JP2023045187A - 受信回路 - Google Patents

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良之 杉本
Yoshiyuki Sugimoto
啓二 田中
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Abstract

【課題】入力電流値が小さい範囲での雑音特性の劣化を抑制しつつ、差動信号のオフセットの増加を抑制可能な受信回路を提供する。【解決手段】受信回路は、第1入力電流を受け、第1電圧を出力する第1トランスインピーダンスアンプと、第2入力電流を受け、第2電圧を出力する第2トランスインピーダンスアンプと、第1帰還電流に応じて第1参照電圧を生成する第1参照電圧回路と、第3帰還電流に応じて第2参照電圧を生成する第2参照電圧回路と、第1および第2オフセット制御回路と、第1および第2電圧に応じて差動信号を出力する差動増幅回路を有する。第1オフセット制御回路は、第1電圧の平均電圧値に応じて第1帰還電流を調整し、または第1入力電流から第2帰還電流を減算する。第2オフセット制御回路は、第2電圧の平均電圧値に応じて第3帰還電流を調整し、または第2入力電流から第4帰還電流を減算する。【選択図】図1

Description

本開示は、受信回路に関する。
光通信に使用される受信回路は、フォトダイオード等により光信号から変換された電流信号を入力電流として受け、受けた電流信号をトランスインピーダンスアンプにより電圧信号に変換する。また、差動の電圧信号を出力する受信回路は、差動の電圧信号に発生するオフセットを補償する自動オフセット制御回路を有する場合がある。自動オフセット制御回路は、入力電流の一部を引き抜いてオフセットを補償する。例えば、自動オフセット制御回路は、オフセットの大きさが小さくなるように入力電流からの引き抜き量を制御する。
特開2020-5124号公報
例えば、受信可能な範囲の入力電流に対してオフセットを補償するために入力電流がゼロに近いときにも引き抜きを行うと、受信回路の雑音特性が劣化するおそれがある。また、雑音特性の劣化を抑制するために、入力電流値が小さい範囲において入力電流からの引き抜きを停止すると、オフセットを補償できなくなるおそれがある。
そこで、本開示は、入力電流値が小さい範囲での雑音特性の劣化を抑制しつつ、入力電流から変換された電圧信号の電圧と参照電圧との間のオフセットの増加を抑制可能な受信回路を提供することを目的とする。
本開示の受信回路は、第1入力電流を受ける第1入力端子と、第1入力ノードを有し、前記第1入力ノードに入力された第1電流信号を第1電圧信号に変換する第1トランスインピーダンスアンプと、第1帰還電流に応じて第1参照電圧を生成する第1参照電圧回路と、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットに応じて前記第1帰還電流と第2帰還電流とを生成する第1オフセット制御回路と、第2入力電流を受ける第2入力端子と、第2入力ノードを有し、前記第2入力ノードに入力された第2電流信号を第2電圧信号に変換する第2トランスインピーダンスアンプと、第3帰還電流に応じて第2参照電圧を生成する第2参照電圧回路と、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットに応じて前記第3帰還電流と第4帰還電流とを生成する第2オフセット制御回路と、前記第1電圧信号と前記第2電圧信号との電圧差に応じて差動信号を生成する差動増幅回路と、を備え、前記第1入力ノードは、前記第1入力端子に電気的に接続され、前記第2入力ノードは、前記第2入力端子に電気的に接続され、前記第1オフセット制御回路は、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より大きいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第1帰還電流を調整し、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より小さいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第1入力電流から前記第2帰還電流を減算し、前記第2オフセット制御回路は、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より大きいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第3帰還電流を調整し、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より小さいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第2入力電流から前記第4帰還電流を減算する。
本開示によれば、入力電流値が小さい範囲での雑音特性の劣化を抑制しつつ、入力電流から変換された電圧信号の電圧と参照電圧との間のオフセットの増加を抑制可能な受信回路を提供することができる。
図1は、第1の実施形態にかかる受信回路の一例を示すブロック図である。 図2は、図1のトランスインピーダンスアンプ段の一例を示す回路図である。 図3は、図1の自動オフセット制御回路の一例を示す回路図である。 図4は、図3の自動オフセット制御回路のDC伝達特性を示す図である。 図5は、図1の受信回路の動作特性の一例を示す図である。 図6は、第2の実施形態にかかる受信回路の一例を示すブロック図である。 図7は、図6の自動オフセット制御回路の一例を示す回路図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
〔1〕本開示の一態様にかかる受信回路は、第1入力電流を受ける第1入力端子と、第1入力ノードを有し、前記第1入力ノードに入力された第1電流信号を第1電圧信号に変換する第1トランスインピーダンスアンプと、第1帰還電流に応じて第1参照電圧を生成する第1参照電圧回路と、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットに応じて前記第1帰還電流と第2帰還電流とを生成する第1オフセット制御回路と、第2入力電流を受ける第2入力端子と、第2入力ノードを有し、前記第2入力ノードに入力された第2電流信号を第2電圧信号に変換する第2トランスインピーダンスアンプと、第3帰還電流に応じて第2参照電圧を生成する第2参照電圧回路と、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットに応じて前記第3帰還電流と第4帰還電流とを生成する第2オフセット制御回路と、前記第1電圧信号と前記第2電圧信号との電圧差に応じて差動信号を生成する差動増幅回路と、を備え、前記第1入力ノードは、前記第1入力端子に電気的に接続され、前記第2入力ノードは、前記第2入力端子に電気的に接続され、前記第1オフセット制御回路は、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より大きいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第1帰還電流を調整し、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より小さいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第1入力電流から前記第2帰還電流を減算し、前記第2オフセット制御回路は、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より大きいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第3帰還電流を調整し、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より小さいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第2入力電流から前記第4帰還電流を減算する。
この受信回路では、第1電圧信号の平均電圧値が第1参照電圧より大きいときに第2帰還電流を流さないため、第1入力電流値が小さい範囲での雑音の劣化を抑制しつつ、第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの増加を抑制することができる。また、第2電圧信号の平均電圧値が第2参照電圧より大きいときに第4帰還電流を流さないため、第2入力電流値が小さい範囲での雑音の劣化を抑制しつつ、第2電圧信号の電圧と第2参照電圧との間のオフセットの増加を抑制することができる。したがって、受信する第1入力電流および第2入力電流に応じて差動信号を生成する受信回路において、入力電流値が小さい範囲での雑音の劣化を抑制しつつ、入力電流から変換された電圧信号の電圧と参照電圧との間のオフセットの増加を抑制することができる。
〔2〕上記〔1〕において、前記第1トランスインピーダンスアンプは、前記第1入力ノードに入力された第1電流信号を第1中間電圧信号に変換する第1増幅回路と、第1抵抗素子と第1電流源とを備え、前記第1電流源が供給する第1電流が前記第1抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1中間電圧信号をレベルシフトして前記第1電圧信号を生成する第1レベルシフト回路と、を含んでもよい。第1増幅回路からの第1中間電圧信号をレベルシフトして差動増幅回路に供給することで、第1電圧信号の電圧値を、差動増幅回路を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。この結果、差動増幅回路は、入力電流に応じた適切な差動信号を生成することができる。
〔3〕上記〔2〕において、前記第1参照電圧回路は、第1基準電圧を生成する第2増幅回路と、第2抵抗素子と第2電流源とを備え、前記第2電流源が供給する第2電流が前記第2抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1基準電圧をレベルシフトして前記第1参照電圧を生成する第2レベルシフト回路と、を含み、前記第1帰還電流は、前記第2電流の流れる向きと同じ向きに前記第2抵抗素子を流れてもよい。第1オフセット制御回路からの第1帰還電流を第2電流の流れる向きと同じ向きに第2抵抗素子に流すことで、第1入力電流値が小さい範囲において、雑音の劣化を抑制しつつ、第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの増加を抑制することができる。
〔4〕上記〔2〕において、前記第1参照電圧回路は、第1基準電圧を生成する第2増幅回路と、第2抵抗素子と第2電流源とを備え、前記第2電流源が供給する第2電流が前記第2抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1基準電圧をレベルシフトして前記第1参照電圧を生成する第2レベルシフト回路と、含み、前記第1オフセット制御回路は、前記第2増幅回路の入力ノードから前記第1帰還電流を引き込んでもよい。第1オフセット制御回路により第2増幅回路の入力ノードから第1帰還電流を引き込むことで、第2増幅回路の入力電圧の調整により、第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの増加を抑制することができる。
