JP2023041000A - 冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法 - Google Patents

冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な低GWP混合冷媒を提供する。【解決手段】冷媒を含む組成物であって、前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)を含み、前記冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計の含有割合が99.5質量%以上である、組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法に関する。
R410Aに代替可能な熱サイクル用作動媒体として、トリフルオロエチレン(HFO-1123)と1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)とを含む熱サイクル用作動媒体が提案されている(特許文献1)。
国際公開第2015/141678号
本開示は、新規な低GWP混合冷媒を提供することを目的とする。
項1.
冷媒を含む組成物であって、
前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)を含み、
前記冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計の含有割合が99.5質量%以上である、組成物。
項2.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が14.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~79.0質量%であり、かつ
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%である、項1に記載の組成物。
項3.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~72.0質量%であり、かつ
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%である、項1に記載の組成物。
項4.
冷媒を含む組成物であって、
前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びペンタフルオロエタン(R125)を含み、前記冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計の含有割合が99.5質量%以上である組成物。
項5.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が11.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~85.5質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%である、項4に記載の組成物。
項6.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~76.0質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%である、項4に記載の組成物。
項7.
冷媒を含む組成物であって、
前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロペン(FO-1216)を含む組成物。
項8.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が12.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合16.0~72.5質量%であり、かつ
FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%である、項7に記載の組成物。
項9.
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合16.0~64.0質量%であり、かつ
FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%である、項7に記載の組成物。
項10.
R12、R22、R134a、R404A、R407A、R407C、R407F、R407H、R410A、R413A、R417A、R422A、R422B、R422C、R422D、R423A、R424A、R426A、R427A、R430A、R434A、R437A、R438A、R448A、R449A、R449B、R449C、R452A、R452B、R454A、R454B、R454C、R455A、R465A、R502、R507、R513A、R1234yf又はR1234zeの代替冷媒として用いられる、項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
項11.
車載用空調機器を運転するために用いられる、項1~9のいずれか一項に組成物。
項12.
前記空調機器が、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用である、項11に記載の組成物。
項13.
さらに、冷凍機油を含有し、冷凍装置用作動流体として用いられる、項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
項14.
項1~9のいずれか1項に記載の組成物を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む冷凍方法。
項15.
項1~9のいずれか1項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置。
本開示の冷媒は、低GWPである。
燃焼性試験に用いた装置の模式図である。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、以下に説明する各種の混合冷媒が、上記特性を有することを見出した。
本開示は、かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果完成されたものである。本開示は、以下の実施形態を含む。
<用語の定義>
本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、さらに冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。
本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体とが少なくとも含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物」と表記する。また、(3)の冷凍機用作動流体のことを「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体」と表記する。
本明細書において、用語「代替」は、第一の冷媒を第二の冷媒で「代替」するという文脈で用いられる場合、第一の類型として、第一の冷媒を使用して運転するために設計された機器において、必要に応じてわずかな部品(冷凍機油、ガスケット、パッキン、膨張弁、ドライヤその他の部品のうち少なくとも一種)の変更及び機器調整のみを経るだけで、第二の冷媒を使用して、最適条件下で運転することができることを意味する。すなわち、この類型は、同一の機器を、冷媒を「代替」して運転することを指す。この類型の「代替」の態様としては、第二の冷媒への置き換えの際に必要とされる変更乃至調整の度合いが小さい順に、「ドロップイン(drop in)代替」、「ニアリー・ドロップイン(nealy drop in)代替」及び「レトロフィット(retrofit)」があり得る。
