい。
本実施例のシステムに係る流れの一例を、図29に示す。まず、第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得する(2901)。次に、前記情報を、顧客との面談中に得ることができる情報と、営業目的に応じた話題又は質問と、の関連付けを含むルールに適用する(2902)。そして、前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対応する営業目的に応じた話題又は質問を、表示画面に表示する(2903)。
その他の例としては、図16及び図17にあるとおり、一定の画面構成を前提として、イベントの発生条件が成立した場合に、キャラクタが何らかの発言を行い、かつ、何らかの資料が提示されるよう構成されてもよい。
また、話題によっては、営業色の強い話題がある。例えば、保険に関していえば、リビングニーズ特約や限定告知医療保険など、営業としての宣伝の程度が強い話題がある。これらの話題が連続すると、顧客としては、仮に営業されているのだとしても、宣伝が連続すると興味を失ってしまう可能性があることから、このような商品等の売り込み度合いが強い話題は、一定レベルに抑えた方が良い可能性がある。そこで、各話題に対して、図24のように、その商品等の売り込みとの関係の強さに応じて数値(「営業指標」という。)が割り当てられている。例えば、ふるさと納税や人気な習い事のような雑談的な話題は、低い数値が割り当てられ、上述のリビングニーズ特約や限定告知医療保険のような商品等の売り込み度合いの強い話題には、高い数値が割り当てられているものとする。低い数値は、-1や-2のようなマイナスの数値が割り当てられていてもよい。
例えば、営業指標の初期値が0であるとして、最初の話題としてリビングニーズ特約が選択されると営業指標6となる。その後、限定告知医療保険の話題は、営業指標に関する条件が当てはまらないため、限定告知医療保険の話題が選択されるようなルールは適用されない。他方、リビングニーズ特約の話題の後に、ふるさと納税の話題が選択されると、営業指標が4となるため、限定告知医療保険の話題も選択できるようになる。なお、この例では、雑談的な話題をマイナスに設定しているが、たとえば0とすることにより、当該営業指標を減じる手段はなくすこととして、その面談において売り込み程度の強い話題は、仮に雑談的な話題を間に挟んでも、複数の売り込み程度の強い話題を提供出来ないように構成されてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、営業指標を示す変数と、話題と営業指標数値とを関連付けたルールとを有し、前記営業指標を示す変数は、選択された話題と関連付けられた営業指標数値を、前記変数に加算するよう構成されてもよい。また、本実施例のシステムは、営業指標を示す変数と、話題と営業指数に関する条件とを関連付けたルールとを有し、前記変数が前記条件を満たす場合に、前記話題を選択できるよう構成されてもよい。また、本実施例のシステムは、営業指標を示す変数と、話題と営業指標数値と営業指数に関する条件とを関連付けたルールとを有し、前記営業指標を示す変数は、選択された話題と関連付けられた営業指標数値を、前記変数に加算するよう構成され、前記変数が前記条件を満たす場合に、前記話題を選択できるよう構成されてもよい。
上述で述べた話題の他の例としては、例えば、図25に挙げられたものがある。これらは、各分野のより詳細な内容に関するものから、一般的なものまで幅広く備えられ、上述のとおり、顧客の情報に基づいてこれらの話題が候補として提示されるように構成されることから、顧客と営業担当者の間の会話の話題は、軽い内容から営業目的に関する深い内容まで種々の内容となり、これらを通して、顧客と営業担当者の間に信頼感が醸造されつつ顧客も商品等の理解が進み、より満足して顧客が商品等を購入又は契約成立する可能性を向上できるように構成されている。
以上のとおり、本実施例のシステムは、第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得する取得部と、顧客との面談中に得ることができる情報と、営業目的に応じた話題又は質問と、の関連付けを含むルールを記憶する記憶部と、前記第1顧客との面談中に得ることができる情報を、前記ルールに適用して、前記第1顧客に対する話題又は質問を生成する生成部と、前記生成された話題又は質問を、前記第1顧客との面談中に、前記第1顧客に対して提示する提示部と、を備えるよう構成されてもよい。ここで、上述のとおり、顧客の家族構成、顧客の性別、年齢、年収、職業、地域、性格、及び/又は好みなどの顧客の情報を上記ルールの条件として構成されてもよいし、顧客の情報、選択された画面、表示されている画面、アイコンの選択、アイコンの移動、入力欄への入力、これらのアクションに関する時間の情報などの表示画面に表示された情報に係る情報、及び/又は、営業指標などの顧客との面談中に得ることができる情報を上記ルールの条件として構成されてもよいし、及び/又はこれらの組み合わせを条件として構成されてもよい。ここで、性格や好みは、後述のようなものであってもよい。また、上記ルールの各条件に対応する営業目的に応じた話題又は質問は、各条件と営業目的に応じて調整された内容であり、上述のような説明をした方がよい内容や次につながる内容の話題に関する発言や質問であってもよいし、関連する資料を提示するものであってもよい。なお、質問の形式を取った話題は、話題又は質問に含まれる。このように、顧客の情報を条件として含ませてこれに対応する話題又は質問が提示されることで、顧客の情報に合わせた内容が提示され顧客に関連する情報に限定されるため、資料も見やすく、顧客自身の満足度も高くなると考えられる。また、顧客との面談中に得ることができる情報を条件とすることで、面談中の顧客の状況に基づいた営業目的に応じた話題又は質問が提示できるようになり、顧客の商品等に対する理解も促進され、より営業目的を達成しやすくなると考えられる。特に面談中に提示された話題又は質問の営業色の強さを示す営業指標を条件の一つとして設けた場合は、面談における売込みの程度を考慮した営業目的に応じた話題又は質問が提示されるシステムとなり、より適切な営業支援が可能となる。
4.5.実施例5
実施例5は、人工知能技術を用いる例である。人工知能技術は、話題又は質問を提供する場面において適用することもできるし、上述のルールを作成することに適用することもできる。
なお、人工知能技術としては、例えば、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシン、クラスタリング、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、などの機械学習技術を用いてもよい。
4.5.1.実施例5.1
本実施例のシステムが備える人工知能技術では、顧客の面談中の状況を推測する情報を提供できるように構成されている。当該顧客の面談中の状況を推測する情報は、顧客との面談中に得ることができる情報から取得できるように構成されている。顧客の面談中の状況を推測する情報とは、例えば、顧客の興味があると推測される話題、及び/又は、顧客が面談している営業担当者に対する信頼の程度を示す信頼度情報などが挙げられるが、これらに限られない。