〔5〕上記〔3〕または〔4〕において、前記第2増幅回路は、前記第1増幅回路と同じ回路要素によって構成されてもよい。これにより、第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの調整を精度よく実施することができる。また、共通の設計データを使用することができるため、受信回路の回路設計を簡易にすることができる。
〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれかにおいて、前記第1オフセット制御回路は、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットに応じて制御電圧を生成する差動積分器を含み、前記制御電圧に応じて前記第1帰還電流の大きさと前記第2帰還電流の大きさとの間の大小関係を反転させてもよい。これにより、第1入力電流に依存して変化する第1電圧信号に応じて差動積分器が生成する制御電圧に基づいて、第1帰還電流および第2帰還電流の生成と切り替えとを制御することができる。
〔7〕上記〔1〕から〔6〕のいずれかにおいて、前記第1参照電圧の前記第1帰還電流がゼロのときの値は、前記第1電流信号がゼロのときの前記第1電圧信号の平均電圧値よりも小さく設定され、前記第2参照電圧の前記第1帰還電流がゼロのときの値は、前記第2電流信号がゼロのときの前記第2電圧信号の平均電圧値よりも小さく設定されてもよい。
これにより、第1オフセット制御回路は、第1入力信号が小さくて第1電圧信号の平均電圧値が第1参照電圧よりも大きいときは第1帰還電流を調整し、第1入力信号が大きくなり第1電圧信号の平均電圧値が第1参照電圧よりも小さいときは第2帰還電流を調整して、第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。また、第2オフセット制御回路は、第2入力信号が小さくて第2電圧信号の平均電圧値が第2参照電圧よりも大きいときは第3帰還電流を調整し、第2入力信号が大きくなり第2電圧信号の平均電圧値が第2参照電圧よりも小さいときは第4帰還電流を調整して、第2電圧信号の電圧と第2参照電圧との間のオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。
〔8〕上記〔1〕から〔7〕のいずれかにおいて、第1トランスインピーダンスアンプ、前記第1参照電圧回路、前記第2トランスインピーダンスアンプ、前記第2参照電圧回路、前記第1オフセット制御回路、前記第2オフセット制御回路および前記差動増幅回路は、1つの半導体集積回路チップに集積されてもよい。これにより、同じ要素を使用して形成される複数の回路間の電気的特性のばらつきを少なくすることができる。この結果、第1オフセット制御回路による第1電圧信号の電圧と第1参照電圧との間のオフセットの調整の精度を向上することができる。また、第2オフセット制御回路による第2電圧信号の電圧と第2参照電圧との間のオフセットの調整の精度を向上することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の受信回路の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一の要素または対応する要素には同一の符号を付し、それらについては説明を省略する場合がある。また、端子、信号線およびノードの符号は、信号、電圧または電流を示す符号としても使用される。
〔第1の実施形態〕
〔受信回路の回路構成〕
図1は、第1の実施形態にかかる受信回路の構成の一例を示すブロック図である。例えば、図1に示す受信回路100は、光信号を受信する光受信器等に含まれる。受信回路100は、一対の入力電流IinP/IinNを受ける入力端子InP/InNと、一対の入力電流IinP/IinNに応じて増幅した電圧信号を差動信号OutN/OutPとして出力する出力端子OutN/OutPとを有する。
例えば、ディジタル・コヒーレント光通信方式に使用される光受信器は、光ファイバケーブルによって伝送されてきた受信光と光受信器内で発生させた局発光とを干渉させて互いに直交した一対の光信号を生成し、生成した一対の光信号を一対の受光素子に入力して一対の電流信号を生成する。受信回路100の入力端子InP/InNは、そのような一対の電流信号を一対の入力電流IinP/IinNとして受けることができる。受信回路100は、電圧信号を差動信号OutN/OutPとして出力する。差動信号OutN/OutPは、一対の出力信号OutP、OutNを有する。
なお、一対の出力信号の一方OutPは正相信号とも称され、一対の出力信号の他方OutNは逆相信号とも称される。正相信号OutPと逆相信号OutNとは互いに相補信号となっており、正相信号OutPは、逆相信号OutNの位相と180°異なる位相を有する。例えば、正相信号OutPが増加するとき、逆相信号OutNは減少し、正相信号OutPが減少するとき、逆相信号OutNは増加する。例えば、正相信号OutPがピーク値に達するとき、逆相信号OutNはボトム値に達し、正相信号OutPがボトム値に達するとき、逆相信号OutNはピーク値に達する。例えば、逆相信号OutNは、正相信号OutPの振幅と同じ大きさの振幅を有する。
受信回路100は、オフセットの補償を行わないときには、例えば、入力電流IinPの平均値(DC成分)が増加するとき、出力信号OutNの電圧値(DC成分)を減少させ、入力電流IinPの平均値(DC成分)が減少するとき、出力信号OutN(DC成分)の電圧を増加させる。また、受信回路100は、オフセットの補償を行わないときには、入力電流IinNの平均値(DC成分)が増加するとき、出力信号OutPの電圧値(DC成分)を減少させ、入力電流IinNの平均値(DC成分)が減少するとき、出力信号OutNの電圧値(DC成分)を増加させる。
これにより、受信回路100は、入力電流IinP/IinNの差の平均値が増加するとき、差動信号OutN/OutPの電圧差を増加させ、入力電流IinP/IinNの差の平均値が減少するとき、差動信号OutN/OutPの電圧差を減少させる。より詳細には、受信回路100は、オフセットの補償を行うことによって、出力信号OutPの電圧値(DC成分)と出力信号OutNの電圧値(DC成分)との間の差を小さくする。オフセットは、出力信号OutPの電圧値(DC成分)と出力信号OutNの電圧値(DC成分)との間の差を表す。
すなわち、オフセットの補償は、オフセットをゼロに近づけることを意味する。受信回路100は、入力電流の信号成分(交流成分)を増幅するとともに電圧信号に変換して差動信号OutN/OutPの信号成分(交流成分)として出力する。差動信号OutN/OutPの信号成分の振幅は、正相信号OutPの信号成分と逆相信号OutNの信号成分との差に等しい。例えば、入力電流Iinの信号成分の振幅が大きくなると、差動信号OutN/OutPの信号成分の振幅も大きくなる。出力端子OutN/OutPから出力される差動信号OutN/OutPは、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等の信号処理回路に出力されて処理される。
受信回路100は、例えば、トランスインピーダンスアンプ段TIAP、レベルシフト回路LS1N、ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAP、レベルシフト回路LS2Nおよび自動オフセット制御回路AOC1を有する。また、受信回路100は、例えば、トランスインピーダンスアンプ段TIAN、レベルシフト回路LS1P、ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAN、レベルシフト回路LS2Pおよび自動オフセット制御回路AOC2を有する。さらに、受信回路100は、バッファBUF1、BUF2および自動オフセット制御回路AOC3を有する。
例えば、受信回路100の各回路は、1つの半導体集積回路チップに集積される。これにより、同じ回路要素を使用して形成される複数の回路間の電気的特性のばらつきを少なくすることができる。例えば、トランスインピーダンスアンプ段TIAPおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPを互いに類似した回路構成にすることによってそれぞれの電気的特性のばらつきの影響を少なくすることができる。また、レベルシフト回路LS1Nおよびレベルシフト回路LS2Nを互いに類似した回路構成にすることによってそれぞれの電気的特性のばらつきの影響を少なくすることができる。この結果、自動オフセット制御回路AOC1による電圧VtiaNおよび参照電圧VrefNのDC(Direct Current)オフセットの調整の精度を向上することができる。
なお、トランスインピーダンスアンプ段TIAPおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPを互いに同じ回路構成にすることで、トランスインピーダンスアンプ段TIAPおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPの電気的特性が互いに同じになるようにしてもよい。また、トランスインピーダンスアンプ段TIANおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIANを互いに同じ回路構成にすることで、トランスインピーダンスアンプ段TIANおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIANの電気的特性が互いに同じになるようにしてもよい。
さらに、トランスインピーダンスアンプ段TIAP、TIPNおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAP、DTIANを、互いに同じ回路構成にしてもよい。レベルシフト回路LS1Nおよびレベルシフト回路LS2Nを互いに同じ回路構成にすることで、レベルシフト回路LS1Nおよびレベルシフト回路LS2Nの電気的特性が互いに同じになるようにしてもよい。また、レベルシフト回路LS1Pおよびレベルシフト回路LS2Pを互いに同じ回路構成にすることで、レベルシフト回路LS1Pおよびレベルシフト回路LS2Pの電気的特性が互いに同じになるようにしてもよい。さらに、レベルシフト回路LS1N、LS2N、LS1P、LS2Pを互いに同じ回路構成にしてもよい。
同様に、トランスインピーダンスアンプ段TIANおよびダミートランスインピーダンスアンプ段DTIANを互いに類似した回路構成にすることによってそれぞれの電気的特性のばらつきの影響を少なくすることができる。また、レベルシフト回路LS1Pおよびレベルシフト回路LS2Pを互いに類似した回路構成にすることによってそれぞれの電気的特性のばらつきの影響を少なくすることができる。この結果、自動オフセット制御回路AOC2による電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの調整の精度を向上することができる。
トランスインピーダンスアンプ段TIAPおよびレベルシフト回路LS1Nは、第1トランスインピーダンスアンプの一例である。ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPおよびレベルシフト回路LS2Nは、第1参照電圧回路の一例である。トランスインピーダンスアンプ段TIAPは、第1増幅回路の一例である。ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPは、第1基準電圧を生成する第2増幅回路の一例である。
