<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は板状のフレーム材等を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられた状態では、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤24の構成を図4(a)に基づいて説明する。図4(a)は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33a及び下作動口33bを有する作動口ユニット33,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33bへの入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側等に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、作動口33a,33b又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33a及び下作動口33bは、上下に並設されてなり、ともに上向きに開放されている。また、作動口ユニット33には、左右一対の可動片34a及びそれら可動片34aを動作させる駆動部を有する電動役物34が設けられている。
電動役物34(詳しくは駆動部)は後述する主制御装置に接続されており、主制御装置からの信号に基づいて、下作動口33bへの入球を許容する開放状態(サポート状態又はガイド状態)と、当該下作動口33bへの入球を不可とする閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)とに切り替る構成となっている。なお、電動役物34については、第1状態と当該第1状態よりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
本パチンコ機10では、電動役物34によるサポートの態様が異なる複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物34が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動口への入賞が発生する確率が高くなる。そして、作動口への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行される。このため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を行うことができる。
ここで、図4(b)を参照して作動口33a,33bが設けられた作動口ユニット33について補足説明する。図4(b)は作動口ユニット33の内部構造を示す概略図である。
作動口ユニット33には、上作動口33aに流入した遊技球を遊技盤24の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路33cが形成されている。案内通路33cはその途中位置にて第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eに分岐している。
案内通路33cにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eへ交互に振り分ける振分手段33gが設けられている。振分手段33gは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33dへ案内する第1案内状態と第2分岐通路33eへ案内する第2案内状態とに切替可能となっている。この振分手段33gは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。故に、上作動口33aに流入した遊技球は、順次第1分岐通路33d/第2分岐通路33eに振り分けられることとなる。
下作動口33bは連絡通路33fを介して第2分岐通路に繋がっており、当該下作動口33bに流入した遊技球は、第2分岐通路へ直接流入する。つまり、上作動口33aに流入した遊技球については両分岐通路に流入する一方、下作動口33bに流入した遊技球は第2分岐通路にのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路33d(以下、第1入球部33dともいう)には遊技球を検知する検知センサ211cが配設され、第2分岐通路33e(以下、第2入球部33eともいう)において連絡通路33fの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ211dが配設されている。これら検知センサ211c,211dは主制御装置に接続されており、主制御装置では検知センサ211c,211dからの検知情報(検知信号)に基づいて分岐通路33d,33eへの入球、すなわち作動口33a,33bへの入賞の有無を把握する。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bとを備えている。開閉扉32bは、通常は大入賞口32aへの遊技球の入賞が不可となる閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に大入賞口32aへの遊技球の入賞が許容される開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。なお、可変入賞装置32については、第1状態とそれよりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に突出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくことが抑制されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
図示による詳細な説明は省略するが、メイン表示部43はセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には作動口用の結果表示部が設けられている。作動口用の結果表示部は、上記各入球部33d,33eに1対1で対応させて第1入球部33d用の表示領域と第2入球部33e用の表示領域と有しており、これら表示領域において、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは入球部33d,33eへの入球)に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。この場合、同表示領域では、作動口33a,33bへの入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(可変表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、同入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。つまり、第1入球部33dへの入球に基づく抽選結果は第1入球部用の表示領域にて明示され、第2入球部33eへの入球に基づく抽選結果は第2入球部用の表示領域にて明示される。
役物用表示部44についても上記メイン表示部43と同様にセグメント表示器を有しており、当該セグメント表示器には役物用結果表示部が設けられている。役物用結果表示部は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用結果表示部では、スルーゲート35への入賞をトリガとして、各表示用セグメントにおける点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用結果表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口33bに併設された電動役物34が所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、表示画面41aを有し同表示画面41aにて図柄を変動表示(可変表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41(詳しくは表示画面41a)を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、表示画面41aの前方を遊技球が落下していくことを抑制しており、遊技球の落下により表示画面41a(例えば上記図柄や後述する保留用画像)の視認性が低下するといった不都合が生じにくい構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中、下に並べて図柄列が表示され、これらの図柄列が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、作動口33a,33bへの入賞に基づいて開始される。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が16回行われることとなる16ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44の役物用結果表示部に対応した保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、スルーゲート35に対応する保留情報については図柄表示装置41に表示される構成とすることも可能である。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
前扉枠14は内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられており、当該前扉枠14には遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている(図1又は図2参照)。図1に示すように、窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73(図2参照)を通じて排出される。
また、上側膨出部65においてパチンコ機10前方を向く領域には、遊技者により手動操作される演出用操作部75(詳しくは操作ボタン)が設けられている。例えば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示された示唆等に従って同演出用操作部75が手動操作されることにより、図柄表示装置41の表示画面41a等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び報知・演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置(図示略)の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や報知・演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97及び電源・発射制御装置98は、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202は、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a~211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a~211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33b(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33e)及びスルーゲート35などの各種入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた検知センサがそれぞれ接続されており、これら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて主制御装置81のMPU202により各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、作動口33a,33bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び報知・演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上述した作動口33a,33b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1入球部33dへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され第2入球部33eへの入賞を特定した場合には1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置82には、主制御装置81から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、保留コマンド、シフト時コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、電動役物34の可動片34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34のサポート抽選に当選した場合には、電動役物34が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、MPU202によってメイン表示部43の表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子板99が接続されており、この外部出力端子板99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継しており、同停電監視基板205には電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた保留ランプ部47、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64等を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、報知・演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)、図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)、停止表示された図柄の組み合わせによる確定表示態様の概要を特定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。なお、以下の説明においては適宜図6及び図7を参照する。図6及び図7は図柄表示装置41の表示画面41aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置212には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」~「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図6(a)~(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図6(j)参照)とが予め記憶されている。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面41aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面41aでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図7(b)に示すように、表示画面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面41aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果発生として大当たり用の動画(例えばオープニングムービー)が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、第1種大当たり結果(16R対応大当たり結果)が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、第2種大当たり結果(4R対応大当たり結果)が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
表示画面41aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。当該保留表示領域NEには、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合(入球部33d,33eに入球した場合)の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1~Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が第1入球部33dに入球した場合の最大保留個数は4個であり、第2入球部33eに入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では第1入球部33d及び第2入球部33eへの入賞順に合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。
例えば、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合の保留個数(総保留数)が1個の場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて所定の保留表示用画像MPが表示され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Da1~第4単位保留表示領域Da4にて所定の保留表示用画像MPが表示される構成となっている。なお、図6(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留表示用画像MPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留表示用画像MPが実行対象表示領域Dbに移り、保留数表示領域Daに表示されている保留表示用画像MPを下位側にシフトすることとなる。
表示画面41aにおいて、変動表示領域MEの上方となる部分には、特殊表示領域OEが設定されている。特殊表示領域OEには表示部KPが設けられており、表示部KPにおける表示色の切換により変動表示が可能となっている。特殊表示領域OEは各図柄列Z1~Z3における変動表示領域よりも小さく、また、特殊表示領域OEにおける表示部KPは各図柄(主図柄及び副図柄)よりも小さい。
特殊表示領域OEは、メイン表示部43に対応するものであり、メイン表示部43にて変動表示が行われる場合には当該特殊表示領域OEにおいても変動表示が行われる。具体的には、表示部KPの変動表示は、メイン表示部43での絵柄の変動表示と変動表示開始タイミング及び変動表示時間を一致させるようにして行われる。さらに、表示部KPの停止表示(表示色の切換がなされず表示色が固定化された状態)についても、メイン表示部43での絵柄の停止表示と停止表示開始タイミング及び停止表示時間を一致させるようにして行われる。
なお、本実施の形態では、表示部KPの停止表示により、作動口33a,33bへの入賞に基づく当否判定の結果を示すことはないが、表示部KPの停止表示態様として複数種の態様を設け、上記結果を明示又は示唆する構成としてもよい。また、表示部KPは、単一の表示画像により構成されるものに限らず、複数個の表示画像により構成されるものであってもよい。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の概要設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1種大当たり結果や第2種大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の作動口用の結果表示部、図柄表示装置41の変動表示領域MEにおける図柄列Z1~Z3及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口33bの電動役物34を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球)が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口33a,33bへの入賞履歴(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球履歴)に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1~Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1~第8エリアRa8には、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球)が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1~Ra8が設けられていることにより、第1入球部33d及び第2入球部33eへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個、すなわち作動口33a,33bへの入賞履歴が計8個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
例えば、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れか一方にのみ入球が発生し、その数が4以上となる場合には作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数は4つに制限されるが、既に説明した振分手段33gによって遊技球が第1入球部33d及び第2入球部33eへ交互に入球する限りは、作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数が8つに引き上げられることとなる。つまり、本実施の形態においては、下作動口33bへの入賞が発生しにくい状況下においても、記憶される保留情報の数が4つで頭打ちになることを抑制することが可能となっている。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」~「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」~「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、第1種大当たり結果(16R対応特別遊技結果)と、第2種大当たり結果(4R対応特別遊技結果)とが設定されている。
第1種大当たり結果及び第2種大当たり結果に当選した場合には開閉実行モードへ移行し、当該開閉実行モードが終了した後は、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードの移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数(規定回数)が経過した後に、低確率モード且つ低頻度サポートモードに対応した通常遊技状態に移行する。以下の説明では高確率モード且つ高頻度サポートモードに対応した遊技状態を高確遊技状態と称する。
第1種大当たり結果となった場合には可変入賞装置32が16回開放され、第2種大当たり結果となった場合には可変入賞装置32が4回開放される構成となっている。つまり、第1種大当たり結果の方が第2種大当たり結果よりも開閉実行モードで獲得できる遊技球の数が多くなるように設定され、有利度合いに差か設定されている。
なお、第1入球部33d対応の振分テーブルにおいては、「0~9」が第1種大当たり結果に対応し、「10~29」が第2種大当たり結果に対応しており、第2入球部33e対応の振分テーブルにおいては「0~19」が第1種大当たり結果に対応し、「20~29」が第2種大当たり結果に対応している。これにより、第2入球部33eへの入球に基づく振り分けが第1入球部33dへの入球に基づく振り分けよりも遊技者にとって有利となるように差違が設けられている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面41a内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7を参照して上記リーチ表示となる場合の表示態様について例示する。リーチ表示となる場合には、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され(停止表示され)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された(停止表示された)状態において、いずれかの有効ラインL1~L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた前兆表示等を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41の変動表示領域ME及び特殊表示領域OEにおける変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置41やメイン表示部43(詳しくは作動口用の結果表示部)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM203の表示時間テーブル記憶エリア223が参照される。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動口用の結果表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~99であれば、電動役物34を開放状態に制御し、C4=100~199であれば、電動役物34を開放状態に制御しない。
(主制御装置81にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、図9のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、報知・演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33a,33bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図10及び図11のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が第1入球部33dに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第1入球部33dに入球したと判定した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、第1入球部33dに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第1入球部33dへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が第1入球部33dに入賞していないと判定した場合にはステップS205に進む。ステップS205では、遊技球が第2入球部33eに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第2入球部33eに入球したと判定した場合には、ステップS206に進み、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S206にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
続くステップS207では、第2入球部33eに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第2入球部33eへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS205の処理にて否定判定をした場合、すなわち第1入球部33d及び第2入球部33eのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図11を参照して、ステップS204の情報取得処理について説明する。
<情報取得処理>
情報取得処理においては先ずステップS301にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに格納された始動保留記憶数N、詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eのうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、作動口33a,33bへの入賞(入球部33d,33eへの入球)が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには第1入球部33d及び第2入球部33eのうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に送信されることとなる。表示制御装置212においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置212は、報知・演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留表示用画像MPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401~S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード且つ高頻度サポートモード(高確遊技状態)などに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、作動口ユニット33に設けられた電動役物34を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物34によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していること(すなわち発射操作が行われていること)を条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401~S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図13~図16のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図13のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503~ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507~ステップS510の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43の作動口用の結果表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動口用の結果表示部が変動表示中でない場合には、ステップS503に進む。ステップS503では、メイン表示部43の作動口用の結果表示部における確定表示が終了しているか否かを判定する。すなわち、上記変動表示が終了した後は、所定の期間に亘って結果表示が継続されるところ、この確定表示が終了済みである場合には、当該ステップS503にて肯定判定をして本遊技回制御処理を終了する。つまり、確定表示中は次遊技回の開始が規制される。
ステップS502及びステップS503の両方にて否定判定をした場合には、ステップS504~ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS504にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS505にて保留球格納エリア232の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS506にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS505のデータ設定処理及びステップS506の変動開始処理について詳細に説明する。先ず、ステップS505のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
<データ設定処理>
データ設定処理では、先ずステップS601にて、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留記憶数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続くステップS602にて、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留エリアREの各エリアRa1~Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1~第8エリアRa8に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82を経由し、表示制御装置212に送信される。表示制御装置212では、シフト時コマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、ステップS506の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS702では、ステップS701における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブル記憶エリア222に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が第1種大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が第1入球部33dへの入球に対応している場合には第1入球部33d用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が第2入球部33eへの入球に対応している場合には第2入球部33e用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が第1種大当たり結果であるか否かを判定する。第1種大当たり結果である場合には、ステップS705にて第1種大当たり用の停止結果設定処理を実行し、第1種大当たり結果でない場合には、ステップS706にて第2種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705~ステップS707の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報(第1種大当たりフラグ又は第2種大当たりフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
ステップS705~ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示を行う変動表示時間の設定処理を実行する。続くステップS709では、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、大当たりの有無、リーチ発生の有無の情報,変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、第1種大当たり結果の情報、第2種大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS710にてメイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507~ステップS510の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて確定表示用処理を実行する。確定表示用処理は、上記ステップS705~ステップS707のいずれかの処理で設定された停止結果にてメイン表示部43の絵柄を確定表示させるためのものである。ステップS509の実行後は、本遊技回制御処理を終了する。なお、ステップS509の確定表示用処理の詳細については後述する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図16のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS801にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回のメイン表示部43(詳しくは作動口用の結果表示部)における変動表示→確定表示が終了したタイミングか否かを判定する。確定表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、確定表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第1種大当たりフラグ又は第2種大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて、オープニング用処理を実行する。オープニング用処理では、開閉実行モード開始時のオープニング時間を設定する。そして、ステップS805にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には第1種大当たりの場合には「16」、第2種大当たりの場合には「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS806に進む。ステップS806では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間(本実施の形態においては30sec)が経過していること又は所定個数(本実施の形態では10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS807では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS808にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは遊技回が規定回数(100回)継続した場合又は規定回数中に大当たりに当選した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS809にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、各種フラグ格納エリア235に格納されている大当たりフラグを消去し、開閉実行モードが終了したことを示すコマンドとしてのエンディングコマンドを報知・演出制御装置82に出力するための処理を行う。
報知・演出制御装置82は、このエンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了する旨を示す動画(エンディングムービー)を表示する。この動画には、開閉実行モードが終了して高確遊技状態へ移行する旨の情報が含まれる。
本実施の形態においては、遊技状況に応じて遊技の進行速度を変化させることにより、遊技進行の単調化を抑える工夫がなされている。ここで、図17のフローチャートを参照して、ステップS708(図15参照)に示した変動表示時間の設定処理について説明する。
<変動表示時間の設定処理>
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS901にて、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に第1特殊大当たりフラグ又は第2特殊大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS901にて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア225に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS901及びステップS902の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS903に進み、ROM203の表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS904にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
なお、より詳細には、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、第1種大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、第2種大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。因みに、参照されるリーチ発生用変動表示時間テーブルについては、通常遊技状態及び高確遊技状態の両状態にて共通となっている。
ステップS902の説明に戻り、当該ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905に進む。ステップS905では遊技状態が高確遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS905にて肯定判定をした場合にはステップS906に進み、表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている高確遊技状態対応のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS905にて否定判定をした場合にはステップS907に進み、表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている通常遊技状態対応のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
本実施の形態では、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、例えば8secとなるように設定されている。また、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。具体的には、保留数が3個以上である場合は、8secよりも短い時間(例えば4sec)となるように設定されている(保留数時短機能)。さらに、高確遊技状態(サポートモードが高頻度サポートモード)となっている場合には、通常遊技状態(サポートモードが低頻度サポートモード)となっている場合よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、記憶されている保留情報の数(後続の保留情報の数)及び変動種別カウンタCSの値等をパラメータとして決定される(所謂、時短機能)。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
近年のパチンコ機には、電動役物が付属した入球部に係る賞球数が「3」以上となるように設定されているものがある。この種の遊技機においては、電動役物がたくさんの遊技球を拾ってしまうことにより、想定以上の特典が遊技者に付与され得る。そこで、このような事象を回避すべく、高頻度入賞モードにおける開放時間等が電動役物への入球が過剰にならないように抑えられており、これに合わせて1遊技回あたりの変動表示時間の短縮度合いが決定されている。つまり、入球の発生を抑えることが変動表示時間の短縮を妨げる要因になっている。また、係る構成では、所謂止め打ち等の技術介入によって電動役物の開放に合わせた遊技球の発射を行うことにより、高確遊技状態にて持ち球を増やすことが可能である。仮に、このような行為が容易となれば、消化速度を向上させる機能が上手く活用されず、スピーディーな遊技進行が実現されぬままになると懸念される。
本実施の形態においては、既に説明したように、第2入球部33eへの入球に基づく賞球数を「1」としている。「1」の入球に対する賞球数を「1」とすることにより、電動役物34の開放時間を従来の遊技機の倍以上の時間(本実施の形態において凡そ「6sec」)としてほぼ開きっぱなしとなるように構成しても、それにより上述した想定を超える特典が遊技者に付与されることを回避できる。つまり、発射された遊技球のほとんどが電動役物34→第2入球部33eに入球する構成としても、それに起因した上記不都合が発生しない。故に、上記時短機能を好適に発揮させることができ、高確遊技状態における保留の消化速度の向上が実現される。
ここで、本実施の形態では、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告に係る演出が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に実行される構成となっている。未だ抽選対象となっていない保留情報に対応した演出が、当該保留情報に係る遊技回となるよりも前のタイミングにて実行される。係る構成によれば、現在進行中の遊技回に対応した保留情報の抽選結果を確認する遊技だけでなく、後に抽選対象となる保留情報が抽選対象となった場合の結果を上記演出の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
<保留予告について>
次に、図18の概略図を参照しながら保留予告の流れについて説明する。保留予告は、その保留予告の対象となっている遊技回(特定遊技回)よりも前の遊技回における確定表示時間を利用して行われる。具体的には、図18(a1)、(a2)に示すように、図柄表示装置41の表示画面41aにて図柄列Z1~Z3の変動表示が終了した後、図18(a3)に示すように、表示画面41aの下端から泡を模した複数の演出用画像(泡画像)を上昇表示させるように構成されている。
この泡画像は、不透明又は半透明な表示画像とされ、各図柄列Z1~Z3の図柄が停止表示されている状態で、図柄よりも手前側に表示される。このため、泡画像が図柄の手前側を通過する際、図柄は泡画像の背後に隠れることとなる。但し、泡画像の通過領域は特殊表示領域OEにおける表示部KPには重ならない、又は重なったとしても少量とされ、泡画像によって表示部KPの視認性が妨げられない又は妨げられにくくなっている。
この予告表示演出は、特定遊技回よりも前の複数回の遊技回に亘って実行される。具体的には、予告演出の実行回数として2回が設定され、特定遊技回よりも2つ前の遊技回からの各回の遊技回にて行われる。すなわち、図18(a1)~(a3)に示すように、2つ前の遊技回における確定表示にて泡画像を表示させた後、図18(a4)~(a6)に示すように、その次の遊技回における確定表示でも同様に泡画像を表示させるようにして行われる。
そして、図18(a7)~(a10)に示すように、特定遊技回では、当否判定の結果に対応した停止結果にて各図柄列Z1~Z3の図柄が停止表示される。その際、特定遊技回の確定表示では、保留予告としての泡画像は表示されない。なお、図18では、特定遊技回として、各図柄列Z1~Z3の変動開始後、リーチ演出を経由して大当たり結果又は外れリーチ結果が報知される場合を示している。
保留予告に係る処理としては、保留予告用の確認処理(図11のステップS305)が設定されており、この処理はタイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図10)、詳しくはステップS204の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留予告用の確認処理については、作動口33a,33bへの入賞に基づいて実行される構成となっている。以下、図19のフローチャートを参照し保留予告用の確認処理について説明する。
<保留予告用の確認処理>
保留予告用の確認処理では、ステップS1001にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1002~S1006にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1002にて、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づきステップS304(図11)にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1003では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1004に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1002にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1005に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1002にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1004又はステップS1005の後はステップS1006に進み、ステップS1002にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1007にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS1007の処理においては、今回の入賞に基づき上記ステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。このため、ステップS1007にてMPU202のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別(通常大当たりであるか、確変大当たりであるかなど)に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS1006にて否定判定をした場合には、ステップS1008に進む。ステップS1008では、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づき上記ステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1009では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)225に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1008にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1009の処理を実行した後はステップS1010に進み、ステップS1008にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1011にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
ステップS1007,S1011にてMPU202のレジスタに記憶された大当たり情報及びリーチ発生情報は、情報取得処理(図11)におけるステップS306の保留コマンドの設定処理に際して参照され、当該設定処理では、大当たりやリーチ発生の有無、大当たりの種別に関する情報を含ませるようにして保留コマンドを設定する。
ここで、本実施の形態では、上記保留予告用の確認処理によって特定された結果と関連付けて、メイン表示部43にて絵柄を確定表示させる際の確定表示時間を設定する構成とされている。つまり、上記保留予告の実行に際して、上記泡画像を表示させる期間(演出期間)を確保するために確定表示時間の長さを変更する構成とされている。そこで、以下においては、先ず、確定表示時間について説明し、その後、確定表示時間を変更するための具体的な制御処理について説明する。
<確定表示時間について>
図20に示すように、メイン表示部43における遊技回は、当否抽選が行われることに基づいて絵柄の変動表示を開始させ、その後、変動表示させた絵柄を当否抽選の結果に対応した態様で確定表示させることを1回とするものである。つまり、遊技回は、絵柄の変動表示と、変動表示させた絵柄の確定表示とから成り立っている。
ここで、絵柄の確定表示は、変動表示の終了により完了するものではなく、当否抽選の結果に対応した態様の絵柄が所定の確定表示時間に亘って継続表示されることで完了する。これは、遊技者が遊技結果を認識する時間を確保しつつ、後続との遊技回との境目を明確化するためのものである。
このため、絵柄の変動表示が開始されてから次の遊技回(変動表示)が開始されるのは、実質的な遊技回の実行期間である変動表示時間が経過した後、待機期間である確定表示時間がさらに経過した後となる。以下においては、変動表示の開始から次の遊技回の開始までの期間、すなわち、遊技回の実行期間と待機期間とを合計した期間を「1遊技回に係る遊技時間」という。因みに、「確定」としているのは、上記確定表示時間での停止表示が、表示内容(絵柄)を不変として確定的な停止結果を表示するものとして行われることに基づいている。
図20に示すように、本実施の形態では、確定表示時間が第1確定表示時間と第2確定表示時間とに分割されている。具体的には、確定表示時間の開始から確定表示時間の途中までが第1確定表示時間となっており、確定表示時間の終了までの残り時間が第2確定表示時間となっている。第1確定表示時間は、上記保留予告用の確認処理で特定された特定結果に基づいて時間長が設定される。第1確定表示時間としての長さの種別は、通常用の通常時間、通常時間よりも長い特殊時間、通常時間よりも短い時短用時間とが設けられている。一方、第2確定表示時間は、上記特定結果とは無関係に予め定められた時間長に設定される。
メイン表示部43では、第1確定表示時間及び第2確定表示時間のいずれにおいても同一の絵柄が継続して停止表示される。すなわち、停止結果として停止表示された絵柄が第1確定表示時間が経過した後も引き続き表示され、第2確定表示時間が経過することで、その停止表示が終了する。その際、未だ抽選対象となっていない保留情報が存在する場合は、第2確定表示時間の経過後に絵柄の変動表示が開始され、逆に、未だ抽選対象となっていない保留情報が存在しない場合は、第2確定表示時間の経過後もそのまま停止表示の状態が継続される。
なお、以下の説明においては、第1確定表示時間にて行われる確定表示と、第2確定表示時間にて行われる確定表示とを区別するため、前者を「第1確定表示」といい、後者を「第2確定表示」ということがある。
次に、確定表示時間を変更するための制御処理について説明する。本実施の形態では、当該処理として確定表示用処理(図13のステップS509)が設定されている。この処理は通常処理(図12)の一部の処理として設定された遊技回制御処理(図13)にて実行され、確定表示の開始時に実行される構成となっている。以下、図21のフローチャートを参照しながら確定表示用処理について説明する。
<確定表示用処理>
確定表示用処理では、先ずステップS1101にて、メイン表示部43の作動口用の結果表示部が第2確定表示中であるか否かを判定する。第2確定表示中でない場合は、ステップS1102にて、メイン表示部43の作動口用の結果表示部が第1確定表示中であるか否かを判定する。
ステップS1102で否定判定した場合は、メイン表示部43にて確定表示が開始されていないことを意味する。この場合は、ステップS1103に進み、第1確定表示を開始するための停止開始時処理を実行する。ここで、図22のフローチャートを参照して停止開始時処理について説明する。
停止開始時処理では、先ずステップS1201にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定中フラグが格納されているか否かを判定する。特殊設定中フラグは、第1確定表示時間を保留予告用の特殊時間に設定した場合にセットされるものである。
ステップS1201で否定判定した場合は、ステップS1202にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定用フラグが格納されているか否かを判定する。特殊設定用フラグは、第1確定表示時間を特殊時間に設定すべき場合にセットされるものである。
ステップS1202で否定判定した場合は、ステップS1203にて、保留球格納エリア232に記憶された後続の保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応するものであるか否かを判定する。ここでは、前回の遊技回の確定表示タイミングにて本ステップが実行された後に取得された全ての保留情報を対象とする。ステップS1203の処理は、MPU202のレジスタに記憶された情報、すなわち、上記保留予告用の確認処理の結果を参照して行う。具体的には、当該レジスタにおいて、後続の保留情報に対応するものとして大当たり発生情報(ステップS1007)又はリーチ発生情報(ステップS1011)が記憶されているか否かを判定する。そして、それらの情報のいずれかが記憶されていた場合は肯定判定し、いずれも記憶されていない場合は否定判定する。
ステップS1203にて肯定判定した場合は、ステップS1204に進み、実行回数DNを把握する処理を実行する。実行回数DNは、第1確定表示時間を特殊時間に設定する回数を示すものである。ここで、図23(a)のフローチャートを参照して実行回数DNの把握処理について説明する。
実行回数DNの把握処理では、先ずステップS1301にて、保留数記憶領域FEに記憶された共通保留数CRNを読み出し、共通保留数CRNを把握する。この場合における共通保留数CRNは、その時点でのものではなく、大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報(特殊保留情報)が記憶されたときの共通保留数である。このため、例えば、図23(b)に示すように、前回の設定タイミングであるタイミングtAの後、タイミングtBとタイミングtCとで作動口33a,33bへの入賞が発生し、そのうち先のタイミングtBで記憶された保留情報が特殊保留情報であったとすると、上記ステップS1301ではタイミングtBの共通保留数CRNである2を把握する。
ステップS1301の実行後は、ステップS1302にて、把握した共通保留数CRNと、保留予告の実行回数として予め設定されている設定回数AN(本実施の形態では2回)とを比較し、共通保留数CRNが設定回数AN以上であるか否かを判定する。
ステップS1302で肯定判定した場合(例えば、共通保留数CRNが4である場合)は、ステップS1303にて、設定回数ANをそのまま実行回数DNとして設定する。一方、ステップS1302で否定判定した場合(例えば、共通保留CRNが1である場合)は、ステップS1304にて、設定回数ANに代えて共通保留数CRNを実行回数DNとして設定する。このように、共通保留数CRNが設定回数ANよりも少ない場合は、共通保留数CRNの数に合わせて実行回数DNの数を減らすことで、共通保留数CRNが設定回数AN未満でも保留予告の実行が可能となる。
停止開始時処理(図22)の説明に戻り、ステップS1204にて実行回数DNを把握した後は、続くステップS1205にて、実行回数DNの範囲内において、特殊保留情報よりも前の保留情報に大当たり又はリーチ発生に対応するものがあるか否かを判定する。本ステップにおいても、上記ステップS1203の場合と同様に、MPU202のレジスタに記憶された情報、すなわち、上記保留予告用の確認処理の結果を参照して行う。
本ステップでは、例えば、実行回数DNが2であった場合、特殊保留情報よりも前の2回分の保留情報に関する特定結果(保留予告用の確認処理の結果)を参照し、それら保留情報の中に大当たり又はリーチ発生に対応するものがあるか否かを判定する。それらの保留情報の中に1つでも大当たり又はリーチ発生に対応するものがあれば否定判定し、逆に、それらの保留情報のいずれにも大当たり又はリーチ発生に対応するものがなければ肯定判定する。因みに、本ステップを設けているのは、保留予告の実行途中において、保留予告とは無関係な大当たり又はリーチ発生の遊技回が生じないようにするためである。これにより、保留予告と遊技回との相関性を明確化することができ、保留予告の演出意図を遊技者に伝わり易くすることが可能になる。
ステップS1205で否定判定した場合は、ステップS1206にて、第1確定表示時間を特殊時間に設定するか否かの可否抽選を行う。つまり、大当たり又は外れリーチ対応の特定遊技回が控えており、且つ、実行回数DNの範囲内において特定遊技回よりも前の遊技回において大当たり又は外れリーチ対応の遊技回が存在しないことを条件として、抽選により保留予告の実行の可否が決定される。
具体的には、ROM203に記憶されている抽選テーブルを参照して保留予告の可否抽選を行う。抽選テーブルについては、契機となった保留情報が大当たりに対応している場合に参照される大当たり対応の抽選テーブルと、契機となった保留情報が外れノーマルリーチに対応している場合に参照される外れノーマルリーチ対応の抽選テーブルと、契機となった保留情報が外れスーパーリーチに対応している場合に参照される外れスーパーリーチ対応の抽選テーブルとに大別される。これにより、例えば、外れノーマルリーチ、外れスーパーリーチ、大当たりの順で保留予告の実行頻度が高くなるなど、保留情報が対応する内容に応じて保留予告の出現確率を異ならせることができる。上記可否抽選に用いる抽選値としては、大当たり乱数カウンタC1等の既存のカウンタ値を兼用するものでもよいし、可否抽選用の専用カウンタ値を設けるものであってもよい。
因みに、本実施の形態では、上記のように主制御装置81にて保留予告の可否が決定されるため、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82や表示制御装置212において保留予告に係る可否判定等の処理は実行されない。
ステップS1207にて可否抽選に当選したと判定した場合は、ステップS1208に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた実行回数カウンタ用エリアに実行回数カウンタDCをセットする。ここでは、実行回数DNを実行回数カウンタDCの値として設定する。実行回数カウンタDCは、第1確定表示時間を特殊時間に設定した実行回数をカウントするためのカウンタである。
続くステップS1209にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機回数カウンタ用エリアに待機回数カウンタWCをセットする。共通保留数CRNが実行回数DNよりも多い場合は確定表示時間の特殊設定を待機する必要があるところ、待機回数カウンタWCは、その待機中における遊技回の回数をカウントするためのカウンタである。本ステップでは、共通保留数CRNから実行回数DNを減算した減算値を待機回数カウンタWCの値としてセットする。
ステップS1209の実行後は、ステップS1210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に殊設定用フラグをセット(格納)する。続くステップS1211では、待機回数カウンタWCの値が0であるか否かを判定する。ステップS1211で肯定判定した場合は、ステップS1212にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定中フラグをセットする。
続くステップS1213では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1確定表示時間カウンタ用エリアに「750」(1.5sec相当)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。これにより、第1確定表示時間が特殊期間としての1.5secに設定される。
このように本実施の形態では、確定表示の開始時において、保留予告用の確認処理にて大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報が特定されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて確定表示の第1確定表示時間を設定する構成されている。これにより、大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報が変動表示中に発生した場合に、その結果を迅速に確定表示の確定表示時間に反映させることができる。
ステップS1213の実行後は、ステップS1214にて、実行回数カウンタDCの値を1ディクリメントして更新する。
一方、ステップS1211にて否定判定した場合、すなわち、待機回数カウンタWCの値が0でない場合は、ステップS1215にて、待機回数カウンタWCの値を1ディクリメントして更新する。続くステップS1216では、保留数記憶領域FEに記憶された共通保留数CRNが時短設定数として予め設定された所定値K以上であるか否かを判定する。時短設定数Kは、共通保留数CRNに基づいて第1確定表示時間を時短化するためのものであり、本実施の形態では変動表示用の設定数と同一の3に設定されている。
ステップS1216で否定判定した場合は、ステップS1217にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1確定表示時間カウンタ用エリアに「100」(0.2sec相当)をセットする。これにより、第1確定表示時間が通常時間としての0.2secに設定される。一方、ステップS1216で肯定判定した場合は、ステップS1218にて、上記第1確定表示時間カウンタ用エリアに「0」(0sec相当)をセットする。これにより、第1確定表示時間が時短用時間としての0secに設定される。
ステップS1214,S1217,S1218の実行後は、ステップS1219にて、メイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の確定表示(第1確定表示)を開始させ、その後、本停止開始時処理を終了する。
一方、ステップS1203,S1207にて否定判定した場合、ステップS1205にて肯定判定した場合は、ステップS1216に進み、共通保留数CRNに基づいて第1確定表示時間を通常時間又は時短用時間のいずれかに設定する。
また、ステップS1202にて肯定判定した場合、つまり、特殊設定中フラグ及び特殊設定用フラグのうち、特殊設定用フラグのみがRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている場合は、後の遊技回にて第1確定表示時間を特殊時間に設定すべく、待機期間中であることを意味する。この場合は、ステップS1211に進んで待機が完了したか否かを判定し、その結果に応じてステップS1212以降の処理又はステップS1215以降の処理を実行する。
このように、ステップS1202にて肯定判定した場合にステップS1203~S1210の処理をスキップすることで、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定用フラグが格納されている間は、ステップS1203における保留先特定の結果判定処理の実行が制限される。これにより、待機期間中において、大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が発生したとしても、それが第1確定表示時間の設定に反映されることが抑制され、設定の重複や途中変更を抑制することが可能になる。
一方、ステップS1201にて肯定判定した場合、すなわち、RAM204の各種フラグ格納エリア235に特殊設定中フラグが格納されている場合は、ステップS1220に進み、実行回数カウンタDCの値が0であるか否かを判定する。実行回数カウンタDCの値が0でない場合、つまり、図23のステップS1303,S1304にて定めた実行回数DN分の遊技回が完了していない場合は、ステップS1213に進み、再び第1確定表示時間を特殊時間(1.5sec)に設定する。これにより、特定遊技回が開始される前に、実行回数DN分の各遊技回にて第1確定表示時間が特殊時間に設定される。
ステップS1220にて肯定判定した場合、すなわち、第1確定表示時間を特殊時間とすべき遊技回の回数が実行回数DNに達した場合は、ステップS1221に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている特殊設定用フラグ及び特殊設定中フラグを消去する。その後、ステップS1216に進み、ステップS1216以降の処理を実行する。つまり、実行回数カウンタDCの値が0に達した状態で確定表示の開始タイミングを迎えた場合(特定遊技回の確定表示の開始タイミングになった場合)は、通常時間又は時短用時間のいずれかを第1確定表示時間に設定する。
確定表示用処理(図21)の説明に戻り、ステップS1103の実行後は、ステップS1104にて第1停止表示用コマンドを設定し、本確定表示用処理を終了する。第1停止表示用コマンドには、第1確定表示時間の長さに関する情報が含まれる。設定された第1停止表示用コマンドは、通常処理(図12)における外部出力処理(ステップS401)にて、報知・演出制御装置82に送信される。
報知・演出制御装置82では、受信した第1停止表示用コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記第1停止表示用コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。
表示制御装置212では、受信した第1停止表示用コマンドに基づいて第1確定表示時間の長さを把握する。そして、その把握した長さにて図柄列Z1~Z3及び表示部KPの停止表示状態が継続されるように、図柄表示装置41を制御する。さらに、表示制御装置212では、受信した第1停止表示用コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での図柄の停止表示タイミングを把握し、当該タイミングにて図柄列Z1~Z3における全ての図柄を停止表示させるように図柄表示装置41を制御する。また、特殊表示領域OEにおける表示部KPについても、第1停止表示用コマンドに基づいて停止表示が開始されるように制御する。
ところで、遊技機においては、図柄表示装置41の変動表示領域MEにおける図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。このような状況の下、本実施の形態において、例えば、表示制御装置212が第1停止表示用コマンドを受信したことに応答して、中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
そこで、本実施の形態では、第1停止表示用コマンドの受信前に最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、第1停止表示用コマンドを受信することに基づいて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。この場合、仮停止のタイミングは主制御装置81からの変動用コマンドに含まれる変動表示時間の情報に基づいて決定し、仮停止させる図柄の種別は主制御装置81からの種別コマンドに基づいて決定する。これらの決定は、報知・演出制御装置82にて行ってもよいし、表示制御装置212にて行ってもよい。
仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(図6参照)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。反面、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。なお、仮停止と確定表示とで両者の表示態様を相違させず、それらの識別が不能又は困難な構成としてもよい。
一方で、特殊表示領域OEにおける表示部KPについては、図柄列Z1~Z3の場合とは異なり、変動表示の状態から急停止するように表示制御される。これは、表示部KPの変動表示や停止表示の態様をメイン表示部43における絵柄のそれと一致させているためである。このため、図柄列Z1~Z3との関係で見た場合、図柄列Z1~Z3が仮停止の状況では表示部KPは未だ変動表示を継続しており、図柄列Z1~Z3の確定表示が開始されると、それと同時に表示部KPも停止表示されるものとなっている。
確定表示用処理(図21)の説明に戻り、ステップS1102で肯定判定した場合、すなわち、第1確定表示中である場合は、ステップS1105にて、図22のステップS1213,S1217,S1218で設定した第1確定表示時間が経過したか否かを判定する。第1確定表示時間が経過した場合は、ステップS1106に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1確定表示時間カウンタ用エリアに「250」(0.5sec相当)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。これにより、第2確定表示時間が0.5secに設定される。なお、第2確定表示時間は、保留予告用の確認処理(図19)で特定された特定結果とは無関係に設定され、一律に0.5secとなる固定時間とされる。
ステップS1106の実行後は、ステップS1107にて第2停止表示用コマンドを設定し、本確定表示用処理を終了する。この設定された第2停止表示用コマンドは、通常処理(図12)における外部出力処理(ステップS401)にて、報知・演出制御装置82に送信される。
第2停止表示用コマンドには、第2確定表示時間の長さに関する情報が含まれており、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212では、受信した第2停止表示用コマンドに基づいて第2確定表示の開始タイミング及び第2確定表示時間の長さを把握し、図柄列Z1~Z3及び表示部KPの確定表示が第2停止表示用コマンドの受信時から0.5sec後に終了されるように、図柄表示装置41を制御する。
一方、ステップS1101で肯定判定した場合、すなわち、第2確定表示中である場合は、ステップS1108にて、ステップS1106で設定した第2確定表示時間が経過したか否かを判定する。第2確定表示時間が経過した場合は、ステップS1109にて、メイン表示部43の作動口用表示部における絵柄の確定表示(第2確定表示)を終了させ、その後、本停止開始時処理を終了する。また、ステップS1105,S1108にて否定判定した場合は、そのまま本確定表示用処理を終了する。
<報知・演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
次に、図5のブロック図を参照して、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について補足説明する。
