[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る商品案内システムの例について説明する。図1は、本発明に係る商品案内システム100の構成の一例を表したブロック図である。商品案内システム100は、サーバ10と、自律移動端末20とを少なくとも含む。また、商品案内システム100は、顧客側端末30と、店員側端末40とを含んでもよい。サーバ10、自律移動端末20、顧客側端末30及び店員側端末40は、互いにインターネットなどの通信ネットワーク50を介して接続されている。
サーバ10は、顧客に商品案内を行うための各種処理を実行する装置である。サーバ10は、顧客の顔の撮影画像に基づいて顧客の顔認証を実行して顧客を特定する。そして、サーバ10は、特定した顧客の履歴情報を用いて、後述する自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示する。ここで、商品案内とは、商品について知らせることを意味する。また、自律移動端末20に対して指示する商品案内は、自律移動端末20の移動を含むものであれば特に限定されないが、商品に関する情報の出力を含むことが好ましい。商品に関する情報の例には、商品の内容説明や価格、店舗における商品の配置位置の情報がある。サーバ10の機能構成の詳細は後述する。
自律移動端末20は、店舗内を自律移動が可能な端末であって、サーバ10からの指示に基づいて店舗内の移動制御を含む商品案内を制御する端末である。ここで、自律移動端末20が自律移動を行う店舗は所定の範囲内の敷地であれば特に限定されず、敷地のうち一部又は全部が屋外であっても店舗内であるものとする。自律移動端末20が設置される店舗の例には、無人店舗がある。自律移動端末20は、サーバ10からの指示が商品に関する情報の出力を含む場合、所定の出力装置を用いて当該情報を出力する。所定の出力装置は、例えば自律移動端末20が内部に備える出力装置である。出力装置の例には、視覚情報を出力するディスプレイや音声情報を出力するスピーカがある。本例では、自律移動端末20は、ディスプレイ及びスピーカを備える。また本例では、自律移動端末20は、顧客からの操作に基づき通話や文字チャット等を用いた店員による遠隔での応対を行う機能と、店員側からの遠隔操作によって自端末の移動を制御する機能とを有する。自律移動端末20の構成の詳細は後述する。
顧客側端末30は、カメラを備えた、顧客の顔認証用の情報を登録するための撮影を行う端末である。本例では、顧客側端末30は、所定操作の入力に基づいて撮影処理を実行し撮影画像を生成してサーバ10に送信する。サーバ10は、顧客側端末30からの撮影画像を受信し、当該撮影画像に基づいて顔認証用の情報を登録する。顧客側端末30は、例えばスマートフォンやPC(Personal Computer)である。顧客側端末30は、顧客個人が所有する端末でもよいし店舗側が用意する端末でもよい。顧客側端末30が備えるカメラは、例えば2次元撮影カメラが考えられる。これは顔認証処理において2次元画像情報のみが必要な場合の構成である。他方で、サーバ10における顔認証処理において2次元画像情報の他に奥行き(深度)の情報(例えば点群データ)が要求される場合は、顧客側端末30は、2次元撮影カメラに加えて、ミリ波レーダーなどの奥行き(深度)の情報を取得可能なデバイスをさらに備えてもよいし、奥行き(深度)の情報を取得可能な3次元撮影カメラ(ステレオカメラ)を備える構成としてもよい。なお、顔認証用の情報は、店舗の会員登録情報と対応付けて登録されてもよい。
なお、本例では顧客側端末30によって顧客の顔認証用の情報を登録するための撮影が行われるが、例えば、自律移動端末20によって顧客の顔を撮影して生成した顧客の顔の撮影画像をサーバ10に送信してもよい。
店員側端末40は、店員が顧客に対して応対するための端末であり、自律移動端末20と通信可能な端末である。例えば、顧客が店員による応対を希望する場合、自律移動端末20に対し顧客が所定の操作を行う。所定の操作がされると、自律移動端末20は、店員側端末40に問い合わせの旨を通知する。そして、店員がその通知に応じることで店員側端末40と自律移動端末20との間で応対のための情報の送受信が開始される。ここで送受信される情報は、例えば音声通話や文字チャット、映像及び音声による通話(テレビ通話)を行うための情報である。店員側端末40は、例えばスマートフォンやPCである。このように、サーバ10経由で店員側端末40と自律移動端末20との間で映像や音声による通話を行うことができるように構成すれば、店員と顧客が直接画面越しに話をすることが可能となる。
