JP2023037378A - 高減衰ゴム組成物とそれを用いた粘弾性ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】風揺れのような低歪の揺れに対しても振動の減衰性能にすぐれる上、減衰性能の温度依存性も小さい粘弾性体を製造しうる高減衰ゴム組成物と、当該高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備えた粘弾性ダンパとを提供する。【解決手段】高減衰ゴム組成物は、SBRを含むゴム、当該ゴムの総量100質量部あたり95~165質量部のカーボンブラック、12~28質量部の可塑剤、および7~28質量部の、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーを含み、可塑剤と液状ポリマーの合計の割合が、ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下である。粘弾性ダンパは、上記高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、高減衰ゴム組成物、および当該高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備えた粘弾性ダンパに関するものである。
粘弾性体は、架橋性のゴムを含み、架橋によって各種の用途に適した高い減衰性能を有する粘弾性体を形成しうるゴム組成物、すなわち高減衰ゴム組成物によって形成するのが一般的である(特許文献1~5等参照)。
特許第3523613号公報 特許第4938269号公報 特許第2796044号公報 特許第5086386号公報 国際公開WO2020/179655A1
近時、粘弾性体には、地震による高歪領域(歪み200%程度)での減衰性能だけでなく、風揺れのような低歪領域(歪み10%程度)でも減衰性能を改善することが求められつつある。しかし、特許文献1~5に記載のものなどの従来の高減衰ゴム組成物では、かかる要求に十分に対応しうる粘弾性体を形成することはできない。
また、上記従来の高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体は、減衰性能の温度依存性が大きく、とくに10℃以下といった低温の環境下から、30℃以上といった高温の環境下までの間で、減衰性能が大きく変動する傾向もある。
本開示の目的は、風揺れのような低歪の揺れに対しても振動の減衰性能にすぐれる上、減衰性能の温度依存性も小さい粘弾性体を製造しうる高減衰ゴム組成物と、当該高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備えた粘弾性ダンパとを提供することにある。
本開示は、
少なくともスチレンブタジエンゴムを含む、架橋性を有し、かつ架橋前に常温で固形状を呈するゴム、
前記ゴムの総量100質量部あたり、
95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラック、
12質量部以上、28質量部以下の可塑剤、および
7質量部以上、28質量部以下の、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマー、
を含み、前記可塑剤と前記液状ポリマーの合計の割合が、前記ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下である高減衰ゴム組成物である。
また本開示は、かかる本開示の高減衰ゴム組成物の架橋物からなる粘弾性体を含む粘弾性ダンパである。
本開示によれば、風揺れのような低歪の揺れに対しても振動の減衰性能にすぐれる上、減衰性能の温度依存性も小さい粘弾性体を製造しうる高減衰ゴム組成物と、当該高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備えた粘弾性ダンパとを提供することができる。
本開示の実施例、比較例の高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体の減衰性能を評価するために作製する、上記粘弾性体のモデルとしての試験体を分解して示す分解斜視図である。 同図(a)(b)は、上記試験体を変位させて変位量と荷重との関係を求めるための試験機の概略を説明する図である。 上記試験機を用いて試験体を変位させて求められる、変位量と荷重との関係を示すヒステリシスループの一例を示すグラフである。
《高減衰ゴム組成物》
上述したように本開示の高減衰ゴム組成物は、
少なくともスチレンブタジエンゴム(SBR)を含む、架橋性を有し、かつ架橋前に常温(5~35℃)で固形状を呈するゴム、
当該ゴムの総量100質量部あたり、
95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラック、
12質量部以上、28質量部以下の可塑剤、および
7質量部以上、28質量部以下の、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマー、
を含み、上記可塑剤と液状ポリマーの合計の割合が、ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下であることを特徴とする。
かかる本開示の高減衰ゴム組成物によれば、SBRと、当該SBRを含むゴムの総量100質量部あたり95質量部以上のカーボンブラックとの相互作用によって、粘弾性体に、減衰性能に寄与するヒステリシスロスを生じさせることができる。
またカーボンブラックの割合を、ゴムの総量100質量部あたり165質量部以下とし、なおかつ可塑剤と、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーとを上記所定の割合で併用することで、硬化後の粘弾性体の剛性が高くなりすぎるのを抑制できる。そして粘弾性体に適度の柔軟性を付与して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上することができる。
しかも可塑剤と、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーとを上記所定の割合で併用することで、たとえば10℃以下といった低温の環境下から30℃以上といった高温の環境下までの間で粘弾性体の剛性が大きく変動するのを抑制できる。そして、剛性の変動に伴って減衰性能が大きく変動するのを抑制して、減衰性能の温度依存性を小さくすることができる。
よって本開示の高減衰ゴム組成物によれば、風揺れのような低歪の揺れに対しても振動の減衰性能にすぐれる上、減衰性能の温度依存性も小さい粘弾性体を製造することが可能となる。これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
〈ゴム〉
(SBR)
SBRとしては、スチレンと1,3-ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成された、架橋性を有するSBRのうち、架橋前に常温で固形状を呈する種々のSBRを用いることができる。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本開示では、このいずれのタイプのSBRを用いてもよい。
とくにSBRとしては、スチレン含量が25質量%未満であるSBRを選択して用いるのが好ましい。スチレン含量が25質量%未満であるSBRを選択して用いることにより、減衰性能の温度依存性を、さらに小さくすることができる。また、スチレン含量が25質量%未満であるSBRは汎用で入手が容易であるため、高減衰ゴム組成物、ひいては粘弾性体の生産コストを低減することもできる。
スチレン含量が25質量%未満であるSBRの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種SBRが挙げられる。これらSBRの1種または2種以上を用いることができる。
