JP2023041354A - プッシャーピンの高さ調整方法およびウエハ処理装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理の歩留まりや運転の効率を向上できるウエハ処理装置の製造方法またはプッシャーピンの高さの調節方法を提供する。【解決手段】真空容器内部の処理室内に配置され上面にウエハが載置される試料台と、この試料台の前記上面に開口を有する貫通孔内に収納され上下方向に移動する複数のプッシャーピンであってその先端が前記上面上方に突出した状態で当該先端上に前記ウエハを載せて支持する棒状のプッシャーピンとを備えたウエハ処理装置の製造方法であって、前記プッシャーピンが前記先端を含む上部とこの上部の下端部に配置されたネジ部を介して接続される下部とを有し、これら上部および下部の各々に目盛りを有するガイドおよび当該ガイド上で値を示す指示器の各々を取り付けて、前記ガイド及び指示器から検出した前記上部と下部との前記ネジ部周りの回転の量を用いて前記先端の上下方向の高さ位置を調整する工程を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、真空容器内部の処理室内に配置された試料台上面に載せられた半導体ウエハ等の基板状の試料を処理するウエハ処理装置の製造法に係り、特には、試料台内部に配置され上下方向に移動して前記ウエハを試料台上面に設置あるいは上方に離間させるプッシャーピンを備えたウエハ処理装置の製造方法および当該プッシャーピンの高さの調節方法に関する。
半導体製造工程では、半導体ウエハ等の基板状の試料上面に予め形成されたマスクと被処理膜層とを有する膜構造が処理され、マスクの形状に沿って回路の構造が形成される。このような膜構造の処理には、プラズマを用いたドライエッチングが用いられている。
ドライエッチングを行うためのウエハ処理装置は様々な方式が使用されている。例えば、一般的に知られるように、円形を有した半導体ウエハ等の試料をエッチング処理するため、円筒形を有した真空容器と、その内部に配置され内側の空間が排気されて減圧される処理室と、処理室内に配置され試料がその上に載せられ保持される円筒形の試料台とを備えた装置が用いられる。さらに、このような上は処理装置として、減圧した処理室内に導入されたガスに高周波電界を供給して当該処理室内にプラズマを形成し、このプラズマを用いてウエハを処理するプラズマ処理装置が知られている。このような従来の技術の例は、特開2007-335657号公報(特許文献1)に開示のものが知られている。
この従来技術に開示されるプラズマ処理装置では、さらに、真空容器に接続され処理室内に処理用のガスを供給するガス供給機構と、真空容器の下部に連結され処理室内部と排気口を介して連通され処理室内を排気するターボ分子ポンプ等の真空ポンプと真空ポンプと排気口との間の排気用の経路の流路断面積を増減して処理室内部の圧力を処理に適した所望の範囲内の値に調節する真空排気機構と、処理室内で処理用のガスを励起させ乖離、電離させて処理室内にプラズマを発生させるための電界や磁界を供給するプラズマ形成機構を備えて構成されている。
さらに、上記従来技術のプラズマ処理装置では、試料台の底面にはシリンダとピストンとを備えた駆動装置が接続され、ピストンの下端に接続された梁状のベースの先端部上面に複数のプッシャーピンが接続されている。プッシャーピンは、駆動装置のシリンダ内の流体(例えば空気(エアー))の体積の増減によるピストン及びベースの上下動により、試料台上面に開口を有した複数の貫通孔内に配置されプッシャーピン下方の箇所にある下端の位置と、先端が試料台上面上方に移動して突出した上端の位置との間で移動するように駆動される
このようなプラズマ処理装置に対して、処理が施される前の試料は、このプラズマ処理装置の真空容器の側壁に連結された別の真空容器であって内部の減圧された室内を当該室内に配置されたロボットアームの先端部のハンド上に載せられて移送され、ロボットアームの伸長に伴って、真空容器の側壁に形成された開口であるゲートを通って、処理室内に挿入されて試料台上面上方の箇所まで搬送される。その後、プッシャーピンが駆動装置により駆動されて上方に移動して、プッシャーピンの先端に試料の裏面を接触させてさらに上方の位置まで試料を持ち上げて、試料をロボットアームのハンド部から離間させる。
この状態で、ロボットアームが収縮してハンド部が処理室から別の真空容器の室内にゲートを通り退室した後、駆動装置の駆動によりプッシャーピンが下方に移動して再度貫通孔内に収納される。この動作に伴って、試料はプッシャーピン先端に載せられた状態で下方に移動して、試料台上面を構成する誘電体製の膜上にその裏面を載せてプッシャーピンが離れる。この状態で、試料台内部の電極に直流電力が供給され誘電体製の膜を挟んで形成された静電気力により試料が試料台上に吸着され保持される。
次に、処理室天井面を構成するシャワープレートのガス導入孔から処理室内に処理用のガスが供給され、処理室内が処理に適した圧力に維持された状態で、プラズマ生成機構からの電界により、処理用のガスがプラズマ状態にされる。さらに、試料台内部に配置され高周波電源に接続された電極に高周波電力が供給されて、プラズマ中の荷電粒子が試料上面に誘引されて試料台上の試料表面に予め形成されたマスクと被処理膜層とを有する膜構造のエッチング処理が行われる。
さらに、上記従来技術のプラズマ処理装置では、試料に施す処理が終了すると、試料の吸着を解除し、試料を試料台から離脱させて、処理後の試料を処理室から搬出する。試料を試料台から離脱させる際には、プッシャーピンを、試料台上に載せられた状態の試料の裏面に押し当てて、さらにピンを上方に移動させることにより、試料を試料台上面から上方に離脱させて持ち上げる。
特開2007-335657号公報
上記のような従来技術では、次の点について考慮が不十分であったため、問題が生じていた。
すなわち、複数(例えば3本)のプッシャーピンは下端の位置から駆動装置の駆動による上方へ移動するに伴って、試料台上面上に載せられた試料の裏面に先端を当接させ、さらに試料台上面上方に離間させて持ち上げ支持する。複数のプッシャーピン先端の上下方向の高さ位置が各々で異なる場合には、3本のプッシャーピンの各々が試料の裏面に当接する下端位置からの移動の量が異なることになる。