なお、サーバ10、自律移動端末20、顧客側端末30及び店員側端末40は、専用マシンとして設計した装置であってもよいが、一般的なコンピュータやサーバ装置によって実現可能なものであるものとする。この場合に、サーバ10、顧客側端末30及び店員側端末40は、一般的なコンピュータやサーバ装置が通常備えているであろうCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)、メモリ、ハードディスクドライブ等のストレージを具備しているものとする(図示省略)。また、これらの一般的なコンピュータやサーバ装置を本例のサーバ10、顧客側端末30及び店員側端末40として機能させるためにプログラムよって各種処理が実行されることは言うまでもない。
サーバ10、自律移動端末20、顧客側端末30及び店員側端末40は、適宜メモリに読み出したデータを用いて各種処理に必要な情報処理をCPUにて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置に記憶させる。記憶装置は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置の構成は特に限定されないが、例えば、HDDやSSDが挙げられる。
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例を示すブロック図である。この図2に示すように、サーバ10は、撮影画像受信部11と、顔認証部12と、問い合わせ情報受信部13と、履歴情報取得部14と、配置位置情報取得部15と、提案商品特定部16と、商品案内指示部17と、記憶部18とを少なくとも備える。
撮影画像受信部11は、自律移動端末20からの撮影画像を受信する機能を有する。自律移動端末20が所定の撮影装置を用いて撮影処理を実行して撮影画像を生成してサーバ10に対して送信するので、この撮影画像受信部11においてその撮影画像を受信する。
顔認証部12は、撮影画像受信部11で受信された撮影画像に基づいて顧客の顔認証を実行して顧客を特定する機能を有する。
ここで、顔認証部12が実行する顔認証は、既知の技術を用いて実行される。本例では、顔認証部12は、撮影画像受信部11で受信された撮影画像と予め登録された顔認証用の情報とに基づいて顔認証を実行して顧客を特定する。顔認証用の情報は、例えば顧客の顔が撮影された顔撮影画像から求められる顔の特徴点を示す情報である。なお、顔認証部12は、顔認証の実行後、顔認証処理の実行結果を示す情報を自律移動端末20に送信してもよい。
なお、顧客が決済手段の指定を顧客の情報と対応付けて商品案内システム100に予め登録しておき、サーバ10が顔認証部12によって特定した顧客の決済手段を特定するようにしてもよい。具体的な流れの一例は以下の通りである。顧客が店舗において商品を購入する際、店舗の商品決済エリアに設置されたカメラによって顧客の顔が撮影されて、生成された顔撮影画像がサーバ10に送信される。サーバ10は、受信した顔撮影画像に基づいて顧客の顔認証を実行して顧客を特定し、特定した顧客の決済手段を特定する。そして、顧客の商品購入において、特定された決済手段によって決済を実行する。このとき、顔認証以外の手続を要求せずに決済を完了できれば、顧客にとっては利便性が増すといえる。具体的には、例えば、決済手段としてクレジットカード決済を実行するために必要な情報(クレジットカード番号などの情報)を顧客情報と対応付けてサーバ10に登録しておく。そして、店舗の商品決済エリアのカメラでその顧客に対して顔認証を実行して顧客が特定されることにより、その顧客に対応付けて登録しておいたクレジットカード決済によって決済が実行される。顧客が店舗の商品決済エリアで顔認証以外の処理を行うことなくクレジットカード決済が実行されることになる。なお、サーバ10は、商品決済エリアのカメラでの撮影で特定された顧客の商品の購入が完了した場合、その顧客の商品購入履歴情報に、当該商品を購入した履歴を追加することが好ましい。
問い合わせ情報受信部13は、自律移動端末20からの問い合わせ情報を受信する機能を有する。ここで、問い合わせ情報とは、自律移動端末20が顧客から受け付けた商品に関する問い合わせの情報を意味する。商品に関する問い合わせは特に限定されず、顧客が指定したカテゴリの商品関する問い合わせでもよいし、顧客が指定した商品の購入に関する問い合わせでもよい。商品に関する問い合わせの内容の例には、問い合わせ対象の商品の値段や配置位置、在庫状況、配置予定の問い合わせがある。
