JP2023041486A - 毛髪損傷の治療剤 - Google Patents

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悌二 冨永
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Abstract

【課題】毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪を治療するための再生医療用医薬品を提供すること。【解決手段】生体の間葉系組織又は培養間葉系細胞に由来するSSEA-3陽性の多能性幹細胞(Muse細胞)を含む、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪を治療するための細胞製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、臨床上で有効性を有する再生医療のための細胞製剤に関する。より具体的には、多能性幹細胞を含有する毛髪損傷の治療剤に関する。
ヒトの毛髪には寿命があり、生涯を通じて再生と脱毛を繰り返している(毛周期)。一回の毛周期は、毛包下部が再生し毛髪が作り出される成長期、毛髪の伸長が止まり毛包下部が収縮する退行期、及び休止期の3つの時期に分けられる。毛包のバルジ領域および毛芽領域には毛包幹細胞と色素幹細胞が存在し、成長期にはこの2つの幹細胞が同時に活性化する。毛包幹細胞の子孫細胞により毛包下部が再生され毛球部が作られ、同時に、色素幹細胞の子孫細胞が毛球部へ移動し色素細胞へ分化する。毛球部では、毛包幹細胞の子孫細胞が毛髪に分化する過程で色素細胞により作られた色素を取り込み色の付いた毛髪が再生する。このように、成長期の毛包の再生過程において毛包幹細胞と色素幹細胞とが同時に活性化し、協調することによってヒトの毛髪が形成されている。
しかし、加齢やそれに伴うホルモンバランスの変調、ストレスや神経疾患等、種々な因子により、毛髪の毛周期、特に、成長期の毛包の再生過程の協調が崩れた場合、白髪、脱毛、薄毛等、毛髪損傷が生じる。
この毛髪損傷に対する治療に関し、脱毛、薄毛の治療薬として、フィナステリド(5αリダクターゼの働きを阻害し、脱毛を促進させる男性ホルモン、ジヒドロステロンの生成を抑える効果を有するもの)や、ミノキシジル(血管拡張作用のある化合物で、血行を促進し、毛髪の成長を促進させるもの)などが、既に上市されている。
しかしながら、白髪の治療においては、白髪の防止又は改善する成分等の報告は数多くなされているものの、いずれも有効性や安全性の点で十分なものは得られておらず、染毛剤による染毛が中心となっているのが現状である。
したがって、毛髪損傷、特に、白髪等を解決できる治療剤を提供することは、ヒトの永遠の悩みを解決することにもなる。
一方、近年の再生医療の研究の進展により、幹細胞移植等による毛髪損傷、特に、白髪のメカニズムに関する研究も行われている(非特許文献1:P. Rabbani, et al., Cell, 145, 941-955(2011)、非特許文献2:S. Tanimura, et al., Cell Stem Cell., 2011 Feb
4;8(2):177-187)。
また、脂肪由来の自家間葉系幹細胞移植による毛髪色変化の事例も報告されている(非特許文献3:J. Thadani et al., Stem cell Biology and Research 2015、doi:10.7243/2054-717X-2-3、http://www.hoajonline.com/journals/pdf/2054-717X-2-3.pdf)。
しかしながら、現在も、安全性と有効性が確認された、毛髪損傷、特に、白髪等を解決できる治療剤は見いだされておらず、治療の実現が待たれている。
一方、出澤らの研究により、間葉系細胞画分に存在し、遺伝子導入やサイトカイン等による誘導操作なしに得られる、SSEA-3(Stage-Specific Embryonic Antigen-3)を表面抗原として発現している多能性幹細胞(Multilineage-differentiating Stress Enduring cells;Muse細胞)が間葉系細胞画分の有する多能性を担っており、組織再生を目指した疾患治療に応用できる可能性があることが分かってきた(例えば、特許文献1;非特許文献4~6)。Muse細胞は、骨髄液、脂肪組織(非特許文献7:Ogura F
