JP2023049767A - コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023049767000001
【課題】巻線の端部が外部電極に接合される接合位置を精度良くコントロールできる巻線型のコイル部品の製造方法を提供する。
【解決手段】コイル部品の製造方法は、巻芯及び巻芯の一端に接続されているフランジを有するコアを準備するコア準備工程S11と、フランジの表面に導電性の金属層を形成する金属層形成工程S12と、金属層の表面の目標位置に第1治具を配置する治具配置工程S14と、金属層の表面に配置された巻線の端部を第2治具により加圧及び加熱することで、端部を第1治具に接するように変形させ、変形された端部を金属層に接合させる接合工程S15と、を備える。
【選択図】図2

Description

本明細書に開示される発明は、コイル部品の製造方法に関する。本明細書に開示される発明は、より具体的には、巻線型のコイル部品の製造方法に関する。
巻線型のコイル部品が従来から知られている。巻線型のコイル部品は、コアと、このコアの周囲に巻回された巻線と、複数の外部電極と、を備える。コアは、一対のフランジと、当該一対のフランジを連結する巻芯と、を有する。巻線は、当該巻芯の周囲に巻回される。巻線は、その端部において複数の外部電極の各々と接合される。一対のフランジの間には、巻芯に巻回された巻線を覆う樹脂製の外装部が形成されてもよい。従来の巻線型のコイル部品は、例えば、特開2014-170783号公報(特許文献1)及び特開2003-17336号公報(特許文献2)に記載されている。
特開2014-170783号公報 特開2003-17336号公報
上記の引用文献1、2において、巻線の端部は、外部電極に熱圧着により接合されている。引用文献1の段落[0046]に記載されているように、巻線の熱圧着時には、巻線の位置が外部電極の目標とする位置からずれることがある。目標位置からずれた位置で巻線が外部電極に接合されると、巻線と外部電極との接合が不確実となったり、巻芯に巻かれた巻線が緩んだりするといった問題が生じるおそれがある。
本明細書に開示される発明の目的は、上述した問題の少なくとも一部を解決又は緩和することである。本明細書に開示される発明のより具体的な目的の一つは、巻線型のコイル部品の製造方法において、巻線の端部が外部電極に接合される接合位置を精度良くコントロールすることである。
本発明の上記以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。本明細書に開示される発明は、「発明を解決しようとする課題」の欄における記載以外から把握される課題を解決するものであってもよい。
本発明の一又は複数の実施形態によるコイル部品の製造方法は、巻芯及び前記巻芯の一端に接続されているフランジを有するコアを準備するコア準備工程と、前記フランジの表面に導電性の金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層の表面の目標位置に第1治具を配置する治具配置工程と、前記金属層の表面に配置された巻線の端部を第2治具により加圧及び加熱することで、前記端部を前記第1治具に接するように変形させ、変形された前記端部を前記金属層に接合させる接合工程と、を備える。
治具配置工程において、前記第1治具は、前記目標位置において、前記金属層の表面から内部に向かって押し込まれてもよい。
接合工程において、前記端部は、前記金属層の表面において前記巻芯の軸線から前記第1治具よりも遠位にある位置に配置されてもよい。
接合工程において、前記第1治具は、前記第2治具よりも低温に保たれてもよい。
接合工程において、第2治具は、金属層に向かって移動することにより巻線の前記端部に圧力を加えてもよい。
治具配置工程において、金属層の表面における前記第2治具の軌道と干渉する位置に第3治具を配置してもよい。接合工程において、第2治具は、第3治具に接する位置まで金属層に向かって移動してもよい。
巻線の径は、0.02mm以下であってもよい。接合工程において、巻線の接合部の厚さは、前記巻線の径の1/2以上であってもよい。
第1治具は、前記金属層の表面に直交する第1面を有し、接合部は、前記第1面において前記第1治具と接していてもよい。第1面の上端から前記金属層までの距離は、巻線の径よりも大きくてもよい。
本発明の一又は複数の実施形態によるコイル部品の製造方法は、金属層及び接合部を覆うように導電性の電極層を形成する工程をさらに備える。
本発明の一又は複数の実施形態によるコイル部品の製造方法は、巻芯に巻回される巻回部の少なくとも一部を覆うように絶縁性の外装部を設ける工程をさらに備える。
本明細書に開示されるコイル部品の製造方法によれば、巻線の端部が外部電極に接合される接合位置を精度良くコントロールことができる。
図1は、実装基板に実装された巻線型コイル部品例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1の巻線型コイル部品を製造する製造方法の一例を示すフロー図である。 図3aから図3fは、巻線型コイル部品の製造工程を説明するための模式図である。図3aは、コアに金属層を形成する工程を示している。 図3bは、コアに巻線を巻回する工程を示している。 図3bは、金属層の表面の目標位置に第1治具を配置する工程を示している。 図3dは、巻線の一端部を金属層に接合する工程を示している。 図3eは、巻線の余剰な部位を切断する工程を示している。 図3fは、金属層及び接合部を覆うように電極層を形成する工程を示している。 図4aから図4fは、巻線型コイル部品の製造工程を説明するための模式図である。図4aは、コアに金属層を形成する工程を示している。 