本実施例のシステムは、例えば、図18のような対話文のようなものを学習してあるニューラルネットワークを備え、顧客の発話に対して、顧客が興味を持っていると推定できる話題を特定できるように構成されている。図18の生活の分野においては、車、旅行、ペット、子供、趣味などの生活の下位分野に属する事柄が、顧客の希望として述べられている例である。そうすると、これらの各分野、又はその下位概念に関する事柄に興味があると推定される。
人工知能技術として、ディープラーニングの技術を利用することにより、対話文と話題との関係を人工知能技術としてのディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させることができる。当該学習されたニューラルネットワークでは、取得された顧客の発言が、図18のような対話文そのものでないとしても、類似の対話文を得た時に、関連する話題を提示できるように構成できる。そのため、適切に学習されたニューラルネットワークを用いることで、単に予め記憶された表現や対話だけではなく、特定の範囲内の種々の表現が取られうる顧客の発話に対して、顧客の興味のある話題を特定することが可能となる。
そこで、本実施例のシステムは、対話文と話題との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを備え、顧客と営業担当者の面談中の顧客の発言を入力として、前記学習済みニューラルネットワークを利用して、営業目的に応じた話題又は質問を提示できるよう構成されてもよい。当該構成を備えるシステムは、顧客の発話に対応した話題又は質問を提供できる利点がある。このように、学習されたニューラルネットワークを用いることで、硬直化せずに、顧客の種々の表現に対しても、興味のある分野を特定した上で、対応する話題が提供され、より営業支援が可能となる。
なお、上述したとおり、提示される話題や質問は、あくまで営業目的との関係で、提示されるものである。そのため、ニューラルネットワークは、面談時などにおいて、提示可能な話題又は質問に限定して、ディープラーニングを学習されたものであってもよい。
ここで、各対話文は、単に話題を述べているもの以外にも、その話題に関する顧客の希望や夢を述べていることから、本実施例のシステムは、当該希望や夢に合わせた形で話題や質問を提供するよう構成されてもよい。
ただし、各発言に対応してその都度当該話題に反応すると、面談における話題に一貫性と継続性がなくなるおそれもある。例えば、教育の分野の子供の話の中で、子供の病気の話が出たからといって、すぐに医療の話に行くべきであるとは限らない。そのため、本実施例のシステムは、教育の分野変数と、医療の分野変数、などの各分野変数を設け、話題が提供される度に対応する分野変数が更新され、現在の話題に沿った話題が提示されるよう構成されてもよい。この場合、例えば、現在の教育の分野変数が8であり、医療の分野変数が2であるとして、子供の学校の事件として子供の怪我の話が出た場合、当該医療の話題として2が更新されることで、教育の分野変数が8、医療の分野変数が4とされる。この時点では、教育の分野変数が高いことから、教育の話題の提供が継続されることとなる。なお、教育の話題がいったん終了する段階において、例えば、営業担当者が教育画面を終了させた場合などには、教育分野変数を0にリセットするよう構成されてもよい。これにより、次の話題としては、医療分野変数の4が他の分野と比較して高いとすると、医療に関する話に進めてもよい。また、営業担当者が教育画面を終了させた段階で、教育分野変数が0と変更されると同時に他の分野変数の中で最も高いものとして医療変数があるとすると、これを条件として、医療に関する内容を提示するよう構成されてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、各分野に関する変数と、対話文と話題との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークと、分野変数に関する条件を含む顧客の情報及び顧客との面談中に得ることができる情報と話題又は質問との関係付けを含むルールを備え、顧客の発話に対して、前記ニューラルネットワークを利用して分野を特定し、前記分野変数をアップデートし、前記分野変数に関する条件を含む条件が成立したルールを適用することで、営業目的に応じた話題又は質問を提示するよう構成されてもよい。
また、ニューラルネットワークにおいて、図21のように、各対話文との関係においても分野との関連性を示す分野関連性指標が設定されてもよい。すなわち、ある対話文は特定の話題に強く関連性があるが、他の対話文は特定の話題に弱い関連性がある場合がある。例えば、「フランスのパリに来年の夏に行きたい」という発言と、「いつか海外にいってみたいなぁ」という発言であれば、前者の発言は後者の発言に比べてより具体的に話題を明示しており、顧客も具体的なイメージと希望を持って発言していると考えられることから、前者の発言は後者の発言と比べて分野関連性数値を高く設定されてもよい。すなわち、本実施例のシステムは、各話題に関する変数と、対話文と話題及びその分野関連性指標との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークと、分野変数に関する条件を含む顧客の情報及び顧客との面談中に得ることができる情報と話題又は質問との関係付けを含むルールを備え、面談中の顧客の発言から、前記ニューラルネットワークを利用して、分野と分野関連性指標を特定し、対応する分野変数を当該分野関連船指標でアップデートし、分野変数が所定の閾値より高いことなどの分野変数に関する条件が成立する場合には他の条件の成立を前提として当該条件を含むルールを適用して、話題を提示するよう構成されてもよい。
上記の変数と指標の関係は、各対話文などの指標を変数に加算し、変数が所定の閾値よりも高い場合に条件が成立するよう構成されてもよいし、減算によって変数が所定の閾値よりも低い場合に条件が成立するように構成されてもよい。これらの方法に限られず、変数が指標によって更新され、更新された指標が成立できるような条件がルール内に設けられる構成であれば種々の方法であってもよい。
また、本実施例のシステムは、信頼度という指標を設けて利用してもよい。一般的に、商品等は、顧客が商品等に対して疑心や警戒心を有する場合、顧客は納得感をもって購入したり利用したりできない。これは、顧客が商品等の意義を明確に理解していない場合などが例えば挙げられる。そのために、営業担当者は、商品等の意義を顧客に説明することになる。しかしながら、商品等の意義を説明するにあたり、顧客がその説明を受け入れるような状態にあることが好ましい。すなわち、顧客が営業担当者に対して不信感を持っているような状態では、仮に適切な説明がなされたとしても、顧客が理解できるとは限らない。そこで、顧客の状況を推し測りつつ、適切な話題を選択して、説明を進めることが重要となる。
そこで、本実施例のシステムは、顧客の信頼度の指標を設け、当該指標の上昇に応じて、適用されるルール、提案される話題も異なるように構成されてもよい。
例えば、図19は、各分野に関連する対話例であるが、その内容は心理的な状況を示す言葉が入っている。例えば、「オムツ代もかかります。」という表現は、具体的な費用の対象を説明するものであり、顧客が、営業担当者に対して、一定の信頼をしていることの表れと考えられる。