et al. Stem Cells Dev., Nov 20, 2013 (Epub) (published on Jan 17, 2014))
や皮膚の真皮結合組織等から得ることができるほか、広く組織や臓器の結合組織に存在することが知られている。
特許文献2には、Muse細胞が、ある種の因子及びサイトカインの組み合わせを用いることによって機能性メラノサイトに分化すること、また、特許文献3には、Muse細胞が表皮水疱症等の皮膚疾患の治療に有効であること等が開示されているが、臨床的な観点から、毛髪損傷、特に、白髪等を解決できる治療効果については不明であった。
特許第5185443号 国際公開2014/163206号 国際公開2018/235834号
Rabbani P et al. Cell, 145, 941-955(2011) Tanimura S et al. Cell Stem Cell., 2011 Feb 4;8(2):177-187 Thadani J et al. Stem cell Biology and Research 2015、http://www.hoajonline.com/journals/pdf/2054-717X-2-3.pdf、doi:10.7243/2054-717X-2-3 Kuroda Y et al. Proc Natl Acad Sci USA 2010; 107: 8639-8643. Wakao S et al. Proc Natl Acad Sci USA 2011; 108: 9875-9880. Kuroda Y et al. Nat Protc 2013; 8: 1391-1415. Ogura F et al. Stem Cells Dev., Nov 20, 2013 (Epub) (published on Jan 17, 2014)
本発明は、臨床上で有効性を有する再生医療のための細胞製剤に関し、具体的には、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、脳梗塞患者を対象としたMuse細胞の臨床試験の過程において、思いがけず、Muse細胞が、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の治療に効果を有することを見出し、それにより、Muse細胞が毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の治療剤として使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]生体の間葉系組織又は培養間葉系細胞に由来するSSEA-3陽性の多能性幹細胞を含む、毛髪損傷の治療剤。
[2]毛髪損傷が白髪、脱毛、または薄毛である、[1]に記載の治療剤。
[3]毛髪損傷が白髪である、[1]または[2]に記載の治療剤。
[4]前記多能性幹細胞が、以下の性質の全てを有する多能性幹細胞である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の治療剤:
(i)テロメラーゼ活性が低いか又は無い;
(ii)三胚葉のいずれの胚葉の細胞に分化する能力を持つ;
(iii)腫瘍性増殖を示さない;及び
(iv)セルフリニューアル能を持つ。
[5]前記多能性幹細胞が、以下の性質の全てを有する多能性幹細胞である、上記[1
]~[4]のいずれかに記載の治療剤:
(i)SSEA-3陽性;
(ii)CD105陽性;
(iii)テロメラーゼ活性が低いか又は無い;
(iv)三胚葉のいずれかの胚葉に分化する能力を持つ;
(v)腫瘍性増殖を示さない;及び
(vi)セルフリニューアル能を持つ。
本発明によれば、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪を有する患者に対し、Muse細胞を投与することにより、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪を治療することができる。
