JP2023041464A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温耐久性に優れるとともに電解液の水分減少を抑制することができる鉛蓄電池を提供する。【解決手段】本発明の鉛蓄電池は、セル室を有する電槽と、セル室に収納された極板群と、セル室に注入された電解液と、を備え、極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、正極合剤が保持された格子状部110を含む正極集電板11と、を有し、正極集電板11は、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
一般的な鉛蓄電池である液式鉛蓄電池は、セル室を有する電槽と、セル室に収納された極板群と、セル室に注入された電解液と、を備えている。極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、を有する。正極板は、正極活物質を含む正極合剤が集電板に保持されている。負極板は、負極活物質を含む負極合剤が保持された集電板を有している。電解液としては希硫酸が使用されている。このような液式鉛蓄電池は自動車用バッテリーなどとして広く使用されている。
近年、自動車のエンジンルームは、装備が増加していることと無駄な空間を排除したデザインとなっていることなどに起因して、内部の温度上昇が著しい状態となっている。よって、自動車用の液式鉛蓄電池は、正極格子体に腐食やグロース(格子体の伸びによる変形)が生じ易い環境下で使用されるため、寿命を長くするための対策が強く求められている。また、自動車用の液式鉛蓄電池は過充電状態で使用されることが多く、過充電状態で使用されると、電解液中の水が電気分解され、発生した水素ガスおよび酸素ガスが排気孔を介して電池の外部に放出されるため、電解液の水分が減少し易い状態にある。
特許文献1には、メンテナンスフリー(電池の期待される寿命期間を通して、補水などの保守を、使用中に1度もしくは僅かしか、または望ましくは全く必要としない)の鉛蓄電池を構成する正極集電板の合金成分について記載されている。そして、自動車のSLI用電池(発進、点灯、および点火に使用する電池)として、比較的高温の環境に曝露したときであっても、十分な使用寿命を有することができる(正極集電板の防食性が良好である)メンテナンスフリー鉛蓄電池を提供するために、0.025~0.06質量%のCa、0.3~0.7質量%のSn、0.015~0.045質量%のAgを含有する鉛合金からなる正極格子体を用いることが開示されている。
なお、メンテナンスフリーの鉛蓄電池を構成する正極集電板は、従来からPb-Ca系合金で形成することが行われており、用途に応じてSn、Ag、Ba、Cu、Bi、Se等の合金成分が添加された鉛合金を用いて正極集電板を形成している。中でもSnやAgが添加された鉛合金を用いることで、正極集電板の耐食性や耐クリープ特性が大きく向上することが知られている。
特許文献2には、高温下で長寿命の鉛蓄電池を得るために、0.05~0.085質量%のCa、1.2~2.0質量%のSn、0.002~0.02質量%のBi、0.0001~0.002質量%のAg、及び0.005~0.03質量%のAlを含有する鉛合金からなる正極格子体(正極集電板)を用いることが開示されている。また、合金成分を上記範囲とすることで作業性(強度)に優れた格子体が得られると記載されている。
米国特許第5,298,350号明細書 特許第6406457号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載された鉛蓄電池には、高温環境等の過酷な条件で使用される鉛蓄電池として、高温耐久性とメンテナンスフリー特性(電解液の水分減少が抑制されて補水が不要になること)の両立という点で改善の余地がある。
本発明の課題は、高温耐久性に優れるとともに電解液の水分減少を抑制することができる鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様は下記の構成(1)(2)を有する鉛蓄電池を提供する。
(1)セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有する。
(2)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の第二態様は、上記構成(1)と下記の構成(3)を有する鉛蓄電池を提供する。
(3)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.07質量%以下の範囲で含み、Snを0.55質量%以上0.9質量%以下の範囲で含み、Agを0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲で含み、Biを0.0001質量%以上0.010質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の第三態様は、上記構成(1)と下記の構成(4)を有する鉛蓄電池を提供する。
