略称
本開示に全般的に様々な頭字語が使用される。本開示に全般的に現れ得る、最も顕著に使用される頭字語は以下のとおりである。
●3GPP:第3世代パートナーシッププロジェクト
●TS:技術仕様
●RAN:無線アクセスネットワーク
●RAT:無線アクセス技術(Radio Access Technology)
●UE:ユーザ機器
●RF:無線周波数
●BS:基地局
●DL:ダウンリンク
●UL:アップリンク
●LTE:ロングタームエボリューション
●NR:新無線
●5GS:5Gシステム
●5GMM:5GSモビリティ管理
●5GC:5Gコアネットワーク
●IE:情報要素
●ITS:インテリジェント輸送システム
●PCell:プライマリセル
●SCell:セカンダリセル
●RLF:無線リンク障害
●RRC:無線リソース制御
●L1:レイヤ1
●L2:レイヤ2
●MAC:メディアアクセス制御
●RLC:無線リンク制御
●HO:ハンドオーバ
●CHO:条件付きハンドオーバ
●ASN.1:抽象構文表記1
●NW:ネットワーク
●NAS:非アクセス層
●SIB:システム情報ブロック
●PDCP:パケットデータコンバージェンスプロトコル
用語
以下は、本開示で使用されている用語の用語集である。
記憶媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイス。用語「記憶 媒体」は、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、又はテープデバイス等のインストール媒体、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAM等のコンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュ、ハードドライブ等の磁気媒体、又は光学記憶装置等の不揮発性メモリ、レジスタ、又は他の類似のタイプのメモリ要素等を含むことが意図されている。記憶媒体は、他のタイプの非一時的メモリも含んでもよく、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステムにおいて位置してもよく、又はインターネット等のネットワークを介して、第1のコンピュータシステムに接続する第2の異なるコンピュータシステムにおいて位置してもよい。後者の場合、第2のコンピュータシステムは、実行するために、プログラム命令を第1のコンピュータに提供することができる。用語「記憶媒体」は、異なる場所において、例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステムにおいて存在し得る2つ以上の記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)プログラム命令を記憶してもよい。
キャリア媒体-上記のような記憶媒体、並びにバス、ネットワーク等の物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号等の信号を伝送する他の物理的伝送媒体。
プログラム可能ハードウェア要素-プログラム可能相互接続を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例として、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、プログラム可能論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラム可能オブジェクトアレイ(Field Programmable Object Array、FPOA)、及び複合PLD(Complex PLD、CPLD)が挙げられる。プログラム可能機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせ論理又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(演算論理装置又はプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能論理」と称されることがある。
コンピュータシステム(又はコンピュータ)-パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、若しくは他のデバイス又はデバイスの組み合わせを含む、様々な種類のコンピューティングシステム又は処理システム。一般に、用語「コンピュータシステム」は、記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広義に定義され得る。
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)-無線通信を実行する様々な種類の移動式又は携帯式コンピュータシステムデバイス。UEデバイスの例としては、携帯電話若しくはスマートフォン(例えば、iPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、携帯型ゲームデバイス(例えば、ニンテンドーDS(商標)、プレイステーションポータブル(商標)、ゲームボーイアドバンス(商標)、iPhone(商標))、ラップトップ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス)、PDA、携帯型インターネットデバイス、音楽プレイヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイス、自動車及び/又は電動車両、無人航空機(UAV)(例えば、ドローン)、UAVコントローラ(UAC)等が挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって(又は、共に)容易に運搬され、無線通信が可能な、任意の電子デバイス、コンピューティングデバイス、及び/又は電気通信デバイス(又は、デバイスの組み合わせ)を包含するように、広範に定義することができる。
基地局-用語「基地局」は、その通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、固定場所に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される 無線通信局を含む。
処理要素(又はプロセッサ)-ユーザ機器又はセルラネットワークデバイス等のデバイスにおいて機能を実行することが可能である様々な要素又は要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、プロセッサ及び関連付けられたメモリ、個々のプロセッサコアの一部分又は回路、プロセッサコア全体、プロセッサアレイ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)等の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素、並びに上記のものの様々な組み合わせを含み得る。
チャネル-送信側(送信機)から受信機に情報を伝達するために使用される媒体。「チャネル」の特性は、異なる無線プロトコルに従って異なり得るため、本明細書で使用されるとき、用語「チャネル」は、この用語が関連して使用されるデバイスのタイプの規格に一致するように使用されると見なされることに留意されたい。いくつかの規格では、チャネル幅は、(例えば、デバイス能力、帯域条件等に依存して)可変であり得る。例えば、LTEは、1.4MHz~20MHzのスケーラブルなチャネル帯域幅をサポートすることができる。対照的に、WLANのチャネルは、22MHz幅を有することができ、Bluetooth(登録商標)のチャネルは、1Mhz幅を有することができる。他のプロトコル及び規格は、チャネルの異なる定義を含み得る。そのうえ、更に、いくつかの規格は、複数のタイプのチャネル、例えば、アップリンク若しくはダウンリンクのための異なるチャネル、及び/又は、データ、制御情報等の異なる使用のための異なるチャネルを定義及び使用することができる。
帯域-用語「帯域」は、帯域の通常の意味の全範囲を有し、少なくとも、チャネルがある目的で使用されるか、又は同じ目的のために取って置かれたスペクトルの部分(例えば、無線周波数スペクトル)を含む。
Wi-Fi-用語「Wi-Fi」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、無線LAN(WLAN)アクセスポイントによってサービスが提供され、それらのアクセスポイントを通じてインターネットへの接続性を提供する、無線通信ネットワーク又はRATを少なくとも含む。最新のWi-Fiネットワーク(又は、WLANネットワーク)は、IEEE802.11規格に基づくものであり、「Wi-Fi」という名称で市販されている。Wi-Fi(WLAN)ネットワークは、セルラネットワークとは異なるものである。
自動的に-ユーザ入力がアクション又は動作を直接指定又は実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路、プログラム可能ハードウェア要素、ASIC等)によって実行されるアクション又は動作を指す。したがって、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供して動作を直接実行する、ユーザによって手動で実行又は指定される動作とは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供された入力によって開始され得るが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されない。すなわち、実行される各アクションをユーザが指定する「手動」で実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を指定する入力を提供することによって(例えば、情報をタイピングすること、チェックボックスを選択すること、ラジオボタン(radio selections、ラジオボタン)を選択すること等によって)電子フォームを記入することは、コンピュータシステムがユーザアクションに応じてフォームを更新しなければならないが、フォームを手動で記入することと見なされる。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入され得、ここで、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムで実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析し、フィールドへの回答を指定するユーザ入力なしにフォームに記入する。上記のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザは、フィールドへ回答を手動で指定するのではなく、むしろ、回答は自動的に完了されている)。本明細書は、ユーザが取ったアクションに応じて自動的に実行される動作の様々な例を提供する。
おおよそ-ほとんど正確又は精密である値を指す。例えば、おおよそとは、精密な(又は所望の)値の1~10パーセント以内である値を指し得る。しかしながら、実際の閾値(又は許容差)は、用途に依存し得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、「おおよそ」は、ある指定された又は所望の値の0.1%以内を意味し得、他の各種実施形態では、閾値は、所望に応じて、又は特定の用途による必要に応じて、例えば、2%、3%、5%等であり得る。
同時-タスク、プロセス、又はプログラムが少なくとも部分的に重畳して実行される、並列の実行(execution or performance)を指す。例えば、同時実行は、タスクがそれぞれの計算要素で並列に(少なくとも部分的に)実行される「強い」若しくは厳密な並列を使用して実装され得、又は、タスクがインターリーブ式で、例えば、実行スレッドの時分割多重化によって実行される「弱い並列」を使用して実装され得る。