他にも、水道代、美容院、ジムなどの金額を、具体的に述べることや、自動車に関して車を所有するのではなく、カーシェアリングやレンタカーを利用するという事実、駐車場代が結構かかるという発言なども、顧客が営業担当者に対して一定の信頼をしていることの表れの発言である。
他の、教育、住宅、葬儀、結婚などにおいても、同様に、金銭に関する話題、あるいは社会上、親しい人にしか話さないような内容が発言された場合は、顧客が営業担当者に対して一定の信頼を得ていることの表れと言える。ここで、増加すべき信頼度として、図19のリストにおいて、各対話例に、同一の数値を割り当ててもよいが、異なる数値を割り当ててもよい。例えば、これらの学習すべき対話例において、予め、人間からみて信頼度が高いと感じられるような対話例に対して、他の対話例よりも高い信頼度を与えてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、上述と同様に、図19のような対話例と、信頼度と、の関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを用いることができる。具体的には、ディープラーニングの技術を利用することにより、対話文と、話題及び信頼度との関係を人工知能技術としてのディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させることができる。当該学習されたニューラルネットワークでは、取得された顧客の発言が、図19のような対話文そのものでないとしても、類似の対話文を得た時に、話題を認識しつつ、対応する信頼度を上昇させるよう構成できる。なお、ここでは、各対話に対する話題も含めて、信頼度を上昇させている。これは、上記の顧客の発言に対して、話題の情報も含めて取得するためである。この時、複数の話題に対して一つの信頼度の指標を増加させるよう構成してもよいし、各話題に対する信頼度を設けて信頼度の指標を増加させるよう構成されてもよい。
また、上記では、各分野に関連するような対話例を示したが、これ以外にも、例えば、肯定を示す用語を対象としてもよい。具体的には、図20のような対話例である。これらに関しても、上述と同じように、本実施例のシステムは、図20のような対話例と、信頼度と、の関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを用いることができる。具体的には、ディープラーニングの技術を利用することにより、対話文と信頼度との関係を人工知能技術としてのディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させることができる。当該学習されたニューラルネットワークでは、取得された顧客の発言が、図20のような対話文そのものでないとしても、類似の対話文を得た時に、関連する信頼度を上昇できるように構成できる。なお、この場合においても、信頼度の数値は、単一であってもよいし、対話例の内容に応じて、異なる信頼度の数値であってもよい。
上述の図18乃至図20に関して、分野関連性の指標と、信頼度の指標を提示したものが、図21である。上述のニューラルネットワークにより、顧客の発言との類似性から、各分野との関連性及び/又は信頼度の数値を取得することができるように構成されている。なお、図21においては、生活(夢)と生活(自己開示)は、分野関連性指標が異なるように設定されている。これは、生活(夢)の方が、生活(自己開示)よりもより具体的に関連性について述べていると考えられていることから、当該分野に関する関心が高いものと設定された例である。自己開示のような対話例の方が、より具体的に本心を述べていると考え、より分野の関連性が高いと考えることもでき、このような場合には、自己開示の場合における分野における関連性指標は、夢を述べているものの関連性指標よりも高いように設定されてもよい。また、図21において、話者として営業担当者と顧客に分けて記載している。これは、発話者が、営業担当者である場合は顧客の情報を集めることにならないため0と記載しているものであるが、営業担当者が顧客の情報を代弁していると思われる例など状況によっては営業担当者の発言に対しても分野関連性の指標に一定の数値を設定してもよい。
信頼度に関しては、図18及び図19に関連する箇所は一律に1と設定し、図20に関連する箇所は、一律に2と設定したが、これらも、各対話例に応じた具体的な数値を設定してもよい。また、図21においては、図20に関連する「肯定」が図18又は図19の1よりも高い数値の2としているが、同じ数値としてもよいし、低い数値としてもよい。
なお、上述において、発話が顧客によりされたのか、営業担当者によりされたのかのどちらが発話をしたのかを認識する必要がある。これは、例えば、話者分離の技術を利用することができる。話者分離の方法としては、種々の方法がある。例えば、複数のマイクを話者と営業担当者の間に設置する。複数のマイクの位置によって、話者と営業担当者の声の届く速度が異なることから、届く速度の違いによって、顧客と営業担当者のどちらが発話をしているかを判定することが可能となる。
また、話者分離の他の技術としては、顧客と営業担当者の声紋を用いる方法がある。これは、予め営業担当者の声紋を登録しておき、面談中、登録された営業担当者以外の声を顧客として認定する方法である。本実施例のシステムは、例えば、これらの技術を適宜採用することができる。
信頼度は、上述の発話以外に、顧客の行動であったり、表情であったりしてもよい。例えば、図22は、顧客が取りうる種々の行動であり、これらに対して、信頼度の指標が与えられており、顧客の行動に応じて、信頼度の数値を変更するよう構成されてもよい。図22における信頼度の数値は一例であり、他の数値もありうる。また、数値も例えば、その他の「食事に誘う」や「おみやげを出す」など顧客が営業担当者に対して友人のようにふるまう状況になった場合は、信頼度としてより高い数値を設定してもよい。
ここで表情は、顧客の面談時における表情を撮像し、当該撮像された画像を画像分析することにより、表情の分析をするよう構成されてもよい。ここで、画像に対する表情の分析は、画像に対するパターンマッチングで行ってもよいし、画像と表情とを関連付けてディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを用いてもよい。すなわち、本実施例のシステムは、撮像された顧客の顔面の画像に対して、予め表情に分類されたルールをパターンマッチングにより適用して表情を判定するよう構成されてもよいし、画像と表情とを関連付けてディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを用いて表情を判定するよう構成されてもよい。
各話題に対して、信頼度を踏まえたルールは種々ありうるが、例えば、図23は、信頼度も条件の一つして組み込まれた例である。例えば、一軒家とマンション(ID8)や、子供のいる家庭で興味を引きそうな塾・習い事の費用(ID16)、人気のある習い事(ID17)などは、信頼度が低い状態で雑談として説明できる話題として設定されてもよい。他方で、相続時精算課税制度(ID7)や相続税の変遷(ID28)というような難解な説明は、ある程度相手方の興味が存在しかつこちらの説明を聞く心理的な状態になっていると考えられることから、高い信頼度を設定されるよう構成されてもよい。