履歴情報取得部14は、顔認証部12で特定された顧客の商品購入履歴情報を含む顧客履歴情報を取得する機能を有する。
ここで、顧客の商品購入履歴情報とは、顧客が商品を購入した履歴を示す情報を意味する。顧客の商品購入履歴情報は特に限定されないが、顧客が過去に購入した商品を特定できる情報が好ましい。そのような情報の例には、顧客の識別情報と当該顧客が過去に購入した商品の名称や識別情報とが対応付けされた情報がある。なお、履歴情報取得部14は、サーバ10と連動しているPOS(Point Of Sales)システムから顧客履歴情報を取得してもよい。また、履歴情報取得部14による顧客履歴情報の取得タイミングは特に限定されず、顔認証部12で顔認証が行われて顧客が特定されたタイミングでもよいし、その後の所定のタイミング(例えば問い合わせ情報受信部13が問い合わせ情報を受信したタイミング)でもよい。
また、問い合わせ情報は、顧客履歴情報として登録されるものとしてもよい。つまり、サーバ10は、問い合わせ情報受信部13で問い合わせ情報が受信された場合に当該情報を顧客履歴情報として登録してもよい。
配置位置情報取得部15は、店舗における商品の配置位置の情報(配置位置情報)を取得する機能を有する。ここで、配置位置情報とは、商品が店舗内のどの位置に配置されているかを示す情報を意味する。配置位置情報は特に限定されず、店舗のマップ情報を用いた情報でもよいし、商品の識別情報と店舗における所定の位置とが対応付けされた情報でもよい。配置位置情報の例には、店舗の2次元マップにおける各商品の位置を示す情報や店舗における各商品に対応付けされた棚番号情報がある。なお、配置位置情報取得部15は、配置位置情報以外に商品の在庫状況の情報を取得してもよい。
提案商品特定部16は、履歴情報取得部14で取得された顧客履歴情報に基づいて、顔認証部12で特定された顧客に提案する少なくとも1以上の購入候補の商品を提案商品として特定する機能を有する。ここで、購入候補の商品とは、履歴情報から顧客が購入する可能性が高い(可能性が十分にある)商品を意味する。購入候補の商品を提案商品として特定する構成は、顧客履歴情報に基づくものであれば特に限定されないが、商品購入履歴情報や問い合わせ情報に基づく構成が好ましい。
例えば、提案商品特定部16は、商品購入履歴情報で示される商品のうち少なくとも何れかを提案商品として特定してもよい。すなわち、提案商品特定部16は、顧客が以前購入したことがある商品を提案商品として特定してもよい。また例えば、提案商品特定部16は、商品購入履歴情報に基づいて顧客が定期的に購入している商品を提案商品として特定してもよい。例えば、顧客が以前「サンドイッチ」を購入している場合に、同じ「サンドイッチ」が提案商品として特定される。
また、提案商品特定部16は、店舗における商品の配置予定の情報にさらに基づいて提案商品を特定してもよい。
ここで、店舗における商品の配置予定とは、商品が店舗に配置される(店舗に陳列される)予定を意味する。店舗における商品の配置予定の情報は特に限定されないが、商品が店舗に配置される予定の時間を示す情報を少なくとも含むことが好ましい。店舗における商品の配置予定の情報の例には、商品の名称や識別情報と当該商品が店舗に配置される予定の時間とが対応付けされた情報がある。例えば、商品購入履歴情報によって顧客が「サンドイッチ」を毎日購入していることが示される場合、提案商品特定部16による特定処理時に配置されておらず、かつ当該特定処理後に配置される「サンドイッチ」が提案商品として特定されてもよい。
また、提案商品特定部16は、問い合わせ情報と商品購入履歴情報とに基づいて、問い合わせが受け付けられ、かつ購入に至らなかった商品を提案商品として特定してもよい。
具体的には、提案商品特定部16は、問い合わせ情報により問い合わせがされたことが示され、かつ購入履歴情報により当該問い合わせの結果として購入されなかったことが示される商品を提案商品として特定してもよい。例えば、顧客からの問い合わせが受け付けられ、かつ購入に至らなかった商品の特定は、問い合わせ情報と商品購入履歴情報とによって示される商品の名称や識別情報に基づいて行われる。例えば、以前に顧客が問い合わせた「シャンプー」について問い合わせたものの購入されなかった場合に同じ種類の「シャンプー」が提案商品として特定される。このような構成とすることで、過去に問い合わせがあったものの何らかの理由で購入されなかった商品は少なくとも顧客が購入する可能性があるものであると推測されるため、そのような商品を再び提案して効果的に商品購入を促進することが可能となる。
