JP2023048081A - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023048081A
JP2023048081A JP2022055615A JP2022055615A JP2023048081A JP 2023048081 A JP2023048081 A JP 2023048081A JP 2022055615 A JP2022055615 A JP 2022055615A JP 2022055615 A JP2022055615 A JP 2022055615A JP 2023048081 A JP2023048081 A JP 2023048081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnet
rotor
holder
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022055615A
Other languages
English (en)
Inventor
渉 丹羽
Wataru Niwa
征吾 篠田
Shogo Shinoda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Publication of JP2023048081A publication Critical patent/JP2023048081A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

【課題】電気的な絶縁信頼性を高めることができる回転電機を提供する。【解決手段】モータ装置60は、電力引出線212及びグロメット255を有している。電力引出線212は、外周引出部212a及び接続屈曲部212fを有している。外周引出部212aは、第1ロータ300aの外周側に設けられ、軸方向に延びている。接続屈曲部212fは、曲がった状態で外周引出部212aとコイル211とを接続している。接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて第1コイル端部211aから第2コイル端部211b側に離間した位置に設けられている。グロメット255は、コイル保護部250に埋め込まれた埋設部255aを有している。埋設部255aは、電力引出線212を覆って保護している。【選択図】図106

Description

この明細書における開示は、回転電機に関する。
特許文献1には、アキシャルギャップ式のモータについて記載されている。アキシャルギャップ式のモータでは、ロータとステータとが軸方向に並べられている。このモータにおいては、ロータ及びステータがモータハウジングに収容されている。ステータは、モールド樹脂によりモールドされたコイルと、コイルから引き出されたコイル引出線と、を有している。コイル引出線は、モールド樹脂からロータに向けて軸方向に延びている。
特開2016-96705号公報
しかしながら、上記特許文献1では、コイル引出線がコイルから引き出された部分をモールド樹脂によりモールドするためにモールド樹脂が軸方向に大型化する、ということが懸念される。モールド樹脂が大型化するとモータが大型化しやすくなる。
本開示の主な目的は、小型化を図ることができる回転電機を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するため、開示された態様は、
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300a)と、
樹脂材料により形成され、コイルを覆って保護しているコイル保護部(250)と、
コイル保護部の内部においてコイルから回転軸線の径方向(RD)の外側に向けて引き出されたコイル引出線(212)と、
コイル保護部に埋め込まれコイル引出線を覆って保護している保護埋設部(255a)を有する引出線保護部(255)と、
を備え、
コイルは、軸方向の並んだ一対の端部として、ロータ側のロータ側端部(211a)とロータとは反対側の反対側端部(211b)とを有しており、
コイル引出線は、
ロータの外周側を通って軸方向に延びている外周引出部(212a)と、
軸方向においてロータ側端部から反対側端部に向けて離れた位置に設けられ、曲がった状態で外周引出部とコイルとを接続している接続曲がり部(212f)と、
を有している回転電機。
上記態様によれば、接続曲がり部は、軸方向においてロータ側端部から反対側端部に向けて離れた位置に設けられている。この構成では、保護埋設部が接続曲がり部を覆わなくても、軸方向において保護埋設部をロータから極力離れた位置に配置できる。このため、保護埋設部がコイルよりも軸方向のロータ側に突出するように延びること、及び保護埋設部をコイル保護部に埋め込むためにコイル保護部をロータ側に延ばすこと、を抑制できる。したがって、コイル保護部が軸方向に大型化することを抑制できる。これにより、回転電機が軸方向に大型化することを抑制可能になり、その結果、回転電機の小型化を実現することができる。
第1実施形態における駆動システムの構成を示す図。 モータ装置ユニットの正面図。 モータ装置ユニットの縦断面図。 モータ装置ユニットの分解斜視図。 モータ装置の斜視図。 モータ装置の縦断面図。 構成群Aaにおけるモータ装置の平面図。 モータ装置の縦断面図。 電力バスバの平面図。 コイルユニットの構成を示すステータの平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Abにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 コイル線の斜視図。 構成群Acにおけるステータ及びモータハウジングの平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Adにおけるモータ装置の斜視図。 モータ装置の平面図。 モータ装置における中継ターミナル周辺の縦断面図。 構成群Aeにおけるモータ装置の平面図。 構成群Afにおけるモータ装置での中継ターミナル周辺の縦断面図。 モータ装置の平面図。 構成群Agにおけるモータ装置の縦断面図。 モータ装置の平面図。 構成群Baにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 モータにおける磁石の配列を示す図。 構成群Bbにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面斜視図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 磁石ユニットの平面図。 構成群Bcにおけるロータの磁石周辺の縦断面斜視図。 傾斜磁石ユニット及び平行磁石ユニットの平面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 構成群Bdにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 ロータ第1面側から見たロータの平面図。 シャフトの斜視図。 構成群Beにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 第1ロータ及び第2ロータの縦断面斜視図。 構成群Bfにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 第1ホルダ固定具と第2ホルダ固定具との位置関係を説明するための図。 第1ロータ側から見たモータの斜視図。 シャフトの平面図。 構成群Caにおけるモータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 モータハウジングの縦断面斜視図。 モータハウジング及びコイル保護部の概略縦断面図。 モータハウジング及びコイル保護部の概略横断面図。 構成群Cbにおけるモータハウジングの縦断面斜視図。 構成群Ccにおけるモータ装置でのグロメット周辺の縦断面図。 モータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 モータハウジングの縦断面斜視図。 構成群Cdにおけるコアユニットの斜視図。 構成群Ceにおけるコアユニットの斜視図。 モータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 構成群Cfにおけるコアユニットの斜視図。 コアの斜視図。 コアの横断面図。 コア形成板材の斜視図。 構成群Cgにおけるコアユニットの斜視図。 フランジ凹部側から見たコアユニットの斜視図。 フランジ凹部側から見たコアユニットの側面図。 径方向内側から見たコアユニットの正面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Daにおけるモータ装置ユニットの縦断面図。 ステータ及びモータハウジングの平面図。 構成群Dbにおけるロータ及びステータの縦断面図。 図68の下側から見たシャフトの斜視図。 図68の下側から見たシャフトの平面図。 シャフトの正面図。 図71のLXXII-LXXII線断面図。 構成群Dcにおけるロータ及びステータの縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 構成群Ddにおけるモータ装置の平面図。 中性点ユニットの斜視図。 構成群Deにおけるモータ装置の平面図。 構成群Dfにおけるモータ装置の斜視図。 モータハウジング及びステータの平面図。 モータハウジングを第2ロータ側から見た平面図。 構成群Dgにおけるモータ装置の斜視図。 モータ装置をドライブフレーム側から見た平面図。 モータ装置ユニットの縦断面図。 構成群Eにおけるモータ装置でのグロメット周辺の縦断面図。 モータハウジング及びコイル保護部の縦断面斜視図。 モータ装置におけるグロメット周辺の拡大斜視図。 外グロメット部と外周引出部との位置関係を示す概略縦断面図。 モータ装置におけるグロメット周辺の拡大斜視図。 構成群Fにおけるモータ装置でのロータリブ周辺の縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面図。 モータ装置の平面図。 モータ装置におけるロータリブ周辺の概略縦断面図。 モータ装置におけるロータリブ周辺の概略縦断面図。 構成群Gにおけるモータ装置での固定ブロック周辺の縦断面図。 ロータにおける固定ブロック周辺の縦断面図。 ロータ第1面を見たロータの平面図。 周方向に直交する方向でのロータの概略断面図。 磁石ホルダの斜視図。 固定ブロックの斜視図。 第1ユニット面を見た傾斜磁石ユニット及び平行磁石ユニットの平面図。 第2ユニット面を見た傾斜磁石ユニット及び平行磁石ユニットの平面図。 磁石ホルダにおける磁石用突起周辺の平面図。 構成群Hにおけるモータ装置でのグロメット及びコイル保護部周辺の縦断面図。 モータ装置におけるグロメット周辺の縦断面図。 電力引出線、グロメット及びコイル保護部の構成を示す概略縦断面図。 グロメットの正面図。 グロメットの側面図。 モータ装置においてグロメット周辺を径方向内側から見た図。 構成群Iにおけるロータ及びシャフトの縦断面図。 シャフト母材について説明するための図。 構成群Kにおけるモータ装置ユニットの縦断面図。 モータ装置におけるレゾルバ周辺の縦断面図。 構成群Lにおける傾斜磁石ユニット及び平行磁石ユニットの平面図。 モータにおける磁石の配列を示す図。 傾斜磁石ユニットの平面図。 傾斜磁石ユニットの側面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面図。 ロータの製造工程の手順を示す図。 焼結工程及び短冊工程について説明するための図。 磁石母材工程について説明するための図。 磁石側面工程について説明するための図。 ユニット母材工程について説明するための図。 第1整形工程及び第2整形工程について説明するための平面図。 第1整形工程及び第2整形工程について説明するための側面図。 構成群Mにおけるモータ装置でのアキシャルギャップ周辺の縦断面図。 モータ装置におけるアキシャルギャップ周辺の概略縦断面図。 ロータ第2面側から見たロータの平面図。 シャフトの斜視図。 ドライブリブ側から見たドライブフレームの斜視図。 構成群Nにおけるモータ装置ユニットの縦断面図。 モータ装置におけるモータシール部周辺の概略縦断面図。 構成群E及び第3実施形態における外グロメット部と外周引出部との位置関係を示す概略縦断面図。 第4実施形態におけるモータ装置でのグロメット周辺の概略縦断面図。 第5実施形態におけるモータ装置でのグロメット周辺の概略縦断面図。 第6実施形態におけるモータ装置でのグロメット周辺の概略縦断面図。 第7実施形態におけるモータ装置でのグロメット周辺の概略縦断面図。 構成群F及び第8実施形態におけるモータ装置でのロータリブ周辺の概略縦断面図。 第9実施形態におけるモータ装置でのロータリブ周辺の概略縦断面図。 第10実施形態におけるモータ装置でのロータリブ周辺の概略縦断面図。 第11実施形態におけるモータ装置でのロータリブ周辺の概略縦断面図。 第12実施形態におけるロータでの固定ブロック周辺の概略縦断面図。 第13実施形態におけるロータ第1面を見たロータの平面図。 第14実施形態におけるロータ第1面を見たロータの平面図。 構成群H及び第15実施形態におけるグロメットの正面図。 グロメットの側面図。 構成群I及び第16実施形態における第1母材及び第2母材について説明するための図。 構成群J及び第17実施形態におけるモータ装置での変位規制部周辺の拡大平面図。 モータ装置での変位規制部周辺の概略縦断面図。 第18実施形態におけるモータ装置での変位規制部周辺の拡大平面図。 モータ装置での変位規制部周辺の概略縦断面図。 第19実施形態におけるモータ装置での変位規制部周辺の拡大平面図。 モータ装置での変位規制部周辺の概略縦断面図。 構成群L及び第20実施形態における傾斜磁石ユニットの平面図。 傾斜磁石ユニットの側面図。 ロータにおける磁石周辺の縦断面図。 第21実施形態における傾斜磁石ユニットの平面図。 第22実施形態における磁石の配列を示す図。 第23実施形態における傾斜磁石ユニットの平面図。 磁石の配列を示す図。 構成群N及び第24実施形態におけるモータ装置でのモータシール部周辺の概略縦断面図。 第25実施形態におけるモータ装置でのモータシール部周辺の概略縦断面図。 第26実施形態におけるモータ装置でのハウジングシール部周辺の概略縦断面図。 第27実施形態におけるモータ装置でのハウジングシール部周辺の概略縦断面図。 第28実施形態におけるモータ装置でのハウジングシール部周辺の概略縦断面図。 第29実施形態におけるモータ装置でのモータシール部周辺の概略縦断面図。 第30実施形態におけるモータ装置でのハウジングシール部周辺の概略縦断面図。 第31実施形態におけるモータ装置でのハウジングシール部周辺の概略縦断面図。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
図1に示す駆動システム30は、車両や飛行体などの移動体に搭載されている。駆動システム30が搭載される車両としては、例えば電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)及び燃料電池車などがある。飛行体としては、垂直離着陸機、回転翼機及び固定翼機などの航空機がある。垂直離着陸機としてはeVTOLがある。eVTOLは、電動垂直離着陸機であり、electric Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。
駆動システム30は、移動体を移動させるために駆動するシステムである。駆動システム30は、移動体が車両であれば車両を走行させるために駆動し、移動体が飛行体であれば飛行体を飛行させるために駆動する。
駆動システム30は、バッテリ31及びモータ装置ユニット50を有している。バッテリ31はモータ装置ユニット50に電気的に接続されている。バッテリ31は、モータ装置ユニット50に電力を供給する電力供給部であり、電源部に相当する。バッテリ31は、モータ装置ユニット50に直流電圧を印加する直流電圧源である。バッテリ31は、充放電可能な2次電池を有している。この2次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などがある。なお、電源部としては、バッテリ31に加えて又は代えて、燃料電池や発電機などが用いられてもよい。
モータ装置ユニット50は、移動体を移動させるために駆動する装置であり、駆動装置に相当する。モータ装置ユニット50は、モータ装置60及びインバータ装置80を有している。モータ装置60はモータ61を有している。インバータ装置80はインバータ81を有している。バッテリ31は、インバータ81を介してモータ61に電気的に接続されている。モータ61には、バッテリ31からインバータ81を介して電力が供給される。モータ61は、インバータ81から供給される電圧及び電流に応じて駆動する。
モータ61は、複数相の交流モータである。モータ61は、例えば3相交流方式のモータであり、U相、V相、W相を有している。モータ61は、移動体が移動するための移動駆動源であり、電動機として機能する。モータ61としては、例えばブラシレスモータが用いられている。モータ61は、回生時に発電機として機能する。なお、モータ61が回転電機に相当し、モータ装置ユニット50が回転電機ユニットに相当する。
モータ61は、複数相のコイル211を有している。コイル211は、巻線であり、電機子を形成している。コイル211は、U相、V相、W相のそれぞれに設けられている。モータ61においては、複数相のコイル211がスター結線されている。スター結線は、Y結線と称されることがある。モータ61は、中性点65を有している。複数相のコイル211は、中性点65にて互いに接続されている。
インバータ81は、モータ61に供給する電力を変換することでモータ61を駆動する。インバータ81は、モータ61に供給される電力を直流から交流に変換する。インバータ81は、電力を変換する電力変換部である。インバータ81は、複数相の電力変換部であり、複数相のそれぞれについて電力変換を行う。インバータ81は、例えば3相インバータであり、U相、V相、W相のそれぞれについて電力変換を行う。
インバータ装置80は、Pライン141、Nライン142を有している。Pライン141及びNライン142は、バッテリ31とインバータ81とを電気的に接続している。Pライン141は、バッテリ31の正極に電気的に接続されている。Nライン142は、バッテリ31の負極に電気的に接続されている。バッテリ31においては、正極が高電位側の電極であり、負極が低電位側の電極である。Pライン141及びNライン142は、電力を供給するための電力ラインである。Pライン141は、高電位側の電力ラインであり、高電位ラインと称されることがある。Nライン142は、低電位側の電力ラインであり、低電位ラインと称されることがある。
モータ装置ユニット50は、出力ライン143を有している。出力ライン143は、電力を供給するための電力ラインである。出力ライン143は、モータ61とインバータ81とを電気的に接続している。出力ライン143は、モータ装置60とインバータ装置80とにかけ渡された状態になっている。
インバータ装置80は平滑コンデンサ145を有している。平滑コンデンサ145は、バッテリ31から供給される直流電圧を平滑化するコンデンサである。平滑コンデンサ145は、バッテリ31とインバータ81との間において、Pライン141とNライン142とに接続されている。平滑コンデンサ145は、インバータ81に対して並列に接続されている。
インバータ81は、電力変換回路であり、例えばDC-AC変換回路である。インバータ81は、複数相分のアーム回路85を有している。例えば、インバータ81は、U相、V相、W相のそれぞれについてアーム回路85を有している。アーム回路85は、レグ及び上下アーム回路と称されることがある。アーム回路85は、上アーム85aと、下アーム85bを有している。上アーム85a及び下アーム85bは、バッテリ31に対して直列に接続されている。上アーム85aはPライン141に接続され、下アーム85bはNライン142に接続されている。
出力ライン143は、複数相分のそれぞれについてアーム回路85に接続されている。出力ライン143は、上アーム85aと下アーム85bとの間に接続されている。出力ライン143は、複数相のそれぞれにおいて、アーム回路85とコイル211とを接続している。出力ライン143は、コイル211において中性点65とは反対側に接続されている。
アーム85a,85bは、アームスイッチ86及びダイオード87を有している。アームスイッチ86は半導体素子等のスイッチング素子により形成されている。このスイッチング素子としては、例えばIGBT及びMOSFET等のパワー素子がある。IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称である。MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略称である。
アーム85a,85bは、それぞれアームスイッチ86とダイオード87とを1つずつ有している。アーム85a,85bにおいては、ダイオード87が還流用としてアームスイッチ86に逆並列に接続されている。上アーム85aにおいては、アームスイッチ86のコレクタがPライン141に接続されている。下アーム85bにおいては、アームスイッチ86のエミッタがNライン142に接続されている。そして、上アーム85aにおけるアームスイッチ86のエミッタと、下アーム85bにおけるアームスイッチ86のコレクタが相互に接続されている。ダイオード87のアノードは対応するアームスイッチ86のエミッタに接続され、カソードはコレクタに接続されている。なお、アームスイッチ86を半導体スイッチと称することもできる。
モータ装置ユニット50は制御装置54を有している。制御装置54はインバータ装置80に含まれている。制御装置54は、例えばECUであり、インバータ81の駆動を制御する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。制御装置54は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成される。メモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、non-transitory tangible storage mediumであり、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。図1においては、制御装置54をCDと図示している。
制御装置54は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、インバータ81の駆動に関する各種の処理を実行する。制御装置54は、外部装置、インバータ81及び各種センサに電気的に接続されている。外部装置は、例えば移動体に搭載された統合ECUなどの上位ECUである。各種センサは、例えばモータ装置ユニット50に設けられている。制御装置54は、インバータ81に対して指令信号を出力することでインバータ81の制御を行う。制御装置54は、外部装置から入力される制御信号、及び各種センサから入力される検出信号、などに応じて指令信号を生成する。インバータ装置80においては、制御装置54から入力された指令信号に応じてインバータ81が駆動し、インバータ81による電力変換が行われる。
モータ装置60は、各種センサとして、レゾルバ421及び温度センサ431を有している。レゾルバ421は、モータ61の回転角度を検出する回転センサであり、回転検出部に相当する。レゾルバ421は、モータ61の回転角度に応じた検出信号を出力する。レゾルバ421の検出信号には、モータ61について、回転角度など回転数に関する情報が含まれている。なお、モータ装置60は、レゾルバ421とは異なる回転検出部を有していてもよい。
温度センサ431は、モータ61の温度を検出することが可能であり、温度検出部に相当する。温度センサ431は、モータ61の温度に応じた検出信号を出力する。温度センサ431は、モータ61の温度として、例えば後述するステータ200の温度を検出する。なお、温度センサ431は、モータ61のどの部位の温度を検出してもよい。
レゾルバ421及び温度センサ431は、制御装置54に電気的に接続されている。レゾルバ421は、信号ライン425により制御装置54に接続されている。レゾルバ421が出力した検出信号は、信号ライン425を介して制御装置54に入力される。温度センサ431は、信号ライン435により制御装置54に接続されている。温度センサ431が出力した検出信号は、信号ライン435を介して制御装置54に入力される。信号ライン425,435は、モータ装置ユニット50に含まれており、モータ装置60とインバータ装置80とにかけ渡された状態になっている。
図2、図3に示すように、モータ装置ユニット50においては、モータ装置60とインバータ装置80とがモータ軸線Cmに沿って並べられている。モータ装置60とインバータ装置80とは、ボルト等の固定具により互いに固定されている。モータ軸線Cmは、直線状に延びる仮想線である。モータ軸線Cmが延びる方向を軸方向ADと称すると、モータ軸線Cmについては、軸方向ADと径方向RDと周方向CDとが互いに直交している。なお、径方向RDの外側が径方向外側と称され、径方向RDの内側が径方向内側と称されることがある。なお、図3においては、モータ装置ユニット50においてモータ軸線Cmに沿って延びた縦断面が図示されている。
モータ装置60は、モータハウジング70を有している。モータハウジング70はモータ61を収容している。モータハウジング70は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。モータハウジング70は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。モータハウジング70は、外周面70aを有している。外周面70aは、モータハウジング70の外面に含まれており、全体として周方向CDに環状に延びている。
モータハウジング70は、ハウジング本体71及びモータフィン72を有している。ハウジング本体71は、外周面70aを形成している。モータフィン72は、外周面70aに設けられた放熱フィンである。モータフィン72は、モータハウジング70の表面積を大きくしており、モータハウジング70の放熱効果を高めている。モータフィン72は、外周面70aから径方向外側に向けて突出している。モータフィン72は、外周面70aに沿って軸方向ADに延びている。モータフィン72は、周方向CDに複数並べられている。
インバータ装置80は、インバータハウジング90を有している。インバータハウジング90はインバータ81を収容している。インバータハウジング90は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。インバータハウジング90は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。インバータハウジング90は、外周面90aを有している。外周面90aは、インバータハウジング90の外面に含まれており、周方向CDに環状に延びている。
モータ装置60及びインバータ装置80は、空冷式の装置になっている。インバータハウジング90は、ハウジング本体91及びインバータフィン92を有している。ハウジング本体91は、外周面90aを形成している。インバータフィン92は、外周面90aに設けられた放熱フィンである。インバータフィン92は、インバータハウジング90の表面積を大きくしており、インバータハウジング90の放熱効果を高めている。インバータフィン92は、外周面90aから径方向外側に向けて突出している。インバータフィン92は、外周面90aに沿って軸方向ADに延びている。インバータフィン92は、周方向CDに複数並べられている。
図2に示すように、モータ装置ユニット50は、ユニットダクト100を有している。ユニットダクト100は、樹脂材料等により形成されている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を収容している。ユニットダクト100は、全体として筒状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。ユニットダクト100は、軸方向ADにおいてモータハウジング70とインバータハウジング90とにかけ渡された状態になっている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を外周側から覆った状態になっている。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90のすくなくとも一方に固定されている。ユニットダクト100においては、軸方向ADの両端に開口部が形成されている。
ユニットダクト100の内周面は、モータフィン72及びインバータフィン92を介して外周面70a,90aに対向している。ユニットダクト100の内周面は、外周面70a,90aから径方向外側に離間している。モータ装置ユニット50においては、外周面70a,90aとユニットダクト100の内周面との間にダクト流路が形成されている。このダクト流路は、ユニットダクト100の開口部を介して軸方向ADに開放されている。モータ装置ユニット50においては、空気等の気体がダクト流路を通過することで、モータフィン72及びインバータフィン92から熱が放出されやすくなる。
ユニットダクト100の内周面は、モータフィン72及びインバータフィン92の先端面に接近又は接触している。この構成では、ダクト流路を軸方向ADに通過する気体は、径方向RDにおいてモータフィン72及びインバータフィン92に重複する位置を通りやすくなっている。このため、モータフィン72及びインバータフィン92による放熱効果が向上しやすくなっている。
図3に示すように、インバータ装置80は、インバータハウジング90に加えて、インバータ蓋部99を有している。インバータ蓋部99は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。インバータ蓋部99は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。インバータハウジング90においては、軸方向ADの一端側に形成された開口部がインバータ蓋部99により覆われている。
モータ装置60は、モータハウジング70に加えて、ドライブフレーム390を有している。ドライブフレーム390は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。ドライブフレーム390は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。モータハウジング70においては、軸方向ADの一端側に形成された開口部がドライブフレーム390により覆われている。ドライブフレーム390は、フレーム固定具405によりモータハウジング70に固定されている。フレーム固定具405は、ボルト等の固定具である。フレーム固定具405は、ワッシャ406を介してドライブフレーム390及びモータハウジング70に対して螺着されている。
モータ装置60は、Oリング401を有している。Oリング401は、弾性変形可能なシール部材であり、樹脂材料等により形成されている。Oリング401は、モータハウジング70とドライブフレーム390との間に挟み込まれた状態になっている。Oリング401は、モータハウジング70の外周縁に沿って延びている。Oリング401は、モータハウジング70とドライブフレーム390との間をシールしている。
モータ装置ユニット50においては、軸方向ADの一方側の端部がインバータ蓋部99により形成されている。軸方向ADの他方側の端部は、ドライブフレーム390により形成されている。
モータ装置ユニット50は、ユニットハウジング51を有している。ユニットハウジング51は、インバータハウジング90、インバータ蓋部99、モータハウジング70及びドライブフレーム390を含んで構成されている。ユニットハウジング51においては、その外周面がインバータハウジング90及びモータハウジング70により形成されている。ユニットハウジング51においては、一対の端面のうち一方がインバータ蓋部99により形成され、他方がドライブフレーム390により形成されている。ユニットダクト100は、ユニットハウジング51の外周面を覆った状態になっている。
図3、図4に示すように、モータ61は、ステータ200、ロータ300及びシャフト340を有している。ロータ300は、モータ軸線Cmを中心にステータ200に対して相対的に回転する。ロータ300は、回転子であり、ロータサブアッセンブリと称されることがある。モータ軸線Cmは、ロータ300の中心線であり、回転軸線に相当する。シャフト340は、ロータ300に固定されており、ロータ300と共に回転する。シャフト340は、モータ61の回転軸である。シャフト340の中心線はモータ軸線Cmに一致している。ステータ200の中心線は、モータ軸線Cmに一致している。ステータ200は、固定子であり、ステータサブアッセンブリと称されることがある。
モータ装置60は、アキシャルギャップ式の回転電機である。モータ61においては、ステータ200とロータ300とがモータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。ロータ300は、ステータ200に軸方向ADに重ねられた状態になっており、その状態でステータ200に対して相対的に回転する。
モータ装置60は、ダブルロータ式の回転電機であり、ロータ300を2つ有している。2つのロータ300は、軸方向ADに並べられている。軸方向ADにおいては、2つのロータ300の間にステータ200が設けられている。シャフト340は、2つのロータ300の両方に固定されている。2つのロータ300は、シャフト340と共にまとめて回転する。2つのロータ300を第1ロータ300a及び第2ロータ300bと称すると、第1ロータ300aは、ステータ200に対してリアフレーム370側に設けられている。第2ロータ300bは、ステータ200に対してインバータ装置80とは反対側に設けられている。なお、アキシャルギャップ式であり、且つダブルロータ式の回転電機は、ダブルアキシャルモータと称されることがある。
図3、図6に示すように、ステータ200は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ステータ200は、コイルユニット210及びコイル保護部250を有している。コイルユニット210は、コイル部215を有している。コイル部215は、周方向CDに複数並べられている。コイルユニット210においては、少なくとも1つのコイル部215によりコイル211が構成されている。複数相のコイル211は、コイルユニット210において周方向CDに並べられている。なお、図6においては、コイル保護部250の図示を省略している。
コイル保護部250は、樹脂材料等により形成されている。コイル保護部250は、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂により形成されている。コイル保護部250は、例えばモールド成形により成形されたモールド樹脂である。コイル保護部250は、電気絶縁性を有している。コイル保護部250は、熱伝導性を有しており、コイル部215からの熱が伝わりやすくなっている。コイル保護部250は、例えば空気よりも大きい熱伝導率を有している。
コイル保護部250は、コイルユニット210を覆った状態になっており、コイルユニット210を保護している。コイル保護部250は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。コイル保護部250は、全体として環状に形成されている。コイル保護部250は、コイル211及びコイル部215を封止している。コイル保護部250は、コイル部215及びモータハウジング70の両方に接触している。コイル保護部250は、コイル部215からの熱をモータハウジング70に伝えやすくなっている。
ロータ300は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ロータ300は、全体として板状に形成されている。ロータ300は、磁石310及び磁石ホルダ320を有している。磁石310は、周方向CDに複数並べられている。磁石310は、永久磁石であり、界磁を形成している。磁石ホルダ320は、複数の磁石310を支持している。磁石ホルダ320は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。磁石ホルダ320は、全体として環状に形成されている。
シャフト340は、シャフト本体341及びシャフトフランジ342を有している。シャフト本体341は、柱状に形成されており、モータ軸線Cmに沿って延びている。シャフトフランジ342は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びている。シャフトフランジ342は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。シャフトフランジ342は、全体として環状に形成されている。シャフトフランジ342は、ロータ300に固定されている。
モータ装置60は、第1ベアリング360及び第2ベアリング361を有している。ベアリング360,361は、シャフト340を回転可能に支持している。ロータ300は、シャフト340を介してベアリング360,361により回転可能に支持されている。第1ベアリング360と第2ベアリング361とは軸方向ADに並べられている。軸方向ADにおいては、第1ベアリング360と第2ベアリング361との間にシャフトフランジ342が設けられている。第1ベアリング360は、後述するリアフレーム370に取り付けられており、リアフレーム370を介してモータハウジング70に固定されている。第2ベアリング361は、ドライブフレーム390に取り付けられており、ドライブフレーム390を介してモータハウジング70に固定されている。
図3、図4、図6に示すように、モータ装置60は、バスバユニット260、リアフレーム370、防塵カバー380、リテーナプレート410、レゾルバ421、レゾルバカバー424を有している。なお、図3においては、防塵カバー380の図示を省略している。
リアフレーム370は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。リアフレーム370は、金属材料等により形成されている。リアフレーム370は、ステータ200及びロータ300をインバータ装置80側から覆った状態になっている。リアフレーム370は、モータハウジング70の内部空間をインバータ装置80側から区画している。リアフレーム370は、モータハウジング70の内部空間とインバータハウジング90の内部空間とを仕切っている。リアフレーム370は、軸方向ADにおいてモータハウジング70とインバータハウジング90との間に設けられている。リアフレーム370は、モータハウジング70とインバータハウジング90との間に挟み込まれた状態になっている。
防塵カバー380は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。防塵カバー380は、全体として環状に形成されている。防塵カバー380は、インバータ装置80側からリアフレーム370に重ねられた状態になっている。防塵カバー380は、樹脂材料等により形成されており、塵等の異物が通過しない構造になっている。防塵カバー380は、モータハウジング70の内部空間及びインバータハウジング90の内部空間のうち一方から他方に異物が侵入することを防止する。
図4、図5に示すように、バスバユニット260は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバユニット260は、全体として環状に形成されている。バスバユニット260は、軸方向ADにおいてステータ200からリアフレーム370側に離間した位置にある。バスバユニット260は、リアフレーム370よりもインバータ装置80側に設けられている。バスバユニット260は、リアフレーム370の板面に沿って延びている。
図3、図6に示すように、バスバユニット260は、電力バスバ261及びバスバ保護部270を有している。電力バスバ261は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。電力バスバ261は、複数相のそれぞれに設けられており、複数相のそれぞれにおいて出力ライン143の少なくとも一部を形成している。電力バスバ261は、出力ライン143においてコイル211とインバータ81との間に設けられており、これらコイル211とインバータ81とを電気的に接続している。電力バスバ261は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。電力バスバ261は、全体として環状に形成されている。なお、バスバ部材は、板状の胴体が絶縁体により被覆された部材である。
バスバ保護部270は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。バスバ保護部270は、複数の電力バスバ261を覆った状態になっており、複数の電力バスバ261を保護している。バスバ保護部270は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ保護部270は、全体として環状に形成されている。
図3、図5、図6に示すように、モータ装置60は、中継ターミナル280を有している。中継ターミナル280は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。中継ターミナル280は、複数相のそれぞれに設けられており、複数相のそれぞれにおいて出力ライン143の少なくとも一部を形成している。中継ターミナル280は、出力ライン143において電力バスバ261とインバータ81との間に設けられている。中継ターミナル280は、電力バスバ261とインバータ81とを電気的に接続している。中継ターミナル280は、電力バスバ261に電気的に接続されている。中継ターミナル280は、周方向CDに複数並べられている。中継ターミナル280は、例えばインバータ装置80においてインバータ81を構成する部材に接続されている。
図3、図4、図6に示すように、リテーナプレート410は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。リテーナプレート410は、全体として環状に形成されている。リテーナプレート410は、第2ベアリング361をドライブフレーム390に対して固定している。リテーナプレート410は、ドライブフレーム390との間に第2ベアリング361を挟み込んだ状態で、ドライブフレーム390に固定されている。
レゾルバ421は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。レゾルバ421は、全体として環状に形成されている。レゾルバ421は、レゾルバロータ及びレゾルバステータを有している。レゾルバロータは、レゾルバステータに対して相対的に回転する。レゾルバロータはロータ300側に設けられ、レゾルバステータはモータハウジング70側に設けられている。例えば、レゾルバロータはシャフト340に取り付けられ、レゾルバステータはリアフレーム370に取り付けられている。レゾルバ421は、リアフレーム370に対してインバータ装置80側に設けられている。レゾルバカバー424は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。レゾルバカバー424は、レゾルバ421をインバータ装置80側から覆った状態になっている。レゾルバカバー424は、リアフレーム370に取り付けられている。レゾルバカバー424は、シャフト本体341をインバータ装置80側から覆った状態になっている。
モータ装置ユニット50には、減速機53が取り付けられている。減速機53は、モータ61と外部機器とを機械的に接続している。例えば、外部機器が減速機53を介してモータ61の回転軸に機械的に接続されている。減速機53は、モータ61の回転を減速して外部機器に伝達する。外部機器としては、車輪やプロペラ等がある。減速機53は、複数のギアを含んで構成されており、変速ギア及びギアボックスと称されることがある。減速機53は、モータ61が有するモータ特性に合わせた構造になっている。減速機53は、減速機固定具53aによりドライブフレーム390に固定されている。減速機固定具53aは、ボルト等の固定具である。
<構成群Aa>
図7、図8、図9に示すように、電力バスバ261は、バスバ本体262及びバスバターミナル263を有している。バスバ本体262は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ本体262は、全体として環状に形成されている。バスバ本体262は、全体として板状に形成されており、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。バスバターミナル263は、バスバ本体262から周方向CDに交差する方向に延びている。バスバターミナル263は、バスバ本体262から径方向内側に向けて延びている。バスバターミナル263は、全体として板状に形成されている。なお、図7においては、防塵カバー380の図示を省略している。
電力バスバ261は、軸方向ADに複数並べられている。例えば、複数の電力バスバ261には、U相の電力バスバ261、V相の電力バスバ261、W相の電力バスバ261が含まれている。複数の電力バスバ261においては、それぞれのバスバ本体262が軸方向ADに重ねられている。複数のバスバ本体262は、軸方向ADにおいてステータ200に並ぶ位置に設けられている。複数の電力バスバ261においては、それぞれのバスバターミナル263が周方向CDに離間した位置にある。
モータ装置60は、ステータ側空間S1及びインバータ側空間S2を有している。ステータ側空間S1及びインバータ側空間S2は、モータ装置60の内部空間に含まれており、リアフレーム370により仕切られた空間である。ステータ側空間S1とインバータ側空間S2とは、リアフレーム370を介して軸方向ADに並んでいる。ステータ側空間S1は、リアフレーム370よりもステータ200側の空間である。ステータ側空間S1は、軸方向ADにおいてリアフレーム370とドライブフレーム390との間の空間である。インバータ側空間S2は、リアフレーム370よりもインバータ装置80側の空間である。インバータ側空間S2は、軸方向ADにおいてリアフレーム370とインバータハウジング90との間の空間である。なお、インバータ側空間S2には、インバータ装置80の内部空間が含まれていてもよい。また、ステータ側空間S1が第1空間に相当し、インバータ側空間S2が第2空間に相当し、リアフレーム370が空間仕切部に相当する。
電力バスバ261は、インバータ側空間S2に設けられている。バスバユニット260は、リアフレーム370にインバータ装置80側から重ねられた状態になっている。バスバ保護部270は、ねじ等の固定具によりリアフレーム370に固定されている。
図8に示すように、バスバ保護部270は、複数の保護プレート271を有している。保護プレート271は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。保護プレート271は、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。保護プレート271は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。保護プレート271は、全体として環状に形成されている。複数の保護プレート271は、バスバ本体262を介して軸方向ADに重ねられている。軸方向ADにおいて保護プレート271を介して隣り合う2つのバスバ本体262については、保護プレート271により電気絶縁性が付与されている。
図10に示すように、モータ装置60は、中性点バスバ290を有している。中性点バスバ290は、ステータ200に含まれている。中性点バスバ290は、電流を流すためのバスバ部材等の導電部材である。中性点バスバ290は、少なくとも中性点65を形成しており、複数相のコイル211を電気的に接続している。中性点バスバ290は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。中性点バスバ290は、周方向CDに複数並べられている。
図8に示すように、中性点バスバ290は、電力バスバ261から軸方向ADに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370よりもドライブフレーム390に近い位置にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介して電力バスバ261とは反対側にある。中性点バスバ290は、ステータ側空間S1に設けられている。一方、上述したように、電力バスバ261は、インバータ側空間S2に設けられている。
図7、図10に示すように、中性点バスバ290は、バスバ本体262から径方向RDに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、バスバ本体262から径方向内側に離間した位置にある。
図10に示すように、コイルユニット210は、中性点ユニット214を有している。中性点ユニット214は、周方向CDに複数並べられている。中性点ユニット214は、複数のコイル部215と、1つの中性点バスバ290とを有している。中性点ユニット214においては、複数相のコイル211が中性点65によりスター結線されている。コイルユニット210では、中性点ユニット214が周方向CDに複数並べられていることで、スター結線された複数相のコイル211が周方向CDに複数並べられている。
図11に示すように、中性点ユニット214においては、コイル部215が周方向CDに並べられていることで、複数相のコイル211が周方向CDに並べられている。中性点ユニット214においては、複数相のそれぞれにおいて、コイル211から電力引出線212及び中性引出線213が延びている。電力引出線212は、コイル211から径方向外側に向けて引き出され、電力バスバ261に向けて軸方向ADに延びている。電力引出線212は、電力バスバ261に電気的に接続されている。中性引出線213は、コイル211から径方向内側に向けて引き出されている。中性引出線213は、中性点バスバ290に電気的に接続されている。
コイル部215は、巻回されたコイル線220により形成されている。コイル線220は、電流を流すための電線等の導電部材である。コイル線220は、コアユニット230に巻回されている。コアユニット230においては、コイル線220がボビン240を介してコア231に巻回されている。コイル線220においては、巻回された部位がコイル部215を形成し、コイル部215から延出した部位が第1延出線216及び第2延出線217を形成している。コイル部215においては、軸方向ADに並ぶ両端のうち一方から第1延出線216が延びており、他方から第2延出線217が延びている。
コイル線220は、コイル部215を形成していることでコイル211を形成している。コイル線220においては、巻回された部位がコイル211を形成し、コイル211から延出した部位が電力引出線212及び中性引出線213を形成している。
複数相のそれぞれにおいては、1つのコイル211が2つのコイル部215により形成されている。複数相のそれぞれにおいては、2つのコイル部215のうち一方の第1延出線216が電力引出線212を形成し、他方の第1延出線216が中性引出線213を形成している。2つのコイル部215のそれぞれの第2延出線217は互いに接続されている。
中性点ユニット214において、コイル211、電力引出線212、中性引出線213のそれぞれにU相、V相、W相を付して称する。すると、中性点ユニット214においては、U相コイル211U、V相コイル211V、W相コイル211Wが1つずつ周方向CDに並べられている。同様に、U相電力引出線212U、V相電力引出線212V、W相電力引出線212Wが1つずつ周方向CDに並べられている。U相中性引出線213U、V相中性引出線213V、W相中性引出線213Wが1つずつ周方向CDに並べられている。
<構成群Ab>
図12に示すように、モータ61は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bを有している。モータ61は、第1ギャップG1及び第2ギャップG2を有している。第1ギャップG1は、ステータ200と第1ロータ300aとの隙間である。第2ギャップG2は、ステータ200と第2ロータ300bとの隙間である。第1ギャップG1と第2ギャップG2とは、ステータ200を介して軸方向ADに並んでいる。モータ61は、ダブルギャップ式の回転電機と称されることがある。
図13に示すように、コイル線220は、導体部221及び被覆部222を有している。導体部221は、導電性を有しており、コイル線220において電流が流れる部位である。被覆部222は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。被覆部222は、導体部221を被覆している。導体部221は、複数の素線223を有している。素線223は、銅等の導電材料により形成されており、導体部221において電流が流れる部位である。コイル線220は、より線及び分割銅線と称されることがある。
<構成群Ac>
図14、図15に示すように、コイルユニット210においては、複数のコイル部215に第1コイル部215a及び第2コイル部215bが含まれている。第1コイル部215aと第2コイル部215bとは、周方向CDに交互に並べられている。コイルユニット210においては、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215のうち一方が第1コイル部215aであり、他方が第2コイル部215bである。
コイルユニット210においては、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215の巻数が異なっている。コイル部215の巻数は、コイル部215においてコイル線220が巻回されている数である。第1コイル部215aの巻数と第2コイル部215bとが異なっている。例えば、第1コイル部215aの巻数が第2コイル部215bの巻数よりも多くなっている。
図15に示すように、第1コイル部215aでは、第1延出線216及び第2延出線217の両方が径方向RDの一方側に引き出されている。例えば、第1コイル部215aでは、第1延出線216及び第2延出線217の両方が径方向内側に引き出されている。一方、第2コイル部215bでは、第1延出線216及び第2延出線217が径方向RDにおいて逆向きに引き出されている。例えば、第2コイル部215bでは、第1延出線216が径方向外側に引き出されており、第2延出線217が径方向内側に引き出されている。したがって、第1コイル部215aの巻数を整数回とすると、第2コイル部215bの巻数は第1コイル部215aの巻数よりもほぼ0.5回少ない。
<構成群Ad>
図16、図17、図18において、中継ターミナル280と電力バスバ261とは電気的に接続されている。電力バスバ261においては、バスバターミナル263がねじ等の接続具により中継ターミナル280に接続されている。接続具は、電流を流すための導電部材である。
モータ装置60はターミナル台285を有している。ターミナル台285は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。ターミナル台285は、中継ターミナル280とバスバターミナル263との接続部分を支持している。例えば、接続具がターミナル台285に螺着されることで、中継ターミナル280とバスバターミナル263との接続部分がターミナル台285に固定されている。換言すれば、中継ターミナル280とバスバターミナル263とはターミナル台285にて接続されている。ターミナル台285は、端子台に相当する。中継ターミナル280は、インバータ81に電気的に接続されている。中継ターミナル280は、例えばバスバ部材により形成されており、中継バスバに相当する。
図18に示すように、ターミナル台285は台座面285aを有している。台座面285aは、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。中継ターミナル280は中継接続部280aを有しており、バスバターミナル263はバスバ接続部263aを有している。中継接続部280a及びバスバ接続部263aは、台座面285aに重ねられた状態で接続具により接続されている。中継接続部280a及びバスバ接続部263aのうち一方が他方と台座面285aとの間に挟み込まれた状態になっている。
中継ターミナル280は中継延出部280bを有している。中継延出部280bは、中継ターミナル280においてインバータ装置80に向けて延びている。例えば、中継延出部280bは、中継接続部280aから軸方向ADに延びている。バスバターミナル263はバスバ延出部263bを有している。バスバ延出部263bは、バスバターミナル263においてバスバ本体262に向けて延びている。例えば、バスバ延出部263bは、径方向RDに延びた部位と、軸方向ADに延びた部位とを有している。
ターミナル台285は、複数相のそれぞれに対して設けられている。ターミナル台285は、バスバユニット260に沿って周方向CDに複数並べられている。例えば、複数のターミナル台285には、U相用のターミナル台285と、V相用のターミナル台285と、W相用のターミナル台285とが含まれている。ターミナル台285は、バスバユニット260に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。ターミナル台285は、バスバユニット260から径方向内側に離間した位置にある。
<構成群Ae>
図19に示すように、複数の中継ターミナル280は、十分に離間して並べられている。周方向CDにおいて隣り合う2つの中継ターミナル280の離間距離は十分に大きくなっている。例えば、3つの中継ターミナル280が周方向CDに並べられた構成では、隣り合う2つの中継ターミナル280の離間角度がほぼ120度になっている。
モータ装置60において、仮想の分割領域REが周方向CDに複数並べられているとする。複数の分割領域REは、周方向CDにおいてモータ軸線Cmの周りを等間隔に分割した領域である。分割領域REは、中継ターミナル280と同じ数になっている。例えば、中継ターミナル280が3つである場合、分割領域REも3つである。この場合、3つの分割領域REは、周方向CDにおいてモータ軸線Cmの周りを120度ずつに分割している。
中継ターミナル280は、複数の分割領域REのそれぞれに1つずつ配置されている。例えば、3つの分割領域REのそれぞれに中継ターミナル280が1つずつ配置されている。3つの中継ターミナル280が120度間隔で配置されていれば、必然的に、3つの分割領域REのそれぞれに中継ターミナル280が1つずつ配置されることになる。仮に、3つの中継ターミナル280の離間角度に120度に対して過不足があっても、少なくとも2つの中継ターミナル280については十分に離間距離が確保されていることになる。
複数の中継ターミナル280と同様に、複数のバスバターミナル263と複数のターミナル台285も、周方向CDに十分に離間して並べられている。例えば、バスバターミナル263及びターミナル台285が3つずつある場合、3つの分割領域REのそれぞれにバスバターミナル263及びターミナル台285のそれぞれが1つずつ配置されている。
<構成群Af>
図20、図21に示すように、リアフレーム370は、バスバユニット260及び第1ベアリング360の両方を支持している。リアフレーム370は、バスバ支持部371及びベアリング支持部372を有している。リアフレーム370が支持フレームに相当し、第1ベアリング360がベアリングに相当する。
バスバ支持部371は、リアフレーム370においてバスバユニット260を支持した部位である。バスバ支持部371は、バスバ保護部270を支持していることで電力バスバ261を支持している。バスバ支持部371には、リアフレーム370においてバスバユニット260に軸方向ADに重なった部位が少なくとも含まれている。バスバ支持部371には、ボルト等の固定具によりバスバユニット260が固定されている。バスバ支持部371は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。バスバ支持部371は、全体として環状に形成されている。バスバ支持部371は、リアフレーム370の外周縁から径方向内側に離間した位置にある。バスバ支持部371は、リアフレーム370の内周縁から径方向外側に離間した位置にある。バスバ支持部371とベアリング支持部372とは径方向RDにおいて離間した位置にある。
ベアリング支持部372は、リアフレーム370において第1ベアリング360を支持した部位である。ベアリング支持部372には、リアフレーム370において第1ベアリング360に軸方向ADに重なった部位が少なくとも含まれている。ベアリング支持部372は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びている。ベアリング支持部372は、全体として環状に形成されている。ベアリング支持部372は、リアフレーム370の内周縁を形成している。
ベアリング支持部372は、支持凸部372aを有している。支持凸部372aは、リアフレーム370においてドライブフレーム390側に向けて軸方向ADに突出している。支持凸部372aは、周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。支持凸部372aは、リアフレーム370の内周縁から径方向外側に離間した位置に設けられている。第1ベアリング360は、支持凸部372aの内側に入り込んだ状態でベアリング支持部372に固定されている。第1ベアリング360は、例えば支持凸部372aの内側に嵌合している。なお、図21においては、バスバ支持部371及びベアリング支持部372にドットハッチングを付している。
<構成群Ag>
図22に示すように、レゾルバ421は、インバータ側空間S2に設けられている。レゾルバ421は、リアフレーム370にインバータ装置80側から重ねられた状態になっている。
図22、図23に示すように、レゾルバ421にはレゾルバコネクタ423が設けられている。レゾルバコネクタ423は、レゾルバ421を制御装置54等の外部装置に電気的に接続するためのコネクタである。レゾルバコネクタ423においては、例えば信号ライン425を形成する電線等がレゾルバ421に電気的に接続されている。レゾルバコネクタ423は、レゾルバ421から軸方向ADに突出した状態になっている。
レゾルバコネクタ423の少なくとも一部は、レゾルバカバー424により覆われずにインバータ装置80側に露出した状態になっている。なお、レゾルバカバー424はレゾルバ421に含まれていてもよい。
図22に示すように、中性点バスバ290は、レゾルバ421から軸方向ADに離間した位置にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介してレゾルバ421とは反対側にある。中性点バスバ290がステータ側空間S1に設けられている一方で、レゾルバ421はインバータ側空間S2に設けられている。図23に示すように、中性点バスバ290は、レゾルバ421から径方向RDに離間した位置に設けられている。中性点バスバ290は、レゾルバ421から径方向外側に離間した位置にある。リアフレーム370が直交フレームに相当する。
<構成群Ba>
図24、図25、図26に示すように、ロータ300は、ロータ第1面301及びロータ第2面302を有している。ロータ第1面301及びロータ第2面302は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びている。ロータ第1面301及びロータ第2面302は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。ロータ300においては、一対の板面のうち一方がロータ第1面301であり、他方がロータ第2面302である。
モータ装置60においては、第1ロータ300aと第2ロータ300bとが、それぞれのロータ第1面301が対向する向きで設置されている。第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、それぞれのロータ第2面302が互いに反対側を向いている。第1ロータ300aにおいては、ロータ第2面302がリアフレーム370側を向いている。
図24、図25に示すように、ロータ300においては、複数の磁石310がロータ第1面301に沿って並べられている。磁石310は、ロータ第1面301に露出している一方で、ロータ第2面302には露出していない。磁石310は、ロータ第2面302側から磁石ホルダ320により覆われた状態になっている。
図25、図27に示すように、ロータ300は磁石ユニット316を有している。磁石ユニット316は、少なくとも1つの磁石310を有している。本実施形態では、磁石ユニット316が複数の磁石310を有している。磁石ユニット316においては、複数の磁石310が周方向CDに並べられている。磁石ユニット316は、例えば3つの磁石310を有している。磁石ユニット316は、ロータ300において周方向CDに複数並べられている。
図27に示すように、ロータ300が有する複数の磁石310には、第1周磁石311a、第2周磁石311b、第1内軸磁石312a、第2内軸磁石312b、第1外軸磁石313a、第2外軸磁石313bが含まれている。これら周磁石311a,311b、内軸磁石312a,312b及び外軸磁石313a,313bは、ステータ200に対する磁力を強めるように配置されている。このような磁石310の配列はハルバッハ配列と称されることがある。なお、図27は、ロータ300を径方向外側から見て磁石310の配列を平面上に展開した図である。
第1周磁石311a及び第2周磁石311bは、周方向CDに複数ずつ並べられている。第1周磁石311aと第2周磁石311bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1周磁石311aと第2周磁石311bとは、周方向CDにおいて互いに逆向きに配向された磁石である。第1周磁石311aが周方向CDの一方側に向けて配向され、第2周磁石311bが周方向CDの他方側に向けて配向されている。例えば、人がステータ200とは反対側からロータ300を見た場合に、第1周磁石311aは、周方向CDにおいて右回りになる向きに配向されるように配置されている。第2周磁石311bは、周方向CDにおいて左周りになる向きに配向されるように配置されている。本実施形態では、磁石310での磁化方向の向きを配向の向きとしている。第1周磁石311a及び第2周磁石311bが周磁石に相当する。
第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bは、周方向CDに交互に並べられている。例えば、第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bは、軸方向ADにおいてステータ200側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向された磁石である。周方向CDにおいては、第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとが互いに逆向きに配向されている。周方向CDにおいては、第1内軸磁石312aが第1周磁石311aと同じ側に向けて配向されている周方向CDにおいては、第2内軸磁石312bが第2周磁石311bと同じ側に向けて配向されている。第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bが内軸磁石に相当する。
複数の磁石310には、一対の内軸磁石312a,312bが含まれている。一対の内軸磁石312a,312bは、周方向CDに隣り合っている。一対の内軸磁石312a,312bの境界部を内境界部BIと称すると、内境界部BIを形成している第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとが一対の内軸磁石312a,312bである。一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに向かい合うように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。
第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bは、周方向CDに交互に並べられている。第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向された磁石である。周方向CDにおいては、第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとが互いに逆向きに配向されている。周方向CDにおいては、第1外軸磁石313aが第1周磁石311aと同じ側に向けて配向されている。周方向CDにおいては、第2外軸磁石313bが第2周磁石311bと同じ側に向けて配向されている。第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bが外軸磁石に相当する。
複数の磁石310には、一対の外軸磁石313a,313bが含まれている。一対の外軸磁石313a,313bは、周方向CDに隣り合っている。一対の外軸磁石313a,313bの境界部を外境界部BOと称すると、外境界部BOを形成している第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとが一対の外軸磁石313a,313bである。一対の外軸磁石313a,313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに反対側を向くように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。
周方向CDにおいては、一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとが複数ずつ並べられている。一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、周方向CDにおいて一対ずつ交互に並べられている。一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとが周方向CDにおいて第1周磁石311aを介して隣り合うように配置されている。換言すれば、第1周磁石311aは、周方向CDにおいて第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとの間に設けられている。また、一対の内軸磁石312a,312bと一対の外軸磁石313a,313bとは、第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとが周方向CDにおいて第2周磁石311bを介して隣り合うように配置されている。換言すれば、第2周磁石311bは、周方向CDにおいて第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとの間に設けられている。
複数の磁石310には、一対の周磁石311a,311bが含まれている。一対の周磁石311a,311bは、一対の内軸磁石312a,312bを介して隣り合っている。一対の周磁石311a,311bは、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されている。
複数の磁石ユニット316には、第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bが含まれている。第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bは、周方向CDに複数ずつ並べられている。第1配向ユニット319aと第2配向ユニット319bとは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。第1配向ユニット319aと第2配向ユニット319bとは、全体としての配向が互いに逆向きになっている。
第1配向ユニット319aは、第1周磁石311a、第1内軸磁石312a及び第1外軸磁石313aを1つずつ有している。第1配向ユニット319aにおいては、第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとの間に第1周磁石311aが配置されている。第1配向ユニット319aにおいては、第1周磁石311aと第1内軸磁石312aと第1外軸磁石313aとが互いに固定されてユニット化されている。
第2配向ユニット319bは、第2周磁石311b、第2内軸磁石312b及び第2外軸磁石313bを1つずつ有している。第2配向ユニット319bにおいては、第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとの間に第2周磁石311bが配置されている。第2配向ユニット319bにおいては、第2周磁石311bと第2内軸磁石312bと第2外軸磁石313bとが互いに固定されてユニット化されている。
第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、互いに点対称に設けられている。第1ロータ300aは、第2ロータ300bに対して180度回転させた向きで配置されている。第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、それぞれのロータ第1面301がステータ200を介して対向している。第1ロータ300aと第2ロータ300bとは、それぞれをステータ200とは反対側から見た場合に、周方向CDでの周磁石311a,311b、内軸磁石312a,312b及び外軸磁石313a,313bの並び順が同じになっている。
第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、それぞれの第1周磁石311aが軸方向ADに並んでいる。第1ロータ300a及び第2ロータ300bにおいては、一方が有する一対の内軸磁石312a,312bと、他方が有する一対の外軸磁石313a,313bと、が軸方向ADに並んでいる。この構成では、一方の第1内軸磁石312aと他方の第1外軸磁石313aとが軸方向ADに並んでいる。また、一方の第2内軸磁石312bと他方の第2外軸磁石313bとが軸方向ADに並んでいる。さらに、一方の内境界部BIと他方の外境界部BOとが軸方向ADに並んでいる。
<構成群Bb>
