JP2023046542A - 物体認識装置、物体認識方法および物体認識プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加する。【解決手段】物体認識装置100は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定部10と、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加部20と、ノイズ付加部が付加したノイズの総数および位置を記憶するノイズ数記憶部30と、点群および点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識部40と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、物体認識装置、物体認識方法および物体認識プログラムに関する。
特許文献1には、測距装置によって測定された複数の測距点に対し所定のノイズを付加した後、当該ノイズが付加された測距点に基づいて物体を表すクラスタを形成し、形成されたクラスタの特徴量に基づいて物体を認識する物体認識装置が開示されている。
例えば特許文献1に開示された技術では、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの測距装置によって距離測定された複数の測距点(以下、「点群」ともいう)に対し、ノイズを付加する。ノイズ付加により対象物に特徴量が付加され、これにより確率共鳴現象が発生し、対象物の認識率が向上する。このとき、対象物までの距離に応じて付加するノイズの個数や範囲を変化させることにより、認識率をさらに向上させることができる。しかしこの場合、単純に複数個のノイズを付加させると、後から付加したノイズが、既に付加されていたノイズデータを上書きしてしまうため、対象物に付加した特徴量が失われる可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の物体認識装置は、対象物を認識するための物体認識装置であって、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定部と、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加部と、ノイズ付加部が付加したノイズの数を、当該付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶部と、点群および点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識部と、を備える。
本発明の別の態様は、物体認識方法である。この方法は、対象物を認識するための物体認識方法であって、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、付加されたノイズの数を、当該付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶ステップと、点群および点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識ステップと、を備える。
本発明のさらに別の態様は、物体認識プログラムである。このプログラムは、対象物を認識するための物体認識方法であって、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、付加されたノイズの数を、当該付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶ステップと、点群および点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識ステップと、をコンピュータに実行させる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加することができる。
以下、本発明を好適な実施の形態を基に各図面を参照しながら説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部品には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部品の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない要素の一部は省略して表示する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る物体認識装置100の機能ブロック図である。物体認識装置100は、点群測定部10と、ノイズ付加部20と、ノイズ数記憶部30と、認識部40と、を備える。
図1は、第1の実施の形態に係る物体認識装置100の機能ブロック図である。物体認識装置100は、点群測定部10と、ノイズ付加部20と、ノイズ数記憶部30と、認識部40と、を備える。
点群測定部10は、認識対象の物体(本明細書では、「対象物」という)の表面上に含まれる、1以上の測距点である点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する。物体認識装置100は、例えばLiDARを含んで構成されてもよい。LiDARは、レーザー光を対象物に照射して走査し、対象物からの反射光を受光することにより点群の位置を測定し、照射してから受光するまでに要した時間により点群測定部10から点群までの距離を測定することができる。点群に含まれる各点の位置と距離は、LiDARの走査範囲をXY平面とした場合、各点の位置をXY平面の座標、各点の距離を座標の値とした二次元配列として取得される。
