JP2023044020A - ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタンフォームの温度依存性を低減する。【解決手段】ポリオール及びポリイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームである。ポリオールは、環状エステルで変性されたポリカーボネートポリオールを含有する。ポリカーボネートポリオールの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、7質量部以上35質量部以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、ポリウレタンフォームに関する。
特許文献1には、特定の官能基数及びOH当量のポリオールを、複数組み合わせて用いる軟質ポリウレタンフォームの製造方法が示されている。特許文献2には、ポリオールとして、特定のポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオールとを併用して得られた軟質ポリウレタンフォームが示されている。
特開2004-300352号公報 特開平10-025327号公報
しかし、従来のポリウレタンフォームは、外気温に応じて冬季に硬くなり、夏季に柔らかくなる場合があり、温度依存性について改善の余地があった。
本開示は、温度依存性の低いポリウレタンフォームを提供することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリオール及びポリイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリオールは、環状エステルで変性されたポリカーボネートポリオールを含有し、
前記ポリカーボネートポリオールの含有量は、前記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、7質量部以上35質量部以下である、ポリウレタンフォーム。
本開示によれば、ポリウレタンフォームの温度依存性を低減できる。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・前記ポリカーボネートポリオールの官能基数が2である、ポリウレタンフォーム。
・前記ポリカーボネートポリオールの水酸基価が35mgKOH/g以上450mgKOH/g以下である、ポリウレタンフォーム。
・前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が1100以上3500以下である、ポリウレタンフォーム。
・JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度が28以下である、ポリウレタンフォーム。
・JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度と23℃におけるアスカーC硬度との差の絶対値が20以下である、ポリウレタンフォーム。
・JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率が45%以下である、ポリウレタンフォーム。
・JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差の絶対値が20%以下である、ポリウレタンフォーム。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームは、ポリオール及びポリイソシアネートを含む組成物から得られる。ポリオールは、環状エステルで変性されたポリカーボネートポリオールを含有する。ポリカーボネートポリオールの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、7質量部以上35質量部以下である。
(1)組成物
組成物は、ポリオール及びポリイソシアネートを含んでいる。組成物は、発泡剤、触媒、整泡剤、及び架橋剤から選択される少なくとも1種を任意の成分として含んでいてもよい。組成物の各成分について説明する。
(1.1)ポリオール
ポリオールは、環状エステルで変性されたポリカーボネートポリオール(以下、変性ポリカーボネートポリオールとも称する)を含有する。変性ポリカーボネートポリオールとしては、炭素数2-12のポリオール由来の構造と、環状エステル由来の構造を含むポリカーボネートポリオールを用いることができる。
炭素数2-12のポリオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオールが挙げられるが、好ましくはブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが使用される。なお、炭素数2-12のポリオールを、複数種併用しても良い。また、目的とするポリウレタンフォームの機能や特性などを損なわない程度に、炭素数2-12のポリオールの分子中にエーテル結合が少量含まれているポリオールを併用しても良く、分岐状の脂肪族ポリオールが少量含まれているポリオールを併用しても良い。
環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトンなどが挙げられるが、好ましくはカプロラクトンが使用される。なお、環状エステルを、1種のみ用いてもよく、複数種併用しても良く、環状エステルの加水分解物であるヒドロキシカルボン酸を使用することもできる。環状エステルには、目的とするポリウレタンフォームの機能や特性などを損なわない程度に、分岐状構造や環状構造、不飽和結合が少量含まれていても良い。
変性ポリカーボネートポリオールにおいて、炭素数2-12のポリオール由来の構造と、環状エステル由来の構造のモル比率(ポリオール由来の構造/環状エステル由来の構造)は、好ましくは10/90-90/10、更に好ましくは15/85-85/15、より好ましくは20/80-80/20である。