トランスインピーダンスアンプ段TIANおよびレベルシフト回路LS1Pは、第2トランスインピーダンスアンプの一例である。ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIANおよびレベルシフト回路LS2Pは、第2参照電圧回路の一例である。バッファBUF1、BUF2は、差動増幅回路の一例である。以下では、トランスインピーダンスアンプ段TIAP、TIANは、それぞれ単にTIAP段、TIAN段とも称される。ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAP、DTIANは、それぞれ単にDTIAP段、DTIAN段とも称される。
TIAP段は、インバータアンプINVP1および抵抗素子RP1を有する。インバータアンプINVP1の入力は、TIAP段の入力ノードTIAPinを介して入力端子InPに電気的に接続される。インバータアンプINVP1の出力は、TIAP段の出力ノードTIAPoutを介してレベルシフト回路LS1Nに接続される。抵抗素子RP1は、入力ノードTIAPinと出力ノードTIAPoutとの間に接続される。
TIAP段は、入力ノードTIAPinに入力される入力電流IinPをインバータアンプINVP1および抵抗素子RP1により電圧信号に変換して反転増幅し、反転増幅した電圧信号を出力ノードTIAPoutに出力する。インバータアンプINVP1は、例えば、反転増幅回路である。例えば、入力電流IinPが大きくなると、出力ノードTIAPoutに出力される電圧は小さくなり、入力電流IinPが小さくなると、出力ノードTIAPoutに出力される電圧は大きくなる。TIAP段の利得は、インピーダンス(抵抗値)として表される。TIAP段の利得は、主に抵抗素子RP1の抵抗値によって決められる。
レベルシフト回路LS1Nは、例えば、抵抗素子RLS1N、容量素子CLS1Nおよび電流源ILS1Nを有する。抵抗素子RLS1Nおよび容量素子CLS1Nは、TIAP段の出力ノードTIAPoutと、バッファBUF1の一方の入力に接続されたノードVtiaNとの間に並列に接続される。電流源ILS1Nは、電源線VCCとノードVtiaNとの間に接続される。
レベルシフト回路LS1Nは、電流源ILS1Nが供給する電流が抵抗素子RLS1Nに流れることで生じる抵抗素子RLS1Nの電圧降下により、TIAP段から出力される電圧信号TIAPoutを高電位側にレベルシフトして電圧信号VtiaNを生成する。電圧信号TIAPoutは、第1中間電圧信号の一例である。容量素子CLS1Nは、レベルシフト回路LS1Nに入力された信号の高周波成分を抵抗素子RLS1Nよりも早く出力に伝達する。例えば、容量素子CLS1Nによってレベルシフト回路LS1Nによってレベルシフトされるパルス波の立下りおよび立下りの劣化が抑制される。容量素子CLS1Nは、いわゆるスピードアップコンデンサである。
電流源ILS1Nは、例えば、pチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタによって構成することができる。なお、供給する電流量を調整するために、電流源ILS1Nは、pチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、電流源ILS1Nは、pチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
これにより、レベルシフト回路LS1Nの出力電圧の平均値を、レベルシフト回路LS1Nの入力電圧の平均値より大きくすることができる。そして、レベルシフト回路LS1Nにより、バッファBUF1に入力される電圧信号VtiaNの電圧を、バッファBUF1を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。
例えば、入力電流IinPの信号成分に応じて生成された電圧信号VtiaNの信号成分は、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)に重畳されてバッファBUFに入力される。なお、電流源ILS1Nからの電流はTIAP段に流れ込むが、電流源ILS1NからTIAP段に流れ込む電流分は、TIAP段の内部の電流源(図2のITIA)の電流量を増加することで相殺される。
なお、TIAP段の内部の電流源の電流量を増加する代わりに、出力ノードTIAPoutに接続されるレベルシフト回路LS1Nの入力ノードとグランド線GNDとの間に電流源を付加し、その電流源に電流源ILS1Nからの電流を流すようにしてもよい。このときに付加する電流源は、例えば、nチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。なお、電流量を調整するために、nチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、付加する電流源は、nチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
DTIAP段は、入力端子に入力電流が入力されないことを除き、例えば、TIAP段と同じ回路構成を有する。DTIAP段をTIAP段と同じ回路要素によって構成することで、受信回路100の回路設計を簡易にすることができる。DTIAP段は、インバータアンプINVP2と、インバータアンプINVP2の出力と入力との間に接続された抵抗素子RP2とを有する。
例えば、インバータアンプINVP2の回路構成をインバータアンプINVP1の回路構成と同じにし、抵抗素子RP2の抵抗値を抵抗素子RP1の抵抗値と同じにしてもよい。DTIAP段は、所定の参照電圧を生成し、生成した参照電圧をレベルシフト回路LS2Nに出力する。例えば、DTIAP段の参照電圧の電圧値は、入力電流IinPがゼロのときのTIAP段から出力される電圧信号TIAPoutの電圧値より小さく設定される(なお、入力電流IinPがゼロのときに引き抜きは行わない)。
レベルシフト回路LS2Nは、例えば、抵抗素子RLS2N、容量素子CLS2Nおよび電流源ILS2Nを有する。抵抗素子RLS2Nは、DTIAP段の出力と参照電圧線VrefNとの間に接続される。容量素子CLS2Nは、参照電圧線VrefNとグランド線GNDとの間に接続される。電流源ILS2Nは、電源線VCCと参照電圧線VrefNとの間に接続される。
レベルシフト回路LS2Nは、電流源ILS2Nが供給する電流が抵抗素子RLS2Nに流れることで生じる抵抗素子RLS2Nの電圧降下により、DTIAP段から出力される基準電圧を高電位側にレベルシフトして参照電圧線VrefNに参照電圧VrefNを生成する。レベルシフト回路LS1Nと同様に、レベルシフト回路LS2Nにより、レベルシフト回路LS2Nの平均出力電圧を、レベルシフト回路LS2Nの入力電圧の平均値より大きくすることができる。
容量素子CLS2Nは、参照電圧線VrefNに生じたノイズをグランド線GNDに流し、参照電圧線VrefNの電圧(参照電圧VrefN)を安定化する。容量素子CLS2Nは、いわゆるバイパスコンデンサである。電流源ILS2Nは、例えば、pチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。なお、供給する電流量を調整するために、電流源ILS2Nは、pチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、電流源ILS2Nは、pチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
なお、例えば、電流源ILS1NをpチャネルMOSトランジスタによって構成する場合、電流源ILS2NもpチャネルMOSトランジスタによって構成してもよい。その場合、電流源ILS2Nを構成するpチャネルMOSトランジスタは、電流源ILS1Nを構成するpチャネルMOSトランジスタと同じ電気的特性を有することが好ましい。
ところで、電流源ILS2Nからの電流はDTIAP段に流れ込むが、電流源ILS2NからDTIAP段に流れ込む電流分は、DTIAP段の内部の電流源の電流量を増加することで相殺される。なお、DTIAP段の内部の電流源の電流量を増加する代わりに、DTIAP段の出力ノードに接続されるレベルシフト回路LS2Nの入力ノードとグランド線GNDとの間に電流源を付加し、その電流源に電流源ILS2Nからの電流を流すようにしてもよい。
後述するように、参照電圧VrefNは、自動オフセット制御回路AOC1が動作していない状態(帰還電流Iaoc1P=0)において入力電流IinPがゼロのときの電圧信号VtiaNの平均電圧値より小さい値に設定される。入力電流IinPが大きくなると、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)は減少し、さらに入力電流IinPが大きくなり続けると、やがて参照電圧VrefNよりも小さくなる。
電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)が参照電圧VrefNよりも小さいとき、入力端子InPに入力される入力電流IinPから帰還電流Iaoc1Pを引き抜くことで入力ノードTIAPinに入力される電流信号を減少させて電圧信号VtiaNの電圧を上昇させて参照電圧VrefNに近づけることができる。この結果、自動オフセット制御回路AOC1は、電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。
TIAN段は、インバータアンプINVN1および抵抗素子RN1を有する。インバータアンプINVN1の入力は、TIAN段の入力ノードTIANinを介して入力端子InNに電気的に接続される。インバータアンプINVN1の出力は、TIAN段の出力ノードTIANoutを介してレベルシフト回路LS1Pに接続される。抵抗素子RN1は、入力ノードTIANinと出力ノードTIANoutとの間に接続される。
TIAN段は、入力ノードTIANinに入力される入力電流IinNをインバータアンプINVN1および抵抗素子RN1により電圧信号に変換して反転増幅し、反転増幅した電圧信号を出力ノードTIANoutに出力する。インバータアンプINVN1は、例えば、反転増幅回路である。例えば、入力電流IinNが大きくなると、出力ノードTIANoutに出力される電圧は小さくなり、入力電流IinNが小さくなると、出力ノードTIANoutに出力される電圧は大きくなる。TIAN段の利得は、インピーダンス(抵抗値)として表される。TIAN段の利得は、主に抵抗素子RN1の抵抗値によって決められる。
レベルシフト回路LS1Pは、例えば、抵抗素子RLS1P、容量素子CLS1Pおよび電流源ILS1Pを有する。抵抗素子RLS1Pおよび容量素子CLS1Pは、TIAN段の出力ノードTIANoutと、バッファBUF1の他方の入力に接続されたノードVtiaPとの間に並列に接続される。電流源ILS1Pは、電源線VCCとノードVtiaPとの間に接続される。
レベルシフト回路LS1Pは、電流源ILS1Pが供給する電流が抵抗素子RLS1Pに流れることで生じる抵抗素子RLS1Pの電圧降下により、TIAN段から出力される電圧信号TIANoutを高電位側にレベルシフトして電圧信号VtiaPを生成する。容量素子CLS1Pは、レベルシフト回路LS1Pに入力された信号の高周波成分を抵抗素子RLS1Pよりも早く出力に伝達する。例えば、容量素子CLS1Pによってレベルシフト回路LS1Pによってレベルシフトされるパルス波の立下りおよび立下りの劣化が抑制される。容量素子CLS1Pは、いわゆるスピードアップコンデンサである。