つまり、複数のプッシャーピンについて、先端の高さ位置あるいは下端の位置からの移動量が各ピンで異ると、これらが試料に当接した状態で各ピンが試料の裏面を押し付けている力の大きさが異なることになり、これらの差が許容範囲を超えてしまうと試料に損傷を与えてしまう虞がある。また、試料が試料台上面上方から離間して持ち上げられた状態で、プッシャーピンの先端の高さ位置の差に応じて板状の試料が大きく傾斜してしまいピン上から位置が水平方向にずれたり、曳いては下方に落下したりする虞がある。このような損傷や落下が生じるとプラズマ処理装置の運転の効率が損なわれてしまうという問題が生じる。
このような問題を抑制するためには、上記処理装置を設置し組み立てる工程あるいは当該装置の運転の開始後に保守する工程において、複数のプッシャーピンの各々の先端の高さ位置を所定の許容範囲内の値に調節することが必要となる。しかしながら、上記従来技術では、この調節を精度良く、あるいは効率的に行うことについて考慮されていなかった。このため、従来の技術では、プッシャーピンの高さの調整に必要以上位時間を要したり、装置の運転の効率や歩留まりが損なわれてしまっていた点について、考慮がされていなかった。
本発明の目的は、処理の歩留まりや運転の効率を向上できるプッシャーピンの高さの調節方法及びウエハ処理装置の製造方法を提供することにある。
上記目的は、真空容器内部の処理室内に配置され上面にウエハが載置される試料台と、この試料台の前記上面に開口を有する貫通孔内に収納され上下方向に移動する複数のプッシャーピンであってその先端が前記上面上方に突出した状態で当該先端上に前記ウエハを載せて支持する棒状のプッシャーピンとを備えたウエハ処理装置の製造方法であって、前記プッシャーピンが前記先端を含む上部とこの上部の下端部に配置されたネジ部を介して接続される下部とを有し、これら上部および下部の各々に目盛りを有するガイドおよび当該ガイド上で値を示す指示器の各々を取り付けて、前記ガイド及び指示器から検出した前記上部と下部との前記ネジ部周りの回転の量を用いて前記先端の上下方向の高さ位置を調整する工程を含むことにより達成される。
本発明によれば、プッシャーピンの高さの調整の作業を短縮することができ、ウエハ処理装置の処理の歩留まりや運転の効率を向上させることができる。
本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す実施例に係る試料台とその周囲の構成の概略を拡大して模式的に示す縦断面図である。 図2に示す実施例に掛かる試料台の構成の概略を示す横断面図である。 図2に示す実施例の試料台上にウエハが載せられた状態を模式的に示す斜視図である。 図2に示すプッシャーピンが収納された状態における当該プッシャーピン周囲の試料台の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。 図2に示す実施例のプラズマ処理装置において、プッシャーピン高さを調節するための治具がヘッド部に取り付けられた状態を模式的に示す平面図である。 (a)は、図6に示す状態を模式的に示す縦断面図であり、(b)は、ヘッド部を取付けた中間部の先端の軸部を底部の穴部に差し込んで中間部の段差面を底部の上端面に突き当てた状態を示すプッシャーピンの部分断面図である。 (a)は図6に示す治具を構成する部品の構成のうちのガイドプレートの平面図、(b)はガイドプレートの斜視図、(c)はピンチの平面図である。
本発明の実施の形態を、以下図面を用いて説明する。
以下、本発明の実施例を図1乃至6を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置100の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。特に、図1に示したプラズマ処理装置100は、プラズマを形成するための電界としてマイクロ波の電界を用いるものであって、この電界と磁界とのECR(Electron Cyclotron Resonance)を生起してプラズマを形成し、処理室内に配置された半導体ウエハなどの基板状の試料を当該プラズマを用いてエッチング処理するプラズマエッチング装置を示している。
本図において、プラズマ処理装置100は、大きく分けて内部にプラズマが形成される処理室104を有する真空容器部10と、真空容器部10の上部の上方及び側面外周側の箇所に配置されプラズマを形成するための電界又は磁界を発生して供給するプラズマ形成機構部20と、真空容器部10の下方に配置され処理室104の底面に配置された排気口を介して処理室内部と連通されてこれを排気する図示していない真空ポンプを含む排気部30とを備えている。また、真空容器部10の内部の処理室104内には、半導体ウエハ等の基板状の試料(ウエハ)113がその上に載せられて保持される試料台110が配置されている。
また、真空容器部10の真空容器101の下部には真空排気口115が配置され、真空容器101の下方に配置されて接続された排気部30の真空排気装置(図示省略)と連通されている。さらに、真空容器101の上部の蓋部材を構成する誘電体窓((窓部材)103の下面の下方には、処理室104の天井面を構成するシャワープレート102が設けられている。シャワープレート102は、中央部に配置された複数のガス導入孔102aを有しており、この複数のガス導入孔102aを通してエッチング処理用のガスが処理室104に導入される。シャワープレート102は、例えば石英などの誘電体製の円板である。
本図の実施例では、真空容器101は円筒形を有した金属製の容器であって、その内部には円筒形を有する処理室104が配置されている。処理室104の上部は、供給された電界によりプラズマ109が形成される処理室104上部の空間である円筒形の部分である放電室1041であり、その下方に円筒形を有した試料台110が配置されている。さらに、試料台110の直下方に配置された排気口115と試料台110底面との間にも空間を有している。
本実施例の真空容器101は、その上部に処理室104の放電室1041の外周を囲んで略円筒形状を備えた側壁1011を備え、さらにこの側壁1011の下方に配置され試料台110の外周側の箇所に配置されてこれを囲む円筒形を有した内側容器116と、試料台110下方の空間の外周側に配置されてこれを囲むリング状の下部容器118とを有している。放電室1041と試料台110下方の空間1151とは、試料台110外周側壁面と内側容器116の内周側壁面との間の空間を介して連通されている。このことにより、排気口115と連通され真空容器101の底面に連結された図示していない真空ポンプを含む排気部30の動作により、処理室104内部に供給されたガスや形成されたプラズマ、反応生成物が放電室1041から試料台110の下方の空間1151に移動して下部容器118に囲まれた排気口115から排気される。
