頭字語
本開示に全般的に様々な頭字語が使用される。本開示に全般的に現れ得る、最も顕著に使用される頭字語は以下のとおりである。
・UE:ユーザ機器
・RF:無線周波数
・GSM:移動体通信グローバルシステム
・UMTS:ユニバーサル移動体通信システム
・EUTRA:UMTS地上無線アクセス
・LTE:ロングタームエボリューション
・NR:新無線
・TX:送信/送信する
・RX:受信/受信する
・RAT:無線アクセス技術
・IRAT:無線アクセス技術間
・AP:アプリケーションプロセッサ
・NAS:非アクセス層
・RRC:無線リソース制御
・NW:ネットワーク
用語
以下は本開示で出現し得る用語集である。
記憶媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイス。用語「メモリ媒体」は、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、又はテープデバイスなどのインストール媒体、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどのコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュ、例えば、ハードドライブなどの磁気媒体、又は光学ストレージなどの不揮発性メモリ、レジスタ、又は他の類似のタイプのメモリ要素などを含むことが意図されている。記憶媒体は、他のタイプの非一時的メモリ、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムにおいて位置してもよく、又はインターネット等のネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステムにおいて位置してもよい。後者の場合には、第2のコンピュータシステムは、第1のコンピュータシステムに、実行するためのプログラム命令を提供することができる。用語「メモリ媒体」は、異なる場所において、例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステムにおいて存在することができる2つ以上のメモリ媒体を含んでもよい。メモリ媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶してもよい。
キャリア媒体-上記のようなメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号等の信号を伝達する他の物理的伝送媒体。
コンピュータシステム(又はコンピュータ)-パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネットアプライアンス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、若しくは他のデバイス又はデバイスの組み合わせを含む、様々なタイプのコンピューティングシステム又は処理システム。一般に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するあらゆるデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広く定義されてもよい。
ユーザ機器(UE)(又は、「UEデバイス」)-移動式又は携帯式であり、無線通信を実行する、様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。UEデバイスの例としては、携帯電話又はスマートフォン(例えば、iPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(商標)、Samsung Galaxy(商標))、ポータブルゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPhone(商標))、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、ラップトップ、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、他のハンドヘルドデバイス、自動車及び/又は動力車、無人飛行機(UAV)(例えば、ドローン)、UAVコントローラ(UAC)などが挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、無線通信が可能な、あらゆる電子デバイス、コンピューティングデバイス、及び/又は遠隔通信デバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように幅広く定義され得る。
無線デバイス-無線通信を実行する様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のもの。無線デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であることができ、又はある場所に定置若しくは固定されてもよい。UEは、無線デバイスの一例である。
通信デバイス-通信を実行する様々なタイプのコンピュータシステム又はデバイス。通信は、有線又は無線であり得る。通信デバイスは、ポータブル(若しくはモバイル)であってもよく、又は特定の場所に定置若しくは固定されてもよい。無線デバイスは、通信デバイスの一例である。UEは、通信デバイスの別の例である。
基地局(BS)-用語「基地局」は、その通常の意味のすべてを有し、少なくとも、固定位置に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。
処理要素(又はプロセッサ)-デバイス内で、例えば、ユーザ機器デバイス内で、又はセルラネットワークデバイス内で機能を実行することが可能な、様々な要素若しくは要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、プロセッサ及び関連付けられたメモリ、個々のプロセッサコアの一部分又は回路、プロセッサコア全体、プロセッサアレイ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)などの回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素、並びに上記のものの様々な組み合わせのうちのいずれかを含み得る。
Wi-Fi-用語「Wi-Fi」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、少なくとも、無線LAN(WLAN)アクセスポイントによってサービスが提供され、これらのアクセスポイントを通じてインターネットへの接続性を提供する、無線通信ネットワーク又はRATを含む。最新のWi-Fiネットワーク(又は、WLANネットワーク)は、IEEE802.11規格に基づくものであり、「Wi-Fi」という名称で市販されている。Wi-Fi(WLAN)ネットワークは、セルラネットワークとは異なるものである。
自動的に-ユーザ入力が、アクション又は動作を直接指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路メカニズム、プログラム可能なハードウェア要素、ASIC等)によって、それらのアクション又は動作が実行されることを指す。よって、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供して動作を直接実行する、ユーザによって手動で実行又は指定される動作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供された入力によって開始され得るが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されない。すなわち、実行される各アクションをユーザが指定する「手動」で実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を指定する入力を提供することによって(例えば、情報をタイピングすること、チェックボックスを選択すること、ラジオボタン(radio selections、ラジオボタン)を選択すること等によって)電子フォームを記入することは、コンピュータシステムがユーザアクションに応じてフォームを更新しなければならないが、フォームを手動で記入することと見なされる。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入され得、ここで、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムで実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力なしにフォームに記入する。上記のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへ回答を手動で指定するのではなく、むしろ、回答は自動的に完了されている)。本明細書は、ユーザが取ったアクションに応じて自動的に実行される動作の様々な例を提供する。
