JP2023034324A - 改装サッシ - Google Patents

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健司 平山
Kenji Hirayama
光宏 砂原
Mitsuhiro Sunahara
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Abstract

【課題】火災時に既設枠および新設枠間の火炎の通過を遮断でき、短時間で改装できてコストも低減できる改装サッシを提供すること。【解決手段】改装サッシ1は、既設枠10の開口内に新設枠20を設置して改装する。既設枠10は、既設上枠11、既設下枠、既設縦枠を枠組みし、新設枠20は、新設上枠21、新設下枠、新設縦枠を枠組みして構成する。既設上枠11および新設上枠21間と、既設縦枠および新設縦枠間とに金属製のカバー材41を配置する。カバー材41は、改装サッシ1の見込み方向に延長された見込み片部411と、既設枠10の見付け片の室内面に当接する室内当接片412と、新設枠20の室外面に当接する室外当接片413とを備える。カバー材41は、火災時に発泡してカバー材41と新設枠20との間を塞ぐ加熱発泡材711を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、マンションなどの建物の開口部に設置された既設サッシを新設サッシに改装する改装サッシに関する。
従来、既設サッシの既設枠内に新設枠を取り付け、その新設枠に新設の障子を装着することで既設サッシを新設サッシに改装する改装サッシが提案されている。この改装サッシは、例えば、特許文献1に開示されたように、既設枠にアタッチメントとなる短尺の下地材を複数取り付け、これらの下地材に新設枠を取り付ける構造が一般的である。
特開2010-174549号公報
前述した従来の改装サッシは、防火性は考慮されていないため、防火地域の建物には利用できないという課題がある。
また、防火対応の新設枠および障子を用い、火災時に既設枠および新設枠の間を塞ぐ加熱発泡材を既設枠や新設枠に設けることも考えられる。しかしながら、既設枠側に加熱発泡材を貼付する場合は施工現場での作業となり、現場での作業工数が増えて施工時間が長くなる。また、新設枠側に加熱発泡材を設ける場合、形状やサイズが異なる既設枠に対して適切な位置および量の加熱発泡材を予め設けることが難しく、既設枠毎に加熱発泡材の配置位置などを管理する必要があり、新設枠の生産性が低下し、コストも増加するという課題もある。
本発明の目的は、火災時に既設枠および新設枠間の火炎の通過を遮断でき、短時間で改装できてコストも低減できる改装サッシを提供することにある。
本発明は、既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、前記既設上枠および前記新設上枠間と、前記既設縦枠および前記新設縦枠間とには、金属製のカバー材が配置され、前記カバー材は、前記改装サッシの見込み方向に延長された見込み片部と、前記既設枠の見付け片の室内面に当接する室内当接片と、前記新設枠の室外面に当接する室外当接片と、を備え、前記カバー材には、火災時に発泡してカバー材と新設枠との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明は、既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、前記既設上枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設上枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設上枠および前記新設上枠間のクリアランスを塞ぐ上遮炎金具と、前記既設縦枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設縦枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設縦枠および前記新設縦枠間のクリアランスを塞ぐ縦遮炎金具と、が設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具の一方の長手方向の端部は、他方の端面に所定間隔離れて対向して設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具のいずれか一方の遮炎金具には、火災時に発泡して他方の遮炎金具とのクリアランスを塞ぐ加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、火災時に既設枠および新設枠間の火炎の通過を遮断でき、短時間で改装できてコストも低減できる改装サッシを提供することができる。
本発明の実施形態に係る改装サッシを示す縦断面図である。 前記実施形態に係る改装サッシを示す横断面図である。 前記改装サッシの上枠を示す縦断面図である。 前記改装サッシの上枠を示す縦断面図である。 前記改装サッシの新設上枠の穴を塞ぐキャップおよび塞ぎ材の取付位置を示す説明図である。 前記改装サッシの新設上枠の召合せ位置を示す説明図である。 前記改装サッシの左縦枠を示す横断面図である。 前記改装サッシの右縦枠を示す横断面図である。 前記改装サッシの施工手順を説明する説明図である。 前記改装サッシの上遮炎金具および縦遮炎金具間を塞ぐ加熱発泡材の発泡状態を示す説明図である。 前記改装サッシの右縦枠のホロー部内の加熱発泡材の発泡状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、本実施形態の改装サッシ1は、マンションなどの建物の躯体2を覆う外壁3の開口部に取り付けられている既設サッシの既設枠10の開口内に新設枠20が設置されたものである。既設枠10は、躯体2にアンカー4を介して取り付けられていた既設サッシから既設の障子を取り外して躯体2に残存したものである。本実施形態の改装サッシ1は、新設枠20内に外障子5および内障子6が引違い可能に配置された引違い窓を新設サッシとして構成したものである。なお、外障子5の室外側には網戸7も配置されている。
以下の説明において、改装サッシ1の左右方向をX軸方向とし、改装サッシ1の見込み方向をY軸方向とし、改装サッシ1の上下方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。また、改装サッシ1を室内側から見た際に左側に位置する縦枠を左縦枠、右側に位置する縦枠を右縦枠とする。
既設枠10は、既設上枠11、既設下枠12、既設左縦枠13、既設右縦枠14を枠組みして構成されている。本実施形態では、既設上枠11、既設下枠12、既設左縦枠13、既設右縦枠14は、引違い窓用の窓枠であり、それぞれサッシ用のアンカー4に固定されている。
新設枠20は、新設上枠21、新設下枠22、新設左縦枠23、新設右縦枠24を枠組みして構成されており、新設上枠21および新設下枠22には、外障子5、内障子6をX軸方向に案内するレールが形成されている。
新設枠20は、既設枠10に対して、後述するように、アタッチメント31~34やカバー材41,43,44を介して取り付けられている。以下、新設枠20および既設枠10の構造および新設枠20の取付構造について説明する。
[新設上枠]
新設上枠21は、図3、図4にも示すように、アルミ製の上枠本体210と、上枠本体210にネジ255で固定された樹脂製の上枠アングル材211とを有している。上枠アングル材211には、窓額縁81がネジ止めされている。なお、窓額縁81の材質は特に限定されず、アルミ製、樹脂製、木製などの窓額縁81が利用できる。
上枠本体210は、見込み方向(Y軸方向)に沿って形成された下面部212と、下面部212の上方に設けられた上面部213と、下面部212および上面部213を連結する連結片部2141、2142、2143と、下面部212の室外側端部から上方に延出された室外片部215と、下面部212の室外側端部から下方に延出された網戸レール216と、下面部212から下方に延出されて外障子5を案内する外レール217と、下面部212から下方に延出されて内障子6を案内する内レール218とを備えている。
上枠本体210は、下面部212、上面部213、連結片部2141、2142で囲まれる第1ホロー部214Aと、下面部212、上面部213、連結片部2142、2143で囲まれる第2ホロー部214Bとを有する。
外レール217および内レール218間の下面部212において、第1ホロー部214Aを区画する部分によって第1下面部212Aが構成され、第1下面部212Aの室外側であり第1ホロー部214Aに面しておらず、上方が開放された部分によって第2下面部212Bが構成される。
なお、図5に示すように、第1下面部212Aには、上枠本体210の長手方向(X軸方向)の複数箇所、具体的には6箇所に穴219が形成されている。穴219は、図3、4に示すように、新設上枠21を固定するネジ251を挿通するために設けられている。