電流源ILS1Pは、例えば、pチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタによって構成することができる。なお、供給する電流量を調整するために、電流源ILS1Pは、pチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、電流源ILS1Pは、pチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
これにより、レベルシフト回路LS1Pの平均出力電圧を、レベルシフト回路LS1Pの入力電圧の平均値より大きくすることができる。そして、レベルシフト回路LS1Pにより、バッファBUF1に入力される電圧信号VtiaPの電圧を、バッファBUF1を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。
例えば、入力電流IinNの信号成分に応じて生成された電圧信号VtiaPの信号成分は、電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)に重畳されてバッファBUFに入力される。なお、電流源ILS1Pからの電流はTIAN段に流れ込むが、電流源ILS1PからTIAN段に流れ込む電流分は、TIAN段の内部の電流源(例えば、図2に示されるTIAP段のITIAと同様)の電流量を増加することで相殺される。
なお、TIAN段の内部の電流源の電流量を増加する代わりに、出力ノードTIANoutに接続されるレベルシフト回路LS1Pの入力ノードとグランド線GNDとの間に電流源を付加し、その電流源に電流源ILS1Pからの電流を流すようにしてもよい。このときに付加する電流源は、例えば、nチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。なお、電流量を調整するために、nチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、付加する電流源は、nチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
DTIAN段は、入力端子に入力電流が入力されないことを除き、例えば、TIAN段と同じ回路構成を有する。DTIAN段をTIAN段と同じ回路要素によって構成することで、受信回路100の回路設計を簡易にすることができる。なお、TIAP段、DTIAP段、DIAN段およびDTIAN段は、互いに同じ回路要素により構成されてもよい。また、レベルシフト回路LS1N、LS2N、LS1P、LS2Pは、互いに同じ回路要素により構成されてもよい。
DTIAN段は、インバータアンプINVN2と、インバータアンプINVN2の出力と入力との間に接続された抵抗素子RN2とを有する。例えば、インバータアンプINVN2の回路構成をインバータアンプINVN1の回路構成と同じにし、抵抗素子RN2の抵抗値を抵抗素子RN1の抵抗値と同じにしてもよい。DTIAN段は、所定の参照電圧を生成し、生成した参照電圧をレベルシフト回路LS2Pに出力する。例えば、DTIAN段の参照電圧の電圧値は、入力電流IinNがゼロのときのTIAN段から出力される電圧信号TIAPoutの電圧値に設定される(なお、入力電流IinNがゼロのときに引き抜きは行わない)。
レベルシフト回路LS2Pは、例えば、抵抗素子RLS2P、容量素子CLS2Pおよび電流源ILS2Pを有する。抵抗素子RLS2Pは、DTIAN段の出力と参照電圧線VrefPとの間に接続される。容量素子CLS2Pは、参照電圧線VrefPとグランド線GNDとの間に接続される。電流源ILS2Pは、電源線VCCと参照電圧線VrefPとの間に接続される。
レベルシフト回路LS2Pは、電流源ILS2Pが供給する電流が抵抗素子RLS2Pに流れることで生じる抵抗素子RLS2Pの電圧降下により、DTIAN段から出力される基準電圧を高電位側にレベルシフトして参照電圧線VrefPに参照電圧VrefPを生成する。レベルシフト回路LS1Pと同様に、レベルシフト回路LS2Pにより、レベルシフト回路LS2Pの平均出力電圧を、レベルシフト回路LS2Pの入力電圧の平均値より大きくすることができる。
容量素子CLS2Pは、参照電圧線VrefPに生じたノイズをグランド線GNDに流し、参照電圧線VrefNの電圧(参照電圧VrefN)を安定化する。容量素子CLS2Pは、いわゆるバイパスコンデンサである。電流源ILS2Pは、例えば、pチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。なお、供給する電流量を調整するために、電流源ILS2Pは、pチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、電流源ILS2Pは、pチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
なお、例えば、電流源ILS1PをpチャネルMOSトランジスタによって構成する場合、電流源ILS2PもpチャネルMOSトランジスタによって構成してもよい。その場合、電流源ILS2Pを構成するpチャネルMOSトランジスタは、電流源ILS1Pを構成するpチャネルMOSトランジスタと同じ電気的特性を有することが好ましい。
ところで、電流源ILS2Pからの電流はDTIAN段に流れ込むが、電流源ILS2PからDTIAN段に流れ込む電流分は、DTIAN段の内部の電流源の電流量を増加することで相殺される。なお、DTIAN段の内部の電流源の電流量を増加する代わりに、DTIAN段の出力ノードに接続されるレベルシフト回路LS2Pの入力ノードとグランド線GNDとの間に電流源を付加し、その電流源に電流源ILS2Pからの電流を流すようにしてもよい。
後述するように、参照電圧VrefPは、自動オフセット制御回路AOC2が動作していない状態(帰還電流Iaoc1N=0)において入力電流IinNがゼロのときの電圧信号VtiaPの平均電圧値より小さい値に設定される。入力電流IinNが大きくなると、電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)は減少し、さらに入力電流IinNが大きくなり続けると、やがて参照電圧VrefPよりも小さくなる。
電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)が参照電圧VrefPよりも小さいとき、入力端子InNに入力される入力電流IinNから帰還電流Iaoc1Nを引き抜くことで電圧信号VtiaPの電圧を上昇させて参照電圧VrefPに近づけることができる。この結果、自動オフセット制御回路AOC2は、電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。
自動オフセット制御回路AOC1は、ノードVrefN、VtiaNにそれぞれ接続された入力端子Inp、Innと、入力端子InPに接続された帰還電流端子Iaoc1と、参照電圧線VrefNに接続された帰還電流端子Iaoc2とを有する。自動オフセット制御回路AOC1は、参照電圧VrefNおよび電圧VtiaNの差VrefN-VtiaNに応じて、入力端子InPに入力される入力電流IinPから帰還電流Iaoc1Pを減算し、または、参照電圧線VrefNに帰還電流Iaoc2Nを出力する。
自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流値IinPが所定値より小さいか大きいかに応じて、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの変化の特性を切り替える制御を行う。例えば、自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流値IinPが所定値より小さいとき、帰還電流Iaoc1Pを流さず、電流源ILS2Nが供給する電流に加算する帰還電流Iaoc2Nを流す制御を行う。
ここで、電流の加算は、電流源ILS2が供給する電流の向きと同じ向きの帰還電流Iaoc2を抵抗素子RLS2に流すことで行われる。また、自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流IinPが所定値以上のとき、入力電流IinPに応じて帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nを流す制御を行う。帰還電流Iaoc2Nは、第1帰還電流の一例であり、帰還電流Iaoc1Pは、第2帰還電流の一例である。
参照電圧VrefNおよび電圧VtiaNは、入力電流IinPに依存して変化する。例えば、帰還電流Iaoc1Pを流さない場合、入力電流IinPが増加すると、電圧信号VtiaNは減少する。また、入力電流IinPが減少すると、電圧信号VtiaNは増加する。したがって、電圧信号VtiaNは、入力電流IinPの反転増幅された信号として生成される。また、帰還電流Iaoc2Nを流すことによって、参照電圧VrefNは、帰還電流Iaoc2Nを流さない場合よりも大きくなる。
このため、自動オフセット制御回路AOC1は、参照電圧VrefNおよび電圧VtiaNをモニタすることで、上述の自動オフセット制御を行うことができる。すなわち、自動オフセット制御回路AOC1は、参照電圧VrefNと電圧VtiaNとの間のDCオフセットが許容範囲内に収まるように、帰還電流Iaoc1P(0mA以上)および帰還電流Iaoc2N(0mA以上)を制御することができる。
この結果、入力電流値IinPの大きさによらずバッファBUF1を適切な動作点で動作させることができ、DCオフセットが抑制された良好な増幅特性を得ることができる。自動オフセット制御回路AOC1の回路構成の例は、図3に示され、自動オフセット制御回路AOC1の動作の例は、図4に示される。
なお、自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流IinPが所定値より大きいときに、入力電流IinPの増加に対して帰還電流Iaoc1Pだけでなく帰還電流Iaoc2Nを流してもよい。これにより、TIAP段の初段のカスコードトランジスタ(図2のQ2)のベース・コレクタ間電圧VcbPを上昇させることができる。
より詳細には、帰還電流Iaoc2Nを流すことで、入力電流IinPの増加に対して参照電圧VrefNは少ずつ大きくなり、参照電圧VrefNに電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)を近づけるため、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)は、帰還電流Iaoc2を流さない場合と比べて大きくなる。したがって、入力電流値IinPが大きいときのトランスインピーダンスアンプ(TIAP段+LS1N)の動作マージンを大きくすることができる。
帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの変化の特性を切り替える入力電流IinPの電流値は、帰還電流Iaoc2N=0mAのときの参照電圧VrefNを調整することで設定可能である。例えば、帰還電流Iaoc2N=0mAのときの参照電圧VrefNは、入力電流IinP=0mAのときの電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)よりも小さく設定される。参照電圧VrefNの調整は、レベルシフト回路LS2Nの電流源ILS2Nの電流値の調整により行われる。例えば、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの変化の特性を切り替える入力電流IinPの電流値をIswitchとする。