JSR(株)製のJSR1500〔スチレン含量:23.5%、非油展タイプ〕、JSR1502〔スチレン含量:23.5%、非油展タイプ〕、JSR1503〔スチレン含量:23.5%、非油展タイプ〕、JSR1507〔スチレン含量:23.5%、非油展タイプ〕、JSR1723〔スチレン含量:23.5質量%、油展タイプ、油展量:27.3phr〕、JSR1778〔スチレン含量:23.5質量%、油展タイプ、油展量:27.3phr〕、JSR1778N〔スチレン含量:23.5質量%、油展タイプ、油展量:27.3phr〕。
日本ゼオン(株)製のNipоl(登録商標)1502〔スチレン含量:23.5%、非油展タイプ〕、Nipоl 1723〔スチレン含量:23.5質量%、油展タイプ、油展量:37.5phr〕。
(他のゴム)
ゴムとしては、SBRのみを用いてもよいし、当該SBRとともに、他のゴムを併用してもよい。他のゴムとしては、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。
このうち天然ゴムとしては、たとえばSMR(Standard Malaysian Rubber)-CV60等の各種グレードの天然ゴムや、あるいは各種の脱蛋白天然ゴム等の1種または2種以上を用いることができる。
IRとしては、天然ゴムの構造を人工的に再現したポリイソプレン構造を有し、なおかつ架橋性を有する上、架橋前に常温で固形状を呈する種々のIRの1種または2種以上が、いずれも使用可能である。
BRとしては、分子中にポリブタジエン構造を備え、架橋性を有する上、架橋前に常温で固形状を呈する種々のBRがいずれも使用可能である。とくに、高温から低温までの広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス-1,4結合の含量が95%以上の高シスBRが好ましい。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本開示では、このいずれのタイプのBRを用いてもよい。これらBRの1種または2種以上を用いることができる。
ただし、SBRを用いることによる本開示の効果をより一層向上することを考慮すると、ゴムとしては、とくにスチレン含量が25質量%未満であるSBRを、ゴムの総量100質量部中の90質量部以上の割合で用いるのが好ましい。とくに上記他のゴムを併用せず、スチレン含量が25質量%未満であるSBRのみ(2種以上のSBRを併用する場合を含む)を用いるのがさらに好ましい。
〈カーボンブラック〉
カーボンブラックとしては、製造方法等によって分類される種々のカーボンブラックのうち、たとえばファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の、充填剤として機能しうるカーボンブラックを用いることができる。
カーボンブラックの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種カーボンブラックが挙げられる。これらカーボンブラックの1種または2種以上を用いることができる。
東海カーボン(株)製のシースト(登録商標)シリーズのうちシースト9H(SAF-HS)、シースト9(SAF)、シースト7HM(N234)、シースト6(ISAF)、シースト600(ISAF-LS)、シースト5H(IISAF)、シーストKH(N399)、シースト3H(HAF-HS)、シーストNH(N351)、シースト3(HAF)、シーストN(LI-HAF)、シースト300(HAF-LS)、シースト116HM(MAF-HS)、シースト116(MAF)、シーストSO(FEF)、シーストV(GPF)、シーストSVH(SRF-HS)、シーストFY(SRF-HS)、シーストS(SRF)、シーストSP(SRF-LS)、シーストTA(FT級)。
旭カーボン(株)製の旭#95、旭#80、旭#70、旭#70L、旭AX-015、旭F-200GS、旭#65、旭#60HN、旭#60U、旭#55、旭#50HG、旭#52、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#22K、旭#15HS、旭#15、旭#8、アサヒサーマル。
〈カーボンブラックの割合〉
カーボンブラックの割合は、先に説明したように、ゴムの総量100質量部あたり95質量部以上、165質量部以下である必要がある。この理由も、先に説明したとおりである。
すなわち、カーボンブラックの割合を、ゴムの総量100質量部あたり95質量部以上とすることで、粘弾性体に、減衰性能に寄与するヒステリシスロスを生じさせることができる。またカーボンブラックの割合を、ゴムの総量100質量部あたり165質量部以下とすることで、硬化後の粘弾性体の剛性が高くなりすぎるのを抑制し、当該粘弾性体に適度の柔軟性を付与することができる。そして、とくに風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上することができる。
なおカーボンブラックの割合が、ゴムの総量100質量部あたり165質量部以下に限定されるのは、次の理由にもよる。すなわち、この範囲を超える多量のカーボンブラックを、たとえば混練機等を用いて、ゴムやその他の成分と混錬しても、均一に混練するのは困難で、高減衰ゴム組成物を効率よく調製できない場合がある。これに対し、カーボンブラックの割合を上記の範囲とすることで、ゴムやその他の成分と良好に混練して、高減衰ゴム組成物を効率よく調製することができる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、カーボンブラックの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり98質量部以上、とくに100質量部以上であるのが好ましく、162質量部以下、とくに160質量部以下であるのが好ましい。また、SBR等のゴムとして油展タイプのものを使用する場合、上記の割合は、当該油展タイプのゴム中に含まれる伸展油を除外した、固形分としてのゴム自体の総量100質量部あたりの割合とする(以下、他の成分の割合についても同様とする)。
〈可塑剤〉
可塑剤としては、高減衰ゴム組成物の可塑剤、加工助剤等として機能し、なおかつ粘弾性体に適度の柔軟性を付与して風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上できる上、当該減衰性能の温度依存性を小さくできる種々の可塑剤が挙げられる。
可塑剤としては、たとえばエステル系可塑剤やオイル等が挙げられ、このうちオイルとしては、たとえばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。またエステル系可塑剤としては、たとえばフタル酸エステル、二塩基酸エステル、リシノール酸エステル、ポリエステル、酢酸エステル、スルホンアミド、混基二塩基酸エステル、正リン酸エステル等が挙げられる。これら可塑剤の1種または2種以上を用いることができる。
中でも可塑剤としては、エステル系可塑剤、パラフィン系プロセスオイル、およびナフテン系プロセスオイルからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、とくに低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上する効果と、温度依存性を小さくする効果とのバランスのよいリン酸エステル系可塑剤がさらに好ましい。
リン酸エステル系可塑剤としては、たとえばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の1種または2種以上を用いることができる。
〈液状ポリマー〉
