JP2023043655A - 回転電機用ステータおよびこれを備える回転電機並びに回転電機用ステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルの占積率を高めつつ渦電流損失を低減でき、生産性に優れた回転電機用ステータを提供する。【解決手段】電機子巻線20と、電機子巻線20を格納するコイルホルダ31、32と、コイルホルダ31、32に対する電機子巻線20の格納位置を保持する非磁性のコイルガイド6と、を備え、コイルホルダ31、32内に軟磁性粉末を含んだモールド樹脂7が充填されて硬化された状態で電機子巻線20がコイルホルダ31、32内の格納位置に固定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機(電動機(モータ)または発電機)に関する。
回転電機用ステータにおいて、渦電流損失を低減することは重要な課題である。
渦電流損失を低減するために、例えば特許文献1記載の技術では、コイル(電機子巻線)とコイルの間に絶縁紙と絶縁体層を挿入している。また、例えば特許文献2記載の技術では、巻回する導線と隣接で巻回する導線間に軟磁性体を設けている。
渦電流損失を低減するために、例えば特許文献1記載の技術では、コイル(電機子巻線)とコイルの間に絶縁紙と絶縁体層を挿入している。また、例えば特許文献2記載の技術では、巻回する導線と隣接で巻回する導線間に軟磁性体を設けている。
しかし、特許文献1、2に記載の技術では、絶縁紙や絶縁体層ないし軟磁性体を介装するため、それらを介装する製造上の手間がかかるため生産性が低下するという問題がある。さらに、それらを介装する厚みの分だけコイルの占積率が下がるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、電機子巻線の占積率を高めつつ渦電流損失を低減でき、生産性に優れた回転電機用ステータおよびこれを備える回転電機並びに回転電機用ステータの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る回転電機用ステータは、電機子巻線と、前記電機子巻線を格納するコイルホルダと、前記コイルホルダに対する前記電機子巻線の格納位置を保持する非磁性のコイルガイドと、を備え、前記コイルホルダ内に、軟磁性粉末を含んだモールド樹脂が充填されて硬化された状態で前記電機子巻線が前記コイルホルダ内の前記格納位置に固定されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る回転電機は、本発明の一態様に係る回転電機用ステータと、ハルバッハ系列をなして配置される複数の単位永久磁石を有する界磁子と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る回転電機用ステータの製造方法は、本発明の一態様に係る回転電機用ステータを製造する方法であって、前記コイルホルダ内に、軟磁性粉末を含んだモールド樹脂を真空含浸によって充填することを特徴とする。
上述のように、本発明によれば、電機子巻線の占積率を高めつつ渦電流損失を低減でき、生産性に優れた回転電機用ステータおよびこれを備える回転電機並びに回転電機用ステータの製造方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。本実施形態は、回転電機として、三相同期電動機として構成されたハルバッハモータの例である。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
[ハルバッハモータ]
図1に示すように、本実施形態のハルバッハモータ1は、複数の単位永久磁石10を円筒状に配列した構造を含んで界磁子が構成されるロータ2と、ロータ2の外周面に径方向で対向配置するように、3つの電機子巻線20を保持して電機子が構成されるステータ30と、を有する。
図1に示すように、本実施形態のハルバッハモータ1は、複数の単位永久磁石10を円筒状に配列した構造を含んで界磁子が構成されるロータ2と、ロータ2の外周面に径方向で対向配置するように、3つの電機子巻線20を保持して電機子が構成されるステータ30と、を有する。
ステータ30の外周面には、外周面を囲繞するように電磁鋼板製のヨーク5が同軸に配置されている。ロータ2の中心には、回転電機の入力または出力軸となるシャフト(不図示)が同軸に固定され、その軸方向前後に離隔して一対のシャフトフランジがロータ2の端面に固定されて界磁子と一体化される。