このとき、参照電圧VrefNが、「IinP=Iswitchのときの電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)」と等しくなるように電流源ILS2Nに流す電流が設定される。例えば、トランスインピーダンスアンプ(TIAP段+LS1N)および参照電圧回路(DTIAP段+LS2N)の電気的特性が同じで、抵抗素子RLS1N、RLS2Nの抵抗値が等しいとする。このとき、電流源ILS1Nの電流値が電流源ILS2Nの電流値より大きくなるように設定される。
自動オフセット制御回路AOC2は、例えば、自動オフセット制御回路AOC1の回路構成と同じ回路構成を有する。自動オフセット制御回路AOC2は、例えば、自動オフセット制御回路AOC1の電気的特性と同じ電気的特性を有する。このため、自動オフセット制御回路AOC2は、自動オフセット制御回路AOC1と同様に動作する。自動オフセット制御回路AOC2は、ノードVrefP、VtiaPにそれぞれ接続された入力端子Inp、Innと、入力端子InNに接続された帰還電流端子Iaoc1と、参照電圧線VrefPに接続された帰還電流端子Iaoc2とを有する。
自動オフセット制御回路AOC2は、入力端子Inp、Innでそれぞれ受ける参照電圧VrefPおよび電圧VtiaPの差に応じて、入力電流IinNから帰還電流Iaoc1Nを減算し、または、参照電圧線VrefPに帰還電流Iaoc2Pを出力する。帰還電流Iaoc2Pは、第3帰還電流の一例であり、帰還電流Iaoc1Nは、第4帰還電流の一例である。
参照電圧VrefPおよび電圧VtiaPは、入力電流IinNに依存して変化する。このため、自動オフセット制御回路AOC2は、参照電圧VrefPおよび電圧VtiaPをモニタすることで、自動オフセット制御を行うことができる。すなわち、自動オフセット制御回路AOC2は、電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットが許容範囲内に収まるように、帰還電流Iaoc1N(0mA以上)および帰還電流Iaoc2P(0mA以上)を制御することができる。この結果、入力電流IinNの大きさによらずバッファBUF1を適切な動作点で動作させることができ、DCオフセットが抑制された良好な増幅特性を得ることができる。
なお、入力電流値IinNが所定値より大きいときに、入力電流IinNの増加に対して帰還電流Iaoc1Nだけでなく帰還電流Iaoc2Pを流すことで、TIAN段の初段のカスコードトランジスタのベース・コレクタ間電圧を上昇させることができる。より詳細には、帰還電流Iaoc2Pを流すことで、入力電流IinNの増加に対して参照電圧VrefPは少ずつ大きくなり、参照電圧VrefPに電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)を近づけるため、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)は、帰還電流Iaoc2Pを流さない場合と比べて大きくなる。これにより、入力電流値IinNが大きいときのトランスインピーダンスアンプ(TIAN段+LS1P)の動作マージンを大きくすることができる。
帰還電流Iaoc1N、Iaoc2Pの変化の特性を切り替える入力電流IinNの電流値は、帰還電流Iaoc2P=0mAのときの参照電圧VrefPを調整することで設定可能である。例えば、帰還電流Iaoc2P=0mAのときの参照電圧VrefPは、入力電流IinN=0mAのときの電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)よりも小さく設定される。参照電圧VrefPの調整は、レベルシフト回路LS2Pの電流源ILS2Pの電流値の調整により行われる。
バッファBUF1は、差動入力と差動出力とを有する。バッファBUF1は、差動入力で受ける一対の電圧信号VtiaN、VtiaPの電圧の差VtiaN-VtiaPを増幅し、増幅した差動信号をバッファBUF2に出力する。バッファBUF2は、差動入力と差動出力とを有する。バッファBUF2は、バッファBUF1から受ける差動信号を増幅し、差動信号OutN/OutPとして出力端子OutN/OutPに出力する。差動信号OutN/OutPは、一対の電圧信号OutN、OutPの電圧の差OutN-OutPに相当する。
例えば、電圧信号VtiaNは、バッファBUF1の非反転入力端子に入力され、電圧信号VtiaPは、バッファBUF1の非反転入力端子に入力される。バッファBUF1の非反転出力端子は、バッファBUF2の非反転入力端子に接続され、バッファBUF1の反転出力端子は、バッファBUF2の反転入力端子に接続される。また、電圧信号OutNは、バッファBUF2の非反転出力端子から出力され、電圧信号OutPは、バッファBUF2の非反転入力端子に入力される。これにより、受信回路100は、差動の入力電流IinP/IinNから生成される差動の電圧信号VtiaN、VtiaPを増幅し、差動信号OutN/OutPとして出力することができる。
自動オフセット制御回路AOC3は、バッファBUF2の入力と出力との間に接続される。自動オフセット制御回路AOC3は、バッファBUF2から出力される差動信号OutN/OutPの電圧をモニタする。そして、自動オフセット制御回路AOC3は、モニタ結果に応じてバッファBUF1の差動出力の少なくとも一方に電流を流すことで、差動信号OutP/OutNのDCオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行う。
〔トランスインピーダンスアンプ段の回路構成〕
図2は、図1のトランスインピーダンスアンプ段TIAPの一例を示す回路図である。なお、図1のTIAN段の回路構成も、図2と同様である。図1のDTIAP段およびDTIAN段の回路構成は、入力端子に入力電流が入力されない(入力端子がオープン状態である)ことを除き、図2と同様である。
TIAP段は、電源線VCCとグランド線GNDとの間に直列に接続された負荷抵抗RLとカスコード接続されたトランジスタQ2、Q1とを有する。また、TIAP段は、電源線VCCとグランド線GNDとの間に直列に接続されたトランジスタQ3および電流源ITIAを有する。さらに、TIAP段は、入力端子TIAPinと出力端子TIAPoutとの間に接続された帰還抵抗素子RFを有する。帰還抵抗素子RFは、図1の抵抗素子RP1に対応している。
トランジスタQ2は、ベースでバイアス電圧Vcasを受け、カスコードトランジスタとして動作する。トランジスタQ1は、ベースが入力端子TIAPinに接続され、入力電流IinPを受ける。トランジスタQ1は、エミッタがグランド線GNDに接地され、コレクタがトランジスタQ2のエミッタに接続され、増幅トランジスタとして動作する。トランジスタQ1のコレクタ電圧は、トランジスタQ1が増幅動作をしてもバイアス電圧Vcasに応じた一定値に保たれるため、トランジスタQ1のベース・コレクタ間容量のミラー効果が抑制される。トランジスタQ1のコレクタ電流は、トランジスタQ2を介して抵抗素子RLに流れて電圧降下を生じさせる。トランジスタQ2のコレクタ電圧は、電源電圧Vccを基準電位として抵抗素子RLの電圧降下に応じた電圧となる。
トランジスタQ3は、ベースがトランジスタQ2のコレクタに接続され、エミッタが出力端子TIAPoutに接続され、エミッタフォロワとして動作する。そして、TIAP段は、入力端子TIAPinで受ける入力電流IinPに対応する電圧を反転増幅した電圧を出力端子TIAPoutから出力する反転増幅器として動作する。電流源ITIAは、例えば、nチャネルMOSトランジスタによって構成することができる。なお、電流量を調整するために、nチャネルMOSトランジスタを含むカレントミラー回路によって構成されてもよい。あるいは、電流源ITIAは、nチャネルMOSトランジスタに代えて抵抗素子を使用して構成してもよい。
なお、トランジスタQ2のコレクタは、エミッタフォロワのトランジスタQ3のベースに接続されているため、トランジスタQ2のコレクタ電圧は、出力電圧TIAPoutと同じ極性になる。このため、出力電圧TIAPoutが下がると、トランジスタQ2のコレクタ電圧も下がり、トランジスタQ2のベース・コレクタ間電圧値VcbPは小さくなる。出力電圧TIAPoutが上がると、トランジスタQ2のコレクタ電圧も上がり、トランジスタQ2のベース・コレクタ間電圧値VcbPは大きくなる。ベース・コレクタ間電圧値Vcbが小さくなると、トランジスタQ2の動作マージンが小さくなるため、所定の値以上に保つことが好ましい。
〔自動オフセット制御回路AOC1の回路構成〕
図3は、図1の自動オフセット制御回路AOC1の一例を示す回路図である。自動オフセット制御回路AOC1は、差動積分器DI、pチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタPM1、PM2、PM3、PM4、PM5およびnチャネルMOSトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4を有する。また、自動オフセット制御回路AOC1は、ダイオードD1、D2および電流源I1、I2を有する。以下では、pチャネルMOSトランジスタPM1-PM5およびnチャネルMOSトランジスタNM1-NM4は、それぞれ、トランジスタPM1-PM5およびトランジスタNM1-NM4と称される。
図1に示すように、自動オフセット制御回路AOC1は、入力端子Inpで参照電圧VrefNを受け、入力端子Innで電圧VtiaNを受ける。また、自動オフセット制御回路AOC1は、帰還電流端子Iaoc2から帰還電流Iaoc2Nを出力し、帰還電流端子Iaoc1に帰還電流Iaoc1Pを引き込む。
なお、図1の自動オフセット制御回路AOC2の回路構成も、図3と同様である。自動オフセット制御回路AOC2は、入力端子Inpで参照電圧VrefPを受け、入力端子Innで電圧VtiaPを受ける。また、自動オフセット制御回路AOC2は、帰還電流端子Iaoc2から帰還電流Iaoc2Pを出力し、帰還電流端子Iaoc1に帰還電流Iaoc1Nを引き込む。
差動積分器DIは、抵抗素子R31、R32、容量素子C31、C32およびオペアンプOPAを有する。オペアンプOPAの一方の入力(非反転入力端子)は、抵抗素子R31を介して入力端子Inpに接続され、オペアンプOPAの他方の入力(反転入力端子)は、抵抗素子R32を介して入力端子Innに接続される。容量素子C31は、オペアンプOPAの一方の入力とオペアンプOPAの他方の出力(反転出力端子)との間に接続される。オペアンプOPAの他方の出力は、制御端子Vaoc1に接続される。容量素子C32は、オペアンプOPAの他方の入力とオペアンプOPAの一方の出力(非反転出力端子)との間に接続される。オペアンプOPAの一方の出力は、制御端子Vaoc2に接続される。
差動積分器DIは、電圧信号VtiaNの電圧と参照電圧VrefNとに応じて制御電圧Vaoc1、Vaoc2を生成する。そして、自動オフセット制御回路AOC1は、図4に示すように、入力電圧VrefN/VtiaNに応じて、図1の帰還電流Iaoc2Nの大きさと帰還電流Iaoc1Pの大きさとの間の大小関係を反転させる。
抵抗素子R31および容量素子C31と、抵抗素子R32および容量素子C32とは、それぞれRCフィルタ(ローパスフィルタ)として機能する。そして、差動積分器DIは、入力電圧Inp、Innを平滑化する。オペアンプOPAは、抵抗素子R31、R32を介してそれぞれ受ける入力電圧Inp、Innを平滑した電圧信号を差動増幅し、制御電圧Vaoc1、Vaoc2として出力する差動積分器として動作する。