液状ポリマーとしては、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である種々の液状ポリマーを用いることができる。液状ポリマーのガラス転移温度Tgがこの範囲に限定されるのは、ガラス転移温度Tgが-50℃を超える液状ポリマーを用いた場合には、とくに低温環境下で粘弾性体の剛性が高くなり、減衰性能が低下して、当該減衰性能の温度依存性が大きくなるためである。
これに対し、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーを選択して用いることによって減衰性能の温度依存性を小さくして、当該減衰性能が、低温環境下から高温環境下までの間で大きく変動するのを抑制することができる。
液状ポリマーとしては、とくに架橋性を有し、かつ架橋前に常温で液状を呈する、ガラス転移温度Tgが-50℃以下の液状ゴムを用いるのが好ましい。液状ゴムは、SBR等のゴムと架橋反応して架橋物中に取り込まれるため、ブリード等を生じにくい。液状ゴムとしては、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム、および液状スチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の液状ゴムのうち、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ゴムが挙げられる。これら液状ゴムの1種または2種以上を用いることができる。
このうち、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状イソプレンゴムの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種液状イソプレンゴムが挙げられる。
(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)シリーズのうちKL-10〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-63℃〕、LIR-30〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-63℃〕、LIR-50〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-63℃〕、LIR-310〔ブロックコポリマー、ガラス転移温度Tg:-63℃〕、LIR-390〔ブロックコポリマー、ガラス転移温度Tg:-95℃〕、LIR-403〔カルボキシル化タイプ、ガラス転移温度Tg:-60℃〕、LIR-410〔カルボキシル化タイプ、ガラス転移温度Tg:-59℃〕、LIR-290〔水添タイプ、ガラス転移温度Tg:-59℃〕、LIR-700〔ラテックスタイプ、ガラス転移温度Tg:-63℃〕。
また、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ブタジエンゴムの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種液状ブタジエンゴムが挙げられる。
(株)クラレ製のクラプレンシリーズのうちLBR-302〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-85℃〕、LBR-307〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-95℃〕、LBR-305〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-95℃〕、LBR-300〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-95℃〕、LBR-352〔ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-60℃〕。
〈可塑剤、および液状ポリマーの割合〉
可塑剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり12質量部以上、28質量部以下である必要がある。
可塑剤の割合がこの範囲未満では、当該可塑剤の、加工助剤としての機能が十分に得られないため、高減衰ゴム組成物を、たとえば混練機等を用いて均一に混練するのが難しくなって、当該高減衰ゴム組成物を効率よく調製できない場合がある。一方、可塑剤の割合が上記の範囲を超える場合には、高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎて、混練後に混練機の外へ引っ張り出そうとすると大きく伸びやすくなる。また、過剰の可塑剤が高減衰ゴム組成物の表面に滲出して、当該高減衰ゴム組成物が、混練機の内壁などに粘着しやすくもなる。そのため、混練後に高減衰ゴム組成物の全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまう場合がある。また、取り出した高減衰ゴム組成物を、粘弾性体の形状に成形加工するのが容易でなくなる場合もある。
これに対し、可塑剤の割合を上記の範囲とすることで、混錬しやすい状態を維持しながら高減衰ゴム組成物を調製することができる。また、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎたり、混練機の内壁などに粘着しやすくなったりするのを抑制しながら粘弾性体を製造することができる。すなわち、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することができる。
その上、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーとの併用効果によって、硬化後の粘弾性体の剛性が高くなりすぎるのを抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上することができる。また、上記液状ポリマーとの併用効果によって、低温から高温までの環境下で粘弾性体の剛性や減衰性能が大きく変動するのを抑制して、減衰性能の温度依存性を小さくすることもできる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、可塑剤の割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり13質量部以上、とくに15質量部以上であるのが好ましく、27質量部以下、とくに25質量部以下であるのが好ましい。なお前述したように、ゴムとして油展ゴムを使用する場合は、当該油展ゴム中に含まれる伸展油の量に応じて、可塑剤の割合を、上記の範囲でも少なめに調整すればよい。
ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーの割合は、ゴムの総量100質量部あたり7質量部以上、28質量部以下である必要がある。
液状ポリマーは、たとえば可塑剤と同量であれば、可塑剤よりも可塑化の効果が低い上、可塑剤より高減衰ゴム組成物の表面に滲出しにくい。そのため、可塑剤とともに液状ポリマーを併用するとともに、その割合を多くすることで、高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎたり、混練機の内壁などに粘着したりするのを抑制できる。
しかし、液状ポリマーの割合が上記の範囲未満では、これらの効果が不十分になって、混練後に高減衰ゴム組成物の全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまう場合がある。一方、液状ポリマーの割合が上記の範囲を超える場合には、減衰性能の温度依存性が大きくなる場合がある。
