JP2023047012A - 電池パック - Google Patents

Abstract

【課題】比較的簡単な構成により、ケースが備える通気部の防水性を高めることができるようにすること。【解決手段】電池パックは、ケースと、ケースの内部に設けられた電池セルと、ケースの側壁部にシール部を介して設けられ、ケース内の圧力を調整する通気部材と、ケースの上壁部に設けられ、ケース内の圧力の急激な上昇時に当該圧力をケースの外部へ開放する圧力開放弁とを備え、ケースは、シール部を囲う囲い壁を側壁部に有する。【選択図】図３

Description

本発明は、電池パックに関する。

下記特許文献１には、蓄電素子を収容する外装体の蓋に、外装体の内部と外部とを連通する通気室を備えた蓄電装置に関し、通気室内に複数の壁を設けることによって、通気室内に流入した水の勢いを弱めることができ、且つ、複数の壁間に隙間を設けることによって、通気室内に流入した水を効率的に排出できるようにした技術が開示されている。

特開２０１７－１５２１６４号公報

しかしながら、特許文献１の技術は、通気室内に複数の壁を設け、且つ、複数の壁間に隙間を設ける必要があるため、通気室を容易に形成することができない。

上述した課題を解決するために、一実施形態に係る電池パックは、ケースと、ケースの内部に設けられた電池セルと、ケースの側壁部にシール部を介して設けられ、ケース内の圧力を調整する通気部材と、ケースの上壁部に設けられ、ケース内の圧力の急激な上昇時に当該圧力をケースの外部へ開放する圧力開放弁とを備え、ケースは、シール部を囲う囲い壁を側壁部に有する。

一実施形態に係る電池パックによれば、比較的簡単な構成により、ケースが備える通気部の防水性を高めることができる。

一実施形態に係る電池パックの一部拡大斜視図 一実施形態に係る電池パックの断面図 一実施形態に係る電池パックが備える凹み部の拡大図 一実施形態に係る電池パック一部拡大断面図

以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。

図１は、一実施形態に係る電池パック１００の一部拡大斜視図である。図２は、一実施形態に係る電池パック１００の断面図である。図３は、一実施形態に係る電池パック１００が備える凹み部１１３の拡大図である。図４は、一実施形態に係る電池パック１００の一部拡大断面図である。

一実施形態に係る電池パック１００は、例えば、ＨＥＶ（Hybrid Electric Vehicle）、ＰＨＶ（Plug-in Hybrid Electric Vehicle）、ＦＣＶ（Fuel Cell Electric Vehicle）、ＥＶ（Electric Vehicle）等の駆動用モータを備えた車両に搭載され、駆動用モータのための電力を供給する電力供給源として用いられる。

図１～図４に示すように、一実施形態に係る電池パック１００は、ケース１１０、電池セル１２０、通気部１３０、および圧力開放弁１４０を備える。

ケース１１０は、容器状の部材である。ケース１１０は、アッパーカバー１１１およびロアケース１１２を有する。ロアケース１１２は、上部開口を有する容器状の部材である。ロアケース１１２の内部には、電池セル１２０が収容される。アッパーカバー１１１は、ロアケース１１２の上部開口に取り付けられることにより、ロアケース１１２の上部開口を閉塞し、ケース１１０の略水平な上壁部（上側の外壁部）を構成する。ロアケース１１２は、側壁部１１２Ａを有する。図４に示すように、側壁部１１２Ａは、垂直面に対して、所定の傾斜角度θを有して、外側且つ下方に傾いている。側壁部１１２Ａの外側の表面には、樹脂製の部品１１２Ｂが取り付けられている。部品１１２Ｂには、ケース１１０の内側に向かって凹んだ凹み部１１３が形成されている。凹み部１１３内には、通気部１３０が設けられている。凹み部１１３の奥底面１１３Ａには、２つの開口部１１３Ｂが形成されている。２つの開口部１１３Ｂの各々には、呼吸膜１３１が外側から嵌め込まれる。これにより、凹み部１１３の内壁面１１３Ｃは、呼吸膜１３１のシール部１３２を囲う「囲い壁」として機能する。

電池セル１２０は、ケース１１０の内部に設けられている。電池セル１２０は、電力を蓄える。電池セル１２０は、充電可能ないわゆる二次電池である。電池セル１２０は、高電圧の電力を供給することができる。電池セル１２０としては、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等が用いられる。なお、電池パック１００は、ロアケース１１２の内部に複数の電池セル１２０を備える。これら複数の電池セル１２０は、バスバー（図示省略）によって電気的に直列に接続されている。

通気部１３０は、ケース１１０の側壁部１１２Ａ、且つ、凹み部１１３内に設けられている。通気部１３０は、呼吸膜１３１を有する。呼吸膜１３１は、「通気部材」の一例である。呼吸膜１３１は、凹み部１１３の奥底面１１３Ａに形成されている開口部１１３Ｂに嵌め込まれ、ケース１１０の外部とケース１１０の内部との間で呼吸することにより、ケース１１０内の圧力を調整する。呼吸膜１３１は、弾性を有する環状のシール部１３２を有する。シール部１３２は、呼吸膜１３１と開口部１１３Ｂの周縁部との間で押し潰されることにより、開口部１１３Ｂを密閉する。シール部１３２は、呼吸膜１３１と一体に形成されてもよく、呼吸膜１３１とは別の部材（すなわち、シール部材）であってもよい。なお、本実施形態では、電池パック１００は、凹み部１１３の奥底面１１３Ａに２つの開口部１１３Ｂが形成されているのに伴い、２つの開口部１１３Ｂの各々に嵌め込まれる２つの呼吸膜１３１を備える。但し、これに限らず、電池パック１００は、１つまたは３つ以上の呼吸膜１３１を備えてもよい。なお、側壁部１１２Ａが下方に傾いているため、呼吸膜１３１は、凹み部１１３内において、斜め下向きに設けられている。また、図３および図４に示すように、通気部１３０は、蓋１３３を有する。蓋１３３は、凹み部１１３内に設けられる平板状の部材である。蓋１３３は、凹み部１１３内において、呼吸膜１３１を外側から押さえ付けた状態で、ネジ１３４によってネジ止め固定される。