このように本実施例のシステムは、顧客と営業担当者の面談中において、対話文と話題と信頼度との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを利用して、前記面談中の顧客の発話を入力として、当該発話に対応して前記ニューラルネットワークによって得られた信頼度数値分、信頼度に関する指標を増加させ、前記指標が所定の閾値以上となった場合に、前記話題と前記信頼度に対応する話題等を提示するよう構成されてもよい。また、当該話題が提示されるのは、前記話題が表示される画面に係る話題と一致している場合に限定されてもよい。
なお、信頼度に関する指標は、信頼の対象によって区別されるよう構成されてもよい。例えば、信頼の対象としては、営業担当者の専門性や営業担当者の人格などが挙げられる。具体例を考えると、例えば、顧客と営業担当者の会話において、例えば、営業担当者による保険などに関する専門的な説明の後に、顧客の信頼度が高く設定されている発話や行動などの回答をしたとする。この場合、顧客の信頼の対象は、営業担当者による専門的な説明、すなわち、営業担当者の専門性にあると考えられることから、専門性に対して信頼度が増加するようにする。他方、顧客と営業担当者の会話において、例えば、営業担当者が雑談的な話をした直後に顧客が信頼度が高く設定されている発話や行動などの回答をしたとする。この場合、顧客の信頼の対象は、営業担当者の雑談的な説明、これは、営業担当者の人格にあると考えられることから、営業担当者の人格に対して信頼度が増加するようにする。このような情報を収集できた場合、かかる信頼の対象に合わせて、話題を提供することができる。例えば、専門性に対する信頼が人格に対する信頼度よりも高い場合には、専門的な話題又は質問がより提供されるようなルールが適用されるよう構成されてよい。
この場合、本実施例のシステムは、顧客のみならず、営業担当者の会話内容や、営業担当者の会話に対する回答までの時間や内容も対象となりえる。
すなわち、本実施例のシステムは、営業担当者の専門性や人格などの複数の信頼度と、営業担当者の発話と専門性や人格のような複数の信頼度の対象との関係及び対話例と信頼度数値との関係をディープラーニングにより学習させたニューラルネットワークと、を備え、営業担当者と顧客の会話から、前記営業担当者に係る複数の信頼度の一の前記信頼度の対象に対して前記信頼度数値を加算するよう構成されてもよい。このように信頼度の対象を細かく分析することで、当該信頼度の高い専門性や人格などの利点を生かした話題を提供できる。
また、顧客と営業担当者の面談中、顧客は、商品等の購入や友人の紹介等に関する判断の迷いを示すことがある。この判断の迷いは、顧客の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさなどの顧客の行動に表れることがある。しぐさとしては、腕の動き、足の動き、姿勢などが挙げられる。この迷いを示す例としては、例えば、発言としては、「この商品を買おうか迷ってしまうなぁ。」、「この商品を買った方がよいのかなぁ。」などが挙げられ、表情は、考え中や迷っている顔つきであることなどが挙げられ、脈拍も高いことなどが挙げられる。
そして、上述の迷いを示す行動は、種々の方法により具体的なデータとして収集することができる。例えば、一般人に対するアンケートや実験などにより、保険関連商品等で迷っている状態と迷っていない状態において、発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさの一部又は全部を、データとして集める。ここで、具体的な発言、口調は音として記憶しデータにすることができるし、表情、脈拍は、その動画を記録し、データにすることができる。しぐさも、同様に、動画を記録し、データにすることができる。そして、人の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさと、人が実際に迷っていたのか迷っていないのか、との関係をディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させることができる。そして、面談中における顧客の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさなどの行動をデータ化し、学習された当該ニューラルネットワークを適用することで、面談中における顧客の行動時点において、顧客が迷っているかどうかを判定することができる。
なお、学習段階において、より具体的な保険の面談における人の行動の情報を収集するために、上記の迷いを示す行動に係るデータは、保険の面談を模擬的に行ってデータを集めてもよい。例えば、面談の最初の状態、中盤の段階、判断が求められるような状態に至るという面談の過程における人の行動の一部又は全てを含めたデータを用いてもよい。また、実際の面談において利用するデータも、面談の最初の状態から判断が求められるような状態に至るという面談の過程における顧客の行動の一部又は全てを含めたデータを用いてもよい。
また、上記のディープラーニングの学習又は適用にあたり、学習データ又は適用されるデータの一部は、段階的なディープラーニングによってニューラルネットワークを学習させてもよいし、可能性が増えすぎることなどによりうまく学習できない場合は、その一部をパターンマッチングなどの人工知能技術を用いることにより可能性を縮小させる技術を適用させて学習できるよう事前処理を行ってから、ディープラーニングによる学習をさせてもよい。
そして、その判定結果に関し、システムが音を出す又は表示するなど面談中に提示することで、営業担当者は顧客の迷いを認識できるため、「積極的にご検討下さい。」や「ご友人をご紹介ください。」などと積極的に説得したり次のステップに進めたりすることが可能となる。ここで、当該迷いの判定結果は、顧客が理解する必要はないため、迷っていることを明確に示す内容を提示しなくてもよく、営業担当者が分かるようなサインで提示するものでもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、顧客の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさの一部又は全部を含む顧客との面談中に得ることができる情報と顧客が迷っているかどうかを含む面談中の顧客の状態を推測する情報との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークと、顧客が迷っているかどうかを含む顧客の状態を推測する情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と迷いを示すサインを含む営業目的に応じた話題又は質問とを関連付けたルールと、を備え、取得された第1顧客の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさの一部又は全部に対して前記ニューラルネットワークを適用して顧客が迷っているかどうかを示す情報を取得し、当該情報に対して前記ルールを適用し、ルールの条件が満たされれば迷いを示すサインを提示するよう構成されていてもよい。ここで、前記ルールは、上述と同様に、顧客の情報、表示画面に表示された情報に係る情報、顧客の興味のある話題、信頼度、営業指標などの顧客との面談中に得ることができる情報の一部又は全部を条件とするよう構成されてもよい。また、ルールに対応する話題又は質問は、これらの条件に対応して、営業目的に応じた話題又は質問を提供できるよう構成されていてよい。本実施例のシステムは、上述のとおり、顧客の発言、口調、表情、脈拍、又はしぐさの一部を情報として利用してもよいが、より多くの情報を利用することにより、より多面的に顧客の状態を分析することができる利点がある。また、本実施例のシステムが顧客の迷いを提示できることにより、営業担当者が顧客の迷いを認識できる可能性が高まり、より自信を持って顧客を説得できる。