商品案内指示部17は、顧客履歴情報を用いて、自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示する機能を有する。
ここで、商品案内について自律移動端末20に対して指示するとは、商品案内を行うよう指示する情報を自律移動端末20に送信することを意味する。商品案内を行うよう指示する情報は少なくとも自律移動端末20の移動の指示を含むものであれば特に限定されないが、商品に関する情報の出力の指示を含む情報が好ましい。そのような情報の例には、商品の名称及び配置位置の情報を出力するよう指示する情報がある。
また、商品案内指示部17は、提案商品又は問い合わせ情報で問い合わせされた商品について、商品の配置位置の情報に基づいて、当該商品の配置位置を特定し、特定した配置位置に対する自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示してもよい。
ここで、商品の配置位置の情報に基づいて対象の商品の配置位置を特定する構成は特に限定されず、店舗のマップ情報から対象の商品の配置位置を特定する構成でもよいし、対象の商品の識別情報に対応付けされた店舗における所定の位置を配置位置として特定する構成としてもよい。また、配置位置に対する自律移動端末20の移動とは、店舗において自律移動端末20が現在の位置から配置位置まで移動することを意味する。なお、ここでの配置位置までの移動は、自律移動端末20が配置位置そのものに到達するように移動すること以外にも、配置位置近傍まで移動することを指してもよい。
記憶部18は、サーバ10において行われる様々な処理で必要なデータ及び処理の結果として得られたデータを記憶させる機能を有する。図2に示すように、一例として、記憶部18において顧客履歴情報と配置位置情報とを記憶させるようにしてもよい。勿論、図2において記憶部18に記憶されるこれら情報の少なくとも一部がサーバ10以外の外部装置に記憶されていてもよい。
以上、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ10の構成の一例について説明した。なお、図2で説明した構成のうち少なくとも一部は、サーバ10の代わりに自律移動端末20が備えるようにしてもよい。
なお、図2では示していないが、サーバ10は、商品案内における自律移動端末20の移動の経路を特定する経路特定部を備えてもよい。ここで、自律移動端末20の移動の経路を特定するとは、店舗内における自律移動端末20の移動の道筋を定めることを意味する。自律移動端末20の移動の経路は既知の技術を用いて特定される。
また、図2では示していないが、サーバ10は、商品案内指示部17において案内する対象の商品とは異なり、かつ顧客履歴情報からさらに提案可能な商品を追加提案商品として特定する追加提案商品特定部を備えてもよい。
ここで、顧客履歴情報からさらに提案可能な商品は特に限定されず、提案商品特定部16によって特定される可能性がある商品でもよいし、提案商品又は問い合わせ情報で問い合わせされた商品に対して所定条件を満たす商品でもよい。対象の商品に対する所定条件は商品に関する条件であれば特に限定されないが、対象の商品と比較して関連性が強い商品であるという条件が好ましい。1の商品に対する所定条件の例には、対象の商品と同じ種類の商品や対象の商品と一緒に使用される可能性がある商品であるという条件がある。例えば、商品案内指示部17において案内する対象の商品が「風呂用洗剤」である場合に、同じ風呂場で使用される「シャンプー」が追加提案商品として特定される。
また、図2では示していないが、サーバ10は、移動経路の移動過程において案内可能な範囲に追加提案商品の配置位置が存在する場合に、追加提案商品特定部で特定された追加提案商品について所定のタイミングでの商品案内を自律移動端末20に指示する追加提案商品案内指示部を備えてもよい。
ここで、移動経路の移動過程において案内可能な範囲は特に限定されないが、移動経路の移動過程において自律移動端末20の位置と追加提案商品の配置位置との間の距離が所定の長さ以下となる範囲や移動経路の移動過程において追加提案商品を視認可能となる範囲が好ましい。また、所定のタイミングは特に限定されないが、自律移動端末20がサーバ10からの指示に基づいて店舗内の案内のための移動制御を行っている最中のタイミングが好ましい。所定のタイミングの例には、自律移動端末20が移動経路の移動過程において案内可能な範囲内に位置しているタイミングがある。
また、図2では示していないが、サーバ10は、商品案内の対象から除外する商品の指定を、所定の除外リスト受付手段によって受け付けて顧客毎に登録する案内除外リスト登録部を備えてもよい。