例えば、入力電圧Inpの平均値が入力電圧Innの平均値より大きい場合、制御電圧値Vaoc1は、制御電圧値Vaoc2より小さくなる。入力電圧Inpの平均値が入力電圧Innの平均値より小さい場合、制御電圧値Vaoc1は、制御電圧値Vaoc2より大きくなる。すなわち、入力電圧InPの平均値と入力電圧InNの平均値との差電圧VInP―VinNが正のとき、オペアンプOPAの非反転増幅動作によって生成される制御電圧値Vaoc2はオペアンプOPAの反転増幅動作によって生成される制御電圧値Vaoc1よりも大きくなる。また、差電圧VInP―VinNが負のとき、オペアンプOPAの非反転増幅動作によって生成される制御電圧値Vaoc2はオペアンプOPAの反転増幅動作によって生成される制御電圧値Vaoc1よりも小さくなる。
制御端子Vaoc1は、ダイオードD1を介してトランジスタNM4のゲートおよび電流源I1に接続される。このため、トランジスタNM4のゲートには、制御電圧Vaoc1からダイオードD1で発生した電圧降下分を引いた電圧が印加される。
制御端子Vaoc2は、ダイオードD2を介してトランジスタNM1のゲートおよび電流源I2に接続される。このため、トランジスタNM1のゲートには、制御電圧Vaoc2からダイオードD2で発生した電圧降下分を引いた電圧が印加される。
トランジスタPM1、NM1は、電源線VCCとグランド線GNDとの間に直列に接続される。トランジスタPM2、NM2は、電源線VCCとグランド線GNDとの間に直列に接続される。トランジスタPM3は、電源線VCCと帰還電流端子Iaoc2との間に接続され、ゲートがトランジスタNM1のドレインに接続される。トランジスタPM4、NM4は、電源線VCCとグランド線GNDとの間に直列に接続される。
より詳細には、
トランジスタNM1のソースは、グランド線GNDに接続され、トランジスタNM1のドレインは、トランジスタPM1のドレインに接続され、トランジスタPM1のソースは電源線VCCに接続される。トランジスタPM2、NM2およびトランジスタPM4、NM4は、トランジスタPM1、NM1と同様に接続されるので説明を省略する。
トランジスタPM1、PM2、PM3は、ソースが電源線VCCに共通に接続され、ゲートがトランジスタNM1のドレインに共通に接続され、カレントミラー回路として動作する。トランジスタPM3のドレインは、帰還電流端子Iaoc2に接続される。
トランジスタNM2、NM3は、ソースがグランド線GNDに共通に接続され、ゲートがトランジスタPM2のドレインに共通に接続され、カレントミラー回路として動作する。トランジスタNM3のドレインは、帰還電流端子Iaoc1に接続される。トランジスタPM4、PM5は、ソースが電源線VCCに共通に接続され、ゲートがトランジスタNM4のドレインに共通に接続され、カレントミラー回路として動作する。トランジスタPM5のドレインは、帰還電流端子Iaoc2に接続される。
トランジスタNM1は、制御電圧Vaoc2が所定値以上の場合にオンし、制御電圧Vaoc2が所定値未満の場合にオフする。入力電圧InPの平均値と入力電圧InNの平均値との差電圧VInP―VinNが所定の値を超えると、トランジスタNM1は、オンし、差電圧VInP―VinNが所定値より小さい場合にオフする。
トランジスタNM1がオンしている間、トランジスタPM1、PM2、PM3によるカレントミラー回路(第1カレントミラー回路)に電流が流れ、トランジスタNM2、NM3によるカレントミラー回路(第2カレントミラー回路)に電流が流れる。これにより、帰還電流端子Iaoc2から帰還電流Iaoc2が出力され、帰還電流端子Iaoc1を介して入力端子InP(図1)から帰還電流Iaoc1が引き込まれる。
トランジスタNM4は、制御電圧Vaoc1が所定値以上の場合にオンし、制御電圧Vaoc1が所定値未満の場合にオフする。差動積分器DIの入力に関しては、入力電圧InPの平均値と入力電圧InNの平均値との差電圧VInP―VinNが所定の値より小さい場合、トランジスタNM4は、オンし、差電圧VInP―VinNが所定の値を超えるとトランジスタNM4は、オフする。トランジスタNM4がオンしている間、トランジスタPM4、PM5によるカレントミラー回路(第3カレントミラー回路)から帰還電流端子Iaoc2を介して参照電圧線VrefN(図1)に帰還電流Iaoc1が出力される。
そして、自動オフセット制御回路AOC1は、電流源I1、I2の電流量の調整により、入力電圧Inpの平均値が入力電圧Innの平均値より大きいとき、トランジスタNM1がオンし、トランジスタNM4がオフするように構成される。この場合、帰還電流端子Iaoc1、Iaoc2の両方に電流が流れる。また、自動オフセット制御回路AOC1は、電流源I1、I2の電流量が調整されることにより、入力電圧Inpの平均値が入力電圧Innの平均値より小さいとき、トランジスタNM1がオフし、トランジスタNM4がオンするように構成される。この場合、帰還電流端子Iaoc2のみに電流が流れる。
上述したように、自動オフセット制御回路AOC1において、入力端子Inpは、図1の参照電圧線VrefNに接続され、入力端子Innは、図1の電圧線VtiaNに接続される。このため、入力電流IinPが所定値より小さく、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)が参照電圧値VrefNより大きいとき、帰還電流端子Iaoc2のみに電流が流れる。入力電流値IinPが所定値より大きく、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)が参照電圧値VrefNより小さいとき、帰還電流端子Iaoc1、Iaoc2の両方に電流が流れる。
このように、自動オフセット制御回路AOC1は、差動積分器DIの差動出力(Vaoc1-Vaoc2)の極性によって、帰還電流Iaoc1、Iaoc2を発生させるために動作する回路の経路を切り替える。差動積分器DIは、入力電流IinPに応じて変化する電圧VtiaNと参照電圧VrefNとを入力端子Inn/Inpで受けて動作する。すなわち、差動積分器DIは、入力電流IinPに応じて制御電圧Vaoc1/Vaoc2を生成する。
このため、自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流IinPに応じて差動積分器DIが生成する制御電圧Vaoc1/Vaoc2に応じて、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの生成と切り替えとを制御することができる。換言すれば、自動オフセット制御回路AOC1は、制御電圧Vaoc1/Vaoc2に応じて、帰還電流Iaoc1Pの大きさと帰還電流Iaoc2Nの大きさとの間の大小関係を反転させることができる。
なお、自動オフセット制御回路AOC1からトランジスタPM3が削除されてもよい。この場合、入力電圧値Innが入力電圧値Inpより小さいとき、すなわち、電圧値VtiaNが参照電圧値VrefNより小さいとき、帰還電流Iaoc1Pのみが流れるようにしてもよい。例えば、入力電流値IinPが大きくなると、TIAP段から出力される電圧信号TIAPoutの電圧値(平均値)は小さくなるが、TIAP段がそのような電圧信号TIAoutの電圧値(平均値)の低下に対して所定の増幅動作を行える場合には、入力電流IinPが所定値より大きいとき帰還電流Iaoc1Pのみを流してもよい。同様に、自動オフセット制御回路AOC2が図1の自動オフセット制御回路AOC1と同様の回路構成を有する場合、トランジスタPM3を削除してもよい。
図4は、図3の自動オフセット制御回路AOC1のDC伝達特性を示す図である。図4は、シミュレーション結果を示しており、横軸が差動入力電圧VInP-VInNを示し、縦軸が帰還電流Iaoc1(図1のIaoc1P)、Iaoc2(図1のIaoc2N)を示す。符号VInPは、自動オフセット制御回路AOC1の入力端子Inpの電圧(図1の参照電圧VrefN)を示す。符号VInNは、自動オフセット制御回路AOC1の入力端子InNの電圧(図1の電圧VtiaN)を示す。なお、帰還電流Iaoc1、Iaoc2は、それぞれ図1に示す帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの矢印の向きを正としている。
自動オフセット制御回路AOC1は、差動入力電圧VInP-VInNの値に応じて差動積分器DIが生成する制御電圧Vaoc1、Vaoc2に基づいて、帰還電流Iaoc2の大きさと帰還電流Iaoc1の大きさとの間の大小関係を反転させる。例えば、差動入力電圧VInP-VInNが負のとき、すなわち、電圧値VtiaNの平均値(DC成分)が参照電圧値VrefNより大きいとき、帰還電流Iaoc1Pは流れず(0mA)、帰還電流Iaoc2Nのみが流れる。差動入力電圧VInP-VInNが正のとき、すなわち、電圧値VtiaNの平均値(DC成分)が参照電圧値VrefNより小さいとき、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの両方が流れる。
なお、差動入力電圧VInP-VInNが0mVの近傍で帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nがともにゼロとなる領域が存在する。この領域は、制御電圧Vaoc2が所定値未満であるとともに制御電圧Vaoc1が所定値未満であることによって生じる。このような帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nがともに確実にゼロとなる領域を設けることによって、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの生成と切り替えを安定して行うことができる。
このように、自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流IinPに依存して変化する電圧VtiaNに応じて帰還電流Iaoc1P、Iaoc2Nの生成と切り替えとを制御することができる。この結果、図5に示す動作特性を有する受信回路100を構成することができ、入力電流値Iinが小さい領域での雑音を抑制しつつ、差動信号OutP/OutNのDCオフセットの増加を抑制することができる。
また、入力電流IinPの増加により帰還電流Iaoc1Pを流し始めた後にも帰還電流Iaoc2Nを流し続けることで、トランスインピーダンスアンプ(TIAP段+LS1N)の動作マージンを大きくすることができる。なお、自動オフセット制御回路AOC2においても、上述と同様の効果を得ることができる。
〔受信回路の動作特性〕
図5は、図1の受信回路100の動作特性(DC動作特性)の一例を示す図である。図5は、シミュレーション結果を示している。図5の横軸は、入力電流IinP、IinNを示す。図5の縦軸は、それぞれ出力電圧OutP、OutN、電圧VtiaP、VtiaN、ベース・コレクタ間電圧VcbP、VcbN、帰還電流Iaoc1P、Iaoc1N、Iaoc2N、Iaoc2Pを示す。ベース・コレクタ間電圧VcbNは、図1のTIAN段のインバータアンプINVN1の初段のカスコードトランジスタ(図2のQ2に対応)のベース・コレクタ間電圧である。なお、いずれの値もそれぞれの電圧または電流の平均値(DC成分)を表している。
図5では、入力電流値Iinがほぼ0.06mAより小さいとき、出力電圧値OutPが出力電圧値OutNより小さくなり、入力電流値Iinがほぼ0.06mAより大きいとき、出力電圧値OutPが出力電圧値OutNより大きくなることが分かる。すなわち、自動オフセット制御回路AOC1は、例えば、入力電流Iin=0.06mAを閾値として帰還電流Iaoc1、Iaoc2の制御を切り替えている。この入力電流Iinの閾値は、入力電流Iinがゼロのときに、参照電圧Vrefの電圧値を電圧信号Vtiaの電圧値よりもわずかに小さくしておくことによって設定することができる。
