JP2023045812A - 隊列走行制御システム、車載装置及び隊列走行制御方法 - Google Patents

隊列走行制御システム、車載装置及び隊列走行制御方法 Download PDF

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賢吾 飯野
Kengo Iino
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Yusuke Iwasaki
泰久 石田
Yasuhisa Ishida
真澄 石川
Masumi Ishikawa
和親 大沼
Kazuchika Onuma
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Abstract

【課題】隊列走行に関して、安全性の向上又は走行可能距離の増大を図る。【解決手段】隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を備え、複数の車載装置を用いて複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御システムにおいて、各車両に設置された隊列走行の実現に関わる機能部の動作余裕度に基づき複数の車両の走行順序を決定する。【選択図】図9

Description

本発明は、隊列走行制御システム、車載装置及び隊列走行制御方法に関する。
各車両に車載装置を搭載し、各車両を自律移動させることを通じ複数の車両を隊列走行させる技術が開発されている。隊列走行の実現にあたり、各車両に設置されたセンサ(イメージセンサ又は測距センサ等)により周辺状態のセンシングを行うことで位置推定や障害物検出が行われる。
特開2019-61342号公報
隊列走行に関わる一方法では、複数の車両の走行順序が固定される。また、隊列走行に関わる他の一方法では、車両に設置された各センサを駆動させるか否かが固定される。
但し、これらの方法は、隊列走行に関わる安全性の向上又は走行可能距離の増大にとって最適であるとは言えない。
本発明は、安全性の向上又は走行可能距離の増大に寄与する隊列走行制御システム、車載装置及び隊列走行制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る隊列走行制御システムは、隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を備え、複数の車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御システムにおいて、各車両に設置された隊列走行の実現に関わる機能部の動作余裕度に基づき前記複数の車両の走行順序を決定する。
本発明に係る他の隊列走行制御システムは、隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を備え、複数の車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御システムにおいて、前記複数の車両に前記隊列の周辺を観測可能な複数のセンサが設置され、前記隊列の周辺状態に応じて各センサの駆動又は非駆動を制御する。
本発明によれば、安全性の向上又は走行可能距離の増大に寄与する隊列走行制御システム、車載装置及び隊列走行制御方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る複数の車両の概略上面図である。 本発明の実施形態に係るシステムの全体構成図である。 本発明の実施形態に係る複数の車両の概略上面図である。 本発明の実施形態に係る車載装置の構成図である。 本発明の実施形態に係り、車両のバッテリに関わる構成図である。 本発明の実施形態に係り、車載装置の主制御部が実行可能な処理を列記した図である。 本発明の実施形態に係り、隊列に関わる監視対象領域を示す図である。 本発明の実施形態に係り、車載装置における主制御部の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る実施例EX1_Aに係り、走行順序の決定及び制御に関わる動作フローチャートである。 本発明の実施形態に係る実施例EX1_Aに係り、走行順序の変更の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る実施例EX1_Aに係り、走行順序の変更の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る実施例EX2_Aに係り、車両に設置されたセンサの基本駆動状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る実施例EX2_Aに係り、対象センサの駆動又は非駆動の制御に関わる動作フローチャートである。 本発明の実施形態に係る実施例EX2_Bに係り、隊列が左折する際における隊列形態変化の様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る実施例EX4に係る制御イメージ図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“BAT2”によって参照される補機用バッテリは(図5(b)参照)、補機用バッテリBAT2と表記されることもあるし、バッテリBAT2と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
図1は本発明の実施形態に係る複数の車両の概略上面図である。複数の車両によって隊列が形成又は構成される。隊列を形成又は構成する各車両を記号“CR”にて参照する。各車両CRは、任意の種類の自動車であり、電動カート及び電動車椅子なども車両CRに属する。車両CRは貨物運搬用の車両であっても良い。隊列を形成する車両CRの内、先頭を走行する車両CRを先頭車両と称し、最後尾を走行する車両CRを最後尾車両と称し、他の各車両CRを中間車両と称する。中間車両と最後尾車両をまとめて後続車両と称する。隊列を形成する車両CRの台数をnで表す。nは2以上の任意の整数である。中間車両の台数は(n-2)である。“n=2”であるとき、中間車両は存在しない。以下では、特に記述なき限り、“n≧3”であるとする。尚、隊列が直進によって第1地点から第2地点に移動する際、第1地点から第2地点に向かう向きが前向きに相当する。
各車両CRに車載装置1が搭載される。図1では、各車両CRに車載装置1が搭載される様子が概略的に示されている(後述の図3でも同様)。図2を参照し、隊列を構成するn台の車両CRに搭載された計n台の車載装置1を含んでシステムSYSが構成される。n台の車両CRを互いに区別する必要がある場合、図3に示す如く、n台の車両CRの内、第i番目の車両CRを特に車両CR[i]と称する(iは整数)。n台の車載装置1を互いに区別する必要がある場合、車両CR[i]に搭載された車載装置1を特に車載装置1[i]と称する。
システムSYSにおいて複数の車両CRは隊列走行を行う。隊列走行とは、複数の車両CRが隊列を組んだ状態で走行することを指す。システムSYSにおいて、複数の車両CRは自律移動(自律走行)を行い、複数の車載装置1により複数の車両CRの隊列走行が制御されて当該隊列走行が実現される。このため、システムSYSを隊列走行制御システム又は隊列走行システムと称することができる。
各車載装置1は、移動体通信網、ローカルエリアネットワーク及びインターネット等を含む所定の通信網NETを通じてサーバ装置2と双方向通信が可能に接続されていて良い。サーバ装置2は通信網NETに接続されたコンピュータ装置である。サーバ装置2は2以上のコンピュータ装置にて構成されていて良い。クラウドコンピューティングを利用してサーバ装置2が構成されていても良い。サーバ装置2はシステムSYSの構成要素となり得る。但し、システムSYSにおいてサーバ装置2の存在は必須ではない。
各車両CRは動力源を有し、各車両CRにおいて動力源は車両CRを走行させるための駆動力を発生させる。動力源は、所定の燃料(例えば化石燃料、水素)、又は、電気エネルギ等に基づいて、駆動力を発生させる。本実施形態では、以下、例として、動力源が電気エネルギに基づいて駆動力を発生させるモータを含むものとする。
図4に車載装置1の構成を示す。システムSYSに含まれる各車載装置1の構成は、複数の車載装置1間で互いに同じである(但し細部において異なり得る)。説明の具体化のため、複数の車両CRの内、注目された1台の車両CRを注目車両CR又は単に注目車両と称し、注目車両CRに設けられた車載装置1の構成を説明する。
車載装置1は、主制御部10、車両状態情報検出部20、周辺情報検出部30、GPS処理部40及びメモリ部50を備える。但し、車両状態情報検出部20、周辺情報検出部30、GPS処理部40及びメモリ部50の内、全部又は任意の一部は、車載装置1の構成要素に含まれない装置であって且つ車載装置1に接続された装置であると解しても良い。注目車両CRに設けられるアクチュエータ部60は主制御部10により駆動制御される。ここでは、アクチュエータ部60は車載装置1の構成要素に含まれない装置であって且つ車載装置1に接続された装置であると解する。但し、アクチュエータ部60が車載装置1の構成要素に含まれると解することも可能である。
主制御部10は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含む演算処理部11と、ROM(Read only memory)及びRAM(Random access memory)等を含む内部メモリ12と、相手側装置との双方向通信を実現するための通信処理部13と、をハードウェア資源として備える。注目車両CRに搭載された車載装置1にとっての相手側装置は、注目車両CR以外の各車両CRに搭載された車載装置1(主制御部10)を含み、更にサーバ装置2を含み得る。
或る車両CRに搭載された車載装置1と他の車両CRに搭載された車載装置1との通信を特に車々間通信と称する。車々間通信は、CVSS(Connected Vehicles Support Systems)と称される車々間通信システムにより実現されて良い。車々間通信は、通信網NETを介して又はサーバ装置2を介して実現されるものであっても良い。任意の車載装置1にて取得される又は取り扱われる任意の情報を、車々間通信を介して、他の任意の車載装置1に送信できて良く、当該任意の情報は全車載装置1にて共通認識されて良い。
主制御部10において、内部メモリ12又はメモリ部50に格納されたプログラムを演算処理部11にて実行することで、後述の各機能ブロックが実現されて良い。主制御部10は、車両CRに搭載された複数のECU(Electronic Control Unit)の組み合わせにより構成されていても良い。