報知・演出制御装置82に設けられた報知・演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されており、当該主制御装置81から既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド、第1停止表示用コマンド及び第2停止表示用コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた保留ランプ部47、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64、表示制御装置212が接続されている。主制御装置81から報知・演出制御装置82に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM及びワークRAMが複合的にチップ化された素子であるMPU、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、ビデオRAMが搭載された表示制御基板を備えている。表示制御装置212のMPUは、報知・演出制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDPの制御(具体的にはVDPに対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPUでは、報知・演出制御装置82を経由して主制御装置81から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置41における各遊技回の変動表示パターンを把握する処理を実行するとともに、その処理結果に対応してVDP255に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置41の表示画面41aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROMは、MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAMは、MPUによる各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAMの各エリアに記憶される。VDPは、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPはICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDPは、MPU、ビデオRAM等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROMは、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAMは、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<各遊技回の演出に関する説明>
ここで、表示画面41aを利用した遊技演出(連動演出)の概要について図24及び図25を参照しながら説明する。
遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、図24(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、図24(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、図24(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。
全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示時間が設けられている。当該停止表示時間において今回の遊技回の遊技結果を遊技者に明示する確定表示が行われる。そして、いずれかの有効ラインL1~L5に大当たり結果に対応する図柄(特定図柄又は非特定図柄)の組合せが停止表示された状態で確定表示時間が経過すると、大当たり結果の発生として、その後に開閉実行モードへ移行する。上記停止表示時間は、仮停止のための仮停止時間と本停止のための確定表示時間とによって構成されている。そのうち確定表示時間を利用して保留予告を行う点については、既に説明したとおりである。
本実施の形態では、上記保留予告とは別に、表示画面41aにて(1)第1種予告演出としてのウィンドウステップアップ予告演出と、(2)第2種予告演出としてのキャラクタ通過予告とを行うように構成されている。これらの予告演出は、保留予告のように後の遊技回に係る大当たり又はリーチ発生の有無を示唆するものではなく、それらの予告演出が実行される遊技回での大当たり又はリーチ発生の有無を示唆するものとなっている。
先ず、図25(a)を参照しながら第1種予告演出としてのウィンドウステップアップ予告演出について説明する。ウィンドウステップアップ予告演出では、図25(a1)に示すように、矩形状に区画されたウィンドウ画像301が演出画像として表示される。ウィンドウ画像301は不透明又は半透明なものとされ、その内側には所定のキャラクタや文字等が表示される。
ウィンドウステップアップ予告演出では、演出内容が段階的に格上げ(昇格)されるように構成されている。具体的には、上記ウィンドウ画像301が表示される態様をステップ1として備える他、図25(a2)に示すように、ステップ2としてウィンドウ画像301よりも大きいウィンドウ画像302が表示される態様を備え、さらに、図25(a3)に示すように、ステップ3としてウィンドウ画像302よりも大きいウィンドウ画像303が表示される態様を備えている。すなわち、ステップ3の予告映像が表示された場合が大当たり結果となる期待度が最も高いものとなっている。
ステップS2のウィンドウ画像302は、ステップ1のウィンドウ画像301が表示された後、当該ウィンドウ画像301を手前側から覆うようにして表示される。また、ステップS3のウィンドウ画像303は、ステップ2のウィンドウ画像302が表示された後、当該ウィンドウ画像302を手前側から覆うようにして表示される。なお、図25に示す例では、ウィンドウ画像301~303が順に表示されることを分かり易くするため、上位のウィンドウ画像が下位のウィンドウ画像の一部を覆う態様を記載しているが、下位のウィンドウ画像の全体を覆う態様としてもよい。
ウィンドウステップアップ予告演出は、図25(c)に示すように、全図柄列Z1~Z3の変動表示の開始から高速変動表示の途中までの期間を利用して行われる。ここで、各ウィンドウ画像301~303は、図柄列Z1~Z3よりも手前側に表示され、各図柄列Z1~Z3の図柄は各ウィンドウ画像301~303と重なる領域において背後に隠れることとなる。但しその際、各図柄列Z1~Z3は高速変動表示され、そもそもがどの図柄が変動表示されているかを認識できない又は困難となっているため、実用上の不都合は生じにくい。なお、特殊表示領域OEにおける表示部KPについては重ならない、又は重なったとしても少量とされ、各ウィンドウ画像301~303によって表示部KPが視認困難又は視認不能とならないようにされている。
次に、図25(b)を参照しながら第2種予告演出としてのキャラクタ通過予告演出について説明する。キャラクタ通過予告演出では、魚を模した演出画像304が表示画面41aを横断するように表示される。具体的には、表示画面41aの右端から現れた演出画像304が、図柄列Z1~Z3の変動表示方向と同一方向(左方向)に進み、その後、表示画面41aの左端から表示画面41a外に消えるように表示される。図示を省略しているが、キャラクタ通過予告演出としては、演出画像304が表示画面41aの左端から現れ、図柄列Z1~Z3の変動表示方向とは逆の方向(右方向)に進む態様も用意されている。本実施の形態では、演出画像304が右方向に進む場合の方が出現率が低く、大当たり結果となる期待度が高いものとなっている。
このキャラクタ通過予告演出は、図25(c)に示すように、第1種予告演出と重複しないようにして、全図柄列Z1~Z3の高速変動表示の期間を利用して行われる。演出画像304は、図柄列Z1~Z3よりも手前側に表示されるが、表示部KPに対しては重ならない、又は重なったとしても少量とされる。
上記ウィンドウステップアップ予告演出及びキャラクタ通過予告演出については、保留予告の場合とは異なり、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82や表示制御装置212にて実行の有無が決定される。詳しくは、大当たり結果の期待度との関連付けを行うべく、主制御装置81からの変動用コマンドに含まれる大当たり情報等が参照されるものの、報知・演出制御装置82等が独自に行う予告実行抽選の結果や他の演出との重複等を加味し、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が最終的な決定を行うように構成されている。このように、複数種の予告演出を実行するにあたり、その決定権を各制御装置に振り分けることで、予告演出の多様化に起因した制御負荷の集中を回避している。
<各種演出に関する処理について>
既に説明したように本実施の形態では、表示画面41aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置81からのコマンドを参照して報知・演出制御装置82により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置212によって把握される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置82のMPU242では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図26のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
<変動表示制御処理>
変動表示制御処理においては、先ずステップS1401にて、RAM244に設けられた各種フラグ格納エリア(不図示)に確定表示フラグが格納されているか否かを判定する。確定表示フラグは、図柄列Z1~Z3の図柄や特殊表示領域OEの表示部KPが確定表示された場合にセットされるものである。
ステップS1401にて否定判定した場合は、ステップS1402にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示~確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1403に進み、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1403にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1403にて肯定判定をした場合には、ステップS1404にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。ここで、変動開始用処理の詳細について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
<変動開始用処理>
変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示等の設定を行う。
変動開始処理においては、先ずステップS1501にて今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから大当たりの有無の情報、リーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報を特定する。既に説明したように主制御装置81から変動用コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1501では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、第1種大当たり結果の情報、第2種大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1501では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。
続くステップS1502では、ステップS1501にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち第1種大当たり結果又は第2種大当たり結果である場合には、続くステップS1503にて、大当たり用の停止結果(図柄組み合わせ)を決定する(停止結果決定処理を行う)。
停止結果決定処理においては、第1種大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1~L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、第2種大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1~L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM243の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1~L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM244に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM244の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
ステップS1503の実行後は、ステップS1504にて大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM243の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動用コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM243の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。また、本ステップでは、上記第1種予告演出及び第2種予告演出を実行するか否かを決定する処理も行う。
ステップS1502にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1505に進む。ステップS1505では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1506に進み、リーチ用の停止結果決定処理を実行する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止結果(図柄組み合わせ)を決定する。すなわち、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1~L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1506の実行後は、ステップS1507にてリーチ発生用の演出設定処理を実行する。本処理については、上記ステップS1504の処理と同様であるため説明を援用する。
ステップS1505にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1508に進む。ステップS1508では、通常外れ(完全外れ)用の停止結果決定処理を実行する。本処理では、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。続くステップS1509では、完全外れ用の演出設定処理を実行する。
ステップS1504、ステップS1507、ステップS1509のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1510に進む。ステップS1510では、ステップS1503、S1504、S1506~S1509にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPUでは、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置41の表示制御を行う。これにより、図柄表示装置41の表示画面41aにて、変動表示領域MEにおける図柄列Z1~Z3及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの変動表示が開始される。
ステップS1510の処理を実行した後は、続くステップS1511にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1504、ステップS1507、ステップS1509にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部64やランプ部63の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
変動表示制御処理(図26)の説明に戻り、ステップS1402にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では主制御装置81からの第1停止表示用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1405にて否定判定をした場合には、ステップS1406にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。また、変動中用処理では、上述したように、変動表示時間の終盤において図柄列Z1~Z3の図柄を仮停止させるように、表示制御装置212にコマンドを送信する。なお、仮停止の処理は、表示制御装置212が独自に行うようにしてもよい。
ステップS1405にて肯定判定をした場合にはステップS1407に進み、確定表示を開始するための停止開始用処理を実行する。ここで、停止開始用処理について図28のフローチャートを参照して説明する。
<停止開始用処理>
停止開始用処理では、先ずステップS1601にて、主制御装置81からの第1停止表示用コマンドに基づいて第1確定表示時間の長さを把握する。続くステップS1602では、把握した第1確定表示時間が1.5sec、すなわち保留予告用の特殊時間であるか否かを判定する。第1確定表示時間が特殊時間であった場合は、ステップS1603に進み、保留予告演出の設定処理を実行する。本設定処理が実行された場合は、泡画像を出現させる予告表示演出(図18参照)が表示画面41aにて実行されるように設定される。
ステップS1603の実行後、又はステップS1602で否定判定した場合は、ステップS1604にて確定表示開始処理を実行し、その後、本停止開始用処理を終了する。ステップS1604では、第1確定表示時間の長さに関する情報が含まれる第1確定表示コマンドを表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPUでは、その受信した第1確定表示コマンドに基づき、図柄列Z1~Z3の図柄及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの確定表示を開始するように、図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1603の保留予告演出の設定処理が実行されている場合は、保留予告を実行すべき旨の情報が第1確定表示コマンドに含まれる。この場合、表示制御装置212のMPUでは、第1確定表示時間において保留予告を実行するように、図柄表示装置41を制御する。
保留予告の実行にあたっては、確定表示状態への移行後、直ちに泡画像が表示されるのではなく、確定表示状態に移行してから所定時間(例えば0.5sec)が経過した後に泡画像が表示されるように制御される。泡画像は図柄の手前側に表示されるところ、上記構成となっていることで、確定表示された図柄を遊技者が把握するための時間を好適に確保することが可能になる。
また、泡画像は、第1確定表示時間の残り時間(例えば1.0sec)よりも短い時間で、最初の泡画像の出現から最後の泡画像の消去までが完了するように構成されている。これにより、保留予告が第2確定表示時間や次の遊技回に跨って行われることが抑制される。その結果、保留予告を最後まで表示できなくなったり、次の遊技回にて行われる演出(例えば、第1種予告演出)と重複表示されたりするなどして、演出上の見栄えが低下することが抑制される。加えて、次の遊技回の開始前(変動表示の開始前)において、図柄以外の演出用画像が非表示の期間を確保することができ、今回の遊技回と次の遊技回との境界を遊技者が把握し易くなる。
変動表示制御処理(図26)の説明に戻り、ステップS1407の停止開始用処理を実行した後は、ステップS1408にて、RAM244の各種フラグ格納エリアに確定表示フラグをセットし、その後、本変動表示制御処理を終了する。
一方、ステップS1401にて肯定判定した場合、すなわち、RAM244の各種フラグ格納エリアに確定表示フラグが格納されている場合は、ステップS1409に進み、主制御装置81からの第2停止表示用コマンドを受信しているか否かを判定する。第2停止表示用コマンドを受信している場合は、ステップS1410にて確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、第2停止表示用コマンドに基づいて第2確定表示時間の長さ(0.5sec)を把握し、当該長さに関する情報を含む第2確定表示コマンドを表示制御装置212へ出力する処理を行う。これにより、表示制御装置212のMPUでは、その受信した第2確定表示コマンドに基づき、図柄列Z1~Z3の図柄及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの確定表示を0.5sec後に終了させるように、図柄表示装置41を制御する。
<遊技の流れについて>
次に、保留予告が実行される場合の遊技の流れについて、図29及び図30を参照しながら説明する。本実施の形態では、確定表示が開始されるときの共通保留数CRNによって、遊技の流れが相違するものとなっている。以下においては、共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合と、共通保留数CRNが設定回数ANの数よりも大きい場合とを分けて説明する。なお、以下の説明では、大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報以外の保留情報については、いずれも完全外れ結果(リーチ非発生の外れ結果)に対応するものであるとする。
<共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合について>
図29のタイミングチャートを参照しながら共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合について説明する。ここでは、共通保留数CRNと設定回数ANの数とが同一である場合を例にとって説明する。
タイミングt1において、保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応することが先特定されることなく、メイン表示部43の変動表示における停止表示タイミングを迎えた場合は、主制御装置81において第1確定表示時間が通常時間(0.2sec)に設定される(図29(c)参照)。その結果、第1確定表示時間としての通常時間と第2確定表示時間とを合計した確定表示時間(タイミングt1~t2)は、0.7secとなる。この場合、確定表示時間において保留用予告演出は実行されない。
その後、タイミングt3において、タイミングt2から開始された変動表示の途中において上作動口33a又は下作動口33bへの遊技球の入賞が発生すると(図29(a)参照)、当該入賞に対する新たな保留情報が保留球格納エリア232(図8参照)に記憶される(図29(b)参照)。そして、主制御装置81において当該保留情報に対する保留予告用の確認処理(図11のステップS305)が実行される。ここでは、当該保留情報がリーチ発生に対応しており、上記確認処理にてそれが特定されたものとする。なお、以下の説明では、リーチ発生が先特定された保留情報をそれ以外の保留情報と区別するため、特殊保留情報と称することとする。タイミングt2から開始された変動表示が終了したタイミング、すなわち、確定表示の開始タイミングであるタイミングt4では、特殊保留情報が先特定されたか否かの判定処理が主制御装置81にて実行される。
保留予告の設定回数ANが2回となっているところ、本ケースでは、確定表示が開始されるとき(第1停止表示時間が設定されるとき)の共通保留数CRNが2となっている(図29(b)参照)。つまり、保留予告を2回の遊技回に亘って実行すべき前提の下、確定表示時間の設定対象である遊技回(進行中の遊技回)が、先特定された保留情報に対応する特定遊技回から見て2つ前の遊技回となっている。このような場合、進行中の遊技回が保留予告の実行対象となるように第1確定表示時間が設定される。すなわち、実行回数カウンタDCに2がセットされるとともに(図29(e)参照)、待機回数カウンタWCに0がセットされる(不図示)。これにより、第1確定表示時間が特殊時間(1.5sec)に設定される(図29(c)参照)。この際、特殊設定用フラグがRAM204に格納される(図29(d)参照)。
タイミングt4において、主制御装置81により第1確定表示時間が設定されると、第1停止表示用コマンドが報知・演出制御装置82に送信される。これにより、メイン表示部43及び図柄列Z1~Z3が外れに対応する態様で確定表示され、一方、表示部KPでは表示色の切換が終了される。確定表示の開始から所定期間(0.5sec)が経過したタイミングt5では、保留予告演出としての予告表示演出(泡画像を出現させる表示)が表示画面41aに表示される。この予告表示演出は、第1確定表示時間の残り時間(1.0sec)内にて表示される(図29(f)参照)。
タイミングt6において第1確定表示時間が経過すると、主制御装置81により第2確定表示時間が0.5secに設定され(図29(c)参照)、その旨の第2停止表示用コマンドが報知・演出制御装置82に送信される。その結果、メイン表示部43等にて実行されている確定表示が引き続き0.5sec間に亘って継続される。なお、第1確定表示時間が特殊時間に設定された場合における確定表示の総時間は、特殊時間と第2確定表示時間とを合計した2.0secとなる。
そして、タイミングt7において第2確定表示時間が経過すると、主制御装置81によってメイン表示部43の確定表示が終了されるとともに、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212によって図柄列Z1~Z3及び表示部KPの確定表示が終了される。因みに、第2確定表示時間である0.5secのカウント(期間計測)は、主制御装置81と、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82又は表示制御装置212とで各別に行われる。すなわち、サブ側の制御装置は、第2停止表示用コマンド(図21のステップS1107)を受信してからの経過期間を独自に計測し、0.5secが経過することに応じて表示画面41aにおける図柄列Z1~Z3及び表示部KPの確定表示を終了させる。
なお、メイン表示部43、表示画面41aにおける図柄列Z1~Z3及び表示部KPにおける各確定表示の終了タイミングを精度よく同期させたい場合は、確定表示時間の開始から0.5secが経過した場合に、主制御装置81から確定表示を終了させる旨のコマンドを出力する構成としてもよい。この場合、当該コマンドを受信することに応じて、図柄列Z1~Z3及び表示部KPの各確定表示を終了させる構成とすることができる。
これに対し、第1確定表示時間である1.5secのカウント(期間計測)は、必ずしもサブ側の制御装置が独自に行う必要はなく、サブ側の制御装置が期間計測を行わない構成としてもよい。表示画面41aでは、第1確定表示時間が経過しても表示画面41aの表示形態をそのまま維持するに過ぎないのに加え、サブ側の制御装置は、主制御装置81からの第2停止表示用コマンドを受信することで1.5secの経過を把握できるためである。この場合、第1停止表示用コマンドには、第1確定表示時間の長さに関する情報に代えて、保留予告の実行の有無を示す情報を含ませる構成としてもよい。
図29の説明に戻り、第2確定表示が終了するタイミングt7では、確定表示の終了に伴い次の遊技回の変動表示が開始される(図29(c)参照)。そして、タイミングt9においてその変動表示が終了すると、当該次の遊技回の第1確定表示時間が設定される。この場合の遊技回は特定遊技回から見て直前の遊技回となる。このため、タイミングt9では、当該遊技回が保留予告の実行対象となるよう第1確定表示時間が特殊期間(1.5sec)に設定される(図29(c)参照)。具体的には、実行回数カウンタDCの値が1となっていることに基づいて、第1確定表示時間が特殊時間に設定される(図29(e)参照)。そして、2つ前の遊技回の場合と同じく、タイミングt10において、予告表示演出が表示画面41aに表示される(図29(f)参照)。
ここで、本ケースでは、タイミングt3で発生した特殊保留情報とは別に、直前の遊技回の変動表示中であるタイミングt8において、上作動口33a又は下作動口33bへの遊技球の入賞が発生している。そして、当該入賞に対応する保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行された結果、当該保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応するものであることが特定されている。
このように、保留予告の実行設定が行われた後に新たな特殊保留情報の特定がなされたとしても、本実施の形態では、既になされた各種設定(実行回数カウンタDC等)に影響が及ばないものとなっている(図29(e)参照)。これは、RAM204に特殊設定用フラグが格納されている場合は、保留予告用の確認処理の結果に対する判定処理(図22のステップS1203)を制限する構成とされているためである。これにより、設定の重複が回避される結果、保留予告の実行途中で保留予告の実行回数が変化することが抑制され、遊技者の混乱が好適に抑制される。
さらに、本実施の形態では、上記判定処理を保留予告用の確認処理とは別に設けた上で、制限対象を当該判定処理に限定し、保留予告用の確認処理に対する制限は行わない構成とされている。これにより、重複設定を回避しながらも、保留予告用の確認処理自体は継続して行うことが可能になる。その結果、特殊保留情報を利用した他の演出(例えば、保留表示領域NEに表示された保留表示の表示態様を通常態様からそれとは異なる特別態様に変化させる演出等)までもが制限される不都合を抑制することができ、演出の多様化や複合化を図る上で好適な構成とすることができる。
タイミングt11において第2確定表示時間が経過すると、メイン表示部43等での各確定表示が終了されるとともに、次の遊技回(特定遊技回)の変動表示が開始される。特定遊技回では図柄表示装置41の表示画面41aにて所定のリーチ演出が実行された後、図柄列Z1~Z3の図柄が大当たりとならない組み合わせで停止表示(仮停止)される。
そして、確定表示が開始されるタイミングt12では、実行回数カウンタDCの値が0となっていることに基づき、第1確定表示時間が通常時間(0.2sec)に設定される(図29(c)参照)。このため、特定遊技回における確定表示では、第1確定表示時間が保留予告用の時間に設定されることはない。これにより、特定遊技回の変動表示が終了しているにも関わらず、引き続き保留予告が実行されて遊技者の混乱を招くといった不都合が抑制される。また、タイミングt12では、実行回数カウンタDCの値が0となっていることに基づいて、RAM204に格納されている特殊設定用フラグが消去され(図29(d)参照)、上記判定処理に対する制限が解除される。
<共通保留数CRNが設定回数ANの数よりも大きい場合について>
次に、図30のタイミングチャートを参照しながら共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数より大きい場合について説明する。なお、以下の説明においては、図29の場合と同様の部分については説明を省略又は簡略化する。
タイミングt21にて開始された変動表示の途中で、タイミングt22,t23のそれぞれで上作動口33a又は下作動口33bへの入賞が発生し、そのうち、タイミングt23での入賞時に記憶された保留情報がリーチ発生に対応していたとすると、当該入賞が発生したタイミングにおいて、主制御装置81における保留予告用の確認処理により特殊保留情報であることが特定される。なお、タイミングt21での共通保留数CRNが2(更新後の保留数)となっていることから、当該タイミングで開始された変動表示の変動表示時間は8secに設定される。そして、タイミングt24において上記変動表示時間が経過すると、主制御装置81において特殊保留情報が先特定されたか否かの判定処理が実行される。
保留予告の設定回数ANが2回となっているところ、本ケースでは、確定表示が開始されるときの共通保留数CRNが4となっている(図30(b)参照)。つまり、保留予告を2回の遊技回に亘って実行すべき前提の下、確定表示時間の設定対象である遊技回(進行中の遊技回)が、先特定された保留情報に対応する特定遊技回から見て4つ前の遊技回となっている。このような場合、進行中の遊技回が保留予告の対象外となるように第1確定表示時間が設定される。すなわち、待機回数カウンタWCに2がセットされ(図30(e)参照)、第1確定表示時間を特殊時間とする処理が待機される。タイミングt24では共通保留数CRNが4であり、時短設定数K(K=3)以上となっているため、第1確定表示時間が時短用時間(0sec)に設定される。また、タイミングt24では、特殊設定用フラグがRAM204に格納されるとともに、実行回数カウンタDCが2にセットされる(図30(d),(f)参照)。
第1確定表示時間が0secである場合は直ちに第2確定表示が行われる。第2確定表示時間は0.5secであるため、確定表示の総時間は0.5secとなる(図30(c)参照)。このようにして第2確定表示時間が設定されると、当該設定した第2確定表示時間にて確定表示が行われるように、メイン表示部43及び図柄表示装置41が制御される。
なお、第1確定表示時間に関する特殊時間(1.5sec)、通常時間(0.2sec)及び時短用時間(0sec)、並びに、第2確定表示時間(0.5sec)の各具体的な時間長は一例であり、これらに限定されるものではない。すなわち、特殊時間については通常時間よりも長く、時短用時間については通常時間よりも短いものであれば足り、各時間の長さは任意である。その際、上記各時間は、第1確定表示時間、又は第1確定表示時間と第2確定表示時間を合計した確定表示の総時間が、変動表示時間よりも短くなる構成とすることが好ましい。それらの時間が変動表示時間よりも長くなると、遊技中の遊技者に間延びした印象を与え易くなるところ、上記構成とすることでこれを好適に抑制可能となる。この場合、第1確定表示時間又は上記総時間をリーチ非発生の通常外れ結果に対応する遊技回の変動表示時間よりも短くする構成とするとよい。係る構成において、特殊時間及び通常時間については非時短時の変動表示時間(8sec)よりも短くし、時短用時間については時短時の変動表示時間(4sec)よりも短くするとよい。
図30の説明に戻り、タイミングt25において第2確定表示時間が経過すると、メイン表示部43等での各確定表示が終了されるとともに、次の遊技回の変動表示が開始される。タイミングt25での共通保留数CRNは3となっているため(図30(b)参照)、当該遊技回における変動表示時間は4secに設定され、変動表示時間が時短化される。当該変動表示時間が経過したタイミングt26では、その遊技回における確定表示の第1確定表示時間が設定される。この場合の遊技回は特定遊技回から見て3つ前の遊技回となっており、また、このときの共通保留数CRNは時短設定数Kと同一の3となっている。このため、保留予告の対象外とされた上で時短化され、第1確定表示時間が0secに設定される。これにより、確定表示の総時間が第2確定表示時間の0.5secとなる(図30(c)参照)。
第2確定表示時間が経過したタイミングt27では、メイン表示部43等での確定表示が終了されるとともに、さらに次の遊技回の変動表示が開始される。そして、タイミングt28において変動表示時間が経過すると、その遊技回における確定表示の第1確定表示時間が設定される。この場合における遊技回は特定遊技回から見て2つ前の遊技回となっているため、主制御装置81において当該遊技回を保留予告の実行対象とすべく制御される。具体的には、先のタイミングt26において待機回数カウンタWCが更新される結果、その値が0となることに基づいて第1確定表示時間が特殊時間(1.5sec)に設定される(図30(c)、(e)参照)。以後は、図29の場合と同様、直前の遊技回の第1確定表示時間についても特殊時間が設定され、2つ前の遊技回及び直前の遊技回の各確定表示において保留予告が実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留予告用の確認処理により特定された結果に基づいて確定表示の第1確定表示時間を設定する構成とした。この場合、未だ当否判定の対象となっていない保留情報の内容に応じて確定表示の時間長を異ならせることができる。これにより、保留予告用の確認処理(先特定)の対象となった保留情報に対する当否判定の判定結果等と、遊技回の確定表示時間とを相関させることが可能になる。しかも、本実施の形態では、遊技回中に先特定が行われた場合に、その遊技回の確定表示時間を先特定の結果に基づいて設定するため、保留情報の内容を速やかに遊技回に反映させることができる。例えば、遊技回の進行中に先特定がなされた場合にその結果を次回以降の遊技回で反映させる構成では、先特定の対象となった特定遊技回が、進行中の遊技回の次に行われる遊技回であると、第1確定表示時間の変更機会を確保することが困難化する。この点、本実施の形態によれば、進行中の遊技回を含めて第1確定表示時間の変更対象とすることができるため、変更機会の安定的な確保を図ることが可能になる。
ところで、保留予告を実行するにあたっては、確定表示時間を延長化してまでその機会を確保するのではなく、保留予告の実行タイミングを次回の遊技回における変動開始時や変動表示中にずらすことも考えられる。しかしながら、変動開始時や変動表示中では、第1種予告演出や第2種予告演出のように他の演出表示が行われていることが想定される。このため、演出表示が重複するおそれがあり、各演出の識別性が低下したり、どちらを手前側に表示するかなどの優先度調整が必要となったりする問題が生じ得る。そればかりか、本実施の形態の第1種予告演出と保留予告との間柄の如く、一方はその遊技回の当否判定結果に対応し、他方はそれよりも後の遊技回の当否判定結果に対応する場合のように、各演出の意味合いが異なるケースでは、それらが併せて表示されると遊技者が混乱し易く、演出効果を大きく低下させることにもなりかねない。この点、本実施の形態では、確定表示時間を長くすることで保留予告の実行機会を確保するため、他の演出表示との重複が抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
さらに、確定表示時間を長くすることで保留予告の実行機会を確保する構成では、次のような効果も期待できる。一般に近年のパチンコ機では、予め定めた変動表示時間に基づいて絵柄や図柄の変動表示が行われ、ひとたび変動表示が始まるとその期間を変えられない構成とされている。このため、例えば、突発的な遊技演出の追加を許容すべく、遊技回の途中でその遊技回の遊技時間を延長化したいといった要望があった場合に、変動表示の変更によって応えようとすると、パチンコ機の設計を一新せざるを得なくなる。仮に係る変更を実現できたとしても、変動表示中は、絵柄や図柄の変動表示とは別に他の遊技演出を変動表示時間に整合させて行っているのが通常であり、場合によっては、それらの遊技演出を複合的に行っていることもある。このため、変動表示時間を変動表示中に変更した場合に備えて、変動表示時間と演出時間との尺調整や、演出の入れ替え、各演出間での整合性等を踏まえた各種の演出調整を変動表示の途中で実行し得る構成としておく必要が生じ、演出設計の大幅な負担増を招くという不都合がある。この点、本実施の形態によれば、変動表示時間を予め定めた期間としたまま、1遊技回に係る遊技時間を変更することが可能になる。しかも、確定表示は当否判定の結果を見せることを本来の目的とするため、その実行期間中は遊技演出を行っていなかったり、行っていたとしても簡素なものであったりする場合が多い。このため、確定表示時間を変えても演出上の調整負担が軽くて済み、上記不都合を好適に抑制することが可能になる。
確定表示の開始タイミングに対応して第1確定表示時間を設定する構成とした。この場合、確定表示の開始タイミングまでに生じる先特定の結果を停止表示期間の長さに反映させることができる。これにより、変動表示の終盤に生じる先特定や作動口33a,33bへの入賞に対しても対処可能となり、1遊技回に係る遊技時間を途中で変更する場合に最適な構成とすることができる。
確定表示中において、図柄表示装置41の表示画面41aにて予告表示演出(泡画像を出現させる予告表示演出)を表示する構成とした。先特定の結果に応じて進行中の遊技回の確定表示時間を変えられるところ、本構成によれば、上記先特定の結果に応じた予告表示演出の追加や削減などを確定表示の中で行うことが可能になる。すなわち、確定表示時間を演出調整のための期間として活用することが可能になり、表示画面41a上で演出表示が頻出する可能性が高い変動表示の中で追加や削減などを行う場合に比べて演出調整を容易化することが可能になる。
確定表示中に行われる予告表示演出を当該確定表示の終了時までに終了させる構成とした。例えば、確定表示の終了後(遊技回の終了後)も予告表示演出が継続されていると、遊技者が後続の遊技回との境目を認識しにくくなることが懸念される。また、次の遊技回で実行される他の演出表示と重複することで、演出同士の識別性が低下したり、遊技者の演出理解の妨げとなったりするおそれもある。本構成によれば、それらの不都合を好適に抑制することができ、遊び易さを向上させることが可能になる。
第1確定表示時間の特殊時間の長さ(1.5sec)を、特殊時間に第2確定表示時間(0.5sec)を加えた総時間(2.0sec)がその直前の変動表示時間(8.0sec)よりも短い時間となる長さに設定した。確定表示時間をいたずらに長くすると、変動表示の終了から次の変動表示が始まるまでの待ち時間が長い印象を受け易くなり、間延び感の誘発を招くおそれがあるところ、本構成では、第1確定表示時間が長い側の特殊時間とされる場合でも総時間が変動表示時間よりも短時間となるように構成されている。これにより、確定表示時間が長くなる中でもテンポよく遊技を進めることができ、遊び易さを担保することが可能になる。
先特定の結果が所定結果であったか否かを判定し、その結果に基づいて第1確定表示時間を設定する構成とした。例えば、先特定がなされる都度、それをそのまま第1確定表示時間の設定に反映させる構成であると、1の遊技回の中で複数回に亘って先特定がなされた場合に、第1確定表示時間の設定のやり直しを強いられ、処理負荷の増大を招くおそれがある。この点、本構成では、先特定の処理とその結果を判定する処理とが各別に行われ、後者の結果に基づいて第1確定表示時間を設定する構成とされている。このため、判定処理を第1確定表示時間の設定タイミングに合わせて実行することで、第1確定表示時間の一括設定が可能になり、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
先特定の結果が所定結果であったことが判定済みの状態である場合に、先特定の結果を判定する判定処理の実行を制限する構成とした。保留予告を複数回の遊技回に亘って行う構成では、進行中の遊技回がそれより前の遊技回から開始された保留予告の実行対象となっている場合がある。このような場合において、当該遊技回中に生じた先特定の結果に基づいて第1確定表示時間が設定されると、設定の変更や重複が生じるおそれがある。この点、本構成では、先特定の結果を判定する判定処理の実行を制限する構成とされているため、設定の変更や重複の発生を抑制することが可能になる。
大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報が先特定された場合に、第1確定表示時間の設定対象となる遊技回が、上記保留情報が対応する特定遊技回から遡って何番目の遊技回であるかを踏まえて、第1確定表示時間を設定する構成とした。
複数の保留情報を記憶可能としている都合上、保留情報の記憶数が多くなっている状況下で、大当たり又はリーチ発生に対応する保留情報が先特定されることが起こり得る。このような場合、先特定のタイミングから大きく遅れて特定遊技回が実行されることとなる。係る場合において、先特定の結果を直ちに遊技回の第1確定表示時間に反映させる構成であると、特定遊技回までの間に介在する他の遊技回の数が多くなる結果、当該第1確定表示時間にて行われる保留予告が、どの遊技回に対する示唆演出なのかを遊技者が把握しにくくなり、遊技者の混乱を招くおそれがある。また、保留予告を特定遊技回の直前まで複数回に亘って繰り返す構成では、保留情報の記憶数に依存して保留予告の実行回数が多くなり、遊技者が演出意図を誤解することも想定される。この点、本実施の形態によれば、保留予告の実行から特定遊技回が実行されるまでの間に介在する遊技回の数を調整可能となることに加え、保留情報の記憶数に依存して保留予告の繰り返し回数が多くなるといった不都合の発生も抑制される。その結果、特定遊技回の内容を示唆する示唆演出としての機能を好適に発揮可能となり、興趣性を向上させることができる。
第1確定表示時間の設定対象となる遊技回が特定遊技回から遡って何番目の遊技回であるかを把握する場合に、先特定に対応する保留情報が記憶されたときの共通保留数CRNに基づいて把握する構成とした。例えば、先特定された保留情報とともに後続する別の保留情報が記憶されていると(図23(b)参照)、当該後続の保留情報まで算定の対象に含まれ、遊技回の回数を適正に把握できないおそれがある。本構成によれば、かかる不都合が好適に抑制され、遊技回の回数を適正に把握することが可能になる。
第1確定表示時間を特殊時間に設定する処理を待機する待機回数(待機回数カウンタWC)を設定し、待機回数が設定されている場合は一義的に第1確定表示時間を通常時間に設定する構成とした。上記構成によれば、ひとたび待機回数が設定されれば、以後は待機回数を管理することで第1確定表示時間を設定することができる。このため、第1確定表示時間の設定タイミングの都度、共通保留数CRNと保留予告の回数とを比較したり、その結果に基づいて第1確定表示時間をどれに設定するかを判定したりする処理が不要となり、処理負荷を軽減することが可能になる。
先特定が行われた場合に、把握した共通保留数CRN及び保留予告の設定回数ANに基づいて、実際の実行回数(実行回数DN)を設定する構成とした。共通保留数CRNは都度で様々となるところ、本構成では、共通保留数CRNと設定回数ANとの大小関係に基づいて実行回数が設定される。このため、都度の共通保留数CRNの範囲内で第1確定表示時間を特殊時間とすることができ、適正に保留予告を行うことが可能になる。
保留情報の記憶数に基づいて第1確定表示時間を設定する構成とした。これにより、保留情報の記憶数と確定表示時間の長さとを相関させることが可能になる。その結果、保留情報の記憶数が多い場合は、確定表示時間を短くすることで次の遊技回の開始タイミングを早めることができ、効率的な遊技進行を促進することが可能になる。しかも、本実施の形態では、保留情報が記憶された場合に進行中の遊技回の確定表示時間を保留情報の記憶数に基づいて設定し得る構成となっている。このため、保留情報の記憶数の変化を速やかに確定表示時間に反映させることが可能になる。これにより、確定表示時間を短くする場合にあっては、次の遊技回を待ってから時間調整を図る構成に比べて、その応答性を高めることが可能になる。特に変動表示時間の時短化に先駆けて確定表示時間を時短化することが可能になり、一層効率的な遊技進行を促進することができる。
<第1の実施の形態の変形例1>
本変形例では、保留予告の実行時における図柄列Z1~Z3の停止表示態様が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例に係る保留予告について図31及び図32を参照しながら説明する。
保留予告は、その保留予告の対象となっている保留情報の遊技回(特定遊技回)が開始されるよりも前の遊技回における停止結果(停止図柄の組合せ)を利用して行われる。具体的には、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回の停止結果として、有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せを形成させずに、且つ、同一の図柄を全ての図柄列Z1~Z3において停止表示させることで、保留予告の対象となっている保留情報の内容を示唆する構成となっている。
例えば保留予告の対象となっている保留情報がいずれかの確変大当たり結果であれば、図31(a)に示すように、当該保留予告の対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回において、特定図柄の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の特定図柄を全ての図柄列Z1~Z3に停止表示させて当該遊技回を終了させる。なお、以下の説明においては、この停止態様を保留予告の停止態様ともいう。
この保留予告は、特定遊技回よりも前の遊技回において複数回の遊技回に亘って実行される。すなわち、図31(a)に示す遊技回の次の遊技回において、図31(b)に示すように、特定図柄による保留予告の停止態様にて当該遊技回を終了させる。そして、図31(c)に示すように、保留予告の対象となっている特定遊技回において、特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させて遊技回を終了させ、確変大当たり結果の発生が明示される。
図による説明は省略するが、保留予告の対象となっている保留情報が通常大当たり結果であれば、当該保留予告の対象となっている特定遊技回よりも前の遊技回において、非特定図柄による保留予告の停止態様にて当該遊技回を終了させる。その後、特定遊技回において、非特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させて遊技回を終了させ、通常大当たり結果の発生が明示される。このようにすることで、遊技者は、保留予告の内容(停止結果)から、特定遊技回においていずれの大当たり結果となるかを把握することが可能となる。
この保留予告は、いずれかの大当たり結果となる保留情報において所定の確率で実行されるとともに、通常外れ結果となる保留情報においても所定の確率で実行される。この場合、保留予告の対象となっている保留情報が通常外れ結果であるため、保留予告の対象となっている特定遊技回となると、特定図柄(非特定図柄)の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の特定図柄(非特定図柄)を全ての図柄列Z1~Z3に停止表示させずに当該遊技回を終了させる。
また、本変形例では、この保留予告に関して再変動演出が設定されている。再変動演出に際しては、先ず、保留予告の停止態様とは異なる停止態様で各図柄列Z1~Z3の図柄が一旦停止される。例えば、図32(a)に示すように、上段の図柄列Z1及び下段の図柄列Z3には同一の図柄(3の図柄)が存在するものの、中段の図柄列Z2にはそれが存在しない態様で停止表示される。
そして、図32(b)に示すように、各図柄列Z1~Z3が再び変動表示され、その後、保留予告の停止態様にて各図柄列Z1~Z3の図柄が停止表示される。この場合、例えば、図32(c)に示すように、全ての図柄列Z1~Z3に同一の特定図柄(7の図柄)が存在するように、各図柄列Z1~Z3の停止表示態様が設定される。なお、保留予告における再変動演出は、各図柄列Z1~Z3毎に異なる方向にも変動表示が可能となっている。
次に、本変形例において報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される各制御処理について説明する。
<変動表示制御処理>
図33は、本変形例における報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される変動表示制御処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、上記第1の実施の形態に係る図26の変動表示制御処理に代えて行われるものであり、ステップS2007の停止開始用処理の処理内容が変更されている点、及びステップS2009の停止表示中用処理が追加されている点で、上記図26の変動表示制御処理と異なっている。
変動表示制御処理では、先ずステップS2001にて、RAM244に設けられた各種フラグ格納エリア(不図示)に確定表示フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2001で否定判定した場合は、ステップS2002にて遊技回中であるか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS2003に進み、主制御装置81からの変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS2003にて否定判定した場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS2003で肯定判定した場合には、ステップS2004にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
また、ステップS2002にて肯定判定した場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS2005に進む。ステップS2005では主制御装置81からの第1停止表示用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ここで、本変形例においては、主制御装置81からの第1停止表示用コマンドの構成が上記第1の実施の形態の場合と異なっている。本変形例の第1停止表用コマンドの構成について図34の概略図を参照しながら説明する。
本変形例の第1停止表示用コマンドでは、第1確定表示時間の長さによって当該コマンドに含まれる情報の種類が相違するようになっている。具体的には、主制御装置81による停止開始時処理(図22)において、第1確定表示時間として特殊時間(1.5sec)が設定された場合は、第1停止表示用コマンドには少なくとも当該第1確定表示時間の長さに関する情報(1.5secであることを示す情報)が含まれている。
一方、第1確定表示時間として通常時間(0.2sec)又は時短用時間(0sec)が設定された場合は、第1停止表示用コマンドには、当該第1確定表示時間の長さに関する情報の他、少なくとも保留予告の実行の有無に関する情報と、保留予告の開始タイミングに関する情報とが含まれている。
保留予告の実行の有無に関する情報は、保留予告を実行すべきか否かを示す情報になるところ、当該情報が実行すべき内容である場合は、実質的には、保留予告を直ちに行うものではないが、次回以降のいずれかの遊技回にて実行すべき旨を示すものとなる。すなわち、主制御装置81において、保留予告を実行する旨を決定したとしても、把握した共通保留数CRNが保留予告の実行回数よりも多く、第1確定表示時間を特殊期間に設定する処理を待機する場合は、第1確定表示時間を通常時間又は時短用時間に設定した上で、保留予告を実行すべき旨の情報を第1停止表示用コマンドに含ませて出力する構成となっている。
一方、保留予告の開始タイミングに関する情報は、何回後の遊技回に保留予告を開始すべきかを示す情報であり、換言すれば、待機回数の情報を示すものである。本情報は、保留予告を実行すべき旨の情報と併せて第1停止表示用コマンドに設定される。
変動表示制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS2005で否定判定した場合は、ステップS2006にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS2005にて肯定判定した場合にはステップS2007に進み、確定表示を開始するための停止開始用処理を実行する。ここで、停止開始用処理について図35のフローチャートを参照して説明する。
<停止開始用処理>
停止開始用処理では、先ずステップS2101にて、主制御装置81からの第1停止表示用コマンドに基づいて第1確定表示時間の長さを把握する。続くステップS2102では、把握した第1確定表示時間が1.5sec、すなわち保留予告用の特殊時間であるか否かを判定する。第1確定表示時間が特殊時間であった場合は、ステップS2103にてRAM244に保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグは、主制御装置81から保留予告を実行すべき旨の情報を受信済みであることを示すものである。
ステップS2103にて否定判定した場合、すなわち、保留予告を実行すべき旨の情報を未受信の状況下で、第1確定表示時間が保留予告用の特殊期間であることを示す情報を受信した場合は、停止表示の開始タイミングにて初めて保留予告を実行すべき旨の指示を主制御装置81から受けたことを意味する。この場合は、ステップS2104にて、図柄列Z1~Z3を再変動させるための再変動用処理を実行する。ここで、図36のフローチャートを参照して再変動用処理について説明する。
再変動用処理では、先ずステップS2201にて、主制御装置81からの保留コマンド(図11のステップS306)に基づいて保留情報に対する先特定の特定結果を把握する。具体的には、主制御装置81から受信している保留コマンドを参照し、当該保留コマンドが大当たりに対応するものであるか、リーチ発生に対応するものであるか、大当たりに対応するものである場合は、確変大当たり又は通常大当たりのいずれに対応するものであるかを把握する。
続くステップS2202では、上記ステップS2201における把握処理の結果、保留コマンドが確変大当たりに対応するものがあるか否かを判定する。ステップS2202で肯定判定した場合は、ステップS2203にて、確変大当たり結果に対応する予告用図柄の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、確変大当たり結果に対応する予告用図柄として、特定図柄(奇数が付された主図柄)を予告用図柄として把握する。その後、把握した予告用図柄の表示画面41a上での並び態様、すなわち、各図柄列Z1~Z3の停止結果を保留予告用の停止結果テーブルに基づいて決定する。
ここで、保留予告用の停止結果テーブルについて、図37を参照して説明する。なお、図37(a)には、予告対応図柄に付される数字が「7」である場合の中ラインL2における停止結果テーブルを例示している。当該テーブルでは、各図柄列Z1~Z3において主図柄と主図柄との間に配置される副図柄を、左右の主図柄に付される数字の中間の数字を用いて便宜的に示している。また、図37(b)には、表示画面41aにおける停止結果の具体例としてアドレス情報D(1)の停止結果を簡易化して示している。
保留予告用の停止結果テーブルでは、有効ラインL1~L5に停止させる図柄組合せによって、全ての図柄列Z1~Z3に同一の主図柄を停止させる停止結果が複数設定されており、それぞれその停止結果の情報がアドレス情報として記憶されている。この場合、いずれの有効ラインL1~L5においても同一の主図柄が揃って停止することはなく、且ついずれの有効ラインL1~L5においても上図柄列Z1と下図柄列Z3にて同一の主図柄によってリーチラインが形成されることがないように設定されている。例えばアドレス情報D(1)が選択され、中ラインL2の上段と右ラインL3の中段及び下段とに予告対応図柄(7)を停止させる場合には、中ラインL2上には上から、「7」が付された主図柄、「6」と「7」の間の副図柄、「6」と「7」の間の副図柄、の順で停止させる図柄組合せが設定されている。
保留予告の停止結果の種類としては、同一の主図柄を全ての図柄列Z1~Z3に停止させる全種類(3×3×3=27)から、有効ラインL1~L5において同一の主図柄が揃って停止する大当たり結果に対応する図柄組合せ(5)と、リーチ外れとなる図柄組合せ(5ライン×2種類)と、を除いた数となっており、具体的には27-5-10=12種類となっている。
再変動用処理(図36)の説明に戻り、ステップS2202で否定判定した場合は、ステップS2204にて、保留コマンドが通常大当たりに対応するものがあるか否かを判定する。ステップSS2204で肯定判定した場合は、ステップS2205にて、通常大当たり結果に対応する予告用図柄の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、通常大当たり結果に対応する予告用図柄として、非特定図柄(偶数が付された主図柄)を予告用図柄として把握した後、上記保留予告用の停止結果テーブルに基づいて各図柄列Z1~Z3の停止結果を決定する。
一方、ステップS2204にて否定判定した場合は、ステップS2206に進み、外れリーチ結果に対応する予告用図柄の停止結果決定処理を実行する。かかる処理では、先ず、受信している外れリーチ対応保留コマンドに基づいて、かかる保留コマンドの契機となった保留情報の遊技回(特定遊技回)においてリーチ表示を実行する際にリーチラインを形成する図柄を特定する。そして、このリーチラインを形成する図柄が特定図柄であれば外れリーチに対応する予告用図柄を特定図柄として決定し、リーチラインを形成する図柄が非特定図柄であれば外れリーチに対応する予告用図柄を非特定図柄として決定する。その後、上記保留予告用の停止結果テーブルに基づいて各図柄列Z1~Z3の停止結果を決定する。
ステップS2203,S2205,S2206の実行後は、ステップS2207にて、それらの各処理で決定した停止結果のアドレス情報をRAM244に設けられた停止結果アドレス記憶エリア(不図示)に記憶する。その後、ステップS2208,S2209の各ステップにて、RAM244に再変動フラグ及び予告実行中フラグをセットし、本再変動用処理を終了する。再変動フラグは、第1確定表示中に図柄列Z1~Z3を再変動すべきことを示すフラグであり、予告実行中フラグは、保留予告の実行中であることを示すフラグである。
停止開始用処理(図35)の説明に戻り、ステップS2104の再変動用処理の実行後は、ステップS2105にてRAM244に保留予告フラグを格納する。この保留予告フラグは、既に説明したように、主制御装置81から保留予告を実行すべき旨の情報を受信済みであることを示すものである。なお、第1確定表示時間が特殊時間である場合、第1停止表示用コマンドに保留予告を実行すべき旨の情報が含まれない可能性があるが、この場合でも第1確定表示時間が特殊時間であることに基づいて保留予告を実行すべき旨を把握することができる。
続くステップS2106では、保留予告設演出の設定処理を実行する。本設定処理が実行された場合は、泡画像を出現させる予告表示演出(図18参照)が表示画面41aにて実行されるように設定される。
一方、ステップS2102で否定判定した場合、すなわち、第1停止表示用コマンドに基づいて把握した第1確定表示時間が通常時間(0.2sec)又は時短用時間(0sec)であった場合は、ステップS2107にて、主制御装置81からの第1停止表示用コマンドに保留予告を実行すべき旨の情報(図34参照)が含まれているか否かを判定する。当該情報が含まれていた場合は、ステップS2108にてRAM244に保留予告フラグを格納する。
ステップS2106,S2108の実行後、又はステップS2107で否定判定した場合は、ステップS2109にて確定表示開始処理を実行し、その後、本停止開始用処理を終了する。ステップS2109では、第1確定表示時間の長さに関する情報が含まれる第1確定表示コマンドを表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPUでは、その受信した第1確定表示コマンドに基づき、図柄列Z1~Z3の図柄及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの確定表示を開始するように、図柄表示装置41を制御する。なお、ステップS2104の再変動用処理が実行されている場合は、上記ステップS2109に基づく図柄列Z1~Z3の確定表示の後に再変動を実行することになる。
また、ステップS2106の保留予告演出の設定処理が実行されている場合は、保留予告を実行すべき旨の情報が第1確定表示コマンドに含まれる。この場合、表示制御装置212のMPUでは、第1確定表示時間において保留予告を実行するように、図柄表示装置41を制御する。
変動表示制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS2007の停止開始用処理を実行した後は、続くステップS2008にて、RAM244の各種フラグ格納エリアに確定表示フラグをセットし、その後、本変動表示制御処理を終了する。
一方、ステップS2001にて肯定判定した場合、すなわち、RAM244の各種フラグ格納エリアに確定表示フラグが格納されている場合は、ステップS2009に進み、第1確定表示中における図柄列Z1~Z3の表示態様を制御するための停止表示中用処理を実行する。ここで、図38のフローチャートを参照して停止表示中用処理について説明する。
<停止表示中用処理>
停止表示中用処理では、先ずステップS2301にてRAM244に再変動フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2301で肯定判定した場合は、ステップS2302にて再変動の開始タイミングであるか否かを判定する。この再変動の開始タイミングは予め定められたものであり、第1確定表示の開始から所定時間(例えば0.2sec)が経過した後に再変動を開始するように設定されている。
ステップS2302で肯定判定した場合は、ステップS2303にて、再変動を開始させるための再変動コマンドを表示制御装置212に出力する処理を実行する。表示制御装置212では、再変動コマンドを受信することに基づいて、図柄列Z1~Z3の再変動を開始させるように図柄表示装置41を制御する。
ここで、再変動の実行期間は予め定められたものとなっており、本変形例では例えば0.8secに設定されている。このため、第1確定表示の開始前における仮停止の期間も含めると、表示画面41aでは、図柄列Z1~Z3の図柄が一旦停止表示され、その状態が0.2sec+α(αは第1確定表示の開始前における仮停止の期間)に亘って維持された後、図柄列Z1~Z3の再変動が開始され、その0.8sec後に全ての図柄列Z1~Z3が再停止表示されることになる。その際、再停止表示にあたっては、各図柄列Z1~Z3が同時に停止表示されるように制御される。
ステップS2303の実行後は、ステップS2304にてRAM244に格納された再変動フラグを消去し、その後、本停止表示中用処理を終了する。また、ステップS2301,S2302で否定判定した場合は、そのまま本停止表示中用処理を終了する。
変動表示制御処理(図33)の説明に戻り、ステップS2009の停止表示中用処理を実行した後は、ステップS2010にて、主制御装置81からの第2停止表示用コマンドを受信しているか否かを判定する。第2停止表示用コマンドを受信している場合は、ステップS2011にて確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了処理では、第2停止表示用コマンドに基づいて第2確定表示時間の長さ(0.5sec)を把握し、当該長さに関する情報を含む第2確定表示コマンドを表示制御装置212へ出力する処理を行う。これにより、表示制御装置212のMPUでは、その受信した第2確定表示コマンドに基づき、図柄列Z1~Z3の図柄及び特殊表示領域OEにおける表示部KPの確定表示を0.5sec後に終了させるように、図柄表示装置41を制御する。
<完全外れ用の停止結果決定処理>
次に、図39のフローチャートを参照して完全外れ用の停止結果決定処理について説明する。この処理は、変動開始時に実行されるものであり、具体的には変動開始用処理(図27)のステップS1508にて実行されるものである。
完全外れ用の停止結果決定処理では、先ずステップS2401にて、RAM244の各種フラグ格納エリアに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。この保留予告フラグは、停止開始用処理(図35)のステップS2105,S2108にて格納されるものである。つまり、本変形例では、主制御装置81からの保留予告を実行すべき旨の指示を一律に確定表示の開始時に受けるように構成されている。
ステップS2401で肯定判定した場合は、ステップS2402にて、RAM244の各種フラグ格納エリアに予告実行中フラグが格納されているか否かを判定する。この予告実行中フラグは、既に説明したように保留予告の実行中であることを示すものである。
ステップS2402で否定判定した場合は、ステップS2403にて、保留予告の開始タイミングであるか否か、詳しくは、保留予告を実行し始める遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。この判定処理は、主制御装置81からの第1停止表示用コマンドに含まれる保留予告の開始タイミングに関する情報(図34参照)に基づいて行われる。保留予告を実行し始める遊技回の開始タイミングであった場合は、続くステップS2404にてRAM244の各種フラグ格納エリアに予告実行中フラグをセットする。
ステップS2404の実行後又はステップS2402で肯定判定した場合は、ステップS2405にて予告用図柄の停止結果決定処理を実行する。当該停止結果決定処理は、上記再変動用処理(図36)におけるステップS2201~S2206と同様のものである。すなわち、主制御装置81からの保留コマンドに基づいて、先特定の対象となった保留情報が大当たり結果又は外れリーチ結果に対応するものであるか否か、大当たり結果に対応するものである場合は確変大当たりに対応するものであるか否かを判定し、その判定結果に基づいて予告用図柄を把握する。そして、把握した予告用図柄の表示画面41a上での表示態様が保留予告の停止態様となるように、各図柄列Z1~Z3の停止結果を決定する。
一方、ステップS2401,S2403で否定判定した場合は、ステップS2406の停止結果決定処理を実行する。本ステップの停止結果決定処理は、各図柄列Z1~Z3の停止態様を、保留予告の停止態様とはならないように、且つ、外れ結果であることを示す態様に設定するためのものである。具体的には、いずれの有効ラインにおいても大当たり結果又は外れリーチ結果に対応する図柄組合せが形成されず、且つ、全ての図柄列Z1~Z3に同一図柄が停止表示されることがないように、各図柄列Z1~Z3の停止結果を決定する。
ステップS2405,S2406の実行後は、ステップS2407にて、それらの各処理で決定した停止結果のアドレス情報をRAM244に設けられた停止結果アドレス記憶エリアに記憶し、その後、本完全外れ用の停止結果決定処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、保留予告が実行される場合の遊技の流れについて、図40及び図41を参照しながら説明する。本変形例では、上記第1の実施の形態の場合と同様、確定表示が開始されるときの共通保留数CRNによって、遊技の流れが相違するものとなっている。以下においては、共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合と、共通保留数CRNが設定回数ANの数よりも大きい場合とを分けて説明する。なお、以下の説明では、特殊保留情報以外の保留情報については、いずれも通常外れ結果(リーチ非発生の外れ結果)に対応するものであるとする。
<共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合について>
図40のタイミングチャートを参照しながら共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数以下である場合について説明する。ここでは、共通保留数CRNと設定回数ANの数とが同一である場合を例にとって説明する。なお、以下の説明においては、上記第1の実施の形態に係る図29,図30の場合と同様の部分については説明を省略又は簡略化する。
タイミングt31においてメイン表示部43にて変動表示が開始されると、それと併せて表示画面41aにおける図柄列Z1~Z3及び表示部KPの変動表示も開始される。そして、当該変動表示の終了間際であるタイミングt32にて上作動口33a又は下作動口33bへの入賞が発生し、その保留情報がリーチ発生に対応していたとすると、当該入賞が発生したタイミングにおいて、主制御装置81における保留予告用の確認処理により特殊保留情報であることが先特定される。その直後のタイミングt33において変動表示時間が経過し、確定表示の開始タイミングとなると、特殊保留情報が先特定されたか否かの判定処理が主制御装置81にて実行される。
保留予告の設定回数ANが2回となっているところ、本ケースでは、確定表示が開始されるときの共通保留数CRNが2となっている(図40(b)参照)。この場合、主制御装置81では、直ちに保留予告を実行すべく、第1確定表示時間が特殊期間(1.5sec)に設定される。そして、その旨の第1停止表示用コマンドが報知・演出制御装置82に送信されるとともに、メイン表示部43の絵柄が停止表示される。
報知・演出制御装置82では、第1停止表示用コマンドの受信に伴い保留予告を実行すべきことが把握され、RAM244に保留予告フラグがセットされる(図40(d)参照)。このとき、主制御装置81から事前に指示を受けていない状態で、第1停止表示用コマンドにより初めて保留予告を実行すべき旨を把握することから、図柄列Z1~Z3の再変動を交えて直ちに保留予告を実行すべき旨が判定され、RAM244に再変動フラグ及び予告実行中フラグがセットされる(図40(e),(f)参照)。その際、再変動後における図柄列Z1~Z3の停止表示態様として保留予告の停止態様が設定される。
このように、本変形例では、保留予告を実行するか否かは主制御装置81が決定する構成の下、図柄列Z1~Z3の再変動を実行するか否かは報知・演出制御装置82が決定する構成となっている。これにより、主制御装置81が再変動の有無まで踏まえた判断を行う必要がなくなり、主制御装置81側の制御プログラムの簡単化や処理負荷の軽減を図ることが可能になる。なお、再変動の有無決定は表示制御装置212が行ってもよい。
また、タイミングt33では、報知・演出制御装置82から表示制御装置212に第1確定表示コマンドが送信され、図柄列Z1~Z3及び表示部KPが停止表示される。このときの図柄列Z1~Z3の停止表示態様は、保留予告の実行を踏まえない態様、すなわち、タイミングt31の変動開始時に設定した通常通りの完全外れの停止態様となる(図40(g2)参照)。
タイミングt33から所定時間(0.2sec)が経過したタイミングt34では、図柄列Z1~Z3の再変動が開始される(図40(g3)参照)。また、再変動の開始に伴いRAM244に格納された再変動フラグが消去される(図40(e)参照)。このとき、メイン表示部43及び表示画面41aの表示部KPは停止表示された状態が維持される。そして、再変動の開始からその実行期間(0.8sec)が経過したタイミングt35では、図柄列Z1~Z3が保留予告の停止態様で再び停止表示される(図40(g4)参照)。このときの停止表示態様は、タイミングt33における確定表示の開示時に設定されたものとなる。
再変動が終了した後のタイミングt36では、第1確定表示時間の残り時間(0.5sec)において、泡画像を出現させる予告表示演出が実行される(図40(g5)参照)。保留予告の終了後、タイミングt37において第1確定表示時間が経過すると、主制御装置81にて第2確定表示時間が0.5secに設定され(図40(c)参照)、その旨の第2停止表示用コマンドが報知・演出制御装置82に送信される。その結果、メイン表示部43等にて実行されている確定表示が引き続き0.5sec間に亘って継続される。そして、タイミングt38において第2確定表示時間が経過すると、メイン表示部43等での各確定表示が終了される。
また、タイミングt38では、確定表示の終了に伴い次の遊技回の変動表示が開始される(図40(c)参照)。この際、報知・演出制御装置82では、上記完全外れ用の停止結果決定処理(図39)が実行されるところ、RAM244に保留予告フラグ及び予告実行中フラグが格納されていることから、図柄列Z1~Z3の停止表示態様が保留予告用の停止態様となるように設定される(図39のステップS2401,S2402,S2405参照)。
そして、当該変動表示が終了するタイミングt39では、その遊技回の第1確定表示時間が設定される。この場合の遊技回は特定遊技回から見て直前の遊技回となるため、タイミングt39では、当該遊技回を保留予告の実行対象とすべく、第1確定表示時間が特殊時間(1.5sec)に設定される(図40(c)参照)。