真空容器101の上部を構成する側壁1011の上方には処理室104の天井面を構成する円板状の形状を有するシャワープレート102が、試料台110の上面と対向して配置されている。シャワープレート102の上方には円筒形状を有した側壁1011の上端部に対して、これと連結して処理室104の内外を気密に封止して取り付けられた石英等誘電体部材製の円板形状の窓部材103が配置されている。
本図の実施例のプラズマ処理装置100の真空容器101は外側容器117を備え、外側容器117の内部に内側容器116が外側容器117の内側の側壁面と隙間を開けて内蔵されている。さらに、内側容器116の下方には、試料台110の外周側の箇所で試料台110を囲んだリング状の下部容器118が外側容器117の内部に収納されている。下部容器118はこれが外側容器117内部に収納された状態で外側容器117の底部中央部に配置された円形の貫通孔と軸を合わせて位置する円形の貫通孔を備え、これら2つの部材の貫通孔が排気口115を構成する。
下部容器118と試料台110外周のリング状の下部容器118と内側容器116とがこの順で、間にOリング等のシールを挟んで下方から上方に載せられた状態で、さらに円筒形の側壁1011が内側容器116の上端部の上方に載せられる。これら下部容器118、内側容器116、側壁1011と、側壁1011の上端部上方に載せられ真空容器上部の蓋部材を構成する窓部材103と、外側容器117とを含んで、本実施例の真空容器が構成される。なお、外側容器117と内側容器116との間の内側容器116の外周側壁面を囲む空間は、内側容器116の側壁に配置された開口部であるゲート111を介して、当該空間と内側容器116内部の処理室104内部とが連通される。
窓部材103を介して処理室104の上方には、内部をマイクロ波の電界が伝播する導波管107の下端部は、径が導波管107より大きく窓部材103のものと同等にされた空洞部108を囲む円筒形の容器1081と接続され、空洞部108は導波管107下端と窓部材103との間に接して配置されている。空洞部108の中央部には導波管107の下端部であってその軸が上下方向に延在して断面が円形の円形導波管部1071が接続され、円形導波管部1071の上端部はその軸が水平方向に延在して断面が矩形の矩形導波管部1072の一方の端部と接続されている。矩形導波管部1072の他方の端部にはマイクロ波の高周波電界を発振して形成するマグネトロン等の電界生成機構106が配置されている。
シャワープレート102と窓部材103との間には隙間が形成され空間1031が配置されている。当該空間1031は、真空容器101に接続された図示しないガス供給機構からのガス導入路と連通されており、図示しない複数の種類の物質の所定の比率を有した混合体である処理用ガスが、所定の流量及び速度を有してこの空間1031に供給される。当該空間1031の内部に導入された処理用ガスは内部で拡散した後、シャワープレート102の中央部に配置された複数の貫通孔であるガス導入孔102aから試料台110の試料(ウエハ)113が載せられる上面の上方から試料台110上面に向けて下向きに進入して処理室104内に導入される。
さらに、真空容器101の側壁1011外周を囲む箇所及び空洞部108の上方で導波管107の外周を囲む箇所には、直流電力が供給されるコイルおよびヨークを備えたソレノイドコイル105が配置されている。当該ソレノイドコイル105で形成された磁界は、マイクロ波の電界と共に処理室104内部に供給される。
本実施例の試料台110は略円筒形状を有しており、同様に円筒形状を備えた処理室104の上部の空間である放電室1041と試料台110下方の処理室104下部の空間1151とその中心軸同士を合わせた、所謂同心状に配置されている。また、試料台110の下方には、円形の排気口115が配置され、この排気口115と試料台110及び処理室104とが同心状に配置されている。また、試料台110の外周側壁と処理室104内側容器116の壁面との間には空間が配置されている。
本実施例のプラズマ処理装置100では、当該空間には、試料台110の外周側壁と処理室104を囲む真空容器101の一部であって試料台110の外周を囲むリング状のベースとの間で、水平方向に延在しこれらを連結する支持梁114が複数本(本例では6本)配置されている。当該支持梁114は、本実施例では、試料台110の中心を通る上下方向の軸、つまり、処理室104の上下方向の中心軸の周囲に等しいかこれとみなせる程度に近似した角度毎に軸対称に配置されている。支持梁114が接続されたリング状のベースはその上下に配置された内側容器116と下部容器118との2つの部材により、間にOリング等のシールを挟んで連結されて、処理室104の内外を気密に封止するよう構成されている。
この構成により、シャワープレート102から処理室104に導入された処理用のガスや放電室内で形成されたプラズマ109内の粒子、ウエハ113の処理中に形成された生成物等が、試料台110上方の空間から支持梁114同士の間の空間を通り試料台110下方の空間1151に移動する。その後、排気口115から処理室104外に排気される。試料台110周囲の中心軸周りに等間隔に配置された支持梁114同士の間の空間を流れるガスやプラズマ109等の粒子の流れが軸対称となり、ウエハ113の処理がその周方向に均一化される。
なお、本実施例では、後述のように、試料台110の内部には、支持梁114の内部の通路を介して真空容器外部の雰囲気と連通されて大気圧またはこれとみなせる程度に近似した圧力にされた空間であって、ウエハ113を上下に移動するプッシャーピンを駆動する駆動部が収納された収納空間112が配置されている。
試料台110とその周囲の構成の詳細を、図2および図3を用いて説明する。図2は、図1に示す実施例に係る試料台とその周囲の構成の概略を拡大して模式的に示す縦断面図である。図3は、図2に示す実施例に掛かる試料台の構成の概略を示す横断面図であって、特に、収納空間112および支持梁114内部のダクト211を通る水平面で切った断面を下方から見た平面図である。
なお、これらの図においては、外側容器117の一部、導波管107や空洞部108、ソレノイドコイル105や側壁1011の外周囲の構成は略して示してある。さらに、試料台110の構造に供給される熱交換媒体用の経路等の試料台110の構造や形状、寸法は模式的に示されたものであって、機能や動作を損なわない範囲で別の構造や形状等を有するものが用いられても良い。