LiDARなどの測距装置によって距離測定される点群は、その数が十分でないなどの理由により、対象物の特徴量を十分反映できないことがある。このような場合、測定された点群は、物体認識において、特徴量ではなくノイズとみなされてしまう可能性がある。このような点群に対し、当該点群の周囲にノイズを付加することにより確率共鳴現象を発現させ、対象物の特徴量を際立たせることができる。
ノイズ付加部20は、点群測定部10により測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加する。レーザー光の走査範囲は、照射方向に対して放射状に広がるため、照射されるレーザー光同士の間隔は、光源から離れるほど広がる。このため、対象物が遠方にあるほど、走査によってレーザー光が照射されて反射光を受光することができる点は少なくなる。その結果、LiDARから出力される点群に含まれる点の数が少なくなる。従って、各点群の周囲にノイズを付加する場合、付加するノイズの数は、当該各点群までの距離が短いほど多く、当該各点群までの距離が長いほど少ない方がよいと考えられる。さらに付加するノイズが分布する範囲のばらつきを示す標準偏差(付加するノイズの空間的広がり)は、当該各点群までの距離が短いほど大きく、当該各点群までの距離が長いほど小さい方がよいと考えられる。
ノイズ付加部20が付加するノイズは、点群測定部10から各点までの距離に基づく。例えばノイズは、最初に各点の位置をXY平面の座標として取得した上で、各点の距離を座標の値として取得する。この場合、各点に付加されるノイズの値は各点の距離を示す値となる。具体的なノイズ値は、例えば点群の各点の有無を示す二値の値であってもよい。あるいはノイズ値は、各点までの距離に応じた値、例えば各点までの距離、各点までの距離に所定の係数をかけたもの、各点までの距離に基づく一定のばらつきをもった値などであってもよい。さらにノイズ値として、ランダムな値を与えることもできる。
図2は、点群測定部10により測定された点群の周囲に、ノイズ付加部20がノイズを付加した例を示す。(a)は比較的近いところにある対象物の点群であり、(b)は比較的遠いところにある対象物の点群である。(a)では7つの点群が、(b)では2つの点群がそれぞれ観測されている。(b)に比べて(a)の点群の周囲の方が、より多くのノイズがより広範囲に付加されていることが分かる。(a)における7つの点群のうちの2つの点をP1、P2と名付ける。図2では、網目で示される点が対象物の点群であり、斜線で示される点がノイズである。点P1およびP2については、後述する。
図3は、図2の(a)、(b)において付加されたノイズの分布範囲を示す。実線が(a)のノイズ分布であり、破線が(b)のノイズ分布である。グラフの横軸はノイズの分布範囲、縦軸は分布密度を示す。(b)に比べて(a)の方が付加されたノイズの分布範囲が広く、分布密度が低い。従って(a)の方が分布範囲のばらつきを示す標準偏差が大きいことが分かる。
ノイズ数記憶部30は、ノイズ付加部20が付加したノイズの数を、当該付加されたノイズの位置ごとに記憶する。
図4は、図2(a)の点P1およびP2をXY平面上に表示したものである。点P1およびP2の座標はそれぞれ(3、8)および(5、5)である。
図5に、点P1およびP2の周囲に付加されたノイズを示す。ただし、点P1の周囲に付加されたノイズの位置を横縞で、点P2の周囲に付加されたノイズの位置を縦縞で示す。具体的には、点P1の周囲に付加されたノイズは(1、8)(2、7)(2、8)(2、9)(3、6)(3、7)(3、8)(3、9)(3、10)(4、8)(4、9)に位置する。点P2の周囲に付加されたノイズは(4、4)(4、5)(4、6)(4、7)(5、3)(5、4)(5、5)(5、6)(5、7)(6、4)(6、5)(6、6)(7、5)(7、6)に位置する。
ここで、図5には、後から付加したノイズが、既に付加されていたノイズデータを上書きしてしまっているものがあることに注意する。具体的には、図5では、先に点P1の周囲に付加されたノイズのデータを記録し、その後点P2の周囲に付加されたノイズのデータを記録している。(4、7)には、最初、点P1の周囲へのノイズが付加された。その後(4、7)に、点2の周囲へのノイズが付加された。このため、(4、7)に記録されていた点P1の周囲のノイズデータは、点P2の周囲のノイズデータに上書きされ、消失した。結果として(4、7)には、点P2の周囲に付加されたノイズのみが記録されている。これは、点P1に関する特徴量が一部失われてしまったことを意味する。また、ある1点の周囲にノイズを付加する際にも、同じ座標にノイズが複数回付加されるされる可能性がある。すなわち、既にノイズが付加された座標が、同じノイズデータによって上書きされる場合がある。
図6に、ノイズ数記憶部30に記憶された、ノイズの位置ごとのノイズの数を示す。具体的には、(1、8)に2個、(2、7)に1個、(2、8)に2個、(2、9)に1個、(3、6)に1個、(3、7)に3個、(3、8)に6個、(3、9)に3個、(3、10)に2個、(4、4)に1個、(4、5)に4個、(4、6)に2個、(4、7)に6個、(4、8)に2個、(4、9)に1個、(5、3)に1個、(5、4)に3個、(5、5)に7個、(5、6)に3個、(5、7)に1個、(6、4)に3個、(6、5)に3個、(6、6)に2個、(7、5)に1個、(7、6)に1個のノイズが付加されている。