また、Muse細胞の本効果に対する作用機序は特定されていないが、Muse細胞のこれまでの知見から、毛髪損傷に関しても、正常な成長期の毛包の再生過程の協調が崩れた障害部位に効率的に遊走して生着することができ、生着した部位で自発的に分化すると考えられるので、移植に先立って治療対象細胞への分化誘導が不要である。また、非腫瘍形成性であり安全性にも優れる。さらに、Muse細胞は免疫拒絶を受けないことから、ドナーから製造された他家製剤による治療も可能である。従って、上記に示す優れた性能を有するMuse細胞によって、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の治療に、臨床上有用な手段を提供することができる。
<1>Muse細胞を含む細胞製剤
本発明は、SSEA-3陽性の多能性幹細胞(Muse細胞)を含有する毛髪損傷の治療剤に関する。なお、本明細書において、治療には症状の治癒、緩和、改善、予防などが含まれ、治療剤は前記治癒、緩和、改善、予防などの処置に使用される製剤を意味する。本発明を以下に詳細に説明する。
1.適用疾患
本発明のSSEA-3陽性の多能性幹細胞(Muse細胞)を含む細胞製剤は、毛髪損傷の治療に使用される。
本明細書において、毛髪損傷には、毛髪の色の変化、例えば、白髪化、毛髪の質の変化、例えば、ツヤの減少や細毛、毛髪の量の変化、例えば、脱毛や薄毛などが含まれる。
したがって、本発明の毛髪損傷の治療剤は上記のような毛髪損傷を治癒、緩和、改善、または予防するために使用される。
本発明における毛髪損傷の治療は、毛髪の毛周期、特に、成長期の毛包の再生過程の協調が崩れた場合に生じる上記のような損傷の治療であり、好ましくは白髪、脱毛、薄毛等の治療が含まれるが、特に好ましくは、白髪の治療である。
2.細胞製剤
(1)多能性幹細胞(Muse細胞)
本発明の細胞製剤に使用される多能性幹細胞は、出澤らが、ヒト生体内にその存在を見出し、「Muse(Multilineage-differentiating Stress Enduring)細胞」と命名した細胞である。Muse細胞は、骨髄液、脂肪組織(非特許文献7:Ogura F et al. Stem Cells Dev., Nov 20, 2013 (Epub) (published on Jan 17, 2014))や皮膚の真皮結合組織等から得ることができるほか、広く組織や臓器の結合組織に存在することが知られている。また、この細胞は、多能性幹細胞と間葉系幹細胞の両方の性質を有する細胞であり、例えば、細胞表面マーカーである「SS
EA-3(Stage-specific embryonic antigen-3)」陽性細胞、好ましくはSSEA-3陽性かつCD-105陽性の二重陽性細胞として同定される。したがって、Muse細胞又はMuse細胞を含む細胞集団は、例えば、SSEA-3単独又はSSEA-3及びCD-105の発現を指標として生体組織から分離することができる。Muse細胞の分離法、同定法、及び特徴などの詳細は、国際公開第WO2011/007900号に開示されている。また、Muse細胞が様々な外的ストレスに対する耐性が高いことを利用して、蛋白質分解酵素処理や、低酸素条件、低リン酸条件、低血清濃度、低栄養条件、熱ショックへの暴露、有害物質存在下、活性酸素存在下、機械的刺激下、圧力処理下など各種外的ストレス条件下での培養によりMuse細胞を選択的に濃縮することができる。なお、本明細書においては、毛髪損傷を治療するための細胞製剤として、SSEA-3を指標として用いて、生体の間葉系組織又は培養間葉系組織から調製された多能性幹細胞(Muse細胞)又はMuse細胞を含む細胞集団を単に「SSEA-3陽性細胞」と記載することがある。また、本明細書においては、「非Muse細胞」とは、生体の間葉系組織又は培養間葉系細胞に含まれる細胞であって、「SSEA-3陽性細胞」以外の細胞を指すことがある。
Muse細胞又はMuse細胞を含む細胞集団は、細胞表面マーカーであるSSEA-3又はSSEA-3及びCD-105を指標として生体組織(例えば、間葉系組織)から調製することができる。ここで、「生体」とは、哺乳動物の生体をいう。本発明において、生体には、受精卵や胞胚期より発生段階が前の胚は含まれないが、胎児や胞胚を含む胞胚期以降の発生段階の胚は含まれる。哺乳動物には、限定されないが、ヒト、サル等の霊長類、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等のげっ歯類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ、ヤギ、フェレット等が挙げられる。