また、試料台110は、その内部に円板形状を備えた高い熱伝達性を備えた金属製の円板である基材201と、この基材201の上面を覆って配置されたアルミナやイットリアを主成分とする混合材料からなる誘電体製の誘電体膜203と、誘電体膜203内部に配置され図示しないフィルター回路を介して図示しない直流電源と電気的に接続された膜状の電極204とを備えている。また、誘電体膜203が覆ってウエハ113が載せられる円形状の載置面の外周部と基材201の側壁とをプラズマ109から電気的絶縁を確保するため、またプラズマ109によってスパッタ及びエッチングされて消耗するのを保護する目的で、載置面外周部上面と基材201側壁外周にはこれらを覆うリング状のセラミック製カバー205が設置されている。
また、試料台110を構成する基材201内部には、同心円状またはら旋状に流路201a,201bが配置されて、各々真空容器101の外部に設置された図示していない温調ユニットよって温度または流量(速度)が調節された熱交換媒体が導入され、基材201ひいては試料台110の温度が所望の温度となるように調節されている。基材201と試料台110上面に載せられた状態のウエハ113とは、処理中にプラズマ109からの入熱を受けるが、試料台110の温度を調節することで、これに載せられたウエハ113の温度が調節される。
ウエハ113と試料台110または基材201との間の熱伝導を向上するために、誘電体膜203上面とウエハ113裏面との間の隙間には熱伝達性を有するガス例えばHeガスが導入される。このため、誘電体膜203上面には、図示していないガス導入調節装置を介して連通されたガス導入用の開口(図示せず)が複数配置されている。導入されたHeガスにより、プラズマ109からウエハ113に供給される熱が誘電体膜203および基材201を介して流路201aまたは201bを通流して循環する熱交換媒体に伝達され、ウエハ113の温度が処理に適した範囲内の値に調節される。
試料台110の基材201の下方には絶縁部材を介して金属製の板部材206が配置され、その下方に配置された収納空間112と処理室104内部との間が気密に封止されて区画されている。収納空間112には、ウエハ113の受け渡しのためのプッシャーピンを上下に移動させる駆動装置が配置され、処理室104外から試料台110に導入される熱交換媒体やHeガスの導入経路としての支持梁114内部のダクト211を通してプラズマ処理装置100外部の雰囲気と連通されている。この収納空間112は、その内部が雰囲気圧と同じか僅かに高い圧力にされ、試料台110周囲の処理室104内の空間とベローズやOリング等のシールによって内外を気密に封止されている。
さらに収納空間112の中央部には、金属製の板部材206の下方には、中心から外側に向けて水平方向に延在した梁状の部材であって端部上面に上下方向に延在する棒状のプッシャーピン207が複数個(本実施例では3(本))が連結されたアーム208とプッシャーピン207を駆動するアクチュエータやステッピングモータ等の駆動機構209が配置されている。プッシャーピン207の周りには、アーム208と金属製の板部材206とを接続して軸方向に伸縮可能な真空ベローズ215が配置されている。アーム208は、図3に示すように、本例では、複数本の梁が繋げられて一体にされた、平面形がT字あるいはY字状の形状を有した部材である。さらに、板部材206の収納空間112の上下方向の中心軸に対応する箇所に接続された駆動機構209の下端は、アーム208の一つの梁状の部分の上面であって下方から見て当該中心と重なる箇所にボルトやネジ、接着剤等で接続され取り付けられている。
アーム208の3箇所の端部上面にネジやボルト、接着剤等で接続されたプッシャーピン207は、アーム208端部の上面から上方に延在して、試料台110を構成する基材201、誘電体膜203及び上記絶縁部材、板部材206を貫通した貫通路内部にこの通路の軸方向とその軸が並行になるように配置されている。さらに、ウエハ113に不均一な外力を付加して割れ、損傷等を生起しないように、これら貫通路が、ウエハ113の中心と同心となるように配置された試料台110の中心軸について軸対称の位置に、且つ、円形状を有したウエハ113または誘電体膜203で構成されたウエハ113の載置面の半径の60%から80%の位置に配置されている。
アクチュエータを含む駆動機構209は、上端が収納空間の水平方向の中心に対応する板部材206の底面の箇所に接続され下端がアーム208の中央部上面に接続されている。そして、駆動機構209の上下方向の軸に沿った上下端間の長さの伸縮に伴ってこれに連動して、上記軸と平行または実質的にそれと見倣せる程度に平行に、アーム208に連結されたプッシャーピン207が上下に移動される。このような動作は、後述の通り、処理前後処理室104内のウエハ113の受け渡しに際して実施される。
なお、本実施例の試料台110では、底部に配置されて、下方から収納空間112を機密に閉塞してその底面を構成する円形の底板210が配置され、底板210の外周部においてOリング等のシールにより収納空間112と処理室104との間が封止されている。この底板210は、処理室104内部を大気開放した場合等メンテナンス時に作業者により取り外し可能であり、この際に収納空間112内部の部材、構造を作業者が取り扱うことが可能となる。
本実施例の上記のような構成において、処理対象の基板状の試料であるウエハ113は、外側容器117の側壁面に接続された図示しない別の真空容器である真空搬送容器内部の減圧された空間である搬送室をウエハ113が当該搬送室内に配置された図示していないロボットアームの先端部上面に載せられて搬送され、ロボットアームの伸長に伴って、外側容器117の側壁に形成された図示していない開口及び内側容器116の側壁に配置された開口部であるゲート111の内側を通過して処理室104内部の試料台110上面上方の箇所まで搬送される。その後、収納空間112から板部材206、基材201と誘電体膜203とを貫通して誘電体膜203上面の開口まで貫通した収納用の3つの貫通路2071の内部に収納されたプッシャーピン207が、駆動機構209の動作によるアーム208の移動に伴って上方に移動して、プッシャーピン207の先端を貫通路から開口上方に突出させてウエハ113の裏面に接した後に更に上方に移動して、ウエハ113を載せられたロボットアームの先端部の上面から上方に離間した位置まで持ち上げてプッシャーピン207先端上で支持する。
