JP2023034024A - 蒸気発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気発生容器の上側に湯滴を分離する大きな空間を必要とせずに、湯滴が送出先に送出されないようにする。【解決手段】蒸気発生装置30は、上端部に蒸気を送出する送出口31cを有した蒸気発生容器31と、蒸気発生容器31内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段32と、蒸気発生容器31内の上部で発生した蒸気を送出口31cから水平方向に隣接する送出先に送出する蒸気送出部40と、蒸気発生容器31の上部で沸き上がる湯が送出先に流入するのを防ぐ湯流入防止部材43とを備え、湯流入防止部材43は、送出口31cの送出先側を塞いで送出口31cの水平方向の中心部に向けて上側に膨らむ形状をした遮蔽部45と、送出口31cの送出先と反対側に蒸気が通過する蒸気通過口46とを備えている。【選択図】図5
Description
本発明は、スチームコンベクションオーブン等の加熱調理器に用いられる蒸気発生装置に関する。
下記の特許文献1には、熱風により食材を加熱調理する加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、食材を加熱調理する調理庫と、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫内に蒸気を供給する蒸気発生装置と、ヒータと対流ファンと蒸気発生装置の作動を制御する制御装置とを備えている。この加熱調理器の制御装置は食材を加熱調理する調理プログラムを備えており、制御装置により調理プログラムを実行したときには、調理庫内の空気はヒータと対流ファンとの作動によって熱風となって対流するとともに、対流する熱風には蒸気発生装置の作動によって蒸気が供給され、調理庫内に収容した食材は蒸気を含んだ熱風によって加熱調理される。
この加熱調理器に用いられる蒸気発生装置は、内部に所定量の水を貯え、上端部に蒸気を送出する送出口を有した蒸気発生容器と、蒸気発生容器内の水を加熱する加熱体と、蒸気発生容器の外周に巻回されて加熱体を発熱させる誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内で発生した蒸気を調理庫に送出する蒸気送出筒とを備えている。また、蒸気発生容器と蒸気送出筒との間には筒形をした蒸気通路部が設けられており、蒸気通路部には蒸気発生容器の上部で跳ね上がる湯滴が蒸気送出筒を通って調理庫内に流入するのを防ぐ3枚の遮蔽板が上下に並べて配置されている。蒸気発生容器の上部で跳ね上がる湯滴は蒸気通路部に配設した3枚の遮蔽板によって蒸気送出筒を通って調理庫内に流入しにくくなっている。
特許文献1の蒸気発生装置は、蒸気発生容器の上部に3枚の遮蔽板を設けることにより、蒸気発生容器の上部で跳ね上がる湯滴を蒸気送出筒を通して調理庫に流入しにくくしている。この種の蒸気発生装置が用いられる加熱調理器は設置する厨房に応じて小型化することが求められ、蒸気発生装置も加熱調理器に応じて小型化する必要があった。しかし、蒸気発生容器の上部には3枚の遮蔽板が上下に並べて配設された蒸気通路部が設けられているため、蒸気発生装置を高さ方向に小型化しにくくなっていた。本発明は、蒸気発生容器の上側に湯滴を分離する大きな空間を必要とせずに、湯滴が送出先に送出されないようにすることを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、内部に所定量の水を貯え、上端部に蒸気を送出する送出口を有した蒸気発生容器と、蒸気発生容器内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段と、蒸気発生容器内の上部で発生した蒸気を送出口から水平方向に隣接する送出先に送出する蒸気送出部と、蒸気発生容器の上部で沸き上がる湯が送出先に流入するのを防ぐ湯流入防止部材とを備えた蒸気発生装置であって、湯流入防止部材は、送出口の水平方向の中心部に向けて上側に膨らむ形状をして送出口の送出先側を塞ぐ遮蔽部と、送出口の送出先と反対側に蒸気が通過する蒸気通過口とを備えたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
上記のように構成した蒸気発生装置においては、湯流入防止部材は、送出口の水平方向の中心部に向けて上側に膨らむ形状をして送出口の送出先側を塞ぐ遮蔽部と、送出口の送出先と反対側に蒸気が通過する蒸気通過口とを備えている。蒸気発生容器の蒸気の送出口は、送出先に近い送出先側が遮蔽部によって塞がれ、送出先に対して離れた送出先の反対側に蒸気通過口が形成されている。蒸気発生容器の上部で発生する蒸気は、送出口の送出先に対して離れた位置から蒸気を上側に送出させているので、蒸気発生容器の上部で沸き上がる湯が送出先に流入しにくくなる。また、蒸気発生容器の送出口の一部を平面視において遮蔽部と同じ面積で平面的に塞いだものと比較したときに、遮蔽部は蒸気通過口側で上側に膨らむ高さがあるので、蒸気通過口の開口面積を大きくすることができるだけでなく、蒸気発生容器の上部から送出先側に跳ね上がる湯滴を高さ方向で多く捕捉することができるようになる。このように、蒸気発生容器の上側に多くの空間を使用することなく、蒸気発生容器の上部で発生した十分な量の蒸気を送出先に送出できるだけでなく、蒸気発生容器の上部にて跳ね上がる湯滴を多く捕捉して、送出先に湯滴が流入するのを防ぐことができる。