本実施形態では、3つの電機子巻線20は、平面視が小判型をなす空芯コイルであり、周方向に沿って湾曲形成されている。電機子巻線20の中心部には、コイルホルダ6の外面にはめ込まれることで、電機子巻線30が所期の装着位置に保持される。
3つの電機子巻線20は、各電機子巻線20の巻き初めの端子が相互に繋がれて中性点とされる。なお、中性点には測定用の配線が接続され機外まで延設される。そして、各電機子巻線20の巻き終わりの各端子に三相交流がそれぞれ印加されるようになっている。
3つの電機子巻線20は、各電機子巻線20の巻き初めの端子が相互に繋がれて中性点とされる。なお、中性点には測定用の配線が接続され機外まで延設される。そして、各電機子巻線20の巻き終わりの各端子に三相交流がそれぞれ印加されるようになっている。
本実施形態のハルバッハモータ1は、3つの電機子巻線30に対して時間的に120°遅れたU相、V相、W相の交流を順に流すことで、その移動磁界に4極の界磁子2のN・S磁界が引かれることで界磁子2が同期して、三相交流電流の周波数に応じた回転数で回転することができる。
[ステータ]
次に、本実施形態のステータ30について、図面を適宜参照しつつ、より詳しく説明する。なお、本実施形態のステータ30は、磁性コアを持たない空芯コイルを備える回転電機用ステータとして特に有効である。
次に、本実施形態のステータ30について、図面を適宜参照しつつ、より詳しく説明する。なお、本実施形態のステータ30は、磁性コアを持たない空芯コイルを備える回転電機用ステータとして特に有効である。
図1に示すように、本実施形態の回転電機用ステータ30は円筒状に形成されている。ステータ30の径方向内外には、中空円筒状のコイルホルダ31、32がそれぞれ配置されている。内外のコイルホルダ31、32は、非磁性の格納容器であって、二つのコイルホルダ31、32の間の空間に、鉄心を有しない3個の電機子巻線30が格納される。本実施形態では、各電機子巻線30には平角線を使用している。
コイルホルダ31、32内での電機子巻線30の位置は、周方向に等配された非磁性のコイルガイド6でそれぞれ保持される。さらに、コイルホルダ31、32内に、軟磁性粉末として、低鉄損の磁性粉末が均一に混合されたモールド樹脂7が充填されて全体が一体に硬化されている。そして、コイルホルダ31、32は、電磁鋼板製のヨーク5と共に電気機器のケース(不図示)に固定されてステータ30を構成する。
ここで、本実施形態のステータ30では、図2に示すように、コイルホルダ31、32内の各電機子巻線20は、樹脂材料製のコイルガイド6によって所定位置に保持される。本実施形態では、図3にコイルの模式的断面図を示すように、平角線20cを電機子巻線20として使用している。なお、非磁性のコイルガイド6は、樹脂材料製に限らず、セラミックス製としてもよい。
本実施形態のステータ30は、平角線20cが高密度に巻かれた電機子巻線30を径方向の内外から覆う円筒状をなす二つのコイルホルダ31、32間に格納し、非磁性のコイルガイド6により各電機子巻線30の周方向の位置が固定される。
そして、磁性粉末が均一に含まれたモールド樹脂7を、二重円筒状のコイルホルダ31、32内の隙間に、低鉄損の磁性粉末が均一に混ざったモールド樹脂7を充填・硬化させて全体を固定している。本実施形態では、コイルガイド6は、各電機子巻線30間に設置されて、ロータ回転軸の中心に対して3つの電機子巻線30が回転対称となる位置で保持される。
特に、本実施形態では、モールド樹脂7の充填状態は、径方向内外においては、各電機子巻線30の中心側となる径方向内側での充填量が、径方向外側での充填量よりも多く充填されるように各電機子巻線30の軸方向での保持位置が調整された状態で充填固化されている。これにより、コイル中心部分に磁性粉末の含まれた樹脂モールド7が多く充填される。
モールド樹脂7の充填方法としては、真空含浸によりむら無く充填される方法が望ましい。本実施形態では、均一に混合した磁性粉末が含まれているモールド樹脂7を真空含浸によって充填している。
これにより、各電機子巻線30の表面がモールド樹脂7によって確実に覆われる。そのため、コイルホルダ31、32に対する各電機子巻線30の保持性が高まるとともに、空気層をより確実に無くすことができるため熱伝導性が高まる。更に、各電機子巻線30の電気絶縁性が高まるため、漏れ磁束のコイル内への侵入による渦電流損失を低減する上で好適である。