以上のとおり、本実施例のシステムは、顧客との面談中に得ることができる情報と面談中の顧客の状態を推測する情報との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークと、面談中の顧客の状態を推測する情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と営業目的に応じた話題又は質問とを関連付けたルールと、を備え、第1顧客との面談中に得ることができる情報から、前記ニューラルネットワークを利用して、面談中の顧客の状態を推測する情報を取得し、前記推測する情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対して、前記ルールを利用して、話題又は質問を提示するように構成されてもよい。ここで、前記ルールは、上述と同様に、顧客の情報、表示画面に表示された情報に係る情報、顧客の興味のある話題、信頼度、営業指標、迷いなどの顧客との面談中に得ることができる情報の一部又は全部を条件とするよう構成されてもよい。また、ルールに対応する話題又は質問は、これらの条件に対応して、営業目的に応じた話題又は質問を提供できるよう構成されていてよい。
本実施例のシステムに係る流れの一例を、図30に示す。まず、第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得する(3001)。次に、前記情報を、顧客との面談中に得ることができる情報と面談中の顧客の状態を推定しうる情報との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークに適用する(3002)。面談中の顧客の状態を推定しうる情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と営業目的に応じた話題又は質問とを関連付けたルールに適用する(3003)。そして、前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対応する営業目的に応じた話題又は質問を、前記面談中に前記第1顧客に対して提示する(3004)。
以上、上述の実施例においては、人工知能技術は、ルールを適用するための条件を特定するためのものとして利用しているが、ルールそのものをディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを用いてもよい。この場合、2段階のニューラルネットワークを用いる形式であってもよいし、一段階のニューラルネットワークを用いる形式であってもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、顧客との面談中に得ることができる情報と面談中の顧客の状態を推定しうる情報との関係をディープラーニングにより学習された第1ニューラルネットワークと、面談中の顧客の状態を推定しうる情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と話題又は質問との関係をディープラーニングにより学習された第2ニューラルネットワークと、を備え、第1顧客との面談中に得ることができる情報から、前記第1ニューラルネットワークを利用して、面談中の顧客の状態を推定しうる情報を取得し、前記推定しうる情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対して、前記第2ニューラルネットワークを利用して、営業目的に応じた話題又は質問を提示するように構成されてもよい。ここで、第2ニューラルネットワークにおける学習は、成績優秀者における面談の進め方の例などを用いて、学習される。当該システムは、後述のとおり、ルールに関して成績優秀者の進め方に基づいたものであるため、より適切なルールに基づいて、面談を進めることができる利点がある。
また、本実施例のシステムは、顧客との面談中に得ることができる情報と営業目的に応じた話題又は質問との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークと、を備え、第1顧客との面談中に得ることができる情報から、前記ニューラルネットワークを利用して、前記第1顧客に対する営業目的に応じた話題又は質問を提示するように構成されてもよい。ここで、ニューラルネットワークは、成績優秀者の面談の進め方及び/又は良い成果を収めた面談を利用して、学習されるものとする。この場合、より成績優秀者又は良い成果を収めた面談に基づくものであるため、より適切に営業目的に応じた話題又は質問を提供できる利点がある。
次に、ストーリーに従って、具体例を説明する。例えば、顧客と営業担当者の間の会話として、顧客による「二人目の子供が生まれた」という発言に対し、本実施例のシステムは、対話文と話題との関係をディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを利用することで、子供の話題であることが判定できる。ここで、子供に関連する話題として、「保育園の入園」「医療費控除」「部屋の間取り」などの話題がありうる。そのため、本実施例のシステムは、保育園の入園、医療費控除、部屋の間取りなどの話題と子供とを関連付けられているルールを備え、顧客の「二人目の子供が生まれた」との発言に基づいて子供の話題であると判定した結果、上記ルールを適用して、これらの「保育園の入園」「医療費控除」「部屋の間取り」の話題が提示されるように構成される。
また、子供の教育に関する考えを顧客に聞いたところ、顧客が「2人とも大学までは出してやりたいと考えている。周りの親は中学校から私立に入れたいという人もいる。」と発言したとする。本実施例のシステムにおける、対話文と前記対話文に含まれる話題との関係をディープラーニングによりニューラルネットワークに学習された機能を利用することで、上記発言に対して、最終学歴が大学であり、かつ、中学校から私立、ということが判定できる。そして、本実施例のシステムは、話題等として、子供が中学校から大学まで私立に通った場合の教育費を提示できるよう構成されてもよい。この時、私立が提示されているところ、私立と公立は相対するものであるから、中学校から大学まで私立の場合の教育費と、中学校から大学まで公立の場合の教育費の両方の資料を提示するよう構成されてもよい。さらに、教育費に関しても、合計の教育費及び/又は各年別の教育費の資料が提示されるように構成されてもよい。