上記のように構成した蒸気発生装置においては、蒸気送出部は蒸気発生容器の上側から送出先に向けて上側に傾斜する傾斜筒部を備えるのが好ましい。このようにしたときには、蒸気発生容器の上部で跳ね上がって湯流入防止部材の遮蔽部によって捕捉できなかった湯滴は上側に傾斜する傾斜筒部によって送出先側に流れにくくなり、湯滴が送出先に更に流入しにくくすることができる。
上記のように構成した蒸気発生装置においては、蒸気送出部は、蒸気発生容器の上側に蒸気を受け容れる空間が形成された蒸気受容体を備え、傾斜筒部は、蒸気受容体から送出先に向けて上側に傾斜する第1傾斜筒部と、第1傾斜筒部の内周面に嵌合固定される第2傾斜筒部とを備え、第1傾斜筒部の先端部内周面には第2傾斜筒部が嵌合される環状凹部を形成し、環状凹部の深さを第2傾斜筒部の厚み以下とするのが好ましい。このようにしたときには、第2傾斜筒部に付着した湯滴や結露が第1傾斜筒部に流れ落ちるときに、湯滴や結露が第1傾斜筒部と第2傾斜筒部との接続部分に残りにくくすることができる。
上記のように構成した蒸気発生装置においては、湯流入防止部材は、蒸気発生容器の送出口に設けた枠部と、枠部の内側で送出先側に設けられた遮蔽部と、枠部の内側で送出先と反対側に形成された蒸気通過口とを備え、枠部と蒸気発生容器の上部の一方に遮蔽部を送出先側に配置させるための位置決め突部が設けられ、枠部と蒸気発生容器の上部の他方に位置決め突部が係合することで遮蔽部を送出先側に配置させる位置決め凹部を設けるのが好ましい。このようにしたときには、位置決め突部を位置決め凹部に係合させることで、蒸気発生容器の蒸気の送出口に湯流入防止部材の遮蔽部を送出先側にして確実に取り付けることができ、湯流入防止部材の遮蔽部を送出先と反対側となる取付け間違いを生じさせないようにすることができる。
以下に、本発明の蒸気発生装置の一実施形態を用いた加熱調理器を添付図面を参照して説明する。本発明の蒸気発生装置が用いられる加熱調理器は、スチームコンベクションオーブンと呼ばれるもので、蒸気を含んだ熱風を対流させて食材を加熱調理するものである。図1に示したように、加熱調理器10は、ハウジング11内の左側部及び下部を機械室12,13(以下、左側部機械室12,下部機械室13とも記載する)とし、ハウジング11内の機械室12,13を除いた部分に食材を加熱調理するための調理庫20を備えている。図2に示したように、調理庫20の前面部には食材を出し入れする開口部20aが設けられており、開口部20aにはこれを開閉する扉14が設けられている。
図3に示したように、調理庫20は、食材を収容して加熱調理するためのものであり、調理庫20の左側部を除く部分を食材を収容する食材収容室21とし、調理庫20の左側部を食材収容室21に送り出す熱風を生成する熱風生成室22としている。図4に示したように、調理庫20の左側壁には蒸気導入口20bと外気導入口20cとが形成され、図5に示したように、調理庫20の底壁には排水口20dが形成されている。蒸気導入口20bには後述する蒸気発生装置30が接続され、外気導入口20cには後述する給気ダンパ装置80が接続されている。なお、外気導入口20cは後述する対流ファン26のファン羽根に隠れる位置(左側)に形成されている。また、排水口20dは、第1排水管15により排水タンク16に接続されており、調理庫20内の水は第1排水管15を通って排水タンク16に排水される。排水タンク16には第2排水管(図示省略)が接続されており、調理庫20内の水は第1排水管15を通って排水タンク16内に排出された後で第2排水管を通ってハウジング11の外側に排出される。
また、図5及び図6に示したように排水タンク16には排気筒17が立設しており、排気筒17はハウジング11の天板に形成した開口部から上側に突出している。調理庫20内の空気は、第1排水管15を通って排水タンク16に排出され、排水タンク16に排出された空気は排気筒17を通ってハウジング11の上側に排出される。排気筒17の上端部にはパッキン18が設けられており、パッキン18は排気筒17とハウジング11の天井壁との間を液密に塞いでいる。パッキン18は、弾性変形可能なゴム材を用いたものであり、排気筒17の外周面に隙間なく嵌合される厚みのある円形の環形状をしている。パッキン18の外周面には内側に凹む係合溝18aが形成されており、係合溝18aにはハウジング11の天板の開口部周縁が上下で挟み込まれている。係合溝18a内の上部には下方に突出する突条(図示省略)が全周にわたって形成され、係合溝18a内の下部には上方に突出する突条(図示省略)が全周にわたって形成されている。ハウジング11の天板の開口縁部がパッキン18の係合溝18a内に挟み込まれているので、ハウジング11の天板の開口部と排気筒17との間から左側部機械室12内に水が流入しにくくなっている。
図3に示したように、調理庫20の左右方向の中央部より左側には仕切板23が設けられており、仕切板23は食材収容室21と熱風生成室22とを通風可能に仕切っている。仕切板23は熱風生成室22に配設された対流ファン26の吸込口側を覆うファンカバーの機能を有している。図7に示したように、仕切板23には多数の吸込口23aが形成されており、食材収容室21内の空気は吸込口23aを通って熱風生成室22に送られる。また、仕切板23は調理庫20の天井壁、底壁、前壁及び後壁との間に空気が通過可能な空間が形成されるように取り付けられている。仕切板23と調理庫20の天井壁、底壁、前壁及び後壁との間には空気が通過する通風路23bが形成されており、熱風生成室22の空気は通風路23bを通って食材収容室21に送られる。
