JP2023048106A - 回転電機 - Google Patents

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Wataru Niwa
剛士 合田
Takeshi Aida
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Abstract

Figure 2023048106000001
【課題】冷却効果を高めつつ、コイル温度の検出精度を高めることができる回転電機を提供する。
【解決手段】モータ装置60は、モータハウジング70、ステータコイル211及び温度センサ431を有している。モータハウジング70は、ステータコイル211及び温度センサ431を収容している。モータハウジング70では、モータ外周面70aにモータフィン72が設けられている。モータフィン72は、ステータコイル211の径方向外側に設けられている。温度センサ431は、ステータコイル211の径方向内側に設けられている。モータ装置60では、ステータコイル211から径方向外側への放熱がステータコイル211から径方向内側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211の径方向外側への放熱がモータフィン72により促進される。
【選択図】図84

Description

この明細書における開示は、回転電機に関する。
特許文献1には、温度センサを備えたモータについて記載されている。このモータでは、ステータ及びロータがハウジングに収容されている。ハウジングには、温度センサも収容されている。温度センサは、ステータのコイルに対して外周側に設けられている。
特許第6943317号
上記特許文献1では、ハウジングがコイルの熱を外部に放出する放熱部として機能すると考えられる。ハウジングが放熱部として機能すると、ハウジングの温度がコイルの温度よりも低くなりやすい。上記特許文献1では、放熱部として機能するハウジングとコイルとの間で温度センサが温度を検出することに起因して、温度センサの検出温度が実際のコイルの温度よりも低くなりやすい。温度センサがコイルの温度を検出するという観点では、温度センサの検出精度が低下することが懸念される。
本開示の主な目的は、冷却効果を高めつつ、コイル温度の検出精度を高めることができる回転電機を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するため、開示された態様は、
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
コイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
ステータ及びロータを収容している電機ハウジング(70)と、
回転軸線の径方向(RD)においてコイルの内側及び外側のうち一方に設けられ、コイルから一方への放熱が他方への放熱よりも大きくなるようにコイルから一方への放熱を促進する放熱促進部(72,551,561,571,581)と、
電機ハウジングに収容され、径方向において放熱促進部とはコイルを介して反対側に設けられ、電機ハウジングの内部温度を検出する温度検出部(431,431A,431B,431C,431D)と、
を備えている回転電機である。
上記回転電機では、放熱促進部がコイルに対して径方向の内側及び外側のうち一方に設けられている。このため、放熱促進部により径方向の一方側から回転電機に冷却効果を付与できる。しかも、温度検出部がコイルを介して放熱促進部とは反対側に設けられている。この構成では、放熱促進部の冷却効果により温度検出部の検出温度が実際のコイル温度よりも低くなるということが生じにくい。すなわち、温度検出部の検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい。したがって、回転電機において、冷却効果を高めつつ、コイル温度の検出精度を高めることができる。
第1実施形態における駆動システムの構成を示す図。 モータ装置ユニットの正面図。 モータ装置ユニットの縦断面図。 モータ装置ユニットの分解斜視図。 モータ装置の斜視図。 モータ装置の縦断面図。 構成群Aaにおけるモータ装置の平面図。 モータ装置の縦断面図。 電力バスバの平面図。 コイルユニットの構成を示すステータの平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Abにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 コイル線の斜視図。 構成群Acにおけるステータ及びモータハウジングの平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Adにおけるモータ装置の斜視図。 モータ装置の平面図。 モータ装置における中継ターミナル周辺の縦断面図。 構成群Aeにおけるモータ装置の平面図。 構成群Afにおけるモータ装置での中継ターミナル周辺の縦断面図。 モータ装置の平面図。 構成群Agにおけるモータ装置の縦断面図。 モータ装置の平面図。 構成群Baにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 モータにおける磁石の配列を示す図。 構成群Bbにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面斜視図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 磁石ユニットの平面図。 構成群Bcにおけるロータの磁石周辺の縦断面斜視図。 傾斜磁石ユニット及び平行磁石ユニットの平面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 構成群Bdにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 シャフトの斜視図。 構成群Beにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 第1ロータ及び第2ロータの縦断面斜視図。 構成群Bfにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 第1ホルダ固定具と第2ホルダ固定具との位置関係を説明するための図。 第1ロータ側から見たモータの斜視図。 シャフトの平面図。 構成群Caにおけるモータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 モータハウジングの縦断面斜視図。 モータハウジング及びコイル保護部の概略縦断面図。 モータハウジング及びコイル保護部の概略横断面図。 構成群Cbにおけるモータハウジングの縦断面斜視図。 構成群Ccにおけるモータ装置でのグロメット周辺の縦断面図。 モータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 モータハウジングの縦断面斜視図。 構成群Cdにおけるコアユニットの斜視図。 構成群Ceにおけるコアユニットの斜視図。 モータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 構成群Cfにおけるコアユニットの斜視図。 コアの斜視図。 コアの横断面図。 コア形成板材の斜視図。 構成群Cgにおけるコアユニットの斜視図。 フランジ凹部側から見たコアユニットの斜視図。 フランジ凹部側から見たコアユニットの側面図。 径方向内側から見たコアユニットの正面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Daにおけるモータ装置ユニットの縦断面図。 ステータ及びモータハウジングの平面図。 構成群Dbにおけるロータ及びステータの縦断面図。 図68の下側から見たシャフトの斜視図。 図68の下側から見たシャフトの平面図。 シャフトの正面図。 図71のLXXII-LXXII線断面図。 構成群Dcにおけるロータ及びステータの縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 構成群Ddにおけるモータ装置の平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Deにおけるモータ装置の平面図。 構成群Dfにおけるモータ装置の斜視図。 モータハウジング及びステータの平面図。 モータハウジングを第2ロータ側から見た平面図。 構成群Dgにおけるモータ装置の斜視図。 モータ装置をドライブフレーム側から見た平面図。 モータ装置ユニットの縦断面図。 構成群Oにおけるモータ装置での温度センサ周辺の縦断面図。 モータ装置における温度センサ周辺の概略縦断面図。 モータ装置のステータコイル及び温度センサを示す概略平面図。 中性点ユニットの斜視図。 モータ装置における温度センサ周辺の平面図。 温度信号配線の位置を示すコアユニットの側面図。 温度信号配線の位置を示すコアユニットの正面図。 構成群O及び第3実施形態における中性点ユニットの斜視図。 温度信号配線の位置を示すコアユニットの側面図。 温度信号配線の位置を示すコアユニットの正面図。 第4実施形態における中性点ユニットの斜視図。 第5実施形態におけるモータ装置での温度センサ周辺の概略縦断面図。 温度信号配線の位置を示すコアユニットの正面図。 第6実施形態におけるモータ装置のステータコイル及び温度センサを示す概略平面図。 第7実施形態におけるモータ装置のステータコイル及び温度センサを示す概略平面図。 第8実施形態におけるモータ装置のステータコイル及び温度センサを示す概略平面図。 第9実施形態におけるモータ装置のステータコイル及び温度センサを示す概略平面図。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
図1に示す駆動システム30は、車両や飛行体などの移動体に搭載されている。駆動システム30が搭載される車両としては、例えば電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)及び燃料電池車などがある。飛行体としては、垂直離着陸機、回転翼機及び固定翼機などの航空機がある。垂直離着陸機としてはeVTOLがある。eVTOLは、電動垂直離着陸機であり、electric Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。
駆動システム30は、移動体を移動させるために駆動するシステムである。駆動システム30は、移動体が車両であれば車両を走行させるために駆動し、移動体が飛行体であれば飛行体を飛行させるために駆動する。
駆動システム30は、バッテリ31及びモータ装置ユニット50を有している。バッテリ31はモータ装置ユニット50に電気的に接続されている。バッテリ31は、モータ装置ユニット50に電力を供給する電力供給部であり、電源部に相当する。バッテリ31は、モータ装置ユニット50に直流電圧を印加する直流電圧源である。バッテリ31は、充放電可能な2次電池を有している。この2次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などがある。なお、電源部としては、バッテリ31に加えて又は代えて、燃料電池や発電機などが用いられてもよい。
モータ装置ユニット50は、移動体を移動させるために駆動する装置であり、駆動装置に相当する。モータ装置ユニット50は、モータ装置60及びインバータ装置80を有している。モータ装置60はモータ61を有している。インバータ装置80はインバータ81を有している。バッテリ31は、インバータ81を介してモータ61に電気的に接続されている。モータ61には、バッテリ31からインバータ81を介して電力が供給される。モータ61は、インバータ81から供給される電圧及び電流に応じて駆動する。
モータ61は、複数相の交流モータである。モータ61は、例えば3相交流方式のモータであり、U相、V相、W相を有している。モータ61は、移動体が移動するための移動駆動源であり、電動機として機能する。モータ61としては、例えばブラシレスモータが用いられている。モータ61は、回生時に発電機として機能する。なお、モータ61が回転電機に相当し、モータ装置ユニット50が回転電機ユニットに相当する。
モータ61は、複数相のコイル211を有している。コイル211は、巻線であり、電機子を形成している。コイル211は、U相、V相、W相のそれぞれに設けられている。モータ61においては、複数相のコイル211がスター結線されている。スター結線は、Y結線と称されることがある。モータ61は、中性点65を有している。複数相のコイル211は、中性点65にて互いに接続されている。
インバータ81は、モータ61に供給する電力を変換することでモータ61を駆動する。インバータ81は、モータ61に供給される電力を直流から交流に変換する。インバータ81は、電力を変換する電力変換部である。インバータ81は、複数相の電力変換部であり、複数相のそれぞれについて電力変換を行う。インバータ81は、例えば3相インバータであり、U相、V相、W相のそれぞれについて電力変換を行う。
インバータ装置80は、Pライン141、Nライン142を有している。Pライン141及びNライン142は、バッテリ31とインバータ81とを電気的に接続している。Pライン141は、バッテリ31の正極に電気的に接続されている。Nライン142は、バッテリ31の負極に電気的に接続されている。バッテリ31においては、正極が高電位側の電極であり、負極が低電位側の電極である。Pライン141及びNライン142は、電力を供給するための電力ラインである。Pライン141は、高電位側の電力ラインであり、高電位ラインと称されることがある。Nライン142は、低電位側の電力ラインであり、低電位ラインと称されることがある。
モータ装置ユニット50は、出力ライン143を有している。出力ライン143は、電力を供給するための電力ラインである。出力ライン143は、モータ61とインバータ81とを電気的に接続している。出力ライン143は、モータ装置60とインバータ装置80とにかけ渡された状態になっている。
インバータ装置80は平滑コンデンサ145を有している。平滑コンデンサ145は、バッテリ31から供給される直流電圧を平滑化するコンデンサである。平滑コンデンサ145は、バッテリ31とインバータ81との間において、Pライン141とNライン142とに接続されている。平滑コンデンサ145は、インバータ81に対して並列に接続されている。
インバータ81は、電力変換回路であり、例えばDC-AC変換回路である。インバータ81は、複数相分のアーム回路85を有している。例えば、インバータ81は、U相、V相、W相のそれぞれについてアーム回路85を有している。アーム回路85は、レグ及び上下アーム回路と称されることがある。アーム回路85は、上アーム85aと、下アーム85bを有している。上アーム85a及び下アーム85bは、バッテリ31に対して直列に接続されている。上アーム85aはPライン141に接続され、下アーム85bはNライン142に接続されている。
出力ライン143は、複数相分のそれぞれについてアーム回路85に接続されている。出力ライン143は、上アーム85aと下アーム85bとの間に接続されている。出力ライン143は、複数相のそれぞれにおいて、アーム回路85とコイル211とを接続している。出力ライン143は、コイル211において中性点65とは反対側に接続されている。
アーム85a,85bは、アームスイッチ86及びダイオード87を有している。アームスイッチ86は半導体素子等のスイッチング素子により形成されている。このスイッチング素子としては、例えばIGBT及びMOSFET等のパワー素子がある。IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称である。MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略称である。
アーム85a,85bは、それぞれアームスイッチ86とダイオード87とを1つずつ有している。アーム85a,85bにおいては、ダイオード87が還流用としてアームスイッチ86に逆並列に接続されている。上アーム85aにおいては、アームスイッチ86のコレクタがPライン141に接続されている。下アーム85bにおいては、アームスイッチ86のエミッタがNライン142に接続されている。そして、上アーム85aにおけるアームスイッチ86のエミッタと、下アーム85bにおけるアームスイッチ86のコレクタが相互に接続されている。ダイオード87のアノードは対応するアームスイッチ86のエミッタに接続され、カソードはコレクタに接続されている。なお、アームスイッチ86を半導体スイッチと称することもできる。
モータ装置ユニット50は制御装置54を有している。制御装置54はインバータ装置80に含まれている。制御装置54は、例えばECUであり、インバータ81の駆動を制御する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。制御装置54は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成される。メモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、non-transitory tangible storage mediumであり、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。図1においては、制御装置54をCDと図示している。
制御装置54は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、インバータ81の駆動に関する各種の処理を実行する。制御装置54は、外部装置、インバータ81及び各種センサに電気的に接続されている。外部装置は、例えば移動体に搭載された統合ECUなどの上位ECUである。各種センサは、例えばモータ装置ユニット50に設けられている。制御装置54は、インバータ81に対して指令信号を出力することでインバータ81の制御を行う。制御装置54は、外部装置から入力される制御信号、及び各種センサから入力される検出信号、などに応じて指令信号を生成する。インバータ装置80においては、制御装置54から入力された指令信号に応じてインバータ81が駆動し、インバータ81による電力変換が行われる。
モータ装置60は、各種センサとして、レゾルバ421及び温度センサ431を有している。レゾルバ421は、モータ61の回転角度を検出する回転センサであり、回転検出部に相当する。レゾルバ421は、モータ61の回転角度に応じた検出信号を出力する。レゾルバ421の検出信号には、モータ61について、回転角度など回転数に関する情報が含まれている。なお、モータ装置60は、レゾルバ421とは異なる回転検出部を有していてもよい。
温度センサ431は、モータ61の温度を検出することが可能であり、温度検出部に相当する。温度センサ431は、モータ61の温度に応じた検出信号を出力する。温度センサ431は、モータ61の温度として、例えば後述するステータ200の温度を検出する。なお、温度センサ431は、モータ61のどの部位の温度を検出してもよい。
レゾルバ421及び温度センサ431は、制御装置54に電気的に接続されている。レゾルバ421は、信号ライン425により制御装置54に接続されている。レゾルバ421が出力した検出信号は、信号ライン425を介して制御装置54に入力される。温度センサ431は、信号ライン435により制御装置54に接続されている。温度センサ431が出力した検出信号は、信号ライン435を介して制御装置54に入力される。信号ライン425,435は、モータ装置ユニット50に含まれており、モータ装置60とインバータ装置80とにかけ渡された状態になっている。
図2、図3に示すように、モータ装置ユニット50においては、モータ装置60とインバータ装置80とがモータ軸線Cmに沿って並べられている。モータ装置60とインバータ装置80とは、ボルト等の固定具により互いに固定されている。モータ軸線Cmは、直線状に延びる仮想線である。モータ軸線Cmが延びる方向を軸方向ADと称すると、モータ軸線Cmについては、軸方向ADと径方向RDと周方向CDとが互いに直交している。なお、径方向RDの外側が径方向外側と称され、径方向RDの内側が径方向内側と称されることがある。なお、図3においては、モータ装置ユニット50においてモータ軸線Cmに沿って延びた縦断面が図示されている。
モータ装置60は、モータハウジング70を有している。モータハウジング70はモータ61を収容している。モータハウジング70は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。モータハウジング70は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。モータハウジング70は、外周面70aを有している。外周面70aは、モータハウジング70の外面に含まれており、全体として周方向CDに環状に延びている。
モータハウジング70は、ハウジング本体71及びモータフィン72を有している。ハウジング本体71は、外周面70aを形成している。モータフィン72は、外周面70aに設けられた放熱フィンである。モータフィン72は、モータハウジング70の表面積を大きくしており、モータハウジング70の放熱効果を高めている。モータフィン72は、外周面70aから径方向外側に向けて突出している。モータフィン72は、外周面70aに沿って軸方向ADに延びている。モータフィン72は、周方向CDに複数並べられている。
インバータ装置80は、インバータハウジング90を有している。インバータハウジング90はインバータ81を収容している。インバータハウジング90は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。インバータハウジング90は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。インバータハウジング90は、外周面90aを有している。外周面90aは、インバータハウジング90の外面に含まれており、周方向CDに環状に延びている。
モータ装置60及びインバータ装置80は、空冷式の装置になっている。インバータハウジング90は、ハウジング本体91及びインバータフィン92を有している。ハウジング本体91は、外周面90aを形成している。インバータフィン92は、外周面90aに設けられた放熱フィンである。インバータフィン92は、インバータハウジング90の表面積を大きくしており、インバータハウジング90の放熱効果を高めている。インバータフィン92は、外周面90aから径方向外側に向けて突出している。インバータフィン92は、外周面90aに沿って軸方向ADに延びている。インバータフィン92は、周方向CDに複数並べられている。
図2に示すように、モータ装置ユニット50は、ユニットダクト100を有している。ユニットダクト100は、樹脂材料等により形成されている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を収容している。ユニットダクト100は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。ユニットダクト100は、軸方向ADにおいてモータハウジング70とインバータハウジング90とにかけ渡された状態になっている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を外周側から覆った状態になっている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90のすくなくとも一方に固定されている。ユニットダクト100においては、軸方向ADの両端に開口部が形成されている。
ユニットダクト100の内周面は、モータフィン72及びインバータフィン92を介して外周面70a,90aに対向している。ユニットダクト100の内周面は、外周面70a,90aから径方向外側に離間している。モータ装置ユニット50においては、外周面70a,90aとユニットダクト100の内周面との間にダクト流路が形成されている。このダクト流路は、ユニットダクト100の開口部を介して軸方向ADに開放されている。モータ装置ユニット50においては、空気等の気体がダクト流路を通過することで、モータフィン72及びインバータフィン92から熱が放出されやすくなる。
ユニットダクト100の内周面は、モータフィン72及びインバータフィン92の先端面に接近又は接触している。この構成では、ダクト流路を軸方向ADに通過する気体は、径方向RDにおいてモータフィン72及びインバータフィン92に重複する位置を通りやすくなっている。このため、モータフィン72及びインバータフィン92による放熱効果が向上しやすくなっている。
図3に示すように、インバータ装置80は、インバータハウジング90に加えて、インバータ蓋部99を有している。インバータ蓋部99は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。インバータ蓋部99は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。インバータハウジング90においては、軸方向ADの一端側に形成された開口部がインバータ蓋部99により覆われている。
モータ装置60は、モータハウジング70に加えて、ドライブフレーム390を有している。ドライブフレーム390は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。ドライブフレーム390は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。モータハウジング70においては、軸方向ADの一端側に形成された開口部がドライブフレーム390により覆われている。ドライブフレーム390は、フレーム固定具405によりモータハウジング70に固定されている。フレーム固定具405は、ボルト等の固定具である。フレーム固定具405は、ワッシャ406を介してドライブフレーム390及びモータハウジング70に対して螺着されている。
モータ装置60は、Oリング401を有している。Oリング401は、弾性変形可能なシール部材であり、樹脂材料等により形成されている。Oリング401は、モータハウジング70とドライブフレーム390との間に挟み込まれた状態になっている。Oリング401は、モータハウジング70の外周縁に沿って延びている。Oリング401は、モータハウジング70とドライブフレーム390との間をシールしている。
モータ装置ユニット50においては、軸方向ADの一方側の端部がインバータ蓋部99により形成されている。軸方向ADの他方側の端部は、ドライブフレーム390により形成されている。
モータ装置ユニット50は、ユニットハウジング51を有している。ユニットハウジング51は、インバータハウジング90、インバータ蓋部99、モータハウジング70及びドライブフレーム390を含んで構成されている。ユニットハウジング51においては、その外周面がインバータハウジング90及びモータハウジング70により形成されている。ユニットハウジング51においては、一対の端面のうち一方がインバータ蓋部99により形成され、他方がドライブフレーム390により形成されている。ユニットダクト100は、ユニットハウジング51の外周面を覆った状態になっている。
図3、図4に示すように、モータ61は、ステータ200、ロータ300及びシャフト340を有している。ロータ300は、モータ軸線Cmを中心にステータ200に対して相対的に回転する。ロータ300は、回転子であり、ロータサブアッセンブリと称されることがある。モータ軸線Cmは、ロータ300の中心線であり、回転軸線に相当する。シャフト340は、ロータ300に固定されており、ロータ300と共に回転する。シャフト340は、モータ61の回転軸である。シャフト340の中心線はモータ軸線Cmに一致している。ステータ200の中心線は、モータ軸線Cmに一致している。ステータ200は、固定子であり、ステータサブアッセンブリと称されることがある。
モータ装置60は、アキシャルギャップ式の回転電機である。モータ61においては、ステータ200とロータ300とがモータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。ロータ300は、ステータ200に軸方向ADに重ねられた状態になっており、その状態でステータ200に対して相対的に回転する。
モータ装置60は、ダブルロータ式の回転電機であり、ロータ300を2つ有している。2つのロータ300は、軸方向ADに並べられている。軸方向ADにおいては、2つのロータ300の間にステータ200が設けられている。シャフト340は、2つのロータ300の両方に固定されている。2つのロータ300は、シャフト340と共にまとめて回転する。2つのロータ300を第1ロータ300a及び第2ロータ300bと称すると、第1ロータ300aは、ステータ200に対してリアフレーム370側に設けられている。第2ロータ300bは、ステータ200に対してインバータ装置80とは反対側に設けられている。なお、アキシャルギャップ式であり、且つダブルロータ式の回転電機は、ダブルアキシャルモータと称されることがある。
図3、図6に示すように、ステータ200は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ステータ200は、コイルユニット210及びコイル保護部250を有している。コイルユニット210は、コイル部215を有している。コイル部215は、周方向CDに複数並べられている。コイルユニット210においては、少なくとも1つのコイル部215によりコイル211が構成されている。複数相のコイル211は、コイルユニット210において周方向CDに並べられている。なお、図6においては、コイル保護部250の図示を省略している。
コイル保護部250は、樹脂材料等により形成されている。コイル保護部250は、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂により形成されている。コイル保護部250は、例えばモールド成形により成形されたモールド樹脂である。コイル保護部250は、電気絶縁性を有している。コイル保護部250は、熱伝導性を有しており、コイル部215からの熱が伝わりやすくなっている。コイル保護部250は、例えば空気よりも大きい熱伝導率を有している。
コイル保護部250は、コイルユニット210を覆った状態になっており、コイルユニット210を保護している。コイル保護部250は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。コイル保護部250は、全体として環状に形成されている。コイル保護部250は、コイル211及びコイル部215を封止している。コイル保護部250は、コイル部215及びモータハウジング70の両方に接触している。コイル保護部250は、コイル部215からの熱をモータハウジング70に伝えやすくなっている。
ロータ300は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ロータ300は、全体として板状に形成されている。ロータ300は、磁石310及び磁石ホルダ320を有している。磁石310は、周方向CDに複数並べられている。磁石310は、永久磁石であり、界磁を形成している。磁石ホルダ320は、複数の磁石310を支持している。磁石ホルダ320は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。磁石ホルダ320は、全体として環状に形成されている。
シャフト340は、シャフト本体341及びシャフトフランジ342を有している。シャフト本体341は、柱状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。シャフトフランジ342は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びている。シャフトフランジ342は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。シャフトフランジ342は、全体として環状に形成されている。シャフトフランジ342は、ロータ300に固定されている。
モータ装置60は、第1ベアリング360及び第2ベアリング361を有している。ベアリング360,361は、シャフト340を回転可能に支持している。ロータ300は、シャフト340を介してベアリング360,361により回転可能に支持されている。第1ベアリング360と第2ベアリング361とは軸方向ADに並べられている。軸方向ADにおいては、第1ベアリング360と第2ベアリング361との間にシャフトフランジ342が設けられている。第1ベアリング360は、後述するリアフレーム370に取り付けられており、リアフレーム370を介してモータハウジング70に固定されている。第2ベアリング361は、ドライブフレーム390に取り付けられており、ドライブフレーム390を介してモータハウジング70に固定されている。
図3、図4、図6に示すように、モータ装置60は、バスバユニット260、リアフレーム370、防塵カバー380、リテーナプレート410、レゾルバ421、レゾルバカバー424を有している。なお、図3においては、防塵カバー380の図示を省略している。
