JP2023035742A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】裏面照射型の撮像デバイスに照射される光の光強度分布の面内均一性を向上させることができる検査装置及び検査方法を提供する。【解決手段】ステージ18は、透明ガラス72を含み、ウェーハWが載置される透光部70と、透光部70を間に挟みウェーハWと対向する位置に配置され、透光部70に向けて光を出射する照明部50と、透光部70と照明部50との間であって透光部70から照明部50の側に離間した位置に配置され、照明部50からの光が拡散しながら透過する光拡散部80と、を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、裏面照射型の撮像デバイスの電気的特性を検査する検査装置及び検査方法に関する。
特許文献1には、半導体ウェーハに形成された裏面照射型の撮像デバイスの電気的特性を検査する検査装置が開示されている。
特許文献1に開示された検査装置は、半導体ウェーハが載置される載置台としてのステージを備えている。このステージは、裏面照射型の撮像デバイスの裏面(配線層が設けられた側とは反対側の面)とステージとが対向する形態で半導体ウェーハが載置されるものである。ステージは、光透過材料からなる平板部材を含み、半導体ウェーハが載置される透過部と、透過部を間に挟み半導体ウェーハと対向する位置に配置され、透過部に向けて光を出射する光出射部と、を有している。この構成によれば、ステージ上の半導体ウェーハと対向する位置に設けられた光出射部からの光が半導体ウェーハ(裏面照射型の撮像デバイスの裏面)に対し照射されるので、裏面照射型の撮像デバイスの電気的特性を検査することが可能となっている。
しかしながら、特許文献1に開示された検査装置では、透過部は、平板部材が透明ガラスからなり、平板部材の光出射面(半導体ウェーハ側の面)又は光入射面(半導体ウェーハとは反対側の面)が砂ずり面で構成されたものである。このように透過部に拡散機能(砂ずり面)を設けた構成では、透過部の拡散機能と半導体ウェーハとの距離を十分に確保できない。そのため、この距離が短すぎると光出射部からの光について十分な拡散効果が得られない場合があり、透過部から出射される光の光強度分布を均一にすることが課題となっている。特に近年における撮像デバイスの高密度化や小型化に伴い、光強度分布の面内均一性を向上させることがより一層必要となっている。
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、裏面照射型の撮像デバイスに照射される光の光強度分布の面内均一性を向上させることができる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の検査装置は、半導体ウェーハに形成された裏面照射型の撮像デバイスを検査する検査装置であって、撮像デバイスの裏面が対向した状態で半導体ウェーハが載置されるステージを備え、ステージは、平板状の光透過部材を含み、半導体ウェーハが載置される透光部と、透光部を間に挟み半導体ウェーハと対向する位置に配置され、透光部に向けて光を出射する照明部と、透光部と照明部との間であって透光部から照明部の側に離間した位置に配置され、照明部からの光が拡散しながら透過する光拡散部と、を有する。
本発明の一形態は、透光部は、光透過部材を加熱するヒータを含むことが好ましい。
本発明の一形態は、ヒータは、透明導電膜と、透明導電膜に電力を供給するための一対の電極と、を有し、透明導電膜と一対の電極は、光透過部材の光拡散部の側の面に形成されることが好ましい。
本発明の一形態は、光透過部材は、平面視において矩形状に形成され、一対の電極は、透明ガラスの互いに対向する2つの縁部に沿って互いに平行に対向配置され、透明導電膜は、一対の電極の間に平面視において矩形状に形成されることが好ましい。
本発明の一形態は、透光部は、照明部から半導体ウェーハに向けて照射された光の反射を抑制する光反射防止部を有することが好ましい。
本発明の一形態は、光反射防止部は、光透過部材の光拡散部の側の面に膜状に形成された光反射防止膜であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明の検査方法は、半導体ウェーハに形成された裏面照射型の撮像デバイスを検査する検査方法であって、撮像デバイスの裏面が対向した状態で半導体ウェーハをステージに載置するウェーハ載置工程と、撮像デバイスの表面の電極に対して、プローブカードのプローブ針を接触させる接触工程と、撮像デバイスの裏面に対して光を照射する照明工程と、接触工程と照明工程とが行われた状態で撮像デバイスの検査を行う検査工程と、を備え、ステージは、透光部と照明部との間であって透光部から照明部の側に離間した位置に配置され、照明部からの光が拡散しながら透過する光拡散部を有し、照明工程は、照明部から光を出射し、出射した光を光拡散部によって拡散し、拡散した光を透光部を介して撮像デバイスの裏面に照射する。