(4)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.06質量%以下の範囲で含み、Snを0.60質量%以上0.8質量%以下の範囲で含み、Agを0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲で含み、Biを0.0005質量%以上0.005質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の第四態様は、上記構成(1)と下記の構成(5)を有する鉛蓄電池を提供する。
(5)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の第五態様は、上記構成(1)と下記の構成(6)を有する鉛蓄電池を提供する。
(6)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.07質量%以下の範囲で含み、Snを0.55質量%以上0.9質量%以下の範囲で含み、Agを0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲で含み、Biを0.0001質量%以上0.010質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の第六態様は、上記構成(1)と下記の構成(7)を有する鉛蓄電池を提供する。
(7)前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.06質量%以下の範囲で含み、Snを0.60質量%以上0.8質量%以下の範囲で含み、Agを0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲で含み、Biを0.0005質量%以上0.005質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
本発明の鉛蓄電池によれば、高温耐久性が高いことと電解液の水分減少抑制効果が高いことの両立が期待できる。
本発明の一実施形態の鉛蓄電池の構造を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態の鉛蓄電池を構成する正極集電板を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
〔全体の構成〕
本実施形態の液式鉛蓄電池は、図1に示すように、セル室を有する電槽41と、セル室に収納された極板群1と、正極端子14および負極端子24と、セル室に注入された電解液(図示せず)と、電槽41に固定されてセル室の上方を塞ぐ蓋43を備えている。極板群1は、交互に配置された複数枚の正極板10および負極板20と、正極板10と負極板20との間に配置されたセパレータ30と、からなる積層体、積層体の正極板10を連結する正極ストラップ13、および積層体の負極板20を連結する負極ストラップ23を備えている。
一つのセル室に一つの極板群1が収容され、極板群1の積層体を構成する正極板10の枚数は負極板20の枚数以下となっている。なお、正極板10の枚数は、負極板20の枚数と同じにしても良いし、負極板20の枚数より多くしても良い。
正極板10は、正極集電板と正極活物質を含む正極合剤とを有する。正極集電板は、長方形の格子状部と格子状部に連続する耳部12とを有し、格子状部に正極合剤が保持されたものである。負極板20は、負極集電板と負極活物質を含む負極合剤とを有する。負極集電板は、長方形の格子状部と格子状部に連続する耳部22とを有し、格子状部に負極合剤が保持されたものである。正極合剤および負極合剤は、正極集電板および負極集電板の格子状部の開口部内に充填されているとともに、格子状部の板面を覆っている。
また、極板群1の積層体は、正極板10および負極板20の格子状部の板面を電槽41の上下方向に沿わせて、電槽41内に配置されている。
正極板10を構成する正極集電板11の材質および製法については、後で詳述する。負極板20を構成する負極集電板は、Pb-Ca-Sn系合金を用い連続鋳造法で形成されたものである。セパレータ30は、例えば、樹脂、ガラス等からなる多孔質の膜状体であり、平板状のベース(膜状体)に、ベース面に対して垂直な方向に突出する襞状のリブが形成されていてもよい。
複数枚の正極板10の耳部12が正極ストラップ13で連結され、複数枚の負極板20の耳部22が負極ストラップ23で連結されている。そして、正極ストラップ13の上部に正極端子14の一端が接続され、負極ストラップ23の上部に負極端子24の一端が接続され、正極端子14の他端および負極端子24の他端が、電槽41の開口部を閉塞する蓋43を貫通して、電槽41と蓋43からなるケース体の外部に露出している。
電解液は、比重が1.28以上1.30以下(20℃換算)の希硫酸である。
[正極板について]
正極板10は、図2に示す形状の正極集電板11を有する。正極集電板11は、長方形の格子状部110と、格子状部110の上方から突出する耳部12を備えている。
格子状部110は、長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の内骨と、を有する。枠骨は、格子状部110の上側に位置し、積層体の積層方向(Y方向)と電槽の上下方向(Z方向)とに垂直な方向である横方向(X方向)に延びる上枠骨111と、格子状部110の下側に位置し横方向に延びる下枠骨112と、電槽の上下方向(Z方向)である縦方向に延びる一対の縦枠骨113,114と、を有する。複数本の内骨は、上枠骨の各位置から下枠骨側に向かう複数本の縦内骨115と、一対の縦枠骨113,114を接続する複数本の横内骨116と、を有する。