車両状態情報検出部20は、車両CRに設置された複数の測定機器から成り、各測定機器を用いて車両状態情報を検出及び取得する。注目車両CRの車両状態情報検出部20は、注目車両CRについての車両状態情報を検出及び取得する。
車両状態情報は車両CRの状態を表す情報であり、主に車両CRの走行状態を表す情報を含む。具体的には、車両状態情報は、車両CRの速度(走行速度)を表す車速情報、車両CRの舵角(操舵角)を表す舵角情報、並びに、車両CRの加速及び減速の状態を表す加減速情報を含む。注目車両CRに関する車速情報、舵角情報及び加減速情報は、注目車両CRの走行状態を表す走行情報に属する。加減速情報は、車両CRのブレーキの制御量(操作量)を表すブレーキ情報を含んでいて良い。尚、車両状態情報は、上述の各種情報以外の様々な情報(加速度情報等)を更に含み得る。車両状態情報は所定周期で順次取得され、取得された車両状態情報は、順次、主制御部10に出力される。
周辺情報検出部30は、車両CRの周辺を観測可能なセンサを用いて、車両CRの周辺の状態を表す周辺情報(換言すれば車両CRの周辺環境を表す周辺環境情報)を検出及び取得する。注目車両CRの周辺情報検出部30は、注目車両CRの周辺の状態を表す周辺情報を検出及び取得する。周辺情報検出部30は、車両CRの周辺状態(周辺環境)を観測及び検出するためのセンサとして、イメージセンサであるカメラ31と、測距センサ32と、を備える。周辺情報は所定周期で順次取得され、取得された周辺情報は、順次、主制御部10に出力される。周辺情報はカメラ情報及び測距情報などを含む。カメラ情報及び測距情報については後述する。
注目車両CRにおいて、カメラ31は注目車両CRの所定位置に設置され、注目車両CRの周辺を撮影する。注目車両CRにおいて、カメラ31は、注目車両CRの位置を基準とした撮影領域(視野)を有し、撮影領域内の撮影画像を示すカメラ情報を生成する。注目車両CRにおけるカメラ31の撮影領域は、注目車両CRの前方の領域、後方の領域、右方の領域及び左方の領域を含んでいて良い。例えば、注目車両CRにおいて、注目車両CRの前方の領域を撮影する前カメラ、注目車両CRの後方の領域を撮影する後カメラ、注目車両CRの右方の領域を撮影する右カメラ、及び、注目車両CRの左方の領域を撮影する左カメラが、カメラ31に含まれていて良い。
注目車両CRにおいて、測距センサ32は注目車両CRの所定位置に設置され、測距を行うことで測距情報を生成及び出力する。注目車両CRにおいて、測距では、注目車両CRの周辺に位置する立体物(三次元物体)と注目車両CRとの距離が検出されると共に、注目車両CRから見て当該立体物が何れの向きに位置しているのかも検出される。これらの検出結果が測距センサ32から出力される測距情報に含まれる。注目車両CRにおいて、主制御部10は、測距情報に基づき注目車両CRの周辺の立体物の存在状態を示す二次元マップを生成することができる。注目車両CRにとっての立体物は、注目車両CR以外の各車両CRを含むと共に車両CRとは異なる障害物を含む。
測距センサ32は、光を利用して測距を行うLIDAR(Light Detection and Ranging)により構成されていても良いし、電波を利用して測距を行うレーダにより構成されていても良い。LIDAR及びレーダの組み合わせにて測距センサ32が構成されていても良い。
GPS処理部40は、GPS(Global Positioning System)を形成する複数のGPS衛星からの信号を受信し、受信結果に基づきGPS位置情報を生成する。注目車両CRにおいて、GPS処理部40により生成されるGPS位置情報は、注目車両CRの現在位置を経度及び緯度によって表す。GPS位置情報は所定周期で順次生成され、生成されたGPS位置情報は順次主制御部10に出力される。尚、車載装置1においてGPS処理部40は必須でなく、GPS処理部40は省略されることがある。
メモリ部50は、不揮発性の記録媒体から成り、様々な情報を記録及び保持する。メモリ部50には、地図情報51及び隊列走行プログラム52が記録及び保持される。メモリ部50において、地図情報51を記録及び保持するメモリ(地図情報保持部)と、隊列走行プログラム52を記録及び保持するメモリと、が別々に設けられていても良い。
地図情報51は所定の走行対象エリア内の地図を表す。地図情報51により表される地図は二次元地図であり、走行対象エリア内の各位置の情報(二次元情報)が地図情報51に含められる。但し、変形として、地図情報51は走行対象エリア内の三次元地図を表すものであっても良い。走行対象エリアは、複数の車両CRから成る隊列が走行しうるエリア(地図上の領域)表す。
車両CRが一般道路及び高速道路等を走行する自動車(トラック等)である場合、システムSYSが日本で運用されることを前提とすれば、上記走行対象エリアは日本国の陸地全体の領域であり得る。車両CRが所定の施設(工場、倉庫又は店舗等)内を走行する車両(電動カート等)である場合には、上記走行対象エリアは当該施設内のエリアであって良い。
隊列走行プログラム52は複数の車両CRが隊列走行を行う際に各演算処理部11にて実行されるプログラムであり、故にプログラム52の実行を通じて隊列走行が実現される。隊列走行プログラム52はサーバ装置2からダウンロードされるものであっても良い。
アクチュエータ部60は、車両CRを所望の方向に走行させ、且つ、車両CRを加速、減速又は停止させるための各種アクチュエータを備える。具体的には、アクチュエータ部60は、上記駆動力を発生させるモータを備えると共に、車両CRのステアリングを駆動させるステアリングアクチュエータ、及び、車両CRのブレーキを駆動させるブレーキアクチュエータ等を備える。尚、燃料を用いて上記駆動力を発生させる場合には、エンジンがアクチュエータ部60に設けられる。
図5(a)に示す如く、各車両CRには走行用バッテリBAT1、駆動回路DRV及びモータMTが設けられる。駆動回路DRV及びモータMTがアクチュエータ部60の構成要素に含まれる。駆動回路DRVは、走行用バッテリBAT1の出力電力に基づいてモータMTを駆動させる。モータMTの駆動によりモータMTにて発生した機械エネルギに基づき車両CRのタイヤが回転し、これによって車両CRが走行する。各車両CRには図5(b)に示す補機用バッテリBAT2も搭載される。車両CRに搭載された各種電装機器は補機用バッテリBAT2の出力電力に基づいて駆動する。電装機器は、主制御部10、車両状態情報検出部20、周辺情報検出部30、GPS処理部40及びメモリ部50を含む他、任意のECU(Electronic Control Unit)及びドライブレコーダ等を含み得る。バッテリBAT1及びBAT2はリチウムイオン電池等から成る二次電圧である。尚、同一のバッテリをバッテリBAT1及びBAT2として機能させる構成も可能である。
以下では、或る車載装置1にとって、自身を搭載した車両CRを自車両と称し、それ以外の車両CRを他車両と称する。
図6に、隊列走行の実現のために、主制御部10にて実行することのできる主だった処理を列記する。
主制御部10は自車両情報取得処理を実行する。車載装置1ごとに自車両情報取得処理が実行される。自車両情報取得処理において、主制御部10は自車両に関する情報である自車両情報を取得する。自車両情報は、自車両の車両状態情報検出部20、周辺情報検出部30及びGPS処理部40から出力される車両状態情報、周辺情報及びGPS位置情報を含む(但し、GPS位置情報は含まれないことがある)。
主制御部10は他車両情報取得処理を実行する。車載装置1ごとに他車両情報取得処理が実行される。自車両情報取得処理において、主制御部10は、車々間通信を介して、他車両に関する情報である他車両情報を取得する。他車両情報には、他車両の車両状態情報検出部20、周辺情報検出部30及びGPS処理部40から出力される車両状態情報、周辺情報及びGPS位置情報の全部又は一部が含まれていて良い。他車両が複数ある場合には他車両ごとに他車両情報が取得されて良い。
主制御部10は位置推定処理を実行する。位置推定処理は、車載装置1[1]~1[n]の内の1つの主制御部10にて実行されるものであって良い。典型的には例えば、先頭車両に搭載された車載装置1の主制御部10にて位置推定処理が行われる。位置推定処理では位置推定用情報に基づいて隊列の位置(現在地)が推定される。推定される位置は隊列を形成する各車両の推定位置を表していても良い。位置推定用情報は、地図情報51と、先頭車両の周辺情報と、を少なくとも含む。先頭車両の周辺情報は、先頭車両の周辺情報検出部30の各センサ(31、32)により検出及び出力される周辺情報である。位置推定用情報は、先頭車両のGPS位置情報を更に含んでいても良い。位置推定用情報は、他車両情報における周辺情報を更に含んでいても良い。位置推定用情報は、他車両情報におけるGPS位置情報を更に含んでいても良い。
主制御部10は経路設定処理を実行する。経路設定処理は、車載装置1[1]~1[n]の内の1つの主制御部10にて実行されるものであって良い。典型的には例えば、先頭車両に搭載された車載装置1の主制御部10にて経路設定処理が行われる。経路設定処理では、位置推定処理により推定された隊列の位置と、地図情報51と、定められた目的地と、に基づいて、隊列の走行予定経路を設定する。隊列の走行予定経路は、隊列を目的地に向かわせる際に、隊列を走行させる予定経路を表す。目的地は先頭車両又は各車両に対して予め設定されるものとする。サーバ装置2からの信号に基づき目的地が設定されても良い。
主制御部10は走行処理を行う。車載装置1ごとに走行処理が実行される。走行処理は自車両を走行させるため走行制御である。先頭車両における走行処理は先頭走行処理である。先頭走行処理では、走行予定経路に沿って自車両(即ち先頭車両)が走行するように自車両のアクチュエータ部60を制御する。この際例えば、自車両の走行速度が一定に保たれるように又は所定速度範囲内に保たれるようにアクチュエータ部60が制御されて良い。隊列が一般道路又は高速道路を走行するのであれば、先頭車両における走行処理において、自車両の走行速度が各道路の法定速度以下の所定速度範囲内に保たれるようにアクチュエータ部60が制御されて良い。後続車両における走行処理は追従走行処理である。追従走行処理では、自車両と自車両の直前を走行する車両との間の車間距離が自車両の周辺情報(特に測距情報)に基づき検出される。そして、追従走行処理では、検出された車間距離を所定距離範囲内に保ちながら、自車両が自車両の直前を走行する車両に追従して走行するよう自車両のアクチュエータ部60を制御する。この制御において、先頭車両の走行情報又は自車両の直前を走行する車両の走行情報が参照されて良い。