本発明によれば、裏面照射型の撮像デバイスに照射される光の光強度分布の面内均一性を向上させることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る検査装置及び検査方法の実施形態について詳説する。
まず、実施形態に係る検査装置(プローバ)10(図3参照)について説明する前に、実施形態の検査装置10によって電気的特性が検査される裏面照射型の撮像デバイス(以下、「撮像デバイス」と略称する場合もある。)100(図1及び図2参照)について説明する。
図1は、撮像デバイス100が形成された半導体ウェーハ(以下、「ウェーハ」と略称する。)Wの平面図であり、図2は、撮像デバイス100の概略構成を示した断面図である。図2に示す撮像デバイス100は、図1に示すように、円板状のウェーハWの表面に複数形成されている。
撮像デバイス100は、固体撮像素子の一種であり、図2に示すように、受光素子であるフォトダイオード102と、複数の配線104を有する配線層106とを備えている。また、撮像デバイス100は、配線層106の側をウェーハWの表面側とした場合に、ウェーハWの裏面側に照射された光Lをフォトダイオード102に受光させるためのレンズ108を備えている。また、レンズ108とフォトダイオード102との間にはフィルタ110が備えられ、フィルタ110は、赤色カラーフィルタ112と、青色カラーフィルタ114と、緑色カラーフィルタ116とを有している。
撮像デバイス100の表面(ウェーハWの表面と同じ。)には、複数の電極パッド118が形成されており、これらの電極パッド118は配線層106の配線104に電気的に接続されている。配線104は、撮像デバイス100の内部の回路素子に電気信号を入力する機能の他、回路素子からの電気信号を撮像デバイス100の外部に出力する機能を有している。なお、図1に示すように、ウェーハWの外周部分には、撮像デバイス100が存在しない非デバイス形成領域120が形成されている。この非デバイス形成領域120は、ウェーハWの搬送(ロード及びアンロード)時及びウェーハWの固定時等に使用される領域として機能する。
次に、実施形態の検査装置10について説明する。図3は、実施形態の検査装置10の概略構成を示した正面図であり、検査装置10の内部構造が示されている。
検査装置10は、ウェーハWに形成された複数の撮像デバイス100(図1参照)の電気的特性の検査を行うものである。検査装置10は、図3に示すように、プローバ室12と、プローバ室12に隣接して配置されるローダ室14と、プローバ室12を上部から覆うように配置されるテスタ16とを備えている。
プローバ室12は、ステージ18を備えており、このステージ18にウェーハWが載置される。ステージ18は、本発明のステージの一例である。また、ステージ18は、ステージ18に対するウェーハWの位置を固定するために、例えば、ウェーハWの非デバイス形成領域120(図1参照)をステージ18に固定する固定手段(不図示)を有する。更に、ステージ18は、後述するプローブカード20のプローブ針22をウェーハWの表面の電極パッド118に接触させるために、例えば、XYZの3軸方向に移動し、且つZ軸周りに回転する移動回転機構を備えている。
プローバ室12におけるステージ18の上方には、ステージ18に対向するように上記のプローブカード20が配置される。プローブカード20は、ウェーハWの複数の電極パッド118に対応するように形成された複数のプローブ針22を有している。
プローブカード20は、インターフェース24を介してテスタ16に接続される。それぞれのプローブ針22が撮像デバイス100の電極パッド118に接触された場合、それぞれのプローブ針22は、テスタ16からインターフェース24を介して送られた電源及び信号を撮像デバイス100に供給する機能、及び撮像デバイス100からの信号を、インターフェース24を介してテスタ16に伝送する機能を有する。