また、格子状部110の全ての開口部117に正極合剤が充填され、格子状部110の表裏面の全面に正極合剤からなる層が存在している。つまり、格子状部110に正極合剤が保持されている。
[正極集電板の製法について]
正極集電板の製造方法としては、鋳型を用いる鋳造方式、圧延基板を加工するエキスパンド方式または打ち抜き方式等が挙げられるが、Pb-Ca-Sn系合金(合金成分としてCaおよびSnを含む鉛合金)からなる圧延基板は、圧延の際に、時効、過時効、再結晶が競争的に生じる。そのため、Pb-Ca-Sn系合金からなる正極集電板が圧延基板を加工して得られたものである場合、腐食が生じ易く、腐食により機械的強度が低下するため、格子状部の伸びによる変形が発生し易い。これに対して、鋳造方式で得られた正極集電板は格子状部の伸びによる変形が発生し難い。つまり、Pb-Ca-Sn系合金からなる正極集電板は圧延組織を有さないことが好ましい。
なお、鋳造方式としては、重力鋳造方式、連続鋳造方式等が挙げられる。
[正極集電板の材質について]
正極集電板11は、鋳造方式で製造されたものであって、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
上記鉛合金に含まれている各合金成分がもたらす作用について以下に記載する。
<Ca(カルシウム)>
正極集電板を形成する鉛合金がカルシウムを含有することで、正極集電板の機械的強度が向上する。具体的には、正極集電板を、鉛合金を用いて鋳造方式で製造する際に、カルシウムによる結晶粒の微細化作用が生じることで、製造された正極集電板の機械的強度が向上する。また、カルシウムの含有量が少なすぎると鋳造不良が生じる場合もある。一方、カルシウムの含有量が多すぎると必要な耐食性が得られない恐れもある。
カルシウムの含有率が0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲であれば、機械的強度および耐食性の両方の点で必要な性能が得られる。また、Caの含有率は、0.035質量%以上0.07質量%以下の範囲であることが好ましく、0.035質量%以上0.06質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Sn(錫)>
正極集電板を形成する鉛合金が錫を含有することで、正極集電板の機械的強度および耐食性が向上する。また、正極集電板の酸素発生過電圧が高くなることで、水の電気分解による正極板からの酸素ガスの発生を抑制できる。その結果、電解液の水分減少を抑制することができる。錫の含有量が少なすぎるとこれらの作用が発揮されない。一方、Snの含有量が多すぎると、コスト高となる。
錫の含有率が0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲であれば、機械的強度、耐食性、および酸素発生過電圧とコストの全ての点で必要な性能が得られる。また、Snの含有率は、0.55質量%以上0.90質量%以下の範囲であることが好ましく、0.60質量%以上0.80質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Ag(銀)>
正極集電板を形成する鉛合金が銀を含有することで、正極集電板の機械的強度、耐食性、および耐クリープ特性が向上する。銀の含有量が少なすぎるとこれらの作用が発揮されない。一方、銀の含有量が多すぎると、正極集電板の酸素発生過電圧が低下し、水の電気分解による正極板からの酸素ガスの発生が顕著になることに加えて、コスト高となる。
銀の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲であれば、機械的強度、耐食性、および耐クリープ特性と、酸素発生過電圧およびコストの全ての点で、必要な性能が得られる。また、Agの含有率は、0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲が好ましく、0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Bi(ビスマス)>
正極集電板を形成する鉛合金がビスマスを含有することで、正極集電板の耐クリープ特性が向上する。ビスマスの含有量が少なすぎるとこの作用が発揮されない。一方、ビスマスの含有量が多すぎると、正極集電板の酸素発生過電圧が低下し、水の電気分解による正極板からの酸素ガスの発生が顕著になる。
Biの含有率が0より多く0.02質量%以下の範囲であれば、耐クリープ特性と酸素発生過電圧の両方の点で、必要な性能が得られる。また、ビスマスの含有率は、0.0001質量%以上0.010質量%以下の範囲であることが好ましく、0.0005質量%以上0.005質量以下%以下の範囲であることがより好ましい。
<Ba(バリウム)>
正極集電板を形成する鉛合金がバリウムを含有することで、正極集電板の機械的強度および耐食性が向上する。バリウムの含有量が少なすぎるとこれらの作用が発揮されない。一方、バリウムの含有量が多すぎると、コスト高となる。
Baの含有率が0より多く0.001質量%以下の範囲であれば、コストを抑えながら機械的強度および耐食性の向上効果が得られる。