これに対し、液状ポリマーの割合を上記の範囲とすることで、混練後の高減衰ゴム組成物の全量を混練機から取り出しやすい状態を維持しながら高減衰ゴム組成物を調製することができる。その上、可塑剤との併用効果によって、硬化後の粘弾性体の剛性が高くなりすぎるのを抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上することができる。また、可塑剤との併用効果によって、低温から高温までの環境下で粘弾性体の剛性や減衰性能が大きく変動するのを抑制して、減衰性能の温度依存性を小さくすることもできる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、液状ポリマーの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり8質量部以上、とくに10質量部以上であるのが好ましく、27質量部以下、とくに25質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤と、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーとの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下である必要がある。
両者の合計の割合がこの範囲を超える場合には、高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎて、混練後に混練機の外へ引っ張り出そうとすると大きく伸びるなどして、全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまう場合がある。また、取り出した高減衰ゴム組成物を、粘弾性体の形状に成形加工するのが容易でなくなる場合もある。
これに対し、可塑剤と液状ポリマーの合計の割合を上記の範囲とすることで、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎるのを抑制しながら粘弾性体を製造することができる。しかも、可塑剤と液状ポリマーの併用効果によって、硬化後の粘弾性体の剛性が高くなりすぎるのを抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対する振動の減衰性能を向上することができる。また可塑剤と液状ポリマーの併用効果によって、低温から高温までの環境下で粘弾性体の剛性や減衰性能が大きく変動するのを抑制して、減衰性能の温度依存性を小さくすることもできる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、可塑剤と液状ポリマーの合計の割合は、上記の範囲でも28質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましく、43質量部以下、とくに40質量部以下であるのが好ましい。
〈架橋成分〉
ゴムを架橋させるため、高減衰ゴム組成物には架橋成分を配合する。架橋成分としては、架橋剤と架橋促進剤とを併用する。
(架橋剤)
架橋剤としては、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。また硫黄系架橋剤としては、たとえば粉末硫黄、オイル処理粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、あるいは、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N-ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などを用いることができ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄等の架橋剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.8質量部以上、とくに0.9質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下、とくに2質量部以下であるのが好ましい。2種以上の架橋剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。また、たとえば硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
架橋剤は、ゴムを架橋させることで、当該ゴムの運動を抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対して強いヒステリシスロスを生じさせるために機能する。しかし、架橋剤の割合が上記の範囲未満ではかかる機能が十分に得られず、低歪の揺れに対する粘弾性体の減衰性能が低下する場合がある。一方、架橋剤の割合が上記の範囲を超える場合には、架橋によって粘弾性体の剛性が高くなりすぎて、とくに地震による高歪の揺れに対する、粘弾性体の減衰性能が低下する場合がある。
これに対し、架橋剤の割合を上記の範囲とすることによって粘弾性体の減衰性能を向上して、振動を良好に減衰することができる。
(架橋促進剤)
架橋促進剤としては、たとえばスルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤等が挙げられる。架橋促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。
このうちスルフェンアミド系促進剤としては、たとえばN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等の1種または2種以上を用いることができる。
またチウラム系促進剤としては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジペン
タメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上を用いることができる。
架橋促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.1質量部以上、とくに0.5質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下、とくに2質量部以下であるのが好ましい。2種以上の架橋剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
架橋促進剤は、架橋剤による、ゴムを架橋させることで、当該ゴムの運動を抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対して強いヒステリシスロスを生じさせる機能を補助する働きをする。しかし、架橋促進剤の割合が上記の範囲未満ではかかる機能が十分に得られず、低歪の揺れに対する粘弾性体の減衰性能が低下する場合がある。一方、架橋促進剤の割合が上記の範囲を超える場合には、架橋によって粘弾性体の剛性が高くなりすぎて、とくに地震による高歪の揺れに対する、粘弾性体の減衰性能が低下する場合がある。
これに対し、架橋促進剤の割合を上記の範囲とすることによって粘弾性体の減衰性能を向上して、振動を良好に減衰することができる。
〈その他の成分〉
本開示の高減衰ゴム組成物には、上記の各成分に加えて、さらに粘着性付与剤、軟化剤、老化防止剤、架橋助剤等を、適宜の割合で配合してもよい。
(粘着性付与剤)
粘着性付与剤としては、たとえばテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
このうちテルペン系樹脂としては、たとえばα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に無水マレイン酸を付加した変性物が挙げられる。これらテルペン系樹脂の1種または2種以上を用いることができる。
ロジン系樹脂としては、たとえばロジンと多価アルコールとのエステルやロジン変性マレイン酸樹脂等の、構成成分としてロジンを含む樹脂であって、粘着性付与剤として機能して粘弾性体の減衰性能を向上する効果を有する種々の誘導体を用いることができる。