その後、ロボットアームが収縮してロボットアーム先端部を処理室104から退室させた後、ゲート111が内側容器116と外側容器117との間の空間内に配置された図示しないゲートバルブにより機密に閉塞される。駆動機構209の動作により、アーム208とプッシャーピン207とが下方に移動して、プッシャーピン207が貫通路2071の内部に収納されて先端が開口より下方となる下端の位置まで移動することで、ウエハ113はプッシャーピン207先端に支持された状態から、誘電体膜203の上面に載せられた状態に遷移する。
誘電体膜203内部の電極204に直流の電力が供給されて誘電体膜203に形成された静電気力により、ウエハ113が誘電体膜203上面に吸着され保持された状態で、ウエハ113の裏面と誘電体膜203の上面との間の隙間に、図示していないガス導入調節装置を介してHeガス等の熱伝達性を有したガスが供給される。この状態で、シャワープレート102のガス導入孔102aを通して処理用のガスが処理室104内に導入されるとともに、処理室104内のガス等の粒子が排気口115に連結された図示していない排気ポンプの動作により排気口115を通して処理室104外に排出される。当該排気の量又は速度と処理用ガスの導入量または速度とのパランスにより、処理室104内の圧力が処理に適した範囲内の値に調節される。
この状態で、電界生成機構106において形成され導波管107を通り伝播したマイクロ波の電界は、導波管107の円形導波管部1071の下端から空洞部108を通り、窓部材103及びその下方で空間1031を開けて配置されたシャワープレート102を透過して、処理室104内部に上方から導入される。さらに、側壁1011の外周の箇所および空洞部108の上面上方にリング状に配置されたソレノイドコイル105に直流電力が供給されることにより磁界が処理室104内に形成される。これらの電界及び磁界との相互作用によって、処理用ガスの原子又は分子が励起され、電離あるいは解離して処理室104の放電室1041内にプラズマ109が形成される。
この状態で、試料台110の基材201に図示しない高周波バイアス形成用の高周波電源から高周波電力が形成されて、ウエハ113上面上方に高周波バイアスの電界が形成される。当該高周波バイアスの電位とプラズマ109の電位との差に応じて、プラズマ109内のイオン等荷電粒子が試料台110の載置されたウエハ113上面に誘引されて衝突し、ウエハ113上面に予め形成されたマスクおよび処理対象の膜層を有する膜構造の処理対象の膜層のエッチング処理が開始される。
図示しない検出器を用いて処理対象の膜層の処理が終点に到達したことが判定されると、図示しない高周波バイアス形成用の高周波電源から高周波電力の基材201への供給及び電界生成機構106による電界の形成またはソレノイドコイル105による磁界の供給が停止されて放電室1041内のプラズマ109が消失される。図示していないガス供給機構から供給されていた処理用ガスが不活性ガスに切り替えられて処理室104内にシャワープレート102から導入され、処理室104内が排気されて処理中のものより高い真空度まで減圧される。さらに、ウエハ113を保持していた静電気力を除く工程および熱伝達ガスの供給が停止された後、駆動機構209が動作して収縮しアーム208およびプッシャーピン207を上方に移動させてウエハ113が試料台110の誘電体膜203上面から離間した高さの上方の箇所まで持ち上げられて保持される。
この状態で、ゲート111が開放されて、図示していないロボットアームがアームを伸長させてその先端部が処理室104内部のウエハ113と試料台110との間の隙間に進入する。再度駆動機構209が動作して長さを伸長させてプッシャーピン207を下方に移動させ、先端部が貫通路内部で誘電体膜203の開口より下方の下端の位置(収納位置)まで移動させる。この動作の過程で、ウエハ113がプッ3本のプッシャーピン207先端に保持された状態からロボットアームに受け渡されてその先端部を構成するハンド部上面に載せられた状態に遷移する。
この後、図示していないロボットアームのアームが収縮して先端部がゲート111から外に退室して、ウエハ113が処理室104外に搬出される。次に処理されるべき未処理のウエハ113が存在する場合には、上記と同様にして、未処理のウエハ113が処理室104内に搬入された後、エッチング処理が行われる。処理されるべきウエハ113がない場合には、プラズマ処理装置100によるウエハ113を処理する運転が停止する。
プラズマ処理装置100が上記のようにウエハ113を処理する工程において、プッシャーアーム208がウエハ113を図示していないロボットアームから受け渡された後に試料台110上面に載置する、あるいは当該上面から上方に持ち上げてロボットアームに受け渡す状態を図4を用いて説明する。図4は、図2に示す実施例の試料台110上にウエハ113が載せられた状態を模式的に示す斜視図である。
図4では、駆動機構209の動作によりアーム208が下端の収納位置から上方に移動するに伴ってプッシャーピン207が上方に移動して、その先端部がウエハ113裏面に当接して、さらに誘電体膜203上面の中心から所定の半径方向の距離の円周上の3つの箇所に配置された貫通路2071の開口から上方の位置まで持ち上げてウエハ113を支持している状態が示されている。プッシャーピン207の先端は試料台110の誘電体膜203の表面のウエハ載置面から上方に突出して、当該プッシャーピン207の先端上に支持されたウエハ113の裏面と試料台110の誘電体膜203の表面のウエハ載置面との間には隙間が形成されている。この状態で、駆動機構209の動作により、ウエハ113はプッシャーピン207の先端と共に、図上矢印の方向に移動可能に構成されている。
図5を用いて、プッシャーピン207がアーム208が下端の位置(収納位置)に保持されている状態での試料台110の基材201および誘電体膜203との相対的な位置を説明する。図5は、図2に示すプッシャーピン207が貫通路2071の内部に収納された状態における当該プッシャーピン207の周囲の試料台110の構成の概略を模式的に示す縦断面図である。
本実施例において、収納位置において、プッシャーピン207の先端は貫通路2071の開口端部である誘電体膜203上面からの距離のばらつきが所定の許容範囲内で距離δだけ低い箇所に位置するように調節される。本実施例では3つのプッシャーピン207の全てについて、先端と開口部の誘電体膜203上面との距離を当該許容範囲内の値となるように、プラズマ処理装置100が建屋(例えば、使用者が半導体デバイスを量産または製造する製造ラインを構成するクリーンルーム)に設置される際や、当該プラズマ処理装置の保守、点検の作業において調整される。プッシャーピン207先端が誘電体膜203上面と所定の距離δだけ開けて貫通路2071の内部に収納されることで、ウエハ113が処理されている間、プッシャーピン207先端は試料台110上に載せられ吸着されたウエハ113裏面との間に処理に適した間隔を維持でき、これらの間の接触による損傷、塵埃の発生や放電、短絡が抑制される。