また、タイミングt39では、主制御装置81によりメイン表示部43が確定表示されるとともに、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212によって図柄列Z1~Z3及び表示部KPが確定表示される。このときの図柄列Z1~Z3の停止表示態様は、タイミングt38における直前遊技回の変動開始時に設定された保留予告用の停止態様となる(図40(g7)参照)。つまり、直前遊技回の確定表示においては図柄列Z1~Z3の再変動演出が行われない。
その後は、上記第1の実施の形態における図29の場合と同様、泡画像を出現させる保留予告が実行された後(図40(g8)参照)、保留予告の対象となっている特定遊技回が実行される(図40(c)参照)。
<共通保留数CRNが設定回数ANの数よりも大きい場合について>
次に、図41のタイミングチャートを参照しながら共通保留数CRNが保留予告の設定回数ANの数より大きい場合について説明する。なお、以下の説明においては、図40の場合と同様の部分については説明を省略又は簡略化する。
タイミングt41にて開始された変動表示の終了間際であるタイミングt42にて上作動口33a又は下作動口33bへの入賞が発生し、その保留情報がリーチ発生に対応していたとすると、当該入賞が発生したタイミングにおいて、主制御装置81における保留予告用の確認処理により特殊保留情報であることが特定される。そして、タイミングt43において上記変動表示時間が経過すると、特殊保留情報が先特定されたか否かの判定処理が主制御装置81にて実行される。
また、タイミングt43では、主制御装置81により第1確定表示時間が設定される。本ケースでは、確定表示が開始されるときの共通保留数CRNが3となっており(図41(b)参照)、確定表示時間の設定対象である遊技回(進行中の遊技回)が、先特定された保留情報に対応する特定遊技回から見て3つ前の遊技回となっている。このため、第1確定表示時間は、進行中の遊技回が保留予告の対象外となるように時短用時間(0sec)に設定される。
さらに、タイミングt43では、上記判定処理及び第1確定表示時間の設定結果を踏まえ、第1確定表示時間を時短用時間とする旨の情報、保留予告を実行すべき旨の情報、次の遊技回から保留予告を開始すべき旨の情報が含まれた第1停止表示用コマンドが主制御装置81から出力される。その結果、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212によって図柄列Z1~Z3及び表示部KPが確定表示され、報知・演出制御装置82ではRAM244に保留予告フラグがセットされる(図41(d)参照)。このときの図柄列Z1~Z3の停止表示態様は、タイミングt41の変動開始時に設定された停止態様となり、具体的には保留予告の停止態様とは異なる完全外れの停止態様となる。
タイミングt44において第2確定表示時間(0.5sec)が経過すると、メイン表示部43等での各確定表示が終了されるとともに、次の遊技回の変動表示が開始される。このとき、報知・演出制御装置82では、RAM244に保留予告フラグが格納されていること、及び、本遊技回が保留予告を開始すべき遊技回として指定されていることに基づいて、図柄列Z1~Z3の停止表示態様が保留予告の停止態様に設定される。さらに、報知・演出制御装置82ではRAM244に予告実行中フラグが設定される(図41(e)参照)。
そして、タイミングt45において変動表示時間が経過すると、主制御装置81にて第1確定表示時間が設定される。この場合における遊技回は特定遊技回から見て2つ前の遊技回となっているため、第1確定表示時間は保留予告用の特殊時間(1.5sec)に設定される(図41(c)参照)。そして、第1確定表示時間を特殊時間とする旨の情報が含まれた第1停止表示用コマンドが主制御装置81から出力される。その結果、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212によって図柄列Z1~Z3及び表示部KPが確定表示される。このときの図柄列Z1~Z3の停止表示態様は、タイミングt44の変動開始時に設定された保留予告の停止態様となる(図41(f1)参照)。つまり、変動表示の開始時点において報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が保留予告を実行すべき旨を把握している場合は、図柄列Z1~Z3の再変動を伴わずに保留予告が実行される。
以後は、図40の場合と同様に、直前遊技回の第1確定表示時間が特殊時間(1.5sec)に設定された上で、当該第1確定表示時間を利用して保留予告が実行され(図41(c),(f4),(f5)参照)、その後、保留予告の対象となっている特定遊技回が実行される(図41(c)参照)。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
図柄列Z1~Z3の停止結果(停止図柄の組合せ)を用いて保留予告を行う構成とした。図柄列Z1~Z3は当否判定の結果に対応した停止結果で停止表示されることから、高い関心を寄せて遊技者が注視していることが想定される。このため、上記構成とすることで、遊技者が保留予告に気付き易くなり、後続の遊技回への期待感を好適に高めることが可能になる。しかも、遊技回の途中で行われた先特定の結果に基づいて図柄列Z1~Z3の停止結果を変更可能とし、当該先特定の結果を速やかに反映させられる構成とした。このため、先特定の対象となっている遊技回が、進行中の遊技回の次の遊技回である場合にも、図柄列Z1~Z3による保留予告を実行することができ、当該演出の実行機会を拡充可能となる。
加えて、本変形例によれば、変動開始時の設定結果(図27のステップS1508)で図柄列Z1~Z3を一旦停止表示させてから停止結果を変更する構成とした。このため、遊技回中の先特定の結果に基づいて停止結果を急きょ変更する構成でありながらも、遊技者の違和感や不信感の誘発を抑制することが可能になる。例えば、図柄列Z1~Z3の低速変動表示中(図25(c)参照)や図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが停止表示済みである場合は、遊技者が表示画面41a上の図柄を識別可能な状況にある。係る状況において先特定が行われた場合に直ちに図柄変更の処理を行う構成であると、低速変動表示中の図柄や停止表示済みの図柄のすり替えを要し、遊技者の違和感や不信感を招きかねない。この点、本変形例では、変動開始時の設定結果で図柄列Z1~Z3が停止表示されるのを待ってから、再変動を交えて停止結果を変更する構成とされている。この場合、停止結果の変更前における図柄列Z1~Z3の変動表示が不自然化することが抑制され、自然な流れの中で停止結果を変更可能となる。
但し、遊技回の開始時点では未予定の再変動を変動表示に後続させる形で中途追加することから、図柄列Z1~Z3の最終的な停止表示が先送りされ、そのための時間確保が問題となる。この点、本変形例では、保留予告を行う場合に第1確定表示時間を長くし、その期間を活用して再変動を行う構成とされている。これにより、再変動のための適正な時間確保が可能となり、再変動の途中で遊技回が終了してしまったり、変更後の停止結果の表示期間が確保されなくなるなどの不都合が好適に抑制される。しかも、第1確定表示時間の設定タイミングを変動表示時間の設定タイミングと分離設定し、確定表示の開始タイミングに合わせて第1確定表示時間を設定する構成とされている。これにより、変動表示の開始後の先特定に対して柔軟に確定表示時間を変更可能となり、再変動を中途追加的に行う上で最適な構成とすることができる。
また、停止表示された図柄列Z1~Z3を再変動させてから停止結果を変更する構成とすることで、次の効果も期待される。例えば停止結果を瞬時に変更すると、上で述べた通り違和感や不信感を招くおそれがある他、遊技者が変更に気付かない可能性もある。この点、本構成によれば、再変動表示が介在することで停止結果の変更に気付き易くなり、図柄列Z1~Z3の変更による保留予告の意義を好適に担保できる。さらに、どの停止結果に変更されるのかを推測する楽しみを付加することもでき、興趣性が向上する。
確定表示の開始から所定時間(0.2sec)が経過した後に図柄列Z1~Z3を再変動表示させる構成とした。本構成によれば、再変動表示前の停止結果の確認を容易化することができる。加えて、再変動表示がなされたことを認識し易くなり、遊技者の演出理解を促進することが可能になる。しかも、再変動表示の前に時間的な溜めを設けることで、再変動することへの期待感を煽ることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、上記変形例においては、図柄列Z1~Z3を保留予告の停止態様で停止表示させるとともに、泡画像を出現させる予告表示演出を行う構成としたが、係る予告表示演出を実行しない構成としてもよい。
<第1の実施の形態の変形例2>
本変形例では、保留予告の実行態様が上記第1の実施の形態と異なっており、具体的には、先特定の結果に基づいて変動表示時間及び確定表示時間の両方を設定する点で上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例に係る保留予告について図42を参照しながら説明する。
本変形例に係る保留予告では、図42(b)に示すように、未だ当否判定の対象となっていない保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応するものであることが特定された場合に、メイン表示部43、図柄列Z1~Z3及び表示部KPにおける変動表示の変動表示時間が通常よりも短い保留予告用の特殊時間(1.0sec)に設定される。また、確定表示の確定表示時間については、上記第1の実施の形態の場合と同様に、第1確定表示時間が保留予告用の特殊時間(1.5sec)とされることによって、通常よりも長い2.0secとされる。そして、図42(c)に示すように、保留予告が行われる場合の図柄列Z1~Z3の停止表示態様は、上記変形例1の場合と同様、保留予告の停止態様とされ、さらに、確定表示中には、表示画面41a上に泡画像を出現させる予告表示演出が表示される。
上記構成によれば、保留予告を実行する場合に変動表示時間を短くしつつ確定表示時間を長くするため、1回の遊技回において確定表示が占める割合を、保留予告を実行しない通常時よりも増大させることができる。これにより、確定表示の存在感を増強させ、確定表示時間を利用して行われる保留予告(図柄列Z1~Z3の停止表示結果及び泡画像による予告表示演出)への注目度を高めることが可能になる。
また、上記構成では、保留予告を実行する場合に確定表示時間を変動表示時間よりも長くする構成とされている。図42(a)に示すように、通常、確定表示時間は変動表示時間に比べて極めて短い時間とされているところ、確定表示時間と変動表示時間との長短関係を逆転させる極端な変更を加えることで、遊技者に対して大きな違和感を与えることができる。これにより、遊技者が保留予告に気付き易くなり、後続の遊技回に対する期待感を好適に高めることが可能になる。
加えて、変動表示時間を確定表示時間よりも短くする構成では、変動表示時間において実行可能な演出表示の数や種類が通常時に比べて大きく制限されることになる。その結果、変動表示中に行われる演出表示が限定的なものとなり、その分、確定表示中に行われる保留予告を引き立てることが可能になる。
さらに、上記構成では、保留予告を実行する場合の1遊技回に係る遊技時間(変動表示時間と確定表示時間とを合計したトータル時間)を、保留予告を実行しない場合よりも短くする構成とされている。保留予告が実行される場合、遊技者の関心は保留予告の対象となっている特定遊技回に向き易くなることが想定されるところ、上記構成とされていることで、特定遊技回までの所要期間を短縮化することができる。これにより、遊技者がいち早く特定遊技回を遊技することが可能となり、遊技者のニーズに適った構成とすることができる。
次に、本変形例において、主制御装置81のMPU202にて実行される各制御処理について説明する。
本変形例では、先特定の結果に基づいて変動表示時間及び確定表示時間の両方を設定する構成とされているところ、それら各時間を設定可能なタイミングとして、少なくとも2つのタイミングを有するものとなっている。具体的には、変動表示時間を設定するための変動開始時と、確定表示時間を設定するための確定表示の開始時とである。この点に鑑み、本変形例では、保留予告用の確認処理(図11のステップS305)によって特殊保留情報が特定されたか否かの判定処理を、確定表示の開示時だけでなく、変動開始時にも実行する構成とされている。そして、いずれかの判定処理にて、特殊保留情報が特定されたことを判定した場合は、変動表示及び確定表示に関する各保留予告用の設定(特殊時間の実行回数や特殊時間とするまでの待機回数の設定)を一括して行う構成とされている。以下、上記構成を実現するための具体的な制御処理について詳細に説明する。
<停止開始時処理>
図43は、主制御装置81のMPU202にて実行される停止開始時処理を示すフローチャートである。この処理は、図22の停止開始時処理に代えて実行されるものである。
本変形例の停止開始時処理では、先ずステップS2501にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に停止側特殊設定中フラグF2が格納されているか否かを判定する。停止側特殊設定中フラグF2は、第1確定表示時間を保留予告用の特殊時間(1.5sec)に設定した場合にセットされるものである。
ステップS2501で否定判定した場合は、ステップS2502にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に変動側特殊設定用フラグF3が格納されているか否かを判定する。変動側特殊設定用フラグF3は、変動表示時間を特殊時間(1.0sec)に設定すべき場合にセットされるものである。
ステップS2502で否定判定した場合は、ステップS2503にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に停止側特殊設定用フラグF1が格納されているか否かを判定する。停止側特殊設定用フラグF1は、第1確定表示時間を特殊時間に設定すべき場合にセットされるものである。
ステップS2503で否定判定した場合は、ステップS2504にて、保留球格納エリア232に記憶された後続の保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応するものであるか否か、すなわち、保留予告用の確認処理によって特殊保留情報が特定されたか否かを判定する。ステップS2504で肯定判定した場合は、ステップS2505に進み、停止側特殊期間設定の実行回数DN1を把握する処理を実行する。実行回数DN1は、第1確定表示時間を特殊時間に設定する回数を示すものである。ここで、図44(a)のフローチャートを参照して上記実行回数DN1の把握処理について説明する。
<停止側特殊期間設定の実行回数DN1の把握処理>
実行回数DN1の把握処理では、先ずステップS2601にて、保留数記憶領域FEに記憶された共通保留数CRNを読み出し、共通保留数CRNを把握する。続くステップS2602にて、共通保留数CRNと、保留予告の実行回数として予め設定されている設定回数AN(2回)とを比較し、共通保留数CRNが設定回数AN以上であるか否かを判定する。ステップS2602で肯定判定した場合は、ステップS2603にて、設定回数ANをそのまま実行回数DN1として設定する。一方、ステップS2602で否定判定した場合は、ステップS2604にて、共通保留数CRNを実行回数DN1として設定する。ステップS2603,S2604の実行後は本実行回数DN1の把握処理を終了する。
停止開始時処理(図43)の説明に戻り、ステップS2505の実行後はステップS2506~S2508の処理を実行する。これらの処理は、図22の停止開始時処理のステップS1205~S1209と同様のものである。ステップS2508で肯定判定した場合、すなわち、保留予告の可否抽選に当選した場合は、ステップS2509にて停止側及び変動側の保留予告用設定処理を実行する。本処理は、変動表示用及び確定表示用の各保留予告用の設定を行うためのものである。ここで、図44(b)のフローチャートを参照して上記保留予告用設定処理について説明する。
<停止側及び変動側の保留予告用設定処理>
停止側及び変動側の保留予告用設定処理では、先ずステップS2701にて、上記実行回数DN1の把握処理(図44(a))にて把握した実行回数DN1を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた実行回数カウンタ用エリアに実行回数カウンタDC1としてセットする。実行回数カウンタDC1は、第1確定表示時間を特殊時間に設定した実行回数をカウントするためのカウンタである。
続くステップS2702では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機回数カウンタ用エリアに待機回数カウンタWC1をセットする。本ステップでは、共通保留数CRNから実行回数DN1を減算した減算値を待機回数カウンタWC1の値としてセットする。待機回数カウンタWC1は、第1確定表示時間を特殊時間に設定する処理を待機する遊技回の回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS2702の実行後は、ステップS2703~S2707にて変動表示用の設定処理を行う。当該設定処理では、先ずステップS2703にて、共通保留数CRNから1を減算した減算値が設定回数AN(2回)以上であるか否かを判定する。ステップS2703で肯定判定した場合は、ステップS2704にて設定回数ANをそのまま実行回数DN2として設定する。実行回数DN2は、変動表示時間を特殊時間に設定する回数を示すものである。一方。ステップS2703で否定判定した場合は、ステップS2705にて共通保留数CRNから1を減算した減算値を実行回数DN2として設定する。
ステップS2704,S2705の実行後は、ステップS2706にて、ステップS2704,S2705で設定した実行回数DN2を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた実行回数カウンタ用エリアに実行回数カウンタDC2としてセットする。実行回数カウンタDC2は、変動表示時間を特殊時間に設定した実行回数をカウントするためのカウンタである。
続くステップS2707では、共通保留数CRN-1から実行回数DN2を減算した減算値を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機回数カウンタ用エリアに待機回数カウンタWC2としてセットし、本保留予告用設定処理を終了する。待機回数カウンタWC2は、変動表示時間を特殊時間に設定する処理を待機する遊技回の回数をカウントするためのカウンタである。
ここで、上記ステップS2703~S2707において共通保留数CRNから1を減算した減算値を実行回数や待機回数の設定時の基準値とするのは、図43のステップS2504,S2505の処理が、図45(a)に示すように、大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が変動表示中に記憶された場合を前提とされているためである。
すなわち、タイミングt51にて大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が記憶された場合、第1確定表示時間を特殊時間に設定可能となるのは、その直後の確定表示321の開始タイミングであるタイミングt52からとなるが、変動表示時間を特殊時間に設定可能となるのはその次の変動表示322が開始されるタイミングt53からとなる。この場合、タイミングt53の共通保留数CRNの数はタイミングt52のそれに対して1だけ少なくなることから、共通保留数CRNから1を減算した減算値を基準値としている。
このため、例えば、図45(b)に示すように、タイミングt52における共通保留数CRNが1であり、タイミングt51で先特定された保留情報に対応する特定遊技回がタイミングt53から実行される場合は、第1確定表示時間用の実行回数DN1として1回が設定され、変動表示時間用の実行回数DN2として0回が設定される。
また、例えば、図45(c)に示すように、タイミングt52における共通保留数CRNが4であり、タイミングt51で先特定された保留情報に対応する特定遊技回が待機期間を経た後のタイミングt54から実行される場合は、第1確定表示時間用の待機回数WC1として3回が設定され、変動表示時間用の待機回数WC2として2回が設定される。なお、この場合における各実行回数DN1,DN2は、タイミングt52における共通保留数CRN及び共通保留数CRN-1のいずれもが設定回数AN(2)よりも大きいことから、それぞれ2回が設定される。
停止開始時処理(図43)の説明に戻り、ステップS2509の実行後は、ステップS2510にてRAM204の各種フラグ確定エリアに停止側特殊設定用フラグF1をセットする。続くステップS2511では、待機回数カウンタWC1の値が0であるか否かを判定する。ステップS2511で肯定判定した場合は、ステップS2512にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に停止側特殊設定中フラグF2をセットする。
続くステップS2513では第1確定表示時間を特殊時間としての1.5secに設定し、その後、ステップS2514にて実行回数カウンタDC1を1ディクリメントして更新する。一方、ステップS2511にて否定判定した場合は、ステップS2515にて待機回数カウンタWC1を1ディクリメントして更新した後、ステップS2516~S2518の処理を実行する。これらステップS2516~S2518の処理は、図22の停止開始時処理のステップS1216~S1218と同様のものである。ステップS2514,S2517,S2518の実行後は、ステップS2519にて、メイン表示部43の作動口用表示部において絵柄の確定表示(第1確定表示)を開始させ、本停止開始時処理を終了する。
一方、ステップS2502,S2503にて肯定判定した場合は、ステップS2511に進んで待機回数カウンタWC1の値が0であるか否かを判定し、その判定結果に応じてステップS2512以降の処理又はステップS2515以降の処理を実行する。
また、ステップS2501にて肯定判定した場合は、ステップS2520に進み、実行回数カウンタDC1の値が0であるか否かを判定する。ステップS2520で否定判定した場合は、ステップS2513に進み、第1確定表示時間を1.5secに設定する。これに対し、ステップS2520で肯定判定した場合は、ステップS2521にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている停止側特殊設定用フラグF1及び停止側特殊設定中フラグF2を消去する。その後、ステップS2516以降の処理を実行する。
<変動表示時間の設定処理>
次に、図46のフローチャートを参照しながら変動表示時間の設定処理について説明する。この処理は、図17の変動表示時間の設定処理に代えて実行されるものである。
本変形例に係る変動表示時間の設定処理は、図17のステップS907の処理に代えてステップS2807の完全外れ用の変動表示時間の設定処理が行われる点、及び、ステップS2807の実行後、そのまま本変動表示時間の設定処理が終了する点を除き、図17の変動表示時間の設定処理と共通している。以下、上記ステップS2807における完全外れ用の変動表示時間の設定処理について、図47のフローチャートを参照して説明する。
<完全外れ用の変動表示時間の設定処理>
本変形例に係る完全外れ用の変動表示時間の設定処理では、先ずステップS2901にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に変動側特殊設定中フラグF4が格納されているか否かを判定する。変動側特殊設定中フラグF4は、変動表示時間を保留予告用の特殊時間(1.0sec)に設定した場合にセットされるものである。
ステップS2901で否定判定した場合は、ステップS2902にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に停止側特殊設定用フラグF1(図43のステップS2510参照)が格納されているか否かを判定する。ステップS2902で否定判定した場合は、ステップS2903にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に変動側特殊設定用フラグF3が格納されているか否かを判定する。変動側特殊設定用フラグF3は、変動表示時間を特殊時間に設定すべき場合にセットされるものである。
ステップS2903で否定判定した場合は、ステップS2904にて、保留球格納エリア232に記憶された後続の保留情報が大当たり又はリーチ発生に対応するものであるか否か、すなわち、保留予告用の確認処理によって特殊保留情報が特定されたか否かを判定する。ステップS2904で肯定判定した場合は、ステップS2905に進み、変動側特殊期間設定の実行回数DN2を把握する処理を実行する。ここで、図48(a)のフローチャートを参照して上記実行回数DN2の把握処理について説明する。
<変動側特殊期間設定の実行回数DN2の把握処理>
実行回数DN2の把握処理では、先ずステップS3001にて、保留数記憶領域FEに記憶された共通保留数CRNを読み出し、共通保留数CRNを把握する。この場合における共通保留数CRNは、変動表示の開始に際して共通保留数CRNを更新する処理(図13のステップS505のデータ設定処理、及び図14のステップS601の処理を参照)が、図47に示す変動表示時間の設定処理の実行前に行われることから、更新後の共通保留数CRNとなる。
続くステップS3002にて、共通保留数CRNと、保留予告の実行回数として予め設定されている設定回数AN(2回)とを比較し、共通保留数CRNが設定回数AN以上であるか否かを判定する。ステップS3002で肯定判定した場合は、ステップS3003にて、設定回数ANをそのまま実行回数DN2として設定する。一方、ステップS3002で否定判定した場合は、ステップS3004にて、共通保留数CRNを実行回数DN1として設定する。ステップS3003,S3004の実行後は本実行回数DN2の把握処理を終了する。
完全外れ用の変動表示時間の設定処理(図47)の説明に戻り、ステップS2905の実行後はステップS2906~S2908の処理を実行する。これらの処理は、図22の停止開始時処理のステップS1205~S1209と同様のものである。ステップS2908で肯定判定した場合、すなわち、保留予告の可否抽選に当選した場合は、ステップS2909にて変動側及び停止側の保留予告用設定処理を実行する。本処理は、変動表示用及び確定表示用の各保留予告用の設定を行うためのものである。ここで、図48(b)のフローチャートを参照して上記保留予告用設定処理について説明する。
<変動側及び停止側の保留予告用設定処理>
変動側及び停止側の保留予告用設定処理では、先ずステップS3101にて、上記実行回数DN2の把握処理(図48(a))にて把握した実行回数DN2を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた実行回数カウンタ用エリアに実行回数カウンタDC2としてセットする。続くステップS3102では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機回数カウンタ用エリアに待機回数カウンタWC2をセットする。本ステップでは、共通保留数CRNから実行回数DN2を減算した減算値を待機回数カウンタWC2の値としてセットする。
ステップS3102の実行後は、ステップS3103~S3107にて第1確定表示用の設定処理を行う。当該設定処理では、先ずステップS3103にて共通保留数CRNが設定回数AN(2回)以上であるか否かを判定する。ステップS3103で肯定判定した場合は、ステップS3104にて設定回数ANを実行回数DN1(第1確定表示時間を特殊時間に設定する回数を示すもの)として設定する。一方、ステップS3103で否定判定した場合は、ステップS3105にて共通保留数CRNを実行回数DN1として設定する。
ステップS3104,S3105の実行後は、ステップS3106にて、ステップS3104,S3105で設定した実行回数DN1を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた実行回数カウンタ用エリアに実行回数カウンタDC1としてセットする。続くステップS3107では、共通保留数CRNから実行回数DN1を減算した減算値を、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機回数カウンタ用エリアに待機回数カウンタWC2としてセットし、本保留予告用設定処理を終了する。
ここで、図48(b)に示すステップS3103~S3107において、図44(b)のステップS2703~S2707の場合とは異なり、実行回数や待機回数を設定するときの基準値が変動表示と確定表示とで同じ値とされているのは、図47のステップS2904,S2905の処理が、図49(a)に示すように、大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が確定表示中に記憶された場合を前提とされているためである。
すなわち、タイミングt61にて大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が記憶された場合、変動表示時間を特殊時間に設定可能となるのは、その直後の変動表示323の開始タイミングであるタイミングt62からとなり、第1確定表示時間を特殊時間に設定可能となるのは、変動表示323の直後の確定表示324の開始タイミングであるタイミングt63からとなる。変動表示323及び確定表示324は同一の遊技回に属することから、タイミングt62,t63における共通保留数CRNには差が生じないため、同一の基準値を用いる構成となっている。
このため、例えば、図49(b)に示すように、タイミングt62における共通保留数CRNが1であり、タイミングt61で先特定された保留情報に対応する特定遊技回が1回の遊技回を経た後のタイミングt64から実行される場合は、変動表示時間用の実行回数DN2及び第1確定表示時間用の実行回数DN1のいずれにおいても同じく1回が設定される。
また、例えば、図49(c)に示すように、タイミングt62における共通保留数CRNが3であり、タイミングt61で先特定された保留情報に対応する特定遊技回が待機期間を経た後のタイミングt65から実行される場合は、変動表示時間用の待機回数WC2及び第1確定表示時間用の待機回数WC1のいずれにおいても同じく1回が設定される。なお、この場合における各実行回数DN1,DN2は、タイミングt62における共通保留数CRNが設定回数AN(2)よりも大きいことから、それぞれ2回が設定される。
完全外れ用の変動表示時間の設定処理(図47)の説明に戻り、ステップS2909の実行後は、ステップS2910にてRAM204の各種フラグ確定エリアに変動側特殊設定用フラグF3をセットする。続くステップS2911では、待機回数カウンタWC2の値が0であるか否かを判定する。ステップS2911で肯定判定した場合は、ステップS2912にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に変動側特殊設定中フラグF4をセットする。
続くステップS2913では変動表示時間を特殊期間としての1.0secに設定し、その後、ステップS2914にて実行回数カウンタDC2を1ディクリメントして更新する。その後、本変動表示時間の設定処理を終了する。これに対し、ステップS2911にて否定判定した場合は、ステップS2915にて待機回数カウンタWC2を1ディクリメントして更新した後、ステップS2916に進み、表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている通常遊技状態対応のリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得する。続くステップS2917では、ステップS2916にて取得した変動表示時間を変動表示時間カウンタエリアにセットし、その後、本変動表示時間の設定処理を終了する。
一方、ステップS2902にて肯定判定した場合、すなわち、RAM204の各種フラグ格納エリア235に停止側特殊設定用フラグF1が格納されている場合は、本変動表示時間の設定処理が実行されるよりも前に、停止開始時処理(図43)にて保留予告を実行する旨の決定が既になされ、そのための各種設定も実行済みであることを意味する。この場合、ステップS2911に進んで待機回数カウンタWC2の値が0であるか否かを判定し、その判定結果に応じてステップS2912以降の処理又はステップS2915以降の処理を実行する。
このように、ステップS2902にて肯定判定した際、ステップS2904~S2910の処理をスキップすることで、本変動表示時間の設定処理に先行して停止開始時処理により保留予告を実行する旨の決定がなされた場合は、ステップS2904における保留先特定の結果判定処理の実行が制限される。これにより、停止開始時処理によって保留予告を実行する旨の決定がなされた後、大当たり又はリーチ発生に対応する新たな保留情報が発生したとしても、その影響を受けることが抑制される。
このことは、図43に示す停止開始時処理においても同様であり、当該処理では、ステップS2502にて肯定判定した場合、すなわち、RAM244の各種フラグ格納エリア235に変動側特殊設定用フラグF3が格納されている場合は、ステップS2504~S2510の処理をスキップするものとなっている。このため、停止開始時処理に先行して完全外れ用の変動表示時間の設定処理(図47)により保留予告を実行する旨の決定がなされた場合は、ステップS2504における保留先特定の結果判定処理の実行が制限される。
このように、本変形例では、図43に示す停止開始時処理と図47に示す完全外れ用の変動表示時間の設定処理との相互間において、先行して行われた処理(保留予告を実行する旨の決定や、それに基づく保留予告用の各種設定処理)を優先する構成とされている。このため、確定表示の開示時と変動表示の開始時という2つの判定タイミングがある中でも、判定結果の競合が生じたり、設定の重複や途中変更が生じたりするなどの不都合を好適に抑制することが可能となる。
完全外れ用の変動表示時間の設定処理(図47)の説明に戻り、ステップS2903にて肯定判定した場合は、ステップS2902にて肯定判定した場合と同様に、ステップS2904~S2910をスキップしてステップS2911に進む。
一方、ステップS2901にて肯定判定した場合は、ステップS2918に進み、実行回数カウンタDC2の値が0であるか否かを判定する。ステップS2918で否定判定した場合は、ステップS2913に進み、変動表示時間を1.0secに設定する。これに対し、ステップS2918で肯定判定した場合は、ステップS2919にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている変動側特殊設定用フラグF3及び変動側特殊設定中フラグF4を消去する。その後、ステップS2916以降の処理を実行し、本変動表示時間の設定処理を終了する。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
確定表示時間に加えて変動表示時間についても、先特定の結果に基づいて設定する構成とした。この場合、確定表示及び変動表示の両方を活用して1遊技回に係る遊技時間(変動表示の開始から次の変動表示の開始までの期間)を変化させることが可能となる。例えば、確定表示のみによって1遊技回に係る遊技時間を変化させる構成においては、確定表示時間をいたずらに長くすると遊技者が間延びした印象を受け易くなることから、遊技時間の時間差が限定的になり易い。この点、本変形例では、変動表示と確定表示との協働によって1遊技回に係る遊技時間を変更するため、特殊保留情報が先特定された場合とそうでない場合との時間差を大きくすることができる。これにより、ダイナミックな変化を実現することができ、特別な印象を与え易くなる。
確定表示の開始タイミングと変動表示の開始タイミングとのそれぞれにおいて、大当たり又はリーチ発生の保留情報が先特定されたか否かを判定し、各判定結果に基づいて変動表示時間及び第1確定表示時間を設定する構成とした。これにより、変動表示時間及び確定表示時間に関する保留予告用の特殊設定を好適に行うことが可能になる。
例えば、確定表示の開始タイミングでのみ上記判定処理を行う構成においては、図50(a)に示すように、確定表示中のタイミングt71にて特殊保留情報が先特定された場合に、図50(b)に示すように、確定表示332が開始されるタイミングt73にて初めて特殊保留情報の先特定結果が判定されることになる。その結果、変動表示331の変動表示時間は通常時間となり、その後の確定表示332から保留予告用の特殊時間に設定されることになる。
これに対し、本変形例では、変動表示の開始タイミングでも上記判定処理が行われていることで、変動表示331が開始されるタイミングt72にて特殊保留情報の先特定結果を判定することができる。このため、図50(c)に示すように、変動表示331の変動表示時間から保留予告用の特殊時間に設定することができ、図50(b)の場合よりも早く保留予告を開始することが可能になる。
また、変動表示の開始タイミングでのみ上記判定処理を行う構成においては、図51(a)に示すように、確定表示前(変動表示中)のタイミングt81にて特殊保留情報が先特定された場合に、図51(b)に示すように、変動表示334の開始タイミングであるタイミングt83にて初めて特殊保留情報の先特定結果が判定されることになる。その結果、確定表示333の確定表示時間は通常時間となり、その後の変動表示334から保留予告用の特殊時間に設定されることになる。
一方、本変形例では、確定表示の開始タイミングでも上記判定処理が行われていることで、確定表示333が開始されるタイミングt82にて特殊保留情報の先特定結果を判定することができる。このため、図51(c)に示すように、確定表示333の確定表示時間から保留予告用の特殊時間に設定することができ、図51(b)の場合よりも早く保留予告を開始することが可能になる。
つまり、本変形例によれば、確定表示中に特殊保留情報が先特定された場合及び変動表示中に特殊保留情報が先特定された場合のいずれであっても、保留予告用の特殊設定をいち早く開始することができ、演出機会の拡充を図ることが可能になる。
その反面、2つのタイミングにて判定処理を行う構成では、一方の判定が行われてから他方の判定が行われるまでの間に先特定が行われると、判定結果が競合して期間設定の重複や途中変更を招くおそれがある。この点、本変形例では、それら判定処理のうち特殊保留情報が先特定されたことを先に判定した側の判定結果を優先化する構成とされている。これにより、判定結果を統一化することができ、期間設定の重複や途中変更を好適に抑制することが可能になる。
なお、上記変形例においては、図柄列Z1~Z3を保留予告の停止態様で停止表示させるとともに、泡画像を出現させる予告表示演出を行う構成としたが、それらの一方又は両方を実行しない構成としてもよい。
<第1の実施の形態の変形例3>
本変形例では、主制御装置81から送信される変動用コマンドの情報形態が工夫されており、具体的には、変動用コマンドに第1確定表示時間に関する情報が含まれる点で上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例に係る変動用コマンドについて図52を参照しながら説明する。図52は、変動用コマンドの情報形態を説明するための概略図である。なお、本変形例においては、第1確定表示時間が変動表示の開始時に設定され、また、設定可能な第1確定表示時間として通常時間(0.2sec)と特殊時間(1.5sec)との2種類を有しているものとする。
既に説明したように、変動用コマンドは、メイン表示部43における絵柄や図柄表示装置41における図柄列Z1~Z3の変動表示の態様に対応するコマンドであり、メイン表示部43にて絵柄の変動表示が開始される場合に主制御装置81から報知・演出制御装置82に送信されるものである(図15の変動開始処理等を参照)。この変動用コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、例えば、図52(a)に示すように、上位バイト(先行コマンド)の第1情報領域341と、下位バイト(後続コマンド)の第2情報領域342と、を備えた2バイトの情報として構成されている。
第1情報領域341には、大当たりの有無に関する情報が含まれている。例えば、第1情報領域341に設定可能なデータ値としては、16進数表記で「C」から始まる「C0H」、「C1H」・・・の複数種類の1バイトデータが準備されている。これらのデータ値(コマンドデータ)は、ROM203のコマンド情報記憶エリア224に記憶されている。本変形例では、第1情報領域341のデータ値が「C0H」である場合は大当たり結果であることを示し、「C1H」である場合は外れ結果であることを示すものとなっている。このため、報知・演出制御装置82は、変動用コマンドの第1情報領域341のデータ値を参照することで、受信した変動用コマンドに対応する遊技回の当否抽選の結果を把握することができる。
また、第1情報領域341の各データ値は、払出コマンド等の他のコマンドと値(0と1の配列パターン)が一致しないように設定されており、変動用コマンドのみで用いられる固有値となっている。すなわち、第1情報領域341のデータ値は、自身が変動用コマンドであることを示す情報としても機能する。このため、報知・演出制御装置82は、変動用コマンドの第1情報領域341のデータ値を参照することで、受信したコマンドが変動用コマンドであることを把握できる。
第2情報領域342には、メイン表示部43における絵柄の変動表示時間に関する情報が含まれている。変動表示時間に関する情報は、例えば、図52(b)に示すように、第2ビットLB2~最上位ビットLB8のビット列からなる7ビットのデータで構成されている。最上位ビットLB8の値は0に固定化されているため、上記7ビットのデータ値は最大で63種類の値を取り得るようになっている。これらのデータ値についてもROM203のコマンド情報記憶エリア224に記憶されている。
ここで、変動表示時間に関する情報は、第2情報領域342単体ではなく、第1情報領域341と組みで構築される構成となっている。例えば、第2情報領域342における上記7ビットのデータ値が同じ「0000001」(2進数表記)である場合でも、第1情報領域341のデータ値が「C0H」である場合は、変動表示時間が20sec(リーチ演出を経て大当たり結果を停止表示する場合の変動表示時間)であることを示し、第1情報領域341のデータ値が「C01H」である場合は、変動表示時間が8sec(リーチ非発生で完全外れ結果を停止表示する場合の変動表示時間)であることを示すものとなっている。つまり、第2情報領域342は、第1情報領域341のデータ値が「C0H」である場合と「C01H」である場合とで、データ値を共用する構成となっている。このような構成とすることで、第2情報領域342で使用するデータ値の種類数を削減し、ROM203の使用量の節約が図られている。報知・演出制御装置82では、変動用コマンドの第1情報領域341及び第2情報領域342の各データ値に基づいて変動表示の時間を把握し、その把握結果に基づいて図柄列Z1~Z3の変動態様や表示演出の設定等を行う。
因みに、第1情報領域341のデータ値における最上位ビットHB8の値には1が設定されており、第2情報領域342のデータ値における最上位ビットLB8の値には0が設定されている。このような構成となっていることで、報知・演出制御装置82がコマンドを受信した際に、受信データが第1情報領域341(上位バイト又は先行コマンド)に対応するものであるのか、第2情報領域342(下位バイト又は後続コマンド)に対応するものであるのかを識別することが可能となっている。このような識別は、必ずしも最上位ビットを用いた構成である必要はなく、予め定めた特定ビットを用いるものであればよい。
本変形例では、第2情報領域342の最下位ビットLB1が第1確定表示時間に関する情報に割り当てられている。例えば、最下位ビットLB1の値が0である場合は第1確定表示時間が通常時間(0.2sec)であることを示し、最下位ビットLB1の値が1である場合は第1確定表示時間が特殊時間(1.5sec)であることを示すものとなっている。
このように、変動用コマンドの中に第1確定表示時間の長さを示す情報を含ませることで、第1停止表示用コマンドを省略することができる。これにより、コマンド数を削減することができ、ROM203の使用量を節約することが可能になる。また、変動用コマンドを第1確定表示時間の通知コマンドとしても活用するため、主制御装置81と報知・演出制御装置82との間でのコマンドの授受回数を低減することができ、両制御装置81,82における双方の負荷を軽減することが可能になる。
また、本変形例では、第1確定表示時間に関する情報を第2情報領域342に含ませる構成とされている。第1確定表示時間に関する情報を第1情報領域341に含ませる構成では、第1確定表示時間のデータ値次第で第1情報領域341のデータ値が他のコマンドと一致する事態が生じると、例えば、実際には異常が生じていないのに異常報知がなされたりするなどの誤作動が生じ得る。このため、第1確定表示時間のデータ値が如何様であってもコマンド種別の誤判定が生じないように、全てのコマンド間でデータ値設定を調整する必要が生じ、遊技機設計の負担増を招くおそれがある。これを避けるためには、全コマンドを通じてコマンド種別を示す情報を7ビット化することが考えられるが、この場合、変動用コマンド以外のコマンドにおける残り1ビットが余剰ビットとなり得る。この点、本変形例によれば、第2情報領域342に第1確定表示時間に関する情報を含ませる構成とされているため、余剰ビットの発生を抑制しつつ他のコマンドとの調和を容易化することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
さらに、本変形例では、最下位ビットLB1を第1確定表示時間に関する情報に割り当てるため、変動表示時間に関する情報をひとかたまりの状態としたまま、第1確定表示時間に関する情報を含ませることができる。これにより、報知・演出制御装置82が変動用コマンドを受信した場合に、変動表示時間に関する情報と、第1確定表示時間に関する情報とを容易に取り出すことが可能となる。
なお、例えば、第2情報領域342のビットLB4に第1確定表示時間に関する情報を割り当てるなど、変動表示時間に関する情報が分断される形態で第1確定表示時間に関する情報を含ませる構成としてもよい。この場合、不正目的で主制御装置81からの出力コマンドが読み取られた場合に情報内容の判別を困難化することができ、不正行為の抑制に寄与することができる。
なお、上記構成における変動用コマンドのデータ値は一例に過ぎず、例えば、第1情報領域341のデータ値を「80H」等としてもよい。また、変動用コマンドのバイト数やビット数についても任意に変更可能であり、例えば、変動用コマンドを1バイトのデータ構成としてもよいし、3バイト以上のデータ構成としてもよい。また、第2情報領域342のビット数についても8ビット(1バイト)に限定されるものではなく、例えば、7ビット以下としてもよいし、9ビット以上としてもよい。さらに、第2情報領域342において第1確定表示時間に関する情報に割り当てるビット数についても1ビットに限定されるものではなく、第1確定表示時間の種別数等に応じて2ビット以上としてもよい。この場合、最下位ビットLB1を含む所定ビット領域を第1確定表示時間に関する情報に割り当てることができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、役物用表示部44にて変動表示される絵柄の確定表示時間を特殊時間の設定対象とする点が上記第1の実施の形態と異なっている。なお、本実施の形態では、メイン表示部43に表示される絵柄と、役物用表示部44に表示される絵柄とを区別するため、前者を特別図柄又は特図といい、後者を普通図柄又は普図という。また、メイン表示部43にて行われる特別図柄の遊技回を特図遊技回といい、役物用表示部44にて行われる普通図柄の遊技回を普図遊技回という。
本実施の形態では、電動役物34の開放パターンとして複数の開放パターンが設定されている。普図の当否抽選において当選結果となると、開放種別カウンタC5に基づいて上記複数の開放パターンの中から1つが選択され、選択された開放パターンにて開閉されるように電動役物34の切り替え制御が行われる。
ここで、図53を参照して開放種別カウンタC5について説明する。図53は当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための概略図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
開放種別カウンタC5は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。同カウンタC5は、短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、開放種別カウンタC5に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に電役保留エリア350に格納される。なお、電役保留エリア350には電動役物開放カウンタC4も併せて格納される。
電役保留エリア350は、電役用保留エリアRcと、普図用の第2実行エリアAE2とを備えている。保留エリアRcは、第1エリアRc1、第2エリアRc2、第3エリアRc3、第4エリアRc4を備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている電動役物開放カウンタC4及び開放種別カウンタC5の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリアRc1~第4エリアRc4には、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRc1→第2エリアRc2→第3エリアRc3→第4エリアRc4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
普図用の第2実行エリアAE2は、役物用表示部44の変動表示を開始する際に、保留エリアRcの第1エリアRc1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1の普図遊技回の開始に際しては第2実行エリアAE2に記憶されている各種数値情報に基づいて、開放判定などが行われる。
普図抽選においてサポート状態当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に普図用当否テーブルとして記憶されている。普図抽選においては、サポートモードの高低に関わらずサポート状態となる確率(サポート状態当選となる確率)は同じとなっており、ROM203に記憶されている普図用当否テーブルも共通のテーブルを使用している。例えば、図54(a)に示すように、普図用当否テーブルでは、電動役物開放カウンタC4の値が0~99であれば、電動役物34を開放状態に制御するサポート状態に移行させ、C4の値が100~199であれば、電動役物34を開放状態に制御せずにサポート状態に移行させないように設定されている。
ここで、サポート状態における電動役物34の開閉制御の態様としては、サポート状態が開始されてから終了するまでの間における電動役物34への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高入賞サポート状態と低入賞サポート状態とが設定されている。さらに、高入賞サポート状態として第1高入賞サポート状態と第2高入賞サポート状態との2種類が設定されている。
具体的には、図54(b)に示すように、第1高入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに電動役物34の開閉が2回行われる。1回目の開放は3secが経過するまで行われ、2回目の開放は2secが経過するまで行われる。一方、第2高入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに電動役物34の開閉が2回行われる。1回目の開放は2secが経過するまで行われ、2回目の開放は1secが経過するまで行われる。なお、第1高入賞サポート状態及び第2高入賞サポート状態のいずれにおいても、サポート状態の開始からの下作動口33bへの入賞個数が10個に達した場合には、その時点でサポート状態が終了する。また、各サポート状態において、1回目開放の開始までのオープニング期間、1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖期間(待機期間)及び2回目開放の終了後のエンディング期間は、いずれも0.2secに設定されている。
低入賞サポート状態では、サポート状態の開始から終了までに、電動役物34の開閉が1回行われるとともに、その開放は0.2secが経過するまで又は下作動口33bへの入賞個数が3個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低入賞サポート状態では、上記のとおり1回の電動役物34の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低入賞サポート状態では、遊技球の発射周期よりも1回の電動役物34の開放時間が短くなっている。したがって、低入賞サポート状態にかかるサポート状態では実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態における電動役物34の開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び下作動口33bへの入賞限度個数は、高入賞サポート状態の方が低入賞サポート状態よりも、サポート状態が開始されてから終了するまでの間における下作動口33bへの入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高入賞サポート状態の方が低入賞サポート状態よりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は下作動口33bへの入賞限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高入賞サポート状態と低入賞サポート状態との間での特典の差異を明確にする上では、低入賞サポート状態にかかるサポート状態では、実質的に下作動口33bへの入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高入賞サポート状態では、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低入賞サポート状態では、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の電動役物34の開放時間が上記のものでなかったとしても、低入賞サポート状態では、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に下作動口33bへの入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
開放種別カウンタC5は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア350に格納される。開放種別カウンタC5に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分テーブル記憶エリア222に振分テーブルとして記憶されている。ここで、普図用の振分テーブルとしては、図54(c)の低頻度サポートモード時の普図用振分テーブルと、図54(d)の高頻度サポート時の普図用振分テーブルとが設定されている。
図54(c)に示すように、低頻度サポートモード時の普図用振分テーブルにおいては、普図当選の振分先として、開放結果A及び開放結果Bが設定されている。開放結果Aは低入賞サポート状態となる振分結果であり、開放結果Bは第1高入賞サポート状態となる振分結果である。低頻度サポートモード時の普図用振分テーブルでは、開放種別カウンタC5=0~89が開放結果Aに対応しており、C5=90~99が開放結果Bに対応している一方、図54(d)に示すように、高頻度サポートモード時の普図用振分テーブルにおいては、普図当選の振分先として、開放結果C及び開放結果Dが設定されている。開放結果Cは第2高入賞サポート状態となる振分結果であり、開放結果Dは第1高入賞サポート状態となる振分結果である。高頻度サポートモード時の普図用振分テーブルでは、開放種別カウンタC5=0~94が開放結果Cに対応しており、C5=95~99が開放結果Dに対応している。
ところで、低頻度サポートモードにおいては、普図当否抽選の結果が当選結果(開放結果)となる頻度を低く抑えるため、普図の変動表示時間を長くすることで1遊技回に係る遊技時間を長くし、単位時間当たりの普図当否抽選の実行回数を少なく抑える工夫がなされている場合がある。普図遊技回は特図遊技回と同時並行的に行われているものの、それらは非同期であることに加え、普図遊技回及び特図遊技回の各変動表示時間は相互に関わりなく各別に設定されている。このため、特図遊技回が終了しても依然として普図遊技回が継続している事態が起こり得る。
このような前提の下、例えば、特図遊技回が終了することで遊技者が遊技を切り上げようと思った場合に、普図遊技回の継続状態が発生すると、普図側の当否抽選の結果が気掛かりとなって遊技者が遊技を終了できなくなったり、サポート状態への移行機会を残したまま遊技を終えてしまったりするなどの不都合が生じ得る。特に、本実施の形態のように、下作動口33bへの遊技球の入賞が期待できる第1高入賞サポート状態が電動役物34の開放パターン中に含まれている場合は、なおさら遊技を終えにくくなったり、逸した場合の損失感が大きくなったりするといった問題が生じ易い。そこで、本実施の形態では、普図遊技回の確定表示を活用して上記問題の解消を図っている。以下、図55~図67を参照しながら、本実施の形態の構成について説明する。
図55の(a)はサポートモードが低頻度サポートモードである場合の普図遊技回の変動表示時間及び確定表示時間を示す概略図、(b)は高頻度サポートモードである場合の普図遊技回の変動表示時間及び確定表示時間を示す概略図である。
同図に示すように、本実施の形態では、サポートモードが低頻度サポートモードである場合と高頻度サポートモードである場合とで普図遊技回の確定表示時間の長さが相違しており、低頻度サポートモード時の確定表示時間が高頻度サポートモード時のそれよりも長くなっている。
具体的には、図55(b)に示すように、高頻度サポートモード時の確定表示時間は、普図当否抽選の結果が外れ結果である場合、当否抽選の結果が当選結果であり且つ電動役物34の開放種別が開放結果C(第2高入賞サポート状態)である場合、当否抽選の結果が当選結果であり且つ電動役物34の開放種別が開放結果D(第1高入賞サポート状態)である場合のいずれにおいても一律に0.5secとなっている。
一方、図55(a)に示すように、低頻度サポートモード時の確定表示時間は、普図当否抽選の結果が外れ結果である場合、当否抽選の結果が当選結果であり且つ電動役物34の開放種別が開放結果A(低入賞サポート状態)である場合は、いずれも16.0secとなっている。また、当否抽選の結果が当選結果であり且つ電動役物34の開放種別が開放結果B(第1高入賞サポート状態)である場合は、設定可能な確定表示時間として4.0sec、10.0sec及び16.0secの3種類を有しており、それらの中から選択された1つが設定されるものとなっている。
低頻度サポートモード時及び高頻度サポートモード時における普図遊技回の変動表示時間は、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別に関わらず、共通の4.0secとなっている。このため、変動表示時間及び確定表示時間を合計した1遊技回に係る遊技時間は、低頻度サポートモード時の方が高頻度サポートモード時よりも長くなるものとなっている。
なお、必ずしも変動時間を共通時間とする必要はなく、低頻度サポートモード時における1遊技回に係る遊技時間が高頻度サポートモード時のそれよりも長くなるものであれば、モードの相違に応じて長さを異ならせてもよいし、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別に応じて長さを異ならせてもよい。このことは、確定表示時間についても同様であり、低頻度サポートモード時の確定表示時間が高頻度サポート自のそれよりも長くなるものであれば、普図当選結果の相違に応じて確定表示時間の長さを異ならせるものとしてもよい。また、上記各種の具体的な時間長は一例であり、上記した各数値に限定されるものではない。
ここで、本実施の形態では、図柄表示装置41の表示画面41a上にて普図当否抽選の結果及び電動役物34の開放種別を報知する構成となっている。図56は、普図遊技回における表示画面41aの様子を示す概略図である。
図56(a)に示すように、表示画面41aにおいて、変動表示領域MEの上方となる部分には、普図表示領域PEが設定されている。普図表示領域PEには複数(2個)の表示部PP1,PP2が設けられており、表示部PP1,PP2における表示色の切換により変動表示が可能となっている。普図表示領域PEは各図柄列Z1~Z3における変動表示領域よりも小さく、また、普図表示領域PEにおける表示部PP1,PP2は各図柄(主図柄及び副図柄)よりも小さい。
普図表示領域PEは、役物用表示部44に対応するものであり、役物用表示部44にて変動表示が行われる場合には当該普図表示領域PEにおいても変動表示が行われる。具体的には、表示部PP1,PP2の変動表示は、役物用表示部44での絵柄の変動表示と変動表示開始タイミング及び変動表示時間を一致させるようにして行われる。さらに、表示部PP1,PP2の停止表示(表示色の切換がなされず表示色が固定化された状態)についても、役物用表示部44での絵柄の停止表示と停止表示開始タイミング及び停止表示時間を一致させるようにして行われる。
例えば、図56(b1)に示すように、2個の表示部PP1,PP2の表示色が同色又は略同色の第1表示色(例えば白色)で表示された状況から普図遊技回が開始されると、図56(b2)に示すように、一方の表示部PP2の表示色がそれまでの色とは異なる色である第2表示色(例えば青色)に切り替えられる(図では表示部の色の違いをハッチにより異ならせて表示している)。その後、図56(b3)に示すように、当該第2表示色に切り替えられた側の表示部PP2の色が元の第1表示色に切り替えられるとともに、他方の表示部PP1の色が第1表示色から第2表示色に切り替えられ、図56(b4)に示すように、再度それぞれの表示部の色の切り替えが行われる。
普図遊技回の変動表示は、基本的にはこの2つの表示部の表示色の切り替えの繰り返し(図56(b2) → 図56(b3) → 図56(b4) → 図56(b2)の繰り返し)によって行われる。この表示色の切り替えは約0.5secで1周するように設定されており、切り替え前後のそれぞれの表示を遊技者は識別することが困難となっている。
普図遊技回の変動表示時間が経過すると、普図遊技回の遊技結果としてサポート状態へ移行する開放結果か外れ結果かの報知が行われる。開放結果の場合には、表示部PP1,PP2が同色表示となって変動表示が終了する。この際、電動役物34の開放種別が低入賞サポート状態である場合は、図56(b5)に示すように、表示部PP1,PP2がいずれも第2表示色となって変動表示が終了し、電動役物34の開放種別が第1高入賞サポート状態である場合は、図56(b6)に示すように、表示部PP1,PP2がいずれも第1及び第2表示色とは異なる第3表示色(例えば赤色)となって変動表示が終了する。また、電動役物34の開放種別が第2高入賞サポート状態である場合は、表示部PP1,PP2がいずれも第1~第3表示色とは異なる第4表示色(例えば黄色)となって変動表示が終了する。一方、外れ結果の場合には、図56(b1)に示すように、2個の表示部がいずれも第1表示色となって変動表示が終了する。
なお、普図表示領域PEにおける表示部の表示態様は上記のものに限定されず、表示部の数を1つとしたものや、数字や記号を用いたものであってもよい。すなわち、開放結果と外れ結果の識別に加え、電動役物34の開放種別の識別が可能なものであれば、その構成は任意である。
以上の構成により、本実施の形態では、低頻度サポートモード時における普図遊技回の確定表示時間を従来よりも長くしたことで、特図遊技回の終了時点で普図遊技回が未終了となっている場合でも、普通図柄が停止表示状態となっている確率を高めることができる。普通図柄が停止表示状態である場合、表示画面41aの普図表示領域PEを視認すれば普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別を直ちに把握できるところ、その確率が高められていることで、普図の結果待ち自体の発生を抑制することができ、図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別を迅速に知らせ易くなる。
また、低頻度サポートモードに適した普図遊技回の遊技時間を確保しながらも、確定表示時間を長くした分、変動表示の時間を短くすることができる。変動表示時間が短くなることで、特図遊技回の終了時点で普図遊技回が変動表示されている状態であっても、停止表示されるまでの待ち時間を短くすることが可能になる。
さらに、本実施の形態では、サポートモードが低頻度サポートモードである場合の1遊技回に係る遊技時間(変動表示時間及び確定表示時間の合計時間)が高頻度サポートモードである場合のそれよりも長くなっている。これにより、低頻度サポートモードである場合において変動表示時間を短くする中でも、単位時間当たりの普図当否抽選の実行回数を少なく抑えたままとすることができ、低頻度サポートモードの機能を担保することが可能となる。
このように、本実施の形態によれば、低頻度サポートモードの機能が損なわることを抑制しながら、普図当否抽選の結果を早く知らせることが可能になる。これにより、特図遊技回の終了後、遊技者が遊技を速やかに終了できるようになり、遊び易さが向上する。
なお、図55に示すように、高頻度サポートモードである場合の確定表示時間については短い時間となっているが、高頻度サポートモード中に遊技者が遊技を終了することは想定しにくいため、実用上の支障はないか、生じたとしても軽微なものと考えられる。むしろ、確定表示時間が短いことで1遊技回に係る遊技時間の短縮化に貢献しており、高頻度サポートモードの機能を担保する上では好ましいものとなっている。
因みに、低頻度サポートモード時における特図遊技回の確定表示時間は、例えば0.7secとなっており、低頻度サポートモード時における普図遊技回の確定表示時間よりも短いものとなっている。これにより、特図遊技回における間延び感の誘発が抑制され、円滑な遊技進行が促進される。なお、普図遊技回の確定表示時間よりも短い範囲内であれば、上記第1の実施の形態のように、確定表示時間が多様化されている構成であってもよい。
ところで、本実施の形態では、確定表示時間を長くしている構成上、遊技者が普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別を把握してから電動役物34が開放制御されるまでの猶予期間が長くなりがちとなる。その結果、遊技終了の意思がない中で電動役物34が開放制御されることを把握した場合に、電動役物34の開放タイミングを見計らって遊技球を発射する所謂止め打ちの誘発が懸念される。
そこで、図55(a)に示すように、低頻度サポートモード時において普図当否抽選の結果が開放結果となり、電動役物34の開放種別が第1高入賞サポート状態である場合は、普図遊技回における確定表示時間を多様化させるように構成されている。これにより、遊技者が電動役物34の開放タイミングを予測することが困難化し、止め打ちを抑制することが可能になる。
具体的な確定表示時間としては、既に説明したように、4.0sec、10.0sec及び16.0secの3種類となっている。このうち、最短の4.0secについては、少なくとも遊技球を発射してから電動役物34(下作動口33b)に到達するまでの所要期間(例えば1.0sec)よりも長くなるように設定されている。このようにすることで、遊技終了の前提で普図遊技回の結果待ちをしている状態の下、第1入賞サポート状態での電動役物34の開放が知らされた場合でも、すぐに遊技球を打ち出せば1回目の開放に間に合うものとなり、遊技者が適正に利益を享受可能となる。
確定表示時間の選択は、ROM203の振分テーブル記憶エリアに記憶された普図確定表示時間用の振分テーブルを用いて行われる。ここで、図57を参照して普図確定表示時間用の振分テーブルについて説明する。
図57に示すように、普図確定表示時間用の振分テーブルにおいては、開放種別カウンタC5の値に対応して確定表示時間の振分先が規定されている。確定表示時間の振分先としては、確定表示時間A(4.0sec)、確定表示時間B(10.0ssec)及び確定表示時間C(16.0sec)が設定されている。普図確定表示時間用の振分テーブルでは、開放種別カウンタC5=90~93が確定表示時間Aに対応し、C5=94~96が確定表示時間Bに対応し、C5=97~99が確定表示時間Cに対応している。なお、確定表示時間の振分用の乱数値として、電動役物34の開放種別を振り分けるための開放種別カウンタC5を兼用しているが、開放種別カウンタC5とは別に専用のカウンタ(乱数値)を設ける構成してもよい。
次に、本実施の形態において、主制御装置81のMPU202にて実行される各制御処理について説明する。
<電役サポート用処理>
図58は、本実施の形態における電役サポート用処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、上記第1の実施の形態に係る図12の通常処理のステップS405にて行われるものである。
電役サポート用処理では、先ずステップS3401にて普図遊技回制御処理を実行し、続くステップS3402にて普図遊技状態移行処理を実行して、本サポート用処理を終了する。すなわち、電役サポート用処理は、基本的には、特図側の遊技回制御処理(図13)や遊技状態移行処理(図16)の処理構成と同様の構成となっている。すなわち、ステップS3401の普図遊技回制御処理が図13の特図側の遊技回制御処理に対応し、ステップS3402の普図遊技状態移行処理が図16の特図側の遊技状態移行処理に対応している。以下、普図側の遊技回制御処理(ステップS3401)と遊技状態移行処理(ステップS3402)の処理について、詳細に説明する。
<普図遊技回制御処理>
先ず、普図遊技回制御処理について、図59のフローチャートを参照して説明する。
普図遊技回制御処理では、ステップS3501にて、サポート状態中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235におけるサポート状態フラグ格納エリアにサポート状態フラグが格納されているか否かを判定する。当該サポート状態フラグは、後述する普図遊技状態移行処理にて電動役物34の開閉制御を行うサポート状態に移行させる場合に格納され、同じく普図遊技状態移行処理にてサポート状態を終了させる場合に消去される。
サポート状態中である場合には、ステップS3502以降の処理、すなわちステップS3503~ステップS3505の普図遊技回開始用処理及びステップS3506~ステップS3510の普図遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本普図遊技回制御処理を終了する。つまり、サポート状態中である場合には、スルーゲート35への入賞が発生しているか否かに関係なく、普図遊技回が開始されることはない。
サポート状態中ではない場合には、ステップS3502にて、役物用表示部44が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における普図変動表示中フラグ格納エリアに普図変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。普図変動表示中フラグは、役物用表示部44について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
役物用表示部44が変動表示中でない場合には、ステップS3503~ステップS3505の普図遊技回開始用処理に進む。普図遊技回開始用処理では、先ずステップS3503にて、普図保留記憶数FNが0であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが0である場合には、そのまま電役サポート用処理を終了する。
普図保留記憶数FNが0ではない場合には、ステップS3504にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1ディクリメントするとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを第2実行エリアAE2に移動する。そして、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。すなわち、第1エリアRc1~第4エリアRc4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRc1のデータをクリアするとともに、第2エリアRc2→第1エリアRc1、第3エリアRc3→第2エリアRc2、第4エリアRc4→第3エリアRc3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置82に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア224から普図シフトコマンドを読み出し、その普図シフトコマンドを報知・演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップS3504にて普図データ設定処理を実行した後は、ステップS3505にて普図変動開始処理を実行してから、本普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、先ずステップS3601にて、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定する。上記のとおり、高頻度サポートフラグは、特図側の遊技状態移行処理にて格納され、その後、移行条件が成立した場合(特図遊技回が100回継続した場合)に消去される。
高頻度サポートモードではない場合には、ステップS3602にて低頻度サポートモード用の当否テーブルを参照して当否判定(サポート抽選)を行い、高頻度サポートモードである場合には、ステップS3603にて高頻度サポートモード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。なお、既に説明したとおり、本実施の形態では、サポートモードの高低に関わらず普図用の当否テーブルを共通のものを使用する構成としており、ステップS3602にて参照する当否テーブルと、ステップS3603にて参照する当否テーブルとは同じものである(図54(a)参照)。そのため、ステップS3601におけるサポートモードの高低を判定する処理を省略する構成としてもよい。
ステップS3602又はステップS3603の実行後は、ステップS3604~ステップS3614にて、今回の普図遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の普図遊技回において役物用表示部44で実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)のうち、普図用の停止結果テーブルが参照される。