各車両CRにおける走行処理によりn台の車両CRは隊列を組んだ状態で目的地に向けて進行する。尚、各主制御部10による走行処理では、後述の障害物監視処理の結果に基づき、各車両CRが障害物と衝突しないように、各車両CRの周辺情報及び各車両CRの車体情報(車長及び車幅など)に基づき各車両CRのアクチュエータ部60が制御される。
主制御部10は物体検出処理を行う。車載装置1ごとに物体検出処理が実行されても構わないが、車載装置1[1]~1[n]の内の一部の主制御部10のみにて物体検出処理が行われても良い。例えば、先頭車両の主制御部10のみにて、又は、先頭車両及び最後尾車両の主制御部10のみにて、物体検出処理が実行されても良い。
物体検出処理は参照カメラからのカメラ情報に基づいて実行される。物体検出処理が車載装置1[i]の主制御部10にて実行される場合、参照カメラは、典型的には、車両CR[i]に設置されたカメラ31である。但し、参照カメラは、複数の車両CRに設置された複数のカメラ31を含んでいても良い。物体検出処理では、参照カメラからのカメラ情報に基づき、参照カメラの撮影画像中における物体の存否が検出され、参照カメラの撮影画像中に物体が存在する場合には当該物体の撮影画像中の位置及び当該物体の種類が検出される。参照カメラの撮影画像中における物体の存否の検出は、換言すれば、参照カメラの撮影領域内における物体の存否の検出である。物体検出処理にて検出されるべき物体は立体物(三次元物体)である。物体の種類として、例えば、他の車、人間、交通標識が挙げられる。ここにおける他の車は、隊列を形成する各車両CRとは異なる車を含む。
主制御部10は障害物監視処理を実行する。車載装置1[1]~1[n]の内の1つの主制御部10が障害物監視処理を行っても良いし、車載装置1[1]~1[n]の内の2以上の主制御部10が協働して障害物監視処理を行っても良い。障害物監視処理では隊列の周辺の障害物が監視される。隊列の周辺の障害物の監視は、換言すれば、隊列を構成する各車両の周辺の障害物の監視である。障害物は車両CRとは異なる立体物である。障害物の監視では、障害物の存否が検出され、障害物が存在すると検出された場合には隊列及び障害物間の位置関係が検出される。
システムSYSでは障害物の存否が監視される領域として監視対象領域MR_Wが設定される。図7の斜線領域は、隊列を形成する車両CRが3台であるときの監視対象領域MR_Wの例である。監視対象領域MR_W内の物体(但し車両CRは除く)は障害物となる。故に、障害物監視処理を物体検出処理の結果に基づいて実行することができる。障害物監視処理の一部として物体検出処理が実行されても良い。
監視対象領域MR_Wは、先頭車両の前方に位置する前方監視領域と、最後尾車両の後方に位置する後方監視領域と、隊列の側方に位置する側方監視領域と、を含む。側方監視領域は、隊列を形成する各車両CRの側方に位置する領域を含む。
障害物監視処理は、前方監視処理、後方監視処理及び側方監視処理に大別される。
前方監視処理では、先頭車両の周辺情報に基づき前方監視領域内の障害物が監視される。先頭車両の周辺情報とは、先頭車両に設置された周辺情報検出部30からの周辺情報を指す。前方監視領域は、先頭車両に設置されたカメラ31の撮影領域及び測距センサ32の検出領域に内包される。
後方監視処理では、最後尾車両の周辺情報に基づき後方監視領域内の障害物が監視される。最後尾車両の周辺情報とは、詳細には、最後尾車両に設置された周辺情報検出部30からの周辺情報を指す。後方監視領域は、最後尾車両に設置されたカメラ31の撮影領域及び測距センサ32の検出領域に内包される。
側方監視処理では、1以上の車両CRの周辺情報検出部30からの周辺情報に基づき側方監視領域内の障害物が監視される。側方監視処理にて参照される周辺情報は、中間車両の周辺情報を含んでいて良い。この際、側方監視領域の全部又は一部は、1以上の中間車両に設置されたカメラ31の撮影領域及び測距センサ32の検出領域に内包される。先頭車両に設置されたカメラ31の撮影領域及び測距センサ32の検出領域と、側方監視領域と、が互いに重複する領域を含んでいる場合、先頭車両の周辺情報も参照して側方監視領域内の障害物が監視されて良い。同様に、最後尾車両に設置されたカメラ31の撮影領域及び測距センサ32の検出領域と、側方監視領域と、が互いに重複する領域を含んでいる場合、最後尾車両の周辺情報も参照して側方監視領域内の障害物が監視されて良い。
主制御部10は動作余裕度導出処理を行う。車載装置1ごとに動作余裕度導出処理が実行されて良い。注目車両における動作余裕度導出処理では、注目車両に設置された特定の機能部の動作余裕度が導出される。特定の機能部は隊列走行の実現に関わる機能部であり、故に隊列走行は特定の機能部を用いて実現される。この特定の機能部を、以下、便宜上、対象機能部と称する。
対象機能部は、カメラ31又は測距センサ32であっても良いし、主制御部10にて実行されるべき処理のための演算を行う演算処理部11であっても良い。また例えば、対象機能部は、車両状態情報検出部20又はGPS処理部40であっても良い。また例えば、対象機能部は、隊列走行の実現に必要な任意のECUであっても良いし、隊列走行に関わるサービス提供に必要な任意の機能部であっても良い。
対象機能部の動作余裕度は、対象機能部の動作に関する余裕度合いを表し、原則として対象機能部の残存動作可能時間tRMNにより表される(例外については後述)。対象機能部の残存動作可能時間tRMNは、対象機能部の正常動作が確保される残りの時間を表す。故に、残存動作可能時間tRMNが大きいほど対象機能部の動作余裕度は大きい。動作余裕度導出処理では、対象機能部の残存動作可能時間tRMNが所定の推定用指標に基づいて推定及び導出される。このため、動作余裕度導出処理は、残存動作可能時間推定処理に相当する、又は、残存動作可能時間推定処理を含むと解することもできる。
推定用指標として以下の第1推定指標又は第2推定指標を用いることができる。
第1推定用指標は、対象機能部に駆動電力を与えるバッテリの残容量情報である。対象機能部に駆動力を与えるバッテリは、ここでは補機用バッテリBAT2である。バッテリBAT2の残容量情報は、バッテリBAT2が出力可能な残りの電力量(即ち残容量)であり、単位“A・h(アンペア・時)”などを用いて表現される。バッテリBAT2のSOC(state of charge)にてバッテリBAT2の残容量情報が表現されていても良い。
例えば、バッテリBAT2の残容量情報と、バッテリBAT2の平均出力電力の実測値、設計値又は推定値に基づき、対象機能部(例えばカメラ31)の残りの動作可能時間が対象機能部の残存動作可能時間tRMNとして推定される。バッテリBAT2の平均出力電力を計測又は推定する部位が各車載装置1に設けられていて良い。
第2推定用指標は、対象機能部に対して予め規定された対象機能部の使用耐久度情報である。対象機能部に対して、対象機能部を連続して駆動できる時間の上限(以下、連続動作上限時間と称し、記号“tMAX”にて参照する)が定められることがある。連続動作上限時間tMAXが定められている場合、連続動作上限時間tMAXにより使用耐久度情報が示される。対象機能部が第1時刻にて駆動を開始し、その後の第2時刻まで連続して駆動することを想定し、第1時刻から第2時刻までの時間を連続実駆動時間と称すると共に、記号“tCRT”にて参照する。そうすると、第1時刻では“tRMN=tMAX”であり、第2時刻では“tRMN=tMAX-tCRT”となる。
連続動作上限時間tMAX(従って残存動作可能時間tRMN)は、対象機能部の温度情報に依存することもある。対象機能部の温度情報は、対象機能部の温度を表す。対象機能部は自身の温度を測定するセンサ(不図示)を有していて良い。例えば、対象機能部の温度が50℃、80℃の下での連続動作上限時間tMAXが、夫々、第1時間(例えば100分)、第2時間(例えば40分)であると定められている場合を考える。この場合において、対象機能部の温度情報が50℃を指し示しているならば、対象機能部の残存動作可能時間tRMNは第1時刻において第1時間であり、第2時刻においては第1時間から第1及び第2時刻間の差(即ちtCRT)を差し引いたものとなる。但し、第1及び第2時刻間の差は第1時間以下であるとする。対象機能部の温度情報が80℃を指し示しているならば、対象機能部の残存動作可能時間tRMNは第1時刻において第2時間であり、第2時刻においては第2時間から第1及び第2時刻間の差(即ちtCRT)を差し引いたものとなる。但し、第1及び第2時刻間の差は第2時間以下であるとする。
また、連続動作上限時間tMAX(従って残存動作可能時間tRMN)は、対象機能部が設置された車両が位置する領域の外気温情報に依存することもある。外気温情報は、対象機能部が設置された車両の外温度(外気の温度)を表す。車載装置1は外気温を測定するセンサ(不図示)を有していて良い。車載装置1はネットワークNETを通じ任意の装置から外気温情報を取得しても良い。例えば、対象機能部が設置された車両の外温度が10℃、30℃の下での連続動作上限時間tMAXが、夫々、第3時間(例えば120分)、第4時間(例えば50分)であると定められている場合を考える。この場合において、対象機能部の外気温情報が10℃を指し示しているならば、対象機能部の残存動作可能時間tRMNは第1時刻において第3時間であり、第2時刻においては第3時間から第1及び第2時刻間の差(即ちtCRT)を差し引いたものとなる。但し、第1及び第2時刻間の差は第3時間以下であるとする。対象機能部の外気温情報が30℃を指し示しているならば、対象機能部の残存動作可能時間tRMNは第1時刻において第4時間であり、第2時刻においては第4時間から第1及び第2時刻間の差(即ちtCRT)を差し引いたものとなる。但し、第1及び第2時刻間の差は第4時間以下であるとする。
更に、連続動作上限時間tMAX(従って残存動作可能時間tRMN)は、対象機能部が設置された車両が位置する領域の天候情報に依存することがあっても良い。例えば、対象機能部が設置された車両CRが位置する領域の天候が晴れであって対象機能部が直射日光下で動作することが想定される場合と、当該天気が曇りである場合とで、連続動作上限時間tMAXが互いに相違していても良い。
対象機能部の残存動作可能時間tRMNを第1推定用指標及び第2推定用指標の双方に基づいて推定及び導出しても良い。この場合、第1推定用指標に基づく残存動作可能時間tRMNと、第2推定用指標に基づく残存動作可能時間tRMNの内、小さい方を、動作余裕度導出処理にて最終的に推定及び導出されるべき対象機能部の残存動作可能時間tRMNとして取り扱えば良い。