第二の類型として、第二の冷媒を用いて運転するために設計された機器を、第一の冷媒の既存用途と同一の用途のために、第二の冷媒を搭載して用いることも、用語「代替」に含まれる。この類型は、同一の用途を、冷媒を「代替」して提供することを指す。
本明細書において用語「冷凍機」とは、物あるいは空間の熱を奪い去ることにより、周囲の外気よりも低い温度にし、かつこの低温を維持する装置全般のことをいう。言い換えれば、冷凍機は温度の低い方から高い方へ熱を移動させるために、外部からエネルギーを得て仕事を行いエネルギー変換する変換装置のことをいう。
本明細書において、「車載用空調機器」とは、ガソリン車、ハイブリッド自動車、電気自動車、水素自動車などの自動車で用いられる冷凍装置の一種である。車載用空調機器とは、蒸発器にて液体の冷媒に熱交換を行わせ、蒸発した冷媒ガスを圧縮機が吸い込み、断熱圧縮された冷媒ガスを凝縮器で冷却して液化させ、さらに膨張弁を通過させて断熱膨張させた後、蒸発機に再び液体の冷媒として供給する冷凍サイクルからなる冷凍装置を指す。
本明細書において記載される圧力は、断りの無い場合は、単位を絶対圧とするものである。
1.冷媒
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)及びHFO-1234yfを含む。
本開示の冷媒は、低GWP混合冷媒である。
本開示の冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)を含み、冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計の含有割合が99.5質量%以上である冷媒であってもよい。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、 HFO-1132(E)の含有割合が14.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~79.0質量%であり、かつ
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%であってもよい。この冷媒は、GWPが300以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が100%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が134%以上、燃焼速度はR134aを7.0質量%以上含むことにより、R134aを含まない他は同じ組成と比較して1.0cm/s以上低下し、沸点が-40.0℃以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらない。
このため、上記本開示の冷媒は、冷凍サイクルが、局所的に冷媒の圧力が3MPa、かつ冷媒の温度が150℃となっても、不均化反応を抑制することができるため好ましい。
また、上記本開示の冷媒は、沸点が-40.0℃以下であるため、ヒートポンプによる暖房において使用しやすいという利点がある。例えば、上記本開示の冷媒は、車載用空調機器の冷凍サイクルを運転するために用いることにより、電気ヒーターに比べて消費電力の少ないヒートポンプによる暖房が可能になるという利点がある。車載用空調機器としては、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用等が挙げられる。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~72.0質量%であり、かつ
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%であってもよい。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が14.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~79.0質量%であり、
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%であってもよい。この冷媒は、車載用空調機器を運転するために好ましく用いられる。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びペンタフルオロエタン(R125)を含み、冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計の含有割合が99.5質量%以上である冷媒であってもよい。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が11.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~85.5質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%であってもよい。この冷媒は、GWPが300以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が100%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が128%以上、燃焼速度はR125を3.0質量%以上含むことにより、R125を含まない他は同じ組成と比較して1.0cm/s以上低下し、が1.5 cm/s以下、沸点が-40.0℃以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらない。
このため、上記本開示の冷媒は、冷凍サイクルが、局所的に冷媒の圧力が3MPa、かつ冷媒の温度が150℃となっても、不均化反応を抑制することができるため好ましい。
また、上記本開示の冷媒は、沸点が-40.0℃以下であるため、ヒートポンプによる暖房において使用しやすいという利点がある。例えば、上記本開示の冷媒は、車載用空調機器の冷凍サイクルを運転するために用いることにより、電気ヒーターに比べて消費電力の少ないヒートポンプによる暖房が可能になるという利点がある。車載用空調機器としては、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用等が挙げられる。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~76.0質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%であってもよい。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が11.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~85.5質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%であってもよい。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロペン(FO-1216)を含んでいてもよい。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が12.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が16.0~72.5質量%であり、かつ
FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%であってもよい。この冷媒は、GWPが3以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が99%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が129177%以上、燃焼速度はFO-1216を15.0%以上含むことで1.0cm/s以上低下し、沸点が-40.0℃以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらない。