また、6箇所の穴219のうち、左右両端から2箇所、計4箇所の穴219には樹脂製のキャップ265が取り付けられて穴219を塞いでいる。
一方、中央の2箇所の穴219は、図6にも示すように、塞ぎ材26で塞がれている。図6は、新設上枠21の召合せ位置を下方から見上げた図であり、中央の2箇所の穴219は、召合せ位置を挟んで左右方向(X軸方向)に離れて配置されている。召合せ位置は、外障子5および内障子6を閉鎖した際に召合せ框が配置される位置、つまり新設上枠21のX軸方向の中央位置である。この召合せ位置の外レール217、内レール218間には風止め板80が取り付けられ、穴219は、風止め板80を挟んで左右位置に形成され、塞ぎ材26は各穴219を塞ぐように、風止め板80を挟んで左右位置に配置されている。なお、風止め板80と、風止め板80の外障子5側つまり新設左縦枠23側に配置された塞ぎ材26との間には、加熱発泡材713が新設上枠21の下面部212に貼られている。
塞ぎ材26は、難燃性の材料、例えば、金属や難燃性樹脂等で形成された板状の部材であり、図4および図6に示すように、第1下面部212Aに当接して配置されて穴219を塞ぐ塞ぎ部261と、第2下面部212Bに当接して配置されて第2下面部212Bにネジ263で固定される固定部262とを備える。
新設上枠21は、図3,4に示すように、アタッチメント31および上カバー材41を介して既設上枠11に固定されている。
既設上枠11は、外レール111、内レール112、室外片113、室内片114を備えて構成されている。
そして、アタッチメント31は、外レール111にネジ311で固定されている。なお、アタッチメント31は、既設上枠11の種類などに応じて形状が異なる複数種類が用意され、そこから選択されて用いられる。また、アタッチメント31は、短尺のピース材であり、既設上枠11の長手方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。例えば、アタッチメント31は、既設上枠11の左右両端と、中央位置と、それらの間の4~6箇所に取り付けられている。
[上カバー材]
上カバー材41は、アルミ製の押出形材で構成され、既設上枠11および新設上枠21に沿って左右方向(X軸方向)に長尺な部材である。なお、本実施形態では、上カバー材41の左右方向(長手方向)の寸法は、新設上枠21よりも大きく、既設上枠11よりも小さく設定されている。
上カバー材41は、見込み片部411と、室内当接片412と、室外当接片413とを備えて構成されている。見込み片部411は、改装サッシ1の見込み方向(Y軸方向)に延長され、さらに室外側端部が上側(外周側)に僅かに延長された略平板状の部分であり、アタッチメント31にネジ451で固定されている。
室内当接片412は、見込み片部411の室外側および外周側の端部から既設上枠11側つまり上方に延出されている。室内当接片412の室外側には上下に離れた一対の突条部が形成され、この突条部間の溝部分には水密材416が配置されている。室内当接片412は、前記突条部が室外片113の室内面に当接し、これにより上カバー材41は見込み方向(Y軸方向)に位置決めされている。また、水密材416が室外片113に密着することで、室外片113および室内当接片412間の水密性を確保している。
室外当接片413は、見込み片部411の室外側および外周側の端部、つまり室内当接片412の基端部から室外側に延出された室外延出部4131と、室外延出部4131から新設上枠21側つまり下方に延出された室外見付け面部4132と、室外見付け面部4132から室内側に延出されて新設上枠21の室外面つまり室外片部215に当接する室外当接部4133とを備える。
室外当接部4133の室内側端部は、断面コ字状の保持部とされ、この保持部には水密材417が保持されている。そして、室外当接部4133に室外片部215が当接することで、新設上枠21は見込み方向に位置決めされている。また、水密材417が室外片部215に密着することで、上カバー材41および新設上枠21間の水密性を確保している。
なお、上カバー材41は、後述する縦カバー材43,44の上端面を覆うように配置されている。このため、室外当接部4133の両端部が、縦カバー材43,44に干渉しないように、室外当接部4133のX軸方向の長さは、室外延出部4131や室外見付け面部4132よりも短くされ、室外見付け面部4132の左右両端部には室外当接部4133が形成されていない領域、つまり縦カバー材43,44が配置されるスペースが確保されている。
上カバー材41には、火災時に発泡して上カバー材41と新設上枠21との間を塞ぐ加熱発泡材711、712が設けられている。
加熱発泡材711は、上カバー材41の長手方向に渡って配置され、室外見付け面部4132の室内面に接着剤などで貼付されている。なお、加熱発泡材711は、縦カバー材43,44と干渉しないように、上カバー材41の左右両端部を除く部分、つまり室外当接部4133が設けられている範囲に配置されている。
加熱発泡材712は、上カバー材41の左右両端部つまり加熱発泡材711が配置されていない領域に配置され、室外延出部4131の下面に貼り付けられている。なお、縦カバー材43,44の上端は室外片部215の上端とほぼ同じ高さ位置とされており、室外延出部4131の下面に貼付される加熱発泡材712と干渉することはない。したがって、加熱発泡材712は、加熱発泡材711が設けられていない上カバー材41の左右両端部を塞ぐために設けられている。
この上カバー材41は、前述したように、見込み片部411からアタッチメント31にねじ込まれるネジ451でアタッチメント31に取り付けられている。
新設上枠21は、上カバー材41に対してスペーサー61を挟んで配置され、上カバー材41にネジ251で固定されている。スペーサー61は、短尺のピース材であり、新設上枠21の長手方向(X軸方向)に間隔を空けて複数配置されている。また、新設上枠21を上カバー材41に固定するネジ251は、X軸方向において、スペーサー61やアタッチメント31と異なる位置に配置され、新設上枠21の上面部213から上カバー材41の見込み片部411にねじ込まれている。本実施形態では、新設上枠21は、穴219に位置にそれぞれ設けられた計6本のネジ251で上カバー材41に固定されている。なお、X軸方向において、ネジ251とスペーサー61とを同位置に配置してもよい。
[上遮炎金具]
既設上枠11と新設上枠21との間には、所定寸法のクリアランスが設けられている。このクリアランスは、新設枠20を既設枠10内に設置するために必要なクリアランスである。このクリアランスは、上遮炎金具51によって塞がれている。
すなわち、新設上枠21の上面部213の室内側端部には、断面L字状に形成され、既設上枠11や新設上枠21の長手方向(X軸方向)に沿って長尺とされた金属製の上遮炎金具51が固定されている。本実施形態では、上遮炎金具51の長手方向(X軸方向)の寸法は、新設上枠21の外法寸法よりも大きく設定されている。
上遮炎金具51は、既設上枠11の室内片114の室内面つまり室内側見付け面に当接する見付け面部511と、新設上枠21に固定される見込み面部512とを有する。上遮炎金具51の見込み面部512は、ネジ513で上面部213に固定されている。一方、見付け面部511は室内片114にネジで固定されておらず、既設上枠11の室内側見付け面に対してスライド移動可能かつクリアランスを閉塞可能に当接されている。
[新設下枠]
新設下枠22は、図1に示すように、アルミ製の下枠本体220と、下枠本体220にネジ止めされた樹脂製の下枠アングル材221とを有している。下枠アングル材221には、アルミ製、樹脂製、木製等で構成される窓額縁82がねじ止めされている。
下枠本体220は、外障子5、内障子6、網戸7を案内する外レール、内レール、網戸レールを備える。また、下枠本体220の中空部には、金属製の補強材29が配置され、補強材29には加熱発泡材721が貼られている。また、下枠本体220の外レールおよび内レール間の上面には加熱発泡材722が召合せ位置等に貼られている。
新設下枠22は、アタッチメント32を介して既設下枠12に固定されている。
既設下枠12は、外レール、内レール、室外片、室内片を備えて構成され、アンカー4に固定されている。アタッチメント32は、既設下枠12の外レールおよび室内片にネジ321で固定されている。
新設下枠22は、ネジ252によって、内外のレール間と室内側端部の位置でそれぞれアタッチメント32に固定されている。
[新設左縦枠]
新設左縦枠23は、図7に示すように、アルミ製の左縦枠本体230と、左縦枠本体230にネジ256で固定された樹脂製の縦枠アングル材231とを有している。縦枠アングル材231には、図2に示すように、アルミ製、樹脂製、木製等で構成される窓額縁83がねじ止めされている。