本発明の細胞製剤に使用されるMuse細胞は、生体の組織から直接マーカーを持って分離される点で、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹(iPS)細胞と明確に区別される。また、「間葉系組織」とは、骨、滑膜、脂肪、血液、骨髄、骨格筋、真皮、靭帯、腱、歯髄、臍帯、臍帯血、羊膜などの組織及び各種臓器に存在する組織をいう。例えば、Muse細胞は、骨髄や皮膚、脂肪組織、血液、歯髄、臍帯、臍帯血、羊膜などから得ることができる。例えば、生体の間葉系組織を採取し、この組織からMuse細胞を調製し、利用することが好ましい。また、上記調製手段を用いて、線維芽細胞や骨髄間葉系幹細胞などの培養間葉系細胞からMuse細胞を調製してもよい。
また、本発明の細胞製剤に使用されるMuse細胞を含む細胞集団は、生体の間葉系組織又は培養間葉系細胞に外的ストレス刺激を与えることにより、該外的ストレスに耐性の細胞を選択的に増殖させてその存在比率を高めた細胞を回収することを含む方法によっても調製することができる。
前記外的ストレスは、プロテアーゼ処理、低酸素濃度での培養、低リン酸条件下での培養、低血清濃度での培養、低栄養条件での培養、熱ショックへの暴露下での培養、低温での培養、凍結処理、有害物質存在下での培養、活性酸素存在下での培養、機械的刺激下での培養、振とう処理下での培養、圧力処理下での培養又は物理的衝撃のいずれか又は複数の組み合わせであってもよい。
前記プロテアーゼによる処理時間は、細胞に外的ストレスを与えるために合計0.5~36時間行うことが好ましい。また、プロテアーゼ濃度は、培養容器に接着した細胞を剥がすとき、細胞塊を単一細胞にばらばらにするとき、又は組織から単一細胞を回収するときに用いられる濃度であればよい。
前記プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、システインプロテアーゼ、金属プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ又はN末端スレオニンプロテアーゼであることが好ましい。更に、前記プロテアーゼがトリプシン、コラゲナーゼ又はジスパーゼであることが好ましい。
なお、本発明の細胞製剤においては、使用されるMuse細胞は、細胞移植を受けるレシピエントに対して自家であってもよく、又は他家であってもよい。
上記のように、Muse細胞又はMuse細胞を含む細胞集団は、例えば、SSEA-3陽性又はSSEA-3及びCD-105の二重陽性を指標にして生体組織から調製することができるが、ヒト成人皮膚には、種々のタイプの幹細胞及び前駆細胞が含まれることが知られている。しかしながら、Muse細胞は、これらの細胞と同じではない。このような幹細胞及び前駆細胞には、皮膚由来前駆細胞(SKP)、神経堤幹細胞(NCSC)、メラノブラスト(MB)、血管周囲細胞(PC)、内皮前駆細胞(EP)、脂肪由来幹細胞(ADSC)が挙げられる。これらの細胞に固有のマーカーの「非発現」を指標として、Muse細胞を調製することができる。より具体的には、Muse細胞は、CD34(EP及びADSCのマーカー)、CD117(c-kit)(MBのマーカー)、CD146(PC及びADSCのマーカー)、CD271(NGFR)(NCSCのマーカー)、NG2(PCのマーカー)、vWF因子(フォンビルブランド因子)(EPのマーカー)、Sox10(NCSCのマーカー)、Snai1(SKPのマーカー)、Slug(SKPのマーカー)、Tyrp1(MBのマーカー)、及びDct(MBのマーカー)からなる群から選択される11個のマーカーのうち少なくとも1個、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は11個のマーカーの非発現を指標に分離することができる。例えば、限定されないが、CD117及びCD146の非発現を指標に調製することができ、さらに、CD117、CD146、NG2、CD34、vWF及びCD271の非発現を指標に調製することができ、さらに、上記の11個のマーカーの非発現を指標に調製することができる。
また、本発明の細胞製剤に使用される上記特徴を有するMuse細胞は、以下:
(i)テロメラーゼ活性が低いか又は無い;