図4bは、コアに巻線を巻回する工程を示している。 図4cは、金属層の表面の目標位置に第1治具を配置する工程を示している。 図4dは、巻線の一端部を金属層に接合する工程を示している。 図4eは、巻線の余剰な部位を切断する工程を示している。 図4fは、金属層及び接合部を覆うように電極層を形成する工程を示している。 図5は、金属層の表面の目標位置へ第1治具を配置する工程を説明するための模式図である。 図6は、第2治具により巻線の一端部を加圧する工程を説明するための模式図である。 図7は、巻線の一端部及び接合部の断面を説明するための模式図である。 図8は、金属層の表面に第1治具及び第3治具を配置する工程を説明するための模式図である。 図9は、金属層の表面に第1治具及び第3治具を配置する工程を説明するための模式図である。 図10は、第2治具により巻線の一端部を加圧する工程を説明するための模式図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。以下で説明される本発明の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。以下の実施形態で説明されている諸要素が発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1を参照して、巻線型コイル部品1について説明する。図1は、本明細書で開示される発明を適用可能な巻線型コイル部品1を示す斜視図である。本明細書においては、巻線型コイル部品1を単にコイル部品1と呼ぶことがある。
コイル部品1は、概ね直方体の形状を有している。図示されているように、コイル部品1は、使用時に実装基板2aに実装されてもよい。実装基板2aには、2つのランド部3a、3bが設けられている。コイル部品1は、外部電極21、22を備えており、外部電極21、22のそれぞれと実装基板2aの対応するランド部3a、3bとを接合することで実装基板2aに実装される。図示の実施形態において、コイル部品1は、横置き姿勢で実装基板2aに実装されている。
回路基板2は、様々な電子機器に搭載され得る。回路基板2が搭載され得る電子機器には、スマートフォン、タブレット、ゲームコンソール、自動車の電装品、サーバ及びこれら以外の様々な電子機器が含まれる。
図1には、互いに直交するL軸方向、W軸方向、及びT軸方向が示されている。本明細書においては、図1に示されているL軸方向、W軸方向、及びT軸方向を基準としてコイル部品1の構成部材の向きや配置を説明することがある。
本発明の一実施形態において、コイル部品1は、そのL軸方向、W軸方向、及びT軸方向における寸法がいずれも1.0mm以下となるように構成される。このように、コイル部品1は、巻線型コイル部品としては、小型の寸法を有するように構成することができる。
図示のように、コイル部品1は、コア10と、巻線25と、外部電極21、22と、外装部40とを備えている。
コア10は、巻芯11と、巻芯11の一方の端部に設けられたフランジ12aと、巻芯11の他方の端部に設けられたフランジ12bと、を有する。よって、巻芯11は、フランジ12aとフランジ12bとを連結している。巻芯11は、L軸方向に沿って延びる軸線Axに沿って延びている。
図示の実施形態において、巻芯11は、略四角柱形状をなしている。巻芯11は、巻線25を巻回するために適した任意の形状をとることができる。例えば、巻芯11は、三角柱形状、五角柱形状、もしくは六角柱形状等の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、又は截頭円錐形状をとることができる。
フランジ12a、12bはそれぞれ、概ね直方体形状を有するように配置されている。フランジ12aとフランジ12bとは、その内面同士が互いと対向するように配置される。フランジ12a及びフランジ12bの内面及び外面並びに当該内面と外面とを接続する4つの面はいずれも、平坦な平面であってもよいし湾曲した湾曲面であってもよい。図示の実施携帯において、フランジ12aの内面と外面とを接続する4つの面は、上面12a1、この上面に対向する下面12a2、この上面12a1と下面12a2とを接続する第1側面12a3、第1側面12a3に対向する第2側面12a4であり、フランジ12bの内面と外面とを接続する4つの面は、上面12b1、この上面に対向する下面12b2、この上面12b1と下面12b2とを接続する第1側面12b3、第1側面12b3に対向する第2側面12b4である。フランジ12a及びフランジ12bの8つの角部は、丸みを有していてもよい。フランジ12a及びフランジ12bの形状は直方体形状に限られず、フランジ12a及びフランジ12bは様々な形状に形成され得る。
フランジ12aを画定する外表面のうち少なくとも一つの面に凹部が設けられてもよい。同様に、フランジ12bを画定する外表面のうち少なくとも一つの面に凹部が設けられてもよい。図示の実施形態においては、フランジ12aの上面12a1に凹部13aが形成されており、フランジ12bの上面12b1に凹部13bが形成されている。凹部13aは、フランジ12aの上面12a1以外の面に形成されてもよい。凹部13bは、フランジ12bの上面12b1以外の面に形成されてもよい。