[作用、効果]
実施形態の鉛蓄電池は、正極集電板11として、鋳造方式で製造されたものであって、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されたものを用いることにより、高温耐久性が高いことと電解液の水分減少抑制効果が高いことが両立され、コストも抑えられたものとなっている。
[試験電池の作製]
実施形態の液式鉛蓄電池と同じ構造の複数の液式鉛蓄電池として、5時間率容量36Ah、B24サイズ、公称電圧12Vの液式鉛蓄電池であって、材質(鉛合金の合金成分)が異なる正極集電板を用いたものを作製した。電槽は六個のセル室を有する。正極集電板以外は全て同じ構成とした。
先ず、No.1~No.30の正極集電板として、合金組成が表1に示す各値である鉛合金を用いて、図2に示す形状の正極集電板11を重力鋳造方式で作製した。その際に、No.2の正極集電板には鋳造不良が生じた。具体的には、鋳造後の集電板を次の工程へ運搬した際に集電板が変形し、形が保持できない状態となっていた。No.2以外の正極集電板は使用可能なものであった。
次に、正極集電板11とほぼ同じ形状の負極集電板を、Ca含有率が0.09質量%、Sn含有率が0.4質量%、Ag含有率が0.001質量%、Bi含有率が0.005質量%で、残部が鉛と不可避的不純物からなる鉛合金を用い、連続鋳造方式で作製した。
次に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練した後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより(つまり、通常の方法で)、正極合剤ペーストを作製した。また、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練した後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより(つまり、通常の方法で)、負極合剤ペーストを作製した。
得られた正極合剤ペーストを、正極集電板の格子状部の全面に均一に塗布、充填した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行うことで、正極板(化成前)を作製した。また、得られた負極合剤ペーストを、負極集電板の格子状部の全面に均一に塗布、充填した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行うことで、負極板(化成前)を作製した。
次に、サンプル毎に、化成前の負極板をポリエチレン製で袋状のセパレータに入れ、化成前の負極板が入ったセパレータ7枚と化成前の正極板6枚を交互に積層して、積層体を得た。次に、COS(キャストオンストラップ)方式の鋳造装置を用いて、各積層体の化成前の正極板および負極板にストラップと中間極柱と端子極柱を形成することで、極板群を得た。
この極板群をサンプル毎に六個用意し、電槽の各セル室に入れて、隣接するセル室間の中間極柱の抵抗溶接、電槽と蓋の熱溶着、各注液口から各セル室内への電解液の注入、および液栓等により注液口を塞ぐことなどの通常の工程を行うことにより、No.1,No.3~No.30用の液式鉛蓄電池(化成前)を組み立てた。
電解液の注入は比重が1.250(20℃換算値)の希硫酸を、各セル室に注入することで行った。
その後、電槽化成を行って、電槽化成後の電解液の比重を1.285(20℃換算値)とすることにより、No.1,No.3~No.30の各鉛蓄電池を二体ずつ得た。
[鉛合金の組成の測定]
得られた各二体の鉛蓄電池のうちの一体を解体し、正極集電板(化成後)の合金組成を測定した。
具体的には、先ず、正極端子極柱を有する極板群が収納されたセル室(一番目のセル室)の二つ隣のセル室(三番目のセル室)から極板群を取り出して分解し、四番目のセル室側に配置されていた正極板を取り出した。次に、取り出した正極板から正極集電板の耳部を切断して、その耳の表面を研磨して金属光沢面を出した。次に、この研磨された耳部を試料として、固体発光分析装置(OES:株式会社島津製作所製の「PDA-7000」)による定量分析を従来公知の方法で行った。
[試験および評価]
得られた各二体の鉛蓄電池のうちの残りの一体を用い、高温耐久性を評価する試験として、「JIS D 5301:2019」で規定されている軽負荷寿命試験を75℃の条件で実施した。
具体的には、各鉛蓄電池を75℃の水槽中に静置して、放電(放電電流25.0±0.1Aで240±1秒)と充電(14.80V±0.03Vで600±1秒)を繰返し、480サイクル毎に、減液量(電解液の水分減少量)の測定および減液量と同じ量の精製水の補給と寿命判定を行った。寿命判定では、各鉛蓄電池に対して定格コールドクランキング電流で30秒間連続放電を行い、30秒目電圧が7.2V以下となった場合に寿命と判定した。
減液量の測定については、480サイクル毎に電池の質量を測定し、試験前の質量からの減少量を減液量として算出した。そして、1920回終了時点での累積減液量(480回毎に算出された減液量の合計値)を調べた。サイクル数(放電と充電の繰り返し数)が1920回に至る前に寿命となったものについては、累積減液量を測定しなかった。