図28、図29、図30に示すように、ロータ300は、磁石ホルダ320及び磁石310に加えて、固定ブロック330及び磁石固定具335を有している。磁石固定具335は、ボルト等の固定具であり、金属材料等により形成されている。磁石固定具335は、固定ブロック330を介して磁石310を磁石ホルダ320に固定している。ロータ300においては、磁石310及び固定ブロック330が磁石ホルダ320に対してロータ第1面301側に設けられている。磁石310は、軸方向ADにおいてロータ第1面301側から磁石ホルダ320に重ねられている。磁石310は、軸方向ADにおいて固定ブロック330と磁石ホルダ320との間に挟み込まれた状態になっている。磁石固定具335は、ロータ第2面302側から磁石ホルダ320を貫通して固定ブロック330に螺着されている。
磁石ホルダ320は、ホルダ本体321及び外周係合部322を有している。ホルダ本体321は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。ホルダ本体321は、磁石ホルダ320の主要部分を形成している。ホルダ本体321は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。磁石ホルダ320は、ホルダ内周端320a(図31参照)及びホルダ外周端320bを有している。ホルダ内周端320aは磁石ホルダ320の内周端であり、ホルダ外周端320bは磁石ホルダ320の外周端である。ホルダ本体321は、ホルダ内周端320a及びホルダ外周端320bを形成している。
外周係合部322は、ホルダ本体321に設けられた突出部であり、軸方向ADにおいてホルダ本体321からロータ第1面301側に突出している。外周係合部322は、ホルダ外周端320bに設けられている。外周係合部322は、径方向内側に向けて延びた部位を有しており、この部位とホルダ本体321との間に磁石310を挟み込んだ状態になっている。外周係合部322は、係合テーパ面322aを有している。係合テーパ面322aは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。係合テーパ面322aは、径方向内側を向いており、ホルダ本体321側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。磁石310は、係合テーパ面322aとホルダ本体321との間に径方向内側から入り込んだ状態になっている。
固定ブロック330は、金属材料等により形成されている。固定ブロック330は、径方向RDにおいて磁石310を介して外周係合部322とは反対側に設けられている。固定ブロック330は、径方向外側に向けて延びた部位を有しており、この部位とホルダ本体321との間に磁石310を挟み込んだ状態になっている。固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aを有している。ブロックテーパ面330aは、固定ブロック330の外面に含まれている。ブロックテーパ面330aは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。ブロックテーパ面330aは、径方向外側を向いており、ホルダ本体321側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。磁石310は、ブロックテーパ面330aとホルダ本体321との間に径方向外側から入り込んだ状態になっている。
磁石310は、径方向RDにおいて外周係合部322と固定ブロック330との間に設けられている。磁石310は、径方向RDにおいて外周係合部322と固定ブロック330との間に挟み込まれた状態で、ホルダ本体321に対して固定されている。
図31に示すように、固定ブロック330及び磁石固定具335は、磁石310と共に周方向CDに複数並べられている。固定ブロック330は、周方向CDにおいて複数の磁石310にかけ渡された状態になっている。外周係合部322は、ホルダ外周端320bに沿って延びている。外周係合部322は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。
固定ブロック330及び磁石固定具335は、磁石ホルダ320に対して磁石ユニット316を固定することで磁石310を固定している。磁石ユニット316は、固定ブロック330及び磁石固定具335と共に周方向CDに複数並べられている。
図32に示すように、磁石ユニット316は、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b、ユニット側面316cを有している。ユニット内周端316aは、磁石ユニット316において径方向内側の端部であり、周方向CDに延びている。ユニット内周端316aは、例えば径方向RDに直交する接線に沿って直線状に延びている。ユニット外周端316bは、磁石ユニット316において径方向外側の端部であり、周方向CDに延びている。ユニット外周端316bは、例えば径方向外側に向けて膨らむように円弧に沿って曲線状に延びている。
ユニット側面316cは、磁石ユニット316において周方向CDに一対並べられている。一対のユニット側面316cは径方向RDに延びている。ユニット側面316cは、径方向RDにおいてユニット内周端316aとユニット外周端316bとにかけ渡された状態になっている。
磁石ユニット316は、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eを有している。内周テーパ面316dは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜しており、ユニット内周端316aから径方向外側に向けて延びている。外周テーパ面316eは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜しており、ユニット外周端316bから径方向内側に向けて延びている。
磁石ユニット316においては、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b、ユニット側面316c、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eが、少なくとも1つの磁石310により形成されている。
図29、図30に示すように、磁石ユニット316は、内周テーパ面316dがブロックテーパ面330aに重ねられた状態で、固定ブロック330と磁石ホルダ320との間に挟み込まれた状態になっている。固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dを径方向RDにおいて磁石ホルダ320側に向けて押し付けていることにより、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。また、磁石ユニット316は、外周テーパ面316eが係合テーパ面322aに重ねられた状態で、外周係合部322とホルダ本体321との間に挟み込まれた状態になっている。外周係合部322及び固定ブロック330は、軸方向AD及び径方向RDの両方について、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。
なお、固定ブロック330が固定支持部に相当し、ブロックテーパ面330aが支持傾斜面に相当し、内周テーパ面316dが磁石傾斜面に相当する。
次に、モータ装置60の製造方法について説明する。モータ装置60を製造する工程には、ロータ300を製造する工程が含まれている。作業者は、準備工程として、磁石ユニット316、磁石ホルダ320、固定ブロック330、磁石固定具335を準備する。そして、作業者は、磁石ホルダ320においてホルダ本体321と外周係合部322との間に磁石ユニット316を径方向内側から入り込ませる。その後、作業者は、磁石ユニット316をホルダ本体321に重ねた状態で、固定ブロック330とホルダ本体321との間に磁石ユニット316を挟み込むようにして、磁石固定具335により固定ブロック330をホルダ本体321に固定する。作業者がホルダ本体321に対して磁石固定具335をねじ込んでいくことで、外周テーパ面316eが係合テーパ面322aに押し付けられ、且つブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dに押し付けられる。
<構成群Bc>
図33、図34、図35に示すように、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318は、ロータ300において周方向CDに複数ずつ並べられている。傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318とは、周方向CDにおいて1つずつ交互に並べられている。
図34に示すように、傾斜磁石ユニット317においては、一対のユニット側面316cが径方向外側に向けて互いに遠ざかるように傾斜している。傾斜磁石ユニット317においては、一対のユニット側面316cの離間距離が、径方向外側に向けて徐々に大きくなっている。傾斜磁石ユニット317では、径方向RDにおいてユニット外周端316bがユニット内周端316aよりも長くなっている。傾斜磁石ユニット317は、全体として台形状又は扇形状に形成されている。
平行磁石ユニット318においては、一対のユニット側面316cが平行に延びている。一対のユニット側面316cは、周方向CDに直交する方向に延びている。平行磁石ユニット318においては、一対のユニット側面316cの離間距離が、径方向RDにおいて均一になっている。平行磁石ユニット318では、径方向RDにおいてユニット外周端316bとユニット内周端316aとがほぼ同じ長さになっている。平行磁石ユニット318は、全体として長方形状に形成されている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ロータ300を製造する方法について説明する。ロータ300を製造する工程では、上述したように、作業者が、磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定する。作業者は、複数の磁石ユニット316として、傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318とを、周方向CDに1つずつ交互に配置されるように磁石ホルダ320に並べていく。作業者は、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318のいずれも、ユニット外周端316bを外周係合部322とホルダ本体321との間に入り込ませる。作業者は、磁石ホルダ320に最後に並べる1つの磁石ユニット316が平行磁石ユニット318になるようにする。作業者は、最後の1つの平行磁石ユニット318を、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませつつ、ユニット外周端316bを外周係合部322とホルダ本体321との間に入り込ませる。
なお、作業者は、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に配置するたびに、その磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定してもよい。また、作業者は、全ての磁石ユニット316を磁石ホルダ320に配置した後に、全ての磁石ユニット316を固定ブロック330及び磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定してもよい。
例えば本実施形態とは異なり、複数の磁石ユニット316の全てが傾斜磁石ユニット317である構成を想定する。この構成では、ロータ300の製造工程において作業者が、最後の1つの傾斜磁石ユニット317を、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませることができない。これは、外周係合部322よりも径方向内側においては、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の離間距離が、最後の1つの傾斜磁石ユニット317が有するユニット外周端316bの幅寸法よりも小さいためである。
これに対して、本実施形態では、作業者は、最後の1つの磁石ユニット316を平行磁石ユニット318とすることで、この平行磁石ユニット318を周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に差し入れることができる。これは、外周係合部322よりも径方向内側の領域と、外周係合部322の内側の領域とで、周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の離間距離が同じであるためである。
<構成群Bd>
図36、図37、図38に示すように、ロータ300はホルダ固定具350を有している。ホルダ固定具350は、ボルト等の固定具であり、金属材料等により形成されている。ホルダ固定具350は、磁石ホルダ320をシャフトフランジ342に固定している。ホルダ固定具350は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ固定具350は、例えばロータ第2面302側から磁石ホルダ320を貫通した状態でシャフトフランジ342に螺着されている。
図36、図38、図39に示すように、シャフトフランジ342は、スポーク343及びリム344を有している。スポーク343は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びている。スポーク343は、周方向CDに複数並べられている。リム344は、モータ軸線Cmの周りを周方向CDに延びており、全体として環状に形成されている。リム344は、シャフト本体341から径方向外側に離間した位置に設けられている。リム344は、周方向CDに隣り合う2つのスポーク343を接続している。スポーク343は、径方向RDにおいてシャフト本体341とリム344とを接続している。
リム344は、一対のリム先端部344aを有している。リム344は、スポーク343から軸方向ADの両方に向けて延びている。リム344においては、一対のリム先端部344aが軸方向ADに並んでいる。リム先端部344aは、スポーク343から軸方向ADに離間した位置にある。軸方向ADにおいては、リム344の高さ寸法がスポーク343の高さ寸法よりも大きくなっている。
図36、図37、図38に示すように、ロータ300は、軸方向ADの一方側からシャフトフランジ342に重ねられた状態になっている。シャフトフランジ342においては、少なくともリム先端部344aがロータ300に接触している。シャフト340においては、ロータ300に接触した部位のうち最も径方向外側にある部位がリム先端部344aである。リム先端部344aは、ロータ300において磁石310から径方向内側に離間した位置にある。ホルダ固定具350は、リム先端部344aから径方向内側に離間した位置にある。ホルダ固定具350は、径方向RDにおいてリム先端部344aを介して磁石310とは反対側にある。
ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に挿入された状態で、磁石ホルダ320とシャフトフランジ342とを固定している。ホルダ固定孔325は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダ固定孔325は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通している。ホルダ固定孔325は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ固定孔325は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。フランジ固定孔345は、シャフトフランジ342に設けられている。フランジ固定孔345は、例えばスポーク343に設けられている。フランジ固定孔345は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。フランジ固定孔345は、周方向CDに複数並べられている。フランジ固定孔345は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。例えば、ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325を通ってフランジ固定孔345に対してねじ込まれている。
図36に示すように、モータ装置60においては、ロータ300に対して吸引力F1が生じる。吸引力F1は、軸方向ADにおいて磁石310がコイル211側に吸引される力であり、磁石310の磁力により生じる。吸引力F1は、ロータ300において磁石310の周辺部位をステータ200側に曲げようとする力である。
モータ装置60においては、吸引力F1に抗する曲げ応力F2がロータ300に生じる。曲げ応力F2は、ロータ300において磁石310の周辺部位をステータ200とは反対側に曲げようとする力である。曲げ応力F2は、ホルダ固定具350がロータ300をステータ200側に押圧することで生じる。ホルダ固定具350は、ロータ300に押圧力F3を加える。押圧力F3は、軸方向ADにおいてロータ300をステータ200側に押圧する力である。ロータ300においては、リム先端部344aが押圧力F3に対する支点になることで曲げ応力F2が生じる。なお、ホルダ固定具350が押圧部材に相当し、リム先端部344aが支点に相当する。
例えば本実施形態とは異なり、ホルダ固定具350による押圧力F3が生じない構成を想定する。この構成では、ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADにおいてステータ200側に近づいて、ロータ300がリム先端部344aを支点としてステータ200側に反るように変形することが懸念される。これに対して、本実施形態では、ロータ300がリム先端部344aを支点としてステータ200側に反るように変形するということが、ホルダ固定具350により生じる押圧力F3により抑制される。
<構成群Be>
図40、図41に示すように、ホルダ固定具350は、シャフトフランジ342においてリム344よりも径方向内側の部位に固定されている。ホルダ固定具350は、リム344から径方向内側に離間した位置において、磁石ホルダ320を貫通してスポーク343に対してねじ込まれている。磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位との間には、ロータ隙間GRが設けられている。
磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位は、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が挿入されたホルダ固定孔325である。スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位は、スポーク343においてホルダ固定具350が挿入されたフランジ固定孔345である。ロータ隙間GRは、軸方向ADにおいてロータ300とシャフトフランジ342との間に形成された離間空間である。ロータ隙間GRは、軸方向ADにおいて磁石ホルダ320とスポーク343との間に形成されている。リム344よりも径方向内側においては、磁石ホルダ320とスポーク343とが軸方向ADに離間している。
ホルダ固定具350は、軸方向ADにおいてロータ隙間GRの幅寸法を増減することが可能になっている。スポーク343に対するホルダ固定具350のねじ込み量が大きくなるほど、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343において磁石固定具335が固定された部位とが接近して、ロータ隙間GRが小さくなる。ホルダ固定具350のねじ込み量が大きくなるほど押圧力F3が大きくなり、曲げ応力F2が増加する。このため、シャフトフランジ342とロータ300との間にロータ隙間GRが確保されていることで、吸引力F1に抗するための曲げ応力F2を調整可能になっている。
例えば本実施形態とは異なり、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位とが、互いに接触している構成を想定する。この構成では、ホルダ固定具350によって磁石ホルダ320を更に変形させることが困難であり、押圧力F3を更に大きくすることが困難である。このため、例えば吸引力F1に対して押圧力F3が不足している場合でも、その不足を解消できないことが懸念される。これに対して、本実施形態では、磁石ホルダ320においてホルダ固定具350が固定された部位と、スポーク343においてホルダ固定具350が固定された部位と、が軸方向ADに離間しているため、押圧力F3を更に大きくすることが可能である。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ロータ300とシャフト340とを組み付ける方法について説明する。ロータ300をシャフト340に取り付ける工程では、作業者が、ホルダ固定具350をホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に挿入する。作業者は、ホルダ固定孔325を挿通させたホルダ固定具350をフランジ固定孔345に対してねじ込む際に、磁石ホルダ320において磁石310の周辺部位がロータ第2面302側に反る程度に、ホルダ固定具350のねじ込み量を調整する。すなわち、作業者はホルダ固定具350により押圧力F3を調整する。
その後、ロータ300及びシャフト340にステータ200を取り付ける工程では、作業者は、ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADに反っていないことを確認する。ロータ300において磁石310の周辺部位が軸方向ADに沿っている場合、作業者は、ホルダ固定具350のねじ込み量を調整することでロータ300の反りを解消する。すなわち、作業者は、曲げ応力F2が吸引力F1に同じになるようにホルダ固定具350により押圧力F3を調整する。
<構成群Bf>
図43、図44、図45に示すように、シャフトフランジ342においては、スポーク343に設けられた複数のフランジ固定孔345に第1フランジ固定孔345a及び第2フランジ固定孔345bが含まれている。第1ロータ300aに設けられたホルダ固定孔325を第1ホルダ固定孔325aと称すると、第1ホルダ固定孔325aと第1フランジ固定孔345aとは軸方向ADに並べられている。第2ロータ300bに設けられたホルダ固定孔325を第2ホルダ固定孔325bと称すると、第2ホルダ固定孔325bと第2フランジ固定孔345bとは軸方向ADに並べられている。第1フランジ固定孔345aと第2フランジ固定孔345bとは、例えば周方向CDにおいて交互に並べられている。
なお、図43は、モータ61の縦断面について、第1ロータ300a、第2ロータ300b及びシャフトフランジ342を径方向内側から見てホルダ固定具350の並びを平面上に展開した概略図である。
図42、図43、図44に示すように、モータ装置60は、ホルダ固定具350として第1ホルダ固定具350a及び第2ホルダ固定具350bを有している。第1ホルダ固定具350aは、第1ロータ300aをシャフトフランジ342に固定している。第1ホルダ固定具350aは、第1ホルダ固定孔325aと第1フランジ固定孔345aとに挿入されている。第1ホルダ固定具350aは、例えば第1ホルダ固定孔325aを通って第1フランジ固定孔345aに対してねじ込まれている。なお、第1ホルダ固定具350aが第1固定具に相当する。第1ホルダ固定孔325aが第1ロータ孔に相当し、第1フランジ固定孔345aが第1シャフト孔に相当する。
第2ホルダ固定具350bは、第2ロータ300bをシャフトフランジ342に固定している。第2ホルダ固定具350bは、第2ホルダ固定孔325bと第2フランジ固定孔345bとに挿入されている。第2ホルダ固定具350bは、例えば第2ホルダ固定孔325bを通って第2フランジ固定孔345bに対してねじ込まれている。第2ホルダ固定具350bが第2固定具に相当する。第2ホルダ固定孔325bが第2ロータ孔に相当し、第2フランジ固定孔345bが第2シャフト孔に相当する。
第1ホルダ固定孔325aと第2ホルダ固定孔325bとは、周方向CDに離間した位置に設けられている。第1フランジ固定孔345aと第2フランジ固定孔345bとは、第1ホルダ固定孔325aと第2ホルダ固定孔325bとの位置関係に合わせて、周方向CDに離間した位置にある。
図42、図43に示すように、モータ装置60は、位置決めピン355を有している。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向においてロータ300とシャフト340との相対位置を決めている。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向において、シャフト340に対してロータ300が位置ずれすることを規制している。例えば、位置決めピン355は、シャフト340に対してロータ300が周方向CDに位置ずれすることを規制している。
図42、図43、図44に示すように、モータ装置60は、ホルダピン孔327を有している。ホルダピン孔327は、ロータ300に含まれている。ホルダピン孔327は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダピン孔327は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通している。ホルダピン孔327は、周方向CDに複数並べられている。ホルダピン孔327は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。磁石ホルダ320においては、ホルダ固定孔325とホルダピン孔327とが周方向CDに並べられている。
モータ装置60は、フランジピン孔348を有している。フランジピン孔348は、シャフト340に含まれている。フランジピン孔348は、シャフトフランジ342に設けられている。フランジピン孔348は、例えばスポーク343に設けられている。フランジピン孔348は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。フランジピン孔348は、周方向CDに複数並べられている。フランジピン孔348は、リム344から径方向内側に離間した位置にある。シャフト340においては、フランジ固定孔345とフランジピン孔348とが周方向CDに並べられている。
ホルダピン孔327とフランジピン孔348とは、軸方向ADに並べられている。位置決めピン355は、軸方向ADにおいてホルダピン孔327とフランジピン孔348とにかけ渡された状態で、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348のそれぞれに挿入されている。位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348のそれぞれに嵌合されている。例えば、位置決めピン355は、フランジピン孔348には圧入されており、ホルダピン孔327には隙間ばめされている。位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対してガタが生じないようになっている。位置決めピン355は、軸方向ADに直交する方向において、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対して相対的に移動しないようになっている。例えば、位置決めピン355は、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348に対して周方向CDに相対的に移動しないようになっている。
ホルダ固定具350は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に対してガタが生じやすい。例えば、ホルダ固定孔325は、ホルダ固定孔325及びフランジ固定孔345に対して周方向CDに相対的に移動することが考えられる。この場合、周方向CDにおいてロータ300とシャフト340とが相対的に位置ずれすることが懸念される。これに対して、位置決めピン355とホルダピン孔327及びフランジピン孔348とではガタが生じないようになっているため、ロータ300とシャフト340との位置ずれが位置決めピン355により抑制される。なお、位置決めピン355、ホルダピン孔327及びフランジピン孔348は、図37、図38、図39にも図示されている。
第1ロータ300aに設けられたホルダピン孔327を第1ホルダピン孔327aと称し、第2ロータ300bに設けられたホルダピン孔327を第2ホルダピン孔327bと称する。位置決めピン355は、モータ装置60に複数含まれている。複数の位置決めピン355には、第1ロータ300aとシャフト340との位置決めを行う位置決めピン355が含まれている。この位置決めピン355は、第1ホルダピン孔327aに嵌合されている。また、複数の位置決めピン355には、第2ロータ300bとシャフト340との位置決めを行う位置決めピン355が含まれている。この位置決めピン355は、第2ホルダピン孔327bに嵌合されている。
第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとは、フランジピン孔348を介して軸方向ADに並んでいる。すなわち、第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとが周方向CDに離間していない。第1ホルダピン孔327aに嵌合された位置決めピン355と、第2ホルダピン孔327bに嵌合された位置決めピン355とは、軸方向ADに並んでいる。このため、第1ロータ300aと第2ロータ300bとで、位置決めピン355により回転バランス等のバランスに差異が生じる、ということが生じにくくなっている。
例えば本実施形態とは異なり、第1ホルダピン孔327aと第2ホルダピン孔327bとが周方向CDにずれた位置にある構成を想定する。この構成では、第1ロータ300aと第2ロータ300bとで、位置決めピン355の位置が周方向CDにずれていることに起因して、バランスに差異が生じることが懸念される。
シャフトフランジ342は、フランジ肉厚部347を有している。フランジ肉厚部347は、シャフトフランジ342において他の部位に比べて肉厚になっている部位である。フランジ肉厚部347は、軸方向AD一方側及び他方側のそれぞれにおいてスポーク343から突出した状態になっている。
フランジピン孔348は、シャフトフランジ342においてフランジ肉厚部347に設けられている。フランジピン孔348は、フランジ肉厚部347を軸方向ADに貫通している。モータ装置60では、フランジピン孔348がフランジ肉厚部347にあることで、軸方向ADにおいてフランジピン孔348とホルダピン孔327とが極力近い位置に配置されている。位置決めピン355においては、軸方向ADにおいてフランジピン孔348とホルダピン孔327との間にある部位が極力短くなっている。このため、位置決めピン355においてフランジピン孔348とホルダピン孔327との間にある部位が変形して、ロータ300がシャフト340に対して周方向CDに相対的に位置ずれする、ということが生じにくくなっている。
フランジピン孔348がフランジ肉厚部347に設けられていることで、位置決めピン355においてフランジピン孔348に嵌合した部位が軸方向ADに極力長くなっている。このため、フランジピン孔348に対して位置決めピン355が位置精度良く立ちやすくなっている。また、シャフトフランジ342は、フランジ肉厚部347を有していることで、局所的に肉厚になっている。このため、例えばシャフトフランジ342の全体が肉厚になっている構成とは異なり、シャフトフランジ342の軽量化を図りつつ、フランジピン孔348に対する位置決めピン355のガタが生じにくくなっている。
モータ装置60においては、第1ロータ300aと第2ロータ300bとが点対称の関係になっている。このため、ロータ300として用いられる2つの部材のうち一方を第1ロータ300aとし、他方を第1ロータ300aに対して点対称になるように配置して第2ロータ300bとすることができる。このように第1ロータ300aとして用いる部材と、第2ロータ300bとして用いる部材とを共通化することで、第1ロータ300a及び第2ロータ300bを製造するためのコストを低減できる。
<構成群Ca>
図46、図47に示すように、モータハウジング70は内周面70bを有している。内周面70bは、モータハウジング70の内面に含まれており、全体として周方向CDに環状に延びている。
モータハウジング70は、ステータ保持部171を有している。ステータ保持部171は、内周面70bに設けられた凸部である。ステータ保持部171は、ハウジング本体71から径方向内側に向けて突出している。ステータ保持部171は、周方向CD及び軸方向ADの少なくとも一方において複数並べられている。ステータ保持部171は、ハウジング本体71と共に内周面70bを形成している。
複数のステータ保持部171には、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174が含まれている。第1周保持部172及び第2周保持部173は、ハウジング本体71に沿って周方向CDに延びている。第1周保持部172と第2周保持部173とは、軸方向ADに並べられており、互いに平行に設けられている。第1周保持部172は、軸方向ADにおいて第2周保持部173よりもリアフレーム370側に設けられている。第1周保持部172は、モータハウジング70におけるリアフレーム370側の端部から第2周保持部173側に離間した位置にある。第2周保持部173は、モータハウジング70におけるインバータ装置80とは反対側の端部から第1周保持部172側に離間した位置にある。
軸保持部174は、ハウジング本体71に沿って軸方向ADに延びている。軸保持部174は、周方向CDに複数並べられている。軸保持部174は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173とにかけ渡された状態になっている。軸保持部174は、第1周保持部172と第2周保持部173とを接続している。
モータハウジング70は、保持凹部175を有している。保持凹部175は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174により形成されている。保持凹部175は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173との間であって、周方向CDにおいて隣り合う2つの軸保持部174の間に形成されている。保持凹部175は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174に対して径方向外側に向けて凹んだ凹部である。保持凹部175は、軸保持部174と共に周方向CDに複数並べられている。
図48、図49に示すように、モータハウジング70の内部においては、コイル保護部250が内周面70bに重ねられている。コイル保護部250は、内周面70bに密着するように接触している。コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173との間に入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、周方向CDにおいて隣り合う2つの軸保持部174の間に入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、保持凹部175の内部に入り込んだ状態になっており、保持凹部175の内面に重ねられている。
コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172と第2周保持部173とにかけ渡された状態になっている。例えば、コイル保護部250は、第1周保持部172及び第2周保持部173のそれぞれの先端面に重ねられている。なお、コイル保護部250は、軸方向ADにおいて第1周保持部172及び第2周保持部173から外側にはみ出していてもよい。
図49に示すように、複数の軸保持部174は、周方向CDにおいてコイル部215の位置に合わせて配置されている。周方向CDに並ぶ軸保持部174の数と、周方向CDに並ぶコイル部215の数とは同じになっている。軸保持部174とコイル部215とは、軸方向ADに並べられており、軸方向ADにおいて互いに対向している。コイル部215は、コイル軸線Ccが軸保持部174を通る位置に設けられている。コイル軸線Ccは、コイル部215の中心を通って径方向RDに延びる直線状の仮想線である。例えば、コイル部215は、コイル軸線Ccが周方向CDにおける軸保持部174の中心を通る位置に配置されている。また、コイル部215は、コイル軸線Ccが軸方向ADにおける軸保持部174の中心を通る位置に配置されている。
なお、図49においては、モータハウジング70及びステータ200の横断面図を外周面70aが直線状に延びるように展開した図である。また、モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、軸保持部174が軸凸部に相当する。
コイル保護部250においては、熱伝導性及び電気絶縁性が高いことが好ましい。ただし、コイル保護部250において、熱伝導性及び電気絶縁性の両方を高くすることが困難であれば、熱伝導性を電気絶縁性よりも優先して高くすることが好ましい。例えば、コイル保護部250の熱伝導性は、ボビン240の熱伝導性よりも高くなっている。具体的には、コイル保護部250の熱伝導率はボビン240の熱伝導率よりも大きくなっている。一方で、コイル保護部250の電気絶縁性は、ボビン240の電気絶縁性よりも低くなっている。具体的には、コイル保護部250の誘電率はボビン240の誘電率よりも大きくなっている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、ステータ200を製造する方法について説明する。ステータ200を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210及びモータハウジング70を準備する。そして、作業者は、モータハウジング70の内部にコイルユニット210を設置し、コイルユニット210ごとモータハウジング70をモールド成形用の金型に装着する。作業者は、射出成形によりモータハウジング70の内部にコイル保護部250を成形する。このようにコイルユニット210及びモータハウジング70がインサートモールドによりコイル保護部250に一体化されたモータ装置60では、コイル保護部250がコイル部215及び内周面70bの両方に密着するように接触している。
<構成群Cb>
図50に示すように、モータハウジング70においては、内周面70bにハウジングベース面176及びハウジング粗面177が含まれている。ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176よりも粗い面である。ハウジング粗面177は、例えば微小な凹凸が多数設けられていることで、面が粗い状態になっている。ハウジング粗面177は、粗面を形成するための粗面加工がモータハウジング70に施されることで形成されている。ハウジング粗面177を形成する粗面加工としては、機械的な加工及び科学的な加工などがある。
ハウジングベース面176は、軸方向ADにおいてステータ保持部171よりも外側に設けられている。例えば、ハウジングベース面176は、軸方向ADにおいて第1周保持部172及び第2周保持部173よりも外側に設けられている。ハウジングベース面176は、内周面70bに沿って環状に形成されている。
ハウジング粗面177は、軸方向ADにおいてステータ保持部171の外面を含んでハウジングベース面176の内側に設けられている。ハウジング粗面177は、少なくとも保持凹部175の内面に設けられている。ハウジング粗面177は、ステータ保持部171の外面に設けられている。例えば、ハウジング粗面177は、第1周保持部172、第2周保持部173及び軸保持部174の外面に設けられている。なお、図50においては、ハウジング粗面177にドットハッチングを付してある。
内周面70bにおいては、コイル保護部250が重ねられる部位が少なくともハウジング粗面177になっている。ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176に比べてコイル保護部250が密着しやすい面になっている。また、ハウジング粗面177は、ハウジングベース面176に比べて表面積が大きくなりやすい。このため、ハウジング粗面177とコイル保護部250との接触面積が大きくなりやすい。
<構成群Cc>
図51、図52に示すように、ステータ200においては、電力引出線212がコイル保護部250から引き出されている。グロメット255は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。電力引出線212がコイル保護部250から引き出された部分はグロメット255により保護されている。グロメット255はモータ装置60に含まれている。グロメット255は、電力引出線212においてコイル保護部250の内部に埋め込まれた部位とコイル保護部250から露出した部分との境界部を跨いだ状態で、電力引出線212を覆っている。なお、図51においては、コイル保護部250の図示を省略している。
グロメット255は、埋設部255a及び露出部255bを有している。埋設部255aは、グロメット255においてコイル保護部250に埋設された部位である。露出部255bは、グロメット255においてコイル保護部250から露出した部位である。露出部255bは、埋設部255aからコイル保護部250の外側に向けて延びている。露出部255bは、例えば埋設部255aから軸方向ADにおいてリアフレーム370側に向けて延びている。
電力引出線212は、モータハウジング70において内周面70bに沿って軸方向ADに延びるようにして、コイル保護部250から引き出されている。図52、図53に示すように、モータハウジング70には引出溝部171aが設けられている。電力引出線212は、引出溝部171aを通じてコイル保護部250から引き出されている。引出溝部171aは、ステータ保持部171に設けられている。引出溝部171aは、第1周保持部172に設けられており、径方向内側に開放された状態で第1周保持部172を軸方向ADに貫通している。
図51、図52に示すように、グロメット255は、電力引出線212において引出溝部171aを通っている部位を少なくとも覆っている。グロメット255は、電力引出線212ごと引出溝部171aに径方向内側から入り込んだ状態になっている。グロメット255は、引出溝部171aの内面に密着している。グロメット255は、引出溝部171aの内面と電力引出線212との隙間を埋めている。グロメット255は、例えば弾性変形可能になっており、弾性変形することで引出溝部171aに嵌合されている。なお、電力引出線212がコイル引出線に相当し、グロメット255が引出線保護部に相当する。
次に、ステータ200を製造する方法のうち、コイル保護部250を製造する方法について説明する。コイル保護部250を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255を準備する。そして、作業者は、コイルユニット210の電力引出線212にグロメット255を取り付ける。作業者は、モータハウジング70の内部にコイルユニット210を設置する作業と、電力引出線212ごとグロメット255を引出溝部171aに嵌め込む作業と、を行う。
作業者は、コイルユニット210及びグロメット255付きのモータハウジング70を金型に装着し、コイル保護部250をモールド成形する。この場合、引出溝部171aにグロメット255が嵌め込まれているため、溶融樹脂が引出溝部171aから流出するということがグロメット255により抑制される。
<構成群Cd>
図54に示すように、コアユニット230は、コア231及びボビン240を有している。コアユニット230は、コイル211と共にコイル保護部250により覆われた常置になっており、コイル保護部250により保護されている。コイル保護部250は、ボビン240の少なくとも一部に密着するように接触している。
ボビン240は、樹脂材料等により形成されている。ボビン240は、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂により形成されている。ボビン240は、例えばモールド成形により成形されたモールド樹脂である。ボビン240は、電気絶縁性を有している。ボビン240は、熱伝導性を有しており、コア231からの熱が伝わりやすくなっている。ボビン240は、例えば空気よりも大きい熱伝導率を有している。
ボビン240は、コア231の少なくとも一部を覆った状態になっており、コア231を保護している。ボビン240は、軸方向ADに直交する方向に延びるようにしてコア231を覆っている。ボビン240は、全体として環状に形成されている。ボビン240は、コア231の外面に密着するように接触している。ボビン240は、コイル211からの熱をコイル保護部250に伝えやすくなっている。
ボビン240においては、熱伝導性及び電気絶縁性が高いことが好ましい。ただし、ボビン240において、熱伝導性及び電気絶縁性の両方を高くすることが困難であれば、電気絶縁性を熱伝導性よりも優先して高くすることが好ましい。例えば、ボビン240の電気絶縁性は、コイル保護部250の電気絶縁性よりも高くなっている。具体的には、ボビン240の誘電率は、コイル保護部250の誘電率よりも小さくなっている。一方で、ボビン240の熱伝導性は、コイル保護部250の熱伝導性よりも低くなっている。具体的には、ボビン240の熱伝導率はコイル保護部250の熱伝導率よりも小さくなっている。
<構成群Ce>
図55に示すように、ボビン240は、ボビン胴部241及びボビンフランジ242を有している。ボビン胴部241は、全体として柱状に形成されており、軸方向ADに延びている。ボビン胴部241の外周面241aは、軸方向ADに直交する方向に延びるように環状に形成されている。
ボビンフランジ242は、外周面241aから外側に向けて延びている。ボビンフランジ242は、外周面241aから軸方向ADに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。ボビンフランジ242は、軸方向ADに並べて一対設けられている。ボビン240においては、一対のボビンフランジ242の間において、ボビン胴部241にコイル211が巻回されている。
ボビンフランジ242は、フランジ内板面243、フランジ外板面244及びフランジ端面245を有している。ボビンフランジ242においては、一対の板面のうちボビン胴部241側の板面がフランジ内板面243であり、ボビン胴部241とは反対側の板面がフランジ外板面244である。一対のボビンフランジ242においては、それぞれのフランジ内板面243が互いに対向している。フランジ端面245は、ボビンフランジ242の先端面であり、軸方向ADに直交する方向に延びている。フランジ端面245は、ボビン胴部241から外側に離間した位置にある。
ボビン240の外面には、ボビンベース面246及びボビン粗面247が含まれている。ボビン粗面247は、ボビンベース面246よりも粗い面である。ボビン粗面247は、例えば微小な凹凸が多数設けられていることで、面が粗い状態になっている。ボビン粗面247は、粗面を形成するための粗面加工がボビン240に施されることで形成されている。ボビン粗面247を形成する粗面加工としては、機械的な加工及び科学的な加工などがある。なお、図55においては、ボビン粗面247にドットハッチングを付している。
ボビンベース面246には、例えば外周面241a、フランジ内板面243及びフランジ外板面244が含まれている。ボビン粗面247には、例えばフランジ端面245が含まれている。なお、フランジ外板面244が粗面に含まれていてもよい。
ボビン240においては、コイル保護部250が重ねられる部位が少なくともボビン粗面247になっている。図56に示すように、コイルユニット210においては、ボビン240にコイル211が巻回された状態で、少なくともフランジ外板面244及びフランジ端面245が外側に露出している。また、モータ装置60においては、コイルユニット210がコイル保護部250で覆われた状態で、コイル保護部250が少なくともフランジ端面245を覆っている。すなわち、コイル保護部250は、フランジ端面245に重なっている。コイル保護部250は、基本的にはフランジ外板面244を覆っていない。
モータ装置60においては、フランジ端面245がボビン粗面247に含まれていることで、コイル保護部250がフランジ端面245に密着しやすくなっている。また、ボビン粗面247であるフランジ端面245は、ボビンベース面246に比べて表面積が大きくなりやすい。このため、フランジ端面245とコイル保護部250との接触面積が大きくなりやすい。
<構成群Cf>
図57、図58に示すように、コア231は、コア胴部232及びコアフランジ233を有している。コア胴部232は、全体として板状に形成されており、軸方向ADに延びている。コア胴部232の外周面232aは、軸方向ADに直交する方向に延びるように環状に形成されている。
コアフランジ233は、外周面232aから外側に向けて延びている。コアフランジ233は、外周面232aから軸方向ADに直交する方向に延びており、全体として板状に形成されている。コアフランジ233は、軸方向ADに並べて一対設けられている。コア231においては、一対のコアフランジ233の間において、ボビン胴部241を介してコア胴部232にコイル211が巻回されている。
図58、図59に示すように、コア231は、全体として径方向内側に向けて徐々に細くなっている。コア231は、コア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなっている。コア幅は、コア231において周方向CDの幅寸法である。コア231の外面には、コア階段面234が含まれている。コア階段面234は、径方向RDに階段状に延びている。コア階段面234は、コア胴部232及びコアフランジ233のそれぞれに設けられている。コア階段面234は、コア胴部232及びコアフランジ233のそれぞれにおいて周方向CDに並べて一対設けられている。
コア階段面234は、階段ベース面234a及び階段接続面234bを有している。階段ベース面234a及び階段接続面234bは、径方向RDに複数ずつ並べられている。階段ベース面234aは、周方向CDに直交する方向に延びている。径方向RDにおいて隣り合う2つの階段ベース面234aのうち、径方向内側の階段ベース面234aは、径方向外側の階段ベース面234aよりも周方向CDの内側に配置されている。階段接続面234bは、径方向RDに直交する方向に延びている。階段接続面234bは、径方向RDにおいて隣り合う2つの階段ベース面234aを接続している。
コア231は、複数のコア形成板材236により形成されている。図60に示すように、コア形成板材236は、薄板状の部材である。コア形成板材236は、例えば軟磁性材料により形成されている。コア231は、複数のコア形成板材236を重ねて形成されている。コア231には、大きさ及び形状が異なる複数種類のコア形成板材236が含まれている。コア231においては、コア幅に合わせて複数種類のコア形成板材236が用いられている。コア231においては、1段の階段ベース面234aを形成する複数のコア形成板材236は、大きさ及び形状が同じ1種類のコア形成板材236である。コア231には、少なくとも階段ベース面234aの数と同じ数の種類のコア形成板材236が含まれている。
コア231においては、複数のコア形成板材236が積層されているため、渦電流が生じにくくなっている。このため、コア231にて生じる渦電流損を低減することができる。また、コアユニット230においては、少なくともコア階段面234にボビン240が重ねられている。コア231においては、その外面にコア階段面234が含まれていることで、表面積が大きくなりやすい。コアユニット230においては、コア231とボビン240との接触面積がコア階段面234により大きくなりやすい。
モータ装置60を製造する方法のうち、コア231及びコアユニット230を製造する方法について説明する。コア231を製造する工程では、作業者は、複数種類のコア形成板材236を準備する。そして、作業者は、1種類のコア形成板材236を複数重ねて1段の階段ベース面234aを作成する、という作業を複数段の階段ベース面234aについて行うことで、コア231を作成する。
コアユニット230を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コア231を準備する。そして、作業者は、コア231を金型に装着し、モールド成形によりボビン240を成形する。このようにコア231がインサートモールドによりボビン240に一体化されたコアユニット230では、ボビン240がコア231に密着している。コア231においては、コア階段面234にボビン240が密着している。
例えば本実施形態とは異なり、コア231のコア幅が径方向内側に向けて連続的に小さくなっている構成を想定する。この構成では、コア231の外面にコア階段面234ではなくテーパ面が含まれることになる。このため、複数のコア形成板材236を積層することでテーパ面を形成するには、コア形成板材236の種類が非常に多くなる。コア231の製造については、コア形成板材236の種類が多くなるほどコア形成板材236を製造するためのコストが増加する、ということが懸念される。これに対して、本実施形態では、コア231のコア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなるため、コア形成板材236の種類を制限できる。このため、コア231の製造について、コア形成板材236を製造するためのコストを低減できる。
<構成群Cg>
図61、図62、図63、図64に示すように、ボビン240はフランジ凹部243aを有している。フランジ凹部243aは、一対のボビンフランジ242のそれぞれに設けられている。フランジ凹部243aは、フランジ内板面243に設けられた凹部である。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241の一方側に設けられている。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241の他方側には設けられていない。フランジ凹部243aは、ボビン胴部241に沿って径方向RDに延びている。フランジ凹部243aの両端部はいずれも、径方向RDに開放されている。フランジ凹部243aは、周方向CDにおいてボビン胴部241とは反対側に向けて開放されている。一対のボビンフランジ242のそれぞれに設けられたフランジ凹部243aは、軸方向ADにおいて互いに対向している。なお、フランジ内板面243がフランジ面に相当する。
図65に示すように、コイルユニット210においては、電力引出線212をコイル211から引き出すためにフランジ凹部243aが用いられている。コイル部215においては、第1延出線216を引き出すためにフランジ凹部243aが用いられている。コイル部215においては、コイル線220がフランジ凹部243aを通って引き出されることで第1延出線216が形成されている。
周方向CDにおいてボビン胴部241を介してフランジ凹部243aとは反対側では、フランジ凹部243aがないことに起因してコイル部215とフランジ内板面243との間にデッドスペースが生じにくくなっている。このように、一対のボビンフランジ242の間にデッドスペースが生じにくくなっていることで、ボビン240においてコイル211の占積率を高めることができる。ボビン240においては、一対のボビンフランジ242の間に生じるデッドスペースが小さいほどコイル211の占積率が高くなる。
<構成群Da>
図66に示すように、モータ装置ユニット50において、ユニットハウジング51はモータハウジング70及びインバータハウジング90を有している。ユニットハウジング51の外周面には、モータハウジング70が有する外周面70aと、インバータハウジング90が有する外周面90aとが含まれている。ユニットハウジング51の外周面には、モータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。ユニットハウジング51は、ステータ200、ロータ300及びインバータ81を収容している。モータ装置ユニット50においては、モータ61及びインバータ81の熱がモータフィン72及びインバータフィン92により外部に放出されやすくなっている。
ユニットハウジング51においては、モータハウジング70とインバータハウジング90とが一体化されている。モータハウジング70とインバータハウジング90とは、モータ軸線Cmに沿って軸方向ADに並べられている。モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、インバータハウジング90が装置ハウジングに相当する。
モータハウジング70とインバータハウジング90とは、ハウジング固定具52により固定されている。ハウジング固定具52は、ボルト等の固定具である。ハウジング固定具52は、モータハウジング70の連結フランジ74とインバータハウジング90の連結フランジ94とを連結している。連結フランジ74は、モータハウジング70において外周面70aに設けられており、ハウジング本体71から径方向外側に向けて突出している。連結フランジ94は、インバータハウジング90において外周面90aに設けられており、ハウジング本体91から径方向外側に向けて突出している。
図66、図67に示すように、モータハウジング70においては、内周面70bにコイル保護部250が重ねられている。モータハウジング70が有する内周面70bは、ユニットハウジング51の内周面に含まれている。コイル保護部250は、ユニットハウジング51の内周面に重ねられている。コイル保護部250は、ユニットハウジング51の内周面に密着するように接触している。
<構成群Db>
図68、図69に示すように、シャフト340において、シャフトフランジ342が有するリム344は、全体として板状に形成されている。リム344が有する一対の板面は、径方向RDを向いている。リム344においては、厚さ方向が径方向RDになっている。リム344は、周方向CDに環状に延びており、環状部に相当する。リム344は、シャフトフランジ342の外周端を形成している。リム344は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aと第2ロータ300bとにかけ渡された状態になっている。
図68に示すように、リム344は、ステータ200の内側に設けられている。リム344は、ステータ200から径方向内側に離間した位置にある。リム344は、ステータ200の内側空間を径方向RDに仕切った状態になっている。ステータ200の内側空間は、コイル保護部250の径方向内側に存在する空間である。この内側空間は内側領域と称されることがある。リム344は、コイル保護部250の内周面に沿って軸方向ADに延びている。軸方向ADにおいては、リム344の高さ寸法とコイル保護部250の高さ寸法とがほぼ同じになっている。
図69、図70、図71、図72に示すように、シャフトフランジ342は、フランジ通気孔346を有している。フランジ通気孔346は、リム344に設けられており、リム344を径方向RDに貫通している。フランジ通気孔346は、軸方向ADにおいて一対のリム先端部344aの両方から離間した位置にある。例えば、フランジ通気孔346は、軸方向ADにおいてリム344の中間位置に設けられている。
フランジ通気孔346は、周方向CDに複数並べられている。シャフトフランジ342においては、フランジ通気孔346とスポーク343とが周方向CDに並べられている。フランジ通気孔346は、周方向CDにおいて隣り合う2つのスポーク343の間に設けられている。周方向CDにおいてフランジ通気孔346を介して隣り合う2つのスポーク343は、いずれもフランジ通気孔346から離間した位置にある。
図68において、フランジ通気孔346は、モータ装置60の内部空間において径方向RDでの通気を可能にしている。フランジ通気孔346は、リム344よりも径方向内側の空間とリム344よりも径方向外側の空間とを連通している。コイル保護部250の内側空間においては、ステータ200の熱がフランジ通気孔346を通じてリム344の内側に放出されやすくなっている。また、気体としての空気がフランジ通気孔346を径方向RDに流れることでステータ200が冷却されやすい。モータハウジング70の内部では、径方向RDへの空気の対流がフランジ通気孔346を通じて生じやすくなる。
<構成群Dc>
図73、図74に示すように、ロータ300は、ホルダ調整孔326を有している。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320に設けられている。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通していることでロータ300を軸方向ADに貫通している。ホルダ調整孔326は、磁石310よりも径方向内側に設けられている。例えば、ホルダ調整孔326は、径方向RDにおいてホルダ固定孔325と磁石固定具335との間に設けられている。ホルダ調整孔326は、周方向CDに複数並べられている。ホルダ調整孔326は、例えば磁石固定具335と同じ数だけ並べられている。
ロータ300においては、重心がモータ軸線Cmから径方向RDにずれるなどしてバランスがとれていないことがある。ロータ300においては、バランスがとれるように重り部材が磁石ホルダ320に取り付けられる。ロータ300に取り付けられる重り部材は、ロータ300のバランス状態に応じて、複数のホルダ調整孔326のいずれかに挿入される。重り部材は、ホルダ調整孔326に嵌合されるなどして、ホルダ調整孔326に固定される。ロータ300のバランスとしては、ロータ300が回転していない状態の静止バランス、及びロータ300が回転している状態の回転バランスなどがある。なお、ホルダ調整孔326がバランス調整孔に相当する。
なお、ホルダ調整孔326の一部は、軸方向ADにおいてリム344により塞がれた状態になっている。重り部材は、軸方向ADにおいてロータ第2面302側からホルダ調整孔326に挿入される。リム344は、ホルダ調整孔326の一部を塞いでいることで、重り部材がホルダ調整孔326からロータ第1面301側に抜け落ちることを規制する。
図73において、磁石ホルダ320は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのいずれにおいても、モータハウジング70の内部空間を軸方向ADに仕切った状態になっている。例えば、第1ロータ300aが有する磁石ホルダ320は、モータハウジング70の内部空間をリアフレーム370側の空間とステータ200側の空間とに仕切った状態になっている。第2ロータ300b有する磁石ホルダ320は、モータハウジング70の内部空間をステータ200側の空間とドライブフレーム390側の空間とに仕切った状態になっている。
ホルダ調整孔326は、モータ装置60の内部空間において軸方向ADでの通気を可能にしている。ホルダ調整孔326は、磁石ホルダ320により軸方向ADに仕切られた2つの空間を連通している。このため、ステータ200の熱がホルダ調整孔326を通じて軸方向ADに放出されやすくなっている。また、空気がホルダ調整孔326を軸方向ADに流れることでステータ200が冷却されやすい。モータハウジング70の内部では、軸方向ADへの空気の対流がホルダ調整孔326を通じて生じやすくなる。
例えば、第1ロータ300aが有するホルダ調整孔326は、第1ロータ300aよりもリアフレーム370側の空間と、第1ロータ300aよりもステータ200側の空間とを連通している。このため、ステータ200の熱は、第1ロータ300aが有するホルダ調整孔326を通じてリアフレーム370側に放出されやすくなっている。また、第2ロータ300bが有するホルダ調整孔326は、第2ロータ300bよりもステータ200側の空間と、第2ロータ300bよりもドライブフレーム390側の空間とを連通している。このため、ステータ200の熱は、第2ロータ300bが有するホルダ調整孔326を通じてドライブフレーム390側に放出されやすくなっている。
<構成群Dd>
図75に示すように、リアフレーム370はフレーム開口部373を有している。フレーム開口部373は、リアフレーム370を軸方向ADに貫通している。フレーム開口部373は、リアフレーム370を軸方向ADに開口する開口部である。フレーム開口部373は、径方向RDにおいてバスバユニット260よりも径方向外側に設けられている。フレーム開口部373は、周方向CDに複数並べられている。
フレーム開口部373には、電力引出線212が軸方向ADに挿通されている。電力引出線212は、フレーム開口部373を通じて電力バスバ261側に引き出されている。電力引出線212においては、フレーム開口部373から引き出された部位が、電力バスバ261に電気的に接続されている。フレーム開口部373には、少なくとも1つの電力引出線212が挿通されている。
モータ装置ユニット50においては、リアフレーム370及びレゾルバカバー424が、ユニットハウジング51の内部をインバータ装置80側とモータ装置60側とに仕切った状態になっている。リアフレーム370及びレゾルバカバー424は、全体として軸方向ADに直交する方向に延びている。リアフレーム370及びレゾルバカバー424は、ハウジング仕切部に相当する。
図75、図76に示すように、温度センサ431は、モータ61において例えばコイルユニット210に設けられている。温度センサ431は、例えば複数設けられている。温度センサ431は、中性点バスバ290に取り付けられている。中性点バスバ290は、バスバ本体291及びセンサ支持部292を有している。バスバ本体291は、中性点バスバ290の主要部位を形成している。バスバ本体291は、中性点ユニット214において複数のコイル部215にかけ渡された状態になっている。センサ支持部292は、温度センサ431を支持している。センサ支持部292は、例えばバスバ本体291から突出した突出部である。温度センサ431は、センサ支持部292に固定されている。
図75に示すように、モータ装置60は信号端子台440を有している。信号端子台440は、軸方向ADにおいてリアフレーム370及びレゾルバカバー424のインバータ装置80側に設けられている。信号端子台440は、リアフレーム370及びレゾルバカバー424の少なくとも一方に取り付けられている。信号端子台440は、軸方向ADに直交する方向においてレゾルバコネクタ423に並べられている。
モータ装置60は、信号配線426を有している。信号配線426は、レゾルバコネクタ423から延びている。信号配線426は、電線等の導電部材であり、信号ライン425を形成している。信号配線426は、レゾルバコネクタ423を介してレゾルバ421に電気的に接続されている。
モータ装置60は、信号配線436を有している。信号配線436は、温度センサ431から延びている。信号配線436は、電線等の導電部材であり、信号ライン435を形成している。信号配線436は、温度センサ431に電気的に接続されている。
信号端子台440は、信号配線426,436を集約しており、配線集約部に相当する。信号端子台440には、信号配線426,436が引き込まれている。信号端子台440は、複数の端子部と、これら端子部を収容したケースとを有している。信号端子台440に引き込まれた信号配線426,436は、それぞれ端子部に電気的に接続されている。
レゾルバ421については、信号配線426がレゾルバコネクタ423と信号端子台440とにかけ渡された状態になっている。信号配線426は、リアフレーム370及びレゾルバカバー424よりもインバータ装置80側において、リアフレーム370及びレゾルバカバー424に沿って延びている。レゾルバ421は、モータ61の回転角度を検出することでモータ装置60の状態を検出可能である。レゾルバ421は状態検出部に相当し、信号配線426は検出配線に相当する。
温度センサ431については、信号配線436が温度センサ431と信号端子台440とにかけ渡された状態になっている。信号配線436は、フレーム開口部373に挿通されていることで、リアフレーム370及びレゾルバカバー424を軸方向ADに貫通している。温度センサ431は、モータ61の温度を検出することでモータ装置60の状態を検出可能である。温度センサ431は状態検出部に相当し、信号配線436は検出配線に相当する。
信号端子台440には、インバータ装置80が有するインバータ配線が複数引き込まれている。複数のインバータ配線には、信号配線426,436と共に信号ライン425,435を形成するインバータ配線が含まれている。インバータ配線は、信号端子台440において、端子部を介して信号配線426,436に電気的に接続されている。信号配線426,436に接続されたインバータ配線は、例えばインバータ装置80において制御装置54に電気的に接続されている。
<構成群De>
図77において、防塵カバー380は、全てのフレーム開口部373を覆っている。防塵カバー380は、周方向CDにおいて複数のフレーム開口部373にかけ渡された状態になっている。防塵カバー380は、軸方向ADにおいてインバータ装置80側からフレーム開口部373を塞いでいる。防塵カバー380は、異物がフレーム開口部373を軸方向ADに通過することを規制している。
防塵カバー380は、電力引出線212及びバスバユニット260をインバータ装置80側から覆った状態になっている。防塵カバー380は、電気絶縁性を有しており、電力引出線212及び電力バスバ261とインバータ装置80との絶縁信頼性が低下することを抑制している。防塵カバー380は、軸方向ADにおいてバスバユニット260とバスバターミナル263との間に入り込んだ状態になっている。
温度センサ431から延びた信号配線436は、防塵カバー380を貫通してインバータ装置80側に引き出されている。防塵カバー380は、配線孔381を有している。配線孔381は、防塵カバー380を軸方向ADに貫通している。信号配線436は、配線孔381に通されていることで防塵カバー380を貫通している。配線孔381は、信号配線436により塞がれる大きさ及び形状になっている。信号配線436が配線孔381に通された状態では、異物が配線孔381を通過するということが生じにくくなっている。配線孔381は、防塵カバー380において内周縁よりも外周縁に近い位置に設けられている。配線孔381は、防塵カバー380に複数設けられている。1本の信号配線436が1つの配線孔381に通されている。
なお、リアフレーム370及びレゾルバカバー424がハウジング仕切部に相当し、防塵カバー380が仕切カバーに相当する。フレーム開口部373が仕切開口部に相当し、電力引出線212がコイル引出線に相当する。また、信号配線436は、防塵カバー380とリアフレーム370との間を通ってインバータ装置80側に引き出されていてもよい。
<構成群Df>
図78、図79に示すように、モータハウジング70は連結フランジ74を有している。連結フランジ74は、ハウジング本体71から径方向外側に向けて延びており、電機フランジに相当する。連結フランジ74は、周方向CDに複数並べられている。
連結フランジ74はフランジ孔74aを有している。フランジ孔74aは、軸方向ADに延びている。フランジ孔74aは、連結フランジ74を軸方向ADに貫通している。フランジ孔74aは、モータハウジング70をインバータハウジング90に固定するための孔であり、電機固定孔に相当する。フランジ孔74aは、ハウジング本体71及び連結フランジ74のうち連結フランジ74だけに設けられている。連結フランジ74は、フランジ孔74aに対してハウジング固定具52がねじ込まれることで、インバータハウジング90が有する連結フランジ94に連結されている。インバータハウジング90は、モータハウジング70が固定される固定対象であり、ハウジング固定対象に相当する。連結フランジ74は耳部と称されることがある。
上述したように、モータハウジング70においては、ハウジング本体71及び連結フランジ74のうち連結フランジ74だけにフランジ孔74aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔74aによって低下するということが生じない。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に連結フランジ74が設けられたフランジ部位と、ハウジング本体71に連結フランジ74が設けられていない非フランジ部位とが、周方向CDに交互に並んでいる。連結フランジ74にフランジ孔74aが形成されていても、径方向RDにおいてフランジ部位の厚さ寸法は非フランジ部位の厚さ寸法よりも大きくなっている。フランジ部位の剛性は、連結フランジ74の厚さ寸法の分だけ非フランジ部位の剛性よりも高くなっている。
例えば本実施形態とは異なり、ハウジング固定具52を固定するための孔がハウジング本体71に設けられた構成を想定する。この構成では、ハウジング固定具52のための孔が形成された分だけハウジング本体71が薄くなる。このため、ハウジング本体71の剛性がハウジング固定具52のための孔によって低下するということが懸念される。
図78、図80に示すように、モータハウジング70は固定フランジ178を有している。固定フランジ178は、モータハウジング70において外周面70aに設けられている。固定フランジ178は、ハウジング本体71から径方向外側に向けて突出しており、電機フランジに相当する。固定フランジ178は、周方向CDに複数並べられている。
固定フランジ178はフランジ孔178aを有している。フランジ孔178aは、軸方向ADに延びている。フランジ孔178aは、固定フランジ178を軸方向ADに貫通している。フランジ孔178aは、モータハウジング70をドライブフレーム390に固定するための孔であり、電機固定孔に相当する。フランジ孔178aは、ハウジング本体71及び固定フランジ178のうち固定フランジ178だけに設けられている。固定フランジ178は、フランジ孔178aに対してフレーム固定具405がねじ込まれることで、ドライブフレーム390に固定されている。ドライブフレーム390は、モータハウジング70が固定される固定対象であり、ハウジング固定対象に相当する。固定フランジ178は耳部と称されることがある。なお、図80においては、ドライブフレーム390の図示を省略している。
上述したように、モータハウジング70においては、ハウジング本体71及び固定フランジ178のうち固定フランジ178だけにフランジ孔178aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔178aによって低下するということが生じない。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に固定フランジ178が設けられたフランジ部位と、ハウジング本体71に固定フランジ178が設けられていない非フランジ部位とが、周方向CDに交互に並んでいる。固定フランジ178にフランジ孔178aが形成されていても、径方向RDにおいてフランジ部位の厚さ寸法は非フランジ部位の厚さ寸法よりも大きくなっている。フランジ部位の剛性は、固定フランジ178の厚さ寸法の分だけ非フランジ部位の剛性よりも高くなっている。