尚、残存動作可能時間tRMNの推定に対象機能部の残存寿命情報も加味されて良い。対象機能部の残存寿命情報は、対象機能部が、今後、正常に動作し得ると予想される時間を表す。対象機能部の残存寿命情報は、対象機能部に対して設計段階で定められた対象機能部の平均寿命から、現時点までの対象機能部の総駆動時間を差し引くことで求められる。
対象機能部の不具合発生履歴に基づいて対象機能部の残存動作可能時間tRMNが求められても良い。例えば、車載装置1[i]における対象機能部が過去において10分程度連続駆動しただけで異常状態(正常動作しない状態)に陥る状況が頻発したことを想定する。この際、以後は、車載装置1[i]における対象機能部の連続動作上限時間tMAXを10分とみなした上で、残存動作可能時間tRMNを求めるようにしても良い。
また、連続動作上限時間tMAXは、任意の2つの車載装置1間で互いに異なることもある。例えば、対象機能部がカメラ31である場合において、車載装置1[1]のカメラ31の連続動作上限時間tMAXと、車載装置1[2]のカメラ31の連続動作上限時間tMAXと、は互いに一致する場合もあるし、互いに異なる場合もある。或る車両CRに設置されたカメラ31と他の車両CRに設置されたカメラ31は同等の撮影機能を持つカメラであって良いが、それらのカメラ31の種類が相違する場合、両者間で連続動作上限時間tMAXが相違しうる。対象機能部が測距センサ32等である場合も同様である。
図8に示す如く、主制御部10に機能ブロック111~118を設けておくことができる。主制御部10の演算処理部11にて隊列走行用プログラム52が実行されることで機能ブロック111~118が構成されて良い。但し、機能ブロック111~118の内、幾つかの機能ブロックは、車載装置1[1]~1[n]の内の一部の車載装置1の主制御部10においてのみ実現される。
機能ブロック111は、自車両情報取得処理を行う自車両情報取得部である。
機能ブロック112は、他車両情報取得処理を行う他車両情報取得部である。
機能ブロック113は、位置推定処理を行う位置推定部である。
機能ブロック114は、経路設定処理を行う経路設定部である。
機能ブロック115は、走行処理を行う走行処理部である。
機能ブロック116は、物体検出処理を行う物体検出部である。
機能ブロック117は、障害物監視処理を行う障害物監視部である。
機能ブロック118は、動作余裕度導出処理を行う動作余裕度導出部である。動作余裕度導出部は残存動作可能時間推定部として機能できる。
以下、複数の実施例の中で、システムSYSにおける幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
<<実施例EX1_A>>
実施例EX1_Aを説明する。先頭車両の車載装置1は後続車両の各車載装置1よりも多くの処理を担うものであって良い。具体的には例えば、先頭車両の車載装置1は、位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理及び前方監視処理を行い、隊列前方の安全確認を行いながら隊列の走行を先導する。このため、動作余裕度の大きな車載装置1を先頭車両の車載装置1として機能させた方が、隊列走行の安全性の向上又は隊列の走行可能距離の増大の観点から好ましい。また例えば、最後尾車両の車載装置1は後方監視処理を行うことで、隊列後方の安全確認を行う。このため、最後尾車両の車載装置1の動作余裕度も可能な限り大きい方が良い。
これを考慮し、実施例EX1_Aに係るシステムSYSでは、対象機能部の動作余裕度に基づき、隊列の走行順序、即ち車両CR[1]~CR[n]の走行順序を決定及び制御する。これにより、動作余裕度を考慮した隊列走行が実現され、隊列走行の安全性の向上又は隊列の走行可能距離の増大が期待される。
より具体的には、車載装置1[1]~1[n]について導出された対象機能部の動作余裕度の内、最大の動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRが先頭車両となるように、車両CR[1]~CR[n]の走行順序を決定及び制御する。先頭車両の車載装置1についての動作余裕度が低いと、早期に隊列走行が不能な状態に陥る可能性がある。最大の動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRを先頭車両とすることで、例えば前方の安全確認が行われた安全走行を可能な限り長く維持することが可能となる。
加えて、車載装置1[1]~1[n]について導出された対象機能部の動作余裕度の内、2番目に大きな動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRが最後尾車両となるように、車両CR[1]~CR[n]の走行順序を決定及び制御すると良い。最後尾車両の車載装置1についての動作余裕度が低いと、後方の安全確認が不十分となる可能性がある。2番目に大きな動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRを最後尾車両とすることで、例えば後方の安全確認が行われた安全走行を長く維持することが可能となる。
何れかの車載装置1の主制御部10にて走行順序決定処理が実行され、走行順序決定処理により車両CR[1]~CR[n]の走行順序が決定される。走行順序決定処理を実行する主制御部10を有する車載装置1を、基準車載装置1と称する。ここでは、基準車載装置1は、現在、先頭車両とされている車両CRの車載装置1であるとする。但し、現在、最後尾車両又は中間車両とされている車両CRの車載装置1を基準車載装置1として機能させても良い。或いは、車載装置1[1]~1[n]の内、何れの車載装置1が基準車載装置1となるかが予め定められていても良い。基準車載装置1以外の各車載装置1を非基準車載装置1と称する。
図9に走行順序の決定及び制御に関わるシステムSYSの動作フローチャートを示す。図9のフローチャートに沿って当該制御の流れを説明する。走行順序決定処理は以下のステップS12~S14の各処理を含む。
まず、ステップS11において車載装置1ごとに動作余裕度導出処理が実行されることで、車載装置1ごとに対象機能部の動作余裕度が導出される。車載装置1[i]について導出された対象機能部の動作余裕度を記号“MRG[i]”にて参照する(iは整数)。続くステップS12では、各非基準車載装置1にて導出された対象機能部の動作余裕度が車々間通信を通じて基準車載装置1に送信され、基準車載装置1の主制御部10にて対象機能部の動作余裕度MRG[1]~MRG[n]が集約され且つ認識される。
ステップS12の後のステップS13において、基準車載装置1の主制御部10は、動作余裕度MRG[1]~MRG[n]の大小関係を評価することで、動作余裕度MRG[1]~MRG[n]の内、最大の動作余裕度と2番目に大きな動作余裕度を特定する。更に、ステップS13において、基準車載装置1の主制御部10は、最大の動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRを先頭候補車両として特定し、且つ、2番目に大きな動作余裕度に対応する車載装置1を搭載した車両CRを最後尾候補車両として特定する。ステップS13の後、ステップS14に進む。
基準車載装置1の主制御部10は、車両CR[1]~CR[n]の現在における走行順序を認識している。ステップS14において、基準車載装置1の主制御部10は、現在の先頭車両及び最後尾車両とステップS13にて特定された先頭候補車両及び最後尾候補車両との一致又は不一致を判断する。現在の先頭車両が先頭候補車両と一致し且つ現在の最後尾車両が最後尾候補車両と一致している場合(ステップS14のY)、基準車載装置1の主制御部10は走行順序の変更は不要であると判断して図9の処理を終える。走行順序の変更が不要であると判断された場合、現在の走行順序を維持した状態で隊列走行が継続される。
一方、現在の先頭車両が先頭候補車両と不一致であるか、或いは、現在の最後尾車両が最後尾候補車両と不一致である場合(ステップS14のN)、ステップS15に進む。現在の先頭車両が先頭候補車両と不一致であって、且つ、現在の最後尾車両が最後尾候補車両と不一致である場合にもステップS15に進む。
ステップS15では、車載装置1[1]~1[n]が協働することで走行順序変更動作が実行される。走行順序変更動作では、先頭候補車両が新たな先頭車両となるように且つ最後尾候補車両が新たな最後尾車両となるように、車両CR[1]~CR[n]の走行順序を変更する。この変更を経て、図9の処理を終える。
走行順序変更動作において、基準車載装置1の主制御部10は、車両CRごとに車両CRが隊列の何番目に走行するべきか指定する走行順序指定情報を生成し、走行順序指定情報を車々間通信を通じて他の各車載装置1に送信する。走行順序指定情報において、先頭候補車両及び最後尾候補車両以外の各車両CRは、隊列中、第2番目~第(n-1)番目に走行するべきと指定される。先頭候補車両及び最後尾候補車両以外の各車両CRを、第2番目~第(n-1)番目の何れに割り当てるかは任意であって良い。例えば、“n=5”であって、且つ、先頭候補車両及び最後尾候補車両が夫々車両CR[2]及びCR[3]であったなら、車両CR[2]、CR[1]、CR[4]、CR[5]、CR[3]の順番で各車両CRが走行すべきことを走行順序指定情報にて指定する。
この後、各車載装置1は走行順序指定情報に従う走行順序が実現されるようにアクチュエータ部60を制御する。これにより、ステップS15の走行順序変更動作の完了後では、先頭候補車両が新たな先頭車両となり且つ最後尾候補車両が新たな最後尾車両となる。
走行順序変更動作を、各車両CRの走行を停止させることなく行うようにしても良い。走行停止を伴わない走行順序変更動作では、一旦、隊列を形成する車両間の距離を十分に広げてから、走行順序指定情報に従う走行順序が実現されるよう、走行順序の変更を行えば良い。
走行順序変更動作は、各車両CRの走行を停止させる動作を含んでいても良い。この場合、一旦、パーキングエリア等の安全な場所において各車両CRを停止させた後、車載装置1[1]~1[n]の協働により、走行順序指定情報に従う順序で各車両CRを発進させれば良い。
図9のステップS11~S15から成る動作は、システムSYSにおいて周期的に(例えば10分間隔で)実行されて良い。これにより、現在の動作余裕度MRG[1]~MRG[n]に応じて走行順序が適正に維持又は変更される。サーバ装置2からの指示を契機に図9の動作が開始されても良い。