様々な構成要素は、タスク(単数又は複数)を実行する「ように構成されている(configured to)」と記載され得る。このようなコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク(単数又は複数)を実行する「構造を有していること」を一般に意味する広範な記述である。したがって、構成要素は、構成要素がタスクを現在実行していないときでも、このタスクを実行するように構成され得る(例えば、導電体のセットは、2つのモジュールが接続されていないときでも、モジュールを別のモジュールに電気的に接続するように構成され得る)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中にタスク(単数又は複数)を実行する「回路を有していること」を一般に意味する構造の広範な記述であってもよい。したがって、構成要素は、構成要素が現在オンでないときでも、タスクを実行するように構成され得る。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含み得る。
様々な構成要素が、説明の便宜上、タスク(単数又は複数)を実行するとして記載され得る。このような説明は、語句「ように構成されている」を含むとして解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素という記述は、この構成要素について米国特許法第112条(f)の解釈を適用しないことが明示的に意図されている。
図1A及び図1B:通信システム
図1Aは、いくつかの実施形態に係る、簡略化した例示的な無線通信システムを示す。図1Aのシステムは、考えられるシステムの単なる一例に過ぎず、本開示の特徴は、所望に応じて、様々なシステムにおいて実装されてもよいことに留意されたい。
図に示すように、例示的な無線通信システムは、1つ以上のユーザデバイス106A、106B等から106Nまでと、伝送媒体を介して通信する基地局102Aを含む。各ユーザデバイスは、本明細書では、「ユーザ機器」(UE)と称され得る。したがって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと称される。
基地局(BS)102Aは、ベーストランシーバ基地局(base transceiver station、BTS)又はセルサイト(cellular base station、「セルラ基地局」)であってもよく、UE106A~106Nとの無線通信を可能にするハードウェアを含み得る。
基地局の通信領域(又は、カバレッジ領域)は、「セル」と称され得る。基地局102AとUE106は、GSM、(例えば、WCDMA、又はTD-SCDMAエアインタフェースに関連付けられた)UMTS、LTE、LTEアドバンスト(LTE-Advanced、LTE-A)、5G新無線(5G New Radio、5G NR)、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)等の、無線通信技術又は電気通信規格とも称される様々な無線アクセス技術(Radio Access Technology、RAT)を使用して、伝達媒体を介して通信するように構成され得る。基地局102AがLTEのコンテキストにおいて実装されている場合、それは、代わりに、「eNodeB」又は「eNB」と称され得ることに留意されたい。基地局102Aが5G NRのコンテキストにおいて実装されている場合、それは、代わりに、「gNodeB」又は「gNB」と称され得ることに留意されたい。
図に示すように、基地局102Aはまた、ネットワーク100(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、セルラサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)等の電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信する機能を備えることができる。したがって、基地局102Aは、ユーザデバイス間の通信、及び/又は、ユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にすることができる。特に、セルラ基地局102Aは、音声、SMS、及び/又はデータサービス等の様々な電気通信能力をUE106に提供することができる。
基地局102A、及び同一の又は異なるセルラ通信規格に従って動作する(基地局102B~102N等の)他の類似の基地局は、セルのネットワークとして提供されてもよく、セルのネットワークは、連続するか、又はほぼ連続する重畳サービスを、地理的エリアにわたって、1つ以上のセルラ通信規格を介して、UE106A~N及び類似のデバイスに提供することができる。
したがって、図1に示すように、基地局102Aは、UE106A~Nに対して「サービングセル」として機能することができ、各UE106はまた、信号を、「隣接セル」と称され得る(基地局102B~N及び/又は任意の他の基地局によって提供され得る)1つ以上の他のセルから(可能な場合、それらの通信範囲内で)受信することが可能である。このようなセルはまた、ユーザデバイス間の通信、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を容易にすることが可能である。このようなセルは、「マクロ」セル、「マイクロ」セル、「ピコ」セル、及び/又はサービスエリアサイズの様々な他の粒度を提供するセルを含んでもよい。例えば、図1に示す基地局102A~102Bは、マクロセルであってもよく、基地局102Nは、マイクロセルであってもよい。他の構成もあり得る。
いくつかの実施形態では、基地局102Aは、次世代基地局、例えば、5G新無線(5G NR)基地局、又は「gNB」であってよい。いくつかの実施形態では、gNBは、従来の進化型パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)ネットワーク、及び/又はNRコア(NR Core、NRC)ネットワークに接続されてもよい。加えて、gNBセルは、1つ以上の送受信ポイント(transmission and reception point、TRP)を含んでもよい。加えて、5G NRに従って動作することが可能であるUEは、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
UE106は、複数の無線通信規格を使用して通信することが可能であり得ることに留意されたい。例えば、UE106は、少なくとも1つのセルラ通信プロトコル(例えば、GSM、(例えば、WCDMA又はTD-SCDMAエアインタフェースに関連付けられた)UMTS、LTE、LTE-A、5G NR、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)等)に加えて、無線ネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標))及び/又はピアツーピア無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth、Wi-Fiピアツーピア等)を使用して通信するように構成され得る。加えて又は代わりに、UE106は、所望に応じて、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(Global Navigational Satellite System、GNSS、例えば、GPS又はGLONASS)、1つ以上のモバイルテレビ放送規格(例えば、ATSC-M/H又はDVB-H)、及び/又は任意の他の無線通信プロトコルを使用して通信するように構成され得る。(3つ以上の無線通信規格を含む)無線通信規格の他の組み合わせもあり得る。
図1Bは、いくつかの実施形態に係る、基地局102及びアクセスポイント112と通信しているユーザ機器106(例えば、デバイス106A~106Nのうちの1つ)を示す。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、又は実質上あらゆる種類の無線デバイス等の、セルラ通信能力と非セルラ通信能力(例えば、Bluetooth、Wi-Fi等)との両方を備えるデバイスであってもよい。
UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサを含んでもよい。UE106は、このような記憶された命令を実行することによって、本明細書に記載の方法実施形態を実行し得る。代わりに又は加えて、UE106は、本明細書に記載の方法実施形態、又は本明細書に記載の方法実施形態の任意の部分を実行するように構成されている、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素を含んでもよい。
UE106は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技術を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含み得る。いくつかの実施形態では、UE106は、例えば、単一の共有無線機を使用するCDMA2000(1xRTT/1xEV-DO/HRPD/eHRPD)、LTE/LTE-Advanced、若しくは5G NR及び/又は当該単一の共有無線機を使用するGSM、LTE/LTE-Advanced、若しくは5G NRを用いて、通信するように構成され得る。共用無線機は、無線通信を実行するために、単一のアンテナに結合してもよく、又は(例えば、MIMOについて)複数のアンテナに結合してもよい。一般に、無線機は、ベースバンドプロセッサ、(例えば、フィルタ、ミキサ、発振器、増幅器等を含む)アナログRF信号処理回路、又は(例えば、デジタル変調及び他のデジタル処理のための)デジタル処理回路の任意の組み合わせを含み得る。同様に、無線機は、上記のハードウェアを使用して1つ以上の受信及び送信チェーンを実装してもよい。例えば、UE106は、上記の技術等の複数の無線通信技術の間で、受信及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共用し得る。
いくつかの実施形態では、UE106は、その通信に使用するように構成されている各無線通信プロトコルについて、(例えば、別個のアンテナ及び他の無線機構成要素を含む)別個の送信及び/又は受信チェーンを含んでもよい。更なる可能性として、UE106は、複数の無線通信プロトコルの間で共用される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによってのみ使用される1つ以上の無線機を含み得る。例えば、UE106は、LTE又は5G NR(又はLTE、1xRTT、LTE、GSM)のいずれかを使用して通信するための共用無線機と、Wi-Fi及びBluetoothの各々を使用して通信するための別個の無線機と、を含み得る。他の構成も可能である。
図2-アクセスポイントブロック図
図2は、アクセスポイント(AP)112の例示的なブロック図を示す。図2のAPのブロック図は、考えられるシステムの単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図に示すように、AP112は、AP112に対してプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)204を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)204はまた、プロセッサ(単数又は複数)204からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ260及び読み出し専用メモリ(ROM)250)内のロケーション、又は他の回路若しくはデバイス内のロケーションに変換するように構成されてもよいメモリ管理ユニット(MMU)240に(直接的又は間接的に)結合されてもよい。
AP112は、少なくとも1つのネットワークポート270を含み得る。ネットワークポート270は、有線ネットワークに結合し、UE106等の複数のデバイスにインターネットへのアクセスを提供するように構成され得る。例えば、ネットワークポート270(又は追加のネットワークポート)は、ホームネットワーク又は企業ネットワーク等のローカルネットワークに結合するように構成されていてもよい。例えば、ポート270は、イーサネットポートであってもよい。ローカルネットワークは、インターネット等の追加のネットワークへの接続性を提供することができる。