リアフレーム370は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。リアフレーム370は、金属材料等により形成されている。リアフレーム370は、ステータ200及びロータ300をインバータ装置80側から覆った状態になっている。リアフレーム370は、モータハウジング70の内部空間をインバータ装置80側から区画している。リアフレーム370は、モータハウジング70の内部空間とインバータハウジング90の内部空間とを仕切っている。リアフレーム370は、軸方向ADにおいてモータハウジング70とインバータハウジング90との間に設けられている。リアフレーム370は、モータハウジング70とインバータハウジング90との間に挟み込まれた状態になっている。
防塵カバー380は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。防塵カバー380は、全体として環状に形成されている。防塵カバー380は、インバータ装置80側からリアフレーム370に重ねられた状態になっている。防塵カバー380は、樹脂材料等により形成されており、塵等の異物が通過しない構造になっている。防塵カバー380は、モータハウジング70の内部空間及びインバータハウジング90の内部空間のうち一方から他方に異物が侵入することを防止する。
図4、図5に示すように、バスバユニット260は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバユニット260は、全体として環状に形成されている。バスバユニット260は、軸方向ADにおいてステータ200からリアフレーム370側に離間した位置にある。バスバユニット260は、リアフレーム370よりもインバータ装置80側に設けられている。バスバユニット260は、リアフレーム370の板面に沿って延びている。
図3、図6に示すように、バスバユニット260は、電力バスバ261及びバスバ保護部270を有している。電力バスバ261は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。電力バスバ261は、複数相のそれぞれに設けられており、複数相のそれぞれにおいて出力ライン143の少なくとも一部を形成している。電力バスバ261は、出力ライン143においてコイル211とインバータ81との間に設けられており、これらコイル211とインバータ81とを電気的に接続している。電力バスバ261は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。電力バスバ261は、全体として環状に形成されている。なお、バスバ部材は、板状の導体が絶縁体により被覆された部材である。
バスバ保護部270は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。バスバ保護部270は、複数の電力バスバ261を覆った状態になっており、複数の電力バスバ261を保護している。バスバ保護部270は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ保護部270は、全体として環状に形成されている。
図3、図5、図6に示すように、モータ装置60は、中継ターミナル280を有している。中継ターミナル280は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。中継ターミナル280は、複数相のそれぞれに設けられており、複数相のそれぞれにおいて出力ライン143の少なくとも一部を形成している。中継ターミナル280は、出力ライン143において電力バスバ261とインバータ81との間に設けられている。中継ターミナル280は、電力バスバ261とインバータ81とを電気的に接続している。中継ターミナル280は、電力バスバ261に電気的に接続されている。中継ターミナル280は、周方向CDに複数並べられている。中継ターミナル280は、例えばインバータ装置80においてインバータ81を構成する部材に接続されている。
図3、図4、図6に示すように、リテーナプレート410は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。リテーナプレート410は、全体として環状に形成されている。リテーナプレート410は、第2ベアリング361をドライブフレーム390に対して固定している。リテーナプレート410は、ドライブフレーム390との間に第2ベアリング361を挟み込んだ状態で、ドライブフレーム390に固定されている。
レゾルバ421は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。レゾルバ421は、全体として環状に形成されている。レゾルバ421は、レゾルバロータ及びレゾルバステータを有している。レゾルバロータは、レゾルバステータに対して相対的に回転する。レゾルバロータはロータ300側に設けられ、レゾルバステータはモータハウジング70側に設けられている。例えば、レゾルバロータはシャフト340に取り付けられ、レゾルバステータはリアフレーム370に取り付けられている。レゾルバ421は、リアフレーム370に対してインバータ装置80側に設けられている。レゾルバカバー424は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。レゾルバカバー424は、レゾルバ421をインバータ装置80側から覆った状態になっている。レゾルバカバー424は、リアフレーム370に取り付けられている。レゾルバカバー424は、シャフト本体341をインバータ装置80側から覆った状態になっている。
モータ装置ユニット50には、減速機53が取り付けられている。減速機53は、モータ61と外部機器とを機械的に接続している。例えば、外部機器が減速機53を介してモータ61の回転軸に機械的に接続されている。減速機53は、モータ61の回転を減速して外部機器に伝達する。外部機器としては、車輪やプロペラ等がある。減速機53は、複数のギアを含んで構成されており、変速ギア及びギアボックスと称されることがある。減速機53は、モータ61が有するモータ特性に合わせた構造になっている。減速機53は、減速機固定具53aによりドライブフレーム390に固定されている。減速機固定具53aは、ボルト等の固定具である。
<構成群Aa>
図7、図8、図9に示すように、電力バスバ261は、バスバ本体262及びバスバターミナル263を有している。バスバ本体262は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ本体262は、全体として環状に形成されている。バスバ本体262は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。バスバターミナル263は、バスバ本体262から周方向CDに交差する方向に延びている。バスバターミナル263は、バスバ本体262から径方向内側に向けて延びている。バスバターミナル263は、全体として板状に形成されている。なお、図7においては、防塵カバー380の図示を省略している。
電力バスバ261は、軸方向ADに複数並べられている。例えば、複数の電力バスバ261には、U相の電力バスバ261、V相の電力バスバ261、W相の電力バスバ261が含まれている。複数の電力バスバ261においては、それぞれのバスバ本体262が軸方向ADに重ねられている。複数のバスバ本体262は、軸方向ADにおいてステータ200に並ぶ位置に設けられている。複数の電力バスバ261においては、それぞれのバスバターミナル263が周方向CDに離間した位置にある。
モータ装置60は、ステータ側空間S1及びインバータ側空間S2を有している。ステータ側空間S1及びインバータ側空間S2は、モータ装置60の内部空間に含まれており、リアフレーム370により仕切られた空間である。ステータ側空間S1とインバータ側空間S2とは、リアフレーム370を介して軸方向ADに並んでいる。ステータ側空間S1は、リアフレーム370よりもステータ200側の空間である。ステータ側空間S1は、軸方向ADにおいてリアフレーム370とドライブフレーム390との間の空間である。インバータ側空間S2は、リアフレーム370よりもインバータ装置80側の空間である。インバータ側空間S2は、軸方向ADにおいてリアフレーム370とインバータハウジング90との間の空間である。なお、インバータ側空間S2には、インバータ装置80の内部空間が含まれていてもよい。また、ステータ側空間S1が第1空間に相当し、インバータ側空間S2が第2空間に相当し、リアフレーム370が空間仕切部に相当する。
電力バスバ261は、インバータ側空間S2に設けられている。バスバユニット260は、リアフレーム370にインバータ装置80側から重ねられた状態になっている。バスバ保護部270は、ねじ等の固定具によりリアフレーム370に固定されている。
図8に示すように、バスバ保護部270は、複数の保護プレート271を有している。保護プレート271は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。保護プレート271は、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。保護プレート271は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。保護プレート271は、全体として環状に形成されている。複数の保護プレート271は、バスバ本体262を介して軸方向ADに重ねられている。軸方向ADにおいて保護プレート271を介して隣り合う2つのバスバ本体262については、保護プレート271により電気絶縁性が付与されている。
図10に示すように、モータ装置60は、中性点バスバ290を有している。中性点バスバ290は、ステータ200に含まれている。中性点バスバ290は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。中性点バスバ290は、少なくとも中性点65を形成しており、複数相のコイル211を電気的に接続している。中性点バスバ290は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。中性点バスバ290は、周方向CDに複数並べられている。
図8に示すように、中性点バスバ290は、電力バスバ261から軸方向ADに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370よりもドライブフレーム390に近い位置にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介して電力バスバ261とは反対側にある。中性点バスバ290は、ステータ側空間S1に設けられている。一方、上述したように、電力バスバ261は、インバータ側空間S2に設けられている。
図7、図10に示すように、中性点バスバ290は、バスバ本体262から径方向RDに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、バスバ本体262から径方向内側に離間した位置にある。
図10に示すように、コイルユニット210は、中性点ユニット214を有している。中性点ユニット214は、周方向CDに複数並べられている。中性点ユニット214は、複数のコイル部215と、1つの中性点バスバ290とを有している。中性点ユニット214においては、複数相のコイル211が中性点65によりスター結線されている。コイルユニット210では、中性点ユニット214が周方向CDに複数並べられていることで、スター結線された複数相のコイル211が周方向CDに複数並べられている。
図11に示すように、中性点ユニット214においては、コイル部215が周方向CDに並べられていることで、複数相のコイル211が周方向CDに並べられている。中性点ユニット214においては、複数相のそれぞれにおいて、コイル211から電力引出線212及び中性引出線213が延びている。電力引出線212は、コイル211から径方向外側に向けて引き出され、電力バスバ261に向けて軸方向ADに延びている。電力引出線212は、電力バスバ261に電気的に接続されている。中性引出線213は、コイル211から径方向内側に向けて引き出されている。中性引出線213は、中性点バスバ290に電気的に接続されている。
コイル部215は、巻回されたコイル線220により形成されている。コイル線220は、電流を流すための電線等の導電部材である。コイル線220は、コアユニット230に巻回されている。コアユニット230においては、コイル線220がボビン240を介してコア231に巻回されている。コイル線220においては、巻回された部位がコイル部215を形成し、コイル部215から延出した部位が第1延出線216及び第2延出線217を形成している。コイル部215においては、軸方向ADに並ぶ両端のうち一方から第1延出線216が延びており、他方から第2延出線217が延びている。
コイル線220は、コイル部215を形成していることでコイル211を形成している。コイル線220においては、巻回された部位がコイル211を形成し、コイル211から延出した部位が電力引出線212及び中性引出線213を形成している。
複数相のそれぞれにおいては、1つのコイル211が2つのコイル部215により形成されている。複数相のそれぞれにおいては、2つのコイル部215のうち一方の第1延出線216が電力引出線212を形成し、他方の第1延出線216が中性引出線213を形成している。2つのコイル部215のそれぞれの第2延出線217は互いに接続されている。
中性点ユニット214において、コイル211、電力引出線212、中性引出線213のそれぞれにU相、V相、W相を付して称する。すると、中性点ユニット214においては、U相コイル211U、V相コイル211V、W相コイル211Wが1つずつ周方向CDに並べられている。同様に、U相電力引出線212U、V相電力引出線212V、W相電力引出線212Wが1つずつ周方向CDに並べられている。U相中性引出線213U、V相中性引出線213V、W相中性引出線213Wが1つずつ周方向CDに並べられている。
<構成群Ab>
図12に示すように、モータ61は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bを有している。モータ61は、第1ギャップG1及び第2ギャップG2を有している。第1ギャップG1は、ステータ200と第1ロータ300aとの隙間である。第2ギャップG2は、ステータ200と第2ロータ300bとの隙間である。第1ギャップG1と第2ギャップG2とは、ステータ200を介して軸方向ADに並んでいる。モータ61は、ダブルギャップ式の回転電機と称されることがある。
図13に示すように、コイル線220は、導体部221及び被覆部222を有している。導体部221は、導電性を有しており、コイル線220において電流が流れる部位である。被覆部222は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。被覆部222は、導体部221を被覆している。導体部221は、複数の素線223を有している。素線223は、銅等の導電材料により形成されており、導体部221において電流が流れる部位である。コイル線220は、より線及び分割銅線と称されることがある。
<構成群Ac>
図14、図15に示すように、コイルユニット210においては、複数のコイル部215に第1コイル部215a及び第2コイル部215bが含まれている。第1コイル部215aと第2コイル部215bとは、周方向CDに交互に並べられている。コイルユニット210においては、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215のうち一方が第1コイル部215aであり、他方が第2コイル部215bである。
コイルユニット210においては、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215の巻数が異なっている。コイル部215の巻数は、コイル部215においてコイル線220が巻回されている数である。第1コイル部215aの巻数と第2コイル部215bとが異なっている。例えば、第1コイル部215aの巻数が第2コイル部215bの巻数よりも多くなっている。
図15に示すように、第1コイル部215aでは、第1延出線216及び第2延出線217の両方が径方向RDの一方側に引き出されている。例えば、第1コイル部215aでは、第1延出線216及び第2延出線217の両方が径方向内側に引き出されている。一方、第2コイル部215bでは、第1延出線216及び第2延出線217が径方向RDにおいて逆向きに引き出されている。例えば、第2コイル部215bでは、第1延出線216が径方向外側に引き出されており、第2延出線217が径方向内側に引き出されている。したがって、第1コイル部215aの巻数を整数回とすると、第2コイル部215bの巻数は第1コイル部215aの巻数よりもほぼ0.5回少ない。
<構成群Ad>
図16、図17、図18において、中継ターミナル280と電力バスバ261とは電気的に接続されている。電力バスバ261においては、バスバターミナル263がねじ等の接続具により中継ターミナル280に接続されている。接続具は、電流を流すための導電部材である。
モータ装置60はターミナル台285を有している。ターミナル台285は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。ターミナル台285は、中継ターミナル280とバスバターミナル263との接続部分を支持している。例えば、接続具がターミナル台285に螺着されることで、中継ターミナル280とバスバターミナル263との接続部分がターミナル台285に固定されている。換言すれば、中継ターミナル280とバスバターミナル263とはターミナル台285にて接続されている。ターミナル台285は、端子台に相当する。中継ターミナル280は、インバータ81に電気的に接続されている。中継ターミナル280は、例えばバスバ部材により形成されており、中継バスバに相当する。
図18に示すように、ターミナル台285は台座面285aを有している。台座面285aは、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。中継ターミナル280は中継接続部280aを有しており、バスバターミナル263はバスバ接続部263aを有している。中継接続部280a及びバスバ接続部263aは、台座面285aに重ねられた状態で接続具により接続されている。中継接続部280a及びバスバ接続部263aのうち一方が他方と台座面285aとの間に挟み込まれた状態になっている。
中継ターミナル280は中継延出部280bを有している。中継延出部280bは、中継ターミナル280においてインバータ装置80に向けて延びている。例えば、中継延出部280bは、中継接続部280aから軸方向ADに延びている。バスバターミナル263はバスバ延出部263bを有している。バスバ延出部263bは、バスバターミナル263においてバスバ本体262に向けて延びている。例えば、バスバ延出部263bは、径方向RDに延びた部位と、軸方向ADに延びた部位とを有している。
ターミナル台285は、複数相のそれぞれに対して設けられている。ターミナル台285は、バスバユニット260に沿って周方向CDに複数並べられている。例えば、複数のターミナル台285には、U相用のターミナル台285と、V相用のターミナル台285と、W相用のターミナル台285とが含まれている。ターミナル台285は、バスバユニット260に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。ターミナル台285は、バスバユニット260から径方向内側に離間した位置にある。
<構成群Ae>
図19に示すように、複数の中継ターミナル280は、十分に離間して並べられている。周方向CDにおいて隣り合う2つの中継ターミナル280の離間距離は十分に大きくなっている。例えば、3つの中継ターミナル280が周方向CDに並べられた構成では、隣り合う2つの中継ターミナル280の離間角度がほぼ120度になっている。
モータ装置60において、仮想の分割領域REが周方向CDに複数並べられているとする。複数の分割領域REは、周方向CDにおいてモータ軸線Cmの周りを等間隔に分割した領域である。分割領域REは、中継ターミナル280と同じ数になっている。例えば、中継ターミナル280が3つである場合、分割領域REも3つである。この場合、3つの分割領域REは、周方向CDにおいてモータ軸線Cmの周りを120度ずつに分割している。
中継ターミナル280は、複数の分割領域REのそれぞれに1つずつ配置されている。例えば、3つの分割領域REのそれぞれに中継ターミナル280が1つずつ配置されている。3つの中継ターミナル280が120度間隔で配置されていれば、必然的に、3つの分割領域REのそれぞれに中継ターミナル280が1つずつ配置されることになる。仮に、3つの中継ターミナル280の離間角度に120度に対して過不足があっても、少なくとも2つの中継ターミナル280については十分に離間距離が確保されていることになる。
複数の中継ターミナル280と同様に、複数のバスバターミナル263と複数のターミナル台285も、周方向CDに十分に離間して並べられている。例えば、バスバターミナル263及びターミナル台285が3つずつある場合、3つの分割領域REのそれぞれにバスバターミナル263及びターミナル台285のそれぞれが1つずつ配置されている。
<構成群Af>
図20、図21に示すように、リアフレーム370は、バスバユニット260及び第1ベアリング360の両方を支持している。リアフレーム370は、バスバ支持部371及びベアリング支持部372を有している。リアフレーム370が支持フレームに相当し、第1ベアリング360がベアリングに相当する。
バスバ支持部371は、リアフレーム370においてバスバユニット260を支持した部位である。バスバ支持部371は、バスバ保護部270を支持していることで電力バスバ261を支持している。バスバ支持部371には、リアフレーム370においてバスバユニット260に軸方向ADに重なった部位が少なくとも含まれている。バスバ支持部371には、ボルト等の固定具によりバスバユニット260が固定されている。バスバ支持部371は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ支持部371は、全体として環状に形成されている。バスバ支持部371は、リアフレーム370の外周縁から径方向内側に離間した位置にある。バスバ支持部371は、リアフレーム370の内周縁から径方向外側に離間した位置にある。バスバ支持部371とベアリング支持部372とは径方向RDにおいて離間した位置にある。
ベアリング支持部372は、リアフレーム370において第1ベアリング360を支持した部位である。ベアリング支持部372には、リアフレーム370において第1ベアリング360に軸方向ADに重なった部位が少なくとも含まれている。ベアリング支持部372は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。ベアリング支持部372は、全体として環状に形成されている。ベアリング支持部372は、リアフレーム370の内周縁を形成している。
ベアリング支持部372は、支持凸部372aを有している。支持凸部372aは、リアフレーム370においてドライブフレーム390側に向けて軸方向ADに突出している。支持凸部372aは、周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。支持凸部372aは、リアフレーム370の内周縁から径方向外側に離間した位置に設けられている。第1ベアリング360は、支持凸部372aの内側に入り込んだ状態でベアリング支持部372に固定されている。第1ベアリング360は、例えば支持凸部372aの内側に嵌合している。なお、図21においては、バスバ支持部371及びベアリング支持部372にドットハッチングを付している。
<構成群Ag>
図22に示すように、レゾルバ421は、インバータ側空間S2に設けられている。レゾルバ421は、リアフレーム370にインバータ装置80側から重ねられた状態になっている。
図22、図23に示すように、レゾルバ421にはレゾルバコネクタ423が設けられている。レゾルバコネクタ423は、レゾルバ421を制御装置54等の外部装置に電気的に接続するためのコネクタである。レゾルバコネクタ423においては、例えば信号ライン425を形成する電線等がレゾルバ421に電気的に接続されている。レゾルバコネクタ423は、レゾルバ421から軸方向ADに突出した状態になっている。
レゾルバコネクタ423の少なくとも一部は、レゾルバカバー424により覆われずにインバータ装置80側に露出した状態になっている。なお、レゾルバカバー424はレゾルバ421に含まれていてもよい。
図22に示すように、中性点バスバ290は、レゾルバ421から軸方向ADに離間した位置にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介してレゾルバ421とは反対側にある。中性点バスバ290がステータ側空間S1に設けられている一方で、レゾルバ421はインバータ側空間S2に設けられている。図23に示すように、中性点バスバ290は、レゾルバ421から径方向RDに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、レゾルバ421から径方向外側に離間した位置にある。リアフレーム370が直交フレームに相当する。
<構成群Ba>
図24、図25、図26に示すように、ロータ300は、ロータ第1面301及びロータ第2面302を有している。ロータ第1面301及びロータ第2面302は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。ロータ第1面301及びロータ第2面302は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ロータ300においては、一対の板面のうち一方がロータ第1面301であり、他方がロータ第2面302である。
モータ装置60においては、第1ロータ300aと第2ロータ300bとが、それぞれのロータ第1面301が対向する向きで設置されている。第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、それぞれのロータ第2面302が互いに反対側を向いている。第1ロータ300aにおいては、ロータ第2面302がリアフレーム370側を向いている。
図24、図25に示すように、ロータ300においては、複数の磁石310がロータ第1面301に沿って並べられている。磁石310は、ロータ第1面301に露出している一方で、ロータ第2面302には露出していない。磁石310は、ロータ第2面302側から磁石ホルダ320により覆われた状態になっている。
図25、図27に示すように、ロータ300は磁石ユニット316を有している。磁石ユニット316は、少なくとも1つの磁石310を有している。本実施形態では、磁石ユニット316が複数の磁石310を有している。磁石ユニット316においては、複数の磁石310が周方向CDに並べられている。磁石ユニット316は、例えば3つの磁石310を有している。磁石ユニット316は、ロータ300において周方向CDに複数並べられている。
図27に示すように、ロータ300が有する複数の磁石310には、第1周磁石311a、第2周磁石311b、第1内軸磁石312a、第2内軸磁石312b、第1外軸磁石313a、第2外軸磁石313bが含まれている。これら周磁石311a,311b、内軸磁石312a,312b及び外軸磁石313a,313bは、ステータ200に対する磁力を強めるように配置されている。このような磁石310の配列はハルバッハ配列と称されることがある。なお、図27は、ロータ300を径方向外側から見て磁石310の配列を平面上に展開した図である。
第1周磁石311a及び第2周磁石311bは、周方向CDに複数ずつ並べられている。第1周磁石311aと第2周磁石311bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1周磁石311aと第2周磁石311bとは、周方向CDにおいて互いに逆向きに配向された磁石である。第1周磁石311aが周方向CDの一方側に向けて配向され、第2周磁石311bが周方向CDの他方側に向けて配向されている。例えば、人がステータ200とは反対側からロータ300を見た場合に、第1周磁石311aは、周方向CDにおいて右回りになる向きに配向されるように配置されている。第2周磁石311bは、周方向CDにおいて左周りになる向きに配向されるように配置されている。本実施形態では、磁石310での磁化方向の向きを配向の向きとしている。第1周磁石311a及び第2周磁石311bが周磁石に相当する。
第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bは、周方向CDに交互に並べられている。例えば、第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bは、軸方向ADにおいてステータ200側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向された磁石である。周方向CDにおいては、第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとが互いに逆向きに配向されている。周方向CDにおいては、第1内軸磁石312aが第1周磁石311aと同じ側に向けて配向されている周方向CDにおいては、第2内軸磁石312bが第2周磁石311bと同じ側に向けて配向されている。第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bが内軸磁石に相当する。
複数の磁石310には、一対の内軸磁石312a,312bが含まれている。一対の内軸磁石312a,312bは、周方向CDに隣り合っている。一対の内軸磁石312a,312bの境界部を内境界部BIと称すると、内境界部BIを形成している第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとが一対の内軸磁石312a,312bである。一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに向かい合うように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。
第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bは、周方向CDに交互に並べられている。第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向された磁石である。周方向CDにおいては、第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとが互いに逆向きに配向されている。周方向CDにおいては、第1外軸磁石313aが第1周磁石311aと同じ側に向けて配向されている。周方向CDにおいては、第2外軸磁石313bが第2周磁石311bと同じ側に向けて配向されている。第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bが外軸磁石に相当する。
複数の磁石310には、一対の外軸磁石313a,313bが含まれている。一対の外軸磁石313a,313bは、周方向CDに隣り合っている。一対の外軸磁石313a,313bの境界部を外境界部BOと称すると、外境界部BOを形成している第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとが一対の外軸磁石313a,313bである。一対の外軸磁石313a,313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに反対側を向くように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。
周方向CDにおいては、一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとが複数ずつ並べられている。一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、周方向CDにおいて一対ずつ交互に並べられている。一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとが周方向CDにおいて第1周磁石311aを介して隣り合うように配置されている。換言すれば、第1周磁石311aは、周方向CDにおいて第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとの間に設けられている。また、一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとが周方向CDにおいて第2周磁石311bを介して隣り合うように配置されている。換言すれば、第2周磁石311bは、周方向CDにおいて第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとの間に設けられている。
複数の磁石310には、一対の周磁石311a,311bが含まれている。一対の周磁石311a,311bは、一対の内軸磁石312a,312bを介して隣り合っている。一対の周磁石311a,311bは、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されている。