このように、各位置に付加されたノイズの数を記憶することにより、ノイズデータが上書きされずに、付加されたノイズのすべての情報を保持することができる。すなわち、対象物に付加した特徴量が失われることがない。
ある位置で付加されたノイズの数が多いことは、その位置が対象物の特徴量として重要であることを示す。特にこの例では、(4、7)におけるノイズ数が6と、周囲の位置に比べて多い。これは、点P1とP2の両方に関してノイズが付加されたためであるが、同時にこれにより、(4、7)が点P1と、点P2と、を結ぶ重要な位置であることも分かる。
ここで、各位置に付加されたノイズの数は、点P1または点P2のいずれの周囲に付加されたノイズに起因するものであるかについては問わないことに注意する。このような、付加されたノイズの位置ごとの数(図6に示される数値の分布)は、測定を繰り返したときに同様のパターンが連続する。これにより、ノイズが対象物の特徴量を反映したものなのか、単なる雑音なのかを判断することができる。
ノイズ付加部20が付加するノイズの値は、点群の各点の有無を示す、二値などの任意の値であってもよい。また、各点の座標値に基づく値であってもよい。本実施の形態では、各点の座標値は点群測定部10から各点までの距離であり、各点に付加されるノイズの値は、各点までの距離に応じた値とし、距離が長いほど大きく、距離が短いほど小さくなるように与えられる。例えば各点までの距離、各点までの距離に所定の係数をかけたもの、各点までの距離に基づく一定のばらつきをもった値などであってもよい。さらにノイズ値として、ランダムな値を与えることもできる。
認識部40は、点群および前記点群に付加されたノイズから前記対象物を認識する。
上記の例では、同一の点群に含まれる点P1と点P2には同一の分布でノイズが付加される。同一の点群の各点に付加されるノイズの分布は、各点群との距離応じた分布となっている。ここで点群との距離とは、点群に含まれる各点の距離の代表値となる。代表値は、各点までの距離に基づいて算出してもよい。例えば代表値は、各点までの距離の平均値、中央値、最大値、最小値などであってもよい。あるいは、点群に含まれる各点の座標から代表的な座標を求め、その座標との距離を点群との距離としてもよい。代表的な座標とは、例えば各点の重心である。また、これに限られず、ノイズは、各点との距離に応じた分布で付加してもよい。すなわち、点P1および点P2について、各点との距離に応じた異なる分布でノイズを付加してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加することができる。これにより、精度の高い物体認識をすることができる。
[第2の実施の形態]
ある実施の形態では、ノイズ数記憶部30は、測定された点群の各点の周囲に付加されたノイズの数を点ごとに記憶する。
ある実施の形態では、ノイズ数記憶部30は、測定された点群の各点の周囲に付加されたノイズの数を点ごとに記憶する。
図7に、ノイズ数記憶部30に記憶されたノイズの数を示す。(a)は、点P1の周囲に付加されたノイズの数である。(b)は、点P2の周囲に付加されたノイズの数である。具体的には、点P1の周囲に付加されたノイズの数については、
(1、8)に2個、(2、7)に1個、(2、8)に2個、(2、9)に1個、(3、6)に1個、(3、7)に3個、(3、8)に6個、(3、9)に3個、(3、10)に2個、(4、7)に2個、(4、8)に2個、(4、9)に1個である。点P2の周囲に付加されたノイズの数については、(4、4)に1個、(4、5)に4個、(4、6)に2個、(4、7)に4個、(5、3)に1個、(5、4)に3個、(5、5)に7個、(5、6)に3個、(5、7)に1個、(6、4)に3個、(6、5)に3個、(6、6)に2個、(7、5)に1個、(7、6)に1個である。
(1、8)に2個、(2、7)に1個、(2、8)に2個、(2、9)に1個、(3、6)に1個、(3、7)に3個、(3、8)に6個、(3、9)に3個、(3、10)に2個、(4、7)に2個、(4、8)に2個、(4、9)に1個である。点P2の周囲に付加されたノイズの数については、(4、4)に1個、(4、5)に4個、(4、6)に2個、(4、7)に4個、(5、3)に1個、(5、4)に3個、(5、5)に7個、(5、6)に3個、(5、7)に1個、(6、4)に3個、(6、5)に3個、(6、6)に2個、(7、5)に1個、(7、6)に1個である。
本実施の形態によれば、測定された点群の各点の周囲に付加されたノイズの数を点ごとに記憶するので、付加されたノイズがどの点の周囲に付加されたものであるかを知ることができる。これによりさらに精度の高い物体認識をすることができる。
[第3の実施の形態]
ある実施の形態では、点群測定部10は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定することに加えて、当該対象物に含まれる点群の輝度をさらに測定する。輝度は、輝度センサを設け、LiDARによって距離を取得した範囲における輝度を取得してもよい。また、LiDARによって取得される対象物の反射強度の情報から輝度を算出してもよい。輝度は、各点の位置をXY平面の座標、各点の輝度を座標の値とした二次元配列として取得される。
ある実施の形態では、点群測定部10は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定することに加えて、当該対象物に含まれる点群の輝度をさらに測定する。輝度は、輝度センサを設け、LiDARによって距離を取得した範囲における輝度を取得してもよい。また、LiDARによって取得される対象物の反射強度の情報から輝度を算出してもよい。輝度は、各点の位置をXY平面の座標、各点の輝度を座標の値とした二次元配列として取得される。