このため、上記本開示の冷媒は、冷凍サイクルが、局所的に冷媒の圧力が35MPa、かつ冷媒の温度が150℃となっても、不均化反応を抑制することができるため好ましい。
また、上記本開示の冷媒は、沸点が-40.0℃以下であるため、ヒートポンプによる暖房において使用しやすいという利点がある。例えば、上記本開示の冷媒は、車載用空調機器の冷凍サイクルを運転するために用いることにより、電気ヒーターに比べて消費電力の少ないヒートポンプによる暖房が可能になるという利点がある。車載用空調機器としては、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用等が挙げられる。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が16.0~72.5質量%であり、かつ
FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%であってもよい。
本開示の冷媒は、
HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が16.0~64.0質量%であり、かつ
FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%であってもよい。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aを含む場合、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aに加えて、さらに追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、ある態様においては、本開示の冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計を、冷媒全体に対して99.7質量%以上含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むことがさらに好ましく、99.999質量%含むことがさらにより好ましく、99.9999質量%以上含むことが最も好ましい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aのみから実質的になるものであってもよく、この場合、本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134a、並びに不可避的不純物のみからなるものであってもよい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aのみからなるものであってもよい。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125を含む場合、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125に加えて、さらに追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、ある態様においては、本開示の冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計を、冷媒全体に対して99.7質量%以上含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むことがさらに好ましく、99.999質量%含むことがさらにより好ましく、99.9999質量%以上含むことが最も好ましい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125のみから実質的になるものであってもよく、この場合、本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125、並びに不可避的不純物のみからなるものであってもよい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125のみからなるものであってもよい。
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216を含む場合、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216に加えて、さらに追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、ある態様においては、本開示の冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むことがさらに好ましく、99.999質量%含むことがさらにより好ましく、99.9999質量%以上含むことが最も好ましい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216のみから実質的になるものであってもよく、この場合、本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216、並びに不可避的不純物のみからなるものであってもよい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216のみからなるものであってもよい。
追加的な冷媒としては、特に限定されず、幅広く選択できる。混合冷媒は、追加的な冷媒として、一種を単独で含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
追加的な冷媒としては、アセチレン、HFO-1132a、HFO-1141、HFO-1123、HFC-143a、HFC-134a、Z-HFO-1132、HFO-1243zf、HFC-245cb、HCFC-1122、HCFC-124、CFC-1113、3,3,3-トリフルオロプロピン等が挙げられる。
2. 冷媒組成物
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒を少なくとも含み、本開示の冷媒と同じ用途のために使用することができる。また、本開示の冷媒組成物は、さらに少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることができる。
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒に加え、さらに少なくとも一種のその他の成分を含有する。本開示の冷媒組成物は、必要に応じて、以下のその他の成分のうち少なくとも一種を含有していてもよい。上述の通り、本開示の冷媒組成物を、冷凍機における作動流体として使用するに際しては、通常、少なくとも冷凍機油と混合して用いられる。したがって、本開示の冷媒組成物は、好ましくは冷凍機油を実質的に含まない。具体的には、本開示の冷媒組成物は、冷媒組成物全体に対する冷凍機油の含有量が好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。
2.1
本開示の冷媒組成物は微量の水を含んでもよい。冷媒組成物における含水割合は、冷媒全体に対して、0.1質量%以下とすることが好ましい。冷媒組成物が微量の水分を含むことにより、冷媒中に含まれ得る不飽和のフルオロカーボン系化合物の分子内二重結合が安定化され、また、不飽和のフルオロカーボン系化合物の酸化も起こりにくくなるため、冷媒組成物の安定性が向上する。
2.2 トレーサー
トレーサーは、本開示の冷媒組成物が希釈、汚染、その他何らかの変更があった場合、その変更を追跡できるように検出可能な濃度で本開示の冷媒組成物に添加される。