プローブカード20と撮像デバイス100との相対位置は、ステージ18が備える上記の移動回転機構によって調整され、また、この移動回転機構によって電極パッド118がプローブ針22に接触される。具体的に説明すると、移動回転機構によってステージ18を水平方向に移動させるとともに必要に応じて回転させて、プローブ針22の下方に電極パッド118を位置させる。その後、移動回転機構によってステージ18を上昇移動させる。この動作によって電極パッド118がプローブ針22に接触される。
ローダ室14は、ウェーハWを収容する容器(不図示)と、容器に収容されているウェーハWを取り出してプローバ室12のステージ18へ搬送する搬送部(不図示)とを有している。また、上記の搬送部は、撮像デバイス100の電気的特性の検査が終了したウェーハWをステージ18から取り出し、容器に返送して収容する機能も有している。
検査装置10は、コントローラ26を有する。コントローラ26は、配線28を介してステージ18に接続され、また、配線30を介してコンピュータ32に接続されている。コントローラ26は、コンピュータ32からの入力信号に基づいて、ステージ18の後述する照明部50(図4参照)による照射光の照射を制御する。また、プローバCPUとしてのコントローラ27は、ステージ18の温度を測定する温度測定部(不図示)からの入力信号に基づいて、ステージ18の後述するヒータ60(図4参照)を制御する。
コンピュータ32は、CPU(Central Processing Unit:不図示)と、ROM(Read Only Memory:不図示)及びRAM(Random Access Memory:不図示)等のメモリとを備えている。
上記のCPUは、プロセッサの一例であり、上記のメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、検査装置10の制御部として機能する。上記のROMには、CPUが実行するプログラム、及び制御等に必要な各種データが格納される。そして、上記のRAMは、CPUが各種処理を行う際の作業領域として使用される。
また、コンピュータ32は、表示部34と接続される。表示部34としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode)又はタッチパネルを備えたタッチパネルディスプレイを採用できる。
一方、テスタ16は、配線38を介してコンピュータ32に接続される。コンピュータ32は、テスタ16を介して送られる撮像デバイス100からの信号に基づいて撮像デバイス100の良否を判断する。
また、検査装置10は、操作部40を備える。操作部40は、オペレータが指示を入力したり、オペレータに対して情報を表示したりするためのものであり、例えば、タッチパネル又はキーボード等を有する表示パネル42が採用されている。
上記の如く構成された検査装置10によれば、撮像デバイス100の電気的特性の検査を行う場合、コンピュータ32が、撮像デバイス100(図1参照)とプローブ針22を介して接続されたテスタ16にデータを送信する。そして、コンピュータ32が、送信されたデータがテスタ16によって正しく処理されたか否かをテスタ16からの電気信号に基づいて判定する。
次に、ステージ18の構成について説明する。図4は、ステージ18の概略構成を示した断面図である。なお、図4では、本発明の内容を分かり易く説明するために、各部材の大きさを実寸法ではなく誇大示している部分もある。
ステージ18には、撮像デバイス100(図2参照)の裏面(レンズ108の側の面)が対向する状態でウェーハWが載置される。ステージ18は、図4に示すように、透光部70と、照明部50と、光拡散部80とを有している。透光部70は本発明の透光部の一例であり、照明部50は本発明の照明部の一例であり、光拡散部80は本発明の光拡散部の一例である。
透光部70は、平板状の光透過部材の一例である透明ガラス72を含み、透明ガラス72の上面72Aに、ウェーハWの裏面が当接した状態でウェーハWが載置される。すなわち、透明ガラス72の上面72Aが、ステージ18におけるウェーハWの載置面として構成される。なお、本例の透明ガラス72は、ウェーハWをロード及びアンロードするためのリフトピン用の孔を有しておらず、ウェーハWのロード及びアンロードは、ウェーハWの非デバイス形成領域120を支持して搬送する上面搬送機構が採用されている。
透明ガラス72は、その上面72AにウェーハWが載置された場合に、ウェーハWの外周部WAが透明ガラス72の縁部72Bからはみ出さない大きさ及び形状に構成される。具体的に実施形態の透明ガラス72は、後述するヒータ60による透明ガラス72の温度分布を向上(均一化)させるために、平面視において正方形又は長方形等の矩形状に構成されることが好ましい。