ように構成されている-様々な構成要素が、タスクを実行する「ように構成されている」と説明され得る。このようなコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク(複数可)を実行する「構造を有していること」を一般に意味する広範な記述である。したがって、構成要素は、構成要素がタスクを現在実行していないときでも、このタスクを実行するように構成されていてもよい(例えば、導電体のセットは、2つのモジュールが接続されていないときでも、モジュールを別のモジュールに電気的に接続するように構成されていてもよい)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク(複数可)を実行する「回路を有していること」を一般に意味する構造の広範な記述であってもよい。したがって、構成要素は、構成要素が現在オンでないときでも、タスクを実行するように構成されていてもよい。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含み得る。
本明細書の記載では、便宜上、タスクを実行するとして様々な構成要素を説明することができる。そのような説明は、語句「ように構成されている」を含むように解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素の説明は、米国特許法112条第6パラグラフのその構成要素についての解釈が適用されないことが明確に意図されている。
図1及び図2-例示的な通信システム
図1は、いくつかの実施形態に係る、本開示の態様を実施することができる例示的な(かつ簡易化した)無線通信システムを示す。図1のシステムは、あり得るシステムの単なる一例に過ぎず、実施形態は、要望に応じて、様々なシステムにおいて実施され得ることに留意されたい。
図示するように、例示的な無線通信システムは、伝送媒体を介して1つ以上の(例えば、任意の数の)ユーザデバイス106A、106Bなど~106Nと通信する基地局102を含む。本明細書では、ユーザデバイスの各々は、「ユーザ機器」(UE)又はUEデバイスと称され得る。したがって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと称される。
基地局102は、無線基地局(base transceiver station、BTS)又はセルサイトであってよく、UE106A~106Nとの無線通信を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでもよい。基地局102がLTEのコンテキストにおいて実装される場合、それを代わりに、「eNodeB」又は「eNB」と称してもよい。基地局102が5G NRのコンテキストにおいて実装される場合、それを代わりに、「gNodeB」又は「gNB」と称してもよい。また、基地局102は、ネットワーク100(例えば、様々な可能性のうち、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信するように装備されていてもよい。したがって、基地局102は、ユーザデバイス間の通信、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を円滑にすることができる。基地局の通信領域(又は、カバレッジ領域)は、「セル」と称され得る。また、本明細書に使用するように、UEの視点から、基地局は、UEのアップリンク通信及びダウンリンク通信に関する限り、ネットワークを代表すると見なせることがある。したがって、ネットワーク内の1つ以上の基地局と通信するUEは、ネットワークと通信するUEと解釈されてもよい。
基地局102及びユーザデバイスは、無線通信技術とも呼ばれる様々な無線アクセス技術(RAT)、又はGSM、UMTS(WCDMA)、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LAA/LTE-U、5G NR、3GPP2 CDMA2000(例えば1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)、Wi-Fiなどの遠隔通信標準のいずれかを使用して伝送媒体上で通信するように構成されていてもよい。
したがって、基地局102と同一の又は異なるセルラ通信標準に従って動作する同様の他の基地局は、1つ以上のセルラ通信標準を介して地理的エリアにわたって連続した又は、ほぼ連続したオーバーラップするサービスをUE106及び同様のデバイスに提供し得る、セルの1つ以上のネットワークとして提供され得る。
UE106は、複数の無線通信規格を使用して通信することが可能であり得ることに留意されたい。例えば、UE106は、3GPPセルラ通信標準又は3GPP2セルラ通信標準のいずれか又は両方を使用して通信するように構成されることもある。いくつかの実施形態では、UE106は、例えば、本明細書に記載の様々な方法に従って、無線通信システム内のIRAT再選択中の待ち時間を低減するための技術を実行するように構成され得る。UE106は、更に又は代替的に、WLAN、BLUETOOTH(商標)、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS、例えばGPS又はGLONASS)、1つ及び/又は複数の移動体テレビ放送標準(例えばATSC-M/H)などを使用して通信するように構成されていることもある。無線通信標準の他の組み合わせ(3つ以上の無線通信標準を含む)も可能である。
図2は、いくつかの実施形態による、基地局102と通信する例示的なユーザ機器106(例えば、デバイス106A~106Nのうちの1つ)を示す。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、ウェアラブルデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、無人飛行機(UAV)、無人飛行コントローラ(UAC)、又は実質的に任意の種類の無線デバイスなどの、無線ネットワーク接続性を有するデバイスであってもよい。UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサ(処理要素)を含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載の方法実施形態を実行することができる。代替として又は加えて、UE 106は、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、集積回路、及び/又は本明細書に記載の方法の実施形態のいずれか、若しくは本明細書に記載の方法の実施形態のうちのいずれかの任意の部分を(例えば、個々に又は組み合わせて)実行するように構成されている様々な他の可能なハードウェア構成要素のうちのいずれかなどのプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。UE106は、複数の無線通信プロトコルのいずれかを用いて通信するように構成されていてもよい。例えば、UE106は、CDMA2000、LTE、LTE-A、5G NR、WLAN、又はGNSSのうちの2つ以上を使用して通信するように構成されていてもよい。無線通信規格の他の組み合わせも可能である。
UE106は、1つ以上のRAT標準に従った無線通信プロトコルの1つ以上を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、UE106は、複数の無線通信規格間で、受信チェーン及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共有してもよい。共用される無線機は、無線通信を実行するための、単一のアンテナを含んでもよく、(例えば、MIMO用の)複数のアンテナを含んでもよい。一般に、無線機は、ベースバンドプロセッサ、(例えば、フィルタ、ミキサ、発振器、増幅器などを含む)アナログRF信号処理回路、又は(例えば、デジタル変調及び他のデジタル処理のための)デジタル処理回路の任意の組み合わせを含み得る。類似して、無線機は、上記のハードウェアを使用して1つ以上の受信及び送信チェーンを実施してもよい。
いくつかの実施形態では、UE106は、UE106がそれで通信するように構成されている無線通信プロトコルのそれぞれについて、(例えば、別個のアンテナ及び他の無線機構成要素を含む)別個の送信及び/又は受信チェーンを含んでもよい。更なる可能性として、UE106は、複数の無線通信プロトコルの間で共有される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによって排他的に使用される1つ以上の無線機を含み得る。例えば、UE106は、LTE又はCDMA2000 1xRTT(又はLTE若しくはNR若しくはLTE若しくはGSM)のいずれかを用いて通信するための共用無線機と、Wi-Fi及びBLUETOOTH(商標)の各々を使用して通信するための個別の無線機とを含んでもよい。他の構成も可能である。
図3-例示的なUEデバイスのブロック図
図3は、いくつかの実施形態に係る、例示的なUE106のブロック図を示す。図示するように、UE106は、様々な目的用の部分を含んでもよい、システムオンチップ(SOC)300を含んでもよい。例えば、図に示すように、SOC300は、UE106のためにプログラム命令を実行し得るプロセッサ(単数又は複数)302、及び、グラフィック処理を実行し表示信号をディスプレイ360へ供給し得る表示回路304を含んでもよい。いくつかの実装では、ディスプレイ360は、例えば、タッチイベントとして、ユーザ入力を検出することができるタッチスクリーンを含み得る。SOC300はまた、UE106の様々な可能な特性又はパラメータのうちのいずれかを感知又は測定するための構成要素を含み得るセンサ回路370を含んでもよい。例えば、センサ回路370は、例えば、ジャイロスコープ、加速度計、及び/又は様々な他の動き感知構成要素のうちのいずれかを使用して、UE106の動きを検出するように構成された動き感知回路を含んでもよい。別の可能性として、センサ回路370は、例えば、1つ以上のアンテナパネル及び/又はUE106の他の構成要素の各々の温度を測定するための1つ以上の温度感知構成要素を含み得る。必要に応じて、様々な他の可能なタイプのセンサ回路のいずれも、UE106に追加的又は代替的に含まれ得る。プロセッサ(単数又は複数)302は、メモリ管理ユニット(MMU)340に結合されてもよく、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(ROM)350、NANDフラッシュメモリ310)内の位置に変換し、かつ/又は表示回路304、無線機330、コネクタインタフェース(I/F)320、及び/若しくはディスプレイ360などの、その他の回路又はデバイスに結合するように構成されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302の一部分として含まれていてもよい。