図3に示したように、調理庫20の食材収容室21にはホテルパンと呼ばれるトレイを上下に多段状に支持する左右一対の支持フレーム24が設けられている。この実施形態の支持フレーム24は、浅いトレイを上下に3段、図3に示した深いトレイを上下に2段で支持可能としており、左側の支持フレーム24は仕切板23に固定され、右側の支持フレーム24は調理庫20の右側壁に固定されている。
図3及び図4に示したように、調理庫20の熱風生成室22にはヒータ25と対流ファン26が設けられている。ヒータ25は、調理庫20内を加熱するものであり、調理庫20の左側壁にて略環状に巻回されている。対流ファン26は、調理庫20内の空気を対流させるものであり、調理庫20の左側壁にて略環状に巻回されたヒータ25の内側に取り付けられている。この実施形態の対流ファン26は、シロッコファンよりなる遠心ファンが採用されている。調理庫20の左側壁には温度センサ27が設けられており、温度センサ27は調理庫20内の温度を検出する。
対流ファン26を作動させると、食材収容室21の空気は仕切板23の吸込口23aを通って熱風生成室22に吸い込まれ、吸い込まれた空気は熱風生成室22にて遠心方向外向きに吹き出され、吹き出された空気は上下及び前後の通風路23bを通って食材収容室21に戻される。また、ヒータ25とともに対流ファン26を作動させたときには、食材収容室21から熱風生成室22に吸い込まれた空気は対流ファン26の外側に配置されるヒータ25に吹き付けられて高温の熱風となり、高温の熱風は上下及び前後の通風路23bを通って食材収容室21に戻される。
図5、図8及び図9に示したように、ハウジング11の左側部機械室12の後部には調理庫20内に蒸気を供給する蒸気発生装置30が設けられており、蒸気発生装置30は左側部機械室12の後部に設けた排水タンク16の上側に立設している。この実施形態の蒸気発生装置30は、誘導加熱によって水を加熱して蒸気を発生させ、発生させた蒸気を送出先として調理庫20に送出するものである。図5及び図10に示したように、蒸気発生装置30は、内部に所定量の水を貯え、上端部に蒸気を送出する送出口31cを有した蒸気発生容器31と、蒸気発生容器31内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段32と、蒸気発生容器31内の上部で発生した蒸気を送出口31cから水平方向に隣接する送出先となる調理庫20に送出する蒸気送出部40とを備えている。
図5及び図10に示したように、蒸気発生容器31は、上下が開口した略筒形している。蒸気発生容器31は、下部に下方に進むに従って径が細くなるテーパ形状をしたテーパ部31aと、テーパ部31aの下側に他の部分よりも径の小さな小径部31bとを備えている。蒸気発生容器31は、上端部に蒸気を送出する送出口31cと、小径部31bの下端部に排水をするための排水口31dと、テーパ部31aの上側に給水をするための給水口31eとを備えている。給水口31eには後述する連通管51により水位検知タンク50が接続されており、蒸気発生容器31には給水管53から送出される水が水位検知タンク50を介して供給される。図11に示したように、給水口31eから水が流入する流入方向は蒸気発生容器31の内周面に沿う位置に配置されている。また、図10に示したように、蒸気発生容器31の内周面には上下方向を螺旋の進行方向とする螺旋溝31fにより螺旋状の流路となる螺旋流路が形成されている。この螺旋流路は、蒸気発生容器31の内周面に形成した螺旋溝31fによって形成されているが、これに限られるものでなく、蒸気発生容器31の内周面に形成した螺旋突条により螺旋流路を形成するようにしてもよい。
図5及び図10に示したように、加熱手段32は、蒸気発生容器31内の水を加熱するものであり、この実施形態では誘導加熱により蒸気発生容器31内の水を加熱するものである。加熱手段32は、蒸気発生容器31内に設けた磁性体部材を用いた加熱体33と、蒸気発生容器31の外周にて上下方向の中間部から下部に巻回された誘導加熱コイル34とを備えている。加熱体33は、誘導加熱コイル34に高周波電流を供給したときに発生する磁界の影響によって渦電流が流れるときの電気抵抗により発生するジュール熱によって蒸気発生容器31内の水を加熱するものである。加熱体33は蒸気発生容器31の上部に支持された略円環形のホルダ33aと、ホルダ33aに上端部が固定された複数の加熱棒33bとを備えている。
図9及び図10に示したように、蒸気発生容器31には上下方向の中間部と下部にブラケット35,36が設けられており、上下のブラケット35,36の間に誘導加熱コイル34が巻回されている。図9及び図11に示したように、上下のブラケット35,36には周方向に沿って8つの切欠部35a,36aが形成されており、切欠部35a、36aには誘導加熱コイル34から漏出する電磁波を遮るためのフェライトコア37が設けられている。フェライトコア37は、上下を逆向きにした略L字形をし、上部の水平部分及びこの直ぐ下側部分が上側のブラケット35の切欠部35aにコーキング剤により接着され、下部が下側のブラケット36の切欠部36aにコーキング剤により接着されている。