コア10は、磁性材料又は非磁性材料から作製される。コア10用の磁性材料としては、例えば、フェライト及び軟磁性合金材を用いることができる。コア10用の非磁性材料としては、アルミナやガラスを用いることができる。コア10用の磁性材料は、各種の結晶質もしくは非晶質の合金磁性材料、または結晶質の材料と非晶質の材料とを組合せた材料であってもよい。コア10用の磁性材料として用いられ得る結晶質の合金磁性材料は、例えば、Feを主成分とし、Si、Al、Cr、Ni、Ti、及びZrから成る群より選択される1以上の元素を含む結晶質の合金材料である。コア10用の磁性材料として用いられ得る非晶質の合金磁性材料は、例えば、Si、Al、Cr、Ni、Ti、Zrのいずれかに加えてB又はCのいずれか一方を含む非晶質の合金材料である。コア10用の磁性材料としては、Fe及び不可避不純物から成る純鉄を用いることができる。コア10用の磁性材料としては、Fe及び不可避不純物から成る純鉄と各種の結晶質もしくは非晶質の合金磁性材料とを組み合わせた材料を用いることもできる。コア10の材料は、本明細書で明示されるものに限られず、コアの材料として公知の任意の材料を用いることができる。
巻芯11には、巻線25が巻回されている。巻線25は、巻回部26と、巻回部26の一端に形成されている接合部28aと、巻回部26の他端に形成されている接合部28bと、を有する。巻回部26は、巻芯11の表面に複数ターン巻回されている。巻線25は、導電性に優れた金属材料から成る導線の周囲を絶縁被膜で被覆することにより構成される。巻線25用の金属材料としては、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、もしくはAg(銀)のうちの1以上の金属、又はこれらの金属のいずれかを含む合金が用いられ得る。巻線25の直径は、0.05mm以下、0.03mm以下、または0.02mm以下であってもよい。このように、小型のコイル部品1を実現するために、巻線25として、0.05mm以下の細径の導線が用いられ得る。巻線25の一端には、扁平形状の接合部28aが形成されており、巻線25の他端には、扁平形状の接合部28bが形成されている。
図示の実施形態において、フランジ12aの表面には、外部電極21が設けられており、フランジ12bの表面には、外部電極22が設けられている。コイル部品1は、2つより多い数の外部電極を備えてもよい。例えば、コイル部品1が磁気結合型のコイル部品である場合には、コイル部品1は、4つ以上の外部電極を備えることができる。外部電極21、22は、フランジ12a、12bの一方のみに設けられてもよい。例えば、外部電極21、22を両方ともフランジ12aに設けてもよい。外部電極21、22がいずれもフランジ12aに設けられる場合には、コイル部品1は、フランジ12aが実装基板2aと対向する姿勢で、実装基板2aに実装される。この場合、コイル部品1は、巻芯11の軸線Axが実装基板2aに直交する縦置き姿勢で実装される。
外部電極21は、金属層21a及び電極層21bを有する。金属層21aは、フランジ12aに形成された凹部13aの表面13a1に設けられる。電極層21bは、金属層21a及び巻線25の接合部28aを覆うようにフランジ12aの表面に設けられる。外部電極22は、金属層22a及び電極層22bを有する。金属層22aは、フランジ12bに形成された凹部13bの表面13b1に設けられる。電極層22bは、金属層22a及び巻線25の接合部28bを覆うようにフランジ12bの表面に設けられる。
金属層21a、22a及び電極層21b、22bの材料としては、例えば、Cu、Ag等の金属材料またはこれらの金属材料の合金を用いることができる。金属層21a、22a及び電極層21b、22bは、金属材料を含むペースト状の導電材料を乾燥させ、この乾燥させた導電材料を焼結することで形成されてもよい。電極層21b、22bの各々の表面には、めっき層を形成してもよい。このめっき層は、ニッケルめっき層及びスズめっき層から成る2層構造に構成されてもよい。
巻線25は、接合部28aにおいて外部電極21に接合され、接合部28bにおいて外部電極22に接合されている。つまり、巻線25は、その一端にある接合部28aにおいて外部電極21と電気的に接続されており、その他端にある接合部28bにおいて外部電極22と電気的に接続されている。
外装部40は、フランジ12aとフランジ12bとの間に、巻線25の巻回部26の少なくとも一部を覆うように設けられる。外装部40は、フランジ12aとフランジ12bとの間の空間の一部のみに形成されてもよい。例えば、外装部40は、フランジ12aとフランジ12bとの間の空間のうちT軸方向において軸線Axよりも正側にある領域のみに充填されてもよい。
外装部40の材料として、様々な絶縁性の材料を用いることができる。例えば、外装部40の材料として、樹脂や、フィラーを含有する樹脂を用いることができる。フィラーとしては、磁性材料又は非磁性材料を用いることができる。フィラーとして、フェライト粉、金属磁性粒子、アルミナ粒子、又はシリカ粒子を用いることにより、外装部40の線膨張係数を低くし、機械的強度を高くすることができる。
続いて、図2から図7を参照して、本発明の一実施形態に従ったコイル部品1の製造方法について説明する。図2は、コイル部品1の製造方法の一例を示すフロー図である。図2に示されているように、一実施形態において、コイル部品1は、ステップS11~S18を経ることで作製される。図3a~図3f及び図4a~図4fはそれぞれ、コイル部品1の製造方法に含まれる工程を説明する図である。図3a~図3fには、L軸の方向から見たコア10が示されており、図4a~図4fには、図3a~図3fに示されているコア10をT軸の方向から見たビューが示されている。
まず、ステップS11では、コア10が準備される。既述のとおり、コア10は、巻芯11と、フランジ12a、12bと、を有している。コア10は、例えば、上述した磁性材料又は非磁性材料の粉末を潤滑剤と混合し、この混合材料を成形金型のキャビティに充填してプレス成形することにより圧粉体を作製し、この圧粉体を燒結することにより作製される。焼結温度は、圧粉体の材料に応じて、例えば600℃~1000℃の範囲で調整される。また、コア10は、上述した磁性材料又は非磁性材料の粉末を樹脂、ガラス、又は絶縁性酸化物(例えば、Ni-Znフェライトやシリカ)と混合し、この混合材料を成形して硬化又は焼結することによっても作製できる。コア10の作製方法は、本明細書において明示的に説明されるものには限られない。コア10は、公知の任意の手法を用いて作製され得る。