例えば本実施形態とは異なり、フレーム固定具405を固定するための孔がハウジング本体71に設けられた構成を想定する。この構成では、フレーム固定具405のための孔が形成された分だけハウジング本体71が薄くなる。このため、ハウジング本体71の剛性がフレーム固定具405のための孔によって低下するということが懸念される。
<構成群Dg>
図81、図82、図83に示すように、ドライブフレーム390は、軸方向ADにおいてインバータ装置80とは反対側からモータ61を覆っている。ドライブフレーム390は、モータハウジング70の開口部を第2ロータ300b側から塞いだ状態になっている。モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、ドライブフレーム390は電機カバー部に相当する。
ドライブフレーム390は、フレーム本体391及び固定フランジ392を有している。フレーム本体391は、全体として板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。フレーム本体391は、モータハウジング70の開口部を塞いだ状態になっている。フレーム本体391の外周縁は、モータハウジング70が有する外周面70aに沿って周方向CDに延びている。
固定フランジ392は、フレーム本体391から径方向外側に向けて延びている。固定フランジ392は、周方向CDに複数並べられている。固定フランジ392は、例えば周方向CDに8個並べられている。固定フランジ392は、モータハウジング70が有する固定フランジ178に軸方向ADに並ぶ位置にある。
固定フランジ392は、第1固定孔392a,第2固定孔392bを有している。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、軸方向ADに延びている。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、固定フランジ392を軸方向ADに貫通している。第1固定孔392a及び第2固定孔392bは、フレーム本体391及び固定フランジ392のうち固定フランジ392だけに設けられている。第1固定孔392aと第2固定孔392bとは、固定フランジ392において径方向RDに並べられている。第1固定孔392aは、第2固定孔392bよりも径方向内側に設けられている。第1固定孔392aは、第2固定孔392bから径方向内側に離間した位置にある。
第1固定孔392aは、ドライブフレーム390をモータハウジング70に固定するための孔である。固定フランジ392は、第1固定孔392aに対してフレーム固定具405がねじ込まれることで、モータハウジング70が有する固定フランジ178に固定されている。固定フランジ392は耳部と称されることがある。
第2固定孔392bは、ドライブフレーム390を減速機53に固定するための孔である。固定フランジ392は、第2固定孔392bに対して減速機固定具53aがねじ込まれることで、減速機53に固定されている。減速機53は、ドライブフレーム390が固定される固定対象であり、カバー固定対象に相当する。
上述したように、ドライブフレーム390においては、フレーム本体391及び固定フランジ392のうち固定フランジ392だけに第1固定孔392a及び第2固定孔392bが設けられている。このため、フレーム本体391の剛性が第1固定孔392a及び第2固定孔392bによって低下するということが生じない。
例えば本実施形態とは異なり、フレーム固定具405及び減速機固定具53aを固定するための孔がフレーム本体391に設けられた構成を想定する。この構成では、フレーム固定具405及び減速機固定具53aのための孔が形成された分だけフレーム本体391の剛性が低下することが懸念される。
ドライブフレーム390は、外周フレーム部393及び外周フランジ394を有している。外周フレーム部393は、周方向CDにおいて隣り合う2つの固定フランジ392にかけ渡されており、これら固定フランジ392を接続している。外周フレーム部393は、フレーム本体391の外周縁に沿って周方向CDに延びている。外周フレーム部393は、周方向CDに複数並べられている。外周フレーム部393は、フレーム本体391から径方向外側に離間した位置にある。外周フレーム部393は、固定フランジ392の先端部から径方向内側に離間した位置にある。外周フレーム部393は、固定フランジ392において第1固定孔392aと第2固定孔392bとの間の部位から周方向CDに延びている。
ドライブフレーム390においては、固定フランジ392が外周フレーム部393により補強された状態になっている。このため、仮に、第1固定孔392a及び第2固定孔392bという2つの孔が形成されていることに起因して固定フランジ392の剛性が低下していたとしても、固定フランジ392の剛性が外周フレーム部393により補われた状態になっている。
外周フランジ394は、外周フレーム部393から径方向外側に向けて延びている。外周フランジ394は、固定フランジ392から周方向CDに離間した位置にある。外周フランジ394は、周方向CDに複数並べられている。外周フランジ394は、ユニットダクト100(図2参照)に固定されている。外周フランジ394には、ユニットダクト100を固定するための孔が設けられている。外周フランジ394は、この孔に対してボルト等の固定具がねじ込まれることでユニットダクト100が固定されている。
<構成群E>
図51、図52、図84、図86において、電力引出線212は、電力バスバ261に通電可能に接続されている。電力引出線212は、バスバ引出線265を介して電力バスバ261に接続されている。バスバ引出線265は、電力バスバ261から引き出された状態になっている。バスバ引出線265は、電流を流すための電線等の導電部材であり、電力バスバ261に通電可能に接続されている。バスバ引出線265は、電力バスバ261から径方向外側に向けて延びている。バスバ引出線265は、周方向CDに複数並べられている。バスバ引出線265は、複数の電力バスバ261のそれぞれに接続されている。バスバ引出線265は、相ごとに複数ずつ電力バスバ261に接続されている。バスバ引出線265は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介して第1ロータ300aとは反対側にある。
電力バスバ261及びバスバ引出線265は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aを介してコイル211とは反対側に設けられている。電力バスバ261及びバスバ引出線265は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aからリアフレーム370側に離間した位置にある。電力バスバ261が接続対象に相当する。
図84、図86、図87に示すように、電力引出線212は、外周引出部212a、内周引出部212b、交差引出部212c、外周屈曲部212d、内周屈曲部212eを有している。なお、図87においては、ロータ300a,300b及びコイル保護部250などの図示を省略している。また、モータハウジング70においては、外周面70aがモータ外周面70aと称され、内周面70bがモータ内周面70bと称されることがある。
外周引出部212aは、電力引出線212においてコイル211及び第1ロータ300aの外周側に設けられた部位である。外周引出部212aは、モータ内周面70bに沿って軸方向ADに延びている。外周引出部212aは、例えば軸方向ADに真っすぐに延びている。外周引出部212aは、コイル211とモータ内周面70bとの間を通っている部位と、第1ロータ300aとモータ内周面70bとの間を通っている部位と、を有している。外周引出部212aは、軸方向ADにおいてコイル211よりも電力バスバ261側に延びている。外周引出部212aは、第1ロータ300aから径方向外側に離間した位置にある。外周引出部212aは、軸方向ADにおいて第1ロータ300aよりも電力バスバ261側に延びていてもよく、延びていなくてもよい。
内周引出部212bは、電力引出線212において外周引出部212aよりも径方向内側に設けられた部位である。内周引出部212bは、外周引出部212aと同様に軸方向ADに延びている。内周引出部212bは、例えば軸方向ADに真っすぐに延びている。内周引出部212bは、第1ロータ300aに対して軸方向ADに並ぶ位置にある。内周引出部212bは、軸方向ADにおいて第1ロータ300aから電力バスバ261側に離間した位置にある。内周引出部212bは、バスバ引出線265に通電可能に接続されている。内周引出部212bは、軸方向ADにおいてバスバ引出線265よりも第1ロータ300a側に延びている。
交差引出部212cは、電力引出線212において軸方向ADに対して傾斜する方向に延びた部位である。交差引出部212cは、外周引出部212a及び内周引出部212bに交差する方向に延びている。交差引出部212cは、例えば軸方向ADに交差する方向に真っすぐに延びている。交差引出部212cは、周方向CDに対して直交している一方で、軸方向AD及び径方向RDに延びている。交差引出部212cにおいては、軸方向ADにおいて、内周引出部212b側の端部が外周引出部212a側の端部よりも電力バスバ261に近い位置にある。
外周屈曲部212dは、電力引出線212において外周引出部212aと交差引出部212cとの間にある部位である。外周屈曲部212dは、屈曲した状態で外周引出部212aと交差引出部212cとを接続している。外周屈曲部212dは、径方向外側に向けて膨らむように曲がっており、例えば屈曲している。外周屈曲部212dは、外周引出部212aと交差引出部212cとを接続するために曲がっている。外周屈曲部212dは、外周曲がり部と称されることがある。なお、外周屈曲部212dは、曲がっていれば屈曲していなくてもよく、例えば湾曲していてもよい。
内周屈曲部212eは、電力引出線212において交差引出部212cと内周引出部212bとの間にある部位である。内周屈曲部212eは、軸方向ADにおいて外周屈曲部212dから電力バスバ261側に離間した位置にある。内周屈曲部212eは、屈曲した状態で交差引出部212cと内周引出部212bとを接続している。内周屈曲部212eは、径方向内側に向けて膨らむように曲がっており、例えば屈曲している。内周屈曲部212eは、交差引出部212cと内周引出部212bとを接続するために曲がっている。内周屈曲部212eは、内周曲がり部と称されることがある。なお、内周屈曲部212eは、曲がっていれば屈曲していなくてもよく、例えば湾曲していてもよい。
グロメット255は、絶縁材料により形成されており、電気絶縁性を有している。換言すれば、グロメット255は、非導電性材料により形成されており、非導電性を有している。絶縁材料としては、樹脂材料及びゴム材料などがある。グロメット255は、例えば合成樹脂を主として含む材料により形成されている。
図84、図85、図86に示すように、グロメット255は、グロメット本体256、内グロメット部257及び外グロメット部258を有している。グロメット本体256と内グロメット部257及び外グロメット部258とは軸方向ADに並べられている。グロメット本体256は、外周引出部212aを覆うようにして保護している。グロメット本体256は、外周引出部212aの四方を囲んだ状態で軸方向ADに延びている。グロメット本体256は、径方向RDにおいてモータ内周面70bとコイル211との間に入り込んだ部位を有している。
内グロメット部257は、外周引出部212aに沿って軸方向ADに延びている。内グロメット部257は、グロメット本体256から交差引出部212cに向けて延出している。内グロメット部257は、外周引出部212aを径方向内側から覆うように保護している。内グロメット部257は、径方向RDにおいて外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んだ部位を有している。内グロメット部257は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aよりも電力バスバ261側には延びていない。内グロメット部257は、内側保護部に相当する。
外グロメット部258は、外周引出部212aに沿って軸方向ADに延びている。外グロメット部258は、グロメット本体256から交差引出部212cに向けて延出している。外グロメット部258は、外周引出部212aを径方向外側から覆うように保護している。外グロメット部258は、径方向RDにおいて外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に入り込んだ部位を有している。外グロメット部258は、モータ内周面70bに重ねられた状態になっている。外グロメット部258は、外側絶縁部及び外側保護部に相当する。
外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内グロメット部257よりも電力バスバ261側に延びている。図84、図87に示すように、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に延びている。外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周引出部212aと交差引出部212cとにかけ渡された状態になっている。外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周屈曲部212dよりも電力バスバ261側に延びている。一方で、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内周引出部212bに達していない。すなわち、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内周引出部212bからコイル211側に離間した位置にある。外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内周屈曲部212eに達していてもよく、達していなくてもよい。
グロメット255では、径方向RDにおいて内グロメット部257と外グロメット部258との間に外周引出部212aが挟み込まれた状態になっている。本実施形態では、外周引出部212aが内グロメット部257の内部に径方向外側から入り込んだ状態になっている。このため、内グロメット部257が、外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んだ部位に加えて、この部位から径方向外側に向けて延びた部位を有している。なお、外周引出部212aが外グロメット部258の内部に径方向内側から入り込んだ状態になっていてもよい。
なお、図85においては、電力引出線212が曲がっていない状態を図示している。また、図87では、グロメット255が有するグロメット本体256及び内グロメット部257の図示を省略している。
図84、図86に示すように、外周引出部212aは、軸方向ADにおいて内グロメット部257よりも電力バスバ261側に向けて延びている。また、外周引出部212aは、軸方向ADにおいてグロメット255よりもドライブフレーム390側に向けて延びている。すなわち、外周引出部212aは、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて外グロメット部258よりも延びている。軸方向ADにおいては、外周引出部212aの長さ寸法が外グロメット部258の長さ寸法よりも大きくなっている。
図88に示すように、グロメット255においては、外グロメット部258が内グロメット部257から周方向CDの両側に向けて延びている。周方向CDにおいては、外グロメット部258の幅寸法Wa1が内グロメット部257の幅寸法Wa2よりも大きくなっている。また、外グロメット部258は、外周引出部212aよりも周方向CDの両側に向けて延びている。周方向CDにおいては、外グロメット部258における幅寸法Wa1が外周引出部212aの幅寸法Wa3よりも大きくなっている。幅寸法Wa3は、外周引出部212aの太さを示す寸法である。外グロメット部258と同様に、内グロメット部257は、外周引出部212aよりも周方向CDの両側に向けて延びている。周方向CDにおいては、内グロメット部257における幅寸法Wa2が外周引出部212aにおける幅寸法Wa3よりも大きくなっている。
図84、図86に示すように、グロメット255は、グロメット孔450を有している。グロメット孔450は、グロメット255を軸方向ADに貫通している。グロメット孔450は、グロメット本体256を軸方向ADに貫通している。グロメット孔450は、内グロメット部257と外グロメット部258との境界部に沿って軸方向ADに延びている。グロメット孔450は、内グロメット部257及び外グロメット部258により形成されている。外周引出部212aは、グロメット孔450に挿通されていることで、グロメット255を軸方向ADに貫通している。
グロメット孔450は、グロメット255において埋設部255a及び露出部255bの両方を軸方向ADに貫通している。外周引出部212aは、グロメット孔450に挿通されていることで、埋設部255a及び露出部255bの両方を軸方向ADに貫通している。グロメット255においては、グロメット本体256の少なくとも一部が埋設部255aに含まれている。内グロメット部257及び外グロメット部258は、埋設部255aに含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。また、内グロメット部257の少なくとも一部及び外グロメット部258の少なくとも一部が露出部255bに含まれている。グロメット本体256は、露出部255bに含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
グロメット255は、埋設部255aを埋設させたコイル保護部250によりモータハウジング70に対して固定されている。グロメット255においては、グロメット本体256及び外グロメット部258がモータ内周面70bに固定されている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、コイル保護部250を製造する方法について説明する。コイル保護部250の製造工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255を準備する。
作業者は、準備工程の後、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255を金型に装着する金型工程を行う。作業者は、金型工程において、コイルユニット210にグロメット255を装着する。作業者は、電力引出線212をグロメット孔450に挿通させることでグロメット255を外周引出部212aに装着する。作業者は、例えば図85に示すように、電力引出線212を屈曲させていない状態で電力引出線212をグロメット孔450に挿通させてもよい。また、作業者は、モータハウジング70の内部にコイルユニット210を設置する。作業者は、グロメット255付きのコイルユニット210をモータハウジング70の内部に設置してもよい。そして、作業者は、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255をモールド成形用の金型にセットする。
作業者は、金型工程の後、成形工程を行う。作業者は、成形工程において、溶融樹脂をモータハウジング70の内部に射出するなどして射出成形によりコイル保護部250を成形する。モータハウジング70及び金型の内部には、溶融樹脂がコイル211を封止するように充填される。グロメット255は、電力引出線212の周囲から溶融樹脂が漏れ出すということを規制している。グロメット255は、溶融樹脂がコイル211を封止した状態を保持している。グロメット255においては、少なくともグロメット本体256が溶融樹脂に浸った状態になっている。グロメット255では、グロメット本体256においてグロメット孔450に溶融樹脂が進入することがあっても、内グロメット部257及び外グロメット部258においてグロメット孔450に溶融樹脂が進入しないようになっている。
溶融樹脂が固化することでコイル保護部250が成形される。コイル保護部250は、コイル211を封止した状態になっており、封止樹脂部に相当する。グロメット255においては、少なくともグロメット本体256がコイル保護部250に埋め込まれた状態になっている。グロメット255は、溶融樹脂がコイル211を封止した状態を保持するための部材であり、封止保持部に相当する。外グロメット部258は、封止保持部に含まれている。
<構成群F>
図89に示すように、第1ロータ300a及び第2ロータ300bは、ホルダリブ323を有している。ホルダリブ323は、磁石ホルダ320に含まれている。ホルダリブ323は、ホルダ本体321から軸方向ADに延びている。ホルダリブ323は、軸方向ADにおいてホルダ本体321からステータ200とは反対側に向けて突出している。第1ロータ300aにおいては、ホルダリブ323が電力バスバ261側に突出している。第2ロータ300bにおいては、ホルダリブ323がドライブフレーム390側に突出している。
磁石ホルダ320においては、ホルダ本体321とホルダリブ323とが一体的に形成されている。例えば、ホルダ本体321とホルダリブ323とは、磁石ホルダ320を形成する材料により一体成形されている。磁石ホルダ320は、非磁性の部材であり、非磁性材料により形成されている。磁石ホルダ320を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRPなどがある。CFRPは、炭素繊維強化プラスチックである。
図90、図91において、磁石ホルダ320が有するホルダ内周端320a及びホルダ外周端320bは、ホルダ本体321により形成されている。ホルダ本体321の内周端及び外周端はいずれも、周方向CDに環状に延びている。ホルダ本体321の内周端がホルダ内周端320aであり、ホルダ本体321の外周端がホルダ外周端320bである。ホルダ本体321は、軸方向ADに直交する方向においてステータ200に沿って板状に延びている。ホルダ本体321がロータ板部に相当し、ホルダリブ323がロータリブに相当する。ホルダ内周端320aがロータ板部の内周端に相当し、ホルダ外周端320bがロータ板部の外周端に相当する。
ホルダ本体321は、本体外板面321aを有している。本体外板面321aは、ホルダ本体321が有する一対の板面のうち電力バスバ261側の板面である。本体外板面321aは、軸方向ADに直交する方向に延びている。ホルダリブ323は、本体外板面321aに設けられている。ホルダ本体321においては、本体外板面321aとは反対の板面側に磁石310が設けられている。
ホルダリブ323は、ホルダ本体321に沿って径方向RDに延びている。ホルダリブ323は、ホルダ外周端320bから径方向内側に向けて延びている。ホルダリブ323は、ロータ300において径方向RDに長尺状に延びた部位である。ホルダリブ323は、ホルダ外周端320bとホルダ内周端320aとにかけ渡されるように径方向RDに延びている。ホルダリブ323は、ホルダ内周端320aから径方向外側に向けて延びている。ホルダリブ323は、ロータ第2面302に設けられている一方で、ロータ第1面301には設けられていない。
ホルダリブ323は、周方向CDに複数並べられている。複数のホルダリブ323は、モータ軸線Cmを中心にして放射状に延びている。ホルダ本体321の内周端には、径方向内側に突出した突出部が設けられている。この突出部は、周方向CDに複数並べられている。複数のホルダリブ323には、この突出部に径方向RDに並んだ位置にあるホルダリブ323が含まれている。
ホルダリブ323は、リブ内周端323a及びリブ外周端323bを有している。リブ内周端323aは、ホルダリブ323が有する一対の端部のうち径方向内側の端部であり、リブ外周端323bは、径方向外側の端部である。リブ内周端323aは、軸方向ADにおいてホルダ内周端320aに並んだ位置にある。リブ外周端323bは、軸方向ADにおいてホルダ外周端320bに並んだ位置にある。
ホルダリブ323は、リブ平行部323c及びリブテーパ部323dを有している。リブ平行部323c及びリブテーパ部323dは、ホルダリブ323の先端部に含まれている。ホルダリブ323においては、軸方向ADに並んだ一対の端部のうちホルダ本体321とは反対側の端部が先端部である。ホルダリブ323の先端部は、例えば先端面である。リブ平行部323cは、リブ内周端323aから径方向外側に向けて延びている。リブ平行部323cは、本体外板面321aに平行に延びている。リブ平行部323cは、例えば軸方向ADに直交する方向に延びた面であり、平坦面になっている。
リブテーパ部323dは、リブ外周端323bから径方向内側に向けて延びている。リブテーパ部323dは、径方向外側を向くように本体外板面321aに対して傾斜している。リブテーパ部323dは、リブ外周端323bから径方向内側に向けて徐々に本体外板面321aから離れていく。リブテーパ部323dは、ホルダ本体321に対して傾斜する方向に延びた傾斜面である。リブテーパ部323dは、本体外板面321aに対して傾斜する方向に真っすぐにテーパ状に延びており、テーパ面と称されることがある。リブテーパ部323dがリブ傾斜部に相当する。
リブテーパ部323dは、リブ平行部323cから径方向外側に向けて延びている。リブテーパ部323dは、リブ平行部323cとリブ外周端323bとにかけ渡された状態になっている。径方向RDにおいては、リブテーパ部323dがリブ平行部323cよりも長い。リブテーパ部323dとリブ平行部323cとの境界部は、リブ外周端323bよりもリブ内周端323aに近い位置にある。
ホルダリブ323は、周方向CDの幅寸法が径方向外側に向けて徐々に小さくなっている。ホルダリブ323においては、リブ外周端323bの幅寸法がリブ内周端323aの幅寸法よりも小さい。ホルダリブ323においては、リブ内周端323aの幅寸法が最も大きくなっており、リブ外周端323bの幅寸法が最も小さくなっている。
ホルダリブ323は、軸方向ADにおいて磁石310に重複する位置に設けられている。ホルダリブ323は、磁石310よりも径方向外側に向けて延びている。リブ外周端323bは、磁石310から径方向外側に離間した位置にある。リブ内周端323aは、磁石310から径方向内側に離間した位置にある。また、リブ平行部323cとリブテーパ部323dとの境界部は、磁石310よりも径方向内側にある。
図89、図92に示すように、リアフレーム370は、軸方向ADに直交する方向に板状に延びており、第1ロータ300aと電力バスバ261との間に設けられている。リアフレーム370は、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRP等により形成されている。フレーム開口部373は、リアフレーム370を軸方向ADに貫通するようにリアフレーム370に設けられている。電力引出線212は、フレーム開口部373に挿通されており、フレーム開口部373を通じて電力バスバ261側に引き出されている。電力引出線212は、バスバ引出線265を介して電力バスバ261に通電可能に接続されている。リアフレーム370が中間板部に相当し、フレーム開口部373が引出挿通孔に相当する。
バスバ引出線265は、バスバユニット260から引き出された状態になっている。バスバ引出線265は、電力バスバ261及び電力引出線212のそれぞれに通電可能に接続されている。バスバ引出線265と電力バスバ261とが接続された部分は、バスバ保護部270により保護されている。バスバ引出線265と電力引出線212とが接続された引出接続部266は、バスバ保護部270の外部に設けられている。引出接続部266は、軸方向ADにおいてフレーム開口部373から電力バスバ261側に離間した位置にある。引出接続部266は、軸方向ADにおいてフレーム開口部373に並ぶ位置にある。バスバ引出線265が接続引出部に相当し、引出接続部266が接続部分に相当する。
バスバユニット260は、リアフレーム370に固定されている。リアフレーム370においては、バスバ保護部270がリアフレーム370に固定されている。バスバ保護部270は、リアフレーム370が有するバスバ支持部371により支持されている。バスバ保護部270は、電気絶縁性を有する材料により形成されている。バスバ保護部270を形成する材料としては、樹脂及びCFRPなどがある。リアフレーム370は、モータハウジング70に固定されている。モータハウジング70は、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRP等により形成されている。
図89、図93に示すように、電力引出線212の一部が、軸方向ADにおいてホルダリブ323に並ぶ位置にある。電力引出線212は、軸方向ADにおいてホルダリブ323に並ぶ位置にある並び引出部を有している。並び引出部には、内周引出部212b、交差引出部212c及び内周屈曲部212eが含まれている。並び引出部は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aを介してステータ200とは反対側にある。並び引出部は、第1ロータ300aが有するホルダリブ323を介してホルダ本体321とは反対側に設けられている。
電力引出線212においては、内周引出部212bがフレーム開口部373に挿通されている。引出接続部266においては、内周引出部212bがバスバ引出線265に接続されている。なお、図93、図94においては、第1ロータ300aなどの図示を省略している。
モータ装置60においては、ロータ300が回転すると、ホルダリブ323により空気の流れが気流として生じる。ホルダリブ323は、ロータ300の回転に伴ってモータ軸線Cmを中心にしてホルダ本体321と共に回転する。ホルダリブ323は、ホルダ本体321と共に回転することで電力引出線212などに向けて空気を送る。ホルダリブ323により生じる気流は、冷却風として電力引出線212などを冷却する。ホルダリブ323により生じる冷却風は、例えば電力引出線212においてコイル保護部250及びグロメット255から露出した部位に当たる。この冷却風は、外周引出部212aにおいてグロメット255から露出した部位と、引出部212b,212cと、屈曲部212d,212eとに当たる。
例えば、第1ロータ300aが有するホルダリブ323により生じる冷却風には、図5に示すように、フレーム開口部373から流れ出る気流Fa1が含まれている。気流Fa1は、ホルダリブ323から電力引出線212に向けて径方向外側に流れ、電力引出線212を冷却しながらフレーム開口部373に到達する。そして、気流Fa1は、軸方向ADに流れることでフレーム開口部373を通過し、引出接続部266及び電力バスバ261などを冷却する。
また、第1ロータ300aが有するホルダリブ323により生じる気流には、図6に示すように、循環するように流れる気流Fa2が含まれている。気流Fa2は、ホルダリブ323に沿うように電力引出線212に向けて径方向外側に流れ、電力引出線212を冷却しながらモータ内周面70bに到達する。その後、気流Fa2は、電力引出線212を冷却しながらリアフレーム370に沿うように径方向内側に向けて流れる。気流Fa2は、リアフレーム370に沿って流れることで、リアフレーム370を介してバスバユニット260を冷却することになる。バスバユニット260においては、電力バスバ261がリアフレーム370及びバスバ保護部270を介して間接的に気流Fa2により冷却される。
さらに、気流Fa1,Fa2のようにホルダリブ323に沿って径方向RDに流れる気流は、ホルダ本体321を介して磁石310を冷却することが可能である。また、第1ロータ300aを越えてステータ200側に流れ込んだ気流は、コイル保護部250及びコイル211を冷却することが可能である。
<構成群G>
図95、図96に示すように、モータ装置60はアキシャルギャップ475を有している。アキシャルギャップ475は、ステータ200とロータ300との隙間であり、軸隙間に相当する。アキシャルギャップ475は、軸方向ADに直交する方向に延びている。アキシャルギャップ475は、ステータ200及びロータ300と同様に、周方向CDに環状に延びている。アキシャルギャップ475は、少なくともコイル211と磁石310との間にある。アキシャルギャップ475は、コイル211及び磁石310よりも径方向RDに延びている。アキシャルギャップ475は、コイル211及び磁石310の少なくとも一方よりも径方向内側及び径方向外側の少なくとも一方に延びている。
アキシャルギャップ475は、ステータ面201とロータ第1面301との隙間である。ステータ面201は、ステータ200の端面であり、軸方向ADに一対並べられている。一対のステータ面201のうち、一方は第1ロータ300aに対向しており、他方は第2ロータ300bに対向している。ステータ面201は、ステータ200の外面に含まれている。ステータ面201は、軸方向ADに直交する方向に延びており、周方向CDに環状に延びている。ステータ面201は、コアユニット230及びコイル保護部250の少なくとも一方により形成されている。
アキシャルギャップ475においては、ギャップ面積が大きいほど磁界が強くなりやすい。ギャップ面積は、モータ軸線Cmに直交する方向でのアキシャルギャップ475の断面積である。例えば、アキシャルギャップ475が径方向外側に所定寸法だけ拡張された場合、同じ所定寸法だけ径方向内側に拡張された場合に比べて、ギャップ面積の増加量が大きくなる。
上記構成群Bbにて述べたように、ロータ300においては、磁石ユニット316が固定ブロック330により磁石ホルダ320に固定されている。固定ブロック330は、外周係合部322と共に磁石ユニット316を抱え込むようにして保持している。固定ブロック330及び外周係合部322は、磁石ホルダ320から磁石ユニット316が脱落しないように磁石ユニット316を保持している。
図96、図97、図99に示すように、ホルダ本体321は、本体内板面321bを有している。本体内板面321bは、ホルダ本体321が有する一対の板面のうち、本体外板面321aとは反対側の板面である。本体内板面321bは、アキシャルギャップ475側を向いており、アキシャルギャップ475と共に軸方向ADに直交する方向に延びている。
磁石ユニット316においては、ユニット外周端316bが本体内板面321bと係合テーパ面322aとの間に入り込んだ状態になっている。外周係合部322及び係合テーパ面322aは、ホルダ外周端320bに沿って周方向CDに環状に延びている。係合テーパ面322aは、アキシャルギャップ475とは反対側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。係合テーパ面322aには、外周テーパ面316eが引っ掛かった状態になっている。外周係合部322は、ユニット外周端316bが引っ掛かった状態で磁石ユニット316を支持しており、外周支持部に相当する。
磁石ホルダ320は、ホルダ受け部328を有している。ホルダ受け部328は、磁石ホルダ320において固定ブロック330を受ける部位である。ホルダ受け部328は、固定ブロック330の径方向内側にある。ホルダ受け部328は、外周係合部322から磁石ユニット316及び固定ブロック330を介して径方向内側に離れた位置に設けられている。ホルダ受け部328は、外周係合部322と同様に、本体内板面321bに設けられた突出部である。ホルダ受け部328は、ホルダ本体321からアキシャルギャップ475に向けて軸方向ADに延びている。ホルダ受け部328は、ホルダ内周端320aに沿って周方向CDに環状に延びている。
ホルダ受け部328は、ホルダ受け面328aを有している。ホルダ受け面328aは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。ホルダ受け面328aは、径方向外側を向いており、アキシャルギャップ475側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。ホルダ受け面328aは、ホルダ内周端320aに沿って周方向CDに環状に延びている。ホルダ受け面328aは、円環状になっている。
固定ブロック330は、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定しており、固定部材に相当する。固定ブロック330は、非磁性の部材であり、非磁性材料により形成されている。固定ブロック330を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRPなどがある。
固定ブロック330は、複数の磁石ユニット316に対して個別に設けられている。例えば、1つの固定ブロック330が1つの磁石ユニット316を固定している。すなわち、固定ブロック330と磁石ユニット316とが1対1で設けられている。複数の固定ブロック330には、傾斜磁石ユニット317を固定するための傾斜用の固定ブロック330と、平行磁石ユニット318を固定するための平行用の固定ブロック330と、が含まれている。傾斜用の固定ブロック330と、平行用の固定ブロック330とは、形状及び大きさの少なくとも一方が異なっている。例えば、周方向CDにおいては、傾斜用の固定ブロック330の幅寸法が平行用の固定ブロック330の幅寸法よりも大きい。なお、傾斜用の固定ブロック330と平行用の固定ブロック330とは、形状及び大きさが同じになっていてもよい。
図96、図100に示すように、固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aに加えて、ブロック受け面330b,ブロック対向面330cを有している。ブロックテーパ面330a、ブロック受け面330b及びブロック対向面330cは、固定ブロック330の外面に含まれている。
ブロック受け面330bは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。ブロック受け面330bは、径方向内側を向いており、アキシャルギャップ475とは反対側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。ブロック受け面330bは、ホルダ受け面328aに重ねられた状態になっている。ブロック受け面330bは、径方向外側に向けて凹むように湾曲している。ブロック受け面330bは、湾曲面になっていることで円環状のホルダ受け面328aに重なりやすくなっている。ブロック受け面330bは、固定反対面に相当する。
ブロック対向面330cは、周方向CDに一対並べられている。一対のブロック対向面330cは、ブロックテーパ面330aとブロック受け面330bとにかけ渡されている。一対のブロック対向面330cは、互いに平行に延びている。
図97に示すように、固定ブロック330は、周方向CDに複数並べられている。複数の固定ブロック330は、周方向CDに沿って一列に並べられている。固定ブロック330の列は、全体として周方向CDに環状に延びている。周方向CDに隣り合う2つの固定ブロック330の間には隙間がある。これら固定ブロック330においては、それぞれのブロック対向面330cが互いに傾斜していることで隙間が形成されている。固定ブロック330は分割部材に相当する。
図96、図100に示すように、固定ブロック330は、ブロック内端面331及びブロック外端面332を有している。ブロック内端面331及びブロック外端面332は、ブロックテーパ面330a等と共に、固定ブロック330の外面に含まれている。ブロック内端面331及びブロック外端面332は、軸方向ADに直交する方向に延びている。ブロック内端面331は、磁石ホルダ320の内側に設けられており、アキシャルギャップ475とは反対側を向いている。ブロック外端面332は、磁石ホルダ320の外側に設けられており、アキシャルギャップ475を向いている。ブロック外端面332は、アキシャルギャップ475を介してステータ面201に対向している。ブロック内端面331とブロック外端面332とには、ブロックテーパ面330a、ブロック受け面330b及びブロック対向面330cがかけ渡された状態になっている。
固定ブロック330は、ブロック孔333を有している。ブロック孔333は、固定ブロック330を軸方向ADに貫通している。ブロック孔333は、ブロック内端面331とブロック外端面332とにかけ渡されるように軸方向ADに延びている。ブロック孔333は、磁石固定具335がねじ込まれたねじ孔である。ブロック孔333は、雌ねじを有している。雌ねじは、ブロック孔333の内周面に設けられている。
磁石ホルダ320は、ブロック用孔329を有している。ブロック用孔329は、ホルダ本体321を軸方向ADに貫通している。ブロック用孔329は、径方向RDにおいて322とホルダ受け部328との間に設けられている。ブロック用孔329は、周方向CDに複数並べられている。ブロック用孔329は、ブロック孔333に軸方向ADに並べられており、ブロック孔333に連通している。
磁石固定具335は、固定ブロック330を磁石ホルダ320にねじ止めしている。磁石固定具335は、非磁性の部材であり、非磁性材料により形成されている。磁石固定具335を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRPなどがある。
磁石固定具335は、固定軸部336及び固定頭部337を有している。固定軸部336は、固定頭部337から軸方向ADに延びている。固定軸部336は、雄ねじを有している。雄ねじは、固定軸部336の外周面に設けられている。固定軸部336は、ブロック用孔329を貫通してブロック孔333にねじ込まれている。固定頭部337は、固定ブロック330とは反対側からホルダ本体321に引っ掛かった状態になっている。固定頭部337は、軸方向ADにおいてホルダリブ323よりも突出しないようになっている。磁石固定具335は、ホルダ本体321を介して固定ブロック330とは反対側から固定ブロック330を磁石ホルダ320にねじ止めしている。磁石固定具335がねじ部材に相当し、固定軸部336がねじ部に相当し、固定頭部337がねじ頭部に相当する。
磁石固定具335は、ブロック孔333に対する固定軸部336のねじ込み度合いを調整することで、固定ブロック330の位置を軸方向ADに調整可能である。また、ホルダ受け面328a及びブロック受け面330bは、モータ軸線Cmに対して傾斜していることで、固定ブロック330の位置を径方向RDに調整可能である。例えば、磁石ユニット316の形状及び大きさなどに応じて固定ブロック330の位置が径方向RDにずれたとしても、固定ブロック330の位置が軸方向ADに調整されることでホルダ受け面328aとブロック受け面330bとが接触しやすい。ホルダ受け面328a及びブロック受け面330bの両方が調整面に相当する。
例えば本実施形態とは異なり、ホルダ受け面328a及びブロック受け面330bがモータ軸線Cmに平行に延びた構成を想定する。この構成では、例えば固定ブロック330の位置が径方向外側にずれると、ホルダ受け面328aとブロック受け面330bとが径方向RDに離れてしまうことが懸念される。また、固定ブロック330の位置が径方向内側にずれると、固定ブロック330がホルダ受け部328に引っ掛かり、固定ブロック330を磁石ユニット316とホルダ受け部328との間に入り込ませることができない、ということが懸念される。
図96、図101、図102に示すように、磁石ユニット316は、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hを有している。磁石ユニット316は、全体として板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hは、磁石ユニット316が有する一対の板面である。第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hは、軸方向ADに直交する方向に延びている。第1ユニット面316gは、アキシャルギャップ475側を向いている。第1ユニット面316gは、アキシャルギャップ475を介してステータ200に対向しており、ユニット対向面に相当する。第2ユニット面316hは、アキシャルギャップ475とは反対側を向いている。第2ユニット面316hは、本体内板面321bに重ねられている。第1ユニット面316gと第2ユニット面316hとは、互いに平行に延びている。
磁石ユニット316の周縁面は、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hの周縁部に沿って延びている。磁石ユニット316の周縁面は、第1ユニット面316gと第2ユニット面316hとにかけ渡されるように軸方向ADに延びている。磁石ユニット316の周縁面には、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b及びユニット側面316cが含まれている。
ユニット内周端316aは、磁石ユニット316において径方向内側の端面である。ユニット内周端316aには、内周テーパ面316dが含まれている。内周テーパ面316dが磁石傾斜面に相当し、ユニット内周端316aが内側端面に相当する。ユニット外周端316bは、磁石ユニット316において径方向外側の端面である。ユニット外周端316bには、外周テーパ面316eが含まれている。外周テーパ面316eが外周傾斜面に相当し、ユニット外周端316bが外側端面に相当する。
内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eにおいては、モータ軸線Cmに対する傾斜角度が例えば45度より小さい角度になっている。内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eにおいては、周方向CDの長さ寸法が軸方向ADの長さ寸法よりも小さくなっている。
図96に示すように、磁石ユニット316においては、ユニット内周端316aが本体内板面321bとブロックテーパ面330aとの間に入り込んだ状態になっている。ブロックテーパ面330aは、アキシャルギャップ475とは反対側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。ブロックテーパ面330aは、内周テーパ面316dに重なるように引っ掛かっている。ブロックテーパ面330aが固定傾斜面に相当する。
ロータ第1面301には、第1ユニット面316gが含まれている。ロータ第1面301には、外周係合部322の先端面が含まれている。外周係合部322の先端面は、第1ユニット面316gと共にアキシャルギャップ475を形成している。外周係合部322の先端面は、径方向RDにおいて第1ユニット面316gに連続して並んでいる。外周係合部322の先端面は、第1ユニット面316gを越えてアキシャルギャップ475に近づくことがないようになっている。外周係合部322の先端面は、第1ユニット面316gを越えてアキシャルギャップ475から遠い位置にあってもよい。
ロータ第1面301には、ブロック内端面331が含まれている。ブロック内端面331は、第1ユニットと共にアキシャルギャップ475を形成している。ブロック内端面331は、径方向RDにおいて第1ユニット面316gに連続して並んでいる。ブロック内端面331は、第1ユニット面316gを越えてアキシャルギャップ475に近づくことがないようになっている。ブロック内端面331は、第1ユニット面316gを越えてアキシャルギャップ475から遠い位置にあってもよい。
ロータ300においては、軸方向ADでの磁石ユニット316の位置によってアキシャルギャップ475が決まるようになっている。上述したように、外周係合部322及び固定ブロック330が第1ユニット面316gを越えてアキシャルギャップ475に近づくことでアキシャルギャップ475が狭くなる、ということが生じないようになっている。
磁石ユニット316は、接着材によりホルダ本体321に接着されている。接着材は、樹脂材料等により形成されている。図99、図103に示すように、磁石ホルダ320は、接着凹部481及び磁石台482を有している。接着凹部481は、本体内板面321bに設けられた凹部である。磁石台482は、接着凹部481の底面から突出した凸部である。磁石台482の先端面は、本体内板面321bに面一になっている。磁石ユニット316は、磁石台482と本体内板面321bとにかけ渡されるように設けられている。接着材は、接着凹部481の内部に設けられており、接着凹部481の内面と第2ユニット面316hとを接着している。
図98、図99、図103に示すように、磁石ホルダ320は、磁石用突起483を有している。磁石用突起483は、ホルダ本体321から磁石ユニット316側に突出している。磁石用突起483は、例えば磁石台482に設けられた突起である。磁石用突起483は、周方向CDに複数並べられている。磁石用突起483は、外周係合部322とホルダ受け部328との間に設けられており、径方向RDに延びている。磁石用突起483は、周方向CDにおける磁石ユニット316の位置を決めており、位置決め部に相当する。磁石用突起483は、磁石ユニット316に引っ掛かることで、磁石ユニット316が磁石ホルダ320に対して相対的に周方向CDに位置ずれすることを規制している。
図98、図102に示すように、磁石ユニット316は、側部テーパ面316fを有している。側部テーパ面316fは、ユニット側面316cに含まれている。側部テーパ面316fは、モータ軸線Cmに対して傾斜した傾斜面である。側部テーパ面316fは、ホルダ本体321側を向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜している。磁石用突起483は、側部テーパ面316fとホルダ本体321との間に入り込んだ状態になっている。磁石用突起483は、側部テーパ面316fに接触することで磁石ユニット316の位置決めを行う。磁石用突起483は、側部テーパ面316fに引っ掛かった状態になることで磁石ユニット316の位置ずれを規制している。
上記構成群Bcにて述べたように、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。傾斜磁石ユニット317においては、周方向CDの幅寸法が径方向外側ほど大きくなっている。傾斜磁石ユニット317においては、幅寸法が最も小さい部位がユニット内周端316aであり、幅寸法が最も大きい部位がユニット外周端316bである。傾斜磁石ユニット317が拡大ユニットに相当する。
平行磁石ユニット318においては、周方向CDの幅寸法が径方向RDにおいて均一である。平行磁石ユニット318においては、ユニット内周端316aの幅寸法とユニット外周端316bの幅寸法とが同じである。平行磁石ユニット318が均一ユニットに相当する。
傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318とは、周方向CDに1つずつ交互に並べられている。図103に示すように、ユニット境界部は、径方向内側に延長するとモータ軸線Cmから径方向RDにずれた位置を通ることになる。ユニット境界部は、傾斜磁石ユニット317と平行磁石ユニット318との境界部であり、周方向CDに複数並んでいる。磁石台482及び磁石用突起483は、ユニット境界部に沿って径方向RDに延びている。磁石台482は、例えば全てのユニット境界部に対して個別に設けられている。複数の磁石台482には、磁石用突起483が設けられた突起ありの磁石台482と、磁石用突起483が設けられていない突起なしの磁石台482とが含まれている。例えば、突起ありの磁石台482と、突起なしの磁石台482とは、周方向CDに1つずつ交互に並べられている。
上記構成群Baにて述べたように、磁石310の配列にはハルバッハ配列が用いられている。図98に示すように、複数の磁石310がハルバッハ配列で周方向CDに並ぶように、複数の磁石ユニット316が周方向CDに並べられている。ハルバッハ配列により、磁石310により生じる磁束がアキシャルギャップ475に向けて延びやすくなっている。しかも、磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335が非磁性である。このため、磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335が磁石310からの磁束を阻害しにくくなっている。また、磁石ホルダ320は、磁石310からの磁束を外部に漏らしにくくなっている。したがって、磁石310からの磁束が磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335に向けて延びるということが抑制される。
ロータ300においては、磁石310の配列にハルバッハ配列が用いられていることで、ヨークが必要でない構成になっている。この構成では、磁石ホルダ320と磁石310との間にヨークを設けるなどの必要がない。すなわち、磁石310がヨークを介して磁石ホルダ320に間接的に固定された構成にする必要がない。このため、磁石310を磁石ホルダ320に直接的に固定することができる。したがって、磁石310の位置精度を高めることができる。また、磁石ホルダ320に対する磁石310の固定強度を高めることができる。
次に、ロータ300の製造方法について説明する。ロータ300を製造する工程では、作業者は、準備工程として、磁石ホルダ320、磁石ユニット316、固定ブロック330及び磁石固定具335を準備する。
作業者は、準備工程の後、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定する固定工程を行う。作業者は、固定工程において、まず磁石ホルダ320の接着凹部481に接着材を塗布する。その後、作業者は、磁石用突起483に合わせて磁石ユニット316を磁石ホルダ320に仮置きする。作業者は、例えば傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318のいずれについても、磁石用突起483に当たるように周方向CDに片寄せして磁石ホルダ320に組み付ける。作業者は、ユニット外周端316bを係合テーパ面322aと本体内板面321bとの間に入り込ませた状態で、ユニット内周端316aをホルダ本体321との間に挟み込むように固定ブロック330を磁石ホルダ320に装着する。そして、作業者は、磁石固定具335で固定ブロック330を磁石ホルダ320に固定する。
<構成群H>
図104、図105、図106において、電力引出線212は、電力バスバ261に通電可能に接続されている。電力引出線212は、外周引出部212a等に加えて、接続屈曲部212fを有している。なお、図106においては、ロータ300a,300bなどの図示を省略している。
接続屈曲部212fは、電力引出線212において外周引出部212aとコイル211との間にある部位である。接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて外周屈曲部212dから電力バスバ261とは反対側に離間した位置にある。接続屈曲部212fは、屈曲した状態で外周引出部212aとコイル211とを接続している。接続屈曲部212fは、径方向外側に向けて膨らむように曲がっており、例えば屈曲している。接続屈曲部212fは、外周引出部212aとコイル211とを接続するために曲がっている。接続屈曲部212fは、接続曲がり部に相当する。なお、接続屈曲部212fは、曲がっていれば屈曲していなくてもよく、例えば湾曲していてもよい。
電力引出線212は、引出基端部212gを有している。引出基端部212gは、電力引出線212においてコイル211側の端部である。引出基端部212gは、接続屈曲部212fにおいてコイル211側の端部でもある。引出基端部212gは、電力引出線212とコイル211との境界部に含まれている。
グロメット255においては、グロメット孔450に電力引出線212が挿通されている。電力引出線212においては、外周引出部212aがグロメット孔450に挿通されている。グロメット255は耐熱性を有している。グロメット255は、コイル保護部250を成形する際の成形温度に耐えることが可能である。成形温度は、コイル保護部250を樹脂成形するための溶融樹脂の温度である。グロメット255は、溶融樹脂の熱に耐えることが可能である。コイル保護部250は、モールド樹脂と称されることがある。
モータ装置60が駆動している状態では、電力引出線212への通電により電力引出線212の温度が上昇しやすい。グロメット255は、モータ装置60の駆動に伴って温度上昇した電力引出線212の温度に耐えることが可能である。グロメット255は、電力引出線212の熱に耐えることが可能である。
図106、図107に示すように、グロメット255においては、グロメット孔450が締め孔部451及び拡張孔部452を有している。締め孔部451と拡張孔部452とは、軸方向ADに並べられている。拡張孔部452は、締め孔部451から軸方向ADにおいてコイル保護部250に向けて延びている。拡張孔部452は、締め孔部451に対して拡張された孔である。拡張孔部452は、締め孔部451よりも太い孔である。拡張孔部452の内径は、締め孔部451の内径よりも大きい。締め孔部451及び拡張孔部452は、例えば断面円状になっている。
グロメット255は、グロメット筒体460及びグロメットリブ465を有している。グロメット筒体460は、グロメット255において筒状の部位であり、軸方向ADに延びている。グロメット筒体460は、軸方向ADに並べられた一対の端部を有している。一方の端部は、コイル保護部250の内部にあり、埋設部255aに含まれている。他方の端部は、コイル保護部250から外周屈曲部212d側に離れた位置にあり、露出部255bに含まれている。グロメット筒体460が保護筒部に相当する。
グロメットリブ465は、軸方向ADに直交する方向においてグロメット筒体460から延びている。グロメットリブ465は、グロメット筒体460が有する一対の端部の間に設けられている。グロメットリブ465は、一対の端部のうち、埋設部255aに含まれた端部よりも、露出部255bに含まれた端部に近い位置にある。グロメットリブ465は、グロメット筒体460から周方向CDの両側に向けて延びている。また、グロメットリブ465は、グロメット筒体460から径方向内側に向けて延びている。グロメットリブ465は、グロメット筒体460から周方向CDの一方に向けて延びた部位と、周方向CDの他方に向けて延びた部位と、径方向内側に向けて延びた部位と、を有している。
グロメット筒体460は、締め筒部461及び拡張筒部462を有している。締め筒部461は、締め孔部451を形成している。締め孔部451は、締め筒部461の内周面により形成されている。拡張筒部462は、拡張孔部452を形成している。拡張孔部452は、拡張筒部462の内周面により形成されている。締め筒部461と拡張筒部462とは、軸方向ADに並べられている。拡張筒部462は、締め筒部461から軸方向ADにおいてコイル保護部250に向けて延びている。拡張筒部462は、締め筒部461よりも薄肉になっている。拡張筒部462の肉部分は、締め筒部461の肉部分よりも薄くなっている。
グロメット255においては、グロメット筒体460の一部とグロメットリブ465とがグロメット本体256に含まれている。グロメット筒体460においては、締め筒部461の一部と拡張筒部462とがグロメット本体256に含まれている。締め筒部461の残り部分は、内グロメット部257に含まれている。外グロメット部258は、軸方向ADにおいてグロメットリブ465から締め筒部461側に向けて延びている。
図107に示すように、グロメット孔450においては、締め筒部461が拡張筒部462よりも短い。軸方向ADにおいては、締め筒部461の長さ寸法Lb1が拡張筒部462の長さ寸法Lb2よりも小さい。締め筒部461は、グロメット筒体460の長さの1/2よりも短い。軸方向ADにおいては、締め筒部461が有する長さ寸法Lb1が、グロメット筒体460の長さ寸法Lb3の1/2よりも小さい。締め筒部461が有する長さ寸法Lb1は、例えば締め孔部451の外径よりも大きい。また、長さ寸法Lb1は、例えば締め筒部461の外径よりも大きい。締め筒部461は、内グロメット部257よりも長い。グロメット255においては、グロメットリブ465が締め筒部461と拡張筒部462との境界部を軸方向ADに跨いだ状態になっている。なお、締め筒部461が有する長さ寸法Lb1は、締め代と称されることがある。
図106に示すように、グロメット255においては、埋設部255aがコイル保護部250に埋め込まれており、露出部255bがコイル保護部250から露出している。グロメット255は、グロメット本体256が埋設部255aになるように、且つ内グロメット部257及び外グロメット部258が露出部255bになるように、コイル保護部250に埋め込まれている。グロメット255は、少なくとも埋設部255aにより電力引出線212を覆って保護している。埋設部255aが保護埋設部に相当する。
埋設部255aは、コイル保護部250の内部において、保護軸線Cpを超えて電力バスバ261とは反対側に向けて延びている。保護軸線Cpは、コイル保護部250の中心を通って径方向RDに延びる直線状の仮想線である。保護軸線Cpは、コイル保護部250の中心線に相当する。軸方向ADにおいては、埋設部255aの長さ寸法La2がコイル保護部250の長さ寸法La1の1/2よりも大きい。埋設部255aが有する長さ寸法La2は、コイル保護部250において埋設部255aに軸方向ADに並ぶ部位の長さ寸法La3よりも大きい。埋設部255aは、内グロメット部257よりも長くなっている。埋設部255aが有する長さ寸法La2は、軸方向ADにおいて内グロメット部257の長さ寸法La4よりも大きい。なお、図106においては、外グロメット部258の図示を省略している。
グロメット255においては、グロメット筒体460の一部が電力引出線212に密着している。グロメット筒体460においては、締め筒部461が外周引出部212aに密着している。締め筒部461は、外周引出部212aに密着した状態で外周引出部212aを覆っている。締め筒部461の内径は、外周引出部212aの外径よりも若干小さくなっている。締め筒部461は、弾性変形した状態で外周引出部212aに装着されており、グロメット255の復元力により外周引出部212aに密着している。グロメット255の復元力により、締め筒部461と外周引出部212aとの間には隙間が生じにくくなっている。締め筒部461が密着覆い部に相当する。
グロメット筒体460においては、拡張筒部462が、外周引出部212aから外周側に離れた状態になっている。拡張筒部462は、拡張筒部462の径方向において外周引出部212aから外側に離れている。拡張筒部462は、外周引出部212aの外周面から離れた状態で外周引出部212aを覆っている。拡張筒部462と外周引出部212aとの間に隙間が生じている。拡張筒部462の内径は、外周引出部212aの外径よりも大きくなっている。拡張筒部462が隙間覆い部に相当する。
拡張筒部462と外周引出部212aとの間には、コイル保護部250の一部が入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、保護本体251及び保護進入部252を有している。保護進入部252は、拡張筒部462と外周引出部212aとの隙間に進入するように入り込んだ状態になっている。保護進入部252は、保護本体251から軸方向ADに延びている。保護進入部252は、拡張筒部462の内面と外周引出部212aの外面との両方に密着している。保護進入部252は、拡張筒部462の内面と外周引出部212aの外面とを接合した状態になっている。保護進入部252は、拡張筒部462と外周引出部212aとの隙間に充填された状態になっている。保護進入部252が入り込み部に相当する。
保護進入部252は、外周引出部212aを覆った状態になっている。保護進入部252は、外周引出部212aの外周面に沿って環状に延びている。保護進入部252の肉部分は、拡張筒部462の肉部分よりも薄くなっている。保護進入部252においては、肉部分の厚さ寸法が外周引出部212aの外径よりも小さくなっている。
コイル保護部250は、第1保護端部250a及び第2保護端部250bを有している。コイル保護部250は、軸方向ADに並んだ一対の端部を保護端部250a,250bとして有している。一対の端部のうち、軸方向ADにおいて電力バスバ261側の端部が第1保護端部250aであり、電力バスバ261とは反対側の端部が第2保護端部250bである。保護端部250a,250bは、コイル保護部250の端面であり、軸方向ADに直交する方向に延びている。
コイル211は、第1コイル端部211a及び第2コイル端部211bを有している。コイル211は、軸方向ADに並んだ一対の端部をコイル端部211a,211bとして有している。一対の端部のうち、軸方向ADにおいて電力バスバ261側の端部が第1コイル端部211aであり、電力バスバ261とは反対側の端部が第2コイル端部211bである。コイル端部211a,211bは、コイル線220により形成されている。第1コイル端部211aは、軸方向ADにおいて第1ロータ300a側にあり、ロータ側端部に相当する。第2コイル端部211bは、軸方向ADにおいて第1ロータ300aとは反対側にあり、反対側端部に相当する。
コイル端部211a,211bは、軸方向ADにおいて第1保護端部250aと第2保護端部250bとの間に設けられている。第1コイル端部211aは、第1保護端部250aから第2コイル端部211b側に離れた位置にある。第1コイル端部211aは、少なくともボビンフランジ242(図63等参照)の厚さ分だけ第1保護端部250aから離れている。第2コイル端部211bは、第2保護端部250bから第1コイル端部211a側に離れた位置にある。第2コイル端部211bは、少なくともボビンフランジ242の厚さ分だけ第2保護端部250bから離れている。
電力引出線212は、コイル211において第2コイル端部211bから引き出されている。引出基端部212gを含む接続屈曲部212fは、コイル211から径方向外側に向けて延びた部位と、軸方向ADにおいて外周引出部212aから第2コイル端部211bに向けて延びた部位と、を有している。
接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて第1コイル端部211aから第2コイル端部211b側に離間した位置にある。このため、引出基端部212gは、第1コイル端部211aから第2コイル端部211b側に離間した位置にある。また、接続屈曲部212fは、保護軸線Cpから第2コイル端部211b側に離間した位置にある。このため、引出基端部212gは、保護軸線Cpから第2コイル端部211b側に離間した位置にある。さらに、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいてグロメット255から第2コイル端部211b側に離間した位置にある。
グロメット255は、第1保護端部250aを軸方向ADに跨ぐ位置に設けられている。露出部255bは、軸方向ADにおいて第1保護端部250aからコイル211とは反対側に向けて延びている。埋設部255aは、軸方向ADにおいて第1保護端部250aからコイル211側に向けて延びている。
グロメット255は、第1コイル端部211aを軸方向ADに跨ぐ位置に設けられている。露出部255bは、第1コイル端部211aからコイル211とは反対側に離間した位置にある。埋設部255aは、第1コイル端部211aを軸方向ADに跨ぐ位置にある。グロメット255は、軸方向ADにおいて保護軸線Cpを越えて第2コイル端部211b側に延びている。
図107、図108に示すように、グロメット255は、グロメット溝466を有している。グロメット溝466は、グロメット255の外面に設けられた凹部である。グロメット255の外面には、筒側面460bが含まれている。筒側面460bは、グロメット筒体460の外面に含まれている。筒側面460bは、周方向CDに直交する方向に延びており、周方向CDにおいてグロメット孔450を介して一対に並べられている。筒側面460bは、拡張筒部462の外面に含まれている。筒側面460bは、グロメットリブ465から締め筒部461とは反対側に向けて延びている。拡張筒部462においてグロメット溝466が設けられた部位は、埋設部255aに含まれている。グロメット溝466は、埋設部255aの外面に設けられている。
グロメット溝466は、一対の筒側面460bのそれぞれに設けられている。グロメット溝466は、筒側面460bに複数設けられている。複数のグロメット溝466は、一対の筒側面460bのそれぞれにおいて軸方向ADに並べられている。グロメット溝466は、周方向CDに開放された溝部である。グロメット溝466は、径方向RDに延びている。グロメット溝466は、径方向内側及び径方向外側のそれぞれに開放されている。
グロメット255は、筒テーパ面460aを有している。筒テーパ面460aは、グロメット筒体460の外面に含まれている。筒テーパ面460aは、径方向内側を向いている。筒テーパ面460aは、軸方向ADにおいてリブ交差面465bとは反対側を向くように、リブ交差面465bに対して傾斜している。筒テーパ面460aは、筒傾斜面と称されることがある。筒テーパ面460aは、締め筒部461の外面に含まれている。筒テーパ面460aは、グロメットリブ465から軸方向ADにテーパ状に延びている。径方向RDにおいて締め筒部461の厚さ寸法は、筒テーパ面460aにより、軸方向ADにおいてグロメットリブ465とは反対側に向けて徐々に小さくなっている。
図109に示すように、コイル保護部250の一部がグロメット溝466の内部に入り込んだ状態になっている。グロメット255とコイル保護部250とは互いに係合した状態になっている。グロメット255とコイル保護部250とが係合した係合部分により、コイル保護部250からグロメット255が抜けるということが規制されている。
コイル保護部250は、保護係合部253を有している。保護係合部253は、グロメット溝466に入り込んだ状態になっている。保護係合部253は、保護本体251からグロメット溝466の内部に向けて延びている。保護係合部253は、グロメット溝466の内面に密着している。保護係合部253は、グロメット溝466に係合した状態になっている。グロメット溝466は、周方向CDという軸方向ADに直交した方向に開放され、径方向RDという軸方向ADに直交した方向に延びている。グロメット溝466が埋設係合部に相当し、保護係合部253が被係合部に相当する。
グロメット255は、モータハウジング70において第1周保持部172に引っ掛かった状態になっている。第1周保持部172は、第1凹部172a、第1内周面172b及び第1延出面172cを有している。第1内周面172b及び第1延出面172cは、第1周保持部172の外面に含まれている。第1内周面172bは、第1周保持部172の外面のうち径方向内側を向いた面である。第1延出面172cは、第1周保持部172の外面のうち軸方向ADにおいて電力バスバ261側を向いた面である。第1凹部172aは、第1内周面172bに設けられた凹部であり、第1内周面172bから径方向外側に向けて凹んでいる。第1凹部172aは、軸方向ADにおいて第1延出面172c側に開放されている。第1凹部172aは、軸方向ADにおいて引出溝部171aから第1延出面172c側に向けて延びている。
グロメット255は、引出溝部171a及び第1凹部172aの内部に入り込んだ状態になっている。グロメット255においては、拡張筒部462が引出溝部171aの内部に入り込んでいる。グロメットリブ465は、第1凹部172aの内部に入り込んでいる。グロメットリブ465は、軸方向ADにおいて軸保持部174とは反対側から第1凹部172aに引っ掛かった状態になっている。グロメットリブ465は、第1凹部172aの内面に密着した状態になっている。
グロメット255は、リブ延出面465a及びリブ交差面465bを有している。リブ延出面465a及びリブ交差面465bは、グロメットリブ465の外面に含まれている。リブ延出面465aは、グロメット筒体460から軸方向ADに直交する方向に延びている。グロメット255は、第1周保持部172に一体化された状態になっている。リブ延出面465aは、第1延出面172cに一体化されたように周方向CDに延びている。例えば、リブ延出面465aと第1延出面172cとは、互いに連続するように延びた面になっている。リブ交差面465bは、第1内周面172bに一体化されたように周方向CDに延びている。例えば、リブ交差面465bと第1内周面172bとは、互いに連続するように延びた面になっている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、グロメット255付きのコイル保護部250を製造する方法について説明する。グロメット255付きのコイル保護部250を製造する工程では、作業者は、準備工程として、コイルユニット210、モータハウジング70及びグロメット255を準備する。準備工程の段階では、コイルユニット210が有する電力引出線212が軸方向ADに直線状に延びた状態になっている。
作業者は、準備工程の後、グロメット工程、装着工程及び金型工程を行う。作業者は、グロメット工程において、コイルユニット210が有する電力引出線212にグロメット255を装着する。作業者は、電力引出線212を拡張孔部452側からグロメット孔450に挿通させる。グロメット255においては、締め筒部461の内周面が電力引出線212に密着しやすい一方で、拡張筒部462の内周面と電力引出線212との間には隙間が形成されやすい。このため、例えば本実施形態とは異なり、グロメット筒体460の内周面全体が電力引出線212に密着する構成に比べて、グロメット255と電力引出線212とが密着する密着面積が小さくなる。したがって、作業者が電力引出線212をグロメット孔450に挿通させる作業の困難性が低減しやすくなっている。
作業者は、装着工程において、コイルユニット210及びグロメット255をモータハウジング70に装着する。作業者は、コイルユニット210をモータハウジング70の内部に設置した状態で、電力引出線212が貫通した状態のグロメット255を引出溝部171a及び第1凹部172aに嵌め込む。グロメット255は、弾性変形に伴って生じる復元力により引出溝部171a及び第1凹部172aの各内面に密着している。グロメット255は、引出溝部171a及び第1凹部172aに嵌め込まれた状態で、電力引出線212に対して接続屈曲部212fから軸方向ADに離間した位置にある。作業者は、グロメット255と共に電力引出線212を引出溝部171aに入り込ませる。
作業者は、金型工程において、コイルユニット210及びグロメット255が装着されたモータハウジング70に対して金型を装着する。作業者が金型をモータハウジング70に装着する前においては、グロメット255が引出溝部171a及び第1凹部172aからはみ出した状態になっている。金型は、グロメット255を軸方向ADに押さえる軸押圧面を有している。軸押圧面は、軸方向ADにおいてリブ延出面465a側を向いており、リブ延出面465aと第1延出面172cとが面一になるようにリブ延出面465aを押圧する。軸押圧面は、グロメットリブ465が第1凹部172aの内部に入り込むように、グロメット255を軸方向ADに弾性変形させる。
金型は、グロメット255を径方向外側に向けて押さえる径押圧面を有している。径押圧面は、径方向外側を向いており、リブ交差面465bと第1内周面172bとが面一になるようにリブ交差面465bを押圧する。径押圧面は、グロメットリブ465が第1凹部172aの内部に入り込むように、グロメット255を径方向RDに弾性変形させる。