具体的には、先ずステップS3604にて、ステップS3602又はステップS3603における抽選の結果がサポート状態当選であるか否かを判定する。サポート状態当選である場合には、ステップS3605~ステップS3613において、サポート状態当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS3605では、RAM204に高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3605にて否定判定した場合は、ステップS3606にて低頻度サポートモード用の普図用種別テーブル(図54(c))を参照して振分判定を行う。具体的には、第2実行エリアAE2に格納されている開放種別カウンタC5の値が、開放結果Aの数値範囲、開放結果Bの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
続くステップS3607にて、ステップS3606において振り分けた遊技結果が低入賞サポート状態となる結果(開放結果A)であるか否かを判定する。低入賞サポート状態となる結果である場合には、ステップS3608にて、今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、低入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、低入賞サポート状態用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS3608では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、低入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(低入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
一方、ステップS3607において振り分けた遊技結果が低入賞サポート状態となる結果でない場合、すなわち振り分けた遊技結果が開放結果Bであり第1高入賞サポート状態となる場合には、ステップS3609にて、第1高入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、第1高入賞サポート用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS3609では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第1高入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(第1高入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
これらに対し、ステップS3605にて肯定判定した場合は、ステップS3610にて、高頻度サポートモード用の普図用種別テーブル(図54(d))を参照して振分判定を行う。具体的には、第2実行エリアAE2に格納されている開放種別カウンタC5の値が、開放結果Cの数値範囲、開放結果Dの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
続くステップS3611にて、ステップS3610において振り分けた遊技結果が第2高入賞サポート状態となる結果(開放結果C)であるか否かを判定する。第2高入賞サポート状態となる結果である場合には、ステップS3612にて、今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、第2高入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、第2高入賞サポート状態用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS3612では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第2高入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(第2高入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
一方、ステップS3607において振り分けた遊技結果が第2高入賞サポート状態となる結果でない場合、すなわち振り分けた遊技結果が開放結果Dであり第1高入賞サポート状態となる場合には、ステップS3613にて、第1高入賞サポート状態が発生することとなることを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、第1高入賞サポート用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS3613では、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第1高入賞サポート状態となる開放結果であることをMPU202にて特定するための情報(第1高入賞サポートフラグ)をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。
また、ステップS3604にて否定判定した場合は、ステップS3614にて、今回の普図遊技回において役物用表示部44の停止結果として、第1高入賞サポート状態、第2高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態のいずれもが発生しないことを表示した状態で変動表示を終了させることを設定するための、外れ用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS3608,S3609,S3612,S3613のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3615にて、役物用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定するための普図変動表示時間の設定処理を実行する。本実施の形態では、既に説明したように、普図変動表示時間が一律に4.0secとなっているため、ステップS3615では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアに800(4.0secに相当)をセットする。ここでセットされた普図変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメントされる。
なお、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのそれぞれに対して、複数種類の変動表示時間が設定された変動表示時間テーブルがROM203の表示時間テーブル記憶エリア223に記憶され、当該各変動表示時間テーブルから普図用の変動種別カウンタの値に対応する変動表示時間が選択される構成としてもよい。この場合、高頻度サポートモード時に選択され得る変動表示時間の一部が、低頻度サポートモード時に選択され得る変動表示時間の一部よりも長くなるように設定されていてもよく、いずれの変動表示時間が選択されても、高頻度サポートモードのほうが低頻度サポートモードよりも短くなるように設定してもよい。また、普図用の変動種別カウンタの値だけでなく、普図保留記憶数FNの数に応じて変動表示時間が異なるように設定してもよく、普図保留記憶数FNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定してよく、その逆であってもよい。
ステップS3615にて普図変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS3616にて、確定表示時間を設定するための普図確定表示時間の設定処理を実行する。ここで、図61のフローチャートを参照しながら普図確定表示時間の設定処理について説明する。
<普図確定表示時間の設定処理>
普図確定表示時間の設定処理では、先ずステップS3701にてサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3701で否定判定した場合は、ステップS3702にて、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第1高入賞サポート状態となる開放結果(開放結果B)であるか否かを判定する。具体的には、RAM204に第1高入賞サポートフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS3702で肯定判定した場合は、ステップS3703にて、普図確定表示時間用の振分テーブル(図57)を参照して振分判定を行う。具体的には、第2実行エリアAE2に格納されている開放種別カウンタC5の値が、確定表示時間A(4.0sec)、確定表示時間B(10.0sec)、確定表示時間C(16.0sec)の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。続くステップS3704では、ステップS3703にて振り分けた結果を今回の普図遊技回における確定表示時間として設定すべく、振分結果に対応する値をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図確定表示時間カウンタエリアにセットし、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。ステップS3704にてセットされた普図確定表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメントされる。
一方、ステップS3702で否定判定した場合は、今回の普図遊技回の当否判定結果が低入賞サポート状態となる開放結果(開放結果A)又は外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップS3705に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアに8000(16.0secに相当)をセットし、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。
また、ステップS3701で否定判定した場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードでない場合は、ステップS3706に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアに250(0.5secに相当)をセットし、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。
普図変動開始処理(図60)の説明に戻り、ステップS3616の実行後は、ステップS3617にて、普図変動用コマンド及び普図種別コマンドを設定する。普図変動用コマンドには、普図変動表示時間の情報が含まれる。また、普図種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。なお、普図確定表示時間の情報は普図変動用コマンドに含まれる。
ステップS3617にて設定された普図変動用コマンド及び普図種別コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて、その普図遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での表示部PP1,PP2(図56参照)の変動表示態様及び確定表示態様が含まれており、この決定された表示部PP1,PP2の変動表示態様は報知・演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、報知・演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各普図遊技回に対応した変動表示及び確定表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS3618にて、役物用表示部44において絵柄の変動表示を開始させ、本普図変動開始処理を終了する。
普図遊技回制御処理(図59)の説明に戻り、役物用表示部44が変動表示中である場合は、ステップS3506~ステップS3510の普図遊技回進行用処理を実行する。普図遊技回進行用処理では、先ずステップS3506にて、今回の普図遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている普図用の変動表示時間情報の値が0となったか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS3509にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、役物用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該役物用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本普図遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS3510にて変動終了処理を実行し、その後、本普図遊技回制御処理を終了する。ステップS3510の変動終了処理では、上記ステップS3608、S3609、S3612、S3613及びS3614のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した図柄が役物用表示部44にて停止表示されるように当該役物用表示部44を制御する。
<普図遊技状態移行処理>
次に、電役サポート用処理におけるステップS3402の普図遊技状態移行処理について図62~図64のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS3801では、サポート状態中か否かを判定する。サポート状態中ではない場合にはステップS3802に進み、1の普図遊技回の図柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
普図用の変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS3803にて、今回の普図遊技回の遊技結果がサポート状態への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に、第1高入賞サポートフラグ、第2高入賞サポートフラグ、低入賞サポートフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS3804にてサポート状態の開始処理を実行する。当該開始処理では、普図オープニング用の待機時間を設定する。普図オープニング用の待機時間は、第1高入賞サポート状態、第2高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態のいずれにおいても0.2secに設定される(図54(b)参照)。
続くステップS3805では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS3805で否定判定した場合は、今回のサポート状態が第1高入賞サポート状態又は低入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS3806に進み、電動役物34のサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。ステップS3806で肯定判定した場合は、ステップS3807にて第2ラウンドカウンタエリアRC2に2をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34が開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップS3806で否定判定した場合は、ステップS3808にて上記第2ラウンドカウンタエリアRC2に1を設定する。
また、ステップS3805で肯定判定した場合は、今回のサポート状態が第1高入賞サポート状態又は第2高入賞サポート状態であることを意味するため、ステップS3809にて第2ラウンドカウンタエリアRC2に2をセットする。
ステップS3807、S3808又はS3809の処理を実行した後は、ステップS3810にて、普図オープニングコマンドを設定する。この設定された普図オープニングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した普図オープニングコマンドに基づいて、サポート状態に対応したオープニング演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
続くステップS3811では、外部信号設定処理を実行した後に、本普図遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子板99に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。これにより、役物開放信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に役物開放信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にてサポート状態が発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に第1高入賞サポートフラグ又は第2高入賞サポートフラグが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子板99に設けられた高入賞サポート状態信号用の出力端子の信号出力状態を高入賞サポート状態信号出力状態とする。これにより、高入賞サポート状態信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に高入賞サポート状態信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて高入賞サポート状態が発生したことを把握することができる。
一方、ステップS3801にてサポート状態であると判定した場合には、ステップS3812に進む。ステップS3812では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS3813にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
<役物開閉処理>
役物開閉処理では、先ステップS3901にて電動役物34を開放中であるか否かを判定する。具体的には、電動役物駆動部34bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。電動役物34を開放中でない場合には、ステップS3902にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0であるか否かを判定するとともに、ステップS3903にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が0であるか否かを判定する。
第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0である場合又は第2タイマエリアT2の値が0でない場合には、そのまま本役物開閉処理を終了する。一方、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0でなく且つ第2タイマエリアT2の値が0である場合には、ステップS3904に進み、電動役物34を開放すべく電動役物駆動部34bを駆動状態とする(役物開放処理)。続くステップS3905では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4101では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでない場合は、ステップS4102にてサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。ステップS4102で肯定判定した場合は、ステップS4103に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が2であるか否か、すなわち、1回目の開放であるか否かを判定する。
ステップS4103で肯定判定した場合は、ステップS4104にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2に「1500」をセットし、1回目の開放の上限期間として3.0secを設定する。続くステップS4105では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2入賞カウンタエリアPC2に10をセットし、各ラウンド用の設定処理を終了する。第2入賞カウンタエリアPC2は、下作動口33bへの入賞個数をカウントするためのものであり、ステップS4105の処理により、電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合の下作動口33bへの入賞個数の上限が10個に設定される。これに対し、ステップS4103で否定判定した場合は、2回目の開放であることを意味する。この場合は、ステップS4106にて、第2タイマエリアT2に「1000」をセットし、開放期間の上限として2.0secを設定する。その後、各ラウンド用の設定処理を終了する。
一方、ステップS4102で否定判定した場合は、サポート状態が低入賞サポート状態であることを意味する。この場合は、ステップS4107にて第2タイマエリアT2に「100」(0.2sec相当)をセットするとともに、ステップS4108にて第2入賞カウンタエリアPC2に3をセットし、本設定処理を終了する。
また、ステップS4101で肯定判定した場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップS4109にてサポート状態が第1高入賞サポート状態であるか否かを判定する。ステップS4109で肯定判定した場合は、上記ステップS4103以降の処理に進む。一方、ステップS4109で否定判定した場合は、サポート状態が第2高入賞サポート状態であることを意味する。この場合は、ステップS4110に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が2であるか否か、すなわち、1回目の開放であるか否かを判定する。
ステップS4110で肯定判定した場合は、ステップS4111にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2に「1500」をセットし、1回目の開放の上限期間として2.0secを設定する。続くステップS4112では、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2入賞カウンタエリアPC2に10をセットし、各ラウンド用の設定処理を終了する。これに対し、ステップS4110で否定判定した場合は、ステップS4113にて、第2タイマエリアT2に「500」をセットし、開放期間の上限として1.0secを設定する。その後、各ラウンド用の設定処理を終了する。
役物開閉処理(図64)の説明に戻り、ステップS3905の各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS3906にて普図開放コマンドを設定し、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図開放コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した普図開放コマンドに基づいて、サポート状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS3901にて電動役物34が開放中である場合にはステップS3907に進み、第2タイマエリアT2の値が0であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が0でない場合は、ステップS3908にて下作動口33bに遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS3908で否定判定した場合は、そのまま本役物開閉処理を終了する。一方、ステップS3908で肯定判定した場合は、ステップS3909にて第2入賞カウンタエリアPC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS3910にて第2入賞カウンタエリアPC2の値が0であるか否かを判定する。ステップS3910で否定判定した場合はそのまま本役物開閉処理を終了する。
ステップS3907にて第2タイマエリアT2の値が0の場合、又はステップS3910にて第2入賞カウンタエリアPC2の値が0の場合は、役物閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS3911にて電動役物34を閉鎖すべく電動役物駆動部34bを非駆動状態とする(役物閉鎖処理)。
続くステップS3912では第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントし、ステップS3913にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0であるか否かを判定する。ステップS3913で否定判定した場合は、電動役物34の1回目の開放処理が終了したことを意味するため、ステップS3914にて、2回目の開放処理を実行するまでの待機期間として、第2タイマエリアT2に「100」(0.2sec相当)をセットする。
続くステップS3915にて普図閉鎖コマンドを設定し、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図閉鎖コマンドは、通常処理における外部出力処理にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した普図閉鎖コマンドに基づいて、サポート状態に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、ステップS3913で肯定判定した場合、すなわち、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0である場合は、ステップS3916にて、サポート状態の終了処理を実行する。当該処理では、普図エンディング用の待機時間を設定する。普図エンディング用の待機時間は、第1高入賞サポート状態、第2高入賞サポート状態及び低入賞サポート状態のいずれにおいても0.2secに設定される(図54(b)参照)。その後、ステップS3917にて、普図エンディングコマンドを設定した後に、本役物開閉処理を終了する。この設定された普図エンディングコマンドは、通常処理における外部出力処理にて、報知・演出制御装置82に送信される。
普図遊技状態移行処理(図62)の説明に戻り、ステップS3813にて役物開閉処理を実行した後は、ステップS3814に進む。ステップS3814では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が0であるか否かを判定する。ステップS3814で肯定判定した場合は、ステップS3815に進み、エンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ステップS3815で肯定判定した場合は、ステップS3816にてサポート状態の終了処理を実行する。サポート状態の終了処理では、第1高入賞サポートフラグ、第2高入賞サポートフラグ、低入賞サポートフラグ等のサポート状態用の各種フラグの消去処理を行う。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
これらに対し、ステップS3812、S3814又はS3815で否定判定した場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
次に、本実施の形態において報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される普図側の各種演出に関する処理について説明する。普図側の各種演出に関する処理としては、普図遊技回の演出制御に関する普図変動表示制御処理が設定されている。この処理は、所定の周期(例えば2msec)ごとに起動される。
<普図変動表示制御処理>
図65は、報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される普図変動表示制御処理を示すフローチャートである。
普図変動表示制御処理では、先ずステップS4201にて普図遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の普図図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。ステップS4201で否定判定した場合は、ステップS4202にて、主制御装置81から送信された普図変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS4202で否定判定した場合は、そのまま本普図変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS4203で肯定判定した場合、すなわち、普図変動用コマンドを受信している場合には、ステップS4203にて、普図遊技回用の演出を開始させるための普図変動開始用処理を実行する。ここで、普図変動開始用処理について図66のフローチャートを参照して説明する。
<普図変動開始用処理>
普図変動開始用処理では、先ずステップS4301にて、今回受信した普図変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は普図変動用コマンドを送信する場合には普図種別コマンドも送信する。したがって、ステップS4301では、今回受信した普図変動用コマンドとともに受信している普図種別コマンドを読み出し、当該コマンドから遊技結果の情報を特定する。ステップS4301では、開放結果か否かの情報、開放結果である場合は開放種別の情報、変動表示時間の情報及び確定表示時間の情報を把握する。
次いでステップS4302にて、ステップS4301にて把握した情報に基づいて、今回開始する普図遊技回における停止結果を設定する処理を実行する。すなわち、ステップS4301にて特定した情報が開放結果であった場合には、今回の普図遊技回における変動表示の終了時に表示部PP1,PP2(図56参照)を開放種別に対応した表示色で停止表示するように停止結果を設定し、また、ステップS4301にて特定した情報が外れ結果であった場合には、今回の普図遊技回における変動表示の終了時に表示部PP1,PP2を第1表示色で停止表示するように停止結果を設定する。
続くステップS4303では、電動役物34が第1高入賞サポート状態で開閉制御される場合に特別表示演出を実行するための特別表示演出用の設定処理を実行する。ここで、図67を参照して特別表示演出について説明する。図67の(a)は特別表示演出を示す概略図、(b)は特別表示演出の実行開始タイミングと確定表示時間との関係を示すタイミングチャートである。
図67(a)に示すように、本実施の形態では、図柄表示装置41の表示画面41aにて特別表示演出が行われる。この特別表示演出は、電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される状況、すなわち、下作動口33bに遊技球が入賞し易い状況であることを遊技者に報知するためのものである。特別表示演出としては、例えば、表示画面41aの下部中央において、「電チューを狙え!!」といった文字表示401を表示したり、表示画面41aにおける背景色をそれまでの背景色とは異なる専用色に変更したりする構成等が考えられる。
なお、「電チュー」とは、電動チューリップの略称であり、換言すれば、電動役物34及び下作動口33bを指す俗称である。また、上記表示401を表示画面41aの下部中央に表示するのは、電動役物34及び下作動口33bが表示画面41aのセンター下方に位置することに対応して、当該表示401を表示画面41aのうちの電動役物34及び下作動口33b寄りの領域に表示するものである。
上記特別表示演出は低頻度サポートモード用の専用演出であり、サポートモードが低頻度サポートモードである状況下で電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開閉制御される場合に限って行われる。低頻度サポートモードは電動役物34が開放状態に切り替えられる頻度が低いため、電動役物34への遊技者の関心が薄れていることが想定される。このため、電動役物34を開放させるのみでは遊技者が気付かず、電動役物34(下作動口33b)への入賞を狙う面白みを未体験のままサポート状態が終了するおそれがある。上記のような演出表示を行うことで、遊技者の気付きを促すことができ、上記面白みを好適に提供することが可能になる。また、遊技を終了しようとしている遊技者においても、当該演出表示を視認することで電動役物34の開放を認識することができ、役物用表示部44や表示部PP1,PP2、電動役物34を凝視し続ける負担が軽減される。
図67(b)に示すように、特別表示演出は、電動役物34が開放されることを事前に遊技者に知らせるべく、電動役物34の開放前から実行されるように構成されている。電動役物34の開放前における特別表示演出の実行期間はランダム化されており、例えば2.0sec~5.0secの範囲内で変更可能となっている。すなわち、特別表示演出の実行期間として2.0sec、4.0sec及び5.0secの3種類が準備されており、特別表示演出を実行する都度、それらの中から1つがランダムに選択される。最短の時間である2.0secは、確定表示時間の場合と同様に、少なくとも遊技球を発射してから電動役物34(下作動口33b)に到達するまでの所要期間(例えば1.0sec)よりも長くなるようにして設定されているものである。
上記の構成とすることで、第1高入賞サポート状態の発生を事前に知らせながらも、所謂止め打ちを好適に抑制することができる。すなわち、特別表示演出の実行期間を予め定めた所定期間に固定化した構成であると、特別表示演出の開始タイミングから電動役物34の開始タイミングを予測可能となり、確定表示時間をランダム化した意義が失われかねない。この点、本実施の形態では、特別表示演出の実行期間が多様化されていることで、電動役物34の開始タイミングを予測困難又は予測不能とすることができる。
各実行期間における特別表示演出の表示態様は共通のものとなっており、視覚的に識別困難又は識別不能とされている。これにより、特別表示演出の内容から実行期間を予測することが困難化され、止め打ちの抑制を強化することができる。この場合において、必ずしも特別表示演出の表示態様を画一化する必要はない。例えば、2.0secの特別表示演出の一部と4.0secの特別表示演出の一部とが共通する場合のように、各特別表示演出の相互間で表示態様の重複化が図られている構成としてもよい。要は特別表示演出の内容(見た目)から一意に実行期間を特定できないものであればよい。
特別表示演出の実行期間の選択は、報知・演出制御装置82にて実行され、主制御装置81における確定表示時間の選択結果とは無関係に実行される。このため、主制御装置81において確定表示時間として最短の確定表示時間A(4.0sec)が選ばれた場合であっても、報知・演出制御装置82において最長の5.0secが選択されることがあり得る。このように、本実施の形態では、確定表示の中だけで特別表示演出を実行できないケースが生じ得る。
そこで、報知・演出制御装置82において、主制御装置81にて選択された確定表示時間の種別や時間長を判別し、その結果に基づいて特別表示演出の開始タイミングを調整する構成されている。すなわち、図67(b)に示すように、自身が選択した特別表示演出の実行期間よりも主制御装置81にて選択された確定表示時間の方が短い場合は、確定表示の開始に先行して特別表示演出を開始する。逆に、図67(c)に示すように、自身が選択した特別表示演出の実行期間よりも主制御装置81にて選択された確定表示時間の方が長い場合は、確定表示中に特別表示演出を開始する。このような構成とすることで、確定表示時間が不規則に可変化される中でも、特別表示演出のための時間を適正に確保することが可能となる。
普図変動開始用処理(図66)の説明に戻り、ステップS4303の特別表示演出用の設定処理では、上記特別表示演出の実行期間の選択処理、主制御装置81にて選択された確定表示時間の種別や時間長の把握処理、確定表示時間が特別表示演出の実行期間よりも長いか否かの判定処理、当該判定処理の結果に基づく特別表示演出の開始タイミングの設定処理を行う。このうち、確定表示時間の種別や時間長の把握処理は、主制御装置81からの普図変動用コマンドに含まれる確定表示時間の情報に基づいて行う。特別表示演出の開始タイミングを設定した後は、当該開始タイミングが到来することに基づいて、特別表示演出を開始するためのコマンドを表示制御装置212へ出力する。表示制御装置212では、当該コマンドに基づいて表示画面41aにて特別表示演出が開始されるように図柄表示装置41を制御する。なお、ステップS4303における各種処理は、表示制御装置212が行ってもよい。
続くステップS4304では、普図遊技回用の演出を開始するように、表示制御装置212へコマンド出力をする処理を実行してから、本普図変動開始用処理を終了する。表示制御装置212のMPU252では、その受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41に対して、今回の普図遊技回における演出を実行するための表示制御を行う。なお、上記のように普図遊技回としては、上記普図表示領域PEにおける表示部PP1,PP2の表示色の切り替えを行うだけであるため、表示制御装置212では、上記コマンドを受信したことに基づいて周期的に当該表示部の表示色の切り替え表示を実行するように図柄表示装置41の表示制御を行う。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
サポートモードが低頻度サポートモードである場合の普図遊技回の確定表示時間を高頻度サポートモードである場合のそれよりも長くした。これにより、低頻度サポートモードの機能が損なわることを抑制しながら、普図当否抽選の結果を早く知らせることが可能になる。その結果、特図遊技回の終了後、遊技者が遊技を速やかに終了できるようになる。
サポートモードが低頻度サポートモードである場合において、普図遊技回の確定表示時間を特図遊技回の確定表示時間よりも長くした。係る構成とすることで次のような効果が期待される。本実施の形態では、普図遊技回に対応する表示部PP1,PP2は、特図遊技回に対応する図柄列Z1~Z3よりも小さくなっており、また、役物用表示部44は、遊技盤24の前面中央から離れた位置に設けられていることから、いずれも目立ちにくくなっている。加えて、普図当否抽選の当選結果は、遊技者の有利度合が特図当否抽選の当選結果よりも小さくなりがちとなる。このため、遊技中において遊技者の関心は特図遊技回に向き易く、遊技者は遊技の大半において図柄列Z1~Z3や特図遊技回に関する演出表示を視認していると考えられる。そのような状況の下、普図当否抽選の行方がふと気になり、視線を表示部PP1,PP2等に移すことがあり得る。
係る場合において、普図遊技回の確定表示時間が長くなっていることで、遊技者が視線を移したときに表示部PP1,PP2等が停止表示状態となっている確率が高まる。表示部PP1,PP2等が停止表示状態である場合、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別を直ちに把握できるところ、その確率が高められていることで、普図当否抽選の結果を迅速に把握できる機会が増大する。その結果、図柄列Z1~Z3側に速やかに視線を戻せる頻度が高められ、図柄列Z1~Z3の停止結果や演出表示の見逃しが抑制される。
この場合において、特図遊技回の確定表示時間についても普図遊技回に合わせて長くすることが考えられる。しかしながら、図柄列Z1~Z3への注目度が高い中でその確定表示時間を長くすると、遊技者に対して間延びした印象を与え易くなり、遊技意欲が阻害されるおそれがある。この点、本実施の形態では、特図遊技回の確定表示時間が短くされているため、これを好適に抑制することが可能になる。すなわち、本実施の形態によれば、普図遊技回の確定表示時間は相対的に長く、特図遊技回の確定表示時間は相対的に短くされていることで、普図当否抽選の結果等を迅速に把握し易くしつつ、遊技進行の停滞を抑制することが可能になる。
<第2の実施の形態の変形例>
本変形例では、遊技者が遊技を休止しているか否かを判定し、その結果に基づいて普図遊技回の確定表示時間を設定する点が上記第2の実施の形態と異なっている。以下、本変形例の構成について図68~図72を参照して説明する。
普図遊技回の確定表示時間を長くすることで、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別をいち早く遊技者に知らせることができるのは、上記第2の実施の形態で述べたとおりであるが、例えば、特図遊技回の終了時点で普図の保留情報が記憶されていた場合は、進行中の普図遊技回の結果が早く分かっても、それらの普図遊技回の結果が分かるまで待つ必要が生じる。その対処として、1遊技回に係る遊技時間を短くして次の普図遊技回の開始タイミングを早めることが考えられるが、この場合、単位時間当たりの普図当否抽選の実行頻度が高くなり、低頻度サポートモードの機能が損なわれるという問題が生じる。
この点に鑑み、本変形例では、図68に示すように、サポートモードが低頻度サポートモードである場合であっても遊技が休止されている場合は普図遊技回の確定表示時間を短くする構成とされている。単位時間当たりの普図当否抽選の実行頻度が高くなるのは、普図遊技回の遊技時間が短くなることで、記憶された保留情報が短期間で消化され続けると同時に、遊技球がスルーゲート35を通過することで、新たな保留情報が次々と補充されることによるものと考えられる。この点、本変形例では、遊技中である場合は上記第2の実施の形態のように確定表示時間を長くするものの、遊技が休止されている場合はそれを短くする。これにより、低頻度サポートモードの機能が損なわれることを抑制しながら普図遊技回の遊技時間を短くすることができ、特図遊技回の終了時点で普図の保留情報が記憶されている場合の結果待ち時間を短縮することが可能になる。
なお、確定表示時間を短くした場合の具体的な時間長は、図68に示すように、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の時間長と同一の0.5secとするものでもよいし、それとは異なるものであってもよい。要は、サポートモードが低頻度サポートモードである場合において、遊技休止中の確定表示時間が遊技中の確定表示時間よりも短くなるものであれば足り、その具体的な時間長は任意である。
次に、本変形例において、主制御装置81のMPU202にて実行される各制御処理について説明する。
<通常処理>
図69は、本変形例における通常処理を示すフローチャートである。本処理は、上記第1の実施の形態に係る図12の通常処理に代えて行われるものであり、ステップS4501の遊技休止判定処理が追加されている点で、上記図12の通常処理と異なっている。なお、ステップS4502~S4510の処理については、図12の通常処理におけるステップS401~S409の処理と同様であるため、その説明を省略する。
通常処理では、先ずステップS4501にて、遊技者が遊技を休止しているか否かを判定する遊技休止判定処理を実行する。ここで、図70のフローチャートを参照して遊技休止判定処理について説明する。
遊技休止判定処理では、先ずステップS4601にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に遊技休止フラグが格納されているか否かを判定する。遊技休止フラグは、遊技者が遊技を休止していると判定した場合にセットされるものである。ステップS4601で否定判定した場合は、ステップS4602にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に休止タイマフラグが格納されているか否かを判定する。休止タイマフラグは、遊技休止の判定にあたって、発射停止状態が所定期間に亘って継続されているか否かを判定する場合にセットされるものであり、発射停止中の経過期間を計測中であることを示すものである。
ステップS4602で否定判定した場合は、ステップS4603にて、遊技球の発射が停止されているか否かを判定する。具体的には、発射ハンドル54における遊技者の発射操作の状況、又は遊技球発射機構53における遊技球の発射状況を参照し、発射操作が行われているか否か、又は遊技球が発射されているか否かを判定する。ステップS4603で肯定判定した場合は、ステップS4604にて、特図遊技回において変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4604で否定判定した場合は、ステップS4605にて、特図の共通保留数CRNが0であるか否かを判定する。
ステップS4605で肯定判定した場合は、ステップS4606にて、発射停止期間を計測すべく、RAM204の各種フラグ格納エリア235に休止タイマフラグをセットし、続くステップS4607にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第3タイマエリアT3に「5000」(10.0sec相当)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。
一方、ステップS4603,S4605で否定判定した場合、又はステップS4604で肯定判定した場合は、そのまま本遊技休止判定処理を終了する。ステップS4607の実行後は、ステップS4608にて第3タイマエリアT3の値が0であるか否かを判定する。ステップS4608で否定判定した場合は、そのまま本遊技休止判定処理を終了する。
一方、ステップS4602で肯定判定した場合、すなわち、RAM204の各種フラグ格納エリア235に休止タイマフラグが格納されている場合は、ステップS4609にて、遊技球が発射されているか否かを判定する。つまり、ステップS4609では、上記ステップS4603にて遊技球の発射が停止されていると判定した後、遊技球の発射操作が再開されたか否かを判定する。なお、この処理は上記ステップS4603と同様にして行う。
ステップS4609で肯定判定した場合は、ステップS4610にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている休止タイマフラグを消去し、その後、本遊技休止判定処理を終了する。一方、ステップS4609で否定判定した場合は、ステップS4608に進み、第3タイマエリアT3の値が0であるか否かを判定する。
そして、ステップS4608で肯定判定した場合、すなわち、発射停止状態が10.0sec間に亘って継続された場合は、遊技が休止されていると判定する。この場合は、ステップS4611にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に遊技休止フラグをセットする。また、ステップS4611では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納されている休止タイマフラグを消去する。ステップS4611の実行後は、本遊技休止判定処理を終了する。
このように本変形例では、発射停止状態が10.0sec間に亘って継続されている場合に遊技が休止されていると判定する。遊技球の発射は遊技の進行に不可欠なものであるところ、本構成とすることで遊技休止を適正に判定し易くなる。その際、特図遊技回の変動状況や特図保留情報の記憶状況を加味して遊技休止を判定する構成とされている。これにより、遊技休止をより適正に判定し易くなる。
すなわち、特図遊技回においてリーチ演出等が行われていると、遊技者がそれに見入っていて発射ハンドル54から手を離している場合があり、また、特図保留情報が存在する場合は、今後も遊技が継続することを意味する他、保留数によっては発射操作を控えているだけの可能性もある。本変形例では、特図遊技回が変動表示中である場合や特図保留情報が記憶されている場合は、遊技球の発射が停止されていても遊技中とみなす構成とされているため、遊技球が発射されているか否かのみを判断材料とする場合に比べて判定精度を向上させることができ、誤判定を抑制することができる。
ステップS4601で肯定判定した場合、すなわち、RAM204の各種フラグ格納エリア235に遊技休止フラグが格納されている場合は、ステップS4613にて遊技球が発射されているか否かを判定する。つまり、ステップS4613では、上記ステップS4608にて遊技が休止されていると判定した後、遊技球の発射操作が再開されたか否かを判定する。ステップS4613で肯定判定した場合は、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された遊技休止フラグを消去し、遊技休止中である旨の判定状態を解除する。
一方、ステップS4613で否定判定した場合は、ステップS4615にて、普図遊技回が終了(普図遊技回の確定表示が終了)しており且つ普図の保留数FNが0であるか否かを判定する。ステップS4615で肯定判定した場合は、ステップS4614に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に格納された遊技休止フラグを消去し、遊技休止中である旨の判定状態を解除する。これに対し、ステップS4615で否定判定した場合は、そのまま本遊技休止判定処理を終了し、遊技休止中である旨の判定状態を継続する。
<普図確定表示時間の設定処理>
図71は、本変形例における普図確定表示時間の設定処理を示すフローチャートである。本処理は、上記第2の実施の形態に係る図61の普図確定表示時間の設定処理に代えて行われるものであり、普図遊技回の変動開始時に実行されるものである。本変形例における普図確定表示時間の設定処理は、ステップS4702の処理が追加されている点で、第2の実施の形態における普図確定表示時間の設定処理と異なっている。
普図確定表示時間の設定処理では、先ずステップS4701にてサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS4701で否定判定した場合は、ステップS4702にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235に遊技休止フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS4702で肯定判定した場合は、ステップS4703に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた普図変動表示時間カウンタエリアに250(0.5secに相当)をセットし、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。これにより、遊技が休止されていると判定されている場合の確定表示時間が0.5secに設定される。
一方、ステップS4702で否定判定した場合は、ステップS4704に進み、今回の普図遊技回の当否判定結果が、第1高入賞サポート状態となる開放結果(開放結果B)であるか否かを判定する。ステップS4704で肯定判定した場合は、ステップS4705,S4706の処理を実行し、ステップS4704で否定判定した場合は、ステップS4707の処理を実行する。ステップS4705~S4707の処理は、図61におけるステップS3703~S3705の処理と同様のものである。ステップS4706,S4707の実行後は、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。また、ステップS4701にて否定判定した場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は、上記ステップS4703に進んで確定表示時間を0.5secに設定し、その後、本普図確定表示時間の設定処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、サポートモードが低頻度サポートモードである場合の遊技の流れ(主として普図遊技回の確定表示時間の遷移状態)について、図72を参照して説明する。ここでは、普図遊技回の当否抽選の結果はいずれも外れ結果であるとする。
タイミングt91において、遊技休止フラグがオフとなっている状態、すなわち、遊技中であると判定されている状態で普図遊技回Aの変動表示が開始された場合は、当該遊技回Aの確定表示の時間が16.0secに設定される。確定表示の開始後、タイミングt92において、遊技休止フラグがオン、すなわち、遊技休止状態であると判定されると、次の普図遊技回である遊技回Bの変動開始時点であるタイミングt93にて、その遊技回Bの確定表示時間が0.5secに設定される。つまり、確定表示時間が短縮化され、さらに次の普図遊技回である遊技回Cの開始タイミング(タイミングt95)が早められる。これにより、遊技が休止されている状態では、遊技中である場合よりも遊技回Cにおける普図当否抽選の結果(外れ結果)を早く知ることが可能になる。
遊技回Bの変動表示中であるタイミングt94において、遊技者が遊技球を発射させて遊技を再開した場合は、遊技休止フラグがオフされ、遊技休止中である旨の判定状態が解除される。これに伴い、遊技回Cの変動開示時(タイミングt95)において遊技回Cの確定表示時間が16.0secに設定される。つまり、確定表示時間が長い側の時間に復帰し、低頻度サポートモードに適した確定表示時間に変更される。これにより、遊技終了の意思がない中で普図遊技回の遊技時間を意図的に短縮しようとする行為を抑制することが可能になる。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技者が遊技を休止しているか否かを判定し、遊技を休止していると判定した場合は、普図遊技回の確定表示時間を短くする構成とした。これにより、特図遊技回の終了時点で普図の保留情報が記憶されていた場合でも、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別をいち早く遊技者に知らせることが可能になる。
また、上記構成とされていることで、次のような効果も期待できる。例えば、遊技の終了後も普図遊技回が長らく続いていると、次の遊技者がそのパチンコ機10を遊技しようとした際に、前の遊技者が発生させた普通図柄の保留情報が残っていたり、普図遊技回が行われていたりすることが起こり得る。その場合、次の遊技者は、それまで遊技していた前の遊技者が遊技を終えたのか、それとも未だ遊技中なのかを判別しにくくなり、遊技を始めてよいものなのか困惑する事態が生じ得る。この点、本変形例によれば、それまで遊技していた遊技者が遊技を終了して立ち去った後は、残存している保留情報が速やかに消化される。このため、次の遊技者が遊技を始めようとした場合に、保留情報が残っていたり、普図遊技回が行われていたりすることが抑制される。これにより、次の遊技者が遊技を始め易くなり、遊び易さが向上する。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、所定の異常が発生した場合に、確定表示時間の長さを変更する。図73は本実施の形態におけるエラー対応処理を示すフローチャートである。本処理は、主制御装置81のMPU202にて所定周期(例えば4msec周期)で起動される。
ステップS4801では、前扉枠14が開放されているか否かを判定する。なお、内枠13には、前扉枠14が内枠13に対して開放されたことを検知する前扉開放スイッチが設けられている。前扉開放スイッチは主制御装置81に接続されており、主制御装置81では、前扉開放スイッチからの検知信号を判定することで前扉枠14が開放されたことを判定可能となっている(例えば、検知信号がHI信号であれば前扉枠14が開放されていると判定し、検知信号がLOW信号であれば閉鎖されていると判定する)。前扉枠14が開放されていると判定した場合には、ステップS4802にて扉開放報知用処理を実行する。当該報知用処理では、前扉枠14が開放されたことを表示画面41aにて表示したり、スピーカ部64から警告音を発するための処理を行う。なお、本実施の形態では、前扉枠14が開放されても遊技は停止されず、遊技が継続され得る。
ステップS4802の処理を行った後は、ステップS4803にて、今回の処理タイミングが遊技回を実行中であって且つ確定表示前のタイミングであるか否かを判定する。ステップS4803にて肯定判定した場合には、ステップS4804にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたエラーカウンタEKに、現状の共通保留数CRNの値に1を加えた値をセットする。エラーカウンタEKは、遊技を行うにあたって所定の異常が発生した時点で保留記憶されている保留情報の数をMPU202が把握するためのカウンタである。例えば、現状の共通保留数CRNが「3」であればエラーカウンタEKに「4」を入力し、共通保留数CRNが「8」であればエラーカウンタEKに「9」を入力する。
一方、ステップS4803にて否定判定した場合には、ステップS4805にて、上記エラーカウンタEKに、現状の共通保留数CRNの値をセットする処理を実行する。例えば、共通保留数CRNが「3」であればエラーカウンタEKに「3」を入力し、共通保留数CRNが「0」であって遊技回を実行中ではなければ、エラーカウンタEKに「0」を入力する。
ステップS4801にて前扉枠14が開放されていないと判定した場合には、ステップS4806に進む。ステップS4806では、下皿72が満タン状態であるか否かを判定する。なお、下皿72へ遊技球を排出する通路の下流位置には、下皿72に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが設けられている。下皿満タンスイッチは主制御装置81に接続されており、主制御装置81では、下皿満タンスイッチからの検知信号を判定することで下皿72が満タン状態となっているか否かを判定可能となっている(例えば、検知信号がHI信号であれば下皿満タン状態であると判定し、検知信号がLOW信号であれば下皿満タン状態ではないと判定する)。下皿満タン状態であると判定した場合には、ステップS4807にて下皿満タン報知用処理を実行する。当該報知用処理では、下皿満タン状態であることを表示画面41aにて表示したり、スピーカ部64から警告音をい発するための処理を行い、下皿72の遊技球を所謂ドル箱に移すように指示する。なお、本実施の形態では、下皿満タン状態がとなっても遊技は停止されず、遊技が継続され得る。
その後、ステップS4803~ステップS4805にてエラーカウンタEKに値をセットする処理を行う。
ステップS4806にて下皿満タン状態ではないと判定した場合には、ステップS4808にて球詰まりが発生しているか否かを判定する。球詰まりとは、例えば払出装置96の払出モータや払出通路、遊技領域PEからの排出通路等の遊技球が通過する通路や機構部に遊技球が詰まってしまう事象である。球詰まり状態か否かの判定は、例えば、払出モータが動作不良を起こしたり、払出指示数(賞球数等)に対する払出数(払出装置96から払い出される遊技球数)と異なる場合等をそれぞれ主制御装置81に接続された各種検知スイッチによって検知して判定する。球詰まりが発生している場合には、ステップS4809にて球詰まり報知用処理を実行する。当該報知用処理では、球詰まり状態であることを表示画面41aにて表示したり、スピーカ部64から警告音をい発するための処理を行う。なお、本実施の形態では、球詰まりが発生しても遊技は停止されず、遊技が継続され得る。
その後、ステップS4803~ステップS4805にてエラーカウンタEKに値をセットする処理を行う。
ステップS4804若しくはステップS4805の処理を実行した後、又はステップS4808にて否定判定した場合には、ステップS4810にてその他の対応処理を行ってからエラー対応処理を終了する。ステップS4810では、例えば、遊技を停止すべきエラー(異常)が発生した場合には、遊技を強制的に停止させるための処理を行ったり、その強制停止に対応する報知用処理を行う。遊技を停止すべきエラーとは、例えば、主制御装置81に接続された磁気や電波、振動等の異常検知スイッチによりこれらの異常が検知された場合などがある。
本実施の形態における停止開始時処理では、図74のフローチャートに示すように、ステップS4901にて上記のエラーカウンタEKに値がセットされているか否か(0より大きい値であるか否か)を判定する。エラーカウンタEKの値が0である場合には、上記ステップS1201に進み、保留予告に応じた第1確定表示時間の設定等を行う。
エラーカウンタEKが0ではなく、1以上である場合には、ステップS4902にて当該エラーカウンタEKを1減算する処理を実行する。続くステップS4903では、今回実行している遊技回の第1確定表示時間を、上記ステップS1201以降の処理にて設定される第1確定表示時間(0.2sec又は1.5sec)よりも長い時間である5secとして設定する処理を行う。そして、ステップS4904にて、第1確定表示を開始する処理を行ってから、本停止開始時処理を終了する。
報知・演出制御装置82側の停止開始用処理では、図75のフローチャートに示すように、ステップS5001にて、今回の遊技回の第1確定表示時間を把握する処理を実行し、ステップS5002にて、今回の遊技回の第1確定表示時間が1.5secであるか否かを判定する。1.5secである場合には、ステップS5003にて保留予告演出の設定処理を実行する。ステップS5001~ステップS5003の処理は、上記ステップS1601~ステップS1603の処理と同様である。ステップS5002にて第1確定表示時間が1.5secではない場合には、ステップS5004に進み、今回の遊技回の第1確定表示時間が5.0secであるか否かを判定する。5.0secである場合とは、上記主制御装置81側の停止開始時処理において、エラーカウンタEKの値が0ではない遊技回であると判定された場合である。この場合、ステップS5005にて、遅延演出の設定処理を実行する。遅延演出の設定処理では、今回の遊技回の第1確定表示時間が通常よりも長い時間であることを報知するための遅延演出が行われるように、表示制御装置101等を制御する。
例えば、図76(a)に示すように、遊技回の変動表示が行われている状況でエラーカウンタEKの設定が行われたとする。この場合、図76(b)に示すように今回の遊技回の変動表示が終了すると、図76(c)に示すように、単に各図柄列Z1~Z3が停止表示されて結果報知が行われるだけでなく、表示画面41aにおける変動表示領域MEと重ならない位置(例えば上下)において、次の遊技回の開始が遅延されていることを示すように「ゆっくり消化中」という遅延テロップUPを表示させる。
ステップS5003又はステップS5005の処理を実行した後、又はステップS5004にて5.0secではないと判定した場合(0.2secである場合)は、ステップS5006にて確定表示の開始処理を実行する。ステップS5006の処理はステップS1604の処理と同様である。ステップS5006の処理を実行した後は、本停止開始用処理を終了する。
エラーカウンタEKに値がセットされた場合の遊技の流れを、図77のタイミングチャートを参照しながら説明する。
タイミングt1において開始された遊技回の変動表示が、タイミングt2で終了し、0.7secの確定表示時間(0.2secの第1確定表示時間と0.5secの第2確定表示時間)が設定された場合、タイミングt3にて確定表示時間が経過して次の遊技回が開始される。タイミングt3にて開始された遊技回の変動表示中のタイミング(確定表示前のタイミング)であるタイミングt4にて、例えば前扉枠14が開放されてエラーカウンタEKがセットされたとする。この場合、共通保留数CRNは1であるため(図77(c)参照)、エラーカウンタEKには2がセットされる。そして、タイミングt5にて今回の遊技回の変動表示が終了して、確定表示時間の設定が行われる場合、第1確定表示時間が5.0secとして設定され、その後、第2確定表示時間が0.5secとして設定される。この場合、エラーカウンタEKは1減算されるため、上記タイミングt4でセットされた2から1に更新される。また、前扉枠14は、今回の遊技回の確定表示時間中であるタイミングt6にて閉鎖されている。
タイミングt7にて次の遊技回が開始されると、共通保留数CRNは1減算されて0となる。そして、タイミングt8にて当該遊技回の変動表示が終了する場合、第1確定表示時間は5.0secが設定される。この場合、エラーカウンタEKは1減算されて0とされる。
例えば、タイミングt8にて設定された第1確定表示時間中に保留情報の取得がされた場合、今回の確定表示時間の終了タイミングであるタイミングt9にて新たな遊技回が開始される。但し、今回の遊技回においてはエラーカウンタEKは0であるため、タイミングt10にて第1確定表示時間の設定が行われる際には通常用の0.2secが設定される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
所定のエラーが発生したことに基づいて、確定表示時間の長さを延長する構成としたため、例えば、遊技ホールの管理者等によって当該エラーの対処が行われることによって、遊技回の結果を見逃してしまう、といった事象の発生を抑制することができる。
所定のエラーの対象を、遊技進行が継続される事象として、例えば、前扉枠14が開放されたことや、下皿満タン状態が発生したことや、球詰まりが発生したこととする一方で、例えば、磁気や電波、振動等を検知したとするエラーが発生した場合には遊技停止とする構成とした。これにより、エラー発生に基づいて一律に遊技停止としてしまう構成と比較して、遊技進行をスムーズなものとすることができる。
エラー発生時に残存する未報知の保留情報について、確定表示時間を延長する構成とした。エラー発生に基づいて予め定められた所定回数の確定表示時間を延長する構成も考えられるところ、このようにしてしまうと、例えば、エラー発生時では遊技回を実行していないのにもかかわらず、その後に遊技を行った際に確定表示時間が延長されてしまったり、例えば、エラー発生時に多量の保留情報が記憶されているのにもかかわらず、そのうちの一部しか延長されなかったりする不都合が生じ得る。そこで、上記構成のようにすることで、エラー発生時の実情に沿った対処を行うことが可能となる。
上記実施の形態においても、確定表示時間の設定を、遊技回の開始後、確定表示時の開始時に行う構成としたため、エラー発生時に実行中の遊技回の結果報知についても見逃し抑制効果を期待することができる。
例えば、エラー発生時に遊技の進行速度を低下させる構成として、変動表示時間を延長する構成も考えられる。しかしこの場合、変動表示時間の延長にあわせて、表示画面41a等にて実施される遊技回用の演出(図柄の変動表示パターン)も変更する必要が生じる。そうすると、ただでさえエラー時においてはエラー解消用の処理等を行うべく、出来るだけ他の処理の処理負荷を軽減したいのにもかかわらず、逆に処理負荷が高騰してしまう構成となってしまう。その点、上記のように確定表示時間を延長する構成とすれば、各図柄列Z1~Z3の変動表示は停止しており、その停止している時間を延長するだけであるため、遊技回用の演出(図柄の変動表示パターン)を変更することなく、遊技の進行速度を低下させることが可能となる。
<第3の実施の形態の変形例>
本変形例では、エラー発生に基づく確定表示時間の延長を解除するタイミングが異なっている。図78は、本変形例におけるエラー対応処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS5101にて前扉枠14が開放されたか否かを判定する。かかる処理は、上記ステップS4801と同様である。前扉枠14が開放されている場合には、ステップS5102にて、上記ステップS4802と同様の扉開放報知用処理を実行する。そして、ステップS5103にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235にエラーフラグをセットする処理を実行する。エラーフラグは、第1確定表示時間の延長を行うか否かをMPU202が判断するためのフラグであり、エラー発生に基づいてセットされ、エラー解除に基づいて消去される。
ステップS5101にて否定判定した場合、ステップS5104にて、上記ステップS4806と同様に下皿満タン状態であるか否かを判定する。下皿満タン状態である場合には、ステップS5105にて、上記ステップS4809と同様に下皿満タン報知用処理を実行する。その後、ステップS5103にてエラーフラグをセットする。
ステップS5104にて否定判定した場合、ステップS5106にて、上記ステップS4808と同様に球詰まりが発生したか否かを判定する。球詰まりが発生している場合には、ステップS5107にて、ステップS4809と同様に球詰まり報知用処理を実行する。その後、ステップS5103にてエラーフラグをセットする。
ステップS5103の処理を実行した後、又はステップS5106にて否定判定した場合は、ステップS5108にてその他の対応処理を実行してから、本エラー対応処理を終了する。ステップS5108の処理は、上記ステップS4810の処理と同様である。
停止開始時処理では、図79のフローチャートに示すように、ステップS5201にて、上記エラーフラグがセットされているか否かを判定する。エラーフラグがセットされていない場合には、ステップS1201へ進み、保留予告に応じた第1確定表示時間の設定等を行う。
エラーフラグがセットされている場合には、ステップS5202にて、今回実行している遊技回の第1確定表示時間を、上記ステップS1201以降の処理にて設定される第1確定表示時間(0.2sec又は1.5sec)よりも長い時間である5secとして設定する処理を行う。そして、ステップS5203にて、第1確定表示を開始する処理を行ってから、本停止開始時処理を終了する。
この場合、報知・演出制御装置82側の停止開始用処理では、第1確定表示時間として5secが設定されていることを条件として、上記遅延演出を設定する処理を行う。その結果、遊技回における変動表示が終了した後、確定表示において遅延演出として遅延テロップUP(図76(c))が表示される。
エラーフラグが消去されるエラー解消処理について、図80のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS5301では、エラーフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま本解消処理を終了する。セットされている場合には、ステップS5302に進む。ステップS5302~ステップS5304は、エラーが解消されているか否かの判定処理である。すなわち、ステップS5302では、前扉枠14が開放されているか否かを判定し、開放されていればエラーが解消されていないとして、そのまま本解消処理を終了する。また、ステップS5303では、下皿満タン状態であるか否かを判定し、下皿満タン状態であればエラーが解消されていないとして、そのまま本解消処理を終了する。そして、ステップS5304では、球詰まりが発生しているか否かを判定し、球詰まりが発生していればエラーが解消されていないとして、そのまま本解消処理を終了する。
ステップS5302~ステップS5304の各処理でエラーが解消されていると判定した場合には、ステップS5305に進む。ステップS5305では、発射ハンドル54が操作されているか否かを、発射ハンドル54に設置されたタッチセンサ等により判定する。操作されていなければ、遊技者による遊技開始準備が整っていないものとして、そのまま本解消処理を終了する。その一方で、発射ハンドル54の操作が行われていると判定した場合には、ステップS5306にて、エラーフラグを消去する処理を行ってから、本解消処理を終了する。
本変形例のように、遊技者の遊技開始準備が整っていることを条件として、エラー発生に基づく確定表示時間の延長を行わないようにすれば、エラー発生後、遊技を再開したのにもかかわらず、しばらくの間、確定表示時間の延長が行われてしまう、といった不都合を解消することができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、遊技者の操作に基づいて、確定表示時間の延長を行う。図81(a)は本実施の形態におけるパチンコ機10の正面図である。
本実施の形態では、遊技者による操作が行われる操作部としての操作ボタン77が遊技機前面部に設けられている。操作ボタン77が操作されると、操作ボタン77に内蔵された図示しない操作検知スイッチがその操作を検知し、検知信号が主制御装置81へ出力される。主制御装置81では、操作検知スイッチからの検知信号に基づいて操作ボタン77の操作の有無を判定する。
図81(b)は、操作ボタン77の操作を判定するための操作対応処理を示すフローチャートである。操作対応処理は、主制御装置81のMPU202にて所定周期(例えば4msec周期)で起動される。
ステップS5401では、操作ボタン77の操作が行われたか否かを判定する。操作されていなければ、そのまま操作対応処理を終了する。操作されていれば、ステップS5402に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に操作フラグがセットされているか否かを判定する。操作フラグがセットされていない場合には、ステップS5403にて操作フラグをセットしてから、本操作対応処理を終了する。操作フラグがセットされている場合には、ステップS5404にて操作フラグを消去してから、本操作対応処理を終了する。すなわち、操作ボタン77が操作されるたびに、操作フラグがセットされた状態とセットされていない状態とが切り換わる。
図82(a)は、本実施の形態における停止開始時処理を示すフローチャートである。
ステップS5501では、上記の操作フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていなければ、ステップS1201へ進む。セットされている場合には、ステップS5502に進み、今回の第1確定表示時間を、1回の遊技回の最短の変動表示時間よりも長く、且つ最長の変動表示時間以内の時間として、30.0secとして設定する処理を行う。そして、ステップS5503にて、第1確定表示を開始する処理を行ってから、本停止開始時処理を終了する。
本実施の形態における停止開始用処理では、図75におけるステップS5004にて第1確定表示時間が30.0secであるか否かを判定する。30.0secである場合、すなわち、操作ボタン77が操作された状況で遊技回の変動表示が終了した場合は、ステップS5005にて遅延演出を設定する。本実施の形態における遅延演出では、例えば、図82(b)に示すように、表示画面41aにおける変動表示領域MEと重ならない位置(例えば上下)において、次の遊技回の開始が遅延されていることを示すように「トイレ休憩中」という休憩中テロップQPを表示させる。
以上のようにすることで、遊技者の意志決定に基づいて、遊技進行の速度を変更することができる。この場合、変動表示時間ではなく、確定表示時間を変更する構成とすることで、演出パターンの変更を要することなく、遊技進行の速度を変更することができる。よって、簡素な構成によって、利便性を向上させることができる。
ここで、遊技者が遊技進行をストップさせたい場合、従来であれば、記憶されている保留情報の消化を待つ必要があり、例えば多数の保留情報が記憶されている場合には、消化待ちに長時間要してしまう、といった不都合があった。特に、本パチンコ機10では、通常遊技状態において、第1入球部33d用の保留情報と第2入球部33e用の保留情報とがそれぞれ上限数(4個)まで取得され得る構成であり、一方の入球部の保留情報は上限数まで取得され易い一方で、他方の入球部の保留情報は上限数まで取得されにくい(入球しにくい)構成よりも、多数の保留情報が記憶されている場面が多くなり得る。そのため、遊技者が遊技進行をストップさせたいと思っても、直ちにストップすることができない場面も多くなる。その点、上記構成のように、遊技者の操作に基づいて、遊技進行を遅らせることが可能となれば、保留情報が多数記憶されていても、長めに設定される確定表示時間を利用して用を済ますことが可能となる。