このように矩形状に構成される透明ガラス72は、少なくともその一辺(透明ガラス72が正方形の場合は一辺、透明ガラス72が長方形の場合は短辺)が、ウェーハWの径(ウェーハWが真円の場合は直径、ウェーハWが楕円形の場合は長径)よりも長めに構成される。これにより、ウェーハWは、その外周部WAが透明ガラス72の縁部72Bからはみ出さないように透明ガラス72の上面72Aに載置可能となる。例えば、半導体ウェーハWの径が300mmの場合、透明ガラス72の一辺は350mm程度であることが好ましい。なお、ウェーハWの載置面を構成する透明ガラス72が矩形状に構成されていれば、ステージ18全体の平面形状は矩形状に限らず円形状でもよいし、多角形状であってもよい。また、透明ガラス72の上面72Aには、ウェーハWの外周部分を保持する不図示のバキューム溝が円弧状に配置される。透明ガラス72の上面72Aは、ウェーハWとの接触により傷付く場合があるので、透光部70は交換可能となっている。
透明ガラス72は、上面72A又は下面72Cに砂ずり加工等の光拡散加工を施していないものが採用されている。すなわち、透明ガラス72の上面72A及び下面72Cは平滑面として形成されており、透明ガラス72自体は光拡散機能を有してない。また、透明ガラス72としては、例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス又はホウ珪酸ガラス等の無機ガラスが採用される。なお、透明ガラス72は無色透明である。
図4に示すように、照明部50は、透光部70を間に挟みウェーハWと対向する位置に配置されている。また、照明部50は、透光部70に向けて、すなわち、ウェーハWに向けて光を出射する光源を有する。光源として本例の照明部50は、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)52を有し、LED52は、LED基板54に配置されている。LED基板54には、LED52を制御するための配線パターン(不図示)が形成されている。
LED52はそれぞれ、ウェーハWに向かう方向に指向性を有し、且つ撮像デバイス100の検査範囲の波長の光を含む光を出射する。検査範囲の波長の光とは、例えば、可視光領域の波長の光であるが、撮像デバイス100の種類によっては、赤外光等の可視光領域外の波長の光を含んでいてもよい。
LED基板54において、LED52が配置されているLED配置領域は、ステージ18を上方から見た場合、ステージ18に固定されたウェーハWと重なる領域に設定される。また、LED配置領域の大きさは、ウェーハW全体を効果的に照射する観点から、ウェーハWと略等しいかウェーハWよりも若干大きいことが好ましい。また、LED52は、ウェーハW全体を略均一な明るさで照射する観点から、LED配置領域内において等間隔で設けられていることが好ましい。全てのLED52の点灯及び消灯は、コントローラ26(図3参照)によって行われ、コントローラ26は一例として全てのLED52を1つのユニットとして一括制御する。
また、照明部50は、放熱板56を有する。放熱板56は、LED基板54のLED配置面である上面とは反対側の下面に設けられている。放熱板56は、LED52からLED基板54に伝わったLED52の熱をステージ18の外部に放出する機能を有し、例えば、熱伝導率の高いアルミニウム等の金属材料から構成されている。なお、放熱板56には、LED52を冷却するための冷却機構が設けられていてもよい。
以上が照明部50の構成であるが、照明部50としては、LED52に代えてキセノンランプ又はハロゲンランプ等の高輝度放電ランプを採用してもよい。
光拡散部80は、図4に示すように、照明部50と透光部70との間に配置されている。具体的に説明すると、光拡散部80は、透光部70から照明部50の側に離間して配置される。また、光拡散部80は、照明部50から透光部70の側に離間して配置される。すなわち、本例の光拡散部80は、照明部50及び透光部70に対して単独で設けられている。
光拡散部80は、照明部50からの光を拡散しながら透過する機能を有する。光拡散部80としては、例えば、透明のシート82を有し、その表面に窪みを設けることで光を拡散する機能を有するものが採用される。上記のシート82としてはガラス製であってもよく、ポリカーボネート又はポリスチレン等の樹脂製であってもよい。樹脂製の場合は、シート82の表面に数ミクロンから数百ミクロンの小径の窪みを多数形成可能である点で、例えばガラス製のシートの場合と比較して点光源であるLED52からの光を効果的に拡散できる利点がある。
