JP2023050631A - 寝具の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寝具の品質を保ちつつ、寝具を圧縮することができる寝具の製造方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る寝具の製造方法は、羽毛布団1と、羽毛布団1を収容可能な収容空間を形成すると共に、収容空間の内部及び外部に空気を導通可能な開口11bを有する袋10と、羽毛布団1を圧縮する圧縮機20と、を準備する工程と、袋10の収容空間に羽毛布団1を収容する工程と、開口11bが空気を導通可能な状態で、羽毛布団1が所定の厚さH1になるまで圧縮機20が羽毛布団1を圧縮する工程と、羽毛布団1が圧縮された状態で開口11bを熱溶着することにより袋10を密封する工程と、を備え、所定の厚さH1は、羽毛布団1を袋10から取り出したときに、未圧縮の羽毛布団1の厚さになるまで羽毛布団1を復元可能な厚さとされている。【選択図】図6

Description

本開示は、寝具の製造方法に関する。
特開2006-76607号公報には、羽毛布団の半圧縮格納方法が記載されている。この半圧縮格納方法では、布団と、布団を収納するための収納袋と、可撓性を有する拘束袋と、が用いられる。収納袋には、長手方向一側縁に設けられた気密性のファスナと、ファスナの近傍に設けられた真空吸引用の排出口と、排出口に着脱されるキャップと、が設けられる。
布団を格納するに際し、布団を収納袋に入れた状態でファスナを閉じることにより、布団が収納袋に収納される。続いて、排出口に電気掃除機の吸引ノズルを嵌合し、吸引ノズルを介して収納袋内の空気が吸引されることにより、収納袋と共に布団が平坦状に圧縮される。続いて、排出口をキャップで閉栓することで布団を平坦状態に保持することができる。このような平坦状の布団を筒状に丸めて拘束袋に収納することにより、体積を圧縮した状態で布団が格納される。
特開2006-76607号公報
前述した羽毛布団の半圧縮格納方法では、電気掃除機を用いて収納袋内の布団を圧縮するため、電気掃除機の吸引力が許す限り布団を圧縮することとなる。したがって、布団の内容物が過度に潰されることになりうるので、布団の品質が低下する懸念がある。特に、羽毛布団等の羽毛製品では、布団の内容物たる羽毛が圧縮により傷みやすく、上記懸念が顕著となる。
本開示は、寝具の品質を保ちつつ寝具を圧縮することができる寝具の製造方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、収容部材に収容した寝具を圧縮するに際し、寝具の厚さが所定の厚さになるように調整することにより、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、寝具が所定の厚さになるまで寝具を圧縮することにより、寝具を収容部材から取り出したときに、未圧縮の寝具の厚さになるまで寝具を復元可能であることを見出した。本開示の一側面は、かかる知見に基づいてなされたものである。
本開示に係る寝具の製造方法は、寝具と、寝具を収容可能な収容空間を形成すると共に、収容空間の内部及び外部に空気を導通可能な導通部を有する収容部材と、寝具を圧縮する圧縮機と、を準備する工程と、収容部材の収容空間に寝具を収容する工程と、導通部が空気を導通可能な状態で、寝具が所定の厚さになるまで圧縮機が寝具を圧縮する工程と、寝具が圧縮された状態で導通部を熱溶着することにより収容部材を密封する工程と、を備え、所定の厚さは、寝具を収容部材から取り出したときに、未圧縮の寝具の厚さになるまで寝具を復元可能な厚さとされている。
本開示に係る寝具の製造方法では、寝具が所定の厚さになるまで圧縮機が寝具を圧縮する。これにより、寝具の体積を小さくすることができ、寝具の運搬コストを抑制することができる。また、導通部を熱溶着して収容部材を密封することにより、容易且つ確実に収容部材を密封することができる。さらに、当該所定の厚さは、寝具を収容部材から取り出したときに、未圧縮の寝具の厚さになるまで寝具を復元可能な厚さとされている。この場合、寝具を最大限まで圧縮することがないため、寝具の内容物が過度に潰れないように寝具を圧縮できる。これにより、寝具の内容物が圧縮により傷むことを抑制できる。したがって、寝具の品質を保ちつつ寝具を圧縮することができる。
収容部材は、手で収容部材を開閉することが可能な開閉部材を有してもよい。この場合、収容部材の開封後に寝具を収容部材に収容した上で、収容部材を閉塞することができる。したがって、収容部材を再利用することができる。
所定の厚さは、未圧縮の寝具の厚さの1/4以上且つ1/2以下であってもよい。仮に、未圧縮の寝具の厚さの1/4より小さい厚さまで寝具を圧縮した場合には、寝具の内容物が過度に圧縮されることにより、寝具の品質の低下を招きうる。また、未圧縮の寝具の厚さの1/2よりも大きい厚さまで寝具を圧縮した場合には、寝具が十分に圧縮されないことにより、寝具の運搬コストが増大しうる。この点で、所定の厚さを未圧縮の寝具の厚さの1/4以上且つ1/2以下とすることにより、寝具の品質を保ちつつ寝具の運搬コストの増大を抑制できる。
本開示によれば、寝具の品質を保ちつつ寝具を圧縮することができる。