本開示の冷媒組成物は、トレーサーとして、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
トレーサーとしては、特に限定されず、一般に用いられるトレーサーの中から適宜選択することができる。
トレーサーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N2O)等が挙げられる。トレーサーとしては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン及びフルオロエーテルが特に好ましい。
トレーサーとしては、以下の化合物が好ましい。
FC-14(テトラフルオロメタン、CF4
HCC-40(クロロメタン、CH3Cl)
HFC-23(トリフルオロメタン、CHF3
HFC-41(フルオロメタン、CH3F)
HFC-125(ペンタフルオロエタン、CF3CHF2
HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン、CF3CH2F)
HFC-134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン、CHF2CHF2
HFC-143a(1,1,1-トリフルオロエタン、CF3CH3
HFC-143(1,1,2-トリフルオロエタン、CHF2CH2F)
HFC-152a(1,1-ジフルオロエタン、CHF2CH3
HFC-152(1,2-ジフルオロエタン、CH2FCH2F)
HFC-161(フルオロエタン、CH3CH2F)
HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、CF3CH2CHF2
HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CH2CF3
HFC-236ea(1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CHFCHF2
HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、CF3CHFCF3)
HCFC-22(クロロジフルオロメタン、CHClF2
HCFC-31(クロロフルオロメタン、CH2ClF)
CFC-1113(クロロトリフルオロエチレン、CF2=CClF)
HFE-125(トリフルオロメチル-ジフルオロメチルエーテル、CF3OCHF2
HFE-134a(トリフルオロメチル-フルオロメチルエーテル、CF3OCH2F)
HFE-143a(トリフルオロメチル-メチルエーテル、CF3OCH3
HFE-227ea(トリフルオロメチル-テトラフルオロエチルエーテル、CF3OCHFCF3
HFE-236fa(トリフルオロメチル-トリフルオロエチルエーテル、CF3OCH2CF3
本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約10重量百万分率(ppm)以上含んでいてもよい。また、本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約1000ppm以下含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約30ppm以上、より好ましくは約50ppm以上含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約500ppm以下含んでいてもよく、約300ppm以下含んでいてもよい。
2.3 紫外線蛍光染料
本開示の冷媒組成物は、紫外線蛍光染料として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
紫外線蛍光染料としては、特に限定されず、一般に用いられる紫外線蛍光染料の中から適宜選択することができる。
紫外線蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。紫外線蛍光染料としては、ナフタルイミド及びクマリンのいずれか又は両方が特に好ましい。
2.4 安定剤
本開示の冷媒組成物は、安定剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
安定剤としては、特に限定されず、一般に用いられる安定剤の中から適宜選択することができる。
安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エーテル類及びアミン類等が挙げられる。
ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン及びニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物、並びにニトロベンゼン及びニトロスチレン等の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
その他にも、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
安定剤の含有割合は、冷媒全体に対して、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい。安定剤の含有割合は、冷媒全体に対して、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。
2.5 重合禁止剤
本開示の冷媒組成物は、重合禁止剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられる重合禁止剤の中から適宜選択することができる。
重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
重合禁止剤の含有割合は、冷媒全体に対して、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい。重合禁止剤の含有割合は、冷媒全体に対して、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。
3. 冷凍機油含有作動流体
本開示の冷凍機油含有作動流体は、本開示の冷媒又は冷媒組成物と、冷凍機油とを少なくとも含み、冷凍機における作動流体として用いられる。具体的には、本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機の圧縮機において使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に10質量%以上含まれる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に50質量%以下含まれる。
3.1 冷凍機油
本開示の組成物は、冷凍機油として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
冷凍機油としては、特に限定されず、一般に用いられる冷凍機油の中から適宜選択することができる。その際には、必要に応じて、前記混合物との相溶性(miscibility)及び前記混合物の安定性等を向上する作用等の点でより優れている冷凍機油を適宜選択することができる。
冷凍機油の基油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
冷凍機油は、基油に加えて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
冷凍機油として、40℃における動粘度が5cSt以上であるものが、潤滑の点で好ましい。また、冷凍機油として、40℃における動粘度が400cSt以下であるものが、潤滑の点で好ましい。
本開示の冷凍機油含有作動流体は、必要に応じて、さらに少なくとも一種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては例えば以下の相溶化剤等が挙げられる。
3.2 相溶化剤
