JP2023037266A - 紫芋搾汁と果汁を含有する発酵乳製品 - Google Patents

紫芋搾汁と果汁を含有する発酵乳製品 Download PDF

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Abstract

【課題】紫芋搾汁を含有するにも関わらず風味が良く、保存中に酸味が強くならないため風味が低下せず、保存中に色素が退色しない、紫芋搾汁を含有する発酵乳製品及びその製造方法を提供する。【解決手段】紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有することを特徴とする発酵乳製品および発酵乳と、紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを混合する工程を含むことを特徴とする発酵乳製品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、紫芋搾汁と果汁を含有する発酵乳製品およびその製造方法に関する。
紫芋には、アントシアニンが多く含まれており、肝機能改善など様々な効能があるため色々な飲食品の形態での活用が期待されていて、例えば、アントシアニン色素を多量に含有する紫芋(山川紫)搾汁と乳を混合したものを乳酸菌で発酵させた乳酸発酵食品に関する技術等が知られている(特許文献1)。この特許文献1では紫芋に含まれるアントシアニンが発酵の際に乳酸菌に分解されるため、乳酸菌の種類により発酵終了時の色調が異なり、乳酸菌の選択に留意することが記載されている。
一方、本発明者らは、乳を発酵する際に紫芋搾汁が存在する状態の発酵乳製品ではなく、発酵乳に紫芋搾汁を含有させた発酵乳製品を作製してみたところ発酵乳製品の風味があまり良くないこと、保存中に酸味が強くなり風味が低下すること、保存中に色素が退色してしまうことの3つの問題点を新たに見出した。
特開2001-86929号公報
従って、本発明が解決しようとしている課題は、上記のような紫芋搾汁を含有する発酵乳製品における問題点を解決することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、紫芋搾汁と、特定の果汁を組み合わせて発酵乳製品に含有させることにより、風味の問題を解決することを見出し、本発明を完成させた。更に、上記発酵乳製品のpHを制御することにより保存中の問題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有することを特徴とする発酵乳製品である。
また、本発明は、発酵乳と、紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを混合する工程を含むことを特徴とする発酵乳製品の製造方法である。
更に、本発明は、紫芋搾汁を含有する発酵乳製品に、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上を含有させることを特徴とする発酵乳製品の風味改善方法である。
また更に、本発明は、紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有する発酵乳製品のpHを4.3以下に調整することを特徴とする発酵乳製品の退色抑制方法である。
更にまた、本発明は、発酵乳とアントシアニン含有搾汁および/またはアントシアニン含有果汁を混合して得られる発酵乳製品のpHを4.3以下に調整することを特徴とする発酵乳製品の退色抑制方法である。
本発明の発酵乳製品は、紫芋搾汁を含有するにも関わらず、風味が良いものである。
また、本発明の発酵乳製品は、保存中に酸味が強くならないため風味が低下せず、保存中に色素が退色しない優れたものである。
本発明の発酵乳製品は、紫芋搾汁と、ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有するものである。
本発明の発酵乳製品で用いられる紫芋搾汁は、アントシアニンを含む紫芋の塊根を公知の搾汁方法で搾汁して得られるものである。紫芋は、特に限定されないが、例えば、アヤムラサキ、ムラサキマサリ、山川紫、種子島紫等が挙げられる。これら紫芋の中でもアントシアンが多く含まれるアヤムラサキが好ましい。紫芋搾汁は、市販のものも利用できる。果汁や野菜の搾汁の濃縮度は、それらを搾汁して得られるストレート搾汁を基準として求められ、典型的には、J A S 規格( 果実飲料の日本農林規格)に示される各果実や野菜固有の糖用屈折計示度の基準値(°Bx)に基づいて求めることができる。例えば、JAS規格によれば紫芋のストレート搾汁はBrix11である。本発明の発酵乳製品におけるアヤムラサキ搾汁の含有量は、特に限定されないが、15質量%より多いと保存中の発酵乳製品の酸度上昇が顕著になるため、ストレート換算で5~15質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは5~11%である。
本発明の発酵乳製品で用いられるブドウの果汁は、特に限定されず、例えば、ティントレラ、レッドグローブ、フレームシードレス、エンペラー等の赤ブドウ、ペドロヒメネス、セレサ、トロンテス、モスカテル、マルヴァジア等の白ブドウ等の品種のブドウの果実を公知の搾汁方法で搾汁して得られるものである。本発明の発酵乳製品におけるブドウの果汁の含有量は、特に限定されないが、ストレート換算で0.5~23%、好ましくは1.5~15%、より好ましくは3~15%、特に好ましくは5~9%である。ブドウの果汁はブドウの品種の1種または2種以上を組み合わせたものであってもよい。なお、ブドウのストレート果汁はBrix11である。