左縦枠本体230は、見込み方向(Y軸方向)に沿って形成された内面部232と、内面部232の外周側つまり既設左縦枠13側に設けられた外面部233と、内面部232および外面部233を連結する連結片部2341、2342と、内面部232の室外側端部から外周側に延出された室外片部235と、内面部232の室外側端部から内周側に延出された網戸ガイド片236と、内面部232から内周側に延出されて外障子5を閉めた際に当接する引寄せ片237とを備えている。
左縦枠本体230は、内面部232、外面部233、連結片部2341、2342で囲まれるホロー部234Aを有する。なお、連結片部2341は、内面部232の見込み方向の略中央位置に設けられており、ホロー部234Aは、見込み方向において外障子5よりも室内側に設けられている。
内面部232において、ホロー部234Aに面した部分には、穴239が上下方向に沿って複数形成されている。穴239は、新設左縦枠23を固定するネジ253を挿通するために設けられている。
縦枠アングル材231は、内面部232において外障子5よりも室内側を覆う位置に設けられ、左縦枠本体230において、外障子5を閉じた際に室内側に露出する室内露出面を覆っている。このため、内面部232においてホロー部234Aに面した部分も縦枠アングル材231で覆われるため、穴239も縦枠アングル材231で覆われている。このため、穴239を塞ぐキャップは取り付けられていない。
新設左縦枠23は、図7に示すように、アタッチメント33および縦カバー材43を介して既設左縦枠13に固定されている。
既設左縦枠13は、引寄せ片131、室外片133、室内片134を備えて構成されている。
アタッチメント33は、既設左縦枠13の種類に応じて形状が異なる複数種類が用意され、そこから選択されて用いられている。本実施形態のアタッチメント33は、断面が略コ字状の金属材であり、既設左縦枠13の上下方向(Z軸方向)のほぼ全長に渡って配置されている。このアタッチメント33は、既設左縦枠13の引寄せ片131と室外片133との間の見込み片に複数本のネジ331で固定されている。
なお、既設左縦枠13としては、室外片133、室内片134のみで引寄せ片が存在しないドブ溝タイプの既設枠であっても利用できる。また、アタッチメント33は、室内外の配置を逆にして、ネジ331で固定される部分が室内側に位置するように固定してもよい。
縦カバー材43は、アルミ製の押出形材で構成され、既設左縦枠13に沿って上下方向(Z軸方向)に長尺な部材である。
縦カバー材43は、見込み片部431と、室内当接片432と、室外当接片433とを備えて構成されている。見込み片部431は、改装サッシ1の見込み方向(Y軸方向)に延長され、さらに室外側端部が外周側に延長された横断面が略L字板状の部分であり、アタッチメント33にネジ453で固定されている。
室内当接片432は、見込み片部431の室外側および外周側の端部から既設左縦枠13側つまり外周側に延出されている。
室外当接片433は、見込み片部431の室外側および外周側の端部から室外側に延出された室外延出部4331と、室外延出部4331から新設左縦枠23側つまり内周側に延出された室外見付け面部4332と、室外見付け面部4332から室内側に延出されて新設左縦枠23の室外面つまり室外片部235に当接する室外当接部4333とを備える。
室内当接片432の室外側端部には突条部が形成され、この突条部と室外当接片433との間の溝部分には水密材436が配置されている。室内当接片432は、前記突条部が室外片133の室内面に当接し、これにより縦カバー材43は見込み方向(Y軸方向)に位置決めされている。また、水密材436が室外片133に密着することで、室外片133および室内当接片432間の水密性を確保している。
室外当接部4333の室内側端部は、断面L字状の保持部とされ、この保持部には水密材437が保持されている。そして、室外当接部4333に室外片部235が当接することで、新設左縦枠23は見込み方向に位置決めされている。また、水密材437が室外片部235に密着することで、縦カバー材43および新設左縦枠23間の水密性を確保している。
縦カバー材43には、火災時に発泡して縦カバー材43と新設左縦枠23との間を塞ぐ加熱発泡材731が設けられている。
加熱発泡材731は、縦カバー材43の長手方向(上下方向)全長に渡って配置され、室外見付け面部4332の室内面に接着剤などで貼付されている。
縦カバー材43は、見込み片部431からアタッチメント33にねじ込まれるネジ453でアタッチメント33に取り付けられている。この際、縦カバー材43は、室外片133が室外延出部4331に当接することで、X軸方向に位置決めされる。このため、見込み片部431とアタッチメント33との間に隙間が形成され、この隙間にスペーサー631が配置されている。
新設左縦枠23は、縦カバー材43に対してスペーサー632を挟んで配置され、縦カバー材43にネジ253で固定されている。
スペーサー631、632は、短尺のピース材であり、新設左縦枠23の長手方向(Z軸方向)に間隔を空けて複数配置されている。
また、縦カバー材43をアタッチメント33に固定するネジ453は、Z軸方向において、スペーサー631と異なる位置に配置され、新設左縦枠23を縦カバー材43に固定するネジ253は、Z軸方向において、スペーサー631、632と異なる位置に配置されている。また、アタッチメント33には、ネジ253が挿通される穴が形成され、縦カバー材43にねじ込まれるネジ253がアタッチメント33に干渉しないように構成されている。なお、Z軸方向において、ネジ453はスペーサー631と同位置に配置してもよく、ネジ253はスペーサー631やスペーサー632と同位置に配置してもよい。
[縦遮炎金具]
既設左縦枠13の室内片134と新設左縦枠23の外面部233との間には、クリアランスが形成され、このクリアランスは、縦遮炎金具53によって塞がれている。
すなわち、新設左縦枠23の外面部233の室内側端部には、断面L字状に形成され、既設左縦枠13や新設左縦枠23の長手方向(Z軸方向)に沿って長尺とされた金属製の縦遮炎金具53が固定されている。
縦遮炎金具53は、既設左縦枠13の室内片134の室内面つまり室内側見付け面にネジ533で固定される見付け面部531と、新設左縦枠23の外面部233にネジ534で固定される見込み面部532とを有する。見付け面部531の上端部および下端部には、加熱発泡材75が貼付されている。
[縦補強材]
新設左縦枠23のホロー部234A内には、縦補強材27が配置されている。縦補強材27は、外面部233に沿って配置された見込み面部271と、連結片部2341に沿って配置された室外見付け面部272と、連結片部2342に沿って配置された室内見付け面部273とを備えて断面コ字状に形成され、上下方向に連続する長尺の金属材である。
縦補強材27は、外面部233から見込み面部271にねじ込まれる複数のネジ274でホロー部234A内に固定されている。
見込み面部271において、ネジ253が配置される部分は穴が形成され、ネジ253の頭部は外面部233に接するように構成されている。
縦補強材27の室外見付け面部272と、見込み面部271とには、加熱発泡材732、733が貼付されている。
なお、外障子5の戸先框には、引寄せ片237に当接するガイドブロック91が配置され、ガイドブロック91の裏側には加熱発泡材771が配置されている。
[新設右縦枠]
新設右縦枠24は、図8に示すように、アルミ製の右縦枠本体240と、右縦枠本体240にネジ257で固定された樹脂製の縦枠アングル材241とを有している。縦枠アングル材241には、図2に示すように、アルミ製、樹脂製、木製等で構成される窓額縁84がねじ止めされている。
右縦枠本体240は、見込み方向(Y軸方向)に沿って形成された内面部242と、内面部242の外周側つまり既設右縦枠14側に設けられた外面部243と、内面部242および外面部243を連結する連結片部2441、2442と、内面部242の室外側端部から外周側に延出された室外片部245と、内面部242の室外側端部から内周側に延出された網戸ガイド片246と、内面部242から内周側に延出されて内障子6を閉めた際に当接する引寄せ片247とを備えている。
右縦枠本体240は、内面部242、外面部243、連結片部2441、2442で囲まれるホロー部244Aを有する。なお、連結片部2441は、内面部242の見込み方向の略中央位置に設けられており、ホロー部244Aは、見込み方向において外障子5よりも室内側であり、内障子6の室内側および室外側に跨がって設けられている。
内面部242において、ホロー部244Aに面した部分には、穴249が上下方向に沿って複数形成されている。穴249は、新設右縦枠24を固定するネジ254を挿通するために設けられている。この穴249は、樹脂製のキャップ266で塞がれている。
縦枠アングル材241は、右縦枠本体240において、内障子6を閉じた際に室内側に露出する室内露出面を覆っている。