(a)は、寝具の一例である羽毛布団の羽毛を模式的に示す図である。(b)は、寝具の一例である羽毛布団を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る寝具の製造方法において用いられる袋を模式的に示す斜視図である。 図3は、実施形態に係る寝具の製造方法において用いられる圧縮機を模式的に示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る寝具の製造方法の工程の例を示すフローチャートである。 (a)は、折り畳まれた羽毛布団を模式的に示す斜視図である。(b)は、羽毛布団を袋に収容した状態を模式的に示す斜視図である。 (a)は、袋に収容された羽毛布団を圧縮機に配置した状態を模式的に示す正面図である。(b)は、袋に収容された羽毛布団を圧縮した状態を模式的に示す正面図である。 (a)は、袋の導通部をチャックにより閉塞した状態を模式的に示す図である。(b)は、袋の導通部を熱溶着により密封した状態を模式的に示す図である。 図8は、袋に密封された羽毛布団を模式的に示す斜視図である。 図9は、羽毛布団の評価試験結果を示す表である。
以下では、図面を参照しながら本開示に係る寝具の製造方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
本開示に係る寝具の製造方法は、寝具を製造又は販売する過程で用いられる。「寝具」とは、使用者が身体を休めたり睡眠をとったりするときに使用者の身体が当てられるものを示している。「寝具」は、典型的には、マットレス、敷き布団、掛け布団、クッション、ベッドパッド、座布団又は枕である。寝具は、例えば、羽毛製品を含む。本開示において、「羽毛製品」は、羽毛を含む製品を示しており、例えば、羽毛がカバーの内部に充填された製品を示している。「羽毛製品」は、羽毛によって作製された製品を示しており、例えば、羽毛入り毛布、又は羽毛入りタオルケット等の羽毛寝具である。さらに、「羽毛寝具」は、例えば、羽毛布団(羽毛掛け布団及び羽毛敷き布団を含む)、羽根布団、羽根枕、羽毛クッション、羽毛座布団、羽毛マットレス、羽毛ベッドパッド及び羽毛ソファを含む。
図1(a)は、本実施形態に係る羽毛Fを模式的に示す図である。図1(b)は、羽毛Fから製造される例示的な羽毛布団1を示す斜視図である。図1(a)及び図1(b)に示されるように、本実施形態では、寝具が羽毛Fから製造される羽毛布団1である例について説明する。
羽毛布団1は、例えば、羽毛掛け布団である。平面視における羽毛布団1の形状は、例えば、長方形状である。羽毛布団1は、長方形状の表地2と、表地2の裏側に位置する裏地とを備える。表地2及び裏地の材料は、例えば、綿、ポリエステル、レーヨン又はリヨセル等であってもよく、表地2及び裏地の材料としては種々のものを用いることができる。
羽毛布団1は、表地2と裏地との間の内部空間を仕切る直縫い部3(タタキキルト)を備える。例えば、羽毛布団1は、羽毛布団1の長手方向に延びる複数の直縫い部3と、羽毛布団1の短手方向に延びる複数の直縫い部3とを備え、複数の直縫い部3同士が互いに直交している。なお、羽毛布団1は、直縫い部3に代えて、又は直縫い部3と共に、マチ部(立体キルト)を備えていてもよい。
例えば、複数の直縫い部3によって、羽毛布団1は、その内部空間の数が複数(一例として55)となるように仕切られており、仕切られた内部空間のそれぞれに羽毛Fが充填される。羽毛Fは、例えば、鳥(グース又はダック等)の綿毛であるダウン及びフェザーを含んでいる。
羽毛布団1における羽毛Fのダウンの割合は、例えば、90%以上である。しかしながら、羽毛布団1における羽毛Fのダウンの割合及びフェザーの割合は、適宜変更可能である。羽毛Fは、気温の低下に伴って空気を多く含み、気温の上昇に伴って収縮する。羽毛布団1では、膨らんだ羽毛Fの中に熱を閉じ込めることが可能となっており、高い保温性を発揮する。
続いて、図2を用いて、本実施形態に係る寝具の製造方法に用いられる袋10(収容部材)について説明する。図2は、実施形態に係る寝具の製造方法において用いられる袋10を模式的に示す斜視図である。同図に示す袋10は、例えば、真空袋である。袋10は、複数回繰り返して使用することが可能な袋であってもよいし、他の用途に転用することが可能な袋であってもよい。袋10は、羽毛布団1を収容可能な収容空間Sを形成する。収容空間Sの容積は、前述した羽毛布団1を収容可能な容積とされている。
袋10は、例えば矩形状を呈する。しかしながら、袋10の形状は、特に限定されない。袋10は、一対のシート部材11と、袋10の底部を形成する底部材12とによって形成されている。矩形状の一対のシート部材11の間に収容空間Sが形成される。一方の シート部材11の面外方向から見て、矩形状のシート部材11の4辺のうち互いに対向する2辺は、他方のシート部材11の2辺に連続している。また、当該2辺を除く残り2辺のうち一方の辺は、他方のシート部材11の一辺と底部材12を介して接続されている。また、シート部材11の当該残り2辺のうち他方の辺は、他方のシート部材11の一辺から離間している。これにより、シート部材11には、開口11b(導通部)が形成されている。開口11bは、袋10の収容空間Sの内部及び外部に空気を導通可能である。