第1の実施の形態と同様に、ノイズ付加部20は、各点の輝度に基づくノイズを付加する。具体的には、ノイズ付加部20は、輝度を取得した点群の周囲に、各点群までの距離に応じた分布で、各点の輝度に基づく値のノイズを付加する。ノイズの値は、輝度が高いほど大きく、輝度が低いほど小さくなるように与えられる。例えば各点までの輝度、各点の輝度に所定の係数をかけたもの、各点の輝度に基づく一定のばらつきをもった値などであってもよい。ノイズ数記憶部30は、付加されたノイズの数を、付加されたノイズの位置ごとに記憶する。
本実施の形態によれば、対象物の距離に加えて対象物の輝度についても、対象物に付加した特徴量を失うことなくノイズを付加することができる。これにより、より精度の高い物体認識が可能となる。
[第4の実施の形態]
ある実施の形態では、点群測定部10は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定することに加えて、当該対象物に含まれる点群の色をさらに測定する。色情報は、イメージセンサを設け、LiDARによって距離を取得した範囲における色情報を取得してもよい。また、複数の異なる波長のレーザー光を照射するLiDARによって色情報を取得してもよい。また、LiDARによって取得される対象物の反射強度の情報から色情報を算出してもよい。色情報は、各点の位置をXY平面の座標、各点の各色成分(例えば、RGB)の画素値を座標の値とした、各成分(R成分、G成分、B成分)の二次元配列として取得される。例えば、色成分がRGBの値で取得された場合、R成分、G成分、B成分の3つの二次元配列として取得される。
ある実施の形態では、点群測定部10は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定することに加えて、当該対象物に含まれる点群の色をさらに測定する。色情報は、イメージセンサを設け、LiDARによって距離を取得した範囲における色情報を取得してもよい。また、複数の異なる波長のレーザー光を照射するLiDARによって色情報を取得してもよい。また、LiDARによって取得される対象物の反射強度の情報から色情報を算出してもよい。色情報は、各点の位置をXY平面の座標、各点の各色成分(例えば、RGB)の画素値を座標の値とした、各成分(R成分、G成分、B成分)の二次元配列として取得される。例えば、色成分がRGBの値で取得された場合、R成分、G成分、B成分の3つの二次元配列として取得される。
第1の実施の形態と同様に、ノイズ付加部20は、各点の各色成分(例えば、RGB)の値に基づくノイズを付加する。具体的には、ノイズ付加部20は、各色成分の二次元配列において、色情報を取得した点群の周囲に、各点群までの距離に応じた分布で、各点の色情報の値に基づく値のノイズを付加する。ノイズの値は、RGB各成分の画素値が高いほど大きく、画素値が低いほど小さくなるように与えられる。例えば各点までの画素値、各点の画素値に所定の係数をかけたもの、各点の画素値に基づく一定のばらつきをもった値などであってもよい。ノイズ数記憶部30は、付加されたノイズの数を、付加されたノイズの位置ごとに記憶する。
本実施の形態によれば、対象物の距離に加えて対象物の色についても、対象物に付加した特徴量を失うことなくノイズを付加することができる。これにより、より精度の高い物体認識が可能となる。
上記の説明では、点群測定部10はLiDARを含むものとして説明した。しかしこれに限られず、点群測定部10は、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定できるものであればどのようなものであってもよい。
以上説明した物体認識装置の各種の処理は、CPUやメモリ等のハードウェアを用いた装置として実現することができるのは勿論のこと、ROM(リード・オンリ・メモリ)やフラッシュメモリ等に記憶されているファームウェアや、コンピュータ等のソフトウェアによっても実現することができる。そのファームウェアプログラム、ソフトウェアプログラムをコンピュータ等で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも、有線あるいは無線のネットワークを通してサーバと送受信することも、地上波あるいは衛星ディジタル放送のデータ放送として送受信することも可能である。
[第5の実施の形態]
図8は、第5の実施の形態に係る物体認識方法の処理手順を説明するフローチャートである。
図8は、第5の実施の形態に係る物体認識方法の処理手順を説明するフローチャートである。
最初に本方法は、点群測定部を用いて、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する(S1)。
次に本方法は、ノイズ付加部を用いて、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加する(S2)。
次に本方法は、ノイズ数記憶部を用いて、付加されたノイズの数を付加されたノイズの位置ごとに記憶する(S3)。
次に本方法は、認識部を用いて、点群および当該点群に付加されたノイズから対象物を認識する(S4)。
本実施の形態によれば、対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加することができる。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態は、コンピュータプログラムである。このプログラムは、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、付加されたノイズの数を付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶ステップと、点群および当該点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識ステップと、をコンピュータに実行させる。