これらの試験結果を、各鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金の組成、その鉛合金のコストの判定とともに表1に示す。
鉛合金のコストの判定は、No.1で使用した鉛合金のコストと同じか1.05倍以下である場合は「◎」、1.05倍以上1.08倍未満である場合は「〇」、1.08倍以上1.10倍未満である場合は「△」、1.10倍以上である場合は「×」とした。
また、試験結果のうちの高温耐久性の判定は、必要な高温耐久性の目安が2000サイクル以上であるため、2000サイクル未満の場合は「×」、2000サイクル以上4000サイクル以下の場合は「〇」、4000サイクルを上回った場合は「◎」、とした。減液特性(電解液減少が抑制されているかどうか)の判定は、1920サイクル時点の累積減液量が350g以下の場合は「◎」、350gを超え400g未満の場合は「〇」、400g以上の場合は「×」とした。
また、試験結果に基づく総合判定を以下の様に行った。全ての判定が「◎」であった場合は「◎」とした。高温耐久性、減液特性、およびコストのうち、いずれかの判定が「○」であった場合は「○」とした。高温耐久性、減液特性、およびコストのうち、いずれかの判定が「△」であった場合は「△」とした。高温耐久性、減液特性、およびコストのうち、いずれかの判定が「×」であった場合は「×」とした。
Figure 2023041464000002
表1の結果から以下のことが分かる。
<No.1>
No.1の鉛蓄電池はコストの基準とする従来例であり、75℃での軽負荷寿命試験(高温耐久性を評価する試験)で得られた寿命が1920サイクル、累積減液量が400gという結果であった。
No.1の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム含有率が0.090質量%であって、第一態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第一の鉛合金」と称する)のカルシウム含有率の上限値より多い。また、正極集電板を形成する鉛合金の錫の含有率が1.10質量%であって、第一の鉛合金の錫含有率の上限値より多い。また、正極集電板を形成する鉛合金は、第一の鉛合金の必須成分である銀を含まない。また、正極集電板を形成する鉛合金のビスマスの含有率が0.0200質量%であって、第二態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第二の鉛合金」と称する)のビスマス含有率の上限値より多い。
このように、No.1の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金の組成に関して、第一の鉛合金よりもカルシウム含有量が多すぎ、銀を含まないことにより、正極集電板の耐食性が不十分であり、ビスマスがやや多かった(第二の鉛合金よりも多かった)ことにより、電解液の減少を抑制する性能が不十分であった。
<No.2>
No.2の正極集電板は、合金成分のうち錫、銀、およびビスマス、バリウムの含有率が、第五態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第五の鉛合金」と称する)の範囲内で、カルシウム含有率が第四態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第四の鉛合金」と称する)のカルシウム含有率の下限値より少ない鉛合金で形成されたものである。
No.2の正極集電板は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム含有率が0.030質量%であって、第四の鉛合金のカルシウム含有率の下限値より少ないことにより、鋳造不良が生じたと考えられる。
<No.3~No.8>
No.3~No.8の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金の錫、銀、およびビスマスの含有率が、第三態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第三の鉛合金」と称する)および第六態様の鉛蓄電池の正極集電板を形成する鉛合金(以下、「第六の鉛合金」と称する)の範囲内で同じであって、バリウムの含有率が0.001質量%(第六の合金の範囲内)または0.000質量%(第三の合金の範囲内)であって、カルシウム含有率が異なるもの(第一および第四の合金の範囲内)である。
No.3~No.8の鉛蓄電池は、2500サイクル以上の優れた高温耐久性と累積減液量350g以下の特に優れた減液特性が得られた。また、No.1の鉛蓄電池と比較して、正極集電板を形成する鉛合金の銀含有率は高いが、カルシウムおよび錫の含有率が低いため、製造コストが低減できる。特に錫は高価であるため、錫の含有量を半分程度にできることによる材料費の削減効果が大きい。
No.3,No.5~No.8の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金の錫、銀、ビスマス、およびバリウムの含有率が同じ(第六の合金の範囲内)であって、カルシウム含有率が第四の合金の範囲内で異なるものである。No.7の正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム含有率は第六の合金の範囲外であって、No.8の正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム含有率は第五の合金の範囲外である。