複数の磁石ユニット316には、第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bが含まれている。第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bは、周方向CDに複数ずつ並べられている。第1配向ユニット319aと第2配向ユニット319bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1配向ユニット319aと第2配向ユニット319bとは、全体としての配向が互いに逆向きになっている。
第1配向ユニット319aは、第1周磁石311a、第1内軸磁石312a及び第1外軸磁石313aを1つずつ有している。第1配向ユニット319aにおいては、第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとの間に第1周磁石311aが配置されている。第1配向ユニット319aにおいては、第1周磁石311aと第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとが互いに固定されてユニット化されている。
第2配向ユニット319bは、第2周磁石311b、第2内軸磁石312b及び第2外軸磁石313bを1つずつ有している。第2配向ユニット319bにおいては、第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとの間に第2周磁石311bが配置されている。第2配向ユニット319bにおいては、第2周磁石311bと第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとが互いに固定されてユニット化されている。
第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、互いに点対称に設けられている。第1ロータ300aは、第2ロータ300bに対して180度回転させた向きで配置されている。第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、それぞれのロータ第1面301がステータ200を介して対向している。第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、それぞれをステータ200とは反対側から見た場合に、周方向CDでの周磁石311a,311b、内軸磁石312a,312b及び外軸磁石313a,313bの並び順が同じになっている。
第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、それぞれの第1周磁石311aが軸方向ADに並んでいる。第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、一方が有する一対の内軸磁石312a,312bと、他方が有する一対の外軸磁石313a,313bと、が軸方向ADに並んでいる。この構成では、一方の第1内軸磁石312aと他方の第1外軸磁石313aとが軸方向ADに並んでいる。また、一方の第2内軸磁石312bと他方の第2外軸磁石313bとが軸方向ADに並んでいる。さらに、一方の内境界部BIと他方の外境界部BOとが軸方向ADに並んでいる。
<構成群Bb>
図28、図29、図30に示すように、ロータ300は、磁石ホルダ320及び磁石310に加えて、固定ブロック330及び磁石固定具335を有している。磁石固定具335は、ボルト等の固定具であり、金属材料等により形成されている。磁石固定具335は、固定ブロック330を介して磁石310を磁石ホルダ320に固定している。ロータ300においては、磁石310及び固定ブロック330が磁石ホルダ320に対してロータ第1面301側に設けられている。磁石310は、軸方向ADにおいてロータ第1面301側から磁石ホルダ320に重ねられている。磁石310は、軸方向ADにおいて固定ブロック330と磁石ホルダ320との間に挟み込まれた状態になっている。磁石固定具335は、ロータ第2面302側から磁石ホルダ320を貫通して固定ブロック330に螺着されている。
磁石ホルダ320は、ホルダ本体321及び外周係合部322を有している。ホルダ本体321は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。ホルダ本体321は、磁石ホルダ320の主要部分を形成している。ホルダ本体321は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。磁石ホルダ320は、ホルダ内周端320a(図31参照)及びホルダ外周端320bを有している。ホルダ内周端320aは磁石ホルダ320の内周端であり、ホルダ外周端320bは磁石ホルダ320の外周端である。ホルダ本体321は、ホルダ内周端320a及びホルダ外周端320bを形成している。
外周係合部322は、ホルダ本体321に設けられた突出部であり、軸方向ADにおいてホルダ本体321からロータ第1面301側に突出している。外周係合部322は、ホルダ外周端320bに設けられている。外周係合部322は、径方向内側に向けて延びた部位を有しており、この部位とホルダ本体321との間に磁石310を挟み込んだ状態になっている。外周係合部322は、係合テーパ面322aを有している。係合テーパ面322aは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。係合テーパ面322aは、径方向内側を向いており、ホルダ本体321側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。磁石310は、係合テーパ面322aとホルダ本体321との間に径方向内側から入り込んだ状態になっている。
固定ブロック330は、金属材料等により形成されている。固定ブロック330は、径方向RDにおいて磁石310を介して外周係合部322とは反対側に設けられている。固定ブロック330は、径方向外側に向けて延びた部位を有しており、この部位とホルダ本体321との間に磁石310を挟み込んだ状態になっている。固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aを有している。ブロックテーパ面330aは、固定ブロック330の外面に含まれている。ブロックテーパ面330aは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。ブロックテーパ面330aは、径方向外側を向いており、ホルダ本体321側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。磁石310は、ブロックテーパ面330aとホルダ本体321との間に径方向外側から入り込んだ状態になっている。
磁石310は、径方向RDにおいて外周係合部322と固定ブロック330との間に設けられている。磁石310は、径方向RDにおいて外周係合部322と固定ブロック330との間に挟み込まれた状態で、ホルダ本体321に対して固定されている。
図31に示すように、固定ブロック330及び磁石固定具335は、磁石310と共に周方向CDに複数並べられている。固定ブロック330は、周方向CDにおいて複数の磁石310にかけ渡された状態になっている。外周係合部322は、ホルダ外周端320bに沿って延びている。外周係合部322は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。
固定ブロック330及び磁石固定具335は、磁石ホルダ320に対して磁石ユニット316を固定することで磁石310を固定している。磁石ユニット316は、固定ブロック330及び磁石固定具335と共に周方向CDに複数並べられている。
図32に示すように、磁石ユニット316は、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b、ユニット側面316cを有している。ユニット内周端316aは、磁石ユニット316において径方向内側の端部であり、周方向CDに延びている。ユニット内周端316aは、例えば径方向RDに直交する接線に沿って直線状に延びている。ユニット外周端316bは、磁石ユニット316において径方向外側の端部であり、周方向CDに延びている。ユニット外周端316bは、例えば径方向外側に向けて膨らむように円弧に沿って曲線状に延びている。
ユニット側面316cは、磁石ユニット316において周方向CDに一対並べられている。一対のユニット側面316cは径方向RDに延びている。ユニット側面316cは、径方向RDにおいてユニット内周端316aとユニット外周端316bとにかけ渡された状態になっている。
磁石ユニット316は、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eを有している。内周テーパ面316dは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜しており、ユニット内周端316aから径方向外側に向けて延びている。外周テーパ面316eは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜しており、ユニット外周端316bから径方向内側に向けて延びている。
磁石ユニット316においては、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b、ユニット側面316c、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eが、少なくとも1つの磁石310により形成されている。
図29、図30に示すように、磁石ユニット316は、内周テーパ面316dがブロックテーパ面330aに重ねられた状態で、固定ブロック330と磁石ホルダ320との間に挟み込まれた状態になっている。固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dを径方向RDにおいて磁石ホルダ320側に向けて押し付けていることにより、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。また、磁石ユニット316は、外周テーパ面316eが係合テーパ面322aに重ねられた状態で、外周係合部322とホルダ本体321との間に挟み込まれた状態になっている。外周係合部322及び固定ブロック330は、軸方向AD及び径方向RDの両方について、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。
なお、固定ブロック330が固定支持部に相当し、ブロックテーパ面330aが支持傾斜面に相当し、内周テーパ面316dが磁石傾斜面に相当する。
次に、モータ装置60の製造方法について説明する。モータ装置60を製造する工程には、ロータ300を製造する工程が含まれている。作業者は、準備工程として、磁石ユニット316、磁石ホルダ320、固定ブロック330、磁石固定具335を準備する。そして、作業者は、磁石ホルダ320においてホルダ本体321と外周係合部322との間に磁石ユニット316を径方向内側から入り込ませる。その後、作業者は、磁石ユニット316をホルダ本体321に重ねた状態で、固定ブロック330とホルダ本体321との間に磁石ユニット316を挟み込むようにして、磁石固定具335により固定ブロック330をホルダ本体321に固定する。作業者がホルダ本体321に対して磁石固定具335をねじ込んでいくことで、外周テーパ面316eが係合テーパ面322aに押し付けられ、且つブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dに押し付けられる。
<構成群Bc>
図33、図34、図35に示すように、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318は、ロータ300において周方向CDに複数ずつ並べられている。傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318とは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。
図34に示すように、傾斜磁石ユニット317においては、一対のユニット側面316cが径方向外側に向けて互いに遠ざかるように傾斜している。傾斜磁石ユニット317においては、一対のユニット側面316cの離間距離が、径方向外側に向けて徐々に大きくなっている。傾斜磁石ユニット317では、径方向RDにおいてユニット外周端316bがユニット内周端316aよりも長くなっている。傾斜磁石ユニット317は、全体として台形状又は扇形状に形成されている。
平行磁石ユニット318においては、一対のユニット側面316cが平行に延びている。一対のユニット側面316cは、周方向CDに直交する方向に延びている。平行磁石ユニット318においては、一対のユニット側面316cの離間距離が、径方向RDにおいて均一になっている。平行磁石ユニット318では、径方向RDにおいてユニット外周端316bとユニット内周端316aとがほぼ同じ長さになっている。平行磁石ユニット318は、全体として長方形状に形成されている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ロータ300を製造する方法について説明する。ロータ300を製造する工程では、上述したように、作業者が、磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定する。作業者は、複数の磁石ユニット316として、傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318とを、周方向CDに1つずつ交互に配置されるように磁石ホルダ320に並べていく。作業者は、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318のいずれも、ユニット外周端316bを外周係合部322とホルダ本体321との間に入り込ませる。作業者は、磁石ホルダ320に最後に並べる1つの磁石ユニット316が平行磁石ユニット318になるようにする。作業者は、最後の1つの平行磁石ユニット318を、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませつつ、ユニット外周端316bを外周係合部322とホルダ本体321との間に入り込ませる。
なお、作業者は、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に配置するたびに、その磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定してもよい。また、作業者は、全ての磁石ユニット316を磁石ホルダ320に配置した後に、全ての磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定してもよい。
例えば本実施形態とは異なり、複数の磁石ユニット316の全てが傾斜磁石ユニット317である構成を想定する。この構成では、ロータ300の製造工程において作業者が、最後の1つの傾斜磁石ユニット317を、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませることができない。これは、外周係合部322よりも径方向内側においては、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の離間距離が、最後の1つの傾斜磁石ユニット317が有するユニット外周端316bの幅寸法よりも小さいためである。
これに対して、本実施形態では、作業者は、最後の1つの磁石ユニット316を平行磁石ユニット318とすることで、この平行磁石ユニット318を周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に差し入れることができる。これは、外周係合部322よりも径方向内側の領域と、外周係合部322の内側の領域とで、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の離間距離が同じであるためである。
<構成群Bd>
図36、図37、図38に示すように、ロータ300はホルダ固定具350を有している。ホルダ固定具350は、ボルト等の固定具であり、金属材料等により形成されている。ホルダ固定具350は、磁石ホルダ320をシャフトフランジ342に固定している。ホルダ固定具350は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ固定具350は、例えばロータ第2面302側から磁石ホルダ320を貫通した状態でシャフトフランジ342に螺着されている。
図36、図38、図39に示すように、シャフトフランジ342は、スポーク343及びリム344を有している。スポーク343は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びている。スポーク343は、周方向CDに複数並べられている。リム344は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。リム344は、シャフト本体341から径方向外側に離間した位置に設けられている。リム344は、周方向CDに隣り合う2つのスポーク343を接続している。スポーク343は、径方向RDにおいてシャフト本体341とリム344とを接続している。
リム344は、一対のリム先端部344aを有している。リム344は、スポーク343から軸方向ADの両方に向けて延びている。リム344においては、一対のリム先端部344aが軸方向ADに並んでいる。リム先端部344aは、スポーク343から軸方向ADに離間した位置にある。軸方向ADにおいては、リム344の高さ寸法がスポーク343の高さ寸法よりも大きくなっている。
図36、図37、図38に示すように、ロータ300は、軸方向ADの一方側からシャフトフランジ342に重ねられた状態になっている。シャフトフランジ342においては、少なくともリム先端部344aがロータ300に接触している。シャフト340においては、ロータ300に接触した部位のうち最も径方向外側にある部位がリム先端部344aである。リム先端部344aは、ロータ300において磁石310から径方向内側に離間した位置にある。ホルダ固定具350は、リム先端部344aから径方向内側に離間した位置にある。ホルダ固定具350は、径方向RDにおいてリム先端部344aを介して磁石310とは反対側にある。
ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に挿入された状態で、磁石ホルダ320とシャフトフランジ342とを固定している。ホルダ固定孔325は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダ固定孔325は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通している。ホルダ固定孔325は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ固定孔325は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。フランジ固定孔345は、シャフトフランジ342に設けられている。フランジ固定孔345は、例えばスポーク343に設けられている。フランジ固定孔345は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。フランジ固定孔345は、周方向CDに複数並べられている。フランジ固定孔345は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。例えば、ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325を通ってフランジ固定孔345に対してねじ込まれている。
図36に示すように、モータ装置60においては、ロータ300に対して吸引力F1が生じる。吸引力F1は、軸方向ADにおいて磁石310がコイル211側に吸引される力であり、磁石310の磁力により生じる。吸引力F1は、ロータ300において磁石310の周辺部位をステータ200側に曲げようとする力である。
モータ装置60においては、吸引力F1に抗する曲げ応力F2がロータ300に生じる。曲げ応力F2は、ロータ300において磁石310の周辺部位をステータ200とは反対側に曲げようとする力である。曲げ応力F2は、ホルダ固定具350がロータ300をステータ200側に押圧することで生じる。ホルダ固定具350は、ロータ300に押圧力F3を加える。押圧力F3は、軸方向ADにおいてロータ300をステータ200側に押圧する力である。ロータ300においては、リム先端部344aが押圧力F3に対する支点になることで曲げ応力F2が生じる。なお、ホルダ固定具350が押圧部材に相当し、リム先端部344aが支点に相当する。
例えば本実施形態とは異なり、ホルダ固定具350による押圧力F3が生じない構成を想定する。この構成では、ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADにおいてステータ200側に近づいて、ロータ300がリム先端部344aを支点としてステータ200側に反るように変形することが懸念される。これに対して、本実施形態では、ロータ300がリム先端部344aを支点としてステータ200側に反るように変形するということが、ホルダ固定具350により生じる押圧力F3により抑制される。
<構成群Be>
図40、図41に示すように、ホルダ固定具350は、シャフトフランジ342においてリム344よりも径方向内側の部位に固定されている。ホルダ固定具350は、リム344から径方向内側に離間した位置において、磁石ホルダ320を貫通してスポーク343に対してねじ込まれている。磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位との間には、ロータ隙間GRが設けられている。
磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位は、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が挿入されたホルダ固定孔325である。スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位は、スポーク343においてホルダ固定具350が挿入されたフランジ固定孔345である。ロータ隙間GRは、軸方向ADにおいてロータ300とシャフトフランジ342との間に形成された離間空間である。ロータ隙間GRは、軸方向ADにおいて磁石ホルダ320とスポーク343との間に形成されている。リム344よりも径方向内側においては、磁石ホルダ320とスポーク343とが軸方向ADに離間している。
ホルダ固定具350は、軸方向ADにおいてロータ隙間GRの幅寸法を増減することが可能になっている。スポーク343に対するホルダ固定具350のねじ込み量が大きくなるほど、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343において磁石固定具335が固定された部位とが接近して、ロータ隙間GRが小さくなる。ホルダ固定具350のねじ込み量が大きくなるほど押圧力F3が大きくなり、曲げ応力F2が増加する。このため、シャフトフランジ342とロータ300との間にロータ隙間GRが確保されていることで、吸引力F1に抗するための曲げ応力F2を調整可能になっている。
例えば本実施形態とは異なり、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位とが、互いに接触している構成を想定する。この構成では、ホルダ固定具350によって磁石ホルダ320を更に変形させることが困難であり、押圧力F3を更に大きくすることが困難である。このため、例えば吸引力F1に対して押圧力F3が不足している場合でも、その不足を解消できないことが懸念される。これに対して、本実施形態では、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位と、が軸方向ADに離間しているため、押圧力F3を更に大きくすることが可能である。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ロータ300とシャフト340とを組み付ける方法について説明する。ロータ300をシャフト340に取り付ける工程では、作業者が、ホルダ固定具350をホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に挿入する。作業者は、ホルダ固定孔325を挿通させたホルダ固定具350をフランジ固定孔345に対してねじ込む際に、磁石ホルダ320において磁石310の周辺部位がロータ第2面302側に反る程度に、ホルダ固定具350のねじ込み量を調整する。すなわち、作業者はホルダ固定具350により押圧力F3を調整する。
その後、ロータ300及びシャフト340にステータ200を取り付ける工程では、作業者は、ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADに反っていないことを確認する。ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADに沿っている場合、作業者は、ホルダ固定具350のねじ込み量を調整することでロータ300の反りを解消する。すなわち、作業者は、曲げ応力F2が吸引力F1に同じになるようにホルダ固定具350により押圧力F3を調整する。
<構成群Bf>
図43、図44、図45に示すように、シャフトフランジ342においては、スポーク343に設けられた複数のフランジ固定孔345に第1フランジ固定孔345a及び第2フランジ固定孔345bが含まれている。第1ロータ300aに設けられたホルダ固定孔325を第1ホルダ固定孔325aと称すると、第1ホルダ固定孔325aと第1フランジ固定孔345aとは軸方向ADに並べられている。第2ロータ300bに設けられたホルダ固定孔325を第2ホルダ固定孔325bと称すると、第2ホルダ固定孔325bと第2フランジ固定孔345bとは軸方向ADに並べられている。第1フランジ固定孔345aと第2フランジ固定孔345bとは、例えば周方向CDにおいて交互に並べられている。
なお、図43は、モータ61の縦断面について、第1ロータ300a、第2ロータ300b及びシャフトフランジ342を径方向内側から見てホルダ固定具350の並びを平面上に展開した概略図である。
図42、図43、図44に示すように、モータ装置60は、ホルダ固定具350として第1ホルダ固定具350a及び第2ホルダ固定具350bを有している。第1ホルダ固定具350aは、第1ロータ300aをシャフトフランジ342に固定している。第1ホルダ固定具350aは、第1ホルダ固定孔325aと第1フランジ固定孔345aとに挿入されている。第1ホルダ固定具350aは、例えば第1ホルダ固定孔325aを通って第1フランジ固定孔345aに対してねじ込まれている。なお、第1ホルダ固定具350aが第1固定具に相当する。第1ホルダ固定孔325aが第1ロータ孔に相当し、第1フランジ固定孔345aが第1シャフト孔に相当する。
第2ホルダ固定具350bは、第2ロータ300bをシャフトフランジ342に固定している。第2ホルダ固定具350bは、第2ホルダ固定孔325bと第2フランジ固定孔345bとに挿入されている。第2ホルダ固定具350bは、例えば第2ホルダ固定孔325bを通って第2フランジ固定孔345bに対してねじ込まれている。第2ホルダ固定具350bが第2固定具に相当する。第2ホルダ固定孔325bが第2ロータ孔に相当し、第2フランジ固定孔345bが第2シャフト孔に相当する。
第1ホルダ固定孔325aと第2ホルダ固定孔325bとは、周方向CDに離間した位置に設けられている。第1フランジ固定孔345aと第2フランジ固定孔345bとは、第1ホルダ固定孔325aと第2ホルダ固定孔325bとの位置関係に合わせて、周方向CDに離間した位置にある。
図42、図43に示すように、モータ装置60は、位置決めピン355を有している。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向においてロータ300とシャフト340との相対位置を決めている。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向において、シャフト340に対してロータ300が位置ずれすることを規制している。例えば、位置決めピン355は、シャフト340に対してロータ300が周方向CDに位置ずれすることを規制している。
図42、図43、図44に示すように、モータ装置60は、ホルダピン孔327を有している。ホルダピン孔327は、ロータ300に含まれている。ホルダピン孔327は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダピン孔327は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通している。ホルダピン孔327は、周方向CDに複数並べられている。ホルダピン孔327は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。磁石ホルダ320においては、ホルダ固定孔325とホルダピン孔327とが周方向CDに並べられている。
モータ装置60は、フランジピン孔348を有している。フランジピン孔348は、シャフト340に含まれている。フランジピン孔348は、シャフトフランジ342に設けられている。フランジピン孔348は、例えばスポーク343に設けられている。フランジピン孔348は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。フランジピン孔348は、周方向CDに複数並べられている。フランジピン孔348は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。シャフト340においては、フランジ固定孔345とフランジピン孔348とが周方向CDに並べられている。
ホルダピン孔327とフランジピン孔348とは、軸方向ADに並べられている。位置決めピン355は、軸方向ADにおいてホルダピン孔327とフランジピン孔348とにかけ渡された状態で、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348のそれぞれに挿入されている。位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348のそれぞれに嵌合されている。例えば、位置決めピン355は、フランジピン孔348には圧入されており、ホルダピン孔327には隙間ばめされている。位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対してガタが生じないようになっている。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向において、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対して相対的に移動しないようになっている。例えば、位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対して周方向CDに相対的に移動しないようになっている。
ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に対してガタが生じやすい。例えば、ホルダ固定孔325は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に対して周方向CDに相対的に移動することが考えられる。この場合、周方向CDにおいてロータ300とシャフト340とが相対的に位置ずれすることが懸念される。これに対して、位置決めピン355とホルダピン孔327及びフランジピン孔348とではガタが生じないようになっているため、ロータ300とシャフト340との位置ずれが位置決めピン355により抑制される。なお、位置決めピン355、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348は、図37、図38、図39にも図示されている。
第1ロータ300aに設けられたホルダピン孔327を第1ホルダピン孔327aと称し、第2ロータ300bに設けられたホルダピン孔327を第2ホルダピン孔327bと称する。位置決めピン355は、モータ装置60に複数含まれている。複数の位置決めピン355には、第1ロータ300aとシャフト340との位置決めを行う位置決めピン355が含まれている。この位置決めピン355は、第1ホルダピン孔327aに嵌合されている。また、複数の位置決めピン355には、第2ロータ300bとシャフト340との位置決めを行う位置決めピン355が含まれている。この位置決めピン355は、第2ホルダピン孔327bに嵌合されている。
第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとは、フランジピン孔348を介して軸方向ADに並んでいる。すなわち、第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとが周方向CDに離間していない。第1ホルダピン孔327aに嵌合された位置決めピン355と、第2ホルダピン孔327bに嵌合された位置決めピン355とは、軸方向ADに並んでいる。このため、第1ロータ300aと第2ロータ300bとで、位置決めピン355により回転バランス等のバランスに差異が生じる、ということが生じにくくなっている。