圧力開放弁１４０は、ケース１１０のアッパーカバー１１１に設けられている。圧力開放弁１４０は、ケース１１０内の圧力の急激な上昇時に、当該圧力をケース１１０の外部へ開放する。なお、図２に示すように、圧力開放弁１４０は、通気部１３０と電池セル１２０との間に設けられている。

以上説明したように、一実施形態に係る電池パック１００は、ケース１１０と、ケース１１０の内部に設けられた電池セル１２０と、ケース１１０の側壁部１１２Ａにシール部１３２を介して設けられ、ケース１１０内の圧力を調整する呼吸膜１３１と、ケース１１０の上壁部に設けられ、ケース１１０内の圧力の急激な上昇時に当該圧力をケース１１０の外部へ開放する圧力開放弁１４０とを備え、ケース１１０は、シール部１３２を囲う囲い壁を側壁部１１２Ａに有する。

これにより、一実施形態に係る電池パック１００は、シール部１３２を囲い壁で囲うようにしたことで、走行時、高圧洗浄時等において、シール部１３２の周囲に飛散した水が一旦囲い壁に当たることで、シール部１３２にかかる水の勢いを抑制することができる。
シール部の水掛り（走行時にかかる水や、特に高圧洗浄等）に対し、シール部１３２を壁で囲むことで、飛散した水が一旦壁等に当たることで直接シール部１３２に当たるよりも水圧を下げることができる。したがって、一実施形態に係る電池パック１００によれば、比較的簡単な構成により、ケース１１０が備える通気部１３０の防水性を高めることができる。

また、一実施形態に係る電池パック１００において、呼吸膜１３１は、ケース１１０の側壁部１１２Ａに形成されている凹み部１１３の奥底面１１３Ａに設けられており、囲い壁は、凹み部１１３の内壁面１１３Ｃである。

これにより、一実施形態に係る電池パック１００は、囲い壁を周囲から突出することなく、比較的容易に形成することができる。

また、一実施形態に係る電池パック１００において、呼吸膜１３１は、ケース１１０の側壁部１１２Ａにおいて、斜め下向きに設けられている。

これにより、一実施形態に係る電池パック１００は、囲い壁の内側に水が溜まり難くすることができる。このため、一実施形態に係る電池パック１００は、シール部１３２へ水圧が伝わり難くすることができ、ケース１１０が備える通気部１３０の防水性をより高めることができる。

また、一実施形態に係る電池パック１００において、圧力開放弁１４０は、呼吸膜１３１と電池セル１２０との間に設けられている。

これにより、一実施形態に係る電池パック１００は、高温ガスが発生してケース１１０内の圧力が急激に上昇したときに、高温ガスを圧力開放弁１４０から優先的に外部へ排出することで、高温ガスを呼吸膜１３１に伝わりに難くすることができる。このため、一実施形態に係る電池パック１００は、高温ガスが発生してケース１１０内の圧力が急激に上昇したときに、呼吸膜１３１を高温ガスから保護することができる。

また、一実施形態に係る電池パック１００において、呼吸膜１３１は、凹み部１１３の奥底面１１３Ａに形成されている開口部１１３Ｂに外側から嵌め込まれ、電池パック１００は、呼吸膜１３１を外側から押さえ付ける蓋１３３をさらに備える。

これにより、一実施形態に係る電池パック１００は、ケース１１０内の圧力によって呼吸膜１３１が開口部１１３Ｂから抜け落ちてしまうことを抑制することができる。このため、一実施形態に係る電池パック１００は、ケース１１０内の圧力によって呼吸膜１３１のシール部１３２のシール性が低下することを抑制することができる。

以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。

１００ 電池パック
１１０ ケース
１１１ アッパーカバー
１１２ ロアケース
１１２Ａ 側壁部
１１２Ｂ 部品
１１３ 凹み部
１１３Ａ 奥底面
１１３Ｂ 開口部
１１３Ｃ 内壁面
１２０ 電池セル
１３０ 通気部
１３１ 呼吸膜
１３２ シール部
１３３ 蓋
１３４ ネジ
１４０ 圧力開放弁

Claims (1)

1. ケースと、
   前記ケースの内部に設けられた電池セルと、
   前記ケースの側壁部にシール部を介して設けられ、前記ケース内の圧力を調整する通気部材と、
   前記ケースの上壁部に設けられ、前記ケース内の圧力の急激な上昇時に当該圧力を前記ケースの外部へ開放する圧力開放弁と
   を備え、
   前記ケースは、
   前記シール部を囲う囲い壁を前記側壁部に有する
   ことを特徴とする電池パック。

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