モールド樹脂7としては、例えば2つの液体を混ぜ合わせることで化学反応を起こして硬化するエポキシ樹脂が挙げられる。磁性粉末は、液体中で均一に混合され硬化することで、電気的に絶縁状態となる。そのため、回転電機が回転する際の漏れ磁束による渦電流損失はほとんど発生しない。
[作用効果]
次に、本実施形態の回転電機用ステータ30の作用効果について説明する。
上述したように、回転電機用ステータにおいては、コイルの占積率を高めつつ渦電流損失を低減することは重要な課題である。
次に、本実施形態の回転電機用ステータ30の作用効果について説明する。
上述したように、回転電機用ステータにおいては、コイルの占積率を高めつつ渦電流損失を低減することは重要な課題である。
例えば特許文献1では、複数のスロットが形成されたステータコアと、複数のスロット各々に挿入されるセグメントコイルと、を備える。同文献記載の回転電機用ステータでは、2以上のセグメントコイルを周回するように絶縁紙を配置し、少なくとも1枚の絶縁紙には磁性体層を設けている。
同文献記載の技術では、回転電機のロータ側からステータ側に流れる漏れ磁束は、セグメントコイルよりも磁性体層の方に流れるため、セグメントコイルに渦電流が発生することを低減できるとしている。
また、例えば特許文献2記載の技術では、コアレスモータのコイルにおいて、巻回する導線と隣接で巻回する導線間に軟磁性体を設け、磁束経路を透磁率の高い導線間の軟磁性体を通るように制御することで、電機子巻線内での渦電流損失を低減できるとしている。
また、例えば特許文献2記載の技術では、コアレスモータのコイルにおいて、巻回する導線と隣接で巻回する導線間に軟磁性体を設け、磁束経路を透磁率の高い導線間の軟磁性体を通るように制御することで、電機子巻線内での渦電流損失を低減できるとしている。
しかし、特許文献1、2に記載の技術では、絶縁紙や絶縁体層ないし軟磁性体を介装するため、製造上の手間がかかり、更に、それらの厚みの分だけコイルの占積率が下がるという問題がある。
また、モータの回転速度が100,000rpmの超高速回転下では、モータ全体の損失に対してコイルの渦電流損の割合が増えるため有効な方式ではあるものの、例えば20,000rpm以下の回転数においては、鎖交磁束が減るため、かえってトルク特性が低下するという問題がある。
また、モータの回転速度が100,000rpmの超高速回転下では、モータ全体の損失に対してコイルの渦電流損の割合が増えるため有効な方式ではあるものの、例えば20,000rpm以下の回転数においては、鎖交磁束が減るため、かえってトルク特性が低下するという問題がある。
これに対し、本実施形態の回転電機用ステータ30によれば、占積率の高い平角線20cで各電機子巻線30を形成してコイルホルダ31、32内に格納し、均一に混合した磁性粉末を含んだモールド樹脂7をコイルホルダ31、32内に充填して硬化している。これにより、回転電機からの漏れ磁束による渦電流損失を低減できる。
すなわち、モールド樹脂7はコイル導体よりも透磁率が高い。そのため、ロータ2からの漏れ磁束はコイル導体ではなく磁性モールドの方に流れる。そのため、各電機子巻線30に発生する渦電流を低減させることができる。更に、ステータ30の中心部分に磁性粉末の含まれた樹脂モールド7が多く充填されるため、鎖交磁束が大きくなりモータのトルク向上に寄与することになる。
また、モールド樹脂7は、空気と比較して非常に熱伝導率が高い性質がある。そのため、各電機子巻線30からの発熱を放熱し易くなる利点がある。例えば、空気の熱伝導率0.0241[W/m・K]に対して、熱伝導率の高いエポキシ樹脂では2.16[W/m・K]の数値となるため、89.6倍熱が伝わり易くなる。
ここで、従来、回転電機が回転する際の漏れ磁束による渦電流損失を改善するために、鉄心がない回転電機のコイル(磁性コアを持たないコイル)は、ロータ2の回転によって各電機子巻線30に発生する渦電流を低減させるために、一般的に、図6に示すようなリッツ線(撚り線)20Lを使用している。
リッツ線20Lを用いたコイルにおいては、複数の導体素線20Lcを同心円状に撚り、更に、その複数の撚り線を同心円状に撚ってその外側を絶縁被膜20Lfで覆った構造となっている。しかし、リッツ線20Lは、複数の線材を束ねて撚ってあるため、同図から看取されるように、隣り合う撚り線相互の間に隙間が広く生じる。実際、リッツ線20Lを用いたコイルにおいては、コイルスロット面積に占める導体の割合である占積率は40%程度である。