例えば本実施形態とは異なり、第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとが周方向CDにずれた位置にある構成を想定する。この構成では、第1ロータ300aと第2ロータ300bとで、位置決めピン355の位置が周方向CDにずれていることに起因して、バランスに差異が生じることが懸念される。
シャフトフランジ342は、フランジ肉厚部347を有している。フランジ肉厚部347は、シャフトフランジ342において他の部位に比べて肉厚になっている部位である。フランジ肉厚部347は、軸方向AD一方側及び他方側のそれぞれにおいてスポーク343から突出した状態になっている。
フランジピン孔348は、シャフトフランジ342においてフランジ肉厚部347に設けられている。フランジピン孔348は、フランジ肉厚部347を軸方向ADに貫通している。モータ装置60では、フランジピン孔348がフランジ肉厚部347にあることで、軸方向ADにおいてフランジピン孔348とホルダピン孔327とが極力近い位置に配置されている。位置決めピン355においては、軸方向ADにおいてフランジピン孔348とホルダピン孔327との間にある部位が極力短くなっている。このため、位置決めピン355においてフランジピン孔348とホルダピン孔327との間にある部位が変形して、ロータ300がシャフト340に対して周方向CDに相対的に位置ずれする、ということが生じにくくなっている。
フランジピン孔348がフランジ肉厚部347に設けられていることで、位置決めピン355においてフランジピン孔348に嵌合した部位が軸方向ADに極力長くなっている。このため、フランジピン孔348に対して位置決めピン355が位置精度良く立ちやすくなっている。また、シャフトフランジ342は、フランジ肉厚部347を有していることで、局所的に肉厚になっている。このため、例えばシャフトフランジ342の全体が肉厚になっている構成とは異なり、シャフトフランジ342の軽量化を図りつつ、フランジピン孔348に対する位置決めピン355のガタが生じにくくなっている。
モータ装置60においては、第1ロータ300aと第2ロータ300bとが点対称の関係になっている。このため、ロータ300として用いられる2つの部材のうち一方を第1ロータ300aとし、他方を第1ロータ300aに対して点対称になるように配置して第2ロータ300bとすることができる。このように第1ロータ300aとして用いる部材と、第2ロータ300bとして用いる部材とを共通化することで、第1ロータ300a及び第2ロータ300bを製造するためのコストを低減できる。
<構成群Ca>
図46、図47に示すように、モータハウジング70は内周面70bを有している。内周面70bは、モータハウジング70の内面に含まれており、全体として周方向CDに環状に延びている。
モータハウジング70は、ステータ保持部171を有している。ステータ保持部171は、内周面70bに設けられた凸部である。ステータ保持部171は、ハウジング本体71から径方向内側に向けて突出している。ステータ保持部171は、周方向CD及び軸方向ADの少なくとも一方において複数並べられている。ステータ保持部171は、ハウジング本体71と共に内周面70bを形成している。
複数のステータ保持部171には、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174が含まれている。第1周保持部172及び第2周保持部173は、ハウジング本体71に沿って周方向CDに延びている。第1周保持部172と第2周保持部173とは、軸方向ADに並べられており、互いに平行に設けられている。第1周保持部172は、軸方向ADにおいて第2周保持部173よりもリアフレーム370側に設けられている。第1周保持部172は、モータハウジング70におけるリアフレーム370側の端部から第2周保持部173側に離間した位置にある。第2周保持部173は、モータハウジング70におけるインバータ装置80とは反対側の端部から第1周保持部172側に離間した位置にある。
軸保持部174は、ハウジング本体71に沿って軸方向ADに延びている。軸保持部174は、周方向CDに複数並べられている。軸保持部174は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173とにかけ渡された状態になっている。軸保持部174は、第1周保持部172と第2周保持部173とを接続している。
モータハウジング70は、保持凹部175を有している。保持凹部175は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174により形成されている。保持凹部175は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173との間であって、周方向CDにおいて隣り合う2つの軸保持部174の間に形成されている。保持凹部175は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174に対して径方向外側に向けて凹んだ凹部である。保持凹部175は、軸保持部174と共に周方向CDに複数並べられている。
図48、図49に示すように、モータハウジング70の内部においては、コイル保護部250が内周面70bに重ねられている。コイル保護部250は、内周面70bに密着するように接触している。コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173との間に入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、周方向CDにおいて隣り合う2つの軸保持部174の間に入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、保持凹部175の内部に入り込んだ状態になっており、保持凹部175の内面に重ねられている。
コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173とにかけ渡された状態になっている。例えば、コイル保護部250は、第1周保持部172及び第2周保持部173のそれぞれの先端面に重ねられている。なお、コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172及び第2周保持部173から外側にはみ出していてもよい。
図49に示すように、複数の軸保持部174は、周方向CDにおいてコイル部215の位置に合わせて配置されている。周方向CDに並ぶ軸保持部174の数と、周方向CDに並ぶコイル部215の数とは同じになっている。軸保持部174とコイル部215とは、軸方向ADに並べられており、軸方向ADにおいて互いに対向している。コイル部215は、コイル軸線Ccが軸保持部174を通る位置に設けられている。コイル軸線Ccは、コイル部215の中心を通って径方向RDに延びる直線状の仮想線である。例えば、コイル部215は、コイル軸線Ccが周方向CDにおける軸保持部174の中心を通る位置に配置されている。また、コイル部215は、コイル軸線Ccが軸方向ADにおける軸保持部174の中心を通る位置に配置されている。
なお、図49においては、モータハウジング70及びステータ200の横断面図を外周面70aが直線状に延びるように展開した図である。また、モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、軸保持部174が軸凸部に相当する。
コイル保護部250においては、熱伝導性及び電気絶縁性が高いことが好ましい。ただし、コイル保護部250において、熱伝導性及び電気絶縁性の両方を高くすることが困難であれば、熱伝導性を電気絶縁性よりも優先して高くすることが好ましい。例えば、コイル保護部250の熱伝導性は、ボビン240の熱伝導性よりも高くなっている。具体的には、コイル保護部250の熱伝導率はボビン240の熱伝導率よりも大きくなっている。一方で、コイル保護部250の電気絶縁性は、ボビン240の電気絶縁性よりも低くなっている。具体的には、コイル保護部250の誘電率はボビン240の誘電率よりも大きくなっている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ステータ200を製造する方法について説明する。ステータ200を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210及びモータハウジング70を準備する。そして、作業者は、モータハウジング70の内部にコイルユニット210を設置し、コイルユニット210ごとモータハウジング70をモールド成形用の金型に装着する。作業者は、射出成形によりモータハウジング70の内部にコイル保護部250を成形する。このようにコイルユニット210及びモータハウジング70がインサートモールドによりコイル保護部250に一体化されたモータ装置60では、コイル保護部250がコイル部215及び内周面70bの両方に密着するように接触している。
<構成群Cb>
図50に示すように、モータハウジング70においては、内周面70bにハウジングベース面176及びハウジング粗面177が含まれている。ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176よりも粗い面である。ハウジング粗面177は、例えば微小な凹凸が多数設けられていることで、面が粗い状態になっている。ハウジング粗面177は、粗面を形成するための粗面加工がモータハウジング70に施されることで形成されている。ハウジング粗面177を形成する粗面加工としては、機械的な加工及び科学的な加工などがある。
ハウジングベース面176は、軸方向ADにおいてステータ保持部171よりも外側に設けられている。例えば、ハウジングベース面176は、軸方向ADにおいて第1周保持部172及び第2周保持部173よりも外側に設けられている。ハウジングベース面176は、内周面70bに沿って環状に形成されている。
ハウジング粗面177は、軸方向ADにおいてステータ保持部171の外面を含んでハウジングベース面176の内側に設けられている。ハウジング粗面177は、少なくとも保持凹部175の内面に設けられている。ハウジング粗面177は、ステータ保持部171の外面に設けられている。例えば、ハウジング粗面177は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174の外面に設けられている。なお、図50においては、ハウジング粗面177にドットハッチングを付してある。
内周面70bにおいては、コイル保護部250が重ねられる部位が少なくともハウジング粗面177になっている。ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176に比べてコイル保護部250が密着しやすい面になっている。また、ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176に比べて表面積が大きくなりやすい。このため、ハウジング粗面177とコイル保護部250との接触面積が大きくなりやすい。
<構成群Cc>
図51、図52に示すように、ステータ200においては、電力引出線212がコイル保護部250から引き出されている。グロメット255は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。電力引出線212がコイル保護部250から引き出された部分はグロメット255により保護されている。グロメット255はモータ装置60に含まれている。グロメット255は、電力引出線212においてコイル保護部250の内部に埋め込まれた部位とコイル保護部250から露出した部分との境界部を跨いだ状態で、電力引出線212を覆っている。なお、図51においては、コイル保護部250の図示を省略している。
グロメット255は、埋設部255a及び露出部255bを有している。埋設部255aは、グロメット255においてコイル保護部250に埋設された部位である。露出部255bは、グロメット255においてコイル保護部250から露出した部位である。露出部255bは、埋設部255aからコイル保護部250の外側に向けて延びている。露出部255bは、例えば埋設部255aから軸方向ADにおいてリアフレーム370側に向けて延びている。
電力引出線212は、モータハウジング70において内周面70bに沿って軸方向ADに延びるようにして、コイル保護部250から引き出されている。図52、図53に示すように、モータハウジング70には引出溝部171aが設けられている。電力引出線212は、引出溝部171aを通じてコイル保護部250から引き出されている。引出溝部171aは、ステータ保持部171に設けられている。引出溝部171aは、第1周保持部172に設けられており、径方向内側に開放された状態で第1周保持部172を軸方向ADに貫通している。
図51、図52に示すように、グロメット255は、電力引出線212において引出溝部171aを通っている部位を少なくとも覆っている。グロメット255は、電力引出線212ごと引出溝部171aに径方向内側から入り込んだ状態になっている。グロメット255は、引出溝部171aの内面に密着している。グロメット255は、引出溝部171aの内面と電力引出線212との隙間を埋めている。グロメット255は、例えば弾性変形可能になっており、弾性変形することで引出溝部171aに嵌合されている。なお、電力引出線212がコイル引出線に相当し、グロメット255が引出線保護部に相当する。
次に、ステータ200を製造する方法のうち、コイル保護部250を製造する方法について説明する。コイル保護部250を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255を準備する。そして、作業者は、コイルユニット210の電力引出線212にグロメット255を取り付ける。作業者は、モータハウジング70の内部にコイルユニット210を設置する作業と、電力引出線212ごとグロメット255を引出溝部171aに嵌め込む作業と、を行う。
作業者は、コイルユニット210及びグロメット255付きのモータハウジング70を金型に装着し、コイル保護部250をモールド成形する。この場合、引出溝部171aにグロメット255が嵌め込まれているため、溶融樹脂が引出溝部171aから流出するということがグロメット255により抑制される。
<構成群Cd>
図54に示すように、コアユニット230は、コア231及びボビン240を有している。コアユニット230は、コイル211と共にコイル保護部250により覆われた常置になっており、コイル保護部250により保護されている。コイル保護部250は、ボビン240の少なくとも一部に密着するように接触している。
ボビン240は、樹脂材料等により形成されている。ボビン240は、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂により形成されている。ボビン240は、例えばモールド成形により成形されたモールド樹脂である。ボビン240は、電気絶縁性を有している。ボビン240は、熱伝導性を有しており、コア231からの熱が伝わりやすくなっている。ボビン240は、例えば空気よりも大きい熱伝導率を有している。
ボビン240は、コア231の少なくとも一部を覆った状態になっており、コア231を保護している。ボビン240は、軸方向ADに直交する方向に延びるようにしてコア231を覆っている。ボビン240は、全体として環状に形成されている。ボビン240は、コア231の外面に密着するように接触している。ボビン240は、コイル211からの熱をコイル保護部250に伝えやすくなっている。
ボビン240においては、熱伝導性及び電気絶縁性が高いことが好ましい。ただし、ボビン240において、熱伝導性及び電気絶縁性の両方を高くすることが困難であれば、電気絶縁性を熱伝導性よりも優先して高くすることが好ましい。例えば、ボビン240の電気絶縁性は、コイル保護部250の電気絶縁性よりも高くなっている。具体的には、ボビン240の誘電率は、コイル保護部250の誘電率よりも小さくなっている。一方で、ボビン240の熱伝導性は、コイル保護部250の熱伝導性よりも低くなっている。具体的には、ボビン240の熱伝導率はコイル保護部250の熱伝導率よりも小さくなっている。
<構成群Ce>
図55に示すように、ボビン240は、ボビン胴部241及びボビンフランジ242を有している。ボビン胴部241は、全体として柱状に形成されており、軸方向ADに延びている。ボビン胴部241の外周面241aは、軸方向ADに直交する方向に延びるように環状に形成されている。
ボビンフランジ242は、外周面241aから外側に向けて延びている。ボビンフランジ242は、外周面241aから軸方向ADに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。ボビンフランジ242は、軸方向ADに並べて一対設けられている。ボビン240においては、一対のボビンフランジ242の間において、ボビン胴部241にコイル211が巻回されている。
ボビンフランジ242は、フランジ内板面243、フランジ外板面244及びフランジ端面245を有している。ボビンフランジ242においては、一対の板面のうちボビン胴部241側の板面がフランジ内板面243であり、ボビン胴部241とは反対側の板面がフランジ外板面244である。一対のボビンフランジ242においては、それぞれのフランジ内板面243が互いに対向している。フランジ端面245は、ボビンフランジ242の先端面であり、軸方向ADに直交する方向に延びている。フランジ端面245は、ボビン胴部241から外側に離間した位置にある。
ボビン240の外面には、ボビンベース面246及びボビン粗面247が含まれている。ボビン粗面247は、ボビンベース面246よりも粗い面である。ボビン粗面247は、例えば微小な凹凸が多数設けられていることで、面が粗い状態になっている。ボビン粗面247は、粗面を形成するための粗面加工がボビン240に施されることで形成されている。ボビン粗面247を形成する粗面加工としては、機械的な加工及び科学的な加工などがある。なお、図55においては、ボビン粗面247にドットハッチングを付している。
ボビンベース面246には、例えば外周面241a、フランジ内板面243及びフランジ外板面244が含まれている。ボビン粗面247には、例えばフランジ端面245が含まれている。なお、フランジ外板面244が粗面に含まれていてもよい。
ボビン240においては、コイル保護部250が重ねられる部位が少なくともボビン粗面247になっている。図56に示すように、コイルユニット210においては、ボビン240にコイル211が巻回された状態で、少なくともフランジ外板面244及びフランジ端面245が外側に露出している。また、モータ装置60においては、コイルユニット210がコイル保護部250で覆われた状態で、コイル保護部250が少なくともフランジ端面245を覆っている。すなわち、コイル保護部250は、フランジ端面245に重なっている。コイル保護部250は、基本的にはフランジ外板面244を覆っていない。
モータ装置60においては、フランジ端面245がボビン粗面247に含まれていることで、コイル保護部250がフランジ端面245に密着しやすくなっている。また、ボビン粗面247であるフランジ端面245は、ボビンベース面246に比べて表面積が大きくなりやすい。このため、フランジ端面245とコイル保護部250との接触面積が大きくなりやすい。
<構成群Cf>
図57、図58に示すように、コア231は、コア胴部232及びコアフランジ233を有している。コア胴部232は、全体として板状に形成されており、軸方向ADに延びている。コア胴部232の外周面232aは、軸方向ADに直交する方向に延びるように環状に形成されている。
コアフランジ233は、外周面232aから外側に向けて延びている。コアフランジ233は、外周面232aから軸方向ADに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。コアフランジ233は、軸方向ADに並べて一対設けられている。コア231においては、一対のコアフランジ233の間において、ボビン胴部241を介してコア胴部232にコイル211が巻回されている。
図58、図59に示すように、コア231は、全体として径方向内側に向けて徐々に細くなっている。コア231は、コア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなっている。コア幅は、コア231において周方向CDの幅寸法である。コア231の外面には、コア階段面234が含まれている。コア階段面234は、径方向RDに階段状に延びている。コア階段面234は、コア胴部232及びコアフランジ233のそれぞれに設けられている。コア階段面234は、コア胴部232及びコアフランジ233のそれぞれにおいて周方向CDに並べて一対設けられている。
コア階段面234は、階段ベース面234a及び階段接続面234bを有している。階段ベース面234a及び階段接続面234bは、径方向RDに複数ずつ並べられている。階段ベース面234aは、周方向CDに直交する方向に延びている。径方向RDにおいて隣り合う2つの階段ベース面234aのうち、径方向内側の階段ベース面234aは、径方向外側の階段ベース面234aよりも周方向CDの内側に配置されている。階段接続面234bは、径方向RDに直交する方向に延びている。階段接続面234bは、径方向RDにおいて隣り合う2つの階段ベース面234aを接続している。
コア231は、複数のコア形成板材236により形成されている。図60に示すように、コア形成板材236は、薄板状の部材である。コア形成板材236は、例えば軟磁性材料により形成されている。コア231は、複数のコア形成板材236を重ねて形成されている。コア231には、大きさ及び形状が異なる複数種類のコア形成板材236が含まれている。コア231においては、コア幅に合わせて複数種類のコア形成板材236が用いられている。コア231においては、1段の階段ベース面234aを形成する複数のコア形成板材236は、大きさ及び形状が同じ1種類のコア形成板材236である。コア231には、少なくとも階段ベース面234aの数と同じ数の種類のコア形成板材236が含まれている。
コア231においては、複数のコア形成板材236が積層されているため、渦電流が生じにくくなっている。このため、コア231にて生じる渦電流損を低減することができる。また、コアユニット230においては、少なくともコア階段面234にボビン240が重ねられている。コア231においては、その外面にコア階段面234が含まれていることで、表面積が大きくなりやすい。コアユニット230においては、コア231とボビン240との接触面積がコア階段面234により大きくなりやすい。
モータ装置60を製造する方法のうち、コア231及びコアユニット230を製造する方法について説明する。コア231を製造する工程では、作業者は、複数種類のコア形成板材236を準備する。そして、作業者は、1種類のコア形成板材236を複数重ねて1段の階段ベース面234aを作成する、という作業を複数段の階段ベース面234aについて行うことで、コア231を作成する。
コアユニット230を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コア231を準備する。そして、作業者は、コア231を金型に装着し、モールド成形によりボビン240を成形する。このようにコア231がインサートモールドによりボビン240に一体化されたコアユニット230では、ボビン240がコア231に密着している。コア231においては、コア階段面234にボビン240が密着している。
例えば本実施形態とは異なり、コア231のコア幅が径方向内側に向けて連続的に小さくなっている構成を想定する。この構成では、コア231の外面にコア階段面234ではなくテーパ面が含まれることになる。このため、複数のコア形成板材236を積層することでテーパ面を形成するには、コア形成板材236の種類が非常に多くなる。コア231の製造については、コア形成板材236の種類が多くなるほどコア形成板材236を製造するためのコストが増加する、ということが懸念される。これに対して、本実施形態では、コア231のコア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなるため、コア形成板材236の種類を制限できる。このため、コア231の製造について、コア形成板材236を製造するためのコストを低減できる。
<構成群Cg>
図61、図62、図63、図64に示すように、ボビン240はフランジ凹部243aを有している。フランジ凹部243aは、一対のボビンフランジ242のそれぞれに設けられている。フランジ凹部243aは、フランジ内板面243に設けられた凹部である。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241の一方側に設けられている。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241の他方側には設けられていない。フランジ凹部243aは、ボビン胴部241に沿って径方向RDに延びている。フランジ凹部243aの両端部はいずれも、径方向RDに開放されている。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241とは反対側に向けて開放されている。一対のボビンフランジ242のそれぞれに設けられたフランジ凹部243aは、軸方向ADにおいて互いに対向している。なお、フランジ内板面243がフランジ面に相当する。
図65に示すように、コイルユニット210においては、電力引出線212をコイル211から引き出すためにフランジ凹部243aが用いられている。コイル部215においては、第1延出線216を引き出すためにフランジ凹部243aが用いられている。コイル部215においては、コイル線220がフランジ凹部243aを通って引き出されることで第1延出線216が形成されている。
周方向CDにおいてボビン胴部241を介してフランジ凹部243aとは反対側では、フランジ凹部243aがないことに起因してコイル部215とフランジ内板面243との間にデッドスペースが生じにくくなっている。このように、一対のボビンフランジ242の間にデッドスペースが生じにくくなっていることで、ボビン240においてコイル211の占積率を高めることができる。ボビン240においては、一対のボビンフランジ242の間に生じるデッドスペースが小さいほどコイル211の占積率が高くなる。
<構成群Da>
図66に示すように、モータ装置ユニット50において、ユニットハウジング51はモータハウジング70及びインバータハウジング90を有している。ユニットハウジング51の外周面には、モータハウジング70が有する外周面70aと、インバータハウジング90が有する外周面90aとが含まれている。ユニットハウジング51の外周面には、モータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。ユニットハウジング51は、ステータ200、ロータ300及びインバータ81を収容している。モータ装置ユニット50においては、モータ61及びインバータ81の熱がモータフィン72及びインバータフィン92により外部に放出されやすくなっている。
ユニットハウジング51においては、モータハウジング70とインバータハウジング90とが一体化されている。モータハウジング70とインバータハウジング90とは、モータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、インバータハウジング90が装置ハウジングに相当する。
モータハウジング70とインバータハウジング90とは、ハウジング固定具52により固定されている。ハウジング固定具52は、ボルト等の固定具である。ハウジング固定具52は、モータハウジング70の連結フランジ74とインバータハウジング90の連結フランジ94とを連結している。連結フランジ74は、モータハウジング70において外周面70aに設けられており、ハウジング本体71から径方向外側に向けて突出している。連結フランジ94は、インバータハウジング90において外周面90aに設けられており、ハウジング本体91から径方向外側に向けて突出している。
図66、図67に示すように、モータハウジング70においては、内周面70bにコイル保護部250が重ねられている。モータハウジング70が有する内周面70bは、ユニットハウジング51の内周面に含まれている。コイル保護部250は、ユニットハウジング51の内周面に重ねられている。コイル保護部250は、ユニットハウジング51の内周面に密着するように接触している。
<構成群Db>
図68、図69に示すように、シャフト340において、シャフトフランジ342が有するリム344は、全体として板状に形成されている。リム344が有する一対の板面は、径方向RDを向いている。リム344においては、厚さ方向が径方向RDになっている。リム344は、周方向CDに環状に延びており、環状部に相当する。リム344は、シャフトフランジ342の外周端を形成している。リム344は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aと第2ロータ300bとにかけ渡された状態になっている。
図68に示すように、リム344は、ステータ200の内側に設けられている。リム344は、ステータ200から径方向内側に離間した位置にある。リム344は、ステータ200の内側空間を径方向RDに仕切った状態になっている。ステータ200の内側空間は、コイル保護部250の径方向内側に存在する空間である。この内側空間は内側領域と称されることがある。リム344は、コイル保護部250の内周面に沿って軸方向ADに延びている。軸方向ADにおいては、リム344の高さ寸法とコイル保護部250の高さ寸法とがほぼ同じになっている。
図69、図70、図71、図72に示すように、シャフトフランジ342は、フランジ通気孔346を有している。フランジ通気孔346は、リム344に設けられており、リム344を径方向RDに貫通している。フランジ通気孔346は、軸方向ADにおいて一対のリム先端部344aの両方から離間した位置にある。例えば、フランジ通気孔346は、軸方向ADにおいてリム344の中間位置に設けられている。
フランジ通気孔346は、周方向CDに複数並べられている。シャフトフランジ342においては、フランジ通気孔346とスポーク343とが周方向CDに並べられている。フランジ通気孔346は、周方向CDにおいて隣り合う2つのスポーク343の間に設けられている。周方向CDにおいてフランジ通気孔346を介して隣り合う2つのスポーク343は、いずれもフランジ通気孔346から離間した位置にある。
図68において、フランジ通気孔346は、モータ装置60の内部空間において径方向RDでの通気を可能にしている。フランジ通気孔346は、リム344よりも径方向内側の空間とリム344よりも径方向外側の空間とを連通している。コイル保護部250の内側空間においては、ステータ200の熱がフランジ通気孔346を通じてリム344の内側に放出されやすくなっている。また、気体としての空気がフランジ通気孔346を径方向RDに流れることでステータ200が冷却されやすい。モータハウジング70の内部では、径方向RDへの空気の対流がフランジ通気孔346を通じて生じやすくなる。
<構成群Dc>
図73、図74に示すように、ロータ300は、ホルダ調整孔326を有している。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通していることでロータ300を軸方向ADに貫通している。ホルダ調整孔326は、磁石310よりも径方向内側に設けられている。例えば、ホルダ調整孔326は、径方向RDにおいてホルダ固定孔325と磁石固定具335との間に設けられている。ホルダ調整孔326は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ調整孔326は、例えば磁石固定具335と同じ数だけ並べられている。
ロータ300においては、重心がモータ軸線Cmから径方向RDにずれるなどしてバランスがとれていないことがある。ロータ300においては、バランスがとれるように重り部材が磁石ホルダ320に取り付けられる。ロータ300に取り付けられる重り部材は、ロータ300のバランス状態に応じて、複数のホルダ調整孔326のいずれかに挿入される。重り部材は、ホルダ調整孔326に嵌合されるなどして、ホルダ調整孔326に固定される。ロータ300のバランスとしては、ロータ300が回転していない状態の静止バランス、及びロータ300が回転している状態の回転バランスなどがある。なお、ホルダ調整孔326がバランス調整孔に相当する。
なお、ホルダ調整孔326の一部は、軸方向ADにおいてリム344により塞がれた状態になっている。重り部材は、軸方向ADにおいてロータ第2面302側からホルダ調整孔326に挿入される。リム344は、ホルダ調整孔326の一部を塞いでいることで、重り部材がホルダ調整孔326からロータ第1面301側に抜け落ちることを規制する。
図73において、磁石ホルダ320は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのいずれにおいても、モータハウジング70の内部空間を軸方向ADに仕切った状態になっている。例えば、第1ロータ300aが有する磁石ホルダ320は、モータハウジング70の内部空間をリアフレーム370側の空間とステータ200側の空間とに仕切った状態になっている。第2ロータ300b有する磁石ホルダ320は、モータハウジング70の内部空間をステータ200側の空間とドライブフレーム390側の空間とに仕切った状態になっている。