図に示すように、SOC300は、UE106の様々な他の回路に結合されてもよい。例えば、UE106は、(例えば、NANDフラッシュ310を含む)様々な種類のメモリ、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーションなどに結合するための)コネクタインタフェース320、ディスプレイ360、及び(例えば、LTE、LTE-A、NR、CDMA2000、BLUETOOTH(商標)、Wi-Fi、NFC、GPSなどのための)無線通信回路330を含んでもよい。UEデバイス106は、基地局及び/又は他のデバイスと無線通信を実行するための、少なくとも1つのアンテナ(例えば、335a)、及び場合によって、(例えば、アンテナ335a及び335bによって例示される)複数のアンテナを含んでもよい。アンテナ335a及び335bは一例として示されており、UEデバイス106はより少ない、又はより多くのアンテナを含んでもよい。全般的には、それら1つ以上のアンテナは、アンテナ335と総称される。例えば、UEデバイス106は、アンテナ(335を使用して無線回路330を使用して無線通信を実行してもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、UEは複数の無線通信規格を使用して無線で通信するように構成されていてもよい。
UE106は、本明細書で更に説明されるように、無線通信システムにおけるIRAT再選択中の待ち時間を低減するために、UE106のための方法を実施するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含み得る。UEデバイス106のプロセッサ(単数又は複数)302は、例えば、メモリ媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することにより、本明細書に記載の方法の一部分又は全部を実行するように構成されていてもよい。他の実施形態では、プロセッサ(単数又は複数)302は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成されていてもよい。更に、プロセッサ(単数又は複数)302は、図3に示すように、本明細書に開示する様々な実施形態に従って、無線通信システムにおけるIRAT再選択中の待ち時間を低減するように、他の構成要素に結合されるか、又はそれらの他の構成要素と相互動作してもよい。プロセッサ(単数又は複数)302はまた、UE106上で動作する様々な他のアプリケーション及び/又はエンドユーザアプリケーションを実行してもよい。
いくつかの実施形態では、無線機330は様々なそれぞれのRAT標準のための通信制御に専用の別個のコントローラを含んでもよい。例えば、図3に示すように、無線機330は、Wi-Fiコントローラ352、セルラコントローラ(例えばLTE、LTE-A及び/又はNRコントローラ)354、並びにBLUETOOTH(商標)コントローラ356を含んでもよく、少なくともいくつかの実施形態では、これらのコントローラの1つ以上又は全部は、互いに、かつSOC300と(より具体的にはプロセッサ(単数又は複数)302と)通信する、それぞれの集積回路(略してIC又はチップ)として実装されてもよい。例えば、Wi-Fiコントローラ352は、セル-ISMリンク又はWCIインタフェースを介してセルラコントローラ354と通信してもよく、及び/又はBLUETOOTH(商標)コントローラ356は、セル-ISMリンクなどを介してセルラコントローラ354と通信してもよい。無線機330内には3つの個別のコントローラが示されているが、他の実施形態は、UEデバイス106において実行され得る様々な異なるRATのための、より少ない又はより多くの同様のコントローラを有する。
更に、コントローラが複数の無線アクセス技術に関連する機能を実行することができる実施形態も想定される。例えば、いくつかの実施形態によれば、セルラコントローラ354は、セルラ通信を実行するためのハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素に加えて、Wi-Fiプリアンブル検出、及び/又はWi-Fi物理層プリアンブル信号の生成及び伝送などの、Wi-Fiに関連する1つ以上のアクティビティを実行するためのハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができる。
図4-例示的な基地局のブロック図
図4は、いくつかの実施形態に係る、例示的な基地局102のブロック図を示す。図4の基地局は、あり得る基地局の単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図に示すように、基地局102は、基地局102のためのプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)404はまた、プロセッサ(単数又は複数)404からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ460及び読み出し専用メモリ(ROM)450)内のロケーション、又は他の回路若しくはデバイス内のロケーションに変換するように構成されていてもよいメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート470を含んでもよい。ネットワークポート470は、電話網に結合し、UEデバイス106等の複数のデバイスに、上記図1及び図2に説明するような電話網へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。ネットワークポート470(又は追加のネットワークポート)はまた、又は代わりに、例えば、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク等のセルラネットワークに結合するように構成されていてもよい。コアネットワークは、モビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを、UEデバイス106等の複数のデバイスに提供することができる。一部の場合には、ネットワークポート470は、コアネットワークを介して電話ネットワークに結合することができ、及び/又はコアネットワークは、(例えば、セルラサービスプロバイダによってサービスを提供される他のUEデバイス間で)電話ネットワークを提供することができる。
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ434、可能な場合、複数のアンテナを含んでもよい。アンテナ(単数又は複数)434は、無線送受信機として動作するように構成されていてもよく、無線機430によって、UEデバイス106と通信するように更に構成されていてもよい。アンテナ(単数又は複数)434は、通信チェーン432を介して、無線機430と通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であってもよい。無線機430は、NR、LTE、LTE-A、WCDMA、CDMA2000などを含むがこれに限定されない、様々な無線電気通信標準を介して通信するように設計されてもよい。基地局102のプロセッサ404は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明される方法のうちの一部又は全てを実行する及び/又は実行をサポートするように構成されていてもよい。代替として、プロセッサ404は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として、又はこれらの組み合わせとして構成され得る。所定のRAT、例えばWi-Fiの場合、基地局102はアクセスポイント(AP)として設計されてもよく、この場合ネットワークポート470は、ワイドエリアネットワーク及び/又はローカルエリアネットワーク(単数又は複数)へのアクセスを提供するように実装されてもよく、例えば、少なくとも1つのイーサネットポートを含んでもよく、無線機430は、Wi-Fi規格に従って通信するように設計されてもよい。
図5~図8-コールセットアップとIRAT再選択との間の競合状態
無線アクセス技術間(IRAT又はinter-RAT)再選択は、UE106などのUEが、第1のRAT(例えば、NR)のセル上にキャンプオンされることから、第2のRAT(例えば、LTE)のセル上にキャンプオンされることに切り替わることを含み得る。NRからLTE(又はその逆)への、又は他のRATの間でのUEのIRAT再選択中、コールセットアップが何らかの理由(例えば、MOシグナリング、MOデータ、緊急事態など)でトリガされた場合、結果として生じる競合状態は、UEの実装に応じて、エンドユーザによって観察され得る、コールセットアップにおけるコール失敗及び/又は待ち時間をもたらし得る。