ここで、商品案内の対象から除外するとは、商品案内指示部17で案内される対象ではないものとして扱うことを意味する。商品案内の対象から除外する構成は特に限定されないが、指定した商品を商品案内の対象から除外することを示す情報を顧客の情報に対応付ける構成が好ましい。また、除外リスト受付手段は特に限定されず、自律移動端末20でもよいし顧客側端末30でもよい。例えば、顧客が顧客側端末30を用いて、店舗において案内されたくない商品を予め指定してサーバ10に登録しておくことが考えられる。
なお、商品案内の対象からの除外以外にも、サーバ10は、自律移動端末20からの出力ワードの除外の指定を除外ワード受付手段によって受け付けてもよい。ここで、自律移動端末20からの出力ワードとは、自律移動端末20が所定の出力手段を用いて出力するワードを意味する。サーバ10は、商品案内指示部17による商品案内の指示の際に出力ワードの除外の指定についても自律移動端末20に行う。
なお、サーバ10は、所定のワードについて代替のワードで自律移動端末20に出力させる指定を除外リスト受付手段によって受け付けてもよい。所定のワードについて代替のワードで出力させるとは、所定のワードを出力させようとする場合に当該ワードの個所を代替のワードで置き換えて出力させることを意味する。例えば、所定のワードは顧客の本名であり、代替のワードは顧客が指定したニックネームである。除外リスト受付手段は特に限定されず、自律移動端末20でもよいし顧客側端末30でもよい。
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する自律移動端末20の構成の一例を示すブロック図である。この図3に示すように自律移動端末20は、撮影部21と、撮影画像送信部22と、問い合わせ受付部23と、問い合わせ情報送信部24と、自己位置特定部25と、案内制御部26と、記憶部27とを少なくとも備える。
撮影部21は、所定の撮影装置を用いて撮影処理を実行する機能を有する。
ここでの自律移動端末20による撮影処理は、商品案内に際してサーバ10による顧客の顔認証を行うために実行される。所定の撮影装置は、顧客の顔を撮影することができる物であれば特に限定されないが、奥行き(深度)の情報を取得可能な3次元撮影カメラが好ましい。本例では、自律移動端末20は、3次元撮影カメラを内部に備えており、当該カメラにより撮影を行う。なお、本例では顔認証のための撮影を行う装置は自律移動端末20であるが、勿論これに限定されず、例えば店舗の入り口に設置されたカメラが顧客の顔を撮影して撮影画像を生成しサーバ10に送信するようにしてもよい。
撮影画像送信部22は、撮影装置による撮影で生成された撮影画像をサーバ10に送信する機能を有する。
撮影画像送信部22は、撮影画像が生成されると顧客からの操作を介さず自動的にサーバ10に送信してもよい。本例では、撮影画像送信部22は、3次元撮影カメラによる撮影で生成された奥行き(深度)の情報を有する撮影画像が生成されるとその撮影画像をサーバ10に送信する。
問い合わせ受付部23は、サーバ10の顔認証部12で特定された顧客から商品に関する問い合わせを受け付ける機能を有する。具体的には、問い合わせ受付部23は、サーバ10の顔認証部12で特定された顧客からの商品に関する問い合わせを行う入力操作を受け付ける。例えば、問い合わせ受付部23は、自律移動端末20が備える入力装置(タッチパネルディスプレイやマイク)に対する入力操作を受け付ける。
問い合わせ対象の商品は特に限定されず、顧客が指定した商品や顧客が指定したカテゴリに属する商品がある。また、商品に関する問い合わせの内容の例には、商品についての店舗の配置有無や在庫状況がある。例えば、問い合わせ受付部23は、自律移動端末20が備える表示装置に表示された商品の一覧やカテゴリの情報に対するタッチ操作に基づいて問い合わせを受け付けてもよい。また、問い合わせ受付部23は、自律移動端末20が備える表示装置に表示された店舗の2次元マップ中の何れかの位置を指定する操作に基づいて問い合わせを受け付けてもよい。
問い合わせ情報送信部24は、顔認証部12で特定された顧客から受け付けた商品に関する問い合わせ情報をサーバ10に送信する機能を有する。ここでの問い合わせ情報とは、問い合わせ受付部23で受け付けた問い合わせの情報であって当該問い合わせの内容を特定可能な情報を意味する。