シート部材11は、例えば、ポリエチレン及びナイロンの混合材料によって構成されている。本実施形態では、シート部材11の一部は、羽毛布団1が外部から視認できない程度に不透明に構成されている。当該不透明な部分には、例えば、パッケージデザインが施されており、羽毛布団1の製品名が付されていてもよい。一対のシート部材11の一方には、透明部11cが形成されている。透明部11cを介してシート部材11の内部は視認可能とされている。一例として、透明部11cは円形状を呈する。なお、透明部11cは設けられていなくてもよい。また、透明部11cの形状は、適宜変更可能である。
袋10は、手で袋10を開閉することが可能なチャック13(開閉部材)を有する。チャック13は、例えば、袋10の開口11bの隣接位置に設けられている。チャック13は、一対のシート部材11のそれぞれに設けられた開閉部13aによって構成されている。開閉部13aは、例えば、一対のシート部材11の一方に形成された凹部と、一対のシート部材11の他方に形成されると共に当該凹部に嵌合する凸部とを含んでいる。開閉部13aの延在方向に沿って当該凸部を当該凹部に嵌合させることにより、袋10を閉塞させることができる。また、開閉部13aの延在方向に沿って当該凹部への当該凸部の嵌合を解除することにより、袋10を開放することができる。このように、チャック13を用いて、手で袋10を自在に開閉することができる。なお、チャック13は、袋10の開口11bの隣接位置に設けられていなくてもよい。チャック13は、上述した位置とは異なる位置に設けられていてもよい。
本実施形態では、チャック13は、開口11b(図2ではシート部材11の上端)から離間した位置に設けられている。これにより、開口11bとチャック13との間には、シート部材11の熱溶着を行うための溶着代14が形成されている。例えば、袋10は、一対のシート部材11のそれぞれに設けられた一対の持ち手孔15を有する。持ち手孔15は、例えば、溶着代14が形成されている位置においてシート部材11を貫通している。持ち手孔15は、例えば、溶着代14における延在方向の中央部に設けられている。一対の持ち手孔15は、互いに重なる位置に設けられている。
袋10のシート部材11を熱溶着した状態(開口11bを塞いだ状態)において、袋10の水蒸気透過度は、一例として、2.6g/(m・d)である。このときの測定環境は、一例として、気温40℃、且つ相対湿度90%である。また、袋10のシート部材11を熱溶着した状態において、袋10の酸素透過度は、一例として、44ml/(m・d・MPa)である。このときの測定環境は、一例として、気温20℃、且つ相対湿度65%である。
続いて、図3を用いて、本実施形態に係る寝具の製造方法に用いられる圧縮機20について説明する。図3は、実施形態に係る寝具の製造方法において用いられる圧縮機20を模式的に示す斜視図である。同図に示す圧縮機20は、羽毛布団1を圧縮するための機械である。圧縮機20は、本体部21と、圧縮部22と、熱溶着部23とを有する。
本体部21は、例えば、直方体状を呈する。本体部21は、基体部31と、支柱32と、天板部33と、作業台34とを有する。基体部31は、直方体状を呈する。基体部31は、袋10に収容された羽毛布団1が載置される上面部31aを有する。一例として、上面部31aは矩形状を呈する。
例えば、本体部21は、複数の支柱32を有する。複数の支柱32のそれぞれは、例えば、基体部31の上面部31aに交差(一例として直交)すると共に、上面部31aから圧縮機20の高さ方向に延びている。本体部21は、一例として、4つの支柱32を有する。支柱32の一端は基体部31の上面部31aに接続されており、支柱32の他端は天板部33に接続されている。
圧縮機20は、例えば、一対のレール35を有する。一対のレール35のそれぞれは、4つの支柱32のうち2つの支柱32のそれぞれに設けられる。一対のレール35は、支柱32の側面において、支柱32の延在方向(圧縮機20の高さ方向)に沿って延在している。また、一対のレール35は、支柱32の側面から互いに同方向に突出している。
天板部33は、圧縮機20の上面部を構成する。例えば、天板部33の隅部は、複数の支柱32のそれぞれに支持されている。一例として、天板部33は矩形状を呈し、天板部33の四隅が複数の支柱32のそれぞれに支持されている。作業台34は、袋10の開口11b(図2参照)を熱溶着するときに用いられる台である。作業台34は、例えば、基体部31の上面部31aの一辺から、上面部31aと平行な方向に延びている。例えば、作業台34の上面部34aは、基体部31の上面部31aと面一となっている。
圧縮部22は、袋10に収容された羽毛布団1を圧縮する。圧縮部22は、例えば、袋10に収容された羽毛布団1を加圧する圧縮板41と、圧縮機20の高さ方向に伸縮自在な伸縮ロッド42とを有する。一例として、圧縮部22は5つの伸縮ロッド42を有する。各伸縮ロッド42は、圧縮板41に交差(一例として直交)すると共に、圧縮板41の四隅及び中央部から互いに同方向に延びている。伸縮ロッド42の一端は圧縮板41に接続されており、伸縮ロッド42の他端は天板部33に接続されている。
羽毛布団1の圧縮を行うときには、袋10に収容された羽毛布団1が基体部31の上面部31aに載置される。続いて、伸縮ロッド42が圧縮機20の高さ方向に伸長することにより圧縮板41が下降する。基体部31、及び下降する圧縮板41の間に袋10が挟み込まれる。圧縮板41が袋10を加圧し続けることにより、圧縮部22は袋10に収容された羽毛布団1を高さ方向に圧縮する。