作業者は、金型を、軸方向ADにおいて締め筒部461側から拡張筒部462に向けてモータハウジング70の内部に入り込ませる。作業者は、軸押圧面がリブ延出面465aを押圧しながら第1延出面172cに接触するように、且つ径押圧面がリブ交差面465bを押圧しながら第1内周面172bに接触するように、金型が第1周保持部172に引っ掛かった状態にする作業を行う。この作業において、筒テーパ面460aがリブ交差面465bに対して傾斜しているため、軸押圧面がリブ延出面465aに到達する前に筒テーパ面460aに引っ掛かるということが生じにくくなっている。
作業者は、金型工程の後、コイル保護部250をモールド成形するための成形工程を行う。作業者は、成形工程において、溶融樹脂をモータハウジング70及び金型の内部に流し込む。溶融樹脂は樹脂モールドと称されることがある。モータハウジング70においては、第1凹部172aから溶融樹脂が漏れ出すということがグロメット255により規制される。グロメットリブ465が第1凹部172aの内面に密着しているため、グロメットリブ465と第1凹部172aとの間に溶融樹脂が進入するということが規制される。グロメット255においては、拡張筒部462と電力引出線212との間に隙間が生じているため、拡張孔部452の内部に溶融樹脂が進入する。その一方で、締め筒部461は電力引出線212に密着しているため、締め孔部451の内部には溶融樹脂が進入しないようになっている。このため、グロメット孔450から溶融樹脂が漏れ出すということが規制される。
溶融樹脂がモータハウジング70及び金型の内部に射出される際、コイルユニット210及びグロメット255には射出圧力が付与される。射出圧力は、溶融樹脂をモータハウジング70及び金型の内部に射出するための圧力である。コイルユニット210においては、電力引出線212が溶融樹脂の射出圧力により押圧されて意図せずに変形するということがグロメット255により抑制される。例えば、電力引出線212において、接続屈曲部212fと露出部255bとの間の部分が意図せずに変形することが埋設部255aにより抑制される。このため、電力引出線212がモータハウジング70に接触することが抑制され、その結果、ケース短絡が生じることが抑制される。ケース短絡は、電力引出線212の導体部221がモータハウジング70に接触することにより生じる短絡である。
埋設部255aにおいては、拡張筒部462と電力引出線212との間に隙間があることで、電力引出線212に対して拡張筒部462が相対的に変形することが可能である。このため、拡張筒部462に付与された溶融樹脂の射出圧力は、拡張筒部462が変形することで電力引出線212に付与されにくくなる。
作業者は、溶融樹脂が固化してコイル保護部250が成形された後、モータハウジング70から金型を取り外す。その後、作業者は、電力引出線212を曲げて内周引出部212bなどを形成する作業を行う。
<構成群I>
上記構成群Bd,Beにて述べたように、ロータ300においては、シャフト340にロータ300が取り付けられている。シャフト340は、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRP等により形成されている。本実施形態では、シャフト340がチタンにより形成されている。
図110において、スポーク343は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びており、回転延び部に相当する。スポーク343は、シャフト本体341とリム344との間に設けられている。スポーク343は、径方向RDに延びた状態でシャフト本体341とリム344とを接続している。スポーク343は、リム内周孔349を介してシャフト本体341とリム344とにかけ渡された状態になっている。スポーク343は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間に設けられている。スポーク343は、リム344において第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間の部位に接続されている。
図37に示すように、スポーク343は、周方向CDに複数並べられている。複数のスポーク343は、モータ軸線Cmを中心にして放射状に延びている。周方向CDに隣り合う2つのスポーク343は、互いに周方向CDに離間している。軸方向ADにおいては、スポーク343の高さ寸法がリム344の高さ寸法よりも小さい。
図110において、リム344は、全体として板状に形成されており、径方向RDに直交する方向に延びている。リム344は、ホルダ内周端320aに沿って周方向CDに延びている。リム344は、スポーク343から軸方向ADの両側に向けて延びている。例えばリム344は、スポーク343から第1ロータ300a側に突出しているとともに、スポーク343から第2ロータ300b側に突出している。リム344は、コイル211と磁石310との吸引力F1に抗してロータ300を支持しており、回転支持部に相当する。リム344は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれで生じる吸引力F1に抗して、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれを支持している。
リム344は、径方向RDにおいてモータ軸線Cmよりもホルダ外周端320bに近い位置に設けられている。すなわち、リム344は、ロータ300の外周端寄りの位置に設けられている。例えば、リム344と外周仮想線Vm1との距離LI1は、リム344とモータ軸線Cmとの距離LI2よりも小さい。外周仮想線Vm1は、ホルダ外周端320bを通ってモータ軸線Cmに平行に延びる直線状の仮想線である。
距離LI2は、外周仮想線Vm1とモータ軸線Cmとの距離LI3よりも小さい一方で、中間仮想線Vm2とモータ軸線Cmとの距離LI4より大きい。中間仮想線Vm2は、径方向RDにおいて外周仮想線Vm1とモータ軸線Cmとの真ん中を通ってモータ軸線Cmに平行に延びる直線状の仮想線である。距離LI1は、距離LI3,LI4のいずれよりも小さい。距離LI1は、径方向RDでのリム344とホルダ外周端320bとの離間距離である。距離LI1,LI2はいずれも、リム344の中心までの距離である。ホルダ外周端320bは、磁石ホルダ320の外周端であるとともに、ロータ300の外周端である。
リム344は、径方向RDにおいてシャフト本体341よりも磁石310に近い位置に設けられている。例えば、リム344と磁石310との距離LI5は、リム344とシャフト本体341との距離LI6よりも小さい。距離LI5は、径方向RDにおいてリム344の中心とユニット内周端316aとの離間距離である。距離LI6は、径方向RDにおいてリム344の中心とスポーク343の内周端との離間距離である。
リム344は、径方向RDにおいてホルダ外周端320bよりもホルダ内周端320aに近い位置に設けられている。例えば、リム344とホルダ内周端320aとの距離LI8は、リム344とホルダ外周端320bとの距離LI7よりも小さい。距離LI7,LI8はいずれも、リム344の中心までの距離である。
リム344は、径方向RDにおいてホルダ内周端320aと磁石310との間に設けられている。リム344は、ホルダ内周端320a及び磁石310のいずれからも離れた位置にある。ホルダ内周端320aは、磁石ホルダ320の内周端であるとともに、ロータ300の内周端である。リム344は、径方向RDにおいてホルダ内周端320aよりも磁石310に近い位置に設けられている。例えば、リム344と磁石310との距離LI5は、リム344とホルダ内周端320aとの距離LI8よりも小さい。
上記構成群Bd,Beにて述べたように、ホルダ固定具350は、磁石ホルダ320をシャフトフランジ342に固定している。シャフトフランジ342においては、スポーク343に磁石ホルダ320が固定されている。ホルダ固定具350は、フランジ固定孔345にねじ込まれている。フランジ固定孔345は、スポーク343において磁石ホルダ320が固定された部位である。ホルダ固定具350は、径方向RDにおいてリム344から磁石310とは反対側に離れた位置に設けられている。ホルダ固定具350は、回転固定部に相当する。
ホルダ固定具350は、磁石ホルダ320をスポーク343に向けて押圧した状態で、磁石ホルダ320をスポーク343に固定している。ホルダ固定具350は、磁石ホルダ320がスポーク343に近づく向きに押圧力F3を磁石ホルダ320に加えている。磁石ホルダ320においては、磁石ホルダ320がコイル211から離れるように働く曲げ応力F2が押圧力F3により生じる。この曲げ応力F2は、コイル211と磁石310との吸引力F1に抗して、磁石ホルダ320がコイル211に近づく向きに曲がることを規制している。ロータ300においては、吸引力F1が作用する作用位置が力点になる。
磁石ホルダ320においては、リム先端部344aが押圧力F3に対する支点になることで曲げ応力F2が生じる。リム先端部344aは、磁石ホルダ320に当接する当接面になる。吸引力F1、曲げ応力F2及び押圧力F3はいずれも軸方向ADに向かう力であるため、リム344に付与される力も軸方向ADに向かう力になりやすい。このため、リム344が径方向RDに薄い形状になっていても、リム344に付与される力によりリム344が変形するということが生じにくくなっている。そこで、リム344が極力薄い形状になっていることでシャフト340の軽量化が図られている。
例えば、リム344はスポーク343よりも薄くなっている。具体的には、径方向RDでのリム344の厚さ寸法は、軸方向ADでのスポーク343の厚さ寸法よりも小さい。また、リム344の厚さ寸法は、径方向RDでの磁石310とリム344との距離LI5よりも小さい。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、シャフト340を製造する方法について説明する。シャフト340を製造する工程では、作業者は、準備工程として、図111に示すようなシャフト母材490を準備する。シャフト母材490は、シャフト340を製造するための母材であり、例えば直方体状の部材である。シャフト母材490は、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRP等により形成されている。本実施形態では、シャフト母材490としてチタン製の母材が用いられる。
準備工程の後、作業者は、シャフト母材490をシャフト340の形状に加工する加工工程を行う。作業者は、加工工程において、シャフト母材490を切削する切削加工を行い、シャフト母材490からシャフト340を製造する。加工工程では、研削加工が行われてもよい。シャフト340の製造においては、極力小さい母材がシャフト母材490として用いられることで、材料の歩留まりが向上しやすくなる。
<構成群K>
上記構成群Agにて述べたように、モータ装置60はレゾルバ421を有している。図112、図113に示すように、レゾルバ421は、シャフト本体341に設けられている。レゾルバ421は、シャフト本体341の回転状態を検出することでロータ300の回転状態を検出する。レゾルバ421は、シャフト本体341の回転状態として回転角度を検出する。レゾルバ421が回転検出部に相当し、シャフト本体341が回転軸部に相当する。レゾルバ421は、全体として本体外周面341aに沿って周方向CDに延びている。本体外周面341aは、シャフト本体341の外周面である。レゾルバ421は、環状に形成されており、シャフト本体341の径方向外側に設けられている。
レゾルバ421は、レゾルバステータ421a及びレゾルバロータ421bを有している。レゾルバ421においては、レゾルバロータ421bがレゾルバステータ421aに対して相対的に回転することで、シャフト本体341の回転角度を検出する。
レゾルバステータ421aは、モータハウジング70側に設けられている。レゾルバステータ421aは、例えばリアフレーム370に固定されている。レゾルバステータ421aは、リアフレーム370に沿って周方向CDに延びている。レゾルバステータ421aは、環状に形成されており、シャフト本体341の径方向外側に設けられている。
レゾルバロータ421bは、ロータ300側に設けられている。レゾルバロータ421bは、シャフト本体341に固定されており、モータ軸線Cmを中心にしてシャフト本体341と共に回転する。レゾルバロータ421bは、本体外周面341aに沿って周方向CDに延びている。レゾルバロータ421bは、環状に形成されており、例えばレゾルバステータ421aの径方向内側に設けられている。
レゾルバ421は、径方向RDにおいて電力バスバ261とシャフト本体341との間に設けられている。レゾルバ421は、電力バスバ261から径方向内側に離れた位置にある。レゾルバ421は、径方向RDにおいて電力バスバ261よりもシャフト本体341に近い位置にある。径方向RDにおいては、レゾルバ421と電力バスバ261との位置関係が、レゾルバ421とバスバユニット260との位置関係にほぼ同じになっている。例えば、レゾルバ421は、電力バスバ261から径方向内側に離れた位置にあることで、バスバユニット260から径方向内側に離れた位置にある。
バスバユニット260は、断面長方形状になっている。バスバユニット260の断面においては、長辺が径方向RDに延びており、短辺が軸方向ADに延びている。バスバユニット260の断面においては、径方向RDの長さ寸法が軸方向ADの長さ寸法より大きい。バスバユニット260の外面はバスバ保護部270により形成されている。バスバユニット260においては、バスバ保護部270がリアフレーム370に固定されている。
レゾルバ421は、ユニット空間264に入り込んだ状態になっている。ユニット空間264は、バスバユニット260の内側空間である。ユニット空間264は、ユニット内周面260aにより四方が囲まれた空間である。ユニット空間264は、径方向RDにおいてユニット内周面260aと本体外周面341aとの間の空間である。ユニット内周面260aは、バスバユニット260の内周面である。ユニット内周面260aは、径方向RDに直交する方向に延びており、周方向CDに環状に延びている。レゾルバ421の少なくとも一部がユニット空間264に収容されている。本実施形態では、軸方向ADにおいてレゾルバ421のほぼ全体がユニット空間264に収容されている。ユニット空間264には、レゾルバコネクタ423及びレゾルバカバー424の少なくとも一部が収容されている。なお、レゾルバコネクタ423及びレゾルバカバー424は、ユニット空間264に収容されていなくてもよい。
レゾルバ421は、電力バスバ261の径方向内側に入り込んだ状態になっている。バスバユニット260においては、複数のバスバ本体262が軸方向ADに重ねられた状態になっている。レゾルバ421は、複数のバスバ本体262を跨ぐように軸方向ADに延びている。レゾルバ421は、複数のバスバ本体262よりもステータ200側及びステータ200とは反対側の両方に向けて延びている。レゾルバ421は、バスバ本体262とシャフト本体341との間に入り込んだ状態になっている。電力バスバ261の内側空間は、ユニット空間264に含まれている。レゾルバ421の少なくとも一部は、電力バスバ261の内側空間に収容されていることで、ユニット空間264に収容されている。
電力バスバ261は、コイル211に通電可能に接続されている。電力バスバ261は、例えば電力引出線212及びバスバ引出線265を介してコイル211に接続されている。電力バスバ261は、レゾルバ421から径方向外側に離れた位置に設けられている。電力バスバ261は、径方向RDにおいてレゾルバ421よりもモータ内周面70bに近い位置にある。電力バスバ261は通電バスバに相当する。電力バスバ261は、通電導体及び電力導体と称されることがある。
レゾルバ421と電力バスバ261とは、リアフレーム370に沿って径方向RDに並べられている。レゾルバ421及び電力バスバ261は、リアフレーム370を介してステータ200及びロータ300とは反対側にある。リアフレーム370は、ステータ200及びロータ300を軸方向ADから覆っている。レゾルバ421及び電力バスバ261は、リアフレーム370を介してモータハウジング70に固定されている。モータハウジング70が電機ハウジングに相当し、リアフレーム370が電機カバーに相当する。
電力バスバ261は、コイル部215に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。電力バスバ261は、複数のコイル部215が並べられた方向に延びている。複数のコイル部215は、周方向CDに沿って一列に並べられている。電力バスバ261は、コイル部215の列に沿って周方向CDに延びている。
上記構成群Aaにて述べたように、モータ装置60は中性点バスバ290を有している。レゾルバ421及び電力バスバ261は、第1ロータ300aを介して中性点バスバ290とは反対側にある。レゾルバ421及び電力バスバ261は、中性点バスバ290から軸方向ADに離れた位置に設けられている。軸方向ADにおいては、レゾルバ421及び電力バスバ261と中性点バスバ290との間に、第1ロータ300aに加えてリアフレーム370及びスポーク343が設けられている。スポーク343は、シャフト本体341から径方向外側に向けて延びた状態でロータ300を支持している。スポーク343は、ロータ支持部に相当する。
中性点バスバ290は、中性点65に通電可能に接続されている。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて、第1ロータ300a、リアフレーム370及びスポーク343を介してレゾルバ421及び電力バスバ261とは反対側にある。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間に設けられている。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aよりも第2ロータ300bに近い位置にある。
中性点バスバ290は、径方向RDにおいてレゾルバ421と電力バスバ261との間にある。中性点バスバ290は、レゾルバ421から径方向外側に離れた位置にある。中性点バスバ290は、電力バスバ261から径方向内側に離れた位置にある。中性点バスバ290は、径方向RDにおいてレゾルバ421よりも電力バスバ261に近い位置にある。中性点バスバ290は、径方向RDにおいてコイル部215とシャフトフランジ342との間にある。中性点バスバ290は、コイル部215の径方向内側にある。中性点バスバ290は、シャフトフランジ342から径方向外側に離れた位置にある。
シャフトフランジ342は、レゾルバ421と中性点バスバ290との間に入り込んだ位置にある。例えば、レゾルバ421と中性点バスバ290とを最短距離で仮想線により結んだ場合に、この仮想線とシャフトフランジ342とが交差する。シャフト340は、非磁性の部材であり、非磁性材料により形成されている。シャフト340を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRPなどがある。シャフト340においては、少なくともシャフトフランジ342が非磁性の部位になっている。シャフト40は、中性点バスバ290に電流が流れることで生じた磁界がレゾルバ421に届くことを規制しやすくなっている。例えば、中性点バスバ290への通電に伴って電磁波が発生し、この電磁波がレゾルバ421に届くことでレゾルバ421の検出信号にノイズが生じる、ということがシャフトフランジ342により抑制される。
リアフレーム370は、非磁性の部材であり、非磁性材料により形成されている。リアフレーム370を形成する非磁性材料としては、アルミニウム合金、チタン、樹脂及びCFRPなどがある。リアフレーム370は、中性点バスバ290及びコイル211への通電に伴って生じる磁界がレゾルバ421に届くことを規制しやすくなっている。また、リアフレーム370は、磁石310により生じる磁界がレゾルバ421に届くことを規制しやすくなっている。
ロータ300においては、磁石310のハルバッハ配列により、磁石310からの磁束が磁石ホルダ320の外部に漏れ出しにくくなっている。例えば、ロータ300においては、径方向内側への漏れ磁束が生じにくくなっている。また、ロータ300においては、軸方向ADにおいて磁石ホルダ320を介して磁石310とは反対側への漏れ磁束が生じにくくなっている。
<構成群L>
図114に示すように、磁石310は、磁石内周端310a、磁石外周端310b、磁石側面310c、内周テーパ面310d及び外周テーパ面310eを有している。また、磁石310は、第1磁石面310g及び第2磁石面310hを有している。これら磁石内周端310a,磁石外周端310b、磁石側面310c、テーパ面310d,310e、磁石面310g,310hは、磁石310の外面に含まれている。磁石内周端310aは、磁石310において径方向内側の端面である。内周テーパ面310dは、磁石内周端310aに含まれている。磁石外周端310bは、磁石310において径方向外側の端面である。外周テーパ面310eは、磁石外周端310bに含まれている。
上記構成群Bbにて述べたように、磁石ユニット316は、ユニット内周端316a、ユニット外周端316b、ユニット側面316c、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eを有している。また、上記構成群Gにて述べたように、磁石ユニット316は、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hを有している。
磁石ユニット316の外面は、磁石ユニット316が有する複数の磁石310により形成されている。磁石ユニット316の外面には、複数の磁石310の外面が含まれている。磁石内周端310aはユニット内周端316aに含まれている。磁石外周端310bはユニット外周端316bに含まれている。磁石側面310cはユニット側面316cに含まれている。磁石310の内周テーパ面310dは、磁石ユニット316の内周テーパ面316dに含まれている。磁石310の外周テーパ面310eは、磁石ユニット316の外周テーパ面316eに含まれている。第1磁石面310gは第1ユニット面316gに含まれている。第2磁石面310hは第2ユニット面316hに含まれている。
なお、磁石ユニット316は、側部テーパ面316f(図98参照)を有している。磁石310は、側部テーパ面316fに含まれる部位を有している。この部位は、磁石310の外面に含まれている。
磁石ユニット316においては、複数の磁石310が接着材により接着されている。接着材は、樹脂材料及び接着剤等により形成されている。磁石310においては、一対の磁石側面310cが周方向CDに並べられている。周方向CDに隣り合う2つの磁石310においては、それぞれの磁石側面310cが重ねられた状態で接着されている。
図115に示すように、ロータ300は、磁石境界部501を有している。磁石境界部501は、周方向CDに隣り合う2つの磁石310の境界部である。磁石境界部501は、周方向CDに複数並べられている。複数の磁石境界部501には、ユニット内境界部501a及びユニット外境界部501bが含まれている。
ユニット内境界部501aは、磁石ユニット316に含まれている。ユニット内境界部501aは、1つの磁石ユニット316において周方向CDに隣り合う2つの磁石310の境界部である。ユニット内境界部501aは、ロータ300において周方向CDに複数並べられている。ユニット外境界部501bは、磁石ユニット316に含まれていない。ユニット外境界部501bは、周方向CDに隣り合う2つの磁石ユニット316の境界部でもある。ユニット外境界部501bは、ロータ300において周方向CDに複数並べられている。複数のユニット外境界部501bには、内境界部BI及び外境界部BOが含まれている。ユニット外境界部501bは、内境界部BI又は外境界部BOになっている。
ユニット内境界部501aを介して周方向CDに隣り合う2つの磁石310においては、それぞれの配向が周方向CDの同じ側を向いている。これら磁石310の配向は、例えば周方向CDの内境界部BI側を向いている。1つの磁石ユニット316においては、全ての磁石310の配向が周方向CDの内境界部BI側を向いている。このように、ユニット内境界部501aを介して周方向CDに隣り合う2つの磁石310においては、反発力が生じにくくなっている。磁石310の配向は、磁石310の磁化方向のことである。
ユニット外境界部501bを介して周方向CDに隣り合う2つの磁石310においては、それぞれの配向が周方向CDで互いに逆を向いている。例えば、ユニット外境界部501bとして内境界部BIを介して隣り合う第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとは、それぞれの配向が互いに近づく向きになっている。このように第1内軸磁石312aと第2内軸磁石312bとは、それぞれの配向が向かい合った状態になっている。また、ユニット外境界部501bとして外境界部BOを介して第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとは、それぞれの配向が互いに遠ざかる向きになっている。このように第1外軸磁石313aと第2外軸磁石313bとは、それぞれの配向が互いに反対側を向いた状態になっている。これらのように、ユニット外境界部501bを介して周方向CDに隣り合う2つの磁石310においては、反発力が生じやすくなっている。
図114に示すように、磁石ユニット316は、磁石310として傾斜磁石314及び平行磁石315の少なくとも一方を有している。例えば、傾斜磁石ユニット317は、傾斜磁石314及び平行磁石315の両方を有している。傾斜磁石ユニット317においては、傾斜磁石314と平行磁石315とが周方向CDに並べられている。平行磁石ユニット318は、傾斜磁石314及び平行磁石315のうち平行磁石315だけを有している。平行磁石ユニット318においては、複数の平行磁石315が周方向CDに並べられている。
傾斜磁石314においては、一対の磁石側面310cが互いに傾斜している。一対の磁石側面310cは、例えば径方向外側に向けて互いに遠ざかるように傾斜している。傾斜磁石314においては、一対の磁石側面310cの離間距離が、径方向外側に向けて徐々に大きくなっている。傾斜磁石314では、径方向RDにおいて磁石外周端310bが磁石内周端310aよりも長くなっている。傾斜磁石314は、全体として台形状又は扇形状に形成されている。
平行磁石315においては、一対の磁石側面310cが平行に延びている。一対の磁石側面310cは、周方向CDに直交する方向に延びている。平行磁石315においては、一対の磁石側面310cの離間距離が、径方向RDにおいて均一になっている。平行磁石315では、径方向RDにおいて磁石外周端310bと磁石内周端310aとがほぼ同じ長さになっている。平行磁石315は、全体として長方形状に形成されている。
ロータ300においては、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318のうち、一方が第1配向ユニット319aであり、他方が第2配向ユニット319bである。例えば、傾斜磁石ユニット317が第1配向ユニット319aであれば、平行磁石ユニット318が第2配向ユニット319bである。この構成では、傾斜磁石ユニット317が有する2つの傾斜磁石314のうち、一方が第1内軸磁石312aであり、他方が第1外軸磁石313aである。そして、傾斜磁石ユニット317が有する平行磁石315は、第1周磁石311aである。また、平行磁石ユニット318が有する両端の平行磁石315のうち、一方が第2内軸磁石312bであり、他方が第2外軸磁石313bである。そして、平行磁石ユニット318において真ん中の平行磁石315は、第2周磁石311bである。
傾斜磁石ユニット317においては、周方向CDでの平行磁石315の幅寸法が傾斜磁石314の幅寸法よりも小さくなっている。平行磁石ユニット318においては、真ん中の平行磁石315の幅寸法が両端の平行磁石315の幅寸法よりも小さくなっている。すなわち、第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bにおいては、周磁石311a,311bの幅寸法が、内軸磁石312a,312bの幅寸法及び外軸磁石313a,313bの幅寸法よりも小さくなっている。
図116、図117に示すように、磁石310は、磁石ピース505を有している。磁石ピース505は、磁石310を形成している磁石片であり、磁石部材に相当する。磁石ピース505は、磁石310に複数含まれている。複数の磁石ピース505は、接着材により接合された状態で磁石310を形成している。磁石ピース505は、永久磁石である。複数の磁石ピース505は、径方向RDに積層されている。径方向RDが積層方向に相当する。磁石ピース505は、板状に形成されており、径方向RDに直交する方向に延びている。径方向RDに隣り合う2つの磁石ピース505は、互いに重ねられた状態になっている。磁石ピース505の厚さ寸法は、複数の磁石ピース505でほぼ同じになっている。
磁石310においては、磁石ピース505の配向の向きが複数の磁石ピース505で揃えられている。すなわち、磁石310においては、磁石ピース505の磁化方向が複数の磁石ピース505で揃えられている。1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505においては、配向の向きが同じになっている。例えば、周方向CDの一方側を向くように配向された磁石310においては、複数の磁石ピース505の全てが周方向CDの一方側を向くように配向されている。
磁石ピース505は、内周ピース面505a、外周ピース面505b、ピース側面505c、第1ピース面505g及び第2ピース面505hを有している。内周ピース面505a、外周ピース面505b、ピース側面505c、第1ピース面505g及び第2ピース面505hは、磁石ピース505の外面に含まれている。内周ピース面505a及び外周ピース面505bは、磁石ピース505が有する一対の板面である。磁石ピース505においては、径方向内側の板面が内周ピース面505aであり、径方向外側の板面が外周ピース面505bである。内周ピース面505aと外周ピース面505bとは、互いに平行に延びている。径方向RDに隣り合う2つの磁石ピース505においては、一方の内周ピース面505aと他方の外周ピース面505bとが接着されている。
磁石310の外面は、磁石310が有する複数の磁石ピース505により形成されている。磁石310の外面には、複数の磁石ピース505の外面が含まれている。ピース側面505cは磁石側面310cに含まれている。第1ピース面505gは第1磁石面310gに含まれている。第2ピース面505hは第2磁石面310hに含まれている。
ピース側面505c、第1ピース面505g及び第2ピース面505hは、磁石ピース505の外周面に含まれている。ピース側面505c、第1ピース面505g及び第2ピース面505hは、内周ピース面505aと外周ピース面505bとを接続するように径方向RDに延びている。ピース側面505cは、磁石ピース505の外周面に一対含まれている。一対のピース側面505cは、周方向CDに並べられている。
磁石310において最内の磁石ピース505は、磁石内周端310aを形成している。最内の磁石ピース505は、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、最も径方向内側の位置に設けられている。最内の磁石ピース505においては、内周ピース面505aが磁石内周端310aに含まれている。磁石310において最外の磁石ピース505は、磁石外周端310bを形成している。最外の磁石ピース505は、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、最も径方向外側の位置に設けられている。最外の磁石ピース505においては、外周ピース面505bが磁石外周端310bに含まれている。
磁石310においては、内周テーパ面310dが複数の磁石ピース505にかけ渡された状態になっている。径方向RDにおいては、内周テーパ面310dの幅寸法が磁石ピース505の厚さ寸法よりも大きくなっている。内周テーパ面310dは、径方向RDに隣り合う2つの磁石ピース505の境界部を径方向RDに跨ぐ位置に設けられている。内周テーパ面310dは、複数の磁石ピース505により形成されている。
外周テーパ面310eは、複数の磁石ピース505にかけ渡された状態になっている。径方向RDにおいては、外周テーパ面310eの幅寸法が磁石ピース505の厚さ寸法よりも大きくなっている。外周テーパ面310eは、径方向RDに隣り合う2つの磁石ピース505の境界部を径方向RDに跨ぐ位置に設けられている。外周テーパ面310eは、複数の磁石ピース505により形成されている。
図118に示すように、磁石310においては、複数の磁石ピース505が磁石ホルダ320及び固定ブロック330に引っ掛かった状態になっている。磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、内周テーパ面310dを形成している複数の磁石ピース505は、固定ブロック330に引っ掛かっている。固定ブロック330に引っ掛かっている複数の磁石ピース505は、ブロックテーパ面330aに接触している。磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、外周テーパ面316eを形成している複数の磁石ピース505は、外周係合部322に引っ掛かっている。外周係合部322に引っ掛かっている複数の磁石ピース505は、係合テーパ面322aに接触している。
図114に示すように、ロータ300においては、磁石中心線C310及びユニット中心線C316は、径方向RDに延びている。ユニット中心線C316は、磁石ユニット316の中心を通って径方向RDに延びる直線状の仮想線である。ユニット中心線C316は、磁石ユニット316の中心に加えて、ユニット内周端316aの中心及びユニット外周端316bの中心を通っている。磁石中心線C310は、磁石310の中心を通って径方向に延びる直線状の仮想線である。磁石中心線C310は、磁石310の中心に加えて、磁石内周端310aの中心及び磁石外周端310bの中心を通っている。
磁石ユニット316においては、1つのユニット中心線C316と複数の磁石中心線C310とが延びている。磁石ユニット316においては、3つの磁石310のうち真ん中にある磁石310の磁石中心線C310が、ユニット中心線C316に一致している。傾斜磁石ユニット317においては、傾斜磁石314の磁石中心線C310がユニット中心線C316に対して傾斜している。傾斜磁石ユニット317においては、2つの傾斜磁石314のうち一方の磁石中心線C310は、他方の磁石中心線C310に対して傾斜している。平行磁石ユニット318においては、全ての平行磁石315の磁石中心線C310がユニット中心線C316に平行に延びている。
図116、図117に示すように、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318においては、磁石ピース505がユニット中心線C316に直交する方向に延びている。傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318においては、傾斜磁石314が有する磁石ピース505と平行磁石315が有する磁石ピース505とが直線上に並んでいる。なお、傾斜磁石314が有する磁石ピース505と平行磁石315が有する磁石ピース505とは、径方向にずれていない位置にあってもよく、径方向RDにずれた位置にあってもよい。傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318は、共通ユニットに相当する。
傾斜磁石ユニット317が有する平行磁石315においては、磁石ピース505が磁石中心線C310に対して直交している。一方で、傾斜磁石ユニット317が有する傾斜磁石314においては、磁石ピース505が磁石中心線C310に直交していない。平行磁石ユニット318が有する複数の平行磁石315においては、磁石ピース505が磁石中心線C310に対して直交している。
磁石310の外面には、研削された研削面が含まれている。磁石310においては、少なくとも磁石側面310c、内周テーパ面310d、外周テーパ面310e、第1磁石面310g及び第2磁石面310hが研削面である。磁石310の外面のうち、平面状に延びるように研削された面が研削面である。磁石310の研削面においては、膨らんだり凹んだりするように曲がっていても平面状であるとする。磁石310の外面においては、研削面が平面状に延びている状態として、段差が存在していない状態などがある。
磁石側面310cは、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように径方向RDに延びている。磁石側面310cは、研削面であり、磁石研削面及び研削積層面に相当する。磁石側面310cには、複数のピース側面505cが含まれている。複数のピース側面505cは、同一平面上に配置されていることで磁石側面310cを平面状に形成している。例えば径方向RDに隣り合う2つのピース側面505cは、周方向CDにずれておらず、磁石側面310cに段差が生じないようにしている。磁石側面310cにおいては、複数のピース側面505cが面一になっている。ピース側面505cは部材研削面に相当する。
第1磁石面310gは、磁石側面310cと同様に、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように径方向RDに延びている。第1磁石面310gは、研削面であり、磁石研削面及び研削積層面に相当する。第1磁石面310gには、複数の第1ピース面505gが含まれている。複数の第1ピース面505gは、同一平面上に配置されていることで第1磁石面310gを平面状に形成している。例えば径方向RDに隣り合う2つの第1ピース面505gは、軸方向ADにずれておらず、第1磁石面310gに段差が生じないようにしている。第1磁石面310gにおいては、複数の第1ピース面505gが面一になっている。第1ピース面505gは部材研削面に相当する。
第2磁石面310hは、磁石側面310cと同様に、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように径方向RDに延びている。第2磁石面310hは、研削面であり、磁石研削面及び研削積層面に相当する。第2磁石面310hには、複数の第2ピース面505hが含まれている。複数の第2ピース面505hは、同一平面上に配置されていることで第2磁石面310hを平面状に形成している。例えば径方向RDに隣り合う2つの第2ピース面505hは、軸方向ADにずれておらず、第2磁石面310hに段差が生じないようにしている。第2磁石面310hにおいては、複数の第2ピース面505hが面一になっている。第2ピース面505hは部材研削面に相当する。
磁石内周端310aの少なくとも一部が研削面になっている。本実施形態では、磁石内周端310aの一部として、内周テーパ面310dが研削面になっている。内周テーパ面310dは、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように径方向RD及び周方向CDに延びている。内周テーパ面310dは、磁石側面310c、第1磁石面310g及び第2磁石面310hに対して傾斜している。内周テーパ面310dは、磁石研削面及び研削傾斜面に相当する。
内周テーパ面310dには、複数の第1ピース面505gが含まれている。内周テーパ面310dに含まれている第1ピース面505gは、第1磁石面310gに含まれている第1ピース面505gに対して傾斜している。内周テーパ面310dにおいては、複数の第1ピース面505gが同一平面上に配置されていることで内周テーパ面310dを平面状に形成している。例えば径方向RDに隣り合う2つの第1ピース面505gは、軸方向ADにずれておらず、内周テーパ面310dに段差が生じないようにしている。内周テーパ面310dにおいては、複数の第1ピース面505gが面一になっている。内周テーパ面310dに含まれる第1ピース面505gも部材研削面に相当する。
磁石外周端310bの少なくとも一部が研削面になっている。本実施形態では、磁石外周端310bの一部として、外周テーパ面310eが研削面になっている。外周テーパ面310eは、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように径方向RD及び周方向CDに延びている。外周テーパ面310eは、磁石側面310c、第1磁石面310g及び第2磁石面310hに対して傾斜している。外周テーパ面310eは、磁石研削面及び研削傾斜面に相当する。
外周テーパ面310eには、複数の第1ピース面505gが含まれている。外周テーパ面310eに含まれている第1ピース面505gは、第1磁石面310gに含まれている第1ピース面505gに対して傾斜している。外周テーパ面310eにおいては、複数の第1ピース面505gが同一平面上に配置されていることで外周テーパ面310eを平面状に形成している。例えば径方向RDに隣り合う2つの第1ピース面505gは、軸方向ADにずれておらず、外周テーパ面310eに段差が生じないようにしている。外周テーパ面310eにおいては、複数の第1ピース面505gが面一になっている。外周テーパ面310eに含まれる第1ピース面505gも部材研削面に相当する。
なお、磁石310においては、内周テーパ面310d及び外周テーパ面310eと同様に、側部テーパ面316fが研削面になっている。このため、側部テーパ面316fが磁石研削面及び研削傾斜面に相当するといえる。
磁石ユニット316の外面には、研削された研削面が含まれている。磁石ユニット316においては、少なくともユニット側面316c、内周テーパ面316d、外周テーパ面316e、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hが研削面である。磁石ユニット316の研削面は、磁石310の研削面と同様の面である。例えば、磁石ユニット316の外面のうち、平面状に延びるように研削された面が研削面である。磁石ユニット316の研削面においては、膨らんだり凹んだりするように曲がっていても平面状であるとする。磁石ユニット316の外面においては、研削面が平面状に延びている状態として、段差が存在していない状態などがある。
ユニット側面316cは、1つの磁石310が有する磁石側面310cにより形成されている。磁石側面310cが研削面になっていることで、ユニット側面316cが研削面になっている。
第1ユニット面316gは、複数の磁石310にかけ渡されるように周方向CDに延びている。第1ユニット面316gは、研削面であり、ユニット研削面に相当する。第1ユニット面316gには、複数の第1磁石面310gが含まれている。複数の第1磁石面310gは、同一平面上に配置されていることで第1ユニット面316gを平面状に形成している。例えば周方向CDに隣り合う2つの第1磁石面310gは、軸方向ADにずれておらず、第1ユニット面316gに段差が生じないようになっている。第1ユニット面316gにおいては、複数の第1磁石面310gが面一になっている。
第2ユニット面316hは、第1ユニット面316gと同様に、複数の磁石310にかけ渡されるように周方向CDに延びている。第2ユニット面316hは、研削面であり、ユニット研削面に相当する。第2ユニット面316hには、複数の第2磁石面310hが含まれている。複数の第2磁石面310hは、同一平面上に配置されていることで第2ユニット面316hを平面状に形成している。例えば周方向CDに隣り合う2つの第2磁石面310hは、軸方向ADにずれておらず、第2ユニット面316hに段差が生じないようになっている。第2ユニット面316hにおいては、複数の第2磁石面310hが面一になっている。
ユニット内周端316aの少なくとも一部が研削面になっている。本実施形態では、ユニット内周端316aの一部として、内周テーパ面316dが研削面になっている。内周テーパ面316dは、複数の磁石310にかけ渡されるように径方向RD及び周方向CDに延びている。内周テーパ面316dは、ユニット側面316c、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hに対して傾斜している。内周テーパ面316dは、ユニット研削面に相当する。
内周テーパ面316dには、複数の内周テーパ面310dが含まれている。複数の内周テーパ面310dは、同一平面上に配置されていることで内周テーパ面316dを平面状に形成している。例えば周方向CDに隣り合う2つの内周テーパ面310dは、軸方向ADにずれておらず、内周テーパ面316dに段差が生じないようになっている。内周テーパ面316dにおいては、複数の内周テーパ面310dが面一になっている。
ユニット外周端316bの少なくとも一部が研削面になっている。本実施形態では、ユニット外周端316bの一部として、外周テーパ面316eが研削面になっている。外周テーパ面316eは、複数の磁石310にかけ渡されるように径方向RD及び周方向CDに延びている。外周テーパ面316eは、ユニット側面316c、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hに対して傾斜している。外周テーパ面316eは、ユニット研削面に相当する。
外周テーパ面316eには、複数の外周テーパ面310eが含まれている。複数の外周テーパ面310eは、同一平面上に配置されていることで外周テーパ面316eを平面状に形成している。例えば周方向CDに隣り合う2つの外周テーパ面310eは、軸方向ADにずれておらず、外周テーパ面316eに段差が生じないようになっている。外周テーパ面316eにおいては、複数の外周テーパ面310eが面一になっている。
図115に示すように、第1磁石面310gは、アキシャルギャップ475を形成している。第1磁石面310gは、ロータ第1面301に含まれている。第1磁石面310gに段差が存在していないことで、アキシャルギャップ475が周方向CD及び径方向RDにおいてばらつくということが生じにくくなっている。また、第1ユニット面316gは、第1磁石面310gを有していることで、アキシャルギャップ475を形成している。第1ユニット面316gは、ロータ第1面301に含まれている。第1ユニット面316gに段差が存在していないことで、アキシャルギャップ475が周方向CD及び径方向RDにおいてばらつくということが生じにくくなっている。アキシャルギャップ475が隙間に相当し、第1磁石面310gが隙間形成面に相当する。アキシャルギャップ475は、単にギャップと称されることがある。
上記構成群Bb,Gにて述べたように、磁石ユニット316は、磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335により支持されている。磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335は、磁石310及び磁石ユニット316を支持しており、磁石支持部に相当する。図96に示すように、外周テーパ面316eは、外周係合部322に引っ掛かった状態になっていることで、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。すなわち、外周テーパ面310eは、外周係合部322に引っ掛かった状態になっていることで、磁石310を磁石ホルダ320に固定している。また、内周テーパ面316dは、固定ブロック330に引っ掛かった状態になっていることで、磁石ユニット316を固定ブロック330に固定している。すなわち、内周テーパ面310dは、固定ブロック330に引っ掛かった状態になっていることで、磁石310を固定ブロック330に固定している。
次に、磁石310の製造方法について説明する。磁石310の製造方法は、磁石ユニット316の製造方法に含まれている。磁石ユニット316の製造方法は、ロータ300の製造方法に含まれている。ロータ300の製造方法は、モータ装置60の製造方法に含まれている。ここでは、ロータ300の製造方法について、図119のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、磁石310の製造方法が磁石の製造方法に相当する。また、ロータ300の製造方法が回転子の製造方法に相当する。
図119に示すロータ300の製造工程において、作業者は、ステップP101として、焼結工程を行う。焼結工程は、ネオジム磁石当の焼結磁石を製造する工程である。作業者は、焼結工程において、焼結磁石として、例えば図120に示す焼結ブロック511を製造する。焼結ブロック511は、ブロック状の焼結磁石である。
焼結工程の後、作業者は、ステップP102として、短冊工程を行う。短冊工程は、焼結磁石から短冊状の部材を製造する工程である。作業者は、短冊工程において、図120に示すように、焼結ブロック511から短冊磁石512を製造する。作業者は、例えば焼結ブロック511を複数の分割片に分割し、これら分割片の形状を短冊状に整えることで短冊磁石512を成形する。作業者は、短冊工程では短冊磁石512の研削を行わない。短冊磁石512は、板状に形成された磁石であり、磁石板部材に相当する。作業者は、焼結工程及び短冊工程を行うことで、短冊磁石512を準備することになる。焼結工程及び短冊工程は、短冊磁石512を準備する準備工程に含まれる。
短冊工程の後、作業者は、ステップP103として、磁石母材工程を行う。磁石母材工程は、磁石310を形成するための母材を製造する工程である。作業者は、磁石母材工程において、磁石310を形成するための母材として、図121に示すような磁石母材513を製造する。作業者は、複数の短冊磁石512を積層して接着することで磁石母材513を製造する。作業者は、複数の短冊磁石512のそれぞれの板面を重ね合わせ、これら板面を接着材で接着する。短冊工程で短冊磁石512の研削が行われていないため、短冊磁石512の板面には細かな凹凸が存在しやすくなっている。この凹凸により、短冊磁石512の板面と接着材との接触面積が大きくなることで、接着材の接着力が高くなりやすい。すなわち、複数の短冊磁石512を強固に接着しやすい。図121に示す磁石母材513は、傾斜磁石314を製造するための母材である。
磁石母材工程の後、作業者は、ステップP104として、磁石側面工程を行う。磁石側面工程は、磁石母材513に接着面を形成する工程である。作業者は、磁石側面工程において、磁石母材513に研削加工を施すことで、図122に示すように磁石側面310cを形成する。作業者は、磁石側面310cが平面状になるように磁石母材513を研削する。作業者は、磁石310に接着する接着対象の数に合わせて磁石側面310cを形成する。磁石側面310cは、磁石平面に相当する。
磁石側面工程の後、作業者は、ステップP105として、ユニット母材工程を行う。ユニット母材工程は、磁石ユニット316を形成するための母材を製造する工程である。作業者は、ユニット母材工程において、磁石ユニット316を形成するための母材として、図123に示すようなユニット母材514を製造する。作業者は、複数の磁石母材513を並べて接着することでユニット母材514を製造する。作業者は、複数の磁石母材513のそれぞれの磁石側面310cを重ね合わせ、これら磁石側面310cを接着する。
作業者がユニット母材514を製造する際に、このユニット母材514にはユニット内境界部501aが形成される。上述したように、ユニット内境界部501aを介して隣り合う2つの磁石母材513の間には反発力が生じにくくなっている。このため、作業者が、2つの磁石母材513を接着材により接着する際に、この接着が2つの磁石母材513の反発力により解除されるということが生じにくくなっている。
ユニット母材工程の後、作業者は、ユニット母材514の形状を整えることで磁石ユニット316を製造する。作業者は、例えば2段階でユニット母材514を整形する。作業者は、ステップP106として、第1整形工程を行う。第1整形工程は、ユニット母材514に前加工を施すことでユニット母材514の概形を整える工程である。作業者は、ユニット母材514に研削加工を施すことで、図124、図125に示すようにユニット側面316c、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hを形成する。作業者は、ユニット側面316c、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hが平面状になるようにユニット母材514を研削する。
ユニット側面316c、第1ユニット面316g及び第2ユニット面316hには、磁石側面310c、第1磁石面310g及び第2磁石面310hが含まれている。第1整形工程は、作業者が磁石側面310c、第1磁石面310g及び第2磁石面310hが平面状になるようにユニット母材514を研削する工程でもある。磁石側面310c、第1磁石面310g及び第2磁石面310hは、磁石平面に相当する。
また、作業者は、第1整形工程において、ユニット母材514に、ユニット内周端316a及びユニット外周端316bを形成する。作業者は、ユニット内周端316a及びユニット外周端316bについても、平面状になるようにユニット母材514を研削する。
第1整形工程の後、作業者は、ステップP107として、第2整形工程を行う。第2整形工程は、ユニット母材514に仕上加工を施すことで磁石ユニット316を製造する工程である。作業者は、前加工済みのユニット母材514に研削加工を施すことで、図124、図125に破線で示す内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eを形成する。作業者は、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eが平面状になるようにユニット母材514を研削する。なお、作業者は、第2成形工程において、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eに加えて、側部テーパ面316fを形成する。
内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eには、内周テーパ面310d及び外周テーパ面310eが含まれている。第2整形工程は、作業者が内周テーパ面310d及び外周テーパ面310eが平面状になるようにユニット母材514を研削する工程でもある。内周テーパ面310d及び外周テーパ面310eは、磁石平面に相当する。
第2整形工程の後、作業者は、ステップP108として、組み付け工程を行う。組み付け工程は、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に組み付ける工程である。作業者は、磁石ユニット316に加えて、磁石ホルダ320、固定ブロック330及び磁石固定具335を準備しておく。そして、作業者は、固定ブロック330及び磁石固定具335を用いて、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定する。作業者は、複数の磁石ユニット316をホルダ本体321に沿って並べていく。この場合、複数の磁石ユニット316によりユニット外境界部501bが形成される。上述したように、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310の間には反発力が生じやすくなっている。このため、作業者は、この反発力に抗して、複数の磁石ユニット316を磁石ホルダ320に組み付けていくことになる。
<構成群M>
図127に示すように、モータハウジング70の内部空間には、ステータ領域471、反対領域472、外周領域473が含まれている。ステータ領域471は、軸方向ADにおいてロータ300よりもステータ200側の領域である。ステータ領域471は、ロータ第1面301に沿って延びている。反対領域472は、ロータ300を介してステータ領域471とは反対側の領域である。反対領域472は、ロータ第2面302に沿って延びている。反対領域472及び外周領域473は、シャフト本体341とモータ内周面70bとにかけ渡されるように径方向RDに延びている。反対領域472及び外周領域473は、シャフト本体341の周りを周方向CDに環状に延びている。ステータ領域471と反対領域472とは、ロータ300及び外周領域473を介して軸方向ADに並べられている。
外周領域473は、径方向RDにおいてロータ300とモータハウジング70との間の領域である。外周領域473は、ホルダ外周端320bとモータ内周面70bとにかけ渡されるように径方向RDに延びている。外周領域473は、ロータ300の周りを周方向CDに環状に延びている。外周領域473は、軸方向ADにおいてステータ領域471と反対領域472との間にあり、ステータ領域471と反対領域472とを連通している。
ステータ領域471、反対領域472及び外周領域473は、モータハウジング70の内部空間に含まれた空間である。ステータ領域471はステータ空間に相当し、反対領域472は反対空間に相当し、外周領域473は外周空間に相当する。
図126、図127において、アキシャルギャップ475は、ステータ領域471に含まれている。アキシャルギャップ475は、ステータ領域471において径方向外側及び径方向内側の両方に開放されている。アキシャルギャップ475は、ギャップ外周端476及びギャップ内周端477を有している。ギャップ外周端476は、アキシャルギャップ475の外周端であり、径方向外側に向けて開放されている。ギャップ外周端476は、外周領域473を通じて反対領域472に連通されている。ギャップ内周端477は、アキシャルギャップ475の内周端であり、径方向内側に向けて開放されている。ギャップ内周端477と反対領域472とは、ロータ300及びシャフトフランジ342の少なくとも一方により仕切られた状態になっている。
シャフト340においては、シャフト本体341がステータ200を軸方向ADに貫通した状態になっている。シャフト本体341は、ロータ300に固定されており、モータ軸線Cmを中心にロータ300と共に回転する。シャフト本体341が回転軸部に相当する。シャフトフランジ342は、ロータ300を支持しており、軸支持部に相当する。リム344は、ステータ領域471を径方向内側と径方向外側とに仕切っており、支持仕切部に相当する。リム344は、アキシャルギャップ475よりも径方向内側にある。アキシャルギャップ475は、ステータ領域471においてリム344の径方向内側にある領域に含まれている。
ギャップ内周端477は、ホルダ調整孔326を通じて反対領域472に連通されている。ホルダ調整孔326は、リム344の径方向外側に設けられている。ホルダ調整孔326は、径方向RDにおいてリム344とギャップ内周端477との間に設けられている。ホルダ調整孔326がリム344の径方向外側に設けられた構成には、本実施形態のようにホルダ調整孔326の一部がリム344に軸方向ADに並んだ構成が含まれる。すなわち、ホルダ調整孔326の少なくとも一部がリム344よりも径方向外側で磁石ホルダ320を貫通していれば、ホルダ調整孔326がリム344の径方向外側に設けられていることになる。ホルダ調整孔326は、リム344よりもアキシャルギャップ475側にある。ホルダ調整孔326は、ロータ内周孔及び隙間側孔に相当する。
ギャップ内周端477は、ホルダ調整孔326に加えて、ホルダ中央孔324、フランジ通気孔346及びリム内周孔349を通じて反対領域472に連通されている。ホルダ中央孔324は、ロータ300に含まれている。
図127、図128に示すホルダ中央孔324は、磁石ホルダ320を軸方向ADに貫通している。ホルダ中央孔324は、ステータ領域471と反対領域472とを連通している。ホルダ中央孔324は、磁石ホルダ320の中央に設けられている。ホルダ中央孔324は、磁石310及びホルダ調整孔326のいずれからも径方向内側に離れた位置にある。ホルダ中央孔324は、リム344よりも径方向内側にある。シャフト本体341は、ホルダ中央孔324に挿通されていることでロータ300を軸方向ADに貫通した状態になっている。ホルダ中央孔324は、径方向RDにおいてシャフト本体341とリム344との間に設けられている。ホルダ中央孔324は、ロータ内周孔及び軸部側孔に相当する。
ステータ領域471と反対領域472とは、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327により連通されている。複数のホルダ固定孔325のうち、ホルダ固定具350が挿入されていないホルダ固定孔325は、ホルダ中央孔324と同様に、リム344の径方向内側においてステータ領域471と反対領域472とを連通している。複数のホルダピン孔327のうち、位置決めピン355が挿入されていないホルダピン孔327は、ホルダ中央孔324と同様に、リム344の径方向内側においてステータ領域471と反対領域472とを連通している。ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327は、ロータ内周孔及び軸部側孔に相当する。なお、ホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327は、ホルダ中央孔324等と称されることがある。
図127、図129に示すフランジ通気孔346は、ギャップ内周端477とホルダ中央孔324等とを連通させるようにリム344を貫通している。フランジ通気孔346は、径方向RDにおいてギャップ内周端477とホルダ中央孔324等との間にある。フランジ通気孔346は、仕切連通孔に相当する。
リム内周孔349は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。リム内周孔349は、リム344の径方向内側に設けられている。リム内周孔349は、径方向RDにおいてシャフト本体341とリム344との間に設けられている。リム内周孔349は、ホルダ中央孔324等に軸方向ADに並ぶ位置にある。リム内周孔349は、フランジ通気孔346に径方向RDに並ぶ位置にある。リム内周孔349は、ホルダ中央孔324等とフランジ通気孔346とを連通している。リム内周孔349は、支持貫通孔に相当する。
スポーク343は、リム内周孔349を介してシャフト本体341とリム344とを接続している。スポーク343は、シャフト本体341に固定された状態でリム344を支持している。スポーク343は、リム内周孔349に対して周方向CDに複数並べられている。スポーク343は、周方向CDに隣り合うフランジ通気孔346の間に設けられている。スポーク343は、径方向RDにフレーム状に延びており、支持フレームに相当する。
図126、図127に示すように、ステータ領域471、反対領域472、外周領域473及びアキシャルギャップ475は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれに対して存在している。第1ロータ300aに対しては、第1反対領域472a、第1外周領域473a及び第1アキシャルギャップ475aが存在している。第2ロータ300bに対しては、第2反対領域472b、第2外周領域473b及び第2アキシャルギャップ475bが存在している。ステータ領域471は、第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間の空間であり、第1ロータ300a及び第2ロータ300bに共通して存在している。ステータ200は、ステータ領域471に収容された状態になっている。
第1アキシャルギャップ475aは、第1ロータ300aとステータ200との隙間であり、軸隙間に相当する。第1反対領域472aは、第1ロータ300aとリアフレーム370との間の空間であり、反対空間に相当する。第1外周領域473aは、第1ロータ300aとモータ内周面70bとの間の空間であり、外周空間に相当する。第1アキシャルギャップ475aが有するギャップ外周端476は、第1外周領域473aを通じて第1反対領域472aに連通されている。第1アキシャルギャップ475aが有するギャップ内周端477は、第1ロータ300aが有するホルダ調整孔326を通じて第1反対領域472aに連通されている。第1アキシャルギャップ475aが有するギャップ内周端477は、第1ロータ300aが有するホルダ中央孔324等及びフランジ通気孔346を通じて第1反対領域472aに連通されている。
第2アキシャルギャップ475bは、第2ロータ300bとステータ200との隙間であり、軸隙間に相当する。第2反対領域472bは、第2ロータ300bとドライブフレーム390との間の空間であり、反対空間に相当する。第2外周領域473bは、第2ロータ300bとモータ内周面70bとの間の空間であり、外周空間に相当する。第2アキシャルギャップ475bが有するギャップ外周端476は、第2外周領域473bを通じて第2反対領域472bに連通されている。第2アキシャルギャップ475bが有するギャップ内周端477は、第2ロータ300bが有するホルダ調整孔326を通じて第2反対領域472bに連通されている。第2アキシャルギャップ475bが有するギャップ内周端477は、第2ロータ300bが有するホルダ中央孔324等及びフランジ通気孔346を通じて第2反対領域472bに連通されている。
ドライブフレーム390は、第2反対領域472b側から第2ロータ300bを覆うようにハウジング本体71に設けられている。ドライブフレーム390は、ハウジング本体71に固定されていることでモータハウジング70に固定されている。ドライブフレーム390は、ロータカバー部に相当する。
図127、図130に示すように、ドライブフレーム390は、ドライブリブ395、外周リブ396及び内周リブ397を有している。これらリブ395~397は、フレーム本体391から第2ロータ300bに向けて軸方向ADに突出している。リブ395~397は、フレーム本体391に設けられた凸部である。ドライブリブ395は、フレーム本体391に沿って径方向RDに延びている。外周リブ396は、フレーム本体391の外周端に沿って周方向CDに延びている。内周リブ397は、フレーム本体391の内周端に沿って周方向CDに延びている。外周リブ396及び内周リブ397は、環状に形成されている。ドライブリブ395は、外周リブ396と内周リブ397とにかけ渡された状態になっている。フレーム本体391がカバー本体に相当し、ドライブリブ395がカバーリブに相当する。
ロータ300が回転すると、モータハウジング70の内部空間においてホルダリブ323により気体が撹拌されたり流れたりする。ホルダリブ323により生じる気体の流れには、周方向CDに直交する方向においてロータ300の周りを循環するように流れる気流が含まれる。この気流は、反対領域472においてホルダリブ323から外周領域473に向けて径方向外側に送られる。外周領域473に到達した気流は、ギャップ外周端476からアキシャルギャップ475に流れ込み、ギャップ内周端477から流れ出る。アキシャルギャップ475から流れ出た気流は、ホルダ調整孔326又はホルダ中央孔324等を通じて外周領域473に戻る。ホルダ中央孔324等を通る気流は、アキシャルギャップ475から流れ出た後、フランジ通気孔346及びリム内周孔349を通ってホルダ中央孔324等に到達する。
気流がホルダ調整孔326を通って外周領域473に戻ってくる経路が第1循環経路と称されることがある。気流がホルダ中央孔324を通って外周領域473に戻ってくる経路が第2循環経路と称されることがある。
ロータ300の周りを循環するように流れる気流には、気流Fm1~Fm4が含まれる。気流Fm1,Fm2は、第1ロータ300aの回転に伴って、周方向CDに直交する方向において第1ロータ300aの周りを循環するように流れる。気流Fm1,Fm2は、第1反対領域472aから第1外周領域473aを通って第1アキシャルギャップ475aに流れ込む。その後、気流Fm1は、第1アキシャルギャップ475aからホルダ調整孔326を通って第1反対領域472aに戻る。一方、気流Fm2は、第1アキシャルギャップ475aからフランジ通気孔346、リム内周孔349及びホルダ中央孔324等を通って第1反対領域472aに戻る。
気流Fm3,Fm4は、第2ロータ300bの回転に伴って、周方向CDに直交する方向において第2ロータ300bの周りを循環するように流れる。気流Fm3,Fm4は、第2反対領域472bから第2外周領域473bを通って第2アキシャルギャップ475bに流れ込む。その後、気流Fm3は、第2アキシャルギャップ475bからホルダ調整孔326を通って第2反対領域472bに戻る。一方、気流Fm4は、第2アキシャルギャップ475bからフランジ通気孔346、リム内周孔349及びホルダ中央孔324等を通って第2反対領域472bに戻る。
第2反対領域472bにおいては、気流Fm3,Fm4からドライブフレーム390への放熱効果がドライブリブ395により高められている。第2反対領域472bにおいては、第2ロータ300bの回転に伴ってホルダリブ323がドライブリブ395に対して周方向CDに相対的に移動することで、気流Fm3,Fm4が撹拌されやすい。また、気流Fm3,Fm4は、周方向CDに隣り合う2つのドライブリブ395の間を、軸方向ADに直交する方向に旋回するように流れやすい。例えば、気流Fm3,Fm4は、一方のドライブリブ395に沿って径方向内側に向けて流れ、内周リブ397でUターンして他方のドライブリブ395に沿って径方向外側に向けて流れる。その後、気流Fm3,Fm4は、外周リブ396でUターンして再び一方のドライブリブ395に沿って径方向外側に向けて流れる。
<構成群N>
図131に示すように、モータ装置ユニット50は、モータシール部402及びインバータシール部403を有している。シール部402,403は、弾性変形可能なシール部材であり、樹脂材料等により形成されている。シール部402,403は、例えばOリングである。シール部402,403は、環状に形成されており、周方向CDに沿って延びている。
モータシール部402は、モータ装置60に含まれている。モータシール部402は、モータハウジング70とリアフレーム370との間に挟み込まれた状態になっている。モータシール部402は、モータハウジング70とリアフレーム370との間に設けられており、モータハウジング70とリアフレーム370との隙間を塞いでいる。モータシール部402は、モータハウジング70とリアフレーム370との境界部をシールしており、モータハウジング70の内部に水等が入ることなどを規制している。モータシール部402は、モータ外周面70aに沿って環状に延びている。
ハウジング本体71は、周方向CDに環状に延びている。ハウジング本体71は、全体として円筒状に形成されている。ハウジング本体71の外周面がモータ外周面70aである。ハウジング本体71は、モータハウジング70の外周壁を形成しており、電機外周壁に相当する。ハウジング本体71は、モータ外周壁と称されることがある。ハウジング本体71の内側空間がモータハウジング70の内部空間を形成している。モータ外周面70aは電機外周面に相当する。
リアフレーム370は、モータハウジング70に固定されており、固定対象に相当する。リアフレーム370は、ハウジング本体71に軸方向ADに並べられている。リアフレーム370は、軸方向ADにおいてモータハウジング70とインバータハウジング90との間に挟み込まれた状態になっている。リアフレーム370は、ハウジング本体71の内側空間を軸方向ADから覆っており、カバー部材に相当する。リアフレーム370は、モータハウジング70の内部空間、ロータ300a,300b及びステータ200をインバータ装置80側から覆った状態になっている。
リアフレーム370は、リア外周面370aを有している。リア外周面370aは、リアフレーム370の外周端であり、径方向外側を向いた端面である。リア外周面370aは、周方向CDに環状に延びている。リア外周面370aは、モータハウジング70とインバータハウジング90との間において、外周面70a,90aと共に径方向外側に露出している。リア外周面370aは、軸方向ADにおいて外周面70a,90aとの間に設けられている。リア外周面370aは対象外周面に相当する。
インバータシール部403は、モータ装置60とインバータ装置80との間に挟み込まれた状態になっている。インバータシール部403は、インバータハウジング90とリアフレーム370との間に設けられており、インバータハウジング90とリアフレーム370との隙間を塞いでいる。インバータシール部403は、インバータハウジング90とリアフレーム370との境界部をシールしており、インバータハウジング90の内部に水等が入ることなどを規制している。インバータシール部403は、外周面90aに沿って環状に延びている。外周面90aは、インバータ外周面90aと称されることがある。
インバータハウジング90は、インバータ内周面90bを有している。インバータ内周面90bは、モータハウジング70の内面に含まれており、全体として周方向CDに環状に延びている。ハウジング本体91は、インバータ内周面90bに沿って周方向CDに環状に延びている。ハウジング本体91は、全体として円筒状に形成されている。ハウジング本体91の外周面がインバータ外周面90aであり、内周面がインバータ内周面90bである。ハウジング本体91は、インバータハウジング90の外周壁を形成しており、インバータ外周壁と称されることがある。ハウジング本体91の内側空間がインバータハウジング90の内部空間を形成している。
図132に示すように、モータ装置60は、モータシール保持部78及びリア保持部376を有している。モータシール保持部78及びリア保持部376は、モータシール部402を保持しており、モータシール部402の位置ずれを規制している。モータシール部402は、モータシール保持部78とリア保持部376との間に挟み込まれており、これら保持部78,376の隙間を塞いでいる。
モータシール保持部78は、モータハウジング70に含まれている。モータシール保持部78は、ハウジング本体71に設けられている。本実施形態では、モータシール保持部78とハウジング本体71とが一体的に形成されている。モータシール保持部78は、ハウジング本体71に含まれており、例えばハウジング本体71におけるインバータ装置80側の端部を形成している。モータシール保持部78の外面は、モータ外周面70aに含まれている。このため、モータ外周面70aは、モータシール保持部78の径方向外側にあることになる。モータシール保持部78がシール保持部に相当する。
リアフレーム370は、リア本体375、リア保持部376及びリア露出部377を有している。リア本体375は、軸方向ADに直交する方向に延びており、板状に形成されている。リア本体375は、リアフレーム370の主要部を形成している。リアフレーム370においては、例えばバスバ支持部371、ベアリング支持部372及びフレーム開口部373がリア本体375に設けられている。リア本体375は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。リア本体375は、例えばモータハウジング70の径方向内側に入り込んだ位置に設けられている。
リア保持部376は、リア本体375に設けられている。リア保持部376は、リア本体375の外周端寄りの位置にある。リア保持部376は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。リア保持部376は、リア本体375から軸方向ADに突出している。リア保持部376は、モータハウジング70とインバータハウジング90とに軸方向ADにかけ渡された状態になっている。リア保持部376は、内周面70b,90bに重ねられており、内周面70b,90bから径方向内側に突出した状態になっている。リア保持部376は、フレーム開口部373から径方向外側に離れた位置に設けられている。リア保持部376は対象保持部に相当する。