また、例えば、記憶されている保留情報に基づく先読み報知(保留予告)によって、大当たり期待度が高い演出が発生するであろうことを、遊技者が先に把握した場合には、当該遊技者の気持ちとしては、その大当たり期待度が高い演出が行われる遊技回を存分に楽しむべく、飲み物を用意したり、友人を呼び寄せたりしたい気持ちもあると考えられる。その点、上記構成によれば、このような状況となった場合に、消化スピードを遅くするようにすれば、当該大当たり期待度が高い演出が発生するであろう遊技回を存分に楽しむための準備を行わせることが可能となる。
消化スピードを遅くする一方で、遊技進行を停止はしない構成とした。これにより、例えば、遊技者が遊技を終えて離席する際に、あえて未消化の保留情報を残したうえで、消化スピードを遅くする操作を行ったとしても、離席後しばらくすれば、未消化の保留情報は消化されることになる。よって、離席後に未消化の保留情報がいつまでも残存してしまうことによって、後続の遊技者が遊技を行えなくなってしまう、という不都合が生じない。
<第4の実施の形態の変形例>
本変形例では、遊技者の操作に基づいて、確定表示時間中に大当たり遊技回の演出パターンを再現する。図83(a)は本変形例における、停止開始時処理を示すフローチャートである。
ステップS5601では、上記操作フラグがセットされているか否かを判定する。操作フラグがセットされていない場合には、ステップS1201へ進む。操作フラグがセットされている場合には、ステップS5602へ進み、今回の遊技回が大当たり結果となる遊技回であるか否かを判定する。大当たり結果とはならない遊技回である場合には、ステップS5603に進み、今回の第1確定表示時間を通常時と同じ0.2secとして設定する。大当たり結果となる遊技回である場合には、ステップS5604に進み、今回の遊技回の変動表示時間の長さを特定し、特定した変動表示時間を今回の第1確定表示時間として設定する処理を行う。例えば、今回の遊技回が、変動表示時間として30secが設定された遊技回であれば、今回の第1確定表示時間を30secとして設定し、変動表示時間として90secが設定された遊技回であれば、今回の第1確定表示時時間を90secとして設定する。ステップS5603又はステップS5604の処理を実行した後は、ステップS5605にて第1確定表示を開始する処理を行ってから、本停止開始時処理を終了する。
報知・演出制御装置82側においては、図84のフローチャートに示すように、停止開始用処理において、ステップS5701~ステップS5703にて、上記ステップS5001~ステップS5003と同様の処理を実行する。ステップS5703にて否定判定して、今回の第1確定表示時間が1.5secではないと判定した場合、ステップS5704では、今回の第1確定表示時間として、今回の遊技回の変動表示時間が設定されているか否かを判定する。変動表示時間が設定されている場合には、ステップS5705にて、今回の第1確定表示時間中の演出パターンとして、今回の遊技回の演出パターンを設定する処理を実行する。
ステップS5703若しくはステップS5705の処理を実行した後、又はステップS5704にて否定判定した後は、ステップS5706にて確定表示の開始処理を実行してから、停止開始用処理を終了する。
このようにすることで、図83(b)に示すように、表示画面41aにおいて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われて、リーチ演出を経て大当たり結果が報知された場合、その後の第1確定表示時間を利用して、今回の遊技回の変動開始から停止までの演出パターンが再現される。これにより、例えば、大当たり結果が報知される遊技回にのみ発生するプレミアムパターンの演出を見逃してしまった場合であっても、当該演出をじっくりと見る機会が付与されるため、演出を存分に楽しませることが可能となる。
この場合、演出パターンが再現される遊技回を、大当たり結果となる遊技回に限定したため、外れ結果であるのにもかかわらず、遊技回の演出が再現される煩わしさを解消することが可能となっている。
また、上記のようにすることにより、結果的に大当たり結果が報知されてから、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードの開始が、通常よりも遅延されることになる。これにより、例えば、大当たり結果が報知されてから、遊技球を受けるドル箱を用意する等、開閉実行モードの準備を行う期間を担保することも可能となる。
一方で、上記のような演出の再現が、例えば連荘中に発生した場合や、遊技時間が限られている遊技者にとっては、上記のような演出の再現を煩わしくも感じ得る。そこで、遊技者の操作に基づいて、演出の再現を発生させたり(操作フラグをセットしたり)、演出の再現を行わないようにしたり(操作フラグを消去したり)することで、遊技者の多様なニーズに柔軟に対応することが可能となる。
なお、上記変形例においては、大当たり結果となる遊技回の演出パターンを、第1確定表示時間中に再現する構成としたが、演出パターンを再現する遊技回はこれに限定されない。例えば、所定のリーチ発生に対応する変動表示時間が設定された遊技回の演出パターンを、第1確定表示時間中に再現してもよい。
また、上記変形例においては、今回の遊技回の演出パターンを第1確定表示時間中に再現する構成としたが、再現する遊技回は、今回の遊技回に限定されない。例えば、先読み報知(保留予告)によって、所定結果(大当たり結果)となる遊技回が特定されたことに基づいて、当該所定結果となる遊技回の前の遊技回の第1確定表示時間中に、当該所定結果となる遊技回の演出パターンを再現する構成としてもよい。例えば、大当たり結果となる遊技回が特定された場合に、その遊技回の1つ前に消化される遊技回における第1確定表示時間中に、当該大当たり結果となる遊技回中に実施されるであろう演出パターンを再現する構成とする。これにより、大当たり結果となる遊技回にて実施される演出パターンが繰り返し実施されることとなり、結果的に、上記変形例と同じ事象を生じさせることが可能である。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、所定条件が成立している場合には、大当たり結果となることを通常よりも早く報知する。図85は、本実施の形態における遊技盤124の正面図である。なお、上記各実施の形態における遊技盤24と同様の構成については、同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
本実施の形態においては、開閉実行モードを実行するか否かの当否判定の契機となる作動口が設けられている位置やその構成が異なっている。そこで、先ず、本実施の形態における遊技盤124における遊技領域PEについて説明する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。
具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル54の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル54の回動操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、遊技者は発射ハンドル54の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
なお、基準回動量というのは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一となる回動量のことであり、第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。したがって、第1範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する可能性があり、第2範囲の回動操作量において基準回動量に近い回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する可能性がある。
本実施の形態においては、作動口として上記第1入球部33dに対応する第1作動口133が下側領域PE4に設けられている。第1作動口133は、上側に開放された入球部であり、遊技領域PEを流下する遊技球が当該第1作動口133に入球すると、上記第1入球部33d用の保留情報が取得されて、当否判定が行われる。
第1作動口133には、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では遊技状態に依存することなく第1作動口133への入賞確率は一定となっている。また、第1作動口133は可変表示ユニット36に形成されたステージの真下に配置されており、可変表示ユニット36に形成された誘導通路を介してステージ上に流入した遊技球であってステージの中央から可変表示ユニット36外に排出される遊技球は第1作動口133に入賞し易くなっている。
ここで、上記のように第1作動口133が下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合及び右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合のいずれにおいても第1作動口133への入賞が可能である。但し、ステージへの誘導通路の入口が左側領域PE2に対して設けられており、右側領域PE3に対して設けられていないことにより、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口133への入賞が発生し易い。また、左側領域PE2及び右側領域PE3における遊技部品や釘38の配列も、左側領域PE2を流下した方が右側領域PE3を流下する場合に比べて第1作動口133への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PE3を流下した遊技球は第1作動口133への入賞がほとんど発生しないようになっている。
また、本実施の形態においては、作動口として上記第2入球部33eに対応する第2作動口134が右側領域PE3に設けられている。つまり、第2作動口134は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合には入賞が可能である。
第2作動口134の構成について図86を参照しながら説明する。図86(a),(b)は第2作動口134の構成を示す概略図である。第2作動口134には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物134aが設けられている。電動役物134aは、上記各実施の形態における電動役物34に対応するものである。
すなわち、電動役物134aは遊技盤124の背面側に搭載された駆動部134bに連結されており、当該駆動部34bにより駆動されて図86(a)に示す閉鎖状態及び図86(b)に示す開放状態のいずれかに配置される。電動役物134aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口134に入賞できず、電動役物134aが開放状態となることで第2作動口134への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、電動役物134aが遊技領域PE側に突出し、第2作動口134への入賞をガイドする。
なお、第2作動口134への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物134aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物134aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、電動役物134aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口134自身の変位により行われる構成としてもよい。
本実施の形態においても、電動役物134aによるサポートの態様が異なる複数のサポートモードが設けられており、具体的には、電動役物134aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
ここで、第2作動口134が右側領域PE3に設けられていることにより、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合の方が、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合よりも、第1作動口133又は第2作動口134への入賞頻度が高まり、当否判定の頻度が向上する。つまり、高頻度サポートモードにおいては、右側領域PE3を流下させたほうが、左側領域PE2を流下させるよりも遊技者にとっては有利となる。その一方で、低頻度サポートモードにおいては、第2作動口134への入賞がほとんど見込めないことから、右側領域PE3を技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合よりも、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射ハンドル54が操作されている場合の方がも、第1作動口133又は第2作動口134への入賞頻度が高まり、当否判定の頻度が向上する。つまり、低頻度サポートモードにおいては、左側領域PE2を流下させたほうが、右側領域PE3を流下させるよりも遊技者にとっては有利となる。
本実施の形態における開閉実行モードは、下側領域PE4に設けられた可変入賞装置132にて実行される。そして、本実施の形態では、開閉実行モード中に可変入賞装置132内の所定領域を遊技球が通過したことに基づいて、開閉実行モード後の当否抽選モードを高確率モードに設定する。当否抽選モードが高確率モードに設定されると、所定回数(例えば50回)の遊技回が実施されるまで、当該高確率モードが継続される。
可変入賞装置132について、図87を参照しながら説明する。図87(a)は可変入賞装置132の側方から見た状態の縦断面図であり、図87(b)は可変入賞装置132の背面側から見た状態の縦断面図である。
図87(a)に示すように、可変入賞装置132は、前後方向に開放され遊技球が通過可能な大きさの振分入口371が形成されているとともに、当該振分入口371を遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える振分部材352を備えている。振分部材352は振分入口用の駆動部353により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。振分入口371は案内通路354の入口を構成しており、振分入口371から流入した遊技球は案内通路354を下流側へと流下する。
案内通路354は、図87(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域355と、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域(又は有利用領域)356と、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域(又は不利用領域)357と、を備えている。また、分岐位置には、上流領域355から当該分岐位置に到達した遊技球をV入賞用領域356及び排出用領域357のいずれかに振り分ける振分手段としてシャッタ358が設けられている。シャッタ358がシャッタ用の駆動部359により駆動されていない状態では分岐位置に到達した遊技球が排出用領域357へ流入することとなり、シャッタ358がシャッタ用の駆動部359により駆動されている状態では分岐位置に到達した遊技球がV入賞用領域356へ流入することとなる。
上流領域355に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用の検知センサ372が設けられている。カウント用の検知センサ372にて遊技球が検知されたことに基づき、可変入賞装置132への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。また、V入賞用領域356に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてV入賞用の検知センサ373が設けられている。V入賞用の検知センサ373にて遊技球が検知されたことに基づき、開閉実行モード後の当否抽選モードが所定の抽選モードに設定される。より詳しくは、開閉実行モード中にV入賞用の検知センサ373にて遊技球が検知されると、当該開閉実行モード後に当否抽選モードが通常よりも当選確率が高い高確率モードに設定される。
また、排出用領域357に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして排出用の検知センサ374が設けられている。排出用の検知センサ374及びV入賞用の検知センサ373からの検知結果に基づき、可変入賞装置132に遊技球が残存しているか否かが判定される。
ちなみに、本実施の形態では、大当たり結果の種類に応じて(開閉実行モードの種類に応じて)、可変入賞装置132に入賞した遊技球がV入賞用領域356に誘導される確率が異なっている。ただし、シャッタ用の駆動部359の駆動タイミングは、大当たり結果の種類に関わらず(開閉実行モードの種類に関わらず)、一定となっている。V入賞用領域356に誘導される確率の高低は、振分部材352の開閉タイミングによって異ならせており、遊技球がV入賞用領域356に誘導され易いタイミングで可変入賞装置132に入賞するように振分部材352が開放されるV高期待態様の開閉実行モードと、遊技球がV入賞用領域356に誘導されにくいタイミングで可変入賞装置132に入賞するように振分部材352が開放されるV低期待態様の開閉実行モードと、が設定されている。
上記のように各開閉実行モードにおいて、シャッタ用の駆動部359の駆動タイミングは一律となっており、具体的には、開閉実行モードの開始から、所定期間経過後に、シャッタ358はV入賞用領域356へ誘導する態様に切り換わり、その後、排出用領域357へ誘導する態様に切り換わる。V高期待態様の開閉実行モードでは、このシャッタ358がV入賞用領域356へ誘導する態様となるタイミングで可変入賞装置132へ入賞可能となるように、開閉実行モードの開始から上記所定期間経過前に1ラウンド目のラウンド遊技が開始されるように設定される。一方、V低期待態様の開閉実行モードでは、シャッタ358がV入賞用領域356へ誘導する態様となるタイミングで可変入賞装置132へ入賞不可となるように、開閉実行モードの開始から上記所定期間経過後であって且つ排出用領域357へ誘導する態様に切り換わった後に1ラウンド目のラウンド遊技が開始されるように設定される。
図88は、本実施の形態における振分テーブルを示している。振分テーブルは、当否判定の結果が大当たり結果である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果の種類を決定するために用いられる。
図88(a)に示す、第1作動口133への入球に基づいて取得された保留情報についての当否判定にて大当たり結果となった場合に参照される第1入球部用の振分テーブルと、図88(b)に示す、第2作動口134への入球に基づいて取得された保留情報についての当否判定にて大当たり結果となった場合に参照される第2入球部用の振分テーブルと、では、いずれも通常大当たり結果と有利大当たり結果とのいずれかの大当たり結果となるように設定されている。但し、通常大当たり結果と有利大当たり結果との割合が異なるように設定されており、第2入球部用の振分テーブルのほうが第1入球部用の振分テーブルよりも有利大当たり結果となる確率が高くなるように設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが上記のV低期待態様の開閉実行モードとして実施される結果であり、この開閉実行モードでは、例えば、8回のラウンド遊技が実施される。通常大当たり結果に基づく開閉実行モード後は、サポートモードは低頻度サポートモードに設定される。
有利大当たり結果は、開閉実行モードが上記のV高期待態様の開閉実行モードとして実施される結果であり、この開閉実行モードでは例えば、8回のラウンド遊技が実施される。有利大当たり結果にも基づく開閉実行モード後は、サポートモードは高頻度サポートモードに設定される。当該高頻度サポートモードは、所定回数(50回)の遊技回に亘って継続する。
上記のとおり、開閉実行モード中に遊技球がV入賞用領域356へ誘導されることによって当否抽選モードが高確率モードに設定され、その高確率モードは所定回数(50回)の遊技回に亘って継続する。そのため、有利大当たり結果となることに基づいて、8ラウンドの開閉実行モードを実施可能となるとともに、高確率モード及び高頻度サポートモードである高確遊技状態を50回に亘って実施可能となる。その一方で、通常大当たり結果となる場合、8ラウンドの開閉実行モードを実施可能となるものの、低確率モード及び低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。そのため、大当たり結果となった場合に、有利大当たり結果と通常大当たり結果とのいずれに振り分けられるかで、遊技者にとっての有利度が大きく異なっている。
そして、第1入球部用の振分テーブルでは、50%の確率で通常大当たり結果に振り分けられ、50%の確率で有利大当たり結果に振り分けられる。一方、第2入球部用の振分テーブルでは、約17%の確率で通常大当たり結果に振り分けられ、約83%の確率で有利大当たり結果に振り分けられる。そのため、第1入球部用の振分テーブルよりも第2入球部用の振分テーブルの方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
本実施の形態における遊技の流れとしては、先ず、通常遊技状態において左側領域PE2を流下するように遊技球を発射させ、第1作動口133への入賞を発生させる。第1作動口133への入賞に基づいて第1入球部用の保留情報の取得が行われ、当該保留情報に基づいて当否判定が行われる。当該当否判定にて大当たり結果となった場合、可変入賞装置132による開閉実行モードが実施される。大当たり結果が通常大当たり結果であると、開閉実行モード中に遊技球はV入賞用領域356に誘導されず、開閉実行モード後は通常遊技状態に戻るため、上記左側領域PE2を流下させて第1作動口133を狙う遊技に戻る。
大当たり結果が有利大当たり結果であった場合、開閉実行モード中に遊技球がV入賞用領域356へ誘導され、開閉実行モード後は高確率モード及び高頻度サポートモードの高確遊技状態に設定される。高確遊技状態では、右側領域PE3を流下させて第2作動口134への入賞を発生させる遊技を行うことで、持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことができる。高確遊技状態は、50回の遊技回を実施することで終了する。そのため、高確遊技状態において、第2作動口134への入賞に基づく遊技回が50回実施されるよりも先に大当たり結果となり、再度有利大当たり結果となることで、再度50回の遊技回の高確遊技状態が再設定され、高確遊技状態が継続する。その一方で、遊技回が50回実施されても大当たり結果とならなかった場合、又は途中で大当たり結果となったものの、通常大当たり結果となった場合は、その時点で遊技状態は通常遊技状態に移行する。
ここで、上記のように高確遊技状態において、通常大当たり結果となって遊技状態が通常遊技状態に移行する場合、サポートモードが低頻度サポートモードに移行するため、第2作動口134への入賞を発生させることが困難となって、遊技者にとって有利な第2入球部側の当否抽選(振分抽選)を受けることができなくなる。特に、第2入球部側の保留情報が上限数よりも少ない状況で通常大当たり結果となった場合、高頻度サポートモードであれば容易に達することができるはずである上限数の保留情報が記憶された状態で通常大当たり結果となった場合と比較して、上限数との差分だけ、第2入球部側の当否抽選を受けることができなかったこととなる。そこで、本実施の形態では、このような事象が発生する場合には、所定の報知を行う構成としている。
図89は、本実施の形態における大当たり用の演出設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、本演出設定処理は、報知・演出制御装置82側の変動開始用処理(図27)において、大当たり結果となる遊技回を開始する際に実施される処理(ステップS1504)である。
ステップS5801では、現状の遊技状態を把握して、高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態ではなく、通常遊技状態であれば、ステップS5802に進み、通常結果報知用の演出テーブルを取得して、今回の遊技回の演出パターンを決定する。通常結果報知用の演出テーブルでは、設定される変動表示時間に応じて、変動表示時間が経過する間際(例えば2sec前、第1のタイミング)に大当たり結果が報知される演出パターンが複数設定されており、これら複数の演出パターンから今回の演出パターンを抽選等によって決定する。なお、演出パターンの決定に際しては、直前の大当たり用の停止結果決定処理(ステップS1503)の処理結果も参照され、停止させる停止結果に対応する演出パターンが決定される。
ステップS5801にて高確遊技状態であると判定した場合、ステップS5803に進む。ステップS5803では、今回の大当たり結果が通常大当たり結果であるか否かを判定する。通常大当たり結果ではなく、有利大当たり結果である場合、上記ステップS5802に進んで通常結果報知用の演出テーブルに基づいて演出パターンを決定する。
ステップS5803にて肯定判定し、今回の遊技回が高確遊技状態中に通常大当たり結果となる遊技回であると判定した場合、ステップS5804に進む。すなわち、ステップS5804に進む場合とは、今回の遊技回で高確遊技状態が終了して、通常遊技状態に移行する場合である。この場合、ステップS5804にて、第2入球部側の保留情報の数を把握する処理を行う。ステップS5805では、第2入球部側の保留情報の数が2個以下であるか否かを判定する。2個以下ではない場合、すなわち、今回の遊技回で高確遊技状態が終了する場合であっても第2入球部側の保留情報が3個又は4個存在する場合、ステップS5802に進み、通常結果報知用の演出テーブルに基づく演出パターンの決定処理を行う。
一方、第2入球部側の保留情報が2個以下である場合、ステップS5806にて第2入球部側の保留情報が0個であるか否かを判定する。0個ではなく、1個又は2個である場合は、ステップS5808にて先結果報知用の演出テーブルを取得して今回の遊技回の演出パターンを決定する。先結果報知用の演出テーブルでは、設定される変動表示時間に応じて、変動表示時間が経過するよりも第1所定期間(例えば6sec)だけ早く大当たり結果が報知される(第2のタイミングで大当たり結果が報知される)演出パターンが複数設定されており、これら複数の演出パターンから今回の演出パターンを抽選等によって決定する。なお、演出パターンの決定に際しては、直前の大当たり用の停止結果決定処理(ステップS1503)の処理結果も参照され、停止させる停止結果に対応する演出パターンが決定される。
ステップS5807の処理を行った後は、RAM244に高速フラグをセットする。高速フラグは、今回の遊技回にて遊技結果を報知するタイミングをMPU242が特定するためのフラグである。
ステップS5806にて第2入球部側の保留情報が0個であると判定した場合、ステップS5809にて、即結果報知用の演出テーブルを取得して今回の遊技回の演出パターンを決定する。即結果報知用の演出テーブルでは、設定される変動表示時間に応じて、変動表示時間が経過するよりも第2所定期間(例えば12sec)だけ早く大当たり結果が報知される演出パターンが複数設定されており、これら複数の演出パターンから今回の演出パターンを抽選等によって決定する。第1所定期間と第2所定期間とを比較すると、第2所定期間の方が第1所定期間よりも長く設定されている。すなわち、先結果報知用の演出テーブルにて決定された演出パターンよりも、即結果報知用の演出テーブルにて決定された演出パターンの方が、先に遊技回の結果が報知される。なお、演出パターンの決定に際しては、直前の大当たり用の停止結果決定処理(ステップS1503)の処理結果も参照され、停止させる停止結果に対応する演出パターンが決定される。
ステップS5809の処理を行った後は、RAM244に超高速フラグをセットする。超高速フラグは、今回の遊技回にて遊技結果を報知するタイミングをMPU242が特定するためのフラグである。
ステップS5802、ステップS5808又はステップS5810の処理を実行した後は、ステップS5811にてこれらの処理にて決定した演出パターンを今回の演出パターンとして設定する処理を行ってから、本演出設定処理を終了する。
次に、本実施の形態における変動中用処理について、図90のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、変動中用処理は報知・演出制御装置82側の変動表示制御処理(図26)の一処理(ステップS1406)として実施される処理である。
変動中用処理では、先ずステップS5901にて、全図柄列の変動開始タイミングか否かを把握する。ちなみに、RAM244には、遊技回の開始からの経過時間を把握するための経過時間カウンタが設けられており、遊技回の開始に際して(より詳しくは変動開始用処理の起動時に)、当該経過時間カウンタの更新が開始される。そして、上記変動開始用処理にて決定する演出パターンは、当該経過時間カウンタの情報と対応付けられており、MPU242は当該経過時間カウンタを参照することで、各種演出の実行タイミングを特定することができる。ステップS5901では、この経過時間カウンタと実行中の遊技回における演出パターンから、変動開始タイミングか否かを判定する。なお、以下の説明において、各演出の実行タイミングか否かの判定処理では、当該ステップS5901の処理と同様に、経過時間カウンタと演出パターンとを参照する。
全図柄列の変動開始タイミングである場合には、ステップS5902にて全図柄列の高速変動開始処理を実行する。この処理では、高速変動表示の開始に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて全図柄列の高速変動表示を開始させる。
ステップS5902の処理を実行した後は、続くステップS5903にて、特殊表示領域OEには表示部KPの変動開始処理を実行する。この処理では、表示制御装置212へコマンド出力して、図柄表示装置41において特殊表示領域OEには表示部KPの変動表示を開始させる。このタイミングにおいて、主制御装置81側のメイン表示部43における変動表示も開始され、メイン表示部43と特殊表示領域OEには表示部KPとは同時に変動表示が開始する。ステップS5903の処理を実行した後は、変動中用処理を終了する。
ステップS5901にて全図柄列の変動開始タイミングではない場合、ステップS5904にて上図柄列Z1の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS5905にて上図柄列Z1の減速処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該減速処理では、上図柄列Z1の減速に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS5904にて上図柄列Z1の減速タイミングではない場合、ステップS5906にて下図柄列Z3の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS5907にて下図柄列Z3の減速処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該減速処理では、下図柄列Z3の減速に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS5906にて下図柄列Z3の減速タイミングではない場合、ステップS5908にて中図柄列Z2の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS5909にて中図柄列Z2の減速処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該減速処理では、中図柄列Z2の減速に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ちなみに、本実施の形態では、中図柄列Z2の減速タイミングとは、上下の図柄列Z1,Z3が停止するタイミングと重複しており、例えば上下の図柄列Z1,Z3によってリーチラインが形成されている場合には、ステップS5909にてリーチ用の中図柄列Z2の減速処理が行われる。かかる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS5908にて中図柄列Z2の減速タイミングではない場合、ステップS5910にて上図柄列Z1の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS5911にて上図柄列Z1の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、上図柄列Z1の停止に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を停止させる。
ステップS5910にて上図柄列Z1の停止タイミングではない場合、ステップS5912にて下図柄列Z3の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS5913にて下図柄列Z3の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、下図柄列Z3の停止に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を停止させる。
ステップS5912にて下図柄列Z3の停止タイミングではない場合、ステップS5914にて中図柄列Z2の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS5915にて中図柄列Z2の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、中図柄列Z2の停止に対応させて表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を停止させる。中図柄列Z2の停止処理については、後に詳細に説明する。
ステップS5914にて中図柄列Z2の停止タイミングではない場合、ステップS5916にて、変動中の各種演出用の処理を実行してから、変動中用処理を終了する。かかる処理では、変動開始用処理にて設定された演出パターンに基づいて、表示ランプ部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41において演出が行われるようにする。
次に、ステップS5909の中図柄列Z2の減速処理について、図91のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS6001では、今回の遊技回がリーチ表示に対応する遊技回であるか否かを判定する。リーチ表示が発生しない遊技回である場合には、ステップS6002に進み、高速変動表示中の中図柄列Z2の速度を中速変動に設定する処理を行ってから、本減速処理を終了する。
ステップS6001にて、リーチ表示が発生する遊技回であると判定した場合、ステップS6003に進む。ステップS6003以降の処理は、今回のリーチ表示において、最終変動図柄列である中図柄列Z2の変動表示の速度を、低速変動、高速変動、超高速変動の何れかに設定する処理である。
すなわち、本実施の形態では、図92に示すように、上下の図柄列Z1,Z3によってリーチ表示が発生した後(図92(a))、最終変動図柄列としての中図柄列Z2の変動速度として、図92(b)に示す低速変動と、図92(c)に示す高速変動と、図92(d)に示す超高速変動と、が設けられている。変動速度としては、低速変動よりも高速変動の方が早く、高速変動よりも超高速変動の方が早くなるように設定されている。また、リーチ非発生時に設定される中速変動は、低速変動よりも早く高速変動よりも遅くなるように設定されている。より具体的には、低速変動は1secで0.5コマ(図柄)分だけ進む速度であり、中速変動は1secで1コマ(図柄)分だけ進む速度であり、高速変動は1secで5コマ(図柄)分だけ進む速度であり、超高速変動は1secで10コマ(図柄)分だけ進む速度である。
ステップS6001にリーチ発生であると判定した場合、ステップS6003にて、高速フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、高速フラグは、高確遊技状態中に通常大当たり結果となる遊技回の開始時において第2入球部側の保留情報が1個又は2個の場合にセットされるフラグである。セットされていない場合には、ステップS6004に進み、超高速フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、超高速フラグは、高確遊技状態中に通常大当たり結果となる遊技回の開始時において第2入球部側の保留情報が0個である場合にセットされるフラグである。セットされていない場合には、ステップS6005に進み、中図柄列Z2の変動表示の速度を低速変動に設定して、本減速処理を終了する。
ステップS6003にて肯定判定し、高確遊技状態中の通常大当たり結果となる遊技回であって第2入球部側の保留情報が1個又は2個である場合には、ステップS6006にて、中図柄列Z2の変動表示の速度を高速変動に設定する。その後、ステップS6007にて、中図柄列Z2の停止タイミングの第1修正処理を実行してから本減速処理を終了する。
図93に示すように、本実施の形態では、各遊技回における確定表示前の変動表示時間のうち、各図柄列の変動表示が行われる期間と、確定表示前に各図柄列が停止している状態(仮停止、結果表示、結果報知)が維持される期間とが、それぞれの変動表示時間に設定されている。例えば変動表示時間が20secとして設定される遊技回において、通常時には、18secに亘って変動表示が行われた後、2secの結果表示が行われ、その後、確定表示が行われる。既に説明したとおり、仮停止では、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(図6参照)の少なくとも一部が動いていたりして、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。そして、当該仮停止としての結果表示が維持される期間(2sec)が経過すると、確定表示として、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
また、例えば、通常時において、変動表示時間が30secである場合、28secに亘って変動表示が行われた後、2secの結果表示が行われ、その後、確定表示が行われる。また、変動表示時間が60secである場合、58secに亘って変動表示が行われた後、2secの結果表示が行われ、その後、確定表示が行われる。すなわち、変動表示時間の長さに関わらず、各図柄列Z1~Z3が確定表示前に仮停止される結果表示の期間は、一律で2secとなっている。
これに対して、上記先結果報知フラグや即結果報知フラグがセットされる状況、すなわち、高確遊技状態中に通常大当たり結果となる遊技回であって、保留情報の数が少ない場合、上記の確定表示前の仮停止が行われっる結果表示の長さが変化する。
すなわち、変動表示時間が20secである遊技回において、先結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから6secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は18secから14secに変更(短縮)される。また、変動表示時間が20secである遊技回において、即結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから12secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は18secから8secに変更(短縮)される。
変動表示時間が30secである遊技回において、先結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから6secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は28secから24secに変更(短縮)される。また、変動表示時間が30secである遊技回において、即結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから12secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は28secから18secに変更(短縮)される。
変動表示時間が60secである遊技回において、先結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから6secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は58secから54secに変更(短縮)される。また、変動表示時間が60secである遊技回において、即結果報知フラグがセットされると、結果表示が行われる期間は2secから12secに変更(延長)され、それに伴い変動表示が継続される期間は58secから48secに変更(短縮)される。
中図柄列Z2の減速処理(図91)の説明に戻り、ステップS6007の第1修正処理では、今回の遊技回の変動表示時間を把握するとともに、当該変動表示時間の終了タイミングの2sec前ではなく、6sec(第1所定期間)前に中図柄列Z2が停止するように、変動表示が終了するように停止タイミングを修正する処理を行う。
ステップS6004にて超高速フラグがセットされていると判定し、高確遊技状態中の通常大当たり結果となる遊技回であって第2入球部側の保留情報が0個である場合には、ステップS6008にて、中図柄列Z2の変動表示の速度を超高速変動に設定する。その後、ステップS6009にて、中図柄列Z2の停止タイミングの第2修正処理を実行してから本減速処理を終了する。
ステップS6009の第2修正処理では、今回の遊技回の変動表示時間を把握するとともに、当該変動表示時間の終了タイミングの2sec前ではなく、12sec(第2所定期間)前に中図柄列Z2が停止するように、変動表示が終了するように停止タイミングを修正する処理を行う。
このように、リーチ表示における中図柄列Z2の変動表示の速度を変更することで、中図柄列Z2が最終的に停止する位置を変更することなく、当該最終停止位置まで中図柄列Z2の停止図柄を変動させることができる。ここで、高確遊技状態中において、中図柄列Z2が最終停止位置まで変動して、結果表示が開始されてから確定表示が開始されるまでの期間、すなわち、各図柄列Z1~Z3が仮停止している期間において、第2作動口134を狙って遊技球を発射させた場合の期待入球数は、通常時の2secの結果表示の期間では、約3個の遊技球が発射され(0.6sec×3)、そのうち、0個~1個の入賞が期待できるところ、先結果報知が行われ6secの結果表示の期間では、約10個の遊技球が発射され(0.6sec×10)、そのうち、3個以上の入賞が期待でき、期待入球数が増加する。また、即結果報知が行われる12secの結果表示の期間では、約20個の遊技球が発射され(0.6sec×20)、そのうち、6個以上の入賞が期待でき、期待入球数が更に増加する。これにより、結果報知が行われて、高確遊技状態が終了することを把握してから第2入球部側の保留情報を取得させようとした場合の時間が確保される。
ちなみに、本実施の形態において、各リーチ表示が行われる遊技回では、上下の図柄列Z1,Z3が停止してリーチラインが形成されるまでに要する時間が、上記即結果報知にて第2修正処理が行われた場合の結果表示の期間が確保されるように設定されている。例えば、リーチ表示が行われる場合の最短の変動表示時間である20secである場合のリーチ表示が行われる遊技回では、上下の図柄列Z1,Z3が停止してリーチラインが形成されるまでに要する時間は、6secよりも短い時間として設定されている。そのため、即結果報知として第2修正処理が行われることによって、上下の図柄列Z1,Z3よりも先に中図柄列Z2が停止し得る、といった不都合は生じないようになっている。
図94は、変動中用処理においてステップS5915にて実施される中図柄列Z2の停止処理を示すフローチャートである。なお、変動中用処理において、ステップS5914の中図柄列の停止タイミングの判定処理では、上記第1修正処理や第2修正処理の結果を踏まえて停止タイミングの判定を行う。
先ずステップS6101では、変動中の中図柄列Z2を停止させる処理を行う。その後、ステップS6102にて、結果報知処理として、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタの少なくとも一部が動いていたりする処理を行う。つまり、ステップS6101及びステップS6102の処理によって仮停止としての結果表示が開始される。
続くステップS6103では、高速フラグがセットされているか否かを判定する。高速フラグがセットされている場合には、ステップS6104にて、高速フラグを消去する処理を行ってから、ステップS6105にて第1打ち込み報知を設定し、本停止処理を終了する。
第1打ち込み報知としては、図95(a)に示すように、このまま当該遊技回が終了してしまうと、高頻度サポートモードが終了して第2入球部側の当否抽選(振分抽選)が受けられなくなってしまうことを示す非有利示唆YBを行う。非有利示唆YBとしては、例えば、保留数表示領域Daを指し示して保留情報の数が少ないことを認識させつつ、「やばいいよやばいよ」という文字表示を行い、このまま遊技回が終了すると遊技者に不利となることを示す。また、第1打ち込み報知では、遊技回の終了までの残り時間、すなわち、遊技回が終了して高頻度サポートモードが低頻度サポートモードへ移行するまでの残り期間を、経時的に表示するための残存時間表示ZKを行う。残存時間表示ZKは、例えば、長方形をなす画像において、左右一方から経時的に色を変化させ、残り時間が0となることで長方形全体の色が変化するように設定し、残り時間を見た目で容易に把握可能とする。非有利示唆YBや残存時間表示ZKは、各図柄列Z1~Z3による結果表示(大当たり結果を報知する図柄の組合せ)と重ならない位置にて表示される。これにより、遊技者は、通常大当たり結果となる遊技結果とともに、今回の遊技回が終了すると第2入球部側の当否抽選(振分抽選)が受けられなくなること、及びそれまでの残存時間を明確に把握することができる。
中図柄列Z2の停止処理の説明に戻り、ステップS6103にて高速フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS6106にて超高速フラグがセットされているか否かを判定する。超高速フラグがセットされていなければ、そのまま本停止処理を終了する。超高速フラグがセットされている場合には、ステップS6107にて、超高速フラグを消去する処理を行う。その後、ステップS6108にて、第2打ち込み報知を設定し、本停止処理を終了する。
第2打ち込み報知としては、図95(b)に示すように、上記非有利示唆YB及び残存時間表示ZKとともに、高頻度サポートモードが終了することを明示的に示す低頻度移行報知DEを行う。低頻度移行報知DEでは、高頻度サポートモードの一般名称である「電サポ」として示し、「電サポ終了」という表示を行う。低頻度移行報知DEも各図柄列Z1~Z3による結果表示(大当たり結果を報知する図柄の組合せ)と重ならない位置にて表示される。
本実施の形態において、先結果報知や即結果報知が行われる場合の遊技の流れを、図96のタイミングチャートを参照しながら説明する。
タイミングta1に開始された遊技回の変動表示が行われる演出時間がタイミングta2にて経過すると、遊技回の結果としての結果表示が行われ、図柄列Z1~Z3は仮停止される。そして、結果表示(結果報知)が終了して、タイミングta1からの変動表示時間が経過するタイミングta3にて確定表示が開始される。そして、確定表示時間がタイミングta4に経過する。この場合、各図柄列Z1~Z3は、タイミングta1~タイミングta2は変動しているものの、タイミングta2~タイミングta4は停止(仮停止)している。一方、メイン表示部43はタイミングta1~タイミングta3が変動し、タイミングta3~タイミングta4が停止している。
今回の遊技回が、高確遊技状態(高頻度サポートモード)であり、遊技結果が通常大当たり結果である場合、タイミングta4にて開閉実行モードが開始されると、サポートモードは低頻度サポートモードに移行する。タイミングta5にて開閉実行モードが終了すると、上記のように通常大当たり結果に基づく開閉実行モードであったため、当該開閉実行モード後のサポートモードは低頻度サポートモードに設定される。その結果、第2作動口134を狙って遊技球を発射させても第2作動口134へはなかなか入賞せず、第2入球部側の当否抽選ではなく、第1入球部側(第1作動口133側)の当否抽選を受ける遊技に切り換える必要が生じる。
この場合、今回の遊技回の結果が報知されてから、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに移行するまでの期間、すなわち、低頻度サポートモードに移行することが報知されてから低頻度サポートモードに移行するまでの期間は、タイミングta2~タイミングta4の期間であり、本実施形態では、2sec(仮停止期間)+0.7sec(確定表示期間)となっている。
一方、今回の遊技回が、高確遊技状態であって、遊技結果が通常大当たり結果である場合において、先結果報知が行われる場合、タイミングtb1に開始された遊技回は、演出時間が経過するタイミングtb2に仮停止としての結果表示が開始され、タイミングtb3にて今回の遊技回の変動表示時間が経過する。そして、タイミングtb3~タイミングtb4の確定表示時間を経て、開閉実行モードが開始される。
この場合、今回の遊技回の結果が報知されてから、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに移行するまでの期間、すなわち、低頻度サポートモードに移行することが報知されてから低頻度サポートモードに移行するまでの期間は、タイミングtb2~タイミングtb4の期間であり、タイミングtb3やタイミングtb4は上記タイミングta3やタイミングta4と同じタイミングであるものの、タイミングtb2がタイミングta2よりも早いタイミングとして設定されている。そのため、タイミングtb2~タイミングtb4の期間は、本実施形態では、6sec(仮停止期間)+0.7sec(確定表示期間)となっており、上記タイミングta2~タイミングt4の期間よりも長く、低頻度サポートモードに移行してしまうことを知ってから第2作動口134へ入賞させる猶予期間が確保されている。
今回の遊技回が、高確遊技状態であって、遊技結果が通常大当たり結果である場合において、即結果報知が行われる場合、タイミングtc1に開始された遊技回は、演出時間が経過するタイミングtc2に仮停止としての結果表示が開始され、タイミングtc3にて今回の遊技回の変動表示時間が経過する。そして、タイミングtc3~タイミングtc4の確定表示時間を経て、開閉実行モードが開始される。
この場合、今回の遊技回の結果が報知されてから、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに移行するまでの期間、すなわち、低頻度サポートモードに移行することが報知されてから低頻度サポートモードに移行するまでの期間は、タイミングtc2~タイミングtc4の期間であり、タイミングtc3やタイミングtc4は上記タイミングta3,tb3やタイミングta4,tb4と同じタイミングであるものの、タイミングtc2がタイミングta2,tb2よりも早いタイミングとして設定されている。そのため、タイミングtc2~タイミングtc4の期間は、本実施形態では、12sec(仮停止期間)+0.7sec(確定表示期間)となっており、上記タイミングta2~タイミングt4の期間やタイミングtb2~タイミングtb4の期間よりも長く、低頻度サポートモードに移行してしまうことを知ってから第2作動口134へ入賞させる猶予期間がより確保されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技結果に基づいて、遊技状態が現状の遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態に移行する場合、その遊技結果を、通常の遊技回において遊技結果が報知されるよりも先に報知する構成とした。このようにすることで、遊技者にとって不利な遊技状態に移行することを先に知ったうえで、その準備(保留を取得させたり、心構えをしたりする準備)を行うことが可能となる。
高頻度サポートモード中に低頻度サポート状態となる遊技結果(通常大当たり結果)の遊技回において、サポートモードの対象となっている第2入球部側の保留情報の数が上限よりも少なければ、遊技結果を先に報知して低頻度サポートモードに移行することを報知する構成とした。これにより、今回の遊技回中に第2入球部側の保留情報を取得させないと、その分、第2入球部側の当否抽選を受ける機会を損失することになり、損はしたくないという遊技者の気持ちを掻き立て、第2作動口134を狙って遊技球を発射させる動機付けとすることができる。言い換えると、上記のように、第2作動口134を狙わせることによって、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り換わるぎりぎりのタイミングで、サポートモードの対象となっている第2入球部側の保留情報を上限まで記憶させることになり、高頻度サポートモードの恩恵を存分に享受できた、という、お得感を感じさせることができる。
第2入球部側の当否抽選(振分抽選)を第1入球部側のものよりも遊技者にとって有利なものとした。これにより、第2入球部側の当否抽選を受ける機会を損失することを、もったいなく感じる気持ちをより一層掻き立てることが可能となる。
先結果報知や即結果報知を行う場合、最終変動図柄列Z2の変動速度を変更して、対応する中図柄列Z2の図柄が停止位置まで変動するまでの期間を調節する構成とした。これにより、停止結果を変更する必要が生じず、先結果報知や即結果報知に伴う演出変更時の処理負荷の高騰を抑制することができる。
第1入球部側の保留情報が取得される第1作動口133と、第2入球部側の保留情報が取得される第2作動口134とを、遊技領域PEにおいて打ち分け可能な配置とした。より詳しくは、第1作動口133を狙って遊技球を発射させている場合には第2作動口134へ遊技球が到達しない又は到達しにくく、第2作動口134を狙って遊技球を発射させている場合には第1作動口133へ遊技球が到達しない又は到達しにくい配置とした。これにより、第2入球部側の保留情報が取得される高頻度サポートモードの希少性を高め、低頻度サポートモードへ移行する遊技回において先結果報知や即結果報知を行う意義を向上させることができる。すなわち、例えば第1作動口133を狙って遊技球を発射させている状況で第2作動口134へ遊技球が到達し易い構成(例えば上記第1の実施の形態のゲージ)では、低頻度サポートモードにおいても第2作動口134への入賞が極稀に発生することになり、上記のように高頻度サポートモードの終了間際に第2入球部側の保留情報を上限まで取得させるお得感が薄れてしまう可能性があるからである。
可変入賞装置132を下側領域PE4に配置したため、左側領域PE2を狙って遊技球を発射させている場合であっても、右側領域PE3を狙って遊技球を発射させている場合であっても、可変入賞装置132への入賞を発生させることが可能となっている。そのため、上記のように、高頻度サポートモードの終了間際に第2作動口134を狙わせることによって、可変入賞装置132への入賞機会の損失が発生する、という不都合が生じない。
特に本実施の形態においては、可変入賞装置132に入賞した遊技球がV入賞用領域356に誘導されることで開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定される構成であるところ、V入賞用領域356へ誘導され得るタイミングで可変入賞装置132へ入賞させることができないと、遊技者は多大な不利益を被ることになる。そこで、上記のようにすることで、第2作動口134を狙う余りV入賞用領域356への入賞が発生しない、という事象が生じないようにすることで、遊技者が不利益を被らないようにすることができる。
上記実施の形態では、中図柄列Z2の変動速度を変化させることで、仮停止としての結果表示が開始されるタイミングを変化させたが、要は結果表示が開始されるタイミングが変化する(早められる)構成であれば良く、他の図柄列Z1~Z3の変動速度を変化させてもよいし、変動速度を変化させることなく変動図柄を急停止させて結果表示を開始する構成としてもよい。
先結果報知や即結果報知を行うことの決定を、遊技回の開始時に行う構成としたが、遊技回の途中で行う構成としてもよい。この場合、例えば、中図柄列Z2の減速処理を行うタイミングで、第2入球部側の保留情報の数を把握して、その数に応じて先結果報知や即結果報知を行う構成とするとよい。
本実施の形態においても、上記各実施の形態のように確定表示時間を変更する構成を適用することが可能である。
すなわち、図97のフローチャートに示すように、主制御装置81側の停止開始時処理において、高確遊技状態中の通常大当たり結果である遊技回の確定表示時間を長くすることによって、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行するタイミングを遅らせる構成としてもよい。
具体的には、ステップS6201にて高確遊技状態中か否かを判定する。高確遊技状態中ではない場合には、ステップS6202にて第1確定表示時間を通常時の0.2secとして設定する。一方、高確遊技状態中である場合には、ステップS6203にて、今回の遊技結果が、通常大当たり結果であるか否かを判定する。通常大当たり結果ではない場合には、ステップS6202にて通常時の第1確定表示時間を設定する。通常大当たり結果である場合には、ステップS6204に進み、第2入球部側の保留情報の数を把握する処理を行う。そして、ステップS6205にて、第2入球部側の保留情報が2個以下であるか否かの判定を行い、3個又は4個である場合には、ステップS6202に進む。2個以下である場合には、ステップS6206にて0個であるか否かを判定する。0個ではなく1個又は2個である場合には、ステップS6207にて、今回の第1確定表示時間を4.7secとして設定する。一方、0個である場合には、ステップS6208にて、今回の第1確定表示時間を10.2secとして設定する。
ステップS6202、ステップS6207又はステップS6208の処理を実行した後は、ステップS6209にて第1確定表示の開始処理を行ってから、停止開始時処理を終了する。
上記構成においては、ステップS6202にて0.2secの第1確定表示時間が設定された場合、各図柄列Z1~Z3の仮停止が行われて結果表示が開始されてから変動表示時間が終了するまでの2secと、第1確定表示時間(0.2sec)及び第2確定表示時間(0.5sec)を合計すると、2.7secとなる。一方、ステップS6207にて4.2secの第1確定表示時間が設定された場合、各図柄列Z1~Z3の仮停止が行われて結果表示が開始されてから変動表示時間が終了するまでの2secと、第1確定表示時間(4.2sec)及び第2確定表示時間(0.5sec)を合計すると、6.7secとなり、上記実施の形態において先結果報知が行われる場合と同じ長さの期間となる。また、ステップS6208にて10.2secの第1確定表示時間が設定された場合、各図柄列Z1~Z3の仮停止が行われて結果表示が開始されてから変動表示時間が終了するまでの2secと、第1確定表示時間(10.2sec)及び第2確定表示時間(0.5sec)を合計すると、12.7secとなり、上記実施の形態において即結果報知が行われる場合と同じ長さの期間となる。これにより、第2入球部側の保留情報を取得させるための猶予期間を担保することが可能となる。
また、本変形例によれば、低頻度サポートモードに移行することとなる遊技回において、低頻度サポートモードに移行するタイミングを実質的に遅らせることが可能となる。すなわち、上記第5の実施の形態においては、変動表示時間や確定表示時間を変更しない範囲で、低頻度サポートモードに移行することを先に報知する構成であったが、本変形例では、確定表示時間が延長されることによって、今回の遊技結果が反映されるタイミング、すなわち開閉実行モードの開始タイミングが遅延される構成となる。このようにすることで、遊技者にとって有利な高頻度サポートモードの終了時において、サポートモードの対象となっている第2入球部側の保留情報が少ない場合に、開閉実行モードの開始を遅延させて、その分、高頻度サポートモードを延長して第2入球部側の保留情報を取得させる期間を確保することが可能となる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、上記第5の実施の形態の変形例における、保留数に応じて遊技結果を反映させるタイミングを変更する構成を利用して、新たな遊技性を実現している。図98は、本実施の形態におけるV動作用処理を示すフローチャートである。V動作用処理は、上記第5の実施の形態における可変入賞装置132のシャッタ358を変位させるための処理である。V動作用処理は、主制御装置81のMPU202において所定周期(例えば2msec周期)で起動される。
本実施の形態の遊技盤は、上記第1の実施の形態における遊技盤24と略同様であり、第1の実施の形態における可変入賞装置32を第5の実施の形態における可変入賞装置132と置き換えた構成となっている。すなわち、各作動口は、作動口ユニット33により構成され、上作動口33aに流入した遊技球が、第1入球部33dや第2入球部33eに入球する構成である。
大当たり結果としては、上記第1の実施の形態における振分テーブルを参照して大当たり結果の種類が決定される。すなわち、16ラウンドのラウンド遊技が実施されることとなる第1種大当たり結果と、4ラウンドのラウンド遊技が実施されることとなる第2種大当たり結果とが設定されており、いずれの大当たり結果に振り分けられたとしても、開閉実行モード後は100回の高頻度サポートモードに設定される。但し、当否抽選モードの高低は、開閉実行モード中にV入賞が発生するか否か、すなわち、可変入賞装置132におけるV入賞用領域356への遊技球の流入が発生するか否かによって決定される。
ステップS6301では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にV周期計測フラグがセットされているか否かを判定する。V周期計測フラグは、可変入賞装置132のシャッタ358を動作させる条件が成立した場合(開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われた場合)にセットされるフラグであり、当該V周期計測フラグがセットされてから予め定められた周期でシャッタ358がV入賞用領域356へ誘導する態様に切り換えられる。V周期計測フラグがセットされていない場合には、そのままV動作用処理を終了する。一方、V周期計測フラグがセットされている場合には、ステップS6302に進む。
ステップS6302では、V周期カウンタVSを1減算する処理を実行する。V周期カウンタは、V周期計測フラグがセットされてからの期間をMPU202が把握するためのカウンタであり、本実施の形態では、V周期計測フラグがセットされる場合に、「7500」が入力される(30secに相当)。
ステップS6303では、上記V周期カウンタVSが0となったか否かを判定し、0ではない場合には、そのままV動作用処理を終了する。一方、ステップS6303にてV周期カウンタが0であると判定した場合には、ステップS6304にて、シャッタ用の駆動部359の駆動状態を把握することにより、シャッタ358がV入賞用領域356へ遊技球を誘導する態様となっているか否かを判定する。シャッタ用の駆動部359が駆動制御されておらず、V入賞用領域356ではなく排出用領域357へ誘導する態様となっている場合、ステップS6305にて、シャッタ用の駆動部359の駆動を開始することにより、シャッタ358をV入賞用領域356へ遊技球を誘導する態様に切り換える。そして、ステップS6306にて、V周期カウンタVSに「250」を入力する処理を行ってから、本V動作用処理を終了する。ステップS6306にて入力する値は、シャッタ358をV入賞用領域356へ誘導する態様に保持する期間に相当し、本実施形態では1secに相当する。
ステップS6304にて、シャッタ用の駆動部359が駆動制御されており、シャッタ358がV入賞用領域356へ遊技球を誘導する態様となっている場合、ステップS6307へ進む。ステップS6307では、シャッタ用の駆動部359の駆動を終了することにより、シャッタ358を排出用領域357へ誘導する態様に切り換える。そして、ステップS6308にて、V周期計測フラグを消去してから、本V動作用処理を終了する。
すなわち、本実施の形態では、開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われてから30sec後にシャッタ358の切換が発生して、V入賞用領域356へ誘導される態様となり、その状態が1secに亘って維持された後、排出用領域357へ誘導する態様に切り換えられる。
本実施の形態において、開閉実行モードへ移行することの確定報知とは、上記各実施の形態で示した確定表示を示す。すなわち、V入賞用領域356へ誘導される態様と排出用領域357へ誘導される態様との切り換えは、確定表示が開始されてから予め定められた周期で行われる。
図99(a)は、本実施の形態における停止開始時処理を示すフローチャートである。
本実施の形態では、ステップS6401にて、現状の共通保留数CRNを把握する処理を実行する。そして、ステップS6402にて、共通保留数CRNの数に応じた第1確定表示時間をセットする処理を行う。かかる処理は、上記第5の実施の形態の変形例に相当する処理である。具体的には、本実施の形態では、図100(a)や図100(b)に示すテーブルに基づいて、第1確定表示時間の設定を行う。
第1確定表示時間を決定するためのテーブルとして、図100(a)に示す低確率モード用のテーブルと、図100(b)に示す高確率モード用のテーブルと、が設けられており、上記ステップS6402では当否抽選モードの高低に応じたテーブルを取得して第1確定表示時間を決定する。
低確率モード用のテーブルでは、遊技結果が外れ結果である場合には、共通保留数CRNの値に関わらず、一律で0.2secの第1確定表示時間が設定される。一方、大当たり結果である場合には、共通保留数CRNが1~3個である場合には20secが設定され、4~6個である場合には15secが設定され、保留数が多いほど第1確定表示時間が短くなるように設定されている。そして、共通保留数CRNが7~8個である場合には、第1確定表示時間が0.5secとなるように設定されており、共通保留数CRNの値が上限(8)又は上限近くである場合には、より一層短い第1確定表示時間となるように設定されている。
高確率モード時のテーブルでは、遊技結果が外れ結果である場合には、上記低確率モード用のテーブルと同様に、共通保留数CRNの値に関わらず、一律で0.2secの第1確定表示時間が設定される。一方、大当たり結果である場合には、共通保留数CRNが1~6個である場合には、上記低確率モード用のテーブルと同様の第1確定表示時間が設定され、1~3個である場合には20sec、4~6個である場合には15secが設定される。共通保留数CRNが7~8個である場合には、0.5sec又は15secの第1確定表示時間が設定される。いずれの時間が設定されるかは抽選により決定され、例えば0.5secは50%の確率で設定され、15secは50%の確率で設定される。
停止開始時処理の説明に戻り、ステップS6402にて、当否抽選モードや遊技結果、及び共通保留数CRNの値に応じた第1確定表示時間をセットする処理を実行した後は、ステップS6403にて、第1確定表示の開始処理を行う。その後、ステップS6404にて、V振分開始用処理を実行してから、停止開始時処理を終了する。
V振分開始用処理では、図99(b)のフローチャートに示すように、ステップS6501にて今回の遊技回が大当たり結果の遊技回か否かを判定する。大当たり結果ではない場合は、そのままV振分開始用処理を終了する。大当たり結果の遊技回である場合には、ステップS6502にて、V周期カウンタVSに「7500」をセットする処理を行う(30secに相当)。そして、ステップS6503にて、V周期計測フラグをセットする処理を行ってから、本V振分開始用処理を終了する。この処理によって、上記V動作用処理(図98)にてステップS6301にて肯定判定することになり、可変入賞装置132におけるシャッタ用の駆動部359の駆動制御が開始されることとなる。
本実施の形態における遊技状態移行処理(図16)では、ステップS803にて開閉実行モードの移行がありと判定した場合、ステップS804のオープニング用処理にて、開閉実行モードのオープニング期間を15secとして設定する。そして、ステップS806の大入賞口開閉処理では、オープニング期間が経過したことに基づいて可変入賞装置132への入賞が許容されるラウンド遊技を開始する。
本実施の形態における、V入賞が発生する様子を図101のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、低確率モードである状況を想定して説明する。
先ず、共通保留数CRNが1~3個である場合に実施される開閉実行モードについて説明する。タイミングta1にて開始された遊技回の変動表示がタイミングta2で終了して確定表示が開始される場合において、共通保留数CRNが少ない(1~3個)である場合、第1確定表示時間としては20secが設定される(図100(a)参照)。上記各実施の形態と同様に、第2確定表示時間は0.5secが設定されるため、確定表示時間としてはトータルで20.5secが設定されることとなる。当該確定表示時間が経過するタイミングta3にて、開閉実行モードが開始される。開閉実行モードでは、上記のようにオープニング期間として15secが設定されるため、当該オープニング期間が経過するタイミングta6にて1ラウンド目のラウンド遊技が開始され、可変入賞装置132への入賞が許容される。
上記のように、V入賞用領域356及び排出用領域357のいずれかに振り分ける切換制御は、開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われてから予め定められた周期で行われる。すなわち、第1確定表示の開始タイミングであるタイミングta2から30sec後であるタイミングta4にてV入賞用領域356へ誘導する態様に切り換えられ、1secに亘って当該態様が維持されてから、その後、タイミングta5にて排出用領域357へ誘導する態様に切り換えられる。
この場合、入賞した遊技球をV入賞用領域356側へ誘導する態様となっているタイミング(タイミングta4~タイミングta5)では、可変入賞装置132への入賞は許容されていない。そのため、今回の開閉実行モードでは、実質的に、V入賞用領域356への遊技球の流入(V入賞)は発生しないことになり、開閉実行モード後の当否抽選モードは低確率モードに設定されることになる。
一方、タイミングtb1にて開始された遊技回の変動表示がタイミングtb2で終了して確定表示が開始される場合において、共通保留数CRNが多い(7~8個)である場合、第1確定表示時間としては上記共通保留数CRNが少ない場合よりも短い0.5secが設定される(図100(a)参照)。この場合、確定表示時間としてはトータルで1.0secが設定されることとなる。当該確定表示時間が経過するタイミングtb3にて、開閉実行モードが開始され、15secのオープニング期間が経過するタイミングtb4にて1ラウンド目のラウンド遊技が開始され、可変入賞装置132への入賞が許容される。
上記タイミングta2の場合と同様に、開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われてから予め定められた周期で、V入賞用領域356及び排出用領域357のいずれかに振り分ける切換制御が行われる。すなわち、タイミングtb2から30sec後であるタイミングtb5にてV入賞用領域356へ誘導する態様に切り換えられ、1secに亘って当該態様が維持されてから、その後、タイミングtb6にて排出用領域357へ誘導する態様に切り換えられる。
この場合、入賞した遊技球をV入賞用領域356側へ誘導する態様となっているタイミング(タイミングtb5~タイミングtb6)では、可変入賞装置132への入賞は許容されている。そのため、今回の開閉実行モードでは、実質的に、V入賞用領域356への遊技球の流入(V入賞)が発生することになり、開閉実行モード後の当否抽選モードは高確率モードに設定されることになる。
以上のように、開閉実行モードへの移行が発生する遊技回の共通保留数CRNの数に応じて当該開閉実行モード中のV入賞の発生の有無を変化させることで、保留数と高確率モードへの設定確率とを関連付けた新たな遊技性を創出することができる。例えば、図100(c)に示すように、低確率モードにおけるV入賞の発生は、共通保留数CRNが7~8個である状況で開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われた場合であるから、共通保留数CRNで当分割とすると、低確率モード中のV入賞確率は25%となる。一方で、高確率モードにおけるV入賞の発生は、共通保留数CRNが7~8個である状況で開閉実行モードへ移行することの確定報知が行われた場合の50%の確率で発生する。そのため、共通保留数CRNで当分割することによって、高確率モード中のV入賞確率は12.5%と低確率モード中よりも低くなる。
その一方で、共通保留数CRNは、サポートモードの高低によっても多くなったり少なくなったりする。具体的には、高頻度サポートモードにおいては、下作動口33bの電動役物34によるサポートが高頻度で発生するため、第2入球部33e側の入賞が発生し易くなり、結果的に、共通保留数CRNの値が上限値に近くなり易い。一方、低頻度サポートモードにおいては、電動役物34によるサポートが期待できないため、上作動口33aを経由した入賞がメインとなる。そのため、共通保留数CRNの値は上限値に近くなりにくいといえる。そうすると、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に大当たり結果となった場合には、V入賞が発生しにくいことから開閉実行モード後の当否抽選モードは低確率モードに設定され易く、高頻度サポートモードである場合に大当たり結果となった場合には、V入賞が発生し易いことから開閉実行モード後の当否抽選モードは高確率モードに設定され易くなる。
このように、V入賞の発生率を共通保留数CRNと関連付けることで、共通保留数CRNの値が多くなり易い状態や少なくなり易い状態によって、V入賞の発生率を異ならせることが可能となる。
共通保留数CRNは、第1入球部33d側の保留情報の数と、第2入球部33e側の保留情報の数との合計値であるため、第2入球部33e側の保留情報が貯まり易い高頻度サポートモードにおいても、共通保留数CRNの値が上限値近くになるためには、上作動口33aへの入賞を発生させる必要がある。そのため、第2入球部33e側の保留情報の数によってV入賞率を決定する構成と比較して、V入賞を発生させる(短い第1確定表示時間を設定させる)難易度が高まり、遊技性を向上させることが可能となる。
保留情報の貯まり易さは、各遊技回の変動表示時間によっても異なり得る。図102は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを示している。