(ii)三胚葉のいずれの胚葉の細胞に分化する能力を持つ;
(iii)腫瘍性増殖を示さない;及び
(iv)セルフリニューアル能を持つ
からなる群から選択される少なくとも1つの性質を有してもよい。好ましくは、本発明の細胞製剤に使用されるMuse細胞は、上記性質を全て有する。
上記(i)について、「テロメラーゼ活性が低いか又は無い」とは、例えば、TRAPEZE XL telomerase detection kit(Millipore社)を用いてテロメラーゼ活性を検出した場合に、低いか又は検出できないことをいう。テロメラーゼ活性が「低い」とは、例えば、体細胞であるヒト線維芽細胞と同程度のテロメラーゼ活性を有しているか、又はHela細胞に比べて1/5以下、好ましくは1/10以下のテロメラーゼ活性を有していることをいう。
上記(ii)について、Muse細胞は、in vitro及びin vivoにおいて、三胚葉(内胚葉系、中胚葉系、及び外胚葉系)に分化する能力を有し、例えば、in
vitroで誘導培養することにより、肝細胞(肝芽細胞又は肝細胞マーカーを発現する細胞を含む)、神経細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、骨細胞、脂肪細胞等に分化し得る。また、in vivoで精巣に移植した場合にも三胚葉に分化する能力を示す場合がある。さらに、静注により生体に移植することで傷害を受けた臓器(心臓、皮膚、脊髄、肝、筋肉等)に遊走及び生着し、組織に応じた細胞に分化する能力を有する。
上記(iii)について、Muse細胞は、増殖速度約1.3日で増殖するが、浮遊培養では1細胞から増殖し、胚様体様細胞塊を作り一定の大きさになると14日間程度で増殖が止まる、という性質を有するが、これらの胚様体様細胞塊を接着培養に移行すると、再び細胞増殖が開始され、細胞塊から増殖した細胞が約1.3日の増殖速度で広がってい
く。さらに精巣に移植した場合、少なくとも半年間は癌化しないという性質を有する。
また、上記(iv)について、Muse細胞は、セルフリニューアル(自己複製)能を有する。ここで、「セルフリニューアル」とは、1個のMuse細胞から浮遊培養で培養することにより得られる胚様体様細胞塊に含まれる細胞から3胚葉性の細胞への分化が確認できると同時に、胚様体様細胞塊の細胞を再び1細胞で浮遊培養に持っていくことにより、次の世代の胚様体様細胞塊を形成させ、そこから再び3胚葉性の分化と浮遊培養での胚様体様細胞塊が確認できることをいう。セルフリニューアルは1回又は複数回のサイクルを繰り返せばよい。
(2)Muse細胞を含む細胞製剤の調製及び使用
本発明のMuse細胞を含む細胞製剤は、限定されないが、上記(1)で得られたMuse細胞又はMuse細胞を含む細胞集団を生理食塩水や適切な緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁させることによって得られる。この場合、自家又は他家の組織から分離したMuse細胞数が少ない場合には、細胞移植前に細胞を培養して、所定の細胞数が得られるまで増殖させてもよい。なお、すでに報告されているように(国際公開第WO2011/007900号パンフレット)、Muse細胞は、腫瘍化しないため、生体組織から回収した細胞が未分化のまま含まれていても癌化の可能性が低く安全である。また、回収したMuse細胞の培養は、特に限定されないが、通常の増殖培地(例えば、10%仔牛血清を含むα-最少必須培地(α-MEM)など)において行うことができる。より詳しくは、上記国際公開第WO2011/007900号パンフレットを参照して、Muse細胞の培養及び増殖において、適宜、培地、添加物(例えば、抗生物質、血清)等を選択し、所定濃度のMuse細胞を含む溶液を調製することができる。ヒト対象に本発明のMuse細胞を含む細胞製剤を投与する場合には、ヒトの腸骨から骨髄液を採取し、例えば、骨髄液からの接着細胞として骨髄間葉系幹細胞を培養して有効な治療量のMuse細胞が得られる細胞量に達するまで増やした後、Muse細胞をSSEA-3の抗原マーカーを指標として分離し、自家又は他家のMuse細胞を細胞製剤として調製することができる。あるいは、例えば、骨髄液から得られた骨髄間葉系幹細胞を外的ストレス条件下で培養して有効な治療量に達するまでMuse細胞を増殖、濃縮した後、自家又は他家のMuse細胞を細胞製剤として調製することができる。