AP112は、無線送受信機として動作するように構成されていてもよく、更に無線通信回路230を介してUE106と通信するように構成され得るアンテナ234を少なくとも1つを含み得る。アンテナ234は、通信チェーン232を介して無線通信回路230と通信する。通信チェーン232は、1つ以上の受信チェーン、1つ以上の送信チェーン、又はその両方を含み得る。無線通信回路230は、例えば802.11のWi-Fi又はWLANを介して通信するように構成され得る。無線通信回路230はまた、又は代わりに、例えば、スモールセルの場合にAPが基地局と共同設置されるとき、又はAP112が様々な異なる無線通信技術を介して通信することが望まれ得る他の例において、5G NR、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE Advanced(LTE-A)、モバイル用グローバルシステム(GSM)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、CDMA2000等を含むがこれらに限定されない様々な他の無線通信技術を介して通信するように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態では、以下に更に説明するように、AP112は、マルチキャリアビーム選択及び電力制御のオーバーヘッドを削減する方法を実行するように構成され得る。
図3A:基地局のブロック図
図3Aは、いくつかの実施形態に係る、基地局102の例示的なブロック図を示す。図3Aの基地局は、考えられる基地局の単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図に示すように、基地局102は、基地局102のためにプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)304を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)304はまた、アドレスをプロセッサ(単数又は複数)304から受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ360及び読み出し専用メモリ(ROM)350)内のロケーション、又は他の回路若しくはデバイス内のロケーションに変換するように構成され得るメモリ管理ユニット(MMU)340に結合されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート370を含んでもよい。ネットワークポート370は、電話網に結合し、上記図1及び図2に説明するように、電話網へのアクセスをUEデバイス106等の複数のデバイスに提供するように構成され得る。
ネットワークポート370(又は追加のネットワークポート)は、加えて又は代わりに、セルラネットワーク、例えばセルラサービスプロバイダのコアネットワークに結合するように構成され得る。コアネットワークは、モビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを、UEデバイス106等の複数のデバイスに提供することができる。場合によって、ネットワークポート370は、電話網にコアネットワークを介して結合することができ、及び/又はコアネットワークは、(例えば、セルラサービスプロバイダによってサービスを提供される他のUEデバイスとの間で)電話網を提供することができる。
いくつかの実施形態では、基地局102は、次世代基地局、例えば、5G新無線(5G NR)基地局、又は「gNB」であってもよい。このような実施形態では、基地局102は、従来の進化型パケットコア(EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NRC)ネットワークに接続されてもよい。加えて、基地局102は、5G NRセルと考えられてもよく、1つ以上の送受信ポイント(TRP)を含んでもよい。加えて、5G NRに従って動作することが可能であるUEは、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ334、可能な場合、複数のアンテナを含んでもよい。少なくとも1つのアンテナ334は、無線送受信機として動作するように構成されてもよく、無線機330を介してUEデバイス106と通信するように更に構成されてもよい。アンテナ334は、通信チェーン332を介して無線機330と通信する。通信チェーン332は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であり得る。無線機330は、5G NR、LTE、LTE-A、GSM、UMTS、CDMA2000、Wi-Fi等を含むがこれらには限定されない様々な無線通信規格を介して通信するように構成され得る。
基地局102は、複数の無線通信規格を使用して無線通信するように構成され得る。場合によっては、基地局102は、基地局102が複数の無線通信技術に従って通信することを可能にし得る無線機を複数含むことができる。例えば、1つの可能性として、基地局102は、LTEに従って通信を実行するためのLTE無線機、及び5G NRに従って通信するための5G NR無線機を含み得る。このような場合、基地局102は、LTE基地局及び5G NR基地局の両方として動作することが可能であり得る。別の可能性として、基地局102は、複数の無線通信技術(例えば、5G NR及びWi-Fi、LTE及びWi-Fi、LTE及びUMTS、LTE及びCDMA2000、UMTS及びGSM等)に従って、通信を実行し得るマルチモード無線機を含むことができる。
本明細書に以下に更に説明するように、BS102は、本明細書に記載の特徴を実装するか、又はそれらの実装をサポートするためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含むことができる。基地局102のプロセッサ304は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の方法の一部分又は全てを実装するか、又はそれらの実装をサポートするように構成され得る。代わりに、プロセッサ304は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として、又はそれらの組み合わせとして構成され得る。代わりに(又は加えて)、BS102のプロセッサ304は、他の構成要素330、332、334、340、350、360、370のうちの任意の1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するか、又はそれらの実装をサポートするように構成され得る。
加えて、本明細書に説明するように、プロセッサ(単数又は複数)304は、1つ以上の処理要素から構成されてもよい。言い換えれば、プロセッサ(単数又は複数)304内に1つ以上の処理要素が含まれてもよい。したがって、プロセッサ(単数又は複数)304は、プロセッサ(単数又は複数)304の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(Integrated Circuit、IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)304の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
更に、本明細書に説明するように、無線機330は、1つ以上の処理要素から構成されてもよい。言い換えれば、無線機330内に1つ以上の処理要素が含まれてもよい。したがって、無線機330は、無線機330の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、無線機330の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。
図3B:サーバのブロック図
図3Bは、いくつかの実施形態に係る、サーバ104の例示的なブロック図を示す。図3Bのサーバは、可能なサーバの単なる一例に過ぎないことに留意されたい。図に示すように、サーバ104は、サーバ104に対してプログラム命令を実行し得るプロセッサ(単数又は複数)344を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)344はまた、アドレスをプロセッサ(単数又は複数)344から受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ364及び読み出し専用メモリ(ROM)354)内のロケーション、又は他の回路若しくはデバイス内のロケーションに変換するように構成され得るメモリ管理ユニット(MMU)374に結合されてもよい。
サーバ104は、例えば本明細書に更に説明するように、基地局102、UEデバイス106、及び/又はUTM108等の複数のデバイスに、ネットワーク機能へのアクセスを提供するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、サーバ104は、5G新無線(5G NR)無線アクセスネットワーク等の無線アクセスネットワークの一部であり得る。いくつかの実施形態では、サーバ104は、従来の進化型パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NR Core、NRC)ネットワークに接続され得る。
本明細書に後に更に説明するように、サーバ104は、本明細書に記載の特徴を実装するか、又はそれらの実装をサポートするためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含むことができる。サーバ104のプロセッサ344は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の方法の一部分又は全てを実装するか、又はそれらの実装をサポートするように構成され得る。代わりに、プロセッサ344は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として、又はそれらの組み合わせとして構成され得る。代わりに(又は加えて)、サーバ104のプロセッサ344は、他の構成要素354、364、及び/又は374のうちの1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するか、又はそれらの実装をサポートするように構成され得る。
加えて、本明細書に説明するように、プロセッサ(単数又は複数)344は、1つ以上の処理要素から構成されてもよい。言い換えれば、プロセッサ(単数又は複数)344内に1つ以上の処理要素が含まれてもよい。したがって、プロセッサ(単数又は複数)344は、プロセッサ(単数又は複数)344の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(Integrated Circuit、IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)344の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
図4:UEのブロック図
図4は、いくつかの実施形態に係る、通信デバイス106の例示的な簡略化されたブロック図を示す。図4の通信デバイスのブロック図は、考えられる通信デバイスの一例に過ぎないことに留意されたい。実施形態によれば、通信デバイス106は、他のデバイスの中でもとりわけ、ユーザ機器(User Equipment、UE)デバイス、モバイルデバイス若しくは移動局、無線デバイス若しくは無線ステーション、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、ノートブック、又はポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、無人航空機(UAV)、UAVコントローラ(UAC)及び/又はデバイスの組み合わせであってもよい。図に示すように、通信デバイス106は、コア機能を実行するように構成されている構成要素のセット400を含むことができる。例えば、構成要素のこのセットは、様々な目的のための部分を含み得るシステムオンチップ(System On Chip、SOC)として実装されてもよい。代わりに、構成要素のこのセット400は、様々な目的のための別個の構成要素又は構成要素のグループとして実装されてもよい。構成要素のセット400は、通信デバイス106の様々な他の回路に(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合されてもよい。