図102(a)に示すように、低頻度サポートモード(通常遊技状態)において、リーチ発生時に設定される変動表示時間としては、変動種別カウンタCSの値に応じて、例えば、30sec、60sec、90secが設定されている。そして、変動表示時間の長さに応じてそれぞれ異なるリーチ表示が対応付けられている。例えば、30secの変動表示時間に対しては、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、ノーマルリーチCが設定されており、これらノーマルリーチA~Cはそれぞれ演出内容と大当たり結果となる期待度(大当たり時に選択される選択率)が異なるように設定されている。また、60secや90secの変動表示時間に対しては、スーパーリーチが設定されている。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり結果となる期待度が高くなるように設定されたリーチ表示であり、例えばノーマルリーチの発展形となるようにリーチ表示の演出内容が設定されている。そして、60secの変動表示時間に対してはスーパーリーチAが設定され、90secの変動表示時間に対してはスーパーリーチBが設定される。スーパーリーチAとスーパーリーチBとは大当たり結果となる期待度と演出内容が異なるように設定されており、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBのほうが大当たり期待度が高くなるように設定されている。
一方、図102(b)に示すように、高頻度サポートモード(高確遊技状態)において、リーチ発生時に設定される変動表示時間としては、変動種別カウンタCSの値に応じて、例えば、3sec、15secが設定されている。高頻度サポートモードにおいても、変動表示時間の長さに応じてそれぞれ異なるリーチ表示が対応付けられており、例えば、3secの変動表示時間に対しては短リーチが設定されており、15secの変動表示時間に対しては長リーチが設定されている。短リーチと長リーチとは、例えば、上下のリーチラインが形成されてからの中図柄列Z2の変動表示が行われる期間が異なるリーチである。そして、短リーチと長リーチとでは、長リーチのほうが大当たり結果となる期待度が高くなるように設定されている。
ちなみに、リーチ発生用変動表示時間テーブルにて設定される変動表示時間は、リーチ非発生用変動表示時間テーブルにて設定される変動表示時間よりも長く設定されている。また、上記のリーチ発生用変動表示時間テーブルは、外れ結果である場合に参照される。大当たり結果である場合に参照されるリーチ発生用変動表示時間テーブルは、各変動表示時間(各リーチ表示)に割り振られる変動種別カウンタCSの値が異なっており、長い変動表示時間となるリーチ表示が、上記外れ結果である場合よりも選択され易いように変動種別カウンタCSの値が割り振られている。
上記のように、遊技回の変動表示時間が通常よりも長くなるリーチ発生時においては、保留情報の消化速度が遅くなる。つまり、リーチ発生によって保留情報が貯まり易くなる。
特に、長い変動表示時間のリーチ表示のほうが大当たり期待度が高くなるように設定されているため、大当たり結果が期待できるリーチ表示が行われることに基づいて、保留情報を貯めることが可能となっている。言い換えると、大当たり期待度の高いリーチ表示が行われる場合ほど、共通保留数CRNの上限値まで記憶させたほうが、遊技者にメリットが生じる構成といえる。このようにすることで、例えば、リーチ表示の内容によって、大当たり結果を確信した遊技者であっても、遊技球を発射させて保留情報を取得させるように仕向けることができ、遊技球の発射を止める所謂止め打ちを抑止することが可能となる。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、保留情報の貯まり易さが異なり、低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードのほうが、保留情報が貯まり易い。但し、低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードのほうが、保留情報の消化スピードは速くなる。そうすると、高頻度サポートモードにおいても大当たり時に共通保留数CRNが上限値ではない事象が生じ得る。特に、高頻度サポートモードにおけるリーチ表示を、低頻度サポートモードにおけるリーチ表示よりも短くなり易いように設定したため、高頻度サポートモードにおいてリーチ表示が開始されてから、あわてて保留情報を取得させようとしても、当該リーチ表示の終了(遊技回の終了)までに共通保留数CRNが上限値に達しない可能性もある。このようにすることで、高頻度サポートモードにおいて、共通保留数CRNが上限値近くで遊技を行うようにし、所謂止め打ちを抑止することができる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、開閉実行モードにおけるオープニング期間との関係で、第1確定表示時間を設定する。図103は、本実施の形態における当否テーブル及び振分テーブルである。
図103(a)及び図103(b)に示すように、本実施の形態では、当否抽選の結果として、開閉実行モードが実行される大当たり結果の他に、特別外れ結果及び通常外れ結果が設定されている。当否抽選の結果が、特別外れ結果及び通常外れ結果となると、いずれも開閉実行モードへは移行しないものの、設定される第1確定表示時間の長さが異なっている。
当否抽選モードが低確率モードにおいて参照される低確率モード用の当否テーブルでは、図103(a)に示すように、比較的低頻度で振り分けられる特別外れ結果では、第1確定表示時間は24.5secが設定される。その一方で、比較的高頻度で振り分けられる通常外れ結果では、第1確定表示時間は0.2secが設定される。なお、通常外れ結果時に設定される第1確定表示時間は、大当たり結果時に設定される第1確定表示時間と同じ長さであり、大当たり結果時には0.2secの確定表示時間が設定される。
当否抽選モードが高確率モードにおいて参照される高確率モード用の当否テーブルでは、図103(b)に示すように、各結果でいずれも同じ第1確定表示時間が設定される。具体的には、大当たり結果、特別外れ結果、及び通常外れ結果のいずれでも、第1確定表示時間として、0.2secが設定される。言い換えると、大当たり結果及び通常外れ結果は、当否抽選モードの高低によらず、同じ第1確定表示時間が設定される一方、特別外れ結果では、当否抽選モードが低確率モードである場合には24.5secが設定され、高確率モードでは0.2secが設定され、当否抽選モードの高低によって設定される第1確定表示時間が異なっている。
なお、第2確定表示時間は、当否抽選モードの高低及び遊技結果によらず一定であり、いずれも0.5secが設定される。
本実施の形態では、図103(c)に示すように、大当たり結果の振分先として、第1種大当たり結果A,第1種大当たり結果B,第2種大当たり結果A,第2種大当たり結果Bが設けられている。第1種大当たり結果A,Bは、上記の第1種大当たり結果に対応するものであり、いずれも16ラウンドのラウンド遊技が実行される開閉実行モードに移行する遊技結果である。また、第2種大当たり結果A,Bは、上記の第2種大当たり結果に対応するものであり、いずれも4ラウンドのラウンド遊技が実行される開閉実行モードに移行する遊技結果である。
第1種大当たり結果Aと第1種大当たり結果B、また、第2種大当たり結果Aと第2種大当たり結果Bの違いは、開閉実行モードにおけるオープニング時間の長さである。すなわち、遊技状態移行処理(図16)におけるステップS804のオープニング用処理にて、第1種大当たり結果Aや第2種大当たり結果Aであれば、開閉実行モードのオープニング期間を15.0secとして設定する。一方、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bであれば、開閉実行モードのオープニング期間を24.3secとして設定する。
この場合、第1種大当たり結果Aや第2種大当たり結果Aとなると、第1確定表示時間、第2確定表示時間及びオープニング時間の合計は、15.7sec(0.2sec+0.5sec+15.0sec)となり、これらの結果の確定表示が開始されてから可変入賞装置32が開放されるまでの期間は当該15.7secとなる。また、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bとなる場合、第1確定表示時間、第2確定表示時間及びオープニング時間の合計は、25.0sec(0.2sec+0.5sec+24.3sec)となり、これらの結果の確定表示が開始されてから可変入賞装置32が開放されるまでの期間は当該25.0secとなる。
これにより、低確率モードにおいて特別外れ結果となった場合に、当該特別外れ結果の確定表示が開始されてから次の遊技回が開始されるまでの期間と、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bとなった場合に、これらの結果の確定表示が開始されてから可変入賞装置32が開放されるまでの期間とが対応し、同じ長さの期間(25.0sec)となる。
次に、本実施の形態における変動開始処理について、図104のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、変動開始処理は、主制御装置81側の処理として、遊技回制御処理(図13)におけるステップS506にて実施される処理であり、かかる処理によって、メイン表示部43における変動表示パターンや停止結果が設定される。
本実施の形態では、ステップS6501~ステップS6506にて、上記ステップS701~ステップS706の処理と同様に、当否判定処理や大当たり当選時の種別判定処理、各大当たり用の停止結果設定処理を行う。なお、ステップS6504では、第1種大当たり結果A及び第1種大当たり結果Bのいずれかであるか否かを判定し、いずれかである場合には、ステップS6505にて、第1種大当たり結果A及び第1種大当たり結果B用の停止結果設定処理を行う。ステップS6505では、第1種大当たり結果Aである場合には第1種大当たり結果Aに対応する停止結果を設定し、第1種大当たり結果Bである場合には第1種大当たり結果Bに対応する停止結果を設定する。これら、第1種大当たり結果Aに対応する停止結果と第1種大当たり結果Bに対応する停止結果とは、見た目上識別可能な程度に異なっている。
また、ステップS6504にて否定判定した場合には、ステップS6506にて、第2種大当たり結果A及び第2種大当たり結果B用の停止結果設定処理を行う。そして、ステップS6506では、第2種大当たり結果Aである場合には第2種大当たり結果Aに対応する停止結果を設定し、第2種大当たり結果Bである場合には第2種大当たり結果Bに対応する停止結果を設定する。これら、第2種大当たり結果Aに対応する停止結果と第2種大当たり結果Bに対応する停止結果とは、見た目上識別可能な程度に異なっている。また、第2種大当たり結果Aに対応する停止結果と第2種大当たり結果Bに対応する停止結果とは、第1種大当たり結果Aや第1種大当たり結果Bに対応する停止結果とも、見た目上識別可能な程度に異なっている。
ステップS6502にて大当たり当選ではないと判定した場合、ステップS6507に進み、特別外れ結果であるか否かを判定する。特別外れ結果ではない場合には、ステップS6508にて通常外れ時用の停止結果設定処理を行う。ステップS6508では、上記各大当たり結果に対応する停止結果とは見た目上識別可能な程度に異なるように、停止結果を設定する。
ステップS6507にて特別外れ結果であると判定した場合、ステップS6509にて特別外れ時用の停止結果設定処理を行う。ステップS6509では、上記各大当たり結果に対応する停止結果や通常外れに対応する停止結果とは、見た目上識別可能な程度に異なるように、停止結果を設定する。特に、特別外れ結果に対応する停止結果は、各大当たり結果の停止結果と比較して、第1種大当たり結果Bに対応する停止結果や、第2種大当たり結果Bに対応する停止結果とは、大きく異なる停止結果となっている。
ステップS6505、ステップS6506、ステップS6508及びステップS6509のいずれかの処理を実行した後は、ステップS6510~ステップS6512にて、上記ステップS708~ステップS710と同様の処理を実行する。
つまり、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と比較すると、第1種大当たり結果として第1種大当たり結果Aや第1種大当たり結果Bが存在し、第2種大当たり結果として第2種大当たり結果Aや第2種大当たり結果Bが存在する。また、外れ結果として通常外れ結果と特別外れ結果とが存在する。本実施の形態における変動開始処理では、これらの遊技結果が、メイン表示部43にてそれぞれ識別可能となるように停止結果を設定する。
次に、本実施の形態における停止開始時処理について、図105のフローチャートを参照しながら説明する。上記のとおり、停止開始時処理は、第1確定表示時間の設定を行うための処理である。
ステップS6601では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードではなく高確率モードである場合には、ステップS6602に進み、今回の遊技回の第1確定表示時間を0.2secとして設定する(図103(b)参照)。また、低確率モードであっても(ステップS6601:YES)、ステップS6602にて特別外れ結果ではないと判定した場合には、ステップS6602にて第1確定表示時間を0.2secとして設定する(図103(a)参照)。一方、低確率モードであって(ステップS6601:YES)、特別外れ結果である場合(ステップS6603:YES)、ステップS6604にて、今回の遊技回の第1確定表示時間を24.5secとして設定する処理を実行する。ステップS6602又はステップS6604にて第1確定表示時間を設定した後は、ステップS6605にて第1確定表示の開始処理を実行してから、本停止開始時処理を終了する。
次に、本実施の形態におけるオープニング用処理について、図106のフローチャートを参照しながら説明する。オープニング用処理は、主制御装置81側の処理として、遊技状態移行処理(図16)におけるステップS804にて実施される処理である。
ステップS6701では、今回開始する開閉実行モードが、第1種大当たり結果A又は第2種大当たり結果Aに基づく開閉実行モードであるか否かを判定する。これらの大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合、ステップS6702にて、今回の開閉実行モードのオープニング時間を15.0secとして設定する(図103(c)参照)。一方、ステップS6701にて否定判定し、今回開始する開閉実行モードが第1種大当たり結果B又は第2種大当たり結果Bである場合、ステップS6703にて、今回の開閉実行モードのオープニング時間を24.3secとして設定する(図103(c)参照)。ステップS6702又はステップS6703の処理を実行した後は、ステップS6704にてオープニング時間の計測を開始する処理をおこなってから、本オープニング用処理を終了する。
次に、本実施の形態における、報知・演出制御装置82側の処理として、変動表示制御処理(図26)における変動開始用処理(ステップS1404、図27)の、大当たり用の停止結果決定処理(ステップS1503)と、リーチ用の停止結果決定処理について説明する。
大当たり用の停止結果決定処理では、図107のフローチャートに示すように、ステップS6801にて、今回開始する遊技回の遊技結果が第1種大当たり結果A又は第2種大当たり結果Aであるか否かを判定する。これらの大当たり結果である場合は、ステップS6802にて、第1種大当たり結果Aであるか否かを判定する。第1種大当たり結果Aである場合には、ステップS6803にて、一の有効ラインL1~L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、ステップS6802にて第1種大当たり結果Aではなく第2種大当たり結果Aであると判定した場合には、ステップS6804にて、一の有効ラインL1~L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
ステップS6801にて、第1種大当たり結果A又は第2種大当たり結果Aでもないと判定した場合、すなわち、今回開始する遊技回の遊技結果が第1種大当たり結果B又は第2種大当たり結果Bである場合には、ステップS6805に進む。ステップS6805では、一の有効ラインL1~L5上に所定の図柄の組合せ(例えば、「3」が付された主図柄、「4」が付された主図柄、「1」が付された主図柄の組合せ)が成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。所定の図柄の組合せとなる停止結果(3・4・1)は、上記のように同一の図柄の組合せが成立する停止結果とは異なり、所謂チャンス目を示す停止結果である。この場合、設定される演出パターンを、実行するリーチ表示において最終停止する図柄列Z2を停止させないようにし、そのまま図柄列Z1~Z3を隠すように所定のキャラクタ(例えば魚群)を図柄列Z1~Z3の前面に登場させ、当該所定のキャラクタを図柄列Z1~Z3と重ならない位置に移動させると、上記のチャンス目が停止しているような演出パターンに変更する。
ステップS6803、ステップS6804及びステップS6805のいずれかの処理を実行した後は、ステップS6406にて、停止図柄のアドレスを記憶する処理を行ってから、本停止結果決定処理を終了する。
一方、リーチ用の停止結果決定処理では、図108のフローチャートに示すように、ステップS6901にて、今回開始する遊技回の遊技結果が、特別外れ結果であるか否かを判定する。特別外れ結果ではなく通常外れ結果である場合には、ステップS6902にて、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。ステップS6901にて、今回開始する遊技回の遊技結果が特別外れ結果であると判定した場合には、ステップS6903にて、一の有効ラインL1~L5上に所定の図柄の組合せ(例えば、「3」が付された主図柄、「4」が付された主図柄、「1」が付された主図柄の組合せ)が成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。すなわち、ステップS6903にて決定される停止結果は、上記ステップS6805にて決定される停止結果と同様であり、所謂チャンス目を示す停止結果である。また、この場合においても、設定される演出パターンを、実行するリーチ表示において最終停止する図柄列Z2を停止させないようにし、そのまま図柄列Z1~Z3を隠すように所定のキャラクタ(例えば魚群)を図柄列Z1~Z3の前面に登場させ、当該所定のキャラクタを図柄列Z1~Z3と重ならない位置に移動させると、上記のチャンス目が停止しているような演出パターンに変更する。
ステップS6902又はステップS6903の処理を実行した後は、ステップS6904にて、停止図柄のアドレスを記憶する処理を行ってから、本停止結果決定処理を終了する。
したがって、本実施の形態では、図柄表示装置41における遊技回として、第1種大当たり結果B及び第2種大当たり結果Bとなる遊技回の停止結果と、特別外れ結果となる遊技回の停止結果とが共通しており、同じ停止結果(チャンス目)となるように設定される。
本実施の形態の遊技の流れを、図109のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bとなる場合の遊技の流れを説明する。タイミングta1にて開始された遊技回の遊技結果が、これらの大当たり結果である場合、タイミングta2にて図柄表示装置41における図柄列Z1~Z3の変動表示が終了して、上記チャンス目(3・4・1)が仮停止される。その後、タイミングta3では、メイン表示部43にて確定表示が開始され、遊技結果に対応する停止結果が表示される(第1種大当たり結果Bに対応する停止結果、又は第2種大当たり結果Bに対応する停止結果)。この場合、図柄表示装置41の表示画面41aでは、チャンス演出が発生する。チャンス演出とは、例えば、上記のチャンス目を停止させたまま、背景が真っ黒になり、効果音として心拍音(ドクンドクン)が発せられる演出であり、当該チャンス演出は、確定表示及び開閉実行モードのオープニングに亘って継続して実施される。すなわち、タイミングta4にて確定表示時間が経過した後、タイミングta5にて開閉実行モードが開始されてオープニングに移行しても、上記チャンス演出は継続して行われる(表示画面41aはそのままで、ドクンドクンという心拍音の効果音が繰り返し発せられる)。
既に説明したとおり、遊技結果が大当たり結果である場合、第1確定表示時間は0.2secが設定され、第2確定表示時間は0.5secが設定される。そして、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bの開閉実行モードにおけるオープニング時間は24.3secが設定される。そのため、上記チャンス演出は、計25.0secに亘って実施されることになる。そして、オープニング時間が経過するタイミングta5にて、チャンス演出が終了し、大入賞口32aが開放されるとともに、表示画面41aにて大当たり演出が開始される。
一方、タイミングtb1にて開始された遊技回の遊技結果が、特別外れ結果である場合、タイミングtb2にて図柄表示装置41における図柄列Z1~Z3の変動表示が終了して、上記チャンス目(3・4・1)が仮停止される。その後、タイミングtb3では、メイン表示部43にて確定表示が開始され、遊技結果に対応する停止結果が表示される(特別外れ結果に対応する停止結果)。この場合、図柄表示装置41の表示画面41aでは、上記のチャンス演出が発生する。但し、今回の遊技結果は開閉実行モードに移行する遊技結果ではないため、今回のチャンス演出は、確定表示中に実施される。但し、今回の確定表示時間は、第1確定表示時間が24.5secに設定され、第2確定表示時間が0.5secに設定されるため、計25.0secに亘って上記チャンス演出が実行されることになる。つまり、特別外れ結果に基づくチャンス演出は、上記第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bの場合に実施されるチャンス演出と同じ長さで実施される。但し、上記第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bの場合だと開閉実行モードが開始されるタイミングta4に対応するタイミングtb4では、開閉実行モードは開始されないし、上記第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bの場合だと大入賞口32aが開放されるタイミングta5に対応するタイミングtb5では、大入賞口32aは開放されず、次の遊技回が開始され、図柄列Z1~Z3やメイン表示部43の変動表示が開始される。タイミングtb5にて保留情報が記憶されていない場合には、次の遊技回は開始されず、上記チャンス演出がそのまま終了する(背景が元の色に戻り、心拍音の効果音が停止する)。
なお、上記タイミングta4にて開閉実行モードが開始される場合、例えば、メイン表示部43の表示態様を変化させたりして、遊技状態が移行したことが明確に特定可能とするとよい。また、例えば、開閉実行モードのラウンド遊技の回数を示すラウンド表示部が設けられている構成においては、タイミングta4にて当該ラウンド表示部の表示を開始する構成とするとよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉実行モードへ移行する第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bである場合の、表示画面41aにて図柄の停止結果を表示させてから、開閉実行モードのオープニングを経て、1ラウンド目のラウンド遊技として大入賞口32aが開放されるまでの期間が、開閉実行モードへ移行しない特別外れ結果である場合の、表示画面41aにて図柄の停止結果を表示させてから、次の遊技回が開始されるまでの期間と同じ長さの期間となるように設定した。これにより、これらの期間の長さや、大入賞口32aの開閉態様からは、開閉実行モードへの移行が生じるか否かを判別することができない。よって、開閉実行モードへの移行が生じない特別外れ結果であっても、もしかしたら開閉実行モードへの移行が生じるのでは、と期待感を寄せながらこの期間を楽しませることが可能となり、興趣向上が図られる。
遊技回の遊技結果が開閉実行モードへ移行する第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bである場合と、開閉実行モードへ移行しない特別外れ結果である場合とで、表示画面41aにおける図柄の停止結果を共通化して、いずれもチャンス目が停止するようにした。これにより、表示画面41aの停止結果からは、開閉実行モードへの移行が生じるか否かが判断できず、大入賞口32aが開放される又は次遊技回が開始されるまでの期間のドキドキ感をより楽しませることができる。
表示画面41aにおいては、上記のように両結果が識別できない構成としつつも、メイン表示部43においては、両結果が識別可能となるように停止結果を異ならせる構成とした。これにより、例えば遊技ホールの管理者等により、いずれの結果であるかの確認作業が行え、遊技結果と開閉実行モードの対応付けが担保される。
上記のような確定表示時間をオープニング期間と対応付ける演出を、低確率モードでは実施するものの、高確率モードでは実施しない構成とした。これにより、頻繁に大当たり結果となり得る高確率モードの遊技をスムーズに行うことができる。
なお、上記実施の形態において、特別外れ結果である場合であって、保留情報が保留球格納エリア232に1個以上記憶されている場合に、上記の確定表示時間を設定したり、チャンス目を停止させたり、チャンス演出を行う構成としてもよい。これにより、当該チャンス演出後は、大入賞口32aが開放されるか、次の遊技回が開始されるか、の2拓となり、チャンス演出後の演出が与える印象の落差を大きくすることができる。
上記実施の形態において、高確率モード中の開閉実行モードのオープニング時間を、上記のものよりも短くしてもよい。すなわち、高確率モードにおいては、特別外れ結果であっても第1確定表示時間を他の遊技結果と同様の時間とすることにあわせて、例えば、高確率モード中の第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bのオープニング時間を、第1種大当たり結果Aや第2種大当たり結果Aのオープニング期間と同様に15.0secとしてもよい。このようにすれば、高確率モードにおける開閉実行モードもスムーズに実施可能となる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記第1の実施の形態では、保留予告として泡画像を出現させる演出表示を行ったり、図柄列Z1~Z3を保留予告の停止態様で停止させる演出を行ったりしたが、それらの演出を実行しない構成としてもよい。すなわち、確定表示時間や1遊技回に係る遊技時間の長さ自体を保留予告として活用する構成としてもよい。この場合、保留予告を行う場合に確定表示時間を通常よりも長くする構成に限らず、短くする構成でもよいし、長くする場合及び短くする場合の両方を織り交ぜた構成でもよい。また、特殊時間として長さの異なる複数の時間を設け、確定表示時間の長さにより特定遊技回(保留予告の対象となっている遊技回)における大当たりの期待度を示唆する構成としてもよい。例えば、外れリーチに対応する保留情報が先特定された場合は、特殊時間として第1種時間が設定され易く、大当たりに対応する保留情報が先特定された場合は特殊時間として第1種時間よりも長い第2種時間が設定され易い構成とするとよい。確定表示時間や1遊技回に係る遊技時間の長さ自体を保留予告として活用する構成では、確定表示に対する遊技者の関心を高めて遊技への注目度を向上させたり、演出表示の種類数や表示数を低減して制御上の処理負荷を軽減したりすることが可能になる。但し、保留予告に対する遊技者の気付き易さを踏まえると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
(2)上記第1の実施の形態では、表示画面41a上に所定の演出画像を表示させて保留予告を行う構成としたが、保留予告は、LED等の発光手段を用いた発光演出であってもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を用いた役物演出であってもよい。さらに、必ずしも視覚的なものである必要はなく、例えば、効果音を用いた聴覚的なものや、においを用いた嗅覚的なもの、さらには、パチンコ機10の少なくとも一部(例えば発射ハンドル54や演出用操作部75)を振動させたり、遊技者に向けて風や水を当てたりするものでもよい。要は遊技進行と関連する演出が行われたと遊技者が感受できるものであればよく、その形態は特に限定されるものではない。
なお、所定の演出画像を表示して保留予告を行う場合は、図柄表示装置41とは別に他の表示装置を設け、当該表示装置の表示画面に演出画像を表示させる構成としてもよい。この場合、図柄列Z1~Z3に対する遊技者の注意や関心が削がれることを抑制するため、当該他の表示装置の表示画面を図柄表示装置41の表示画面41aよりも小さくしたり、表示画面41aよりも遊技盤24の前面中央部から離れた位置に配置したりするとよい。但し、メイン表示部43と比較した場合は、表示領域を大きくしたり、遊技盤24の前面中央部に近い位置に配置したりするとよい。
(3)上記第1の実施の形態では、保留予告を行う場合に、各遊技回の確定表示にて予告表示演出を表示する構成としたが、これに代えて又は加えて、保留予告を行う初回の遊技回にて、例えば「○○ゾーン突入」等といった先読みゾーン演出の開始を報知する報知画像を表示する構成としてもよい。この場合、初回遊技回の確定表示にて先ず上記報知画像を表示画面41aに大きく表示し、その後、当該確定表示の終盤又は次の遊技回の開始タイミングにて上記報知画像又は「○○ゾーン」の文字表示を小さくして表示し、それを特定遊技回まで継続する構成とするとよい。すなわち、初回遊技回の確定表示にて表示した演出画像を次の遊技回にも跨って継続表示するとよく、これにより、保留予告が継続中である旨を分かり易くすることができる。この場合、初回遊技回においては、上記報知画像の手前に表示部KP、又は当該表示部KP及び図柄列Z1~Z3を表示し、上記報知画像が表示されている中でも表示部KP等を視認可能な構成とするとよい。次回以降の遊技回においては、上記報知画像や文字表示が表示部KP、又は当該表示部KP及び図柄列Z1~Z3と重ならないように表示するとよい。この場合、上記報知画像や文字表示の表示位置を表示部KP等と重ならない位置に設定してもよいし、表示部KP等の表示を移動させて重複を避ける構成としてもよい。
(4)上記第1の実施の形態では、変動表示中に行われた先特定の結果を、当該変動表示の直後に行われる確定表示の時間長に反映させる構成としたが、次回以降の遊技回における確定表示の時間長に反映させる構成としてもよい。この場合、大当たり又は外れリーチに対応する保留情報が先特定されたか否かを判定する処理や、その判定結果に基づいて第1確定表示時間を設定する処理は、変動表示の開始タイミングにて行ってもよい。
(5)上記第1の実施の形態では、第1確定表示時間を可変時間とし、第2確定表示時間を固定時間としたが、第1確定表示時間を固定時間とし、第2確定表示時間を可変時間としてもよい。この場合、確定表示の開始後であっても確定表示時間を変更可能となり、確定表示中に先特定が行われた場合や、確定表示中に先特定の結果に対する判定処理が行われた場合に、その結果を進行中の確定表示に反映させることが可能になる。
また、第1及び第2確定表示時間の両方を可変時間とする構成としてもよい。この場合、両確定表示時間を同種又は同一の条件に基づいて設定する構成としてもよいし、異種又は異なる条件に基づいて設定する構成としてもよい。なお、同種の条件に基づいて設定する構成としては、例えば、先特定の結果が第1結果である場合に当該結果に基づいて第1確定表示時間を設定し、先特定の結果が上記第1結果とは異なる第2結果である場合に当該結果に基づいて第2確定表示時間を設定する構成とすることができる。また、異種又は異なる条件に基づいて設定する構成としては、例えば、先特定の結果に基づいて第1確定表示時間を設定し、共通保留数CRNに基づいて第2確定表示時間を設定する構成とすることができる。
(6)上記第1の実施の形態では、確定表示時間を第1確定表示時間と第2確定表示時間とに分割する構成としたが、係る分割を行わず、第2確定表示時間を設けない構成としてもよい。この場合、第2停止表示用コマンドについても省略可能である。また、確定表示時間の分割数は2に限定されるものではなく、3以上としてもよい。この場合、第1及び第2確定表示時間以外の第3以降の各確定表示時間は、第1確定表示時間のように可変時間であってもよいし、第2確定表示時間のように固定時間であってもよい。
さらに、上記第2の実施の形態において、確定表示時間を第1確定表示時間と第2確定表示時間とに分割する構成としてもよい。この場合、上記第1の実施の形態のように、第1確定表示時間を可変時間とし、第2確定表示時間を固定時間としてもよいし、上記(5)に記載の構成のように、第1確定表示時間を固定時間とし、第2確定表示時間を可変時間としたり、その両方を可変時間としたりしてもよい。
(7)上記第1の実施の形態では、第1確定表示時間をメイン表示部43の確定表示の開始タイミングにて設定する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、確定表示の開始タイミングよりも前のタイミングにて第1確定表示時間を設定する構成でもよい。すなわち、第1確定表示時間の設定タイミングは、メイン表示部43における変動表示の開始後で且つ確定表示の開始時以前(上記(5)の構成を備える場合は、確定表示の終了前)であれば、いずれのタイミングであってもよい。このことは、大当たり又は外れリーチに対応する保留情報が先特定されたか否かを判定する処理(ステップS1203)についても同様である。
(8)上記第1の実施の形態では、保留予告の設定回数(第1確定表示時間を特殊時間とする設定回数)ANを複数回としたが、1回であってもよい。その場合、保留予告の対象となっている特定遊技回の直前の遊技回にて保留予告を行う構成としてもよいし、それよりもさらに前の遊技回にて保留予告を行う構成としてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、設定回数ANを一律に2回とする構成としたが、先特定された結果の種別によって回数が異なる又は異なり易くなる構成としてもよい。例えば、大当たりに対応する保留情報が先特定された場合は設定回数ANとして3回が選択され易くなり、外れリーチに対応する保留情報が先特定された場合は設定回数ANとして2回が選択され易くなる構成とすることができる。
(9)上記第1の実施の形態では、泡画像を出現させる予告表示演出を表示する場合に画一的に第1確定表示時間を特殊時間とする構成としたが、変動表示中に行われた先特定の結果に基づいて当該変動表示の直後の確定表示にて予告表示演出を表示する場合にのみ第1確定表示時間を特殊時間とし、2回目以降の予告表示演出の表示を実行する場合や次回以降の遊技回から予告表示演出の表示を開始する場合は、第1確定表示時間を通常時間とする構成としてもよい。2回目以降の予告表示演出を実行する場合や、次回以降の遊技回からの予告表示演出の開始する場合にあっては、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が予告表示演出を表示すべき旨を変動表示の開始時点で把握し得るため、図柄列Z1~Z3の仮停止のタイミングを通常よりも早めて予告表示演出のための時間確保を図る構成とするとよい。
また、第1確定表示時間を特殊時間とする中でも、予告表示演出を表示する場合と、予告表示演出を表示しない場合とが生じ得る構成としてもよい。この場合、第1確定表示時間が特殊時間となるだけで予告表示演出が表示されない場合と、第1確定表示時間が特殊時間となるのと同時に予告表示演出が表示される場合とで、大当たりの期待度に差を設けることで、期待度関連演出のバリエーションを増やすことができ、遊技演出の多様化が可能となる。この際、予告表示演出を表示するか否かは、主制御装置81が決定してもよいし、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が決定してもよい。
(10)上記第1の実施の形態では、特殊保留情報が先特定されていることが判定済みの場合に、特殊保留情報が先特定されている否かの判定処理を制限する構成としたが、これに代えて又は加えて、第1確定表示時間を特殊時間に設定する処理を制限する構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態では、確定表示の開始タイミングにて、特殊時間、通常時間及び時短用時間からなる複数の確定表示時間の中から1つを選択し、それを第1確定表示時間とする構成としたが、確定表示の開始よりも前のタイミングにて第1確定表示時間を通常時間(共通保留数CRNによっては時短用時間)に設定しておき、確定表示が開始されるまでの間において特殊保留情報が先特定された場合に、確定表示の開始タイミングにて第1確定表示時間を特殊時間に変更する構成としてもよい。このような構成とすることで、例えば、第1確定表示時間が特殊時間とされない不具合が生じても、事前に行った通常時間又は時短用時間の設定が残存し得るため、確定表示自体が実行不可となる不都合を抑制することが可能になる。
(12)上記第1の実施の形態では、共通保留数CRNがK=3以上である場合に第1確定表示時間を時短用時間に設定して短くする構成としたが、これに代えて又は加えて、共通保留数CRNが基準数M(例えば1)以下である場合に第1確定表示時間を通常時間よりも長くする構成としてもよい。これにより、保留球格納エリア232の保留情報が尽きにくくし、遊技進行の途切れを抑制することが可能になる。
(13)上記各実施の形態では、特殊表示領域OE及び表示部KPを表示画面41a内に設ける構成としたが、表示部KPを図柄表示装置41とは別の表示装置の表示画面内に設けたり、LED等の発光手段を備えた発光表示装置により表示部KPを構成するものとしてもよい。表示部KPを表示画面41aの外部に設ける場合、注目箇所の集約化のため、表示画面41aの周辺に設ける構成とするとよい。
(14)上記各実施の形態では、表示画面41aの変動表示領域MEにて、上図柄列,中図柄列,下図柄列が横方向に変動表示する構成としたが、これを変更し、それら3つの図柄列が縦方向に変動表示する構成してもよいし、各図柄列の図柄が個別に設定された表示領域にて切替表示される構成としてもよい。つまり、表示領域に表示されている図柄が昇順又は降順に順次入れ替わる構成としてもよい。また、図柄列の数は複数に限定されるものではなく、1列の図柄列のみを備える構成でもよい。なお、複数の図柄列を備える構成にあっては、図柄列の数は2であってもよいし、4以上であってもよい。
さらに、上記各実施の形態では、同一の表示画面41a上に図柄列Z1~Z3を表示する構成としたが、複数の表示画面(表示装置)を備え、各表示画面に1列ずつ図柄列を表示する構成としてもよいし、1列の図柄列と残り2列の図柄列とを各別の表示画面に表示する構成としてもよい。この場合、「絵柄表示手段」や「表示手段」は、それらをまとめて総称したものと解することもできるし、それらのうちの1の表示画面に対応するものと解することもできる。
(15)上記各実施の形態では、作動口33a,33bへの入賞に基づいて保留情報が取得され、それぞれ所定数(4個)を上限として保留情報が記憶される構成としたが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。このことは、スルーゲート35への入賞についても同様である。
(16)上記各実施の形態では、上作動口33aへの入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。また、下作動口33b及びスルーゲート35への各入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。また、各作動口33a,33b及びスルーゲート35への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態では、作動口33a,33bへの入賞順に当否判定の対象とする構成としたが、上作動口33aへの入賞に基づく保留情報よりも下作動口33bへの入賞に基づく保留情報を優先的に当否判定の対象とする構成としてもよいし、その逆であってもよい。
(18)上記第1の実施の形態の変形例1では、再変動を行う場合に一律に図柄列Z1~Z3の全てを再変動させる構成としたが、図柄列Z1~Z3の一部を再変動させる構成としてもよい。例えば、停止表示された図柄列Z1~Z3の中に保留予告の停止態様として利用可能なものがあるか否かを判定し、利用可能なものがあると判定した場合は、利用可能な図柄列以外の図柄列のみを再変動させる構成としてもよい。
(19)上記第1の実施の形態の変形例1では、図柄列Z1~Z3の再変動を介して停止結果を変更する構成としたが、再変動を介さずに変更する構成としてもよい。この場合、停止表示された図柄Z1~Z3を瞬時に別の図柄に変更する構成としてもよいし、停止表示された図柄列Z1~Z3を覆うように遮蔽画像を表示したり、図柄列Z1~Z3の表示領域に図柄以外の画像を表示し、その後、遮蔽画像や図柄以外の画像を消去した際に、変更された図柄が現れる構成としてもよい。なお、停止表示された図柄列Z1~Z3のうち一部の図柄列のみを変更する場合は、必ずしも遮蔽画像や図柄以外の画像を図柄列Z1~Z3の全体に対して表示する必要はなく、一部の図柄列に対してのみ表示する構成としてもよい。
(20)上記第1の実施の形態の変形例1では、図柄列Z1~Z3を再変動させるか否かの決定を報知・演出制御装置82が行う構成としたが、主制御装置81が行う構成としてもよいし、表示制御装置212が行う構成としてもよい。
(21)上記第1の実施の形態の変形例1では、遊技回の進行中に先特定が行われ、その結果に基づいて当該進行中の遊技回にて図柄列Z1~Z3を保留予告の停止態様で停止表示させる場合に限り、図柄列Z1~Z3を再変動させる構成としたが、その後の遊技回で図柄列Z1~Z3を2回目の保留予告の停止態様で停止表示させる場合や、先特定が行われたときに進行中の遊技回よりも後の遊技回から保留予告の停止態様を開始する場合にも、図柄列Z1~Z3を再変動させる構成としてもよい。その場合、再変動を介さずに保留予告の停止態様で停止表示させる場合と、再変動を経て保留予告の停止態様で停止表示させる場合とを織り交ぜるべく、再変動を実行するか否かを抽選する再変動抽選手段を設け、ランダムに再変動させる構成とするとよい。
このような構成とすることで、当初の停止表示において図柄列Z1~Z3の停止結果が保留予告の停止態様とならなくても、その停止結果が確定するまでは再変動が行われることを遊技者が期待できるようになる。これにより、遊技者の期待感を持続させることができ、遊技への注目度を高めることが可能となる。また、変形例1の構成であると、再変動が行われることに基づいてどの保留情報が大当たり又は外れリーチに対応するものであるかを遊技者が判別し易くなる面があるが、ランダムに再変動が発生することで、大当たり又は外れリーチが先特定された保留情報を特定しにくくなり、当該保留情報を推測する面白みを付与することができる。なお、上記再変動抽選は、主制御装置81が行ってもよいし、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が行ってもよい。
(22)上記第1の実施の形態の変形例1では、主制御装置81が第1確定表示時間を特殊時間に設定し、それを受けて報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が図柄列Z1~Z3の再変動を行う構成としたが、係る構成に対し、主制御装置81が第1確定表示時間を通常時間に設定する中でも、報知・演出制御装置82又は表示制御装置212が独自に決定して図柄列Z1~Z3の再変動を行う構成をさらに付加してもよい。このような構成とすることで再変動の実行頻度を増加させることができ、再変動が行われたときの遊技者の違和感を軽減したり、特別な演出と誤解して過度な期待感を抱いたりすることが抑制される。
但し、通常時間は特殊時間よりも短いことから、再変動のための時間確保が困難化するおそれがある。このため、第1確定表示時間が通常時間に設定されている中で再変動を実行する場合は、確定表示の開始前に再変動を開始し、第1確定表示時間が特殊時間である場合に比べて前倒しで実行する構成とするとよい。これにより、再変動時間の適正な確保が可能となり、再変動の途中で遊技回が終了してしまったり、再停止表示された停止結果を表示する時間が適正に確保されなくなるなどの不都合が抑制される。
(23)上記第1の実施の形態の変形例1では、図柄列Z1~Z3を再変動させるか否かに関わらず、保留予告を実行する場合は画一的に第1確定表示時間を特殊時間とする構成としたが、保留予告を実行しても再変動を実行しない場合は第1確定表示時間を特殊時間としない構成としてもよい。この場合、第1確定表示時間を通常時間とする構成としてもよいが、泡画像を出現させる予告演出表示の時間確保が必要なことから、設定可能な第1確定表示時間として特殊時間よりも短く且つ通常時間よりも長い第2特殊時間をさらに設け、当該第2特殊時間に設定する構成としてもよい。係る構成においては、図柄列Z1~Z3を再変動させるか否かの決定を主制御装置81が行う構成とするとよい。
(24)上記第1の実施の形態の変形例1では、遊技回の進行中に先特定が行われ、その結果に基づいて当該進行中の遊技回にて図柄列Z1~Z3を保留予告の停止態様で停止表示させる場合に、先特定が行われたときの遊技回の進行状況に関わらず常に図柄列Z1~Z3を再変動させる構成としたが、図柄列Z1~Z3が高速変動表示中(図25(c)参照)に先特定が行われた場合は再変動を実行せず、停止変動表示中や図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが停止表示済みの状態である場合に限って再変動させる構成としてもよい。すなわち、遊技回の進行状況に基づいて再変動の有無を判定し、再変動を実行すると判定した場合に再変動を実行する構成としてもよい。なお、再変動を実行しないと判定した場合は、報知・演出制御装置82のMPU242のレジスタに記憶された停止結果(変動表示の開始タイミングで設定された停止結果)を保留予告の停止態様に書き換え、当初から保留予告の停止態様で図柄列Z1~Z3を停止表示する構成とするとよい。また、再変動を実行するか否かの判断は、主制御装置81から送信される保留コマンド(先特定の結果に関する情報が含まれているコマンド)の内容及びその受信タイミングに基づいて行うとよい。
(25)上記第1の実施の形態の変形例1では、第1確定表示時間を特殊時間に設定した場合と、通常時間又は時短用時間に設定した場合とで、第1停止表示コマンドに含まれる情報を相違させる構成としたが、それらの場合で同一の情報が含まれる構成としてもよい。すなわち、第1確定表示時間の設定結果に関わらず、第1停止表示コマンドにおいて、少なくとも、第1確定表示時間の長さに関する情報と、保留予告の実行の有無に関する情報と、保留予告の開始タイミングに関する情報とが含まれる構成としてもよい。
(26)上記第1の実施の形態の変形例2では、図43の停止開始時処理において、当たり又は外れリーチに対応する保留情報が先特定されたか否かを判定する処理(ステップS2504)をメイン表示部43の確定表示の開始タイミングにて実行する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、確定表示の開始タイミングよりも前のタイミングにて実行する構成としてもよい。すなわち、第1確定表示時間の設定タイミングは、メイン表示部43における変動表示の開始後で且つ確定表示の開始時以前であれば、いずれのタイミングであってもよい。
また、図47の完全外れ時用の変動表示時間の設定処理において、大当たり又は外れリーチに対応する保留情報が先特定されたか否かを判定する処理(ステップS2904)をメイン表示部43の変動表示の開始タイミングにて実行する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、変動表示の開始タイミングよりも前のタイミングにて実行する構成としてもよい。すなわち、上記判定処理の実行タイミングは、変動表示の直前に行われる確定表示の開始後で且つ当該変動表示の開始時以前であれば、いずれのタイミングであってもよい。
(27)上記第1の実施の形態の変形例2では、先特定によって特殊保留情報が特定されたか否かの判定処理を変動表示の開始時及び確定表示の開始時の双方で行う構成としたが、それらの一方でのみ行う構成としてもよい。例えば、変動表示の開始時にのみ行う構成とすることで、同一遊技回における変動表示及び確定表示をセットで特殊時間とすることができ、変動表示及び確定表示のうち一方が特殊時間で他方が通常時間になることを避けたい場合に好適となる。
(28)上記第1の実施の形態の変形例3では特図遊技回を例示したが、これを上記第2の実施の形態にて説明した普図遊技回の構成に適用することもできる。
(29)上記第1の実施の形態の変形例3では、第1確定表示時間に関する情報を第2情報領域342に含ませる構成としたが、例えば、使用するコマンド種別数が少なく、コマンド間のデータ値設定の調整が容易な場合等には、第1情報領域341に含ませる構成としてもよい。
(30)上記第1の実施の形態の変形例3では、第1確定表示時間に関する情報を最下位ビットLB1に割り当てる構成としたが、最上位ビットLB8に割り当てる構成としてもよい。この場合、第1情報領域341(上位バイト又は先行コマンド)と第2情報領域342(下位バイト又は後続コマンド)とを識別するための識別ビットは、第1情報領域341及び第2情報領域342のいずれにおいても最上位ビット以外のビットとするとよい。
(31)上記第1の実施の形態では、メイン表示部43にて絵柄の可変表示が行われることに先立って変動用コマンド及び種別コマンドを主制御装置81から報知・演出制御装置82に送信する構成としたが、絵柄の可変表示が行われた後に送信する構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41にて高速変動が行われている期間のうちに、その変動表示が開始された遊技回に対応した変動開始コマンド及び種別コマンドが主制御装置81から出力されるようにすればよい。
(32)上記第2の実施の形態では、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に、抽選結果が外れ結果、開放結果A及び開放結果Bのいずれにおいても確定表示時間を長くする構成としたが、外れ結果である場合にのみ確定表示時間を長くする構成としてもよい。すなわち、当否抽選の結果や開放種別の振分結果に基づいて確定表示時間を設定する構成としてもよい。この場合、開放結果が報知されてから電動役物34が開放状態となるまでの期間が長くなることによる違和感や、遊技者が故障と勘違いしたりすることが抑制される。
(33)上記第2の実施の形態では、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に、普図当否抽選の結果が外れ結果である場合の確定表示時間、開放結果Aである場合の確定表示時間、開放結果Bである場合の最大の確定表示時間を同一の長さとしたが、それらの一部を他のものと異ならせたり、それらを相互に異ならせる構成としてもよい。但し、主制御装置81における処理負荷の軽減やROM203の使用量の節約を考慮すると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
(34)上記第2の実施の形態では、普図当否抽選の結果及び電動役物34の開放種別の両方を報知する構成としたが、それらの一方のみを報知する構成としてもよい。なお、電動役物34の開放種別を報知する場合は同時に普図当否抽選の結果にもなるため、報知の度合を制限したい場合は普図当否抽選の結果のみを報知する構成とするとよい。
(35)上記第2の実施の形態では、特別表示演出を、サポートモードが低頻度サポートモードである場合において電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開放される場合の専用演出としたが、低入賞サポート状態で電動役物34が開閉される場合も実行可能な構成としてもよい。この場合、第1高入賞サポート状態の方が低入賞サポート状態よりも特別表示演出が行われ易く、すなわち、電動役物34のサポート状態が第1高入賞サポート状態である場合に優先的に特別表示演出が行われる構成としてもよい。但し、第1高入賞サポート状態を際立たせる観点や遊技者の混乱を抑制する観点からすると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである場合において電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開放される場合にも特別表示演出を行う構成としてもよい。なお、高頻度サポートモードはそもそもが電動役物34の開放頻度が高い状態であるため、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は電動役物34が第1高入賞サポート状態にて開放しない構成としてもよい。
(36)上記第2の実施の形態では、普通図柄と特別図柄という2つの抽選系において、その一方である普通図柄の確定表示時間を遊技状態に基づいて変更する構成としたが、これを第1特別図柄(上作動口33a及び下作動口33bの一方に入賞したことに基づいて変動表示される図柄)と、第2特別図柄(上作動口33a及び下作動口33bの一方に入賞したことに基づいて変動表示される図柄)との関係においても適用することができる。このような構成としては、第2特別図柄の当否抽選結果において完全外れ結果よりも特別外れ結果(所謂小当たり)を多く含ませたパチンコ機(所謂小当たりRUSH機)を挙げることができる。
上記パチンコ機では、第2特図の1遊技回に係る遊技時間の長さによって遊技状態の有利度合に差を設ける構成とされている。具体的には、遊技状態を不利状態とする場合は第2特図の変動表示時間を極度に長くする。これにより、可変入賞装置32の開放タイミングが作動口への入賞時から大幅に遅れる構成とし、単位時間当たりの可変入賞装置32の開放頻度を大きく低下させる。逆に、遊技状態を有利状態とする場合は、第2特図の変動表示時間を短くすることで、単位時間当たりの可変入賞装置32の開放頻度を高める。このような構成とすることで、不利状態の下で第2特図に対応する作動口(以下、「第2作動口」という)に遊技球を入賞させても遊技者が利益を受けにくく、有利状態の下で第2作動口に入賞させて初めて利益を受け易くなる仕様とされている。なお、不利状態における第1特図の変動表示時間は、一般的なパチンコ機と同様の時間長(不利状態における第2特図の変動表示間よりも短い時間)に設定されており、不利状態である場合は、第1特図に対応する作動口(以下、「第1作動口」という)に遊技球を入賞させて遊技することが可能となっている。
ところで、上記構成の下では、不利状態である場合に、意図せず第2作動口に遊技球を入賞させることがある。この際、第2特図の遊技回が終了してから第1特図の遊技回を開始させる構成であると、長期化された第2特図の遊技回が終了するまで第1特図の遊技回が開始されず、遊技進行の不能状態が長く続くことになる。そこで、上記パチンコ機では、第2特図の遊技回が実行中でも第1特図の遊技回を実行し得るように同時変動の構成が採用されている。このため、上記第2の実施の形態にて説明した普通図柄と特別図柄と間で生じる事態と同様に、不利状態である場合に、第1特図の遊技回の終了時点で第2特図の遊技回が実行されている事態が生じ得るものとなる。そこで、不利状態である場合の第2特図の遊技回における確定表示時間を有利状態である場合のそれよりも長くすることで、その分、変動表示時間を短くすることができ、速やかな遊技終了をサポートすることが可能になる。
その際、確定表示時間を長くするのは、第2特図の当否抽選結果が完全外れである場合に限定することが好ましい。第2特図の当否抽選結果が特別外れ結果である場合、当該結果は可変入賞装置32を開放させる結果に該当することから、これを確定表示させたまま第1特図の遊技回を実行可能とするのは適切でないためである。
また、小当たりRUSHの機能を搭載したパチンコ機では、第1特図の抽選結果にも特別外れ結果を含ませることで、抽選結果が特別外れ結果である第1特図の遊技回(第1遊技回)と、抽選結果が特別外れ結果である第2特図の遊技回(第2遊技回)とが同時進行している中で、第1遊技回が第2遊技回に先駆けて終了した場合に、第2遊技回を強制終了(強制的に完全外れとした状態で終了)させ得る構成としたものがある。これは、不利状態において意図的に第2作動口に入賞させることで、当該入賞に基づく可変入賞装置32の開放が行われるのを待ちながら、第1作動口に入賞させて遊技する行為が想定されるためである。なお、同じ特別外れ結果でも第2特図と第1特図とでは可変入賞装置32の開放パターンが相違する構成とされており、前者の場合は遊技球が入賞可能又は入賞容易な態様で可変入賞装置32が開放される一方、後者の場合は遊技球が入賞不可又は第2特図の場合に比べて入賞しにくい態様で可変入賞装置32が開放されるものとなっている。
上記の場合において、第2遊技回を強制終了させるにあたっては、第1特図の確定表示が終了することに基づいて第2遊技回を強制終了させるのではなく、第1特図の確定表示が開始されることに基づいて第2遊技回を強制終了(確定表示を開始)させる構成とすることが好ましい。例えば、第1遊技回の確定表示時間を長くしたり、短くしたりしたいという要請があった場合に、前者の構成では確定表示時間の長さに依存して強制終了タイミングが遅くなったり、早まったりする可能性があるものの、後者の構成では確定表示時間の長さを変更しても強制終了タイミングに影響することが抑制され、確定表示時間の自由度を向上させることができる。
(37)上記第2の実施の形態の変形例では、遊技休止と判定されているか否かを判定する判定処理(図71のステップS4702)、及びその結果に基づく確定表示時間の設定処理(ステップS4703)を、変動表示が開始される場合に行う構成としたが、上記第1の実施の形態のように、確定表示が開始される場合に行う構成としてもよい。すなわち、変動表示中に遊技が休止されていると判定された場合に、当該変動表示の直後の確定表示にて確定表示時間を短くする構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技休止の有無をいち早く確定表示時間(延いては1遊技回に係る遊技時間)に反映させることができ、普図当否抽選の結果や電動役物34の開放種別をより迅速に遊技者に知らせることが可能になる。また、上記の構成とすることで、変動表示中に遊技が再開されたと判定された場合に、当該変動表示の直後の確定表示にて確定表示時間を遊技中用の時間に復帰させる構成とすることができる。これにより、遊技終了の意思がない中で普図遊技回の1遊技回に係る遊技時間を意図的に短縮しようとする行為を一層抑制することが可能になる。
(38)上記第2の実施の形態の変形例では、普図及び特図からなる複数の抽選系の絵柄が同時変動する構成を例示したが、複数の抽選系が併存する構成に限られないし、複数の抽選系が併存する場合でもそれらが同時変動される構成に限られない。例えば、単一の抽選系のみを備える構成であっても、その保留情報が残ったまま遊技を終了した場合、上記変形例の構成とされていることで、残存する保留情報が速やかに消化され、次の遊技者が遊技を開始し易くなるという効果が得られる。
(39)上記第2の実施の形態の変形例では、遊技球の発射が停止されていること、特図遊技回が変動表示中でないこと、及び特図の保留情報が記憶されていないことの全てが満たされた場合に遊技が休止されていると判定する構成としたが、これに限定されるものではなく、それらの少なくとも1つが満たされた場合に遊技が休止されていると判定する構成としてもよい。
(40)上記第2の実施の形態の変形例では、遊技が休止されているか否かの判定に際して、遊技球の発射が停止されているか否かを判定する構成としたが、これに代えて又は加えて、演出用操作部75や球貸ボタン、返却ボタンの操作の有無を判定したり、操作履歴を参照する構成としてもよい。要は、遊技者が操作可能な操作手段の操作状況に基づいて遊技を休止しているか否かを判定する構成であればよい。
(41)上記第3の実施の形態では、前扉枠14が開放された場合や、下皿72が満タンとなった場合、又は球詰まりが発生した場合をエラーの対象(所定の異常発生)として、エラーカウンタEKに値をセットしたり、エラーフラグをセットそしてエラー用の処理を行う構成としたが、エラーの対象は上記のものに限定されない。例えば、遊技機本体12が外枠11に対して開放されたことや、内枠13が開放されたこと、上皿71が満タンとなったこととしてもよい。また、上記の事象をいずれもエラーの対象とする必要もなく、これらのうちから1又は複数をエラーの対象とする構成としてもよい。例えば、前扉枠14が開放されたこと及び下皿72が満タン状態となったことはエラーの事象とする一方、球詰まりの発生はエラーの対象としない構成としてもよい。
(41)上記第3の実施の形態において、エラーカウンタEKやエラーフラグをセットすることで、遊技回の進行スピードを低下させる構成としたが、進行スピードを低下させる対象とする事象も上記のものに限定されない。例えば、発射ハンドル54の発射止めスイッチが操作されたこととしてもよい。なお、発射止めスイッチとは、発射ハンドル54を操作しつつも、遊技球を発射させないようにするスイッチである。また、上皿71の残り遊技球を検知するセンサを設け、当該センサによって、上皿71の残り遊技球が所定数以下となったことを主制御装置81が把握したことに基づいて、進行スピードを低下させる構成としてもよい。
(42)上記第3の実施の形態では、第1確定表示時間を延長することで遊技の進行スピードを低下させる構成としたが、第2確定表示時間を延長する構成としてもよく、第1確定表示時間及び第2確定表示時間のいずれもを延長する構成としてもよいし、変動表示時間を延長する構成としてもよいし、これらを組み合わせて進行スピードを低下させる構成としてもよい。
(43)上記第3の実施の形態では、エラーカウンタEKが0よりも大きい場合やエラーフラグがセットされている状況で実施される遊技回の第1確定表示時間を延長する構成としたが、当該状況で実施される遊技回の一部の遊技回の第1確定表示時間を延長する構成としてもよい。例えば、所定回数(例えば1回)の遊技回ずつ飛び飛びで第1確定表示時間を延長したり延長しなかったりする構成としてもよいし、上記状況において所定結果(例えば外れ結果)である場合は延長しないものの、所定結果とは異なる結果(例えば大当たり結果)である場合は延長する構成としてもよい。また、上記状況において実行される遊技回の当否判定用の各種カウンタ(C1、C2、C3、CS等)を用いて、延長する遊技回と延長しない遊技回とを決定してもよい。
(44)上記第3の実施の形態では、エラーの事象が発生した時点の共通保留数CRNに応じた値(CRN+1、又はCRN)をエラーカウンタEKにセットする構成としたが、エラーの事象が発生したタイミングから、所定期間(例えば10sec)が経過した時点での共通保留数CRNに応じた値をエラーカウンタEKにセットする構成としてもよいし、エラーの事象が発生した時点の共通保留数CRNに1よりも大きい所定数を加算した値をエラーカウンタEKにセットする構成としてもよい。また、エラー発生後に遊技を停止したタイミング(例えば発射ハンドル54を初期位置に戻したタイミングや、発射ハンドル54から手を放したタイミング)での共通保留数CRNに応じた値をセットする構成としてもよいし、当該遊技を停止したタイミングから所定期間が経過したタイミングでの共通保留数CRNに応じた値をセットする構成としてもよい。所定期間が経過した時点での共通保留数CRNとすれば、例えば、エラー発生直前に発射された遊技球が始動入球部としての上作動口33a等に入賞するまでのタイムラグを加味することが可能である。
(45)上記第3の実施の形態において、第1確定表示時間にセットする時間は上記のもの(5.0sec)に限定されず、これよりも長くてもよいし短くてもよい。また、第1確定表示時間にセットする時間は一律で同じ時間ではなくてもよく、エラーの事象が発生してから間もない場合が長い時間がセットされ易く、エラーの事象の発生から時間が経過するほどセットされる時間が短くなる、又はその逆の関係となる構成としてもよい。エラーの事象が発生した時点で実施されている遊技回の遊技結果が、最も見逃される可能性が高いという前提に立てば、当該エラーの事象が発生した時点で実施されている遊技回の第1確定表示時間を最も長くする構成が好ましいといえる。
(46)上記第3の実施の形態において、エラー発生からの経過時間との関係で第1確定表示時間の長さを決定してもよい。例えば、エラーの事象が発生してから第1確定表示の開始タイミングまでの期間が短いほど、未だエラーの対処が行われていて、遊技結果が見逃される可能性が高いといえる。そこで、上記のようにエラーの事象の発生からの経過時間との関係で、経過時間が短いほど長い第1確定表示時間が設定される構成とすれば、遊技結果が見逃されてしまう可能性をより低減することが可能となる。
(47)上記第3の実施の形態において、各遊技回の変動表示時間との関係で、第1確定表示時間の長さを決定してもよい。例えば、長い変動表示時間が設定された遊技回の第1確定表示時間は短くなるように設定し、短い変動表示時間が設定された遊技回の第1確定表示時間は長くなるように設定すると、上記(46)と同様にエラー発生からの経過時間との関係で第1確定表示時間を設定可能となるとともに、当該経過時間との関係で設定するうえで、実際に経過時間を計測する必要が生じず、処理負荷の低減も図られる。また、長い変動表示時間が設定された遊技回の第1確定表示時間は長くなるように設定し、短い変動表示時間が設定された遊技回の第1確定表示時間は短くなるように設定してもよい。長い変動表示時間が設定される遊技回ほど、大当たり結果である可能性が高いという前提に立てば、上記のようにすることで、遊技者が高い関心を寄せるであろう遊技回の遊技結果が見逃されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
(48)上記第3の実施の形態において、遅延演出を行う構成としたが、単に確定表示時間が延長されるだけで遅延演出を行わない構成としてもよい。特に、エラー発生時にはその復旧のための処理が行われるであろうから、新たな演出用の処理を追加しない構成とすることは、早期の復旧に大きく貢献するものと考えられる。
(49)上記第3の実施の形態において、エラーの事象が発生した場合には、外部出力として例えばホールコンピュータへ当該エラー事象の発生情報を出力する構成としてもよい。この場合、エラーカウンタEKが0よりも大きい場合や、エラーフラグがセットされている場合のように、第1確定表示時間の延長が行われる状況では、上記エラーの事象の発生情報を出力し続け、エラーカウンタEKが0となること又はエラーフラグが消去されることに基づいて、当該エラーの事象の発生情報の出力を停止する構成とすれば、遊技ホールの管理者が、第1確定表示時間の延長が行われている状況を明確に把握することが可能となる。
(50)上記第3,第4の実施の形態において、第1確定表示時間の延長が行われる状況で、遊技機に設けられた役物の位置変位が生じる構成としてもよい。すなわち、当該役物の位置変位を通じて遅延演出とする構成であり、具体的には、当該役物が第1位置に配置される場合には遅延演出が行われておらず、当該第1位置とは異なる第2位置に配置される場合には遅延演出が行われている構成とする。第1位置と第2位置とは、遊技者又は遊技ホールの管理者からの見た目で識別可能な程度に異なる位置であればよく、例えば、遅延演出が行われていないことを示す第1位置は、遊技者又は遊技ホールの管理者から視認不可又は視認しにくい位置に配置され、第2位置に変位することで視認可能又は視認し易くなる構成としてもよい。
(51)上記第3,第4の実施の形態における遅延演出は上記の態様に限定されず、例えば、背景色を異ならせたり、表示画面41aや遊技盤24の明るさを変更(低下)したり、他の表示ランプ部63等によって行われる構成としてもよい。
(52)上記第3,第4の実施の形態において、第1確定表示時間が延長される場合に、当該第1確定表示時間中に遅延演出を行う構成としたが、変動表示時間中や第2確定表示時間中も遅延演出が行われる構成としてもよいし、第1確定表示時間中は行わず、変動表示時間中及び第2確定表示時間中又はこれらの一方で行う構成としてもよい。
(53)上記第3の実施の形態の変形例において、発射ハンドル54が操作されたことに基づいて、エラーフラグを消去する構成としたが、例えば、発射ハンドル54に設けられたタッチセンサがONとなり操作はされていないものの遊技者の手等が触れたことに基づいてエラーフラグを消去する構成としてもよいし、遊技機の他の操作部(演出用の操作ボタンや、貸し球ボタン等)が操作されたり当該操作部に手等が触れたことに基づいてエラーフラグを消去する構成としてもよい。また、遊技球が発射されたこと、遊技球が発射されて所定の入球部に入球したこと、遊技球の払出条件が成立したこと、当否判定が行われたこと、等を遊技の開始条件が成立した(既に成立している状況であった)として、エラーフラグを消去する構成としてもよい。
(54)上記第3の実施の形態の変形例において、エラーが解消されていることを条件として、遊技の開始操作が行われた場合に、エラーフラグを消去する構成としたが、エラーが解消していなくても、遊技の開始操作が行われた場合にはエラーフラグを消去する構成としてもよい。
(55)上記第3の実施の形態の変形例において、遊技の操作が行われている場合にはエラーの事象が発生してもエラーフラグをセットせず、遊技の操作が行われていないことを条件としてエラーフラグをセットする構成としてもよい。
(56)上記第4の実施の形態において、操作フラグがセットされている状況であることを、遊技者が把握可能に報知する構成としてもよい。例えば、操作ボタン77に内蔵された又は操作ボタン77の近くに設けられたLED等の発光部の発光制御によって、操作フラグの有無を報知する構成としてもよいし、表示画面41aにて表示する構成としてもよい。
(57)上記第4の実施の形態において、操作フラグがセットされた場合に、第1確定表示時間に設定される時間は、30secよりも長くてもよいし短くてもよい。また、予め延長する時間を所定時間(30sec)として設定し、記憶されている保留情報で当分割するなどして各保留情報で当該所定時間の延長分を割り振る構成としてもよい。具体的には、共通保留数CRNが2である場合には、所定時間を15secと15secとで割り振って、各遊技回の第1確定表示時間として設定する構成としてもよい。
(58)上記第4の実施の形態の変形例において、遊技回の変動表示時間をそのまま第1確定表示時間として設定する構成としたが、例えば、遊技回における所定期間(例えばリーチ表示の開始から終了までの時間)を第1確定表示時間として設定する構成としてもよい。
(59)上記第4の実施の形態の変形例において、大当たり結果となる遊技回の第1確定表示時間を当該遊技回の変動表示時間として設定する構成としたが、遊技結果はこれに限定されないし、当該遊技結果となる遊技回だけでなく、その他の遊技回の第1確定表示時間についてもその遊技回の変動表示時間として設定する構成としてもよい。例えば、保留予告用の処理によって、大当たり結果となる遊技回が特定された場合、当該大当たり結果となる遊技回よりも前に実施される遊技回についても、当該遊技回の変動表示時間を第1確定表示時間として設定する構成としてもよい。このようにすることで、第1の実施の形態のように保留予告によって複数回の遊技回に亘って連続する演出を発生させる構成において、当該演出が見逃されることを抑止することができる。
また、当該大当たり結果となる遊技回の第1確定表示時間として、当該大当たり結果となる遊技回の変動表示時間と、それよりも前に実施される遊技回の変動表示時間と、の合計時間を設定する構成としてもよい。この場合、第1確定表示中の演出として、大当たり結果となる遊技回の演出に加え、それよりも前に実施される遊技回の演出を行う構成とするとよい。
(60)上記第5の実施の形態において、高頻度サポートモード中に低頻度サポートモードへ移行する通常大当たり結果となる場合に、図柄の変動表示が早く終了する構成としたが、例えば、高頻度サポートモードが終了する遊技回として、所定回数(50回)目の遊技回において、図柄の変動表示が早く終了する構成としてもよい。
(61)上記第5の実施の形態において、遊技者にとって有利な高頻度サポートモードが終了する場合に、図柄の変動表示が早く終了する構成としたが、例えば、遊技者にとって有利な高確率モードが終了する場合に上記構成を適用してもよい。
(62)上記第5の実施の形態において、中図柄列Z2の変動速度を変更して、図柄の変動表示を早く終了させる構成としたが、他の図柄列Z1,Z3についても変動速度を変更してもよいし、変動速度を変更するのではなく、急停止させて図柄の変動表示を終了させる構成としてもよい。
(63)上記第5の実施の形態において、第2入球部側の保留数が少ない場合に、図柄の変動表示を早く終了させる構成としたが、第1入球部側の保留数も加味して、図柄の変動表示を早く終了させるか否かを決定する構成としてもよい。例えば、第1入球部側の保留情報は記憶されている一方で、第2入球部側の保留情報は記憶されていない場合には、図柄の変動表示を早く終了させ、第2入球部側の保留情報が記憶されていなくても、第1入球部側の保留情報も記憶されていない場合には、図柄の変動表示を早く終了させない構成としてもよい。
(64)上記第5の実施の形態において、電動役物134aの開放パターンを加味して、図柄の変動表示の終了タイミングを決定する構成としてもよい。例えば、電動役物134aが直ぐに開放状態とされるのであれば、第2入球部側の保留情報は早急に補充可能といえる一方、電動役物134aがなかなか開放状態とされないのであれば、第2入球部側の保留情報もなかなか補充できないといえる。そこで、電動役物134aの開放タイミングを把握して、その開放タイミングが第1タイミングであれば、第1タイミングに応じたタイミングで図柄の変動表示を終了させるようにし、開放タイミングが第1タイミングよりも遅い第2タイミングである場合には、第2タイミングに応じたタイミングであって、第1タイミングの場合よりも早いタイミングで図柄の変動表示を終了させるようにしてもよい。また、電動役物134aの開放タイミングに合わせて、図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。例えば、図柄の変動表示が終了したタイミングで遊技球を発射させることで、第2作動口134へ入球するように変動表示の終了タイミングを設定してもよい。
(65)上記第5の実施の形態において、第1打ち込み報知演出や第2打ち込み報知演出が上記のものに限定されないことは、言うまでもない。
(66)上記第5の実施の形態において、高頻度サポートモード中の通常大当たり結果となる遊技回の開始時の第2入球部側の保留数に基づいて、変動パターンを設定する構成とし、その変動パターンに従って当該遊技回の演出を行う構成としたが、当該遊技回の途中で当該変動パターンを変更可能としてもよい。例えば、中図柄列の減速処理の起動タイミングで、再度、第2入球部側の保留数を把握し、その保留数に応じて、中図柄列Z2の変動速度を設定する構成とする。このようにすることで、当該遊技回中に第2入球部側の保留情報が取得されて保留情報の補充がなされた場合には、通常用の演出を行うようにもすることが可能であり、遊技回の開始時の保留数が少ないからといて一律に先停止を行わせないようにすることが可能となる。