そのため、リッツ線20Lを使用したコイルであると、コイルスロット内に占める導体の割合である占積率が小さくなるという問題がある。占積率を更に大きくできれば、モータの小型化や高性能化において有利になる。
また、リッツ線20Lは曲げ加工が行い難く、無理に曲げると導体素線20Lcが切れたり、絶縁被膜20Lfが剥がれたりするという問題がある。更に、リッツ線20Lはその加工に手間がかかるため、通常のコイルよりもコストが高くなるという問題がある。
また、リッツ線20Lは曲げ加工が行い難く、無理に曲げると導体素線20Lcが切れたり、絶縁被膜20Lfが剥がれたりするという問題がある。更に、リッツ線20Lはその加工に手間がかかるため、通常のコイルよりもコストが高くなるという問題がある。
これに対し、本実施形態の回転電機用ステータ30によれば、図3に示したように、平角線20を各電機子巻線30に使用することにより、導体素線20cと絶縁被膜20fとの間に隙間がほとんど無くなる。そのため、占積率を80%とすることができる。コイルの占積率が大きくなるということは、同じ性能の回転電機を、より小型化し、軽量化できることを意味する。
このように、例えば、従来方式であるリッツ線を使用した場合、占積率は40%程度であるが、本実施形態では80%程度に向上でき、回転電機の小型軽量化を更に進めることができる。
また、リッツ線20Lを使用した場合と比較して、平角線20を使用することで、コイル形成の加工性に優れ、摩擦などによるコイルの絶縁被膜がはがれるおそれも改善できる。よって、製造工程を増やすことなく、回転電機ステータの渦電流損失の対策ができる。
また、リッツ線20Lを使用した場合と比較して、平角線20を使用することで、コイル形成の加工性に優れ、摩擦などによるコイルの絶縁被膜がはがれるおそれも改善できる。よって、製造工程を増やすことなく、回転電機ステータの渦電流損失の対策ができる。
次に、本実施形態の回転電機用ステータの効果を確認するために、図1に示したハルバッハモータ1においてシミュレーション解析を行った。シミュレーション諸元を表1に示す。本シミュレーション解析は2次元解析モデルで行っている。
シミュレーションモデルとしたハルバッハモータ1は、図1に示すように、ロータ2を構成する複数の単位永久磁石10が、4極40個の円筒型ハルバッハ配列で構成されている。ハルバッハ配列は、複数の単位永久磁石10の磁極を、所定角度ずつ回転させながら順に配列する。これにより、磁石配列の一方の側の磁場が弱まり、他方の側では磁場が強くなって、磁石配列の片側に強い磁場を発生させることができる。
ハルバッハ配列は、例えば3の倍数に2を加えた数の何れか一つが電気角1周期の分割数とされ、電気角1周期を分割数で除した角度ずつ着磁方向が順に変更されてなる単位永久磁石10が配列されることが好ましい。この場合、すべての単位永久磁石10の着磁方向に平行な断面積形状が同一である。
つまり、この例では、すべての単位永久磁石10の着磁方向に平行な断面積形状が同一なので、着磁方向が18°ずつ順に変更されてなる40個の単位永久磁石10の組によってハルバッハ界磁子のハルバッハ配列が構成される。
ステータ30を構成する3個の電機子巻線20は、電磁鋼板製のヨーク5の内側に配置されており、それぞれの電機子巻線20の間に、コイル保持用のコイルガイド6が120°の角度で配置される。ハルバッハモータ1は、3つの電機子巻線20に対して時間的に120°遅れたU相、V相、W相の交流を順に流すことで、その移動磁界に4極のロータ2のN・S磁界が引かれることでロータ2が同期して、三相交流電流の周波数に応じた回転数で回転することができる。
そして、ヨーク5の内側とコイルガイド6の高さの同心円で囲まれた範囲内に、3つの電機子巻線20を覆うようにしてモールド樹脂7が充填されている。このモールド樹脂7の比透磁率を、1~40の範囲で変化させたときのモータトルク特性を有限要素法でシミュレーション解析した。トルク特性のシミュレーション解析結果を図4のグラフに示す。
同図に示すように、モールド樹脂7に磁性粉末が含まれない樹脂モールド(比透磁率=1)に対して、比透磁率5の磁性モールドでは、約13%トルクが増加する結果が得られた。同図のグラフより、磁性モールドの比透磁率が大きくなるほど、ハルバッハモータ1の平均トルクも大きくなるが、比透磁率が50程度になるとトルク値は飽和傾向になることがわかる。