例えば、通信デバイス106は、(例えば、NANDフラッシュ410を含む)様々なタイプのメモリと、(例えば、コンピュータシステム、ドック、充電ステーション、又はマイクロフォン、カメラ、キーボード等の入力デバイス、又はスピーカ等の出力デバイス等に接続するための)コネクタI/F420等の入出力インタフェースと、通信デバイス106と一体化されてもよくその外部にあってもよいディスプレイ460と、5G NR、LTE、GSM等のためのセルラ通信回路430と、近/中距離無線通信回路429(例えば、Bluetooth(登録商標)及びWLAN回路)と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイス106は、例えばイーサネットのためのネットワークインタフェースカード等の有線通信回路(図示せず)を含むことができる。
セルラ通信回路430は、図に示すように、アンテナ435及び436等の1つ以上のアンテナに(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合することができる。近/中距離無線通信回路429はまた、図に示すように、アンテナ437及び438等の1つ以上のアンテナに(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合することができる。代わりに、近/中距離無線通信回路429は、アンテナ437及び438に(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合することに加えて、又はその代わりに、アンテナ435及び436に(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合することができる。近/中距離無線通信回路429及び/又はセルラ通信回路430は、多重入出力(Multiple-Input Multiple Output)(MIMO)構成等における複数の空間ストリームを受信及び/又は送信するための複数の受信チェーン及び/又は複数の送信チェーンを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、以下に更に説明するように、セルラ通信回路430は、複数のRATのための(例えば、専用プロセッサ及び/又は無線機を含むか、又は専用プロセッサ及び/又は無線機に通信可能に、直接又は間接的に結合されている)専用受信チェーン(例えば、LTEのための第1の受信チェーン、及び5G NRのための第2の受信チェーン)を含み得る。加えて、いくつかの実施形態では、セルラ通信回路430は、特定のRATに専用の無線機間で切り替えられ得る単一の送信チェーンを含むことができる。例えば、第1の無線機は、第1のRAT(例えば、LTE)専用であってもよく、専用の受信チェーン、及び追加の無線機(例えば、第2の無線機)と共用される送信チェーン通信していてもよく、第2の無線機は、第2のRAT(例えば、5G NR)専用であってもよく、専用の受信チェーン及び共用される送信チェーンと通信していてもよい。
通信デバイス106はまた、1つ以上のユーザインタフェース要素を含むか、及び/又は1つ以上のユーザインタフェース要素と共に使用するように構成され得る。ユーザインタフェース要素は、(タッチスクリーンディスプレイであってもよい)ディスプレイ460、(分離キーボードであってもよく、又はタッチスクリーンディスプレイの一部分として実装されてもよい)キーボード、マウス、マイクロフォン、及び/又はスピーカ、1つ以上のカメラ、1つ以上のボタン等の様々な要素のうちのいずれか、及び/又は情報をユーザに提供すること及び/又はユーザ入力を受信若しくは解釈することが可能である様々な他の要素を含んでもよい。
通信デバイス106は、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module、SIM)機能性を含む1つ以上のスマートカード445、例えば、1つ以上のユニバーサル集積回路カード(Universal Integrated Circuit Card、UICC)445を更に含んでもよい。「SIM」又は「SIMエンティティ」という用語は、着脱式若しくは埋め込み型のいずれかの、1つ以上のUICC(単数又は複数)カード445、1つ以上のeUICC、1つ以上のeSIM等の様々な種類のSIM実装又はSIM機能性を含むことが意図されていることに留意されたい。いくつかの実施形態では、UE106は、少なくとも2つのSIMを含み得る。各SIMは、1つ以上のSIMアプリケーションを実行してもよく、及び/又はSIM機能性を実装してもよい。したがって、各SIMは、例えば、UE106内の回路基板上にはんだ付けし得る、単一の埋め込み可能なスマートカードであってもよく、又は各SIMは、着脱式スマートカードとして実装されてもよい。したがって、SIM(単数又は複数)は、1つ以上の着脱式スマートカード(「SIMカード」と称され得るUICCカード等)であってもよく、及び/又はSIM410は、1つ以上の埋め込み型カード(「eSIM」又は「eSIMカード」と称され得る組み込み型UICC(eUICC)等)であってもよい。いくつかの実施形態(SIMがeUICCを含むとき等)では、SIMのうちの1つ以上は、埋め込み型SIM(eSIM)機能性を実装してもよい。そのような実施形態では、単一のSIM(単数又は複数)は、複数のSIMアプリケーションを実行することができる。SIMの各々は、プロセッサ及び/又はメモリ等の構成要素を含み得、SIM/eSIM機能性を実行するための命令は、メモリに記憶され、プロセッサによって実行され得る。いくつかの実施形態では、UE106は、必要に応じて、着脱式スマートカードと固定/非着脱式スマートカード(eSIM機能性を実装する1つ以上のeUICCカード等)との組み合わせを含み得る。例えば、UE106は、2つの埋め込み型SIM、2つの着脱式SIM、又は1つの埋め込み型SIMと1つの着脱式SIMとの組み合わせを含み得る。様々な他のSIMの構成も考慮される。
上記のように、いくつかの実施形態では、UE106は、2つ以上のSIMを含み得る。UE106に2つ以上のSIMを含めることは、UE106が2つの異なる電話番号をサポートすることを可能にし得、UE106が対応する2つ以上のそれぞれのネットワーク上で通信することを可能にし得る。例えば、第1のSIMは、LTE等の第1のRATをサポートし得、第2のSIMは、5G NR等の第2のRATをサポートし得る。当然、他の実装及びRATも可能である。いくつかの実施形態では、UE106が2つのSIMを含む場合、UE106は、デュアルSIMデュアルアクティブ(DSDA)機能性をサポートし得る。DSDA機能性は、UE106が、2つのネットワークに同時に接続される(そして2つの異なるRATを使用する)か、又は同じ若しくは異なるネットワーク上で同じ若しくは異なるRATを使用して2つの異なるSIMによってサポートされる2つの接続を同時に維持することを可能にし得る。DSDA機能性はまた、UE106が、いずれかの電話番号で音声呼び出し又はデータトラフィックを同時に受信することを可能にし得る。特定の実施形態では、音声呼び出しは、パケット交換通信であり得る。言い換えれば、音声呼び出しは、ボイスオーバLTE(VoLTE)技術及び/又はボイスオーバNR(VoNR)技術を使用して受信され得る。いくつかの実施形態では、UE106は、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)機能性をサポートすることができる。DSDS機能性は、UE106内の2つのSIMのいずれかが音声呼び出し及び/又はデータ接続を待機することを可能にし得る。DSDSでは、1つのSIM上で通話/データが確立されると、他のSIMはアクティブでなくなる。いくつかの実施形態では、DSDx機能性(DSDA又はDSDS機能のいずれか)は、異なるマルチキャリアビーム及び/又はRATに対して複数のSIMアプリケーションを実行する単一のSIM(例えば、eUICC)によって実装され得る。
図に示すように、SOC400は、通信デバイス106のためにプログラム命令を実行できるプロセッサ(単数又は複数)402と、グラフィック処理を実行し、ディスプレイ460に表示信号を提供できる表示回路404とを含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)402は、プロセッサ(単数又は複数)402からアドレスを受信し、それらのアドレスを、メモリ(例えば、メモリ406、読み出し専用メモリ(ROM)450、NANDフラッシュメモリ410)内のロケーション、及び/又は表示回路404、近/中距離無線通信回路429、セルラ通信回路430、コネクタI/F420、及び/又はディスプレイ460等の、その他の回路若しくはデバイス内のロケーションに変換するように構成され得るメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。MMU440は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、MMU440は、プロセッサ(単数又は複数)402の一部分として含まれてもよい。
上記のように、通信デバイス106は、無線及び/又は有線通信回路を使用して通信するように構成され得る。通信デバイス106は、本明細書に更に説明するように、例えば、5G NRシステム等の統合TCIフレームワークに基づいて、ビーム障害回復のための方法を実行するように構成され得る。
本明細書に説明するように、通信デバイス106は、通信デバイス106が省電力スケジューリングプロファイルをネットワークに通信するための上記の特徴を実装するハードウェア及びソフトウェア構成要素を含み得る。通信デバイス106のプロセッサ402は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。代わりに(又は加えて)、プロセッサ402は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として構成され得る。代わりに(又は加えて)、通信デバイス106のプロセッサ402は、他の構成要素400、404、406、410、420、429、430、440、445、450、460のうちの任意の1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。
加えて、本明細書に説明するように、プロセッサ402は、1つ以上の処理要素を含むことができる。したがって、プロセッサ402は、プロセッサ402の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(Integrated Circuit、IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、プロセッサ(単数又は複数)402の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
更に、本明細書に説明するように、セルラ通信回路430及び近/中距離無線通信回路429の各々は、1つ以上の処理要素を含み得る。言い換えれば、セルラ通信回路430に1つ以上の処理要素が含まれてもよく、同様に、近/中距離無線通信回路429に1つ以上の処理要素が含まれてもよい。したがって、セルラ通信回路430は、セルラ通信回路430の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含むことができる。加えて、各集積回路は、セルラ通信回路430の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。同様に、近/中距離無線通信回路429は、近/中距離無線通信回路429の機能を実行するように構成されている1つ以上のICを含み得る。加えて、各集積回路は、近/中距離無線通信回路429の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含むことができる。
図5:セルラ通信回路のブロック図
図5は、いくつかの実施形態に係る、セルラ通信回路の例示的な簡略化されたブロック図を示す。図5のセルラ通信回路のブロック図は、考えられるセルラ通信回路の一例に過ぎないことに留意されたい。実施形態によると、セルラ通信回路430であってもよいセルラ通信回路530は、上記通信デバイス106等の通信デバイスに含まれてもよい。上記のように、通信デバイス106は、他のデバイスの中でもとりわけ、ユーザ機器(UE)デバイス、モバイル機器若しくは移動局、無線デバイス若しくは無線基地局、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、ノートブック、又はポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、及び/又はデバイスの組み合わせであってもよい。