なお、炭素数2-12のポリオール由来の構造と、環状エステル由来の構造の合計量は、ポリカーボネートポリオールに対して、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上、より好ましくは99モル%以上である。
このような変性ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオール由来の構造とカプロラクトン由来の構造の繰り返し単位を含むポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UHC)を好適に使用できる。また、変性ポリカーボネートポリオールとしては、プラクセルECシリーズ(株式会社ダイセル製)のカーボネートポリオール、プラクセルCDシリーズ(株式会社ダイセル製)のカーボネートポリオールも使用できる。
変性ポリカーボネートポリオールの官能基数、水酸基価、及び数平均分子量は特に限定されない。変性ポリカーボネートポリオールの官能基数は、2であることが好ましい。変性ポリカーボネートジオールの水酸基価は、好ましくは35mgKOH/g以上であり、40mgKOH/g以上、45mgKOH/g以上、50mgKOH/g以上であってもよい。変性ポリカーボネートジオールの水酸基価は、好ましくは450mgKOH/g以下であり、200mgKOH/g以下、120mgKOH/g以下、80mgKOH/g以下であってもよい。水酸基価が上限以下である場合には、良好なフォームを得ることができる。水酸基価が下限以上である場合には、ポリカーボネートジオールを他の材料と混合し易い。これらの観点から、変性ポリカーボネートジオールの水酸基価の好ましい範囲は、35mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であり、上記の上限及び下限を適宜組み合わせた範囲とすることができる。変性ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは900以上4000以下であり、より好ましくは1100以上3500以下であり、さらに好ましくは1500以上2500以下である。
変性ポリカーボネートポリオールの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。変性ポリカーボネートポリオールが市販品である場合には、カタログ値を変性ポリカーボネートポリオールの数平均分子量として採用してもよい。本明細書において、変性ポリカーボネートポリオール以外のポリオールの数平均分子量についても、同様に規定できる。
変性ポリカーボネートポリオールの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、7質量部以上35質量部以下である。上記の変性ポリカーボネートポリオールの含有量は、温度依存性を低減する観点から、好ましくは8質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上である。上記の変性ポリカーボネートポリオールの含有量は、成形性の観点から、好ましくは33質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは25質量部以下である。これらの観点から、上記の変性ポリカーボネートポリオールの含有量は、好ましくは8質量部以上33質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上30質量部以下であり、更に好ましくは15質量部以上25質量部以下である。
組成物に含まれる変性ポリカーボネートポリオールの他のポリオール(以下、他のポリオールとも称する)は特に限定されない。他のポリオールとしては、ポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール等が挙げられる。他のポリオールは1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールの官能基数、水酸基価、数平均分子量は特に限定されない。ポリエーテルポリオールとして、官能基数、水酸基価等が異なる複数のポリエーテルポリオールAとポリエーテルポリオールBを組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールAの官能基数は3であることが好ましい。ポリエーテルポリオールAの水酸基価は、好ましくは20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、より好ましくは25mgKOH/g以上60mgKOH/g以下である。ポリエーテルポリオールAの数平均分子量は、例えば、4000以上6000以下である。ポリエーテルポリオールAの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、例えば、45質量部以上93質量部以下である。
ポリエーテルポリオールBの官能基数は3であることが好ましい。ポリエーテルポリオールBの水酸基価は、好ましくは150mgKOH/gを超え、300mgKOH/g以下であり、より好ましくは200mgKOH/g以上250mgKOH/g以下である。ポリエーテルポリオールBの数平均分子量は、例えば、500以上1000以下である。ポリエーテルポリオールBの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、例えば、5質量部以上25質量部以下である。