IRAT再選択手順の特定の態様は、とりわけ、3GPP TS38.304 V16.5.0(その全体が本明細書に全体として及び完全に開示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる)などの適用可能な規格によって定義され得る。しかしながら、他の態様は、いずれの規格によっても定義されていない場合があり、したがって、ベンダー選好に従って実行され得る。上記で概説したような競合状態では、異なるUEベンダーは、異なる応答を実行することができ、単純なUEの実装では、NRRCレイヤは、IRAT再選択が進行中に非アクセス層(NAS)からのコール確立要求又はコール再開要求を拒否することができ、次にNASレイヤもその上位レイヤへの拒否を送信することができる。これは、エンドユーザによって気付かれ得るコール失敗をもたらし得る。
図5A~図5Bは、NRからLTEに遷移するときの、そのような単純な実行の例を表す信号フロー図を示す。図5A~図5Bは、セルラネットワーク(NW)516、並びにUE106などのUEのいくつかの別個の態様を示す。ユーザインタフェース502は、ユーザコールの開始及び/又はコール確立若しくは失敗の通知を可能にする、UEの任意のタイプのユーザインタフェース構成要素を含み得る。例えば、ユーザインタフェース502は、ディスプレイ360などのタッチスクリーンであるか、又はそれを含んでもよい。UEアプリケーションプロセッサ(AP)504は、ユーザインタフェース502と相互作用することができるアプリケーションソフトウェアを実行するように構成された任意のプロセッサを含み得る。例えば、UE AP504は、プロセッサ302(単数又は複数)のうちの1つ以上であり得るか、又はそれらを含み得る。
UE NAS506は、UEの非アクセス層レイヤを実装するためのUE内のハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、モジュール)を表すことができる。同様に、UE LTE無線リソース制御(RRC)508は、LTE通信のRRCレイヤを実装するためのUE内のハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、モジュール)を表すことができ、UE NR RRC510は、NR通信のRRCレイヤを実装するためのUE内のハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、モジュール)を表すことができる。UE LTE L1 514は、LTE通信の物理レイヤ(L1)を実装するためのUE内のハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、モジュール)を表すことができ、UE NR L1 512は、NR通信のL1を実装するためのUE内のハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、モジュール)を表すことができる。いくつかの実装では、UE NAS506、UE LTE RRC508、UE NR RRC510、UE NR L1 512、及び/又はUE LTE L1 514は、例えば、無線通信回路330又はセルラコントローラ354内のUEのセルラモデムに含まれ得る。例えば、セルラモデムは、例示された要素506~514を実装するための機能、モジュールなどを含み得る。
図5Aに示すように、UEは、L1スレーブモード(522)のUE LTE L1 514及びL1アイドル状態(520)のUE NR L1 512から開始する。UE NR RRC510は、非アクティブ状態(518)にある。UE LTE L1 514は、IRAT再選択を実行するかどうかを判定する際に使用するために、UE NR RRC510にLTE L1 EUTRA測定インジケーション524を提供する。それに応じて、UE NR RRC510は、526で、IRAT再選択手順を開始する。例えば、UE NR RRC510は、Treselectが期限切れになり、EUTRA隣接セル(例えば、LTEセル)が現在のサービングセル(例えば、NRセル)の上にランク付けされていると判定したことに基づいて、IRAT再選択手順を開始することができる。
IRAT再選択手順のこの開始とは無関係に、ユーザは、ユーザインタフェース502と相互作用することによってコールを開始する。これにより、ユーザインタフェース502は、UE AP504にコールセットアップ命令528を提供することになり、同様に、UE NAS506にコールセットアップ命令530を提供する。
その後、UE NR RRC510は、UE NAS506にIRAT再選択開始インジケーション532を提供する。UE NR RRC510はまた、UE LTE RRC508に再選択要求534を提供し、次いで、他のRAT(LTE)からの入力に基づいて返信を待機する。
このシナリオでは、UE NAS506は、IRAT再選択を通知される前に、コールセットアップ命令530を受信する。したがって、UE NAS506は、IRAT再選択手順に作用する前に、コールセットアップ手順を完了するように作用する。しかしながら、UE NR RRC510は、UE NAS506からコール開始のいずれの通知も受信する前に再選択プロセスを開始する。したがって、UE NR RRC510は、IRAT再選択手順を優先する。具体的には、コールセットアップ命令530を受信すると、UE NAS506は、UE NR RRC510に再開要求メッセージ538を提供する。UE NR RRC510はすでにIRAT再選択手順を実行する最中にあるため、UE NAS506に再開拒否メッセージ540で応答する。
このメッセージを受信すると、UE NAS506は、UE AP504にコール失敗メッセージ544を提供し、UE AP504は、例えば、ユーザに表示するために、コール失敗メッセージ544メッセージをユーザインタフェース502に提供する。
この時点で、IRATの再選択は、通常どおり継続する。例えば、IRAT再選択は、失敗したコール確立の影響を受けない。図示されているように、UE LTE RRC508は、UE NR RRC510に再選択確認メッセージ550を提供し、また、UEがLTEネットワークにキャンプオンされていることを示すセルキャンプインジケーション552をUE NAS506に提供する。次いで、UE LTE RRC508は、アイドル状態554に入る。UE LTE L1 514は同様に、L1 IDLE状態558に入る。
再選択確認550に応じて、UE NR RRC510は、UE NR L1 512にL1非アクティブ化要求メッセージを提供する。次いで、UE NR RRC510は、非アクティブ化状態560に入る。UE NR L1 512は、L1非アクティブ化状態562に入り、UE NR RRC510にL1非アクティブ化確認メッセージ564を提供する。それに応じて、UE NR RRC510は、UE NAS506にIRAT再選択完了インジケーション566を提供する。
IRAT再選択プロセスのこの成功した完了にもかかわらず、ユーザは、失敗したコールを再開始する必要がある。例えば、546において、ユーザは、コールが失敗した旨のインジケーションをユーザインタフェース502上で気付き、568で再びコールを開始し得る。平均的なシナリオでは、これには一般に数秒、例えば2~5秒かかり得る。したがって、IRATの再選択プロセスは、第2のコール開始試行の十分に前に完了(成功又は失敗のいずれか)する可能性が高い。したがって、この第2のコール開始は、IRAT再選択手順からの更なる干渉なしに、通常の手順に従って進行することができる。例えば、例示されるように、ユーザインタフェース502は、コールセットアップメッセージ528と実質的に同様であり得るコールセットアップメッセージ570をUE AP504に提供することによって、ユーザ入力に応答する。次いで、UEは、572に要約されるように、当該技術分野で既知の通常の手順に従って、LTEセルとのコールを確立するように進むことができる。コール確立が完了すると、UE AP504は、ユーザインタフェース502にコール接続済メッセージ574を提供し、ユーザインタフェース502は、コール確立の成功をユーザに通知することができる。
この例で経験されるコール失敗及び関連する遅延は、いくつかの使用事例では許容できないと見なされ得る。例えば、特定のコール失敗重要性能指標(KPI)が破られ得る。
図5A~図5Bの例は、RRC再開手順を示すが、信号フローは、RRC接続確立手順と実質的に同様であることを理解されたい。同様に、図5A~図5Bの例は、NRからLTEへのIRAT再選択を示すが、信号フローは、LTEからNRまで、又は他のRATの間のIRAT再選択と実質的に同様である。同様に、図5A~図5Bの例は、成功したIRAT再選択手順を示すが、ユーザによって観察される効果は、IRAT再選択手順が失敗したシナリオにおいて実質的に同様である。
図5A~図5Bの例で経験される許容できないコール失敗及び待ち時間を排除するために、UEは、IRAT再選択が接続確立又は再開手順と同時に進行中であると判定することができ、接続確立又は再開手順を一時的に中断することによって応答することができる。例えば、UE NR RRCは、IRAT再選択の成功又は失敗後にNAS再開(又は確立)要求メッセージをキャッシュし、次いで、コールを再開/確立することを進めることができる。あるいは、UE APは、IRAT再選択手順の完了の通知を受信するまで、コールセットアップメッセージなどのコンテキスト情報をキャッシュすることができ、次いで、コールセットアップに進むことができる。別の代替策として、UE NASは、IRAT再選択手順の完了の通知を受信するまで、コールセットアップメッセージをキャッシュし、次いで、コールを再開/確立することを進めることができる。図6~図8は、いくつかの実施形態による、これらの代替策を実行する例示的なシナリオを示す。