上記の如く構成された光拡散部80は、照明部50からウェーハWの方向に向けて出射された光を拡散させながら透過して出射する。このとき、光拡散部80から出射された光は、ウェーハWと平行な面内において光強度分布が略均一となる。そして、上記の光は、透明ガラス72の下面72Cから透明ガラス72の内部に入射して上面72Aから出射し、ウェーハWの裏面を照射する。これにより、ステージ18に固定されたウェーハWの裏面の全面を略均一な明るさで照射することができる。
また、透光部70は、ヒータ60を有する。ヒータ60は、透明ガラス72と光拡散部80との間に配置される。ヒータ60は、透明ガラス72を加熱することで、透明ガラス72に載置された撮像デバイス100の温度を所望の検査温度に調整する。
図5は、本例のヒータ60の概略構成を示した平面図である。ヒータ60は、照明部50(図4参照)からの光が透過するように光透過材料によって構成される。具体的に説明すると、ヒータ60は、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜からなる透明導電膜62と、透明導電膜62に電力を供給する一対のバスバー64、64とを有する。透明導電膜62は本発明の透明導電膜の一例であり、バスバー64は本発明の電極の一例である。
透明導電膜62は、例えば真空蒸着処理等の成膜処理により透明ガラス72の下面72C(光拡散部80の側の面)に膜状に形成される。また、一対のバスバー64、64は、例えば導電性ペーストを透明ガラス72の下面72Cに塗布することにより帯状又は線状に形成される。ヒータ60がコントローラ27(図3参照)によって制御されて、バスバー64、64を介して透明導電膜62に電力が供給されると、透明導電膜62が発熱する。これによって、透明ガラス72が加熱される。また、ヒータ60に給電される電力をコントローラ27によって調整し、透明導電膜62の発熱温度を調整することで透明ガラス72の温度、換言すれば撮像デバイス100の温度を調整できる。コントローラ27による上記の電力調整は、ステージ18の温度を測定する温度測定部(不図示)からの入力信号に基づいて行われる。
なお、実施形態の検査装置10では、透明ガラス72の下面72C全体に形成された透明導電膜62を有するヒータ60を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、透明導電膜62と一対のバスバー64、64とをPET(polyethylene terephthalate)等の基材に形成し、この基材を透明のラミネート材によってラミネートしたシート状又はフィルム状のヒータを採用してもよい。また、撮像デバイス100を加熱するヒータ60の他に、撮像デバイス100を冷却する冷却部を設けてもよい。冷却部は、例えば、透明ガラス72の内部に冷媒流路を形成した構成でもよく、透明ガラス72に冷媒管を接触させた構成でもよい。
透光部70は、図4に示すように、光反射防止部90を有する。光反射防止部90は、透明ガラス72と光拡散部80との間に配置されている。光反射防止部90は、本発明の光反射防止部の一例であり、照明部50からウェーハWに向けて照射された光が透光部70で反射することを抑制する機能を有する。これにより、透光部70の光透過率が向上する。
本例の光反射防止部90は、一例として、透明ガラス72の下面72C(光拡散部80の側の面)に膜状に形成された光反射防止膜92が採用される。光反射防止膜92は、本発明の光反射防止膜の一例であり、AR(Anti-Reflection)コーティングによりヒータ60の透明導電膜62に積層する態様で形成されている。なお、このような積層形態に限定されるものではなく、光反射防止膜92と透明導電膜62との積層態様を逆にしたものでもよい。つまり、透明ガラス72の下面72Cに光反射防止膜92をコーティングし、この光反射防止膜92に透明導電膜62をコーティングしたものでもよい。また、光反射防止部90は、光反射防止膜92に限定されるものではなく、例えば、表面がモスアイ構造のシート状又はフィルム状の光反射防止材を透明ガラス72の下面72Cに配置することで光反射防止部90を構成してもよい。
上記の如く構成された透光部70は、例えば、透明ガラス72の縁部72Bに設けられた支持部材94を介して照明部50のLED基板54に支持される。