本発明の発酵乳製品で用いられるオレンジの果汁は、特に限定されず、ペラ、ナタル、バレンシア等の品種のオレンジの果実を公知の搾汁方法で搾汁して得られるものである。本発明の発酵乳製品におけるオレンジの果汁の含有量は、特に限定されないが、ストレート換算で3~15%、好ましくは5~9%である。オレンジの果汁はオレンジの品種の1種または2種以上を組み合わせたものであってもよい。なお、オレンジのストレート果汁はBrix11である。
本発明の発酵乳製品で用いられるブルーベリーの果汁は、特に限定されず、カルチベイト等の品種のブルーベリーの果実を公知の搾汁方法で搾汁して得られるものである。本発明の発酵乳製品におけるブルーベリーの果汁の含有量は、特に限定されないが、ストレート換算で3~15%、好ましくは5~9%である。ブルーベリーの果汁はブルーベリーの品種の1種または2種以上を組み合わせたものであってもよい。なお、ブルーベリーのストレート果汁はBrix10である。
本発明の発酵乳製品には、上記した果汁は1種または2種以上を含有させることができるが、効果の点からブドウの果汁を含有させることが好ましく、赤ブドウの果汁を含有させることがより好ましい。
また、本発明の発酵乳製品においては、紫芋搾汁とブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有していればよく、その質量比は特に限定されないが、ストレート換算で1:0.1~1.5、好ましくは1:0.3~1.3、特に好ましくは、1:0.7~1:1.3とする。
本発明の発酵乳製品は、pHの調整を行うことが好ましく、退色抑制効果の点からpHを4.3以下に調整することがより好ましく、4.3~4.2に調整することが特に好ましい。このpHの調整には、一般に食品に用いられる有機酸を用いればよい。このような有機酸としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。これら有機酸は1種または2種以上を用いることができるが、リンゴ酸、クエン酸または酒石酸から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましく、風味の低下をよりよく抑制できるためリンゴ酸を用いることがより好ましい。
更に、本発明の発酵乳製品は、ショ糖、ブドウ糖、果糖等の糖類を含有させてもよく、ショ糖を含有させることが風味の点から好ましい。本発明の発酵乳製品における糖類の含有量(ただし、発酵乳由来の乳糖は除く)は特に限定されないが、5%以上が好ましく、6~10%がより好ましい。
なお、上記した有機酸や糖類は、紫芋搾汁や果汁に含まれるものは除かれる(別途添加されるものである)。
本発明の発酵乳製品は、更に、通常用いられる各種食品素材を配合することができ、例えば、香料、乳化剤、ビタミン類等を含有させてもよい。
本発明の発酵乳製品は、特に形態は限定されないが、硬さを調整するためのゼラチン、寒天、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム等のゲル化剤を含有させてソフトヨーグルトやハードヨーグルト等の固形または半固形とすることが好ましい。このような形態であると保存中の退色が目立ちやすく、本発明の退色抑制の効果が発揮し易い。本発明の発酵乳製品におけるゲル化剤の含有量は特に限定されないが、例えば、0.2~1.0%、好ましくは0.4~0.8%である。ここで固形とは、容器を傾けても形状が変化しない状態のもので、レオメーターによる測定荷重が100g以上のものをいい半固形とは粘弾性を有するが、容器を傾けた場合に形態が流動的に変化する状態のもので、レオメーターによる測定荷重が15~100g未満のものをいう。荷重の測定方法としては、例えば、レオメーター「COMPAC-100II」((株)サン科学製)を用いて、プランジャー:円盤型φ30、ストローク:20mm、進入速度:75mm/minの条件で測定することができる。
本発明の発酵乳製品は、上記した紫芋搾汁と果汁(必要によりその他有機酸、糖類、ゲル化剤、香料等)を、予め乳酸菌で培地を発酵させた発酵乳(発酵乳ベース)に含有させる以外は、公知の発酵乳製品と同様にして製造できる。なお、発酵乳製品が固形または半固形の場合には、上記ゲル化剤を含有させた後に、適宜冷却等を行えば良い。
上記で用いられる発酵乳としては、特に限定されないが、乳酸菌で、牛乳、羊乳、山羊乳等の獣乳や、前記の獣乳を脱脂した脱脂乳、豆乳等の植物乳、これらの混合物等の培地を公知の方法で培養して得られるものである。
なお、本発明の発酵乳製品は、予め乳酸菌で培地を発酵させた発酵乳に紫芋搾汁と果汁を混合するため、特許文献1の技術と異なり、本発明の効果は乳酸菌の種類に特に限定されない。なお、本発明の発酵乳製品には、乳酸菌の生菌が含まれる。