次に、ステップS12において、図3a及び図4aに示されているように、フランジ12aに形成された凹部13aの表面13a1に金属層21aが形成され、フランジ12bに形成された凹部13bの表面13b1に金属層22aが形成される。金属層21aは、金属材料(例えば、銀または銅)を含むペースト状の導電材料をフランジ12aの凹部13aの表面13a1に塗布し、この塗布された導電材料を乾燥及び焼結させることによって形成される。同様に、金属層22aは、金属材料(例えば、銀または銅)を含むペースト状の導電材料をフランジ12bの凹部13bの表面13b1に塗布し、この塗布された導電材料を乾燥及び焼結させることによって形成される。金属層21a、22aは、スパッタリング法や蒸着法により形成されてもよい。金属層21a、22aの形成方法は、本明細書において明示的に説明された方法には限定されない。金属層21a、22aは、公知の任意の方法を用いて形成され得る。金属層21a、22aの各々の表面には、めっき層を形成してもよい。このめっき層は、ニッケルめっき層及びスズめっき層から成る2層構造に構成されてもよい。
次に、ステップS13において、図3b及び図4bに示されているように、コア10の巻芯11の表面11aに巻線25が巻回される。図示のとおり、巻線25のうち巻回部26が巻芯11に巻回される。コア10への巻線25の巻回は、例えば、公知のスピンドル式巻線機を利用して行われる。スピンドル式巻線機は、コア10を回転させるためのスピンドルモータと、巻線25を供給するためのノズルと、を備える。コア10は、スピンドルモータによって、その中心軸の周りで回転可能となるようにスピンドル式巻線機に軸支される。スピンドルモータからの駆動力によりコア10が回転すると、ノズルから供給された巻線25が巻芯11に巻回される。コア10への巻線25の巻回は、フライヤー式巻線機を利用して行われてもよい。コア10への巻線25の巻回は、公知の任意の巻線機を使用して行われ得る。
巻線25の一方の端にある端部27aは、フランジ12aに向かって引き出され、フランジ12aに設けられている金属層21aに載置される。端部27aは、軸線Axを中心とする径方向において、巻回部26よりも外側に位置するように金属層21aに載置される。巻線25の他方の端にある端部27bは、フランジ12bに向かって引き出され、フランジ12bに設けられている金属層22aに載置される。端部27bは、軸線Axを中心とする径方向において、巻回部26よりも外側に位置するように金属層22aに載置される。端部27a、27bには、巻線機のテンション制御機構から軸線Axを中心とする径方向の外側に向かうテンションが付与されてもよい。端部27a、27bが金属層21a、22aに接合されるまで(接合については後述する。)、端部27a、27bに径方向外側に向かうテンションを加えることにより、巻芯11に巻回されている巻回部26の緩みを防止することができる。端部27a、27bは、金属層21a、22aに接合されるまで、金属層21a、22aに仮固定されてもよい。
次に、ステップS14において、図3c及び図4cに示されているように、第1治具J1a、J1b及び第2治具J2a、J2bが所定の位置に配置される。第1治具J1a、J1bは、金属層21a、22aの各々の表面の目標位置に設置される。第1治具J1a、J1bは、概ね直方体の形状を有していてもよい。第1治具J1a、J1bの材料として、タングステン、モリブデン等を含む熱伝導性に優れた材料を用いることができる。第1治具J1a、J1bは、3次元方向(W軸方向、L軸方向、T軸方向)に移動可能に構成されている不図示の支持アームによって把持され、この支持アームによって金属層21a、22a上の目標位置に運搬されてもよい。
第1治具J1aが配置される目標位置は、金属層21a上の任意の位置とすることができる。第1治具J1aは、コア10をT軸方向から見た視点において軸線Axとフランジ12aの第1側面12a3との間に配置されてもよい。図4cに示されている実施形態では、第1治具J1aは、コア10をT軸方向から見た視点において軸線Axと軸芯11の表面11aとの間に配置されている。一実施形態において、第1治具J1aが配置される目標位置は、T軸から視た視点において、W軸方向において軸芯11の表面11aと重複する位置とされる。一実施形態において、第1治具J1aが配置される目標位置は、軸線Axを中心とする径方向において、第1治具J1aの径方向内側の面が金属層21aの径方向内側の辺と重複する位置とされる。
第1治具J1bが配置される目標位置は、金属層22a上の任意の位置とすることができる。第1治具J1bは、コア10をT軸方向から見た視点において軸線Axとフランジ12bの第2側面12b4との間に配置されてもよい。図4cに示されている実施形態では、第1治具J1aは、コア10をT軸方向から見た視点において軸線Axと軸芯11の表面11aとの間に配置されている。第1治具J1bは、T軸方向から見たときに、コア10の中心に対して、第1治具J1aと対称な位置に配置されてもよい。