図6A~図6Cは、いくつかの実施形態による、IRAT再選択が完了するまで、NR RRCレイヤが再開要求メッセージをキャッシュするシナリオの例を表す信号フロー図を示す。具体的には、図6Aは、NR RRCレイヤが再開要求メッセージをキャッシュするまでのシナリオの開始を示す。図6Bは、図6Aのフロー図の完了のための例示的な信号フローを示し、IRATの再選択が失敗する場合である。図6Cは、図6Aのフロー図の完了のための代替の信号フローを示し、IRATの再選択が成功する場合である。
接続確立要求がキャッシュされるシナリオでは、実質的に同様のフロー図が適用され得ることを理解されたい。
図6Aに示されるUE及びネットワークの様々な構成要素は、図6Aの構成要素が図6A~図6Cに示されるソリューションを実装するために改善されたことを除いて、図5Aに示される対応する構成要素と類似又は同一であり得る。例えば、ユーザインタフェース602は、ユーザインタフェース502と実質的に同様であり得、UE AP604は、UE AP504と実質的に同様であり得るなどである。
図6Aに示すように、UEは、L1スレーブモード(624)のUE LTE L1 614及びL1アイドル状態(622)のUE NR L1 612から開始することができる。UE NR RRC610は、非アクティブ状態(620)で開始することができ、UE LTE RRC608は、非アクティブ化状態(618)で開始することができる。UE LTE L1 614は、IRAT再選択を実行するかどうかを判定する際に使用するために、UE NR RRC610にLTE L1 EUTRA測定インジケーション626を提供することができる。それに応じて、UE NR RRC610は、628で、IRAT再選択手順を開始することができる。例えば、UE NR RRC610は、Treselectが期限切れになり、EUTRA隣接セル(例えば、LTEセル)が現在のサービングセル(例えば、NRセル)の上にランク付けされていると判定したことに基づいて、IRAT再選択手順を開始することができる。
図5Aと同様に、ユーザは、ユーザインタフェース602と相互作用することによってコールを開始することができる。これにより、ユーザインタフェース602は、コールセットアップ命令630をUE AP604に提供することができ、これは同様に、コールセットアップ命令632をUE NAS606に提供することができる。
その後、UE NR RRC610は、UE NAS606にIRAT再選択開始インジケーション634を提供して、IRAT再選択手順が開始されたことを示すことができる。UE NR RRC610はまた、UE LTE RRC608に再選択要求636を提供することができ、次いで、他のRAT(LTE)からの入力に基づいて、返信を待機(638)することができる。
図5のシナリオと同様に、このシナリオでは、UE NAS606は、IRAT再選択を通知される前に、コールセットアップ命令632を受信する。したがって、UE NAS606は、IRAT再選択手順に作用する前に、コールセットアップ手順を完了するように作用することができる。しかしながら、UE NR RRC610は、UE NAS606からコール開始のいずれの通知も受信する前に再選択プロセスを開始することができる。したがって、UE NR RRC610は、IRAT再選択手順を優先することができる。具体的には、コールセットアップ命令632を受信すると、UE NAS606は、UE NR RRC610に再開要求メッセージ640を提供することができる。
図6Aのシナリオでは、UE NR RRC610は、再開拒否メッセージでUE NAS606に応答しない。代わりに、UE NR RRC610は、642で、例えば、IRAT再選択手順が保留中であると判定すること(例えば、開始されているが、完了していない)に応じて、再開要求メッセージ640(又はそこからの関連情報)をキャッシュする(又は別の方法で記憶する)ことができる。
いくつかのシナリオでは、IRAT再選択手順とコールセットアップ手順との間の相対タイミングは、例示されたシナリオに対する有意の変更なしに変化し得ることを理解されたい。例えば、いくつかのシナリオでは、UE NAS606は、IRAT再選択開始インジケーション634を受信する前に、再開要求メッセージ640を提供することができる。しかしながら、IRAT再選択手順はすでに保留されているため、UE NR RRC610は、メッセージをキャッシュすることによって、再開要求メッセージ640に依然として応答することができる。関連する競合状態を作り出す要因は、UE NAS606がIRAT再選択を通知される前にコールセットアップメッセージ632を受信し、これによりUE NAS606にコールセットアップを優先させ、一方でUE NR RRC610が、再開要求メッセージ640を受信する前にIRAT再選択を開始し、これによりUE NR RRC610にIRAT再選択を優先順位付けさせることである。様々なメッセージのタイミング及びシーケンスは、これらの制約内で変化し得るが、依然として同じ競合状態をもたらし、したがって、本明細書に提示されるソリューションによって依然として対処され得る。
図6Bは、再選択手順が失敗するシナリオの例示的な信号フロー図の残りの部分を示す。図示のように、UE LTE RRC608は、再選択要求636に応じて、UE NR RRC610に再選択失敗メッセージ644を提供することができる。これは、例えば、UEが任意の理由でLTEセルにキャンプオンすることができないことから結果とし生じ得る。それに応じて、UE NR RRC610は、UE NAS606にIRAT再選択失敗インジケーション648を提供することができる。UE NR RRC610はまた、650で、NRセル上で、例えば、元のセル上で、キャンプオンすることを再開始することができる。次いで、UE NR RRC610は、非アクティブ状態(652)に戻ることができ、UE LTE L1 614は、L1スレーブ状態(656)に戻ることができる。
この時点で、再選択プロセスが完了する。したがって、UE NR RRC610は、以前に受信した再開要求を処理するように進むことができる。具体的には、UE NR RRC610は、654で、642でキャッシュされた再開要求メッセージ640を処理することができる。いくつかの実装では、UE NR RRC610は、IRAT再選択手順の完了後(例えば、652後)受信されたかのように、再開要求メッセージ640を処理することができる。例えば、UE NR RRC610は、NW616にrrcResurmeRequestメッセージ658、又はNRセルとのRRC接続を再開する他の要求を提供することができる。
それに応じて、NW616は、UE NR RRC610にrrcResumeメッセージ660、又はRRC接続がネットワーク側のNRセルで再開されたことを示す他のメッセージを提供することができ、UE NR L1 612は、L1接続済状態(662)に入ることができる。次いで、UE NR RRC610は、NW616に、rrcResumeCompleteメッセージ664、又はRRC接続の再開がUE側で完了したことを示す他のメッセージを提供することができる。次いで、UE NR RRC610は、接続済状態(610)に入ることができ、UE LTE RRCは、非アクティブ化状態(666)を再開することができる。
この時点で、UE NR RRC610は、UE NAS606に再開確認メッセージ670を提供し、コールが正常に再開されたことを示し得る。それに応じて、UE NAS606は、UE AP604にコール接続済メッセージ672を提供することができ、UE AP604は、コール接続済メッセージ674をユーザインタフェース602に提供することによって応答することができる。いくつかのシナリオでは、ユーザインタフェース602は、コールセットアップが成功したことをユーザに通知することができる。676に示されるように、コールは次に、確立された接続を介して進行し得る。
このシナリオでは、コールセットアップメッセージ630とコール接続済メッセージ674との間で経過した平均時間は、典型的には、100~250msの範囲内であり得る。これは、図5A~図5Bに関連して考察されるように、ユーザがコールを再開始するための典型的な2~5秒と比較して顕著な改善を表す。更に、図6A~図6Bのシナリオは、ユーザがコールを開始するための第2の試みを行う必要性を排除し、したがって、改善されたユーザ体験をもたらす。
いくつかのシナリオでは、図6Bの例とは反対に、再選択プロセスが成功し得る。図6Cは、そのような例を示す。具体的には、図6Cは、再選択手順が成功するシナリオについて、図6Aの例示的な信号フロー図の残りの部分を示す。したがって、図6Cのシナリオは、図6Bのシナリオに対する代替のシナリオである。
図6Cに示すように、UE LTE RRC608は、再選択要求636に応じて、UE NR RRC610に再選択確認メッセージ645を提供し、再選択が進行し得ることを確認することができる。次いで、UE LTE RRC608は、アイドル状態(647)に入ることができる。UE LTE RRC608はまた、UE NAS606にセルキャンプインジケーション653を提供することができ、UEがここでLTEセルにキャンプオンされていることを示す。UE NAS606は、655で、例えば、当該技術分野で知られているように、N1対S1のシステム間の変化を準備することによって、応答することができる。