No.3,No.5~No.8の鉛蓄電池のうち、No.3,No.5,No.6の鉛蓄電池は、錫、銀、ビスマス、およびバリウムだけでなくカルシウムの含有率も第六の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、4000サイクル以上の特に優れた高温耐久性と累積減液量350g以下の特に優れた減液特性が得られた。
また、正極集電板を形成する鉛合金のバリウム含有率のみが異なるNo.4とNo.5を比較すると、バリウムを0.001質量%含有する鉛合金で形成された正極集電板を備えたNo.5の鉛蓄電池は、バリウムを含有しない(0.000質量%)鉛合金で形成された正極集電板を備えたNo.4の鉛蓄電池よりも、高温耐久性に優れたものであった。
<No.5,No.9~No.15>
No.5,No.9~No.14の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム、銀、ビスマス、およびバリウムの含有率が第四の合金の範囲内にあり、錫の含有率が異なるものである。No.15の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム、ビスマス、およびバリウムの含有率が第四の合金の範囲内にあり、銀および錫の含有率が第四の合金の範囲外にあるものである。
No.5,No.9~No.15の鉛蓄電池のうち、No.5,No.10~No.14の鉛蓄電池は、カルシウム、銀、ビスマス、およびバリウムだけでなく錫の含有率も第四の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、3000サイクル以上の優れた高温耐久性と累積減液量400g未満の優れた減液特性が得られた。No.15の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する合金の錫含有率が第四の合金の上限値よりも大きいことで製造コストが著しく高くなった。
No.5,No.10~No.14の鉛蓄電池のうち、No.5,No.12~No.14の鉛蓄電池は、カルシウム、銀、ビスマス、およびバリウムが第六の合金の範囲内にあり、錫の含有率が0.060質量%以上1.0質量%の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、4000サイクル以上のさらに優れた高温耐久性と累積減液量350g以下の特に優れた減液特性が得られた。
No.5,No.12~No.14の鉛蓄電池のうち、No.5とNo.12の鉛蓄電池は、カルシウム、銀、ビスマス、およびバリウムだけでなく錫の含有率も第六の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、No.13およびNo.14の鉛蓄電池と比較してコストが低減できるとともに、No.13およびNo.14の鉛蓄電池よりも高い4500サイクル以上の特に優れた高温耐久性が得られた。つまり、第六の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、コスト低減効果と、特に優れた高温耐久性と、優れた減液特性が得られた。
<No.5,No.16~No.23>
No.5,No.16~No.23の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム、錫、ビスマス、およびバリウムの含有率が第四の合金の範囲内にあり、銀の含有率が異なるものである。
No.5,No.16~No.23の鉛蓄電池のうち、No.5,No.19~No.22の鉛蓄電池は、カルシウム、錫、ビスマス、およびバリウムだけでなく銀の含有率も第四の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、3000サイクル以上の優れた高温耐久性と累積減液量350g以下の特に優れた減液特性が得られた。
No.5,No.19~No.22の鉛蓄電池のうち、No.5,No.19,No.20の鉛蓄電池は、カルシウム、錫、ビスマス、およびバリウムだけでなく銀の含有率も第六の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、4500サイクル以上の特に優れた高温耐久性と高いコスト低減効果も得られた。
また、No.5,No.20~No.22の鉛蓄電池は、カルシウム、錫、ビスマス、およびバリウムが第六の合金の範囲内にあり、銀の含有率が0.020質量%以上0.035質量%の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、4800サイクル以上の顕著に優れた高温耐久性が得られた。
<No.5,No.24~No.30>
No.5,No.24~No.30の鉛蓄電池は、正極集電板を形成する鉛合金のカルシウム、錫、銀、およびバリウムの含有率が第五の合金の範囲内にあり、ビスマスの含有率が異なるものである。