圧縮機20は、袋10に収容された羽毛布団1の圧縮時の(最も圧縮した状態における)厚さを制御する制御部を備えてもよい。当該制御部は、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル、キーボード及びマウス等の入力装置を有してもよい。ユーザは、入力装置を介して予め圧縮時の厚さを制御部に入力してもよい。当該ユーザは、例えば、圧縮機20を操作して羽毛布団1を圧縮する作業者である。この場合、圧縮機20は、袋10に収容された羽毛布団1を入力された厚さになるまで羽毛布団1を圧縮した状態で停止することができる。当該制御部は、少なくとも1つのコンピュータ、又はスマートフォン等の電子機器によって構成されていてもよい。また、当該制御部は、上述した入力装置以外にも、例えばディスプレイ等の出力装置を備えてもよい。さらに、当該制御部は、圧縮機20と一体に設けられていてもよいし、圧縮機20とは別体に設けられていてもよい。
圧縮部22及び熱溶着部23は、例えば、互いに独立して動作する。例えば、圧縮部22及び熱溶着部23は、共に昇降可能とされている。本実施形態では、圧縮部22(圧縮板41)が下降して羽毛布団1を圧縮した後に圧縮部22が上昇し、圧縮部22が上昇した後に熱溶着部23が下降して袋10のシート部材11を熱溶着する。
熱溶着部23は、袋10のシート部材11における開口11bの部分を熱溶着することにより、袋10を密封する。熱溶着部23は、ビーム51と、圧縮機20の高さ方向に伸縮可能な伸縮ロッド52と、熱溶着を行うための熱を印加する熱印加部53とを有している。ビーム51は、例えば、チャネル鋼によって構成されていてもよい。ビーム51は、例えば、2つの支柱32同士を繋ぐように横架されている。また、ビーム51の延在方向の両端部は、一対のレール35のそれぞれに係合されている。これにより、ビーム51は、レール35に沿って昇降可能とされている。
伸縮ロッド52は、ビーム51の延在方向と交差(一例として直交)する方向に延びている。例えば、伸縮ロッド52の一端はビーム51に接続されており、伸縮ロッド52の他端は天板部33に接続されている。一例として、伸縮ロッド52の一端はビーム51における延在方向の中央部に接続されている。熱印加部53は、ビーム51の下部においてビーム51の延在方向に沿って延びるように配置されている。伸縮ロッド52を伸長させることによりビーム51及び熱印加部53が下降する。
例えば、圧縮機20は、基体部31から延び出すケーブル(不図示)と、当該ケーブルの先端に設けられたフットスイッチ(不図示)とを備えていてもよく、当該フットスイッチの操作によって熱溶着部23が操作されてもよい。この場合、当該フットスイッチが作業者に踏まれたときに熱溶着部23(ビーム51及び熱印加部53)が下降して袋10への熱溶着が行われる。
熱溶着を行うときに、作業者は、袋10の溶着代14を作業台34の上で伸ばしつつ、例えば、前述したフットスイッチを踏むことによって伸縮ロッド52を圧縮機20の高さ方向に伸長させる。これにより、熱印加部53は溶着代14に当接する。このとき、熱印加部53は、チャック13及び持ち手孔15の間に位置する溶着代14に当接する。溶着代14に当接する熱印加部53が溶着代14に熱を加えることにより、熱溶着部23が溶着代14を熱溶着して袋10の開口11bを密封することができる。なお、熱溶着部23が熱溶着を行う位置は、溶着代14におけるチャック13及び持ち手孔15の間に限定されない。一例として、熱印加部53は、溶着代14におけるチャック13及び開口11bの間に当接されてもよい。すなわち、熱溶着部23は、溶着代14における幅方向の全体に亘って熱溶着を行ってもよい。この場合、溶着代14におけるチャック13及び持ち手孔15の間のみを熱溶着する場合に比べ、より確実に袋10を密封することが可能となる。
続いて、図4等を用いて、本実施形態に係る寝具の製造方法の例について説明する。寝具の製造方法は、前述した羽毛布団1に用いられてもよいし、羽毛布団1以外の寝具に用いられてもよい。まず、羽毛布団1を製造する工場において、図1~図3に示されるように、羽毛布団1、袋10、及び圧縮機20を準備する(準備する工程、ステップS1)。以下では、羽毛Fの準備から羽毛Fの保管までの工程の例について説明する。
(羽毛を準備する工程)
羽毛Fの準備では、例えば、海外において予め洗浄されて輸入された羽毛Fの原料が袋に収容されて、複数の当該袋が束ねられた状態で用意される。また、未洗浄の羽毛Fが袋に収容された状態で用意されてもよい。そして、羽毛Fの原料が収容された袋が開封され、羽毛Fの原料が品質検査される。
(羽毛から不純物を除去する工程)
羽毛Fの原料からゴミ等の不純物を除去する。具体的には、羽毛Fの原料を除塵機に入れて羽毛Fの原料からゴミを分離して当該ゴミを除去する。この工程は、洗浄前に羽毛Fを前除塵する除塵工程であってもよい。
(羽毛を洗浄する工程)
続いて、羽毛Fを洗浄する。このとき、羽毛Fを洗浄機に投入して羽毛Fを水と洗剤によって洗浄する。例えば、羽毛洗浄後の洗浄機からの排水が清浄となるまで羽毛Fのすすぎが行われる。具体例として、羽毛Fを洗浄して得た排水を透視度計に収容し、透視度計の目印を視認可能かどうかを判断することによって当該排水が清浄か否かを検査してもよい。透視度計の容積は、一例として、1000ml(ミリリットル)である。
(羽毛を乾燥する工程)