図5をさらに参照して、第1治具J1bの配置について説明する。図5に示されているように、第1治具J1bは、金属層22aの表面22a1からフランジ12bの内側(T軸方向の正の方向)に向かって押し込まれていてもよい。つまり、第1治具J1bは、その下端が金属層22aの内部に食い込むように配置されてもよい。第1治具J1aも、第1治具J1bと同様に、金属層21aの表面21a1からフランジ12aの内側(T軸方向の正の方向)に向かって押し込まれていてもよい。第1治具J1a、J1bを金属21a、22aの内側に食い込ませることにより、第1治具J1a、J1bを金属層21a、22aの目標位置に固定することができる。これにより、コイル部品1の製造過程で、第1治具J1a、J1bに対して金属層21a、22aの表面に沿う方向の力が作用しても、第1治具J1a、J1bを目標位置に保持することができる。後述するように第2治具J2a、J2bからの圧力により巻線25の端部27a、27bを変形させる際に、第1治具J1a、J1bに対して端部27a、27bから応力が作用する。第1治具J1a、J1bを目標位置において金属21a、22aの内側に食い込ませることにより、第1治具J1a、J1bに端部27a、27bから応力が作用しても、第1治具J1a、J1bを目標位置に保持することができる。
第2治具J2a、J2bは、概ね直方体の形状を有していてもよい。第2治具J2a、J2bは、例えば、供給された電流により発熱するパルスヒータであってもよい。第2治具J2a、J2bは、その下端にヒータチップを備えてもよい。この場合、第2治具J2a、J2bは、ヒータチップにおいて端部27a、27bと接する。ヒータチップは、タングステン、モリブデン等を含む熱伝導性に優れた材料から構成されてもよい。
第2治具J2aは、軸線Axを中心とする径方向において第1治具J1aと対向する位置に配置されてもよい。第2治具J2aは、軸線Axを中心とする径方向において、第1治具J1aよりも外側に配置される。第1治具J1aは、軸線Axを中心とする径方向の外側を向く外側表面J1a1を有している。第2治具J2aは、第1治具J1aの外側表面J1a1と対向するように配置される。
第2治具J2bは、軸線Axを中心とする径方向において第1治具J1bと対向する位置に配置されてもよい。第2治具J2bは、軸線Axを中心とする径方向において、第1治具J1bよりも外側に配置される。第1治具J1bは、軸線Axを中心とする径方向の外側を向く外側表面J1b1を有している。第2治具J2bは、第1治具J1bの外側表面J1b1と対向するように配置される。第2治具J2bは、T軸方向から見たときに、コア10の中心に対して、第2治具J2aと対称な位置に配置されてもよい。
第2治具J2a、J2bは、3次元方向(W軸方向、L軸方向、T軸方向)に移動可能に構成されている不図示の支持アームによって把持され、この支持アームによって上述した位置に運搬されてもよい。第2治具J2a、J2bを運搬するアームは、第1治具J1a、J1bを運搬するアームとは異なるものであっていてもよい。
次に、ステップS15において、図3d及び図4dに示されているように、第2治具J2a、J2bを下方に移動させることで、第2治具J2a、J2bを巻線25の端部27a、27bに押し付ける。この第2治具J2a、J2bからの下方への圧力により、巻線25の端部27a、27bは変形し、扁平な形状の接合部28a、28bとなる。また、第2治具J2a、J2bを発熱させて、接合部28a、28bを加熱する。この第2治具J2a、J2bから伝達された熱により、接合部28aは、その下面において金属層21aの上面と金属結合し、接合部28bは、その下面において金属層22aの上面と金属結合する。このようにして、接合部28a、28bは、金属層21a、22aと接合される。第2治具J2a、J2bから伝達された熱により、接合部28a、28bと金属層21a、22aとの界面において、接合部28a、28bに含まれる金属原子と金属層21a、22aに含まれる金属原子とを合金化させることで、接合部28a、28bと金属層21a、22aとを接合してもよい。
図6及び図7をさらに参照して、第2治具J2bからの圧力による端部27bの変形について説明する。以下の端部27bの変形に関する説明は、端部27aの変形にも当てはまるが、以下では、説明の簡潔さのために端部27bへの変形について説明を行う。図6(a)に示されているように、金属層22a上に配置された端部27bに対して、第2治具J2bから下方(T軸方向の正の方向)に向かって圧力が加えられると、端部27bは、第2治具J2bからの下方への圧力により変形する。また、端部27bは、第2治具J2bにより加熱されるので、第2治具J2bからの下方への圧力を受けている間、より柔軟になる。また、第2治具J2bからの熱により、端部27b及び金属層22a少なくとも一方の少なくとも一部が溶融する。第2治具J2bからの加圧及び加熱により端部27bがどのように変形するかは様々な要因で変わり得るため、端部27bの変形後の位置や形状をコントロールすることは難しい。例えば、端部27bの形状及び姿勢によって、第2治具J2bから端部27bへの圧力の伝達方向が変わるので、第2治具J2bによって単に下方に加圧するだけでは、変形後の端部27bの位置は、目標位置から外れてしまう可能性がある。また、第2治具J2bと端部27bとの接触態様に応じて、第2治具J2bから端部27bに対して異なる態様で熱が伝達される。このため、第2治具J2bと端部27bとの接触態様によって、端部27bの一部の部位がそれ以外の部位よりも溶融しやすくなることがある。このため、第2治具J2bを端部27bにその上方から押しつけて加熱するするだけでは、端部27bが不均一に溶融することにより、変形後の端部27bが目標位置とは異なる位置において金属層22aと接合されるおそれがある。このように、第2治具J2bから端部27bへ伝達される圧力や熱は不均一となりやすい、端部27bの変形後の形状及び位置をコントロールすることは困難である。