次に、実施形態の検査装置10を用いた撮像デバイス100の検査方法の一例について図6を参照しながら説明する。図6は、実施形態の検査装置10を用いた撮像デバイス100の検査方法の一例を示したフローチャートである。なお、この検査装置10を用いた検査方法は、1回の検査で1つの撮像デバイス100を検査するものであってもよいし、1回の検査で複数の撮像デバイス100を検査するものであってもよい。
まず、ウェーハ載置工程(S1)が実行される。ウェーハ載置工程(S1)では、まず、ローダ室14の容器から搬送部によりウェーハWが取り出されてプローバ室12に搬送される。そして、ウェーハWは、ウェーハWに形成された撮像デバイス100の裏面が透明ガラス72の上面72Aに当接するように、ステージ18に載置される。ウェーハ載置工程(S1)は、本発明のウェーハ載置工程に相当する。その後、ウェーハWが固定部(不図示)によってステージ18に固定される。
次に、接触工程(S2)が実行される。接触工程(S2)では、まず、ステージ18を水平方向に移動させ、また必要に応じてθ方向に移動させて、検査対象の撮像デバイス100の電極パッド118をプローブ針22の下方に位置させる。その後、ステージ18を上昇移動させて電極パッド118をプローブ針22に接触させる。接触工程(S2)は、本発明の接触工程に相当する。
次に、照明工程(S3)が実行される。照明工程(S3)では、照明部50の全てのLED52を点灯し、照明部50から、撮像デバイス100の裏面に向けて光を出射する。ここで、LED52からの光は、LED52からの出射直後では、ウェーハWと平行な面内で光強度分布が均一ではないが、光拡散部80を通過することにより拡散された状態でウェーハWに向けて出射される。そして、上記の光は、(照明部50から透光部70の側に離間して配置された)透光部70を介して撮像デバイス100の裏面に照射される。これにより、LED52からの光は、撮像デバイス100の裏面に入射する際にはウェーハWと平行な面内において光強度分布が均一となる。よって、実施形態の検査装置10によれば、本例の光拡散部80を備えることにより、ウェーハWに対して面内で均一な光強度分布を有する光を照射できる。照明工程(S3)は、本発明の照明工程に相当する。
次に、検査工程(S4)が実行される。検査工程(S4)では、検査対象の撮像デバイス100の電極パッド118にプローブ針22を接触させつつ、撮像デバイス100の裏面に光が照射された状態(すなわち、接触工程(S2)と照明工程(S3)とが行われた状態)で、撮像デバイス100の電気的特性の検査が行われる。また、この検査中においては、不図示の温度測定部により、ウェーハWの温度(実際には透明ガラス72の温度)が測定され、その結果に基づいて、ヒータ60が制御され、ウェーハWの温度が所望の値に調整される。これにより、撮像デバイス100の温度が検査で要求される温度に調整される。以後、全ての撮像デバイス100の検査が完了するまで、接触工程(S2)以降の処理が繰り返し行われる。
以下、実施形態の効果について説明する。
実施形態の検査装置10によれば、ステージ18は、ウェーハWが載置される側から順に、透光部70、光拡散部80、照明部50により構成される。特に実施形態における光拡散部80は、透光部70から照明部50の側に離間した位置に配置した構成、すなわち、透光部70から光拡散機能を分離独立させた構成(光拡散部80を単独配置した構成)が採用される。そのため、透光部70に光拡散機能を設けた構成に比べて、ウェーハW(すなわち、撮像デバイス100の裏面)と光拡散部80との距離を十分に確保することが可能となる。これにより、光拡散部80の配置の自由度(設計自由度)を高めることができる。これにより、照明部50(LED52)との距離を縮めたり、ウェーハWとの距離を長くしたりすることを可能にし、ウェーハW(撮像デバイス100)に対して照射される光の光強度分布の面内均一性を向上させることができる。その結果、裏面照射型の撮像デバイス100の検査精度を高めることが可能となる。
また、実施形態の検査装置10によれば、上述のとおり、透光部70から光拡散機能を分離独立させた構成(光拡散部80を単独配置した構成)が採用されるため、透光部70に配置されるヒータ60からも光拡散部80を離間させることが可能となる。これにより、ヒータ60の熱による光拡散部80の変形を抑制することが可能となる。そのため、光拡散部80を透過する光の屈折率の変化を防止することが可能となり、ヒータ60の熱に影響を受けることなく、光拡散部80の拡散方向の安定化を図ることができる。その結果、透光部70にヒータ60を設けた構成においても、ウェーハWに対して照射される光の光強度分布の面内均一性を確保することができる。