ホルダ調整孔326は、モータ装置60の内部空間において軸方向ADでの通気を可能にしている。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320により軸方向ADに仕切られた2つの空間を連通している。このため、ステータ200の熱がホルダ調整孔326を通じて軸方向ADに放出されやすくなっている。また、空気がホルダ調整孔326を軸方向ADに流れることでステータ200が冷却されやすい。モータハウジング70の内部では、軸方向ADへの空気の対流がホルダ調整孔326を通じて生じやすくなる。
例えば、第1ロータ300aが有するホルダ調整孔326は、第1ロータ300aよりもリアフレーム370側の空間と、第1ロータ300aよりもステータ200側の空間とを連通している。このため、ステータ200の熱は、第1ロータ300aが有するホルダ調整孔326を通じてリアフレーム370側に放出されやすくなっている。また、第2ロータ300bが有するホルダ調整孔326は、第2ロータ300bよりもステータ200側の空間と、第2ロータ300bよりもドライブフレーム390側の空間とを連通している。このため、ステータ200の熱は、第2ロータ300bが有するホルダ調整孔326を通じてドライブフレーム390側に放出されやすくなっている。
<構成群Dd>
図75に示すように、リアフレーム370はフレーム開口部373を有している。フレーム開口部373は、リアフレーム370を軸方向ADに貫通している。フレーム開口部373は、リアフレーム370を軸方向ADに開口する開口部である。フレーム開口部373は、径方向RDにおいてバスバユニット260よりも径方向外側に設けられている。フレーム開口部373は、周方向CDに複数並べられている。
フレーム開口部373には、電力引出線212が軸方向ADに挿通されている。電力引出線212は、フレーム開口部373を通じて電力バスバ261側に引き出されている。電力引出線212においては、フレーム開口部373から引き出された部位が、電力バスバ261に電気的に接続されている。フレーム開口部373には、少なくとも1つの電力引出線212が挿通されている。
モータ装置ユニット50においては、リアフレーム370及びレゾルバカバー424が、ユニットハウジング51の内部をインバータ装置80側とモータ装置60側とに仕切った状態になっている。リアフレーム370及びレゾルバカバー424は、全体として軸方向ADに直交する方向に延びている。リアフレーム370及びレゾルバカバー424は、ハウジング仕切部に相当する。
図75、図76に示すように、温度センサ431は、モータ61において例えばコイルユニット210に設けられている。温度センサ431は、例えば複数設けられている。温度センサ431は、中性点バスバ290に取り付けられている。中性点バスバ290は、バスバ本体291及びセンサ支持部292を有している。バスバ本体291は、中性点バスバ290の主要部位を形成している。バスバ本体291は、中性点ユニット214において複数のコイル部215にかけ渡された状態になっている。センサ支持部292は、温度センサ431を支持している。センサ支持部292は、例えばバスバ本体291から突出した突出部である。温度センサ431は、センサ支持部292に固定されている。
図75に示すように、モータ装置60は信号端子台440を有している。信号端子台440は、軸方向ADにおいてリアフレーム370及びレゾルバカバー424のインバータ装置80側に設けられている。信号端子台440は、リアフレーム370及びレゾルバカバー424の少なくとも一方に取り付けられている。信号端子台440は、軸方向ADに直交する方向においてレゾルバコネクタ423に並べられている。
モータ装置60は、信号配線426を有している。信号配線426は、レゾルバコネクタ423から延びている。信号配線426は、電線等の導電部材であり、信号ライン425を形成している。信号配線426は、レゾルバコネクタ423を介してレゾルバ421に電気的に接続されている。
モータ装置60は、信号配線436を有している。信号配線436は、温度センサ431から延びている。信号配線436は、電線等の導電部材であり、信号ライン435を形成している。信号配線436は、温度センサ431に電気的に接続されている。
信号端子台440は、信号配線426,436を集約しており、配線集約部に相当する。信号端子台440には、信号配線426,436が引き込まれている。信号端子台440は、複数の端子部と、これら端子部を収容したケースとを有している。信号端子台440に引き込まれた信号配線426,436は、それぞれ端子部に電気的に接続されている。
レゾルバ421については、信号配線426がレゾルバコネクタ423と信号端子台440とにかけ渡された状態になっている。信号配線426は、リアフレーム370及びレゾルバカバー424よりもインバータ装置80側において、リアフレーム370及びレゾルバカバー424に沿って延びている。レゾルバ421は、モータ61の回転角度を検出することでモータ装置60の状態を検出可能である。レゾルバ421は状態検出部に相当し、信号配線426は検出配線に相当する。
温度センサ431については、信号配線436が温度センサ431と信号端子台440とにかけ渡された状態になっている。信号配線436は、フレーム開口部373に挿通されていることで、リアフレーム370及びレゾルバカバー424を軸方向ADに貫通している。温度センサ431は、モータ61の温度を検出することでモータ装置60の状態を検出可能である。温度センサ431は状態検出部に相当し、信号配線436は検出配線に相当する。
信号端子台440には、インバータ装置80が有するインバータ配線が複数引き込まれている。複数のインバータ配線には、信号配線426,436と共に信号ライン425,435を形成するインバータ配線が含まれている。インバータ配線は、信号端子台440において、端子部を介して信号配線426,436に電気的に接続されている。信号配線426,436に接続されたインバータ配線は、例えばインバータ装置80において制御装置54に電気的に接続されている。
<構成群De>
図77において、防塵カバー380は、全てのフレーム開口部373を覆っている。防塵カバー380は、周方向CDにおいて複数のフレーム開口部373にかけ渡された状態になっている。防塵カバー380は、軸方向ADにおいてインバータ装置80側からフレーム開口部373を塞いでいる。防塵カバー380は、異物がフレーム開口部373を軸方向ADに通過することを規制している。
防塵カバー380は、電力引出線212及びバスバユニット260をインバータ装置80側から覆った状態になっている。防塵カバー380は、電気絶縁性を有しており、電力引出線212及び電力バスバ261とインバータ装置80との絶縁信頼性が低下することを抑制している。防塵カバー380は、軸方向ADにおいてバスバユニット260とバスバターミナル263との間に入り込んだ状態になっている。
温度センサ431から延びた信号配線436は、防塵カバー380を貫通してインバータ装置80側に引き出されている。防塵カバー380は、配線孔381を有している。配線孔381は、防塵カバー380を軸方向ADに貫通している。信号配線436は、配線孔381に通されていることで防塵カバー380を貫通している。配線孔381は、信号配線436により塞がれる大きさ及び形状になっている。信号配線436が配線孔381に通された状態では、異物が配線孔381を通過するということが生じにくくなっている。配線孔381は、防塵カバー380において内周縁よりも外周縁に近い位置に設けられている。配線孔381は、防塵カバー380に複数設けられている。1本の信号配線436が1つの配線孔381に通されている。
なお、リアフレーム370及びレゾルバカバー424がハウジング仕切部に相当し、防塵カバー380が仕切カバーに相当する。フレーム開口部373が仕切開口部に相当し、電力引出線212がコイル引出線に相当する。また、信号配線436は、防塵カバー380とリアフレーム370との間を通ってインバータ装置80側に引き出されていてもよい。
<構成群Df>
図78、図79に示すように、モータハウジング70は連結フランジ74を有している。連結フランジ74は、ハウジング本体71から径方向外側に向けて延びており、電機フランジに相当する。連結フランジ74は、周方向CDに複数並べられている。
連結フランジ74はフランジ孔74aを有している。フランジ孔74aは、軸方向ADに延びている。フランジ孔74aは、連結フランジ74を軸方向ADに貫通している。フランジ孔74aは、モータハウジング70をインバータハウジング90に固定するための孔であり、電機固定孔に相当する。フランジ孔74aは、ハウジング本体71及び連結フランジ74のうち連結フランジ74だけに設けられている。連結フランジ74は、フランジ孔74aに対してハウジング固定具52がねじ込まれることで、インバータハウジング90が有する連結フランジ94に連結されている。インバータハウジング90は、モータハウジング70が固定される固定対象であり、ハウジング固定対象に相当する。連結フランジ74は耳部と称されることがある。
上述したように、モータハウジング70においては、ハウジング本体71及び連結フランジ74のうち連結フランジ74だけにフランジ孔74aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔74aによって低下するということが生じない。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に連結フランジ74が設けられたフランジ部位と、ハウジング本体71に連結フランジ74が設けられていない非フランジ部位とが、周方向CDに交互に並んでいる。連結フランジ74にフランジ孔74aが形成されていても、径方向RDにおいてフランジ部位の厚さ寸法は非フランジ部位の厚さ寸法よりも大きくなっている。フランジ部位の剛性は、連結フランジ74の厚さ寸法の分だけ非フランジ部位の剛性よりも高くなっている。
例えば本実施形態とは異なり、ハウジング固定具52を固定するための孔がハウジング本体71に設けられた構成を想定する。この構成では、ハウジング固定具52のための孔が形成された分だけハウジング本体71が薄くなる。このため、ハウジング本体71の剛性がハウジング固定具52のための孔によって低下するということが懸念される。
図78、図80に示すように、モータハウジング70は固定フランジ178を有している。固定フランジ178は、モータハウジング70において外周面70aに設けられている。固定フランジ178は、ハウジング本体71から径方向外側に向けて突出しており、電機フランジに相当する。固定フランジ178は、周方向CDに複数並べられている。
固定フランジ178はフランジ孔178aを有している。フランジ孔178aは、軸方向ADに延びている。フランジ孔178aは、固定フランジ178を軸方向ADに貫通している。フランジ孔178aは、モータハウジング70をドライブフレーム390に固定するための孔であり、電機固定孔に相当する。フランジ孔178aは、ハウジング本体71及び固定フランジ178のうち固定フランジ178だけに設けられている。固定フランジ178は、フランジ孔178aに対してフレーム固定具405がねじ込まれることで、ドライブフレーム390に固定されている。ドライブフレーム390は、モータハウジング70が固定される固定対象であり、ハウジング固定対象に相当する。固定フランジ178は耳部と称されることがある。なお、図80においては、ドライブフレーム390の図示を省略している。
上述したように、モータハウジング70においては、ハウジング本体71及び固定フランジ178のうち固定フランジ178だけにフランジ孔178aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔178aによって低下するということが生じない。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に固定フランジ178が設けられたフランジ部位と、ハウジング本体71に固定フランジ178が設けられていない非フランジ部位とが、周方向CDに交互に並んでいる。固定フランジ178にフランジ孔178aが形成されていても、径方向RDにおいてフランジ部位の厚さ寸法は非フランジ部位の厚さ寸法よりも大きくなっている。フランジ部位の剛性は、固定フランジ178の厚さ寸法の分だけ非フランジ部位の剛性よりも高くなっている。
例えば本実施形態とは異なり、フレーム固定具405を固定するための孔がハウジング本体71に設けられた構成を想定する。この構成では、フレーム固定具405のための孔が形成された分だけハウジング本体71が薄くなる。このため、ハウジング本体71の剛性がフレーム固定具405のための孔によって低下するということが懸念される。
<構成群Dg>
図81、図82、図83に示すように、ドライブフレーム390は、軸方向ADにおいてインバータ装置80とは反対側からモータ61を覆っている。ドライブフレーム390は、モータハウジング70の開口部を第2ロータ300b側から塞いだ状態になっている。モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、ドライブフレーム390は電機カバー部に相当する。
ドライブフレーム390は、フレーム本体391及び固定フランジ392を有している。フレーム本体391は、全体として板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。フレーム本体391は、モータハウジング70の開口部を塞いだ状態になっている。フレーム本体391の外周縁は、モータハウジング70が有する外周面70aに沿って周方向CDに延びている。
固定フランジ392は、フレーム本体391から径方向外側に向けて延びている。固定フランジ392は、周方向CDに複数並べられている。固定フランジ392は、例えば周方向CDに8個並べられている。固定フランジ392は、モータハウジング70が有する固定フランジ178に軸方向ADに並ぶ位置にある。
固定フランジ392は、第1固定孔392a,第2固定孔392bを有している。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、軸方向ADに延びている。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、固定フランジ392を軸方向ADに貫通している。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、フレーム本体391及び固定フランジ392のうち固定フランジ392だけに設けられている。第1固定孔392aと第2固定孔392bとは、固定フランジ392において径方向RDに並べられている。第1固定孔392aは、第2固定孔392bよりも径方向内側に設けられている。第1固定孔392aは、第2固定孔392bから径方向内側に離間した位置にある。
第1固定孔392aは、ドライブフレーム390をモータハウジング70に固定するための孔である。固定フランジ392は、第1固定孔392aに対してフレーム固定具405がねじ込まれることで、モータハウジング70が有する固定フランジ178に固定されている。固定フランジ392は耳部と称されることがある。
第2固定孔392bは、ドライブフレーム390を減速機53に固定するための孔である。固定フランジ392は、第2固定孔392bに対して減速機固定具53aがねじ込まれることで、減速機53に固定されている。減速機53は、ドライブフレーム390が固定される固定対象であり、カバー固定対象に相当する。
上述したように、ドライブフレーム390においては、フレーム本体391及び固定フランジ392のうち固定フランジ392だけに第1固定孔392a及び第2固定孔392bが設けられている。このため、フレーム本体391の剛性が第1固定孔392a及び第2固定孔392bによって低下するということが生じない。
例えば本実施形態とは異なり、フレーム固定具405及び減速機固定具53aを固定するための孔がフレーム本体391に設けられた構成を想定する。この構成では、フレーム固定具405及び減速機固定具53aのための孔が形成された分だけフレーム本体391の剛性が低下することが懸念される。
ドライブフレーム390は、外周フレーム部393及び外周フランジ394を有している。外周フレーム部393は、周方向CDにおいて隣り合う2つの固定フランジ392にかけ渡されており、これら固定フランジ392を接続している。外周フレーム部393は、フレーム本体391の外周縁に沿って周方向CDに延びている。外周フレーム部393は、周方向CDに複数並べられている。外周フレーム部393は、フレーム本体391から径方向外側に離間した位置にある。外周フレーム部393は、固定フランジ392の先端部から径方向内側に離間した位置にある。外周フレーム部393は、固定フランジ392において第1固定孔392aと第2固定孔392bとの間の部位から周方向CDに延びている。
ドライブフレーム390においては、固定フランジ392が外周フレーム部393により補強された状態になっている。このため、仮に、第1固定孔392a及び第2固定孔392bという2つの孔が形成されていることに起因して固定フランジ392の剛性が低下していたとしても、固定フランジ392の剛性が外周フレーム部393により補われた状態になっている。
外周フランジ394は、外周フレーム部393から径方向外側に向けて延びている。外周フランジ394は、固定フランジ392から周方向CDに離間した位置にある。外周フランジ394は、周方向CDに複数並べられている。外周フランジ394は、ユニットダクト100(図2参照)に固定されている。外周フランジ394には、ユニットダクト100を固定するための孔が設けられている。外周フランジ394は、この孔に対してボルト等の固定具がねじ込まれることでユニットダクト100が固定されている。
<構成群O>
モータ装置ユニット50の冷却方式として空冷式が用いられている。本実施形態では、モータ装置ユニット50の外部に存在する外部空気等の気体によりモータ装置ユニット50が冷却されるようになっている。例えば、モータ装置60は、モータハウジング70の外部に存在する気体により冷却される。モータ装置60では、モータ61にて発生した熱がモータフィン72等から外部空気に放出される。
図84~図86に示すように、モータフィン72は、ステータコイル211の径方向外側に設けられている。モータフィン72は、モータ外周面70aに設けられていることで、ステータコイル211から径方向外側に離れた位置にある。モータフィン72は、ステータコイル211などの熱をモータハウジング70の外部に放出する。例えば、ステータコイル211の熱は、コイル保護部250及びハウジング本体71などを介してモータフィン72から外部に放出される。モータフィン72は、ステータコイル211の径方向内側には設けられていない。
モータ装置60では、ステータコイル211から径方向外側への放熱が、ステータコイル211から径方向内側への放熱よりも大きくなっている。モータフィン72は、ステータコイル211から径方向外側への放熱がステータコイル211から径方向内側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211の径方向外側への放熱を促進する。モータフィン72は、放熱促進部及び外周促進部に相当する。
モータフィン72は、ステータコイル211よりも径方向RDの両側に延びている。モータフィン72は、第1ロータ300aと第2ロータ300bとに径方向RDにかけ渡された状態になっている。径方向RDでは、ステータコイル211の全体がモータフィン72に対向している。なお、径方向RDでは、ステータコイル211の一部がモータフィン72に対向していてもよい。すなわち、ステータコイル211の少なくとも一部がモータフィン72に対向していればよい。
なお、図85では、コイル保護部250などの図示を省略している。図86では、コイル保護部250や中性点バスバ290などの図示を省略している。また、モータハウジング70では、外周面70aがモータ外周面70aと称され、内周面70bがモータ内周面70bと称されることがある。コイル211はステータコイル211と称されることがある。
図84~図87に示すように、温度センサ431は、ステータコイル211の径方向内側に設けられている。温度センサ431は、径方向RDにおいてモータフィン72とは反対側にある。温度センサ431は、モータハウジング70の内部温度を検出可能である。温度センサ431は、ステータコイル211に接触又は接近した位置に設けられている。温度センサ431は、ステータコイル211の径方向内側において周方向CDに複数並べられている。温度センサ431は、モータハウジング70の内部温度としてコイル温度を検出する。コイル温度は、ステータコイル211の温度である。温度センサ431は、温度検出部に相当する。
温度センサ431は、例えば中性点バスバ290に設けられている。中性点バスバ290は、ステータコイル211に通電可能に接続されている。中性点バスバ290は、径方向RDにおいてステータコイル211とシャフト本体341との間に設けられている。中性点バスバ290は、コイル線220と同じ材料により形成されている。上述したように、中性点バスバ290は、板状の導体が絶縁体により被覆された部材である。中性点バスバ290が有する導体は、コイル線220が有する素線223と同じ材料により形成されている。中性点バスバ290は、通電バスバに相当する。
ステータ200では、複数相のステータコイル211が周方向CDに環状に並べられている。複数相のステータコイル211は、単にステータコイル211と称されることがある。複数相のステータコイル211では、複数のコイル部215が周方向CDに環状に並べられている。中性点バスバ290は、コイル内周面211dに沿って周方向に延びている。中性点バスバ290は、複数のコイル部215に周方向CDにかけ渡されている。
ステータコイル211は、コイル外周面211c及びコイル内周面211dを有している。コイル外周面211cは、ステータコイル211の外周面である。コイル内周面211dは、ステータコイル211の内周面である。コイル外周面211c及びコイル内周面211dは、全体として周方向CDに環状に延びている。ステータ200では、複数のコイル部215が周方向CDに並べられていることに起因して、コイル外周面211c及びコイル内周面211dは、周方向CDに断続的に延びている。
中性点バスバ290に設けられた温度センサ431は、バスバセンサ431Aと称されることがある。バスバセンサ431Aは、接着剤等により中性点バスバ290に固定されている。例えば、バスバセンサ431Aは、センサ支持部292に固定されている。バスバセンサ431Aは、ステータコイル211から径方向内側に離れた位置にある。バスバセンサ431Aは、ステータコイル211の径方向内側において周方向CDに複数並べられている。バスバセンサ431Aは、ステータコイル211に接近した位置で中性点バスバ290の温度を検出する。バスバセンサ431Aは、中性点バスバ290の温度をコイル温度として検出する。バスバセンサ431Aは、中性点バスバ290に接触している。バスバセンサ431Aは、温度検出部、バスバ検出部及び内周検出部に相当する。
バスバセンサ431Aは、コイル保護部250に埋め込まれている。バスバセンサ431Aは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によっても中性点バスバ290に固定されている。バスバセンサ431Aは、コイル保護部250の外側に露出していない。バスバセンサ431Aは、埋込検出部に相当する。コイル保護部250は、ステータコイル211に加えて温度センサ431を保護している。なお、温度センサ431の少なくとも一部がコイル保護部250に埋め込まれていればよい。すなわち、温度センサ431の一部はコイル保護部250から露出していてもよい。
中性点バスバ290は、バスバセンサ431Aと共にコイル保護部250に埋め込まれている。中性点バスバ290では、バスバ本体291及びセンサ支持部292のいずれもコイル保護部250に埋め込まれている。なお、バスバセンサ431Aがコイル保護部250に埋め込まれていれば、バスバセンサ431Aの少なくとも一部はコイル保護部250に埋め込まれていなくてもよい。
図85、図87に示すように、ステータ200は、コイル体900を有している。コイル体900は、コイルユニット210に含まれている。コイル体900は、コイル部215及びコアユニット230を有している。コイル体900は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに複数並べられている。コイル体900は、全体として軸方向ADに柱状に延びている。コイル体900は、コイル部215として、巻回されたコイル線220を有している。複数のコイル体900は、それぞれのコイル線220によりステータコイル211が形成されるように、周方向CDに複数並べられている。
コイル体900は、コイル体端面902及びコイル体外周面903を有している。コイル体端面902及びコイル体外周面903は、コイル体900に含まれている。コイル体端面902は、コイル体900の端面であり、軸方向ADに一対並べられている。コイル体端面902は、軸方向ADに直交する方向に延びている。コイル体端面902には、コア231の端面及びボビン240の端面が含まれている。
コイル体外周面903は、コイル体900の外周面であり、コイル部215の巻回方向に延びている。コイル体外周面903は、一対のコイル体端面902の間に設けられている。コイル体外周面903は、一対のコイル体端面902にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。コイル体外周面903には、コイル部215の外周面とボビン240の外周面とが含まれている。
温度センサ431は、径方向RDにおいてコイル体900に並ぶ位置に設けられている。温度センサ431は、コイル体900から軸方向ADにはみ出さない位置にある。温度センサ431は、軸方向ADにおいて一対のコイル体端面902の間に設けられている。例えば、温度センサ431の少なくとも一部とコイル部215とが径方向RDに並べられている。
中性点バスバ290は、径方向RDにおいてステータコイル211に並ぶ位置に設けられている。中性点バスバ290は、コイル体900から軸方向ADにはみ出さない位置にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて一対のコイル体端面902の間に設けられている。例えば中性点バスバ290の少なくとも一部とコイル部215とが径方向RDに並べられている。
図85、図88に示すように、温度センサ431には、温度信号配線436が通信可能に接続されている。信号配線436は、温度信号配線436と称されることがある。温度信号配線436は、温度センサ431の検出信号を出力可能になっている。温度センサ431と制御装置54とは、温度信号配線436及び信号端子台440などを介して通信可能になっている。
温度信号配線436は、バスバセンサ431Aに通信可能に接続されている。この温度信号配線436は、ステータコイル211を径方向RDに横断するようにして、バスバセンサ431Aからステータコイル211の径方向外側に回り込んでいる。温度信号配線436は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900の間を通ってステータコイル211を径方向RDに横断している。温度信号配線436は、ステータコイル211の径方向外側から軸方向ADに延ばされることで、フレーム開口部373から信号端子台440側に引き出されている。温度信号配線436は、温度通信線に相当する。
温度信号配線436は、横断線部437及び引出線部438を有している。引出線部438は、温度信号配線436においてステータコイル211の径方向外側から信号端子台側に引き出された部位である。
図88~図90に示すように、横断線部437は、温度信号配線436においてステータコイル211を径方向RDに横断するように延びた部位である。横断線部437は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900の間を通って径方向RDに延びている。横断線部437は、2つのコイル体900の少なくとも一方に接着剤等により固定されている。例えば、横断線部437は、コイル体900に含まれたコイル線220に固定されている。横断線部437は、コイル線220のうちコイル部215を形成する部位に固定されている。
温度信号配線436は、接着剤等に加えて、コイル保護部250によってもコイル体900及びコイルユニット210に固定されている。温度信号配線436では、温度センサ431側の端部が温度センサ431と共にコイル保護部250に埋め込まれている。温度信号配線436では、温度センサ431とは反対側の端部がコイル保護部250から引き出されている。温度信号配線436では、少なくとも横断線部437がコイル保護部250に埋め込まれている。
温度信号配線436は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900のうち一方の内部を通って径方向RDに延びている。一方のコイル体900の内部を通った温度信号配線436は、通過信号線436Aと称されることがある。通過信号線436Aでは、横断線部437が一方のコイル体900を通って径方向RDに延びている。横断線部437は、2つのコイル体900のうち一方側に寄った位置に設けられている。横断線部437は、他方のコイル体900からは周方向CDに離れた位置にある。
通過信号線436Aは、一方のコイル体900において一対のボビンフランジ242の間に入り込んだ位置を通って径方向RDに延びている。通過信号線436Aは、温度通信線及び入り込み線に相当する。通過信号線436Aでは、横断線部437が1つのコイル体900において一対のボビンフランジ242の間に入り込んだ位置に設けられている。横断線部437は、例えばコイル体外周面903から周方向CDにはみ出さないように、コイル体外周面903の内側を径方向RDに延びている。なお、横断線部437は、コイル体外周面903から周方向CDにはみ出していてもよい。すなわち、横断線部437の少なくとも一部が、一対のボビンフランジ242の間に入り込んでいればよい。
通過信号線436Aは、バスバセンサ431Aからフランジ凹部243aの内部を通って径方向内側に向けて延びている。図89、図90に示すように、通過信号線436Aでは、横断線部437が一対のボビンフランジ242のうち一方のフランジ凹部243aに入り込んだ位置を通っている。横断線部437は、フランジ凹部243aから周方向CD及び軸方向ADのいずれにもはみ出さないように、フランジ凹部243aの内部を通って径方向RDに延びている。横断線部437は、フランジ凹部243aの内部を通っているコイル線220に接着剤等により固定されている。例えば、横断線部437は、コイル線220において第1延出線216に繋がっている部位に固定されている。コイル線220において第1延出線216に繋がっている部位は、中性引出線213に繋がっている部位でもある。なお、横断線部437の少なくとも一部がフランジ凹部243aの内部に入り込んでいればよい。また、横断線部437は、コイル線220において第2延出線217に繋がっている部位に固定されていてもよい。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、温度センサ431付きのステータ200を製造する方法について説明する。作業者は、準備工程として、コイルユニット210、モータハウジング70、及び温度信号配線436付きの温度センサ431を準備する。作業者は、準備工程の後、仮固定工程を行う。作業者は、仮固定工程において、温度センサ431及び温度信号配線436をコイルユニット210に接着剤等で仮固定する。例えば、作業者は、バスバセンサ431Aを中性点バスバ290に仮固定し、温度信号配線436をコイル線220に仮固定する。
作業者は、仮固定工程の後、成形工程を行う。作業者は、成形工程において、コイルユニット210、温度センサ431及び温度信号配線436ごと、モータハウジング70をモールド成形用の金型に装着する。作業者は、射出成形によりコイル保護部250を成形する。成形工程の前に仮固定工程が行われていることで、溶融樹脂の射出に際して、温度センサ431及び温度信号配線436がコイルユニット210に対して位置ずれすることが生じにくくなっている。このため、温度センサ431や温度信号配線436が、コイル保護部250から露出してロータ300やシャフト340に接触する、ということが抑制される。
<構成群A>