再選択確認メッセージ645に応じて、UE NR RRC610は、UE NR L1 612にL1非アクティブ化要求657を提供することができる。それに応じて、UE NR L1 612は、L1非アクティブ化状態(661)に入ることができ、一方、UE NR RRC610は、非アクティブ化状態(659)に入ることができる。次いで、UE NR L1 612は、L1非アクティブ化確認メッセージ663でUE NR RRC610に応答することができる。この時点で、UE NR RRC610は、UE NAS606にIRAT再選択完了インジケーション665を提供することができる。
IRAT再選択手順が完了すると、UE NR RRC610は、642でキャッシュされた再開要求メッセージ640を処理することができる。いくつかの実装では、UE NR RRC610は、IRAT再選択手順の完了後(例えば、663及び/又は665後)受信されたかのように、再開要求メッセージ640を処理することができる。UEは、LTEセル上に現在キャンプオンされているため、UEがNRセルへの接続を再開することができないので、UE NR RRC610は、UE NAS606に再開拒否メッセージ667を提供することができる。
それに応じて、UE NAS606は、当該技術分野で知られているように、NAS LTE登録手順を実行して、コール接続をもたらし得る。例えば、この手順は、UE NAS606が、確立要求を提供し、続いてrrcConnectionRequest、rrcConnectionSetup、及びrrcConnectionSetupComplete、メッセージなどのネットワークシグナリングを提供し、続いて、UE NAS606が確立確認メッセージを受信することを含み得る。この時点で、UE LTE RRC608は、接続済状態(671)に入ることができ、UE LTE L1 614は、L1接続済状態(673)に入ることができる。
UE NAS606は、UE AP604にコール接続済メッセージ675を提供することができ、UE AP604は、コール接続済メッセージ677をユーザインタフェース602に提供することによって応答することができる。いくつかのシナリオでは、ユーザインタフェース602は、コールセットアップが成功したことをユーザに通知することができる。次いで、コールは、確立された接続を介して進行し得る。
このシナリオでは、図6Bのシナリオのように、コールセットアップメッセージ630とコール接続済メッセージ677との間で経過した平均時間は、典型的には100~250msの範囲内であり得る。したがって、図5A~図5Bの例示的なシナリオに対する待ち時間の低減及び改善されたユーザ体験の改善は、再選択が成功したかどうかに関係なく実現され得る。
図7A~図7Bは、いくつかの実施形態による、IRAT再選択後に、UE APが、セルキャンプインジケーションを受信するまで、コールセットアップメッセージをキャッシュするシナリオの例を表す信号フロー図を示す。図7A~図7Bの例示的なシナリオは、再選択が成功した場合のRRC再開手順を示す。同様のアプローチが、RRC接続確立手順及び/又は再選択が失敗した場合のシナリオを含むシナリオで適用され得ることを理解されたい。
図7Aに示されるUE及びネットワークの様々な構成要素は、図7Aに例示される代替のソリューションが図7A~図7Bに示される代替のソリューションを実行するように構成され得ることを除いて、図6Aに示される対応する構成要素と類似又は同一であり得る。例えば、ユーザインタフェース702は、ユーザインタフェース602と実質的に同様であってもよく、UE AP704は、UE AP604と実質的に同様であってもよい、などである。同様に、718~740に例示される信号交換は、618~640に例示される対応する信号交換と実質的に同様又は同一であり得る。
しかしながら、図7Aの例では、UE NR RRC710は、再開要求740をキャッシュしない。代わりに、UE NR RRC710は、UE NAS706に再開拒否メッセージ742を提供することによって応答することができる。次いで、UE NAS706は、UE AP704にコール失敗メッセージ744を提供することによって応答することができる。いくつかのシナリオでは、コール失敗メッセージ744は、コール失敗がセル再選択によって、又はより具体的にはIRAT再選択によって引き起こされた旨のインジケーションを含み得る。原因が再選択であったことを示すコール失敗メッセージ744を受信したことに応じて、UE AP704は、746で、例えば、再選択が完了するまで、セットアップメッセージ732(又はそこからの関連する情報)などのコールコンテキスト情報を、キャッシュする(又は別の方法で記憶する)ことができる。
図7Bに示すように、UE LTE RRC708は、再選択要求736に応じて、UE NR RRC710に再選択確認メッセージ750を提供し、再選択が進行し得ることを確認することができる。UE LTE RRC708はまた、UE NAS706にUEがここでLTEセルにキャンプオンされていることを示すセルキャンプインジケーション752を提供することができ、アイドル状態(754)に入ることができる。UE LTE L1 714は、L1アイドル状態(758)に入ることができる。
再選択確認メッセージ750に応じて、UE NR RRC710は、UE NR L1 712にL1非アクティブ化要求756を提供することができる。それに応じて、UE NR L1 712は、L1非アクティブ化状態(762)に入ることができ、一方、UE NR RRC710は、非アクティブ化状態(760)に入ることができる。次いで、UE NR L1 712は、L1非アクティブ化確認メッセージ764でUE NR RRC710に応答することができる。
この時点で、UE NR RRC710は、UE NAS706にIRAT再選択完了インジケーション766を提供することができる。それに応じて、UE NAS706は、UE AP704に、UEがLTEセルに現在キャンプオンされていることを示すことができるセルキャンプインジケーション768を提供することができる。
IRATの再選択が完了したという通知を、例えば、セルキャンプインジケーション768を介して受信すると、UE AP704は、770で、コールセットアップを再開始することができる。例えば、UE AP704は、をUE NAS706に、コールセットアップメッセージ732と同一(又は実質的に同様)であり得るコールセットアップメッセージ772、及び/又は746でキャッシュされた他のコールコンテキスト情報提供することができる。次いで、UEは、当該技術分野で知られているようにシグナリングを実行して、LTEセルとのコールを確立することができる。コールが正常に接続されると、UE AP704は、ユーザインタフェース702にコール接続済メッセージ776を提供することができる。
いくつかのシナリオでは、ユーザインタフェース702は、コールセットアップが成功したことをユーザに通知することができる。次いで、コールは、確立された接続を介して進行し得る。
図7A~図7Bのシナリオでは、図6B及び図6Cのシナリオのように、コールセットアップメッセージ730とコール接続済メッセージ776との間で経過した平均時間は、典型的には100~250msの範囲内であり得る。同様の改善は、再選択が失敗したRRC接続確立手順及び/又はシナリオを含む、図7A~図7Bのものと同様のシナリオにおいて実現され得る。
図8A~図8Bは、いくつかの実施形態による、IRAT再選択完了インジケーションを受信するまで、UE NASレイヤがコールセットアップメッセージをキャッシュするシナリオの例を表す信号フロー図を示す。図8A~図8Bの例示的なシナリオは、再選択が成功したRRC再開手順を示す。同様のアプローチが、RRC接続確立手順及び/又は再選択が失敗した場合のシナリオを含むシナリオで適用され得ることを理解されたい。
図8Aに示されるUE及びネットワークの様々な構成要素は、図8Aに例示される代替のソリューションが図8A~図8Bに示される代替のソリューションを実行するように構成され得ることを除いて、図6Aに示される対応する構成要素と類似又は同一であり得る。例えば、ユーザインタフェース802は、ユーザインタフェース602と実質的に同様であってもよく、UE AP804は、UE AP604と実質的に同様であってもよい、などである。同様に、718~740に例示される信号交換は、618~640に例示される対応する信号交換と実質的に同様又は同一であり得る。
図8Aに示されるように、UEは、NRアイドル状態(818)のUE NAS804、L1スレーブモード(826)のUE LTE L1 814、及びL1アイドル状態(824)のUE NR L1 812から開始することができる。UE NR RRC810は、非アクティブ状態(822)で開始することができ、UE LTE RRC808は、非アクティブ化状態(820)で開始することができる。UE LTE L1 814は、IRAT再選択を実行するかどうかを判定する際に使用するために、UE NR RRC810にLTE L1 EUTRA測定インジケーション828を提供することができる。それに応じて、UE NR RRC810は、830で、IRAT再選択手順を開始することができる。例えば、UE NR RRC810は、Treselectが期限切れになり、EUTRA隣接セル(例えば、LTEセル)が現在のサービングセル(例えば、NRセル)の上にランク付けされていると判定したことに基づいて、IRAT再選択手順を開始することができる。