ロジン系樹脂としては、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トールロジン等のロジンや、当該ロジンを原料とした水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、(メタ)アクリル酸変性ロジン、アルコールと縮合したエステル化ロジン、フェノール変性ロジンなどが挙げられる。
ロジン系樹脂の具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種ロジン系樹脂が挙げられる。これらロジン系樹脂の1種または2種以上を用いることができる。
荒川化学工業(株)製のパインクリスタル(登録商標)シリーズのうちKR-85(軟化点:80~87℃)、KR-612(軟化点:80~90℃)、KR-614(軟化点:84~94℃)、KE-100(軟化点:95~105℃)、KE-311(軟化点:90~100℃)、KE-359(軟化点:94~104℃)、KE-604(軟化点:124~134℃)。
ハリマ化成(株)製の商品名ハリエスターシリーズのうちMSR-4(軟化点:127℃)、DS-130(軟化点:135℃)、AD-130(軟化点:135℃)、DS-816(軟化点:148℃)、DS-822(軟化点:172℃)。
ハリマ化成(株)製の商品名ハリマックシリーズのうち145P(軟化点:138℃)、135GN(軟化点:139℃)、AS-5(軟化点:165℃)。
さらに石油系樹脂としては、たとえばジシクロペンタジエン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に環状の多塩基酸無水物を付加した変性物などが挙げられる。これら石油系樹脂の1種または2種以上を用いることができる。
ジシクロペンタジエン系樹脂としては、これに限定されないが、たとえば丸善石油化学(株)製のマルカレッツ(登録商標)M890A(軟化点:105℃)等が挙げられる。また、C9系石油樹脂の具体例としては、これに限定されないが、たとえば東ソー(株)製のペトコール(登録商標)LX(重量平均分子量1400、軟化点98℃)等が挙げられる。
粘着性付与剤の割合は、カーボンブラック100質量部あたり40質量部以上、とくに45質量部以上であるのが好ましく、95質量部以下、とくに90質量部以下であるのが好ましい。
粘着性付与剤の割合がこの範囲を超える場合には、高減衰ゴム組成物の加工性が低下する場合がある。すなわち、高減衰ゴム組成物のもとになる混合物の粘性や粘着性が高すぎて混練しにくい状態となって、当該高減衰ゴム組成物を調製するのが容易でなくなる場合がある。また、調製した高減衰ゴム組成物の粘着性が高すぎて、混練後に全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったり、粘弾性体の形状に成形加工するのが容易でなくなったりする場合もある。
これに対し、粘着付与剤の割合を上記の範囲とすることにより、混練しやすい状態を維持しながら高減衰ゴム組成物を調製することができ、かつ調製した高減衰ゴム組成物の粘着性が高くなりすぎるのを抑制しながら粘弾性体を製造することができる。つまり、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することができる。
なお粘着性付与剤の割合は、高減衰ゴム組成物の加工性をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲でも、カーボンブラック100質量部あたり85質量部以下であるのがとくに好ましい。2種以上の粘着付与剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
(軟化剤)
軟化剤は、高減衰ゴム組成物の加工性をさらに向上するための成分であって、当該軟化剤としては、たとえば石炭系樹脂が挙げられる。また石炭系樹脂としては、たとえばクマロン樹脂、クマロン・インデン樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に環状の多塩基酸無水物を付加した変性物などが挙げられる。中でも、クマロン・インデン樹脂が好ましい。
クマロン・インデン樹脂としては、主にクマロンとインデンの重合物からなり、平均分子量1000以下程度の比較的低分子量であって、軟化剤として機能しうる種々のクマロン・インデン樹脂が使用可能である。
クマロン・インデン樹脂としては、これに限定されないが、たとえば日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG-90〔平均分子量:770、軟化点:90℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価9g/100g〕、G-100N〔平均分子量:730、軟化点:100℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価11g/100g〕、V-120〔平均分子量:960、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価6g/100g〕、V-120S〔平均分子量:950、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価7g/100g〕等の1種または2種以上を用いることができる。
クマロン・インデン樹脂の割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、とくに3質量部以上であるのが好ましく、25質量部以下、とくに20質量部以下であるのが好ましい。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、たとえばベンズイミダゾール系、キノン系、ポリフェノール系、アミン系等の各種老化防止剤の1種または2種以上を用いることができ、とくにベンズイミダゾール系老化防止剤とキノン系老化防止剤を併用するのが好ましい。
このうちベンズイミダゾール系老化防止剤としては、たとえば2-メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。ベンズイミダゾール系老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上、とくに1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、とくに3質量部以下であるのが好ましい。
またキノン系老化防止剤の具体例としては、たとえば丸石化学品(株)製のアンチゲンFR〔芳香族ケトン-アミン縮合物〕等を用いることができる。キノン系老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上、とくに1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、とくに3質量部以下であるのが好ましい。
(架橋助剤)
架橋助剤としては、たとえば酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上を用いることができ、とくに酸化亜鉛とステアリン酸とを併用するのが好ましい。
このうち、酸化亜鉛の割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、とくに3質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下、とくに5質量部以下であるのが好ましい。またステアリン酸の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上、とくに1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、とくに3質量部以下であるのが好ましい。
〈高減衰ゴム組成物〉