図10に走行順序の変更の例を示す。図10の例では“n=5”である。或る時刻TA1において、車両CR[1]、CR[2]、CR[3]、CR[4]、CR[5]が、この順番で隊列を組んで走行していたとする。即ち、或る時刻TA1では、車両CR[1]が先頭車両であり、車両CR[5]が最後尾車両であり、車両CR[2]~CR[4]が中間車両である。図10の例において動作余裕度は上述の残存動作可能時間tRMNにて表され、且つ、残存動作可能時間tRMNが第1推定用指標(補機用バッテリBAT2の残容量情報)に基づいて推定及び導出されることを想定する。時刻TA1において、車載装置1[1]、1[2]、1[3]、1[4]、1[5]についての残存動作可能時間tRMNは、夫々、70分、40分、38分、20分、45分であったとする。
そして、時刻TA1から暫く経過した時刻TA2において図9のステップS11から始まる処理が開始されたとする。時刻TA2において、車載装置1[1]、1[2]、1[3]、1[4]、1[5]についての残存動作可能時間tRMNは、夫々、30分、35分、33分、15分、25分であったとする。そうすると、時刻TA2では動作余裕度MRG[1]~MRG[5]について、“MRG[2]>MRG[3]>MRG[1]>MRG[5]>MRG[4]”が成立する。このため、ステップS13にて、車載装置1[2]を搭載した車両CR[2]が先頭候補車両として特定され、且つ、車載装置1[3]を搭載した車両CR[3]が最後尾候補車両として特定される。
時刻TA2において、現在の先頭車両(CR[1])は先頭候補車両(CR[2])と相違し、現在の最後尾車両(CR[5])は最後尾候補車両(CR[3])と相違する。このため、ステップS15に進んで走行順序変更動作が実行される。走行順序変更動作による走行順序の変更完了直後の時刻TA3では、車両CR[2]、CR[1]、CR[4]、CR[5]、CR[3]が、この順番で隊列を組んで走行する。
上述したように、先頭車両の車載装置1は、例えば位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理及び前方監視処理を行い、隊列前方の安全確認を行いながら隊列の走行を先導する。これらの処理の演算のために先頭車両の演算処理部11にて相応の電力が消費される。また、位置推定処理、物体検出処理及び前方監視処理を行うために、先頭車両では周辺状態検出部30がフル稼働又はフル稼働に近い形で稼働する。このため、先頭車両における補機用バッテリBAT2の消費電力は、中間車両及び最後尾車両のそれらよりも大きいことが多い。また例えば、最後尾車両の車載装置1は後方監視処理を行い、その演算のために最後尾車両の演算処理部11にて相応の電力が消費される。また、最後尾車両では、周辺状態検出部30の内、後方監視処理を行うために必要なセンサが駆動する。このため、最後尾車両における補機用バッテリBAT2の消費電力は中間車両のそれよりも大きいことが多い。結果、図10に示されるような、補機用バッテリBAT2の残容量に基づく残存動作可能時間tRMNの変化(時刻TA1及びTA2間の変化)が生じる。
図11に走行順序の変更の他の例を示す。図11の例でも“n=5”である。或る時刻TA6において、車両CR[1]、CR[2]、CR[3]、CR[4]、CR[5]が、この順番で隊列を組んで走行していたとする。即ち、或る時刻TA6では、車両CR[1]が先頭車両であり、車両CR[5]が最後尾車両であり、車両CR[2]~CR[4]が中間車両である。図11の例において動作余裕度は上述の残存動作可能時間tRMNにて表され、且つ、残存動作可能時間tRMNが第2推定用指標(使用耐久度情報)に基づいて推定及び導出されることを想定する。また、図11の例においては、説明の簡単化のため、対象機能部はカメラ31であるものとし、先頭車両のカメラ31及び最後尾車両のカメラ31は駆動状態(駆動してカメラ情報を生成及び出力する状態)にあるが、中間車両のカメラ31は非駆動状態(駆動しない状態であって、従ってカメラ情報を生成及び出力しない状態)にあるものとする。即ち、図11の例において、先頭車両及び最後尾車両においてのみ障害物監視等のためにカメラ31が駆動されるものとする。各中間車両は測距センサ32の出力を頼りに直前に走行する車両に追従するとする。時刻TA6において、車載装置1[1]、1[2]、1[3]、1[4]、1[5]についての残存動作可能時間tRMNは、夫々、70分、40分、60分、30分、65分であったとする。尚、図11の例において、70分、40分、60分、30分、65分は、夫々、車載装置1[1]、1[2]、1[3]、1[4]、1[5]のカメラ31の連続動作上限時間tMAXと一致すると考える。
そして、時刻TA6から40分経過した時刻TA7において図9のステップS11から始まる処理が開始されたとする。時刻TA7において、車載装置1[1]、1[2]、1[3]、1[4]、1[5]についての残存動作可能時間tRMNは、夫々、30分、40分、60分、30分、25分となる。そうすると、時刻TA7では動作余裕度MRG[1]~MRG[5]について、“MRG[3]>MRG[2]>MRG[1]=MRG[4]>MRG[5]”が成立する。このため、ステップS13にて、車載装置1[3]を搭載した車両CR[3]が先頭候補車両として特定され、且つ、車載装置1[2]を搭載した車両CR[2]が最後尾候補車両として特定される。
時刻TA7において、現在の先頭車両(CR[1])は先頭候補車両(CR[3])と相違し、現在の最後尾車両(CR[5])は最後尾候補車両(CR[2])と相違する。このため、ステップS15に進んで走行順序変更動作が実行される。走行順序変更動作による走行順序の変更完了直後の時刻TA8では、車両CR[3]、CR[1]、CR[4]、CR[5]、CR[2]が、この順番で隊列を組んで走行する。
ステップS15の走行順序変更動作により走行順序が変更されたとき、変更後の走行順序に応じて、各車載装置1で実行される処理内容が変更されることになる(但し、1以上の車載装置1で実行される処理内容は変更されないこともある)。これにより、隊列における各車両の走行順序に応じた適切な処理が各車載装置1にて実行されるようになる。尚、実施例EX1_Aに係る方法は、対象機能部の動作余裕度に基づき各車載装置1で実行される処理内容を変更する方法を含む、と解することもできる。
即ち例えば、図10の例において、時刻TA1では車載装置1[1]にて位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理、前方監視処理及び先頭走行処理が行われる。時刻TA2の後の走行順序変更動作により走行順序が変更されると、車載装置1[1]にて、位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理、前方監視処理及び先頭走行処理が行われず、代わりに追従走行処理が行われる。逆に、図10の例において、時刻TA1では車載装置1[2]にて位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理、前方監視処理及び先頭走行処理が行われずに、追従走行処理が行われる。時刻TA2の後の走行順序変更動作により走行順序が変更されると、車載装置1[2]にて、追従走行処理が行わず、代わりに位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理、前方監視処理及び先頭走行処理が行われる。このように、図10の例では、走行順序の変更を境に、車載装置1[1]にて実行される処理内容と、車載装置1[2]にて実行される処理内容とが入れ替わる。
同様に例えば、図10の例において、時刻TA1では車載装置1[5]にて後方監視処理及び追従走行処理が行われ、時刻TA2の後の走行順序変更動作により走行順序が変更されると、車載装置1[5]にて後方監視処理が行われずに追従走行処理が行われる。逆に、図10の例において、時刻TA1では車載装置1[3]にて後方監視処理が行われずに追従走行処理が行われ、時刻TA2の後の走行順序変更動作により走行順序が変更されると、車載装置1[3]にて後方監視処理及び追従走行処理が行われる。このように、図10の例では、走行順序の変更を境に、車載装置1[5]にて実行される処理内容と、車載装置1[3]にて実行される処理内容とが入れ替わる。図11の例についても同様に考えることができる。
隊列走行プログラム52として、先頭車両用プログラムと、最後尾車両用プログラムと、中間車両用プログラムと、がある。
先頭車両に搭載された車載装置1では先頭車両用プログラムが実行される。これによって例えば、先頭車両に搭載された車載装置1において、位置推定処理、経路設定処理、物体検出処理、前方監視処理及び先頭走行処理が行われる。最後尾車両に搭載された車載装置1では最後尾車両用プログラムが実行される。これによって例えば、最後尾車両に搭載された車載装置1において、後方監視処理及び追従走行処理が行われる。中間車両に搭載された車載装置1では中間車両用プログラムが実行される。これによって例えば、中間車両に搭載された車載装置1において、追従走行処理が行われる。
このように、各車載装置1で実行されるプログラムの変更により各車載装置1で実行される処理内容が変更されて良い。
或る車両CR[i]が中間車両又は最後尾車両から先頭車両に変更される際、その変更の過程又は完了後において、車載装置1[i]がサーバ装置2から先頭車両用プログラムをダウンロードして良い。そして、ダウンロード完了後に、車載装置1[i]にて実行されるプログラムを中間車両用プログラム又は最後尾車両用プログラムから先頭車両用プログラムに切り替えると良い。同様に、或る車両CR[i]が先頭車両又は中間車両から最後尾車両に変更される際、その変更の過程又は完了後において、車載装置1[i]がサーバ装置2から最後尾車両用プログラムをダウンロードして良い。そして、ダウンロード完了後に、車載装置1[i]にて実行されるプログラムを先頭車両用プログラム又は中間車両用プログラムから最後尾車両用プログラムに切り替えると良い。或る車両CR[i]が先頭車両又は最後尾車両から中間車両に変更される場合も同様である。
任意のプログラムのダウンロードは、車載装置1からサーバ装置2に対し所定の要求を行った際に実行されるものであって良い。サーバ装置2で管理する隊列走行プログラム52(先頭車両用、最後尾車両用又は中間車両用プログラム)がバージョンアップ等により更新された場合、サーバ装置2は車載装置1に対し隊列走行プログラム52のアップデートを要求できる。車載装置1は、隊列走行プログラム52のアップデートが要求されたとき、隊列の走行状況を考慮し適正なタイミングで当該アップデートを実行できる。例えば、各車両CRが停止しているときに当該アップデートを実行できる。隊列走行プログラム52以外の任意のプログラムについても同様であって良い。