新設右縦枠24は、図8に示すように、アタッチメント34および縦カバー材44を介して既設右縦枠14に固定されている。
既設右縦枠14は、引寄せ片141、室外片143、室内片144を備えて構成されている。
アタッチメント34は、既設右縦枠14の種類に応じて形状が異なる複数種類が用意され、そこから選択されて用いられている。本実施形態のアタッチメント34は、アタッチメント33と同一の断面略コ字状の金属材であり、既設右縦枠14の上下方向のほぼ全長に渡って配置されている。このアタッチメント34は、既設右縦枠14の引寄せ片141と室外片143との間の見込み片に複数本のネジ341で固定されている。
なお、既設右縦枠14としては、室外片143、室内片144のみで引寄せ片が存在しないドブ溝タイプの既設枠であっても利用できる。また、アタッチメント34は、室内外の配置を逆にして、ネジ341で固定される部分が室内側に位置するように固定してもよい。
縦カバー材44は、縦カバー材43と同一の部品を左右反転させて用いたものであり、アルミ製の押出形材で構成され、既設右縦枠14に沿って上下方向(Z軸方向)に長尺な部材である。
縦カバー材44は、見込み片部441と、室内当接片442と、室外当接片443とを備えて構成されている。見込み片部441は、改装サッシ1の見込み方向(Y軸方向)に延長され、さらに室外側端部が外周側に延長された横断面が略L字板状の部分であり、アタッチメント34にネジ454で固定されている。
室内当接片442は、見込み片部441の室外側および外周側の端部から既設右縦枠14側つまり外周側に延出されている。
室外当接片443は、見込み片部441の室外側および外周側の端部から室外側に延出された室外延出部4431と、室外延出部4431から新設右縦枠24側つまり内周側に延出された室外見付け面部4432と、室外見付け面部4432から室内側に延出されて新設右縦枠24の室外面つまり室外片部245に当接する室外当接部4433とを備える。
室内当接片442の室外側端部には突条部が形成され、この突条部と室外当接片443との間の溝部分には水密材446が配置されている。室内当接片442は、前記突条部が室外片143の室内面に当接し、これにより縦カバー材44は見込み方向(Y軸方向)に位置決めされている。また、水密材446が室外片143に密着することで、室外片143および室内当接片442間の水密性を確保している。
室外当接部4433の室内側端部は、断面L字状の保持部とされ、この保持部には水密材447が保持されている。そして、室外当接部4433に室外片部245が当接することで、新設右縦枠24は見込み方向に位置決めされている。また、水密材447が室外片部245に密着することで、縦カバー材44および新設右縦枠24間の水密性を確保している。
縦カバー材44には、火災時に発泡して縦カバー材44と新設右縦枠24との間を塞ぐ加熱発泡材741が設けられている。
加熱発泡材741は、縦カバー材44の長手方向(上下方向)全長に渡って配置され、室外見付け面部4432の室内面に接着剤などで貼り付けられている。
縦カバー材44は、見込み片部441からアタッチメント34にねじ込まれるネジ454でアタッチメント34に取り付けられている。この際、縦カバー材44は、室外片143が室外延出部4431に当接することで、X軸方向に位置決めされる。このため、見込み片部441とアタッチメント34との間に隙間が形成され、この隙間にスペーサー641が配置されている。
新設右縦枠24は、縦カバー材44に対してスペーサー642を挟んで配置され、縦カバー材44にネジ254で固定されている。
スペーサー641、642は、短尺のピース材であり、新設右縦枠24の長手方向(Z軸方向)に間隔を空けて複数配置されている。
また、縦カバー材44をアタッチメント34に固定するネジ454は、Z軸方向において、スペーサー641と異なる位置に配置され、新設右縦枠24を縦カバー材44に固定するネジ254は、Z軸方向において、スペーサー641、642と異なる位置に配置されている。また、アタッチメント34には、ネジ254が挿通される穴が形成され、縦カバー材44にねじ込まれるネジ254がアタッチメント34に干渉しないように構成されている。なお、Z軸方向において、ネジ454はスペーサー641と同位置に配置してもよく、ネジ254はスペーサー641やスペーサー642と同位置に配置してもよい。
[縦遮炎金具]
既設右縦枠14の室内片144と新設右縦枠24の外面部243との間には、クリアランスが形成され、このクリアランスは、縦遮炎金具54によって塞がれている。
すなわち、新設右縦枠24の外面部243の室内側端部には、断面L字状に形成され、既設右縦枠14や新設右縦枠24の長手方向(Z軸方向)に沿って長尺とされた金属製の縦遮炎金具54が固定されている。
縦遮炎金具54は、縦遮炎金具53と同じ部品であり、既設右縦枠14の室内片144の室内面つまり室内側見付け面にネジ543で固定される見付け面部541と、新設右縦枠24の外面部243にネジ544で固定される見込み面部542とを有する。見付け面部541の上端部および下端部には、加熱発泡材76が貼付されている。
[縦補強材]
新設右縦枠24のホロー部244A内には、縦補強材28が配置されている。縦補強材28は、外面部243に沿って配置された見込み面部281と、引寄せ片247の見込み方向の位置にほぼ沿った位置に配置された室外見付け面部282と、連結片部2442に沿って配置された室内見付け面部283とを備えて断面コ字状に形成され、上下方向に連続する長尺の金属材である。
縦補強材28は、外面部243から見込み面部281にねじ込まれる複数のネジ284でホロー部244A内に固定されている。このため、縦補強材28の見込み方向の寸法は、縦補強材27よりも短い寸法とされ、ホロー部244Aの見込み方向の室内側の略半分の領域に配置されている。
このため、ホロー部244A内は、室外見付け面部282によって室外空間および室内空間に区画されている。したがって、室外見付け面部282は、ホロー部244A内を区画する区画壁として機能する。なお、ホロー部244A内に縦補強材28を挿入配置するために、室外見付け面部282と内面部242との間には僅かなクリアランスが形成され、室外見付け面部282はホロー部244A内の空間を完全には区画していない。ただし、クリアランスのX軸方向の幅寸法が非常に小さいため、室外見付け面部282は、火の延焼を防止できる区画壁として機能する。
そして、穴249は、ホロー部244Aにおいて、区画壁である室外見付け面部282の室外側に配置された室外穴である。また、縦枠アングル材241を右縦枠本体240に固定するネジ257が螺合される穴は、ホロー部244Aにおいて、区画壁である室外見付け面部282の室内側に配置された室内穴である。
縦補強材28の室外見付け面部282の室外面には加熱発泡材742が貼付され、見込み面部281には加熱発泡材743が貼付されている。
なお、内障子6の戸先框には、引寄せ片247に当接するガイドブロック92が配置され、ガイドブロック92の裏側には加熱発泡材772が配置されている。
[改装サッシの施工手順]
次に、改装サッシ1を施工する手順について、上カバー材41、新設上枠21の施工手順を図示する図9を参照して説明する。
最初に、既設枠10から既設の障子を取り外す。次に、既設枠10にアタッチメント31~34をネジ止めする。
次に、図9(A)に示すように、上カバー材41をアタッチメント31に取り付ける。同様に、図示を略すが、縦カバー材43,44をアタッチメント33、34に取り付ける。この際、室内当接片412,432,442を室外片113,133,143の室内面に当接させることで、上カバー材41、縦カバー材43,44の見込み方向の位置決めを行ってネジ止めする。
次に、図9(B)に示すように、工場等で予め枠組みした新設枠20を、室内側から既設枠10の開口部分に設置する。具体的には、新設枠20の新設下枠22をアタッチメント32の上に載置しながら、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24を、室外当接片413,433,443の室内面に当接させることで、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24の見込み方向の位置決めを行う。この際、各カバー材41,43,44と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24との間にはクリアランスが確保されているので、新設枠20を既設枠10内に容易に設置できる。
そして、スペーサー61,632,642を、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24と、上カバー材41、縦カバー材43,44との間に配置する。以上により、新設枠20を見込み方向に位置決めし、さらにスペーサー61,632,642で新設枠20のX軸方向およびZ軸方向の位置決めを行った上で、新設枠20をネジ止めする。