(67)上記第5の実施の形態において、第1特図側の保留情報と第2特図側の保留情報とが記憶されている場合に第1特図側の保留情報よりも第2特図側の保留情報を優先して当否判定の対象とする所謂優先消化の構成を適用してもよい。より具体的には、第1特図側の保留情報よりも後に取得された第2特図側の保留情報を、当該第1特図側の保留情報よりも先に当否判定の対象とする構成としてもよい。上記のように、第1入球部用の振分テーブルと第2入球部用の振分テーブルとで有利度を異ならせ、第2特図側の方が遊技者にとって有利となる構成としているところ、第2特図側の保留情報が取得され易い高頻度サポートモードにおいて第1特図側の保留情報についての当否判定が行われることは遊技者にとって好ましくない。そのため、上記優先消化の構成を適用すれば、高頻度サポートモードにおいて、第1特図側の保留情報を後回しにすることが可能となるとともに、通常大当たり結果となることが早期に報知された場合に、遊技者にとって有利な第2特図側の保留情報を容易に取得させることが可能となる。
(68)上記第5の実施の形態の変形例のように、第1確定表示時間を延長する構成において、当該第1確定表示時間中に保留情報が取得されたら(補充されたら)、設定された第1確定表示時間の経過を待たずに終了する構成としてもよい。
(69)上記第6の実施の形態において、保留数が多いほど短い第1確定表示時間として、V入賞が発生し易くなるようにしたが、保留数が多いほど長い第1確定表示時間として、V入賞が発生し易くなるようにしてもよい。
(70)上記第6の実施の形態において、可変入賞装置132内のシャッタ358の動作によって、V入賞が発生するか否かといった有利度の高低を実現したが、他の役物によって、有利度の高低を実現してもよい。例えば、遊技領域PEにおいて可変入賞装置132の上流に当該役物を設け、当該役物が第1位置に配置される場合には、可変入賞装置132へ遊技球が誘導されるようにし、当該第1位置とは異なる第2位置に配置される場合には、可変入賞装置132へ遊技球が誘導されない又は誘導されにくい構成とする。そして、当該役物の動作を、遊技回における確定報知が開始されるタイミングから開始する構成とし、当該役物が第1位置に配置されるタイミングが、開閉実行モードにおいて可変入賞装置132が開放されているタイミングと重複したり重複しなかったりするように、確定報知から可変入賞装置132の開放タイミングまでの時間を調節する。これにより、開閉実行モードに移行しても可変入賞装置132の開閉制御を行っても、当該可変入賞装置132への入賞が発生し易い状況と発生しにくい状況とを生じさせることが可能となる。
(71)上記第6の実施の形態において、共通保留数CRNの値に基づいてV入賞率を異ならせる構成としたが、第1入球部側の保留情報や第2入球部側の保留情報の一方を用いてV入賞率を異ならせる構成としてもよい。例えば、第5の実施の形態の遊技盤124を適用すると、低確率モード(低頻度サポートモード)中においては第2入球部側の保留情報はほとんど取得されないし、高確率モード(高頻度サポートモード)中においては第1入球部側の保留情報の取得がされにくくなる。そこで、例えば、低確率モード(低頻度サポートモード)中は、第1入球部側の保留情報の数によってV入賞率が異なるように第1確定表示時間を設定し、高確率モード(高頻度サポートモード)中は、第2入球部側の保留情報の数によってV入賞率が異なるように第1確定表示時間を設定する構成とするとよい。
(72)上記第6の実施の形態において、高確率モード中に共通保留数CRNが7個又は8個である場合に、抽選によって第1確定表示時間を設定する構成としたが、7個の場合には15.0secが設定され、8個の場合には0.5secが設定される、といったように保留数によって、第1確定表示時間の長さが定められる構成としてもよい。この場合、共通保留数CRNが8個(上限数)である状況で大当たり結果となる限り、V入賞が発生することなり、保留数と連荘率とを完全にリンクさせた斬新な遊技性とすることができる。このような構成においては、永久連荘が生じないように、高頻度サポートモード中の保留情報の取得され易さを上記よりも取得されにくくする構成とするとよい。具体的には、電動役物34が開放状態となる頻度を上記のものよりも低くしたり、高頻度サポートモード中のリーチ非発生時の変動表示時間を上記のものよりも短くしたり、高頻度サポートモード中のリーチ発生時の変動表示時間を上記のものよりうも短くしたりする構成が考えられる。
(73)上記第7の実施の形態において、特別外れ結果の第1確定表示時間と、第1種大当たり結果B及び第2種大当たり結果Bに基づく開閉実行モードのオープニング時間とをそれぞれ調節することで、特別外れ結果の確定表示時間と、これらの大当たり結果の確定表示時間とオープニング時間との合計とが同じ長さとなるようにしたが、第1確定表示時間の調節、オープニング時間の調節、第2確定表示時間の調節、のそれぞれ又は1若しくは複数の組合せによる調節によって、特別外れ結果と、これらの大当たり結果との関係を規定してもよい。
(74)上記第7の実施の形態において、チャンス演出は上記のものに限定されないことは、言うまでもない。
(75)上記第7の実施の形態において、特別外れ結果である場合に、第1種大当たり結果Bや第2種大当たり結果Bとの関係性に基づく第1確定表示時間の設定が行われる構成としたが、通常外れ結果である場合の所定割合で上記の第1確定表示時間の設定が行われる構成としてもよい。具体的には、例えば、通常外れ結果である場合に、所定の抽選を行い、当該抽選に当選した場合に、上記第1確定表示時間の設定を行う構成としてもよい。
(76)上記各実施の形態では、第2入球部33eや第2作動口134への入球に基づく賞球数(「1」)が第1入球部33dや第1作動口133への入球に基づく賞球数(「3」)よりも少なくなるように設定したが、これに限定されるものではない。第2入球部33eや第2作動口134への入球に基づく賞球数を第1入球部33dや第1作動口133への入球に基づく賞球数と同じ又はそれよりも多くなるように設定することも可能である。
但し、既に説明したように、上記実施の形態に示した第2入球部33eや第2作動口134への入球に基づく賞球数を「1」とすることには、遊技進行を加速させて、通常遊技状態と高確遊技状態との差違を強調する上で、変動表示時間等の短縮等と密接な関係を有する。仮に、第2入球部33eや第2作動口134への入球に基づく賞球数を「2」、「3」・・・とした場合には、多くの賞球が遊技者に付与され得る。このため、過剰な特典の付与を抑えようとした場合には、入球率(保留情報の取得率)が低下するように工夫したり、変動表示時間や確定表示時間の短縮幅を小さくしたりするといった対応が必要になると想定される。これは、遊技回の進行の迅速化を妨げる要因になる。故に、望ましくは高確遊技状態における遊技球の増加を抑制可能となるように第2入球部33eや第2作動口134への入球に基づく賞球数については「1」とするとよい。
(77)上記各実施の形態では、作動口ユニット33の構造を工夫することにより、上作動口33aに入球した遊技球は、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れにも入球し得る一方、下作動口33bに入球した遊技球は第2入球部33eにのみ入球する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。具体的には、下作動口33b及びそれに付随する電動役物34を上作動口33aとは別に設け、更に上記第2入球部33eに相当する構成を当該下作動口33bに追加してもよい。つまり、上作動口33aに入球した遊技球は、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れにも入球し得る一方、下作動口33bに入球した遊技球は別途設けられた第2入球部に入球する構成としてもよい。このような構成では、上作動口33aを通じて第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球が発生した場合の賞球数を「3」とし、追加された第2入球部へ下作動口33bを通じた入球が発生した場合の賞球数を「1」とすることも可能である。
(78)上記各実施の形態では、報知・演出制御装置82と表示制御装置212とを別々に設けたが、これら各制御装置82,212の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(79)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
さらに、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、特定の絵柄組合せ等が停止表示され、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特開2005-074175号公報参照)。」という背景技術について、「興趣向上を図る上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に所定条件が成立した場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を第1期間(第1確定表示時間を特殊時間に設定した場合の確定表示時間)とし、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記所定条件が成立しない場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間(第1確定表示時間を通常時間に設定した場合の確定表示時間)とする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技回の途中において所定条件が成立した場合と、そうでない場合とで、その遊技回の停止表示期間を異ならせることができる。これにより、絵柄の可変表示が開始されてから絵柄の停止表示が終了するまでの期間(1遊技回に係る遊技時間)を、その遊技回中に生じる状況変化に応じて変更することが可能になる。
ところで、一般に近年の遊技機では、予め定めた可変表示期間に基づいて絵柄の可変表示が行われ、ひとたび可変表示が始まるとその期間を変えられない構成とされている。このため、例えば、遊技回の途中でその遊技回の遊技時間を変更したいといった要望があった場合に、可変表示期間の変更によって応えようとすると、遊技機の設計を一新せざるを得なくなる。仮に係る変更を実現できたとしても、可変表示中は、絵柄の可変表示とは別に視覚的又は聴覚的な遊技演出を可変表示期間に整合させて行っているのが通常であり、場合によっては、それらの遊技演出を複合的に行っていることもある。このため、可変表示期間を可変表示中に変更した場合に備えて、各種の演出調整を可変表示の途中で実行し得る構成としておく必要が生じ、演出設計の大幅な負担増を招くという不都合がある。この点、本構成では、停止表示期間を活用して遊技回の遊技時間を変更する構成とされている。これにより、可変表示期間を予め定めた期間としたまま、1遊技回に係る遊技時間を変更することが可能になる。しかも、停止表示は付与判定の結果を見せることを本来の目的とするため、停止表示期間中は遊技演出を行っていなかったり、行っていたとしても簡素なものであったりする場合が多い。このため、停止表示期間を変えても演出上の調整負担が軽くて済み、上記不都合を好適に抑制することが可能になる。このように、本構成によれば、遊技設計上の不都合を抑制しながら、遊技回の途中で遊技回の遊技時間を変更することができる。これにより、突発的な遊技演出の追加を許容して演出効果を高めたり、遊技進行のテンポを変えたりすることなどが可能となり、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、特徴A1において「前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に所定条件が成立した場合に・・・当該直後の停止表示の停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間とする手段」を、「前記停止表示期間設定手段は、前記遊技回中に所定条件が成立した場合に、当該遊技回の停止表示期間を第1期間(第1確定表示時間を特殊時間に設定した場合の確定表示時間)とし、前記遊技回中に前記所定条件が成立しない場合に、当該遊技回の停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間(第1確定表示時間を通常時間に設定した場合の確定表示時間)とする手段」と読み替えてもよい。
特徴A2.前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示の開始後で且つ前記停止表示の終了前であるタイミングにて停止表示期間を設定する停止表示用設定手段を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変表示の開始後における状況変化に応じて停止表示期間の長さを変更することができる。この際、本構成では、遅くとも停止表示の終了前には停止表示期間が設定されるため、停止表示を適正に実行することができる。すなわち、本構成によれば、停止表示の実行に不都合が生じることを抑制しつつ、遊技回の途中で1遊技回に係る遊技期間を変更することが可能になる。
特徴A3.前記停止表示用設定手段として、前記停止表示の開始タイミングに対応して停止表示期間を設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示の開始タイミングまでに生じる状況変化を停止表示期間の長さに反映させることができる。これにより、可変表示の終盤に生じる状況変化に対しても対処可能となり、1遊技回に係る遊技期間を途中で変更する場合に最適な構成とすることができる。
特徴A4.前記停止表示中において、所定の演出手段にて遊技演出が行われるように制御する演出制御手段(報知・演出制御装置82による停止開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
遊技回中における状況変化に応じて停止表示期間の長さを変えられるところ、上記構成によれば、上記状況変化に応じた遊技演出の追加や削減などを停止表示の中で行うことが可能になる。すなわち、停止表示期間を演出調整のための期間として活用することが可能になり、遊技演出が頻出する可能性が高い可変表示の中で追加や削減などを行う場合に比べて演出調整を容易化することが可能になる。
なお、特徴A4の「所定の演出手段」について、「絵柄表示手段」がそれを兼ねる構成であってもよいし、「絵柄表示手段」とは異なる手段がその役割を担う構成であってもよい。
特徴A5.前記第1期間は前記第2期間よりも長い期間となっており、
前記演出制御手段は、停止表示期間が前記第1期間である場合に所定の遊技演出(泡画像を出現させる予告表示演出)が行われるように制御する手段を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間を長い側の第1期間に設定することで所定の遊技演出を実行可能となるため、遊技回の実行途中における遊技演出の追加を許容することが可能になる。これにより、演出機会を拡充することができ、演出効果を高めることが可能になる。
特徴A6.前記演出制御手段は、前記停止表示中に行われる遊技演出を当該停止表示の終了時までに終了させる手段を備えていることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
例えば、停止表示の終了後(遊技回の終了後)も遊技演出が継続されていると、遊技者が後続の遊技回との境目を認識しにくくなることが懸念される。また、次の遊技回で実行される遊技演出と重複することで、演出同士の識別性が低下したり、遊技者の演出理解の妨げとなったりするおそれもある。この点、本構成によれば、停止表示中に行われる遊技演出を当該停止表示の終了時までに終了させる構成とされているため、上記不都合の発生を好適に抑制することができ、遊び易さを向上させることが可能になる。
特徴A7.前記表示制御手段を含む第1制御手段(主制御装置81)と、
前記演出制御手段を含む第2制御手段(報知・演出制御装置82、表示制御装置212)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記停止表示の開始タイミングに対応して、前記第1期間又は前記第2期間に対応する期間情報を含む所定コマンド(第1停止表示用コマンド)を前記第2制御手段に出力する手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段が絵柄の可変表示及び停止表示の制御を担い、第2制御手段が遊技演出の実行制御を担う構成とされるため、制御処理の負荷を分散することができ、単一の制御装置にて上記各制御を行う場合に比べて負荷の集中を抑制することが可能になる。反面、停止表示を前提として遊技演出を実行する構成上、第2制御手段は第1制御手段の下位装置として機能せざるを得ないところ、本構成では、停止表示の開始タイミングに対応して所定コマンドを出力する構成とされている。このため、所定コマンドの受信タイミングを停止表示の開始タイミングとして把握することができ、当該コマンドが事前に出力されている場合に比べて、第2制御手段が停止表示の開始タイミングを把握し易くなる。しかも、当該コマンドに第1期間又は第2期間に対応する期間情報が含まれるため、同時に停止表示期間の長さを把握することが可能になる。その結果、停止表示に際してのコマンドの授受回数が低減され、両制御手段における双方の負荷を軽減することが可能になる。
なお、特徴A7を「前記絵柄として第1絵柄を有し、
遊技回が実行される場合に、前記絵柄表示手段又は当該絵柄表示手段とは異なる表示手段において前記第1絵柄とは別の第2絵柄を可変表示させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記絵柄表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2絵柄用表示制御手段(報知・演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段を含む第1制御手段(主制御装置81)と、
前記第2絵柄用表示制御手段を含む第2制御手段(報知・演出制御装置82、表示制御装置212)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記停止表示の開始タイミングに対応して、前記第1期間又は前記第2期間に対応する期間情報を含む所定コマンド(第1停止表示用コマンド)を前記第2制御手段に出力する手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)を備えている」と読み替えてもよい。
特徴A8.前記停止表示期間設定手段は、停止表示期間を前記第1期間に設定する場合に、当該第1期間として、前記第2期間よりも長く、且つ、停止表示期間の設定対象である前記停止表示の直前に実行される可変表示の期間よりも短い期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
停止表示期間をいたずらに長くすると、可変表示の終了から次の可変表示が始まるまでの待ち時間が長い印象を受け易くなり、間延び感の誘発を招くおそれがある。この点、本構成では、停止表示期間が長い側の第1期間とされる場合でも可変表示期間よりも短い期間となるように構成されている。これにより、停止表示期間が長くなる中でもテンポよく遊技を進めることができ、遊び易さを担保することが可能になる。
特徴A9.前記停止表示期間には、前記第1期間又は前記第2期間に対応する期間を設定可能な可変期間(第1確定表示時間及び第2確定表示時間の一方)と、長さが固定化された固定期間(第1確定表示時間及び第2確定表示時間の一方)とが含まれており、前記可変期間及び前記固定期間の一方の経過後に前記可変期間及び前記固定期間の他方が開始される構成とされていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、停止表示期間の中に長さの固定化された固定期間が含まれるため、停止表示期間の長さを可変化する中でも最低限必要な停止表示期間を好適に確保することが可能となる。
特徴A10.前記停止表示期間には、前記所定条件の成立状況に基づいて設定される第1停止表示期間(第1確定表示時間及び第2確定表示時間の一方)と、前記所定条件の成立状況とは無関係に設定される第2停止表示期間(第1確定表示時間及び第2確定表示時間の他方)とが含まれており、前記第1停止表示期間及び前記第2停止表示期間の一方の経過後に前記第1停止表示期間及び前記第2停止表示期間の他方が開始される構成とされていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定条件の成立状況に応じて長さが変化する第1停止表示期間とは別に、所定条件の成立状況とは無関係に設定される第2停止表示期間が設けられている。これにより、第2停止表示期間を固定期間として最低限の停止表示期間の確保を図ったり、所定条件とは別の条件に基づいて設定可能な可変期間とすることで複合的な調整が可能となったりするなど、停止表示期間が第1停止表示期間のみによって構成されている場合に比べて、選択の幅を拡げることが可能になる。特に、第2停止表示期間の経過後に第1停止表示期間が開始される場合には、停止表示の開始後であっても停止表示期間を変更することができ、停止表示中における特別情報の発生に対しても対応することが可能になる。
特徴A11.前記停止表示期間設定手段は、
前記停止表示期間を前記第2期間に設定する第1手段と、
前記所定条件が成立することに基づいて、前記第1手段により前記第2期間に設定された停止表示期間を前記第1期間に変更する第2手段と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2期間に設定された停止表示期間が事後的に第1期間に変更される。この場合、例えば、停止表示期間が第2期間とされない不具合が生じても、事前に行った第1期間の設定が残存し得るため、停止表示自体が実行不可となる不都合を抑制することが可能になる。
特徴A12.予め定められた所定条件(作動口への入賞)が成立することに基づいて抽選処理を行う抽選手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段により前記抽選処理が行われることに基づいて所定の報知手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)にて遊技回用動作が開始され、前記抽選処理の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、遊技回の途中において当該遊技回の1遊技回に係る遊技期間を規定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技回の遊技期間をその遊技回の途中において規定することが可能な構成とされているため、上記遊技期間を長くしたり、短くしたりといった調整を遊技回の進行中に行うことができる。これにより、上記遊技期間を利用して遊技演出を行う場合において、突発的な遊技演出の追加や削除を許容し得るものとなり、演出調整の柔軟性を高めることが可能となる。
なお、特徴A12に対して上記特徴A1~A11のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴A13.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、遊技回の途中において当該遊技回に対して次回となる遊技回の前記遊技回用動作が開始されるタイミングを規定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技回の途中において次の遊技回の開始タイミングを規定することが可能と構成とされているため、上記開始タイミングを遅らせたり、早めたりすることができる。これにより、遊技回を利用して遊技演出を行う場合において、突発的な遊技演出の追加や削除を許容し得るものとなり、演出調整の柔軟性を高めることが可能となる。
なお、特徴A13に対して上記特徴A1~A11のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴A1における「所定条件」は必ずしも単一の条件である必要はなく、複数の条件から構成されるものでもよい。このため、例えば、条件として第1条件と第2条件とを有する構成であれば、それらの両方が成立した場合を所定条件が成立した場合と解し、それらのうちの少なくとも1つが成立しない場合を所定条件が成立しない場合と解することができる。その際、上記第1条件及び第2条件の両方が成立した場合とは、必ずしもそれらの条件が同時に成立している場合に限定されるものではなく、例えば第1条件が成立した後に第2条件が成立するなど段階的なものであってもよい。さらに、ある特定の条件が成立しないことを「所定条件」と解することもできる。すなわち、上記特定の条件が成立しない場合を所定条件が成立した場合と解し、上記特定の条件が成立した場合を所定条件が成立しない場合と解することができる。このことは、上記特徴A2~A13においても同様である。
特徴A14.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記表示制御手段を含む第1制御手段(主制御装置81)と、
前記第1制御手段から出力されるコマンドに基づいて遊技に関する制御を行う第2制御手段(報知・演出制御装置82)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記可変表示が行われることに基づいて出力する所定のコマンド(変動用コマンド)に停止表示期間に関する情報を含ませて出力する手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変表示が行われることに基づいて出力される可変表示用のコマンドに停止表示期間に関する情報を含ませて出力するため、停止表示期間のための専用コマンドを省略することができ、コマンド数の削減を図ることが可能になる。また、可変表示用のコマンドを停止表示期間の通知コマンドとしても活用するため、第1制御手段と第2制御手段との間でのコマンドの授受回数を低減することができ、両制御手段における双方の負荷を軽減することが可能になる。
なお、上記特徴A14において「前記可変表示が行われることに基づいて出力する所定のコマンド」を「前記可変表示の態様に関する情報を含む所定のコマンド」又は「前記可変表示が行われることに先立って又は前記可変表示が行われたことに基づいて出力する所定のコマンド」と読み替えてよい。
特徴A15.前記所定のコマンドには、コマンドの種別に関する情報が含まれる第1情報領域(第1情報領域341)と、前記可変表示の期間に関する情報が含まれる第2情報領域(第2情報領域342)とが設定されており、
前記第1制御手段は、停止表示期間に関する情報を前記第2情報領域に含ませて出力する手段を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間に関する情報を第2情報領域に含ませて出力するため、余剰ビットの発生を抑制しつつ他のコマンドとの調和を容易化することが可能になる。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回が行われるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を前記先特定手段の特定結果に基づいて設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、先特定の対象となった特別情報に対する付与判定の判定結果等と、遊技回の停止表示期間とを相関させることが可能になる。これにより、停止表示期間の長さを先特定の結果等の示唆演出として活用可能となり、演出バリエーションを多様化することができる。しかも、上記構成では、遊技回中に先特定が行われた場合に、その遊技回の停止表示期間を先特定の結果に基づいて設定するため、特別情報の内容を速やかに遊技回に反映させることができる。例えば、遊技回の進行中に先特定手段による先特定がなされた場合にその結果を次回以降の遊技回で反映させる構成では、先特定の対象となった特定遊技回が、進行中の遊技回の次に行われる遊技回であると、停止表示期間の変更機会を確保することが困難化する。この点、本構成によれば、進行中の遊技回を含めて停止表示期間の変更対象とできるため、変更機会の安定的な確保を図ることが可能になる。特に、停止表示期間を示唆演出として活用する構成では、演出の実行機会を拡充することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、特徴B1において「前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を前記先特定手段の特定結果に基づいて設定する手段」を、「前記停止表示期間設定手段は、前記遊技回中に前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、当該遊技回の停止表示期間を前記先特定手段の特定結果に基づいて設定する手段」と読み替えてもよい。
特徴B2.前記表示制御手段は、前記先特定手段の特定結果が所定結果であったか否かを判定する先特定用判定手段(主制御装置81によるステップS1203の処理を実行する機能)を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定用判定手段の判定結果に基づいて停止表示期間を設定することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
例えば、先特定手段により先特定がなされる都度、それをそのまま停止表示期間の設定に反映させる構成であると、1の遊技回の中で複数回に亘って先特定がなされた場合に、停止表示期間の設定のやり直しを強いられ、処理負荷の増大を招くおそれがある。この点、本構成では、先特定の処理とその結果を判定する処理とが各別に行われ、後者の結果に基づいて停止表示期間を設定する構成とされている。この際、判定処理を停止表示期間の設定タイミングに合わせて実行することで、停止表示期間の一括設定が可能になり、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴B3.前記先特定手段の特定結果が所定結果であったことが判定済みの状態である場合に、前記先特定用判定手段における判定処理、及び前記停止表示期間設定手段における前記先特定手段の特定結果に基づく停止表示期間の設定処理の少なくとも1つを制限する制限手段(主制御装置81によるステップS1202の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
例えば、先特定の結果等を示唆する示唆演出を複数回の遊技回に亘って行う構成では、進行中の遊技回がそれより前の遊技回から開始された示唆演出の実行対象となっている場合がある。このような場合において、当該遊技回中に生じた先特定の結果に基づいて停止表示期間が設定されると、設定の変更や重複が生じるおそれがある。この点、本構成では、先特定手段の特定結果が所定結果であったことが判定済みの状態である場合は、先特定用判定手段による判定処理及び先特定手段の特定結果に基づく停止表示期間の設定処理の少なくとも1つを制限する構成とされているため、設定の変更や重複の発生を抑制することが可能になる。
特徴B4.前記制限手段により前記制限が行われても、前記先特定手段の前記特定を制限しない構成とされていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間の設定の変更や重複を抑制すべく先特定用判定手段による判定処理等を制限しながらも、先特定の処理を継続して行うことができる。これにより、先特定の結果を利用した他の遊技演出までもが制限される不都合を抑制することができ、演出の多様化や複合化を図る上で好適な構成とすることができる。
特徴B5.前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果が第1結果(大当たり又はリーチ発生に対応する情報の特定)である場合に前記停止表示期間を第1期間(第1確定表示時間を特殊時間に設定した場合の確定表示時間)とし、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記先特定手段により前記特定がなされない場合又は前記先特定手段の特定結果が前記第1結果とは異なる第2結果(通常外れ結果に対応する情報の特定)である場合に前記停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間(第1確定表示時間を通常時間に設定した場合の確定表示時間)とする手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段によって特定された結果の内容に応じて停止表示期間を異ならせることができ、停止表示期間の長さを先特定の結果等を示唆する示唆演出として活用する構成を実用上好ましい態様にて実現することが可能になる。
特徴B6.前記第1期間が前記2期間よりも長いことを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
例えば、先特定の結果が第1結果である場合の第1期間を、先特定がなされない又は先特定の結果が第1結果ではない場合の第2期間よりも短くする構成であると、通常的な停止表示期間である第2期間を長めの期間とせざるを得ず、遊技進行の遅滞化を招くことにもなりかねない。この点、本構成では、第1期間を第2期間よりも長くする構成とされているため、第2期間を短くするにあたって第1期間の制約を排除することができ、第2期間を停止表示期間の本来の目的に適した期間とすることが可能となる。これにより、遊技進行の遅滞化を好適に抑制し、停止表示期間を示唆演出として活用する上で好適な構成とすることができる。
特徴B7.所定の演出手段にて遊技演出が行われるように制御する演出制御手段(報知・演出制御装置82による停止開始用処理を実行する機能)を備え、
前記演出制御手段は、前記第1期間である停止表示期間において特別演出(泡画像を出現させる予告表示演出)が行われるように制御する手段(報知・演出制御装置82によるステップS1602,S1603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、長い側の第1期間を利用して特別報知が行われるため、演出時間を適正に確保した上で特別演出を実行することができる。さらに、停止表示期間において特別演出を行う構成とすることで、可変表示中に行う他の演出との明確な差別化が可能となる。特に、停止表示期間では絵柄が停止表示しており、付与判定結果を表示済みの状態になっている。このため、かかる期間で特別演出を実行することで、絵柄に遊技者の関心が向くことが抑制され、特別演出への注目度を効果的に高めることが可能になる。しかも、先特定が行われた場合に進行中の遊技回にて特別演出を行い得るため、特別演出の中途追加を許容することができ、演出機会の拡充を図ることが可能になる。
なお、特徴B7の「所定の演出手段」について、「絵柄表示手段」がそれを兼ねる構成であってもよいし、「絵柄表示手段」とは異なる手段がその役割を担う構成であってもよい。
特徴B8.前記絵柄として第1絵柄を有し、
遊技回が実行される場合に、前記絵柄表示手段又は当該絵柄表示手段とは異なる表示手段において前記第1絵柄とは別の第2絵柄を可変表示させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記絵柄表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2絵柄用表示制御手段(報知・演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、第2絵柄を前記先特定手段の特定結果に対応した停止結果にて停止表示させることが可能な構成とされており、
前記第2絵柄用表示制御手段は、
前記停止表示期間設定手段により停止表示期間が前記第1期間に設定された場合に、可変表示の終了に伴って停止表示された第2絵柄を前記先特定手段の特定結果に対応した停止結果に変更する変更手段(報知・演出制御装置82による再変動用処理を実行する機能)を備え、
前記変更手段は、前記第1期間である停止表示期間において前記変更を行うことを特徴とする特徴B6又はB7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1絵柄とは別に第2絵柄が表示される。この第2絵柄は付与判定の結果に対応した停止結果で停止表示されるため、高い関心を寄せて遊技者が注視していることが想定される。その上で、本構成では、当該第2絵柄を先特定の結果に対応した停止結果にて停止表示させ得る構成とされ、上記第2絵柄を用いて先特定の特定結果等を示唆する構成とされている。このため、遊技者が示唆演出に気付き易く、後続の遊技回への期待感を好適に高めることが可能になる。しかも、本構成によれば、停止表示期間が第1期間に設定された場合に、第2絵柄を先特定の結果に対応した停止結果に変更する構成とされている。これにより、停止結果の変更を中途追加し得るものとなり、演出機会の拡充を図ることが可能になる。加えて、上記変更を長い側の期間である第1期間にて行うため、変更期間の適正な確保が可能となり、変更を適切に行えなかったり、変更後の停止結果の表示期間が確保されなくなるなどの不都合を好適に抑制することができる。
なお、特徴B8を「前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、絵柄を前記先特定手段の特定結果に対応した停止結果にて停止表示させることが可能な構成とされており、
前記表示制御手段は、
前記停止表示期間設定手段により停止表示期間が前記第1期間に設定された場合に、可変表示の終了に伴って停止表示された絵柄を前記先特定手段の特定結果に対応した停止結果に変更する変更手段を備え、
前記変更手段は、前記第1期間である停止表示期間において前記変更を行う」と読み替えてもよい。
特徴B9.前記変更手段は、前記可変表示の終了に伴って停止表示された第2絵柄を前記停止表示期間において再び可変表示させ、前記先特定手段の特定結果に対応した停止結果を停止表示させる手段(報知・演出制御装置82による再変動用処理及び停止表示中用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
例えば停止結果を瞬時に変更すると、遊技者が変更に気付かない可能性がある。この点、本構成によれば、再可変表示が介在することで、停止結果の変更に気付き易くなり、第2絵柄の変更による示唆演出の意義を好適に担保できる。また、再可変表示させることで、どの停止結果に変更されるのかを推測する楽しみを付加することもでき、興趣性が向上する。
特徴B10.前記変更手段は、前記停止表示の開始から所定期間が経過した場合に第2絵柄を再び可変表示させる手段を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間の開始から所定期間の経過後に第2絵柄を再可変表示させるため、再可変表示前における停止結果の確認を容易化することができる。加えて、再可変表示がなされたことを認識し易くなり、遊技者の演出理解を促進することが可能になる。しかも、再可変表示の前に時間的な溜めを設けることで、再可変表示への期待感を煽ることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴B11.前記第2絵柄用表示制御手段は、
前記変更手段としての第1変更手段と、
前記停止表示期間設定手段により停止表示期間が前記第2期間に設定された場合に、可変表示の終了に伴って停止表示された第2絵柄を当該停止表示された停止結果とは異なる停止結果に変更する第2変更手段と、を備え、
前記第2変更手段は、停止表示期間が前記第2期間である停止表示の開始前に前記変更を開始する手段を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間が第2期間である場合にも第2絵柄が変更され得るため、第2絵柄の変更頻度を増加させることができる。これにより、第2絵柄が変更されたときの遊技者の違和感を軽減したり、特別な演出と誤解して過度な期待感を抱いたりすることが抑制される。但し、第2期間は第1期間よりも短い期間であることから、変更期間の確保の困難化が懸念される。この点、本構成では、停止表示期間が第2期間である状況で第2絵柄を変更する場合に、停止表示の開始前に第2絵柄の変更を開始し、第1期間の場合に比べて前倒しする構成とされている。このため、変更期間の適正な確保が可能となり、変更を適切に行えなかったり、変更後の停止結果の表示期間が適正に確保されなくなるなどの不都合が抑制される。
特徴B12.前記表示制御手段は、前記変更手段により第2絵柄の停止結果が変更されても第1絵柄の停止表示結果を維持する手段を備えていることを特徴とする特徴B8乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2絵柄の停止結果が変更される場合であっても、第1絵柄により停止表示の状態であることを認識することでき、停止表示の機能や意義を担保することが可能になる。
なお、読み替えを行った上記特徴B8に上記特徴B9~B12のいずれかを適用する場合は、上記各特徴B9~B12において「第2絵柄」→「絵柄」、「第2絵柄用表示制御手段」→「表示制御手段」の各読み替えを行うことができる。
特徴B13.前記第1期間として互いに長さが異なる第1種期間と第2種期間とを設定可能な構成とされており、
前記先特定手段の特定結果が第1所定結果である場合と、前記特定結果が前記第1所定結果とは異なる第2所定結果である場合とで、前記第1期間として前記第1種期間が設定される確率と前記第2種期間が設定される確率との少なくとも一方が異なっていることを特徴とする特徴B5乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定結果が第1所定結果である場合と、特定結果が第2所定結果である場合とで、第1期間の長さが相違し得る。これにより、第1期間の停止表示期間が実行された場合に、その長さから先特定の内容を推測する楽しみを付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴B14.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回が行われるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて前記停止表示の停止表示期間を設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴B1と同様の効果を期待することができる。なお、特徴B14に対して上記特徴B1~B13のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
<特徴C群>
特徴C1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回が行われるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応する特定遊技回の実行前に行われる遊技回の回数を把握する把握手段(主制御装置81によるステップS1208~S1211の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果に基づいて停止表示期間を設定する停止表示用設定手段(主制御装置81によるステップS1211~S1218の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定遊技回の実行前に行われる遊技回の回数を加味して停止表示期間の長さを設定することができる。これにより、例えば、特定遊技回よりも先に実行される各遊技回の停止表示期間にて特定の演出を行う場合に、その実行回数が特別情報の記憶数に依存して多くなることが抑制される。
なお、特徴C1において「前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応する特定遊技回の実行前に行われる遊技回の回数を把握する把握手段」を「停止表示期間の設定対象となる対象遊技回が、前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応する特定遊技回から遡って何番目の遊技回であるかを把握する把握手段」と読み替えてもよい。
特徴C2.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記停止表示用設定手段は、前記先特定手段の特定結果及び前記把握手段の把握結果に基づいて停止表示期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定の対象となった特別情報に対応する付与判定の結果等と、遊技回の停止表示期間とを相関させることが可能になる。これにより、停止表示期間の長さを先特定の結果等の示唆演出として活用可能となり、演出バリエーションを多様化することができる。
一方で、上記構成では、複数の特別情報を記憶可能な構成となっており、特別情報の記憶数が多くなっている状況下で先特定手段の先特定が行われることがあり得る。このような場合、先特定手段による先特定のタイミングから大きく遅れて先特定の対象となった特定遊技回が実行されることとなる。係る場合において、先特定の結果を直ちに遊技回の停止表示期間に反映させる構成であると、特定遊技回までの間に介在する他の遊技回の数が多くなる結果、どの遊技回に対する示唆演出なのかを遊技者が把握しにくくなり、遊技者の混乱を招くおそれがある。また、例えば、先特定手段により先特定がなされた場合に、特定遊技回の実行直前まで停止表示期間を特殊期間とする設定を繰り返す構成では、その繰り返し回数が特別情報の記憶数に依存して多くなり、遊技者が演出意図を誤解することも想定される。この点、本構成では、停止表示期間の設定対象となる対象遊技回が上記特定遊技回から遡って何番目の遊技回であるかを踏まえて、停止表示期間を設定する構成とされている。これにより、停止表示期間が特殊期間とされてから特定遊技回が実行されるまでの間に介在する遊技回の数を調整可能となることに加え、特別情報の記憶数に依存して停止表示期間が特殊期間とされる繰り返し回数が多くなるといった不都合の発生も抑制される。その結果、停止表示期間における示唆演出としての機能を好適に発揮可能となり、興趣性を向上させることができる。
特徴C3.前記把握手段は、
前記先特定手段の特定対象となった特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶された場合における当該取得情報記憶手段の特別情報の記憶数を把握する記憶数把握手段(主制御装置81によるステップS1301の処理を実行する機能)と、
前記記憶数把握手段の把握結果に基づいて前記回数を把握する手段(主制御装置81によるステップS1208,S1209の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
例えば、先特定された特別情報とともに後続する別の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されていると、当該後続の特別情報まで算定の対象に含まれ、遊技回の回数を適正に把握できないおそれがある。この点、本構成では、先特定された特別情報が記憶された場合の記憶数を把握し、その結果に基づいて遊技回の回数を把握するため、後続の特別情報の影響を排除することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴C4.前記停止表示用設定手段は、前記把握手段により把握された前記回数が所定回数以下である場合に、停止表示期間を前記先特定手段の特定結果が所定結果であることに対応した第1期間(第1確定表示時間を特殊時間に設定した場合の確定表示時間)とし、前記把握手段により把握された前記回数が前記所定回数よりも大きい場合に、停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間とする手段(第1確定表示時間を通常時間に設定した場合の確定表示時間)を備えていることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が多くなっている状況下では、特定遊技回に比較的に近い遊技回に限定して停止表示期間を第1期間とすることができる。これにより、停止表示期間の長さを先特定の結果等の示唆演出として活用する場合に、遊技者の中で停止表示期間の長さと特定遊技回とが関連付けられ易くなり、示唆演出としての機能を好適に発揮可能となる。
なお、特徴C4を上記特徴C2に適用した場合は「前記停止表示用設定手段は、前記把握手段の把握結果が第1結果である場合に停止表示期間を前記先特定手段の特定結果が所定結果であることに対応した第1期間とし、前記把握手段の把握結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合に停止表示期間を前記第1期間とは異なる第2期間とする手段を備えている」と読み替えてもよい。
特徴C5.前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、前記記憶数把握手段により把握された記憶数及び前記所定回数に基づいて、停止表示期間を前記第1期間に設定する処理を待機する待機回数(待機回数カウンタWC)を設定する待機回数設定手段(主制御装置81によるステップS1209の処理を実行する機能)を備え、
前記停止表示用設定手段は、前記待機回数設定手段により待機回数が設定されている場合に、当該待機回数に基づいて停止表示期間を設定することを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、ひとたび待機回数が設定されれば、以後は待機回数を管理することで停止表示期間を設定することができる。このため、停止表示期間の設定タイミングの都度、記憶数と所定回数とを比較したり、その結果に基づいて停止表示期間をどの期間に設定するかを判定したりする処理が不要となり、処理負荷を軽減することが可能になる。
特徴C6.前記停止表示期間設定手段は、停止表示期間の設定対象となる対象遊技回にて停止表示期間を前記第1期間とした場合に、前記対象遊技回を含む複数回の遊技回において前記停止表示期間を前記第1期間に設定する手段(主制御装置81による特殊期間設定の実行回数DNの把握処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C4又はC5に記載の遊技機。
停止表示は付与判定の結果を遊技者に見せることを本来の目的とすることから、停止表示期間を極端に長くすると遊技者が間延びした印象を受け易くなり、逆に、極端に短くすると遊技者が判定結果を認識しにくくなる。このため、第1期間と第2期間の差異が限定的なものとなり易く、停止表示期間を第1期間としても遊技者が気付かなかったり、見落としたりすることが懸念される。この点、本構成によれば、対象遊技回にて停止表示期間を第1期間とした場合に、以後の遊技回においても停止表示期間が第1期間とされる。このため、初回の遊技回で見落とし等が生じた場合でも後の遊技回で気付くことができ、示唆演出としての機能を好適に発揮可能となる。
特徴C7.前記複数回の遊技回として互いに回数が異なる第1回数の遊技回と第2回数の遊技回とを設定可能な構成とされており、
前記先特定手段の特定結果が第1所定結果である場合と、前記特定結果が前記第1所定結果とは異なる第2所定結果である場合とで、前記複数回の遊技回として前記第1回数の遊技回が設定される確率と前記第2回数の遊技回が設定される確率との少なくとも一方が異なっていることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定結果が第1所定結果である場合と、特定結果が第2所定結果である場合とで、停止表示期間が第1期間とされる遊技回の回数が相違し得る。これにより、第1期間の実行回数から先特定の内容を推測する楽しみを付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C8.前記複数回の遊技回が予め定められた特定回数の遊技回(設定回数AN)であり、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、前記記憶数把握手段により把握された記憶数及び前記特定回数に基づいて、実際に停止表示期間を前記第1期間とする実行回数を設定する実行回数設定手段(主制御装置81による特殊期間設定の実行回数DNの把握処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
取得情報記憶手段における特別情報の記憶数は都度で様々となるところ、本構成では、記憶数と特定回数との大小関係に基づいて、実際に停止表示期間を第1期間とする実行回数が設定される。このため、都度の記憶数の範囲内で停止表示期間を第1期間とすることができ、適正に示唆演出を行うことが可能になる。
特徴C9.前記実行回数設定手段は、前記特定遊技回の停止表示期間が前記第1期間とならないように前記実行回数を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技回の可変表示が終了しているにも関わらず、引き続き停止表示期間が第1期間とされることが抑制される。これにより、示唆演出の対象がどの遊技回であるのかを分かり易くすることができ、示唆演出としての機能を好適に発揮可能となる。
特徴C10.前記実行回数設定手段は、前記記憶数把握手段により把握された記憶数が前記特定回数以上である場合に、停止表示期間を前記第1期間とする実行回数として前記特定回数を設定し、前記記憶数が前記特定回数よりも少ない場合に、前記特定回数よりも少ない回数を前記実行回数として設定する手段を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数が特定回数以上である場合と、特定回数よりも少ない場合とで異なる実行回数が設定されるため、後者の場合でも停止表示期間を第1期間とすることができ、示唆演出の実行機会を拡充することが可能になる。
特徴C11.前記実行回数設定手段は、前記記憶数把握手段により把握された記憶数が前記特定回数以上である場合に、停止表示期間を前記第1期間とする実行回数として前記特定回数を設定し、前記記憶数把握手段により把握された記憶数が前記特定回数よりも少ない場合に、前記第1期間の設定を制限する手段を備えていることを特徴とする特徴C6乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数が特定回数よりも少ない場合に第1期間の設定を制限する構成とされているため、停止表示期間の変更が特定遊技回の停止表示にまで及ぶことが抑制される。これにより、示唆演出の対象がどの遊技回であるのかが分かりにくくなることが抑制され、示唆演出としての機能を好適に発揮可能となる。
特徴C12.前記停止表示用設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を前記先特定手段の特定結果に基づいて設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定が行われた場合に進行中の遊技回の停止表示期間を先特定の結果に基づいて設定するため、特別情報の内容を速やかに遊技回に反映させることができる。これにより、進行中の遊技回の停止表示期間も含めて第1期間の設定対象とすることができ、示唆演出の実行機会を拡充することが可能になる。
<特徴D群>
特徴D1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回が行われるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する停止表示実行手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中にて前記取得情報記憶手段における特別情報の記憶数が変化した場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を変更する手段(主制御装置81によるステップS1216~S1218の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が変化した場合に停止表示期間を変更するため、特別情報の記憶数と停止表示期間の長さとを相関させることができる。これにより、例えば、特別情報の記憶数が多い場合は、停止表示期間を短くすることで次の遊技回の開始タイミングを早めたり、逆に、特別情報の記憶数が少ない場合は、停止表示期間を長くすることで、取得情報記憶手段の特別情報が尽きにくくするなどの調整が可能となる。しかも、本構成では、特別情報が記憶された場合に進行中の遊技回の停止表示期間を変更し得る構成となっている。このため、特別情報の記憶数の変化を速やかに停止表示期間に反映させることが可能になる。これにより、特に停止表示期間を短くする場合にあっては、次の遊技回を待ってから時間調整を図る構成に比べて、その応答性を高めることができ、一層効率的な遊技進行を促進することが可能になる。
特徴D2.前記停止表示期間設定手段は、前記記憶数が所定数(K=3)未満である場合に停止表示期間を第1期間(第1確定表示時間を通常時間に設定した場合の確定表示時間)とし、前記記憶数が前記所定数以上である場合に停止表示期間を前記第1期間よりも短い第2期間(第1確定表示時間を時短用時間に設定した場合の確定表示時間)とする手段(主制御装置81によるステップS1216~S1218の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が所定数以上である場合に停止表示期間が短い側の第2期間とされるため、停止表示期間が第1期間である場合と比べて1遊技回に係る遊技期間を短くすることができる。これにより、効率的な遊技進行を促進することができ、遊び易さを向上させることが可能になる。
特徴D3.前記表示制御手段は、
前記可変表示を行う可変表示期間を設定する可変表示期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記可変表示期間設定手段により設定された可変表示期間に基づいて前記可変表示を実行する手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、を備え、
前記可変表示期間設定手段は、前記記憶数が特定数未満である場合に可変表示期間を第1種期間とし、前記記憶数が前記特定数以上である場合に可変表示期間を第1種期間よりも短い第2種期間とする手段を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が特定数以上である場合に可変表示期間が短い側の第2期間とされるため、可変表示期間と停止表示期間との協働によって1遊技回に係る遊技期間を短くすることができる。これにより、それら各期間の一方のみを短くする場合に比べ、よりスムーズな遊技進行を実現することが可能になる。特に、特別情報が記憶された場合に進行中の遊技回の停止表示期間を特別情報の記憶数に基づいて設定し得る構成の下では、可変表示期間の短縮化に先駆けて停止表示期間を短縮することができる。これにより、いち早く短縮化を始めることができ、より一層の効率化を促進することが可能になる。
特徴D4.前記所定数と前記特定数が同一の数であることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変表示にて期間が短縮化される場合に、その前後の停止表示の期間を短縮することができ、可変表示及び停止表示の各期間の短縮化を好適に調和させることが可能になる。
特徴D5.前記表示制御手段は、前記停止表示期間設定手段における停止表示期間の設定タイミングに対応するタイミングにて特別情報の記憶数を把握する記憶数把握手段(主制御装置81によるステップS1216の処理を実行する機能)を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記記憶数把握手段の把握結果に基づいて停止表示期間を設定することを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
例えば、特別情報が記憶される都度、そのときの記憶数を停止表示期間の設定に反映させる構成であると、遊技回の進行中に複数回に亘って特別情報が記憶された場合に、停止表示期間の設定のやり直しを強いられるおそれがある。この点、本構成では、停止表示期間の設定タイミングにおける記憶数に基づいて停止表示期間を設定し得るため、複数回の記憶が生じても設定のやり直しが抑制され、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
特徴D6.前記停止表示期間設定手段は、前記記憶数が予め定めた基準数よりも大きい場合に停止表示期間を第1所定期間とし、前記記憶数が前記基準数以下である場合に停止表示期間を前記第1所定期間よりも長い第2所定期間とする手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数が基準数以下である場合に停止表示期間が長い側の第2所定期間とされるため、停止表示期間が第1所定期間である場合と比べて1遊技回に係る遊技期間を長くすることができる。これにより、取得情報記憶手段の特別情報が尽きにくくし、遊技進行の途切れを抑制することが可能になる。
<特徴E群>
特徴E1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
絵柄を可変表示することが可能な絵柄表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回が行われるように前記絵柄表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記可変表示を行う可変表示期間を設定する可変表示期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記可変表示期間設定手段により設定された可変表示期間に基づいて前記可変表示を実行する手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による確定表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて可変表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS2904~S2917の処理を実行する機能)を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて停止表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS2504~S2518の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、先特定手段により特定された情報に基づいて変動表示期間及び停止表示期間を設定する手段を備えているため、先特定手段の特定結果に応じて1遊技回に係る遊技期間を変化させることができる。これにより、1遊技回に係る遊技期間の長さを上記判定結果等の示唆演出として活用可能となり、演出バリエーションを多様化することができる。
特徴E2.前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記先特定手段により前記特定が行われた場合に、当該直後の停止表示の停止表示期間を前記先特定手段の特定結果に基づいて設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定が行われた場合に進行中の遊技回の停止表示期間を先特定の結果に基づいて設定するため、特別情報の内容を速やかに遊技回に反映させることができる。これにより、先特定の対象となっている遊技回が進行中の遊技回の次に行われる遊技回であっても、停止表示期間の変更機会を確保することができ、示唆演出の実行機会を拡充することが可能になる。
特徴E3.前記表示制御手段は、
前記可変表示の開始後で且つ当該可変表示の直後の前記停止表示の開始時以前である第1タイミングにて、前記先特定手段の特定結果が所定結果であるか否かを判定する第1先特定用判定手段(主制御装置81によるステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記直後の停止表示の開始後で且つ当該停止表示の直後の前記可変表示の開始時以前である第2タイミングにて、前記先特定手段の特定結果が所定結果であるか否かを判定する第2先特定用判定手段(主制御装置81によるステップS2904の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記第1先特定用判定手段の判定結果に基づいて停止表示期間を設定する手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記可変表示期間設定手段は、前記第2先特定用判定手段の判定結果に基づいて可変表示期間を設定する手段(主制御装置81による完全外れ時用の変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示中に先特定の結果が所定結果となった場合及び可変表示中に先特定の結果が所定結果となった場合のいずれであっても、可変表示期間及び停止表示期間の変更をいち早く開始することができ、期間変更の機会を拡充することが可能になる。
特徴E4.前記第1タイミングが前記直後の停止表示の開始タイミングに対応するタイミングであり、前記第2タイミングが前記直後の可変表示の開始タイミングに対応するタイミングであることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1先特定用判定手段においては、停止表示の開始タイミング、すなわち停止表示期間の設定タイミングに合わせて判定処理が行われるため、停止表示の開始時までに生じる先特定の結果を当該停止表示の停止表示期間に反映させることができる。また、第2先特定用判定手段においては、可変表示の開始タイミング、すなわち可変表示期間の設定タイミングに合わせて判定処理が行われるため、可変表示の開始時までに生じる先特定の結果を当該可変表示の可変表示期間に反映させることができる。つまり、遊技回中のいずれのタイミングで先特定がなされても、速やかに停止表示期間及び可変表示期間に反映させることができ、変更機会の一層の拡充を図ることが可能になる。
特徴E5.前記表示制御手段は、
前記可変表示の開始後で且つ当該可変表示の直後の前記停止表示の開始時以前であるいずれかのタイミングにて、前記先特定手段の特定結果が所定結果であるか否かを判定する第1先特定用判定手段(主制御装置81によるステップS2504の処理を実行する機能)と、
前記直後の停止表示の開始後で且つ当該停止表示の直後の前記可変表示の開始時以前であるいずれかのタイミングにて、前記先特定手段の特定結果が所定結果であるか否かを判定する第2先特定用判定手段(主制御装置81によるステップS2904の処理を実行する機能)と、
前記第1先特定用判定手段の判定結果と前記第2先特定用判定手段の判定結果との一方を他方に対して優先する優先手段(主制御装置81によるステップS2502,S2902の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段及び前記可変表示期間設定手段は、前記優先手段により優先された側の判定結果に基づいて各期間の設定を行うことを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1先特定用判定手段及び第2先特定用判定手段を備えるため、停止表示中に先特定の結果が所定結果となった場合及び可変表示中に先特定の結果が所定結果となった場合のいずれであっても、可変表示期間及び停止表示期間の変更をいち早く開始することができ、期間変更の機会を拡充することが可能になる。その反面、判定タイミングが異なる上記2つの判定手段を備える場合は、一方の判定が行われてから他方の判定が行われるまでの間に先特定がなされると、判定結果が競合して期間設定の重複や途中変更を招くおそれがある。この点、本構成では、優先手段により優先された側の判定結果に基づいて各期間の設定を行うため、判定結果を統一化することができ、期間設定の重複や途中変更を好適に抑制することが可能になる。
なお、特徴E5に対して上記特徴E4の構成を適用することが可能である。この場合、特徴E4の構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴E6.前記優先手段は、前記第1先特定用判定手段と前記第2先特定用判定手段とのうち、前記先特定手段の特定結果が所定結果であることを先に判定した側の判定手段の判定結果を優先することを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定結果を統一化する上で実用上好ましい態様とすることができる。特に、特定結果が所定結果であることを後に判定した側の判定手段の判定結果を優先する構成であると、後の判定結果を待つ必要が生じる分、期間の設定に遅れが生じ易くなる。本構成では、そのような遅れの発生が抑制され、可変表示期間及び停止表示期間を早くから変更することが可能になる。
特徴E7.前記可変表示期間設定手段が設定可能な可変表示期間として第1期間(8.0sec)と当該第1期間よりも短い第2期間(1.0sec)とを有し、
前記停止表示期間設定手段が設定可能な停止表示期間として第1所定期間(0.7sec)と当該第1所定期間よりも長い第2所定期間(2.0sec)とを有し、
前記可変表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果が所定結果である場合に可変表示期間を前記第2期間に設定する手段を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果が所定結果である場合に停止表示期間を前記第2所定期間に設定する手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定の結果が所定結果である場合に、可変表示期間を短くしつつ停止表示期間を長くするため、1回の遊技回において停止表示が占める割合を増大させることができる。これにより、停止表示の存在感を増強させ、示唆演出への注目度を高めることが可能になる。
特徴E8.前記第2所定期間を前記第2期間よりも長くする手段を備えていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
通常、停止表示期間は可変表示期間に比べて極めて短い期間とされているところ、停止表示期間と可変表示期間との長短関係を逆転させる極端な変更を加えることで、遊技者に対して大きな違和感を与えることができる。これにより、遊技者が示唆演出に気付き易くなり、後続の遊技回に対する期待感を好適に高めることが可能になる。
特徴E9.前記第2期間と前記第2所定期間との合計期間を、前記第1期間と前記第1所定期間との合計期間よりも短くする手段を備えていることを特徴とする特徴E7又はE8に記載の遊技機。
遊技者の関心は、先特定された特別情報に対応する特定遊技回に向き易くなることが想定されるところ、上記構成によれば、特定遊技回までの所要期間を短縮化することができる。これにより、遊技者がいち早く特定遊技回を遊技することが可能となり、興趣性を向上させることができる。
特徴E10.前記可変表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて、前記所定の特別情報に対応する特定遊技回よりも前に行われる遊技回の可変表示期間を設定し、
前記停止表示期間設定手段は、前記先特定手段の特定結果に基づいて前記特定遊技回よりも前に行われる遊技回の停止表示期間を設定することを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定結果に応じて、特定遊技回よりも前に行われる可変表示及び停止表示の各期間に相違が生じるため、先特定の結果を利用した示唆演出を行う上で実用上好ましい態様とすることができる。
<特徴F群>
特徴F1.予め定められた第1条件(作動口33a,33bへの遊技球の入賞)が成立することに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選が行われることに基づいて所定の表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第1抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第1遊技回の1回として、前記所定の表示手段の表示制御を行う第1表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
予め定められた、前記第1条件とは異なる第2条件(スルーゲート35への遊技球の入賞)が成立することに基づいて前記第1抽選とは異なる第2抽選を行う第2抽選手段(主制御装置81による普図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(図柄表示装置41、役物用表示部44)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第2抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第2遊技回の1回として、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態(低頻度サポートモード)と、当該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態(高頻度サポートモード)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記第1抽選の抽選結果に基づいて遊技状態を前記複数の遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記第2表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記第1遊技状態である場合の停止表示期間が前記第2遊技状態である場合の停止表示期間よりも長くなるように、停止表示期間を設定する手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技者にとって有利な第2遊技状態の下では当該遊技状態が終了するまで遊技者が遊技を継続することが期待されるものの、遊技者にとって不利な第1遊技状態の下では、第1抽選に対応する第1遊技回が終了することで、遊技者が遊技を切り上げようとすることが考えられる。しかしながら、第1遊技回と、第2抽選に対応する第2遊技回とが併存する構成では、第1遊技回の終了時点において第2遊技回が未完の状態で残っている場合があり得る。このような場合、第2抽選の結果が気掛かりとなって遊技者が遊技を終了できなくなったり、遊技者にとって有利な結果を残したまま遊技を終えてしまったりするなどの不都合が生じ得る。この点、本構成では、第1遊技状態である場合の第2遊技回に係る停止表示期間が第2遊技状態である場合のそれよりも長くなるように構成されている。この場合、第1遊技状態において、第2遊技回の停止表示期間を長くした分、第2遊技回の可変表示の期間を短くすることができる。このため、停止結果が表示されるまでの所要期間を短縮することができ、第2抽選の結果を遊技者にいち早く知らせることが可能になる。これにより、上記不都合の発生が好適に抑制され、遊び易さが向上する。
特徴F2.前記第1遊技回及び前記第2遊技回の一方の実行中に、前記第1遊技回及び前記第2遊技回の他方を実行可能な構成とされていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
第1及び第2遊技回の一方を実行中に他方を実行可能な構成では、第2遊技回に係る停止表示期間を長くすることで、第1遊技回の終了時点において第2遊技回が未終了である場合でも、第2遊技回の絵柄が停止表示状態となっている確率を高めることができる。第2遊技回の絵柄が停止表示状態である場合、当該絵柄を視認すれば第2抽選の結果を直ちに把握できるところ、その確率が高められていることで結果待ち事象そのものの発生頻度を低下させることができ、第2抽選の結果を迅速に知らせ易くなる。