上記各成分を含む本開示の高減衰ゴム組成物によれば、たとえばビル等の建築物の基礎に組み込まれる免震用の粘弾性支承や、あるいは建築物の構造中に組み込まれる制振(制震)用の粘弾性ダンパを構成する粘弾性体を形成することができる。また、本開示の高減衰ゴム組成物によれば、たとえば吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類あるいは家庭用電気機器類等の防振部材等として使用される各種の粘弾性体を形成することもできる。
しかも本開示によれば、SBRを含むゴムやカーボンブラック、可塑剤、液状ポリマー、架橋成分その他、各種成分の種類、組み合わせ、および割合を調整することにより、それぞれの粘弾性体を、それぞれの用途に適したすぐれた減衰性能を有するものとすることができる。
《粘弾性ダンパ》
とくに、本開示の高減衰ゴム組成物を形成材料として用いて、高層ビルなどに組み込まれる、粘弾性ダンパとしてのビル用制振ダンパの粘弾性体を形成した場合には、風揺れのような低歪の揺れから、地震による高歪の揺れまで、広い範囲の揺れを有効に抑えることができる。
以下に本開示を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本開示の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
SBR〔JSR(株)製のJSR1502、スチレン含量:23.5質量%、非油展タイプ〕100質量部に、カーボンブラック〔東海カーボン(株)製のシースト3(HAF)〕100質量部、および下記の各成分と、表1に示す各成分とを配合して、密閉式混練機を用いて混練した。
(可塑剤)
リン酸エステル系可塑剤〔トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、大八化学工業(株)製のTOP〕15質量部
(液状ポリマー)
液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製のクラプレンLIR-50、ホモポリマー、ガラス転移温度Tg:-63℃〕15質量部
Figure 2023037378000002
表中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、それぞれSBR100質量部あたりの質量部である。
ロジン系樹脂:荒川化学工業(株)製のパインクリスタルKR-85(軟化点:80~87℃)
ベンズイミダゾール系老化防止剤:2-メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)MB
キノン系老化防止剤:丸石化学品(株)製のアンチゲンFR
酸化亜鉛2種:三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸:日油(株)製の「つばき」
次いで、下記表2に示す架橋成分を加えてさらに混練して、高減衰ゴム組成物を調製した。
Figure 2023037378000003
表中の各成分は下記のとおりであり、表中の質量部は、それぞれSBR100質量部あたりの質量部である。
5%オイル処理粉末硫黄:加硫剤、鶴見化学工業(株)製、硫黄自体の量は1.425質量部
スルフェンアミド系促進剤:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、川口化学工業(株)製のACCEL(登録商標)CZ
チウラム系促進剤:テトラエチルチウラムジスルフィド、川口化学工業(株)製のACCEL TET
SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は100質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は15質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は30質量部であった。
〈実施例2〉
カーボンブラックの量を160質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は160質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈実施例3〉
カーボンブラックの量を130質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は15質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は30質量部であった。
〈実施例4〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈実施例5〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を20質量部、液状イソプレンゴムの量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は20質量部、液状イソプレンゴムの割合は10質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は30質量部であった。
〈実施例6〉
カーボンブラックの量を130質量部、液状イソプレンゴムの量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は15質量部、液状イソプレンゴムの割合は25質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈実施例7〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を20質量部、液状イソプレンゴムの量を20質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は20質量部、液状イソプレンゴムの割合は20質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈比較例1〉
カーボンブラックの量を90質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は90質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は15質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は30質量部であった。
〈比較例2〉
カーボンブラックの量を170質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製しようとしたが、均一に混練することができなかったため後述する評価を断念した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は170質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈比較例3〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製しようとしたが、均一に混練することができなかったため後述する評価を断念した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は10質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は25質量部であった。
〈比較例4〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を30質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製したが、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎたり、混練機の内壁などに粘着しやすくなったりして、全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったため、後述する評価を断念した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は30質量部、液状イソプレンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は45質量部であった。