さらに、ポリエーテルポリオールとして、官能基数が2のポリエーテルポリオールCを併用してもよい。ポリエーテルポリオールCの水酸基価は、好ましくは35mgKOH/g以上450mgKOH/g以下であり、より好ましくは50mgKOH/g以上80mgKOH/g以下である。ポリエーテルポリオールCの数平均分子量は、例えば、1100以上3500以下である。ポリエーテルポリオールCの含有量は、ポリオールの全量を100質量部とした場合に、例えば、0質量部以上20質量部以下である。
(1.2)発泡剤
発泡剤は、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。発泡剤としては、特に水が好ましい。水の場合は、ポリオールとポリイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の量は、ポリオール100質量部に対して0.5質量部以上4.0質量部以下が好ましい。
(1.3)触媒
触媒は、ポリウレタンフォーム用の公知のものを1種または2種以上混合して用いることができる。例えば、触媒としては、芳香族アミン触媒などのアミン触媒、オクチル酸スズなどの金属触媒等が挙げられる。触媒の合計量は、ポリオール100質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
(1.4)整泡剤
整泡剤は、ウレタンフォーム原料として通常に採用されるものであればよく、例えば、シリコーン系化合物、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。整泡剤の量は、ポリオール100質量部に対して0.2質量部以上3.0質量部以下が好ましい。
(1.5)架橋剤
架橋剤は、ポリウレタンフォームの硬さを向上するために配合され得る。架橋剤としては、ジエタノールアミン、ポリエチレンポリアミン類等のアミン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコール等を挙げることができる。架橋剤は2種類以上使用してもよい。架橋剤の量は、ポリオール100質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
(1.6)その他の成分
その他に組成物に適宜配合される成分として、例えば連通化剤、難燃剤、酸化防止剤等を挙げることができる。連通化剤としては、EO付加比率の高いポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール、通気性を高くする(破泡性を有する)シリコーン整泡剤等を挙げることができる。連通化剤の量は、ポリオール100質量部に対して0.5質量部以上15.0質量部以下が好ましい。EO付加比率の高いポリエーテルポリオールとしては、例えば、EO比率が60モル%以上、70モル%以上であり、100モル%以下のポリエーテルポリオールが挙げられる。
(1.7)ポリイソシアネート
ポリイソシアネートは、特に限定されない。ポリイソシアネートとしては、MDI系ポリイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート系イソシアネート)が好ましい。MDI系ポリイソシアネートを用いた場合には、例えば、TDI(トルエンジイソシアネート)系ポリイソシアネートを用いた場合よりも、ポリウレタンフォームの表面をソフトな触感とすることができる。
MDI系ポリイソシアネートとして、具体的には、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)等のモノメリックMDI、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物であるポリメリックMDI、これらのウレタン変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体等、さらにこれらのポリイソシアネートとポリオール類を反応させて得られるMDIプレポリマー等を挙げることができる。MDI系ポリイソシアネートは、複数種類を併用してもよい。
これらの中でも、ポリイソシアネートは、ウレタン変性MDIを含むことが好ましい。
イソシアネートインデックス(INDEX)は80以上120以下が好ましく、90以上110以下がより好ましい。
イソシアネートインデックスは、イソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基や発泡剤としての水などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[イソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
(2)ポリウレタンフォームの物性
ポリウレタンフォームの物性は、用途等に応じて適宜設定できる。ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームであることが好ましい。
ポリウレタンフォームは、以下の物性を備えることが好ましい。
(2.1)アスカーC硬さ
JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度は、低温環境下における柔軟性の観点から、28以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、23以下であることがさらに好ましい。上記の0℃におけるアスカーC硬度は、底付き感の低減の観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。これらの観点から、上記の0℃におけるアスカーC硬度は、3以上28以下であることが好ましく、5以上25以下であることがより好ましい。
JIS K7312に準じて測定した、23℃におけるアスカーC硬度は、3以上28以下であることが好ましく、5以上25以下であることがより好ましい。
JIS K7312に準じて測定した、40℃におけるアスカーC硬度は、3以上28以下であることが好ましく、5以上25以下であることがより好ましい。
JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度と23℃におけるアスカーC硬度との差の絶対値は、20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。0℃におけるアスカーC硬度と23℃におけるアスカーC硬度との差の絶対値は、0以上である。
(2.2)反発弾性率
JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率は、低温環境下における低反発性の観点から、50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。上記の0℃における反発弾性率の下限は特に限定されないが、適度な反発力を確保する観点から、20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。これらの観点から、上記の0℃における反発弾性率は、20%以上50%以下であることが好ましく、25%以上45%以下であることがより好ましい。
JIS K6255に準じて測定した、23℃における反発弾性率は、20%以上50%以下であることが好ましく、25%以上45%以下であることがより好ましい。
JIS K6255に準じて測定した、40℃における反発弾性率は、20%以上50%以下であることが好ましく、25%以上45%以下であることがより好ましい。
JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差の絶対値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差の絶対値は、0%以上である。
(2.3)見掛けコア密度、引張強さ、伸び、引裂強さ
見掛けコア密度(JIS K7222)は、80kg/m以上300kg/m以下が好ましい。
引張強度(JIS K6400-5 5)は、80kPa以上が好ましく、150kPa以上がより好ましく、300kPa以上がより好ましい。引張強度の上限は、特に限定されないが、例えば、500kPa以下であってもよい。
伸び(JIS K6400-5 5)は、50%以上500%以下が好ましく、100%以上200%以下がより好ましい。
引裂強度(JIS K6400-5 6 B法)は、10N/cm以上がさらに好ましい。引裂強度の上限は、特に限定されないが、例えば、25N/cm以下であってもよい。
2.ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームは、組成物を攪拌混合してポリオールとポリイソシアネートを反応させる公知の発泡方法によって製造することができる。発泡方法には、スラブ発泡とモールド発泡とがあり、いずれの成形方法でもよい。
モールド発泡は、混合したポリウレタン樹脂組成物をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。モールド発泡による成形方法は、複雑な立体形状を有する成形品に好適である。
3.ポリウレタンフォームの用途
本開示によれば、温度依存性が抑制された低反発性のポリウレタンフォームを実現できる。温度依存性が抑制される理由は、変性ポリカーボネートポリオールを所定の割合で配合することによって、変性ポリカーボネートポリオールを配合しない場合に比して、ポリウレタンフォームのガラス転移温度が低くなったためと推測される。このようなポリウレタンフォームは、硬さや反発弾性率の変化が性能や使用感に影響を及ぼしやすい、人体の少なくとも一部を支持する部材に好適である。
本開示のポリウレタンフォームが使用される物品は限定されない。ポリウレタンフォームは、肘、膝等の関節部のサポーター、クッション、自動車ヘッドレスト、アームレスト、オートバイサドル等に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。表1,2において、「実験例1*」のように、「*」が付されている場合には、比較例であることを示している。実験例6-8は実施例であり、実験例1―5,9-11は比較例である。
1.ポリウレタンフォームの製造
表1,2の割合で配合した組成物を調製し、モールド発泡により、実施例及び比較例のポリウレタンフォームを製造した。
各原料の詳細は以下の通りである。
・ポリエーテルポリオールA:ポリエーテルポリオール、エチレンオキシドを末端に有するポリプロピレンオキシド(VORANOL4701、ダウ・ケミカル日本株式会社製)、水酸基価35mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量5000
・ポリエーテルポリオールB:ポリエーテルポリオール、ポリプロピレングリコール(GP750NS、三洋化成工業株式会社製)、水酸基価225mgKOH/g、官能基数3、数平均分子量750、EO比率0モル%
・ポリエーテルポリオールC:ポリエーテルポリオール(D2000、旭硝子社製)、水酸基価56mgKOH/g、官能基数2、数平均分子量2000、EO比率0モル%
・変性ポリカーボネートポリオール:1,6-ヘキサンジオール由来の構造とカプロラクトン由来の構造の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオール(ETERNACOLL UHC50-200、宇部興産株式会社製)、56mgKOH/g、官能基数2、数平均分子量2000
・ポリカーボネートポリオール:1,6-ヘキサンジオール由来の構造と1,5-ペンタンジオール由来の構造の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオール(ETERNACOLL PH-200、宇部興産株式会社製)、56mgKOH/g、官能基数2、数平均分子量2000