また、モールド樹脂7に含ませる磁性粉末の成分が多すぎると樹脂モールドの強度も低下する。そのため、実用的な比透磁率の範囲としては1~20程度が望ましい。なおまた、コイル保持用のコイルガイド6がなかった場合、トルクリップルが増加して平均トルクが低下する結果となった。
以上説明したように、本実施形態の回転電機用ステータ30によれば、電機子巻線20の占積率を高めつつ渦電流損失を低減でき、生産性に優れた高性能の回転電機を提供できる。なお、本発明に係る回転電機用ステータは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、3個の電機子巻線20を有するステータ30の例を示したが、これに限らず、本発明を適用するステータでの電機子巻線の個数は仕様に応じて適宜設定可能である。
また、例えば、図2に示す例では、電機子巻線20の軸方向において片側の端面のみをモールド樹脂7で覆っている例を示したが、これに限らず、例えば図5に示すように、電機子巻線20の軸方向において裏面側となる端面についても、モールド樹脂7で覆うように構成することができる。
1 ハルバッハモータ(回転電機)
2 ロータ(界磁子)
3 界磁子内ホルダ(内筒)
4 界磁子外ホルダ(外筒)
5 ヨーク
6 コイルガイド
7 モールド樹脂
10 単位永久磁石
20 電機子巻線(コイル)
30 ステータ(電機子)
31 コイル内ホルダ(内筒)
32 コイル外ホルダ(外筒)
2 ロータ(界磁子)
3 界磁子内ホルダ(内筒)
4 界磁子外ホルダ(外筒)
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6 コイルガイド
7 モールド樹脂
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20 電機子巻線(コイル)
30 ステータ(電機子)
31 コイル内ホルダ(内筒)
32 コイル外ホルダ(外筒)
Claims (10)
- 電機子巻線と、
前記電機子巻線を格納するコイルホルダと、
前記コイルホルダに対する前記電機子巻線の格納位置を保持する非磁性のコイルガイドと、を備え、
前記コイルホルダ内に、軟磁性粉末を含んだモールド樹脂が充填されて硬化された状態で前記電機子巻線が前記コイルホルダ内の前記格納位置に固定されていることを特徴とする回転電機用ステータ。 - 前記電機子巻線は、巻線の形状が平角線である請求項1に記載の回転電機用ステータ。
- 前記電機子巻線は、磁性コアを有しないものである請求項1または2に記載の回転電機用ステータ。
- 前記コイルガイドは、樹脂材料製である請求項1~3のいずれか一項に記載の回転電機用ステータ。
- 前記コイルガイドは、セラミックス製である請求項1~3のいずれか一項に記載の回転電機用ステータ。
- 前記モールド樹脂は、エポキシレジンである請求項1~5のいずれか一項に記載の回転電機用ステータ。
- 軟磁性粉末を含んだモールド樹脂の透磁率が1以上20以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の回転電機用ステータ。
- 軟磁性粉末を含んだモールド樹脂の熱伝導率が1[W/m・K]以上である請求項1~5のいずれか一項に記載の回転電機用ステータ。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の回転電機用ステータと、ハルバッハ系列をなして配置される複数の単位永久磁石を有する界磁子と、を備えることを特徴とする回転電機。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の回転電機用ステータを製造する方法であって、
前記コイルホルダ内に、軟磁性粉末を含んだモールド樹脂を真空含浸によって充填することを特徴とする回転電機用ステータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021151382A JP2023043655A (ja) | 2021-09-16 | 2021-09-16 | 回転電機用ステータおよびこれを備える回転電機並びに回転電機用ステータの製造方法 |
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