〈比較例5〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部、液状イソプレンゴムの量を5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製したが、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎたり、混練機の内壁などに粘着しやすくなったりして、全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったため、後述する評価を断念した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状イソプレンゴムの割合は5質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は30質量部であった。
〈比較例6〉
カーボンブラックの量を130質量部、液状イソプレンゴムの量を30質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は15質量部、液状イソプレンゴムの割合は30質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は45質量部であった。
〈比較例7〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部、液状イソプレンゴムの量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製したが、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎたり、混練機の内壁などに粘着しやすくなったりして、全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったため、後述する評価を断念した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状イソプレンゴムの割合は25質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状イソプレンゴムの合計の割合は50質量部であった。
〈比較例8〉
カーボンブラックの量を130質量部、リン酸エステル系可塑剤の量を25質量部とし、なおかつ液状ポリマーとして、ガラス転移温度Tgが-14℃である液状スチレンブタジエンゴム〔(株)クラレ製のクラプレンL-SBR-820、ランダムコポリマー、ガラス転移温度Tg:-14℃〕15質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。SBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は130質量部、リン酸エステル系可塑剤の割合は25質量部、液状スチレンブタジエンゴムの割合は15質量部で、かつリン酸エステル系可塑剤と液状スチレンブタジエンゴムの合計の割合は40質量部であった。
〈加工性評価〉
下記(1)~(3)の作業を確認して、すべての作業を良好に実施できたものを加工性良(○)、いずれかの作業が良好に実施できなかったものの試験片を作製できたものを可(△)、いずれかの作業で問題を生じて試験片を作製できなかったものを不可(×)と評価した。
(1) 実施例、比較例で高減衰ゴム組成物を調製する際に、各成分を、密閉式混練機を用いて、混練から排出まで問題なく作業することができたか否か。
(2) 調製した高減衰ゴム組成物を、次項で説明する試験片を作製するために、シート状に押出成形できたか否か。
(3) シート状に押出成形した平板を架橋できたか否か。
〈減衰性能試験〉
(試験体の作製)
実施例、比較例で製造した高減衰ゴム組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように、平面形状が矩形の平板1(厚み8mm×縦40mm×横40mm)を形成した。
次いで、形成した平板1の表裏両面に、それぞれ加硫接着剤を介して、厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層体とした。そして上記積層体を、積層方向に加圧しながら170℃に加熱して、平板1を形成する高減衰ゴム組成物を架橋させるとともに、当該平板1を2枚の鋼板2と加硫接着させて、粘弾性体のモデルとしての減衰性能評価用の試験体3を作製した。
(変位試験)
上記試験体3を、図2(a)に示すように2個用意し、この2個の試験体3を、それぞれ、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4に固定するとともに、両試験体3の、他方の鋼板2に、それぞれ1枚ずつの左右固定治具5を固定した。
次いで中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介して固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、上記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介して固定した。なお両試験体3は、それぞれ平板1の互いに平行な2辺を下記変位方向と平行に揃えた状態で、上記のように固定した。
次いで、下記(I)(II)の操作を1サイクルとして、平板1を繰り返し歪み変形、すなわち振動させた際の、当該平板1の厚みと直交方向の変位量(mm)と、荷重(N)との関係を示すヒステリシスループH(図3参照)を求めた。
(I):可動盤8を、図2(a)中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向に押し上げるように変位させて、平板1を、図2(b)に示すように厚み方向と直交方向に歪み変形させた状態とする。
(II):上記の状態から、可動盤8を、今度は図2(b)中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向と反対方向に引き下げるように変位させて、図2(a)に示す状態に戻す。
測定は、温度23℃の常温環境下、上記(I)(II)の操作を3サイクル実施して3サイクル目の値を求めた。各サイクルにおける最大変位量は、いずれも平板1を挟む2枚の鋼板2の、当該平板1の厚み方向と直交方向のずれ量が、平板1の厚みに対して、風揺れのような低歪の揺れを再現した2%となるように設定した。
測定によって求めた図3のヒステリシスループHから、式(i):
Figure 2023037378000004
によって等価せん断弾性率Geq(N/mm)を求めた。式中、Keq(N/mm)は、ヒステリシスループHの最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図3中に太線の実線で示す直線L1の傾き、T(mm)は平板1の厚み、A(mm)は平板1の断面積である。
また、図3のヒステリシスループHから、式(ii):
Figure 2023037378000005
によって等価減衰定数Heqを求めた。式中のΔWは、図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量である。またWは、同図中に網線を付して示した、直線L1と、グラフの横軸と、直線L1とヒステリシスループHとの交点から上記横軸におろした垂線L2とで囲まれた三角形の領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーである。