ここまで説明した本実施形態によれば、中性点バスバ290は、電気絶縁性を有し且つ電力バスバ261を保護するバスバ保護部270から離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ290と電力バスバ261とが接触しないのはもちろんのこと、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが接触することすら生じないようになっている。このため、中性点バスバ290と電力バスバ261との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが離間していることで抑制できる。したがって、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが離間していることにより、モータ装置60の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、軸方向ADに並んだステータ側空間S1及びインバータ側空間S2のうち、一方に電力バスバ261が設けられ、他方に中性点バスバ290が設けられている。具体的には、インバータ側空間S2に電力バスバ261が設けられ、ステータ側空間S1に中性点バスバ290が設けられている。しかも、ステータ側空間S1とインバータ側空間S2とはリアフレーム370により仕切られている。この構成では、中性点バスバ290と電力バスバ261とが接触することがリアフレーム370により規制されている。このように、中性点バスバ290と電力バスバ261との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することをリアフレーム370により抑制できる。したがって、リアフレーム370によりモータ装置60の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290とバスバ保護部270とは、軸方向ADに離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ290とバスバ保護部270との離間距離を極力大きくできる。このため、中性点バスバ290と電力バスバ261との絶縁信頼性を高める上で、中性点バスバ290とバスバ保護部270との離間距離が不足するということを抑制できる。
本実施形態によれば、モータ装置60がアキシャルギャップ式及びダブルロータ式の両方に該当する回転電機である。すなわち、第1ロータ300aと第2ロータ300bとがステータ200を介してモータ軸線Cmに沿って並べられている。この構成では、アキシャルギャップ式によりモータ装置60の小型化を図ることができるとともに、ダブルロータ式によりモータ出力を高めることができる。さらに、この構成において、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれで磁石310の配列にハルバッハ配列が用いられている。したがって、モータ装置60において、バックヨークを省略することを容易化できる。また、コイル211は、複数の素線223を有するコイル線220が巻回されて形成されている。このため、コイル211において発生するコイル線220の銅損を低減できる。
本実施形態によれば、周方向CDにおいて隣り合う2つのコイル部215の巻数が異なっている。この構成では、2つのコイル部215において、コイル線220を径方向RDにおいて逆向きに引き出すことを容易化できる。このため、コイル211において、電力引出線212及び中性引出線213のうち一方を径方向外側に引き出し、他方を径方向内側に引き出す、ということが容易になる。したがって、電力引出線212と中性引出線213との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、電力バスバ261と中継ターミナル280との接続部分がターミナル台285により支持されている。この構成では、中継ターミナル280に対する電力バスバ261の相対的な振動が生じたとしても、その振動による応力がターミナル台285にて抑制されやすくなっている。このため、出力ライン143を形成する中継ターミナル280及び電力バスバ261について耐振動性を高めることができる。したがって、インバータ装置80に対するモータ装置60の相対的な振動が生じたとしても、中継ターミナル280及び電力バスバ261が形成する出力ライン143に異常が生じることを抑制できる。
例えば本実施形態とは異なり、電力バスバ261が中継ターミナル280を介さずに直接的にインバータ装置80側に接続された構成では、電力バスバ261がインバータ装置80とモータ装置60とにかけ渡された状態になっている。このため、インバータ装置80に対するモータ装置60の相対的な振動が生じると、電力バスバ261に応力が集中して電力バスバ261に異常が生じることが懸念される。すなわち、電力バスバ261が形成する出力ライン143に異常が生じることが懸念される。
本実施形態によれば、中継ターミナル280は、複数の分割領域REに1つずつ配置されている。この構成では、周方向CDにおいて隣り合う2つの中継ターミナル280の離間距離を十分に大きく確保できる。このため、仮に中継ターミナル280を電流が流れることなどにより中継ターミナル280にて熱が発生したとしても、この熱が中継ターミナル280から放出されやすくなっている。したがって、中継ターミナル280にて発生する熱によりモータ装置60にて異常が発生するということを抑制できる。
本実施形態によれば、リアフレーム370がバスバ支持部371及びベアリング支持部372を有している。この構成では、リアフレーム370という1つの部材により、電力バスバ261及び第1ベアリング360という2つの機器を支持できる。このため、モータ装置60を構成する部品点数を低減できる。
例えば本実施形態とは異なり、電力バスバ261及び第1ベアリング360がそれぞれ独立した専用部材により支持された構成を想定する。この構成では、電力バスバ261及び第1ベアリング360のそれぞれに専用部材を用いる必要がある上に、これら専用部材をそれぞれモータハウジング70等に固定する必要がある。このため、この構成では、モータ装置60を構成する部品点数が増大することが懸念される。
本実施形態によれば、レゾルバ421は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介して中性点バスバ290とは反対側に設けられている。この構成では、レゾルバ421と中性点バスバ290との離間距離を十分に確保することができる。このため、中性点バスバ290を流れる電流等により電磁波が発生したとしても、この電磁波による影響がレゾルバ421に生じにくくなっている。例えば、中性点バスバ290への通電に伴ってレゾルバ421の検出信号にノイズが生じるということが生じにくくなっている。
<構成群B>
本実施形態によれば、ロータ300において、周方向CDに隣り合う一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。また、周方向CDにおいて一対の内軸磁石312a,312bを介して隣り合う一対の周磁石311a,311bは、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されている。この構成では、一対の周磁石311a,311b及び一対の内軸磁石312a,312bによる磁束がステータ200側で集中することなどにより、ステータ200側での磁界が強くなりやすい。したがって、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
本実施形態によれば、一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに向かい合うように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。この構成では、一対の周磁石311a,311b及び一対の内軸磁石312a,312bによる磁束が、周方向CDにおいて内境界部BI側に向けて集中しやすくなっている。このように磁束を集中させることで、ステータ200側での磁界を強くすることができる。
本実施形態によれば、ロータ300において、周方向CDに隣り合う一対の外軸磁石313a,313bは、第1周磁石311a又は第2周磁石311bを介して反対側に設けられている。また、一対の外軸磁石313a,313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに反対側を向くように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。この構成では、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側にて磁束が拡散することなどにより、ステータ200側での磁界が強くなりやすい。したがって、モータ装置60のエネルギ効率を更に高めることができる。
本実施形態によれば、第1ロータ300a及び第2ロータ300bは、一方が有する一対の内軸磁石312a,312bと他方が有する一対の外軸磁石313a,313bとが軸方向ADに並ぶように、互いに点対称に設けられている。この構成では、ステータ200を軸方向ADに通過する磁束が、周方向CDにおいて内境界部BI及び外境界部BO側に集中しやすくなる。このため、ステータ200側での磁界を強くすることができる。
本実施形態によれば、固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dに重なるように、且つブロックテーパ面330aが磁石ホルダ320との間に磁石310を挟み込むようにして、磁石310を磁石ホルダ320に固定している。この構成では、ブロックテーパ面330a及び内周テーパ面316dがモータ軸線Cmに対して傾斜していることを利用して、固定ブロック330により磁石310を磁石ホルダ320に強固に固定できる。
本実施形態によれば、ロータ300において周方向CDに並べられる複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。この構成では、ロータ300の製造工程において、作業者は、磁石ホルダ320に並べる最後の1つの磁石ユニット316として、平行磁石ユニット318を周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませることができる。このため、磁石ホルダ320に対して全ての磁石ユニット316を適正に固定することができる。
本実施形態によれば、磁石310に対する吸引力F1に抗して曲げ応力F2がロータ300に生じるように、径方向RDにおいて支点としてのリム先端部344aを介して磁石310とは反対側でロータ300に押圧力F3が加えられる。この構成では、ロータ300において磁石310の周辺部位がステータ200に近づいてロータ300が反るように変形する、ということをホルダ固定具350により抑制できる。このため、モータ61の効率が低下するなどの不都合がロータ300の変形によって生じるということを抑制できる。
本実施形態によれば、ロータ300においてホルダ固定具350が固定された部位と、シャフトフランジ342においてホルダ固定具350が固定された部位と、は軸方向ADに離間している。このため、仮に、押圧力F3が吸引力F1に対して不足していたとしても、ホルダ固定具350により押圧力F3を増加させることで押圧力F3の不足を解消できる。
本実施形態によれば、第1ロータ300aにおいて第1ホルダ固定具350aが挿入されるホルダ固定孔325と、第2ロータ300bにおいて第2ホルダ固定具350bが挿入されるホルダ固定孔325とが、周方向CDに離間した位置にある。この構成では、シャフトフランジ342において、第1ホルダ固定具350aと第2ホルダ固定具350bとの両方を1つの孔に軸方向ADの逆側から挿入するという必要がない。このため、第1ホルダ固定具350a及び第2ホルダ固定具350bの両方を1つの孔に挿入できるほどにシャフトフランジ342を厚くするという必要がない。したがって、シャフトフランジ342の薄型化及び軽量化が可能になる。
<構成群C>
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、コイル保護部250が内周面70bに重ねられた状態で設けられている。この構成では、コイル211の熱がコイル保護部250を介してモータハウジング70に伝わりやすくなっている。しかも、モータハウジング70においては、外周面70aにモータフィン72が設けられている。このため、コイル保護部250からモータハウジング70に伝わった熱はモータフィン72により外部に放出されやすくなっている。したがって、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル保護部250は、複数のステータ保持部171の間に径方向内側から入り込んだ状態になっている。この構成では、コイル保護部250と内周面70bとの接触面積がステータ保持部171により増加させることができる。このため、コイル保護部250からステータ保持部171に熱が伝わりやすくなり、その結果、モータハウジング70の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル部215と軸保持部174とは径方向RDにおいて互いに対向している。この構成では、径方向RDでのコイル部215とモータハウジング70との離間距離を軸保持部174により低減できる。すなわち、径方向RDにおいて軸保持部174との間に存在するコイル保護部250の厚さ寸法を低減できる。このため、コイル部215からモータハウジング70に伝わる熱がコイル保護部250に留まるということが生じにくくなる。したがって、モータハウジング70の放熱効果がコイル保護部250により低減するということを抑制できる。
本実施形態によれば、コイル保護部250が少なくともハウジング粗面177に重ねられている。この構成では、コイル保護部250がハウジング粗面177に密着しやすいため、コイル保護部250からモータハウジング70に熱が伝わりやすい。また、この構成では、コイル保護部250とハウジング粗面177との接触面積が大きくなりやすいため、コイル保護部250からモータハウジング70に熱が伝わりやすい。したがって、モータハウジング70の放熱効果をハウジング粗面177により高めることができる。
本実施形態によれば、電力引出線212を保護するグロメット255は、電力引出線212とコイル保護部250との隙間を埋めている。この構成では、電力引出線212が埋設部255aと露出部255bとの境界部分で折れるように変形するということをグロメット255により抑制できる。また、モータ装置60の製造時において、コイル保護部250を樹脂成形する場合に、溶融樹脂が電力引出線212の周りから漏れ出すということをグロメット255により抑制できる。
本実施形態によれば、ボビン240が電気絶縁性を有しているため、コイル211に対する電気的な絶縁状態をボビン240により適正化できる。このため、コイル211について部分放電が生じることを抑制できる。また、コア231の熱がボビン240を介してコイル保護部250に放出されるため、コアユニット230の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル保護部250が少なくともボビン粗面247に重ねられている。この構成では、コイル保護部250がボビン粗面247に密着しやすいため、ボビン240からコイル保護部250に熱が伝わりやすい。また、この構成では、コイル保護部250とボビン粗面247との接触面積が大きくなりやすいため、ボビン240からコイル保護部250に熱が伝わりやすい。したがって、モータ装置60の放熱効果をボビン粗面247により高めることができる。
本実施形態によれば、コア231においては、コア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなっている。この構成では、例えばコア幅が連続的に小さくなっている構成に比べて、コア231の表面積が大きくなりやすく、ボビン240に密着しやすい。このため、コア231の熱がボビン240に伝わりやすくなっている。しかも、複数のコア形成板材236を積層してコア231を製造する場合、コア幅が小さくなる段階数に合わせてコア形成板材236の種類を制限できる。このため、コア形成板材236を製造するためのコストが増加するということを抑制できる。
本実施形態によれば、ボビン240においてフランジ内板面243には、コイル211から電力引出線212を引き出すために凹んだフランジ凹部243aが設けられている。この構成では、周方向CDにおいてボビン胴部241を介してフランジ凹部243aとは反対側において、フランジ内板面243とコイル211との間にデッドスペースが生じにくくなっている。このため、ボビン240においてコイル211の占積率を高めることができる。
<構成群D>
本実施形態によれば、インバータ81と、軸方向ADに並べられたロータ300及びステータ200と、がユニットハウジング51に収容されている。この構成では、モータ装置60を薄型化した上で、モータ装置ユニット50を小型化することができる。しかも、ユニットハウジング51の外周面にモータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。このため、モータ装置ユニット50の放熱効果をモータフィン72及びインバータフィン92により高めることができる。したがって、モータ装置ユニット50の小型化及び放熱効果向上の両方を実現することができる。
本実施形態によれば、ユニットハウジング51の内周面にコイル保護部250が重ねられている。この構成では、コイル211の熱がコイル保護部250を介してユニットハウジング51に伝わりやすくなっている。しかも、ユニットハウジング51の外周面には、モータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。このため、コイル保護部250からユニットハウジング51に伝わった熱はモータフィン72及びインバータフィン92により外部に放出されやすくなっている。したがって、モータ装置ユニット50の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、ステータ200とロータ300とが軸方向ADに並ぶことでモータハウジング70が薄型化された上で、ユニットハウジング51においてはモータハウジング70とインバータハウジング90とが軸方向ADに並べられている。このため、モータ装置ユニット50が軸方向ADに大型化することをモータハウジング70の薄型化によって抑制できる。
本実施形態によれば、シャフトフランジ342に設けられたフランジ通気孔346は、リム344を径方向RDに貫通し、径方向RDでの通気を可能にしている。この構成では、ステータ200の熱がフランジ通気孔346を通じて径方向RDに放出されやすくなっている。このため、モータ装置60の放熱効果をフランジ通気孔346により高めることができる。
本実施形態によれば、ロータ300のバランスを調整するためのホルダ調整孔326は、ロータ300を軸方向ADに貫通し、軸方向ADでの通気を可能にしている。この構成では、ステータ200の熱がホルダ調整孔326を通じて軸方向ADに放出されやすくなっている。このため、ロータ300のバランスを調整するためのホルダ調整孔326を利用して、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、レゾルバ421から延びた信号配線426と温度センサ431から延びた信号配線436とが、信号端子台440に集約されている。この構成では、インバータ装置80が有するインバータ配線が信号端子台440に引き込まれることで、レゾルバ421及び温度センサ431のいずれにも電気的に接続することが可能である。このため、モータ装置60の製造時において作業者が、モータ装置60が有する信号配線とインバータ装置80が有する信号配線とを接続する際に、その作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、防塵カバー380がフレーム開口部373を覆っている。このため、電力引出線212をフレーム開口部373から引き出す構成を実現した上で、このフレーム開口部373を異物が通過することを防塵カバー380により抑制できる。
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、ハウジング本体71から突出した連結フランジ74にフランジ孔74aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔74aによって低下するということを抑制できる。また、ハウジング本体71から突出した固定フランジ178にフランジ孔178aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔178aによって低下するということを抑制できる。
本実施形態によれば、ドライブフレーム390においては、第1固定孔392aと第2固定孔392bとが径方向RDに並べられている。この構成では、モータハウジング70から第1固定孔392aに付与される応力と、減速機53から第2固定孔392bに付与される応力と、が互いに打ち消し合いやすくなっている。このため、モータハウジング70からの応力と減速機53からの応力によってドライブフレーム390に変形等の異常が発生するということを抑制できる。
<構成群O>
本実施形態によれば、放熱促進部としてのモータフィン72がステータコイル211の径方向外側に設けられている。このため、モータフィン72によりステータコイル211の径方向外側からモータ装置60に冷却効果を付与できる。しかも、温度センサ431であるバスバセンサ431Aが、ステータコイル211を介してモータフィン72とは反対側に設けられている。この構成では、モータフィン72の冷却効果によりバスバセンサ431Aの検出温度が実際のコイル温度よりも低くなる、ということが生じにくい。すなわち、バスバセンサ431Aの検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい。したがって、モータ装置60において、冷却効果を高めつつ、コイル温度の検出精度を高めることができる。
例えば本実施形態とは異なり、温度センサ431がモータフィン72と共にステータコイル211の外周側に設けられた比較構成を想定する。この比較構成では、ステータコイル211の熱は、径方向外側に向けて延びる放熱経路を通ってモータフィン72に伝わり、モータフィン72から外部に放出される。
比較構成では、温度センサ431がステータコイル211の径方向外側において放熱経路に存在している。したがって、モータフィン72からの放熱に伴って温度センサ431が冷却されやすい。すなわち、モータ装置60において温度センサ431により温度が計測される測温部位が冷却されやすい。測温部位が冷却されると、モータ装置60で最も温度が高い最大温度部位と測温部位との温度乖離が大きくなりやすい。このように、温度センサ431に対してモータフィン72による熱引きの影響が大きいと、温度センサ431による測温精度が悪化することが懸念される。モータ装置60においてステータコイル211が発熱源になっていると、ステータコイル211を介してモータフィン72とは反対側の部位が最大温度部位になりやすい。
この比較構成に対して、本実施形態では、バスバセンサ431Aがステータコイル211を介して放熱経路とは反対側に設けられている。この構成では、モータフィン72からの放熱に伴ってバスバセンサ431Aが冷却される、ということを回避できる。このため、最大温度部位と測温部位との温度乖離が大きくなりにくい。すなわち、最大温度部位と測温部位との温度乖離が小さくなりやすく、バスバセンサ431Aに対してモータフィン72による熱引きの影響が少なくなる。したがって、バスバセンサ431Aによる測温精度を高めることができる。
本実施形態では、中性点バスバ290がステータコイル211に通電可能に接続されている。この構成では、ステータコイル211にて発生した熱が中性点バスバ290に伝わりやすい。このため、中性点バスバ290とステータコイル211との温度差が小さくなりやすい。そこで、本実施形態によれば、温度センサ431であるバスバセンサ431Aが中性点バスバ290に設けられている。このため、バスバセンサ431Aは、中性点バスバ290を介してステータコイル211の温度を検出できる。したがって、モータフィン72の冷却効果によるバスバセンサ431Aの検出精度低下を抑制した上で、さらに、バスバセンサ431Aの検出温度と実際のコイル温度との差を低減できる。
さらに、温度センサ431の固定対象が中性点バスバ290であるため、温度センサ431を中性点バスバ290に強固に固定しやすい。中性点バスバ290は、コイル部215に比べて、形状や位置に関する自由度が高くなりやすい。例えば、温度センサ431を固定するためのセンサ支持部292が中性点バスバ290に設けられても、モータ61にて生じる磁界が弱くなりにくい。このため、温度センサ431をセンサ支持部292に固定することなどにより、温度センサ431が中性点バスバ290に強固に固定された構成を実現しやすい。
本実施形態では、熱伝導性を有するコイル保護部250によりステータコイル211が保護されている。この構成では、ステータコイル211にて発生した熱がコイル保護部250に直接的に伝わりやすい。このため、コイル保護部250とステータコイル211との温度差が小さくなりやすい。そこで、本実施形態によれば、バスバセンサ431Aがコイル保護部250に埋め込まれている。このため、温度センサ431は、コイル保護部250を介してステータコイル211の温度を検出できる。したがって、モータフィン72の冷却効果による温度センサ431の検出精度低下を抑制した上で、さらに、温度センサ431の検出温度と実際のコイル温度との差をコイル保護部250により低減できる。
さらに、温度センサ431は、コイル保護部250を介してステータコイル211に固定されている。この構成では、温度センサ431がステータコイル211に比べて振動しやすいということをコイル保護部250により抑制できる。すなわち、ステータコイル211に対する温度センサ431の相対的な振動をコイル保護部250に抑制できる。このため、温度センサ431について、振動に対する強度信頼性を向上させることができる。
本実施形態によれば、温度信号配線436は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900を通って径方向RDに延びるように設けられている。この構成では、温度信号配線436をコイル体900から軸方向ADにずれた位置を通す必要がない。すなわち、温度信号配線436をステータコイル211とロータ300との間のギャップG1,G2(図12参照)に通す必要がない。このため、温度信号配線436をギャップG1,G2に通すことに伴う不都合の発生を抑制できる。
例えば、この不都合としては、温度信号配線436がロータ300a,300bに接触するなどしてロータ300a,300bの回転に異常が発生することがある。また、温度信号配線436がロータ300a,300bに接触しないようにギャップG1,G2を軸方向ADに拡張するとモータ61の出力が低下する、ということがある。これに対して、本実施形態では、温度信号配線436をギャップG1,G2に通す必要がないため、温度信号配線436がロータ300a,300bに接触しにくい。これにより、ロータ300a,300bの回転に異常が発生することや、ギャップG1,G2の拡張に伴ってモータ61の性能が低下すること、を抑制できる。
本実施形態によれば、温度信号配線436は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900のうち一方に固定されている。この構成では、温度信号配線436がコイル体900に対して意図せずに相対的に移動することを、温度信号配線436とコイル体900との固定部分により抑制できる。このため、モータ装置60の製造工程でコイル保護部250をモールド成形する際などに、温度信号配線436がギャップG1,G2に意図せずに入り込むことを抑制できる。
本実施形態によれば、温度信号配線436は、2つのコイル体900のうち一方において、一対のボビンフランジ242の間に入り込んだ位置を通って径方向RDに延びている。この構成では、温度信号配線436を2つのコイル体900のうち一方に固定することが容易になる。しかも、仮に温度信号配線436がコイル体900に対して相対的に軸方向ADに移動したとしても、温度信号配線436がギャップG1,G2に入り込むことをボビンフランジ242により規制できる。
本実施形態によれば、ステータコイル211に対して、モータフィン72が径方向外側に設けられている一方で、バスバセンサ431Aが径方向内側に設けられている。このため、径方向外側からステータコイル211を冷却しつつ、バスバセンサ431Aの検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい構成を実現できる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、モータ装置60がロータ300を1つだけ有している。すなわち、モータ装置60がシングルロータ式の回転電機になっている。例えば、軸方向ADにおいてステータ200とインバータ装置80との間に1つのロータ300が設けられている。なお、1つのロータ300は、軸方向ADにおいてステータ200を介してインバータ装置80とは反対側に設けられていてもよい。
また、モータ装置60は、ステータ200を複数有していてもよい。例えばモータ装置60がステータ200を2つ有していてもよい。このモータ装置60は、ダブルステータ式の回転電機である。モータ装置60とインバータ装置80とは、互いに離間して設けられていてもよい。例えば、モータハウジング70とインバータハウジング90とが互いに独立して設けられていてもよい。さらに、モータ装置ユニット50に対してユニットダクト100が設けられていなくてもよい。
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、温度センサ431が通電バスバとしての中性点バスバ290に設けられていた。これに対して、第3実施形態では、温度センサ431がコイルに設けられている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第3本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図91に示すように、温度センサ431は、ステータコイル211に設けられている。すなわち、温度センサ431は、コイル部215に設けられている。コイル部215に設けられた温度センサ431は、コイルセンサ431Bと称されることがある。コイルセンサ431Bは、接着剤等によりコイル部215に固定されている。コイルセンサ431Bは、コイル部215を形成するコイル線220に固定されている。コイルセンサ431Bは、ステータコイル211に直接的に固定された状態になっている。コイルセンサ431Bは、周方向CDに複数並べられている。複数のコイルセンサ431Bは、互いに異なるコイル部215に固定されている。コイルセンサ431Bは、コイル部215の温度をコイル温度として検出する。コイルセンサ431Bは、コイル部215に接触している。コイルセンサ431Bは、温度検出部及びコイル検出部に相当する。
コイルセンサ431Bは、ステータコイル211の内周側に設けられている。例えば、コイルセンサ431Bは、コイル内周面211dに固定されている。コイルセンサ431Bは、コイル保護部250に埋め込まれている。コイルセンサ431Bは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によってもステータコイル211に固定されている。コイルセンサ431Bは、上記第1実施形態のバスバセンサ431Aと同様に、内周検出部及び埋込検出部に相当する。
コイルセンサ431Bは、コイル体900から軸方向ADにはみ出さない位置に設けられている。コイルセンサ431Bは、コイル体外周面903に固定されている。コイルセンサ431Bは、軸方向ADにおいて一対のコイル体端面902の間に設けられている。コイルセンサ431Bは、軸方向ADにおいて一対のボビンフランジ242の間に設けられている。例えば、コイルセンサ431Bは、一対のボビンフランジ242の両方から軸方向ADに離れた位置に設けられている。
コイルセンサ431Bには、温度信号配線436が通信可能に接続されている。コイルセンサ431Bに接続された温度信号配線436は、上記第1実施形態と同様に、通過信号線436Aである。ただし、本実施形態の通過信号線436Aは、フランジ凹部243aの内部を通っていない。
図92、図93に示すように、通過信号線436Aは、一対のボビンフランジ242の間において、これらボビンフランジ242のそれぞれから軸方向ADに離れた位置を通って径方向RDに延びている。コイル部215では、軸方向ADに直交する方向に延びるように巻回されたコイル線220が軸方向ADに複数並んだ状態になっている。通過信号線436Aは、コイル部215において軸方向ADに隣り合う2本のコイル線220の間に入り込んだ状態になっている。通過信号線436Aは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によってもコイル部215に固定されている。
本実施形態によれば、温度センサ431であるコイルセンサ431Bがステータコイル211に設けられている。このため、コイルセンサ431Bは、ステータコイル211の温度を直接的に検出できる。したがって、モータフィン72の冷却効果によるコイルセンサ431Bの検出精度低下を抑制した上で、さらに、コイルセンサ431Bの検出温度と実際のコイル温度との差を低減できる。
<第4実施形態>