プッシャーピン207の先端と誘電体膜203の上面との距離δのばらつきが許容範囲外となると、プッシャーピン207がウエハ113裏面に押し当てられてウエハ113を持ち上げる際に、各プッシャーピン207で押付力に必要以上に大きな差が生じてウエハ113が誘電体膜203から離間する際に傾いたり、水平方向に移動したりする虞がある。これらは、曳いては、搬送の工程において、ウエハ113がプッシャーピン207や試料台110あるいは搬送するロボットアームから落下したり移送中に周囲の部材と衝突して損傷したりする問題が生じる虞がある。
このため、複数のプッシャーピン207の間でそれらの先端の高さ位置は、高い精度で設定されていることが求められる。本実施例のプッシャーピン207は、このようなプッシャーピン207の高さ方向の位置の調節が行える構成が備えられている。各プッシャーピン207は、上方からヘッド部501、中間部502、底部503の上下方向に3つの部分を有して、ヘッド部501の下端部と中間部502の上部との各々に配置されたオス・メスのネジ部の噛合い部分の長さをヘッド部501の回転によって増減することで、ヘッド部501の先端の上下方向の高さが調整可能に構成されている。
本例では、各プッシャーピン207は、当該プッシャーピン207が収納位置に保持された状態で、ヘッド部501の先端と誘電体膜203上面との距離δは0.5mm±0.02mmの範囲内の値に調節される。なお、中間部502と底部503との接続は、中間部502の上端と底部503の上端との距離が一定となるような構成を備え、例えば、中間部502が円筒形の外側壁にフランジ部を有して、フランジ部より下方の部分が底部503の上面に上下方向に予め配置された穴に挿入されフランジ部の底面が底部上面と当接して中間部502の高さ位置が固定されるようにしても良い。
プッシャーピン207のヘッド部501を中間部502に対して下端部のネジ周りに回転させることで、ヘッド部501を上下方向に移動させることができる。すなわち、当該ネジのピッチが、一回転当たりの高さの変化の量に相当する。一方、装置の設置の際や設置後の保守、点検の作業中に作業者がプッシャーピン207のヘッド部501を回転させて高さ調節する場合に、プッシャーピン207の収納位置でのヘッド部501の先端と誘電体膜203上面との間の距離を繰り返し実測して上記許容範囲内の値に調節することは、精度の維持や作業の量において作業者に大きな負担となっていた。特に、プッシャーピン207の回転の量(回転角度)の量を正確に検出して、所期の値にするために適切な量(回転させる角度)だけ修正して高い精度の高さ位置の調整をするには大きな困難が生じていた。
以下、プッシャーピン207の先端の高さ位置を短時間で高い精度で調節する本実施例の構成について、説明する。
図6乃至8を用いて、プッシャーピン207のヘッド部501の先端高さを調節する方法とこれに用いられる治具の構成を説明する。図6は、図2に示す実施例のプラズマ処理装置において、プッシャーピン高さを調節するための治具601がプッシャーピン207のヘッド部501に取り付けられた状態を模式的に示す平面図である。図7は、図6に示す状態を模式的に示す縦断面図である。図8は、図6に示す治具を構成する部品の構成の概略を模式的に示す図である。
これらの図に示す本実施例の治具601は、2つの主要部分を備えている。すなわち、オス・メスのネジ構造により接続され当該ネジの周方向に相対的に回転するヘッド部501及び中間部502の2つの部分のうちの一方、図6乃至8に示した構成ではヘッド部501に取り付けられ位置固定される部分と、他方に取り付けられて位置が固定される部分とを備えている。
前者は、ヘッド部501の上下方向の軸上の所定の高さ位置の箇所を両側から挟んで当該ヘッド部501の箇所に取り付けられるピンチ602である。後者は中間部502がその中央部の貫通孔に挿入されて取り付けられる円形を有して周縁部の表面に中心周りに等角度毎に放射状に角度を示す目盛り604,605が配置された図8の(a)及び(b)に示すようなガイドプレート603である。本例において、ガイドプレート603はヘッド部501と中間部502との中心軸周りの相対的な位置または角度の値を目盛りとして示す参照パーツとなる部分であり、ピンチ602は上記角度を参照パーツの目盛り上の位置として示す指示器である。
まず、任意のプッシャーピン207の高さを調節する作業の開始に際して、作業者は、プッシャーピン207のヘッド部501及び中間部502を底部503から取り外す。次に、ガイドプレート603の中央部に配置された貫通孔701に中間部502単体またはヘッド部501と嵌め合わされた中間部502を挿入して、図7(a)に示すように円筒形を有した中間部502の上下の軸方向について上下端のおよそ中間の箇所にガイドプレート603を位置させる。本実施例のガイドプレート603の貫通孔701の円筒形の内周側壁には樹脂等の弾性を有した材料で構成されたOリング702が予め嵌め込まれており、Oリング702の内径は中間部502の外径より僅かに小さく(Oリングの潰し代は8%にされ)、中間部502が貫通孔701おおびOリング702の内側に差し込まれた状態で、ガイドプレート603に対して上下に移動し難くされる。
中間部502の単体がガイドプレート603の貫通孔701に挿入された場合には、この状態で図7の(a)に示すように、更にヘッド部501に形成された雄ネジ5011は中間部502に形成された雌ネジ5021に嵌め込まれて相互に接続される。さらに、ヘッド部501の上下の軸方向について上下端の中間の箇所を挟んでピンチ602がヘッド部501に取り付ける。
ピンチ602は、図8の(c)に示すように、支点602’で連結された2つの挟持片801と、各挟持片801の把持側の面に予め配置された2つの凹部802とを有した、挟持具である。2つの挟持片801は、その平面形が、ピンチ602の支点602’の凹部802を挟んで反対側の先端部606において鋭角を有してテーパー形状を有しており、両者が図8(c)の破線の両側で対称の配置となっている。ピンチ602は、支点602’を回転中心として上下方向の軸周りに一対の挟持片801が旋回してヘッド部501を凹部802内に嵌め込んで挟んだ状態で、目盛り604,605が配置されたガイドプレート603の上面と距離を開けた状態でガイドプレート603の上方に高さ位置が保持され、挟持片801の少なくとも一方の先端部606は、特定の目盛り604または605の箇所又はその近傍の上方に位置している。