本発明の一実施形態においては、金属層22aにおける目標位置に第1治具J1bを配置し、第2治具J2bは、第1治具J1bの外側表面J1b1に沿って金属層22aに向かって移動することで、巻線25の端部27bに対して下方に向かう荷重を加える。巻線25の端部27bは、第2治具J2bからの荷重により変形するが、この変形は、金属層22aの目標位置に配置された第1治具J1bによって規制される。第2治具J2bから巻線25の端部27bに加えられる荷重は、巻線25の端部27bが第1治具J1bに接するまで変形できるように設定される。このため、巻線25の端部27bは、第2治具J2bからの荷重により変形して、第1治具J1bに接する扁平状の接合部28bとなる。このように、接合部28bは、第1治具J1bが配置されている目標位置を基準とする位置に配置される。そして、接合部28bは、第2治具J2bからの加熱により、目標位置において金属層22aと接合される。よって、本発明の一実施形態によれば、巻線25の接合部28bを、第1治具J1bにより規定される目標位置において金属層22aと接合することができる。
第1治具J1bは、外側表面J1b1の上端から金属層22aまでの距離H(図5参照)が、巻線25の径d1よりも大きくなるように構成される。これにより、第1治具J1bによって、第2治具J2bからの荷重により変形する端部27bを受け止めることができる。
図4cに示されている実施形態では、第1治具J1bは、巻線25の端部27bと巻芯11の軸線Axとの間に配置されている。よって、巻線25の端部27bは、第1治具J1bにより軸線Axに近づく方向への移動が規制される。巻線25の端部27bを金属層22aに接合する際に端部27bが軸線Axに向かって移動してしまうと、巻芯11に巻回された巻回部26が緩んでしまう。巻線25の端部27bの接合時に、金属層22aに載置された端部27bと軸線Axとの間に第1治具J1bを配置することで、巻線25の端部27bは、第1治具J1bに接しつつ第1治具J1bから離れる方向(径方向において軸線Axから離れる方向)に変形するため、接合部28bが端部27bを載置した位置よりも径方向において軸線Axから離れる方向にシフト位置に配置されることになる。この結果、端部27bの軸線Axに近づく方向への移動を規制することができ、これにより接合時における巻回部26の緩みを抑制することができる。
上述のとおり、巻線25の端部27bは、第2治具J2bから受ける荷重により変形し、扁平な形状の接合部28bとなる。図7に示されているように、接合部28bの厚さd2は、変形前の端部の径d1よりも小さい。接合部の厚さd2は、第2治具J2bから端部27bに加えられる荷重の設定により調整することができる。一実施形態において、接合部の厚さd2が変形前の端部27bの径d1の1/10以上、1/5以上、1/4以上、1/3以上、または1/2以上となるように、第2治具J2bから端部27bに加えられる荷重が設定される。接合部の厚さd2の端部27bの径d1に対する比を所定値以上とすることにより、過度な変形による接合部28bの破断を防止することができる。
本発明の一実施形態において、第2治具J2aによる端部27bへの荷重を調整することにより、図6(b)に示されているように、接合部28bの表面28b1がフランジ12bの上面12a1よりも後退した位置(上面12a1よりもT軸方向の正の方向にある位置)となるように、端部27bを変形させることができる。これにより、外部からの機械的な応力が接合部28bに作用しにくくなるので、接合部28bと金属層22aとの接合部位が破断しにくくなる。
第2治具J2bにより端部27bを加熱する間、第1治具J1bを第2治具J2bよりも低温に保持してもよい。第1治具J1bを第2治具J2bよりも低温に保持することにより、第2治具J2bにより加熱された端部27bから、この端部27bに接している第1治具J1bに熱を伝導させ、この端部27bから伝導された熱を第1治具J1bにおいて放熱することができる。第1治具J1bの表面の一部に凹凸パターンを形成し、第1治具J1bからの放熱効率を向上させてもよい。第1治具J1bには、放熱用のフィンを設けてもよい。端部27bから第1治具J1bに熱を伝導させることにより、端部27bから巻回部26への熱の伝導を抑制することができる。加熱された端部27bから巻回部26に熱が過剰に伝達されると、その熱により巻回部26の導線または絶縁被膜が柔軟になって、巻回部26に緩みが生じる可能性がある。また、熱により絶縁被膜が劣化すると、巻回部26の導線間においてショートが発生する可能性がある。このため、低温に保持された第1治具J1bにより端部27bから巻回部26への熱の伝導を抑制することにより、巻回部26の昇温を抑制し、巻回部26の緩みや導線間でのショートのような不具合を抑制することができる。第1治具J1bは、端部27bの金属層22aの表面に平行な方向の端部においてのみ端部27bと接しているので、第1治具J1bを低温に保持しても端部27b(または端部27bが変形して得られる接合部28b)と金属層22aとの間の接合部位を十分に昇温させることができる。
本発明の一実施形態において、第2治具J2bにより端部27bを下方に加圧することにより、端部27bが変形して得られる接合部28bを、金属層22aに食い込ませることができる。一実施形態において、接合部28bは、その表面28b1が金属層22aの表面と面一になるように金属層22aに食い込んでいてもよい。これにより、接合部28bをより強固に金属層22aに接合することができる。この場合、接合部28bの表面の28b1及び金属層22a表面22a1を含む面を、コイル部品1の実装面とすることができる。
第2治具J2bによる端部27bに対する加圧及び加熱に関する説明は、第2治具J2aによる端部27aに対する加圧及び加熱についても当てはまる。