乳酸菌としては、例えば、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)、ラクチカゼイバチルス・カゼイ(Lacticaseibacillus casei)等のラクチカゼイバチルス属細菌、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルッキィー サブスピーシーズ.デルブルッキィー(Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、等のラクトバチルス属細菌、リジラクトバチルス・サリバリウス(Ligilactobacillus salivarius)等のリジラクトバチルス属細菌、リモシラクトバチルス・ファーメンタム(Limosilactobacillus fermentum)等のリモシラクトバチルス属細菌、リコリラクトバチルス・マリ(Liquorilactobacillus mali)等のリコリラクトバチルス属細菌、ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)等のラクチプランチバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス・プランタルム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクチス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)等のエンテロコッカス属細菌を挙げることができ、これらの乳酸菌を1種または2種以上用いることができる。
上記培地で乳酸菌を培養する条件は特に制限されるものではないが、例えば、培養温度は通常20~50℃、好ましくは25~40℃、より好ましくは30~38℃である。培養時間は通常6~62時間であり、好ましくは12~48時間であり、より好ましくは15~30時間である。発酵方法は特に限定はされず、静置発酵、攪拌発酵、浸とう発酵、通気発酵等から適した方法を用いればよい。
なお、本発明においては、紫芋搾汁と、上記果汁とを含有する発酵乳製品のpHを調整することにより発酵乳製品の退色を抑制することができるが、これに留まらず、発酵乳とアントシアニン含有搾汁および/またはアントシアニン含有果汁を混合して得られる発酵乳製品のpHを4.3以下に調整することにより、このような発酵乳製品の退色も抑制することができる。
アントシアニン含有搾汁およびアントシアニン含有果汁は、アントシアニンを含有するものであれば特に限定されず、アントシアニン含有搾汁であれば、例えば、上記した紫芋搾汁の他、赤シソ、紫キャベツ、紫タマネギ、黒豆等の野菜の搾汁が挙げられ、また、アントシアニン含有果汁であれば、例えば、上記したブドウおよびベリーの果汁の他、リンゴ、桃、サクランボ、スモモ、プルーン等の果物の果汁が挙げられる。
発酵乳とアントシアニン含有搾汁および/またはアントシアニン含有果汁を混合して得られる発酵乳製品における含有量や製造方法、それらのpHを4.3以下に調整する方法は、紫芋搾汁と、上記果汁とを含有する発酵乳製品における含有量や製造方法、それらのpHを調整する方法と同様である。
斯くして得られる本発明の発酵乳製品は、紫芋搾汁を含有するにも関わらず風味が改善されたものとなる。
また、本発明の発酵乳製品は保存中に酸味が強くならないため風味が改善され、保存中に色素の退色が抑制された優れたものである。ここで保存中とは製品を製造後4~10℃で7~21日間程度のことをいう。また、色素の退色が抑制されるとは、アントシアニン由来の赤紫色が保存前と比較して薄くなることをいう。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
アヤムラサキ搾汁と組み合わせる果汁の種類と風味評価:
殺菌された25%脱脂粉乳溶液にストレプトコッカス・サーモフィルス(YIT 2001株)のシードスターターを0.2%となるように接種し、更に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(YIT 9029株)のシードスターターを0.1%となるように接種して37℃でpH4.5まで培養し、均質化機を用いて15Mpaで均質化し、発酵乳ベース1000gを調製した。この発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖(ファインリカー:ショ糖含量67%)120g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、表1に記載の量(ストレート換算)でアヤムラサキ搾汁、果汁(レモン透明果汁はストレート換算で3.0%、レモン透明果汁以外の果汁はストレート換算で5.0%)、水494gを添加、混合した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した(pH4.40)。製造直後の発酵乳製品について5名のパネラーにより下記の基準で風味を評価した。その結果も表1に示した。なお、何れの製品もアヤムラサキ搾汁由来のきれいな赤色を呈していた。
Figure 2023037266000001
<風味評価基準>
(評点)(内容)
5:良好
4:やや良好
3:どちらとも言えない(許容限界)
2:やや悪い
1:悪い
表1より、アヤムラサキ搾汁とブドウ、オレンジまたはブルーベリーの果汁が、アヤムラサキ搾汁単独の時よりも発酵乳製品の風味と調和し、風味が向上していた。ブドウ果汁、特に赤ブドウ果汁はアヤムラサキ搾汁と組み合わせた場合に風味が顕著に向上していた。なお、アヤムラサキ搾汁と組み合わせる果汁の種類によってはかえって風味が悪くなるものが多かった。