先頭車両用プログラム、最後尾車両用プログラム及び中間車両用プログラムを、各車載装置1のメモリ部50に保持させておいても良い。この場合、車載装置1[i]は、走行順序変更動作により自車両(CR[i])が先頭車両に変更された時点で、車載装置1[i]にて実行されるプログラムを中間車両用プログラム又は最後尾車両用プログラムから先頭車両用プログラムに切り替えると良い。同様に、車載装置1[i]は、走行順序変更動作により自車両(CR[i])が最後尾車両に変更された時点で、車載装置1[i]にて実行されるプログラムを先頭車両用プログラム又は中間車両用プログラムから最後尾車両用プログラムに切り替えると良い。或る車両CR[i]が先頭車両又は最後尾車両から中間車両に変更される場合も同様である。
尚、基準車載装置1の主制御部10の機能をサーバ装置2に担わせることで、走行順序決定処理をサーバ装置2にて行う変形も可能である。この際、走行順序の変更はサーバ装置2の制御の下で実行されても良い。
<<実施例EX1_B>>
実施例EX1_Bを説明する。対象機能部の動作余裕度は対象機能部の不具合発生状況により表されていても良い。この内容を対象機能部がカメラ31又は測距センサ32であると考えて説明する。
各車両CRには、カメラ31としてPTOTAL台の単位カメラ(単位イメージセンサ)が設置され且つ測距センサ32としてQTOTAL台の単位測距センサが設置されているものとする。PTOTAL及びQTOTALは夫々に2以上の整数である。
例えば、注目車両CRの前方の領域を撮影する前カメラ、注目車両CRの後方の領域を撮影する後カメラ、注目車両CRの右方の領域を撮影する右カメラ、及び、注目車両CRの左方の領域を撮影する左カメラが、4台の単位カメラとして注目車両CRに設置されていて良い。
また例えば、注目車両CRの前方の領域を測距の対象とする前測距センサ、注目車両CRの後方の領域を測距の対象とする後測距センサ、注目車両CRの右方の領域を測距の対象とする右測距センサ、及び、注目車両CRの左方の領域を測距の対象とする左測距センサが、4台の単位測距センサとして注目車両CRに設置されていて良い。注目車両CRに設定され、或る領域を測距の対象とする測距センサは、当該領域内に位置する立体物と注目車両CRとの間の距離を測定する。
車載装置1[i]において、主制御部10は各単位カメラからの出力信号(カメラ情報)等に基づき、単位カメラごとに単位カメラが正常状態及び異常状態の何れにあるかを判断できる。単位カメラが正常状態であるときにのみ、単位カメラは所定の撮影を行うことができる。車載装置1[i]において、主制御部10は各単位測距センサからの出力信号(測距情報)等に基づき、単位測距センサごとに単位測距センサが正常状態及び異常状態の何れにあるかを判断できる。単位測距センサが正常状態であるときにのみ、単位測距センサは所定の測距を行うことができる。
対象機能部がカメラ31であるとき、車載装置1[i]において、異常状態にある単位カメラの個数PABNは、対象機能部の不具合発生状況を表す。対象機能部がカメラ31であるとき、車載装置1[i]において、個数PABNが小さいほど対象機能部の動作余裕度は大きくなる。例えば、車載装置1[i]における対象機能部の動作余裕度は、“(PTOTAL-PABN)”にて表されても良い、“(PTOTAL-PABN)/PTOTAL”にて表されても良い。
対象機能部が測距センサ32であるとき、車載装置1[i]において、異常状態にある単位測距センサの個数QABNは、対象機能部の不具合発生状況を表す。対象機能部が測距センサ32であるとき、車載装置1[i]において、個数QABNが小さいほど対象機能部の動作余裕度は大きくなる。例えば、車載装置1[i]における対象機能部の動作余裕度は、“(QTOTAL-QABN)”にて表されても良い、“(QTOTAL-QABN)/QTOTAL” にて表されても良い。
<<実施例EX2_A>>
実施例EX2_Aを説明する。実施例EX2_Aでは、隊列の周辺状態に応じ、各車両CRに設置される各センサの駆動又は非駆動を制御する。当該制御の対象となるセンサは、周辺状態検出部30を構成するカメラ31(イメージセンサ)又は測距センサ32を含む。隊列の周辺状態を隊列の周辺環境と読み替えることもできる。隊列の周辺状態は、各車両CRの周辺における障害物の状態(障害物の存否、障害物と各車両CRとの位置関係等)を表す。
実施例EX1_Bで述べたように、各車両CRには、カメラ31としてPTOTAL台の単位カメラ(単位イメージセンサ)が設置され且つ測距センサ32としてQTOTAL台の単位測距センサが設置されているものとする。PTOTAL及びQTOTALは夫々に2以上の整数である。ここでは説明の具体化のため、“PTOTAL=4”であって、実施例EX1_Bで述べた前カメラ、後カメラ、右カメラ及び左カメラが、4台の単位カメラとして各車両CRに設置されているものとする。また、“QTOTAL=4”であって、実施例EX1_Bで述べた前測距センサ、後測距センサ、右測距センサ及び左測距センサが、4台の単位測距センサとして各車両CRに設置されているものとする。
カメラ31及び測距センサ32の内、測距センサ32に注目して、隊列の周辺状態に応じた測距センサ32の駆動制御を説明する。説明の具体化のため、“n=5”であることを想定する。但し、本実施例において、nは3以上の任意の整数であって良い。
図12に示す基本駆動状態を想定する。各車両CRに設置される前、右、左、後測距センサを、夫々、符号“32F”、“32R”、“32L”、“32B”にて参照する。図12において、黒丸で示された測距センサ(32F、32R、32L又は32B)は駆動状態にある測距センサを表し、白丸で示された測距センサ(32F、32R、32L又は32B)は非駆動状態にある測距センサを表す。駆動状態にある測距センサは、駆動電力の供給を受けて測距を行い、測距の結果を示す測距情報を出力する。非駆動状態にある測距センサは、駆動電力の供給を受けておらず、故に測距情報を出力しない。
基本駆動状態では、先頭車両及び最後尾車両の夫々において測距センサ32F、32R、32L及び32Bが駆動状態にある。但し、基本駆動状態において先頭車両の測距センサ32Bは非駆動状態であっても良い。基本駆動状態では、各中間車両において測距センサ32Fが駆動状態にあり、測距センサ32R、32L及び32Bは非駆動状態にある。
図12の基本駆動状態では、先頭車両の測距センサ32Fの出力測距情報を用いて前方監視処理を行うことをでき、後続車両の測距センサ32Bの出力測距情報を用いて後方監視処理を行うことができる。図12の基本駆動状態では、先頭車両及び最後尾車両の夫々に設置された測距センサ32R及び32Lの出力測距情報を用いて側方監視処理を行うことができる。各後続車両の測距センサ32Fの出力測距情報を用いて追従走行処理を行うことができる。尚、実際には、カメラ31からのカメラ情報を更に用いて、前方、後方及び側方監視処理を行うことができる。
ここで、各中間車両に設置された単位測距センサ(32F、32R、32L、32B)を対象センサと称する。図12の例において、3台の中間車両の夫々に設置された測距センサ32F、32R、32L及び32Bが対象センサに該当する。中間車両ごとに対象センサは4つあるので、“n=5”であれば、対象センサの総数RTOTALは“12”である。
12台の対象センサの内、駆動状態にある対象センサの台数を記号“RON”にて表す。そうすると、12台の対象センサの内、駆動状態にある対象センサが占める割合は、“RON/RTOTAL”にて表される。システムSYSでは、隊列の周辺状態(周辺環境)に応じて割合(RON/RTOTAL)を可変制御することができる。
何れかの車載装置1の主制御部10にて駆動センサ決定処理が実行され、駆動センサ決定処理により、何れの対象センサを駆動状態とし、何れの対象センサを非駆動状態とするのかが決定される。駆動センサ決定処理を実行する主制御部10を有する車載装置1を、基準車載装置1と称する。実施例EX2_Aに係る基準車載装置1と、実施例EX1_Aに係る基準車載装置1との一致又は不一致は問わないが、ここでは、先頭車両に設置された車載装置1が基準車載装置1であるとする。但し、現在、最後尾車両又は中間車両とされている車両CRの車載装置1を基準車載装置1として機能させても良い。或いは、車載装置1[1]~1[n]の内、何れの車載装置1が基準車載装置1となるかが予め定められていても良い。基準車載装置1以外の各車載装置1を非基準車載装置1と称する。
図13に対象センサの駆動又は非駆動の制御に関わるシステムSYSの動作フローチャートを示す。図13のフローチャートに沿って当該制御の流れを説明する。駆動センサ決定処理は以下のステップS21~S23の各処理を含む。
まずステップS21において、車々間通信等を適宜用いて、基準車載装置1の主制御部10により隊列の周辺状態情報が取得される。隊列の周辺状態情報は、各車両CRに設置された測距センサの内、駆動状態にある測距センサ32F、32R、32L及び32Bから出力される測距情報を含む。図12の基準駆動状態では、先頭車両及び最後尾車両の夫々に設置された測距センサ32F、32R、32L及び32Bの出力測距情報と、各中間車両に設置された測距センサ32Fの出力測距情報と、が隊列の周辺状態状態に含まれる。また、各車両CRに設置されたカメラ(31F、31R、31L、31B)の内、駆動状態にあるカメラから出力されるカメラ情報も、隊列の周辺状態情報に含まれていて良い。更に、外部からの供給情報も隊列の周辺状態情報に含まれることがあっても良い。外部からの供給情報は、例えば、隊列の周辺領域内の様子を撮影するIPカメラ(ネットワークカメラ)の撮影結果情報を含む。ステップS21の後、ステップS22に進む。
ステップS22において、基準車載装置1の主制御部10は、ステップS21にて取得された隊列の周辺状態情報に基づき接触危険度を導出する。導出される接触危険度は、隊列の周辺における障害物と隊列を形成する何れかの車両CRとが接触する危険度合いを示す指標である。本来、実空間で静止している物体を避けるように隊列は走行するため、接触危険度に関わる障害物は動的障害物に限定されても良い。動的障害物は、実空間で動く物体であり、例えば、人間、又は、車両CR以外の車である。実空間にて動く或る立体物が隊列に接近してきており、当該立体物が障害物(動的障害物)として何れかの車両CRと接触する可能性があると判断されるとき、導出される接触危険度は所定の閾値以上となる。また、監視対象領域MR_W(図7参照)に存在する動的障害物の個数が増大するほど接触危険度は高くなる。ステップS22の後、ステップS23に進む。