リア保持部376は、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。リア保持部376は、モータシール部402を介してモータシール保持部78の径方向内側にある。リア保持部376とモータシール保持部78とは、モータシール部402を径方向RDに押圧した状態になっている。モータシール部402は、リア保持部376及びモータシール保持部78の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。モータシール部402は、弾性変形に伴う復元力によりリア保持部376及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
リア保持部376は、モータ側リア溝376a及びインバータ側リア溝376bを有している。リア溝376a,376bは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。リア溝376a,376bは、モータ内周面70bに沿って周方向CDに溝状に延びている。リア溝376a,376bは、リア保持部376の周りを周方向CDに一周するように設けられている。リア溝376a,376bは、軸方向ADに並べられている。
モータ側リア溝376aは、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。モータ側リア溝376aは、モータシール部402が入り込むことが可能な凹部である。モータシール部402は、モータ側リア溝376aの内部に入り込んだ状態で、モータシール保持部78とリア保持部376との隙間を塞いでいる。モータ側リア溝376aは、モータシール保持部78及びリア保持部376に対するモータシール部402の位置ずれを規制している。モータシール部402は、モータシール部402の弾性変形に伴う復元力によりリア保持部376及びモータシール保持部78の両方に密着している。具体的には、モータシール部402は、モータ内周面70bとモータ側リア溝376aの内面とのそれぞれに密着している。モータ側リア溝376aは対象凹部に相当する。
インバータ装置80は、インバータシール保持部98を有している。インバータシール保持部98及びリア保持部376は、インバータシール部403を保持しており、インバータシール部403の位置ずれを規制している。インバータシール部403は、インバータシール保持部98とリア保持部376との間に挟み込まれた状態になっている。インバータシール部403は、インバータシール保持部98とリア保持部376との間に設けられており、これら保持部98,376の隙間を塞いでいる。
インバータシール保持部98は、インバータハウジング90に含まれている。インバータシール保持部98は、ハウジング本体91に設けられている。本実施形態では、インバータシール保持部98とハウジング本体91とが一体的に形成されている。インバータシール保持部98は、ハウジング本体91に含まれており、例えばハウジング本体91におけるモータ装置60側の端部を形成している。また、インバータシール保持部98の外面は、外周面90aに含まれている。このため、インバータ外周面90aは、インバータシール保持部98の径方向外側にあることになる。
リア保持部376及びインバータ側リア溝376bは、インバータシール保持部98に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。インバータ側リア溝376bは、インバータシール部403が入り込むことが可能な凹部である。インバータシール部403は、インバータ側リア溝376bの内部に入り込んだ状態で、インバータシール保持部98とリア保持部376との隙間を塞いでいる。インバータ側リア溝376bは、インバータシール保持部98及びリア保持部376に対するインバータシール部403の位置ずれを規制している。インバータシール部403は、インバータシール部403の弾性変形に伴う復元力によりリア保持部376及びインバータシール保持部98の両方に密着している。具体的には、インバータシール部403は、内周面90bとインバータ側リア溝376bの内面とのそれぞれに密着している。
リア露出部377は、リアフレーム370においてモータシール保持部78とインバータシール保持部98との間に入り込んだ部位である。リア露出部377は、リア本体375から径方向外側に延びており、リア外周面370aを形成している。本実施形態では、リア露出部377は、リア本体375からリア保持部376を介して径方向外側に延びている。リア露出部377は、リア保持部376においてモータ側リア溝376aとインバータ側リア溝376bとの間の部位から径方向外側に延びている。リア保持部376は、リア本体375とリア露出部377とを接続している。
モータ装置60においては、モータ外周面70aとリア外周面370aとが軸方向ADに連続して並んでいる。モータ外周面70aとリア外周面370aとは、面一になっており、同一面を形成している。モータ外周面70aとリア外周面370aとは、径方向RDに揃った位置にある。モータ外周面70aとリア外周面370aとは、径方向RDに多少ずれた位置にあっても、軸方向ADに連続して並んでいることになる。このように、モータ外周面70aとリア外周面370aとの境界部には段差面が生じないようになっている。
インバータ外周面90aは、モータ外周面70aと同様に、リア外周面370aに軸方向ADに連続して並んでいる。外周面90aとリア外周面370aとは、面一になっており、同一面を形成している。外周面90aとリア外周面370aとは、径方向RDに揃った位置にある。外周面90aとリア外周面370aとは、径方向RDに多少ずれた位置にあっても、軸方向ADに連続して並んでいることになる。このように、インバータ外周面90aとリア外周面370aとの境界部には段差面が生じないようになっている。
電力引出線212は、リア保持部376を径方向内側に避けるように曲がった形状になっている。電力引出線212においては、外周引出部212aがリア保持部376に軸方向ADに並ぶ位置にある。外周引出部212aは、リア保持部376に向けて軸方向ADに延びている。交差引出部212cは、径方向RDにおいてリア保持部376から第1ロータ300a側に離間した位置にある。交差引出部212cは、リア保持部376と第1ロータ300aとの間を通るように径方向内側に向けて延びている。交差引出部212cは、リア保持部376よりも径方向内側に突出した状態になっている。交差引出部212cは、通し引出部に相当する。内周引出部212bは、リア保持部376に径方向RDに並ぶ位置にある。内周引出部212bは、リア保持部376から径方向内側に離れた位置にある。
モータ装置ユニット50は、ダクト流路105を有している。ダクト流路105は、ユニットハウジング51とユニットダクト100との間に形成されており、気体が流れる流路である。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90をモータフィン72及びインバータフィン92の外周側から覆っている。ユニットダクト100は、モータ外周面70a及びインバータ外周面90aから径方向外側に離れた位置にある。ユニットダクト100は、少なくともフィン72,92の分だけ外周面70a,90aから径方向外側に離間している。この離間空間がダクト流路105になっている。ユニットダクト100は、フィン72,92に対して接触又は接近した状態になっている。ユニットダクト100が外周ダクトに相当し、ダクト流路105が外周流路に相当する。
モータ装置ユニット50の外側を流れる気体には、気流Fb1として外周面70a,90a,370aに沿って流れる気体が含まれている。気流Fb1は、ダクト流路105をインバータ装置80からモータ装置60に向けて軸方向ADに流れる。気流Fb1がフィン72,92に沿って流れることで、フィン72,92の熱が気流Fb1に放出される。
気流Fb1は、モータ外周面70aとリア外周面370aとの境界部を軸方向ADに通過する。この境界部では、モータ外周面70aとリア外周面370aとが連続した面になっていることで気流Fb1に乱れが生じにくくなっている。気流Fb1は、インバータ外周面90aとリア外周面370aとの境界部を軸方向ADに通過する。この境界部では、インバータ外周面90aとリア外周面370aとが連続した面になっていることで気流Fb1に乱れが生じにくくなっている。
次に、モータ装置ユニット50を製造する方法について説明する。モータ装置ユニット50を製造する工程には、モータ装置60を製造する工程と、インバータ装置80を製造する工程とが含まれている。モータ装置60を製造する工程では、作業者は、準備工程として、モータハウジング70、リアフレーム370及びモータシール部402を準備する。この準備工程では、モータハウジング70の内部にロータ300及びステータ200などが収容された状態になっている。
準備工程の後、作業者は、モータハウジング70にリアフレーム370を仮固定する工程を行う。作業者は、この工程において、モータシール部402をリアフレーム370に装着する。作業者は、モータシール部402をモータ側リア溝376aに入り込ませる。そして、作業者は、モータシール部402がモータシール保持部78に密着するように、リアフレーム370をモータハウジング70に仮固定する。
備工程の後、作業者は、インバータハウジング90にリアフレーム370を仮固定する工程を行う。作業者は、この工程において、インバータシール部403をリアフレーム370に装着する。作業者は、インバータシール部403をインバータ側リア溝376bに入り込ませる。そして、作業者は、インバータシール部403がインバータシール保持部98に密着するように、リアフレーム370をインバータハウジング90に仮固定する。
仮固定の後、作業者は、ボルト等の固定具により、モータハウジング70とインバータハウジング90とリアフレーム370とを固定する。その後、作業者は、モータハウジング70及びインバータハウジング90にユニットダクト100を装着する作業を行う。
モータ装置ユニット50は、例えば飛行体に搭載されている。この飛行体は、電動航空機等の電動飛行体である。電動飛行体においては、モータ装置ユニット50が飛行ロータ等の回転翼を駆動回転させる。モータ装置ユニット50は、飛行体を推進させるための推進装置である。モータ装置60は、回転翼を回転させるための駆動源である。
<構成群A>
ここまで説明した本実施形態によれば、中性点バスバ290は、電気絶縁性を有し且つ電力バスバ261を保護するバスバ保護部270から離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ290と電力バスバ261とが接触しないのはもちろんのこと、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが接触することすら生じないようになっている。このため、中性点バスバ290と電力バスバ261との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが離間していることで抑制できる。したがって、中性点バスバ290とバスバ保護部270とが離間していることにより、モータ装置60の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、軸方向ADに並んだステータ側空間S1及びインバータ側空間S2のうち、一方に電力バスバ261が設けられ、他方に中性点バスバ290が設けられている。具体的には、インバータ側空間S2に電力バスバ261が設けられ、ステータ側空間S1に中性点バスバ290が設けられている。しかも、ステータ側空間S1とインバータ側空間S2とはリアフレーム370により仕切られている。この構成では、中性点バスバ290と電力バスバ261とが接触することがリアフレーム370により規制されている。このように、中性点バスバ290と電力バスバ261との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することをリアフレーム370により抑制できる。したがって、リアフレーム370によりモータ装置60の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290とバスバ保護部270とは、軸方向ADに離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ290とバスバ保護部270との離間距離を極力大きくできる。このため、中性点バスバ290と電力バスバ261との絶縁信頼性を高める上で、中性点バスバ290とバスバ保護部270との離間距離が不足するということを抑制できる。
本実施形態によれば、モータ装置60がアキシャルギャップ式及びダブルロータ式の両方に該当する回転電機である。すなわち、第1ロータ300aと第2ロータ300bとがステータ200を介してモータ軸線Cmに沿って並べられている。この構成では、アキシャルギャップ式によりモータ装置60の小型化を図ることができるとともに、ダブルロータ式によりモータ出力を高めることができる。さらに、この構成において、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれで磁石310の配列にハルバッハ配列が用いられている。したがって、モータ装置60において、バックヨークを省略することを容易化できる。また、コイル211は、複数の素線223を有するコイル線220が巻回されて形成されている。このため、コイル211において発生するコイル線220の銅損を低減できる。
本実施形態によれば、周方向CDにおいて隣り合う2つのコイル部215の巻数が異なっている。この構成では、2つのコイル部215において、コイル線220を径方向RDにおいて逆向きに引き出すことを容易化できる。このため、コイル211において、電力引出線212及び中性引出線213のうち一方を径方向外側に引き出し、他方を径方向内側に引き出す、ということが容易になる。したがって、電力引出線212と中性引出線213との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性を高めることができる。
本実施形態によれば、電力バスバ261と中継ターミナル280との接続部分がターミナル台285により支持されている。この構成では、中継ターミナル280に対する電力バスバ261の相対的な振動が生じたとしても、その振動による応力がターミナル台285にて抑制されやすくなっている。このため、出力ライン143を形成する中継ターミナル280及び電力バスバ261について耐振動性を高めることができる。したがって、インバータ装置80に対するモータ装置60の相対的な振動が生じたとしても、中継ターミナル280及び電力バスバ261が形成する出力ライン143に異常が生じることを抑制できる。
例えば本実施形態とは異なり、電力バスバ261が中継ターミナル280を介さずに直接的にインバータ装置80側に接続された構成では、電力バスバ261がインバータ装置80とモータ装置60とにかけ渡された状態になっている。このため、インバータ装置80に対するモータ装置60の相対的な振動が生じると、電力バスバ261に応力が集中して電力バスバ261に異常が生じることが懸念される。すなわち、電力バスバ261が形成する出力ライン143に異常が生じることが懸念される。
本実施形態によれば、中継ターミナル280は、複数の分割領域REに1つずつ配置されている。この構成では、周方向CDにおいて隣り合う2つの中継ターミナル280の離間距離を十分に大きく確保できる。このため、仮に中継ターミナル280を電流が流れることなどにより中継ターミナル280にて熱が発生したとしても、この熱が中継ターミナル280から放出されやすくなっている。したがって、中継ターミナル280にて発生する熱によりモータ装置60にて異常が発生するということを抑制できる。
本実施形態によれば、リアフレーム370がバスバ支持部371及びベアリング支持部372を有している。この構成では、リアフレーム370という1つの部材により、電力バスバ261及び第1ベアリング360という2つの機器を支持できる。このため、モータ装置60を構成する部品点数を低減できる。
例えば本実施形態とは異なり、電力バスバ261及び第1ベアリング360がそれぞれ独立した専用部材により支持された構成を想定する。この構成では、電力バスバ261及び第1ベアリング360のそれぞれに専用部材を用いる必要がある上に、これら専用部材をそれぞれモータハウジング70等に固定する必要がある。このため、この構成では、モータ装置60を構成する部品点数が増大することが懸念される。
本実施形態によれば、レゾルバ421は、軸方向ADにおいてリアフレーム370を介して中性点バスバ290とは反対側に設けられている。この構成では、レゾルバ421と中性点バスバ290との離間距離を十分に確保することができる。このため、中性点バスバ290を流れる電流等により電磁波が発生したとしても、この電磁波による影響がレゾルバ421に生じにくくなっている。例えば、中性点バスバ290への通電に伴ってレゾルバ421の検出信号にノイズが生じるということが生じにくくなっている。
<構成群B>
本実施形態によれば、ロータ300において、周方向CDに隣り合う一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側に向くようにモータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。また、周方向CDにおいて一対の内軸磁石312a,312bを介して隣り合う一対の周磁石311a,311bは、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されている。この構成では、一対の周磁石311a,311b及び一対の内軸磁石312a,312bによる磁束がステータ200側で集中することなどにより、ステータ200側での磁界が強くなりやすい。したがって、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
本実施形態によれば、一対の内軸磁石312a,312bは、軸方向ADにおいてステータ200側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに向かい合うように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。この構成では、一対の周磁石311a,311b及び一対の内軸磁石312a,312bによる磁束が、周方向CDにおいて内境界部BI側に向けて集中しやすくなっている。このように磁束を集中させることで、ステータ200側での磁界を強くすることができる。
本実施形態によれば、ロータ300において、周方向CDに隣り合う一対の外軸磁石313a,313bは、第1周磁石311a又は第2周磁石311bを介して反対側に設けられている。また、一対の外軸磁石313a,313bは、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側を向くように且つ周方向CDにおいて互いに反対側を向くように、モータ軸線Cmに対して傾斜して配向されている。この構成では、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側にて磁束が拡散することなどにより、ステータ200側での磁界が強くなりやすい。したがって、モータ装置60のエネルギ効率を更に高めることができる。
本実施形態によれば、第1ロータ300a及び第2ロータ300bは、一方が有する一対の内軸磁石312a,312bと他方が有する一対の外軸磁石313a,313bとが軸方向ADに並ぶように、互いに点対称に設けられている。この構成では、ステータ200を軸方向ADに通過する磁束が、周方向CDにおいて内境界部BI及び外境界部BO側に集中しやすくなる。このため、ステータ200側での磁界を強くすることができる。
本実施形態によれば、固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aが内周テーパ面316dに重なるように、且つブロックテーパ面330aが磁石ホルダ320との間に磁石310を挟み込むようにして、磁石310を磁石ホルダ320に固定している。この構成では、ブロックテーパ面330a及び内周テーパ面316dがモータ軸線Cmに対して傾斜していることを利用して、固定ブロック330により磁石310を磁石ホルダ320に強固に固定できる。
本実施形態によれば、ロータ300において周方向CDに並べられる複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。この構成では、ロータ300の製造工程において、作業者は、磁石ホルダ320に並べる最後の1つの磁石ユニット316として、平行磁石ユニット318を周方向CDに隣り合う2つの傾斜磁石ユニット317の間に入り込ませることができる。このため、磁石ホルダ320に対して全ての磁石ユニット316を適正に固定することができる。
本実施形態によれば、磁石310に対する吸引力F1に抗して曲げ応力F2がロータ300に生じるように、径方向RDにおいて支点としてのリム先端部344aを介して磁石310とは反対側でロータ300に押圧力F3が加えられる。この構成では、ロータ300において磁石310の周辺部位がステータ200に近づいてロータ300が反るように変形する、ということをホルダ固定具350により抑制できる。このため、モータ61の効率が低下するなどの不都合がロータ300の変形によって生じるということを抑制できる。
本実施形態によれば、ロータ300においてホルダ固定具350が固定された部位と、シャフトフランジ342においてホルダ固定具350が固定された部位と、は軸方向ADに離間している。このため、仮に、押圧力F3が吸引力F1に対して不足していたとしても、ホルダ固定具350により押圧力F3を増加させることで押圧力F3の不足を解消できる。
本実施形態によれば、第1ロータ300aにおいて第1ホルダ固定具350aが挿入されるホルダ固定孔325と、第2ロータ300bにおいて第2ホルダ固定具350bが挿入されるホルダ固定孔325とが、周方向CDに離間した位置にある。この構成では、シャフトフランジ342において、第1ホルダ固定具350aと第2ホルダ固定具350bとの両方を1つの孔に軸方向ADの逆側から挿入するという必要がない。このため、第1ホルダ固定具350a及び第2ホルダ固定具350bの両方を1つの孔に挿入できるほどにシャフトフランジ342を厚くするという必要がない。したがって、シャフトフランジ342の薄型化及び軽量化が可能になる。
<構成群C>
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、コイル保護部250が内周面70bに重ねられた状態で設けられている。この構成では、コイル211の熱がコイル保護部250を介してモータハウジング70に伝わりやすくなっている。しかも、モータハウジング70においては、外周面70aにモータフィン72が設けられている。このため、コイル保護部250からモータハウジング70に伝わった熱はモータフィン72により外部に放出されやすくなっている。したがって、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル保護部250は、複数のステータ保持部171の間に径方向内側から入り込んだ状態になっている。この構成では、コイル保護部250と内周面70bとの接触面積がステータ保持部171により増加させることができる。このため、コイル保護部250からステータ保持部171に熱が伝わりやすくなり、その結果、モータハウジング70の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル部215と軸保持部174とは径方向RDにおいて互いに対向している。この構成では、径方向RDでのコイル部215とモータハウジング70との離間距離を軸保持部174により低減できる。すなわち、径方向RDにおいて軸保持部174との間に存在するコイル保護部250の厚さ寸法を低減できる。このため、コイル部215からモータハウジング70に伝わる熱がコイル保護部250に留まるということが生じにくくなる。したがって、モータハウジング70の放熱効果がコイル保護部250により低減するということを抑制できる。
本実施形態によれば、コイル保護部250が少なくともハウジング粗面177に重ねられている。この構成では、コイル保護部250がハウジング粗面177に密着しやすいため、コイル保護部250からモータハウジング70に熱が伝わりやすい。また、この構成では、コイル保護部250とハウジング粗面177との接触面積が大きくなりやすいため、コイル保護部250からモータハウジング70に熱が伝わりやすい。したがって、モータハウジング70の放熱効果をハウジング粗面177により高めることができる。
本実施形態によれば、電力引出線212を保護するグロメット255は、電力引出線212とコイル保護部250との隙間を埋めている。この構成では、電力引出線212が埋設部255aと露出部255bとの境界部分で折れるように変形するということをグロメット255により抑制できる。また、モータ装置60の製造時において、コイル保護部250を樹脂成形する場合に、溶融樹脂が電力引出線212の周りから漏れ出すということをグロメット255により抑制できる。
本実施形態によれば、ボビン240が電気絶縁性を有しているため、コイル211に対する電気的な絶縁状態をボビン240により適正化できる。このため、コイル211について部分放電が生じることを抑制できる。また、コア231の熱がボビン240を介してコイル保護部250に放出されるため、コアユニット230の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、コイル保護部250が少なくともボビン粗面247に重ねられている。この構成では、コイル保護部250がボビン粗面247に密着しやすいため、ボビン240からコイル保護部250に熱が伝わりやすい。また、この構成では、コイル保護部250とボビン粗面247との接触面積が大きくなりやすいため、ボビン240からコイル保護部250に熱が伝わりやすい。したがって、モータ装置60の放熱効果をボビン粗面247により高めることができる。
本実施形態によれば、コア231においては、コア幅が径方向内側に向けて段階的に小さくなっている。この構成では、例えばコア幅が連続的に小さくなっている構成に比べて、コア231の表面積が大きくなりやすく、ボビン240に密着しやすい。このため、コア231の熱がボビン240に伝わりやすくなっている。しかも、複数のコア形成板材236を積層してコア231を製造する場合、コア幅が小さくなる段階数に合わせてコア形成板材236の種類を制限できる。このため、コア形成板材236を製造するためのコストが増加するということを抑制できる。
本実施形態によれば、ボビン240においてフランジ内板面243には、コイル211から電力引出線212を引き出すために凹んだフランジ凹部243aが設けられている。この構成では、周方向CDにおいてボビン胴部241を介してフランジ凹部243aとは反対側において、フランジ内板面243とコイル211との間にデッドスペースが生じにくくなっている。このため、ボビン240においてコイル211の占積率を高めることができる。
<構成群D>
本実施形態によれば、インバータ81と、軸方向ADに並べられたロータ300及びステータ200と、がユニットハウジング51に収容されている。この構成では、モータ装置60を薄型化した上で、モータ装置ユニット50を小型化することができる。しかも、ユニットハウジング51の外周面にモータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。このため、モータ装置ユニット50の放熱効果をモータフィン72及びインバータフィン92により高めることができる。したがって、モータ装置ユニット50の小型化及び放熱効果向上の両方を実現することができる。
本実施形態によれば、ユニットハウジング51の内周面にコイル保護部250が重ねられている。この構成では、コイル211の熱がコイル保護部250を介してユニットハウジング51に伝わりやすくなっている。しかも、ユニットハウジング51の外周面には、モータフィン72及びインバータフィン92が設けられている。このため、コイル保護部250からユニットハウジング51に伝わった熱はモータフィン72及びインバータフィン92により外部に放出されやすくなっている。したがって、モータ装置ユニット50の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、ステータ200とロータ300とが軸方向ADに並ぶことでモータハウジング70が薄型化された上で、ユニットハウジング51においてはモータハウジング70とインバータハウジング90とが軸方向ADに並べられている。このため、モータ装置ユニット50が軸方向ADに大型化することをモータハウジング70の薄型化によって抑制できる。
本実施形態によれば、シャフトフランジ342に設けられたフランジ通気孔346は、リム344を径方向RDに貫通し、径方向RDでの通気を可能にしている。この構成では、ステータ200の熱がフランジ通気孔346を通じて径方向RDに放出されやすくなっている。このため、モータ装置60の放熱効果をフランジ通気孔346により高めることができる。
本実施形態によれば、ロータ300のバランスを調整するためのホルダ調整孔326は、ロータ300を軸方向ADに貫通し、軸方向ADでの通気を可能にしている。この構成では、ステータ200の熱がホルダ調整孔326を通じて軸方向ADに放出されやすくなっている。このため、ロータ300のバランスを調整するためのホルダ調整孔326を利用して、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、レゾルバ421から延びた信号配線426と温度センサ431から延びた信号配線436とが、信号端子台440に集約されている。この構成では、インバータ装置80が有するインバータ配線が信号端子台440に引き込まれることで、レゾルバ421及び温度センサ431のいずれにも電気的に接続することが可能である。このため、モータ装置60の製造時において作業者が、モータ装置60が有する信号配線とインバータ装置80が有する信号配線とを接続する際に、その作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、防塵カバー380がフレーム開口部373を覆っている。このため、電力引出線212をフレーム開口部373から引き出す構成を実現した上で、このフレーム開口部373を異物が通過することを防塵カバー380により抑制できる。
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、ハウジング本体71から突出した連結フランジ74にフランジ孔74aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔74aによって低下するということを抑制できる。また、ハウジング本体71から突出した固定フランジ178にフランジ孔178aが設けられている。このため、ハウジング本体71の剛性がフランジ孔178aによって低下するということを抑制できる。
本実施形態によれば、ドライブフレーム390においては、第1固定孔392aと第2固定孔392bとが径方向RDに並べられている。この構成では、モータハウジング70から第1固定孔392aに付与される応力と、減速機53から第2固定孔392bに付与される応力と、が互いに打ち消し合いやすくなっている。このため、モータハウジング70からの応力と減速機53からの応力によってドライブフレーム390に変形等の異常が発生するということを抑制できる。
<構成群E>
本実施形態によれば、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びている。この構成では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの位置関係にかかわらず、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を外グロメット部258により保持できる。例えば、外周引出部212aの位置が軸方向ADにおいて電力バスバ261側に意図せずにずれたとしても、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が低下するということを外グロメット部258により抑制できる。したがって、モータ装置60の電気的な絶縁信頼性を外グロメット部258により高めることができる。
また、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が外グロメット部258により保持されるため、外周引出部212aとモータ内周面70bとを径方向RDに近い位置に配置することが可能である。したがって、モータハウジング70を径方向RDに小型化することが可能である。
本実施形態によれば、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周屈曲部212dよりも電力バスバ261側に向けて延びている。この構成では、外周屈曲部212dの屈曲度合い及び位置に関係なく、外周屈曲部212dとモータハウジング70との電気絶縁性を外グロメット部258により保持できる。
本実施形態によれば、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて内周引出部212bから離間した位置にある。この構成では、外グロメット部258が軸方向ADにおいて電力バスバ261側に向けて過剰に長尺化するということを抑制できる。しかも、内周引出部212bは、径方向RDにおいて内周引出部212bよりも内側に設けられているため、内周引出部212bとモータ内周面70bとの電気絶縁性が低下しにくくなっている。このため、外グロメット部258が内周引出部212bとモータ内周面70bとの間に入り込んでいなくても、内周引出部212bとモータハウジング70との電気絶縁性を保持できる。
本実施形態によれば、外周引出部212aは、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて外グロメット部258よりも延びている。この構成では、外グロメット部258が軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて過剰に長尺化するということを抑制できる。しかも、軸方向ADにおいて外グロメット部258を介して電力バスバ261とは反対側の領域では、外グロメット部258とは異なるコイル保護部250等により、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を保持することが可能である。
本実施形態によれば、外グロメット部258は、周方向CDにおいて外周引出部212aよりも両側に向けて延びている。このため、例えば外周引出部212aの位置が周方向CDに意図せずにずれたとしても、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が低下するということを外グロメット部258により抑制できる。
本実施形態によれば、周方向CDにおいて外グロメット部258における幅寸法Wa1が、外周引出部212aにおける幅寸法Wa3よりも大きくなっている。このため、外グロメット部258が周方向CDにおいて外周引出部212aよりも両側に向けて延びた構成を実現できる。
本実施形態によれば、外グロメット部258を含むグロメット255は、溶融樹脂がコイル211を封止した状態を保持するための部材である。この構成では、グロメット255は、コイル保護部250によるコイル211の封止を補助する機能、及び外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を保持する機能、という2つの機能を有している。このため、例えば外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を保持するための専用部品が設けられた構成に比べて、モータ装置60の部品点数を低減することができる。
本実施形態によれば、第1ロータ300aと第2ロータ300bとがステータ200を介して軸方向ADに並べられているため、モータ装置60を軸方向ADに小型化することが可能である。しかも、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が外グロメット部258により保持されるため、モータ装置60を径方向RDに小型化することも可能である。したがって、軸方向AD及び径方向RDの両方についてモータ装置60を小型化することが可能である。
本実施形態によれば、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内グロメット部257よりも電力バスバ261側に向けて延びている。この構成では、軸方向ADにおいて電力バスバ261に対して内グロメット部257が外グロメット部258よりも遠い位置にある。このため、交差引出部212cの位置など電力引出線212の配置に関する自由度が内グロメット部257の存在によって低下するということを抑制できる。したがって、電力引出線212の配置自由度を高めつつ、モータ装置60の電気的な絶縁性を外グロメット部258により高めることができる。
例えば本実施形態とは異なり、軸方向ADにおいて内グロメット部257が外グロメット部258と同じ位置まで電力バスバ261側に延びた構成を想定する。この構成では、外周屈曲部212dを外グロメット部258に径方向RDに並ぶ位置に配置することが内グロメット部257により制限されてしまう。
<構成群F>
本実施形態によれば、第1ロータ300aが有するホルダリブ323は、ホルダ本体321と共に回転して電力引出線212に向けて送風する。この構成では、電力引出線212への通電により熱が発生する電力引出線212に、ホルダリブ323により送られる空気を冷却風として当てることができる。すなわち、ホルダリブ323により生じる気流を電力引出線212に当てることができる。このため、第1ロータ300aの回転を利用してホルダリブ323により冷却風を発生させることで、この冷却風により電力引出線212を積極的に冷却することができる。したがって、モータ装置60の冷却効果を第1ロータ300aにより高めることができる。
また、ホルダリブ323による冷却風により電力引出線212を冷却することで、電力引出線212に接続されたバスバユニット260の温度上昇を抑制できる。例えば、引出接続部266、バスバ引出線265及び電力バスバ261の温度上昇を抑制できる。このため、バスバ保護部270及び引出接続部266などの温度が過剰に高くなってバスバ保護部270及び引出接続部266などに異常が生じる、ということを抑制できる。
さらに、第1ロータ300aが有するホルダリブ323により冷却風を生じさせることができるため、冷却風を生じさせる専用の冷却ファンを設ける必要がない。このため、専用の冷却ファンがないことで、モータ装置60の小型化、軽量化などを実現できる。また、専用の冷却ファンがないことで、モータ装置60を構成する部品点数を低減できる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323は、径方向外側に向けて空気を送るようにホルダ本体321に設けられている。この構成では、ホルダリブ323により生じる気流が、第1ロータ300aの径方向外側を通っている電力引出線212に当たりやすい。このため、ホルダリブ323により生じる冷却風により電力引出線212が冷却されやすい構成を実現できる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323は、周方向CDに複数並べられている。この構成では、第1ロータ300aの回転に伴って複数のホルダリブ323が回転するため、電力引出線212に当たる冷却風が多くなりやすい。このため、ホルダリブ323による電力引出線212の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323の先端部には、径方向外側を向くようにホルダ本体321に対して傾斜したリブテーパ部323dが含まれている。例えば、リブテーパ部323dは、本体外板面321aに対して傾斜している。この構成では、リブテーパ部323dにより生じる冷却風が径方向内側ほど大きくなりやすい。このため、リブテーパ部323dにより冷却風は、全体として径方向外側に向けて流れることで、電力引出線212に当たりやすくなる。したがって、ホルダリブ323による電力引出線212の冷却効果をリブテーパ部323dにより高めることができる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323の先端部には、ホルダ本体321に平行に延びたリブ平行部323cが含まれている。例えば、リブ平行部323cは、本体外板面321aに平行に延びている。この構成では、ホルダ本体321からのホルダリブ323の突出寸法がリブ平行部323cにより均一化されている。このため、ホルダリブ323により生じる冷却風を極力多くすることができる。したがって、ホルダリブ323による電力引出線212の冷却効果をリブ平行部323cにより高めることができる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323の少なくとも一部は、第1ロータ300aにおいて磁石310に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。この構成では、ホルダリブ323により生じる冷却風がホルダリブ323に沿って流れやすい。この冷却風は、ホルダ本体321を介して磁石310に沿って流れることで、磁石310を冷却しやすい。このため、ホルダリブ323による冷却効果を磁石310に付与することができる。
本実施形態によれば、ホルダリブ323は、ホルダ外周端320bから径方向内側に向けてホルダ本体321に沿って延びている。この構成では、径方向RDにおいて電力引出線212に極力近い位置でホルダリブ323により冷却風を発生させることができる。このため、ホルダ本体321とホルダリブ323との位置関係により、ホルダリブ323による電力引出線212の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、電力引出線212においては、内周引出部212b、交差引出部212c及び内周屈曲部212e等の並び引出部が、ホルダリブ323に軸方向ADに並ぶ位置にある。この構成では、ホルダリブ323により生じて軸方向ADに流れる冷却風が並び引出部に当たりやすいため、冷却風による並び引出部の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、電力引出線212が挿通されたフレーム開口部373は、ホルダリブ323に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。この構成では、ホルダリブ323により生じた冷却風は、フレーム開口部373から流出するように流れることで電力引出線212に当たることになる。このため、ホルダリブ323による電力引出線212の冷却効果をフレーム開口部373により高めることができる。
本実施形態によれば、電力引出線212とバスバ引出線265とが接続された引出接続部266は、フレーム開口部373に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。この構成では、ホルダリブ323により生じてフレーム開口部373から流出した冷却風は、引出接続部266に当たることになる。このため、ホルダリブ323による引出接続部266の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、電力バスバ261がリアフレーム370に固定されている。この構成では、ホルダリブ323により生じてリアフレーム370に沿って流れる冷却風は、リアフレーム370を介して電力バスバ261を冷却することになる。このため、ホルダリブ323による冷却効果を電力バスバ261に間接的に付与することができる。
<構成群G>
本実施形態によれば、固定ブロック330は、アキシャルギャップ475側から内周テーパ面316dに引っ掛かった状態で磁石ホルダ320に固定されている。この構成では、内周テーパ面316dを利用することで、固定ブロック330を第1ユニット面316gからアキシャルギャップ475側に突出させずに、固定ブロック330により磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定することができる。このように固定ブロック330がアキシャルギャップ475側に突出しないことで、アキシャルギャップ475を極力小さくすることができる。したがって、アキシャルギャップ475からの漏れ磁束が低減されることなどにより、アキシャルギャップ475に生じる磁界を強くすることができる。
しかも、内周テーパ面316dは、磁石ユニット316において第1ユニット面316gの外周端に沿って延びている。この構成では、軸方向ADに直交した方向において単に固定ブロック330を磁石ユニット316に並べることで、固定ブロック330が内周テーパ面316dに引っ掛かる構成を実現できる。このため、固定ブロック330が第1ユニット面316gをアキシャルギャップ475側から覆う必要がない。したがって、アキシャルギャップ475において固定ブロック330により磁束が遮られ、アキシャルギャップ475に生じる磁界が弱くなる、ということを抑制できる。
以上のように、アキシャルギャップ475に生じる磁界を強くすることで、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
また、内周テーパ面316dの傾斜を利用して磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定するため、例えば磁石ユニット316の周縁面に溝等の凹部を形成する必要がない。このため、磁石ユニット316の形状が複雑になることを回避できる。このように磁石ユニット316の形状を簡素化することで、磁石ユニット316を加工するために必要な工数を低減できる。したがって、磁石ユニット316を製造するために必要なコストを低減できる。
さらに、固定ブロック330は、内周テーパ面316dに引っ掛かった状態で磁石ホルダ320に固定されているため、磁石ユニット316の固定に固定ブロック330とは異なる専用部材を用いる必要がない。このため、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定するために用いる部品点数を低減できる。したがって、ロータ300を製造するために必要なコストを低減すること、及びロータ300の重量を低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ブロックテーパ面330aは、内周テーパ面316dに重なるように引っ掛かっている。この構成では、ブロックテーパ面330aと内周テーパ面316dとを面同士で面接触させることができる。このため、固定ブロック330に対する磁石ユニット316の位置ずれが生じにくい構成を実現できる。
本実施形態によれば、固定ブロック330は、磁石ユニット316の径方向外側及び径方向内側のうち径方向内側にだけ設けられている。この構成では、固定ブロック330が磁石ユニット316の径方向外側に設けられていない分だけ、ロータ300において磁石ユニット316よりも径方向外側の部位を径方向RDに短くできる。このため、ロータ300の体格が径方向RDに大型化することを抑制できる。
例えば本実施形態とは異なり、固定ブロック330が磁石ユニット316の径方向外側に設けられた構成を想定する。この構成では、固定ブロック330がある分だけアキシャルギャップ475を径方向内側に配置する必要が生じる。この場合、ギャップ面積が減少して磁界が弱くなり、モータ装置60の出力が低下することが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、固定ブロック330が磁石ユニット316の径方向外側に設けられていないため、ギャップ面積を極力大きくできる。このため、アキシャルギャップ475での磁界を極力強くすることができ、その結果、モータ装置60の高出力化を図ることができる。
また、固定ブロック330が磁石ユニット316の径方向内側に設けられているため、ロータ300のイナーシャにより生じた荷重が磁石ユニット316から径方向外側に向けて固定ブロック330に付与される、ということを回避できる。また、固定ブロック330が磁石ユニット316の径方向内側に設けられているため、磁石ホルダ320における磁石ユニット316の径方向外側にある部位について、小型化及び軽量化を図ることができる。このため、ロータ300の回転に伴ってイナーシャが増加することを抑制できる。
本実施形態によれば、磁石ユニット316においては、ユニット外周端316bが外周係合部322に引っ掛けられている。また、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318が含まれている。この構成では、ロータ300の製造工程において、作業者が複数の磁石ユニット316を周方向CDに並べていった場合に、最後の1つの磁石ユニット316を外周係合部322に引っ掛けることができない、ということを回避できる。具体的には、最後の1つを平行磁石ユニット318にすることで、この平行磁石ユニット318を、周方向CDに隣り合う2つの磁石ユニット316の間に平行磁石ユニット318を入り込ませつつ、外周係合部322に引っ掛けることができる。
例えば、作業者が、最後の1つの磁石ユニット316を傾斜磁石ユニット317にすると、傾斜磁石ユニット317を、周方向CDに隣り合う2つの磁石ユニット316の間に入り込ませつつ、外周係合部322に引っ掛ける、ことができない。これは、傾斜磁石ユニット317が有するユニット外周端316bの幅寸法が、外周係合部322よりも径方向内側での2つの磁石ユニット316の離間距離よりも大きいためである。
本実施形態によれば、外周係合部322は、アキシャルギャップ475側から外周テーパ面316eに引っ掛かった状態になっている。この構成では、外周テーパ面316eを利用することで、外周係合部322を第1ユニット面316gからアキシャルギャップ475側に突出させずに、外周係合部322に磁石ユニット316を引っ掛けることができる。このように外周係合部322がアキシャルギャップ475側に突出しないことで、アキシャルギャップ475を極力小さくすることができる。
本実施形態によれば、複数の固定ブロック330が周方向CDに並べられている。この構成では、周方向CDに隣り合う2つの固定ブロック330の間に隙間が生じるように固定ブロック330を小型化することで、ロータ300を軽量化することができる。
本実施形態によれば、磁石固定具335においては、固定頭部337がアキシャルギャップ475とは反対側から磁石ホルダ320に引っ掛かっている。この構成では、固定頭部337が固定ブロック330からアキシャルギャップ475側に突出しない構成を実現できる。また、この構成では、単に固定軸部336の長さを調整することで、固定軸部336が固定ブロック330からアキシャルギャップ475側に突出しない構成を実現できる。したがって、磁石固定具335がアキシャルギャップ475側に突出しないことで、アキシャルギャップ475を極力小さくすることができる。換言すれば、磁石固定具335がステータ200に干渉しない構成を実現することで、アキシャルギャップ475を確実に確保できる。
さらに、ブロック孔333に対する固定軸部336のねじ込み量が調整されることで、固定ブロック330が磁石ユニット316に押し付けられる強さを調整できる。このように磁石固定具335の軸力により固定ブロック330を磁石ユニット316に押し付けることで、磁石ユニット316の位置を精度良く決めること、及び磁石ユニット316を磁石ホルダ320に強固に固定すること、が可能になる。
本実施形態によれば、ホルダ受け面328a及びブロック受け面330bは、モータ軸線Cmに対して傾斜していることで、固定ブロック330の位置を径方向RDに調整可能な調整面になっている。この構成では、例えば磁石ユニット316の大きさ及び形状などに応じて固定ブロック330の位置が径方向RDに調整された場合に、固定ブロック330を軸方向ADにずらすことでホルダ受け面328aとブロック受け面330bとを接触させることができる。すなわち、磁石ユニット316とホルダ受け部328との間において、磁石ユニット316及びホルダ受け部328に対する固定ブロック330のおさまりが良くなる。このため、製造誤差等により複数の磁石ユニット316で大きさ及び形状などが多少ばらついたとしても、これら磁石ユニット316を固定ブロック330により固定できる。
本実施形態によれば、ホルダ受け面328aとブロック受け面330bとが重なっている。この構成では、ホルダ受け面328aとブロック受け面330bとを面同士で面接触させることができる。このため、ホルダ受け部328に対する固定ブロック330の位置ずれが生じにくい構成を実現できる。
本実施形態によれば、周方向CDにおける磁石ユニット316の位置が、磁石用突起483により決められている。この構成では、周方向CDにおける磁石ユニット316の位置を固定ブロック330で決めるという必要がない。すなわち、周方向CDにおける磁石ユニット316の位置を決める部位を固定ブロック330に設ける必要がない。このため、固定ブロック330の形状が複雑になることを抑制できる。
本実施形態によれば、磁石310の配列にハルバッハ配列が用いられている。この構成では、磁石310を介してアキシャルギャップ475とは反対側にバックヨークを設ける必要がない。このため、磁石ホルダ320の形状が複雑になること、及びロータ300の重量が増加すること、などを抑制できる。
<構成群H>
本実施形態によれば、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて第1ロータ300a側の第1コイル端部211aから第2コイル端部211b側に向けて離れた位置に設けられている。この構成では、埋設部255aが接続屈曲部212fを覆わなくても、軸方向ADにおいて埋設部255aを第1ロータ300aから極力離れた位置に配置できる。このため、埋設部255aがコイル211よりも軸方向ADの第1ロータ300a側に突出するように延びる、ということを抑制できる。また、埋設部255aをコイル保護部250に埋め込むためにコイル保護部250を第1ロータ300a側に延ばす、ということを抑制できる。したがって、コイル保護部250が軸方向ADに大型化することを抑制できる。すなわち、コイル保護部250の体格を軸方向ADに小型化することが可能である。これにより、モータ装置60が軸方向ADに大型化することを抑制可能になり、その結果、モータ装置60の小型化を実現することができる。
本実施形態では、コイル保護部250がモールド成形されるため、溶融樹脂の射出圧力により電力引出線212が意図せずに変形することが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、電力引出線212においてコイル保護部250に埋め込まれる部位が埋設部255aにより覆われている。この構成では、溶融樹脂の射出圧力が埋設部255aに付与されるため、溶融樹脂の射出圧力により電力引出線212が変形するということを埋設部255aにより抑制できる。
本実施形態によれば、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて第1ロータ300a側の第1コイル端部211aよりも第2コイル端部211bに近い位置に設けられている。この構成では、軸方向ADにおいて第1コイル端部211aと接続屈曲部212fとの離間距離が、コイル211の長さ寸法の1/2よりも大きくなっている。このため、埋設部255aにおいて、第1コイル端部211aと接続屈曲部212fとの間で電力引出線212を覆う部位を軸方向ADに十分に長くすることができる。したがって、埋設部255aが短いことに起因して埋設部255aがコイル保護部250から抜け出るということを抑制できる。このように、グロメット255がコイル保護部250から意図せずに抜けることを抑制しつつ、コイル保護部250が軸方向ADに大型化することを抑制できる。
本実施形態によれば、接続屈曲部212fは、第2コイル端部211bに設けられている。この構成では、軸方向ADにおいて第1コイル端部211aと接続屈曲部212fとの離間距離を最大限大きくすることができる。このため、埋設部255aがコイル保護部250から抜け出るということを確実に抑制できる。
本実施形態によれば、埋設部255aは、軸方向ADにおいて第1コイル端部211aを越えて第2コイル端部211bに向けて延びている。このため、埋設部255aをコイル保護部250の極力深い位置まで埋め込むことができる。このようにコイル保護部250に対する埋設部255aの埋め込みが深いことで、埋設部255aがコイル保護部250から抜け出るということを確実に抑制できる。
しかも、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて埋設部255aから第2コイル端部211b側に離れた位置に設けられている。この構成では、電力引出線212のうち接続屈曲部212fという曲がった部位を埋設部255aにより覆うという必要がない。このため、グロメット255を電力引出線212に取り付ける作業の困難性を低減できる。また、埋設部255aを電力引出線212の曲がった部位に取り付けることで、グロメット255が意図しない形状に変形するということを抑制できる。例えば、締め筒部461が意図しない変形に変形し、電力引出線212に対する締め筒部461の密着性が意図せずに低下する、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、埋設部255aは、軸方向ADにおいて保護軸線Cpを越えて第2コイル端部211b側に延びている。この構成では、埋設部255aがコイル保護部250の十分に深い位置まで埋設されている。このため、埋設部255aがコイル保護部250から意図せずに抜け出るということを確実に抑制できる。
本実施形態によれば、グロメット255においては、締め筒部461が電力引出線212に密着した状態で電力引出線212を覆っている。この構成では、グロメット255が電力引出線212に対して意図せずに位置ずれするということを締め筒部461により抑制できる。また、コイル保護部250モールド成形される際に、溶融樹脂がグロメット255の内部から漏れ出すということを締め筒部461により規制できる。
しかも、グロメット255においては、拡張筒部462が電力引出線212から離間した状態で電力引出線212を覆っている。この構成では、締め筒部461及び拡張筒部462のうち締め筒部461だけが電力引出線212に密着している。このため、例えば本実施形態とは異なり、グロメット255の全体が電力引出線212に密着する構成に比べて、グロメット255を電力引出線212に取り付ける際の作業負担を低減できる。例えばグロメット孔450に電力引出線212を挿通する作業の困難性を低減できる。
さらに、グロメット255においては、拡張筒部462の少なくとも一部がコイル保護部250に埋め込まれている。この構成では、コイル保護部250がモールド成形される際に、溶融樹脂が拡張筒部462の内部に入り込みやすい。このため、拡張筒部462の内側と外側との両方に溶融樹脂が存在することで、溶融樹脂の射出圧力により拡張筒部462が過剰に変形するということを抑制できる。
本実施形態によれば、コイル保護部250においては、保護進入部252が拡張筒部462と電力引出線212との間に入り込んだ状態になっている。この構成では、コイル保護部250においては、保護進入部252が拡張筒部462の内周面に密着し、保護本体251が拡張筒部462の外周面に密着しやすい。このため、コイル保護部250から拡張筒部462が意図せずに抜け出るということを抑制できる。
本実施形態によれば、軸方向ADにおいて、締め筒部461の長さ寸法Lb1が拡張筒部462の長さ寸法Lb2よりも小さい。この構成では、グロメット255において電力引出線212に密着した部位である締め筒部461が過剰に長くなるということを抑制できる。このため、電力引出線212に対して締め筒部461が密着した密着面積が大きすぎることに起因して、作業者がグロメット255を電力引出線212に取り付ける作業の困難性が高くなる、ということを回避できる。
本実施形態によれば、埋設部255aにおいては、グロメット溝466がコイル保護部250に係合している。このため、グロメット溝466とコイル保護部250との係合により、埋設部255aがコイル保護部250から抜け出ることを抑制できる。
本実施形態によれば、コイル保護部250に含まれる保護係合部253が、グロメット溝466の内部に入り込んでいることでグロメット溝466に係合している。このため、グロメット溝466と保護係合部253とが係合する構成を実現できる。また、グロメット255においては、保護係合部253に係合する係合部がグロメット溝466であるため、この係合部をグロメット255から外側に突出させる必要がない。このため、モータ装置60の製造時において、グロメット255の係合部に意図しない変形及び破損などが生じるということを抑制できる。このように、意図しない変形及び破損などが生じにくいグロメット溝466に保護係合部253を係合させることで、グロメット255がコイル保護部250から抜け出ることを確実に抑制できる。
<構成群I>
本実施形態によれば、コイル211と磁石310との吸引力F1に抗してロータ300を支持しているリム344は、シャフト本体341から径方向外側に離れた位置にある。この構成では、リム344を磁石310に極力近い位置に配置できる。このため、磁石310がコイル211に吸引される向きにロータ300が軸方向ADに変形するということをリム344により抑制できる。すなわち、磁石ホルダ320の反りをリム344により低減できる。したがって、モータ装置60において、ロータ300の変形に起因した異常が発生するということを抑制できる。
ロータ300の変形に起因した異常としては、例えばロータ300がステータ200に接触すること、及びロータ300が過剰に変形すること、などがある。このため、本実施形態によれば、ロータ300がステータ200に接触すること、及びロータ300が過剰に変形すること、などをリム344により抑制できる。
本実施形態によれば、リム344は、シャフト本体341に対する距離LI6よりも磁石310に対する距離LI5の方が小さい位置に設けられている。この構成では、距離LI5が距離LI6よりも小さくなるほどにリム344が磁石310に近い位置に設けられている。このように、ロータ300においてリム344と磁石310との間の部位が径方向に短くなっているため、この部位が変形するということが生じにくくなっている。
本実施形態によれば、リム344は、モータ軸線Cmに対する距離LI2よりもホルダ外周端320bに対する距離LI1の方が小さい位置に設けられている。この構成では、距離LI1が距離LI2よりも小さくなるほどにホルダ外周端320bに近い位置に設けられている。ロータ300においては、リム344とホルダ外周端320bとの間に磁石310がある。このため、ロータ300においてリム344とホルダ外周端320bとの部位が短くなることで、リム344と磁石310との間の部位が短くなる。したがって、ロータ300においてリム344と磁石310との間の部位が変形するということが生じにくくなっている。
本実施形態によれば、環状に形成されたロータ300がシャフト本体341から径方向外側に離れた位置に設けられている。この構成では、径方向RDにおいてロータ300の幅寸法を極力小さくできる。しかも、リム344は、ロータ300に対してホルダ内周端320aと磁石310との間に設けられている。この構成では、径方向RDの幅寸法が極力小さくされたロータ300において、更にリム344と磁石310との間の部位を径方向RDに短くできる。このため、ロータ300においてリム344と磁石310との間の部位が変形するということを確実に抑制できる。
本実施形態によれば、リム344は、第1ロータ300aと第2ロータ300bとにかけ渡されるように軸方向ADに延び、ロータ300a,300bのそれぞれに加えられる吸引力F1に抗してロータ300a,300bを支持している。この構成では、第1ロータ300aへの吸引力F1によりリム344に付与される応力は、リム344を第2ロータ300bに近づける向きで生じる。一方で、第2ロータ300bへの吸引力F1によりリム344に付与される応力は、リム344を第1ロータ300aに近づける向きで生じる。このように、第1ロータ300aへの吸引力F1によりリム344に付与される応力と、第2ロータ300bへの吸引力F1によりリム344に付与される応力とは、リム344において相殺されやすい。このため、ロータ300a,300bとステータ200との吸引力F1により、リム344が軸方向ADに移動する向きにシャフトフランジ342が変形する、ということを抑制できる。
例えば本実施形態とは異なり、モータ装置60が第2ロータ300bを有していない構成を想定する。この構成では、第1ロータ300aとステータ200との間で吸引力F1が発生すると、この吸引力F1は、第1ロータ300aに加えてリム344をステータ200に近づけようとする。このため、仮に第1ロータ300aの変形がリム344により規制されたとしても、リム344がステータ200に近づくようにシャフトフランジ342が変形することが懸念される。
また、本実施形態では、スポーク343が周方向CDに複数並べられている。このため、例えば軸方向ADに直交する方向に延びる板状の部材によりリム344とシャフト本体341とが接続された構成に比べて、シャフトフランジ342を軽量化できる。しかも、上述したように、ロータ300a,300bの各吸引力F1によりリム344に付与される応力が相殺されるため、複数のスポーク343によりシャフトフランジ342の軽量化を図っても、スポーク343が変形するということが生じにくい。
本実施形態によれば、スポーク343は、リム344における第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間の部位に接続されている。この構成では、リム344においてスポーク343と第1ロータ300aとの間の部位を軸方向ADにおいて極力短くできる。このため、第1ロータ300aへの吸引力F1により。リム344においてスポーク343と第1ロータ300aとの間の部位が変形するということを抑制できる。第2ロータ300bにおいても同様の効果を奏することができる。例えば、リム344においてスポーク343と第2ロータ300bとの間の部位を軸方向ADにおいて極力短くできる。このため、第2ロータ300bへの吸引力F1により。リム344においてスポーク343と第2ロータ300bとの間の部位が変形するということを抑制できる。
本実施形態によれば、ホルダ固定具350は、径方向RDにおいてリム344から磁石とは反対側に離れた位置に設けられている。この構成では、リム先端部344aを支点とした「てこの原理」を利用して、ホルダ固定具350の耐荷重を向上させることができる。このため、ホルダ固定具350によるロータ300とスポーク343との固定が吸引力F1により解除される、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、ホルダ固定具350がロータ300に加える押圧力F3により、吸引力F1に抗する曲げ応力F2が生じる。このため、磁石ホルダ320の剛性と吸引力F1とのバランスがとれていることで、磁石310がステータ200に近づくように磁石ホルダ320が曲がった形状で保持されてしまう、ということを回避できる。例えば、吸引力F1と曲げ応力F2とを相殺させることで、磁石ホルダ320の本来の形状を保持することができる。
本実施形態によれば、リム344がシャフト本体341に一体成形されている。この構成では、リム344を溶接及びボルト等によりシャフト本体341に後付けて固定する必要がない。このため、吸引力F1の発生などに起因してリム344とシャフト本体341との固定が解除されるということがない。モータ装置60での異常発生をリム344とシャフト本体341との一体成形により抑制できる。
<構成群K>
本実施形態によれば、レゾルバ421が電力バスバ261とシャフト本体341との間に入り込んだ状態になっている。この構成では、電力バスバ261とシャフト本体341との間の空間を、レゾルバ421を収容するための収容空間として利用することができる。このように、レゾルバ421の少なくとも一部と電力バスバ261とが径方向RDに並ぶことでモータ装置60の体格が軸方向ADに大型化する、ということを抑制できる。
しかも、レゾルバ421が電力バスバ261から径方向RDの内側に離れた位置に設けられている。この構成では、電力バスバ261に流れる電流により生じる影響がレゾルバ421に届きにくくなっている。この影響としては、例えば電力バスバ261に流れる電流により生じた磁界がレゾルバ421の検出信号にノイズを発生させること、などがある。このように、レゾルバ421と電力バスバ261とが互いに離れていることで、レゾルバ421の検出信号にノイズが生じにくくなっている。このため、電力バスバ261への通電に伴ってレゾルバ421の検出精度が低下するということを抑制できる。
以上のように、モータ装置60の小型化を実現しつつ、レゾルバ421の検出精度を高めることができる。
本実施形態によれば、電力バスバ261とレゾルバ421とは、リアフレーム370に沿って径方向RDに並べられている。この構成では、レゾルバ421が電力バスバ261とシャフト本体341との間に入り込んだ状態になることを実現しつつ、レゾルバ421及び電力バスバ261の両方をリアフレーム370に固定することができる。
本実施形態によれば、レゾルバ421は、リアフレーム370を介してステータ200及びロータ300とは反対側に設けられている。この構成では、ステータ200及びロータ300により生じる影響がレゾルバ421に届くことがリアフレーム370により規制される。ステータ200により生じる影響としては、コイル211に流れる電流により生じた磁界がレゾルバ421の検出信号にノイズを発生させること、などがある。ロータ300により生じる影響としては、磁石310により生じた磁界がレゾルバ421の検出信号にノイズを発生させること、などがある。このように、レゾルバ421とステータ200及びロータ300との間にリアフレーム370が設けられていることで、レゾルバ421の検出信号にノイズが生じにくくなっている。このため、ステータ200及びロータ300の存在によりレゾルバ421の検出精度が低下するということを抑制できる。
本実施形態によれば、電力バスバ261は、径方向RDにおいてレゾルバ421よりもハウジング本体71に近い位置に設けられている。この構成では、径方向RDにおいて電力バスバ261をレゾルバ421から極力遠い位置に配置できる。このため、電力バスバ261への通電に伴ってレゾルバ421の検出精度が低下する、ということを電力バスバ261とレゾルバ421との位置関係により抑制できる。
本実施形態によれば、電力バスバ261は、コイル部215に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。この構成では、電力バスバ261をコイル部215に極力近い位置に配置できる。このため、例えば電力引出線212をレゾルバ421に近い位置を通すように引き回す必要がない。したがって、電力引出線212を流れる電流の影響がレゾルバ421に届きにくくなっている。この影響としては、電力引出線212を流れる電流により生じた磁界がレゾルバ421の検出信号にノイズを発生させること、などがある。このように、電力バスバ261とコイル部215とが軸方向ADに並べられていることで、レゾルバ421の検出信号にノイズが生じることを抑制できる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290は、レゾルバ421から軸方向ADに離れた位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ290を流れる電流により生じる影響がレゾルバ421に届きにくくなっている。この影響としては、例えば中性点バスバ290に流れる電流により生じた磁界がレゾルバ421の検出信号にノイズを発生させること、などがある。このように、レゾルバ421と中性点バスバ290とが互いに離れていることで、レゾルバ421の検出信号にノイズが生じにくくなっている。このため、中性点バスバ290への通電に伴ってレゾルバ421の検出精度が低下するということを抑制できる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290は、軸方向ADにおいてスポーク343を介してレゾルバ421とは反対側に設けられている。この構成では、中性点バスバ290に流れる電流により生じる影響がレゾルバ421に届くことがスポーク343により規制される。このため、レゾルバ421を軸方向ADにおいて中性点バスバ290に極力近い位置に配置しても、レゾルバ421の検出精度低下をスポーク343により抑制できる。したがって、モータ装置60の体格を軸方向ADに小型化すること、及びレゾルバ421の検出精度を高めること、の両方をスポーク343により実現できる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aを介してレゾルバ421とは反対側に設けられている。この構成では、中性点バスバ290を流れる電流により生じる影響がレゾルバ421に届くことが第1ロータ300aにより規制される。このため、レゾルバ421を軸方向ADにおいて中性点バスバ290に極力近い位置に配置しても、レゾルバ421の検出精度低下を第1ロータ300aにより抑制できる。したがって、モータ装置60の体格を軸方向ADに小型化すること、及びレゾルバ421の検出精度を高めること、の両方を第1ロータ300aにより実現できる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290は、径方向RDにおいて電力バスバ261とレゾルバ421との間に設けられている。この構成では、電力バスバ261とレゾルバ421との間に中性点バスバ290が配置されるほどに、電力バスバ261とレゾルバ421とが径方向RDに離れた位置にある。このため、電力バスバ261への通電に伴ってレゾルバ421の検出精度が低下することを、中性点バスバ290を基準とした電力バスバ261とレゾルバ421との位置関係により抑制できる。
本実施形態によれば、中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第1ロータ300aと第2ロータ300bとの間に設けられている。この構成では、レゾルバ421が第1ロータ300a側及び第2ロータ300b側のいずれに設けられていても、レゾルバ421と中性点バスバ290との間にロータ300が配置された構成を実現できる。このため、中性点バスバ290への通電に伴ってレゾルバ421の検出精度が低下することをロータ300により抑制する、という構成を実現する上で中性点バスバ290の位置に関する自由度を高めることができる。