・連通化剤:EO付加比率の高いポリエーテルポリオール(VORANOL CP1421、ダウ・ケミカル日本株式会社製)、官能基数3、水酸基価35mgKOH/g、分子量5000、EO比率70モル%
・架橋剤:ジエタノールアミン
・触媒1:アミン触媒(末端アミンの反応型樹脂化触媒)
・触媒2:芳香族アミン触媒
・整泡剤:シリコーン系整泡剤
・発泡剤:水
・ポリイソシアネート:ウレタン変性MDI(ルプラネート MP-102、BASF INOAC社製)
2.評価方法
上記原料を用いて製造されたポリウレタンフォームから試験片を切り出し、下記の方法によりアスカーC硬さ、反発弾性率等を測定した。実験例10,11は、成形不良のため、物性の評価をしていない。
(1)アスカーC硬さ
アスカーC硬さは、JIS K7312に準じて測定した。試験温度は、0℃、23℃、40℃とした。試験片は、試験温度の条件で24時間以上静置してから測定を行った。
(2)反発弾性率
反発弾性率(%)は、JIS K6255に準じて測定した。試験温度は、0℃、23℃、40℃とした。試験片は、試験温度の条件で24時間以上静置してから測定を行った。
(3)見掛けコア密度、引張強さ、伸び、引裂強さ
見掛けコア密度は、JIS K7222に準じて測定した。
引張強度(kPa)は、JIS K6400-5 5に準じて測定した。
伸び(%)は、JIS K6400-5 5に準じて測定した。
引裂強度(N/cm)は、JIS K6400-5 6 B法に準じて測定した。
Figure 2023044020000001
Figure 2023044020000002
3.結果
結果を表1,2に併記する。表1及び表2中、「-」は測定していないことを表している。「アスカーC硬さ、0℃:H1」の欄に、0℃におけるアスカーC硬さを示す。「アスカーC硬さ、23℃:H2」の欄に、23℃におけるアスカーC硬さを示す。「アスカーC硬さ、40℃」の欄に、40℃におけるアスカーC硬さを示す。「アスカーC硬さ、0℃と23℃の差:|H1-H2|」の欄に、0℃におけるアスカーC硬さと23℃におけるアスカーC硬さとの差の絶対値を示す。「反発弾性率(%)、0℃:R1」の欄に、0℃における反発弾性率を示す。「反発弾性率(%)、23℃:R2」の欄に、23℃における反発弾性率を示す。「反発弾性率(%)、40℃」の欄に、40℃における反発弾性率を示す。「反発弾性率(%)、0℃と23℃の差:|R1-R2|」の欄に、0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差の絶対値を示す。
実験例6-8は、0℃、23℃、40℃の条件下で測定したアスカーC硬さが5以上28以下であった。実験例6-8は、実用的なアスカーC硬さであった。また、実験例6-8は、0℃におけるアスカーC硬さと23℃におけるアスカーC硬さとの差が20以下であった。実験例6-8は、温度依存性が小さいことが確認された。
実験例6-8は、0℃、23℃、40℃の条件下で測定した反発弾性率が40%以下であった。実験例6-8は、実用的な反発弾性率であった。また、実験例6-8は、0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差が20%以下であった。実験例6-8は、温度依存性が小さいことが確認された。
4.実施例の効果
以上の実施例によれば、ポリウレタンフォームの温度依存性を低減できる。
本開示は上記で詳述した実施例に限定されず、本開示の範囲で様々な変形又は変更が可能である。

Claims (8)

  1. ポリオール及びポリイソシアネートを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
    前記ポリオールは、環状エステルで変性されたポリカーボネートポリオールを含有し、
    前記ポリカーボネートポリオールの含有量は、前記ポリオールの全量を100質量部とした場合に、7質量部以上35質量部以下である、ポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリカーボネートポリオールの官能基数が2である、請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 前記ポリカーボネートポリオールの水酸基価が35mgKOH/g以上450mgKOH/g以下である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. 前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が1100以上3500以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  5. JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度が28以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  6. JIS K7312に準じて測定した、0℃におけるアスカーC硬度と23℃におけるアスカーC硬度との差の絶対値が20以下である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  7. JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率が45%以下である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  8. JIS K6255に準じて測定した、0℃における反発弾性率と23℃における反発弾性率との差の絶対値が20%以下である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
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