次に、図9(C)に示すように、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24に、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54をネジ止めする。さらに、予め枠組みした窓額縁81~84を、上枠アングル材211、下枠アングル材221、縦枠アングル材231、241にネジ止めする。
最後に、外障子5、内障子6、網戸7を新設枠20内に吊り込む。以上により、室内側からの作業のみで改装サッシ1の施工が完了する。
次に、改装サッシ1の防火構造について説明する。
[カバー材および遮炎金具による防火構造]
既設上枠11、既設左縦枠13、既設右縦枠14と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24との間には、金属製(アルミ製)の上カバー材41、縦カバー材43,44が配置され、各カバー材41,43,44の室内当接片412,432,442を既設枠10の見付け片である室外片113,133,143の室内面に当接させ、室外当接片413,433,443を新設枠20の室外面である室外片部215,235,245に当接させている。このため、金属製のカバー材41,43,44は、既設枠10および新設枠20にそれぞれ当接して見込み方向に重なるため、既設枠10およびカバー材41,43,44間と、カバー材41,43,44および新設枠20間とで室内外方向に空間が連通することを防止し、火炎や煙がそれらの間を通過することで防火性能を確保している。また、新設下枠22は、段差があるアタッチメント32の高さ位置が異なる2つの面に載置されて当接され、アタッチメント32も既設下枠12の外レールと室内側端部との2箇所でネジ止めされているので、新設下枠22およびアタッチメント32間とアタッチメント32および既設下枠12間とで室内外方向に空間が連通することが防止され、下枠部分でも防火性能を確保している。
さらに、上カバー材41、縦カバー材43,44の室外当接片413、433,443には加熱発泡材711,712,731,741が貼付されている。これにより、火災時に加熱発泡材711,712,731,741が発泡することで、上カバー材41、縦カバー材43,44と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24との間を塞ぐことができ、これらの間から火炎やガスが流入することをさらに防止して防火性能を確保している。
また、既設上枠11、既設左縦枠13、既設右縦枠14と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24との室内側のクリアランスを上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54で塞いでいるので、前記クリアランスから火炎やガスが流入することを防止して防火性能を確保している。
さらに、上遮炎金具51は、新設枠20の外法寸法(X軸方向の寸法)よりも長い横材とされ、図10にも示すように、その両端部は、縦遮炎金具53,54の上端の小口である端面535に所定間隔離れて対向する位置まで延長されている。そして、縦遮炎金具53,54の上端部には、加熱発泡材75、76が設けられており、火災時には、加熱発泡材75,76が発泡し、上遮炎金具51および縦遮炎金具53,54間のクリアランスを塞ぐことができる。
また、縦遮炎金具53,54の下端部にも加熱発泡材75,76が貼付されているので、縦遮炎金具53,54の下端部と既設下枠12との間のクリアランスも塞ぐことができる。
これらの防火構造により、室内側で火災が発生した場合は、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54および発泡した加熱発泡材75,76によって、既設上枠11、既設左縦枠13、既設右縦枠14と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24との室内側のクリアランスから、既設枠10と新設枠20との間に火炎が流入することを防止できる。
さらに、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54部分から既設枠10と新設枠20との間に火炎が流入しても、上カバー材41、縦カバー材43,44が既設枠10および新設枠20に見込み方向に重なった状態で当接し、さらに上カバー材41、縦カバー材43,44に貼付した加熱発泡材711,712,731,741が発泡してその空間を塞ぐため、室内火災の火炎が改装サッシ1を通って室外側に達することを防止できる。
同様に、室外火災が発生した場合も、上カバー材41、縦カバー材43,44と、加熱発泡材711,712,731,741と、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54とで遮炎ラインが形成されるため、室外火災の火炎が改装サッシ1を通って室内側に達することを防止できる。
[新設上枠のホロー部の防火構造]
新設上枠21の第1ホロー部214Aは、図3~図6に示すように、新設上枠21の長手方向(X軸方向)に連続して形成され、第1下面部212Aには穴219が長手方向に所定間隔を空けて形成されている。これらの穴219のうち、風止め板80が配置される召合せ位置を挟んだ2つの穴219は、比較的近い位置に形成され、かつ、外障子5および内障子6で区画される室外空間および室内空間にそれぞれ配置されている。このため、火災時に火炎や煙が一方の空間から、その空間に連通する穴219、第1ホロー部214A、他方の穴219を介した他方の空間に達する可能性がある。
本実施形態では、これらの2つの穴219を、塞ぎ材26で塞いでいるので火炎を遮断できる。
なお、新設上枠21の左右2箇所の穴219は、樹脂製のキャップ265で塞いでいるため、火災時にキャップ265が焼失する可能性があるが、キャップ265で塞がれた室外空間に配置された穴219と、室内空間に配置された穴219との距離は、塞ぎ材26で塞がれた召合せ位置を挟む2つの穴219に比べて長いため、防火性能の確保に必要な一定時間であれば、これらの穴219および第1ホロー部214Aを介して一方の空間から他方の空間に火炎や煙が達することはないため、防火性能を低下させることはない。
[新設右縦枠のホロー部の防火構造]
新設右縦枠24のホロー部244Aは、図11にも示すように、見込み方向において、内障子6の室内外に跨がって配置され、火災時に樹脂製のキャップ266が焼失したり、ネジ257が外れたりすると、ホロー部244A内が内障子6の室外空間および室内空間と連通する可能性がある。この場合、ホロー部244Aを通して室内から室外あるいは室外から室内に火炎が達する可能性がある。
これに対し、ホロー部244A内に縦補強材28を配置し、その室外見付け面部282で、ホロー部244Aを室外空間および室内空間に区画しているので、区画壁として機能する室外見付け面部282で火炎を遮ることができる。
さらに、縦補強材28に、加熱発泡材742、743を貼付しているので、火災時には加熱発泡材742、743が発泡し、ホロー部244A内の空間や穴249等を塞ぐことができる。これにより、火炎を確実に遮ることができる。
さらに、加熱発泡材742、743が縦補強材28の全長に渡って貼付されているので、ホロー部244Aの上下の小口から火炎が侵入することも防止できる。
[新設左縦枠のホロー部の防火構造]
新設左縦枠23のホロー部234Aは、図7に示すように、見込み方向において、外障子5の室内側に配置されているため、火災時にホロー部234Aを介して火炎が室内および室外に到達することはないが、上下の小口から火炎が侵入する可能性がある。火災時には、縦補強材27に貼付した加熱発泡材732、733が発泡するため、小口からの火炎の侵入を防止できる。
[新設枠および障子の防火構造]
なお、新設枠20と外障子5、内障子6との間や、外障子5、内障子6内での防火構造は、新設枠20や、外障子5、内障子6に加熱発泡材を配置することで実現されている。例えば、外障子5、内障子6の戸先框のガイドブロック91、92が焼失した場合、加熱発泡材771、772が発泡し、新設左縦枠23、新設右縦枠24との隙間を塞ぐことができる。これらの防火構造は、一般的な防火仕様のサッシと同様であるため、説明を省略する。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、金属製のカバー材41,43,44が、既設上枠11、既設左縦枠13、既設右縦枠14と、新設上枠21、新設左縦枠23、新設右縦枠24とにそれぞれ当接しながら見込み方向に重なるため、カバー材41,43,44と、既設枠10や新設枠20との間で室内外方向に空間が連通することを防止でき、火炎や煙がそれらの間を通過することを防止できる。