図5、図9及び図10に示したように、蒸気発生容器31の上側には蒸気を水平方向にて隣接する送出先として調理庫20に送出する蒸気送出部40が設けられている。図5に示したように、蒸気送出部40は、蒸気発生容器31の上側に設けた蒸気受容体41と、蒸気受容体41で受けた蒸気を調理庫20に導く送出筒42とを備えている。蒸気受容体41は、蒸気発生容器31の上部で発生して上昇する蒸気を受け容れるものであり、上側が閉塞されるとともに下側が開口した略筒形をしている。蒸気受容体41は蒸気発生容器31の上端部外周面に嵌合される嵌合部41aと、嵌合部41aの上側にて嵌合部41aよりも径が細く形成された受容部41bと、受容部41bの調理庫20側の周面に設けられた第1傾斜筒部41cとを備えている。第1傾斜筒部41cは蒸気の送出先である調理庫20に向けて上側に傾斜している。第1傾斜筒部41cの先端部内周面には送出筒42が連通接続されており、送出筒42は調理庫20の左側壁に形成した蒸気導入口20bに接続されている。
図5に示したように、送出筒42は、第1傾斜筒部41cと同様に蒸気の送出先である調理庫20に向けて上側に傾斜する第2傾斜筒部42aと、第2傾斜筒部42aの先端部から調理庫20の左側壁に形成した蒸気導入口20bに向けて水平に延びる水平筒部42bとを一体的に備えている。蒸気受容体41に一体的に設けた第1傾斜筒部41cと、送出筒42により蒸気発生容器31の上部で発生した蒸気を調理庫20に送出する特許請求の範囲に記載の蒸気送出筒に相当され、蒸気受容体41に一体的に設けた第1傾斜筒部41cと、送出筒42の第2傾斜筒部42aとにより特許請求の範囲に記載の傾斜筒部とが相当し得るものである。
図5に示したように、第1傾斜筒部41cの先端部内周面には環状凹部41dが形成されており、環状凹部41dには送出筒42の第2傾斜筒部42aが嵌合固定されている。環状凹部41dは第2傾斜筒部42aの厚み以下の深さで形成されており、環状凹部41dに嵌合されている第2傾斜筒部42aの内周面は第1傾斜筒部41cの内周面よりも小さく形成されている。第2傾斜筒部42aの内周面に付着した湯滴や結露は第1傾斜筒部41cとの間の継ぎ目に残ることなく第1傾斜筒部41cを流れ落ちて蒸気発生容器31内に戻る。
図5及び図12に示したように、蒸気発生容器31の上部には沸き上がる湯が調理庫20内に送出されるのを防ぐ湯流入防止部材43が設けられている。湯流入防止部材43は、蒸気発生容器31の上端部の蒸気の送出口31cに設けられた環状の枠部44と、枠部44の内側で蒸気の送出先である調理庫20側に設けられた遮蔽部45と、枠部44の内側で蒸気の送出先である調理庫20側と水平方向にて反対側に形成された蒸気を通過させる蒸気通過口46とを備えている。
湯流入防止部材43の枠部44は蒸気発生容器31の内周面上端部に嵌合されており、枠部44の下端は蒸気発生容器31の上端部内周面に形成された段部31gに係止されている。枠部44の下端が蒸気発生容器31の上端部の段部31gに係止されることで、湯流入防止部材43は蒸気発生容器31の上部にて高さ方向が位置決めされている。
図5、図11及び図12に示したように、遮蔽部45は、枠部44の内側の蒸気の送出先である調理庫20側の略半分を覆っており、枠部44(蒸気発生容器31の送出口31c)の水平方向の中心部に向けて略半球状に上側に膨らむ略ドーム形状をさらに水平方向で略半分に切断した形状としている。遮蔽部45は、蒸気通過口46の調理庫20側の斜め上側を覆っているので、蒸気発生容器31の上部で沸き上がって調理庫20側に流れる湯滴を多く捕捉可能となる。
蒸気通過口46は、蒸気発生容器31の上部にて発生させた蒸気を送出先である調理庫20に送出するために、上側の蒸気受容体41内に送り出すためのものである。蒸気通過口46は、平面視において枠部44の内側の略半分の開口を有しているだけでなく、枠部44の内側の水平方向の中央部にて遮蔽部45の上側に膨らむ高さ部分でも開口している。このため、蒸気通過口46は、枠部44の内側の略半分を平面的な板状で塞いだときよりも開口面積が大きくなっている。
図11及び図12に示したように、枠部44の下端部には3つの位置決め突部44a~44cが下方に突出するように形成されており、蒸気発生容器31の段部31gの上面には位置決め突部44a~44cと対向する位置に下方に凹むように形成された位置決め凹部31h~31jが形成されている。枠部44の位置決め突部44a~44cと、蒸気発生容器31の上端部の位置決め凹部31h~31jとは、湯流入防止部材43の遮蔽部45を蒸気の送出先である調理庫20側に配置させるためのものである。
位置決め凹部31h~31jは蒸気発生容器31の周方向に互いに離間した位置に形成されており、位置決め凹部31h,31iの周方向(蒸気発生容器31の周方向)の長さは位置決め凹部31jの周方向の長さよりも短く形成されている。位置決め凹部31hは蒸気の送出先である調理庫20側の位置から時計回りに60°離れた位置に形成され、位置決め凹部31iは蒸気の送出先である調理庫20側の位置から反時計回りに60°離れた位置に形成され、位置決め凹部31jは蒸気の送出先である調理庫20と反対側、すなわち、調理庫20側から180°離れた位置に形成されている。