すなわち、入力電流Iinがゼロからある程度大きくなるまでの間は、電圧信号Vtiaの電圧値が参照電圧Vrefの電圧値よりも大きくなり、バッファBUFの反転増幅動作によって出力電圧値OutPは出力電圧値OutNより小さくなる。また、入力電流Iinがある程度を超えて大きくなると、電圧信号Vtiaの電圧値は参照電圧Vrefの電圧値よりも小さくなり、バッファBUFの反転増幅動作によって出力電圧値OutPは出力電圧値OutNより大きくなる。
図3に示す自動オフセット制御回路AOC1は、入力電流値IinPが小さい領域において、帰還電流Iaoc1Pを0mAに設定し、帰還電流Iaoc1Pを流す代わりに参照電圧線VrefNに帰還電流Iaoc2Nを流す。同様に、図3に示す自動オフセット制御回路AOC2は、入力電流値IinNが小さい領域において、帰還電流Iaoc1Nを0mAに設定し、帰還電流Iaoc1Nを流す代わりに参照電圧線VrefPに帰還電流Iaoc2Pを流す。
例えば、入力電流IinP、IinNのそれぞれがほぼ0.06mA以下の領域において、帰還電流Iaoc1P、Iaoc1Nは0mAとなっている。これにより、入力電流IinPによらず電圧VtiaN、VrefNのDCオフセットを小さくすることができ、入力電流IinNによらず電圧VtiaP、VrefPのDCオフセットを小さくすることができる。この結果、バッファBUF1に供給される電圧VtiaN、VtiaPを、バッファBUF1を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。
さらに、入力電流値IinP、IinNが小さい領域でそれぞれ帰還電流Iaoc1P、Iaoc1Nを0mAにすることで、入力電流値IinP、IinNが小さい領域での雑音を小さくすることができる。したがって、受信回路100は、入力電流値IinP、IinNが小さい領域での雑音特性の劣化を抑制しつつ、電圧VtiaN、VrefNのDCオフセットを小さくすることができ、電圧VtiaP、VrefPのDCオフセットを小さくすることができる。
また、帰還電流Iaoc2N、Iaoc2Pは、それぞれ自動オフセット制御回路AOC1、AOC2の制御の切り替わり時に0mAまで減少した後、入力電流IinP、IinNの増加に応じて、帰還電流Iaoc1P、Iaoc1Nとともに増加する。これにより、入力電流値IinP、IinNの大きい領域で、TIAP段およびTIAN段の初段のカスコードトランジスタのベース・コレクタ間電圧VcbP、VcbNを上昇させることができる。この結果、トランスインピーダンスアンプ(TIAP段+LS1NとTIAN段+LL1P)の動作マージンを大きくすることができる。
より詳細には、帰還電流Iaoc2Nをレベルシフト回路LS2Nに流し込むことで参照電圧VrefNの電圧値を大きくし、自動オフセット制御回路AOC1の作用により電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)を参照電圧VrefNに近づけるため、電圧信号TIAPoutの電圧値(平均値)は上昇してベース・コレクタ間電圧VcbPが上昇する。なお、電圧信号TIAPoutの電圧値(平均値)を上昇させるために帰還電流Iaoc1Pは、帰還電流Iaoc2Nを流さない場合に比べて少し増加する。
また、帰還電流Iaoc2Pをレベルシフト回路LS2Pに流し込むことで参照電圧VrefPの電圧値を大きくし、自動オフセット制御回路AOC2の作用により電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)を参照電圧VrefPに近づけるため、電圧信号TIANoutの電圧値(平均値)は上昇してベース・コレクタ間電圧VcbNが上昇する。なお、電圧信号TIANoutの電圧値(平均値)を上昇させるために帰還電流Iaoc1Nは、帰還電流Iaoc2Pを流さない場合に比べて少し増加する。
以上、この実施形態では、入力電流値IinP、IinNが小さい範囲での雑音特性の劣化を抑制しつつ、入力電流IinPから変換される電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加を抑制することができる。また、入力電流IinNから変換される電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加を抑制することができる。この結果、入力電流IinP、IinNから変換される電圧信号VtiaN、VtiaPの精度を向上することができ、受信回路100から出力する差動信号OutN/OutPの精度を向上することができる。
インバータアンプINVP1の出力信号の電圧をレベルシフト回路LS1Nによりレベルシフトして電圧VtiaNを生成することで、電圧VtiaNを、バッファBUF1を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。また、インバータアンプINVN1の出力信号の電圧をレベルシフト回路LS1Pによりレベルシフトして電圧VtiaPを生成することで、電圧VtiaPを、バッファBUF1を適切に動作させるための電圧範囲に設定することができる。この結果、バッファBUF1、BUF2は、入力電流IinP、IinNに応じた適切な差動信号OutN/OutPを生成することができる。
レベルシフト回路LS2Nは、自動オフセット制御回路AOC1からの帰還電流Iaoc2Nを電流源ILS2Nからの電流に加算して抵抗素子RLS2Nに流す。また、レベルシフト回路LS2Pは、自動オフセット制御回路AOC2からの帰還電流Iaoc2Pを電流源ILS2Pからの電流に加算して抵抗素子RLS2Pに流す。これにより、入力電流値IinP、IinNが小さい範囲において、雑音特性の劣化を抑制しつつ、電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットと、電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットとの増加を抑制することができる。
ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIAPは、トランスインピーダンスアンプ段TIAPと同じ回路要素によって構成され、レベルシフト回路LS2Nは、レベルシフト回路LS1Nと同じ回路要素によって構成される。ダミートランスインピーダンスアンプ段DTIANは、トランスインピーダンスアンプ段TIANと同じ回路要素によって構成され、レベルシフト回路LS2Pは、レベルシフト回路LS1Pと同じ回路要素によって構成される。これにより、電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの調整を精度よく実施することができ、電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの調整を精度よく実施することができる。さらに、共通の設計データを使用することができるため、受信回路100の回路設計を簡易にすることができる。
図4に示したように、自動オフセット制御回路AOC1は、制御電圧Vaoc1、Vaoc2に応じて帰還電流Iaoc2の大きさと帰還電流Iaoc1の大きさとの間の大小関係を反転させる。自動オフセット制御回路AOC2も自動オフセット制御回路AOC1と同様に、図4に示す特性で動作する。これにより、図5に示す動作特性を有する受信回路100を構成することができる。すなわち、入力電流値IinP、IinNが小さい領域での雑音特性を抑制しつつ、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)と参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加と、電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)と参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加とを抑制することができる。
入力電流IinPが所定の閾値を超えたときに、参照電圧VrefNが電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)より大きくなっていることで、帰還電流Iaoc1Pの引き抜きに応じて電圧VtiaNを大きくして参照電圧VrefNに近づけることができる。同様に、入力電流IinNが所定の閾値を超えたときに、参照電圧VrefPが電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)より大きくなっていることで、帰還電流Iaoc1Nの引き抜きに応じて電圧VtiaPを大きくして参照電圧VrefPに近づけることができる。
この結果、自動オフセット制御回路AOC1は、電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。同様に、自動オフセット制御回路AOC2は、電圧VtiaPと参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加を抑制する自動オフセット制御を行うことができる。
受信回路100の各回路を1つの半導体集積回路チップに集積することで、例えば、TIAP段とDTIAP段との電気的特性のばらつきを少なくすることができ、レベルシフト回路LS1N、LS2Nの電気的特性のばらつきを少なくすることができる。例えば、それぞれ同じ回路要素によって構成することにより、ダミートランスインピーダンスアンプ段の電気的特性の電源電圧依存性(または温度依存性)を対応するトランスインピーダンスアンプ段TIAの電気的特性の電源電圧依存性(または温度依存性)に一致させることができ、電源電圧の変動(または温度の変動)に対して受信回路100をより安定して動作させることができる。この結果、自動オフセット制御回路AOC1による電圧VtiaNと参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの調整の精度を向上することができる。
〔第2の実施形態〕
〔受信回路の回路構成〕
図6は、第2の実施形態にかかる受信回路の一例を示すブロック図である。図1の受信回路100と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。図6の受信回路102は、自動オフセット制御回路AOC1、AOC2の代わりにそれぞれ自動オフセット制御回路AOC4、AOC5を有することを除き、図1の受信回路100と同様の構成を有する。例えば、受信回路102は、各回路要素を1つの半導体集積回路チップに集積することで形成される。
この実施形態では、自動オフセット制御回路AOC4の帰還電流端子Iaoc2は、DTIAP段のインバータアンプINVP2の入力に接続される。自動オフセット制御回路AOC4は、DTIAP段の入力ノードから帰還電流Iaoc2Nを引き込む機能を有する点で図1の自動オフセット制御回路AOC1と異なる。
自動オフセット制御回路AOC5の帰還電流端子Iaoc2は、DTIAN段のインバータアンプINVN2の入力に接続される。自動オフセット制御回路AOC5は、DTIAN段の入力ノードから帰還電流Iaoc2Pを引き込む機能を有する点で図1の自動オフセット制御回路AOC2と異なる。受信回路102のその他の構成は、図1の受信回路100と同様である。なお、図1と同様に、帰還電流Iaoc1P、Iaoc2N、Iaoc1N、Iaoc2Pは、矢印の向きを正としている。