続いて、羽毛Fを洗浄した後に羽毛Fを乾燥させる。例えば、羽毛Fを乾燥機の中に入れて羽毛Fに熱風を当てることによって乾燥及び殺菌する。一例として、当該熱風の温度は100℃以上である。また、羽毛Fに熱風を当てて羽毛Fを乾燥させた後に羽毛Fを冷まし、冷却除塵を行ってもよい。この場合、羽毛Fの清浄度をより高めることが可能となる。羽毛Fを準備する工程から羽毛Fを乾燥させる工程までにかかる時間は、例えば、2時間程度であり、一日あたり350kgの羽毛Fに対して前述の工程を行うことが可能である。
(羽毛を圧縮する工程)
以上のように、羽毛Fの洗浄及び乾燥を行った後に、羽毛Fを圧縮する。羽毛Fを圧縮する工程では、圧縮保管用の袋を用意する。当該袋は、一例として、ビニル製の真空袋である。袋は、複数回使用な袋であってもよいし、転用可能な袋であってもよい。
羽毛Fを圧縮する工程では、例えば、袋を開放した状態で袋の中に洗浄乾燥済みの羽毛Fを充填し、空気を吸引可能な吸引装置を用いて袋の内部の空気を吸引する。続いて、袋の内部の空気を吸引しながら袋の内部の羽毛Fを圧縮する。この圧縮は、例えば、袋に対して外力を付与することによって行われる。一例として、作業者が手で外から袋を押圧して袋に外力を付与することによって袋の内部の羽毛Fを圧縮する。
袋の内部から空気を吸引すると共に外力を付与して袋の内部の羽毛を圧縮することにより、袋の内部を真空(真空に近い状態)にする。そして、袋が封止されていることを確認した後に、圧縮後の袋及び羽毛Fを一時保管する。
本実施形態において、「一時保管」とは、羽毛布団1等の羽毛製品を製造する前に羽毛Fを保管することを示しており、羽毛Fを保管する期間は、例えば、1年以内(一例として数ヶ月)である。但し、羽毛Fを保管する期間は、特に限定されず、必要に応じて適宜保管された羽毛Fを用いることは可能である。
このように、羽毛Fを袋に収容して羽毛Fを圧縮、及び袋を密封することにより、袋の内部の羽毛Fが空気に触れないようにすることができる。従って、羽毛Fに水分が吸収されたり、羽毛Fに臭いが生じたりすることを抑制することが可能となる。さらに、羽毛Fの圧縮によって羽毛Fが嵩張らないので、大量の羽毛Fを長期間保管できる。
羽毛Fの保管から一定期間経過後に、再度羽毛Fを圧縮する工程を行ってもよい。具体的には、保管している羽毛Fの袋を保管から一定期間後(例えば1~3ヶ月後)に開封し、羽毛Fを別の袋に収容した後に再度羽毛Fを圧縮する工程を実行してもよい。この場合、羽毛Fをより良質な状態で保管することが可能となる。
(羽毛を取り出す工程)
次に、一時保管していた袋を開封して袋から羽毛Fを取り出す。そして、取り出した羽毛Fに対してフレッシュアップ加工(登録商標)を行う。この場合、羽毛Fの保温力を高めて、羽毛Fを収容する羽毛製品の熱抵抗を高めることが可能となる。フレッシュアップ加工を行う工程では、袋から取り出した羽毛Fに蒸気を噴きつけて、羽毛Fを膨らませる加工を行う。これにより、圧縮されていた羽毛Fを元の状態に戻す。例えば、100℃以上の高温のスチームを羽毛Fに噴きつけて羽毛Fの乾燥及び殺菌を行ってもよい。この乾燥において、羽毛Fのふっくらとした感覚と風合いが引き出される。
(羽毛を選別する工程)
次に、乾燥させた羽毛Fを選別機に投入して羽毛Fの選別を行う。このとき、羽毛Fから良質な羽毛Fのみを選別する。具体的には、選別機は、例えば、羽毛Fを収容する複数の区画を有し、羽毛Fにエアを噴きつけて最も遠くの区画まで飛んだ羽毛Fのみを選別する。この選別方法は、フェザー、未熟なダウン及びファイバーはエアを噴きつけてもあまり遠くまで飛ばないのに対し、良質なダウンはより遠くまで飛ぶので、より遠くまで飛んだ羽毛Fを良質なダウンとして選別する方法に相当する。
羽毛を選別する工程では、羽毛Fに除電エアを噴きつけて羽毛Fに対してプラズマ加工を行ってもよい。具体的には、上記のように羽毛Fにエアを噴きつけるときに、羽毛Fに除電エアを噴きつけて羽毛Fの静電気を除去する。これにより、羽毛Fを絡みにくくすることができると共に、羽毛Fから不純物等をより確実に分離させることが可能となる。
例えば、除電エアは、プラズマ放電によって活性酸素を発生させ、陽イオンと陰イオンとを生成して空気中に放出するプラズマ放電器(一例としてプラズマクラスター(登録商標))から羽毛Fに噴きつけられてもよい。以上、フレッシュアップ加工の実行、及びプラズマ加工の実行にかかる時間は、例えば、1時間程度である。従って、一日あたり1000kgの羽毛Fに対してフレッシュアップ加工及びプラズマ加工を行うことが可能である。
(羽毛布団を作製する工程)
続いて、上述した羽毛Fを乾燥させる工程、及び羽毛Fを選別する工程を経た羽毛Fを袋体に導入する。このとき、袋体に羽毛Fを充填して羽毛製品を作製する。本開示において、「袋体」は、羽毛Fが充填される袋状のものを示している。「袋体」は、羽毛Fを覆うカバーの役割を果たすものであって、例えば、側地、表地、裏地又は芯地等、羽毛Fが充填される布地部分を示している。
羽毛Fを袋体に充填した後には、当該袋体を縫製する。羽毛Fから羽毛製品として羽毛布団1を作製する場合には、例えば、裏地に表地2が重ねられた状態で当該裏地及び表地2の一部を縫製して袋状とし、当該袋の内部に羽毛Fを充填した後に直縫い部3を形成すると共に当該裏地及び表地2の縁部を縫製することによって、羽毛布団1の作製、及び羽毛布団1の準備が完了する。