No.5,No.24~No.30の鉛蓄電池のうち、No.5,No.25~No.29の鉛蓄電池は、カルシウム、錫、銀、およびバリウムが第五の合金の範囲内にありビスマスの含有率が第四の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、3500サイクル以上の優れた高温耐久性と累積減液量400g未満の優れた減液特性が得られた。
No.5,No.25~No.29の鉛蓄電池のうち、No.5,No.26,No.27の鉛蓄電池は、カルシウム、錫、銀、およびバリウムだけでなくビスマスの含有率も第六の合金の範囲内にある鉛合金で形成された正極集電板を有することで、4500サイクル以上の特に優れた高温耐久性と高いコスト低減効果と累積減液量350g以下の特に優れた減液特性も得られた。
なお、No.24の鉛蓄電池を作製する際には、市販の鉛合金(Biを微量に含む)からBiを完全に取り除いて得られた鉛合金を用いて正極集電板を形成している。このビスマス除去工程にコストがかかるため、コスト高になっている。
また、No.24の鉛蓄電池は、特許文献1に記載された鉛合金からなる正極集電板を用いた例であり、高温耐久性が1917サイクルと短かった。試験後に電池を解体したところ、正極集電板の格子状部に顕著なグロースが発生していることが確認された。よって、正極合剤が正極集電板の格子状部から脱落したことが短寿命の原因であると考えられる。
1 極板群
10 正極板
11 正極集電板
12 正極集電板の耳部
110 正極集電板の格子状部
111 上枠骨
112 下枠骨
113 縦枠骨
114 縦枠骨
115 縦内骨
116 横内骨
117 開口部
13 正極ストラップ
14 正極端子
20 負極板
22 負極集電板の耳部
23 負極ストラップ
24 負極端子
30 セパレータ
41 電槽
43 蓋

Claims (7)

  1. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  2. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.07質量%以下の範囲で含み、Snを0.55質量%以上0.9質量%以下の範囲で含み、Agを0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲で含み、Biを0.0001質量%以上0.010質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  3. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.06質量%以下の範囲で含み、Snを0.60質量%以上0.8質量%以下の範囲で含み、Agを0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲で含み、Biを0.0005質量%以上0.005質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  4. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.08質量%以下の範囲で含み、Snを0.50質量%以上1.0質量%以下の範囲で含み、Agを0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含み、Biを0より多く0.02質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  5. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.07質量%以下の範囲で含み、Snを0.55質量%以上0.9質量%以下の範囲で含み、Agを0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲で含み、Biを0.0001質量%以上0.010質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  6. セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備え、
    前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有し、
    前記正極板は、正極活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤が保持された格子状部を含む正極集電板と、を有し、
    前記正極集電板は、Caを0.035質量%以上0.06質量%以下の範囲で含み、Snを0.60質量%以上0.8質量%以下の範囲で含み、Agを0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲で含み、Biを0.0005質量%以上0.005質量%以下の範囲で含み、Baを0より多く0.001質量%以下の範囲で含み、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている鉛蓄電池。
  7. 前記正極集電板は鋳造法により得られたものである請求項1~6のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
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