また、カバー材41,43,44に貼付した加熱発泡材711,712,731,741が発泡してカバー材41,43,44と新設枠20との間の空間を塞ぐため、火炎などをさらに確実に遮断できる。このため、カバー材41,43,44および新設枠20間を火炎が通ってしまうことを防止でき、防火性能を向上できる。
改装時に設けられるカバー材41,43,44に加熱発泡材711,712,731,741を設けているので、設置する新設枠20の形状などに応じて加熱発泡材の配置位置などを設定でき、カバー材41,43,44および新設枠20間を確実に遮蔽できる。
また、加熱発泡材711,712,731,741はカバー材41,43,44に予め設けられているので、施工現場で加熱発泡材を既設枠等に貼付する必要が無く、現場作業が簡単となって短時間で作業でき、コストも低減できる。
さらに、カバー材41,43,44は、新設上枠21、新設左縦枠23、新設左縦枠23の長手方向の寸法よりも大きいので、カバー材41,43,44に加熱発泡材711,712,731,741を貼付すれば、新設上枠21、新設左縦枠23、新設左縦枠23の全長を発泡した加熱発泡材で覆うことができ、防火性能を向上できる。その上、加熱発泡材711,731,741は、新設上枠21、新設左縦枠23、新設左縦枠23よりも室外側に配置されているので、室外火災の際に迅速に発泡させることができる。
さらに、改装作業時に、既設枠10に対して、室内側からカバー材41,43,44や新設枠20を順次取り付けることができるため、例えば、マンションなどで室外側に足場を組んで施工する必要がなく、低コストかつ短時間で改装することができる。
本実施形態によれば、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54を設けて、既設枠10の室内側と、新設枠20との間のクリアランスを塞いでいるので、室内火災時に火炎が前記クリアランス部分に侵入することを防止できる。また、縦遮炎金具53,54の上端部に加熱発泡材75、76を設けたので、上遮炎金具51および縦遮炎金具53,54間のクリアランスも塞ぐことができる。
したがって、上カバー材41、縦カバー材43,44と、加熱発泡材711,712,731,741と、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54とで遮炎ラインが形成されるため、防火性能をより一層向上できる。
さらに、既設枠10と新設枠20との間にクリアランスを設けているので、施工現場で新設枠20を容易に既設枠10内に設置できる。また、既設枠10の開口寸法にバラツキがあっても、スペーサー61,631,632,641,642の厚さ寸法を調整することで吸収できるので、新設枠20を確実に設置できる。
本実施形態によれば、加熱発泡材711,731,741は、室外当接片413,433,443の室内面、より具体的には、室外見付け面部4132,4332,4432の室内面に貼付しているので、カバー材41,43,44と新設枠20との当接面の室内側の空間に発泡した加熱発泡材711,731,741を充填でき、確実に遮炎できる。
また、室外見付け面部4132,4332,4432は、室外当接部4133,4333,4433よりも室外側に配置されるため、加熱発泡材711,731,741を配置する空間を確保できる。このため、例えば、新設枠20の種類などに応じて加熱発泡材711,731,741の貼付枚数を容易に調整でき、カバー材41,43,44と新設枠20との間を発泡した加熱発泡材711,731,741で確実に塞ぐことができる。
また、上カバー材41の両端部には、加熱発泡材712を設けているので、縦カバー材43、44の上端面と上カバー材41との間も加熱発泡材712で確実に塞ぐことができる。
カバー材41,43,44をアタッチメント31,33,34に固定しているので、既設枠10の種類に応じてアタッチメントを用意すれば、カバー材41,43,44の種類を最小限にできるため、カバー材41,43,44の製造コストも低減できる。
縦遮炎金具53,54に加熱発泡材75、76を貼付しているので、加熱発泡材75、76の接着面積を大きくでき、加熱発泡材75、76が落下することを防止できる。
また、上遮炎金具51の見付け面部511を、既設上枠11に固定せずにスライド移動可能に当接させているので、外障子5や内障子6等が熱伸びした場合に、新設上枠21が既設上枠11に対して上下方向にスライド移動することを許容できる。
また、縦遮炎金具53,54の見付け面部531、541を、新設左縦枠23、新設右縦枠24にネジで固定しているので、縦遮炎金具53,54が新設左縦枠23、新設右縦枠24から離れて隙間が生じることを確実に防止できる。
[変形例]
本発明は、前記実施形態の引違い窓に限定されず、片引き窓や上げ下げ窓、開き窓やすべり出し窓等、様々な窓種の改装サッシに適用できる。すなわち、既設枠10の窓種に応じてアタッチメント31~34を選択し、新設枠20の窓種に応じて上カバー材41、縦カバー材43,44を選択することで、既設枠10の窓種に関係無く、様々な窓種の新設枠20を設置することができる。
前記実施形態では、上遮炎金具51を既設上枠11に固定せずにスライド移動可能に配置していたが、見付け面部511を室内片114に固定してもよい。また、縦遮炎金具53、54は、既設左縦枠13、既設右縦枠14にネジで固定していたが、室内片134、144に対してネジで固定せずにスライド可能に当接させてもよい。
前記実施形態では、上遮炎金具51を縦遮炎金具53,54の端面に対向させて横勝ちの配置としていたが、逆に、縦遮炎金具53,54を上遮炎金具51の左右両端面に対向させて縦勝ちの配置としてもよい。また、上遮炎金具51と縦遮炎金具53,54との隙間を塞ぐ加熱発泡材は、上遮炎金具51に貼付してもよい。
上カバー材41、縦カバー材43,44は、アタッチメント31,33,34に固定していたが、アタッチメント31,33,34を用いずに既設上枠11、既設左縦枠13、既設右縦枠14に直接固定してもよい。但し、アタッチメント31,33,34を用いたほうが、既設枠10の種類や寸法の違いを吸収でき、上カバー材41、縦カバー材43,44の種類を最小限にできる点で好ましい。
上カバー材41、縦カバー材43,44の形状や加熱発泡材711,712,731,741の貼付位置などは前記実施形態に限定されない。例えば、室外当接片413、433、443に室外当接部4133,4333,4433を設けずに、室外見付け面部4132,4332,4432を新設枠20の室外面に当接させてもよい。また、カバー材41,43,44の全長に渡って配置される加熱発泡材711,731,741を、室外延出部4131,4331,4431に貼付してもよい。
前記実施形態では、上カバー材41、縦カバー材43,44に加熱発泡材711,731,741を貼付していたが、これらの加熱発泡材を設けずに、上カバー材41、縦カバー材43,44が既設枠10および新設枠20に見込み方向に重なって当接する構造と、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54とで防火性能を確保してもよい。
一方、上遮炎金具51、縦遮炎金具53,54を設けずに、上カバー材41、縦カバー材43,44と、これらに貼付された加熱発泡材711,731,741とで防火性能を確保してもよい。
[本発明のまとめ]
本発明は、既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、前記既設上枠および前記新設上枠間と、前記既設縦枠および前記新設縦枠間とには、金属製のカバー材が配置され、前記カバー材は、前記改装サッシの見込み方向に延長された見込み片部と、前記既設枠の見付け片の室内面に当接する室内当接片と、前記新設枠の室外面に当接する室外当接片と、を備え、前記カバー材には、火災時に発泡してカバー材と新設枠との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、金属製のカバー材を、既設上枠および新設上枠間と、既設縦枠および新設縦枠間とに配置し、このカバー材の室内当接片を既設枠の見付け片の室内面に当接させ、室外当接片を新設枠の室外面に当接させている。このため、カバー材は、既設枠および新設枠にそれぞれ当接しながら見込み方向に重なる、つまりオーバーラップし、さらに火災時に焼失しない金属製であるため、既設枠およびカバー材間と、カバー材および新設枠間とで室内外方向に空間が連通することを防止し、火炎や煙がそれらの間を通過することを防止できる。
また、カバー材には加熱発泡材を設けているので、新設枠等が熱伸びなどで湾曲しても、加熱発泡材が発泡して空間を塞ぐことで、火炎などを確実に遮断できる。このため、カバー材および新設枠間を火炎が通ってしまうことを防止でき、防火性能を向上できる。また、改装時に設けられるカバー材に加熱発泡材を設けているので、設置する新設枠の種類に応じて加熱発泡材の配置位置などを設定でき、カバー材および新設枠間を確実に遮蔽できる。