上記で使用した乳酸菌のうち、ストレプトコッカス・サーモフィルス(YIT 2001株)は、ストレプトコッカス・サーモフィルスYIT 2001(FERM BP-7538、受託日:平成13年1月31日)として、また、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(YIT 9029株)は、ラクトバチルス・カゼイYIT 9029(FERM BP-1366、受託日:昭和56年5月1日)として、それぞれブダペスト条約の国際寄託当局である独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(〒292-0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に国際寄託されている。なお、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ YIT 9029株は以前の分類ではラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)とされていたが、近年ラクトバチルス属の再分類がなされ、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイに分類された(Zheng et al., A taxonomic note on the genus Lactobacillus : Description of 23 novel genera, emended description of the genus Lactobacillus Beijerinck 1901, and union of Lactobacillaceae and Leuconostocaceae. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 2020 Apr; 70(4):2782-2858 DOI 10.1099/ijsem.0.004107)。
実 施 例 2
アヤムラサキ搾汁および赤ブドウ果汁の含有量と風味評価:
実施例1で使用した発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖120g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、水494g、表2に記載の量(ストレート換算)で実施例1と同様のアヤムラサキ搾汁、赤ブドウ果汁を添加、混合した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した(pH4.40)。この発酵乳製品について実施例1と同様に製造直後の0日目、製造後11日目(10℃保存)、製造後21日目(10℃保存)の風味を評価した。その結果も表2に示した。
Figure 2023037266000002
赤ブドウ果汁を含まない発酵乳製品は、保存後の酸味の上昇とアヤムラサキ搾汁の風味が合わず、保存期間が長くなるに従い、風味劣化が顕著であった。一方、表2より、アヤムラサキ搾汁と赤ブドウ果汁の質量比はストレート換算で1:0.35~1:1.28であれば、11日保存後でも赤ブドウ果汁を含んでいないものと比較して風味劣化が抑制されていることが確認された。また、特に、長い期間保存するのであれば、アヤムラサキ搾汁と赤ブドウ果汁の質量比はストレート換算で1:0.7~1:1.28であることが風味劣化を抑制するため好ましいことが分かった。なお、アヤムラサキ搾汁が同量含まれる系は、保存後の酸度上昇が同程度であった。そのため、赤ブドウ果汁は発酵乳製品の酸度上昇には影響を与えず、風味のみに寄与していることが分かった。
実 施 例 3
pHの調整による退色と風味の評価:
実施例1で使用した発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖120g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、水494g、実施例1と同様のアヤムラサキ搾汁(ストレート換算で7.0%となる量)、赤ブドウ果汁(ストレート換算で7.1%となる量)を添加、混合し、クエン酸を添加してpHを表3の値に調整した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した。この発酵乳製品について実施例1と同様に風味を評価した。また、上記処方から粉末寒天を除いた半固形の発酵乳製品を用いて、製造後7日目の退色を、5名のパネラーにより以下の基準で評価した。この結果も表3に示した。
Figure 2023037266000003
<退色抑制効果評価基準>
(評点)(内容)
◎:退色が認められない
○:わずかに異なる
△:感知し得るほど異なる
×:著しく色が異なる
表3より、製品のpHを何もしない場合の4.4よりも低く調整することにより、退色が改善されることが分かったが、pHを低くしすぎると風味が損なわれることも分かった。そのため、製品のpHは4.2~4.3が好ましいことが分かった。
実 施 例 4
有機酸の種類と風味評価:
実施例1で使用した発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖120g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、水494g、表4に記載の量(ストレート換算)で実施例1と同様のアヤムラサキ搾汁、赤ブドウ果汁を添加、混合し、表4に記載の有機酸を添加してpHを4.3に調整した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した。この発酵乳製品について実施例1と同様に製造直後の0日目、製造後12日目、製造後21日目の風味を評価した。この結果を表4に示した。また、上記処方から粉末寒天を除いた半固形の発酵乳製品を用いて、製造後7日目の退色を以下の基準で評価した。この結果も表4に示した。