このような教育費の提示に対して、例えば、顧客から「そんなにかかるんですね。」との回答があったとする。当該発言には、何らかの話題となるようなものはない。しかし、現在の教育の中でも特に教育費に関する話題において、「そんなに」という程度が激しいことを示す表現が使われているため、教育費を含めた教育に関するより深い話題を提供することが望ましいと思われる。そこで、本実施例のシステムは、対話と複数の階層の話題とを関連付けてディープラーニングにより学習させたニューラルネットワークを用いて、顧客と営業担当者の発話から、複数の階層の中の話題における特定の話題を優先できるよう構成されてもよい。
営業担当者が顧客宅等に訪問した直後は、一般的な雑談から始まることがある。この時、例えば、顧客から「家族で旅行などにも行きたいのですが、なかなかお金が貯まらない」という発言がされた場合、本実施例のシステムは、対話文と前記対話文に含まれる話題との関係を人工知能技術としてのディープラーニングによりニューラルネットワークに学習させる機能を適用することで、お金の話題であることが判定できる。お金に関する話題は多数あるとしても、顧客の発言は訪問直後であり信頼度は低いと考えられる。そのため、信頼度の低い状態であっても話題とできるような例えば、ふるさと納税の仕組みというような信頼度が低い状態でも話すことが可能とされる話題を提供するよう構成されてもよい。
また、このような話題が提示されていることに対して、営業担当者が、「ふるさと納税はされておりますか?」というような問いかけをしたところ、例えば、顧客が「やり方がよくわからなくて」との回答や、「是非聞きたいですね」というような回答があるときには、このような「わからない」や「聞きたい」という意図として、信頼度を向上させるよう構成してもよい。
また、人工知能技術として、ニューラルネットワーク以外の他の人工知能技術を用いてもよい。例えば、顧客と営業担当者との会話を自然言語処理を用いて話題を特定してもよい。これは、保険営業目的に合わせたキーワードをテーブルとして有しておき、そのテーブルを適用した場合に、その話題であると特定するような構成が考えられる。テーブルとしては、例えば、教育の分野に関しては、教育という用語自体以外に、その教育分野の下位概念に含まれると考えられる、私立、公立、小学校、中学校、大学などの用語がキーワードとして登録されている。顧客と営業担当者との会話において、これらのキーワードが、パターンマッチングにより、特定された場合には、これらの話題が関連するとして、必要に応じて当該話題に関する指標を加算させ、上述のように、営業目的に応じた話題又は質問を特定するためのルールが適用されるよう構成されてもよい。
また、顧客の会話以外の他の行動に関しても、上述した通り表情に関してパターンマッチングを適用して表情を分析し、現在の顧客の状態を推測する情報を生成してもよいし、顧客の他の行動に関しても、これらを撮像し、撮像された顧客の行動に対してパターンマッチングを適用し、顧客の状態を推測する情報を生成してもよい。
すなわち、例えば、本実施例のシステムは、面談中の第1顧客の発話、表情、態度などの行動の情報を取得する取得部と、行動の情報と、話題及び/又は信頼度との関連付けを含むルールとを備え、顧客の面談中の状況を推測する情報は、前記第1顧客に係る行動の情報に対して前記ルールを適用することで生成するよう構成されてもよい。
前記第1顧客の面談中の状況を推測する情報としては、顧客が信頼、親しみ、好奇心など肯定的な感情や、怒り、不快など否定的な情報などが挙げられる。そこで、本実施例のシステムは、例えば、前記肯定的な感情を示している場合は、信頼度を増加させるよう構成し、他方、否定的な感情を示している場合には、信頼度を低下させるよう構成されてもよい。
また、前記第1顧客の面談中の状況を推測する情報は、上述したとおり、節約志向、優柔不断、こだわりなどの顧客の性格を推測する情報であってもよい。すなわち、顧客との会話における発話から、各性格を推測する情報を取得することが考えられる。顧客の性格を推測する情報としては、例えば、節約志向を推測させる言葉としては「できれば節約したい」、「一円でも安いものを買っている」などが挙げられ、優柔不断を推測させる言葉としては「どうしようかな。」、「まよってしまう」などが挙げられ、こだわりを推測させる言葉としては「具体的にその内容を教えてほしい」などが挙げられる。
そこで、本実施例のシステムは、これらの対話例と顧客の推定される性格との関連性をディープラーニングで学習されたニューラルネットワークと、前記顧客の推測される性格と営業目的に応じた話題又は質問との関連付けを含むルールとを備え、第1顧客との面談中に得ることができる顧客の発話から、前記ニューラルネットワークを適用して、顧客の推定される性格を生成し、前記性格に対して前記ルールを適用して、前記第1顧客に対して提示するための話題又は質問を生成するよう構成されてもよい。
また、上記顧客の推定される性格は、指標を用いて表現されてもよい。すなわち、あらかじめ顧客の性格情報として、顧客ごとに、例えば、節約志向、優柔不断、こだわりという特徴を数値で表現できるよう構成され、面談中の顧客の発話に基づいて、これらの性格を示す数値が更新され、それらの情報に合致した話題が提供されるよう構成されてもよい。
4.5.2.実施例5.2
次の実施例は、人工知能技術により作成されたルールを用いる例である。例えば、商品等は、顧客と営業担当者とのやりとりの結果、商品等が販売される。そこで、商品等の販売の成績優秀者における顧客と営業担当者とのやりとりの様々な情報、例えば、会話、話題の進め方、時間、顧客の状況、営業担当者の対応など、本実施例で述べた様々な顧客と営業担当者とのやりとりに関する情報の一部又は全ての情報と商品等の販売ができたかどうかの関係を、ディープラーニングによりニューラルネットワークを学習させることができる。そして当該ニューラルネットワークを用いて、従前にないルールを作成することができる
すなわち、本実施例のシステムは、成績が優秀な営業担当者と顧客との面談時及び面談後に得られる情報とルールの関係を、ディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを備え、他の成績が優秀な営業担当者と顧客との面談時及び面談後に得られる情報を、前記ニューラルネットワークに適用することで、ルールを生成する構成を備える。本実施例のシステムは、更に、当該本実施例のシステムが生成したルールに対して、第1顧客との面談中に得ることができる情報を適用して、前記第1顧客に対する話題又は質問を生成する生成部と、前記生成された話題又は質問を、前記第1顧客との面談中に、前記第1顧客に対して提示する提示部と、を備えてもよい。
4.6.実施例6
顧客と営業担当者の面談は、一定の時間をかけて行われることもあり、営業担当者がその全てを記憶することができない場合もある。そこで、本実施例のシステムは、営業担当者と顧客の面談を記録し、その記録内容の一部又は全部を閲覧できる機能を有する。また、本実施例のシステムは、記録内容を一定のルールに基づいて処理し、閲覧できる機能を有する。
4.6.1.実施例6.1
本実施例のシステムは、面談中の情報を記録し、その内容が整理されて提示できるように構成されている。これにより、営業担当者は、整理された面談の内容を簡潔に理解し、その面談の反省を行いやすくなる。