位置決め突部44a~44cは、位置決め凹部31h~31jの周方向(蒸気発生容器31または枠部44の周方向)の長さよりも少し短く形成されており、位置決め凹部31h~31jに係合可能となっている。また、位置決め凹部31h,31iの周方向の長さは位置決め凹部31jの周方向の長さよりも短く形成されているのと同様に、位置決め突部44a,44bの周方向の長さは位置決め突部44cの周方向の長さよりも短く形成されている。また、位置決め凹部31h~31jと同様に、位置決め突部44aは蒸気の送出先である調理庫20側の位置から時計回りに60°離れた位置に形成され、位置決め突部44bは蒸気の送出先である調理庫20側の位置から反時計回りに60°離れた位置に形成され、位置決め突部44cは蒸気の送出先である調理庫20と反対側、すなわち、調理庫20側から180°離れた位置に形成されている。
遮蔽部45が蒸気の送出先である調理庫20側に配置され、蒸気通過口46が蒸気の送出先である調理庫20側と水平方向にて反対側に配置されたときに、枠部44の位置決め突部44a~44cの各々が蒸気発生容器31の位置決め凹部31h~31jに係合可能となる。遮蔽部45が蒸気の送出先である調理庫20側に配置されず、蒸気通過口46が蒸気の送出先である調理庫20側と水平方向にて反対側に配置されないときには、枠部44の位置決め突部44a~44cの各々が蒸気発生容器31の位置決め凹部31h~31jに係合できない。このように、遮蔽部45と蒸気通過口46とが蒸気の送出先に対して誤った位置で湯流入防止部材43が蒸気発生容器31の上部に取り付けられないようになる。
また、図10及び図12に示したように、枠部44の上端部には4つの係止突部44d~44gが上方に突出するように形成されており、これらの係止突部44d~44gは蒸気受容体41の嵌合部41aと受容部41bとの間の段部に係止されている。これらの係止突部44d~44gが蒸気受容体41の嵌合部41aと受容部41bとの間の段部に係止することで、湯流入防止部材43は蒸気発生容器31の上側に移動するのが規制される。
図9及び図10に示したように、蒸気発生容器31の後側には水位検知タンク50が立設しており、水位検知タンク50の下部は連通管51によって蒸気発生容器31の下部に連通接続されている。水位検知タンク50にはフロートスイッチを用いた水位センサ52が設けられており、水位センサ52は水位検知タンク50内の水位を検知することで、蒸気発生容器31内の水位を検知している。この実施形態では、水位センサ52は、水位検知タンク50内すなわち蒸気発生容器31内の上限水位と下限水位とを検出可能としている。
水位検知タンク50の上部には給水源から導出された給水管53が接続されており、給水管53にはハウジング11の下部の機械室13内で給水弁54(図13に示した)が介装されている。給水源から供給される水は、給水弁54を開放することにより給水管53を通って水位検知タンク50内に供給され、水位検知タンク50内に供給された水は連通管51を通って蒸気発生容器31に供給される。
図11に示したように、水位検知タンク50内には給水管53の下側の領域と水位センサ52が配置される領域との間を通水可能に仕切る第1及び第2仕切板部50a,50bが設けられている。第1及び第2仕切板部50a,50bは水位センサ52の周囲の波立ちによる水位の変動を防ぐためのものである。第1仕切板部50aは、水位検知タンク50の給水管53が配設されている左後部の角部近傍に配設されている。第1仕切板部50aは、左後部の角部の左側壁から後壁側に延び、第1仕切板部50aと後壁との間には通水路50cが形成されている。また、第2仕切板部50bは、水位検知タンク50の第1仕切板部50aにより通水可能に仕切られた領域内に設けられ、給水管53の直下の位置と第1仕切板部50aと水位検知タンク50の後壁との間に形成される通水路50cとの間に配設されている。第2仕切板部50bは、給水管53から供給される水から生じる波が通水路50cから水位検知タンク50の周囲に伝わるのを防ぐ機能を有している。
図5、図9及び図10に示したように、蒸気発生容器31の下側には排水弁60が設けられており、蒸気発生容器31内の水は排水弁60を開放することによって排水タンク16内に排出される。排水弁60は、上下に接続口を有した管部材60a内の弁体を開状態とすることで蒸気発生容器31内の水を排水可能とするものであり、管部材60aの外側に弁体を開閉作動させるモータ60bが設けられている。蒸気発生容器31の下端部の小径部31bの外周面には筒状の第1ソケット61が回転可能に嵌合されており、第1ソケット61は排水弁60の上側の接続口に螺着して取り付けられている。小径部31bの外周面には環状溝が形成されており、環状溝にはシール部材としてOリング62が介装されている。蒸気発生容器31の小径部31bはOリング62によって第1ソケット61との間で液密にシールされている。
排水弁60の下側の接続口には第2ソケット63が螺着されており、第2ソケット63の下部外周面は排水タンク16の上部に設けた接続筒部16aに回転可能に嵌合されている。第2ソケット63の下部外周面には環状溝が形成されており、環状溝にはシール部材としてOリング64が介装されている。第2ソケット63はOリング64によって排水タンク16の接続筒部16aとの間で液密にシールされている。