本実施形態によれば、磁石310の配列にハルバッハ配列が用いられているため、磁石310から延びる磁束が磁石ホルダ320の外側に漏れ出しにくくなっている。このように、ロータ300からの漏れ磁束をハルバッハ配列により低減できる。このため、磁石310による磁界がレゾルバ421に届きにくい構成をハルバッハ配列により実現できる。したがって、磁石310の磁界によりレゾルバ421の検出精度が低下するということを抑制できる。
<構成群L>
本実施形態によれば、第1磁石面310g等の磁石研削面は、複数の磁石ピース505にかけ渡されるように且つ平面状に延びるように研削された面である。この構成では、磁石研削面において、隣り合う2つの磁石ピース505の境界部に段差が生じることが研削により抑制されている。このため、第1磁石面310g等の磁石研削面の形状精度を高めることができる。形状精度を高めることができるという効果は、磁石研削面として、磁石側面310c、内周テーパ面310d、外周テーパ面310e、第1磁石面310g及び第2磁石面310hに付与される。
このように磁石研削面の形状精度が高くなるため、モータ装置60のエネルギ効率が低下するということを抑制できる。例えば、第1磁石面310gは、アキシャルギャップ475を形成するロータ第1面301に含まれている。このため、第1磁石面310gの形状精度が高いことで、アキシャルギャップ475を極力小さくすることが可能になる。このようにアキシャルギャップ475を極力小さくすることで、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
例えば本実施形態とは異なり、第1磁石面310gの形状精度が低い構成を想定する。この構成では、第1磁石面310gに意図しない段差が生じていることが懸念される。このため、第1磁石面310gの段差がステータ200に接触しないようにアキシャルギャップ475を大きめに設定する必要が生じる。したがって、アキシャルギャップ475が大きいことで、ステータ200とロータ300との間に生じる磁界が低減し、モータ装置60のエネルギ効率が低下してしまう。
また、第2磁石面310hは、磁石ホルダ320において本体内板面321bに重ねられる面である。このため、第2磁石面310hの形状精度が高いと、磁石ホルダ320に対する磁石310の位置精度が高くなる。そうすると、第2磁石面310hが磁石310をアキシャルギャップ475側に突出させるということが抑制されるため、アキシャルギャップ475を極力小さくできる。
例えば本実施形態とは異なり、第2磁石面310hの形状精度が低い構成を想定する。この構成では、第2磁石面310hに意図しない段差が生じていることが懸念される。このため、第2磁石面310hの段差が本体内板面321bに当たることで、磁石310が磁石ホルダ320からアキシャルギャップ475側に突出した状態になりやすい。そうすると、磁石310がステータ200に接触しないようにアキシャルギャップ475を大きめに設定する必要が生じ、モータ装置60のエネルギ効率が低下してしまう。
さらに、磁石側面310cは、隣の磁石310が有する磁石側面310cに重ねられる面である。このため、磁石側面310cの形状精度が高いと、磁石境界部501を介して隣り合う2つの磁石側面310cが密着しやすい。そうすると、隣り合う2つの磁石310の間に隙間が生じにくくなるため、この隙間から漏れ磁束が生じるなどして磁界が弱くなるということが抑制される。このように、複数の磁石310により生じる磁界が強くなることで、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
本実施形態によれば、第1ピース面505g等の部材研削面が同一平面上に複数並んでいることで、第1磁石面310g等の磁石研削面が形成されている。このため、複数の磁石研削面により部材研削面が形成されていても、隣り合う2つの磁石研削面の間に段差が生じるということを抑制できる。すなわち、磁石研削面が複数の磁石ピース505にかけ渡されるように且つ平面状に延びた構成を実現できる。
本実施形態によれば、複数の磁石ピース505が積層されることで1つの磁石310が形成されているため、磁石310において渦電流が生じにくくなっている。しかも、磁石ピース505の厚さ寸法は、複数の磁石ピース505で同じになっている。この構成では、磁石310での渦電流の生じにくさを複数の磁石310で同程度に抑制できる。このため、渦電流により生じる損失を磁石310の全体として低減できる。換言すれば、磁石310において生じる渦電流損を管理しやすくなる。
本実施形態によれば、磁石310は、複数の磁石310が積層された積層方向が長手方向になり、且つ積層方向に直交する方向が短手方向になる形状である。このため、磁石ピース505の板面を極力小さくできる。したがって、磁石310の製造に用いる短冊磁石512を小型化できる。短冊磁石512が小型化されることで、磁石310を製造する際の作業負担及びコスト等を低減できる。例えば、短冊磁石512が小型化されることで、短冊工程において焼結ブロック511から短冊磁石512を製造する作業の難易度を低減できる。また、短冊磁石512が小型化されることで、磁石母材工程において複数の短冊磁石512を接着する作業の難易度を低減できる。
本実施形態によれば、第1ユニット面316g等のユニット研削面は、第1磁石面310g等の磁石研削面にかけ渡されるように且つ平面状に延びるように研削された面である。この構成では、例えば第1ユニット面316gにおいて、ユニット内境界部501aに段差が生じることが研削により抑制されている。このため、第1ユニット面316gの形状精度を高めることができる。形状精度を高めるという効果は、第1ユニット面316gと同様に、ユニット側面316c、内周テーパ面316d、外周テーパ面316e及び第2ユニット面316hにおいて奏することができる。
このように、ユニット研削面の形状精度が高くなることで、モータ装置60のエネルギ効率が低下するということを抑制できる。例えば、第1ユニット面316gは、アキシャルギャップ475を形成するロータ第1面301に含まれている。このため、第1ユニット面316gの形状精度が高いことで、アキシャルギャップ475を極力小さくすることが可能になる。
例えば本実施形態とは異なり、第1ユニット面316gの形状精度が低い構成を想定する。この構成では、第1ユニット面316gに意図しない段差が生じていることが懸念される。このため、第1ユニット面316gの段差がステータ200に接触しないようにアキシャルギャップ475を大きめに設定する必要が生じる。
また、第2ユニット面316hは、磁石ホルダ320において本体内板面321bに重ねられる面である。このため、第2ユニット面316hの形状精度が高いと、磁石ホルダ320に対する磁石ユニット316の位置精度が高くなる。そうすると、第2ユニット面316hが磁石ユニット316をアキシャルギャップ475側に突出させるということが抑制されるため、アキシャルギャップ475を極力小さくできる。
例えば本実施形態とは異なり、第2ユニット面316hの形状精度が低い構成を想定する。この構成では、第2ユニット面316hに意図しない段差が生じていることが懸念される。このため、第2ユニット面316hの段差が本体内板面321bに当たることで、磁石310が磁石ホルダ320からアキシャルギャップ475側に突出した状態になりやすい。
さらに、ユニット側面316cは、隣の磁石ユニット316が有するユニット側面316cに重ねられる面である。このため、ユニット側面316cの形状精度が高いと、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つのユニット側面316cが密着しやすい。そうすると、隣り合う2つの磁石ユニット316の間に隙間が生じにくくなるため、この隙間から漏れ磁束が生じるなどして磁界が弱くなるということが抑制される。このように、複数の磁石ユニット316により生じる磁界が強くなることで、モータ装置60のエネルギ効率を高めることができる。
本実施形態によれば、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318においては、複数の磁石310のそれぞれの磁石ピース505が、ユニット中心線C316に直交する方向に延びている。この構成では、ユニット中心線C316に対する磁石ピース505の角度が、複数の磁石310で共通化されている。このため、ユニット中心線C316に対する磁石ピース505の角度を複数の磁石310で個別に設定する必要がない。したがって、複数の磁石310のそれぞれについて配向の向きを管理することが容易になりやすい。これにより、磁石ユニット316の製造工程において、複数の磁石310のそれぞれについて配向の向きを個別に設定する際の作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、ユニット内境界部501aを介して隣り合う2つの磁石310は、周方向CDの同じ側を向くように配向されている。この構成では、ユニット内境界部501aを介して隣り合う2つの磁石310においては、反発力が生じにくくなっている。このため、磁石ユニット316の製造工程において、作業者は、2つの磁石310の間に生じる反発力に抗してこれら磁石310を接着する、という必要がない。すなわち、作業者が2つの磁石310を接着する際に、2つの磁石310の間に生じる反発力によりこれら磁石310の接着が解除される、ということが生じにくい。したがって、2つの磁石310を接着する際の作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310は、周方向CDにおいてお互いに逆を向くように配向されている。この構成では、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310においては、反発力が生じやすくなっている。このように反発力が生じやすい組み合わせである2つの磁石310が、ユニット外境界部501bを介して隣り合っているため、ユニット内境界部501aを介して隣り合う2つの磁石310を、反発力が生じやすい組み合わせにする必要がない。このため、磁石ユニット316の製造工程において、反発力が生じやすい組み合わせである2つの磁石310を接着する必要がない。したがって、磁石ユニット316を製造する際の作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、磁石310の製造工程において、複数の短冊磁石512にかけ渡され且つ平面状に延びる第1磁石面310g等の磁石平面が磁石母材513に形成されるように、磁石母材513が研削される。この構成では、磁石平面において、隣り合う2つの短冊磁石512の境界部に段差が生じるということが、磁石母材513が研削されることで抑制されている。このため、第1磁石面310g等の磁石平面の形状精度を高めることができる。形状精度を高めることができるという効果は、磁石平面として、磁石側面310c、内周テーパ面310d、外周テーパ面310e、第1磁石面310g及び第2磁石面310hに付与される。このように磁石平面の形状精度が高くなるため、モータ装置60のエネルギ効果が低下するということを抑制できる。
本実施形態によれば、焼結工程及び短冊工程により短冊磁石512が製造される。そして、焼結工程及び短冊工程の後に、磁石側面工程、第1整形工程及び第2整形工程において、ユニット母材514の研削が行われる。すなわち、ユニット母材514を形成している複数の短冊磁石512をまとめて研削する研削加工が行われる。このため、焼結工程及び短冊工程において、短冊磁石512の研削を行う必要がない。このように、複数の短冊磁石512がまとめて研削されるため、複数の短冊磁石512のそれぞれが個別に研削される構成に比べて、研削を行うための工数を低減できる。したがって、磁石310及び磁石ユニット316を製造する際の作業負担を低減できる。
<構成群M>
本実施形態によれば、アキシャルギャップ475においては、ギャップ外周端476が外周領域473を通じて反対領域472に連通され、ギャップ内周端477がホルダ調整孔326又はホルダ中央孔324等を通じて反対領域472に連通されている。この構成では、ギャップ外周端476及びギャップ内周端477のうち、一方からアキシャルギャップ475に気体が流れ込みやすく、アキシャルギャップ475にある気体が他方から流れ出やすい。すなわち、気体がアキシャルギャップ475を径方向RDに通過しやすい。このため、アキシャルギャップ475に流れ込んだ気体と共に、ステータ200とロータ300との間にて発生した熱がアキシャルギャップ475から放出されやすい。したがって、ステータ200とロータ300との間に熱がこもることを抑制できる。これにより、モータ装置60の冷却効果を高めることができる。
モータ装置60においては、磁石310及びコイル211により生じる磁界が磁石310とコイル211との間の領域で強くなるような構成になっている。このため、磁石310とコイル211との間の領域では、磁界が強いことなどにより熱が発生しやすくなっている。アキシャルギャップ475には、磁石310とコイル211との間の領域が含まれているため、アキシャルギャップ475では熱が生じやすくなっている。したがって、気体がアキシャルギャップ475を径方向RDに通過しやすくなっていることは、モータ装置60の冷却効果を高める上で効果的である。
本実施形態によれば、ロータ300が有するホルダリブ323は、ホルダ本体321と共に回転して反対領域472に気流を生じさせる。この構成では、ホルダリブ323により生じる気流が径方向RDに流れやすいため、気流がアキシャルギャップ475を径方向RDに通過しやすい構成を実現できる。
また、ホルダリブ323は、ホルダ本体321から軸方向ADに突出した状態で、ホルダ本体321に沿って径方向RDに延びている。この構成では、磁石ホルダ320が軸方向ADに膨らんだり凹んだりするように変形することをホルダリブ323により規制できる。このため、磁石310とコイル211との間に働く引力により磁石ホルダ320が軸方向ADに曲がるように変形するということを、ホルダリブ323により抑制できる。したがって、ホルダリブ323に、ロータ300の変形を抑制する機能、及び反対領域472に気流を生じさせる機能、という2つの機能を付与できる。これにより、例えばこれら2つの機能を有する部位が別々にロータ300に設けられた構成に比べて、ロータ300の形状が複雑になることを抑制できる。また、反対領域472に気流を生じさせるための専用部材がロータ300とは別体として設けられた構成に比べて、モータ装置60を構成する部品点数を低減できる。
本実施形態によれば、ホルダ調整孔326は、ロータ300においてホルダリブ323に周方向CDに並べられている。この構成では、ロータ300の回転に伴ってホルダリブ323により撹拌された気体により生じた気流がホルダ調整孔326を通りやすくなる。このため、ホルダ調整孔326を通ってアキシャルギャップ475を通過する気流を増加させることができる。したがって、アキシャルギャップ475を通過する気流によるアキシャルギャップ475の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、ホルダ調整孔326は、周方向CDに隣り合う2つのホルダリブ323の間に1つ設けられて周方向CDに複数並べられている。この構成では、ホルダリブ323により撹拌されてホルダ調整孔326を通る気体を増やすことができる。このため、アキシャルギャップ475を通過する気体が発揮する放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、ドライブリブ395は、第2反対領域472bを介してホルダリブ323に軸方向ADに並び、且つ径方向RDに延びている。この構成では、第2ロータ300bの回転に伴ってホルダリブ323がドライブリブ395に対して相対的に移動することで、第2反対領域472bにおいて気体が撹拌されやすくなっている。このため、アキシャルギャップ475から第2反対領域472bに流れ出てきた気体がドライブフレーム390に熱を放出しやすくなっている。しかも、第2反対領域472bにおいては、ドライブリブ395によりドライブフレーム390の表面積が大きくなっていることで、アキシャルギャップ475から流れ出てきた気体の熱がドライブフレーム390に伝わりやすくなっている。
また、この構成では、ドライブリブ395がホルダリブ323に対して相対的に周方向CDに移動することで、軸方向ADに直交する方向に旋回するようにフレーム本体391に沿って流れる気流が発生しやすくなる。このため、アキシャルギャップ475から流れ出てきた気体は、フレーム本体391に沿って旋回するように流れることでドライブフレーム390に熱を放出しやすくなる。
ドライブリブ395は、フレーム本体391から軸方向ADに突出した状態で、フレーム本体391に沿って径方向RDに延びている。このため、ドライブリブ395は、ドライブフレーム390が軸方向ADに膨らんだり凹んだりするように変形する、ということを抑制できる。したがって、ドライブリブ395がフレーム本体391に設けられていることで、フレーム本体391を薄型化することが可能になる。
本実施形態によれば、ホルダ調整孔326は、径方向RDにおいてリム344とアキシャルギャップ475との間に設けられている。この構成では、アキシャルギャップ475からホルダ調整孔326を通って反対領域472に流れ出る気流Fm1,Fm3と共に、リム344の径方向外側に存在する熱が反対領域472に放出される。このため、リム344の径方向外側に熱がこもることをホルダ調整孔326により抑制できる。
本実施形態によれば、ホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327は、径方向RDにおいてリム344とシャフト本体341との間に設けられている。この構成では、アキシャルギャップ475からホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325又はホルダピン孔327を通って反対領域472に流れ出る気流Fm2,Fm4と共に、リム344の径方向内側に存在する熱が反対領域472に放出される。このため、リム344の径方向内側に熱がこもることをホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327により抑制できる。
本実施形態によれば、フランジ通気孔346はリム344を径方向RDに貫通している。この構成では、アキシャルギャップ475から流れ出た気流Fm2,Fm4が、フランジ通気孔346を通じてホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327に到達できる。このため、気流Fm2,Fm4がホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327を通じて反対領域472に放出される構成を実現できる。
本実施形態によれば、リム内周孔349は、シャフトフランジ342を軸方向ADに貫通している。この構成では、フランジ通気孔346を通過した気流Fm2,Fm4が、リム内周孔349を通ってホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327に到達できる。しかも、スポーク343は、リム内周孔349を介してシャフト本体341とリム344とを接続している。このため、気流Fm2,Fm4がリム内周孔349を通ってホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327に到達できる構成を実現しつつ、シャフト本体341がリム344を支持した構成を実現できる。
<構成群N>
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、リア外周面370aに軸方向ADに連続して並ぶように設けられている。この構成では、軸方向ADに流れる気流Fb1がモータ外周面70aとリア外周面370aとの境界部を通過することで乱れる、ということが生じにくい。さらに、モータ外周面70aは、径方向RDにおいてモータシール保持部78の外側に設けられている。この構成では、軸方向ADに流れる気流Fb1がモータシール保持部78を通過することで乱れる、ということが生じにくい。したがって、モータフィン72に沿って流れる気体の量が気流Fb1の乱れにより減少するなどしてモータフィン72の放熱効果が低減する、ということを抑制できる。このため、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、モータシール部402がハウジング本体71の径方向内側に設けられている。この構成では、モータシール部402をモータ内周面70b及びリア外周面370aよりも径方向外側に設ける必要がない。このため、ハウジング本体71がモータシール部402を径方向外側から覆うために径方向外側に突出するということが生じにくい。したがって、モータ外周面70aとリア外周面370aとが軸方向ADに連続して並んだ構成を実現することができる。
本実施形態によれば、電力引出線212は、モータシール部402の径方向内側を通るように曲がった形状になっている。この構成では、電力引出線212とモータシール部402とが干渉しない構成を実現する上で、モータシール部402の位置を径方向外側に変更する必要がない。すなわち、電力引出線212とモータシール保持部78及びリア保持部376とが干渉しない構成を実現する上で、モータシール保持部78及びリア保持部376の位置を径方向外側に変更する必要がない。このため、モータ外周面70aとリア外周面370aとが軸方向ADに連続して並んだ構成を実現しつつ、モータハウジング70が径方向RDに大型化することを抑制できる。
本実施形態によれば、電力引出線212においては、外周引出部212a及び内周引出部212bが軸方向ADに延びている一方で、交差引出部212cがモータシール保持部78と第1ロータ300aとの間を通るように径方向内側に延びている。このため、電力引出線212がモータシール部402の径方向内側を通るように曲がった構成を実現できる。
本実施形態によれば、リア保持部376がモータシール部402の位置ずれを規制している。この構成では、モータシール保持部78がモータシール部402の位置ずれを規制する必要がない。このため、モータシール保持部78をモータシール部402の位置ずれを規制するための専用形状にする必要がない。これにより、モータシール保持部78の汎用性を高めることができ、その結果、モータハウジング70の汎用性を高めることができる。
本実施形態によれば、モータシール保持部78は、モータ側リア溝376aに入り込むように設けられたモータシール部402をリア保持部376との間に挟み込んでいる。この構成では、モータシール部402がモータ側リア溝376aに入り込んでいることで、リア保持部376がモータシール部402の位置ずれを規制する構成を実現できる。
本実施形態によれば、リア保持部376は、モータシール保持部78の径方向内側に設けられている。この構成では、リア保持部376をモータ外周面70aから径方向外側に突出させる必要がない。このため、リア外周面370aがモータ外周面70aから径方向外側に突出しないように、リア外周面370aとモータ外周面70aとを軸方向ADに並べることができる。
本実施形態では、モータシール保持部78とリア保持部376とがモータシール部402を径方向RDに挟み込んだ状態になっている。このため、モータシール部402がモータシール保持部78及びリア保持部376から径方向RDにはみ出すということを抑制できる。
本実施形態では、モータハウジング70をモータフィン72の外周側から覆ったユニットダクト100によりダクト流路105が形成されている。このため、ダクト流路105において気流Fb1が乱れると、気流Fb1が減少するなどして気流Fb1によるモータフィン72の放熱効果が低下することが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、モータ外周面70aとリア外周面370aとが軸方向ADに連続して並び、且つモータ外周面70aがモータシール保持部78の径方向外側にあることで、気流Fb1の乱れを抑制できる。したがって、ユニットダクト100によりダクト流路105が形成された構成において、モータフィン72の放熱効果が低下するということを抑制できる。
本実施形態では、リアフレーム370が固定対象としてモータハウジング70に固定されている。この構成では、リア外周面370aとモータ外周面70aとが軸方向ADに連続して並んでいることで、リアフレーム370とモータハウジング70との境界部で気流Fb1が乱れるということを抑制できる。
本実施形態によれば、モータ装置60は、回転翼を駆動回転させるための駆動源として飛行体に搭載されている。この構成では、モータ装置60の放熱効果を高めることにより、飛行体の飛行に関する安全性を高めることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、モータ装置60がロータ300を1つだけ有している。すなわち、モータ装置60がシングルロータ式の回転電機になっている。例えば、軸方向ADにおいてステータ200とインバータ装置80との間に1つのロータ300が設けられている。なお、1つのロータ300は、軸方向ADにおいてステータ200を介してインバータ装置80とは反対側に設けられていてもよい。
また、モータ装置60は、ステータ200を複数有していてもよい。例えばモータ装置60がステータ200を2つ有していてもよい。このモータ装置60は、ダブルステータ式の回転電機である。モータ装置60とインバータ装置80とは、互いに離間して設けられていてもよい。例えば、モータハウジング70とインバータハウジング90とが互いに独立して設けられていてもよい。さらに、モータ装置ユニット50に対してユニットダクト100が設けられていなくてもよい。
<構成群E>
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、外周引出部212aが、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて外グロメット部258よりも延びていた。これに対して、第3実施形態では、外グロメット部258が、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて外周引出部212aよりも延びている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図133に示すように、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内周引出部212bとは反対側に向けて外周引出部212aよりも延びている。軸方向ADにおいて、外グロメット部258におけるコイル211側の端部が、外周引出部212aにおけるコイル211側の端部よりもコイル211側にある。軸方向ADにおいて、外グロメット部258の長さ寸法が外周引出部212aの長さ寸法よりも大きくなっている。なお、図133においては、図87と同様に、グロメット255が有するグロメット本体256及び内グロメット部257の図示などを省略している。
本実施形態によれば、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に向けて外周引出部212aよりも延びている。この構成では、軸方向ADにおける外周引出部212aを介して電力バスバ261とは反対側の領域において、外周引出部212aとモータハウジング70と電気絶縁性を外グロメット部258により保持できる。例えば、外周引出部212aの位置が軸方向ADにおいて電力バスバ261とは反対側に意図せずにずれたとしても、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が低下するということを外グロメット部258により抑制できる。
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、コイル211がコイル保護部250により保護されていた。これに対して、第4実施形態では、コイル211がコイル保護部250により保護されていない。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第4実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図134に示すように、モータ装置60はコイル保護部250を有していない。すなわち、コイル211に対してコイル保護部250が設けられていない。この構成でも、コイル211にはコイル線220が有する被覆部222により電気絶縁性が付与されている。なお、図134においては、グロメット255が有するグロメット本体256及び内グロメット部257の図示に加えて、第2ロータ300bの図示を省略している。なお、コイル211の少なくとも一部がコイル保護部250により保護されていてもよい。
図134においては、第2ロータ300bの図示を省略している。なお、モータ装置60は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのうち一方だけを有していてもよい。すなわち、モータ装置60は、シングルロータ式の回転電機であってもよい。
コイル部215では、軸方向ADにおいて電力バスバ261側の端部から電力引出線212が引き出されている。なお、コイル部215では、軸方向ADの中間位置から電力引出線212が引き出されていてもよい。
<第5実施形態>
上記第1実施形態では、グロメット255が内グロメット部257を有していた。これに対して、第5実施形態では、グロメット255が内グロメット部257を有していない。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第5実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図135に示すように、グロメット255は、グロメット本体256及び外グロメット部258を有している一方で、内グロメット部257を有していない。この構成でも、グロメット孔450は、グロメット本体256を軸方向ADに貫通している。グロメット255では、コイル保護部250を製造する際に、グロメット本体256においてグロメット孔450に溶融樹脂が進入しないようになっている。このため、コイル保護部250を製造する工程において、溶融樹脂がグロメット孔450から漏れ出すということが規制されている。
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に外グロメット部258が入り込んでいた。これに対して、第6実施形態では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間にコイル保護部250の一部が入り込んでいる。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第6実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図136に示すように、コイル保護部250は、保護本体251及び保護延出部805を有している。保護本体251は、コイル211を覆っていることでコイル211を保護している。保護延出部805は、コイル保護部250において保護本体251から軸方向ADに延出した部位である。保護延出部805は、軸方向ADにおいて保護本体251から電力バスバ261側に向けて延びている。保護延出部805は、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に入り込んだ状態になっている。保護延出部805は、コイル保護部250に含まれていることで電気絶縁性を有している。保護延出部805は、外側絶縁部及び引出線絶縁部に相当する。保護延出部805は、コイル保護部250が相当する封止樹脂部に含まれている。
保護延出部805は、上記第1実施形態の外グロメット部258と同様の構成になっている。例えば、保護延出部805は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びている。なお、保護延出部805は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びていれば、どこまで延びていてもよい。例えば、保護延出部805は、軸方向ADにおいて交差引出部212cに届いていなくてもよく、内周屈曲部212eよりも電力バスバ261側に延びていてもよい。
また、保護延出部805は、複数の電力引出線212のそれぞれに個別に設けられている。保護延出部805は、外周引出部212aよりも周方向CDの両側に向けて延びている。周方向CDにおいては、保護延出部805の幅寸法が外周引出部212aにおける幅寸法Wa3よりも大きくなっている。なお、保護延出部805は、複数の電力引出線212にかけ渡されるように周方向CDに延びていてもよい。
保護延出部805は、外周引出部212aの外周側に設けられている一方で、外周引出部212aの内周側には設けられていない。すなわち、保護延出部805は、外周引出部212aを外周側から保護している一方で、外周引出部212aを内周側からは保護していない。保護延出部805は、外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んでいない。
本実施形態によれば、外側絶縁部としての保護延出部805がコイル保護部250に含まれている。この構成では、モータ装置60を製造する際に、コイル保護部250を成形する工程で保護延出部805を成形することが可能である。このため、例えば保護延出部805がコイル保護部250とは別の工程で製造される構成に比べて、保護延出部805を製造するための工程を減らすことができる。また、保護延出部805に代えて、コイル保護部250から独立したグロメット255等の別部材を用いる構成に比べて、モータ装置60を構成する部品点数を低減できる。
本実施形態によれば、保護延出部805は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びている。この構成では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの位置関係にかかわらず、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を保護延出部805により保持できる。例えば、外周引出部212aの位置が軸方向ADにおいて電力バスバ261側に意図せずにずれたとしても、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が低下するということを保護延出部805により抑制できる。
その一方で、保護延出部805は、径方向RDにおいて外周引出部212aと第1ロータ300aとの間には設けられていない。この構成では、交差引出部212cの位置など電力引出線212の配置に関する自由度が保護延出部805により低下する、ということを抑制できる。したがって、電力引出線212の配置自由度を高めつつ、モータ装置60の電気的な絶縁信頼性を保護延出部805により高めることができる。
なお、本実施形態においては、コイル保護部250の一部が外周引出部212aの径方向内側に設けられていてもよい。例えば、コイル保護部250の一部が外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んだ構成とする。この構成では、コイル保護部250の一部が外周引出部212aを内周側から保護している。
<第7実施形態>
上記第6実施形態では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に保護延出部805が入り込んでいた。これに対して、第7実施形態では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に外周絶縁層801が入り込んでいる。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第7実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図137に示すように、モータ装置60は、外周絶縁層801を有している。外周絶縁層801は、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に入り込んだ状態になっている。外周絶縁層801は、径方向RDにおいて外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に設けられている。外周絶縁層801は、電気絶縁性を有している。外周絶縁層801は、モータ内周面70bに塗布された絶縁塗料により形成されている。絶縁塗料は、電気絶縁性を有する塗料である。外周絶縁層801は、モータ内周面70bに塗布された絶縁塗料が固化することで形成された塗料層である。外周絶縁層801は、外側絶縁部及び引出線絶縁部に相当する。
なお、外周絶縁層801は、電気絶縁性を有していれば、絶縁塗料により形成されていなくてもよい。例えば、外周絶縁層801は、樹脂材料及びゴム材料等により膜状及びシート状などに製造され、その後、モータ内周面70bに接着剤等により固定されてもよい。
外周絶縁層801は、上記第1実施形態の外グロメット部258と同様の構成になっている。例えば、外周絶縁層801は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びている。なお、外周絶縁層801は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びていれば、どこまで延びていてもよい。例えば、外周絶縁層801は、軸方向ADにおいて交差引出部212cに届いていなくてもよく、内周屈曲部212eよりも電力バスバ261側に延びていてもよい。
また、外周絶縁層801は、複数の電力引出線212のそれぞれに個別に設けられている。外周絶縁層801は、外周引出部212aよりも周方向CDの両側に向けて延びている。周方向CDにおいては、外周絶縁層801の幅寸法が外周引出部212aにおける幅寸法Wa3よりも大きくなっている。なお、外周絶縁層801は、複数の電力引出線212にかけ渡されるように周方向CDに延びていてもよい。
外周絶縁層801は、外周引出部212aの外周側に設けられている一方で、外周引出部212aの内周側には設けられていない。すなわち、外周絶縁層801は、外周引出部212aを外周側から保護している一方で、外周引出部212aを内周側からは保護していない。外周絶縁層801は、外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んでいない。
本実施形態によれば、外側絶縁部としての外周絶縁層801が、モータ内周面70bに塗布された絶縁塗料により形成されている。この構成では、モータ装置60を製造する際に、モータ内周面70bにおいて絶縁塗料を塗布する位置及び範囲により外周絶縁層801の位置、大きさ及び形状を設定できる。このため、外周絶縁層801の配置に関する自由度を高めることができる。したがって、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が高くなるように外周絶縁層801を配置することができる。
本実施形態によれば、外周絶縁層801は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びている。この構成では、外周引出部212aとモータ内周面70bとの位置関係にかかわらず、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性を外周絶縁層801により保持できる。例えば、外周引出部212aの位置が軸方向ADにおいて電力バスバ261側に意図せずにずれたとしても、外周引出部212aとモータハウジング70との電気絶縁性が低下するということを外周絶縁層801により抑制できる。
その一方で、外周絶縁層801は、径方向RDにおいて外周引出部212aと第1ロータ300aとの間には設けられていない。この構成では、交差引出部212cの位置など電力引出線212の配置に関する自由度が外周絶縁層801により低下する、ということを抑制できる。したがって、電力引出線212の配置自由度を高めつつ、モータ装置60の電気的な絶縁信頼性を外周絶縁層801により高めることができる。
なお、本実施形態においては、外周絶縁層801と同様の内周絶縁層が、外周引出部212aの径方向内側に設けられていてもよい。例えば、内周絶縁層が外周引出部212aと第1ロータ300aとの間に入り込んだ構成とする。この構成では、内周絶縁層が外周引出部212aを内周側から保護している。内周絶縁層は、外周引出部212aに絶縁塗料が塗布されることなどにより形成されている。
<構成群F>
<第8実施形態>
第8実施形態では、リアフレーム370に、フレーム開口部373とは異なる通気孔が設けられている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第8実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図138に示すように、リアフレーム370は、リア通気孔811を有している。リア通気孔811は、リアフレーム370を軸方向ADに貫通している。リア通気孔811は、リアフレーム370に設けられた開口部である。リア通気孔811は、リアフレーム370においてフレーム開口部373から離間した位置にある。リア通気孔811は、例えばフレーム開口部373から径方向内側に離間した位置にある。リア通気孔811は、周方向CDに複数並べられている。例えば、リア通気孔811とフレーム開口部373とは径方向RDに並べられている。
リア通気孔811は、空気を通すことが可能な通気孔である。リア通気孔811を通る空気としては、ホルダリブ323により発生した気流がある。例えば、ホルダリブ323により生じた気流Fa1がフレーム開口部373から流れ出ると、リア通気孔811から流れ込む気流Fa3が生じやすくなる。そして、このように気流Fa3が生じることで、気流Fa1が生じやすくなる。このため、気流Fa1による電力引出線212の冷却効果を気流Fa3により高めることができる。なお、図138においては、電力バスバ261及び第1ロータ300aなどの図示を省略している。
気流Fa1,Fa3が生じると、ホルダリブ323による冷却風がフレーム開口部373及びリア通気孔811を通じて循環しやすくなる。例えば、ホルダリブ323により送られた冷却風は、気流Fa1としてフレーム開口部373を通じてリアフレーム370の外側に流れ出た後、気流Fa3としてリア通気孔811を通じてリアフレーム370の内側に流れ込み、ホルダリブ323に戻ってくる。このように、冷却風は、リアフレーム370の内側と外側とを循環するように流れる。
<第9実施形態>
第9実施形態では、ドライブフレーム390に通気孔が設けられている。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第9実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図139に示すように、ドライブフレーム390は、ドライブ通気孔815を有している。ドライブ通気孔815は、ドライブフレーム390を軸方向ADに貫通している。ドライブ通気孔815は、ドライブフレーム390に設けられた開口部である。ドライブ通気孔815は、ドライブフレーム390においてシャフト本体341から径方向外側に離間した位置にある。ドライブ通気孔815は、例えばコイル保護部250の内周端に軸方向ADに並ぶ位置にある。ドライブ通気孔815は、周方向CDに複数並べられている。
ドライブ通気孔815は、空気を通すことが可能な通気孔である。ドライブ通気孔815を通る空気としては、ホルダリブ323により発生した気流がある。例えば、ホルダリブ323により生じた気流Fa1がフレーム開口部373から流れ出ると、ドライブ通気孔815から流れ込む気流Fa4が生じやすくなる。そして、このように気流Fa4が生じることで、気流Fa1が生じやすくなる。このため、気流Fa1による電力引出線212の冷却効果を気流Fa4により高めることができる。なお、図139においては、電力バスバ261及び第1ロータ300aなどの図示を省略している。
気流Fa1,Fa4が生じると、ホルダリブ323による冷却風がフレーム開口部373及びドライブ通気孔815を通じて循環しやすくなる。例えば、ホルダリブ323により送られた冷却風は、気流Fa1としてフレーム開口部373を通じてリアフレーム370の外側に流れ出た後、気流Fa4としてドライブ通気孔815を通じてドライブフレーム390の内側に流れ込む。そして、その冷却風は、シャフトフランジ342及び磁石ホルダ320などを通過してホルダリブ323に戻ってくる。冷却風は、例えば周方向CDに隣り合う2つのスポーク343の間を通ってシャフトフランジ342を通過し、ホルダ固定孔325を通って磁石ホルダ320を通過する。このように、冷却風は、モータハウジング70、リアフレーム370及びドライブフレーム390の内側と外側とを循環するように流れる。
<第10実施形態>
上記第1実施形態では、ホルダリブ323がリブ平行部323c及びリブテーパ部323dの両方を有していた。これに対して、第10実施形態では、ホルダリブ323がリブテーパ部323dを有している一方で、リブ平行部323cを有していない。第10実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第10実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図140に示すように、ホルダリブ323は、リブ平行部323c及びリブテーパ部323dのうちリブテーパ部323dだけを有している。リブテーパ部323dは、リブ内周端323aとリブ外周端323bとにかけ渡されるように軸方向ADに延びている。ホルダリブ323においては、先端部全体がリブテーパ部323dになっている。リブテーパ部323dは、ホルダ内周端320aとホルダ外周端320bとにかけ渡された状態になっている。
<第11実施形態>
上記第10実施形態では、ホルダリブ323がリブテーパ部323dを有している一方で、リブ平行部323cを有していなかった。これに対して、第11実施形態では、ホルダリブ323がリブ平行部323cを有している一方で、リブテーパ部323dを有していなかった。第11実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第11実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図141に示すように、ホルダリブ323は、リブ平行部323c及びリブテーパ部323dのうちリブ平行部323cだけを有している。リブ平行部323cは、リブ内周端323aとリブ外周端323bとにかけ渡されるように軸方向ADに延びている。ホルダリブ323においては、先端部全体がリブ平行部323cになっている。リブ平行部323cは、ホルダ内周端320aとホルダ外周端320bとにかけ渡された状態になっている。
<構成群G>
<第12実施形態>
第12実施形態では、ロータ300がヨークを有していてもよい。第12実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第12実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図142に示すように、ロータ300はバックヨーク851を有している。バックヨーク851は、ヨークであり、強磁性材料により形成されている。バックヨーク851は、ホルダ本体321と磁石310との間に設けられている。バックヨーク851は、例えば本体内板面321bと第1ユニット面316gとの間に設けられている。バックヨーク851は、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。バックヨーク851は、第2ユニット面316hに重ねられた状態になっている。バックヨーク851は、全ての磁石310に対して設けられている。バックヨーク851は、磁石310と同様に周方向CDに複数並べられていてもよく、複数の磁石310にかけ渡されるように周方向CDに延びていてもよい。
なお、磁石310の配列がハルバッハ配列でない構成では、磁石310に対してバックヨーク851等のヨークが設けられることが好ましい。この構成では、アキシャルギャップ475にて生じる磁界をヨークにより強化することが可能になる。
<第13実施形態>
上記第1実施形態では、1つの固定ブロック330が固定部材として、1つの磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定していた。これに対して、第13実施形態では、1つの固定部材が複数の磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。第13実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第13実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図143に示すように、ロータ300は集合ブロック853を有している。集合ブロック853は、上記第1実施形態の固定ブロック330と同様に、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。集合ブロック853は、固定ブロック330と同様に、ブロックテーパ面330a、ブロック受け面330b、ブロック対向面330c、ブロック内端面331、ブロック外端面332及びブロック孔333を有している。
集合ブロック853は、複数の磁石ユニット316にかけ渡されるように周方向CDに延びている。集合ブロック853は、例えば2つの磁石ユニット316にかけ渡されている。集合ブロック853は、1つの傾斜磁石ユニット317と1つの平行磁石ユニット318とにかけ渡されている。集合ブロック853は、周方向CDに複数並べられている。集合ブロック853の大きさ及び形状は、複数の固定ブロック330で同じになっている。集合ブロック853は、上記第1実施形態における2つの固定ブロック330が一体化されたような大きさ及び形状になっている。集合ブロック853は、固定部材及び集合部材に相当する。
集合ブロック853は、上記第1実施形態と同様に、磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定されている。例えば、1つの集合ブロック853は、1つの磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定されている。1つの集合ブロック853には、1つのブロック孔333が設けられている。なお、1つの集合ブロック853は、複数の磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定されていてもよい。この場合、1つの集合ブロック853に複数のブロック孔333が設けられている。
本実施形態によれば、集合ブロック853は、複数の磁石ユニット316にかけ渡されるように設けられ、複数の磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。この構成では、磁石ユニット316の数に対して集合ブロック853の数を低減できる。また、集合ブロック853の数に合わせて磁石固定具335の数を低減することが可能である。このため、ロータ300を構成する部品点数を低減することができる。したがって、ロータ300の製造工程において、集合ブロック853を磁石ホルダ320に固定する際の作業負担を低減することができる。また、ロータ300の重量を低減することが可能になる。
<第14実施形態>
上記第1実施形態では、固定部材として固定ブロック330が磁石ホルダ320に複数取り付けられていた。これに対して、第13実施形態では、1つの固定部材が磁石ホルダ320に取り付けられている。第14実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第14実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図144に示すように、ロータ300はブロックリング855を有している。ブロックリング855は、上記第1実施形態の固定ブロック330と同様に、磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。ブロックリング855は、固定ブロック330と同様に、ブロックテーパ面330a、ブロック受け面330b、ブロック内端面331、ブロック外端面332及びブロック孔333を有している。一方で、ブロックリング855は、ブロック対向面330cを有していない。
ブロックリング855は、複数の磁石ユニット316にかけ渡されるように周方向CDに延びている。ブロックリング855は、環状に形成されている。ブロックリング855は、全ての磁石ユニット316にかけ渡されている。ブロックリング855は、上記第1実施形態における全ての固定ブロック330が一体化されたような大きさ及び形状になっている。ブロックリング855は、固定部材及び集合部材に相当する。
ブロックリング855は、上記第1実施形態と同様に、磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定されている。例えば、ブロックリング855は、複数の磁石固定具335により磁石ホルダ320に固定されている。ブロックリング855には、複数のブロック孔333が設けられている。
本実施形態によれば、ブロックリング855は、複数の磁石ユニット316にかけ渡されるように設けられ、複数の磁石ユニット316を磁石ホルダ320に固定している。この構成では、磁石ユニット316の数に対してブロックリング855の数を低減できる。すなわち、ブロックリング855の数を1つにできる。また、ブロックリング855の数に合わせて磁石固定具335の数を低減することが可能である。したがって、上記第13実施形態と同様に、ロータ300を製造する際の作業負担、及びロータ300の重量、などを低減することが可能になる。
<構成群H>
<第15実施形態>
上記第1実施形態では、グロメット255が外グロメット部258を有していた。これに対して、第15実施形態では、グロメット255が外グロメット部258を有していない。第15実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第15実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図145、図146に示すように、グロメット255には、外グロメット部258が設けられていない。本実施形態では、グロメット255において、露出部255bに外グロメット部258が含まれていない。本実施形態では、内グロメット部257がモータ内周面70bに重ねられた状態になっている。
なお、グロメット255が外グロメット部258を有している構成では、外グロメット部258は、どのような形状になっていてもよい。例えば、グロメットリブ465から軸方向ADに延びた延び寸法について、外グロメット部258の方が内グロメット部257よりも小さくてもよい。また、周方向CDの幅寸法について、外グロメット部258の方が内グロメット部257よりも小さくてもよい。
<構成群I>
<第16実施形態>
上記第1実施形態では、リム344とシャフト本体341とが一体成形されていた。これに対して、第16実施形態では、リム344がシャフト本体341に後付けて固定されている。第16実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第16実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
シャフト340においては、シャフトフランジ342がシャフト本体341に後付けて固定されている。これにより、リム344がシャフト本体341に後付けて固定された構成が実現されている。シャフト本体341とシャフトフランジ342とは、別々の部材であり、溶接及びボルト等により固定されている。
シャフト340を製造する工程では、作業者は、準備工程として、図147に示すような第1母材861及び第2母材862を準備する。第1母材861は、シャフト本体341を製造するための母材である。第1母材861は、例えば軸方向ADに延びた柱状の部材である。第2母材862は、シャフトフランジ342を製造するための母材である。第2母材862は、例えば軸方向ADに直交する方向に延びた板状の部材である。第1母材861及び第2母材862は、例えば同じ材料により形成されている。なお、第1母材861と第2母材862とは、異なる材料により形成されていてもよい。図147においては、第1母材861と第2母材862とを重ねて図示しているが、第1母材861と第2母材862とは独立した別々の部材である。
準備工程の後、作業者は、加工工程で第1母材861及び第2母材862の形状を加工する。作業者は、第1母材861の切削加工を行い、第1母材861からシャフト本体341を製造する。作業者は、第2母材862の切削加工を行い、第2母材862からシャフトフランジ342を製造する。
本実施形態によれば、リム344は、シャフト本体341に後付けて固定されている。この構成では、リム344とシャフト本体341とを別々の母材から製造することができる。このため、シャフト340を製造する際に、リム344及びシャフト本体341のそれぞれに適した形状の母材を別々に準備することで、材料の歩留まりが向上しやすい。したがって、シャフト340を製造するための材料費を低減することができる。
本実施形態では、第1母材861をシャフト本体341に合わせた形状及び大きさにすることが可能である。また、第2母材862をシャフトフランジ342に合わせた形状及び大きさにすることが可能である。上記第1実施形態のように、シャフト340の製造にシャフト母材490を用いた構成と比較すると、本実施形態では、例えば図147に示すドットハッチングの部分を母材として用いる必要がない。このため、このハッチングの部分だけ母材の材料費を低減できる。
<構成群J>
<第17実施形態>
第17実施形態では、ステータ200がモータハウジング70に対して位置ずれすることがモータハウジング70の一部により規制されている。第17実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第17実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図148、図149に示すように、ステータ200は、コイル体900を有している。コイル体900は、コイルユニット210に含まれている。コイル体900は、コイル部215及びコアユニット230を有している。コイル体900は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに複数並べられている。コイル体900が周方向CDに複数並べられていることで、複数相のコイル211が周方向CDに並べられている。なお、図149においては、電力引出線212及び第2ロータ300bなどの図示を省略している。
コイル体900は、コイル体端面902及びコイル体外周面903を有している。コイル体端面902及びコイル体外周面903は、コイル体900の外面に含まれている。コイル体端面902は、コイル体900の端面であり、軸方向ADに一対並べられている。コイル体端面902には、コア231の端面及びボビン240の端面が含まれている。一対のコイル体端面902が一対の端面に相当する。
コイル体外周面903は、コイル体900の外周面であり、コイル部215の巻回方向に延びている。コイル体外周面903は、一対のコイル体端面902の間に設けられている。コイル体外周面903は、一対のコイル体端面902にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。コイル体外周面903には、コイル外周面913及びボビン240の外周面が含まれている。
コイル体900は、コアティース901を有している。コアティース901は、軸方向ADにおいてコイル部215を介して一対並べられている。軸方向ADにおいては、一対のコアティース901の間にコイル部215が設けられている。コアティース901は、軸方向ADに直交する方向に延びている。コアティース901は、コイル体端面902を形成している。コアティース901には、コアユニット230の一部が含まれている。コアティース901には、例えばコアフランジ233及びボビンフランジ242が含まれている。
コイル部215は、コイル外周面913を有している。コイル外周面913は、コイル部215の外周面であり、コイル部215の巻回方向に延びている。コイル外周面913は、コイル体外周面903に含まれている。コイル外周面913は、軸方向ADに延びており、一対のコアティース901にかけ渡された状態になっている。コイル外周面913とコアティース901の端面とは、軸方向ADに連続するように並んでいる。このため、図148においては、コイル部215がコアティース901に重なった位置にあるとして、コイル部215の符号を図示している。コイル外周面913は外周面に相当する。
コイル部215は、外周頂部911及び外周根元部912を有している。外周頂部911は、コイル部215において最も径方向外側にある部位である。外周根元部912は、コイル部215において最も周方向外側にある部位である。外周根元部912は、周方向CDに一対並べられている。
コイル外周面913は、モータ内周面70bに沿って軸方向ADに延びている。コイル外周面913において一対の外周根元部912の間の部位は、径方向外側に向けて膨らむように曲がっている。コイル外周面913には、第1湾曲面913a及び第2湾曲面913bが含まれている。第1湾曲面913aと第2湾曲面913bとは、周方向CDに並べられている。第1湾曲面913a及び第2湾曲面913bは、径方向外側に向けて膨らむように湾曲している。第1湾曲面913aは、一対の外周根元部912のうち一方と外周頂部911とにかけ渡されている。第2湾曲面913bは、他方の外周根元部912と外周頂部911とにかけ渡されている。第1湾曲面913aは、周方向CDの一方に向けて膨らむように湾曲しており、第2湾曲面913bは、周方向CDの他方に向けて膨らむように湾曲している。
上述したように、コアティース901の外周面は、コイル外周面913に軸方向ADに連続して並べられている。このため、コアティース901は、外周頂部911及び外周根元部912に対応する部位を有している。また、コアティース901の外周面には、第1湾曲面913aに対応する部位と、第2湾曲面913bに対応する部位とが含まれている。
モータハウジング70は、変位規制部920を有している。変位規制部920は、モータ内周面70bから径方向内側に突出している。変位規制部920は、軸方向ADにおいてモータ内周面70bに沿って延びている。変位規制部920は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに複数並べられている。変位規制部920は、ハウジング本体71に一体成形されており、一体規制部に相当する。モータハウジング70は、導電性を有している。モータハウジング70においては、ハウジング本体71及び変位規制部920の両方が導電性を有している。本実施形態では、ステータ保持部171に代えて変位規制部920がモータハウジング70に設けられている。
変位規制部920は、規制頂部921及び規制根元部922を有している。規制頂部921は、変位規制部920において最も径方向内側にある部位である。規制根元部922は、変位規制部920において最も径方向外側にある部位である。周方向CDにおいては、規制頂部921の幅寸法が変位規制部920の幅寸法よりも小さい。変位規制部920においては、周方向CDの幅寸法が径方向内側に向けて徐々に小さくなっている。規制根元部922は、周方向CDにおいて規制頂部921を介して一対並べられている。規制頂部921は、周方向CDにおいて一対の規制根元部922の真ん中に設けられている。規制頂部921及び規制根元部922は、モータ内周面70bに沿って軸方向ADに延びている。
変位規制部920は、周方向CDに隣り合う2つのコイル体900を周方向CDに跨ぐ位置に設けられている。周方向CDに隣り合う2つのコイル体900は、単に「2つのコイル体900」と称されることがある。変位規制部920は、2つのコイル体900の間に入り込むように径方向内側に向けて延びている。変位規制部920においては、規制頂部921が2つのコイル体900の間に入り込んだ位置にある。規制頂部921は、2つのコイル体900に対して、湾曲面913a,913bに周方向CDに並ぶ位置にある。規制頂部921は、2つのコイル体900に対して、径方向RDにおいて外周頂部911と外周根元部912との間の位置にある。変位規制部920においては、規制根元部922が外周頂部911に径方向RDに並ぶ位置にある。
変位規制部920は、コイル部215がモータハウジング70に対して相対的に変位することを規制する。変位規制部920は、コイル部215に引っ掛かった状態になることで、コイル部215が変位規制部920に対して相対的に周方向CDに移動することを規制する。変位規制部920は電機規制部に相当する。
変位規制部920は、変位規制面923を有している。変位規制面923は、変位規制部920の外面のうち径方向内側の面である。変位規制面923は、全体として径方向内側を向いている。変位規制面923は、モータ内周面70bに沿って軸方向ADに延びている。変位規制面923は規制面に相当する。
変位規制面923は、第1規制面923a及び第2規制面923bを有している。第1規制面923aと第2規制面923bとは、周方向CDに並べられている。第1規制面923a及び第2規制面923bは、径方向外側に向けて凹むように曲がっている。第1規制面923aは、一対の規制根元部922のうち一方と規制頂部921とにかけ渡されている。第1規制面923aは、コイル部215が有する第2湾曲面913bに径方向RDに並ぶ位置に設けられている。第1規制面923aは、第2湾曲面913bに対向している。第1規制面923aは、第2湾曲面913bに沿って延びるように湾曲している。第1規制面923aと第2湾曲面913bとの隙間は、周方向CD及び軸方向ADのいずれにおいてもほぼ均一になっている。第1規制面923aと第2湾曲面913bとの隙間の大きさは、例えば第1規制面923aに直交する方向での第1規制面923aと第2湾曲面913bとの離間距離である。
第2規制面923bは、一対の規制根元部922のうち、第1規制面923aとは反対側の規制根元部922と規制頂部921とにかけ渡されている。第2規制面923bは、コイル部215が有する第1湾曲面913aに径方向RDに並ぶ位置に設けられている。第2規制面923bは、第1湾曲面913aに対向している。第2規制面923bは、第1湾曲面913aに沿って延びるように湾曲している。第2規制面923bと第1湾曲面913aとの隙間は、周方向CD及び軸方向ADのいずれにおいてもほぼ均一になっている。第2規制面923bと第1湾曲面913aとの隙間の大きさは、例えば第2規制面923bに直交する方向での第2規制面923bと第1湾曲面913aとの離間距離である。
変位規制部920は、変位規制面923がコイル外周面913に引っ掛かった状態になることで、モータハウジング70に対するコイル部215の相対的な変位を規制する。例えば、第1規制面923aは、第2湾曲面913bの少なくとも一部に引っ掛かった状態になることで、コイル部215の変位を規制する。第2規制面923bは、第1湾曲面913aの少なくとも一部に引っ掛かった状態になることで、コイル部215の変位を規制する。
複数の変位規制部920は、一体化されている。周方向CDに隣り合う2つの変位規制部920は、互いに接続されている。周方向CDに隣り合う2つの変位規制部920においては、それぞれの規制根元部922が互いに接続されている。複数の変位規制部920は、全体としてモータ内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。
変位規制部920は、規制端面925を有している。規制端面925は、変位規制部920の端面であり、軸方向ADに一対並べられている。規制端面925は、変位規制部920の外面に含まれている。規制端面925は、軸方向ADに直交する方向に延びている。
図149に示すように、変位規制部920は、一対のコイル体端面902にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。軸方向ADにおいては、変位規制部920の長さ寸法と、コイル体端面902の長さ寸法とがほぼ同じになっている。一対の規制端面925は、一対のコイル体端面902に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。変位規制部920は、一対のコアティース901にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。また、変位規制部920は、軸方向ADにおいてコイル部215よりもコアティース901側に突出するように延びている。
図148、図149に示すように、コイル保護部250の一部が変位規制部920とコイル体900との間に入り込んだ状態になっている。コイル保護部250は、フィラーを含有している樹脂材料により形成されている。コイル保護部250を形成している樹脂材料としては、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂がある。コイル保護部250は、高い電気絶縁性、高い強度、高い熱伝導性を有するように樹脂材料により形成されている。コイル保護部250に含まれるフィラーとしては、例えばアルミナなどがある。コイル保護部250は、コイル体900及びモータハウジング70の両方に密着している。これにより、コイル保護部250は、コイル体900をモータハウジング70に固定している。
コイル保護部250は、保護外周部917を有している。保護外周部917は、コイル保護部250のうち変位規制部920とコイル体900との間に入り込んだ部位である。保護外周部917は、変位規制面923とコイル外周面913との隙間に入り込んだ状態になっている。保護外周部917は、変位規制面923とコイル外周面913との隙間全体に設けられている。保護外周部917は、変位規制面923及びコイル外周面913に密着しており、変位規制部920とコイル体900とを固定した状態になっている。
保護外周部917は、保護本体251から延びている。保護外周部917は、変位規制面923に沿って周方向CDに延びている。保護外周部917は、複数の変位規制部920にかけ渡された状態になっている。保護外周部917は、変位規制面923に沿って軸方向ADに延びている。保護外周部917は、変位規制部920と同様に、一対のコイル体端面902にかけ渡された状態になっている。コイル体900と変位規制部920と保護外周部917とは、径方向RDに並べられている。
保護外周部917は、コイル保護部250の一部として熱伝導性を有している。保護外周部917は、コイル体900から伝わってきた熱を変位規制部920に放出する。保護外周部917は、隙間放熱部に相当する。また、保護外周部917の厚さは、周方向CD及び軸方向ADのいずれにおいてもほぼ均一になっている。保護外周部917の厚さは、例えば変位規制面923に直交する方向での変位規制面923とコイル外周面913との隙間の大きさとほぼ同じである。このため、熱がコイル体900から保護外周部917を介してモータハウジング70に伝わる態様が、周方向CDの全体において均一化されやすくなっている。このため、保護外周部917の放熱効果が周方向CDにおいてばらつくということが生じにくくなっている。
次に、モータ装置60の製造方法のうち、モータハウジング70を製造する工程について説明する。作業者は、ハウジング本体71と変位規制部920とを一体成形することでモータハウジング70を成形する。作業者は、例えば母材を切削加工することでモータハウジング70を製造する。作業者は、準備工程として母材を準備する。母材は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。作業者は、準備工程の後、加工工程において母材の切削を行うことで、母材からモータハウジング70を製造する。なお、モータハウジング70は、鋳造により製造されてもよい。
本実施形態によれば、変位規制部920は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215の間に入り込むようにハウジング本体71から径方向内側に向けて延びている。この構成では、コイル部215がモータハウジング70に対して相対的に周方向CDに移動することが、コイル部215と変位規制部920との引っ掛かりにより規制される。例えば、コイル部215と変位規制部920とは、保護外周部917を介して互いに引っ掛かった状態になる。このため、モータハウジング70に対してステータ200が周方向CDに回転するように変位するということを変位規制部920により抑制できる。
しかも、変位規制部920は、径方向内側に向けて延びていることでコイル部215に近づいた状態になっている。この構成では、コイル部215の熱が変位規制部920に伝わりやすくなっている。このため、コイル部215の熱がモータハウジング70を介して外部に放出されやすくなっている。したがって、モータ装置60においてステータ200の位置ずれを抑制しつつ、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
モータ装置60においては、ロータ300とステータ200とが軸方向ADに並べられていることで、高出力化が図られている。このことなどにより、ロータ300の駆動回転に伴ってステータ200を周方向CDに回転させる向きに生じる外力がステータ200に付与されやすい。このため、ステータ200がモータハウジング70に対して相対的に周方向CDに回転するように変位することが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、上述したように周方向CDへのコイル部215の変位が変位規制部920により規制されるため、ステータ200の変位を抑制できる。このように、アキシャルギャップ式のモータ装置60に、コイル部215の変位が変位規制部920により規制される構成を適用することは効果的である。
本実施形態によれば、保護外周部917は、コイル部215と変位規制部920との隙間に設けられ、コイル部215からの熱を変位規制部920に放出する。このため、コイル部215から変位規制部920への熱伝達性を保護外周部917により高めることができる。したがって、モータハウジング70の放熱効果を変位規制部920及び保護外周部917により高めることができる。
本実施形態によれば、保護外周部917は、コイル部215及び変位規制部920のそれぞれに密着している。この構成では、コイル部215から保護外周部917への熱伝達性、及び保護外周部917から変位規制部920への熱伝達性、の両方を高めることができる。また、この構成では、変位規制部920に対するコイル部215の相対的な変位を保護外周部917により規制できる。このため、コイル部215から変位規制部920への放熱効果、及び変位規制部920に対するコイル部215の位置ずれ抑制効果、の両方を保護外周部917により高めることができる。