また、Muse細胞の細胞製剤への使用においては、該細胞を保護するためにジメチルスルフォキシド(DMSO)や血清アルブミン等を、細菌の混入及び増殖を防ぐために抗生物質等を細胞製剤に含有させてもよい。さらに、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を細胞製剤に含有させてもよい。当業者は、これら因子及び薬剤を適切な濃度で細胞製剤に添加することができる。このように、Muse細胞は、各種添加物を含む医薬組成物として使用することも可能である。
上記で調製される細胞製剤中に含有するMuse細胞数は、毛髪損傷の治療において所望の効果が得られるように、対象の性別、年齢、体重、患部の状態、使用する細胞の状態等を考慮して、適宜、調整することができる。なお、対象とする個体はヒトなどの哺乳動物を含むがこれに限定されない。また、本発明のMuse細胞を含む細胞製剤は、所望の治療効果が得られるまで、複数回、適宜、間隔(例えば、1日に2回、1日に1回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、6ヶ月に1回)をおいて投与されてもよい。したがって、対象の状態にもよるが、治療上有効量としては、例えば、一個体あたり一回につき1×10細胞~1×1010細胞で1年間の間に1~10回の投与量が好ましい。一個体における投与総量としては、限定されないが、1×10細胞~1×1011細胞、好ましくは1×10細胞~1×1010細胞、さらに好ましくは1×10細胞~1×10細胞などが挙げられる。
本発明の細胞製剤に使用されるMuse細胞は、障害部位へと遊走し、生着する性質を有する。したがって、細胞製剤の投与において、細胞製剤の投与部位や投与方法は限定されず、血管内投与(静脈内、動脈内)、局所投与などが例示される。好ましくは、血管内投与(静脈内、動脈内)または毛髪損傷部位への局所投与である。
本発明のMuse細胞を含む細胞製剤は、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の臨床上の治療を実現することができる。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
<ヒトMuse細胞の調製>
ヒトMuse細胞の分離及び同定に関する国際公開第WO2011/007900号に記載された方法に準じて、Muse細胞を得た。Muse細胞は間葉系幹細胞をストレス条件下で培養することにより拡大富化培養した。
<脳梗塞患者を対象としたMuse細胞(CL2020)の臨床試験>
脳梗塞患者を対象として、以下の条件で臨床試験を行った。
疾患名:脳梗塞
試験概要:脳梗塞患者を対象に、CL2020を静脈内投与した際の安全性及び有効性についてプラセボを対照に検討する。
試験デザイン:プラセボ対照、無作為化(実薬2.5:プラセボ1の割合で割り付け)、二重盲検
症例数:35例(実薬25例、プラセボ10例)
年齢:20歳以上80歳未満
性別:両方
適格基準:
・標準的な急性期治療の施行時期を過ぎた時点で身体機能障害等の神経症状を有する脳梗塞患者
・脳梗塞発症後14日から28日以内の患者
・登録時のNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)が6以上の患者など
除外基準:
・意識レベルの低下が見られる患者
・CT又はMRIで出血性変化が認められる患者など
投与方法:CL2020・1バッグ(Muse細胞:1.5×10個/約52ml)またはプラセボ(約52ml)を10~15分かけて点滴する。
試験期間:52週間
観察・検査項目:
・12誘導心電図
・血液検査、尿検査
・脳梗塞症状評価(NIHSS(National Institute of Health Stroke Score)、mRS(modified Rankin Scale)、SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)、BI(Barthel Index)、FMMS(Fugl-Meyer Motor Scale)、EQ-5D-5L(EuroQol-5-dimension 5 level))
・その他
<臨床試験の結果>
主要評価項目の結果:
主要評価項目であるCL2020投与後52週までの安全性について、臨床試験を進めるうえで問題となる重要な副作用は臨床試験を通して認められず、良好な忍容性が確認できた。
副次的評価項目の結果(概略):
・プラセボ(偽薬)またはCL2020 を投与する前では、ほとんどの患者のmodified Rankin Scale(mRS)は、4または5であった。
・投与12 週(3 ヶ月)後のmRS が2 以下となった被験者の割合(レスポンダー割合)の95%信頼区間(21.1~61.3%)の下限は、事前に設定した閾値レスポンダー割合8.7%を上回り、CL2020 の治療効果が確認された。また、CL2020 投与群では投与後12 週のレスポンダー割合は40%(10例/25 例)に達し、プラセボ投与群10%(1 例/10 例)より30%上回った(p =0.08)。なお、投与後52 週(1 年)では、CL2020 投与群のレスポンダー割合は68.2%(15 例/22 例)に達し、プラセボ投与群 (37.5%、3 例/8 例)との群間差30%以上を維持していた。
・投与後52 週までの有効性評価では、mRS が1を達成した被験者は52 週時点で7 例でしたが、全例がCL2020 投与群であり、(31.8%、7 例/22 例)、プラセボ投与群では一切認められなかった。
・神経学的障害の重症度評価指標であるNational Institute of Health Stroke Score(NIHSS)は、意識、視野、眼球運動、顔面麻痺、四肢筋力、運動失調、感覚、言語など15 種類の評価項目からなり、各評価項目のスコアを合計すると0~42 点で、点数が高いほど重症となる。プラセボおよびCL2020 を投与する前ではNIHSS が 1(ほぼ正常な状態)以下の被検者は0 例であったが、52 週(1 年)時点で 1 と判定された被験者は5 例で、全例がCL2020投与群であった(23.8%、5 例/21 例)。
・運動機能の評価指標であるFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)の上肢及び下肢のベースラインからの変化量の平均値推移を比較した。上肢については、CL2020 投与群では投与後4 週から52 週までの期間、プラセボ投与群との間に統計的有意差(p <0.01)をもった運動機能改善効果が認められた。下肢については両群とも運動機能改善効果が認められた。
毛髪・皮膚に関する所見:
本臨床試験において、その他所見として、以下に示す通り、7例に、毛髪の黒色化、発毛、髪のつやの改善、髪の量的改善、皮膚のシミの改善等が見られたが、全例がCL2020投与群であった。
<症例1(#006):>
・70歳、女性、2018年12月10日にCL2020 を投与
・投与後28週、毛髪変化(なんとなく黒いような気がする)
・投与後36週、家族や美容師から髪が黒くなったといわれる。
(医師所見)入院時白髪であったが現在後頭部を中心に濃い黒色の髪。前頭部なども少しずつ黒い髪が見える。
(皮膚科所見)後頭部中心に黒色毛髪の発毛を認める。また、壮年期の患者では発毛の難しい、前頭部-額部との境界部に明瞭に黒色の短毛の発毛を認めている。多能性幹細胞による毛髪の再生も十分にあるものと考える。
・投与後44週、髪が黒くなってきて、顔のシミと左手首のシミも色が薄くなって白くなってきた。
(医師所見)明らかに毛髪色が黒くなっており、一部、先端が白色で根元が黒色の髪もある。特に、前額部と耳介部周囲が黒い。前額部にM字状にはげていた部分にうぶ毛が生えている。左頬部と左前腕のシミも色が薄くなってきている様子。
(皮膚科所見)毛髪色の明らかな変化と発毛があるように思われる。
・投与後52週、(医師所見)毛髪色にその後変化なし。
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=1、NIHSS=0)
<症例2(#012):>
・75歳、男性、2019年01月10日にCL2020 を投与
・投与後11週頃、(医師所見)患者より、入院時白髪であったが、後方と眉を中心に黒い毛になったとのこと。確かにそのとおりであることを確認。
・投与後16週頃、退院時、髪は後頭部から徐々に黒くなってきて、次に耳介周囲(いわゆる、もみあげ周囲)が黒くなり、今は前髪まで黒くなってきた。まだ、徐々に黒くなっている印象である。