図6Aと同様に、ユーザは、ユーザインタフェース802と相互作用することによってコールを開始することができる。これにより、ユーザインタフェース802は、コールセットアップ命令832をUE AP804に提供することができ、これは同様に、コールセットアップ命令834をUE NAS806に提供することができる。
その後、UE NR RRC810は、UE NAS806にIRAT再選択開始インジケーション836を提供して、IRAT再選択手順が開始されたことを示すことができる。UE NR RRC810はまた、UE LTE RRC808に再選択要求838を提供することができ、次いで、他のRAT(LTE)からの入力に基づいて、返信を待機(840)することができる。
図6Aのシナリオと同様に、このシナリオでは、UE NAS806は、IRAT再選択を通知される前に、コールセットアップ命令834を受信する。したがって、UE NAS806は、IRAT再選択手順に作用する前に、コールセットアップ手順を完了するように作用することができる。しかしながら、UE NR RRC810は、UE NAS806からコール開始のいずれの通知も受信する前に再選択プロセスを開始することができる。したがって、UE NR RRC810は、IRAT再選択手順を優先することができる。具体的には、コールセットアップ命令834を受信すると、UE NAS806は、UE NR RRC810に再開要求メッセージ842を提供することができる。
図7Aのシナリオと同様に、UE NR RRC810は、UE NAS806に再開拒否メッセージ844を提供することによって応答することができ、これは、拒否がセル再選択によって、又はより具体的にはIRAT再選択によって引き起こされたことを示し得る。再開拒否メッセージ844を受信することに応じて、UE NAS806は、例えば、再選択が完了するまで、コールセットアップメッセージ834(又はそこからの関連情報)をキャッシュする(又は別の方法で記憶する)ことができる。
図8Bに示すように、UE LTE RRC808は、再選択要求838に応じて、UE NR RRC810に再選択確認メッセージ852を提供し、再選択が進行し得ることを確認することができる。UE LTE RRC808はまた、UE NAS806にUEがここでLTEセルにキャンプオンされていることを示すセルキャンプインジケーション858を提供することができ、アイドル状態(854)に入ることができる。UE LTE L1 814は、L1アイドル状態(856)に入ることができる。
セルキャンプインジケーション858に応じて、UE NAS806は、560で、例えば、当該技術分野で知られているように、N1対S1のシステム間の変化を準備することができる。
一方、再選択確認メッセージ852に応じて、UE NR RRC780は、UE NR L1 812にL1非アクティブ化要求862を提供することができる。それに応じて、UE NR L1 812は、L1非アクティブ化状態(866)に入ることができ、一方、UE NR RRC810は、非アクティブ化状態(864)に入ることができる。次いで、UE NR L1 812は、L1非アクティブ化確認メッセージ868でUE NR RRC810に応答することができる。UE NR RRC810は、UE NASにIRAT再選択完了インジケーション870を提供することによって応答することができる。
IRAT再選択完了インジケーション870に応じて、UE NAS806は、LTEアイドル状態(872)に入ることができる。また、IRATの再選択が完了した旨のこの通知を受信すると、UE NAS806は、874で、例えば、846でキャッシュされたコールセットアップメッセージ834、又はそこからの関連情報を処理することによって、コールセットアップを再開始することができる。いくつかの実装では、UE NAS806は、IRAT再選択手順の完了後(例えば、572後)受信されたかのように、コールセットアップメッセージ834を処理することができる。例えば、UE NAS806は、UE LTE RRC808に、確立要求876を提供することができる。
次いで、UEは、当該技術分野で知られているようにシグナリングを実行して、LTEセルとのコールを確立することができる。878に示されるように、コールが正常に接続されると、UE NAS806は、UE AP804にコール接続済メッセージ884を提供することができる。次いで、UE AP804は、ユーザインタフェース802にコール接続済メッセージ886を提供することができる。
いくつかのシナリオでは、ユーザインタフェース802は、コールセットアップが成功したことをユーザに通知することができる。次いで、コールは、確立された接続を介して進行し得る。
図8A~図8Bのシナリオでは、図6B及び図6Cのシナリオのように、コールセットアップメッセージ832とコール接続済メッセージ886との間で経過した平均時間は、典型的には100~250msの範囲内であり得る。同様の改善は、再選択が失敗したRRC接続確立手順及び/又はシナリオを含む、図8A~図8Bのものと同様のシナリオにおいて実現され得る。
図6~図8の特徴は、上記の競合状態を解決することに焦点を当てていることを理解されたい。コンテキストを提供し、例示的な機能性を示すために、様々な信号及び他の要素が示されている。しかしながら、例示される信号及び他の要素の特定のものは、省略、再配置、又は交換され得るが、それでも、IRAT再選択手順とコールセットアップ手順との間の競合状態の場合に、待ち時間を削減及び/又はユーザ体験を改善する目標を実現し得る。そのような配置は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
上記で例示及び説明された様々な方法は、コールセットアップ(再開)失敗の低減により、エンドユーザに見えるように、改善された挙動を提供し得る。例示される競合状態において、コール確立又は再開待ち時間が低減される。これは、KPI失敗の低減をもたらし得る。
市場で機能的に顕著なパーセンテージのUEにわたって主要なUE製造業者によって実装される場合、これらの方法は、改善されたネットワークリソース使用をもたらし得る。
図9~図10-競合状態における待ち時間を減少させるための方法
図9は、いくつかの実施形態による、競合状態の存在下でのIRAT再選択中の待ち時間を低減するための方法を示すフローチャート図である。図9の方法は、UE106などのUEのセルラモデム(又は他のセルラ通信回路)によって実行され得る。例えば、図9の方法は、無線機330及び/又はセルラコントローラ354によって実行され得る。
図9の方法の少なくともいくつかの要素は、3GPP、LTE及び/又はNR規格文書と関連する通信の技術及び/又は特徴の使用に関係するように記載されているが、このような説明は、本開示を限定することを意図するものではなく、図9の方法の態様は、必要に応じて、任意の好適な無線通信システムにおいて使用され得ることに留意されたい。様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。図示するように、図9の方法は、以下のように動作し得る。
902において、セルラモデムは、IRAT再選択手順を開始することができる。例えば、これは、IRAT再選択手順を開始するための他の信号及び/又は手順の中でも、要素626~638及び/又は828~840のいずれかとして上に例示される信号又は他の要素のうちの1つ以上を含み得る。
904において、セルラモデムは、コールセットアップ手順を開始する要求を受信することができる。例えば、これは、例えば、要素632又は要素834として上に示されるようなコールセットアップメッセージに対応し得る。いくつかのシナリオでは、要求は、IRAT再選択手順が保留中である間に受信され得る。いくつかのシナリオでは、要求は、UEのNASレイヤがIRAT再選択手順について通知される前に受信され得るが、RRCレイヤがIRAT再選択手順を開始した後まで、NASレイヤが要求に応じてRRCレイヤと通信しないように十分遅い。
いくつかのシナリオでは、要求は、UEのAPから受信され得る。いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順を開始する要求は、UEのユーザインタフェースを介するなどして、ユーザによって明示的に開始され得る。他のシナリオでは、要求は、APによって実行されるソフトウェア機能に応じて、APによって開始され得る。
906において、セルラモデムは、IRAT再選択手順が保留中であるかどうかを判定することができる。保留中でない場合、セルラモデムは、908で、例えば、当技術分野で知られているように、コールセットアップ手順を完了することができる。
しかしながら、セルラモデムが、906で、IRAT再選択手順が保留中であると判定する(例えば、IRAT再選択手順が開始され、まだ終わっていない)場合、セルラモデムは、910で、コールセットアップ手順の処理を中断することができる。
いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順の処理を中断することは、セルラモデムのRRCレイヤが、中断されたコール接続を再開する要求、又は新しいコール接続を確立する要求をキャッシュする(又は別の方法で記憶する)ことを含み得る。例えば、コールセットアップ手順の処理を中断することは、要素642において上に示されるように、再開要求メッセージをキャッシュすることに対応し得る。コールセットアップ手順の処理を中断することは、同様に、コール確立要求メッセージをキャッシュすることに対応し得る。
いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順の処理を中断することは、セルラモデムのNASレイヤが、コールセットアップ要求メッセージをキャッシュする(又は別の方法で記憶する)ことを含み得る。例えば、コールセットアップ手順の処理を中断することは、要素846において示されるように、コールセットアップメッセージ834をキャッシュすることに対応し得る。