さらに、加熱発泡材はカバー材に予め設けられているので、施工現場で加熱発泡材を既設枠等に貼付する必要が無く、現場作業が簡単となって短時間で作業でき、コストも低減できる。
また、既設枠の見付け片の室内面にカバー材の室内当接片を当接させているので、既設枠に対してカバー材を室内側から位置決めして取り付けることができる。また、カバー材の室外当接片に、新設枠の室外面を当接させているので、カバー材に対して新設枠を室内側から位置決めして取り付けることができる。このため、改装作業時に、既設枠に対して、室内側からカバー材、新設枠を順次取り付けることができるため、例えば、マンションなどで室外側に足場を組んで施工する必要がなく、低コストかつ短時間で改装することができる。
本発明の改装サッシにおいて、前記加熱発泡材は、発泡時に前記室外当接片と前記新設枠との当接位置を被覆可能な位置に貼付されていることが好ましい。
本発明によれば、カバー材と新設枠との当接位置を被覆可能な位置に加熱発泡材を貼付しているので、加熱発泡材が発泡した際にカバー材と新設枠との当接部分から火炎が侵入することを防止できる。
本発明の改装サッシにおいて、前記室外当接片は、前記見込み片部から室外側に延出された室外延出部と、前記室外延出部から見付け方向内側に延出された室外見付け面部と、前記室外見付け面部から室内側に延出されて前記新設枠の室外面に当接する室外当接部と、を備え、前記加熱発泡材は、前記室外見付け面部の室内面に貼付されていることが好ましい。
本発明によれば、室外見付け面部は室外当接部よりも室外側に配置されるため、室外見付け面部の室内面から室外当接部までの空間に加熱発泡材を配置できる。このため、例えば、新設枠の種類などに応じて加熱発泡材の貼付枚数を容易に調整でき、カバー材と新設枠との間を発泡した加熱発泡材で確実に塞ぐことができる。また、室外側で火災が発生した場合に、加熱発泡材を迅速に発泡させることができる。
本発明の改装サッシにおいて、前記カバー材は、前記既設枠に固定されたアタッチメントに固定され、前記新設上枠および前記新設縦枠は、前記カバー材に固定されていることが好ましい。
本発明によれば、カバー材をアタッチメントに固定しているので、既設枠の種類に応じてアタッチメントを用意すれば、カバー材の種類を最小限にできるため、カバー材の製造コストも低減できる。また、既設枠の相違はアタッチメントが吸収するため、カバー材は新設枠に応じて選択できる。
本発明の改装サッシにおいて、前記既設上枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設上枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設上枠および前記新設上枠間のクリアランスを塞ぐ上遮炎金具と、前記既設縦枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設縦枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設縦枠および前記新設縦枠間のクリアランスを塞ぐ縦遮炎金具とが設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具の一方の長手方向の端部は、他方の端面に所定間隔離れて対向して設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具のいずれか一方の遮炎金具には、火災時に発泡して他方の遮炎金具とのクリアランスを塞ぐ加熱発泡材が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、既設枠の内周側に新設枠を室内側から設置するため、既設枠の室内側と、新設枠との間にはクリアランスが必要となる。このクリアランスを塞ぐ遮炎金具を設けたので、室内火災時に火炎が既設枠と新設枠とのクリアランス部分に侵入することを防止できる。その上、カバー材に設けた加熱発泡材によって、カバー材および新設枠の室外側の当接部分を覆い、遮炎金具によって、既設枠および新設枠の室内側を遮炎しているので、新設枠の室外側および室内側にそれぞれ遮炎ラインを形成することができ、防火性能を向上できる。
また、上遮炎金具と縦遮炎金具の一方の端部を他方の端面に所定間隔離れて対向して設けたので、各遮炎金具を取り付ける際に互いに干渉することなく容易に取り付けることができる。さらに、火災時に他方の遮炎金具が熱伸びして一方の遮炎金具の端部に当接して湾曲することも防止できる。また、加熱発泡材を設けているので、火災時に一方の遮炎金具の端部と、他方の遮炎金具の端面間を発泡した加熱発泡材で塞ぐことができ、この部分で火炎を遮断でき、上遮炎金具、加熱発泡材、縦遮炎金具で連続する遮炎ラインを形成できる。
本発明は、既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、前記既設上枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設上枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設上枠および前記新設上枠間のクリアランスを塞ぐ上遮炎金具と、前記既設縦枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設縦枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設縦枠および前記新設縦枠間のクリアランスを塞ぐ縦遮炎金具とが設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具の一方の長手方向の端部は、他方の端面に所定間隔離れて対向して設けられ、前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具のいずれか一方の遮炎金具には、火災時に発泡して他方の遮炎金具とのクリアランスを塞ぐ加熱発泡材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、既設枠の内周側に新設枠を室内側から設置するため、既設枠の室内側と、新設枠との間にはクリアランスが必要となる。このクリアランスを塞ぐ遮炎金具を設けたので、室内火災時に火炎が既設枠と新設枠とのクリアランス部分に侵入することを防止できる。
また、上遮炎金具と縦遮炎金具の一方の端部を他方の端面に所定間隔離れて対向して設けたので、各遮炎金具を取り付ける際に互いに干渉することなく容易に取り付けることができる。さらに、火災時に他方の遮炎金具が熱伸びして一方の遮炎金具の端部に当接して湾曲することも防止できる。また、加熱発泡材を設けているので、火災時に一方の遮炎金具の端部と、他方の遮炎金具の端面間を発泡した加熱発泡材で塞ぐことができ、この部分で火炎を遮断でき、上遮炎金具、加熱発泡材、縦遮炎金具で連続する遮炎ラインを形成できる。
本発明の改装サッシにおいて、前記上遮炎金具は、前記縦遮炎金具の上端の端面に対向して設けられ、前記加熱発泡材は、前記縦遮炎金具の前記見付け面部の室内面に貼付されていることが好ましい。
上遮炎金具を縦遮炎金具の上端の端面に対向して設け、上遮炎金具(横材)と縦遮炎金具(縦材)との関係を横勝ちとしたので、火災時に上遮炎金具および縦遮炎金具がそれぞれ熱伸びしても、縦遮炎金具に加熱発泡材を貼付しておくことで、発泡した加熱発泡材を上遮炎金具の下面に確実に接触させて、各遮炎金具間のクリアランスを塞ぐことができる。また、加熱発泡材を縦遮炎金具の見付け面部の室内面に貼付しているので、加熱発泡材の接着面積を大きくできる。さらに、縦遮炎金具の垂直面に加熱発泡材を接着できるので、上遮炎金具の下面に加熱発泡材を接着する場合に比べて、加熱発泡材が落下することを防止できる。
本発明の改装サッシにおいて、前記縦遮炎金具の見付け面部は、前記既設縦枠の室内側見付け面にネジで固定され、前記上遮炎金具の見付け面部は、前記既設上枠の室内側見付け面にスライド移動可能に当接されていることが好ましい。
上遮炎金具の見付け面部を、既設上枠に固定せずに既設上枠の室内側見付け面にスライド移動可能に当接させているので、障子や新設窓枠が熱伸びした場合に、新設上枠が既設上枠に対して上下方向にスライド移動することを許容でき、障子に応力が加わってガラスが破損することも防止できる。
また、縦遮炎金具の見付け面部は、既設縦枠の室内側見付け面にネジで固定しているので、縦遮炎金具の見付け面部が室内側に傾いて、既設縦枠の室内側見付け面との間に隙間が生じることを防止できる。