また、実施形態の検査装置10によれば、上記構成により光拡散部80をヒータ60からの熱の影響を受けない位置に配置できるので、ヒータ60の熱から光拡散部80を保護できる。また同様に、光拡散部80を照明部50からの熱の影響を受けない位置に配置できるので、照明部50の熱から光拡散部80を保護できる。
更に、実施形態の検査装置10によれば、ヒータ60は、透明導電膜62と、透明導電膜62に電力を供給するための一対のバスバー64、64とを有し、透明導電膜62と一対のバスバー64、64を透明ガラス72の下面72Cに形成した構成が採用されるので、透光部70の厚さを厚くすることなく、ヒータ60を透光部70に配置できる。これにより、透光部70の小型化を実現できる。
また、実施形態の検査装置10によれば、図5で示すように、透明ガラス72を、平面視において矩形状に形成し、また、一対のバスバー64、64を、透明ガラス72の互いに対向する2つの縁部72B、72Bに沿って互いに平行に対向配置し、透明導電膜62を、一対のバスバー64、64の間に平面視で矩形状に形成した。すなわち、実施形態では、上記のように構成される矩形状ヒータが採用されるので、透明導電膜62の面内で発生する熱が均一になり、透明ガラス72に載置されたウェーハWの全面を均一な温度で加熱できる。その結果として、実施形態の検査装置10は、温度差によって撮像デバイス100毎に生じる検査結果のばらつきを抑制できるので、撮像デバイス100の検査精度がより一層向上する。
ここで、実施形態における矩形状ヒータの効果を説明するために、図7を参照しながら比較例としての円形状ヒータとの違いについて詳しく説明する。図7は、円形状ヒータと矩形状ヒータとの効果の違いを説明するための図である。なお、図7において、7Aは円形状ヒータ200の概略構成を示した平面図であり、7Bは矩形状のヒータ60の概略構成を示した平面図を示している。
図7の7Aに示すように、円形状ヒータ200は、半円弧状に配置された一対のバスバー202と、その一対のバスバー202の間に配置された円形状の透明導電膜204とを有する。円形状ヒータ200は、主として円板状の透明ガラスにより構成されることが考えられる。しかしながら、円形状ヒータ200においては、一対のバスバー202、202間の距離(一対のバスバー202、202の対向方向の距離)aが一定ではない、すなわち、一対のバスバー202、202の対向方向に直交する方向の位置によって上記距離aが異なるので、透明導電膜204の面内で発生する温度が不均一になる。その結果として、円形状ヒータ200では、ウェーハWの全面を均一な温度で調整することが困難となる。
これに対して、図7の7Bで示す実施形態における矩形状のヒータ60は、一対のバスバー64、64間の距離(一対のバスバー64、64の対向方向の距離)bがどの位置においても一定であるので、矩形状の透明導電膜62の面内で発生する温度が均一となる。その結果として、矩形状のヒータ60では、ウェーハWの全面を均一な温度で調整することが可能となる。
したがって、実施形態の検査装置10は、上記のように構成される矩形状のヒータ60を備えることにより、円形状ヒータ200に比べて、ウェーハWの面内における温度分布の安定化を図ることができ、撮像デバイス100の検査精度を更に向上させることが可能となる。
また、実施形態の検査装置10によれば、透光部70として、透明ガラス72と光拡散部80との間に光反射防止部90を配置した構成が採用される。特に実施形態においては、好ましい態様の1つとして、光反射防止部90が、透明ガラス72の下面72Cに膜状に形成された光反射防止膜92により構成される。これにより、透光部70を通過する光の光透過率が向上することが可能となると共に、ステージ18の透光部70を薄型化して小型化を実現することが可能となる。また、LED52の数を削減することができ、LED52の設置スペースの省スペース化と省エネ化を図ることができる。
また、実施形態の検査装置10は、ウェーハWの非デバイス形成領域120を支持して搬送する上面搬送機構によりウェーハWのロード及びアンロードを行っている。これにより、ウェーハWをロード及びアンロードするためのリフトピン用の孔を透明ガラス72に開ける必要がないので、透明ガラス72の光透過率が一定となり、その結果、ウェーハWの検査精度が更に向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。以下、いくつかの変形例を示す。
[変形例1]