セルラ通信回路530は、(図4に)示すように、アンテナ435a~b及び436等の1つ以上のアンテナに、(例えば、通信可能に、直接的又は間接的に)結合することができる。いくつかの実施形態では、セルラ通信回路530は、複数のRATのための(例えば、専用プロセッサ及び/又は無線機を含むか、又は専用プロセッサ及び/又は無線機に通信可能に、直接又は間接的に結合されている)専用受信チェーン(例えば、LTEのための第1の受信チェーン、及び5G NRのための第2の受信チェーン)を含み得る。例えば、図5に示すように、セルラ通信回路530は、モデム510及びモデム520を含んでもよい。モデム510は、第1のRAT、例えば、LTE又はLTE-A等に従った通信のために構成されてもよく、モデム520は、第2のRAT、例えば、5G NR等に従った通信のために構成されてもよい。
図に示すように、モデム510は、1つ以上のプロセッサ512、及びプロセッサ512と通信しているメモリ516を含んでもよい。モデム510は、無線周波数(Radio Frequency、RF)フロントエンド530と通信していてもよい。RFフロントエンド530は、無線信号を送受信するための回路を含んでもよい。例えば、RFフロントエンド530は、受信回路(Receive Circuitry、RX)532及び送信回路(Transmit Circuitry、TX)534を含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信回路532は、アンテナ335aを介して無線信号を受信するための回路を含見得るダウンリンク(Downlink、DL)フロントエンド550と通信していてもよい。
同様に、モデム520は、1つ以上のプロセッサ522、及びプロセッサ522と通信しているメモリ526を含んでもよい。モデム520は、RFフロントエンド540と通信していてもよい。RFフロントエンド540は、無線信号を送受信するための回路を含んでもよい。例えば、RFフロントエンド540は、受信回路542及び送信回路544を含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信回路542は、アンテナ335bを介して無線信号を受信するための回路を含み得るDLフロントエンド560と通信していてもよい。
いくつかの実施形態では、スイッチ570は、送信回路534をアップリンク(Uplink、UL)フロントエンド572に結合してもよい。加えて、スイッチ570は、送信回路544をULフロントエンド572に結合してもよい。ULフロントエンド572は、アンテナ336を介して無線信号を送信するための回路を含んでもよい。したがって、セルラ通信回路530が、(例えば、モデム510を介してサポートされる)第1のRATに従って送信するという命令を受信すると、スイッチ570は、モデム510が第1のRATに従って信号を(例えば、送信回路534及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)送信することを可能にする第1の状態に切り替えられ得る。同様に、セルラ通信回路530が、(例えば、モデム520を介してサポートされる)第2のRATに従って送信するという命令を受信すると、スイッチ570は、モデム520が第2のRATに従って信号を(例えば、送信回路544及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)送信することを可能にする第2の状態に切り替えられ得る。
いくつかの実施形態では、セルラ通信回路530は、本明細書に更に説明するように、例えば、5G NRシステム等の統合TCIフレームワークに基づいて、ビーム障害回復のための方法を実行するように構成され得る。
本明細書に説明するように、モデム510は、上記の特徴を実装するための、又はNSA NR動作のためにULデータを時分割多重化するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素、並びに本明細書に記載の様々な他の技法を含むことができる。プロセッサ512は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。代わりに(又は加えて)、プロセッサ512は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として構成され得る。代わりに(又は加えて)、プロセッサ512は、他の構成要素530、532、534、550、570、572、335、及び336のうちの任意の1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。
加えて、本明細書に説明するように、プロセッサ512は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。したがって、プロセッサ512は、プロセッサ512の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよい。加えて、各集積回路は、プロセッサ512の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
本明細書に説明するように、モデム520は、それが省電力スケジューリングプロファイルをネットワークに通信するための上記の特徴を実装するハードウェア及びソフトウェア構成要素、並びに本明細書に説明する様々な他の技法を含み得る。プロセッサ522は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。代わりに(又は加えて)、プロセッサ522は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラム可能ハードウェア要素として、又は特定用途向け集積回路(ASIC)として構成され得る。代わりに(又は加えて)、プロセッサ522は、他の構成要素540、542、544、550、570、572、335、及び336のうちの任意の1つ以上と共に、本明細書に記載の特徴の一部分又は全てを実装するように構成され得る。
加えて、本明細書に説明するように、プロセッサ522は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。したがって、プロセッサ522は、プロセッサ522の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよい。加えて、各集積回路は、プロセッサ522の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路等)を含んでもよい。
図6A及び6B:LTEを有する5G NRアーキテクチャ
いくつかの実装態様では、第5世代(fifth generation、5G)無線通信は初期に、現在の無線通信規格(例えば、LTE)と同時に展開される。例えば、LTEと5G新無線(5G NR又はNR)との間の二重接続性は、NRの初期展開の一部として規定されている。したがって、図6A~Bに示すように、進化型パケットコア(EPC)ネットワーク600は、現在のLTE基地局(例えば、eNB602)とそのまま通信を続けることができる。加えて、eNB602は、5G NR基地局(例えば、gNB604)と通信していてもよく、EPCネットワーク600とgNB604との間でデータを渡すことができる。したがって、EPCネットワーク600は使用(又は、再使用)することができ、そしてgNB604は、UEに対する追加の能力(例えば、UEに増大したダウンリンクスループットを提供する)として機能することができる。言い換えれば、LTEを制御プレーンシグナリングに使用し、NRをユーザプレーンシグナリングに使用することができる。したがって、LTEを用いて、ネットワークへの接続を確立することができ、NRをデータサービスに使用することができる。
図6Bは、eNB602及びgNB604についての提案されたプロトコルスタックの例を示す。図に示すように、eNB602は、無線リンク制御(radio link control、RLC)レイヤ622a~bとインタフェースする媒体アクセス制御(medium access control、MAC)レイヤ632を含み得る。RLCレイヤ622aは、パケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol、PDCP)レイヤ612aとインタフェースしてもよく、RLCレイヤ622bは、PDCPレイヤ612bとインタフェースしてもよい。LTE-Advanced Release 12に指定するような二重接続性と同様に、PDCPレイヤ612aは、マスタセルグループ(MCG)ベアラを介してEPCネットワーク600にインタフェースしてもよく、PDCPレイヤ612bは、分割ベアラを介してEPCネットワーク600とインタフェースしてもよい。
加えて、図に示すように、gNB604は、RLCレイヤ624a~bとインタフェースするMACレイヤ634を含んでもよい。RLCレイヤ624aは、eNB602とgNB604との間の情報交換及び/又は調整(例えば、UEのスケジューリング)のためのX2インタフェースを介して、eNB602のPDCPレイヤ612bとインタフェースしてもよい。加えて、RLCレイヤ624bは、PDCPレイヤ614とインタフェースしてもよい。LTE-Advancedリリース12に指定するような二重接続性と同様に、PDCPレイヤ614は、セカンダリセルグループ(secondary cell group、SCG)ベアラを介してEPCネットワーク600とインタフェースしてもよい。したがって、eNB602は、マスタノード(master node、MeNB)と見なされてもよく、gNB604は、セカンダリノード(secondary node、SgNB)と見なされてもよい。いくつかのシナリオでは、UEには、MeNBとSgNBの両方への接続を維持することが必要とされる場合がある。そのようなシナリオでは、EPCへの無線リソース制御(RRC)接続を維持するためにMeNBが使用されてもよく、能力(例えば、追加のダウンリンク及び/又はアップリンクスループット)のためにSgNBが使用されてもよい。
図7:UEベースバンドプロセッサアーキテクチャ
図7は、いくつかの実施形態に係る、UE(例えば、UE106等)のベースバンドプロセッサアーキテクチャの実施例を示す。図7に示すベースバンドプロセッサアーキテクチャ700は、上記のように、1つ以上の無線機(例えば、上記無線機329及び/又は330)又はモデム(例えば、モデム510及び/又は520)上に実装されてもよい。図に示すように、非アクセス層(NAS)710は、5G NAS720及び従来型NAS750を含み得る。従来型NAS750は、従来型のアクセス層(AS)770との通信接続を含み得る。5G NAS720は、5G AS740と非3GPP AS730の両方との通信接続、及びWi-Fi AS732との通信接続を含み得る。5G NAS720は、両方のアクセス層に関連付けられた機能エンティティを含んでもよい。したがって、5G NAS720は、複数の5G MMエンティティ726及び728、並びに5Gセッション管理(SM)エンティティ722及び724を含み得る。従来型NAS750は、ショートメッセージサービス(SMS)エンティティ752、進化型パケットシステム(EPS)セッション管理(ESM)エンティティ754、セッション管理(SM)エンティティ756、EPSモビリティ管理(EMM)エンティティ758、及びモビリティ管理(MM)/GPRSモビリティ管理(GMM)エンティティ760、等の機能エンティティを含み得る。加えて、従来型AS770は、LTE AS772、UMTS AS774、及び/又はGSM/GPRS AS776等の機能エンティティを含み得る。
したがって、ベースバンドプロセッサアーキテクチャ700は、5Gセルラと非セルラ(例えば、非3GPPアクセス)の両方に対して共通の5G-NASを可能にする。図に示すように、5G MMは、各接続に対して個別の接続管理及び登録管理のステートマシンを維持し得ることに留意されたい。加えて、デバイス(例えば、UE106)は、5Gセルラアクセス並びに非セルラアクセスを使用して、単一のPLMN(例えば、5G CN)に登録することができる。更に、デバイスは、あるアクセスで接続済み状態であり、別のアクセスでアイドル状態である可能性があり得、逆もまた同様である。最後に、両方のアクセスに対して共通の5G-MM手順(例えば、登録、登録解除、識別、認証等)が存在し得る。