本開示の冷凍機油含有作動流体は、相溶化剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
相溶化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる相溶化剤の中から適宜選択することができる。
相溶化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等が挙げられる。相溶化剤としては、ポリオキシアルキレングリコールエーテルが特に好ましい。
4.冷凍機の運転方法
本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍機を運転する方法である。
具体的には、本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を冷凍機において循環させる工程を含む。
5.不均化反応の抑制方法
本開示の不均化反応の抑制方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む、HFO-1132(E)の不均化反応の抑制方法である。
本開示の不均化反応の抑制方法においては、特に、冷媒の圧力が3.0MPaのときに、かつ冷媒の温度が150℃となっても、HFO-1132(E)の不均化反応が起こらないという効果が得られる。
本開示の不均化反応の抑制方法により、特に不均化反応の抑制手段を設けていない冷凍機においても不均化反応を抑制して冷凍サイクルを運転することが可能となる。
6.不均化反応の抑制のための使用
本開示の使用は、R134a、又はR125、又はFO-1216、及びR1234yfの、HFO-1132(E)の不均化反応を抑制するための使用であって、前記不均化反応の抑制は、HFO-1132(E)、R134a、又はR125、又はFO-1216、及びR1234yfを、本開示の冷媒の混合比率となるように混合することにより行われる。
本開示の不均化反応の抑制のための使用においては、特に、冷媒の圧力が3.0MPaのときに、かつ冷媒の温度が150℃となっても、HFO-1132(E)の不均化反応が起こらないという効果が得られる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
HFO-1132(E)及びHFO-1234yfを、これらの総和を基準として、表1にそれぞれ示した質量%で混合した混合冷媒を調製した。
これらの各混合冷媒について、次の試験方法及び試験条件において、不均化反応の有無を調べた。
試験方法
試験容器に、試験する冷媒組成物を移充填し、150℃まで加熱した後、容器内のPt線に電圧を印可して溶断させることで、冷媒組成物に30Jのエネルギーを与えた。不均化反応の有無は装置内の急激な圧力上昇及び温度上昇によって判定した。
試験条件
試験容器:38cc SUS製容器
試験温度:150℃
圧力:3 MPa
判定基準
「不爆」:Pt線溶断後の温度又は圧力が2倍未満であり、急激な不均化反応が起こっていない。
「爆発」:Pt線溶断後の温度又は圧力が2倍以上に達し、急激な不均化反応が起こった。
また、燃焼速度試験は図1に示す装置を用いて、以下の通り行った。まず、使用した混合冷媒は99.5%またはそれ以上の純度とし、真空ゲージ上に空気の痕跡が見られなくなるまで凍結、ポンピング及び解凍のサイクルを繰り返すことにより脱気した。燃焼速度は、閉鎖法により測定した。初期温度は周囲温度とした。点火は、試料セルの中心で電極間に電気的スパークを生じさせることにより行った。放電の持続時間は1.0~9.9msとし、点火エネルギーは典型的には約0.1~1.0Jであった。火炎の伝搬状態はシュリーレン法により視覚化した。光を通す2つのアクリル窓を備えた円筒形容器(内径:155mm、長さ:198mm)を試料セルとして用い、光源としてはキセノンランプを用いた。炎のシュリーレン画像を高速デジタルビデオカメラで600fpsのフレーミング速度で記録し、PCに保存した。 燃焼速度(Su(cm/s))は、単位面積の火炎面が単位時間に消費する未燃ガスの体積で表され、以下の式より算出される。
Su=Sb*ρu/ρb
Sb;火炎伝搬速度(cm/s)
ρu;断熱火炎温度(未燃)
ρb;断熱火炎温度(既燃)
ここで、
Sbはシュリーレンビデオ画像から求め、ρuは測定温度、ρbは燃焼ガスの燃焼熱及び定圧比熱から算出した。
Figure 2023041000000001
表1の結果から、本開示の冷媒はHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfにおいて、HFO-1132(E)が44.0質量%以下では、不均化が起こらない。また、燃焼速度は4.7cm/s以下となる。
HFO-1132(E)及びFO-1216のGWPは1とし、R134a、HFO-1234yf、及びR125、及び上記混合冷媒のGWPは、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)第4次報告書の値に基づいて評価した。R134a、HFO-1234yf、及び上記混合冷媒のCOP、冷凍能力、吐出温度及び沸点は、National Institute of Science and Technology(NIST)Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Database(Refprop 9.0)を使い、下記条件で混合冷媒の冷凍サイクル理論計算を実施することにより求めた。なお、冷凍サイクル理論計算において用いたHFO-1132(E)の物性値は実測により求めた。
蒸発温度 -30℃
凝縮温度 30℃
過熱温度 5K
過冷却温度 5K
圧縮機効率 70%
表2、3,4中、「COP比」及び「冷凍能力比」とは、R1234yfに対する割合(%)を示す。表中、「吐出温度(℃)」とは、上記混合冷媒の冷凍サイクル理論計算において、冷凍サイクル中で最も冷媒の温度が高くなる温度を示す。表中、「沸点(℃)」とは、混合冷媒の液相が大気圧(101.33kPa)となる温度を示す。表中、「動力の消費電力量(%)」とは、電気自動車が走行するために使用した電気エネルギーを示し、冷媒をHFO-1234yfとしたとき消費電力量との比で表す。
表中、「暖房の消費電力量(%)」とは、電気自動車が暖房を運転するために使用した電気エネルギーを示し、冷媒をHFO-1234yfとしたとき消費電力量との比で表す。表中、「走行可能距離」とは、一定の電気容量の二次電池を搭載した電気自動車において、暖房せずに(暖房の消費電力が0)走行した場合の走行可能距離を100%とした場合の暖房ありで走行した場合の走行可能距離を相対割合(%)を表したものである。
暖房方法は、沸点が-40℃を超える冷媒では暖房に電気ヒーター方式を用い、沸点が-40℃以下の冷媒には暖房にヒートポンプ方式を用いた。
暖房使用時の消費電力量は、次式により求めた。
暖房使用時の消費電力量=暖房能力/暖房COP
なお、暖房COPとは「暖房効率」を意味する。
暖房効率について、電気ヒーターの場合は暖房COP=1であり、動力と同等の電極を暖房に消費する。つまり、暖房の消費電力はE=E/(1+COP)となる。
一方、ヒートポンプの場合もRefprop 9.0(NIST製)を使用し、下記条件で混合冷媒の冷凍サイクル理論計算を実施することにより暖房COPを求めた。
蒸発温度 -30℃
凝縮温度 30℃
過熱温度 5K
過冷却温度 5K
圧縮機効率 70%
走行可能距離は、次式により求めた。
走行可能距離=(電池容量)/(動力の消費電力量+暖房での消費電力量)
これらの値を、各混合冷媒についてのGWPと合わせて表2、3及び4に示す。なお、比COP及び比冷凍能力については、HFO-1234yに対する割合を示す。
成績係数(COP)は、次式により求めた。
COP =(冷凍能力又は暖房能力)/消費電力量
Figure 2023041000000002
Figure 2023041000000003