自己位置特定部25は、店舗における自端末の位置を特定する機能を有する。ここで、店舗における自端末の位置を特定する構成は特に限定されないが、店舗の2次元マップにおける何れの位置が自端末の位置であるかを特定する構成が好ましい。また、店舗における自端末の位置を特定するための構成は特に限定されず、店舗に設置された複数のマーカのうち自律移動端末20が撮影して生成した撮影画像に写されたマーカの種類及び位置を用いる構成でもよいし、自律移動端末20がGPS信号を受信して利用する構成でもよいし、店舗に設置された複数の発信装置から発信された複数のビーコン電波を自律移動端末20が受信してそのビーコン電波の受信強度を利用する構成でもよい。
案内制御部26は、サーバ10からの指示に基づいて店舗内の自端末の移動制御を含む商品案内を制御する機能を有する。ここで、サーバ10からの指示に基づいて商品案内を制御するとは、サーバ10からの商品案内を行うよう指示する情報(指示情報)を受信してその情報で指示された商品案内を行うことを意味する。また、案内制御部26は、指示情報が商品に関する情報の出力の指示を含む情報である場合、商品案内に際し自律移動端末20が備える出力装置を用いて商品に関する情報を出力する。店舗内の自端末の移動制御は、自己位置特定部25で特定された自端末の位置に基づいて行われる。
なお、案内制御部26が商品案内を行うタイミングは特に限定されず、商品案内指示部17が商品案内について自律移動端末20に対して指示したタイミングでもよいし、対象商品案内が終了したタイミングでもよいし、顧客が店舗内を移動して店舗内の別の自律移動端末20の近くに移動したタイミングでもよい。なお、自律移動端末20の移動制御の主体は、サーバ10でもよいし自律移動端末20自身でもよい。
記憶部27は、自律移動端末20において行われる様々な処理で必要なデータ及び処理の結果として得られたデータを記憶させる機能を有する。記憶部27は、一例として、自律移動制御に用いられる店舗の2次元マップの情報を記憶させるようにしてもよい。勿論、記憶部27に記憶されるこれら情報の少なくとも一部が自律移動端末20以外の外部装置に記憶されていてもよい。
以上、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する自律移動端末20の構成の一例について説明した。
なお、上述した自律移動端末20による商品案内は、店舗内の複数の自律移動端末20が協調して行われてもよい。ここで、複数の自律移動端末20による協調とは、自律移動端末20の商品案内における自律移動を途中で他の自律移動端末20に引き継ぐことや複数の自律移動端末20が商品案内における複数作業(自律移動や情報の出力)を分担して行うことを意味する。複数の自律移動端末20が協調して商品案内を行う条件の例には、商品案内を行う1の自律移動端末20の当該商品案内における移動経路が当該自律移動端末20に設定された案内可能範囲から少なくとも一部外れるという条件や、複数の目的地が存在する商品案内を行うという条件がある。複数の自律移動端末20が協調して商品案内を行うための自律移動端末20間でのデータ通信は、サーバ10経由での通信であってもよいし、自律移動端末20間の直接の通信、例えば近距離無線通信であってもよい。自律移動端末20間でのデータ通信の対象となる情報は、商品案内を行っている自律移動端末20による商品案内の状況を示す情報など、他の自律移動端末20が商品案内を継続するための情報である。商品案内の状況を示す情報の例には、案内する対象の商品の配置位置の情報や商品案内の進捗を示す情報がある。複数の自律移動端末20の間で商品案内の状況を示す情報を共有することで、途中で商品案内を引き継ぐ側の自律移動端末20がスムーズに商品案内の続きを再開することが可能となる。
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する自律移動端末20の外観例を示す図である。図4に示すように、自律移動端末20は、胴体部210とカメラ220とディスプレイ230と接地部240から構成される。胴体部210は、カメラ220及びディスプレイ230を支持する。カメラ220は、顧客の顔を撮影するために設けられる。カメラ220での撮影により生成された撮影画像はサーバ10に送信されて顔認証処理に用いられる。カメラ220は、例えば2次元撮影カメラでもよいし、奥行き(深度)の情報も取得可能な3次元撮影カメラでもよい。自律移動端末20は、カメラ220が2次元撮影カメラである場合、奥行き(深度)の情報を取得可能なセンサをさらに備えてもよい。ディスプレイ230は、商品案内に関する情報などの種々の情報を表示するための装置である。本例では、ディスプレイ230は、入力操作が可能なタッチパネルディスプレイである。なお、ディスプレイ230の裏側には自律移動端末20の制御装置や演算装置等が設置されている(図示省略)。自律移動端末20は音声入力を行うためのマイクを備えてもよい。接地部240は、店舗内を自律移動するための移動機構であるローラーが設けられており、自律移動端末20はローラーの回転制御によって移動する。