そして、等価減衰定数Heqが0.25以上であったものを良(○)、0.25未満であったものを不可(×)として、低歪の揺れに対する常温での減衰性能を評価した。
また、温度10℃の低温環境下で同様の測定をして、等価せん断弾性率Geq(N/mm)、および等価減衰定数Heqを求めた。そして23℃の常温環境下での等価せん断弾性率をGeq、10℃の低温環境下での等価せん断弾性率をGeqとして両者の比RGeqL/O=Geq/Geqを求めた。
また同様に、23℃の常温環境下での等価減衰定数をHeq、10℃の低温環境下での等価減衰定数をHeqとして両者の比RHeqL/O=Heq/Heqを求めた。そしていずれの比も2.00以下であったものを良(○)、いずれか一方でも2.00を超えたものを不可(×)として、低温域での減衰性能の温度依存性を評価した。
さらに、温度30℃の高温環境下で同様の測定をして、等価せん断弾性率Geq(N/mm)、および等価減衰定数Heqを求めた。そして23℃の常温環境下での等価せん断弾性率をGeq、30℃の高温環境下での等価せん断弾性率をGeqとして両者の比RGeqH/O=Geq/Geqを求めた。
また同様に、23℃の常温環境下での等価減衰定数をHeq、30℃の高温環境下での等価減衰定数をHeqとして両者の比RHeqH/O=Heq/Heqを求めた。そしていずれの比も0.80以上であったものを良(○)、いずれか一方でも0.80未満であったものを不可(×)として、高温域での減衰性能の温度依存性を評価した。以上の結果を、表3~表5に示す。
Figure 2023037378000006
Figure 2023037378000007
Figure 2023037378000008
表3~表5の実施例1~7、比較例8の結果より、SBRを含むゴム、カーボンブラック、可塑剤、およびガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマーを併用することにより、風揺れのような低歪の揺れに対しても振動の減衰性能にすぐれる上、減衰性能の温度依存性も小さい粘弾性体を製造できることが判った。
ただし実施例1~7、比較例1~7の結果より、上記の効果を得るためには、ゴムの総量100質量部あたりの、カーボンブラックの割合が95質量部以上、165質量部以下、可塑剤の割合が12質量部以上、28質量部以下、液状ポリマーの割合が7質量部以上、28質量部以下で、かつ可塑剤と液状ポリマーの合計の割合が45質量部以下である必要があることが判った。
また上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は98質量部以上、とくに100質量部以上であるのが好ましく、162質量部以下、とくに160質量部以下であるのが好ましいこと、可塑剤の割合は13質量部以上、とくに15質量部以上であるのが好ましく、27質量部以下、とくに25質量部以下であるのが好ましいこと、液状ポリマーの割合は8質量部以上、とくに10質量部以上であるのが好ましく、27質量部以下、とくに25質量部以下であるのが好ましいこと、そして可塑剤と液状ポリマーの合計の割合は28質量部以上、とくに30質量部以上であるのが好ましく、43質量部以下、とくに40質量部以下であるのが好ましいことが判った。
本開示(1)は、少なくともスチレンブタジエンゴムを含む、架橋性を有し、かつ架橋前に常温で固形状を呈するゴム、
当該ゴムの総量100質量部あたり、
95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラック、
12質量部以上、28質量部以下の可塑剤、および
7質量部以上、28質量部以下の、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマー、
を含み、上記可塑剤と液状ポリマーの合計の割合が、ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下である高減衰ゴム組成物である。
本開示(2)は、スチレンブタジエンゴムを、ゴムの総量100質量部あたり、90質量部以上の割合で含む本開示(1)に記載の高減衰ゴム組成物である。
本開示(3)は、スチレンブタジエンゴムは、スチレン含量が25質量%未満のスチレンブタジエンゴムである本開示(1)または(2)に記載の高減衰ゴム組成物である。
本開示(4)は、可塑剤は、エステル系可塑剤、パラフィン系プロセスオイル、およびナフテン系プロセスオイルからなる群より選ばれた少なくとも1種である本開示(1)から(3)のいずれかに記載の高減衰ゴム組成物である。
本開示(5)は、可塑剤は、リン酸エステル系可塑剤である本開示(1)から(4)のいずれかに記載の高減衰ゴム組成物である。
本開示(6)は、液状ポリマーは、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム、および液状スチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の、架橋性を有し、かつ架橋前に常温で液状を呈する、ガラス転移温度Tgが-50℃以下の液状ゴムである本開示(1)から(5)のいずれかに記載の高減衰ゴム組成物である。
本開示(7)は、本開示(1)から(6)のいずれかに記載の高減衰ゴム組成物の架橋物からなる粘弾性体を含む粘弾性ダンパである。
1 平板
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
H ヒステリシスループ
L1 直線
L2 垂線
W 弾性歪みエネルギー
ΔW 吸収エネルギー量

Claims (7)

  1. 少なくともスチレンブタジエンゴムを含む、架橋性を有し、かつ架橋前に常温で固形状を呈するゴム、
    前記ゴムの総量100質量部あたり、
    95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラック、
    12質量部以上、28質量部以下の可塑剤、および
    7質量部以上、28質量部以下の、ガラス転移温度Tgが-50℃以下である液状ポリマー、
    を含み、前記可塑剤と前記液状ポリマーの合計の割合が、前記ゴムの総量100質量部あたり45質量部以下である高減衰ゴム組成物。
  2. 前記スチレンブタジエンゴムを、前記ゴムの総量100質量部あたり、90質量部以上の割合で含む請求項1に記載の高減衰ゴム組成物。
  3. 前記スチレンブタジエンゴムは、スチレン含量が25質量%未満のスチレンブタジエンゴムである請求項1または2に記載の高減衰ゴム組成物。
  4. 前記可塑剤は、エステル系可塑剤、パラフィン系プロセスオイル、およびナフテン系プロセスオイルからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
  5. 前記可塑剤は、リン酸エステル系可塑剤である請求項1~4のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
  6. 前記液状ポリマーは、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム、および液状スチレンブタジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の、架橋性を有し、かつ架橋前に常温で液状を呈する、ガラス転移温度Tgが-50℃以下の液状ゴムである請求項1~5のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物。
  7. 前記請求項1~6のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物の架橋物からなる粘弾性体を含む粘弾性ダンパ。
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