すなわち、挟持片801の先端部606は、図6に示すように、ヘッド部501の上下の軸方向の上方から見て円板形状を有したガイドプレート603の外周縁部上面の複数の目盛り604,605で示される、貫通孔701またはヘッド部501、中間部502の軸回りの特定の方向の角度を数値として示している。そして、本例において、作業者は、ヘッド部501及びその先端は下端部のオス・メスのネジ部のネジ周りに回転させることでネジの上下方向のピッチに応じて回転させた角度の大きさに対応した量だけ上下方向に移動させることができる。その際に、当該回転させた角度の大きさは当該回転の前後での1つの先端部606が示す方向の角度の差として示され、これを数値として得ることができる。
本例において、ピンチ602の支点602’には図示しない円弧状またはコイル形状を有したバネ(ねじりコイルバネ、又はトーションばね)が備えられ、2つの挟持片801を支点602’の上下軸周りに旋回させた際にそのバネの反発力により凹部802内部に嵌め込んだヘッド部501に対して両側から中心軸方向に挟持片801を押し付けて挟む付勢力が生起される。なお、ピンチ602の支点602’を挟んで凹部802の反対側の端部607は、挟持片801を支点602’の軸回りに旋回させる作業者が指または手で内側に(図上破線方向に)挟む力を付与する把持部となっている。
また、本実施例において、ヘッド部501の上下端の間の所定の箇所の外周側壁に予めフランジ部を形成しておき、ピンチ602が当該フランジ部を挟んで固定されるようにしても良い。その場合、ピンチ602の凹部802の円筒形を有する内周壁面の形状は、フランジ部の外径と同じ径の寸法に形成する。
図6に示すように、ガイドプレート603の目盛り604,605は、各々が複数の大きな角度とこれらの間を等間隔に区切って配置された小さい角度を示している(図8の(a)では、メモリ605の表示を省略している)。これらの目盛りの間隔すなわち貫通孔701の中心軸周りの角度は、ヘッド部501の雄ネジ5011と中間部502の雌ネジ5021のピッチに対応させて配置されており、隣接する目盛り同士の間の角度は、ヘッド部501,中間部502のネジ周りの一回転(360度)を等間隔に区切ったもので、これらピンチ602の先端部606が示す目盛りが隣接する目盛りに移動するごとに、ヘッド部501の一回転当たりのピッチ(ヘッド部501の相対的な上下方向の移動量)の値を目盛りの数で除した量だけヘッド部501の先端が移動することを示している。
本実施例のプッシャーピン207のヘッド部501の雄ネジ5011,中間部502の雌ネジ5021はそれぞれM3のネジにより構成され、そのピッチは0.5mmにされている。また、プッシャーピン207またはヘッド部501の先端の高さの調整を0.01mm毎に行うために、ガイドプレート603上面外周縁部において貫通孔701の中心軸周りに7.2度毎に目盛り604又は605が配置される。このため、本実施例では、目盛り604,605はガイドプレート603上面の外周縁部で等間隔に50箇所配置されている。
なお、このような目盛り604,605は円板の部材の上面を切削したり凹ましたりして形成してもよいが、中心に貫通孔を有する複数の薄い円板にプッシャーピン207の調整の精度に応じて複数の異なる角度(距離)間隔の目盛りを印刷したものを、ガイドプレート603の上面に中心軸を合わせて貼り付けて用いても良い。また、具体的な高さ位置やδの値の大きさを示す数値610が目盛り604,605の近傍に表示されていても良い。この場合、本例では当該数値はM3のネジの回転方向に合わせて増大する。
プッシャーピン207のヘッド部501の先端高さの調節の工程において、予めヘッド部501の移動させる量(修正する高さの量)がわかっている場合には、まず、上方から見てピンチ602はその先端部606の何れか一方が基準となる目盛り604,605の何れかを示すようにヘッド部501を凹部802で挟んで位置固定する。その後、上方から見て修正の量に相当する目盛り分だけ先端部606の示す箇所が移動するようにヘッド部501をネジ周りに回転させて修正が行われる。
中間部502に対するヘッド部501の高さ調整が終わった段階で、中間部502とヘッド部501とからそれぞれガイドプレート603とピンチ602を取り外す。この状態で、図7(b)に示すように、中間部502の下端部の細く形成された軸部5022を底部503に形成された穴部5031に差し込み、中間部502の段差面5023を底部503の上端面5032に突き当てる。このように、中間部502の段差面5023を底部503の上端面5032に突き当てることにより、アーム208からヘッド部501の先端部までの高さ、すなわちプッシャーピン207の高さが調整(修正)される。
上記の実施例では、プッシャーピン207の先端の高さ位置の調整の際に、ヘッド部501、中間部502が底部503から取り外され、取り外されたこれらに治具601のピンチ602、ガイドプレート603が各々ヘッド部501、中間部502に取り付けられる例を説明したが、本発明はこのような構成に限られない。図7(b)に示したように、ヘッド部501を取付けた中間部502の先端の軸部5022を底部503の穴部5031に差し込んで中間部502の段差面5023を底部503の上端面5032に突き当てた状態で、ヘッド部501にピンチ602を取付け、中間部502にガイドプレート603を取付けてプッシャーピン207の先端の高さ位置の調整を行ってもよい。また、ピンチ602とガイドプレート603の取り付け位置を逆にして、ピンチ602を中間部502、ガイドプレート603をヘッド部501に取り付けてプッシャーピン207の先端の高さ位置の調整を行うようにしても良い。
また、ヘッド部501が中間部502の取り付けられた状態でプッシャーピン207を中間部502の上端が誘電体膜203上方に突出した位置、例えば最大限上方の上限の位置にまで移動させた状態で停止した状態で維持させ、誘電体膜203の上方で治具601を突出したヘッド部501、中間部502に取り付けてヘッド部501の先端の高さを調節しても良い。この場合には、各プッシャーピン207の収納位置での誘電体膜203上面との距離を当該プッシャーピン207の上方への移動前に検出して許容範囲にするために必要な調整の量とこれに対応するヘッド部501の回転の量(目盛り604,605の変化量や角度)を検出しておく。さらに、治具601を誘電体膜203条法に突出したプッシャーピン207に取り付けた後に、ガイドプレート603にピンチ602の先端部606の示す当該回転の量だけヘッド部501を回転させることで、上記調整を行うことができる。