排水弁60の管部材60aの上側の接続口に螺着させた第1ソケット61は、蒸気発生容器31の小径部31bに対して回動可能に接続され、排水弁60の管部材60aの下側の接続口に螺着させた第2ソケット63は、排水タンク16の上部に設けた接続筒部16aに対して回動可能に接続されている。排水弁60の管部材60aは第1及び第2ソケット61,63を介して蒸気発生容器31及び排水タンク16に回動可能に取り付けられているので、管部材60aの外側のモータ60bを左側部機械室12に収容されている位置から左側部機械室12の外側に配置される位置に回動させることができる。
図13に示したように、ハウジング11の下部機械室13には蒸気発生装置30の誘導加熱コイル34に高周波電流を供給するためのインバータ回路を備えたIH基板ボックス70が設けられている。IH基板ボックス70は、下部機械室13の前後方向の中間部に配置されており、下部機械室13から左側部機械室12側に引出可能となっている。図13(a)に示したように、蒸気発生装置30の排水弁60のモータ60bはハウジング11の左側の左側部機械室12内に配置されているときに、IH基板ボックス70は排水弁60のモータ60bにより左側部機械室12側への移動が規制されている。図13(b)に示したように、排水弁60のモータ60bを左側の左側部機械室12から外側に回動させると、IH基板ボックス70が下部機械室13から左側部機械室12側に引き出すことができ、IH基板ボックス70を取り外してメンテナンスをすることができる。
図13及び図14に示したように、ハウジング11の下部機械室13には冷却ファン71が設けられており、冷却ファン71はIH基板ボックス70の右側に配置されている。冷却ファン71による冷却風の流れは斜め後方に向くように、冷却ファン71はブラケット72によって下部機械室13に取り付けられている。冷却ファン71による冷却風の流れが斜め後方に向けられていることで、冷却ファン71は、冷却目的としたIH基板ボックス70だけでなく、IH基板ボックス70の後側に配設されている給水弁54等の電気部品も冷却している。また、ブラケット72は下部機械室13の後部側との間を仕切るようにしているので、冷却ファン71からの冷却風は下部機械室13の後部との間でショートサイクルしないようになっている。
図13(a)の一点鎖線に示したように、冷却ファン71を作動させたときには、ハウジング11の下側の空気は、IH基板ボックス70の前側にてハウジング11の底壁に形成された開口部11aを通って下部機械室13に吸い込まれ、下部機械室13に吸い込まれた空気は開口部の上側に配設されているノイズフィルタ73を通過してノイズフィルタ73を冷却する。ノイズフィルタ73を通過して下部機械室13の右側部に送られた空気は、冷却ファン71によって下部機械室13の左斜め後方に向けて送出される。送出された空気は、IH基板ボックス70とこの後側に配設されている給水弁54等の電気部品を通過してIH基板ボックス70と給水弁54等の電気部品を冷却する。
図8及び図15に示したように、ハウジング11の左側部機械室12の前部には調理庫20内に空気を導入する給気ダンパ装置80が設けられている。給気ダンパ装置80は、左側部機械室12の前部にて上下に延びるメインパイプ81と、メインパイプ81に設けられた給気弁82と、メインパイプ81の下部から調理庫20側に屈曲する第1エルボ管83と、第1エルボ管83の調理庫20側の端部から屈曲して調理庫20の左側壁の外気導入口20cまで延びる第2エルボ管84とを備えている。
メインパイプ81は、第1メインパイプ81aと、第1メインパイプ81aの下部に連結された第2メインパイプ81bとを備え、第1メインパイプ81aの上端がハウジング11の天板に形成した開口部から突出し、第2メインパイプ81bの下端が調理庫20の外気導入口20cより少し高い位置まで延出している。第1メインパイプ81aの上端部は水平方向の断面形状が矩形状をし、第1メインパイプ81aの上端部には虫等の異物の進入を防ぐための網部材85が設けられている。
第1メインパイプ81aの上端部にはパッキン86が設けられており、パッキン86は第1メインパイプ81aとハウジング11の天井壁との間を液密に塞いでいる。パッキン86は、弾性変形可能なゴム材を用いたものであり、第1メインパイプ81aの外周面に嵌合される厚みのある四角環形状をしている。パッキン86の外周面にはハウジング11の天井壁の開口部周縁を上下で挟み込むための内側に凹む係合溝86aが全周にわたって形成されている。係合溝86a内の上部には下方に突出する突条(図示省略)が全周にわたって形成され、係合溝86a内の下部には上方に突出する突条(図示省略)が全周にわたって形成されている。ハウジング11の天板の開口縁部が係合溝86a内に挟み込まれているので、ハウジング11の天板の開口部と第1メインパイプ81aとの間から左側部機械室12内に水が流入しにくくなっている。