様々な実施形態では、5G NAS及び/又は5G ASの上記機能エンティティのうちの1つ以上は、例えば、本明細書に更に説明するように、マルチキャリアビーム選択及び電力制御のオーバーヘッドを削減する方法を実行するように構成され得る。
図8-無線リンク障害に応答するものである接続再確立手順
ユーザ機器(UE)がネットワーク(例えば、基地局又は進化型ノード-B(eNB)/次世代ノード-B(gNB))との接続を確立しているシナリオでは、UEは、無線リソース制御(RRC)接続済みモードにあると見なされ得る。しかしながら、UEが無線リンク障害(RLF)を経験する場合、UEは、接続再確立手順を実行し得る。より具体的には、接続再確立セル選択中に適切なセルが見つかった場合、UEは、セルラネットワークとOTAメッセージのシーケンスを交換して、接続を再開し得る。例えば、図8は、いくつかの実施形態に係る、無線リンク障害(RLF)に応答するものである接続再確立手順を示す。
UEは、様々な物理レイヤの問題、1つ以上のタイマ(例えば、T310タイマ)の満了、又はUEがランダムアクセス再接続試行の最大数に達した場合に、RLFを経験し得る。より具体的には、一部のUEは、UEが最小のセルカバレッジを有するエリアに入った可能性がある一時的カバレッジ範囲外シナリオに起因して、無線リンク障害を経験し得る。よって、最小のセルカバレッジ(例えば、最小限のキャリア信号強度)は、この間にプライマリサービングセル「Pcell」を失うことをもたらし得る。例えば、一部のUEは、他の例の中でもとりわけ、エレベータに入ること、地下室に入ること、又はトンネルに入ることにより、Pcellを失うことを経験し得る。この接続の再確立期間中に、ネットワークとのUEユーザプレーンデータ転送は中断され得る。
一時的カバレッジ範囲外シナリオが解決されると(例えば、ユーザ及び/又はUEが地下室、エレベータ、又はトンネルを出ると)、UEはネットワークに再接続することを試みることができる。接続再確立セル選択手順の間、UEは、RLFを経験する前に使用したか、又はキャンプオンしていたのと同じプライマリサービングセル「Pcell」を再選択することができる。しかしながら、UEは依然として、不必要に時間がかかり得る適切な接続再確立手順を実行する必要があり得る。
例えば、図8に示すように、セルラデバイス802(例えば、UE)は、セルラネットワーク804に対応する第1のサービングセル(例えば、プライマリセル(PCell))との接続を確立することができる。よって、UEは、RRC接続済み状態806にあると見なされ得、上記問題に対応する無線リンク障害(RLF)808を更に経験又は検出することができる。810では、UEは、ネットワークとの接続再確立を開始し、接続済みモード構成のいくつかを更にリリースする(例えば、セカンダリセル(Scell)をリリースする)ことができる。そのうえ、UEが812でセル選択を実行した後、UEは、レイヤ1(L1)及びメディアアクセス制御(MAC)のデフォルト構成を814で適用することによって、再確立要求をネットワークに送信するように準備することができる。よって、UEとネットワークは、適切な3GPP仕様及び規格に定義される対応する動作の一部としての、RRC再確立要求816メッセージ、RRC再確立完了818メッセージ、RRC再構成完了820メッセージ、RRC再構成822メッセージ、及びRRC再構成完了824メッセージ等のRRCメッセージを交換することができる。
加えて、RRC再構成エアーメッセージは、PCell及びScellの完全な又は部分的な構成を提供及び/又は含むことができる。そのうえ、接続再確立手順を完了するために、無線リンク制御(RLC)及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)無線ベアラ再確立が必要とされ得る。新無線(NR)では、それらの動作は、最大29msがかかり得る。例えば、UEがその構成をリリースすること及びデフォルトの構成を適用することに関連する動作は最大3msがかかり、RRC再確立完了820メッセージのRRC処理遅延要件に関連する動作は最大10msがかかり、RRC再構成完了824メッセージのRRC処理遅延要件に関連する動作は最大16msがかかり、合計約29msがかかり得る。
ロングタームエボリューション(LTE)では、それらの動作は、最大38msがかかり得る。例えば、UEがその構成をリリースすること及びデフォルトの構成を適用することに関連する動作は最大3msがかかり、RRC再確立完了820メッセージのRRC処理遅延要件に関連する動作は最大15msがかかり、RRC再構成完了824メッセージのRRC処理遅延要件に関連する動作は最大20msがかかり、合計約38msがかかり得る。よって、上記のものと同様の動作を実行すると、UEは、ネットワークとのUEユーザプレーンデータ転送が中断され得る不必要な時間を経験し得る。
強化型無線リンク障害回復のための方法
本明細書に記載の実施形態は、強化型無線リンク障害回復のためのメカニズムを提供する。例えば、いくつかの実施形態は、UEが、RLFの検出又は発生の前に接続されていたか、又はキャンプオンしていたのと同じプライマリサービングセル「Pcell」を選択する接続再確立セル選択手順を実行することを含み得る。そのうえ、UEは、上記接続再確立手順を再実行する代わりに、接続再確立手順を停止し、特定のトリガをネットワークに送信することができる。いくつかの実施形態によれば、トリガは、RRC専用シグナリングエアーメッセージ又はレイヤ2(L2)メディアアクセス制御(MAC)レイヤシグナリングであり得る。加えて又は代わりに、特定のトリガがネットワークによって正常に受信され、成功したランダムアクセス手順をもたらすと、接続が再確立されたと見なされ得る。よって、RLFの発生及びPcell接続の喪失で失われたユーザプレーンデータ転送は、ネットワークでの強化型RLF回復特定トリガの受信によって直ちに再開され得る。言い換えれば、ユーザプレーンデータ転送は、上記図8に示す814でUEがレイヤ1(L1)及びメディアアクセス制御(MAC)のデフォルト構成を適用することに対応する、ランダムアクセス手順内のポイントで、再開され得る。よって、UEは、図8に示す814~824に関連付けられた完全な接続再確立手順を実行することに関連する29ms及び38msの遅延を経験することなく、ネットワークとのユーザプレーンデータ転送を再確立することができ得る。
図9-強化型RLF回復手順
図9は、いくつかの実施形態に係る、強化型RLF回復手順のハイレベルフロー図を示す。
図9の方法の態様は、図に示し及び説明するように、必要に応じて、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106によって実行されてもよく、又は、より一般に、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム又はデバイス、又は図に示す他の回路、システム、デバイス、要素若しくは構成要素と共に実行されてもよい。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)402、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)等)は、UEに、図に示す方法要素の一部分又は全てを実行させることができる。方法の少なくともいくつかの要素は、3GPP仕様文書に関連付けられた通信技法及び/又は特徴の使用に関係して記載されているが、このような記載は、本開示に限定することは意図されておらず、方法の態様は、所望に応じて、任意の好適な無線通信システムにおいて使用され得ることに留意されたい。各種実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
いくつかの実施形態によれば、例えば、図9に示すように、セルラデバイス902(例えば、UE)は、UEがRRC接続済み状態906にあると見なされるように、セルラネットワークセル(例えば、第1のセル又はPCell)904との接続を確立することができる。
908では、UE902は、強化型RLF回復に関するその能力をネットワーク904に示すことができる。いくつかの実施形態によれば、例えば、UEは、その強化型RLF回復機能がサポートされることを示す、無線リソース制御(RRC)メッセージをネットワークに送信することができる。いくつかの実施形態では、UEは、UE能力情報(例えば、非アクセス層(NAS)又はRRCレイヤUE能力専用シグナリングエアーメッセージ)を通じて、ネットワークにこの機能のサポートを示すことができる。
910では、ネットワークは、確保した専用シグナリング(例えば、OTA RRCメッセージ)を通じて、Pcell(例えば、第1のセル)上のRLF回復後に接続済みモード構成が適用され得る強化型RLF回復機能を有効化し得る。加えて又は代わりに、RLF回復後にUEが構成を再使用できるように、接続済みモード構成の適用範囲(例えば、共通か、それとも専用か)は、RLFの前にネットワークによって判定され得る。よって、(例えば、少なくともPcell/第1のセル上の)ユーザプレーンデータ転送は、構成セットが部分的に適用されたのか(例えば、ネットワークは、RLF回復後に別のRRC再構成OTAメッセージを送信することができる)、それとも構成セットが全体的に適用されたのかに関係なく、直ちに再開され得る。いくつかの実施形態によれば、ネットワークは、RRC接続内で、専用シグナリングエアーメッセージ(例えば、RRC専用シグナリングエアーメッセージ)を通じて、UE内のこの強化型RLF回復機能を動的に有効化及び無効化することができる。
機能が有効化されるいくつかの実施形態によれば、ネットワークは、UEに強化型RLF回復構成の有効期間を構成することができる。より具体的には、強化型RLF回復構成の有効期間は、UEが対応する構成を有効な構成と見なす期間に対応し得る。言い換えれば、対応する構成は、有効期間が閾値を超えていない場合にのみ、UEによって有効に適用され得る。いくつかの実施形態によれば、ネットワークは、各強化型RLF回復構成が異なる別個の有効期間に対応するように、同じPcell内に2つ以上の構成を関連付けることができる。いくつかの実施形態によれば、ネットワークセルは、システム情報ブロードキャストメッセージパラメータ(例えば、SIB1パラメータ)を通じて、この有効期間機能がサポートされているか、それともサポートされていないかを示し得る。
いくつかの実施形態では、RLF回復後に、RLFの前に構成されたRRC接続済みモード構成がUEによって完全に再使用されない場合、ネットワークは、現在のPcell構成又は全体的な(例えば、完全な)接続済みモード構成(共通又は専用)が、強化型RLF回復後にUEによって適用され得るように、UEに構成の差分又はデルタ(例えば、部分的な構成)を構成することができる。
912では、UEは、UEが最小のセルカバレッジを有するエリアに入った可能性がある一時的カバレッジ範囲外シナリオに対応するものであり得る無線リンク障害(RLF)を検出することができる。よって、これにより、この間にプライマリサービングセル「Pcell」を失い、接続が再確立される前に、ネットワークとのUEユーザプレーンデータ転送は中断され得る。
914では、UEは、セル選択916を実行することによって、接続再確立手順を開始することができる。より具体的には、UEは、アイドルモード測定及び特定のセル選択基準に基づいて、適切なセル(例えば、UEが通常のサービスを取得することができるセル)を選択することができる。例えば、セルは、選択された又は登録された公衆陸上移動体通信網(PLMN)の一部であり得、UEは、NR又はLTEの無線インタフェース(例えば、進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E-UTRA))内の無線周波数(RF)チャネルをスキャンすることができる。いくつかの実施形態によれば、UEは、各キャリア周波数上の最も強いセルのみを探索し得、適切なセルが見つかると、このセルはUEによって選択され得る。言い換えれば、UEは、第1のセル(例えば、RLFの前にキャンプオンしていたPcell)が適切なRLF回復候補セルであると、接続再確立セル選択手順を介して判定することができる。いくつかの実施形態によれば、UEは、1つ以上のRLFを検出したことと、第1のセルが適切なRLF回復候補セルであると判定したことに応じて、第1のセルのための構成情報を適用することができる。