・投与後20週頃、(皮膚科所見)両側頭部~後頭部にかけて、密な黒色毛の再燃あり。頭頂部~前頭部には同様な所見なし。明らかに側頭部~後頭部の毛髪は、色調、性質ともに頭頂部のものと異なる。あらたに再生した組織の可能性が高い。
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=4、NIHSS=4)
<症例3(#013):>
・65歳、男性、2019年01月15日にCL2020 を投与
・投与後21週頃、家族や職場の皆から髪が黒くなったといわれる。
・投与後45週頃、毛髪色が以前より黒いように見える。
・投与後52週頃、散髪を行ったが、明らかに髪が黒いし、生えてきている。
(医師所見)毛髪色が以前より黒いように思われる。
・皮膚科診察なし。
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=1、NIHSS=2)
<症例4(#017):>
・78歳、男性、2019年02月19日にCL2020 を投与
・投与後07週頃、病棟医等から、明らかに髪が黒くなっているとの印象有り。
・投与後20週頃、ご家族からも、後頭部の髪の色が黒くなったような気がするとの聴取有り。
・皮膚科診察なし。
(投与後20週時の脳梗塞症状評価:mRS=3、NIHSS=4)
(本症例は試験途中中止に付き52週時の脳梗塞症状評価なし)
<症例5(#018):>
・66歳、女性、2019年02月21日にCL2020 を投与
・投与後2年頃、髪のつやがずいぶん良くなってきて、パサパサでなくなったし、髪の量も増えた。美容院でもそのように言われる。
・皮膚科診察なし。
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=2、NIHSS=2)
(投与後約2年時の脳梗塞症状評価:mRS=2、NIHSS=4)
<症例6(#027):>
・69歳、男性、2019年06月13日にCL2020 を投与
・投与後37週頃、(医師所見)毛髪色が明らかに以前より黒い。特に1か月半ぶりに会う家族は、明らかに黒くなったと話されている。
(皮膚科所見)頭頂部から後頭部にかけて、黒色の毛髪束を認めます。デルマスコープ上、色素の脱落などもなく、壮年期の毛髪と考えます。
(投与後36週時の脳梗塞症状評価:mRS=4、NIHSS=8)
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=3、NIHSS=5)
<症例7(#031):>
・66歳、男性、2019年08月07日にCL2020 を投与
・投与後52週頃、(医師所見)当日、医師が毛髪色変化を認識。明らかに毛髪色が入院時よりも黒い。
(皮膚科所見)頭髪、白髪に混じて黒色毛髪の再生を認める。
(投与後52週時の脳梗塞症状評価:mRS=4、NIHSS=5)
本発明の細胞製剤は、上記臨床試験の結果、毛髪の黒色化、発毛、髪のつやの改善、髪の量的改善等を示し、毛髪損傷、すなわち、白髪、脱毛、薄毛等、特に、白髪の治療に応用することができる。また、皮膚のシミ(左頬部と左前腕等)の改善を示したことから、皮膚の再生・修復等、美容的な用途にも応用することができる。

Claims (5)

  1. 生体の間葉系組織又は培養間葉系細胞に由来するSSEA-3陽性の多能性幹細胞を含む、毛髪損傷の治療剤。
  2. 毛髪損傷が白髪、脱毛、または薄毛である、請求項1に記載の治療剤。
  3. 毛髪損傷が白髪である、請求項1または2に記載の治療剤。
  4. 前記多能性幹細胞が、以下の性質の全てを有する多能性幹細胞である、請求項1~3のいずれかに記載の治療剤:
    (i)テロメラーゼ活性が低いか又は無い;
    (ii)三胚葉のいずれの胚葉の細胞に分化する能力を持つ;
    (iii)腫瘍性増殖を示さない;及び
    (iv)セルフリニューアル能を持つ。
  5. 前記多能性幹細胞が、以下の性質の全てを有する多能性幹細胞である、請求項1~4のいずれかに記載の治療剤:
    (i)SSEA-3陽性;
    (ii)CD105陽性;
    (iii)テロメラーゼ活性が低いか又は無い;
    (iv)三胚葉のいずれかの胚葉に分化する能力を持つ;
    (v)腫瘍性増殖を示さない;及び
    (vi)セルフリニューアル能を持つ。
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