接合部28aと金属層21aとの接合及び接合部28bと金属層22aとの接合が完了すると、次に、ステップS16において、巻線25のうち余剰な部位が切断される。具体的には、巻線25の一端のうち金属層21aから飛び出している部位及び巻線25のうち金属層22aから飛び出している部位が切断される。これにより、図3e及び図4eに示されているように、平面視において(T軸から見た方向において)、巻線25の一端にある接合部28aは金属層21a内に配置され、巻線25の他端にある接合部28bは金属層22a内に配置される。巻線25を切断する前に、第1治具J1a、J1b及び第2治具J2a、J2bを退避させてもよい。巻線25の切断は、第2治具J2bにより端部27a、27bを加圧及び加熱しながら行われてもよい。第2治具J2bにより端部27a、27bを加圧しながら巻線25を切断することにより、巻線25の切断時に、第2治具J2bからの圧力により端部27a、27bがフランジ12a、12bに押しつけられて固定されているため、端部27a、27bにかかる切断時の負荷を抑制することができる。また、第2治具J2bにより端部27a、27bを加熱しながら巻線25を切断することにより、巻線25の切断部位を柔軟にすることができ、これにより切断時に巻線25にかかる負荷を抑制することができる。
次に、ステップS17において、図3f及び図4fに示されているように、金属層21a及び接合部28aを覆うように導電性の電極層21bが形成され、また、金属層22a及び接合部28bを覆うように導電性の電極層22bが形成されてもよい。電極層21b、22bは、例えば、銀、銅等の導電性に優れた金属材料を含むペースト状の導電材料を金属層21a、22a、接合部28a、28bをそれぞれ覆うように塗布し、この塗布された導電材料を乾燥させ、この乾燥させた導電材料の表面をさらにめっき層で覆うことで形成されてもよい。このめっき層は、ニッケルめっき層とスズめっき層との2層構造であってもよい。このようにして形成された電極層21bと金属層21aとにより外部電極21が構成され、電極層22bと金属層22aとにより外部電極22が構成される。
次に、ステップS18において、フランジ12aとフランジ12bとの間の領域に、巻回部26の少なくとも一部を覆うように外装部が形成される。外装部40は、例えば、ローラ転写により上述した樹脂材料をフランジ12aとフランジ12bとの間に塗布し、この塗布された樹脂を予備硬化させた後に整形し、この整形された樹脂をさらに硬化することで形成される。
以上のようにしてコイル部品1が作製される。このようにして作製されたコイル部品1においては、接合部28a、28bを第1治具J1a、J1bにより規定される目標位置に精度良く配置することができる。このため、上記の製造方法によれば、巻線と外部電極との接合位置が目標位置からずれることによる不具合が防止又は抑制される。例えば、巻線と外部電極との接合位置が目標位置からずれることによる接合強度の低下や巻回部の緩みの発生が防止される。
上記の製造方法においては、その工程の一部を省略すること、明示的に説明されていない工程を追加すること、及び/又は工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。例えば、コイル部品1は、電極層21b、22bを備えなくてもよい。コイル部品1が電極層21b、22bを備えない場合には、金属層21aが単独で外部電極21となり、金属層22aが単独で外部電極22となる。この場合、ステップS17を省略することができる。また、外装部40を形成するためのステップS18の工程を電極層21b、22bを形成するステップS17の工程よりも前に実行することができる。
次に、図8から図10を参照して、別の実施形態によるコイル部品1の製造方法について説明する。図8から図10に示されている実施形態では、接合工程において、第1治具J1a、J1b及び第2治具J2a、J2bに加えて、第3治具J3a、J3bを使用する点で既述の実施形態と異なっている。図8、図10は、L軸の方向から見た接合工程におけるコア10のビューを示しており、図9は、T軸の方向から見た接合工程におけるコア10のビューを示している。
これらの図に示されている実施形態では、ステップS14における治具の設置工程において、第1治具J1a、J1b及び第2治具J2a、J2bに加えて、第3治具J3a、J3bが金属層21a、22aの表面に設置される。図9に示されているように、第3治具J3aは、第1治具J1aの外側表面J1a1よりも、軸線Axを中心とする径方向の外側に突出するように構成及び配置される。同様に、第3治具J3bは、第1治具J1bの外側表面J1b1よりも、軸線Axを中心とする径方向の外側に突出するように構成及び配置される。
図10に示されているように、第3治具J3bは、T軸方向に沿って移動する第2治具J2bの軌道に干渉する位置に設けられる。同様に、第3治具J3aは、T軸方向に沿って移動する第2治具J2aの軌道に干渉する位置に設けられる。このため、第2治具J2a、J2bの下方への移動は、第3治具J3a、J3bにより規制される。これにより、端部27a、27bが変形して得られる接合部28a、28bの厚さd2を、第3治具J3a、J3bのT軸方向の寸法と等しくすることができる。このため、端部27a、27bの変形量を抑制することができる。端部27a、27bの変形量が大きくなると、金属疲労により接合部28a、28bの強度が低下する。第3治具J3a、J3bによって端部27a、27bの変形量を抑制することにより、接合部28a、28bの強度低下を抑制することができる。
巻線25の導線の径が細くなると、第2治具J2a、J2bが加えるべき荷重のわずかな設定の違いで接合部28a、28bの厚さd2が大きく変動してしまうので、第2治具J2a、J2bの設定のみによって接合部28a、28bの厚さd2を制御することが難しくなる。第3治具J3a、J3bにより第2治具J2a、J2bの下方への移動を規制することにより、接合部28a、28bの厚さd2を、第3治具J3a、J3bのT軸方向の寸法と等しくすることができる。このため、第3治具J3a、J3bを用いることにより、巻線25の導線の径が細くなっても(例えば、0.02mm~0.05mm程度であっても)、接合部28a、28bの厚さd2を精度良くコントロールすることができる。