Figure 2023037266000004
表4より、何れの有機酸でも風味改善の効果があることが認められたが、長期保存の場合には、特にリンゴ酸が好ましいことが分かった。また、何れの有機酸も同等の退色効果が確認された。
実 施 例 5
糖の種類と風味評価:
実施例1で使用した発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖71~120g、ぶどう糖果糖液糖0~44g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、水494g、実施例1と同様のアヤムラサキ搾汁(ストレート換算で7.0%となる量)、赤ブドウ果汁(ストレート換算で7.1%となる量)を添加、混合し、クエン酸を添加してpHを4.3に調整した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した。この発酵乳製品について実施例1と同様に製造直後の0日目の風味を評価した。この結果を表5に示した。
Figure 2023037266000005
表5より、糖類としてショ糖のみを用いた方が風味の改善効果が高いことが分かった。
実 施 例 6
ショ糖の量と風味評価:
実施例1で使用した発酵乳ベース380gに、蔗糖型液糖106~135g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、水479~508g、実施例1と同様のアヤムラサキ搾汁(ストレート換算で7.0%となる量)、赤ブドウ果汁(ストレート換算で7.1%となる量)を添加、混合し、クエン酸を添加してpHを4.3に調整した後、所定の容器に入れて冷却して固形の発酵乳製品を製造した。この発酵乳製品について実施例1と同様に製造直後の風味を評価した。この結果を表6に示した。
Figure 2023037266000006
表6より、ショ糖の含有量は特に7.6~8.1%が好ましいことが分かった。
本発明は、紫芋搾汁に含有されるアントシアニン等の機能性成分や発酵乳の機能性成分を日常的に摂取するのに利用することができる。

Claims (15)

  1. 紫芋搾汁と、
    ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有することを特徴とする発酵乳製品。
  2. 紫芋搾汁をストレート換算で5~15質量%含有するものである請求項1記載の発酵乳製品。
  3. 紫芋搾汁とブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とをストレート換算で1:0.1~1.5含有するものである請求項1または2記載の発酵乳製品。
  4. 紫芋が、アヤムラサキである請求項1~3の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  5. pHが4.3以下である請求項1~4の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  6. リンゴ酸、コハク酸、クエン酸および酒石酸からなる群から選ばれる有機酸の1種または2種以上を含有するものである請求項1~5の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  7. リンゴ酸を含有するものである請求項1~5の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  8. ショ糖を含有するものである請求項1~7の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  9. 固形または半固形である請求項1~8の何れか1項に記載の発酵乳製品。
  10. 発酵乳と、紫芋搾汁と、
    ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを混合する工程を含むことを特徴とする発酵乳製品の製造方法。
  11. pHを4.3以下に調整する工程を含む請求項10記載の発酵乳製品の製造方法。
  12. 紫芋搾汁を含有する発酵乳製品に、
    ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上を含有させることを特徴とする発酵乳製品の風味改善方法。
  13. pHを4.3以下に調整する請求項12記載の発酵乳製品の風味改善方法。
  14. 紫芋搾汁と、
    ブドウ、オレンジおよびブルーベリーからなる群から選ばれる果汁の1種または2種以上とを含有する発酵乳製品のpHを4.3以下に調整することを特徴とする発酵乳製品の退色抑制方法。
  15. 発酵乳とアントシアニン含有搾汁および/またはアントシアニン含有果汁を混合して得られる発酵乳製品のpHを4.3以下に調整することを特徴とする発酵乳製品の退色抑制方法。
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