1…改装サッシ、2…躯体、3…外壁、4…アンカー、5…外障子、6…内障子、7…網戸、10…既設枠、11…既設上枠、12…既設下枠、13…既設左縦枠、14…既設右縦枠、20…新設枠、21…新設上枠、22…新設下枠、23…新設左縦枠、24…新設右縦枠、26…塞ぎ材、27…縦補強材、28…縦補強材、29…補強材、31…アタッチメント、32…アタッチメント、33…アタッチメント、34…アタッチメント、41…上カバー材、43…縦カバー材、44…縦カバー材、51…上遮炎金具、53…縦遮炎金具、54…縦遮炎金具、61…スペーサー、75…加熱発泡材、76…加熱発泡材、80…風止め板、81…窓額縁、82…窓額縁、83…窓額縁、84…窓額縁、91…ガイドブロック、92…ガイドブロック、111…外レール、112…内レール、113…室外片、114…室内片、131…引寄せ片、133…室外片、134…室内片、141…引寄せ片、143…室外片、144…室内片、210…上枠本体、211…上枠アングル材、212…下面部、212A…第1下面部、212B…第2下面部、213…上面部、214A…第1ホロー部、214B…第2ホロー部、215…室外片部、216…網戸レール、217…外レール、218…内レール、219…穴、220…下枠本体、221…下枠アングル材、230…左縦枠本体、231…縦枠アングル材、232…内面部、233…外面部、234A…ホロー部、235…室外片部、236…網戸ガイド片、237…引寄せ片、239…穴、240…右縦枠本体、241…縦枠アングル材、242…内面部、243…外面部、244A…ホロー部、245…室外片部、246…網戸ガイド片、247…引寄せ片、249…穴、251…ネジ、252…ネジ、253…ネジ、254…ネジ、255…ネジ、256…ネジ、257…ネジ、261…塞ぎ部、262…固定部、263…ネジ、265…キャップ、266…キャップ、271…見込み面部、272…室外見付け面部、273…室内見付け面部、274…ネジ、281…見込み面部、282…室外見付け面部、283…室内見付け面部、284…ネジ、311…ネジ、321…ネジ、331…ネジ、341…ネジ、411…見込み片部、412…室内当接片、413…室外当接片、416…水密材、417…水密材、431…見込み片部、432…室内当接片、433…室外当接片、436…水密材、437…水密材、441…見込み片部、442…室内当接片、443…室外当接片、446…水密材、447…水密材、451…ネジ、453…ネジ、454…ネジ、511…見付け面部、512…見込み面部、513…ネジ、531…見付け面部、532…見込み面部、533…ネジ、534…ネジ、535…端面、541…見付け面部、542…見込み面部、543…ネジ、544…ネジ、631…スペーサー、632…スペーサー、641…スペーサー、642…スペーサー、711…加熱発泡材、712…加熱発泡材、713…加熱発泡材、721…加熱発泡材、722…加熱発泡材、731…加熱発泡材、732…加熱発泡材、733…加熱発泡材、741…加熱発泡材、742…加熱発泡材、743…加熱発泡材、771…加熱発泡材、772…加熱発泡材、2141…連結片部、2142…連結片部、2143…連結片部、2341…連結片部、2342…連結片部、2441…連結片部、2442…連結片部、4131…室外延出部、4132…室外見付け面部、4133…室外当接部、4331…室外延出部、4332…室外見付け面部、4333…室外当接部、4431…室外延出部、4432…室外見付け面部、4433…室外当接部。

Claims (8)

  1. 既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、
    前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、
    前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、
    前記既設上枠および前記新設上枠間と、前記既設縦枠および前記新設縦枠間とには、金属製のカバー材が配置され、
    前記カバー材は、
    前記改装サッシの見込み方向に延長された見込み片部と、
    前記既設枠の見付け片の室内面に当接する室内当接片と、
    前記新設枠の室外面に当接する室外当接片と、を備え、
    前記カバー材には、火災時に発泡してカバー材と新設枠との間を塞ぐ加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  2. 請求項1に記載の改装サッシにおいて、
    前記加熱発泡材は、発泡時に前記室外当接片と前記新設枠との当接位置を被覆可能な位置に貼付されている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  3. 請求項2に記載の改装サッシにおいて、
    前記室外当接片は、
    前記見込み片部から室外側に延出された室外延出部と、
    前記室外延出部から見付け方向内側に延出された室外見付け面部と、
    前記室外見付け面部から室内側に延出されて前記新設枠の室外面に当接する室外当接部と、を備え、
    前記加熱発泡材は、前記室外見付け面部の室内面に貼付されている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の改装サッシにおいて、
    前記カバー材は、前記既設枠に固定されたアタッチメントに固定され、
    前記新設上枠および前記新設縦枠は、前記カバー材に固定されている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の改装サッシにおいて、
    前記既設上枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設上枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設上枠および前記新設上枠間のクリアランスを塞ぐ上遮炎金具と、
    前記既設縦枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設縦枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設縦枠および前記新設縦枠間のクリアランスを塞ぐ縦遮炎金具と、が設けられ、
    前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具の一方の長手方向の端部は、他方の端面に所定間隔離れて対向して設けられ、
    前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具のいずれか一方の遮炎金具には、火災時に発泡して他方の遮炎金具とのクリアランスを塞ぐ加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  6. 既設枠の開口内に新設枠が設置される改装サッシであって、
    前記既設枠は、既設上枠、既設下枠および既設縦枠を枠組みして構成され、
    前記新設枠は、新設上枠、新設下枠および新設縦枠を枠組みして構成され、
    前記既設上枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設上枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設上枠および前記新設上枠間のクリアランスを塞ぐ上遮炎金具と、
    前記既設縦枠の室内側見付け面に当接する見付け面部と、前記新設縦枠に固定される見込み面部とを有し、前記既設縦枠および前記新設縦枠間のクリアランスを塞ぐ縦遮炎金具と、が設けられ、
    前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具の一方の長手方向の端部は、他方の端面に所定間隔離れて対向して設けられ、
    前記上遮炎金具および前記縦遮炎金具のいずれか一方の遮炎金具には、火災時に発泡して他方の遮炎金具とのクリアランスを塞ぐ加熱発泡材が設けられている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  7. 請求項5または請求項6に記載の改装サッシにおいて、
    前記上遮炎金具は、前記縦遮炎金具の上端の端面に対向して設けられ、
    前記加熱発泡材は、前記縦遮炎金具の前記見付け面部の室内面に貼付されている
    ことを特徴とする改装サッシ。
  8. 請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の改装サッシにおいて、
    前記縦遮炎金具の見付け面部は、前記既設縦枠の室内側見付け面にネジで固定され、
    前記上遮炎金具の見付け面部は、前記既設上枠の室内側見付け面にスライド移動可能に当接されている
    ことを特徴とする改装サッシ。
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