上記第3実施形態では、温度センサ431がコイルとしてのステータコイル211に設けられていた。これに対して、第4実施形態では、温度センサ431がコイル引出線に設けられている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第4本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図94に示すように、中性引出線213は、コイル部215から引き出されていることで、ステータコイル211から引き出されている。中性引出線213は、コイル部215から径方向内側に向けて引き出されている。ステータ200では、1つのコイル部215と、このコイル部215から引き出された中性引出線213は、共通のコイル線220により形成されている。中性引出線213は、コイル引出線に相当する。
温度センサ431は、中性引出線213に設けられている。中性引出線213に設けられた温度センサ431は、引出センサ431Cと称されることがある。引出センサ431Cは、接着剤等により中性引出線213に固定されている。引出センサ431Cは、中性引出線213に設けられていることで、中性引出線213を形成する第1延出線216に設けられている。引出センサ431Cは、周方向CDに複数並べられている。複数の引出センサ431Cは、互いに異なる中性引出線213に固定されている。引出センサ431Cは、中性引出線213の温度をコイル温度として検出する。引出センサ431Cは、中性引出線213に接触している。引出センサ431Cは、温度検出部及び引出検出部に相当する。なお、引出センサ431Cは、複数の中性引出線213に固定されていてもよい。
引出センサ431Cは、ステータコイル211の内周側に設けられている。また、引出センサ431Cは、コイル保護部250に埋め込まれている。引出センサ431Cは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によっても中性引出線213に固定されている。引出センサ431Cは、上記第1実施形態のバスバセンサ431Aと同様に、内周検出部及び埋込検出部に相当する。
引出センサ431Cは、コイル体900から軸方向ADにはみ出さない位置に設けられている。引出センサ431Cは、軸方向ADにおいて一対のコイル体端面902の間に設けられている。引出センサ431Cは、軸方向ADにおいて一対のボビンフランジ242の間に設けられている。
本実施形態によれば、中性引出線213は、ステータコイル211から引き出されている。この構成では、ステータコイル211にて発生した熱が中性引出線213に直接的に伝わりやすい。このため、中性引出線213とステータコイル211との温度差が小さくなりやすい。そこで、本実施形態によれば、温度センサ431である引出センサ431Cが中性引出線213に設けられている。このため、引出センサ431Cは、中性引出線213を介してステータコイル211の温度を検出できる。したがって、モータフィン72の冷却効果による引出センサ431Cの検出精度低下を抑制した上で、さらに、引出センサ431Cの検出温度と実際のコイル温度との差を低減できる。
<第5実施形態>
上記第1実施形態では、温度信号配線436が通過信号線436Aとして、1つのコイル体900において一対のボビンフランジ242の間に入り込んだ位置を通って径方向RDに延びていた。これに対して、第5実施形態では、温度信号配線436が、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900の隙間を通って径方向RDに延びている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第5本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図95に示すように、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900の間には隙間がある。2つのコイル体900の隙間は、これらコイル体900のそれぞれが有するコイル体外周面903の隙間である。温度信号配線436は、温度センサ431から2つのコイル体900の隙間を通って径方向外側に向けて延びている。2つのコイル体900を通った温度信号配線436は、隙間信号線436Bと称されることがある。隙間信号線436Bは、例えば2つのコイル体900のそれぞれが有するコイル部215の間を通って径方向RDに延びている。隙間信号線436Bは、1つのコイル体900において一対のボビンフランジ242の間に入り込まないように径方向RDに延びている。隙間信号線436Bは、では、横断線部437が一対のボビンフランジ242の間に入り込んでいない。隙間信号線436Bは、温度通信線に相当する。
図96に示すように、隙間信号線436Bは、軸方向ADにおいて一対のコイル体端面902の間に設けられている。隙間信号線436Bは、一対のコイル体端面902から軸方向ADにはみ出していない。隙間信号線436Bは、コイル部215及びボビンフランジ242の少なくとも一方に接着剤等により固定されている。隙間信号線436Bは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によってもコイル部215及びボビンフランジ242の少なくとも一方に固定されている。
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、温度センサ431がステータコイル211の径方向内側に設けられていた。これに対して、第6実施形態では、温度センサ431がステータコイル211の径方向外側に設けられている。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第6本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図97に示すように、モータ装置60に対して冷却装置550が設けられている。冷却装置550は、例えばモータ装置ユニット50に含まれている。冷却装置550は、冷媒を用いてモータ装置ユニット50を冷却する冷却システムである。冷媒としては、例えば冷却液などの流体が用いられる。冷媒を用いた冷却方式は、液冷式と称されることがある。本実施形態では、モータ装置ユニット50の冷却方式として、空冷式及び液冷式の両方が用いられている。
冷却装置550は、内周吸熱部551、冷媒ポンプ552及び冷媒流路553を有している。冷却装置550では、冷媒が冷媒流路553を流れる。冷媒流路553は、例えば冷媒を循環させる循環流路である。冷媒ポンプ552は、冷媒が冷媒流路553を流れるように、冷媒流路553内の冷媒を圧送する。冷媒ポンプ552は、冷媒流路553にて冷媒を循環させるための循環ポンプである。冷媒ポンプ552は、例えばシャフト340に接続されており、例えばモータ61の駆動に伴って冷媒流路553に冷媒を流す。なお、冷媒ポンプ552は、モータ61とは独立して駆動する構成になっていてもよい。
冷媒流路553は、吸熱路555及び放熱路556を有している。吸熱路555は、冷媒流路553において冷媒が冷却対象から熱を吸収する部位である。冷却対象は、モータ装置60の少なくとも一部であり、例えばステータコイル211である。放熱路556は、冷媒流路553において冷媒が熱を外部に放出する部位である。放熱路556は、例えばモータ装置60の外部に設けられており、冷媒の熱を外部空気等に放出することが可能である。
内周吸熱部551は、吸熱路555を形成している。内周吸熱部551は、ステータコイル211の径方向内側に設けられている。内周吸熱部551は、コイル内周面211dに沿って周方向CDに延びている。内周吸熱部551は、周方向CDに環状に延びている。内周吸熱部551は、ステータコイル211から径方向内側に離れた位置にある。内周吸熱部551は、径方向RDにおいてシャフト本体341とコイル保護部250との間に設けられている。
内周吸熱部551では、吸熱路555がコイル内周面211dに沿って延びている。例えば、内周吸熱部551では、吸熱路555が周方向CDに環状に延びている。内周吸熱部551では、冷媒がコイル内周面211dに沿って周方向CDに流れる。内周吸熱部551は、ステータコイル211からの熱を吸熱する。内周吸熱部551では、吸熱路555を流れる冷媒が、コイル内周面211dなどから放出される熱を吸収する。すなわち、内周吸熱部551は、ステータコイル211の内周側からステータコイル211を冷却する。
内周吸熱部551によるステータコイル211の放熱効果は、モータフィン72によるステータコイル211の放熱効果よりも高い。ステータコイル211では、径方向内側への放熱が径方向外側への放熱よりも大きい。ステータコイル211では、内周吸熱部551により径方向内側に放出される単位時間当たりの熱量が、モータフィン72により径方向外側に放出される単位時間当たりの熱量よりも大きい。ステータコイル211では、コイル内周面211dから放出される単位面積当たり熱量が、コイル外周面211cから放出される単位面積当たりの熱量よりも大きい。内周吸熱部551は、ステータコイル211から径方向内側への放熱がステータコイル211から径方向外側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211から径方向内側への放熱を促進する。内周吸熱部551は、放熱促進部及び内周促進部に相当する。
なお、上記第1実施形態のようにモータフィン72等の放熱部がステータコイル211の径方向外側及び径方向内側のうち一方だけに設けられた構成では、放熱部が放熱促進部に相当する。本実施形態のように、放熱部がステータコイル211の径方向外側及び径方向内側の両方に設けられた構成では、径方向外側の放熱部と径方向内側の放熱部とで放熱が大きい方が放熱促進部に相当する。径方向外側の放熱部が放熱促進部である構成では、この放熱部が外周促進部に相当する。径方向内側の放熱部が放熱促進部である構成では、この放熱部が内周促進部に相当する。本実施形態は、径方向内側の放熱部が内周促進部に相当する例である。
温度センサ431は、ステータコイル211の径方向外側に設けられている。ステータコイル211の径方向外側に設けられた温度センサ431は、外周センサ431Dと称されることがある。外周センサ431Dは、径方向RDにおいてステータコイル211とハウジング本体71との間に設けられている。外周センサ431Dは、ステータコイル211に対して接着剤等により固定されている。外周センサ431Dは、ステータコイル211に接触している。外周センサ431Dは、例えばコイル外周面211cに固定されている。外周センサ431Dは、コイル保護部250に埋め込まれている。外周センサ431Dは、接着剤等に加えて、コイル保護部250によってもステータコイル211に固定されている。外周センサ431Dは、温度検出部、埋込検出部及び外周検出部に相当する。
図示しない温度信号配線436は、外周センサ431Dからモータ内周面70bに沿って軸方向ADに延びるようにしてフレーム開口部373から引き出されている。本実施形態では、温度信号配線436がステータコイル211を径方向RDに横断していない。すなわち、温度信号配線436は、引出線部438を有している一方で、横断線部437を有していない。
本実施形態によれば、放熱推進部としての内周吸熱部551がステータコイル211の径方向内側に設けられている。このため、内周吸熱部551によりステータコイル211の径方向内側からモータ装置60に冷却効果を付与できる。しかも、温度センサ431である外周センサ431Dが、ステータコイル211を介して内周吸熱部551とは反対側に設けられている。この構成では、内周吸熱部551の冷却効果により外周センサ431Dの検出温度が実際のコイル温度よりも低くなる、ということが生じにくい。すなわち、外周センサ431Dの検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい。したがって、上記第1実施形態と同様に、モータ装置60において、冷却効果を高めつつ、コイル温度の検出精度を高めることができる。
例えば本実施形態とは異なり、温度センサ431が内周吸熱部551と共にステータコイル211の内周側に設けられた比較構成を想定する。この比較構成では、ステータコイル211の熱は、径方向内側に向けて延びる放熱経路を通って内周吸熱部551に吸収され、内周吸熱部551を流れる冷媒を介して外部に放出される。
比較構成では、温度センサ431がステータコイル211の径方向内側において放熱経路に存在している。したがって、ステータコイル211から内周吸熱部551への放熱に伴って温度センサ431が冷却されやすい。このように、温度センサ431に対して内周吸熱部551による熱引きの影響が大きいと、温度センサ431による測温精度が悪化することが懸念される。
この比較構成に対して、本実施形態では、外周センサ431Dがステータコイル211を介して放熱経路とは反対側に設けられている。この構成では、ステータコイル211から内周吸熱部551への放熱に伴って外周センサ431Dが冷却される、ということを回避できる。このため、外周センサ431Dに対して内周吸熱部551による熱引きの影響が少なくなる。したがって、外周センサ431Dによる測温精度を高めることができる。
本実施形態によれば、ステータコイル211に対して、内周吸熱部551が径方向内側に設けられている一方で、外周センサ431Dが径方向外側に設けられている。このため、内周吸熱部551によりステータコイル211を径方向内側から冷却しつつ、外周センサ431Dの検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい構成を実現できる。
<第7実施形態>
上記第1実施形態では、液冷式の放熱促進部として内周吸熱部551がステータコイル211の径方向内側に設けられていた。これに対して、第7実施形態では、液冷式の放熱促進部がステータコイル211の径方向外側ではなく径方向外側に設けられている。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第7本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図98に示すように、上記第6実施形態と同様に、モータ装置60に対して冷却装置550が設けられている。冷却装置550は、上記第6実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態では、上記第6実施形態とは異なり、冷却装置550が内周吸熱部551に代えて外周吸熱部561を有している。
外周吸熱部561は、吸熱路555を形成している。外周吸熱部561は、ステータコイル211の径方向外側に設けられている。外周吸熱部561は、コイル外周面211cに沿って周方向CDに延びている。外周吸熱部561は、周方向CDに環状に延びている。外周吸熱部561は、ステータコイル211から径方向外側に離れた位置にある。例えば、外周吸熱部561は、ハウジング本体71の外周側に設けられている。外周吸熱部561は、モータ外周面70aに重ねるように設けられている。モータハウジング70では、モータフィン72に代えて外周吸熱部561がモータ外周面70aに設けられている。
外周吸熱部561では、吸熱路555がコイル外周面211cに沿って延びている。例えば、外周吸熱部561では、吸熱路555が周方向CDに環状に延びている。外周吸熱部561では、冷媒がコイル外周面211cに沿って周方向CDに流れる。外周吸熱部561では、吸熱路555を流れる冷媒が、コイル外周面211cなどから放出される熱を吸収する。すなわち、外周吸熱部561は、ステータコイル211の外周側からステータコイル211を冷却する。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ステータコイル211から径方向内側への放熱が、ステータコイル211から径方向外側への放熱よりも大きくなっている。外周吸熱部561は、ステータコイル211から径方向内側への放熱がステータコイル211から径方向外側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211の径方向外側への放熱を促進する。外周吸熱部561は、放熱促進部及び外周促進部に相当する。
温度センサ431は、上記第1実施形態と同様に、ステータコイル211の径方向内側に設けられている。すなわち、温度センサ431は、ステータコイル211を介して外周吸熱部561とは反対側に設けられている。このため、本実施形態によれば、外周吸熱部561の冷却効果により温度センサ431の検出温度が実際のコイル温度よりも低くなる、ということが生じにくい。したがって、モータ装置60において、冷却効果を高めつつ、温度センサ431によるコイル温度の検出精度を高めることができる。
なお、外周吸熱部561は、ステータコイル211の径方向外側に設けられていれば、ハウジング本体71の内周側にあってもよい。例えば、外周吸熱部561は、径方向RDにおいてステータコイル211とハウジング本体71との間に設けられていてもよい。モータハウジング70には、モータフィン72及び外周吸熱部561の両方が設けられていてもよい。
<第8実施形態>
上記第6実施形態では、液冷式の放熱促進部として内周吸熱部551がステータコイル211の径方向内側に設けられていた。これに対して、第8実施形態では、空冷式の放熱促進部がステータコイル211の径方向内側に設けられている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第8本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図99に示すように、モータ装置60は、内周冷却部571を有している。内周冷却部571は、ステータコイル211の径方向内側に設けられている。内周冷却部571は、コイル内周面211dに沿って周方向CDに延びている。内周冷却部571は、周方向CDに環状に延びている。内周冷却部571は、ステータコイル211から径方向内側に離れた位置にある。
内周冷却部571は、内周冷却路572を有している。内周冷却路572は、内周放熱路内部空間である。内周冷却部571は、内周冷却路572を形成する風路形成部である。内周冷却部571には、シャフト本体341及びコイル保護部250などが含まれている。内周冷却部571では、内周冷却路572がシャフト本体341の外周面やコイル保護部250の内周面などにより形成されている。なお、図99では、コイル保護部250の図示を省略している。
内周冷却部571では、内周冷却路572がコイル内周面211dに沿って延びている。例えば、内周冷却部571では、内周冷却路572が周方向CDに環状に延びている。内周冷却部571では、外部空気等の気体が冷却風として内周冷却路572を流れる。冷却風は、コイル内周面211dに沿って周方向CDや軸方向ADに流れる。内周冷却部571には、ステータコイル211の熱が放出される。内周冷却部571では、内周冷却路572を流れる冷却風にステータコイル211の熱が放出される。内周冷却路572を流れる冷却風は、ステータコイル211を冷却する。内周冷却部571は、冷却風によりステータコイル211の内周側からステータコイル211を冷却する。
内周冷却部571によるステータコイル211の放熱効果は、モータフィン72によるステータコイル211の放熱効果よりも高い。ステータコイル211では、上記第6実施形態と同様に、径方向内側への放熱が径方向外側への放熱よりも大きい。内周冷却部571は、ステータコイル211から径方向内側への放熱がステータコイル211から径方向外側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211から径方向内側への放熱を促進する。内周冷却部571は、放熱促進部及び内周促進部に相当する。本実施形態は、ステータコイル211の径方向外側及び径方向内側の両方に放熱部が設けられた構成において、径方向内側の放熱部が放熱促進部になっている例である。内周冷却部571は、空冷式の放熱促進部である。
温度センサ431は、上記第6実施形態と同様に、ステータコイル211の径方向外側に設けられている。すなわち、ステータコイル211の径方向外側に外周センサ431Dが設けられている。
本実施形態によれば、放熱推進部としての内周冷却部571がステータコイル211の径方向内側に設けられている。このため、内周冷却部571によりステータコイル211の径方向内側からモータ装置60に冷却効果を付与できる。しかも、外周センサ431Dは、ステータコイル211を介して内周冷却部571とは反対側に設けられている。この構成では、内周冷却部571の冷却効果により外周センサ431Dの検出温度が実際のコイル温度よりも低くなる、ということを抑制できる。また、内周冷却部571によりステータコイル211を径方向内側から冷却しつつ、外周センサ431Dの検出温度と実際のコイル温度との差が生じにくい構成を実現できる。
<第9実施形態>
上記第8実施形態では、ステータコイル211の径方向外側及び径方向内側の両方に放熱部が設けられた構成において、径方向内側の放熱部が放熱促進部になっていた。これに対して、第9実施形態では、ステータコイル211の径方向外側及び径方向内側の両方に放熱部が設けられた構成において、径方向外側の放熱部が放熱促進部になっている。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第8実施形態と同様である。第9本実施形態では、上記第8実施形態と異なる点を中心に説明する。
図100に示すように、モータ装置60は、内周冷却部581及び内周冷却路582を有している。内周冷却部581及び内周冷却路582は、基本的に上記第8実施形態の内周冷却部571及び内周冷却路572と同様の構成になっている。本実施形態では、上記第8実施形態とは異なり、モータ装置60がコイル保護部250を有していない。すなわち、ステータコイル211がコイル保護部250により保護されていない。そこで、内周冷却部581には、コイル保護部250に代えてステータコイル211が含まれている。内周冷却部581では、内周冷却路582がコイル内周面211dなどにより形成されている。
本実施形態では、上記第8実施形態とは異なり、モータフィン72によるステータコイル211の放熱効果が、内周冷却部581によるステータコイル211の放熱効果よりも高い。このため、ステータコイル211では、径方向外側への放熱が径方向内側への放熱よりも大きい。モータフィン72は、上記第1実施形態と同様に、ステータコイル211から径方向外側への放熱がステータコイル211から径方向外側への放熱よりも大きくなるように、ステータコイル211から径方向外側への放熱を促進する。本実施形態では、モータ装置60が内周冷却部581を有していても、モータフィン72が放熱促進部及び外周促進部に相当する。
温度センサ431は、上記第1実施形態と同様に、バスバセンサ431Aが中性点バスバ290に設けられている。本実施形態では、バスバセンサ431Aが内周冷却部581に設けられている。例えば、バスバセンサ431Aは、内周冷却路582に収容されている。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
<構成群A>
上記各実施形態において、バスバユニット260と中性点バスバ290とは、軸方向AD、径方向RD及び周方向CDの少なくとも1つの方向において離間していればよい。また、電力バスバ261はバスバ保護部270により保護されていなくてもよい。この構成でも、中性点バスバ290がステータ側空間S1に設けられ、電力バスバ261がインバータ側空間S2に設けられていれば、これら電力バスバ261と中性点バスバ290との絶縁信頼性が低下しにくくなっている。また、電力バスバ261及び中性点バスバ290のうち一方がステータ側空間S1に設けられ、他方がインバータ側空間S2に設けられていればよい。
<構成群B>
上記各実施形態において、一対の内軸磁石312a,312bは、モータ軸線Cmに対して傾斜するように配向されていれば、周方向CDにおいて互いに反対側を向くように配向されていてもよい。一対の外軸磁石313a,313bは、モータ軸線Cmに対して傾斜するように配向されていれば、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されていてもよい。一対の内軸磁石312a,312b及び一対の外軸磁石313a,313bは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜していてもよい。
<構成群C>
上記各実施形態において、モータハウジング70において、コイル部215は、ステータ保持部171の位置に関係なく配置されていてもよい。例えば、コイル部215は、軸保持部174から周方向CDにずれた位置に設けられていてもよい。また、モータハウジング70において、コイル保護部250が内周面70bに接触していれば、内周面70bにステータ保持部171が設けられていなくてもよい。
<構成群D>
上記各実施形態において、モータ装置60とインバータ装置80とでハウジングが共通化されていてもよい。例えば、モータ61及びインバータ81が1つのハウジングに収容されていてもよい。また、ユニットハウジング51においては、モータフィン72及びインバータフィン92の少なくとも一方が設けられていればよい。ユニットハウジング51においては、コイル保護部250が内周面70bから離間した位置に設けられていてもよい。
<構成群O>
上記各実施形態において、バスバセンサ431A等のバスバ検出部は、中性点バスバ290等の通電バスバに設けられていればよい。モータ装置60では、電力バスバ261も、ステータコイル211に通電可能に接続された通電バスバに相当する。このため、電力バスバ261がステータコイル211に近い位置に設けられた構成では、バスバ検出部が電力バスバ261に設けられていてもよい。例えば、上記第1実施形態において、バスバ検出部が電力バスバ261やバスバ本体262に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、コイルセンサ431B等のコイル検出部は、ステータコイル211等のコイルに設けられていればよい。すなわち、コイル検出部は、コイル部215に設けられていればよい。例えば、上記第3実施形態において、コイル検出部は、ステータコイル211の径方向外側においてコイル部215に固定されていてもよい。また、コイル検出部は、径方向RDに隣り合う2つのコイル部215の間に入り込んだ位置に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、引出センサ431C等の引出検出部は、中性引出線213等のコイル引出線に設けられていればよい。モータ装置60では、電力引出線212、第1延出線216及び第2延出線217も、ステータコイル211から引き出されたコイル引出線に相当する。例えば、上記第4実施形態において、引出検出部は、第1延出線216や第2延出線217に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、バスバセンサ431A等の内周検出部は、ステータコイル211の径方向内側に設けられていればよい。例えば、上記第1実施形態において、内周検出部は、ステータコイル211の径方向内側においてコイルユニット210のどこかに固定されていてもよい。また、内周検出部は、コイル保護部250の内周面や、リアフレーム370、ドライブフレーム390に固定されていてもよい。さらに、内周検出部は、ボビン240に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、外周センサ431D等の外周検出部は、ステータコイル211の径方向外側に設けられていればよい。例えば、上記第6実施形態において、外周検出部は、ステータコイル211の径方向外側においてコイルユニット210のどこかに固定されていてもよい。例えば、外周検出部は、コイル体900や電力引出線212に固定されていてもよい。また、外周検出部は、コイル保護部250の外周面や、モータ内周面70b、リアフレーム370、ドライブフレーム390に固定されていてもよい。さらに、外周検出部は、ボビン240に固定されていてもよい。加えて、中性点バスバ290がステータコイル211の径方向内側に設けられた構成では、外周検出部が中性点バスバ290に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、温度センサ431等の温度検出部は、ステータコイル211に対して軸方向ADのどの位置に設けられていてもよい。例えば、上記第1実施形態において、バスバセンサ431Aは、ステータコイル211に対して軸方向ADのリアフレーム370側に設けられていてもよい。この構成では、中性点バスバ290もステータコイル211に対して軸方向ADのリアフレーム370側に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、温度センサ431等の温度検出部は、ステータコイル211から径方向RDにずれた位置に設けられていてもよい。例えば、温度検出部の一部がステータコイル211から径方向RDに突出していてもよい。
上記各実施形態において、モータフィン72等の径方向外側の放熱部は、モータ外周面70aに設けられていなくてもよい。すなわち、放熱促進部が外周促進部としてステータコイル211の径方向外側に設けられた構成では、外周促進部がモータ外周面70aの径方向内側に設けられていてもよい。例えば、上記7実施形態において、外周吸熱部561がハウジング本体71に内蔵されていてもよい。この構成では、外周吸熱部561がモータ外周面70aとモータ内周面70bとの間に設けられている。また、外周吸熱部561がモータハウジング70の内部において、ステータコイル211とモータ内周面70bとの間に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、内周吸熱部551等の径方向内側の放熱部は、シャフト340に設けられていてもよい。すなわち、放熱促進部が内周促進部としてステータコイル211の径方向内側に設けられた構成では、内周促進部がシャフト340に設けられていてもよい。例えば、上記第6実施形態において、吸熱路555がシャフト340の内部に設けられていてもよい。この構成では、シャフト340において吸熱路555を形成する部位が内周吸熱部551である。シャフト340では、シャフト本体341やシャフトフランジ342などが内周吸熱部551になっていてもよい。
<構成群A>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、電力バスバと中性点バスバとの電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することが懸念される。これに対して、電気的な絶縁信頼性を高めることができる回転電機を提供する。
特徴A1によれば、中性点バスバ(290)は、電気絶縁性を有し且つ電力バスバ(261)を保護するバスバ保護部(270)から離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)とが接触しないのはもちろんのこと、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが接触することすら生じないようになっている。このため、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが離間していることで抑制できる。したがって、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが離間していることにより、回転電機(60)の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
特徴A10によれば、軸方向(AD)に並んだ第1空間(S1)及び第2空間(S2)のうち、一方に電力バスバ(261)が設けられ、他方に中性点バスバ(290)が設けられている。しかも、第1空間(S1)と第2空間(S2)とは空間仕切部(370)により仕切られている。この構成では、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)とが接触することが空間仕切部(370)により規制されている。このように、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを空間仕切部(370)により抑制できる。したがって、空間仕切部(370)により回転電機(60)の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
[特徴A1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
コイルに電気的に接続され、コイルに電力を供給する電力バスバ(261)と、
電気絶縁性を有し、電力バスバを保護しているバスバ保護部(270)と、
バスバ保護部から離間した位置に設けられ、複数相のコイルのそれぞれにおいて中性点(65)側に電気的に接続された中性点バスバ(290)と、
を備えている回転電機。
[特徴A2]
回転軸線に直交する方向に延び、ステータが収容された第1空間(S1)とステータが収容されていない第2空間(S2)とが回転軸線に沿って並ぶように第1空間と第2空間とを仕切っている空間仕切部(370)、を備え、
第1空間及び第2空間のうち一方に電力バスバが設けられ、他方に中性点バスバが設けられている、特徴A1に記載の回転電機。
[特徴A3]
中性点バスバとバスバ保護部とは、軸方向に離間した位置に設けられている、特徴A1又はA2に記載の回転電機。
[特徴A4]
ロータとして、第1ロータ(300a)と、軸方向においてステータを介して第1ロータに並べられた第2ロータ(300b)と、を備え、