上記の実施形態では、ウェーハWが載置される透明ガラス72において、平面視で矩形状のものを例示したが、透明ガラス72の形状はこれに限定されるものではなく、平面視において円形状に形成されたものでもよい。
上記の実施形態では、ウェーハWが載置される透明ガラス72において、平面視で矩形状のものを例示したが、透明ガラス72の形状はこれに限定されるものではなく、平面視において円形状に形成されたものでもよい。
[変形例2]
上記の実施形態では、透光部70を構成する平板状の光透過部材の一例として透明ガラス72を例示したが、これに限らず、透明ガラス72に代えて、例えばアクリルや塩化ビニル等の透明プラスチック板を採用してもよい。
上記の実施形態では、透光部70を構成する平板状の光透過部材の一例として透明ガラス72を例示したが、これに限らず、透明ガラス72に代えて、例えばアクリルや塩化ビニル等の透明プラスチック板を採用してもよい。
W…ウェーハ、10…検査装置、12…プローバ室、14…ローダ室、16…テスタ、18…ステージ、20…プローブカード、22…プローブ針、24…インターフェース、26…コントローラ、27…コントローラ(プローバCPU)28…配線、30…配線、32…コンピュータ、34…表示部、38…配線、40…操作部、42…表示パネル、50…照明部、52…LED、54…LED基板、56…放熱板、60…ヒータ、62…透明導電膜、64…バスバー(電極)、70…透光部、72…透明ガラス、80…光拡散部、82…シート、90…光反射防止部、92…光反射防止膜、100…撮像デバイス、102…フォトダイオード、104…配線、106…配線層、108…レンズ、110…フィルタ、112…赤色カラーフィルタ、114…青色カラーフィルタ、116…緑色カラーフィルタ、118…電極パッド、120…非デバイス形成領域
Claims (7)
- 半導体ウェーハに形成された裏面照射型の撮像デバイスを検査する検査装置であって、
前記撮像デバイスの裏面が対向した状態で前記半導体ウェーハが載置されるステージを備え、
前記ステージは、
平板状の光透過部材を含み、前記半導体ウェーハが載置される透光部と、
前記透光部を間に挟み前記半導体ウェーハと対向する位置に配置され、前記透光部に向けて光を出射する照明部と、
前記透光部と前記照明部との間であって前記透光部から前記照明部の側に離間した位置に配置され、前記照明部からの光が拡散しながら透過する光拡散部と、
を有する、
検査装置。 - 前記透光部は、前記光透過部材を加熱するヒータを含む、
請求項1に記載の検査装置。 - 前記ヒータは、透明導電膜と、前記透明導電膜に電力を供給するための一対の電極と、を有し、
前記透明導電膜と前記一対の電極は、前記光透過部材の前記光拡散部の側の面に形成される、
請求項2に記載の検査装置。 - 前記光透過部材は、平面視において矩形状に形成され、
前記一対の電極は、前記光透過部材の互いに対向する2つの縁部に沿って互いに平行に対向配置され、
前記透明導電膜は、前記一対の電極の間に平面視において矩形状に形成される、
請求項3に記載の検査装置。 - 前記透光部は、前記照明部から前記半導体ウェーハに向けて照射された光の反射を抑制する光反射防止部を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の検査装置。 - 前記光反射防止部は、前記光透過部材の前記光拡散部の側の面に膜状に形成された光反射防止膜である、
請求項5に記載の検査装置。 - 半導体ウェーハに形成された裏面照射型の撮像デバイスを検査する検査方法であって、
前記撮像デバイスの裏面が対向した状態で前記半導体ウェーハをステージに載置するウェーハ載置工程と、
前記撮像デバイスの表面の電極に対して、プローブカードのプローブ針を接触させる接触工程と、
前記撮像デバイスの裏面に対して光を照射する照明工程と、
前記接触工程と前記照明工程とが行われた状態で前記撮像デバイスの検査を行う検査工程と、
を備え、
前記ステージは、透光部と照明部との間であって前記透光部から前記照明部の側に離間した位置に配置され、前記照明部からの光が拡散しながら透過する光拡散部を有し、
前記照明工程は、前記照明部から光を出射し、出射した前記光を前記光拡散部によって拡散し、拡散した前記光を前記透光部を介して前記撮像デバイスの裏面に照射する、
検査方法。
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2021
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