図5は、本発明に係る商品案内システム100における顔認証処理の流れを表したフローチャート図である。図5は、本発明に係る商品案内システム100における顔認証処理の流れを表したフローチャート図である。この図5に示すように、顔認証処理は、自律移動端末20が顧客から顔認証の開始操作を受け付けることによって開始される(ステップS101)。本例では、顔認証処理は、自律移動端末20のタッチパネルディスプレイに対して顔認証を開始するためのタッチ操作を受け付けることによって開始される。
次に、自律移動端末20は、所定の撮影装置を用いて撮影処理を実行する(ステップS102)。ここで、自律移動端末20は、撮影処理で生成した撮影画像をサーバ10に送信する。本例では、自律移動端末20は、自端末が備える3次元撮影カメラによって撮影を行い、顧客の顔の3次元撮影画像を生成しサーバ10に送信する。
次に、サーバ10は、自律移動端末20からの撮影画像に基づいて顧客の顔認証を実行して顧客を特定し(ステップS103)、処理を終了する。本例では、サーバ10は、自律移動端末20からの顧客の3次元撮影画像と、予め登録された3次元顔画像の情報とに基づいて顧客を特定する処理を実行し、処理を終了する。
図6は、本発明に係る商品案内システム100における問い合わせがされた場合の商品案内処理の流れを表したフローチャート図である。図6は、本発明に係る商品案内システム100における問い合わせがされた場合の商品案内処理の流れを表したフローチャート図である。図6で説明する商品案内処理の流れは、図5で説明した顔認証処理によって顧客が特定された状態から開始するものとする。
この図6に示すように、顧客から商品について問い合わせがされた場合の商品案内処理は、顧客から商品に関する問い合わせを受け付けることによって開始される(ステップS201)。本例では、商品案内処理は、顧客が指定した商品についての店舗の配置有無の問い合わせを受け付けることによって開始される。ここで、自律移動端末20は、顧客から受け付けた商品に関する問い合わせ情報をサーバ10に送信する。
次に、サーバ10は、店舗における商品の配置位置の情報を取得する(ステップS202)。本例では、サーバ10は、店舗の2次元マップにおける各商品の位置を示す情報を取得する。
次に、サーバ10は、取得した商品の配置位置の情報に基づいて、問い合わせがされた商品の配置位置を特定する(ステップS203)。本例では、サーバ10は、店舗の2次元マップにおける問い合わせがされた商品の配置位置を特定する。
次に、サーバ10は、特定した配置位置に対する自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示する(ステップS204)。本例では、サーバ10は、店舗において現在の位置から問い合わせがされた商品の配置位置までの移動と当該商品に関する情報の出力とを指示する。ここで、サーバ10は、問い合わされた商品について商品案内を行うよう指示する指示情報を自律移動端末20に送信する。
次に、自律移動端末20は、店舗における自端末の位置を特定する(ステップS205)。本例では、自律移動端末20は、店舗に設置された複数のマーカを用いて自端末の位置を特定する。
次に、自律移動端末20は、店舗内の移動制御を含む商品案内を制御し(ステップS206)、処理を終了する。本例では、自律移動端末20は、サーバ10から送信された指示情報に基づいて店舗において現在の位置から問い合わせがされた商品の配置位置までの移動と当該商品に関する情報の出力とを行い、処理を終了する。
図7は、本発明に係る商品案内システム100における顧客履歴情報に基づく商品案内処理の流れを表したフローチャート図である。図7は、本発明に係る商品案内システム100における顧客履歴情報に基づく商品案内処理の流れを表したフローチャート図である。図7で説明する商品案内処理の流れは、図5で説明した顔認証処理によって顧客が特定された状態から開始するものとする。
この図7に示すように、顧客履歴情報に基づく商品案内処理は、サーバ10が、特定した顧客の商品購入履歴情報を含む顧客履歴情報を取得することによって開始される(ステップS301)。本例では、商品案内処理は、特定した顧客の識別情報と当該顧客が過去に購入した商品の名称や識別情報とが対応付けされた情報を取得することによって開始される。