図7は、図6の自動オフセット制御回路AOC4の一例を示す回路図である。図3の自動オフセット制御回路AOC1と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、図6の自動オフセット制御回路AOC5の回路構成も、図7と同様である。
自動オフセット制御回路AOC4は、帰還電流Iaoc2(Iaoc2N)をインバータアンプINVP2の入力から引き込むために、図3の自動オフセット制御回路AOC1に対して回路が変更されている。具体的には、自動オフセット制御回路AOC4は、図3の自動オフセット制御回路AOC1に対して、トランジスタPM3が削除され、トランジスタNM5、NM6、NM7が追加されている。トランジスタNM5、NM6、NM7は、nチャネルMOSトランジスタである。
トランジスタNM5は、ソースがグランド線GNDに接続され、ドレインが帰還電流端子Iaoc2に接続され、ゲートがトランジスタPM2のドレインに接続される。トランジスタNM6、NM7は、ソースがグランド線GNDに共通に接続され、ゲートがトランジスタPM5のドレインに共通に接続され、カレントミラー回路として動作する。トランジスタNM6のドレインは、トランジスタPM5のドレインに接続される。トランジスタNM7のドレインは、帰還電流端子Iaoc2に接続される。
そして、自動オフセット制御回路AOC4は、入力電圧値Inpが入力電圧値Innより高いとき、トランジスタNM1がオンし、トランジスタNM4がオフし、帰還電流端子Iaoc1、Iaoc2の両方に電流が流れるように電流源I1、I2が調整される。また、自動オフセット制御回路AOC4は、入力電圧値Inpが入力電圧値Innより小さいとき、トランジスタNM1がオフし、トランジスタNM4がオンし、帰還電流端子Iaoc2のみに電流が流れるように電流源I1、I2が調整される。
図6に示す受信回路102の動作特性は、帰還電流Iaoc2N、Iaoc2Pの極性が反対になることを除き、図5に示した受信回路100の動作特性と同様である。すなわち、受信回路102は、入力電流値Iinが小さい領域での雑音を抑制しつつ、電圧Vtia、VrefのDCオフセットおよび出力電圧OutP、OutNのDCオフセットの増加を抑制することができる。
なお、自動オフセット制御回路AOC4からトランジスタNM5を削除してもよい。この場合、入力電圧値Innが入力電圧値Inpより小さいとき、すなわち、電圧値VtiaNが参照電圧値VrefNより小さいとき、帰還電流Iaoc1Pのみが流れるようにしてもよい。例えば、入力電流値IinPが大きくなると、TIAP段から出力される電圧信号TIAPoutの電圧値(平均値)は小さくなるが、TIAP段がそのような電圧信号TIAPoutの電圧値(平均値)の低下に対して所定の増幅動作を行える場合には、入力電流IinPが所定値より大きいとき帰還電流Iaoc1Pのみを流してもよい。同様に、自動オフセット制御回路AOC5が図7の自動オフセット制御回路AOC4と同様の回路構成を有する場合、トランジスタNM5を削除してもよい。
以上、この実施形態においても上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、入力電流値IinP、IinNが小さい範囲での雑音特性の劣化を抑制しつつ、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)と参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加と、電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)と参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加とを抑制することができる。
さらに、この実施形態では、自動オフセット制御回路AOC4によりインバータアンプINVP2の入力ノードから帰還電流Iaoc2Nを引き込む。これにより、インバータアンプINVP2の入力電圧の調整により参照電圧VrefNを調整して、電圧信号VtiaNの電圧値(平均値)と参照電圧VrefNとの間のDCオフセットの増加を抑制することができる。
また、自動オフセット制御回路AOC5によりインバータアンプINVN2の入力ノードから帰還電流Iaoc2Pを引き込む。これにより、インバータアンプINVN2の入力電圧の調整により参照電圧VrefPを調整して、電圧信号VtiaPの電圧値(平均値)と参照電圧VrefPとの間のDCオフセットの増加を抑制することができる。
以上、本開示の実施形態などについて説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範囲内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
100、102、104 受信回路
AOC1、AOC2、AOC3、AOC4、AOC5 自動オフセット制御回路
BUF1、BUF2 バッファ
DI 差動積分器
DTIAN、DTIAP ダミートランスインピーダンスアンプ段
Iaoc1N、Iaoc1P 帰還電流
Iaoc2N、Iaoc2P 帰還電流
IinN、IinP 入力電流
ILS1N、ILS2N 電流源
ILS1P、ILS2P 電流源
Inn、InN、Inp、InP 入力端子
INVN1、INVN2 インバータアンプ
INVP1、INVP2 インバータアンプ
LS1N、LS1P レベルシフト回路
LS2N、LS2P レベルシフト回路
OutN、OutP 出力端子
RLS1N、RLS1P 抵抗素子
RLS2N、RLS2P 抵抗素子
TIAP、TIAN トランスインピーダンスアンプ段
TIANin、TIAPin 入力端子
TIANout、TIAPout 出力端子
VcbN、VcbP ベース・コレクタ間電圧
VrefN、VrefP 参照電圧
VtiaN、VtiaP 電圧

Claims (8)

  1. 第1入力電流を受ける第1入力端子と、
    第1入力ノードを有し、前記第1入力ノードに入力された第1電流信号を第1電圧信号に変換する第1トランスインピーダンスアンプと、
    第1帰還電流に応じて第1参照電圧を生成する第1参照電圧回路と、
    前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットに応じて前記第1帰還電流と第2帰還電流とを生成する第1オフセット制御回路と、
    第2入力電流を受ける第2入力端子と、
    第2入力ノードを有し、前記第2入力ノードに入力された第2電流信号を第2電圧信号に変換する第2トランスインピーダンスアンプと、
    第3帰還電流に応じて第2参照電圧を生成する第2参照電圧回路と、
    前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットに応じて前記第3帰還電流と第4帰還電流とを生成する第2オフセット制御回路と、
    前記第1電圧信号と前記第2電圧信号との電圧差に応じて差動信号を生成する差動増幅回路と、
    を備え、
    前記第1入力ノードは、前記第1入力端子に電気的に接続され、
    前記第2入力ノードは、前記第2入力端子に電気的に接続され、
    前記第1オフセット制御回路は、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より大きいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第1帰還電流を調整し、前記第1電圧信号の平均電圧値が前記第1参照電圧より小さいとき、前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第1入力電流から前記第2帰還電流を減算し、
    前記第2オフセット制御回路は、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より大きいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが所定の範囲内に入るように前記第3帰還電流を調整し、前記第2電圧信号の平均電圧値が前記第2参照電圧より小さいとき、前記第2電圧信号と前記第2参照電圧との間のオフセットが前記所定の範囲内に入るように前記第2入力電流から前記第4帰還電流を減算する、
    受信回路。
  2. 前記第1トランスインピーダンスアンプは、
    前記第1入力ノードに入力された第1電流信号を第1中間電圧信号に変換する第1増幅回路と、
    第1抵抗素子と第1電流源とを備え、前記第1電流源が供給する第1電流が前記第1抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1中間電圧信号をレベルシフトして前記第1電圧信号を生成する第1レベルシフト回路と、
    を含む、
    請求項1に記載の受信回路。
  3. 前記第1参照電圧回路は、
    第1基準電圧を生成する第2増幅回路と、
    第2抵抗素子と第2電流源とを備え、前記第2電流源が供給する第2電流が前記第2抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1基準電圧をレベルシフトして前記第1参照電圧を生成する第2レベルシフト回路と、
    を含み、
    前記第1帰還電流は、前記第2電流の流れる向きと同じ向きに前記第2抵抗素子を流れる、
    請求項2に記載の受信回路。
  4. 前記第1参照電圧回路は、
    第1基準電圧を生成する第2増幅回路と、
    第2抵抗素子と第2電流源とを備え、前記第2電流源が供給する第2電流が前記第2抵抗素子に流れて生じる電圧降下によって前記第1基準電圧をレベルシフトして前記第1参照電圧を生成する第2レベルシフト回路と、
    を含み、
    前記第1オフセット制御回路は、前記第2増幅回路の入力ノードから前記第1帰還電流を引き込む、
    請求項2に記載の受信回路。
  5. 前記第2増幅回路は、前記第1増幅回路と同じ回路要素によって構成されている、
    請求項3または請求項4に記載の受信回路。
  6. 前記第1オフセット制御回路は、
    前記第1電圧信号と前記第1参照電圧との間のオフセットに応じて制御電圧を生成する差動積分器を含み、
    前記制御電圧に応じて前記第1帰還電流の大きさと前記第2帰還電流の大きさとの間の大小関係を反転させる、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受信回路。
  7. 前記第1参照電圧の前記第1帰還電流がゼロのときの値は、前記第1電流信号がゼロのときの前記第1電圧信号の平均電圧値よりも小さく設定され、
    前記第2参照電圧の前記第1帰還電流がゼロのときの値は、前記第2電流信号がゼロのときの前記第2電圧信号の平均電圧値よりも小さく設定されている、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の受信回路。
  8. 第1トランスインピーダンスアンプ、前記第1参照電圧回路、前記第2トランスインピーダンスアンプ、前記第2参照電圧回路、前記第1オフセット制御回路、前記第2オフセット制御回路および前記差動増幅回路は、1つの半導体集積回路チップに集積される、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の受信回路。
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