給気弁82は、メインパイプ81内を開閉するものであり、第2メインパイプ81bに介装されている。第2メインパイプ81bの下端部には第1エルボ管83が接続されている。第1エルボ管83は第2メインパイプ81bの下端部から調理庫20側に斜め下方に延びているので、第1エルボ管83の内部には水が溜まる段部や水平部分が少ない。また、第1エルボ管83の下端部には第2エルボ管84が接続されており、第2エルボ管84は調理庫20の左側部に沿って外気導入口20cに向けて斜め下方に延びている。この第2エルボ管84の内部には水が貯まる段部や水平部分が少ない。給気ダンパ装置80は、メインパイプ81、第1エルボ管83及び第2エルボ管84よりなる給気経路を通る外気を調理庫20内に導入するものであり、これらの給気経路内に結露による水が溜まって残りにくくなっている。調理庫20内で加熱調理をしていないときに給気経路内に結露が生じても、結露は給気経路内に残らずに調理庫20内に流れ落ちる。これにより、調理庫20内を加熱調理中に給気ダンパ装置80により給気したときに、給気ダンパ装置80の給気経路から調理庫20内に水が流入することに起因して、調理庫20内の圧力が急激に上昇するのを防ぐことができる。
図16に示したように、加熱調理器10は制御装置90を備えており、制御装置90は、ヒータ25、対流ファン26、温度センサ27、蒸気発生装置30、給気ダンパ装置80に接続されている。制御装置90はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。
制御装置90は、ROMに調理庫20内の食材を加熱調理する調理プログラムを備えている。調理プログラムは、ヒータ25と対流ファン26を作動させて対流する熱風により食材を加熱調理するホットエアーモード調理プログラムと、対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するスチームモード調理プログラムと、ヒータ25と対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ高温の熱風により食材を加熱調理するコンビモード調理プログラムとの3種類の調理プログラムを備えている。なお、ROMには調理庫20内の設定温度、蒸気量及び調理時間が予め設定された調理プログラムが記憶されているとともに、調理プログラムの調理庫20の設定温度、蒸気量及び調理時間をユーザが設定可能としている。
調理プログラムのホットエアーモード調理プログラムを実行したときには、ヒータ25と対流ファン26との作動により、調理庫20内の空気は熱風になって対流し、調理庫20内に収容した食材は対流する熱風によって加熱調理される。また、調理プログラムのコンビモード調理プログラムを実行したときには、ヒータ25と対流ファン26との作動により、調理庫20内の空気は熱風になって対流するとともに、調理庫20内には蒸気発生装置30から蒸気が供給されることで、調理庫20内を対流する熱風は蒸気を含むようになり、調理庫20内に収容した食材は蒸気を含んで対流する熱風によって加熱調理される。また、各調理プログラムを実行中に、給気ダンパ装備80の給気弁82を開放すると、ハウジング11の外側の外気が給気経路を通って調理庫20内に導入され、調理庫20内の湿度を調節することができる。
スチームモード調理プログラム及びコンビモード調理プログラムを実行するときに、制御装置90は、調理庫20内に蒸気を供給するように蒸気発生装置30の作動を制御している。蒸気発生装置30により蒸気を発生させるときには、誘導加熱コイル34に高周波電流を供給すると、誘導加熱コイル34から発生する磁界の影響により加熱体33の各加熱棒33bに渦電流が流れ、各加熱棒33bは渦電流が流れるときの電気抵抗によって発熱する。蒸気発生容器31内の水は発熱する各加熱棒33bにより加熱されて、蒸気発生容器31の水面から蒸気が発生する。蒸気発生容器31内の上部で発生した蒸気は湯流入防止部材43の蒸気通過口46を通って蒸気受容体41内に入り、第1傾斜筒部41cと送出筒42とを通って調理庫20内に供給される。
上記のように構成した加熱調理器10の蒸気発生装置30は、内部に所定量の水を貯えて上端部に蒸気を送出する送出口31cを有した蒸気発生容器31と、蒸気発生容器31内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段32と、蒸気発生容器31内の上部で発生した蒸気を送出口31cから水平方向に隣接する送出先として調理庫20に送出する蒸気送出部40と、蒸気発生容器31の上部で沸き上がる湯が送出先に流入するのを防ぐ湯流入防止部材43とを備えている。
湯流入防止部材43は、蒸気発生容器31送出口31cの調理庫20側(送出先側)を塞ぐ遮蔽部45と、蒸気発生容器31の送出口31cの調理庫20(送出先)と反対側に蒸気が通過する蒸気通過口46とを備えている。蒸気発生容器の上部で発生する蒸気は、蒸気発生容器31の蒸気の送出口31cの調理庫20(送出先)に対して離れた位置から蒸気を上側に送出させているので、蒸気発生容器31の上部で沸き上がる湯が調理庫20に流入しにくくなる。また、蒸気発生容器31の蒸気の送出口31cの略半部(一部)を平面視において遮蔽部45と同じ面積で平面的に塞いだものと比較したときに、遮蔽部45は蒸気通過口46側で上側に膨らむ高さがあるので、蒸気通過口46の開口面積を大きくすることができるだけでなく、蒸気発生容器31の上部から調理庫20(送出先)側に跳ね上がる湯滴を高さ方向で多く捕捉することができるようになる。このように、蒸気発生容器31の上側に多くの空間を使用することなく、蒸気発生容器31の上部で発生した十分な量の蒸気を調理庫20(送出先)に送出できるだけでなく、蒸気発生容器31の上部にて跳ね上がる湯滴を多く捕捉して、調理庫20(送出先)に多くの湯滴が流入するのを防ぐことができる。