次に、サーバ10は、取得した顧客履歴情報に基づいて、特定した顧客に提案する少なくとも1以上の購入候補の商品を提案商品として特定する(ステップS302)。本例では、サーバ10は、顧客が以前購入したことがある商品を提案商品として特定する。以下、ステップS303からステップS307までに関しては「問い合わされた商品」を「提案商品」に読み替えると図6のステップS202からステップS206までと同じ内容の処理になるため説明を省略する。
以上のように、本例による商品案内システム100は、サーバ10と自律移動が可能な自律移動端末20とを含み、サーバ10は、自律移動端末からの撮影画像を受信する撮影画像受信部11と、撮影画像に基づいて顧客の顔認証を実行して顧客を特定する顔認証部12と、特定された顧客の商品購入履歴情報を含む顧客履歴情報を取得する履歴情報取得部14と、顧客履歴情報を用いて、自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示する商品案内指示部17とを備え、自律移動端末20は、所定の撮影装置を用いて撮影処理を実行する撮影部21と、撮影装置による撮影で生成された撮影画像をサーバに送信する撮影画像送信部22と、店舗における自端末の位置を特定する自己位置特定部25と、サーバ10からの指示に基づいて店舗内の移動制御を含む商品案内を制御する案内制御部26とを備えるようにしたので、個々の顧客に対してより効果的に商品を案内することが可能となる。
すなわち、顔認証で特定した顧客個人の履歴を用いて個別のデジタルサイネージで商品を案内することができるので、個々の顧客に対する商品の購入促進を顔認証を利用してより効果的に行うことが可能となる。
また、商品案内システム100において、さらに、自律移動端末20は、特定された顧客から商品に関する問い合わせを受け付ける問い合わせ受付部23と、特定された顧客から受け付けた商品に関する問い合わせ情報をサーバに送信する問い合わせ送信部24とを備え、サーバ10は、店舗における商品の配置位置の情報を取得する配置位置情報取得部15と、顧客履歴情報に基づいて、特定された顧客に提案する少なくとも1以上の購入候補の商品を提案商品として特定する提案商品特定部16と、自律移動端末20からの問い合わせ情報を受信する問い合わせ情報受信部13とを備え、商品案内指示部17は、提案商品又は問い合わせ情報で問い合わせされた商品について、商品の配置位置の情報に基づいて、当該商品の配置位置を特定し、特定した配置位置に対する自律移動端末20の移動を含む商品案内について自律移動端末20に対して指示するようにしたので、自律移動端末20からの能動的な商品案内と顧客からの問い合わせに応じた受動的な商品案内との双方を行うことで結果として効果的な商品購入の促進が可能となる。
また、商品案内システム100において、さらに、問い合わせ情報は、顧客履歴情報として登録されるものとし、提案商品特定部16は、問い合わせ情報と商品購入履歴情報とに基づいて、問い合わせが受け付けられ、かつ購入に至らなかった商品を提案商品として特定するようにしたので、購入の可能性がある商品を再び提案することが可能となる。
また、商品案内システム100において、さらに、サーバ10は、商品案内における自律移動端末20の移動経路を特定する経路特定部と、商品案内指示部において案内する対象の商品とは異なる商品であって顧客履歴情報からさらに提案可能な商品を追加提案商品として特定する追加提案商品特定部と、移動経路の移動過程において案内可能な範囲に追加提案商品の配置位置が存在する場合に、特定された追加提案商品について所定のタイミングでの商品案内を自律移動端末20に指示する追加提案商品案内指示部とを備えるようにしたので、タイミングを逃さずに商品案内を行うことが可能となる。
また、商品案内システム100において、さらに、サーバ10は、商品案内の対象から除外する商品の指定を、所定の除外リスト受付手段によって受け付けて顧客毎に登録する案内除外リスト登録部を備えるようにしたので、顧客が安心して商品案内システム100による商品案内を利用することが可能となる。
なお、以上説明した商品案内システム100では、自律移動端末20が案内する対象は商品であったが、案内される対象はサービスでもよい。例えば、展示会会場において、自律移動端末20が各ブースの場所を案内するようにしてもよい。
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。