コイルは、複数の素線(223)を有するコイル線(220)が巻回されて形成されている、特徴A1~A3のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A5]
コイルは、コイル線(220)が巻回され且つ回転軸線の周方向(CD)に複数並べられたコイル部(215)により形成されており、
周方向において隣り合う2つのコイル部は巻数が異なっている、特徴A1~A4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A6]
電力を変換して電力バスバに供給する電力変換部(81)に電気的に接続された中継バスバ(280)と、
電力バスバと中継バスバとの接続部分を支持している端子台(285)と、
を備えている特徴A1~A5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A7]
回転軸線の周方向において回転軸線の周りを複数の分割領域(RE)に等間隔で分割すると、中継バスバは、複数の分割領域に1つずつ配置されている、特徴A6に記載の回転電機。
[特徴A8]
ロータを回転可能に支持するベアリング(360)と、
ベアリングを支持するベアリング支持部(372)、及びバスバ保護部を支持するバスバ支持部(371)、を有している支持フレーム(370)と、
を備えている特徴A1~A7のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A9]
回転軸線に直交する方向に延びる直交フレーム(370)と、
軸方向において直交フレームを介して中性点バスバとは反対側に設けられ、ロータの回転角度を検出する回転検出部(421)と、
を備えている特徴A1~A8のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A10]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられ、ステータに対して回転軸線を中心に回転するロータ(300,300a,300b)と、
コイルに電気的に接続され、コイルに電力を供給する電力バスバ(261)と、
複数相のコイルのそれぞれにおいて中性点(65)側に電気的に接続された中性点バスバ(290)と、
回転軸線に直交する方向に延び、ステータが収容された第1空間(S1)とステータが収容されていない第2空間(S2)とが軸方向に並ぶように第1空間と第2空間とを仕切っている空間仕切部(370)と、
を備え、
第1空間及び第2空間のうち一方に電力バスバが設けられ、他方に中性点バスバが設けられている、回転電機。
<構成群B>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、エネルギ効率が低下することが懸念される。これに対して、エネルギ効率を高めることができる回転電機を提供する。
特徴B1によれば、一対の周磁石(311a,311b)及び一対の内軸磁石(312a,312b)による磁束がステータ(200)側で集中することなどにより、ステータ(200)側での磁界が強くなりやすい。したがって、回転電機(60)のエネルギ効率を高めることができる。
[特徴B1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
を備え、
ロータは、
回転軸線の周方向(CD)に並べられた複数の磁石(310,311a,311b,312a,312b,313a,313b)を有しており、
複数の磁石には、
周方向において隣り合い、軸方向においてステータ側に向くように回転軸線に対して傾斜して配向された一対の内軸磁石(312a,312b)と、
一対の内軸磁石を介して周方向に隣り合い、周方向において互いに向かい合うように配向された一対の周磁石(311a,311b)と、
が含まれている回転電機。
[特徴B2]
一対の内軸磁石は、軸方向においてステータ側を向くように且つ周方向において互いに向かい合うように、回転軸線に対して周方向に傾斜して配向されている、特徴B1に記載の回転電機。
[特徴B3]
複数の磁石には、
周方向において周磁石を介して一対の内軸磁石の反対側に設けられ、周方向において隣り合う一対の外軸磁石(313a,313b)、が含まれており、
一対の外軸磁石は、軸方向においてステータとは反対側を向くように且つ周方向において互いに反対側を向くように、回転軸線に対して周方向に傾斜して配向されている、特徴B2に記載の回転電機。
[特徴B4]
ロータは、軸方向においてロータを介して一対並べられており、
一方のロータ(300a)が有する一対の内軸磁石と他方のロータ(300b)が有する一対の外軸磁石とが軸方向に並ぶように、一方のロータは他方のロータに対して点対称に設けられている、特徴B3に記載の回転電機。
[特徴B5]
磁石は、回転軸線に対して傾斜した磁石傾斜面(316d)を形成しており、
ロータは、
軸方向において一方側から磁石に重ねられた磁石ホルダ(320)と、
回転軸線に対して傾斜した支持傾斜面(330a)を有し、支持傾斜面が磁石傾斜面に重なるように且つ支持傾斜面と磁石ホルダとの間に磁石を挟み込むようにして、磁石を磁石ホルダに固定している固定支持部(330)と、
を有している特徴B1~B4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B6]
ロータは、
周方向に並んだ一対のユニット側面(316c)を有し、少なくとも1つの磁石を含んで構成され、周方向に並べられた複数の磁石ユニット(316,317,318)を有しており、
複数の磁石ユニットには、
一対のユニット側面が回転軸線の径方向(RD)の外側に向けて互いに遠ざかるように相対的に傾斜している傾斜磁石ユニット(317)と、
一対のユニット側面が平行である平行磁石ユニット(318)と、
が含まれている特徴B1~B5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B7]
軸方向においてロータに並べられ且つロータに固定されたシャフトフランジ(342)を有し、ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフト(340)と、
磁石とコイルとの吸引力(F1)に抗して磁石をコイルから離間させる向きにロータに曲げ応力(F2)が生じるように、回転軸線の径方向(RD)においてシャフトフランジによるロータの支点(344a)を介して磁石とは反対側でロータに押圧力(F3)を加える押圧部材(350)と、
を備えている特徴B1~B6のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B8]
押圧部材は、ロータをシャフトフランジに固定する固定具(350)であり、
ロータにおいて押圧部材が固定された部位(325)と、シャフトフランジにおいて押圧部材が固定された部位(345)と、は軸方向に離間している、特徴B7に記載の回転電機。
[特徴B9]
ロータである第1ロータ(300a)と、
ロータであり、軸方向においてステータを介して第1ロータに並べられた第2ロータ(300b)と、
軸方向において第1ロータと第2ロータとの間に設けられ、第1ロータ及び第2ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフトフランジ(342)と、
第1ロータに設けられ、軸方向に延びた第1ロータ孔(325a)と、
第2ロータにおいて第1ロータ孔から周方向に離間した位置に設けられ、軸方向に延びた第2ロータ孔(325b)と、
シャフトフランジにおいて第1ロータ孔に軸方向に並ぶ位置に設けられ、軸方向に延びた第1シャフト孔(345a)と、
シャフトフランジにおいて第2ロータ孔に軸方向に並ぶ位置に設けられ、軸方向に延びた第2シャフト孔(345b)と、
を備え、
第1ロータをシャフトフランジに固定する第1固定具(350a)が、第1ロータ孔と第1シャフト孔とに挿入されており、
第2ロータをシャフトフランジに固定する第2固定具(350b)が、第2ロータ孔と第2シャフト孔とに挿入されている、特徴B1~B8のいずれか1つに記載の回転電機。
<構成群C>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、放熱効果が不足することが懸念される。これに対して、放熱効果を高めることができる回転電機を提供する。
特徴C1によれば、コイル保護部(250)が電機ハウジング(70)の内周面(70b)に重ねられた状態で設けられている。この構成では、コイル(211)の熱がコイル保護部(250)を介して電機ハウジング(70)に伝わりやすくなっている。しかも、電機ハウジング(70)の外周面(70a)には放熱フィン(72)が設けられているため、コイル保護部(250)から電機ハウジング(70)に伝わった熱は放出フィン(72)により外部に放出されやすくなっている。したがって、回転電機(60)の放熱効果を高めることができる。
[特徴C1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
ステータ及びロータを収容している電機ハウジング(70)と、
電機ハウジングの外周面(70a)に設けられ、熱を放出する放熱フィン(72)と、
を備え、
ステータは、
電機ハウジングの内周面(70b)に重ねられた状態で設けられ、熱伝導性を有し、コイルを保護しているコイル保護部(250)、を有している回転電機。
[特徴C2]
電機ハウジングは、内周面に設けられた複数の凸部(171,172,173,174)を有しており、
コイル保護部は、回転軸線の径方向(RD)の内側から凸部の間に入り込んだ状態になっている、特徴C1に記載の回転電機。
[特徴C3]
複数の凸部には、軸方向に延び且つ回転軸線の周方向(CD)に並べられた複数の軸凸部(174)が含まれており、
コイルは、コイル線(220)が巻回され且つ周方向に並べられた複数のコイル部(215)により形成されており、
コイル部は、回転軸線の径方向(RD)において軸凸部に対向する位置に設けられている、特徴C2に記載の回転電機。
[特徴C4]
内周面には、ハウジングベース面(176)と、ハウジングベース面よりも粗いハウジング粗面(177)と、が含まれており、
コイル保護部は、少なくともハウジング粗面に重ねられている、特徴C1~C3のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C5]
コイルからコイル保護部を通じて引き出されたコイル引出線(212)を保護し、コイル引出線とコイル保護部との隙間を埋めている引出線保護部(255)、を備えている特徴C1~C4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C6]
ステータは、
コイルと共にコイル保護部により保護され、コイル保護部に熱を放出し、電気絶縁性を有し、コイルが巻回されたボビン(240)、有している特徴C1~C5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C7]
ボビンは、ボビンベース面(246)と、ボビンベース面よりも粗いボビン粗面(247)と、を有しており、
コイル保護部は、少なくともボビン粗面に重ねられている、特徴C6に記載の回転電機。
[特徴C8]
ステータは、
ボビンの内側に設けられ、回転軸線の周方向(CD)の幅が回転軸線の径方向(RD)の内側に向けて段階的に小さくなっているコア(231)、を有している特徴C6又はC7に記載の回転電機。
[特徴C9]
ボビンは、
コイルが巻回されるボビン胴部(241)と、
コイル側を向いたフランジ面(243)を有し、ボビン胴部の外周面(241a)から外側に向けて延びたボビンフランジ(242)と、
を有しており、
フランジ面には、コイルから引き出されたコイル引出線(212)を通すために凹んだフランジ凹部(243a)が設けられている、特徴C6~C8のいずれか1つに記載の回転電機。
<構成群D>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、モータについて放熱効果が不足することが懸念される。また、モータについては、モータをインバータに一体的に設けてユニットを構成することが考えられる。このユニットについても、インバータからの熱などにより、ユニットの放熱効果が不足しやすいと考えられる。これに対して、小型化及び放熱効果向上の両方を実現できる回転電機ユニットを提供する。
特徴D1によれば、電力変換部(81)と、軸方向(AD)に並べられたロータ(300,300a,300b)及びステータ(200)と、がユニットハウジング(51)に収容されている。この構成では、回転電機(60)を薄型化した上で、回転電機ユニット(50)を小型化することができる。しかも、ユニットハウジング(51)の外周面(70a,90a)に放熱フィン(72,92)が設けられているため、回転電機ユニット(50)の放熱効果を放熱フィン(72,92)により高めることができる。したがって、回転電機ユニット(50)の小型化及び放熱効果向上の両方を実現することができる。
[特徴D1]
電力の供給により駆動する回転電機ユニット(50)であって、
回転軸線(Cm)を中心に回転するロータ(300,300a,300b)、及び回転軸線が延びる軸方向(AD)においてロータに並べられたステータ(200)を有している回転電機(60)と、
回転電機に供給される電力を変換する電力変換部(81)を有している電力変換装置(80)と、
回転電機の外周面(70a)及び電力変換装置の外周面(90a)の両方を形成し、ロータ、ステータ及び電力変換部を収容しているユニットハウジング(51)と、
ユニットハウジングの外周面(70a,90a)に設けられ、熱を放出する放熱フィン(72,92)と、
を備えている回転電機ユニット。
[特徴D2]
ステータは、
電流が流れるコイル(211)と、
ユニットハウジングの内周面(70b)に重ねられた状態で設けられ、熱伝導性を有し、コイルを保護しているコイル保護部(250)と、
を有している特徴D1に記載の回転電機ユニット。
[特徴D3]
回転電機は、
ユニットハウジングに含まれ、回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)、を有しており、
電力変換装置は、
ユニットハウジングに含まれ、電力変換装置に外周面を形成し、電力変換部を収容した装置ハウジング(90)、を有しており、
ユニットハウジングにおいては、電機ハウジングと装置ハウジングとが軸方向に並べられている、特徴D1又はD2に記載の回転電機ユニット。
[特徴D4]
軸方向においてロータに並べられ且つロータに固定されたシャフトフランジ(342)を有し、ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフト(340)、を備え、
シャフトフランジは、
回転軸線の径方向(RD)においてステータの内側に設けられ、ステータに沿って回転軸線の周方向(CD)に環状に延びている環状部(344)と、
環状部を径方向に貫通し、径方向での通気を可能にするフランジ通気孔(345)と、
を有している特徴D1~D3のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D5]
ロータに設けられ、ロータのバランスを調整するためのバランス調整孔(326)、を備え、
バランス調整孔は、ロータを軸方向に貫通し、軸方向での通気を可能にするように回転軸線の径方向(RD)においてステータの内側に設けられている、特徴D1~D4のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D6]
軸方向においてユニットハウジングの内部を回転電機側と電力変換部側とに仕切るハウジング仕切部(370,424)と、
回転電機の状態を検出する複数の状態検出部(421、431)と、
ハウジング仕切部の電力変換装置側に設けられ、複数の状態検出部のそれぞれに電気的に接続された検出配線(426,436)を集約した配線集約部(440)と、
を備えている特徴D1~D5のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D7]
軸方向においてユニットハウジングの内部を回転電機側と電力変換部側とに仕切るハウジング仕切部(370,424)と、
ステータが有するコイル(211)から引き出されたコイル引出線(212)が挿通され、ハウジング仕切部を軸方向に開口する仕切開口部(373)と、
仕切開口部を覆っている仕切カバー部(380)と、
を備えている特徴D6に記載の回転電機ユニット。
[特徴D8]
ユニットハウジングは、
回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)を有しており、
電機ハウジングは、
回転電機の外周面を形成しているハウジング本体(71)と、
回転軸線の径方向(RD)においてハウジング本体から外側に向けて突出した電機フランジ(74,178)と、
電機フランジに設けられ、電機ハウジングを所定のハウジング固定対象(90,390)に固定するための電機固定孔(74a,178a)と、
を有している特徴D1~D7のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D9]
ユニットハウジングは、
回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)と、
電機ハウジングに固定され、軸方向の一方側からロータ及びステータを覆っている電機カバー部(390)と、
を有しており、
電機カバー部は、
電機カバー部を電機ハウジングに固定するための第1固定孔(392a)と、
回転軸線の径方向(RD)において第1固定孔に並べられ、電機カバー部を所定のカバー固定対象(53)に固定するための第2固定孔(392b)と、
を有している特徴D1~D8のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
(技術的思想1)
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
コイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、前記回転軸線が延びる軸方向(AD)において前記ステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
前記ステータ及び前記ロータを収容している電機ハウジング(70)と、
前記回転軸線の径方向(RD)において前記コイルの内側及び外側のうち一方に設けられ、前記コイルから一方への放熱が他方への放熱よりも大きくなるように前記コイルから一方への放熱を促進する放熱促進部(72,551,561,571,581)と、
前記電機ハウジングに収容され、前記径方向において前記放熱促進部とは前記コイルを介して反対側に設けられ、前記電機ハウジングの内部温度を検出する温度検出部(431,431A,431B,431C,431D)と、
を備えている回転電機。
(技術的思想2)
前記径方向において前記コイルの内側及び外側のうち一方に設けられ、前記コイルに通電可能に接続された通電バスバ(290)と、
前記温度検出部として、前記通電バスバに設けられたバスバ検出部(431A)と、
を備えている技術的思想1に記載の回転電機。
(技術的思想3)
前記温度検出部として、前記コイルに設けられたコイル検出部(431B)、を備えている技術的思想1又は2に記載の回転電機。
(技術的思想4)
前記コイルから引き出されたコイル引出線(213)と、
前記温度検出部として、前記コイル引出線に設けられた引出検出部(431C)と、
を備えている技術的思想1~3のいずれか1つに記載の回転電機。
(技術的思想5)
熱伝導性を有し、前記コイルを保護しているコイル保護部(250)と、
前記温度検出部として、前記コイル保護部に埋め込まれた埋込検出部(431A,431B,431C,431D)と、
を備えている技術的思想1~4のいずれか1つに記載の回転電機。
(技術的思想6)
巻回されたコイル線(220)を有し、前記コイル線が前記コイルを形成するように前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられたコイル体(900)と、
前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体の間を通って前記径方向に延びるように設けられ、前記温度検出部に通信可能に接続された温度通信線(436,436A,436B)と、
を備えている技術的思想1~5のいずれか1つに記載の回転電機。
(技術的思想7)
前記温度通信線は、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体の少なくとも一方に固定されている、技術的思想6に記載の回転電機。
(技術的思想8)
前記コイル体は、前記コイル線を支持しているボビン(240)を有しており、
前記ボビンは、
前記軸方向に直交する方向に延び、前記軸方向に並べられた一対のボビンフランジ(242)と、
一対の前記ボビンフランジを接続し、一対の前記ボビンフランジの間で巻回された前記コイル線を支持しているボビン胴部(241)と、
を有しており、
前記温度通信線は、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体のうち一方において、一対の前記ボビンフランジの間に入り込んだ位置を通って前記径方向に延びた入り込み線(436A)である、技術的思想6又は7に記載の回転電機。
(技術的思想9)
前記放熱促進部として、前記径方向において前記コイルの外側に設けられた外周促進部(72,561,581)と、
前記温度検出部として、前記径方向において前記コイルの内側に設けられた内周検出部(431A,431B,431C)と、
を備えている技術的思想1~8のいずれか1つに記載の回転電機。
(技術的思想10)
前記放熱促進部として、前記径方向において前記コイルの内側に設けられた内周促進部(551,571)と、
前記温度検出部として、前記径方向において前記コイルの外側に設けられた外周検出部(431D)と、
を備えている技術的思想1~8のいずれか1つに記載の回転電機。
<構成群A>
60…回転電機としてのモータ装置、65…中性点、81…電力変換部としてのインバータ、200…ステータ、211…コイル、215…コイル部、220…コイル線、223…素線、261…電力バスバ、270…バスバ保護部、280…中継バスバとしての中継ターミナル、285…端子台としてのターミナル台、290…中性点バスバ、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、360…ベアリングとしての第1ベアリング、370…空間仕切部、支持フレーム及び直交フレームとしてのリアフレーム、371…バスバ支持部、372…ベアリング支持部、421…回転検出部としてのレゾルバ、S1…第1空間としてのステータ側空間、S2…第2空間としてのインバータ側空間、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、RE…分割領域、AD…軸方向、RD…径方向。
<構成群B>
60…回転電機としてのモータ装置、200…ステータ、211…コイル、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、310…磁石、311a…磁石及び周磁石としての第1周磁石、311b…磁石及び周磁石としての第2周磁石、312a…磁石及び内軸磁石としての第1内軸磁石、312b…磁石及び内軸磁石としての第2内軸磁石、313a…磁石及び外軸磁石としての第1外軸磁石、313b…磁石及び外軸磁石としての第2外軸磁石、316…磁石ユニット、317…磁石ユニットとしての傾斜磁石ユニット、318…磁石ユニットとしての平行磁石ユニット、316c…ユニット側面、316d…磁石傾斜面としての内周テーパ面、320…磁石ホルダ、325…部位としてのホルダ固定孔、325a…第1ロータ孔としての第1ホルダ固定孔、325b…第2ロータ孔としての第2ホルダ固定孔、330…固定支持部としての固定ブロック、330a…支持傾斜面としてのブロックテーパ面、340…シャフト、342…シャフトフランジ、344a…支点としてのリム先端部、345…部位としてのフランジ孔、345a…第1シャフト孔としての第1フランジ孔、345b…第2シャフト孔としての第2フランジ孔、350…押圧部材としてのホルダ固定具、350a…第1固定具としての第1ホルダ固定具、350b…第2固定具としての第2ホルダ固定具、F1…吸引力、F2…曲げ応力、F3…押圧力、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群C>
60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、70a…外周面、70b…内周面、72…放熱フィンとしてのモータフィン、171…凸部としてのステータ保持部、172…凸部としての第1周保持部、173…凸部としての第2周保持部、174…凸部及び軸凸部としての軸保持部、176…ハウジングベース面、177…ハウジング粗面、200…ステータ、211…コイル、212…コイル引出線としての電力引出線、215…コイル部、220…コイル線、231…コア、240…ボビン、241…ボビン胴部、241a…外周面、242…ボビンフランジ、243…フランジ面としてのフランジ内板面、243a…フランジ凹部、246…ボビンベース面、247…ボビン粗面、250…コイル保護部、255…引出線保護部としてのグロメット、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、310…磁石、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群D>
50…回転電機ユニットとしてのモータ装置ユニット、51…ユニットハウジング、53…カバー固定対象としての減速機、60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、71…ハウジング本体、70a…外周面、70b…内周面、72…放熱フィンとしてのモータフィン、74…電機フランジとしての連結フランジ、74a…電機固定孔としてのフランジ孔、80…電力変換装置としてのインバータ装置、81…電力変換部としてのインバータ、90…装置ハウジング及びハウジング固定対象としてのインバータハウジング、90a…外周面、92…インバータフィン、178…電機フランジとしての固定フランジ、178a…電機固定孔としてのフランジ孔、200…ステータ、211…コイル、212…コイル引出線としての電力引出線、250…コイル保護部、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、326…バランス調整孔としてのホルダ調整孔、340…シャフト、342…シャフトフランジ、344…環状部としてのリム、345…フランジ通気孔、370…ハウジング仕切部としてのリアフレーム、373…仕切開口部としてのフレーム開口部、380…仕切カバー部としての防塵カバー、390…電機カバー部及びハウジング固定対象としてのドライブフレーム、392a…第1固定孔としての内側固定孔、392b…第2固定孔としての外側固定孔、421…状態検出部としてのレゾルバ、424…ハウジング仕切部としてのレゾルバカバー、426…検出配線としての信号配線、431…状態検出部としての温度センサ、436…検出配線としての信号配線、440…配線集約部としての信号端子台、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群O>
60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、72…放熱促進部及び外周促進部としてのモータフィン、200…ステータ、211…コイルとしてのステータコイル、213…コイル引出線としての中性引出線、220…コイル線、240…ボビン、241…ボビン胴部、242…ボビンフランジ250…コイル保護部、290…通電バスバとしての中性点バスバ、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、431…温度検出部としての温度センサ、431A…温度検出部、バスバ検出部、埋込検出部及び内周検出部としてのバスバセンサ、431B…温度検出部、コイル検出部、埋込検出部及び内周検出部としてのコイルセンサ、431C…温度検出部、引出センサ、埋込検出部及び内周検出部としての引出センサ、431D…温度検出部、埋込検出部及び外周検出部としての外周センサ、436…温度通信線としての温度信号配線、436A…温度通信線及び入り込み線としての通過信号線、436B…温度通信線としての隙間信号線、551…放熱促進部及び内周促進部としての内周吸熱部、561…放熱促進部及び外周促進部としての外周吸熱部、571…放熱促進部及び内周促進部としての内周冷却部、581…放熱促進部及び外周促進部としての内周冷却部、900…コイル体、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。

Claims (10)

  1. 電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
    コイル(211)を有するステータ(200)と、
    回転軸線(Cm)を中心に回転し、前記回転軸線が延びる軸方向(AD)において前記ステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
    前記ステータ及び前記ロータを収容している電機ハウジング(70)と、
    前記回転軸線の径方向(RD)において前記コイルの内側及び外側のうち一方に設けられ、前記コイルから一方への放熱が他方への放熱よりも大きくなるように前記コイルから一方への放熱を促進する放熱促進部(72,551,561,571,581)と、
    前記電機ハウジングに収容され、前記径方向において前記放熱促進部とは前記コイルを介して反対側に設けられ、前記電機ハウジングの内部温度を検出する温度検出部(431,431A,431B,431C,431D)と、
    を備えている回転電機。
  2. 前記径方向において前記コイルの内側及び外側のうち一方に設けられ、前記コイルに通電可能に接続された通電バスバ(290)と、
    前記温度検出部として、前記通電バスバに設けられたバスバ検出部(431A)と、
    を備えている請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記温度検出部として、前記コイルに設けられたコイル検出部(431B)、を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記コイルから引き出されたコイル引出線(213)と、
    前記温度検出部として、前記コイル引出線に設けられた引出検出部(431C)と、
    を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
  5. 熱伝導性を有し、前記コイルを保護しているコイル保護部(250)と、
    前記温度検出部として、前記コイル保護部に埋め込まれた埋込検出部(431A,431B,431C,431D)と、
    を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
  6. 巻回されたコイル線(220)を有し、前記コイル線が前記コイルを形成するように前記回転軸線の周方向(CD)に複数並べられたコイル体(900)と、
    前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体の間を通って前記径方向に延びるように設けられ、前記温度検出部に通信可能に接続された温度通信線(436,436A,436B)と、
    を備えている請求項1に記載の回転電機。
  7. 前記温度通信線は、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体の少なくとも一方に固定されている、請求項6に記載の回転電機。
  8. 前記コイル体は、前記コイル線を支持しているボビン(240)を有しており、
    前記ボビンは、
    前記軸方向に直交する方向に延び、前記軸方向に並べられた一対のボビンフランジ(242)と、
    一対の前記ボビンフランジを接続し、一対の前記ボビンフランジの間で巻回された前記コイル線を支持しているボビン胴部(241)と、
    を有しており、
    前記温度通信線は、前記周方向に隣り合う2つの前記コイル体のうち一方において、一対の前記ボビンフランジの間に入り込んだ位置を通って前記径方向に延びた入り込み線(436A)である、請求項6又は7に記載の回転電機。
  9. 前記放熱促進部として、前記径方向において前記コイルの外側に設けられた外周促進部(72,561,581)と、
    前記温度検出部として、前記径方向において前記コイルの内側に設けられた内周検出部(431A,431B,431C)と、
    を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
  10. 前記放熱促進部として、前記径方向において前記コイルの内側に設けられた内周促進部(551,571)と、
    前記温度検出部として、前記径方向において前記コイルの外側に設けられた外周検出部(431D)と、
    を備えている請求項1又は2に記載の回転電機。
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