いくつかの実施形態によれば、918では、選択されたPcellが、UEが以前に接続されていたか、又はキャンプオンしていた第1のセルである場合、UEは、特定のトリガをネットワークに(例えば、RRCシグナリングOTAメッセージングを介して)送信することができる。よって、ネットワークによって特定のトリガが正常に受信されると、データがネットワークとUEとの間で再び交換され得るように、ユーザプレーンデータ転送は再開され得る。加えて又は代わりに、UEからネットワークに送信された接続再確立特定トリガは、ネットワークに追加情報を提供することができる。例えば、トリガは、送信された特定のトリガの理由が、強化型RLF回復手順に関係しているというインジケーションを含み得る。いくつかの実施形態では、トリガは、2つ以上の強化型RLF回復構成が構成されたシナリオにおける適用された強化型RLF回復構成の識別子を含み得る。加えて又は代わりに、トリガは、RLFの原因に関する情報、並びにRLF(例えば、信号強度測定値)及び/又は3GPPに定義される任意の他の情報に関連し得る任意の更なるデータを含み得る。
よって、接続再確立中に、選択されたセルが、RLFが発生する前にUEがキャンプオンしていたPcellであり(一時的カバレッジ範囲外シナリオに典型的である)、且つRLFの前に、RRC接続済みモード構成の大部分が適用された場合、NR及びLTE接続再確立動作はそれぞれ、かかり29ms及び38msから、ネットワークに強化型RLF回復トリガを開始及び送信するのに必要な時間に対応し得る約2ミリ秒までに低減され得る。そのうえ、この技法は、LTE及びNR以外の異なるセルラ技法又は任意の将来のセルラ技法に適用され得る。
図10-無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを使用した強化型RLF回復のための方法
図10は、いくつかの実施形態に係る、強化型RLF回復無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを使用した強化型RLF回復手順の例示的なフロー図を示す。より具体的には、図10は、ネットワークが、現在のPcell(例えば、以前に接続されていた及び/又はキャンプオンしていたもの)又は他の候補Pcell(例えば、隣接セル)等の候補Pcellに関連付けられた1つ以上の強化型RLF回復RRC再構成符号化OTAメッセージを、RRC再構成手順を通じてUEに構成し得る方法を示す。
図10の方法の態様は、図に示し及び説明するように、必要に応じて、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106によって実行されてもよく、又は、より一般に、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム又はデバイス、又は図に示す他の回路、システム、デバイス、要素若しくは構成要素と共に実行されてもよい。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)402、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)等)は、UEに、図に示す方法要素の一部分又は全てを実行させることができる。方法の少なくともいくつかの要素は、3GPP仕様文書に関連付けられた通信技法及び/又は特徴の使用に関係して記載されているが、このような記載は、本開示に限定することは意図されておらず、方法の態様は、所望に応じて、任意の好適な無線通信システムにおいて使用され得ることに留意されたい。各種実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
いくつかの実施形態によれば、上記図9に示す902と同様に、1002では、セルラデバイス1002(例えば、UE)は、UEがRRC接続済み状態1006にあると見なされるように、セルラネットワークセル(例えば、PCell/第1のセル)1004との接続を確立することができる。
1008では、ネットワークは、UEの能力又は強化型RLF回復手順のサポートに関する問い合わせをUEに送信することができる。言い換えれば、ネットワークは、RLFに遭遇した場合、UEが上記強化型RLF回復手順(UEがそれが可能であると示す場合)を実行することをネットワークが支援できるように、UEからの情報を要求することができる。
1010では、UEは、1008で問い合わせをネットワークから受信したことに応じて、UEの能力又は強化型RLF回復手順のサポートに関する情報を含み得る応答をネットワークに送信することができる。より具体的には、UEは、RRC UECapabilityInformationエアーメッセージを通じてこの機能のサポートを示すことができる。
そのうえ、更に、1010におけるUEの能力情報に関する例示的なコードブロックは、以下のとおりであり得る。
1012では、ネットワークは、UEの能力情報を受信したことに応じて、RLFに遭遇した場合、UEの強化型回復手順を支援又は準備するために、1つ以上のRRC再構成メッセージをUEに送信することができる。例えば、ネットワークからUEに送信される1つ以上の強化型RLF回復RRC再構成メッセージは、現在のUE RRC接続済みモード共通又は専用構成からの構成の差分又はデルタ(例えば、部分的な構成)を含み得る。そのうえ、ネットワークは、強化型RLF回復RRC再構成の内容を判定することができる。例えば、ネットワークは、RLFが発生する前に適用されるはずのRRC接続済みモード構成(例えば、共通又は専用)の大部分を使用するのをUEに要求し得る。よって、メッセージ内容は、構成及びLTEにおけるMobilityControlInformation IE又はNRにおけるReconfigurationWithSync IE等の情報要素の再使用によって、最低限の情報を有し得る。そのうえ、更に、周波数及び物理セル識別等の候補強化型RLF回復Pcellに関する情報は、現在のPcellのための強化型RLF回復RRC再構成メッセージに不必要であり得る。言い換えれば、この情報はすでにUEに既知であり、したがって、メッセージ内のこの情報を含めることは、UEには有用ではない可能性がある。加えて又は代わりに、ネットワークは、完全で全体的な接続済みモード構成に至るまで、他の構成を含め得る。いくつかの実施形態では、通常のRRC再構成メッセージ(例えば、非強化型RLF回復RRC再構成メッセージ)は、RRC接続済み状態の間の任意の時点で受信され得る。いくつかの実施形態によれば、RRC再構成メッセージの例示的なコードブロックは、以下のとおりであり得る。
1014では、UEは、RRC再構成メッセージをネットワークから受信したことに応じて、ランダムアクセス手順が正常に完了すると、RRC再構成完了メッセージを送信することができる。
1016では、UEは、UEが最小のセルカバレッジを有するエリアに入った可能性がある一時的カバレッジ範囲外シナリオに対応するものであり得る無線リンク障害(RLF)を検出することができる。よって、これにより、この間にプライマリサービングセル「Pcell」を失い、接続が再確立される前に、ネットワークとのUEユーザプレーンデータ転送は中断され得る。
1018では、UEは、接続再確立手順を開始することができる。しかしながら、図8に示す典型的な接続再確立とは対照的に、UEは、接続済みモード構成(例えば、Scell)をリリースせずに、図9に示す916と同様の手順を含み得るセル選択1020に直接進み得る。
1022では、接続再確立被選択セルが、候補強化型RLF回復プライマリサービングセル(Pcell)のうちの1つ(例えば、UEが接続されていたか、又はキャンプオンしていたのと同じPcell)であった場合、UEは、1024に示すように、接続再確立手順を停止し、関連付けられた記憶された強化型RLF回復RRC再構成メッセージを1026で適用し、それに応じてRRC再構成完了メッセージを1028で送信することができる。よって、ランダムアクセス手順が成功し、RRC再構成完了メッセージがネットワークに送信された時点で、ユーザプレーンデータは再開され得る。いくつかの実施形態によれば、この手順は、RAT内ハンドオーバと同様であり得る。いくつかの実施形態では、ランダムアクセス構成は、関連付けられた強化型RLF回復RRC再構成メッセージ内で提供され得る。加えて又は代わりに、ランダムアクセス構成が提供されない場合、UEは、選択されたPcellシステム情報ブロック(SIB)内でブロードキャストされるランダムアクセス構成を使用することができる。
いくつかの実施形態では、ネットワークは、専用RRC再構成エアーメッセージにおける新しい抽象構文表記1(ASN.1)フィールド(例えば、「enhancedRlfReconveryReconfigAddList」ASN.1フィールド)を通じて、強化型RLF回復機能を動的に有効化及び/又は無効化することができる。そのうえ、いくつかの実施形態によれば、候補強化型RLF回復Pcellのリスト内のエントリは、強化型RLF回復構成エントリの識別子(ID)等の情報を含み得る。加えて又は代わりに、候補強化型RLF回復Pcellのリスト内のエントリは、接続再確立被選択セルが符号化RRC再構成メッセージ内に含まれている場合に適用され得る符号化RRC再構成メッセージであり得る、EnhancedRlfRecoveryReconfigを含むことができる。いくつかの実施形態では、候補強化型RLF回復Pcellのリスト内のエントリは、このメッセージの一部であるはずの周波数及び物理セルID等のセル情報を含み得る。例えば、NRでは、このセル情報は、ReconfigurationWithSync ASN.1情報要素の一部であり得る。
いくつかの実施形態によれば、候補強化型RLF回復Pcellのリスト内のエントリは、構成有効性の期間に対応する有効期間を含み得る。より具体的には、この有効期間は、RLFがUEによって検出された後に起算又は開始され得る。この期間が経過したか、又は期限切れになった(例えば、閾値を超えた)場合、ネットワークによって構成可能な構成オプションは異なってくる可能性がある。例えば、1つのオプションとして、UEは、この構成エントリを破棄することができる。加えて又は代わりに、UEは、3GPP仕様に定義されるある特定の及び/又は最小の構成セットを適用することができる。例えば、RLFがUEによって検出されてから経過した時間が、ValidityPeriod値より大きいが特定の閾値以下である場合、UEは、1つ以上の対応するScellをリリースし、他の構成に特定の値及び/又はデフォルト値を適用することができる。これの1つの利点は、(例えば、通常の接続再確立手順の場合のように)、次のRRC再構成メッセージをネットワークから受信するのを待機する必要がなく、RRC再構成完了メッセージを送信した後に、ユーザプレーンデータ転送は直ちに再開され得ることであり得る。
いくつかの実施形態によれば、ネットワークは、異なる有効期間及び内容を有する、同じ候補強化型RLF回復Pcellの複数のエントリをUEに構成することができる。例えば、これは、ValidityPeriodが特定の閾値未満の値に超えられたならば、UEが構成を適用できない場合、UEに異なる構成を適用することをネットワークが要求するシナリオでは有利であり得る。言い換えれば、いくつかの実施形態によれば、UEは、最初はより小さい有効期間を有する構成を適用し、続いて、より大きな有効期間を有する構成を適用することができる。
いくつかの実施形態では、ネットワークは、強化型RLF回復機能がサポート/許可されているか否かを、システム情報ブロードキャストメッセージ(例えば、SIB1パラメータ)を通じて示し得る。そのうえ、更に、UEが強化型RLF回復のためにネットワークに送信するRRC再構成完了メッセージにおいて、UEは、強化型RLF回復手順を実行するための理由又はインジケーション等の情報を含め得る。加えて又は代わりに、UEは、UEに同じPcellの2つ以上の強化型RLF回復構成が構成されている場合に必要とされ得る、適用された強化型RLF回復構成のIDに関する情報を含め得る。