本実施形態によれば、変位規制面923は、コイル外周面913に重なるように延びている。この構成では、変位規制面923とコイル外周面913との隙間を極力小さくすることができる。このため、コイル外周面913から変位規制面923に熱が伝わりやすくなる。したがって、変位規制面923とコイル外周面913とが重なるように配置されていることで、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、変位規制部920は、一対のコイル体端面902にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。この構成では、軸方向ADにおいてコイル体900の全体から放出された熱が変位規制部920の全体に伝わりやすくなっている。このため、コイル体900の熱がモータハウジング70を介して外部に放出される放出効果を変位規制部920により高めることができる。
本実施形態によれば、変位規制部920は、一対のコアティース901にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。この構成では、一対のコアティース901から放出された熱が変位規制部920に伝わりやすくなっている。このため、コアティース901の熱がモータハウジング70を介して外部に放出される放出効果を変位規制部920により高めることができる。
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、ハウジング本体71と変位規制部920とが一体成形されている。この構成では、変位規制部920がハウジング本体71に対して相対的に変位することがない。このため、コイル部215がハウジング本体71に対して相対的に変位することを変位規制部920により確実に抑制できる。
<第18実施形態>
上記第17実施形態では、電機ハウジングにおいて電機外周壁と変位規制部とが一体成形されていた。これに対して、第18実施形態では、電機ハウジングにおいて変位規制部が電機外周壁に後付けされている。第18実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第17実施形態と同様である。第18実施形態では、上記第17実施形態と異なる点を中心に説明する。
図150、図151に示すように、モータハウジング70は、変位規制部920に代えて後付規制部930を有している。後付規制部930は、ハウジング本体71に後付けされている。ハウジング本体71と後付規制部930とは、互いに独立した別部材であり、ねじ等の固定具などにより固定されている。後付規制部930は、ハウジング本体71に対して相対的に変位しないようにハウジング本体71に固定されている。例えば、後付規制部930とハウジング本体71とが互いに係合する構成になっている。この構成では、係合部分によりハウジング本体71に対する後付規制部930の相対的な変位が規制される。
後付規制部930の熱伝導性は、ハウジング本体71の熱伝導性よりも低くなっている。例えば、後付規制部930の熱伝導率は、ハウジング本体71の熱伝導率よりも低い。後付規制部930を形成する材料の熱伝導性が、ハウジング本体71を形成する材料の熱伝導性よりも低い。また、後付規制部930の電気絶縁性は、ハウジング本体71の電気絶縁性よりも高くなっている。例えば、後付規制部930を形成する材料の電気絶縁性が、ハウジング本体71を形成する材料の電気絶縁性よりも高い。モータハウジング70においては、ハウジング本体71が例えばアルミニウムにより形成され、後付規制部930が例えばアルミナにより形成されている。
後付規制部930は、ハウジング本体71に後付けされていることが変位規制部920と異なる一方で、形状などについては変位規制部920と同様の構成になっている。後付規制部930は、規制頂部931、規制根元部932、後付規制面933及び規制端面935を有している。後付規制面933には、第1規制面933a及び第2規制面933bが含まれている。規制頂部931、規制根元部932、後付規制面933及び規制端面935は、上記第17実施形態の規制頂部921、規制根元部922、変位規制面923及び規制端面925と同様の構成になっている。また、第1規制面933a及び第2規制面933bは、上記第17実施形態の第1規制面923a及び第2規制面923bと同様の構成になっている。後付規制部930が電機規制部に相当し、後付規制面933が規制面に相当する。
本実施形態によれば、後付規制部930は、周方向CDに隣り合う2つのコイル部215の間に入り込むようにハウジング本体71から径方向内側に向けて延びている。この構成では、コイル部215がモータハウジング70に対して相対的に周方向CDに移動することが、コイル部215と後付規制部930との引っ掛かりにより規制される。例えば、コイル部215と後付規制部930とは、保護外周部917を介して互いに引っ掛かった状態になる。このため、モータハウジング70に対してステータ200が周方向CDに回転するように変位するということを後付規制部930により抑制できる。
しかも、後付規制部930は、径方向内側に向けて延びていることでコイル部215に近い位置に配置されている。この構成では、コイル部215の熱が後付規制部930に伝わりやすくなっている。このため、コイル部215の熱がモータハウジング70を介して外部に放出されやすい構成を実現できる。したがって、上記第17実施形態と同様に、モータ装置60においてステータ200の位置ずれを抑制しつつ、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、保護外周部917は、コイル部215と後付規制部930との隙間に設けられ、コイル部215からの熱を後付規制部930に放出する。このため、コイル部215から後付規制部930への熱伝達性を保護外周部917により高めることができる。したがって、モータハウジング70の放熱効果を後付規制部930及び保護外周部917により高めることができる。
本実施形態によれば、保護外周部917は、コイル部215及び後付規制部930のそれぞれに密着している。この構成では、コイル部215から保護外周部917への熱伝達性、及び保護外周部917から後付規制部930への熱伝達性、の両方を高めることができる。また、この構成では、後付規制部930に対するコイル部215の相対的な変位を保護外周部917により規制できる。このため、コイル部215から後付規制部930への放熱効果、及び後付規制部930に対するコイル部215の位置ずれ抑制効果、の両方を保護外周部917により高めることができる。
本実施形態によれば、後付規制面933は、コイル外周面913に重なるように延びている。この構成では、後付規制面933とコイル外周面913との隙間を極力小さくすることができる。このため、コイル外周面913から後付規制面933に熱が伝わりやすくなる。したがって、後付規制面933とコイル外周面913とが重なるように配置されていることで、モータ装置60の放熱効果を高めることができる。
本実施形態によれば、後付規制部930は、一対のコイル体端面902にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。この構成では、軸方向ADにおいてコイル体900の全体から放出された熱が後付規制部930の全体に伝わりやすくなっている。このため、コイル体900の熱がモータハウジング70を介して外部に放出される放出効果を後付規制部930により高めることができる。
本実施形態によれば、後付規制部930は、一対のコアティース901にかけ渡されるように軸方向ADに延びている。この構成では、一対のコアティース901から放出された熱が後付規制部930に伝わりやすくなっている。このため、コアティース901の熱がモータハウジング70を介して外部に放出される放出効果を後付規制部930により高めることができる。
本実施形態によれば、モータハウジング70においては、後付規制部930がハウジング本体71に後付けで固定されている。この構成では、後付規制部930をハウジング本体71とは異なる材料により形成することができる。すなわち、後付規制部930を形成している材料を選択することに関して自由度を高めることができる。このため、ハウジング本体71を形成する材料の選択自由度がハウジング本体71の特有の理由により制限されていたとしても、後付規制部930を形成する材料の選択自由度がハウジング本体71の特有の理由により制限される、ということを回避できる。したがって、後付規制部930を形成する材料の特性により、ステータ200の位置ずれ効果及びモータ装置60の放熱効果を更に高める、ということを実現できる。
本実施形態によれば、後付規制部930の電気絶縁性は、ハウジング本体71の電気絶縁性よりも高い。このため、ハウジング本体71を電気的にグランドに接地する一方で、ハウジング本体71に対するステータ200の電気的な絶縁を後付規制部930により確保できる。
本実施形態では、モータハウジング70のうち導電性を有する部位の断面積が大きいほど、モータハウジング70にて発生する渦電流損が大きくなることが懸念される。例えば本実施形態とは異なり、ハウジング本体71及び後付規制部930の両方が導電性を有する構成では、モータハウジング70のうち導電性を有する部位の断面積が大きいため、渦電流損が大きくなりやすい。これに対して、本実施形態によれば、ハウジング本体71が導電性を有する一方で、後付規制部930が電気絶縁性を有している。このため、モータハウジング70のうち導電性を有する部位の断面積が後付規制部930の分だけ小さくなる。したがって、モータハウジング70にて発生する渦電流損を低減できる。
<第19実施形態>
上記第17実施形態では、モータ装置60がコイル保護部250を有していた。これに対して、第19実施形態では、モータ装置60がコイル保護部250を有していない。第19実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第17実施形態と同様である。第19実施形態では、上記第17実施形態と異なる点を中心に説明する。
図152、図153に示すように、モータ装置60は、コイル保護部250に代えて外周放熱部941を有している。外周放熱部941は、コイル保護部250と同様に、樹脂材料等により形成されている。外周放熱部941は、上記第17実施形態の保護外周部917と同様に、変位規制部920とコイル体900との間に入り込んだ状態になっている。外周放熱部941は、例えば変位規制面923とコイル外周面913との隙間全体に設けられている。外周放熱部941は、変位規制面923及びコイル外周面913に密着しており、変位規制部920とコイル体900とを固定した状態になっている。外周放熱部941は隙間放熱部に相当する。
外周放熱部941は、変位規制面923に沿って周方向CDに延びている。外周放熱部941は、複数の変位規制部920にかけ渡された状態になっている。外周放熱部941は、変位規制面923に沿って軸方向ADに延びている。外周放熱部941は、変位規制部920と同様に、一対のコイル体端面902にかけ渡された状態になっている。コイル体900と変位規制部920と外周放熱部941とは、径方向RDに並べられている。
外周放熱部941は、コイル保護部250の一部として熱伝導性を有している。外周放熱部941は、コイル体900から伝わってきた熱を変位規制部920に放出する。外周放熱部941は、隙間放熱部に相当する。また、外周放熱部941の厚さは、周方向CD及び軸方向ADのいずれにおいてもほぼ均一になっている。外周放熱部941の厚さは、例えば変位規制面923に直交する方向での変位規制面923とコイル外周面913との隙間の大きさとほぼ同じである。このため、熱がコイル体900から外周放熱部941を介してモータハウジング70に伝わる態様が、周方向CDの全体において均一化されやすくなっている。このため、外周放熱部941の放熱効果が周方向CDにおいてばらつくということが生じにくくなっている。
外周放熱部941は、熱伝導性を有しており、コイル部215からの熱が伝わりやすくなっている。隙間放熱部は、例えば空気よりも大きい熱伝導率を有している。外周放熱部941は、例えば放熱シート等により形成されている。放熱シートは、熱伝導性を有し、シート状に形成された部材である。外周放熱部941は、電機絶縁性を有している。
図153に示すように、モータ装置60は、コイル支持部942を有している。コイル支持部942は、コイル体900を支持している。コイル支持部942は、モータハウジング70及びコイル体900の両方に固定されている。コイル支持部942は、コイル体900とモータハウジング70とを連結した状態になっている。コイル支持部942は、変位規制部920に軸方向ADに並ぶ位置に設けられており、ねじ等によりハウジング本体71に固定されている。コイル支持部942は、変位規制部920とコイル体900とを軸方向ADに跨ぐように径方向内側に向けて延びている。コイル支持部942は、ねじ等によりコイル体900に固定されている。コイル支持部942は、例えばコアティース901に重ねられた部位を有しており、この部位がコアティース901に固定されることでコイル体900に固定されている。コイル支持部942は、周方向CDに複数並べられている。モータ装置60においては、少なくとも1つのコイル体900がコイル支持部942によりモータハウジング70に固定されている。
本実施形態によれば、外周放熱部941は、コイル部215と変位規制部920との隙間に設けられ、コイル部215からの熱を変位規制部920に放出する。このため、コイル部215から変位規制部920への熱伝達性を外周放熱部941により高めることができる。したがって、モータハウジング70の放熱効果を変位規制部920及び外周放熱部941により高めることができる。
<構成群L>
<第20実施形態>
上記第1実施形態では、磁石ユニット316において内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eのそれぞれが複数の磁石ピース505により形成されていた。これに対して、第20実施形態では、内周テーパ面316d及び外周テーパ面316eのそれぞれが1つの磁石ピース505により形成されている。第20実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第20実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図154、図155に示すように、磁石ユニット316は、内周端ピース871及び外周端ピース872を有している。内周端ピース871及び外周端ピース872は、磁石ピース505である。内周端ピース871及び外周端ピース872は、磁石ユニット316が有する複数の磁石ピース505に1つずつ含まれている。
内周端ピース871は、複数の磁石ピース505のうち最も径方向外側に配置された磁石ピース505である。内周端ピース871は、最外部材に相当する。磁石ユニット316においては、複数の磁石ピース505のうち内周端ピース871だけがユニット内周端316aを形成している。すなわち、複数の磁石ピース505のうち内周端ピース871だけが内周テーパ面316dを形成している。内周テーパ面316dは、内周端ピース871という1つの磁石ピース505だけで形成されている。
外周端ピース872は、複数の磁石ピース505のうち最も径方向内側に配置された磁石ピース505である。外周端ピース872は、最外部材に相当する。磁石ユニット316においては、複数の磁石ピース505のうち外周端ピース872だけがユニット外周端316bを形成している。すなわち、複数の磁石ピース505のうち外周端ピース872だけが外周テーパ面316eを形成している。外周テーパ面316eは、外周端ピース872という1つの磁石ピース505だけで形成されている。
径方向RDにおいて内周端ピース871及び外周端ピース872の厚さ寸法は、これらピース871,872以外の磁石ピース505の厚さ寸法よりも大きくなっている。径方向RDにおいて内周端ピース871の厚さ寸法は、内周テーパ面310dの幅寸法以上である。径方向RDにおいて外周端ピース872の厚さ寸法は、外周テーパ面310eの幅寸法以上である。
図156に示すように、磁石310においては、内周端ピース871及び外周端ピース872が磁石ホルダ320及び固定ブロック330に引っ掛かった状態になっている。外周係合部322には、複数の磁石ピース505のうち外周端ピース872だけが引っ掛かっている。外周端ピース872は、係合テーパ面322aに接触している。磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、外周端ピース872以外の磁石ピース505は外周係合部322に引っ掛かっていない。
固定ブロック330には、複数の磁石ピース505のうち内周端ピース871だけが引っ掛かっている。内周端ピース871は、ブロックテーパ面330aに接触している。磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、内周端ピース871以外の磁石ピース505は固定ブロック330に引っ掛かっていない。
本実施形態によれば、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、最も径方向内側に設けられた内周端ピース871だけが内周テーパ面310dを形成している。この構成では、隣り合う2つの磁石ピース505の境界部が内周テーパ面310dに存在しない。このため、2つの磁石ピース505の強化部に生じる段差が内周テーパ面310dに存在するということがない。したがって、内周テーパ面310dを確実に平面化できる。これにより、内周テーパ面310dの形状精度を高めることができる。
本実施形態によれば、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、内周端ピース871だけが固定ブロック330に引っ掛かっている。この構成では、内周端ピース871が形成する内周テーパ面310dの形状精度が高いことに起因して、内周端ピース871と固定ブロック330との位置精度が高くなる。このため、固定ブロック330に対して磁石310が位置ずれするということを抑制できる。例えば、固定ブロック330に対して磁石310が位置ずれして磁石310がアキシャルギャップ475側に意図せずに突出する、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、最も径方向外側に設けられた外周端ピース872だけが外周テーパ面316eを形成している。この構成では、隣り合う2つの磁石ピース505の境界部が外周テーパ面310eに存在しない。このため、2つの磁石ピース505の境界部に生じる段差が外周テーパ面310eに存在するということがない。したがって、外周テーパ面310eを確実に平面化できる。これにより、外周テーパ面310eの形状精度を高めることができる。
本実施形態によれば、磁石310が有する複数の磁石ピース505のうち、外周端ピース872だけが外周係合部322に引っ掛かっている。この構成では、外周端ピース872が形成する外周テーパ面310eの形状精度が高いことに起因して、外周端ピース872と外周係合部322との位置精度が高くなる。このため、外周係合部322に対して磁石310が位置ずれするということを抑制できる。例えば、外周係合部322に対して磁石310が位置ずれして磁石310がアキシャルギャップ475側に意図せずに突出する、ということを抑制できる。
<第21実施形態>
上記第1実施形態では、磁石ピース505がユニット中心線C316に直交する方向に延びていた。これに対して、第21実施形態では、磁石ピース505が磁石中心線C310に直交する方向に延びていた。第21実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第21実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図157に示すように、複数の磁石ユニット316には、個別ユニット875が含まれている。個別ユニット875においては、磁石ピース505が磁石中心線C310に直交する方向に延びている。個別ユニット875が有する平行磁石315においては、上記第1実施形態と同様に、磁石ピース505がユニット中心線C316及び磁石中心線C310の両方に直交する方向に延びている。個別ユニット875が有する傾斜磁石314においては、磁石ピース505が磁石中心線C310に直交する方向に延びている。個別ユニット875においては、磁石中心線C310がユニット中心線C316に対して傾斜している。このため、傾斜磁石314が有する磁石ピース505は、平行磁石315が有する磁石ピース505に対して傾斜している。
個別ユニット875においては、2つの傾斜磁石314のうち、一方の磁石中心線C310が他方の磁石中心線C310に対して傾斜している。2つの傾斜磁石314のうち、一方が有する磁石ピース505は、他方が有する磁石ピース505に対して傾斜している。
本実施形態によれば、個別ユニット875では、複数の磁石310のそれぞれにおいて、磁石ピース505が磁石中心線C310に直交する方向に延びている。この構成では、時着中心線対する磁石ピース505の角度が、複数の磁石310で個別に設定されている。このため、複数の磁石310について設定する配向の向きに関する自由度を高めることができる。
<第22実施形態>
上記第1実施形態では、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310が、反発力が生じやすい向きに配向されていた。これに対して、第22実施形態では、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310が、反発力が生じにくい向きに配向されている。第22実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第22実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図158に示すように、ロータ300が有する複数の磁石310には、内軸磁石882及び外軸磁石883が含まれている。本実施形態では、上記第1実施形態の第1内軸磁石312a及び第2内軸磁石312bに代えて、内軸磁石882がロータ300に設けられている。また、上記第1実施形態の第1外軸磁石313a及び第2外軸磁石313bに代えて、外軸磁石883がロータ300に設けられている。本実施形態においても、周磁石311a,311b、内軸磁石882及び外軸磁石883が、ステータ200に対する磁力を強めるように配置されている。周磁石311a,311b、内軸磁石882及び外軸磁石883は、ハルバッハ配列で並べられている。
内軸磁石882及び外軸磁石883は、周方向CDに複数ずつ並べられている。内軸磁石882と外軸磁石883とは、周方向CDにおいて2つずつ交互に並べられている。そして、内軸磁石882と外軸磁石883との間には、第1周磁石311a又は第2周磁石311bが設けられている。
内軸磁石882は、軸方向ADにおいてステータ200側を向くように配向されている。内軸磁石882は、モータ軸線Cmに平行に配向されている。外軸磁石883は、軸方向ADにおいてステータ200とは反対側を向くように配向されている。外軸磁石883は、モータ軸線Cmに平行に配向されている。内軸磁石882及び外軸磁石883の配向は、第1周磁石311a及び第2周磁石311bの配向に直交している。
第1配向ユニット319aは、上記第1実施形態の第1内軸磁石312a及び第1外軸磁石313aに代えて、内軸磁石882及び外軸磁石883を有している。第1配向ユニット319aにおいては、内軸磁石882と外軸磁石883との間に第1周磁石311aがある。第2配向ユニット319bは、上記第1実施形態の第2内軸磁石312b及び第2外軸磁石313bに代えて、内軸磁石882及び外軸磁石883を有している。第2配向ユニット319bにおいては、内軸磁石882と外軸磁石883との間に第2周磁石311bがある。
複数のユニット外境界部501bには、第1配向ユニット319aが有する内軸磁石882と、第2配向ユニット319bが有する内軸磁石882と、の境界部が含まれている。2つの内軸磁石882が隣り合ったユニット外境界部501bにおいては、2つの内軸磁石882に反発力が生じにくい。また、複数のユニット外境界部501bには、第1配向ユニット319aが有する外軸磁石883と、第2配向ユニット319bが有する外軸磁石883と、の境界部が含まれている。2つの外軸磁石883が隣り合ったユニット外境界部501bにおいては、2つの外軸磁石883に反発力が生じにくい。
本実施形態では、傾斜磁石ユニット317が第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bのいずれである構成でも、傾斜磁石ユニット317が有する2つの傾斜磁石314のうち、一方が内軸磁石882であり、他方が外軸磁石883である。同様に、平行磁石ユニット318が有する両端の平行磁石315のうち、一方が内軸磁石882であり、他方が外軸磁石883である。
第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bにおいては、周磁石311a,311bの幅寸法が、内軸磁石882の幅寸法及び外軸磁石883の幅寸法よりも小さくなっている。
<第23実施形態>
上記第1実施形態では、磁石ユニット316が3つの磁石310を有していた。これに対して、第23実施形態では、磁石ユニット316が2つの磁石310を有している。第23実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第22実施形態と同様である。第23実施形態では、上記第22実施形態と異なる点を中心に説明する。
図159に示すように、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317が含まれている一方で、平行磁石ユニット318が含まれていない。複数の傾斜磁石ユニット317は、形状及び大きさが同じになっている。この構成では、ロータ300の製造工程において、作業者は、1種類の傾斜磁石ユニット317だけを準備又は製造すればよく、複数種類の磁石ユニット316を準備又は製造する必要がない。このため、傾斜磁石ユニット317を準備又は製造するためのコストを低減できる。
傾斜磁石ユニット317は、傾斜磁石314及び平行磁石315を1つずつ有している。傾斜磁石314と平行磁石315との並び順は、複数の傾斜磁石ユニット317で同じになっている。例えば、複数の傾斜磁石ユニット317のそれぞれにおいて、周方向CDの一方側に傾斜磁石314が配置され、他方側に平行磁石315が配置されている。周方向CDにおいては、傾斜磁石314と平行磁石315とが1つずつ交互に並べられている。複数の傾斜磁石314は、形状及び大きさが同じになっている。複数の平行磁石315は、形状及び大きさが同じになっている。この構成では、ロータ300の製造工程において、作業者は、1種類の傾斜磁石314と1種類の平行磁石315とだけを準備又は製造すればよく、複数種類の傾斜磁石314と複数種類の平行磁石315を準備又は製造する必要がない。このため、傾斜磁石314及び平行磁石315を準備又は製造するためのコストを低減できる。
本実施形態では、上記第22実施形態と同様に、ユニット外境界部501bを介して隣り合う2つの磁石310が、反発力が生じにくい向きに配向されている。図160に示すように、ロータ300が有する複数の磁石310には、内軸磁石882及び外軸磁石883が含まれている。周方向CDにおいては、内軸磁石882と外軸磁石883とが1つずつ交互に並べられている。そして、上記第22実施形態と同様に、内軸磁石882と外軸磁石883との間には、第1周磁石311a又は第2周磁石311bが設けられている。
第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bは、磁石310を2つずつ有している。第1配向ユニット319aは、第1周磁石311a及び外軸磁石883を有している一方で、内軸磁石882を有していない。第2配向ユニット319bは、第2周磁石311b及び内軸磁石882を有している一方で、外軸磁石883を有していない。
複数のユニット外境界部501bには、第1配向ユニット319aが有する外軸磁石883と、第2配向ユニット319bが有する第2周磁石311bと、の境界部が含まれている。外軸磁石883と第2周磁石311bとが隣り合ったユニット外境界部501bにおいては、反発力が生じにくい。また、複数のユニット外境界部501bには、第1配向ユニット319aが有する第1周磁石311aと、第2配向ユニット319bが有する内軸磁石882と、の境界部が含まれている。第1周磁石311aと内軸磁石882とが隣り合ったユニット外境界部501bにおいては、反発力が生じにくい。
第1配向ユニット319aにおいては、第1周磁石311aの幅寸法が外軸磁石883の幅寸法よりも小さくなっている。第2配向ユニット319bにおいては、331b幅寸法が内軸磁石882よりも小さくなっている。
<構成群N>
<第24実施形態>
上記第1実施形態では、モータシール保持部78とリア保持部376とがモータシール部402を径方向RDに押圧する状態になっていた。これに対して、第24実施形態では、モータシール保持部78とリア保持部376とがモータシール部402を軸方向ADに押圧する状態になっている。第24実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第24実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図161に示すように、モータハウジング70は、モータ外周凸部821を有している。図161においては、インバータ装置80及びユニットダクト100などの図示を省略している。
モータ外周凸部821は、ハウジング本体71においてモータシール保持部78に設けられた凸部である。モータ外周凸部821は、ハウジング本体71からリアフレーム370に向けて軸方向ADに突出している。モータ外周凸部821は、モータシール保持部78の径方向外側に設けられている。モータ外周凸部821は、モータ内周面70bから径方向外側に離れた位置に設けられている。ハウジング本体71においては、モータ外周凸部821とモータ内周面70bとの間にある部位がモータシール保持部78である。モータ外周凸部821は、モータ外周面70aから軸方向ADに延びている。モータ外周凸部821は、モータ外周面70aに沿って周方向CDに環状に延びている。本実施形態では、モータ外周凸部821がモータシール保持部78の径方向外側にあることで、上記第1実施形態と同様に、モータ外周面70aがモータシール保持部78の径方向外側にある。
本実施形態では、モータ外周凸部821とハウジング本体71とが一体的に形成されている。モータ外周凸部821は、ハウジング本体71に含まれており、例えばハウジング本体71におけるインバータ装置80側の端部を形成している。モータ外周凸部821の外面は、モータ外周面70aに含まれている。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に設けられた切り欠き部によりモータシール保持部78及びモータ外周凸部821が形成されている。
リアフレーム370は、リア内周部822を有している。リア内周部822は、上記第1実施形態のリア保持部376とは異なり、モータシール保持部78に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。また、リア内周部822は、上記第1実施形態のリア保持部376とは異なり、モータ側リア溝376aを有していない。
リア内周部822は、リア本体375に設けられている。リア内周部822は、リア本体375の外周端寄りの位置にある。リア内周部822は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。リア内周部822は、リア本体375からモータシール保持部78に向けて軸方向ADに突出している。リア内周部822は、モータ外周凸部821の径方向内側に設けられている。
リア内周部822は、モータシール部402を介してモータシール保持部78に軸方向ADに並ぶ位置にある。リア内周部822とモータシール保持部78とは、モータシール部402を軸方向ADに押圧した状態になっている。モータシール部402は、リア内周部822及びモータシール保持部78の押圧力により軸方向ADに潰れるように弾性変形している。モータシール部402は、弾性変形に伴う復元力によりリア内周部822及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
モータ外周凸部821は、モータシール部402が径方向外側に位置ずれすることを規制している。また、モータ外周凸部821は、リア内周部822が径方向外側に位置ずれすることを規制している。モータ外周凸部821は、径方向RDにおいてリア内周部822の位置を決める位置決め部になっている。
本実施形態によれば、モータシール保持部78とリア内周部822とがモータシール部402を軸方向ADに挟み込んだ状態になっている。このため、モータシール部402がモータシール保持部78及びリア内周部822から軸方向ADにはみ出すということを抑制できる。しかも、モータシール部402が径方向外側に移動することがモータ外周凸部821により規制されている。このため、モータシール部402がモータシール保持部78及びリア内周部822から径方向外側にはみ出すということを抑制できる。
なお、本実施形態では、リア内周部822等の対象保持部が、モータハウジング70の内部に入り込むようにしてモータシール保持部78との間にモータシール部402を保持していた。これについて、モータシール保持部78が、リアフレーム370の内部に入り込むようにしてリア内周部822等の対象保持部との間にモータシール部402を保持してもよい。
<第25実施形態>
上記第24実施形態では、モータシール部402が径方向外側に移動することがモータハウジング70により規制されていた。これに対して、第25実施形態では、モータシール部402が径方向内側に移動することがモータハウジング70により規制されている。第25実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第25実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図162に示すように、モータハウジング70は、モータ内周凸部823を有している。図162においては、インバータ装置80及びユニットダクト100などの図示を省略している。
モータ内周凸部823は、ハウジング本体71においてモータシール保持部78に設けられた凸部である。モータ内周凸部823は、ハウジング本体71からリアフレーム370に向けて軸方向ADに突出している。モータ内周凸部823は、モータシール保持部78の径方向内側に設けられている。モータ内周凸部823は、モータ外周面70aから径方向内側に離れた位置に設けられている。ハウジング本体71においては、モータ内周凸部823とモータ外周面70aとの間にある部位がモータシール保持部78である。モータ内周凸部823は、モータ内周面70bから軸方向ADに延びている。モータ内周凸部823は、モータ内周面70bに沿って周方向CDに環状に延びている。本実施形態では、モータシール保持部78がモータ外周面70aを形成していることで、上記第1実施形態と同様に、モータ外周面70aがモータシール保持部78の径方向外側にある。
本実施形態では、モータ内周凸部823とハウジング本体71とが一体的に形成されている。モータ内周凸部823は、ハウジング本体71に含まれており、例えばハウジング本体71におけるインバータ装置80側の端部を形成している。モータ内周凸部823の外面は、モータ内周面70bに含まれている。モータハウジング70においては、ハウジング本体71に設けられた切り欠き部によりモータシール保持部78及びモータ内周凸部823が形成されている。
リアフレーム370は、リア外周部824を有している。リア外周部824は、上記第24実施形態のリア内周部822と同様に、モータシール保持部78に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。また、リア外周部824は、上記第24実施形態のリア保持部376と同様に、モータ側リア溝376aを有していない。
リア外周部824は、リア本体375に設けられている。リア外周部824は、リア本体375の外周端に設けられており、リア外周面370aを形成している。このため、リア外周部824は、リア露出部377でもある。リア外周部824は、モータ外周面70aに沿って周方向CDに環状に延びている。リア外周部824は、リア本体375からモータシール保持部78に向けて軸方向ADに突出している。リア外周部824は、モータ内周凸部823の径方向外側に設けられている。
リア外周部824は、モータシール部402を介してモータシール保持部78に軸方向ADに並ぶ位置にある。リア外周部824とモータシール保持部78とは、モータシール部402を軸方向ADに押圧した状態になっている。モータシール部402は、リア外周部824及びモータシール保持部78の押圧力により軸方向ADに潰れるように弾性変形している。モータシール部402は、弾性変形に伴う復元力によりリア外周部824及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
本実施形態では、モータ外周面70aとリア外周面370aとがモータシール部402を介して軸方向ADに連続して並んでいる。モータシール部402のシール外周面は、モータ外周面70a及びリア外周面370aに面一になっている。シール外周面は、モータシール部402において径方向外側の面である。シール外周面と外周面70a,370aとは、径方向RDに揃った位置にある。シール外周面と外周面70a,370aとは、径方向RDに多少ずれた位置にあっても、軸方向ADに連続して並んでいることになる。このように、モータ外周面70aとシール外周面との間に段差面が生じないように、且つリア外周面370aとシール外周面との間に段差面が生じないようになっている。また、モータ外周面70aとシール外周面が軸方向ADに並んだ構成は、モータ外周面70aがモータシール部402の外側に設けられた構成に含まれる。
モータ内周凸部823は、モータシール部402が径方向内側に位置ずれすることを規制している。また、モータ内周凸部823は、リア外周部824が径方向内側に位置ずれすることを規制している。モータ内周凸部823は、径方向RDにおいてリア外周部824の位置を決める位置決め部になっている。
本実施形態によれば、モータシール保持部78とリア外周部824とがモータシール部402を軸方向ADに挟み込んだ状態になっている。このため、モータシール部402がモータシール保持部78及びリア外周部824から軸方向ADにはみ出すということを抑制できる。しかも、モータシール部402が径方向内側に移動することがモータ内周凸部823により規制されている。このため、モータシール部402がモータシール保持部78及びリア外周部824から径方向外側にはみ出すということを抑制できる。
なお、本実施形態では、リア外周部824等の対象保持部が、モータハウジング70の内部に入り込むようにしてモータシール保持部78との間にモータシール部402を保持していた。これについて、モータシール保持部78が、リアフレーム370の内部に入り込むようにしてリア外周部824等の対象保持部との間にモータシール部402を保持してもよい。
<第26実施形態>
上記第1実施形態では、モータハウジング70に固定される固定対象がリアフレーム370であった。これに対して、第26実施形態では、モータハウジング70に固定される固定対象がインバータハウジング90である。第26実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第26実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図163に示すように、モータハウジング70とインバータハウジング90とは、リアフレーム370を介さずに固定されている。具体的には、モータハウジング70が有するハウジング本体71と、インバータハウジング90が有するハウジング本体91とは、リアフレーム370を介さずに軸方向ADに隣接している。ハウジング本体71,91は、それぞれの端部が互いに接触している。インバータ装置80は、モータ装置60に供給される電力を変換することが可能であり、電力変換装置に相当する。インバータハウジング90は、モータハウジング70に沿って周方向CDに延びており、装置ハウジングに相当する。ハウジング本体91は、モータハウジング70が有するハウジング本体71に沿って周方向CDに延びている。ハウジング本体91は、インバータ外周壁と称されることがある。
モータ装置ユニット50は、インバータ内周保持部825及びハウジングシール部828を有している。インバータ内周保持部825は、インバータ装置80に含まれている。ハウジングシール部828は、上記第1実施形態のシール部402,403と同様に、弾性変形可能なシール部材であり、樹脂材料等により形成されている。ハウジングシール部828は、例えばOリングである。ハウジングシール部828は、環状に形成されており、周方向CDに沿って延びている。
ハウジングシール部828は、モータハウジング70とインバータハウジング90との間に挟み込まれた状態になっている。ハウジングシール部828は、モータハウジング70とインバータハウジング90との隙間を塞いでいる。ハウジングシール部828は、モータ外周面70aに沿って環状に延びている。
モータシール保持部78及びインバータ内周保持部825は、ハウジングシール部828を保持しており、ハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、モータシール保持部78とインバータ内周保持部825との間に挟み込まれており、これら保持部78,825の隙間を塞いでいる。
インバータ内周保持部825は、インバータハウジング90に含まれている。インバータ内周保持部825は、ハウジング本体91に設けられている。インバータ内周保持部825は、ハウジング本体91の内周側に設けられている。インバータ内周保持部825は、インバータ内周面90bから径方向内側に突出しており、ハウジング本体91からモータハウジング70に向けて軸方向ADに延びている。インバータ内周保持部825は、ハウジング本体71,91に軸方向ADにかけ渡された状態になっている。インバータ内周保持部825は、モータ内周面70bに重ねられている。インバータ内周保持部825は、対象保持部に相当する。
インバータ内周保持部825は、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。インバータ内周保持部825は、ハウジングシール部828を介してモータシール保持部78の径方向内側にある。インバータ内周保持部825とモータシール保持部78とは、ハウジングシール部828を径方向RDに押圧した状態になっている。ハウジングシール部828は、インバータ内周保持部825及びモータシール保持部78の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。ハウジングシール部828は、弾性変形に伴う復元力によりインバータ内周保持部825及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
インバータ内周保持部825は、インバータ内周溝825aを有している。インバータ内周溝825aは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。インバータ内周溝825aは、モータ内周面70bに沿って周方向CDに溝状に延びている。インバータ内周溝825aは、インバータ内周保持部825の周りを周方向CDに一周するように設けられている。
インバータ内周溝825aは、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。インバータ内周溝825aは、ハウジングシール部828が入り込むことが可能な凹部である。ハウジングシール部828は、インバータ内周溝825aの内部に入り込んだ状態で、モータシール保持部78とインバータ内周保持部825との隙間を塞いでいる。インバータ内周保持部825は、モータシール保持部78及びインバータ内周保持部825に対するハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、ハウジングシール部828の弾性変形に伴う復元力によりインバータ内周保持部825及びモータシール保持部78の両方に密着している。具体的には、ハウジングシール部828は、モータ内周面70bとインバータ内周溝825aの内面とのそれぞれに密着している。インバータ内周溝825aは対象凹部に相当する。
モータ装置ユニット50においては、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとが軸方向ADに連続して並んでいる。モータ外周面70aとインバータ外周面90aとは、面一になっており、同一面を形成している。モータ外周面70aとインバータ外周面90aとは、径方向RDに揃った位置にある。モータ外周面70aとインバータ外周面90aとは、径方向RDに多少ずれた位置にあっても、軸方向ADに連続して並んでいることになる。このように、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとの境界部には段差面が生じないようになっている。インバータ外周面90aが対象外周面に相当する。
電力引出線212は、インバータ内周保持部825を径方向内側に避けるように曲がった形状になっている。電力引出線212においては、外周引出部212aがインバータ内周保持部825に軸方向ADに並ぶ位置にある。外周引出部212aは、インバータ内周保持部825に向けて軸方向ADに延びている。交差引出部212cは、径方向RDにおいてインバータ内周保持部825から第1ロータ300a側に離間した位置にある。交差引出部212cは、インバータ内周保持部825と第1ロータ300aとの間を通るように径方向内側に向けて延びている。交差引出部212cは、インバータ内周保持部825よりも径方向内側に突出した状態になっている。内周引出部212bは、インバータ内周保持部825に径方向RDに並ぶ位置にある。内周引出部212bは、インバータ内周保持部825から径方向内側に離れた位置にある。
モータ装置ユニット50の外側を流れる気体には、気流Fb2として外周面70a,90aに沿って流れる気体が含まれている。気流Fb2は、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとの境界部を軸方向ADに通過する。この境界部では、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとが連続した面になっていることで気流Fb2に乱れが生じにくくなっている。
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、インバータ外周面90aに軸方向ADに連続して並ぶように設けられている。この構成では、軸方向ADに流れる気流Fb2がモータ外周面70aとインバータ外周面90aとの境界部を通過することで乱れる、ということが生じにくい。さらに、モータ外周面70aが径方向RDにおいてモータシール保持部78の外側に設けられているため、気流Fb2がモータシール保持部78を通過することで乱れる、ということが生じにくい。したがって、モータフィン72に沿って流れる気体の量が気流Fb2の乱れにより減少するなどしてモータフィン72の放熱効果が低減する、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、ハウジングシール部828がインバータ内周溝825aに径方向外側から入り込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828が軸方向ADに位置ずれすることをインバータ内周溝825aにより規制できる。
本実施形態によれば、インバータ内周保持部825は、モータ内周面70bの径方向内側に設けられている。この構成では、インバータ内周保持部825をモータ外周面70aから径方向外側に突出させる必要がない。このため、インバータ外周面90aがモータ外周面70aから径方向外側に突出しないように、インバータ外周面90aとモータ外周面70aとを軸方向ADに並べることができる。
本実施形態によれば、インバータ内周保持部825は、モータシール保持部78の径方向内側に設けられている。この構成では、インバータ内周保持部825がモータ内周面70bの径方向内側に設けられた構成と同様に、インバータ内周保持部825をモータ外周面70aから径方向外側に突出させる必要がない。このため、インバータ外周面90aがモータ外周面70aから径方向外側に突出しないように、インバータ外周面90aとモータ外周面70aとを軸方向ADに連続するように並べることができる。
本実施形態では、モータシール保持部78とインバータ内周保持部825とがハウジングシール部828を径方向RDに挟み込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828がモータシール保持部78及びインバータ内周保持部825から径方向RDにはみ出すということを抑制できる。
本実施形態によれば、インバータハウジング90が固定対象としてモータハウジング70に固定されている。この構成では、インバータ外周面90aとモータ外周面70aとが軸方向ADに連続して並んでいることで、インバータ装置80とモータ装置60との境界部で気流Fb2が乱れるということを抑制できる。
<第27実施形態>
上記第26実施形態では、インバータハウジング90の一部がモータ内周面70bから径方向内側に突出していた。これに対して、第27実施形態では、モータハウジング70の一部がモータ内周面70bから径方向内側に突出している。第27実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第26実施形態と同様である。第27実施形態では、上記第26実施形態と異なる点を中心に説明する。
図164に示すように、モータ装置ユニット50は、上記第26実施形態のインバータ内周保持部825に代えて、モータ内周保持部826を有している。モータ内周保持部826は、モータ装置60に含まれている。また、インバータハウジング90は、上記第1実施形態と同様に、インバータシール保持部98を有している。
インバータシール保持部98及びモータ内周保持部826は、ハウジングシール部828を保持しており、ハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、インバータシール保持部98とモータ内周保持部826との間に挟み込まれており、これら保持部98,826の隙間を塞いでいる。モータ内周保持部826は、シール保持部に相当する。
モータ内周保持部826は、モータハウジング70に含まれている。モータ内周保持部826は、ハウジング本体71に設けられている。モータ内周保持部826は、ハウジング本体71の内周側に設けられている。モータ内周保持部826は、モータ内周面70bから径方向内側に突出しており、ハウジング本体71からインバータハウジング90に向けて軸方向ADに延びている。モータ内周保持部826は、ハウジング本体71,91に軸方向ADにかけ渡された状態になっている。モータ内周保持部826は、インバータ内周面90bに重ねられている。
モータ内周保持部826は、インバータシール保持部98に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。モータ内周保持部826は、ハウジングシール部828を介してインバータシール保持部98の径方向内側にある。モータ内周保持部826とインバータシール保持部98とは、ハウジングシール部828を径方向RDに押圧した状態になっている。ハウジングシール部828は、モータ内周保持部826及びインバータシール保持部98の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。ハウジングシール部828は、弾性変形に伴う復元力によりモータ内周保持部826及びインバータシール保持部98に密着した状態になっている。
モータ内周保持部826は、モータ内周溝826aを有している。モータ内周溝826aは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。モータ内周溝826aは、インバータ内周面90bに沿って周方向CDに溝状に延びている。モータ内周溝826aは、モータ内周保持部826の周りを周方向CDに一周するように設けられている。
モータ内周溝826aは、インバータシール保持部98に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。モータ内周溝826aは、ハウジングシール部828が入り込むことが可能な凹部である。ハウジングシール部828は、モータ内周溝826aの内部に入り込んだ状態で、インバータシール保持部98とモータ内周保持部826との隙間を塞いでいる。モータ内周保持部826は、インバータシール保持部98及びモータ内周保持部826に対するハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、ハウジングシール部828の弾性変形に伴う復元力によりモータ内周保持部826及びインバータシール保持部98の両方に密着している。具体的には、ハウジングシール部828は、インバータ内周面90bとモータ内周溝826aの内面とのそれぞれに密着している。
電力引出線212は、モータ内周保持部826を径方向内側に避けるように曲がった形状になっている。電力引出線212においては、外周引出部212aがモータ内周保持部826に軸方向ADに並ぶ位置にある。外周引出部212aは、モータ内周保持部826に向けて軸方向ADに延びている。交差引出部212cは、径方向RDにおいてモータ内周保持部826から第1ロータ300a側に離間した位置にある。交差引出部212cは、モータ内周保持部826と第1ロータ300aとの間を通るように径方向内側に向けて延びている。交差引出部212cは、モータ内周保持部826よりも径方向内側に突出した状態になっている。内周引出部212bは、モータ内周保持部826に径方向RDに並ぶ位置にある。内周引出部212bは、モータ内周保持部826から径方向内側に離れた位置にある。
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、モータ内周保持部826の外側に設けられている。この構成では、軸方向ADに流れる気流Fb2がインバータシール保持部98を通過することで乱れる、ということが生じにくい。したがって、モータ内周保持部826によりモータフィン72の放熱効果が低減する、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、ハウジングシール部828がモータ内周溝826aに径方向外側から入り込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828が軸方向ADに位置ずれすることをモータ内周溝826aにより規制できる。
本実施形態によれば、モータ内周保持部826は、モータ内周面70bよりも径方向内側に突出している。モータハウジング70においては、ハウジング本体71を径方向RDに薄くすることで、インバータ内周保持部825がモータ内周面70bよりも径方向内側に突出する構成を実現できる。このため、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとが軸方向ADに連続して並び、且つモータ外周面70aがモータシール保持部78の径方向外側にある構成を実現する上で、ハウジング本体71の薄型化を図ることができる。
本実施形態では、インバータシール保持部98とモータ内周保持部826とがハウジングシール部828を径方向RDに挟み込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828がインバータシール保持部98及びモータ内周保持部826から径方向RDにはみ出すということを抑制できる。
<第28実施形態>
上記第26実施形態では、モータハウジング70に固定される固定対象がインバータハウジング90であった。これに対して、第28実施形態では、モータハウジング70に固定される固定対象が他のモータ装置が有するモータハウジングである。第28実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第26実施形態と同様である。第28実施形態では、上記第26実施形態と異なる点を中心に説明する。
図165に示すように、モータ装置ユニット50は、他のモータ装置として、第2モータ装置830を有している。第2モータ装置830が他の回転電機に相当する。第2モータ装置830は、モータ装置60と同様の構成になっている。例えば、第2モータ装置830は、第2モータ831及び第2モータハウジング832を有している。第2モータ831は、モータ61と同様にロータ及びステータ等を有している。第2モータ831は、例えばアキシャルギャップ式及びダブルロータ式の回転電機である。第2モータ831は、第2モータハウジング832に収容されている。第2モータハウジング832はハウジングに相当する。
第2モータハウジング832は、第2ハウジング本体833及び第2モータフィン834を有している。第2ハウジング本体833及び第2モータフィン834は、ハウジング本体71及びモータフィン72と同様の構成になっている。第2ハウジング本体833は、第2モータハウジング832の第2モータ外周面832a及び第2モータ内周面832bを形成している。第2モータフィン834は、第2モータ外周面832aに設けられている。
本実施形態では、ハウジングシール部828がモータハウジング70と第2モータハウジング832との間に挟み込まれた状態になっている。ハウジングシール部828は、モータハウジング70と第2モータハウジング832との隙間を塞いでいる。ハウジングシール部828は、第2モータ外周面832aに沿って環状に延びている。
第2モータハウジング832は、第2内周保持部835を有している。モータシール保持部78及び第2内周保持部835は、ハウジングシール部828を保持しており、ハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、モータシール保持部78と第2内周保持部835との間に挟み込まれており、これら保持部78,835の隙間を塞いでいる。
第2内周保持部835は、第2モータハウジング832に含まれている。第2内周保持部835は、第2ハウジング本体833に設けられている。第2内周保持部835は、第2ハウジング本体833の内周側に設けられている。第2内周保持部835は、第2モータ内周面832bから径方向内側に突出しており、第2ハウジング本体833からモータハウジング70に向けて軸方向ADに延びている。第2内周保持部835は、ハウジング本体71,833に軸方向ADにかけ渡された状態になっている。第2内周保持部835は、モータ内周面70bに重ねられている。第2内周保持部835は、対象保持部に相当する。
第2内周保持部835は、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。第2内周保持部835は、ハウジングシール部828を介してモータシール保持部78の径方向内側にある。第2内周保持部835とモータシール保持部78とは、ハウジングシール部828を径方向RDに押圧した状態になっている。ハウジングシール部828は、第2内周保持部835及びモータシール保持部78の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。ハウジングシール部828は、弾性変形に伴う復元力により第2内周保持部835及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
第2内周保持部835は、第2内周溝835aを有している。第2内周溝835aは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。第2内周溝835aは、モータ内周面70bに沿って周方向CDに溝状に延びている。第2内周溝835aは、第2内周保持部835の周りを周方向CDに一周するように設けられている。
第2内周溝835aは、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。第2内周溝835aは、ハウジングシール部828が入り込むことが可能な凹部である。ハウジングシール部828は、第2内周溝835aの内部に入り込んだ状態で、モータシール保持部78と第2内周保持部835との隙間を塞いでいる。第2内周保持部835は、モータシール保持部78及び第2内周保持部835に対するハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、ハウジングシール部828の弾性変形に伴う復元力により第2内周保持部835及びモータシール保持部78の両方に密着している。具体的には、ハウジングシール部828は、モータ内周面70bと第2内周溝835aの内面とのそれぞれに密着している。第2内周溝835aは対象凹部に相当する。
モータ装置ユニット50においては、モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとが軸方向ADに連続して並んでいる。モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとは、面一になっており、同一面を形成している。モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとは、径方向RDに揃った位置にある。モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとは、径方向RDに多少ずれた位置にあっても、軸方向ADに連続して並んでいることになる。このように、モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとの境界部には段差面が生じないようになっている。第2モータ外周面832aが対象外周面に相当する。
電力引出線212は、第2内周保持部835を径方向内側に避けるように曲がった形状になっている。電力引出線212においては、外周引出部212aが第2内周保持部835に軸方向ADに並ぶ位置にある。外周引出部212aは、第2内周保持部835に向けて軸方向ADに延びている。交差引出部212cは、径方向RDにおいて第2内周保持部835から第1ロータ300a側に離間した位置にある。交差引出部212cは、第2内周保持部835と第1ロータ300aとの間を通るように径方向内側に向けて延びている。交差引出部212cは、第2内周保持部835よりも径方向内側に突出した状態になっている。内周引出部212bは、第2内周保持部835に径方向RDに並ぶ位置にある。内周引出部212bは、第2内周保持部835から径方向内側に離れた位置にある。
モータ装置ユニット50の外側を流れる気体には、気流Fb3として外周面70a,832aに沿って流れる気体が含まれている。気流Fb3は、モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとの境界部を軸方向ADに通過する。この境界部では、モータ外周面70aと第2モータ外周面832aとが連続した面になっていることで気流Fb3に乱れが生じにくくなっている。
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、第2モータ外周面832aに軸方向ADに連続して並ぶように設けられている。この構成では、軸方向ADに流れる気流Fb3がモータ外周面70aと第2モータ外周面832aとの境界部を通過することで乱れる、ということが生じにくい。さらに、モータ外周面70aが径方向RDにおいてモータシール保持部78の外側に設けられているため、気流Fb3がモータシール保持部78を通過することで乱れる、ということが生じにくい。したがって、モータフィン72に沿って流れる気体の量が気流Fb3の乱れにより減少するなどしてモータフィン72の放熱効果が低減する、ということを抑制できる。
本実施形態によれば、ハウジングシール部828が第2内周溝835aに径方向外側から入り込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828が軸方向ADに位置ずれすることを第2内周溝835aにより規制できる。
本実施形態によれば、第2内周保持部835は、モータ内周面70bの径方向内側に設けられている。この構成では、第2内周保持部835をモータ外周面70aから径方向外側に突出させる必要がない。このため、第2モータ外周面832aがモータ外周面70aから径方向外側に突出しないように、第2モータ外周面832aとモータ外周面70aとを軸方向ADに並べることができる。
本実施形態によれば、第2内周保持部835は、モータシール保持部78の径方向内側に設けられている。この構成では、第2内周保持部835がモータ内周面70bの径方向内側に設けられた構成と同様に、第2内周保持部835をモータ外周面70aから径方向外側に突出させる必要がない。このため、第2モータ外周面832aがモータ外周面70aから径方向外側に突出しないように、第2モータ外周面832aとモータ外周面70aとを軸方向ADに連続するように並べることができる。
本実施形態では、モータシール保持部78と第2内周保持部835とがハウジングシール部828を径方向RDに挟み込んだ状態になっている。このため、ハウジングシール部828がモータシール保持部78及び第2内周保持部835から径方向RDにはみ出すということを抑制できる。
本実施形態によれば、第2モータハウジング832が固定対象としてモータハウジング70に固定されている。この構成では、第2モータ外周面832aとモータ外周面70aとが軸方向ADに連続して並んでいることで、第2モータ装置830とモータ装置60との境界部で気流Fb3が乱れるということを抑制できる。
<第29実施形態>
第29実施形態では、モータ装置60が送風装置を有している。第29実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第29実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図166に示すように、モータ装置60は、送風ファン840を有している。送風ファン840は、軸方向ADにおいてモータハウジング70に並べられている。送風ファン840は、モータ外周面70aに沿って軸方向ADに気体が流れるように送風する。送風ファン840は、例えば軸方向ADにおいてモータ装置60を介してインバータ装置80とは反対側に設けられている。送風ファン840は、例えば気流Fa4がインバータ外周面90aからモータ外周面70aに向けて流れるように送風する。送風ファン840は、送風することでモータ装置60を外周側から冷却することが可能である。送風ファン840が送風装置に相当する。
送風ファン840は、回転することで送風する。送風ファン840は、モータ装置60により駆動回転される。送風ファン840は、シャフト340に取り付けられており、シャフト340と共に回転する。送風ファン840は、モータ装置60の駆動に伴ってモータ装置60の冷却を行う。送風ファン840は、ユニットダクト100に収容されている。ユニットダクト100においては、送風ファン840の送風によりダクト流路105に気流Fa4が流れる。
本実施形態によれば、送風ファン840の送風によりモータ外周面70aに沿って軸方向ADに気流Fa4が流れる。このため、気流Fa4としてモータフィン72及びモータ外周面70aに沿って流れる気体が多くなりやすい。したがって、モータフィン72及びモータ外周面70aによる放熱効果を送風ファン840により高めることができる。
<第30実施形態>
上記第27実施形態では、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとが軸方向ADに連続して並べられていた。これに対して、第30実施形態では、モータ外周面70aがインバータ外周面90aよりも径方向内側に設けられている。第30実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第27実施形態と同様である。第30実施形態では、上記第27実施形態と異なる点を中心に説明する。
図167に示すように、モータハウジング70がインバータハウジング90の径方向内側に入り込んだ状態になっている。インバータハウジング90は、インバータ段差面846を有している。インバータ段差面846は、インバータハウジング90においてモータ装置60側の端面により形成されている。インバータ段差面846は、軸方向ADに直交する方向に延びている。インバータ段差面846は、径方向RDにおいてモータ外周面70aとインバータ外周面90aとにかけ渡された状態になっている。インバータ段差面846は、軸方向ADのうちモータ外周面70a側を向いている。インバータ段差面846は、軸方向ADにおいてモータ外周面70aとインバータ外周面90aとの境界部に設けられている。
モータハウジング70は、モータ重複保持部845を有している。インバータハウジング90は、上記第27実施形態と同様に、インバータシール保持部98を有している。モータ重複保持部845及びインバータシール保持部98は、ハウジングシール部828を保持しており、ハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、モータ重複保持部845とインバータシール保持部98との間に挟み込まれており、これら保持部845,98の隙間を塞いでいる。モータ重複保持部845は、シール保持部に相当する。
モータ重複保持部845は、モータハウジング70に含まれている。モータ重複保持部845は、ハウジング本体71に設けられている。本実施形態では、モータ重複保持部845とハウジング本体71とが一体的に形成されている。モータ重複保持部845は、ハウジング本体71に含まれており、例えばハウジング本体71におけるインバータ装置80側の端部を形成している。また、モータ重複保持部845の外周面及び内周面は、モータ外周面70a及びモータ内周面70bに含まれている。モータ重複保持部845は、インバータ内周面90bに重ねられている。
モータ重複保持部845は、インバータシール保持部98に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。モータ重複保持部845は、ハウジングシール部828を介してインバータシール保持部98の径方向内側にある。モータ重複保持部845とインバータシール保持部98とは、ハウジングシール部828を径方向RDに押圧した状態になっている。ハウジングシール部828は、モータ重複保持部845及びインバータシール保持部98の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。ハウジングシール部828は、弾性変形に伴う復元力によりモータ重複保持部845及びインバータシール保持部98に密着した状態になっている。
モータ重複保持部845は、モータ重複溝845aを有している。モータ重複溝845aは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。モータ重複溝845aは、インバータ内周面90bに沿って周方向CDに溝状に延びている。モータ重複溝845aは、モータ重複保持部845の周りを周方向CDに一周するように設けられている。
モータ重複溝845aは、インバータシール保持部98に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。モータ重複溝845aは、ハウジングシール部828が入り込むことが可能な凹部である。ハウジングシール部828は、モータ重複溝845aの内部に入り込んだ状態で、インバータシール保持部98とモータ重複保持部845との隙間を塞いでいる。モータ重複保持部845は、インバータシール保持部98及びモータ重複保持部845に対するハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、ハウジングシール部828の弾性変形に伴う復元力によりモータ重複保持部845及びインバータシール保持部98の両方に密着している。具体的には、ハウジングシール部828は、インバータ内周面90bとモータ重複溝845aの内面とのそれぞれに密着している。
本実施形態では、インバータ外周面90aからモータ外周面70aに向けて軸方向ADに気体が流れるようになっている。例えば、インバータ外周面90aからモータ外周面70aに向けて気体が流れるように駆動する送風ファン840等の送風装置が設けられている。インバータ外周面90aからモータ外周面70aに向けた気体の流れには、気流Fb4が含まれている。インバータ外周面90aに沿って流れる気流Fb4は、インバータ段差面846を越えてモータ外周面70a側に到達する。気流Fb4にとってはインバータ段差面846が下流側を向いている。インバータ段差面846の向きは、気流Fb4の流れを阻害しないように設定されている。
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、インバータ外周面90aから径方向内側に離れるように設けられている。この構成では、インバータ外周面90aからモータ外周面70aに向けて軸方向ADに流れる気流Fb4がインバータ段差面846に当たる、ということを回避できる。このため、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとの間にインバータ段差面846が存在していても、このインバータ段差面846により気流Fb4が乱れるということが生じにくい。したがって、インバータ段差面846の向きによりモータ装置60の放熱効果を高めることができる。
<第31実施形態>
上記第30実施形態では、モータ外周面70aがインバータ外周面90aよりも径方向内側に設けられていた。これに対して、第31実施形態では、インバータ外周面90aがモータ外周面70aよりも径方向内側に設けられている。第31実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第30実施形態と同様である。第31実施形態では、上記第30実施形態と異なる点を中心に説明する。
図168に示すように、インバータハウジング90がモータハウジング70の径方向内側に入り込んだ状態になっている。モータハウジング70は、モータ段差面848を有している。モータ段差面848は、モータハウジング70においてインバータ装置80側の端面により形成されている。モータ段差面848は、軸方向ADに直交する方向に延びている。モータ段差面848は、径方向RDにおいてモータ外周面70aとインバータ外周面90aとにかけ渡された状態になっている。モータ段差面848は、軸方向ADのうちインバータ外周面90a側を向いている。モータ段差面848は、軸方向ADにおいてモータ外周面70aとインバータ外周面90aとの境界部に設けられている。