Figure 2023041000000004
表2の結果から、本開示の冷媒はHFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、 HFO-1132(E)の含有割合が14.0~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が35.2~78.5質量%であり、かつ
R134aの含有割合が7.0~20.8質量%であるとき、GWPが300以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が100%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が134%以上、燃焼速度はR134aを7.0質量%以上含むことで含まないときよりも1.0cm/s以上低下し、が1.5 cm/s以下、沸点が-40.0以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらないことが判る。
表3の結果から、本開示の冷媒はHFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、 HFO-1132(E)の含有割合が11.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が47.5~85.5質量%であり、かつ
R125の含有割合が3.0~8.5質量%であるとき、GWPが300以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が100%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が129%以上、燃焼速度はFO-1216を15.0質量%以上含むことで1.0cm/s以上低下し、沸点が-40.0℃以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらないことが判る。
表4の結果から、本開示の冷媒はHFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が12.5~44.0質量%であり、
HFO-1234yfの含有割合が16.0~72.5質量%であり、かつ
R125の含有割合が15.0~40.0質量%であるとき、GWPが3以下、HFO-1234yfを基準とするCOP比が100%以上、HFO-1234yfを基準とする冷凍能力比が128%以上、燃焼速度はR125を3.0質量%以上含むことで1.0cm/s以上低下し、沸点が-40.0℃以下となり、さらに3MPa、150℃において不均化反応が起こらないことが判る。
1:試料セル
2:高速カメラ
3:キセノンランプ
4:コリメートレンズ
5:コリメートレンズ
6:リングフィルター

Claims (15)

  1. 冷媒を含む組成物であって、
    前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)を含み、
    前記冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計の含有割合が99.5質量%以上である、組成物。
  2. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が14.0~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合が35.2~79.0質量%であり、かつ
    R134aの含有割合が7.0~20.8質量%である、請求項1に記載の組成物。
  3. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR134aの合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合が35.2~72.0質量%であり、かつ
    R134aの含有割合が7.0~20.8質量%である、請求項1に記載の組成物。
  4. 冷媒を含む組成物であって、
    前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びペンタフルオロエタン(R125)を含み、前記冷媒の合計に対して、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計の含有割合が99.5質量%以上である組成物。
  5. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が11.5~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合が47.5~85.5質量%であり、かつ
    R125の含有割合が3.0~8.5質量%である、請求項4に記載の組成物。
  6. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びR125の合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合が47.5~76.0質量%であり、かつ
    R125の含有割合が3.0~8.5質量%である、請求項4に記載の組成物。
  7. 冷媒を含む組成物であって、
    前記冷媒が、HFO-1132(E)、HFO-1234yf及び1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-プロペン(FO-1216)を含む組成物。
  8. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が12.5~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合16.0~72.5質量%であり、かつ
    FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%である、請求項7に記載の組成物。
  9. HFO-1132(E)、HFO-1234yf及びFO-1216の合計に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が21.0~44.0質量%であり、
    HFO-1234yfの含有割合16.0~64.0質量%であり、かつ
    FO-1216の含有割合が15.0~40.0質量%である、請求項7に記載の組成物。
  10. R12、R22、R134a、R404A、R407A、R407C、R407F、R407H、R410A、R413A、R417A、R422A、R422B、R422C、R422D、R423A、R424A、R426A、R427A、R430A、R434A、R437A、R438A、R448A、R449A、R449B、R449C、R452A、R452B、R454A、R454B、R454C、R455A、R465A、R502、R507、R513A、R1234yf又はR1234zeの代替冷媒として用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 車載用空調機器を運転するために用いられる、請求項1~9のいずれか一項に組成物。
  12. 前記空調機器が、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用である、請求項11に記載の組成物。
  13. さらに、冷凍機油を含有し、冷凍装置用作動流体として用いられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む冷凍方法。
  15. 請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置。
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