記録された面談中の情報としては、例えば、システムの操作に関する情報と、システムの操作に関する時間である。システムの操作に関する情報としては、例えば、入力された情報、表示されている場面、アイコンの選択、アイコンの移動、提示した資料などの情報が挙げられる。また、これらのシステムの操作に関する時間は、時刻であってもよいし、面談の開始からの経過時間であってもよい。時刻であれば、各操作された時刻から、面談の開始時刻を減算することにより、各操作が面談開始からどの程度の時間で行われたのかを算出することができる。
また、記録された面談中の情報として、顧客と営業担当者の間の会話から、上述のとおり、人工知能技術を用いて、話題を特定してもよい。この場合、本実施例のシステムは、対話と話題とを関連付けてディープラーニングに学習させたニューラルネットワークを用いて、面談中の会話から当該時間帯における話題を特定し、記録するよう構成されてもよい。
本実施例のシステムは、記録された面談中の情報から、各情報が関連する分野を特定する。これは、入力された情報に対してはその入力された情報が属する場面に係る分野であり、表示されている場面に対しては表示されている場面に係る分野であり、移動されたアイコンに対してはそのアイコンに係る分野であり、提示した資料に対しては当該資料に係る分野などが特定される。
例えば、図4又は5で示された各場面においては、それぞれで入力され、提示されている場面に対応して、自己紹介/会社説明(406)、家系図登録(408)、生命保険検討のポイント(504)のような分野が特定される。図6及び図7であれば、家系図登録の分野として特定される。
図8では種々のことが可能であるが、例えば、その中で、各アイコンが用いられるとそのアイコンに係る分野が特定される。図10であれば、教育の分野が特定される。
また、その他、図16や図17の画面名の列に記載されているとおり、ライフイベントの中の結婚、出産、住宅購入、リフォーム、退職、車、教育、遺産相続、お客様の想い、などの分野が特定されることもあれば、生命保険検討のポイントのような分野として特定されてもよい。これらの分野は、階層上、上位の階層もあれば、下位の階層もあるところ、これらは同一の階層の分野のみが特定されるようにされてもよいし、上下の異なる階層の中から分野が特定されてもよい。要するに、営業担当者が後から面談を振り返った時に、理解し得るような一定の分野を特定できればよい。そして、各分野に対して、時系列上に、その経過時間を算出する。
図26は、振り返りの分野の一例である。図26における分野(2601)は、トップ画面、私たちの役割、人生のリスクと社会保障のほか、ご家族の情報については、家族を追加と、家族の情報を編集とを分類して記載している。また、時間(2602)は、水平上に右方向に行くほど時間の経過を示すような時系列上に示されている。すなわち、本実施例のシステムは、記録された面談中の情報を使用して、面談時に扱った分野と前記分野に費やした時間を特定し、前記分野と時間を表示するような構成を備えてもよい。また、前記システムは、前記分野と、面談中の時間経過を示す時系列と、に対応する位置にマークを提示するよう構成されてもよい。例えば、前記システムは、前記分野を垂直線上に列挙し、時系列を水平線上に設置し、前記分野と前記時系列上の対応する時間の場所に、マークを提示するよう構成されてもよい。マークは、当該経過時間に、当該分野が特定できる態様であればどのようなものであってもよい。より具体的に特定すれば、営業担当者は後から具体的な議論の中身を特定できる利点がある。他方、あまりに細かく分野が特定されると、各分野が議論される時間は短い可能性があるため、全体としての構成が分かりづらくなる可能性もある。そこで、項目の階層レベルを変更できるような構成とされてもよい。例えば、大項目において20分という経過時間が記載されている場合、その中身が不明であるため、階層をより具体的にする操作をすることにより、例えば、その下層の分野が提示され、20分の内訳が提示されることとなる。逆に、各分野の対応時間が、30秒毎など細かい分野が羅列している場合には、複数の階層をまとめて上層化するよう変更することで、例えば、各分野が3分程度の経過時間でまとまるように変更するための機能を備えてもよい。すなわち、本実施例のシステムは、複数の階層の分野において、分野の階層を変更する機能を有してもよい。当該機能は、入力からの指示に応じて、変更する機能であってもよい。
図27は、面談で扱った分野を時系列上に表示した他の例である。このように、本実施例のシステムは、垂直線上に時系列上に、面談時に扱われた分野を提示するよう構成されてもよい。情報処理装置は、下方向にスクロールすることができるため、この場合、分野は、大項目と小項目を提示して、それぞれの時間を提示するよう構成してもよい。例えば、生命保険のポイント(2701)においては、「生命保険検討のポイント」の大項目において、「老齢年金」「老齢年金開始要件・年齢・計算方法」「年金記録や年金見込額の確認方法」という小項目を提示し、これらに対する経過時間も提示している。
この場合、小項目にする方向と、経過時間の方向が、下方として一致しているため、小項目にしたとしても、スクロールにより、同一時間帯の内容が分かりすく表示される利点がある。
また、上述の図25及び/又は図26の実施例のシステムにおいて、具体的に使用した資料も提示できるように構成されてもよい。これにより、参照した資料も思い出すことができる利点がある。
営業担当者は、本実施例のシステムを用いることにより、各話題の順番、各話題に割り振った時間に関して反省し、次回に生かすことができる利点がある。また、参照された資料は適切であったかどうかも反省し、次回に生かすことができる利点がある。
さらに、上述の図25及び/又は図26の実施例のシステムにおいて、営業成績の優秀者における話題とその割り振られた時間も重ねて表示されるよう構成されてもよい。面談は、顧客と営業担当者の関係によって様々な進め方があるため、営業成績が優秀な営業担当者の進め方が常に正解であるとは限られないものの、営業担当者が、自らの進め方に関して反省する材料にはなると考えられるためである。
すなわち、本実施例のシステムは、第1の営業担当者の話題とその時間経過と、第2の営業担当者の話題とその時間経過を、対応関係を維持して、提示できる構成としてもよい。対応関係の維持とは、例えば、第1と第2の営業担当者の時間経過の提示を共通化させて、第1の営業担当者と第2の営業担当者の話題を区別して提示してもよいし、第1と第2の営業担当者の話題を共通化させて、第1と第2の営業担当者の時間を区別して提示させる態様であってもよい。
また、話題とその時間経過(以下、「営業履歴」という。)については、第1の営業担当者が自己であるとすると、第2の営業担当者の営業履歴としては、営業成績が優秀な複数の営業担当者の平均的な営業担当者の営業履歴を用いてもよいし、第1の営業担当者が利用した話題と共通する話題を有する営業履歴の中で営業成績が優秀な営業担当者のものであってもよいし、営業成績が優秀な営業担当者の中で第1の営業担当者が利用した話題と共通する営業履歴のものを用いてもよい。
4.6.2.実施例6.2