モータハウジング70は、インバータ重複保持部847を有している。インバータハウジング90は、上記第26実施形態と同様に、モータシール保持部78を有している。インバータ重複保持部847及びモータシール保持部78は、ハウジングシール部828を保持しており、ハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、インバータ重複保持部847とモータシール保持部78との間に挟み込まれており、これら保持部847,78の隙間を塞いでいる。インバータ重複保持部847は、シール保持部に相当する。
インバータ重複保持部847は、モータハウジング70に含まれている。インバータ重複保持部847は、ハウジング本体91に設けられている。本実施形態では、インバータ重複保持部847とハウジング本体91とが一体的に形成されている。インバータ重複保持部847は、ハウジング本体91に含まれており、例えばハウジング本体91におけるモータ装置60側の端部を形成している。また、インバータ重複保持部847の外周面及び内周面は、インバータ外周面90a及びインバータ内周面90bに含まれている。インバータ重複保持部847は、モータ内周面70bに重ねられている。
インバータ重複保持部847は、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。インバータ重複保持部847は、ハウジングシール部828を介してモータシール保持部78の径方向内側にある。インバータ重複保持部847とモータシール保持部78とは、ハウジングシール部828を径方向RDに押圧した状態になっている。ハウジングシール部828は、インバータ重複保持部847及びモータシール保持部78の押圧力により径方向RDに潰れるように弾性変形している。ハウジングシール部828は、弾性変形に伴う復元力によりインバータ重複保持部847及びモータシール保持部78に密着した状態になっている。
インバータ重複保持部847は、インバータ重複溝847aを有している。インバータ重複溝847aは、径方向内側に向けて凹んだ凹部であり、径方向外側に向けて開放されている。インバータ重複溝847aは、モータ内周面70bに沿って周方向CDに溝状に延びている。インバータ重複溝847aは、インバータ重複保持部847の周りを周方向CDに一周するように設けられている。
インバータ重複溝847aは、モータシール保持部78に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。インバータ重複溝847aは、ハウジングシール部828が入り込むことが可能な凹部である。ハウジングシール部828は、インバータ重複溝847aの内部に入り込んだ状態で、モータシール保持部78とインバータ重複保持部847との隙間を塞いでいる。インバータ重複保持部847は、モータシール保持部78及びインバータ重複保持部847に対するハウジングシール部828の位置ずれを規制している。ハウジングシール部828は、ハウジングシール部828の弾性変形に伴う復元力によりインバータ重複保持部847及びモータシール保持部78の両方に密着している。具体的には、ハウジングシール部828は、モータ内周面70bとインバータ重複溝847aの内面とのそれぞれに密着している。
本実施形態では、モータ外周面70aからインバータ外周面90aに向けて軸方向ADに気体が流れるようになっている。例えば、モータ外周面70aからインバータ外周面90aに向けて気体が流れるように駆動する送風ファン840等の送風装置が設けられている。モータ外周面70aからインバータ外周面90aに向けた気体の流れには、気流Fb5が含まれている。モータ外周面70aに沿って流れる気流Fb5は、モータ段差面848を越えてインバータ外周面90a側に到達する。気流Fb5にとってはモータ段差面848が下流側を向いている。モータ段差面848の向きは、気流Fb5の流れを阻害しないように設定されている。
本実施形態によれば、モータ外周面70aは、インバータ外周面90aから径方向外側に離れるように設けられている。この構成では、モータ外周面70aからインバータ外周面90aに向けて軸方向ADに流れる気流Fb5がモータ段差面848に当たる、ということを回避できる。このため、モータ外周面70aとインバータ外周面90aとの間にモータ段差面848が存在していても、このモータ段差面848により気流Fb5が乱れるということが生じにくい。したがって、モータ段差面848の向きによりモータ装置60の放熱効果を高めることができる。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
<構成群A>
上記各実施形態において、バスバユニット260と中性点バスバ290とは、軸方向AD、径方向RD及び周方向CDの少なくとも1つの方向において離間していればよい。また、電力バスバ261はバスバ保護部270により保護されていなくてもよい。この構成でも、中性点バスバ290がステータ側空間S1に設けられ、電力バスバ261がインバータ側空間S2に設けられていれば、これら電力バスバ261と中性点バスバ290との絶縁信頼性が低下しにくくなっている。また、電力バスバ261及び中性点バスバ290のうち一方がステータ側空間S1に設けられ、他方がインバータ側空間S2に設けられていればよい。
<構成群B>
上記各実施形態において、一対の内軸磁石312a,312bは、モータ軸線Cmに対して傾斜するように配向されていれば、周方向CDにおいて互いに反対側を向くように配向されていてもよい。一対の外軸磁石313a,313bは、モータ軸線Cmに対して傾斜するように配向されていれば、周方向CDにおいて互いに向かい合うように配向されていてもよい。一対の内軸磁石312a,312b及び一対の外軸磁石313a,313bは、モータ軸線Cmに対して径方向RDに傾斜していてもよい。
<構成群C>
上記各実施形態において、モータハウジング70において、コイル部215は、ステータ保持部171の位置に関係なく配置されていてもよい。例えば、コイル部215は、軸保持部174から周方向CDにずれた位置に設けられていてもよい。また、モータハウジング70において、コイル保護部250が内周面70bに接触していれば、内周面70bにステータ保持部171が設けられていなくてもよい。
<構成群D>
上記各実施形態において、モータ装置60とインバータ装置80とでハウジングが共通化されていてもよい。例えば、モータ61及びインバータ81が1つのハウジングに収容されていてもよい。また、ユニットハウジング51においては、モータフィン72及びインバータフィン92のすくナックとも一方が設けられていればよい。ユニットハウジング51においては、コイル保護部250が内周面70bから離間した位置に設けられていてもよい。
<構成群E>
上記各実施形態において、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周引出部212aよりも電力バスバ261側に向けて延びていればよい。例えば上記第1実施形態において、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて内周屈曲部212eよりも電力バスバ261側に向けて延びていてもよい。また、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて外周屈曲部212dよりも電力バスバ261側に向けて延びていなくてもよい。すなわち、外グロメット部258は、軸方向ADにおいて交差引出部212cに達していなくてもよい。
上記各実施形態において、交差引出部212cは、外周引出部212aに対して交差していれば、径方向RDに延びていてもよく、周方向CDに延びていてもよい。
上記各実施形態において、外グロメット部258等の外側絶縁部は、外周引出部212aとモータ内周面70bとの間に入り込んでいれば、モータ内周面70bに固定されていなくてもよい。例えば外側絶縁部は、モータ内周面70bから径方向内側に離間した位置に設けられていてもよい。また、外側絶縁部は、外周引出部212aから径方向外側に離間した位置に設けられていてもよい。モータ内周面70b及び外周引出部212aに対する位置についての変形例は、外側絶縁部と同様に、引出絶縁部及び外側保護部についても適用される。
<構成群F>
上記各実施形態において、ホルダリブ323は、少なくとも一部が磁石310に軸方向ADに並ぶ位置にあれば、磁石310に対してどの位置に設けられていてもよい。例えば、ホルダリブ323は、径方向内側及び径方向外側の少なくとも一方に向けて磁石310よりも延びていてもよい。また、ホルダリブ323は、径方向内側及び径方向外側のいずれにおいても磁石310よりも延びていなくてもよい。さらに、磁石310は、径方向内側及び径方向外側の少なくとも一方に向けてホルダリブ323よりも延びていてもよい。
上記各実施形態において、ホルダリブ323は、電力引出線212に向けて空気を送ることができれば、どのような形状になっていてもよい。ホルダリブ323は、径方向RD及び軸方向ADの少なくとも一方に空気を送ることが可能な形状になっていてもよい。例えば、ホルダリブ323においては、径方向RDにおいてリブテーパ部323dがリブ平行部323cよりも長くなっていなくてもよい。また、ホルダリブ323は、軸方向ADにおいてホルダ本体321から先端部に向けて徐々に薄くなっていてもよく、厚くなっていてもよい。例えば周方向CDでのホルダリブ323の幅寸法が、リブ平行部323cに向けて徐々に小さくなっていてもよい。
また、複数のホルダリブ323は、モータ軸線Cmを中心に放射状に延びていなくてもよい。例えば、ホルダリブ323は、モータ軸線Cmから径方向RDにずれた位置に向けてホルダ外周端320bから径方向内側に延びていてもよい。また、ホルダリブ323は、ロータ300に少なくとも1つ含まれていればよい。
上記各実施形態において、ホルダリブ323は、電力引出線212に向けて空気を送ることができれば、ホルダ本体321に対してどの位置に設けられていてもよい。ホルダリブ323は、ホルダ内周端320a及びホルダ外周端320bの少なくとも一方から径方向RDに離間した位置に設けられていてもよい。例えば、ホルダリブ323がホルダ外周端320bから径方向内側に離間した位置に設けられた構成とする。ホルダリブ323は、ホルダ内周端320a及びホルダ外周端320bの少なくとも一方から径方向RDに突出していてもよい。例えば、ホルダリブ323がホルダ外周端320bから径方向外側に向けて突出した構成とする。ホルダリブ323は、径方向RDに複数並べられていてもよい。
上記各実施形態において、第1ロータ300aは、ホルダリブ323により冷却風を生じさせることができれば、どのような形状になっていてもよい。例えば、第1ロータ300aは、遠心ファン、シロッコファン又は軸流ファンのような形状になっていてもよい。
<構成群G>
上記各実施形態において、磁石ユニット316は、少なくとも1つの磁石310を有していればよい。例えば磁石ユニット316が磁石310を1つだけ有している構成では、1つの磁石310が磁石ユニット316に相当する。
上記各実施形態において、磁石固定具335は、固定ブロック330を磁石ホルダ320に固定していれば、どのような構成になっていてもよい。例えば、磁石固定具335は、ブロック孔333を貫通して磁石ホルダ320にねじ込まれていてもよい。この場合、固定頭部337は固定ブロック330からアキシャルギャップ475側に突出していないことが好ましい。
上記各実施形態において、固定ブロック330は、内周テーパ面316dに引っ掛かった状態になっていれば、どのような形状になっていてもよい。例えば、固定ブロック330は、ブロックテーパ面330aを有していなくてもよい。この構成でも、固定ブロック330の一部が内周テーパ面316dに引っ掛かっていればよい。
上記各実施形態において、固定ブロック330は、磁石ユニット316の径方向外側に設けられていてもよい。すなわち、固定ブロック330は、磁石ユニット316の径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方に設けられていてもよい。また、固定ブロック330は、1つの磁石ユニット316に対して複数設けられていてもよい。換言すれば、1つの磁石ユニット316は、複数の固定ブロック330により磁石ホルダ320に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、固定ブロック330を磁石ホルダ320に固定する構成はどのようになっていてもよい。例えば、固定軸部336が固定ブロック330に一体的に設けられていてもよい。この構成では、固定軸部336がブロック用孔329にねじ込まれることなどにより、固定ブロック330を磁石ホルダ320に直接的に固定することが可能である。また、固定ブロック330と磁石ホルダ320とは、スナップフィット等の連結具により固定されていてもよい。
上記実施形態において、磁石ユニット316が外周係合部322に引っ掛かった状態になっていれば、磁石ユニット316及び外周係合部322はどのような形状になっていてもよい。例えば、磁石ユニット316が係合テーパ面322aに引っ掛かった状態になっていれば、磁石ユニット316は外周テーパ面316eを有していなくてもよい。この構成では、磁石ユニット316の一部が外周テーパ面316eに引っ掛かっていればよい。また、外周テーパ面316eが外周係合部322に引っ掛かった状態になっていれば、外周係合部322は係合テーパ面322aを有していなくてもよい。この構成では、外周テーパ面316eが外周係合部322の一部に引っ掛かっていればよい。
上記各実施形態において、固定ブロック330がホルダ受け部328に受けられた状態になっていれば、固定ブロック330及びホルダ受け部328はどのような形状になっていてもよい。例えば、ブロック受け面330bがホルダ受け部328に受けられていれば、ホルダ受け部328はホルダ受け面328aを有していなくてもよい。この構成では、ブロック受け面330bがホルダ受け部328の一部にて受けられていればよい。また、固定ブロック330がホルダ受け面328aに受けられていれば、固定ブロック330はブロック受け面330bを有していなくてもよい。この構成では、固定ブロック330の一部がホルダ受け面328aに受けられていればよい。
上記各実施形態において、ロータ第1面301とステータ200との間にアキシャルギャップ475があれば、ロータ第1面301がどのような形状になっていてもよい。例えば、外周係合部322、固定ブロック330、磁石固定具335及びホルダ受け部328の少なくとも1つが、磁石ユニット316よりもアキシャルギャップ475側に多少突出していてもよい。
上記各実施形態において、磁石用突起483等の位置決め部は、周方向CDにおける磁石ユニット316の位置を決めることができれば、どのような構成になっていてもよい。例えば、磁石ユニット316において第2ユニット面316hなどに凹部が設けられており、この凹部に磁石用突起483が引っ掛かる構成になっていてもよい。また、磁石用突起483は、ホルダ本体321、外周係合部322及びホルダ受け部328の少なくとも1つに設けられていてもよい。また、磁石用突起483は、固定ブロック330に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、複数の磁石ユニット316には、傾斜磁石ユニット317及び平行磁石ユニット318のそれぞれが少なくとも1つ設けられていればよい。例えば、複数の磁石ユニット316に平行磁石ユニット318が1つだけ含まれており、残りの磁石ユニット316の全てが317であってもよい。この構成でも、作業者は、ロータ300の製造工程で、磁石ホルダ320に複数の磁石ユニット316を並べる際に、平行磁石ユニット318を最後の1つに選択できる。
<構成群H>
上記各実施形態において、接続屈曲部212fは、電力引出線212においてコイル211と外周引出部212aとを接続するために曲げられた部位であればよい。接続屈曲部212fは、例えば曲げられた部位を2つ有していてもよい。接続屈曲部212fは、第1コイル端部211aから第2コイル端部211b側に離間した位置であれば、第2コイル端部211bから離間した位置にあってもよい。例えば、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて保護軸線Cpと第2コイル端部211bとの間にあってもよい。また、接続屈曲部212fは、軸方向ADにおいて保護軸線Cpと第1コイル端部211aとの間にあってもよい。
上記各実施形態において、接続屈曲部212fとグロメット255とは軸方向ADに離れていなくてもよい。例えば、接続屈曲部212fと外周引出部212aとの境界部が、グロメット孔450の端部に配置されていてもよい。また、接続屈曲部212fがグロメット孔450の内部に入り込んでいてもよい。
上記各実施形態において、グロメット255は、軸方向ADにおいて保護軸線Cpを第2コイル端部211b側に越えていなくてもよい。また、グロメット255は、第1コイル端部211aを第2コイル端部211b側に越えていなくてもよい。
上記各実施形態において、グロメット255は、少なくともグロメット筒体460を有していればよい。グロメット255がグロメットリブ465を有していない構成でも、グロメット筒体460が第1凹部172aの内周面に密着していればよい。これにより、コイル保護部250の製造時に、溶融樹脂がグロメット筒体460の外面と第1凹部172aの内面との間から漏れ出すということを抑制できる。
上記各実施形態において、グロメット255では、拡張筒部462の少なくとも一部がコイル保護部250に埋め込まれていれば、締め筒部461は、コイル保護部250に埋め込まれていてもよく、埋め込まれていなくてもよい。また、露出部255bに拡張筒部462の一部が含まれていてもよい。この構成でも、露出部255bに締め筒部461が含まれていれば、コイル保護部250の製造時に、溶融樹脂がグロメット孔450から漏れ出すということが締め筒部461により抑制される。
上記各実施形態において、グロメット255では、埋設部255aが露出部255bより短くてもよい。また、グロメット255は、露出部255bを有していなくてもよい。すなわち、グロメット255は第1保護端部250aから突出していなくてもよい。この構成では、締め筒部461が埋設部255aに含まれることになる。グロメット255においては、拡張筒部462が締め筒部461より短くてもよい。また、グロメット255は、拡張筒部462を有していなくてもよい。
上記各実施形態において、グロメット溝466は、軸方向ADに交差する方向に延びていればよい。例えば、グロメット溝466は、周方向CDに延びるようにグロメット255の外面に設けられていてもよい。また、グロメット溝466等の凹部は、コイル保護部250に係合可能であれば、溝状でなくてもよい。さらに、グロメット溝466等の埋設係合部は、コイル保護部250に係合可能であれば、凹部でなくてもよい。例えば、グロメット255の外面に設けられた凸部が、埋設係合部としてコイル保護部250に係合していてもよい。
上記各実施形態では、電力引出線212は、軸方向ADにおいて第2ロータ300b側に向けて延びていてもよい。この構成では、第2ロータ300bがロータに相当する。また、電力引出線212が軸方向ADにおいて第1ロータ300a等のロータに向けて延びていれば、モータ装置60はロータを2つ有していなくてもよい。
<構成群I>
上記各実施形態において、リム344は、吸引力F1に抗してロータ300を支持していれば、どのような構成になっていてもよい。例えば、リム344は、周方向CDに環状に延びているのではなく、周方向CDに複数並べられていてもよい。リム344は、シャフトフランジ342の外周端に設けられているのではなく、シャフトフランジ342の外周端から径方向内側に離れた位置に設けられていてもよい。リム344は、第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれに対して個別に設けられていてもよい。例えば、リム344と共に、シャフトフランジ342も第1ロータ300a及び第2ロータ300bのそれぞれに対して個別に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、リム344は、シャフト本体341から磁石310側に離れた位置にあれば、どのような位置に設けられていてもよい。例えば、リム344は、ホルダ内周端320aに対する距離LI8が、磁石310に対する距離LI5よりも小さい位置に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、ホルダ固定具350等の回転固定部は、ロータ300をスポーク343に固定していれば、どのような構成になっていてもよい。例えばロータ300に設けられた係合部がフランジ固定孔345に係合されることで、ロータ300がスポーク343に固定されていてもよい。この構成では、ロータ300に設けられた係合部が回転固定部に相当する。
<構成群J>
上記各実施形態において、後付規制部930の熱伝導性は、ハウジング本体71の熱伝導性より低くなくてもよい。例えば、上記第18実施形態において、後付規制部930の熱伝導性は、ハウジング本体71の熱伝導性より高くなっていてもよい。この構成では、後付規制部930の熱伝導率が、ハウジング本体71の熱伝導率よりも高い。後付規制部930を形成する材料の熱伝導性が、ハウジング本体71を形成する材料の熱伝導性よりも高い。
モータハウジング70においては、ハウジング本体71が例えばアルミニウムにより形成され、後付規制部930が例えばCFRPにより形成されている。CFRPの熱伝導性がアルミニウムの熱伝導性よりも高い場合、このCFRPは、高伝熱CFRPと称されることがある。ハウジング本体71がアルミニウムにより形成され、後付規制部930がCFRPにより形成されたモータハウジング70では、後付規制部930の電気絶縁性が、ハウジング本体71の電気絶縁性よりも高くなっている。
後付規制部930の熱伝導性がハウジング本体71の熱伝導性よりも高い構成では、コイル部215の熱が後付規制部930に放出されやすくなっている。このため、コイル部215の熱をモータハウジング70の外部に放出する放熱効果を、後付規制部930により高めることができる。
上記各実施形態において、電機規制部は、電機ハウジングにおいてどのように設けられていてもよい。例えば電機規制部として、上記第17実施形態の変位規制部920と、上記第18実施形態の後付規制部930と、の両方がモータハウジング70に設けられていてもよい。変位規制部920と後付規制部930とは、周方向CDに並べられていてもよく、軸方向ADに並べられていてもよい。
上記各実施形態において、ステータ保持部171及び電機規制部の両方が電機ハウジングに設けられていてもよい。例えば上記第17実施形態において、ステータ保持部171及び変位規制部920の両方がモータハウジング70に設けられていてもよい。変位規制部920は、ステータ保持部171から径方向内側に向けて延びていてもよい。
上記各実施形態において、電機規制部の形状及び大きさはどのようになっていてもよい。例えば上記第17実施形態において、変位規制部920は、2つのコイル体900を周方向CDに跨いだ状態になっていなくてもよい。例えば変位規制部920は、周方向CDに直交する方向に板状に延びていてもよい。この変位規制部920では、変位規制面923が周方向CDに直交する方向に延びている。また、変位規制部920は、コイル体900よりも軸方向ADに延びていてもよく、コイル体端面902に届いていなくてもよい。周方向CDに隣り合う2つの変位規制部920は、周方向CDに離間していてもよい。
上記各実施形態において、隙間放熱部はどのように設けられていてもよい。例えばモータ装置60は、上記第1実施形態のコイル保護部250と、上記第19実施形態の外周放熱部941と、の両方を有していてもよい。また、隙間放熱部は設けられていなくてもよい。例えば上記第17実施形態において、コイル保護部250は保護外周部917を有していなくてもよい。
上記各実施形態において、電機規制部は、どのような熱伝導性及び電気絶縁性を有していてもよい。例えば上記第18実施形態において、後付規制部930の熱伝導性は、ハウジング本体71の熱伝導性よりも高くなくてもよい。例えば後付規制部930の熱伝導性は、ハウジング本体71の熱伝導性と同じでもよい。また、後付規制部930の電気絶縁性は、ハウジング本体71の電気絶縁性よりも高くなくてもよい。例えば後付規制部930の電気絶縁性は、ハウジング本体71の電気絶縁性と同じでもよい。
<構成群K>
上記各実施形態において、回転検出部は、シャフト本体341の回転状態を検出することが可能であれば、どのような構成になっていてもよい。回転検出部としては、レゾルバ421の他に、MRセンサ及びエンコーダ等が用いられてもよい。MRセンサは、磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサである。
上記各実施形態において、レゾルバ421は、電力バスバ261とシャフト本体341との間に入り込んだ状態になっていれば、軸方向ADのどの位置に設けられていてもよい。例えば、レゾルバ421は、電力バスバ261よりも軸方向ADの一方側及び他方側の少なくとも一方に突出していてもよい。また、レゾルバ421は、電力バスバ261から軸方向ADに突出していなくてもよい。
上記各実施形態において、電力バスバ261は、レゾルバ421から径方向外側に離れた位置に設けられていれば、径方向RDのどの位置に設けられていてもよい。例えば、電力バスバ261は、径方向RDにおいてモータ内周面70bよりもレゾルバ421に近い位置に設けられていてもよい。また、電力バスバ261は、コイル部215から径方向内側に離れた位置に設けられていてもよく、コイル部215から径方向外側に離れた位置に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、電力バスバ261及びレゾルバ421は、リアフレーム370のロータ300側に設けられていてもよい。すなわち、電力バスバ261及びレゾルバ421は、リアフレーム370とロータ300との間に設けられていてもよい。また、電力バスバ261及びレゾルバ421の少なくとも一方がリアフレーム370に設けられていればよい。さらに、電力バスバ261及びレゾルバ421は、ドライブフレーム390に設けられていてもよい。この構成では、ドライブフレーム390が電機カバーに相当する。
上記各実施形態において、中性点バスバ290は、レゾルバ421から軸方向ADに離れた位置にあれば、軸方向ADのどの位置に設けられていてもよい。例えば、中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第2ロータ300bよりも第1ロータ300aに近い位置に設けられていてもよい。中性点バスバ290は、リアフレーム370と第1ロータ300aとの間に設けられていてもよい。中性点バスバ290は、軸方向ADにおいて第1ロータ300a及び第2ロータ300bの両方を介してレゾルバ421とは反対側に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、中性点バスバ290は、レゾルバ421から軸方向ADに離れた位置にあれば、径方向RDのどの位置に設けられていてもよい。例えば、中性点バスバ290は、レゾルバ421に軸方向ADに並ぶ位置に設けられていてもよい。また、中性点バスバ290は、径方向RDにおいて電力バスバ261から径方向外側に離れた位置に設けられていてもよい。
上記各実施形態において、電力バスバ261及び中性点バスバ290の少なくとも一方が通電バスバであればよい。例えば、電力バスバ261と中性点バスバ290とが径方向RDに並べられていてもよい。この構成では、レゾルバ421は、電力バスバ261及び中性点バスバ290の両方の内側に入り込んだ状態になっていればよい。
<構成群L>
上記各実施形態において、1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505は、厚さ寸法が異なっていてもよい。例えば、複数の磁石ピース505のうち特定の磁石ピース505だけ厚さ寸法が大きくなっていてもよく、小さくなっていてもよい。上記第20実施形態は、複数の磁石ピース505のうち、内周端ピース871及び外周端ピース872という特定の磁石ピース505だけ厚さ寸法が大きくされた例である。また、1つの磁石ユニット316が有する複数の磁石310において、それぞれの磁石310が有する磁石ピース505の厚さ寸法が異なっていてもよい。例えば、傾斜磁石314が有する磁石ピース505の厚さ寸法と、平行磁石315が有する磁石ピース505の厚さ寸法と、が異なっていてもよい。
上記各実施形態において、1つの磁石310が複数の磁石ピース505を有していれば、磁石ピース505の形状及び大きさはどのように設定されていてもよい。例えば、1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505の厚さ寸法が、上記第20実施形態の内周端ピース871の厚さ寸法と同じになっていてもよい。また、1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505の厚さ寸法が、外周端ピース872の厚さ寸法と同じになっていてもよい。さらに、1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505には、内周端ピース871及び外周端ピース872の少なくとも一方が含まれていればよい。
上記各実施形態において、磁石ピース505は、ユニット中心線C316及び磁石中心線C310のいずれに対しても直交していなくてもよい。例えば、磁石ピース505は、ユニット中心線C316及び磁石中心線C310の少なくとも一方に対して、周方向CD及び軸方向ADの少なくとも一方を向くように傾斜していてもよい。また、磁石ピース505においては、内周ピース面505aと外周ピース面505bとが、互いに傾斜していてもよい。
上記各実施形態において、1つの磁石310が有する複数の磁石ピース505は、どの方向に積層されていてもよい。例えば、1つの磁石310において、複数の磁石ピース505は、軸方向AD又は周方向CDに積層されていてもよい。
上記各実施形態において、1つの磁石310においては、磁石ピース505の配向の向きが複数の磁石ピース505で揃っていなくてもよい。すなわち、1つの磁石310においては、磁石ピース505の磁化方向が複数の磁石ピース505で異なっていてもよい。この構成でも、磁石310の配向の向きが所定の向きに設定されていればよい。すなわち、1つの磁石310が特定の方向を磁化方向として有していればよい。
上記各実施形態において、磁石ユニット316は、傾斜磁石314及び平行磁石315の少なくとも一方を少なくとも1つ有していればよい。例えば、傾斜磁石ユニット317は、一対のユニット側面316cが互いに傾斜していれば、傾斜磁石314及び平行磁石315のいずれを何個有していてもよい。傾斜磁石ユニット317は、例えば傾斜磁石314及び平行磁石315のうち傾斜磁石314だけを有していてもよい。また、平行磁石ユニット318は、一対のユニット側面316cが互いに平行であれば、傾斜磁石314及び平行磁石315のいずれを何個有していてもよい。平行磁石ユニット318は、例えば傾斜磁石314を有していてもよい。この傾斜磁石314においては、周方向CDでの磁石内周端310aの長さ寸法が磁石外周端310bの長さ寸法より大きくなっていてもよい。
上記各実施形態において、複数の磁石310がハルバッハ配列で配置されていれば、これら磁石310の形状、大きさ、数、配向の組み合わせは、どのようになっていてもよい。例えば、周方向CDにおいて、第1周磁石311aと第2周磁石311bとの間には、内軸磁石312a,312b及び内軸磁石882の両方が設けられていてもよく、内軸磁石882が3つ以上設けられていてもよい。また、周方向CDにおいては、周磁石311a,311bの幅寸法が内軸磁石312a,312b及び外軸磁石313a,313bの少なくとも一方より大きくてもよい。さらに、第1配向ユニット319a及び第2配向ユニット319bは、磁石310を1つだけ有していてもよく、磁石310を4つ以上有していてもよい。
上記各実施形態において、ロータ300は、磁石310を複数有していれば、磁石ユニット316を有していなくてもよい。例えば、ロータ300においては、全ての磁石310がユニット化されずに個別に磁石ホルダ320に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、磁石310の製造工程において、作業者は、短冊磁石512をどのように準備してもよい。例えば、短冊磁石512を準備する準備工程において、焼結ブロック511を購入して準備してもよい。作業者は、準備した焼結ブロック511を使って短冊工程を行うことで、短冊磁石512を製造する。また、短冊磁石512を購入して準備してもよい。
上記各実施形態において、ユニット母材工程でユニット母材514を製造する前の段階で、磁石母材513の研削加工をどのように行っておいてもよい。例えば、磁石側面工程では、磁石母材513に少なくとも磁石側面310cを形成すればよい。作業者は、磁石側面工程において、磁石側面310cに加えて、内周テーパ面310d、外周テーパ面310e、第1磁石面310g及び第2磁石面310hの少なくとも1つを形成してもよい。
<構成群M>
上記各実施形態において、アキシャルギャップ475は、ステータ200とロータ300との間の隙間であれば、どのような形状になっていてもよい。例えば、アキシャルギャップ475において、ギャップ外周端476が開放された向きは、径方向内側でなくてもよい。また、ギャップ内周端477が開放された向きは、径方向外側でなくてもよい。例えば、ギャップ外周端476及びギャップ内周端477は、軸方向ADに開放されていてもよい。
上記各実施形態において、ホルダ調整孔326等のロータ内周孔は、周方向CDに隣り合う2つのホルダリブ323の間に複数設けられていてもよい。また、ロータ内周孔は、周方向CDに隣り合う2つのホルダリブ323の間に設けられていなくてもよい。周方向CDに隣り合う2つのホルダリブ323の間に設けられるロータ内周孔は、ホルダ調整孔326等の隙間側孔及びホルダ中央孔324等の軸部側孔のいずれでもよい。ロータ内周孔としては、隙間側孔及び軸部側孔の少なくとも一方が設けられていればよい。
上記各実施形態において、ホルダ調整孔326等のロータ内周孔は、ロータ300に少なくとも1つ設けられていればよい。例えば、ロータ内周孔としてホルダ中央孔324が設けられた構成では、ロータ内周孔は1つだけもよい。ロータ内周孔は、リム344等の支持仕切部に対して径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、ホルダ調整孔326及びホルダ中央孔324の少なくとも一方がロータ300に設けられていればよい。軸部側孔としては、ホルダ中央孔324、ホルダ固定孔325及びホルダピン孔327の少なくとも1つが設けられていればよい。
上記各実施形態において、ロータ300の回転に伴って気流が発生するのであれば、ホルダリブ323等のロータリブはどのように設けられていてもよい。例えば、ロータリブは、ホルダ外周端320bから径方向外側に向けて延びていてもよい。また、ロータリブは、ホルダ内周端320aから径方向内側に向けて延びていてもよい。さらに、ロータリブは、ホルダ本体321及び磁石310の少なくとも一方からステータ200側に延びるように設けられていてもよい。ロータ300の回転に伴って気流が発生するのであれば、ロータリブは設けられていなくてもよい。
<構成群N>
上記各実施形態において、モータハウジング70と固定対象との間にシール部材が挟み込まれていれば、シール部材が入り込む凹部は、モータハウジング70及び固定対象のいずれに設けられていてもよい。また、凹部は、モータハウジング70及び固定対象のいずれにも設けられていなくてもよい。さらに、モータハウジング70と固定対象との隙間がシール部材により塞がれていれば、シール部材はモータハウジング70及び固定対象のそれぞれにおいてどの部位に接触していてもよい。
上記各実施形態において、モータハウジング70には、複数の固定対象が固定されてもよい。例えば、リアフレーム370及びドライブフレーム390の両方が固定対象として、モータハウジング70に固定されてもよい。この構成では、モータハウジング70とドライブフレーム390との間にシール部材が設けられている。
<構成群A>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、電力バスバと中性点バスバとの電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することが懸念される。これに対して、電気的な絶縁信頼性を高めることができる回転電機を提供する。
特徴A1によれば、中性点バスバ(290)は、電気絶縁性を有し且つ電力バスバ(261)を保護するバスバ保護部(270)から離間した位置に設けられている。この構成では、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)とが接触しないのはもちろんのこと、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが接触することすら生じないようになっている。このため、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが離間していることで抑制できる。したがって、中性点バスバ(290)とバスバ保護部(270)とが離間していることにより、回転電機(60)の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
特徴A10によれば、軸方向(AD)に並んだ第1空間(S1)及び第2空間(S2)のうち、一方に電力バスバ(261)が設けられ、他方に中性点バスバ(290)が設けられている。しかも、第1空間(S1)と第2空間(S2)とは空間仕切部(370)により仕切られている。この構成では、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)とが接触することが空間仕切部(370)により規制されている。このように、中性点バスバ(290)と電力バスバ(261)との電気的な絶縁状態に対する絶縁信頼性が低下することを空間仕切部(370)により抑制できる。したがって、空間仕切部(370)により回転電機(60)の電気的な絶縁信頼性を高めることができる。
[特徴A1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
コイルに電気的に接続され、コイルに電力を供給する電力バスバ(261)と、
電気絶縁性を有し、電力バスバを保護しているバスバ保護部(270)と、
バスバ保護部から離間した位置に設けられ、複数相のコイルのそれぞれにおいて中性点(65)側に電気的に接続された中性点バスバ(290)と、
を備えている回転電機。
[特徴A2]
回転軸線に直交する方向に延び、ステータが収容された第1空間(S1)とステータが収容されていない第2空間(S2)とが回転軸線に沿って並ぶように第1空間と第2空間とを仕切っている空間仕切部(370)、を備え、
第1空間及び第2空間のうち一方に電力バスバが設けられ、他方に中性点バスバが設けられている、特徴A1に記載の回転電機。
[特徴A3]
中性点バスバとバスバ保護部とは、軸方向に離間した位置に設けられている、特徴A1又はA2に記載の回転電機。
[特徴A4]
ロータとして、第1ロータ(300a)と、軸方向においてステータを介して第1ロータに並べられた第2ロータ(300b)と、を備え、
コイルは、複数の素線(223)を有するコイル線(220)が巻回されて形成されている、特徴A1~A3のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A5]
コイルは、コイル線(220)が巻回され且つ回転軸線の周方向(CD)に複数並べられたコイル部(215)により形成されており、
周方向において隣り合う2つのコイル部は巻数が異なっている、特徴A1~A4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A6]
電力を変換して電力バスバに供給する電力変換部(81)に電気的に接続された中継バスバ(280)と、
電力バスバと中継バスバとの接続部分を支持している端子台(285)と、
を備えている特徴A1~A5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A7]
回転軸線の周方向において回転軸線の周りを複数の分割領域(RE)に等間隔で分割すると、中継バスバは、複数の分割領域に1つずつ配置されている、特徴A6に記載の回転電機。
[特徴A8]
ロータを回転可能に支持するベアリング(360)と、
ベアリングを支持するベアリング支持部(372)、及びバスバ保護部を支持するバスバ支持部(371)、を有している支持フレーム(370)と、
を備えている特徴A1~A7のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A9]
回転軸線に直交する方向に延びる直交フレーム(370)と、
軸方向において直交フレームを介して中性点バスバとは反対側に設けられ、ロータの回転角度を検出する回転検出部(421)と、
を備えている特徴A1~A8のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴A10]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられ、ステータに対して回転軸線を中心に回転するロータ(300,300a,300b)と、
コイルに電気的に接続され、コイルに電力を供給する電力バスバ(261)と、
複数相のコイルのそれぞれにおいて中性点(65)側に電気的に接続された中性点バスバ(290)と、
回転軸線に直交する方向に延び、ステータが収容された第1空間(S1)とステータが収容されていない第2空間(S2)とが軸方向に並ぶように第1空間と第2空間とを仕切っている空間仕切部(370)と、
を備え、
第1空間及び第2空間のうち一方に電力バスバが設けられ、他方に中性点バスバが設けられている、回転電機。
<構成群B>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、エネルギ効率が低下することが懸念される。これに対して、エネルギ効率を高めることができる回転電機を提供する。
特徴B1によれば、一対の周磁石(311a,311b)及び一対の内軸磁石(312a,312b)による磁束がステータ(200)側で集中することなどにより、ステータ(200)側での磁界が強くなりやすい。したがって、回転電機(60)のエネルギ効率を高めることができる。
[特徴B1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
を備え、
ロータは、
回転軸線の周方向(CD)に並べられた複数の磁石(310,311a,311b,312a,312b,313a,313b)を有しており、
複数の磁石には、
周方向において隣り合い、軸方向においてステータ側に向くように回転軸線に対して傾斜して配向された一対の内軸磁石(312a,312b)と、
一対の内軸磁石を介して周方向に隣り合い、周方向において互いに向かい合うように配向された一対の周磁石(311a,311b)と、
が含まれている回転電機。
[特徴B2]
一対の内軸磁石は、軸方向においてステータ側を向くように且つ周方向において互いに向かい合うように、回転軸線に対して周方向に傾斜して配向されている、特徴B1に記載の回転電機。
[特徴B3]
複数の磁石には、
周方向において周磁石を介して一対の内軸磁石の反対側に設けられ、周方向において隣り合う一対の外軸磁石(313a,313b)、が含まれており、
一対の外軸磁石は、軸方向においてステータとは反対側を向くように且つ周方向において互いに反対側を向くように、回転軸線に対して周方向に傾斜して配向されている、特徴B2に記載の回転電機。
[特徴B4]
ロータは、軸方向においてロータを介して一対並べられており、
一方のロータ(300a)が有する一対の内軸磁石と他方のロータ(300b)が有する一対の外軸磁石とが軸方向に並ぶように、一方のロータは他方のロータに対して点対称に設けられている、特徴B3に記載の回転電機。
[特徴B5]
磁石は、回転軸線に対して傾斜した磁石傾斜面(316d)を形成しており、
ロータは、
軸方向において一方側から磁石に重ねられた磁石ホルダ(320)と、
回転軸線に対して傾斜した支持傾斜面(330a)を有し、支持傾斜面が磁石傾斜面に重なるように且つ支持傾斜面と磁石ホルダとの間に磁石を挟み込むようにして、磁石を磁石ホルダに固定している固定支持部(330)と、
を有している特徴B1~B4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B6]
ロータは、
周方向に並んだ一対のユニット側面(316c)を有し、少なくとも1つの磁石を含んで構成され、周方向に並べられた複数の磁石ユニット(316,317,318)を有しており、
複数の磁石ユニットには、
一対のユニット側面が回転軸線の径方向(RD)の外側に向けて互いに遠ざかるように相対的に傾斜している傾斜磁石ユニット(317)と、
一対のユニット側面が平行である平行磁石ユニット(318)と、
が含まれている特徴B1~B5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B7]
軸方向においてロータに並べられ且つロータに固定されたシャフトフランジ(342)を有し、ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフト(340)と、
磁石とコイルとの吸引力(F1)に抗して磁石をコイルから離間させる向きにロータに曲げ応力(F2)が生じるように、回転軸線の径方向(RD)においてシャフトフランジによるロータの支点(344a)を介して磁石とは反対側でロータに押圧力(F3)を加える押圧部材(350)と、
を備えている特徴B1~B6のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴B8]
押圧部材は、ロータをシャフトフランジに固定する固定具(350)であり、
ロータにおいて押圧部材が固定された部位(325)と、シャフトフランジにおいて押圧部材が固定された部位(345)と、は軸方向に離間している、特徴B7に記載の回転電機。
[特徴B9]
ロータである第1ロータ(300a)と、
ロータであり、軸方向においてステータを介して第1ロータに並べられた第2ロータ(300b)と、
軸方向において第1ロータと第2ロータとの間に設けられ、第1ロータ及び第2ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフトフランジ(342)と、
第1ロータに設けられ、軸方向に延びた第1ロータ孔(325a)と、
第2ロータにおいて第1ロータ孔から周方向に離間した位置に設けられ、軸方向に延びた第2ロータ孔(325b)と、
シャフトフランジにおいて第1ロータ孔に軸方向に並ぶ位置に設けられ、軸方向に延びた第1シャフト孔(345a)と、
シャフトフランジにおいて第2ロータ孔に軸方向に並ぶ位置に設けられ、軸方向に延びた第2シャフト孔(345b)と、
を備え、
第1ロータをシャフトフランジに固定する第1固定具(350a)が、第1ロータ孔と第1シャフト孔とに挿入されており、
第2ロータをシャフトフランジに固定する第2固定具(350b)が、第2ロータ孔と第2シャフト孔とに挿入されている、特徴B1~B8のいずれか1つに記載の回転電機。
<構成群C>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、放熱効果が不足することが懸念される。これに対して、放熱効果を高めることができる回転電機を提供する。
特徴C1によれば、コイル保護部(250)が電機ハウジング(70)の内周面(70b)に重ねられた状態で設けられている。この構成では、コイル(211)の熱がコイル保護部(250)を介して電機ハウジング(70)に伝わりやすくなっている。しかも、電機ハウジング(70)の外周面(70a)には放熱フィン(72)が設けられているため、コイル保護部(250)から電機ハウジング(70)に伝わった熱は放出フィン(72)により外部に放出されやすくなっている。したがって、回転電機(60)の放熱効果を高めることができる。
[特徴C1]
電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
回転軸線(Cm)を中心に回転し、回転軸線が延びる軸方向(AD)においてステータに並べられたロータ(300,300a,300b)と、
ステータ及びロータを収容している電機ハウジング(70)と、
電機ハウジングの外周面(70a)に設けられ、熱を放出する放熱フィン(72)と、
を備え、
ステータは、
電機ハウジングの内周面(70b)に重ねられた状態で設けられ、熱伝導性を有し、コイルを保護しているコイル保護部(250)、を有している回転電機。
[特徴C2]
電機ハウジングは、内周面に設けられた複数の凸部(171,172,173,174)を有しており、
コイル保護部は、回転軸線の径方向(RD)の内側から凸部の間に入り込んだ状態になっている、特徴C1に記載の回転電機。
[特徴C3]
複数の凸部には、軸方向に延び且つ回転軸線の周方向(CD)に並べられた複数の軸凸部(174)が含まれており、
コイルは、コイル線(220)が巻回され且つ周方向に並べられた複数のコイル部(215)により形成されており、
コイル部は、回転軸線の径方向(RD)において軸凸部に対向する位置に設けられている、特徴C2に記載の回転電機。
[特徴C4]
内周面には、ハウジングベース面(176)と、ハウジングベース面よりも粗いハウジング粗面(177)と、が含まれており、
コイル保護部は、少なくともハウジング粗面に重ねられている、特徴C1~C3のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C5]
コイルからコイル保護部を通じて引き出されたコイル引出線(212)を保護し、コイル引出線とコイル保護部との隙間を埋めている引出線保護部(255)、を備えている特徴C1~C4のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C6]
ステータは、
コイルと共にコイル保護部により保護され、コイル保護部に熱を放出し、電気絶縁性を有し、コイルが巻回されたボビン(240)、有している特徴C1~C5のいずれか1つに記載の回転電機。
[特徴C7]
ボビンは、ボビンベース面(246)と、ボビンベース面よりも粗いボビン粗面(247)と、を有しており、
コイル保護部は、少なくともボビン粗面に重ねられている、特徴C6に記載の回転電機。
[特徴C8]
ステータは、
ボビンの内側に設けられ、回転軸線の周方向(CD)の幅が回転軸線の径方向(RD)の内側に向けて段階的に小さくなっているコア(231)、を有している特徴C6又はC7に記載の回転電機。
[特徴C9]
ボビンは、
コイルが巻回されるボビン胴部(241)と、
コイル側を向いたフランジ面(243)を有し、ボビン胴部の外周面(241a)から外側に向けて延びたボビンフランジ(242)と、
を有しており、
フランジ面には、コイルから引き出されたコイル引出線(212)を通すために凹んだフランジ凹部(243a)が設けられている、特徴C6~C8のいずれか1つに記載の回転電機。
<構成群D>
アキシャルギャップ式モータ等のモータでは、モータについて放熱効果が不足することが懸念される。また、モータについては、モータをインバータに一体的に設けてユニットを構成することが考えられる。このユニットについても、インバータからの熱などにより、ユニットの放熱効果が不足しやすいと考えられる。これに対して、小型化及び放熱効果向上の両方を実現できる回転電機ユニットを提供する。
特徴D1によれば、電力変換部(81)と、軸方向(AD)に並べられたロータ(300,300a,300b)及びステータ(200)と、がユニットハウジング(51)に収容されている。この構成では、回転電機(60)を薄型化した上で、回転電機ユニット(50)を小型化することができる。しかも、ユニットハウジング(51)の外周面(70a,90a)に放熱フィン(72,92)が設けられているため、回転電機ユニット(50)の放熱効果を放熱フィン(72,92)により高めることができる。したがって、回転電機ユニット(50)の小型化及び放熱効果向上の両方を実現することができる。
[特徴D1]
電力の供給により駆動する回転電機ユニット(50)であって、
回転軸線(Cm)を中心に回転するロータ(300,300a,300b)、及び回転軸線が延びる軸方向(AD)においてロータに並べられたステータ(200)を有している回転電機(60)と、
回転電機に供給される電力を変換する電力変換部(81)を有している電力変換装置(80)と、
回転電機の外周面(70a)及び電力変換装置の外周面(90a)の両方を形成し、ロータ、ステータ及び電力変換部を収容しているユニットハウジング(51)と、
ユニットハウジングの外周面(70a,90a)に設けられ、熱を放出する放熱フィン(72,92)と、
を備えている回転電機ユニット。
[特徴D2]
ステータは、
電流が流れるコイル(211)と、
ユニットハウジングの内周面(70b)に重ねられた状態で設けられ、熱伝導性を有し、コイルを保護しているコイル保護部(250)と、
を有している特徴D1に記載の回転電機ユニット。
[特徴D3]
回転電機は、
ユニットハウジングに含まれ、回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)、を有しており、
電力変換装置は、
ユニットハウジングに含まれ、電力変換装置に外周面を形成し、電力変換部を収容した装置ハウジング(90)、を有しており、
ユニットハウジングにおいては、電機ハウジングと装置ハウジングとが軸方向に並べられている、特徴D1又はD2に記載の回転電機ユニット。
[特徴D4]
軸方向においてロータに並べられ且つロータに固定されたシャフトフランジ(342)を有し、ロータと共に回転軸線を中心に回転するシャフト(340)、を備え、
シャフトフランジは、
回転軸線の径方向(RD)においてステータの内側に設けられ、ステータに沿って回転軸線の周方向(CD)に環状に延びている環状部(344)と、
環状部を径方向に貫通し、径方向での通気を可能にするフランジ通気孔(345)と、
を有している特徴D1~D3のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D5]
ロータに設けられ、ロータのバランスを調整するためのバランス調整孔(326)、を備え、
バランス調整孔は、ロータを軸方向に貫通し、軸方向での通気を可能にするように回転軸線の径方向(RD)においてステータの内側に設けられている、特徴D1~D4のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D6]
軸方向においてユニットハウジングの内部を回転電機側と電力変換部側とに仕切るハウジング仕切部(370,424)と、
回転電機の状態を検出する複数の状態検出部(421、431)と、
ハウジング仕切部の電力変換装置側に設けられ、複数の状態検出部のそれぞれに電気的に接続された検出配線(426,436)を集約した配線集約部(440)と、
を備えている特徴D1~D5のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D7]
軸方向においてユニットハウジングの内部を回転電機側と電力変換部側とに仕切るハウジング仕切部(370,424)と、
ステータが有するコイル(211)から引き出されたコイル引出線(212)が挿通され、ハウジング仕切部を軸方向に開口する仕切開口部(373)と、
仕切開口部を覆っている仕切カバー部(380)と、
を備えている特徴D6に記載の回転電機ユニット。
[特徴D8]
ユニットハウジングは、
回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)を有しており、
電機ハウジングは、
回転電機の外周面を形成しているハウジング本体(71)と、
回転軸線の径方向(RD)においてハウジング本体から外側に向けて突出した電機フランジ(74,178)と、
電機フランジに設けられ、電機ハウジングを所定のハウジング固定対象(90,390)に固定するための電機固定孔(74a,178a)と、
を有している特徴D1~D7のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
[特徴D9]
ユニットハウジングは、
回転電機の外周面を形成し、ロータ及びステータを収容した電機ハウジング(70)と、
電機ハウジングに固定され、軸方向の一方側からロータ及びステータを覆っている電機カバー部(390)と、
を有しており、
電機カバー部は、
電機カバー部を電機ハウジングに固定するための第1固定孔(392a)と、
回転軸線の径方向(RD)において第1固定孔に並べられ、電機カバー部を所定のカバー固定対象(53)に固定するための第2固定孔(392b)と、
を有している特徴D1~D8のいずれか1つに記載の回転電機ユニット。
<構成群A>
60…回転電機としてのモータ装置、65…中性点、81…電力変換部としてのインバータ、200…ステータ、211…コイル、215…コイル部、220…コイル線、223…素線、261…電力バスバ、270…バスバ保護部、280…中継バスバとしての中継ターミナル、285…端子台としてのターミナル台、290…中性点バスバ、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、360…ベアリングとしての第1ベアリング、370…空間仕切部、支持フレーム及び直交フレームとしてのリアフレーム、371…バスバ支持部、372…ベアリング支持部、421…回転検出部としてのレゾルバ、S1…第1空間としてのステータ側空間、S2…第2空間としてのインバータ側空間、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、RE…分割領域、AD…軸方向、RD…径方向。
<構成群B>
60…回転電機としてのモータ装置、200…ステータ、211…コイル、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、310…磁石、311a…磁石及び周磁石としての第1周磁石、311b…磁石及び周磁石としての第2周磁石、312a…磁石及び内軸磁石としての第1内軸磁石、312b…磁石及び内軸磁石としての第2内軸磁石、313a…磁石及び外軸磁石としての第1外軸磁石、313b…磁石及び外軸磁石としての第2外軸磁石、316…磁石ユニット、317…磁石ユニットとしての傾斜磁石ユニット、318…磁石ユニットとしての平行磁石ユニット、316c…ユニット側面、316d…磁石傾斜面としての内周テーパ面、320…磁石ホルダ、325…部位としてのホルダ固定孔、325a…第1ロータ孔としての第1ホルダ固定孔、325b…第2ロータ孔としての第2ホルダ固定孔、330…固定支持部としての固定ブロック、330a…支持傾斜面としてのブロックテーパ面、340…シャフト、342…シャフトフランジ、344a…支点としてのリム先端部、345…部位としてのフランジ孔、345a…第1シャフト孔としての第1フランジ孔、345b…第2シャフト孔としての第2フランジ孔、350…押圧部材としてのホルダ固定具、350a…第1固定具としての第1ホルダ固定具、350b…第2固定具としての第2ホルダ固定具、F1…吸引力、F2…曲げ応力、F3…押圧力、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群C>
60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、70a…外周面、70b…内周面、72…放熱フィンとしてのモータフィン、171…凸部としてのステータ保持部、172…凸部としての第1周保持部、173…凸部としての第2周保持部、174…凸部及び軸凸部としての軸保持部、176…ハウジングベース面、177…ハウジング粗面、200…ステータ、211…コイル、212…コイル引出線としての電力引出線、215…コイル部、220…コイル線、231…コア、240…ボビン、241…ボビン胴部、241a…外周面、242…ボビンフランジ、243…フランジ面としてのフランジ内板面、243a…フランジ凹部、246…ボビンベース面、247…ボビン粗面、250…コイル保護部、255…引出線保護部としてのグロメット、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、310…磁石、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群D>
50…回転電機ユニットとしてのモータ装置ユニット、51…ユニットハウジング、53…カバー固定対象としての減速機、60…回転電機としてのモータ装置、70…電機ハウジングとしてのモータハウジング、71…ハウジング本体、70a…外周面、70b…内周面、72…放熱フィンとしてのモータフィン、74…電機フランジとしての連結フランジ、74a…電機固定孔としてのフランジ孔、80…電力変換装置としてのインバータ装置、81…電力変換部としてのインバータ、90…装置ハウジング及びハウジング固定対象としてのインバータハウジング、90a…外周面、92…インバータフィン、178…電機フランジとしての固定フランジ、178a…電機固定孔としてのフランジ孔、200…ステータ、211…コイル、212…コイル引出線としての電力引出線、250…コイル保護部、300…ロータ、300a…ロータとしての第1ロータ、300b…ロータとしての第2ロータ、326…バランス調整孔としてのホルダ調整孔、340…シャフト、342…シャフトフランジ、344…環状部としてのリム、345…フランジ通気孔、370…ハウジング仕切部としてのリアフレーム、373…仕切開口部としてのフレーム開口部、380…仕切カバー部としての防塵カバー、390…電機カバー部及びハウジング固定対象としてのドライブフレーム、392a…第1固定孔としての内側固定孔、392b…第2固定孔としての外側固定孔、421…状態検出部としてのレゾルバ、424…ハウジング仕切部としてのレゾルバカバー、426…検出配線としての信号配線、431…状態検出部としての温度センサ、436…検出配線としての信号配線、440…配線集約部としての信号端子台、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、AD…軸方向、CD…周方向、RD…径方向。
<構成群H>
60…回転電機としてのモータ装置、200…ステータ、211…コイル、211a…ロータ側端部としての第1コイル端部、211b…反対側端部としての第2コイル端部、212…コイル引出線としての電力引出線、212a…外周引出部、212f…接続曲がり部としての接続屈曲部、250…封止樹脂部としてのコイル保護部、252…入り込み部としての保護進入部、253…被係合部としての保護係合部、255…封止保持部及び引出線保護部としてのグロメット、255a…保護埋設部としての埋設部、300a…ロータとしての第1ロータ、460b…外面としての筒側面、461…密着覆い部としての締め筒部、462…隙間覆い部としての拡張筒部、466…埋設係合部及び凹部としてのグロメット溝、Cm…回転軸線としてのモータ軸線、Cp…中心線としての保護軸線、Lb1,Lb2…長さ寸法、AD…軸方向、RD…径方向。

Claims (10)

  1. 電力の供給により駆動する回転電機(60)であって、
    複数相のコイル(211)を有するステータ(200)と、
    回転軸線(Cm)を中心に回転し、前記回転軸線が延びる軸方向(AD)において前記ステータに並べられたロータ(300a)と、
    樹脂材料により形成され、前記コイルを覆って保護しているコイル保護部(250)と、
    前記コイル保護部の内部において前記コイルから前記回転軸線の径方向(RD)の外側に向けて引き出されたコイル引出線(212)と、
    前記コイル保護部に埋め込まれ前記コイル引出線を覆って保護している保護埋設部(255a)を有する引出線保護部(255)と、
    を備え、
    前記コイルは、前記軸方向の並んだ一対の端部として、前記ロータ側のロータ側端部(211a)と前記ロータとは反対側の反対側端部(211b)とを有しており、
    前記コイル引出線は、
    前記ロータの外周側を通って前記軸方向に延びている外周引出部(212a)と、
    前記軸方向において前記ロータ側端部から前記反対側端部に向けて離れた位置に設けられ、曲がった状態で前記外周引出部と前記コイルとを接続している接続曲がり部(212f)と、
    を有している回転電機。
  2. 前記接続曲がり部は、前記軸方向において前記ロータ側端部よりも前記反対側端部に近い位置に設けられている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記接続曲がり部は、前記反対側端部に設けられている、請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記保護埋設部は、前記軸方向において前記ロータ側端部を越えて前記反対側端部に向けて延びており、
    前記接続曲がり部は、前記軸方向において前記保護埋設部から前記反対側端部に向けて離間した位置に設けられている、請求項1~3のいずれか1つに記載の回転電機。
  5. 前記保護埋設部は、前記軸方向において前記コイル保護部の中心線(Cp)を越えて前記反対側端部に向けて延びている、請求項1~4のいずれか1つに記載の回転電機。
  6. 前記引出線保護部は、
    前記コイル引出線に密着した状態で前記コイル引出線を覆っている密着覆い部(461)と、
    少なくとも一部が前記保護埋設部に含まれ、前記軸方向において前記密着覆い部から前記ロータとは反対側に向けて延び、前記コイル引出線の外周面から離れた状態で前記コイル引出線を覆っている隙間覆い部(462)と、
    を有している請求項1~5のいずれか1つに記載の回転電機。
  7. 前記コイル保護部は、前記隙間覆い部と前記コイル引出線との間に入り込んだ入り込み部(252)を有している、請求項6に記載の回転電機。
  8. 前記軸方向において前記密着覆い部の長さ寸法(Lb1)は、前記隙間覆い部の長さ寸法(Lb2)よりも小さい、請求項6又は7に記載の回転電機。
  9. 前記保護埋設部は、前記コイル保護部に係合している埋設係合部(466)、を有している、請求項1~8のいずれか1つに記載の回転電機。
  10. 前記埋設係合部は、前記保護埋設部の外面(460b)に設けられた凹部(466)であり、前記コイル保護部における前記凹部に入り込んだ被係合部(253)に係合している、請求項9に記載の回転電機。
JP2022055615A 2021-09-27 2022-03-30 回転電機 Pending JP2023048081A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021156823 2021-09-27
JP2021156823 2021-09-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023048081A true JP2023048081A (ja) 2023-04-06

Family

ID=85779075

Family Applications (14)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022055616A Pending JP2023048082A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055635A Pending JP2023048085A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055636A Pending JP2023048086A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055637A Pending JP2023048087A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055615A Pending JP2023048081A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055611A Pending JP2023048077A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055634A Pending JP2023048084A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055612A Pending JP2023048078A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055614A Pending JP2023048080A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055613A Pending JP2023048079A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055633A Pending JP2023048083A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022119824A Pending JP2023048106A (ja) 2021-09-27 2022-07-27 回転電機
JP2022137642A Pending JP2023048115A (ja) 2021-09-27 2022-08-31 回転電機
JP2022150268A Pending JP2023048140A (ja) 2021-09-27 2022-09-21 回転電機

Family Applications Before (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022055616A Pending JP2023048082A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055635A Pending JP2023048085A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055636A Pending JP2023048086A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055637A Pending JP2023048087A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機

Family Applications After (9)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022055611A Pending JP2023048077A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055634A Pending JP2023048084A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055612A Pending JP2023048078A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055614A Pending JP2023048080A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055613A Pending JP2023048079A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022055633A Pending JP2023048083A (ja) 2021-09-27 2022-03-30 回転電機
JP2022119824A Pending JP2023048106A (ja) 2021-09-27 2022-07-27 回転電機
JP2022137642A Pending JP2023048115A (ja) 2021-09-27 2022-08-31 回転電機
JP2022150268A Pending JP2023048140A (ja) 2021-09-27 2022-09-21 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (14) JP2023048082A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023048078A (ja) 2023-04-06
JP2023048106A (ja) 2023-04-06
JP2023048080A (ja) 2023-04-06
JP2023048077A (ja) 2023-04-06
JP2023048140A (ja) 2023-04-06
JP2023048087A (ja) 2023-04-06
JP2023048115A (ja) 2023-04-06
JP2023048084A (ja) 2023-04-06
JP2023048086A (ja) 2023-04-06
JP2023048082A (ja) 2023-04-06
JP2023048085A (ja) 2023-04-06
JP2023048083A (ja) 2023-04-06
JP2023048079A (ja) 2023-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2023048222A1 (ja) 回転電機
WO2023048225A1 (ja) 回転電機
WO2023048224A1 (ja) 回転電機
WO2023048218A1 (ja) 回転電機
WO2023048220A1 (ja) 回転電機
WO2023048217A1 (ja) 回転電機
WO2023048219A1 (ja) 回転電機
WO2023048223A1 (ja) 磁石、回転子及び磁石の製造方法
WO2023048221A1 (ja) 回転電機
JP2023048081A (ja) 回転電機
WO2023048226A1 (ja) 回転電機
JP2023047730A (ja) 回転電機
CN117157854A (zh) 旋转电机
CN117099289A (zh) 旋转电机
CN117044089A (zh) 旋转电机
CN117242679A (zh) 旋转电机
CN117242678A (zh) 旋转电机
CN117121342A (zh) 旋转电机
CN117157857A (zh) 旋转电机
CN117178462A (zh) 旋转电机
CN117157862A (zh) 旋转电机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240307