蒸気送出部40は、蒸気発生容器31の上側から調理庫20(送出先)に向けて上側に傾斜する傾斜筒部として、蒸気受容体41の第1傾斜筒部41cと送出筒42の第2傾斜筒部42aとを備えている。蒸気発生容器31の上部で跳ね上がって湯流入防止部材43の遮蔽部45によって捕捉できなかった湯滴は上側に傾斜する第1傾斜筒部41cと第2傾斜筒部42aによって調理庫20(送出先)側に流れにくくなり、湯滴が調理庫20(送出先)に更に流入しにくくすることができる。また、第1傾斜筒部41cの先端部内周面には送出筒42の第2傾斜筒部42aの外周面が嵌合される環状凹部41dが形成され、環状凹部41dの深さは第2傾斜筒部42aの厚み以下となっている。これにより、第2傾斜筒部42aに付着した湯滴や結露が第1傾斜筒部41cに流れ落ちるときに、湯滴や結露が第1傾斜筒部41cと第2傾斜筒部42aとの接続部分に残りにくくなる。
湯流入防止部材43は、蒸気発生容器31の送出口31cに設けた枠部44と、枠部44の内側で調理庫20(送出先)側に設けられた遮蔽部45と、枠部44の内側で調理庫20(送出先)と反対側に形成された蒸気通過口46とを備えている。枠部44には遮蔽部45を調理庫20(送出先)側に配置させるための位置決め突部44a~44cが設けられ、蒸気発生容器31の上部には位置決め突部44a~44cが係合することで遮蔽部45を調理庫20(送出先)側に配置させる位置決め凹部31h~31jが設けられている。枠部44の位置決め突部44a~44cを蒸気発生容器31の上部の位置決め凹部31h~31jに係合させることで、蒸気発生容器31の蒸気の送出口31cに湯流入防止部材43の遮蔽部45を調理庫20(送出先)側にして確実に取り付けることができ、湯流入防止部材43の遮蔽部45を調理庫20(送出先)と反対側となる取付け間違いを生じさせないようにすることができる。
なお、枠部44には位置決め突部44a~44cを設け、蒸気発生容器31の上部に位置決め凹部31h~31jを設けるのに限られるものでなく、枠部44に位置決め凹部を設け、蒸気発生容器31の上部に位置決め突部を設けるようにしたものであってもよい。このようにしたときにも、上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
上記のように構成した蒸気発生装置30においては、加熱手段32は誘導加熱コイル34により加熱体33を発熱させることで蒸気発生容器31内の水を加熱する誘導加熱式を採用しているが、これに限られるものでなく、電熱線等のヒータにより蒸気発生容器31内の水を加熱するものであってもよい。
30…蒸気発生装置、31…蒸気発生容器、31c…送出口、31h~31j…位置決め凹部、32…加熱手段、40…蒸気送出部、41…蒸気受容体、41c…傾斜筒部,第1傾斜筒部、41d…環状凹部、42…送出筒、42a…傾斜筒部,第2傾斜筒部、43…湯流入防止部材、44…枠部、44a~44c…位置決め突部、45…遮蔽部、46…蒸気通過口。
Claims (4)
- 内部に所定量の水を貯え、上端部に蒸気を送出する送出口を有した蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段と、
前記蒸気発生容器内の上部で発生した蒸気を前記送出口から水平方向に隣接する送出先に送出する蒸気送出部と、
前記蒸気発生容器の上部で沸き上がる湯が前記送出先に流入するのを防ぐ湯流入防止部材とを備えた蒸気発生装置であって、
前記湯流入防止部材は、前記送出口の水平方向の中心部に向けて上側に膨らむ形状をして前記送出口の前記送出先側を塞ぐ遮蔽部と、前記送出口の前記送出先と反対側に蒸気が通過する蒸気通過口とを備えたことを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
前記蒸気送出部は前記蒸気発生容器の上側から前記送出先に向けて上側に傾斜する傾斜筒部を備えたことを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項2に記載の蒸気発生装置において、
前記蒸気送出部は、前記蒸気発生容器の上側に蒸気を受け容れる空間が形成された蒸気受容体を備え、
前記傾斜筒部は、前記蒸気受容体から前記送出先に向けて上側に傾斜する第1傾斜筒部と、前記第1傾斜筒部の内周面に嵌合固定される第2傾斜筒部とを備え、
前記第1傾斜筒部の先端部内周面には前記第2傾斜筒部が嵌合される環状凹部を形成し、前記環状凹部の深さを前記第2傾斜筒部の厚み以下としたことを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1~3の何れか1項に記載の蒸気発生装置において、
前記湯流入防止部材は、前記蒸気発生容器の前記送出口に設けた枠部と、前記枠部の内側で前記送出先側に設けられた前記遮蔽部と、前記枠部の内側で前記送出先と反対側に形成された前記蒸気通過口とを備え、
前記枠部と前記蒸気発生容器の上部の一方に前記遮蔽部を前記送出先側に配置させるための位置決め突部が設けられ、前記枠部と前記蒸気発生容器の上部の他方に前記位置決め突部が係合することで前記遮蔽部を前記送出先側に配置させる位置決め凹部を設けたことを特徴とする蒸気発生装置。
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