上記実施例によれば、作業者はヘッド部501の先端の高さ位置を調節する作業において、ヘッド部501の回転角度あるいはこれに対応する上下方向の移動量をガイドプレート603上の目盛り604,605で示される数値として検出可能となる。特に、ヘッド部501または中間部502を相対的に回転させる前後の角度の変化量を数値として定量的に把握することができる。
このことにより、作業者は、収納位置における先端と誘電体膜203上面との距離を許容範囲内に調整する作業を高い精度で短時間に行うことができ、プラズマ処理装置100の設置時や保守、点検の際の作業時間を短縮できる。さらに、ウエハ113のプッシャーピン207による上下方向の移動の際の位置の変動や落下あるいはこれらに起因する損傷が低減され、プラズマ処理装置100によるウエハ113の処理の歩留まりが向上する。
100・・・プラズマ処理装置
101・・・側壁
102・・・シャワープレート
102a・・・ガス導入孔
103・・・窓部材
104・・・処理室
105・・・ソレノイドコイル
106・・・電界生成機構
107・・・導波管
108・・・空洞部
109・・・プラズマ
110・・・試料台
111・・・ゲート
112・・・収納空間
113・・・ウエハ
114・・・支持梁
115・・・排気口
116・・・内側容器
117・・・外側容器
118・・・下部容器
207・・・プッシャーピン
208・・・アーム
209・・・駆動機構
601・・・治具
602・・・ピンチ
603・・・ガイドプレート。

Claims (10)

  1. 真空容器内部の処理室内に配置され上面にウエハが載置される試料台と、この試料台の前記上面に開口を有する貫通孔内に収納され上下方向に移動する複数のプッシャーピンであってその先端が前記上面上方に突出した状態で当該先端上に前記ウエハを載せて支持する棒状のプッシャーピンとを備えたウエハ処理装置の製造方法であって、
    前記プッシャーピンが前記先端を含む上部とこの上部の下端部に配置されたネジ部を介して接続される下部とを有し、これら上部および下部の各々に目盛りを有するガイドおよび当該ガイド上で値を示す指示器の各々を取り付けて、前記ガイド及び指示器から検出した前記上部と下部との前記ネジ部周りの回転の量を用いて前記先端の上下方向の高さ位置を調整する工程を含むウエハ処理装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載のウエハ処理装置の製造方法であって、
    円板形状を有しその外周縁部上面に複数の目盛りを備えた前記ガイドと、棒状の形状を有した前記上部または下部何れかの所定の箇所を挟んで取り付けられこれらの一方回転とともに回転する前記指示器とを備えたウエハ処理装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載のウエハ処理装置の製造方法であって、
    等間隔で配置された前記ガイドの複数の目盛りが前記ネジ部のピッチの値を複数に等分した値に対応するウエハ処理装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のウエハ処理装置の製造方法であって、
    前記プッシャーピンの前記先端の高さを当該プッシャーピンが前記貫通孔内に収納された状態で前記試料台の前記上面からの距離を所定の許容範囲内に調整するウエハ処理装置の製造方法。
  5. 真空容器内部の処理室内に配置され上面にウエハが載置される試料台を備えたウエハ処理装置の前記試料台の前記上面に開口を有する貫通孔内に収納され上下方向に移動する複数のプッシャーピンであってその先端が前記上面上方に突出した状態で当該先端上に前記ウエハを載せて支持する棒状のプッシャーピンの先端の高さを調整する方法であって、
    前記プッシャーピンが前記先端を含む上部とこの上部の下端部に配置されたネジ部を介して接続される下部とを有し、これら上部および下部の各々に目盛りを有するガイドおよび当該ガイド上で値を示す指示器の各々を取り付けて、前記ガイド及び指示器から検出した前記上部と下部との前記ネジ部周りの回転の量を用いて前記先端の上下方向の高さ位置を調整する工程を含むプッシャーピンの高さの調整方法。
  6. 請求項5に記載のプッシャーピンの高さの調整方法であって、
    円板形状を有しその外周縁部上面に複数の目盛りを備えた前記ガイドと、棒状の形状を有した前記上部または下部何れかの所定の箇所を挟んで取り付けられこれらの一方回転とともに回転する前記指示器とを備えたプッシャーピンの高さの調整方法。
  7. 請求項6に記載のプッシャーピンの高さの調整方法であって、
    等間隔で配置された前記ガイドの複数の目盛りが前記ネジ部のピッチの値を複数に等分した値に対応するプッシャーピンの高さの調整方法。
  8. 請求項5乃至7の何れかに記載のプッシャーピンの高さの調整方法であって、
    前記プッシャーピンの前記先端の高さを当該プッシャーピンが前記貫通孔内に収納された状態で前記試料台の前記上面からの距離を所定の許容範囲内に調整するプッシャーピンの高さの調整方法。
  9. 真空容器内部の試料台に載置された試料であるウエハを前記試料台から持ち上げる複数のプッシャーピンの先端の高さを調整する方法であって、
    前記複数のプッシャーピンは、共通のアームに固定された底部と、前記底部に支持される中間部と、前記中間部に支持されるヘッド部とをそれぞれ備え、
    前記中間部の上部に形成された雌ネジ部に前記ヘッド部の下部に形成した雄ネジをかみ合わせた状態で前記中間部に対して前記ヘッド部を回転させて、前記中間部に取り付けた円周方向に目盛りが形成されたガイドに対する前記ヘッド部に取り付けた指示器の前記目盛りに対する前記円周方向の位置を調整することにより前記複数のプッシャーピンの先端部分の高さを調整することを特徴とするプッシャーピンの高さの調整方法。
  10. 請求項9記載のプッシャーピンの高さの調整方法であって、前記中間部を前記底部から取り外した状態で前記中間部に対する前記ヘッド部の高さを調整し、前記高さを調整した状態で、前記中間部の下部に段差部を設けて形成された軸部を前記底部に形成された穴に挿入して前記中間部の前記段差部を前記底部の前記穴が形成された面に突き当てることにより前記複数のプッシャーピンの先端部分の高さを調整することを特徴とするプッシャーピンの高さの調整方法。
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