いくつかの実施形態では、UEは、RLFの原因、並びにRLFに関する任意の情報又はデータ等の情報を含め得る。加えて又は代わりに、UEは、パラメータue-measurmentsAvailable and rlf-InfoAvailable等の3GPP仕様に定義され得る他の情報を含め得る。より具体的には、UEは、RRC再構成完了メッセージにおいて、rlf-InfoAvailableを示すことができる。よって、ネットワークは、それに応じて、RLFの原因及び/又は他のRLF関連情報を含み得るRLFレポートを取り戻すために、UEInformationRequest又はUEInformationResponseをトリガし得る。RRC再構成完了メッセージがネットワークによって受信されると、接続は再確立されたと見なされ得、ユーザプレーンデータ転送は、ランダムアクセス手順が正常に完了した後、又は上記図8に示す814でUEがレイヤ1(L1)及びメディアアクセス制御(MAC)のデフォルト構成を適用することに対応する、ランダムアクセス手順内のポイントで、再開され得る。よって、UEは、図8に示す814~824に関連付けられた完全な接続再確立手順を実行することに関連する29ms及び38msの遅延を経験することなく、ネットワークとのユーザプレーンデータ転送を再確立することができ得る。
図11-条件付きハンドオーバ(CHO)用の既存のフレームワークを拡張することによる、強化型RLF回復のための方法
図11は、いくつかの実施形態に係る、条件付きハンドオーバ(CHO)用の既存のフレームワークを拡張することによる、強化型RLF回復手順の例示的なフロー図を示す。
図11の方法の態様は、図に示し及び説明するように、必要に応じて、1つ以上の基地局(例えば、BS102)と通信しているUE(単数又は複数)106によって実行されてもよく、又は、より一般に、他のデバイスの中でもとりわけ、図に示すコンピュータシステム又はデバイス、又は図に示す他の回路、システム、デバイス、要素若しくは構成要素と共に実行されてもよい。例えば、UEの1つ以上のプロセッサ(又は処理要素)(例えば、様々な可能性の中でもとりわけ、プロセッサ(単数又は複数)402、ベースバンドプロセッサ(単数又は複数)、通信回路に関連付けられたプロセッサ(単数又は複数)等)は、UEに、図に示す方法要素の一部分又は全てを実行させることができる。方法の少なくともいくつかの要素は、3GPP仕様文書に関連付けられた通信技法及び/又は特徴の使用に関係して記載されているが、このような記載は、本開示に限定することは意図されておらず、方法の態様は、所望に応じて、任意の好適な無線通信システムにおいて使用され得ることに留意されたい。各種実施形態では、図に示す方法の要素のうちのいくつかは、同時に実行されてもよく、図に示す順序とは異なる順序で実行されてもよく、他の方法要素によって置換されてもよく、又は省略されてもよい。必要に応じて、追加の方法要素が実行されてもよい。図に示すように、方法は以下のように動作してもよい。
図11に示すように、そして上記図9に示す902と同様に、いくつかの実施形態によれば、セルラデバイス1102(例えば、UE)は、UEがRRC接続済み状態1106にあると見なされるように、セルラネットワークセル(例えば、PCell/第1のセル)1104との接続を確立することができる。
1108では、ネットワークは、RLFに遭遇した場合、UEの強化型回復手順を支援又は準備するために、1つ以上のRRC再構成メッセージをUEに送信することができる。いくつかの実施形態によれば、ネットワークは、特定の構成された条件(例えば、条件付き実行条件)が満たされた場合、UEがCHOをトリガするために使用できる候補CHO PCellのリストをUEに構成することができる。加えて又は代わりに、ネットワークは、接続再確立セル選択手順中に選択されたセルが構成された候補CHO PCellのうちの1つである場合、CHO実行をトリガすることができる。いくつかの実施形態では、条件付き実行条件は、NRにおけるcondExecutionCond ASN.1フィールドに構成され得る。しかしながら、これは、CHO候補Pcellが現在のPcellである場合には適用されない。これは、上記の条件付き実行条件を満たすことは現在のPcellに適用され得ないからである。よって、接続再確立手順中にCHO実行を介して、以前のPcellに迅速に再キャンオンするのは、不可能であり得る。
いくつかの実施形態によれば、条件付き実行条件は、サービングセルの信号品質が閾値よりも悪化することを特徴とする新しいイベント(例えば、イベントA2)に対応し得る。隣接セルの信号品質オフセットがSpCellの信号品質よりも良好になったイベント(例えば、イベントA3)、及び/又はSpCellの信号品質が第1の閾値よりも悪くなり、そして隣接セルの信号品質が第2の閾値よりも良好になったイベント(例えば、イベントA5)よりもむしろ、この新しいイベントが利用され得る。よって、それらの特定の条件付き実行条件を満たすことは、RLF回復手順の早期トリガにつながり得る。
加えて又は代わりに、ネットワークは、現在のPcell(例えば、UEが接続されていたか、又はキャンプオンしていた可能性のある第1のセル)を、条件付き再構成候補Pcellの1つとして構成することができる。言い換えれば、現在のPcellは、ネットワークによってCHO候補Pcellとして構成され得る。いくつかの実施形態では、通常のRRC再構成メッセージ(例えば、非強化型RLF回復RRC再構成メッセージ)は、RRC接続済み状態の間の任意の時点で受信され得る。より具体的には、RRC再構成メッセージの例示的なコードブロックは、以下のとおりであり得る。
いくつかの実施形態によれば、現在のPcell以外のマスタセルグループ(MCG)候補Pcell、又はセカンダリセルグループ(SCG)候補Pscellの場合、条件付き再構成IDが追加されたときに、condReconfigAddPcellフィールドが存在する必要があり得る。いくつかの実施形態では、condReconfigAddPcellフィールドが任意選択である場合、Mが必要である。加えて又は代わりに、MCM候補Pcellが現在のPcellと同じである場合、condReconfigAddPcellフィールドは存在しなくてもよい。
1110では、UEは、RRC再構成メッセージをネットワークから受信したことに応じて、ランダムアクセス手順が正常に完了すると、RRC再構成完了メッセージを送信することができる。
1112では、UEは、UEが最小のセルカバレッジを有するエリアに入った可能性がある一時的カバレッジ範囲外シナリオに対応するものであり得る無線リンク障害(RLF)を検出することができる。よって、これにより、この間にプライマリサービングセル「Pcell」を失い、接続が再確立される前に、ネットワークとのUEユーザプレーンデータ転送は中断され得る。
1114では、UEは、接続再確立手順を開始することができる。しかしながら、図8に示す典型的な接続再確立とは対照的に、UEは、接続済みモード構成(例えば、Scell)をリリースせずに、図9に示す916と同様の手順を含み得るセル選択1116に直接進み得る。
1118では、接続再確立が開始され、且つ接続再確立中に選択されたセルが構成された候補CHO PCellのうちの1つである場合、UEは、接続再確立手順を1120で停止し、記憶された条件付き再構成メッセージをPcell(例えば、UEが接続されていた第1のセル)に適用することができる。典型的なCHO実行と同様に、これは、選択されたPcellに対するCHO手順を開始することができる。よって、対応するCHOは、適用されたRRC再構成メッセージが、ネットワークによって以前に構成された対応する選択された条件付き再構成候補Pcell(例えば、RLFの前にUEがキャンプオンしていたか又は接続されていたPcell)のためにUEに記憶されたRRC再構成メッセージである、通常のRAT内ハンドオーバ手順を利用することができる。いくつかの実施形態では、NR対応UEは、以前のPcell CHO条件付き再構成エントリと関連付けられたcondReconfig ASN.1フィールドに設定された関連するCHO RRC再構成メッセージを適用することによって、CHO実行を開始することができる。
1124では、CHOを正常に実行した後、UEは、RRC再構成完了メッセージをネットワークに送信することができる。加えて又は代わりに、UEは、強化型RLF回復手順が成功したか、又は達成されたかどうかに関する情報、RLFの原因及び/又はRLFに関する他の情報、又は3GPP仕様に定義される他の情報(例えば、ue-measurmentsAvailable,rlf-InfoAvailable)を、ネットワークへのRRC再構成完了メッセージに含めることができる。いくつかの実施形態では、他のCHO RRC再構成メッセージと同様に、RRC再構成メッセージは、モビリティIE(例えば、LTEにおけるMobilityControlInformation IE又はNRにおけるreconfigurationWithSync IE)を含むことができる。よって、セルに再アクセスするためにランダムアクセス手順が適用されるはずの接続を再確立するには、通常のRAT内ハンドオーバ手順に従うことができる。そのうえ、RRC再構成完了メッセージがネットワークによって受信されると、接続は再確立されたと見なされ得る。言い換えれば、ユーザプレーンデータ転送は、上記図8に示す814でUEがレイヤ1(L1)及びメディアアクセス制御(MAC)のデフォルト構成を適用することに対応する、ランダムアクセス手順内のポイントで、再開され得る。よって、UEは、814~824に関連付けられた完全な接続再確立手順を実行することに関連する29ms及び38msの遅延を経験することなく、ネットワークとのユーザプレーンデータ転送を再確立することができ得る。
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たすか、又はそれを超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることが十分に理解される。特に、個人特定可能な情報データは、意図されていない又は許可されていないアクセス若しくは使用のリスクを最小にするように管理及び処理されるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示唆されるべきである。
本開示の実施形態は、様々な形態で実現し得る。例えば、いくつかの実施形態は、コンピュータにより実行される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現されてもよい。他の実施形態は、ASIC等の1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現されてもよい。更なる他の実施形態は、FPGA等の1つ以上のプログラム可能ハードウェア要素を使用して実現されてもよい。
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されてもよく、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されると、コンピュータシステムに、本方法を、例えば、本明細書に記載された方法の実施形態、又は、本明細書に記載された方法の実施形態の組み合わせ、又は、本明細書に記載された方法の実施形態のサブセット、又は、そのようなサブセットの組み合わせを実行させる。
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、UE 106)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及び記憶媒体を含むように構成されてもよく、この記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み込み実行するように構成されており、このプログラム命令は、本明細書に記載の様々な方法実施形態(又は、本明細書に記載の方法実施形態の組み合わせ、又は本明細書に記載の方法実施形態のサブセット、又はこのようなサブセットの組み合わせ)を実装するように実行可能である。デバイスは、様々な形態で実現し得る。
本明細書に記載の、ユーザ機器(UE)を動作させるための方法は、ダウンリンクでUEによって受信された各メッセージ/信号Xを、基地局によって送信されたメッセージ/信号Xと解釈し、アップリンクでUEによって送信された各メッセージ/信号Yを、基地局によって受信されたメッセージ/信号Yと解釈することによって、基地局を動作させるための対応する方法の基礎とすることができる。
上記の実施形態をかなり詳細に説明しているが、当業者にとって、上記の開示を完全に理解すれば、多数の変形及び変更は明らかである。以下の特許請求の範囲は、このような変形及び変更を全て包含すると解釈することが意図されている。