以上のように作製された羽毛布団1に対して、圧縮機20による羽毛布団1の圧縮、及び袋10の熱溶着が行われる。図5(a)及び図5(b)に示されるように、袋10の収容空間Sに羽毛布団1を収容する(収容する工程、ステップS2)。ステップS2では、まず、羽毛布団1を折り畳む。このとき、例えば、前述した羽毛布団1を三つ折りにする。次に、袋10の開口11bを開放した状態で、袋10の収容空間S内に折り畳んだ羽毛布団1を収容する。羽毛布団1を折り畳む態様は、前述した三つ折りに限られず、例えば四つ折りであってもよく、特に限定されない。
続いて、図6(a)及び図6(b)に示されるように、開口11bが空気を導通可能な状態(開口11bが開放された状態)で、羽毛布団1が所定の厚さになるまで圧縮機20が羽毛布団1を圧縮する(圧縮する工程、ステップS3)。ステップS3では、圧縮部22の伸縮ロッド42が縮小した状態、すなわち、圧縮板41が圧縮機20の上側に位置する状態で、袋10に収容された羽毛布団1を基体部31の上面部31aに載置する。このとき、平面視において、袋10の開口11bが熱溶着部23側を向くように配置される。袋10の開口11bは作業台34の上に配置される。続いて、圧縮部22の伸縮ロッド42を伸長させることにより圧縮板41を下降させ、圧縮板41が袋10に収容された羽毛布団1を圧縮する。
ステップS3において、圧縮機20は、袋10に収容された羽毛布団1が所定の厚さになるまで羽毛布団1を圧縮する。例えば、圧縮機20の制御部は、予め当該所定の厚さを記憶している。羽毛布団1が所定の厚さとなった時点で、圧縮機20が自動で羽毛布団1の圧縮を停止してもよい。また、作業者が圧縮機20を操作する場合には、羽毛布団1の厚さが所定の厚さとなったことを作業者が確認した時点で、作業者が羽毛布団1の圧縮を停止してもよい。羽毛布団1が所定の厚さまで圧縮された時点で圧縮機20が圧縮を停止する手法については、種々の手法を用いることができる。
ここで、未圧縮の羽毛布団1の厚さを厚さH0(図5(a)参照)とし、当該所定の厚さ(圧縮後の厚さ)を厚さH1とする。所定の厚さH1は、羽毛布団1を袋10から取り出したときに、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0になるまで羽毛布団1を復元可能な厚さとされている。袋10から取り出された羽毛布団1の厚さは、放置されて一定時間経過した後に、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0と同程度となる。
例えば、所定の厚さH1は、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/4以上且つ1/2以下である。一例として、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0が50cmである場合、所定の厚さH1は12.5cm以上且つ25cm以下である。所定の厚さH1は、例えば、羽毛布団1のダウン率に応じて定められてもよい。一例として、羽毛布団1のダウン率が85%である場合、所定の厚さH1は、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/3程度とすることが好適である。
なお、「羽毛布団を復元」するとは、袋を羽毛布団から取り出した後に一定時間放置することにより、圧縮された羽毛布団1を膨張させることを言う。上記の一定時間は、例えば、袋10の開放時から数時間(一例として3時間)である。復元後の羽毛布団1の厚さは、必ずしも厳密に未圧縮の羽毛布団1の厚さH0と等しい厚さでなくてもよい。すなわち、復元後の羽毛布団1の厚さは、所定の範囲において、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0より大きくてもよいし、小さくてもよい。
続いて、図7(a)に示されるように、羽毛布団1が圧縮された状態で袋10の開口11bを閉塞する(ステップS4)。本実施形態では、圧縮機20を操作する作業者がチャック13を用いて袋10の開口11bを閉塞する。このとき、作業者は、一方の開閉部13aの凸部を他方の開閉部13aの凹部に嵌合させることにより、袋10の開口11bを閉塞する。また、ステップS4では、圧縮機20又は他の装置が自動で開口11bの閉塞を行ってもよい。
続いて、図7(b)に示されるように、羽毛布団1が圧縮された状態でシート部材11を熱溶着することにより、袋10を密封する(密封する工程、ステップS5)。具体例として、作業者は、チャック13を用いて袋10の開口11bを閉塞した後に、圧縮部22の伸縮ロッド42を圧縮機20の高さ方向に縮小させて圧縮板41を上昇させる。次に、作業者は、袋10の溶着代14を作業台34の上で延ばした状態として、熱溶着部23の伸縮ロッド52を圧縮機20の高さ方向に伸長させる。これにより、熱印加部53が溶着代14に当接し、熱印加部53が溶着代14に熱を加えることにより、熱溶着部23が袋10のシート部材11を熱溶着する。以上の工程を経て、袋10に収容された羽毛布団1の製造方法の一連の工程が完了する。
前述したステップS1~S5までの一連の工程は、衛生管理された室内で行われることが好適である。衛生管理された室内とは、例えば、前述した除電エアを空気中に放出する複数台のプラズマ放電器が配置された空間を示している。この場合、除電エアが放出された空間で圧縮機20による圧縮、及び袋10の密封が行われる。従って、衛生的な環境で圧縮及び密封を行うことができるので、購入者の手元に届くまで羽毛布団1を清潔に保つことができる。