第6の実施の形態は、コンピュータプログラムである。このプログラムは、対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、付加されたノイズの数を付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶ステップと、点群および当該点群に付加されたノイズから対象物を認識する認識ステップと、をコンピュータに実行させる。
本実施の形態によれば、対象物に付加した特徴量を失うことなく、当該対象物の点群の周囲に、各点群までの距離に応じたノイズを付加するプログラムをソフトウェアとして実装できる。
図4―7は、10×10の座標における点群の分布を示す。しかしこれに限られず、取得する点群は、任意の範囲に分布してよい。
上記の実施の形態では、1つの対象物を認識する場合について説明した。しかしこれに限られず、ある実施の形態は、所定の範囲の距離画像を取得し、異なる距離に存在する複数の対象物を認識するものであってもよい。
上記の実施の形態では、点群に含まれる各点の周囲にノイズを付加する場合について説明した。しかしこれに限られず、ノイズは点群の外周に付加してもよい。
以上、本発明を実施の形態を基に説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10・・点群測定部、 20・・ノイズ付加部、 30・・ノイズ数記憶部、 40・・認識部、50・・各点ノイズ記憶部、 S1・・点群の位置と、距離と、を測定するステップ、 S2・・ノイズを付加するステップ、 S3・・付加したノイズの数を付加されたノイズの位置ごとに記憶するステップ、 S4・・対象物を認識するステップ、 100・・物体認識装置。
Claims (8)
- 対象物を認識するための物体認識装置であって、
前記対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定部と、
測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加部と、
前記ノイズ付加部が付加したノイズの数を、当該付加されたノイズの位置ごとに記憶するノイズ数記憶部と、
前記点群および前記点群に付加されたノイズから前記対象物を認識する認識部と、を備えることを特徴とする物体認識装置。 - 前記測定された点群の周囲に付加されるノイズの数は、当該各点群までの距離が短いほど多いことを特徴とする請求項1に記載の物体認識装置。
- 前記測定された点群の周囲に付加されるノイズが分布する範囲のばらつきは、当該各点群までの距離が短いほど大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の物体認識装置。
- 前記ノイズ数記憶部は、前記ノイズ付加部が付加したノイズの数を、前記点群測定部が測定した点群の点ごとに記憶し、
前記付加されたノイズの位置ごとのノイズの数は、前記点群の点ごとに記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の物体認識装置。 - 前記点群測定部は、前記対象物に含まれる点群の輝度をさらに測定し、
前記ノイズ付加部は、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離および当該各点群の輝度に応じたノイズを付加することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の物体認識装置。 - 前記点群測定部は、前記対象物に含まれる点群の色をさらに測定し、
前記ノイズ付加部は、測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離および当該各点群の色に応じたノイズを付加することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の物体認識装置。 - 対象物を認識するための物体認識方法であって、
前記対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、
測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、
付加されたノイズの数および付加されたノイズの位置を記憶するノイズ数記憶ステップと、
前記点群および前記点群に付加されたノイズから前記対象物を認識する認識ステップと、を含むことを特徴とする物体認識方法。 - 対象物を認識するための物体認識プログラムであって、
前記対象物に含まれる点群の位置と、当該各点群までの距離と、を測定する点群測定ステップと、
測定された点群の周囲に、当該各点群までの距離に応じたノイズを付加するノイズ付加ステップと、
付加されたノイズの数および付加されたノイズの位置を記憶するノイズ数記憶ステップと、
前記点群および前記点群に付加されたノイズから前記対象物を認識する認識ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする物体認識プログラム。
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