ステップS23において、基準車載装置1の主制御部10は、導出した接触危険度に応じて駆動させる対象センサを決定する。導出された接触危険度が所定の閾値以上であるとき、図12の基準駆動状態から見て上記割合(RON/RTOTAL)が増大するよう、即ち駆動状態にある対象センサの台数が増大するよう、駆動させる対象センサを決定する。接触危険度が所定の閾値未満であるときには、図12の基準駆動状態が実現されるよう、駆動させる対象センサを決定する。従って、図12の基準駆動状態であるときにおいて、導出された接触危険度が所定の閾値未満であれば基準駆動状態が維持される。
ステップS23に続くステップS24において、基準車載装置1の主制御部10は、ステップS23での決定内容を示す駆動/非駆動指令信号を各中間車両の車載装置1に送信する。各中間車両の車載装置1にて駆動/非駆動指令信号に従い、各中間車両の測距センサ(32F、32R、32L、32B)が駆動又は非駆動状態とされる。障害物監視処理(図6参照)は駆動状態にある全測距センサの出力測距情報に基づき行われる。このため、駆動状態にある測距センサの台数が増大すれば、障害物の監視精度が高まり、必要な障害物回避行動をより正確に行うことができる。
最も単純には、接触危険度が所定の閾値以上であるとき、割合(RON/RTOTAL)を1にまで増大させて良い。また例えば、隊列との接触の危険性があると判断される障害物が隊列の右側から隊列に接近している場合において、接触危険度が所定の閾値以上であるとき、各中間車両の測距センサ32Rが非駆動状態から駆動状態に切り替わるようにしても良い。同様に例えば、隊列との接触の危険性があると判断される障害物が隊列の左側から隊列に接近している場合において、接触危険度が所定の閾値以上であるとき、各中間車両の測距センサ32Lが非駆動状態から駆動状態に切り替わるようにしても良い。
上述の如く、隊列の周辺状態に応じて車両CRに設置される各センサの駆動又は非駆動を制御する。これにより、駆動の必要性の高いセンサだけを駆動するといったことが可能となり、電力消費等を抑えることができる。結果、隊列の安全走行を担保しつつ、隊列の走行可能距離を増大させることができる。
詳細には例えば、隊列の周辺状態に基づく接触危険度に応じて中間車両に設置の各センサの駆動又は非駆動を制御する。この際、上記割合(RON/RTOTAL)を接触危険度に応じて変更する。これにより、駆動の必要性の高いセンサだけを駆動するといったことが可能となり、電力消費等を抑えることができる。結果、隊列の安全走行を担保しつつ、隊列の走行可能距離を増大させることができる。
実施例EX2_Aを上述の実施例EX1_A又はEX1_Bと組み合わせて実施することができる。即ち、各車載装置1における対象機能部の動作余裕度に基づき車両CR[1]~CR[n]の走行順序を決定及び制御し、その上で、隊列の周辺状態に応じ、各車両CRに設置される各センサの駆動又は非駆動を制御することができる。この場合には、対象機能部の動作余裕度及び隊列の周辺状態に基づき各車両CRに設置される各センサの駆動又は非駆動が制御される、と言える。
単位測距センサを対象カメラとして取り扱ったときの動作について上述したが、各中間車両に設置された単位カメラ(31F、31R、31L、31B)が対象センサとして取り扱われる場合も同様である。
尚、基準車載装置1の主制御部10の機能をサーバ装置2に担わせることで、駆動センサ決定処理をサーバ装置2にて行う変形も可能である。この際、ステップS24の処理もサーバ装置2の制御の下で実行されるようにして良い。
<<実施例EX2_B>>
実施例EX2_Bを説明する。実施例EX2_Bを実施例EX2_Aと組み合わせて実施することができ、実施例EX2_Aに記載の事項は、矛盾なき限り、実施例EX2_Bに適用できて良い。
隊列の形態を変化させる際、駆動させる対象センサの台数を増大させるようにしても良い。隊列の形態の変化とは、鉛直方向に沿って隊列を観測したときの隊列の形状が変化することを指す。隊列を形成する各車両CRが左折又は右折するときに隊列の形態が変化する。
図14に、各車両CRが直進している状態を起点に、各車両CRが左折する際に発生する隊列の形態変化の様子を示す。時刻TB1において隊列を形成する各車両CRは第1の向きに向かって直進している。その後、左折期間において隊列全体が左折する(即ち隊列を形成する各車両CRが順次左折する)。図14に示す時刻TB2及びTB3は左折期間中の時刻である。左折期間後の時刻TB4では、隊列を形成する各車両CRが第2の向きに向かって直進する。第2の向きは第1の向きと異なり、典型的には例えば、それらの向きは互いに直交する。
時刻TB1及びTB4では、各車両CRの舵角はゼロ又は実質的にゼロである。左折期間において、隊列を形成する1以上の車両CRの舵角はゼロではない(少なくとも時刻TB1及びTB4における各車両CRの舵角よりも大きくなる)。隊列が直進している期間、即ち、隊列を形成する全車両CRが直進している期間を直進期間と称する。時刻TB1及びTB4は直進期間に属する。直進期間では隊列の形態変化を伴うことなく隊列走行が行われる。これに対し、左折期間では隊列の形態が変化する。左折期間は隊列の形態変化が生じている最中の期間である。
実施例EX2_Bに係るシステムSYSは、隊列の形態が変化させる際、隊列の形態変化を伴うことなく隊列走行が行われるときと比べて、上述の割合(RON/RTOTAL)を増大させる。
左折等によって隊列の形態変化が生じるとき、巻き込み事故等を防止するために、より多くのセンサを駆動した方が良い。一方、隊列の形態変化が生じないときには、可能な限り多くのセンサの駆動を抑えた方が電力消費等を抑えることができる。実施例EX2_Bに係る方法により、隊列の安全走行を担保しつつ、隊列の走行可能距離を増大させることができる。
具体的には、直進期間において、基準車載装置1の主制御部10の制御の下、図12の基本駆動状態を実現する。実施例EX2_Aで述べたように接触危険度によっては、直進期間においても割合(RON/RTOTAL)が基本駆動状態より増大することもあるが、ここでは、直進期間において基本駆動状態が実現されていると仮定する。基準車載装置1の主制御部10は左折期間において割合(RON/RTOTAL)を基本駆動状態より増大させる。基準車載装置1の主制御部10は実施例EX2_Aで述べた駆動センサ決定処理を実行でき、左折期間において割合(RON/RTOTAL)が基本駆動状態より増大するよう各中間車両の車載装置1に駆動/非駆動指令信号を送信すれば良い。具体的には例えば、基準車載装置1の主制御部10は、左折期間において各中間車両の測距センサ32Lを駆動状態に維持させると良い。
左折に注目したが、隊列全体が右折する右折期間においても隊列の形態が変化する。このため、右折期間においても、左折期間と同様に、直進期間と比べて割合(RON/RTOTAL)を増大させると良い。具体的には例えば、基準車載装置1の主制御部10は、右折期間において各中間車両の測距センサ32Rを駆動状態に維持させると良い。また、車線変更等によっても隊列の形態は変化する。隊列が現在の車線から左側の車線に斜線変更する際の動作は左折が行われるときの動作と同様であって良く、隊列が現在の車線から右側の車線に斜線変更する際の動作は右折が行われるときの動作と同様であって良い。
単位測距センサを対象カメラとして取り扱ったときの動作について上述したが、各中間車両に設置された単位カメラ(31F、31R、31L、31B)が対象センサとして取り扱われる場合も同様である。
<<実施例EX3>>
実施例EX3を説明する。実施例EX3では、システムSYS内で実行されるべき演算の分散方法について説明する。実施例EX3を上述の実施例EX1_A、EX1_B、EX2_A及びEX2_Bの内、任意の1以上の実施例と組み合わせて実施することができる。
車載装置1[1]~1[n]における計n個の演算処理部11にて隊列走行に関わる演算(以下、便宜上、対象演算と称する)が実行される。対象演算は複数ある。各対象演算は、隊列走行を実現する際にシステムSYSにて実行される演算である。複数の対象演算は、主制御部10にて実行されると上述した任意の処理における演算を含み、更に他の演算も含む。例えば、物体検出処理の実現のために実行される物体検出用演算、位置推定処理の実現のために実行される位置推定用演算、及び、経路設定処理の実現のために実行される経路設定用演算は、対象演算に属する。複数の対象演算はn個の演算処理部11にて分散して実行されて良い。即ち、複数の対象演算がn個の演算処理部11にて分散して実行されるよう、各対象演算を何れかの演算処理部11に割り当てて良い。
上記分散の内容を決定する主制御部10を有する車載装置1を、基準車載装置1と称する。上記分散の内容の決定結果に従って、複数の対象演算がn個の演算処理部11に分散して割り当てられる。例えば、第1、第2対象演算を、夫々、車載装置1[1]、1[2]の演算処理部11に割り当てることが決定された場合を考える。この場合、基準車載装置1の主制御部10の制御の下、車載装置1[1]の演算処理部11にて第1対象演算(例えば物体検出用演算)が実行され、且つ、車載装置1[2]の演算処理部11にて第2対象演算(例えば位置推定用演算)が実行される。
実施例EX3に係る基準車載装置1と、実施例EX1_Aに係る基準車載装置1と、実施例EX2_Aに係る基準車載装置1との一致又は不一致は問わないが、ここでは、先頭車両に設置された車載装置1が基準車載装置1であるとする。但し、最後尾車両又は中間車両とされている車両CRの車載装置1を基準車載装置1として機能させても良い。或いは、車載装置1[1]~1[n]の内、何れの車載装置1が基準車載装置1となるかが予め定められていても良い。
実施例EX3において、対象機能部は演算処理部11であって、且つ、対象機能部の動作余裕度は演算処理部11の残存動作可能時間tRMNであって良い。この場合、基準車載装置1の主制御部10は、各車載装置1の演算処理部11の残存動作可能時間tRMNに基づいて、上記分散の内容を決定して良い。例えば、車載装置1[1]の演算処理部11の残存動作可能時間tRMNが車載装置1[2]の演算処理部11の残存動作可能時間tRMNよりも大きいとき、車載装置1[2]の演算処理部11と比べて、車載装置1[1]の演算処理部11に対し、より多くの個数の対象演算を割り当てる又は演算負荷のより大きな対象演算を割り当てて良い。
システムSYSにおいて、各対象演算に対し優先度が設定される。優先度として第1優先度~第K優先度がある。Kは2以上の任意の整数である。各対象演算に第1~第K優先度の何れか1つが予め設定される。任意の整数iについて、第i優先度は第(i+1)優先度よりも優先度合いが高い。即ち例えば、第i優先度が設定された対象演算は、第(i+1)優先度が設定された対象演算よりも優先して実行されるべきである。