図8は、袋10に密封された羽毛布団1を模式的に示す斜視図である。図8の例では、溶着代14において熱溶着がされた箇所を破線により描いている。前述したように、一対のシート部材11の一辺同士は、底部材12を介して互いに接続されている。これにより、袋10は、羽毛布団1を収容した状態で、底部材12を底部として自立することができる。また、シート部材11の一部は、羽毛布団1を外部から視認できない程度に不透明とされており、一対のシート部材11のうちの一方には透明部11cが形成されている。これにより、羽毛布団1をコインランドリー等に持ち運ぶ際にも、使用者のプライバシーが保護されると共に、袋10の外部から透明部11cを介して羽毛布団1の柄等を視認することができる。さらに、一対の持ち手孔15は、互いに重なる位置に設けられている。これにより、溶着代14を熱溶着した状態において、一対の持ち手孔15は、袋10の持ち手を構成することとなる。したがって、袋10を容易に持ち運ぶことができる。このような袋10を用いることにより、自立可能な袋10に収容された羽毛布団1を店舗でそのまま陳列することができると共に、羽毛布団1の購入者は、袋10に収容された羽毛布団1をそのまま持ち帰ることができる。
次に、本実施形態に係る寝具の製造方法の作用効果についてより詳細に説明する。本実施形態に係る寝具の製造方法では、羽毛布団1が所定の厚さH1になるまで圧縮機20が羽毛布団1を圧縮する。これにより、羽毛布団1の体積を小さくすることができ、羽毛布団1の運搬コストを抑制することができる。また、シート部材11を熱溶着して袋10を密封することにより、容易且つ確実に袋10を密封することができる。さらに、当該所定の厚さH1は、羽毛布団1を袋10から取り出したときに、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0になるまで羽毛布団1を復元可能な厚さとされている。この場合、羽毛布団1を最大限まで圧縮することがないため、羽毛布団1の内容物たる羽毛Fが過度に潰れないように羽毛布団1を圧縮できる。これにより、羽毛布団1の内容物たる羽毛Fが圧縮により傷むことを抑制できる。したがって、寝具の品質を保ちつつ寝具を圧縮することができる。
本実施形態において、袋10は、手で袋10を開閉することが可能なチャック13を有する。この場合、袋10の開封後に羽毛布団1を袋10に収容した上で、袋10を閉塞することができる。したがって、袋10を再利用することができる。
本実施形態において、所定の厚さH1は、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/4以上且つ1/2以下である。仮に、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/4より小さい厚さまで羽毛布団1を圧縮した場合には、羽毛布団1の内容物たる羽毛Fが過度に圧縮されることにより、羽毛布団1の品質の低下を招きうる。また、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/2よりも大きい厚さまで羽毛布団1を圧縮した場合には、羽毛布団1が十分に圧縮されないことにより、羽毛布団1の運搬コストが増大しうる。この点で、所定の厚さH1を未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/4以上且つ1/2以下とすることにより、寝具の品質を保ちつつ寝具の運搬コストの増大を抑制できる。
続いて、図9を用いて、本実施形態に係る寝具の製造方法によって製造した羽毛布団1の評価試験結果について説明する。本評価試験では、まず、袋10の内部において圧縮された実施例の羽毛布団1と、比較例たる未圧縮の羽毛布団とを用意した。実施例の羽毛布団1は前述した方法で圧縮される寝具の一例であり、比較例の羽毛布団は圧縮されない寝具の一例である。
(実施例)
実施例の羽毛布団1は、前述したように袋10に収容され、圧縮機20が羽毛布団1の厚さH0の1/3になるまで羽毛布団1を圧縮した。すなわち、本評価試験では、上述した所定の厚さH1は、未圧縮の羽毛布団1の厚さH0の1/3とした。次に、袋10から羽毛布団1を取り出した(袋10を開放した)上で、三つ折りの羽毛布団1を広げ、標準状態の下で所定の時間放置した。ここで、「標準状態」とは、気温20℃、且つ相対湿度65%の状態を言う。
(比較例)
比較例の羽毛布団については、標準状態の下で所定の時間放置した。
以上のように準備した実施例の羽毛布団1、及び比較例の羽毛布団のそれぞれを、四つ折りにした上で、各羽毛布団に矩形状のアクリル板を載置した。次に、当該アクリル板の隅の高さをそれぞれ計測した。ここで、「アクリル板の隅の高さ」とは、羽毛布団が載置された載置面と、アクリル板の隅における下端部との距離を言う。本評価試験では、羽毛布団が載置された載置面と、アクリル板の四隅における下端部とのそれぞれの距離を算出し、算出した4つの距離の平均値を羽毛布団の厚さとした。本評価試験では、圧縮品(実施例)については、袋10の開放直後の厚さ、袋10の開放時から1時間経過後の厚さ、及び袋10の開放時から3時間経過後の厚さを計測した。また、未圧縮品(比較例)については、標準状態の下で羽毛布団を広げてから12時間経過後の厚さを計測した。