接合部28a、28bの厚さd2が薄くなると、巻線25のうち第2治具J2a、J2bにより変形されていない部位と接合部28a、28bとの厚さの差が顕著となる。この巻線25の厚さが顕著に変化する部位には応力が集中しやすいため、巻線25の破断の原因となり得る。第3治具J3a、J3bによって端部27a、27bの変形量を抑制することにより、巻線25のうち第2治具J2a、J2bにより変形されていない部位と接合部28a、28bとの厚さの差を精度良くコントロールすることができるので、巻線25のうち第2治具J2a、J2bにより変形されていない部位と接合部28a、28bとの厚さの差が意図せず大きくなることを防止し、これにより巻線25の破断を抑制することができる。
上記の実施形態によれば、第2治具J2a、J2bからの加熱及び加圧による巻線25の端部27a、27bの変形が、金属層21a、22aの表面の目標位置に配置された第1治具J1a、J1bにより規制される。このため、第2治具J2a、J2bにより変形された巻線の端部27a、27bを変形することで得られる接合部28a、28bは、金属層21a、22aの表面において第1治具J1a、J1bにより規定される目標位置に配置される。よって、巻線25は、第1治具J1a、J1bにより規定される目標位置において金属層21a、22aと接合される。したがって、上記の実施形態によれば、第1治具J1a、J1bにより規定される目標位置からずれることなく、巻線25を金属層21a、22aに接合することができる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれ得る任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
本明細書において明示的に説明していない構成要素を、上述の各実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
1 コイル部品
J1a、J1b 第1治具
J2a、J2b 第2治具
J3a、J3b 第3治具
10 コア
11 巻芯
12a、12b フランジ
21a、22a 金属層
25 巻線
28a、28b 接合部
40 外装部

Claims (12)

  1. 巻芯及び前記巻芯の一端に接続されているフランジを有するコアを準備するコア準備工程と、
    前記フランジの表面に導電性の金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の表面の目標位置に第1治具を配置する治具配置工程と、
    前記金属層の表面に配置された巻線の端部を第2治具により加圧及び加熱することで、前記端部を前記第1治具に接するように変形させ、変形された前記端部を前記金属層に接合させる接合工程と、
    を備えるコイル部品の製造方法。
  2. 前記治具配置工程において、前記第1治具は、前記目標位置において、前記金属層の表面から内部に向かって押し込まれる、
    請求項1に記載のコイル部品の製造方法。
  3. 前記接合工程において、前記端部は、前記金属層の表面において前記巻芯の軸線から前記第1治具よりも遠位にある位置に配置される、
    請求項1または2に記載のコイル部品の製造方法。
  4. 前記接合工程において、前記第1治具は、前記第2治具よりも低温に保たれる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
  5. 前記接合工程において、前記第2治具は、前記金属層に向かって移動することにより前記端部に圧力を加える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
  6. 前記治具配置工程において、前記金属層の表面における前記第2治具の軌道と干渉する位置に第3治具を配置し、
    前記接合工程において、前記第2治具は、前記第3治具に接する位置まで前記金属層に向かって移動する、
    請求項5に記載のコイル部品の製造方法。
  7. 前記巻線の径は、0.02mm以下である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
  8. 前記接合工程において、前記巻線の前記端部は、変形して前記第1治具に接する接合部となり、
    前記接合部の厚さは、前記巻線の径の1/2以上である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
  9. 前記第1治具は、前記金属層の表面に直交する第1面を有し、
    前記接合部は、前記第1面において前記第1治具と接する、
    請求項8に記載のコイル部品の製造方法。
  10. 前記第1面の上端から前記金属層までの距離は、前記巻線の径よりも大きい、
    請求項9に記載のコイル部品の製造方法。
  11. 前記金属層及び前記接合部を覆うように導電性の電極層を形成する工程をさらに備える、
    請求項8から10のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
  12. 前記巻線は、前記巻芯に巻回される巻回部を有し、
    前記巻回部の少なくとも一部を覆うように絶縁性の外装部を設ける工程をさらに備える、
    請求項1から11のいずれか1項に記載のコイル部品の製造方法。
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