面談中は、営業担当者は、面談に集中していることから、その間の約束事などを忘れてしまうことがある。そこで、本実施例のシステムは、面談の記録の一つとして、面談における約束事を記録されるよう構成されている。約束事は、営業担当者が、面談中などのシステムに入力してもよいが、人工知能技術の支援を受ける形式であってもよい。例えば、本実施例のシステムは、資料の持参や保険設計書の作成と持参などのような約束を示す対話と約束内容とを関連付けてディープラーニングにより学習させたニューラルネットワークを用いて、面談中に顧客と営業担当者との間の会話を用いて、面談時の約束事を記録するよう構成されてもよい。
当該約束事は、システムにおいて、整理されて提示されるよう構成することもできる。例えば、図28において、「今後実施すること」(2801)として、約束事を提示するよう構成されてもよい。
4.6.3.実施例6.3
面談中には、上述のとおり、家族構成に加えて、種々の情報が記録される。そのため、これらの情報を、適宜参照できるように構成されてもよい。これにより、営業担当者は、前回の訪問から時間が経過した場合であっても、当該面談に関して、思い出すことができ、前回の訪問から時間が経過した後の訪問であっても、顧客の情報を前提として面談を行うことが可能である。また、場合によっては担当者が変更した場合も、前回の担当者による面談の情報が記憶されていることから、当該情報を用いて、新たな営業担当者が、顧客に対して面談をすることができる。この場合、顧客は、前回の営業担当者に対して話したことを、再度新たな営業担当者に対して話す必要がなく、顧客のストレスが低減される利点がある。
さらに、面談における顧客の内容は、他の商品等のマーケティング資料ともなる。すなわち、顧客が5年後に家を購入予定であるとすれば、家の購入に伴う保険を勧める機会も得られるし、翌年結婚予定であれば、その時期に新たに配偶者も含めて訪問することで、新たな営業を行う機会がある。
4.7.実施例7
ここでは、保険営業以外の営業を目的とした実施例を述べる。以下でいくつかの事例を挙げるが、顧客の深層ニーズを的確に探り出し、タイミングよく適切な話題を提供する必要のある営業においては、当該営業の種類に応じた適切なルールやニューラルネットワークを用いることで、当該営業を目的としたシステムを構成することができる。
4.7.1.実施例7.1
銀行では、顧客の家族構成、収入、支出、債務、結婚予定や、住宅事情、旅行などの状況に応じて、適切な金融商品やサービスを提供することが可能である。そこで、本実施例のシステムを、銀行における商品又はサービスの提供を目的として、顧客との面談中に得ることができる情報を用いて、営業目的に応じた話題又は質問を提示できるよう構成されてもよい。この場合、各ルールに基づく話題等は、銀行における営業目的である例えば金融商品の提供などに適したものに変更されるが、面談中の顧客を分析するための情報として、顧客の情報、家族情報、職業、年収、性格としての節約志向、優柔不断、こだわりなどに応じた話題等の提供は同様に適用可能である。
また、銀行や投資機関などが提供する投資関連商品やサービスにおいても、同様に、本実施例のシステムが提供されるよう構成されてもよい。投資関連商品の場合は、顧客の性格により合致した商品が提供されることがより好ましい。そのため、例えば、顧客の性格の一つとしての顧客の投資に対する性質の傾向として、積極的であるか、普通であるか、保守的であるかなどの顧客の性向に関し、対話例とこれらの性質の傾向とを関連付けてディープラーニングにより学習されたニューラルネットワークを備えるよう構成されてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、顧客との面談中に得ることができる情報と面談中の顧客の状態を推定しうる情報との関係をディープラーニングにより学習された第1ニューラルネットワークと、面談中の顧客の状態を推定しうる情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と話題又は質問との関係を関連付けたルール又はディープラーニングにより学習された第2ニューラルネットワークと、を備え、第1顧客との面談中に得ることができる情報から、前記第1ニューラルネットワークを利用して、顧客の性質の傾向を推定しうる情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得し、前記推定しうる情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対して、前記第2ニューラルネットワーク又はルールを利用して、話題又は質問を提示するように構成されてもよい。
4.7.2.実施例7.2
また、その他の営業の例として、マンションや一軒家などの提供や賃貸物件の提供などの不動産に関する営業が挙げられる。不動産関連の営業においては、顧客の家族構成、職業、年収などのほか、顧客の趣味や不動産に関する好み、特に気にするところ等が挙げられる。顧客の家族構成は、家の大きさ、学校や保育園の近さの好みに影響する。顧客の勤務先は、立地の好みに影響し、顧客の年収は不動産の価格の妥当性に影響する。また、顧客の不動産に関するその他の好みとして、駅からの近さ、日当たりの程度、マンションの階数等が挙げられる。また、顧客の性格の一つとして、健康志向が挙げられてもよい。この場合、家と駅との近さ、近隣の広場や公園との近さ、パーキングの有無などとの関連性がありうる。そこで、これらの要素を踏まえた本実施例のシステムが構成されてもよい。
すなわち、本実施例のシステムは、顧客との面談中に得ることができる情報と面談中の顧客の状態を推定しうる情報との関係をディープラーニングにより学習された第1ニューラルネットワークと、面談中の顧客の状態を推定しうる情報を含む顧客との面談中に得ることができる情報と話題又は質問との関係を関連付けたルール又はディープラーニングにより学習された第2ニューラルネットワークと、を備え、第1顧客との面談中に得ることができる情報から、前記第1ニューラルネットワークを利用して、顧客の性質の傾向を推定しうる情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報を取得し、前記推定しうる情報を含む前記第1顧客との面談中に得ることができる情報に対して、前記第2ニューラルネットワーク又はルールを利用して、話題又は質問を提示するように構成されてもよい。
本願明細書の実施例において述べた発明例は、本願明細書で説明されたものに限らず、その技術的思想の範囲内で、種々の例に適用できることはいうまでもない。例えば、本願明細書の実施例において、情報処理装置の画面に提示される情報は、他の情報処理装置における画面で表示できるために前記他の情報処理装置に対して送信できるよう、各実施例のシステムが構成されてもよい。また、サーバ側の情報処理装置において使用される情報が、顧客にして使用されている端末の情報処理装置から送信されるよう構成されてもよい。例えば、サーバ側において記憶されて適用されるルールのため、当該ルールの条件に対応する情報が、端末からサーバに対して送信されるよう、各実施例のシステムが構成されてもよい。
また、本願明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものである。また、本願明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。