912において、セルラモデムは、IRAT再選択手順を完了することができる。いくつかのシナリオでは、IRAT再選択手順を完了することは、例えば、IRAT再選択手順が失敗した場合、新しいセルへの切り替えに失敗することを含み得る。例えば、IRAT再選択手順を完了することは、要素644~652として上述した信号又は他の要素のうちの1つ以上を含み得る。いくつかのシナリオでは、IRAT再選択手順を完了することは、例えば、IRAT再選択手順が成功した場合、新しいセルにキャンプオンすることを含み得る。例えば、IRAT再選択手順を完了することは、要素645~665又は852~572として上述した信号又は他の要素のうちの1つ以上を含み得る。
IRAT再選択手順を完了することに応じて(又はIRAT再選択手順が完了したと判定したことに応じて)、セルラモデムは、914で、コールセットアップ手順の処理を再開することができる。いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順の処理を再開することは、元のRATに従って、例えば、IRAT再選択手順が失敗した場合、元のセル上でコールを確立することを含み得る。例えば、コールセットアップ手順の処理を再開することは、要素654~672として上述した1つ以上の信号又は他の要素を含み得る。いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順の処理を再開することは、元のRATに従って、例えば、IRAT再選択手順が成功した場合、新しいセル上でコールを確立することを含み得る。例えば、コールセットアップ手順の処理を再開することは、要素655、667~675、860及び/又は874~884として上述した1つ以上の信号又は他の要素を含み得る。
図10は、いくつかの実施形態による、競合状態の存在下でのIRAT再選択中の待ち時間を低減するための方法を示すフローチャート図である。図10の方法は、UE106などのUEのアプリケーションなどの1つ以上のプロセッサによって実行され得る。例えば、図10の方法は、プロセッサ(単数又は複数)302又はUE AP704によって実行され得る。
図10の方法の少なくともいくつかの要素は、3GPP、LTE及び/又はNR規格文書と関連する通信の技術及び/又は特徴の使用に関係するように記載されているが、このような説明は、本開示を限定することを意図するものではなく、図10の方法の態様は、必要に応じて、任意の好適な無線通信システムにおいて使用され得ることに留意されたい。様々な実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。図示するように、図10の方法は、以下のように動作し得る。
1002において、プロセッサは、UEデバイスのユーザインタフェース構成要素からの初期要求を受信して、コールセットアップ手順を開始することができる。例えば、初期要求は、要素730として上に示される信号を含み得る。
1004において、プロセッサは、UEデバイスのセルラモデムに、コールセットアップ手順を開始する第1の要求を提供することができる。例えば、第1の要求は、要素732として上に示される信号を含み得る。いくつかのシナリオでは、第1の要求は、1002の初期要求に応答したものであり得る。他のシナリオでは、1002を省略することができ、第1の要求1004は、プロセッサによって実行されるソフトウェア機能などの異なる刺激に応じたものである場合がある。
1006において、プロセッサはセルラモデムから、セルラモデムが現在IRAT再選択手順を実行しているために、コールセットアップ手順が失敗した旨のインジケーションを受信することができる。例えば、インジケーションは、要素744として上に示される信号を含み得る。
コールセットアップ手順が失敗した旨のインジケーションに応じて、プロセッサは、1008で、要求されたコールセットアップ手順に関する情報を記憶することができる。いくつかのシナリオでは、記憶された情報は、第1の要求又はそこからの情報を含み得る。いくつかのシナリオでは、記憶された情報は、第1の要求に基づいたコールコンテキスト情報を含み得る。いくつかのシナリオでは、要求されたコールセットアップ手順に関する情報を記憶することは、要素746として上に示される要素を含み得る。
1010において、プロセッサは、IRAT再選択手順が完了した旨のインジケーションをセルラモデムから受信することができる。いくつかのシナリオでは、IRAT再選択手順が完了した旨のインジケーションは、IRAT再選択手順が成功した場合、UEデバイスが新しいセル上にキャンプオンされている旨、及び/又は新しいRATを利用している旨のインジケーションを含み得る。例えば、IRAT再選択手順が完了した旨のインジケーションは、768として上に示される信号を含み得る。
IRAT再選択手順が完了した旨のインジケーションに応じて、プロセッサは、1012で、記憶されたコールコンテキスト情報に基づいて、セルラモデムにコールセットアップ手順を開始する第2の要求を提供することができる。いくつかのシナリオでは、第2の要求は、第1の要求と実質的に同様又は同一であり得る。いくつかのシナリオでは、第2の要求は、第1の要求に含まれるコンテキスト情報を含み得る。例えば、第2の要求は、772として上に示された信号を含み得る。第2の要求は、(初期要求が1002で受信されたシナリオにおいて)1002で初期要求を受信することを超えて、ユーザインタフェース構成要素からの追加の入力なしで提供されてもよいことに留意されたい。
1014において、プロセッサは、例えば、第2の要求に応答して、コールセットアップ手順が完了した旨のインジケーションをセルラモデムから受信することができる。いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順が完了した旨のインジケーションは、コールセットアップ手順が成功したかどうかのインジケーションを含み得る。
1016において、プロセッサは、例えば、初期要求に応答して、ユーザインタフェース構成要素にコールセットアップ手順が完了した旨のインジケーションを提供し得る。いくつかのシナリオでは、コールセットアップ手順が完了した旨のインジケーションは、コールセットアップ手順が成功したかどうかのインジケーションを含み得る。
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えると一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
本明細書に記載の、ユーザ機器(UE)を動作させるための方法は、ダウンリンクでUEによって受信された各メッセージ/信号Xを、基地局によって送信されたメッセージ/信号Xと解釈し、アップリンクでUEによって送信された各メッセージ/信号Yを、基地局によって受信されたメッセージ/信号Yと解釈することによって、基地局を動作させるための対応する方法の基礎とすることができる。
本開示の実施形態は、任意の様々な形態で実現されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本主題はコンピュータに実行される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現されてもよい。他の実施形態では、本主題は、ASICなどの、1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現することができる。他の実施形態では、本主題は、FPGAなどの、1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して実現することができる。
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体(例えば、非一時的メモリ要素)は、プログラム命令及び/又はデータを記憶し、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されるときに、そのコンピュータシステムに方法を、例えば、本明細書に記載の方法実施形態、又は本明細書に記載の方法実施形態の組み合わせ、又は本明細書に記載の方法実施形態のサブセット、又はそのようなサブセットの組み合わせ、を実行させるように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、UE)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及びメモリ媒体(又はメモリ要素)を含むように構成されていてもよく、メモリ媒体はプログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み出して実行するように構成されており、プログラム命令は本明細書に記載する様々な方法実施形態(若しくは本明細書に記載の方法実施形態の組み合わせ、又は本明細書に記載の方法実施形態のサブセット、又はそのようなサブセットの組み合わせ)を実施するために実行可能である。デバイスは、様々な形態において実現されてもよい。
上記の実施形態は、かなり詳細に記載されているが、上記の開示が完全に理解されれば、多数の変形形態及び修正形態が当業者には明らかになる。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような変形形態及び修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。