図9に示されるように、実施例の羽毛布団1の厚さは、袋10の開放直後において18.8cmであった。実施例の羽毛布団1の厚さは、袋10の開放時から1時間経過後において26.0cmであった。また、実施例の羽毛布団1の厚さは、袋10の開放時から3時間経過後において29.0cmであった。一方、比較例たる未圧縮の羽毛布団の厚さは、標準状態の下で12時間経過後において28.8cmであった。以上のように、実施例の羽毛布団1の厚さは、袋10の開放時から3時間経過後において、比較例の羽毛布団の厚さと同等の厚さとなった。したがって、本実施形態に係る寝具の製造方法によって製造された羽毛布団1では、羽毛布団1を袋10から取り出したときに、未圧縮の羽毛布団の厚さになるまで羽毛布団1を復元可能であることを確認できた。
以上、本開示に係る寝具の製造方法について説明した。しかしながら、本開示に係る寝具の製造方法の各工程の内容及び順序は、前述の実施形態に限られず、適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、羽毛布団1を袋10に収容する工程、袋10に収容された羽毛布団1を圧縮する工程、及び袋10の開口11bを熱溶着する工程を作業者が行う例について説明した。しかしながら、前述の工程は、所定の装置によって自動的に行われてもよい。
また、前述の実施形態では、シート部材11、底部材12、及びチャック13を備える袋10に羽毛布団1を入れて袋10の圧縮及び密封を行う例について説明した。しかしながら、袋は、袋10以外の袋であってもよく、袋の形、大きさ、材料及び構造は、適宜変更可能である。例えば、予め袋状とされた袋10に代えて、袋状となるフィルム等のシート部材が用いられてもよい。この場合、例えばまず、羽毛布団1にシート部材を巻き付ける。続いて、シート部材が巻き付けられた羽毛布団1を圧縮する。そして、当該シート部材の端部を熱溶着して当該シート部材を袋状にすることにより、袋状とされたシート部材の収容空間が密封された状態となる。以上の工程を経た場合でも、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、前述の実施形態では、圧縮した羽毛Fを取り出した後に、羽毛Fに蒸気を噴きつけて、羽毛Fを選別する例について説明した。しかしながら、袋から羽毛を取り出した後の工程は、上記の例に限られず適宜変更可能である。例えば、選別した後の羽毛Fを袋10に入れて圧縮及び保管してもよい。
また、前述の実施形態では、羽毛布団1を工場で圧縮し、圧縮した羽毛布団1を店舗に搬送して購入者に販売する例について説明した。しかしながら、羽毛布団1を圧縮する工程を行う場所は、工場以外の場所であってもよい。例えば、圧縮する工程を店舗で行うことも可能であり、店舗の店員が袋10に羽毛布団1を収容して羽毛布団1を圧縮してもよい。
また、前述の実施形態では、新たに羽毛布団1を製造するときに、羽毛の洗浄、乾燥、圧縮及び保管を行う例について説明した。しかしながら、羽毛布団1の製造方法は、新たに羽毛布団1を製造するとき以外にも適用可能である。例えば、羽毛布団1をメンテナンスするときに、羽毛布団1を解体し、羽毛布団1の内部の羽毛Fの洗浄、乾燥及び圧縮を行ってもよいし、メンテナンスが行われた羽毛布団1を袋10に入れて圧縮した状態で店舗又は顧客の自宅等に搬送してもよい。
このように、本開示に係る寝具の製造方法は、種々のタイミングにおいて適用可能である。本開示に係る寝具の製造方法が適用される対象は、羽毛布団1に限られず、種々の羽毛製品に対して用いることが可能である。さらに、本開示に係る寝具の製造方法は、羽毛製品以外の寝具にも用いることが可能である。本開示に係る寝具の製造方法は、例えば、羽毛布団以外の掛け布団、敷き布団、マットレス、クッション、ベッドパッド、座布団又は枕に対しても用いることが可能である。
1…羽毛布団(寝具)、2…表地、3…直縫い部、10…袋(収容部材)、11…シート部材、11b…開口(導通部)、11c…透明部、12…底部材、13…チャック(開閉部材)、13a…開閉部、14…溶着代、15…持ち手孔、20…圧縮機、21…本体部、22…圧縮部、23…熱溶着部、31…基体部、31a…上面部、32…支柱、33…天板部、34…作業台、35…レール、34a…上面部、41…圧縮板、42,52…伸縮ロッド、51…ビーム、53…熱印加部、F…羽毛、H0…未圧縮の羽毛布団(寝具)の厚さ、H1…所定の厚さ、S…収容空間。

Claims (3)

  1. 寝具と、前記寝具を収容可能な収容空間を形成すると共に、前記収容空間の内部及び外部に空気を導通可能な導通部を有する収容部材と、前記寝具を圧縮する圧縮機と、を準備する工程と、
    前記収容部材の前記収容空間に前記寝具を収容する工程と、
    前記導通部が前記空気を導通可能な状態で、前記寝具が所定の厚さになるまで前記圧縮機が前記寝具を圧縮する工程と、
    前記寝具が圧縮された状態で前記導通部を熱溶着することにより前記収容部材を密封する工程と、
    を備え、
    前記所定の厚さは、前記寝具を前記収容部材から取り出したときに、未圧縮の前記寝具の厚さになるまで前記寝具を復元可能な厚さとされている、寝具の製造方法。
  2. 前記収容部材は、手で前記収容部材を開閉することが可能な開閉部材を有する、請求項1に記載の寝具の製造方法。
  3. 前記所定の厚さは、前記未圧縮の寝具の厚さの1/4以上且つ1/2以下である、請求項1又は2に記載の寝具の製造方法。
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