またシステムSYSにおいて、各演算処理部11の特性として演算性能ランクが設定される。演算性能ランクは、各演算処理部11に対して予め規定されたランク情報に基づいて設定される。或る演算処理部11のランク情報は、当該演算処理部11の演算処理能力に応じた情報であり、当該演算処理部11のコア数及びGPUの性能等に基づき定められる。各車載装置1の構成は複数の車載装置1間で互いに同じであると上述したが、演算性能ランクについては複数の車載装置1間で互いに異なり得る。或る演算処理部11の演算処理能力が高いほど、当該演算処理部11の演算性能ランクは高い。
尚、或る演算処理部11の演算性能ランクは、当該演算処理部11のランク情報と、当該演算処理部11の温度(表面温度又は内部温度)と、に基づいて設定されるものであっても良い。この場合には、演算処理部11の温度を計測する温度センサ(不図示)を各車載装置1に設けておけば良く、計測された演算処理部11の現在温度に応じて当該演算処理部11の演算性能ランクが評価及び設定されて良い。
そして、基準車載装置1の主制御部10は、各対象演算の優先度と各演算処理部11の演算性能ランクとに基づき、複数の対象演算を計n個の演算処理部11に分散させて良い。即ち、各対象演算の優先度と各演算処理部11の演算性能ランクとに基づき、複数の対象演算が計n個の演算処理部11にて分散して実行されるよう、各対象演算を何れかの演算処理部11に割り当てて良い。これにより、優先度を考慮して妥当な演算処理能力を有する演算処理部11に演算を行わせることができ、システム全体の演算効率化が図られる。
この際、より高い優先度を持つ対象演算が、より高い演算性能ランクを持つ演算処理部11に割り当てられるようにすると良い。即ち、車載装置1[1]の演算処理部11の演算性能ランクが車載装置1[2]及び1[3]の各演算処理部11の演算性能ランクよりも高いケースCS1_EX3を想定した場合、以下にようにしても良い。ケースCS1_EX3において、車載装置1[1]の演算処理部11に対し第1優先度の対象演算を割り当てる一方、車載装置1[2]及び1[3]の各演算処理部11に対し第2優先度以下の優先度の対象演算を割り当てると良い。そうすると、車載装置1[1]の演算処理部11にて第1優先度の対象演算が実行され、車載装置1[2]及び1[3]の各演算処理部11にて第2優先度以下の優先度の対象演算が実行される。第2優先度以下の優先度の対象演算は、車載装置1[2]の演算処理部11の演算性能ランク及び車載装置1[3]の演算処理部11の演算性能ランクに応じて、それらの演算処理部11に分配されて良い。
隊列走行の安全性確保のために必要な対象演算に対し、より高い優先度が設定される。例えば、物体検出用演算は、障害物との接触の回避のためにも重要な演算であり、第1優先度が設定されて良い。物体検出用演算はGPUを用いた画像処理を含み、相応に高い演算処理能力が必要とされる。このことから、物体検出用演算を、可能な限り高い演算性能ランクを持つ演算処理部11に割り当てることが好ましい。これに対し例えば、対象演算に該当し得るサービス提供用演算には第2優先度以下の優先度が設定されて良い。サービス提供用演算は、例えば、隊列の走行予定経路上に位置する施設(レストラン等)を検索するための演算である。
尚、低い優先度(例えば第K優先度)が設定される対象演算は、各演算処理部11の処理待ち状況に応じサーバ装置2にて行われるようにしても良い。
また、各演算処理部11に何れの対象演算を割り当てるかの決定及び制御を、サーバ装置2にて行うようにしても良い。
<<実施例EX4>>
実施例EX4を説明する。第4実施例では、システムSYSに関する幾つかの変形技術や補足事項等を説明する。
図15に、上述の各実施例に関わる制御のイメージ図を示す。対象機能部の動作余裕度に応じて隊列の走行順序を決定及び制御する。隊列の走行順序の変更に伴い、各演算処理部11にて実行されるべきプログラムが変更される。また、実施例EX3に示した方法に従い、実行されるべき演算(対象演算)の分散が行われる。更に、隊列の周辺状態情報に応じて各センサの駆動又は非駆動が制御される。
また、或る車両CRに設置されるセンサ(カメラ31又は測距センサ32)が非駆動状態から駆動状態に切り替えられる際、駆動状態に切り替えられるセンサの動作に必要なプログラムが当該車両CRの演算処理部11にて起動されて良い。駆動状態に切り替えられるセンサの動作に必要なプログラムは、メモリ部50に予め保持されるものであっても良いし、サーバ装置2からダウンロードされるものであっても良い。
本発明を工場内における部品搬送又は店舗内での貨物搬送などに適用できる。即ち、車両CRは、工場内における部品搬送又は店舗内での貨物搬送などを行う車両であっても良い。但し、車両CRは一般道路及び高速道路等を走行する自動車(トラック等)であっても良い。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
SYS システム(隊列走行制御システム)
CR、CR[1]~CR[n] 車両
NET 通信網
1 車載装置
2 サーバ装置
10 主制御部
11 演算処理部
12 内部メモリ
13 通信処理部
20 車両状態情報検出部
30 周辺情報検出部
31 カメラ(イメージセンサ)
32 測距センサ
40 GPS処理部
50 メモリ部
51 地図情報
52 隊列走行プログラム
60 アクチュエータ部
111 自車両情報取得部
112 他車両情報取得部
113 位置推定部
114 経路設定部
115 走行処理部
116 物体検出部
117 障害物監視部
118 動作余裕度導出部

Claims (18)

  1. 隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を備え、複数の車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御システムにおいて、
    各車両に設置された隊列走行の実現に関わる機能部の動作余裕度に基づき前記複数の車両の走行順序を決定する
    、隊列走行制御システム。
  2. 各車両において、前記機能部の動作余裕度は前記機能部の残存動作可能時間により表される
    、請求項1に記載の隊列走行制御システム。
  3. 各車両の前記車載装置において、所定の推定用指標に基づき当該車両の前記機能部の残存動作可能時間を推定され、
    前記推定用指標は、前記機能部に駆動電力を与えるバッテリの残容量情報、及び、前記機能部に対して予め規定された使用耐久度情報の内、少なくとも1つを含む
    、請求項2に記載の隊列走行制御システム。
  4. 前記機能部は、前記隊列の周辺を観測可能なセンサを含む
    、請求項3に記載の隊列走行制御システム。
  5. 各車両において、前記機能部の動作余裕度は前記機能部の不具合発生状況により表される
    、請求項1に記載の隊列走行制御システム。
  6. 最大の動作余裕度に対応する車載装置を搭載した車両が先頭車両となるよう前記走行順序を決定する
    、請求項1~5の何れかに記載の隊列走行制御システム。
  7. 2番目に大きな動作余裕度に対応する車載装置を搭載した車両が最後尾車両となるよう前記走行順序を決定する
    、請求項6に記載の隊列走行制御システム。
  8. 前記走行順序を変更する際、変更後の走行順序に応じて各車載装置で実行される処理内容を変更する
    、請求項1~7の何れかに記載の隊列走行制御システム。
  9. 各車載装置で実行されるプログラムの変更により、各車載装置で実行される処理内容が変更される
    、請求項8に記載の隊列走行制御システム。
  10. 隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を備え、複数の車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御システムにおいて、
    前記複数の車両に前記隊列の周辺を観測可能な複数のセンサが設置され、
    前記隊列の周辺状態に応じて各センサの駆動又は非駆動を制御する
    、隊列走行制御システム。
  11. 前記複数の車両は、前記隊列の先頭を走行する先頭車両と、前記隊列の最後尾を走行する最後尾車両と、前記先頭車両と前記最後尾車両との間を走行する1以上の中間車両と、から成り、
    前記複数のセンサは、前記1以上の中間車両に設置される複数の対象センサを含み、
    前記隊列の周辺状態に応じて各対象センサの駆動又は非駆動を制御する
    、請求項10に記載の隊列走行制御システム。
  12. 前記複数のセンサの内、駆動中のセンサの出力に基づき、前記隊列の周辺における障害物と前記複数の車両の何れかとの接触危険度を導出し、前記接触危険度に応じて各対象センサの駆動又は非駆動を制御する
    、請求項11に記載の隊列走行制御システム。
  13. 前記複数の対象センサの内、駆動する対象センサの割合を、前記接触危険度に応じて変更する
    、請求項12に記載の隊列走行制御システム。
  14. 前記隊列の形態を変化させる際、前記隊列の形態変化を伴うこと無く隊列走行が行われるときと比べて、前記複数の対象センサの内、駆動する対象センサの割合を、増大させる
    、請求項11~13の何れかに記載の隊列走行制御システム。
  15. 各車載装置は演算処理部を有し、前記複数の車載装置における複数の演算処理部にて隊列走行に関わる複数の演算が実行され、
    各演算に対し優先度が設定され、各演算処理部に対し演算性能ランクが設定され、
    各演算の前記優先度と各演算処理部の前記演算性能ランクとに基づき、前記複数の演算を前記複数の演算処理部に分散させる
    、請求項1~14の何れかに記載の隊列走行制御システム。
  16. 請求項1~15の何れかに記載の隊列走行制御システムに用いられる車載装置であって、隊列を形成する複数の車両の何れかに搭載される
    、車載装置。
  17. 隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御方法において、
    各車両に設置された隊列走行の実現に関わる機能部の動作余裕度に基づき前記複数の車両の走行順序を決定する
    、隊列走行制御方法。
  18. 隊列を形成する複数の車両の夫々に搭載された車載装置を用いて前記複数の車両を隊列走行させる隊列走行制御方法において、
    前記複数の車両に前記隊列の周辺を観測可能な複数のセンサが設置され、
    前記隊列の周辺状態に応じて各センサの駆動又は非駆動を制御する
    、隊列走行制御方法。
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