特徴F3.前記第2遊技状態が、前記第1遊技状態よりも単位時間当たりの前記第2遊技回の実行頻度が高くなり易い状態であることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
第1遊技状態においては、第2遊技状態に比べて単位時間当たりの第2遊技回の実行頻度が低くなることが求められる。このような制約の下、第1遊技状態における第2遊技回の停止表示期間を第2遊技状態のそれよりも長くすることで、第1遊技状態において単位時間当たりの第2遊技回の実行頻度が高まること抑制しながら、第2遊技回の可変表示の期間を短くすることができる。これにより、第1遊技状態の機能が損なわれることを抑制しつつ、第2抽選の結果を遊技者にいち早く知らせることが可能になる。
特徴F4.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球部(下作動口33b)と、
前記入球部に遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態(開放状態)と、前記入球部に遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変入球手段(電動役物34)と、
前記第2抽選手段による前記第2抽選の結果が所定結果となることに基づいて前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態に切り替える切替制御を行う可変制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記第1抽選の結果が特定結果となることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1抽選手段は、前記入球部への遊技球の入球に基づいて前記第1抽選を行う手段を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技中において、特典付与への結び付きが強い側の第1遊技回(第1抽選)に対して遊技者の注目度が高くなり、第2遊技回(第2抽選)に対する関心は第1遊技回に比べると低めとなることが想定される。このため、第2遊技回の停止表示期間を長くする構成であっても、遊技中において目立ちにくくなり、間延び感の誘発を抑制することができる。このように、第1及び第2抽選の複数の抽選系が併存する構成において、遊技者の関心が低い側の抽選系に係る絵柄の停止表示期間を長くすることで、遊技中の間延び感によって遊技意欲が阻害されることを抑制しつつ、第1遊技回が終了した場合に第2抽選の結果をいち早く知らせることが可能になる。
特徴F5.前記第1遊技状態において設定可能な停止表示期間として、長さの異なる複数の期間(4.0sec、10.0sec、16.0sec)を有しており、
前記停止表示期間設定手段は、前記第1遊技状態において前記第2抽選の結果が所定結果となることに基づいて、前記複数の期間からいずれかを選択して停止表示期間として設定する手段(主制御装置81によるステップS3702~S3704の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
第2遊技回の停止表示期間を長くする構成上、遊技者が第2抽選の結果を把握してから可変入球手段が第1状態とされるまでの猶予期間が長くなりがちとなる。その結果、遊技終了の意思がない中で可変入球手段が第1状態に切り替えられることを把握した場合に、第1状態への切替タイミングを見計らって遊技球を発射する所謂止め打ちの誘発が懸念される。この点、本構成によれば、第2遊技回の停止表示期間が多様化されるため、第2可変入球手段が第1状態に切り替えられるまでの期間が画一的となることが抑制される。これにより、遊技者が第1状態への切替タイミングを予測することが困難化し、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
特徴F6.前記切替制御の実行態様に対応する特定報知(特別表示演出)が所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行われるように制御する報知制御手段(報知・演出制御装置82、表示制御装置212)を備え、
前記報知制御手段は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられる場合に、当該第1状態への切り替え前に前記特定報知が行われるように前記所定の報知手段を制御する特定報知用手段を備え、
前記特定報知用手段は、
前記第2遊技回に係る停止表示期間の長さが所定長以上である場合に、前記第2遊技回に係る絵柄の停止表示中に前記特定報知が開始され、前記長さが前記所定長未満である場合に、前記第2遊技回に係る絵柄の停止表示の開始前に前記特定報知が開始されるように、前記特定報知の開始タイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記タイミング設定手段により設定された開始タイミングに基づいて前記特定報知を開始させる手段と、
を備えていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止表示期間を活用して特定報知を行う場合に、停止表示期間が可変化される中でも特定演出のための時間を適正に確保することが可能になる。
特徴F7.前記切替制御の実行態様に対応する特定報知(特別表示演出)が所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行われるように制御する報知制御手段(報知・演出制御装置82、表示制御装置212)を備え、
前記報知制御手段は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられる場合に、当該第1状態への切り替え前に前記特定報知が行われるように前記所定の報知手段を制御する特定報知用手段を備え、
前記特定報知用手段は、特定報知が第1実行期間にて実行される場合と、特定報知が前記第1実行期間とは異なる第2実行期間にて実行される場合とが生じるように、特定報知の実行態様を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
特定報知の実行期間が画一化されていると、特定報知の開始タイミングから第1状態への切替タイミングを予測可能となることがあり得る。この点、本構成によれば、特定報知の実行期間が多様化されているため、特定報知の開始タイミングに基づいて第1状態への切替タイミングを予測することが困難化され、所謂止め打ちを抑制することが可能になる。
特徴F8.前記第1実行期間にて前記特定報知が行われる場合と前記第2実行期間にて前記特定報知が行われる場合とで、前記特定報知の報知態様が共通していることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の報知態様から特定報知の実行期間を判別することが困難化される。これにより、特定報知の開始タイミングから第1状態への切替タイミングを予測することが困難化され、所謂止め打ちを抑制することが可能になる。
なお、特徴F8において「前記特定報知の報知態様が共通している」を「前記特定報知の報知態様が識別困難又は識別不可となっている」と読み替えてもよい。この場合でも上記の場合と同様の効果を奏することができる。
特徴F9.遊技状態として、第1遊技状態(低頻度サポートモード)と、当該第1遊技状態よりも前記可変入球手段が前記第1状態とされ易い第2遊技状態(高頻度サポートモード)と、を有しており、
前記可変入球手段における前記第1状態の態様として、第1態様(低入賞サポート状態)と、当該第1態様よりも前記入球部に遊技球が入球し易い第2態様(第1高入賞サポート状態)と、を有しており、
前記可変制御手段は、所定条件の成立に基づいて前記第1状態の態様が前記第2態様となるように前記切替制御を行う手段を備え、
前記所定条件が前記第1遊技状態にて成立可能な構成とされていることを特徴とする特徴F5乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状態とされ易い第2遊技状態では、1回又は複数回の切替制御を1セットとした可変入球手段の制御状態(便宜上、サポート状態と称する)が短い間隔で繰り返され易いため、一のサポート状態を逸したとしても、次回のサポート状態にて補えばよいとの遊技者心理が働き易い。一方、第1状態とされにくい第1遊技状態では、サポート状態が終了してから次回のサポート状態が発生するまでの期間が長くなり易く、そもそも次回の発生自体を期待しにくい。このため、第1遊技状態の下では、第2態様によって切替制御される機会を有効に活用したいという強いニーズが生じる。この点、本構成では、上記特徴F5を通して上記特徴F1の特徴を備えていることで、第2態様によって切替制御される機会を残したまま遊技を終えてしまうことが抑制され、遊技者のニーズに適った構成とすることができる。
特徴F10.前記停止表示期間設定手段は、前記第2遊技回に係る停止表示期間が前記第1遊技回に係る停止表示期間よりも長くなるようにして停止表示期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回に係る停止表示期間を長くした分、第2遊技回に係る可変表示の期間を短くすることができる。これにより、遊技者が第1遊技回を見ている中で第2遊技回に視線を移した場合に、第2抽選の結果を早く把握し易くなる。その結果、第1遊技回に視線を戻すまでの所要期間の短縮化が図られ、第1遊技回の停止結果や第1遊技回中の遊技演出を見逃したりする不都合の発生が抑制される。一方で、第1遊技回の停止表示期間は短くなる構成とされているため、遊技者が第1遊技回のを視認している中で間延びした印象を与えることが抑制され、遊技意欲が阻害されることが抑制される。
なお、特徴F10を上記特徴F2に適用した場合は、「遊技中において遊技者が第1遊技回から第2遊技回に視線を移したときに第2遊技回の絵柄が停止表示状態となっている確率を高めることができる。これにより、第1遊技回に速やかに視線を戻せる頻度が高められ、第1遊技回の停止結果や第1遊技回中の遊技演出の見逃しをより好適に抑制することができる」という効果が期待される。
特徴F11.前記第1遊技回及び前記第2遊技回の一方で前記停止表示が開始されることに基づいて前記第1遊技回及び前記第2遊技回の他方の前記停止表示を開始させる手段を備えていることを特徴とする特徴F2乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
一方の絵柄の停止表示期間を長くしたり、短くしたりしたいという要請があった場合に、例えば、一方の絵柄の停止表示が終了することに基づいて他方の絵柄の停止表示を開始させる構成であると、一方の絵柄の停止表示期間の長さに依存して他方の絵柄における停止表示の開始タイミングが遅くなったり、早まったりする可能性がある。この点、本構成によれば、停止表示期間の長さを変更しても他方の絵柄における停止表示の開始タイミングに影響することが抑制され、停止表示期間の自由度を向上させることができる。
特徴F12.予め定められた第1条件(作動口33a,33bへの遊技球の入賞)が成立することに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選が行われることに基づいて所定の表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第1抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第1遊技回の1回として、前記所定の表示手段の表示制御を行う第1表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
予め定められた、前記第1条件とは異なる第2条件(スルーゲート35への遊技球の入賞)が成立することに基づいて前記第1抽選とは異なる第2抽選手段(主制御装置81による普図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(図柄表示装置41、役物用表示部44)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第2抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第2遊技回の1回として、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記第2遊技回に係る停止表示期間が前記第1遊技回に係る停止表示期間よりも長くなるように、前記第2遊技回に係る停止表示期間を設定する手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回の停止表示期間を相対的に長くしたため、その分、第2遊技回の可変表示の期間を短くすることができる。これにより、遊技者が第1遊技回を見ている中で第2遊技回に視線を移した場合に、第2抽選の結果を早く把握し易くなる。その結果、第1遊技回に視線を戻すまでの所要期間の短縮化が図られ、第1遊技回の停止結果や第1遊技回中の遊技演出を見逃したりする不都合の発生が抑制される。一方で、第1遊技回の停止表示期間は相対的に短くなる構成とされているため、遊技者が第1遊技回にて遊技している際に間延びした印象を与えることが抑制され、遊技意欲が阻害されることが抑制される。
<特徴G群>
特徴G1.予め定められた所定条件(スルーゲート35への遊技球の入賞)が成立することに基づいて抽選処理を行う抽選手段(主制御装置81による普図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段により前記抽選処理が行われることに基づいて所定の表示手段(図柄表示装置41、役物用表示部44)において絵柄の可変表示を開始させ、前記抽選処理の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記所定の表示手段の表示制御を行う表示制御手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
遊技者が遊技を休止しているか否かを判定する遊技休止判定手段(主制御装置81による遊技休止判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記遊技休止判定手段の判定結果に基づいて停止表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4702,S4703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者が遊技を休止しているか否かが判定され、その結果に基づいて絵柄の停止表示期間が設定される。これにより、遊技者の遊技状況と絵柄の停止表示期間とを相関させることができる。この場合、例えば、遊技が休止されている場合に遊技中である場合よりも停止表示期間を短くすることで、遊技を切り上げようとしている遊技者が残存している遊技回の結果を早く知ることが可能となったり、前の遊技者が残した遊技回が早く消化されて次の遊技者が遊技を開始し易くなったりする。逆に、遊技が休止されている場合に遊技中である場合よりも停止表示期間を長くすることで、次の遊技回の開始タイミングが遅くなる結果、小休憩の確保に貢献したりすることができる。このように、遊技者の遊技状況と絵柄の停止表示期間とを相関させることで、従来の遊技機ではなし得なかったことが実現可能となり、興趣性が向上する。
なお、特徴G1において、「遊技者が遊技を休止しているか否かを判定する遊技休止判定手段」を「遊技者が遊技中であるか否かを判定する遊技判定手段(主制御装置81による遊技休止判定処理を実行する機能)」と読み替えてもよい。また、特徴G1において、「遊技休止判定手段」の構成を削除しつつ、「遊技者による遊技開始操作が行われる操作手段(発射ハンドル54)と、前記操作手段が操作されたことを特定する操作特定手段と」を有する構成とし、その上で、「前記停止表示期間設定手段は、前記遊技休止判定手段の判定結果に基づいて停止表示期間を設定する手段」を「前記停止表示期間設定手段は、前記操作特定手段の特定結果に基づいて停止表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4702,S4703の処理を実行する機能)」と読み替えてもよい。
特徴G2.前記停止表示期間設定手段は、前記遊技休止判定手段の判定結果が遊技者が遊技中であることに対応する結果である場合に停止表示期間を第1期間(4.0sec~16.0sec)に設定し、前記遊技休止判定手段の判定結果が遊技者が遊技を休止していることに対応する結果である場合に、停止表示期間を前記第1期間よりも短い第2期間(0.5sec)に設定する手段(主制御装置81によるステップS4702,S4703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技が休止されている場合に遊技中である場合よりも停止表示期間が短くなる。これにより、遊技を切り上げようとしている遊技者が残存している遊技回の結果を早く知ることが可能となったり、前の遊技者が残した遊技回が早く消化されて次の遊技者が遊技を開始し易くなったりするなど、遊び易さが向上する。
特徴G3.遊技者が操作可能な操作手段(発射ハンドル54)を備え、
前記遊技休止判定手段は、前記操作手段の操作状況に基づいて遊技者が遊技を休止しているか否かを判定する手段(主制御装置81によるステップS4603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
上記構成では、遊技者が操作可能な操作手段を備え、その操作状況に基づいて遊技を休止しているか否かを判定する。これにより、遊技者の行動に基づいて遊技の有無を判定することができ、適正な判定を行い易くなる。
特徴G4.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(発射ハンドル54)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口31、作動口33a,33b、スルーゲート35)と、
を備え、
前記遊技休止判定手段は、前記発射操作の状況又は前記発射手段における遊技球の発射状況に基づいて遊技者が遊技を休止しているか否かを判定する手段(主制御装置81によるステップS4603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成では、遊技者の発射操作の状況又は遊技球の発射状況に基づいて遊技を休止しているか否かを判定する。入球部への遊技球の入球を狙った遊技には遊技球の発射が不可欠なものであるところ、本構成によれば遊技の有無を適正に判定し易くなる。
特徴G5.前記抽選手段を第1抽選手段として備えるとともに、前記表示制御手段を第1表示制御手段として備え、
前記第1表示制御手段は、前記第1抽選手段により前記抽選処理が行われることに基づいて、絵柄の可変表示を開始させ、前記抽選処理の結果に対応した停止結果を停止表示することを第1遊技回の1回として、前記表示制御を行うものであり、
前記所定条件とは異なる条件(作動口33a,33bへの遊技球の入賞)が成立することに基づいて前記第1抽選手段による前記抽選処理とは異なる第2抽選処理を行う第2抽選手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選処理が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第2抽選処理の結果に対応した停止結果を停止表示することを第2遊技回の1回として、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技休止判定手段は、前記操作状況が遊技休止に対応する状況であっても前記第2遊技回が実行されている場合に遊技中であると判定する手段(主制御装置81によるステップS4604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G3又はG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作手段に対する操作状況が遊技休止に対応する状況であっても第2遊技回が実行されている場合は遊技中であると判定するため、遊技休止の誤判定を抑制することができ、判定精度を向上させることが可能になる。
特徴G6.前記抽選手段を第1抽選手段として備えるとともに、前記表示制御手段を第1表示制御手段として備え、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定情報に対応しているか否かの情報判定処理を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記情報判定処理を順次行う情報判定手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記情報判定手段により前記情報判定処理が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記情報判定処理の結果に対応した停止結果を停止表示することを遊技回の1回として、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技休止判定手段は、前記操作状況が遊技休止に対応する状況であっても前記取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合に遊技中であると判定する手段(主制御装置81によるステップS4605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G3又はG4に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作手段に対する操作状況が遊技休止に対応する状況であっても取得情報記憶手段に特別情報が記憶されている場合は遊技中であると判定するため、遊技休止の誤判定を抑制することができ、判定精度を向上させることが可能になる。
特徴G7.前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記遊技休止判定手段により遊技者が遊技を休止していると判定された場合に、当該判定の結果に基づいて前記直後の停止表示の停止表示期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状況の変化に対する停止表示期間の長さ変更の応答性を高めることができ、遊技休止の有無をいち早く停止表示期間に反映させることが可能になる。
特徴G8.前記停止表示期間設定手段は、前記可変表示中又はその直後の前記停止表示中に前記遊技休止判定手段により遊技者が遊技を再開したと判定された場合に、当該判定の結果に基づいて前記直後の停止表示の停止表示期間を設定する手段を備えていることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技休止後に遊技が再開された場合にいち早く停止表示期間の長さに反映させることができ、停止表示期間を遊技中用の期間に速やかに復帰させることが可能になる。
特徴G9.予め定められた第1条件(スルーゲート35への遊技球の入賞)が成立することに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(主制御装置81による普図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選が行われることに基づいて所定の表示手段(図柄表示装置41、役物用表示部44)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第1抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第1遊技回の1回として、前記所定の表示手段の表示制御を行う第1表示制御手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
予め定められた、前記第1条件とは異なる第2条件(作動口33a,33bへの遊技球の入賞)が成立することに基づいて前記第1抽選とは異なる第2抽選を行う第2抽選手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第2抽選の結果に対応した停止結果を停止表示することを第2遊技回の1回として、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記第2遊技回の実行状況に基づいて前記第1遊技回に係る停止表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4604,S4702~S4706の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回の実行状況に応じて第1遊技回の停止表示期間の長さを異ならせることができる。これにより、遊技者に新鮮な印象を与えることができ、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
なお、特徴G9に対して上記特徴G1~G8のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴G10.予め定められた第1条件(スルーゲート35への遊技球の入賞)が成立することに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(主制御装置81による普図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選が行われることに基づいて所定の表示手段(図柄表示装置41、役物用表示部44)において絵柄の可変表示を開始させ、前記第1抽選の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記所定の表示手段の表示制御を行う第1表示制御手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
予め定められた、前記第1条件とは異なる第2条件(作動口33a,33bへの遊技球の入賞)が成立することに基づいて特別情報を取得する取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定情報に対応しているか否かの情報判定処理を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合はそれら複数の特別情報に対して前記情報判定処理を順次行う情報判定手段(主制御装置81による特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記情報判定手段により前記情報判定処理が行われることに基づいて前記所定の表示手段又は当該所定の表示手段とは異なる表示手段(メイン表示部43、図柄表示装置41)において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を停止表示させるように、前記所定の表示手段又は前記異なる表示手段の表示制御を行う第2表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、
前記停止表示を行う停止表示期間を設定する停止表示期間設定手段(主制御装置81による普図確定表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記停止表示期間設定手段により設定された停止表示期間に基づいて前記停止表示を実行する手段(主制御装置81による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止表示期間設定手段は、前記取得情報記憶手段における特別情報の記憶状況に基づいて前記第1遊技回に係る停止表示期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4605,S4702~S4706の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回に関する特別情報の記憶状況に応じて第1遊技回の停止表示期間の長さを異ならせることができる。これにより、遊技者に新鮮な印象を与えることができ、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
<特徴H群>
特徴H1.予め定められた判定条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回の演出を開始し、その後、当該付与判定の結果に対応する結果報知を行ってから当該遊技回の演出を終了する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
所定の異常発生を特定可能な異常特定手段(主制御装置81によるエラー対応処理を実行する機能)と、
前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定されたことに基づいて、前記遊技回制御手段により前記結果報知が行われる報知期間の長さを変更可能な変更手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能、報知・演出制御装置82による変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常発生に基づいて、遊技回における結果報知が行われる報知期間の長さが変更される。これにより、例えば報知期間が長くなれば、異常発生に基づく対処を行っている最中に遊技回の結果報知が行われた場合、当該結果報知が見逃されてしまう、といった不都合を解消できるし、例えば報知期間が短くなれば、異常発生に基づいて遊技回の演出全体の長さを短縮するような構成において、結果報知の報知期間だけが長く残ってしまって演出バランスが崩れてしまったり、思うような短縮効果が認められなかったりする、といった不都合を解消できる。
特徴H2.前記変更手段は、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定されたことに基づいて、前記遊技回制御手段により前記結果報知が行われる報知期間の長さを長くすることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常発生に基づく対処を行っている最中に遊技回の結果報知が行われた場合、当該結果報知が見逃されてしまう、といった不都合を解消できる。
特徴H3.予め定められた取得条件成立に基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記付与判定手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記付与判定を順次行う構成であり、
前記変更手段は、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定された場合に前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を、前記結果報知の報知期間を変更する対象とすることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
異常発生後は、遊技ホールの管理者等によって当該異常の対処が行われ、遊技者は遊技を中断するものと考えられる。そうすると、異常発生後、当該対処が終了するまでは、新たな特別情報が取得されないものと考えられる。その観点からすると、上記構成のように、異常発生時に取得されている特別情報について、結果報知の報知期間を変更する対象とすれば足り、例えば、一律で所定回数の遊技回の報知期間を変更する、といった構成よりも、遊技状況に応じた対応が可能となる。付け加えると、仮に一律で所定回数の遊技回の報知期間を変更するという構成とすると、処理負荷自体は軽減されるかもしれないが、例えば、対処が終了したのにも関わらず、所定回数の遊技回が消化されていないことによって、遊技再開後であっても、結果報知の報知期間が変更されてしまう、といった不都合が生じ得る。
特徴H4.前記変更手段は、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定されてから所定期間が経過するまでに前記取得手段により取得された前記特別情報を含めて、前記結果報知の報知期間を変更する対象とすることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
例えば、遊技領域に遊技球を発射させて所定の入球部に遊技球が入球したことを取得条件として特別情報が取得される構成においては、異常発生に基づいて遊技球の発射を停止しても、既に発射済みの遊技球が上記所定の入球部に入球する可能性があり、新たな特別情報が取得される可能性がある。そこで、上記構成のようにすることで、遊技を停止したタイミングよりも遅れて取得される特別情報を、変更対象とすることが可能となり、より遊技の実態に沿った対処をすることが可能となる。
特徴H5.前記変更手段は、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定された場合に、前記遊技回制御手段により実行されている前記遊技回が前記結果報知の開始前であることを条件として、前記遊技回制御手段により実行されている前記遊技回における前記結果報知の報知期間を変更対象とすることが可能であることを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行中の遊技回についても、結果報知が見逃されてしまうことを抑制することができる。この場合、結果報知が開始されていないことを条件としていることから、当該実行中の遊技回において実行中の結果報知までもを変更するような複雑な処理を要することなく、実行前の結果報知の報知期間の長さを変更するだけでよく、簡素な構成で、結果報知を確認させる機会をより多く確保することが可能となる。
特徴H6.遊技者による遊技操作を特定する操作特定手段(主制御装置81によるステップS5305の処理を実行する機能)を備え、
前記変更手段は、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定されてから、前記異常特定手段により前記所定の異常発生が特定されなくなった後、前記操作特定手段による前記遊技操作が特定されたことに基づいて、前記結果報知の報知期間の変更を終了することが可能であることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
異常発生後において、異常発生が特定されなくなってから、遊技者の遊技操作が行われた場合とは、遊技ホールの管理者による異常の対処は終了し、遊技者は遊技を再開する準備が整ったものとみなすことができる。そこで、このような状況において、上記構成のように、変更を終了する構成とすることで、遊技者が遊技を再開しているのにもかかわらず、報知期間の変更がなされてしまう、といった不都合を回避することができる。
特徴H7.前記所定の異常とは、少なくとも前記遊技回制御手段による前記遊技回の進行が継続され得る異常であることを特徴とする特徴H1乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、結果報知の報知期間の長さを変更する意義を担保することができる。すなわち、仮に所定の異常発生に基づいて遊技回の進行が停止するのであれば、結果報知も行われない又は結果報知が行われたまま停止するものと考えられ、結果報知の報知期間の長さを変更しても意味がなくなってしまうからである。
特徴H8.前記変更手段は、前記遊技回制御手段により実行される前記遊技回の継続期間を変更することなく、前記結果報知が行われる報知期間の長さを変更可能であることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の継続期間が変更されないため、例えば、遊技回の演出を、所定の報知手段とは異なる報知手段(表示画面等)でも行う構成において、当該所定の報知手段側の遊技回の継続期間と、当該異なる報知手段側の遊技回の継続期間とにズレが生じない。これにより、演出のズレが生じることによって遊技者に違和感を与えてしまうことを回避可能となるし、演出のズレを解消するための処理(例えばどちらかを延長/短縮する処理)を行う必要も生じず処理負荷の高騰を回避することにもつながる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33a、下作動口33b)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の表示手段(メイン表示部43)にて遊技回の演出を開始し、当該付与判定の結果に対応する停止結果として当該遊技回の演出を終了させることを1の遊技回として、前記遊技回が前記所定の表示手段にて行われるようにする第1制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1制御手段による前記遊技回の終了後に、前記停止結果として表示されている結果表示を所定期間に亘って維持する第2制御手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記特典を付与することに対応する結果であったことに基づいて、当該付与判定に対応する前記遊技回後に前記第2制御手段による前記結果表示が行われてから前記所定期間が経過した後、前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技者により操作される操作部(操作ボタン77)を有し、
前記操作部が操作されたことに基づいて、前記第2制御手段により前記結果表示が行われる前記所定期間の長さを長くすることが可能な変更手段(主制御装置81によるステップS5501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による発射操作に基づいて発射された遊技球が始動入球部に入球したことに基づいて、付与判定が行われるとともに、遊技回が開始されて、その後、結果表示が行われて特典が付与され得る、といった一連の遊技において、遊技者が操作部を操作すると、遊技回が行われた後、結果表示が継続する所定期間の長さが長くなる。つまり、遊技回後、特典が付与されるまでの期間が長くなる。これにより、例えば、遊技回を開始してしまったものの、急用ができて、席を離れなくてはいけなくなった遊技者としては、特典が付与されるまでに猶予が生じるため、当該急用を済ますことが可能となる。
言い換えると、何かの用事があるのであれば、遊技球を発射させて遊技を開始しなければ良いのではあるが、例えば、遊技回の演出によって大当たりとなって特典が付与されることを察した場合には、その大当たりを存分に楽しむために飲み物を用意したり、トイレに行ったりしたくなる場合もある。そして、従来の遊技機であれば、遊技球が始動入球部に入球すると、付与判定から遊技回、特典付与までが遊技機任せで進行するため、一旦遊技が開始されるとそれを遊技者側でその進行を調節することは困難となっていた。そこで、上記構成のようにすることで、遊技を開始視してしまった場合であっても、操作部の操作によって、特典付与を遅らせることが可能となり、遊技者の多様なニーズに応えることができる。
付け加えると、遊技開始後、特典付与までの期間の長さを調節するうえで、例えば遊技回の演出の長さを調節する構成も考えられる。しかしこのようにしてしまうと、遊技者による操作によって、期間の長さを延長するに当たって、遊技回の演出内容も変更する必要が生じ、処理負荷が高騰してしまう可能性がある。その点、結果表示が行われている所定期間の長さを長くする構成であれば、停止表示されている結果表示が行われている期間を変更するだけでよく、簡素な処理によって、上記の効果を奏することが可能となる。
しかも、操作部の操作によって遊技の進行を停止するのではなく、所定期間の長さを変更する構成としたことから、未実行の遊技回が残っている状況で、遊技の進行が停止されたまま放置されてしまい、後続の遊技者が遊技できなくなる、といった不都合を回避することができる。
なお、「特典付与手段」について、「前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球し易い開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい閉状態とに変位可能な可変入球手段と、当該可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定数の遊技球を払い出す払出手段と」を備える構成としたうえで、「前記特典付与手段は、前記特典として、前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行する特定状態に移行させる」構成とすると、遊技球を可変入球手段に入球させなければ特典としての遊技球の払出を受けることができなくなることから、上記のように所定期間を長くする意義がより高められる。
特徴I2.前記変更手段により前記所定期間の長さの変更が行われるようにされている状況で前記操作部が操作された場合、前記変更手段による変更が行われないようにすることが可能であることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定期間が長くなりっぱなしになってしまう不都合を回避することができる。例えば、変更手段による変更を、所定の遊技回にのみ適用し、適用し終えたら、自動的に変更が行われなくする構成も考えられる。しかし、この場合、必要とする延長分を当該所定の遊技回における結果表示によって賄おうとすると、1回の結果表示の延長が長くなり過ぎる、といった不都合が生じ得る。具体的には、例えば、4分間の延長を行いたい場合に、当該所定の遊技回後の結果表示の長さを4分間とすればよいのであるが、この場合、例えば、遊技者が2分後に用を済ませて遊技を再開しようとしても残りの2分間待たなくてはいけないこととなってしまう。これに対して、例えば保留されている8回の遊技回における結果表示をそれぞれ30秒間に延長する構成とすれば、同じようにトータルで4分間の延長を行える構成において、途中の遊技回で延長を行わせないようにすることも可能であり、一律に延長する構成と比較して、遊技の自由度が向上する。
特徴I3.前記変更手段は、前記所定期間の長さの変更を行う場合、前記第1制御手段による前記遊技回の最長の長さ以内の長さとなるように前記所定期間の長さを長くすることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、延々と結果表示が行われて、実質的に遊技が停止してしまう、という不都合を回避することができる。すなわち、長くなっても1回の遊技回分の長さであり、仮に、未実行の遊技回が残っている状況で延長操作が行われて遊技機が放置されてしまったとしても、遊技回1回分待てば、後続の遊技者は遊技を行うことが可能となる。
特徴I4.前記変更手段は、前記所定期間の長さの変更を行う場合、前記第1制御手段による前記遊技回の最短の長さ以上の長さとなるように前記所定期間の長さを長くすることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、用を済ますだけの猶予が生じないような延長ではなく、実質的に1遊技回分だけでも猶予が生じ、特徴I1の効果を実質的に奏することが可能となる。
特徴I5.前記変更手段により前記所定期間の長さの変更がなされた場合、当該変更がなされたことを示す特定表示を前記結果表示とともに表示する手段を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機の何らかのエラーによって特典付与が開始されなかったり次遊技回が開始されないのではなく、変更手段による変更がなされていることを、遊技者や遊技ホールの管理者が明確に把握することができる。これにより、不必要なエラー対処を行わせないようにすることが可能となる。
特徴I6.前記操作部が操作されたことを示す操作情報を記憶する記憶手段(操作フラグ)を備え、
前記変更手段は、前記記憶手段に前記操作情報が記憶されている場合であって、前記第1制御手段による前記遊技回の内容が予め定められた特定内容となった場合に、前記結果表示が行われる前記所定期間の長さを長くすることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
特定内容として、例えば大当たりが確定するリーチ表示が行われる内容であったり、なかなか出現しないキャラクタが登場する演出であったり、が考えられ、このような特定内容となった場合には、当該遊技回後に特典が付与される可能性も高いであろうから、所定期間の長さを変更する必要性が高まるといえる。そこで、上記構成のようにすれば、予めそのような特定内容となったら、用を済ます猶予が生じるように先設定することが可能となり、特定内容となった場合に操作部の操作を気にしなくても良くなり、特定内容の遊技回を存分に楽しませることが可能となる。
特徴I7.前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記付与判定手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、前記付与判定を順次行う構成であり、
前記情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記変更手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、前記特定内容となる遊技回に対応する前記特別情報の一つ前に前記付与判定の対象となる前記特別情報についての前記結果表示の前記所定期間の長さを長くすることが可能であることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定内容となった後の特典付与までの猶予だけでなく、特定内容となる遊技回を楽しませることが可能となる。
特徴I8.前記特定内容とは、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記特典を付与することとなる結果に対応する内容であることを特徴とする特徴I6又は特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴I6の効果を好適に奏することができる。
特徴I9.前記変更手段は、前記所定期間の長さの変更を行う場合、前記特定内容となる前記遊技回の継続期間の長さとなるように前記所定期間の長さを長くし、
前記変更手段により変更された前記所定期間において、前記特定内容となる前記遊技回の演出を実行することが可能な第3制御手段(報知・演出制御装置82による停止開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6乃至I8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、結果表示の所定期間を利用して特定内容が繰り返し実施される。これにより、特定内容を見逃してしまった場合であっても、それを再確認させることが可能となる。
特徴I10.前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記付与判定手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、前記付与判定を順次行う構成であり、
前記情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定手段による判定対象となった場合における情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留予告用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記変更手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、前記特定内容となる遊技回に対応する前記特別情報の一つ前に前記付与判定の対象となる前記特別情報についての前記結果表示の前記所定期間の長さを、前記特定内容となる前記遊技回の継続期間の長さとなるように前記所定期間の長さを長くし、
前記変更手段により変更された前記所定期間において、前記特定内容となる前記遊技回の演出を実行することが可能な第3制御手段(報知・演出制御装置82による停止開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6乃至I9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定内容となる遊技回の前の結果表示の所定期間において、特定内容の遊技回の演出が行われる。これにより、特徴I9の効果と同等の効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.予め定められた判定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が遊技状態を移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回の演出を開始し、当該移行判定の結果に対応する停止結果として当該遊技回の演出を終了させることを1の遊技回として、前記遊技回の演出が前記所定の報知手段にて行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、を備える遊技機において、
前記遊技状態として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように有利状態(高頻度サポートモード)と非有利状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回を開始する場合、前記移行判定の結果に応じて今回の遊技回の継続期間を設定する継続期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該継続期間設定手段により設定された前記継続期間に亘って今回の遊技回を行うように前記所定の報知手段を制御するものであり、
前記移行判定の結果が、前記非有利状態に移行することとなる非有利移行対応結果(通常大当たり結果)であった場合に前記継続期間設定手段により設定される継続期間として特定期間が設けられており、
前記遊技回制御手段は、
前記移行判定の結果が前記非有利移行対応結果であり、前記継続期間として前記特定期間が設定された遊技回において、前記停止結果を第1のタイミングで表示させる第1手段(報知・演出制御装置82による通常用の中図柄列の停止処理を行う機能)と、
前記移行判定の結果が前記非有利移行対応結果であり、前記継続期間として前記特定期間が設定された遊技回において、前記停止結果を前記第1のタイミングよりも前のタイミングである第2のタイミングで表示させる第2手段(報知・演出制御装置82による先結果報知フラグや即結果報知フラグがセットされている状況での中図柄列の停止処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技結果を遊技回の演出を経て報知する構成においては、当たりと外れや当たりならどのような当たりか、といった、遊技者にとっての有利度が大きく異なる分岐点をより後側のタイミングで判別させるようにすることで、遊技回全体の注目度が高められる。このような前提に立てば、遊技者にとっての有利度が異なる有利状態と非有利状態とのいずれに移行するかは、なるべく後側のタイミングで報知すべきとも考えられる。特に、遊技者にとっての有利度が低い非有利状態に移行することは、有利状態に移行する可能性もある希望を持たせつつ遊技回を楽しませる観点から、先側のタイミングではなく後側のタイミングで報知すべきと考えられる。
しかし、現状の遊技状態が有利状態である場合など、遊技回が終了すると非有利状態に移行するのであれば、残された有利状態の恩恵を最大限に受けるべき、という考えもある。そこで、上記のような構成とすれば、通常は非有利状態に移行することの報知が第1のタイミングで停止結果によって示されるものの、上記のような特殊な場合に、第1のタイミングよりも前のタイミングである第2のタイミングで停止結果によって示されるため、この第1のタイミングと第2のタイミングの時間差を利用して、非有利状態に移行してしまう前の準備を行わせることができる。このようにすれば、遊技者の多様なニーズに応えることができるし、斬新な遊技性を実現するうえで役立てることが可能となる。
なお、「第1手段」や「第2手段」について、
「前記移行判定の結果が前記非有利移行対応結果であり、前記継続期間として前記特定期間が設定された遊技回において、第1条件が成立したことに基づいて前記停止結果を表示させる第1手段と、
前記移行判定の結果が前記非有利移行対応結果であり、前記継続期間として前記特定期間が設定された遊技回において、前記第1条件よりも先に成立する第2条件が成立したことに基づいて前記停止結果を表示させる第2手段」
と表現してもよい。この場合、以下の各特徴において、「第1のタイミング」を「第1条件が成立したことに基づいて」等と読み替えるとともに、「第2のタイミング」を「第2条件が成立したことに基づいて」等と読み替えて適用するとよい。
特徴J2.前記遊技回制御手段は、前記第1手段又は前記第2手段により前記停止結果を表示させた後は、当該停止結果を前記継続期間が経過するまで維持することを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段や第2手段によって、一旦、停止結果が表示されると、それが覆されることがなく、所謂再変動には期待できない構成となる。これにより、非有利状態に移行することを遊技者に受入れさせ、速やかに非有利状態に移行する前の準備に取り掛からせることが可能となる。
特徴J3.前記第2手段は、前記有利状態中の遊技回において、前記停止結果を前記第2のタイミングで表示させることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2のタイミングで停止結果が表示される場合とは、有利状態から非有利状態に移行する場合となる。これにより、残された有利状態の恩恵を最大限に受けられるように、遊技を行わせることが可能となる。
特徴J4.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第2作動口134)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、前記移行判定を順次行う構成であり、
前記入球部へ遊技球を受入易い第1状態と当該第1状態よりも前記入球部へ遊技球を受入にくい第2状態とに切換可能な可変受入手段(電動役物134a)と、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換え、その後前記第2状態に切り換える可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御手段による前記可変受入制御の制御モードとして、前記可変受入手段が前記第1状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度状態(高頻度サポートモード)と低頻度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記有利状態では前記高頻度状態に設定され、前記非有利状態では前記低頻度状態に設定されることを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、非有利状態に移行することによって、可変受入手段が第1状態となる頻度が低くなり、入球部への入球頻度が低下する低頻度状態に移行する。そのため、例えば現状の遊技状態が有利状態であって高頻度状態であれば、当該低頻度状態に移行する前に、入球部になるべく入球するように、遊技球を発射させたほうが、遊技者としては特をすることになる。このような遊技機に、特徴J1の構成を適用することで、特徴J1の効果を好適に奏することが可能となる。
特徴J5.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(第1作動口133)及び第2入球部(第2作動口134)と、
前記第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて第1特別情報を取得し、前記第2入球部へ遊技球が入球したことに基づいて第2特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記第1特別情報を、予め定められた第1所定数を上限として記憶する第1情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報取得手段により取得された前記第2特別情報を、予め定められた第2所定数を上限として記憶する第2情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記移行判定手段は、
前記第1情報記憶手段に記憶された前記第1特別情報について、前記移行判定として第1移行判定を順次行う第1移行判定手段(主制御装置81による第1入球部側の保留情報に基づいて当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2情報記憶手段に記憶された前記第2特別情報について、前記移行判定として前記第1移行判定よりも遊技者にとって有利な第2移行判定を順次行う第2移行判定手段(主制御装置81による第2入球部側の保留情報に基づいて当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態は前記第1入球部よりも前記第2入球部の方が入球し易くなり、前記非有利状態は前記第2入球部よりも前記第1入球部の方が入球し易くなることを特徴とする特徴J1乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、非有利移行対応結果となって非有利状態に移行すると、遊技者にとって有利な第2移行判定が行われる第2入球部よりも、第1移行判定が行われる第1入球部の方が入球し易くなる。そのため、例えば現状が有利状態である場合には、非有利状態に移行してしまって第2入球部に入球しにくくなる前に、第2入球部への入球を発生させ、第2特別情報を取得させた方が遊技者にとって好ましくなる。よって、このような遊技機に、特徴J1の構成を適用することで、特徴J1の効果を好適に奏することが可能となる。
特徴J6.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(第2作動口134)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記移行判定手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、前記移行判定を順次行う構成であり、
前記第2手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が前記所定数よりも少ない特定数以下である場合に前記第2のタイミングで前記停止結果を表示させることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定が行われる特別情報の数が記憶上限数である所定数よりも少ない特定数以下である場合に、第2手段によって非有利移行対応結果であることの停止結果の表示が早いタイミングで行われるようになる。このようにすることで、例えば、非有利状態となることで、入球部への入球が発生しにくくなるような構成において、非有利状態に移行する前に、なるべく入球部へ入球させて特別情報を取得させるように仕向けることができ、このように停止結果を先に表示することを通じて遊技者の救済とすることが可能となる。
特徴J7.前記第1手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が前記特定数よりも多い場合に前記第1のタイミングで前記停止結果を表示させることを特徴とする特徴J6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の数が十分に記憶されているのにもかかわらず、停止結果を先に表示させてしまうことが回避される。これにより、遊技回の演出効果を担保しつつ、あくまで、停止結果を先に表示することは、遊技者の救済という観点で例外的に行うようにすることができる。
特徴J8.前記発射手段は、遊技球を所定周期で発射するものであり、
前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの差は、前記所定周期よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴J6又は特徴J7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2のタイミングで先に停止結果が表示されることで、少なくとも1球は遊技球が発射されることになる。このようにすることで、せっかく先に停止結果を表示させたのにも関わらず、遊技球を1球も発射させることができず、入球部への入球が発生しない、といった不都合を回避することができる。
特徴J9.前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの差は、前記所定数と前記特定数との差に前記所定周期を乗じた長さよりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴J8に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも、所定数までの不足分の遊技球は発射されることとなる。これにより、停止結果が表示されてから発射された遊技球によって、上記不足分を賄え得るようにすることができる。
特徴J10.前記第2手段により前記停止結果の表示が行われる場合、今回の遊技回の残りの継続期間を表示する手段を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、あとどれくらいで非有利状態に移行するかを、残りの継続期間の表示によって明確に把握させることができる。これにより、非有利状態に移行する前の準備を行い易くすることができる。
なお、上記構成は、「前記残りの継続期間を所定期間毎に更新する手段」を備えると、刻一刻と減っていく残りの継続期間を明確に示すことができ、より好ましい。
特徴J11.前記所定の報知手段は、複数の絵柄を変動表示可能な表示手段であり、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回の演出として、前記複数の絵柄を変動表示させて、前記移行判定の結果に対応させた絵柄の組合せを前記停止結果として表示されるようにするものであり、
前記第2手段により、前記第2のタイミングで前記停止結果の表示が行われる場合、前記複数の絵柄の変動表示の速度を変更することが可能であることを特徴とする特徴J1乃至J10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、絵柄の変動表示の速度を変更すれば、移行判定の結果に対応させた絵柄の組合せを停止結果として停止させるうえで、当該絵柄の組合せを変更する必要が生じず、変更に伴って、表示すべき結果とは異なる結果が表示されてしまう、といった不都合を回避することができる。
なお、上記構成について、より詳しくは、
「前記所定の報知手段は、複数の絵柄を変動表示可能な表示手段であり、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回の演出として、前記複数の絵柄を変動表示させて、前記付与判定の結果に対応させた絵柄の組合せを前記停止結果として表示されるようにするものであり、
前記第2手段により、前記第2のタイミングで前記停止結果の表示が行われる場合、前記停止結果として停止させる前記絵柄の組合せを変更しないように、前記複数の絵柄の変動表示の速度を変更することが可能である」
と表現してもよい。
特徴J12.予め定められた取得条件成立に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を順次実行する付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回の演出を開始し、その後、当該付与判定の結果に対応する結果報知を行ってから当該遊技回の演出を終了する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与情報に対応する付与対応結果であった場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技回制御手段により前記遊技回の演出が実行される演出期間(変動表示時間)を設定可能な演出期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果に対応する前記結果報知が行われる報知期間を設定可能な報知期間設定手段(報知・演出制御装置82による変動中用処理を実行する機能、主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記演出期間設定手段により設定された前記演出期間に亘って前記遊技回の演出を実行し、その後、前記報知期間設定手段により設定された前記報知期間に亘って当該遊技回についての前記付与判定の結果に対応する前記結果報知を実行するものであり、
前記特典付与手段は、前記報知期間の経過後に前記特典を付与する構成であり、
前記報知期間設定手段は、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が第1所定数である場合、前記報知期間の長さを第1特定期間として設定する第1手段(報知・演出制御装置82による通常用の中図柄列の停止処理を行う機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が前記第1所定数よりも少ない第2所定数である場合、前記報知期間の長さを前記第1特定期間よりも長い第2特定期間として設定する第2手段(報知・演出制御装置82による先結果報知フラグや即結果報知フラグがセットされている状況での中図柄列の停止処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別情報の数が少ないと結果報知が行われる報知期間が長くなり、特別情報の数が多いと結果報知が行われる期間が短くなる。一般的に、特別情報の数が少ないほど遊技回の演出期間の長さが長くなるようにして、特別情報が記憶されていない状況が生じにくくなるようにしたり、特別情報が多数記憶されている場合には特別情報の消化スピードを向上させて遊技進行をスムーズなものとされる。その点、上記構成は、遊技回の演出期間の長さの長短と特別情報の数との関係にマッチしているといえる。言い換えると、上記構成のようにすることで、遊技回の演出期間の長さを従来のようにしなくても、報知期間の長短によって、上記のような効果を見込めるともいえる。このように、特別情報の数によって報知期間の長さを変更可能とすれば、演出期間と報知期間のセットからなる遊技回を、従来とは大きく異なる構成とすることも可能であり、斬新な遊技性の実現に大いに役立てることが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.予め定められた判定条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特定制御(可変入賞装置132の開閉制御)を実行するか否かの付与判定を実行する判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特定制御を実行することに対応する特定結果であった場合、前記特定制御を実行する特定制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて当該判定結果を報知するための報知演出を実行可能な報知演出手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記特定結果である場合であって、前記報知演出手段により前記判定手段の判定結果が報知されてから前記特定制御が実行されるまでの特定期間(確定表示時間、オープニング時間)を設定する期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能、主制御装置81によるオープニング用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間設定手段は、
前記特定期間として、第1期間を設定可能な第1設定手段(例えば、主制御装置81による停止開始時処理において共通保留数CRNが1~6の場合に第1確定表示時間を設定する機能)と、
前記特定期間として、前記第1期間よりも短い第2期間を設定可能な第2設定手段(例えば、主制御装置81による停止開始時処理において共通保留数CRNが7~8の場合に第1確定表示時間を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
判定条件を成立させて付与判定を行わせ、その判定結果によって特典が付与される、という遊技の流れからして、付与判定の結果を報知するための報知演出に対して高い関心が寄せられ、更にその特典が付与されることで遊技者は喜びを感じるであろうという前提に立つと、判定結果が報知されてから、特典が付与されるまでの特定期間は、特典を得ることが確定したという安堵感から遊技者の注目度が低下し得るポイントといえる。その点、このような特定期間において、特典付与を祝福するような演出を行って、注目度の低下を解消する工夫が従来から行われている。しかし、このような演出を行っても、結局は特定制御の待ち時間であることには変わりはなく、注目度を向上させるにも限度がある。
そこで、上記構成のように、特定期間の長さを第1期間としたり第2期間とすることで、上記のような待ち時間に長短が生じ、かかる長短を演出に適用することも可能であるし、当該長短がその後の利益に関与する(例えば、特定制御中に得られる特典に高低が生じる)のでは、と思わせることが可能となる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴K2.前記第1設定手段により前記第1期間が設定される場合と、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される場合とで、遊技者にとっての有利度が異なることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定期間の長短が利益に関与するのでは、と思わせるだけではなく、実際に利益に関与することになる。これにより、従来では単なる待ち時間でしかなかった特定期間を利用した新たな遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記構成は、例えば、
「前記第1設定手段により前記第1期間が設定される場合と、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される場合とで、遊技者にとって有利となる有利事象(V入賞)がその後に発生する確率が異なる」
と表現してもよい。
特徴K3.前記第1設定手段により前記第1期間が設定される場合よりも、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される場合の方が、遊技者にとって有利となることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
上記構成によれば、待ち時間が短い方が遊技者にとって有利となる。これにより、特典付与が確定して興奮冷めやらぬ状況で立て続けに特定制御を行わせ、しかもそのような待ち時間が少ない構成の方が有利となる、といった構成となり、注目度が低下する隙を与えず、遊技を存分に楽しませることができる。その一方で、待ち時間が長い方が遊技者にとっては不利となるが、遊技者にとって有利なほど報知演出の長さが長くなるであろうという前提に立てば、不利側の待ち時間が長くなったとしても、報知演出とのトータルの長さとしては有利側とさほど変わらないものとなると考えられ、特定期間が長くなるからといって、それが冗長なものとなるとは限られない。
特徴K4.前記第1設定手段により前記第1期間が設定される場合と、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される場合とで、前記特定制御の制御態様が共通していることを特徴とする特徴K2又は特徴K3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1期間及び第2期間のいずれが設定されても、特定制御の制御態様は同じものとなるため、特定制御によって得られる特典自体は変化しない。これにより、既存の特定制御について大きく構成を変更することなく、特徴K2の効果を奏することが可能となる。
特徴K5.第1位置と当該第1位置とは異なる位置であって遊技者にとっての有利度が前記第1位置よりも有利となる第2位置とに変位可能な変位手段(シャッタ358)と、
前記判定手段による判定結果の報知が行われることに基づいて、予め定められた周期で、前記変位手段を前記第1位置から前記第2位置に変位させ、その後前記第1位置に変位させる変位制御を実行する変位制御手段(主制御装置81によるV動作用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K2乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、変位制御手段による変位制御は、予め定められた周期で行われる構成であることから、判定結果の報知が行われてから特定制御が開始されるまでの特定期間として第1期間が設定された場合と第2期間が設定された場合とで、変位手段が遊技者にとって有利な第2位置に配置されているタイミングが、特定制御と重複したりしなかったり、いずれも重複する場合であっても特定制御中のどのタイミングで重複するか、といった差を生じさせることが可能となる。これにより、特定期間の長短による有利度の差を生じさせることができる。
特徴K6.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33a、下作動口33b)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と当該開状態よりも遊技球が入球しにくい閉状態とに変位可能な可変入球手段(可変入賞装置132)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記判定手段は、前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、前記付与判定を行うものであり、
前記特定制御とは、前記可変入球手段による前記可変入球制御であり、
前記変位手段は、
前記第1位置に配置される場合、前記可変入球手段に入球した遊技球を遊技者にとって不利な第1領域(排出用領域357)に誘導し、
前記第2位置に配置される場合、前記可変入球手段に入球した遊技球を遊技者にとって有利な第2領域(V入賞用領域356)に誘導することを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に遊技球が入球すると所定数の遊技球の払出が賞球として行わる構成において、可変入球手段に入球した遊技球が第1領域に誘導されるか、第2領域に誘導されるかによって、遊技者にとっての有利度が異なる。これにより、可変入球手段への入球に対応する賞球の払出という既存の構成を大きく変えることなく、特徴K5の効果を好適に奏することが可能となる。
特徴K7.遊技者による発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)に向けて遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル54)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33a、下作動口33b)と、
を備え、
前記判定手段は、前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、前記付与判定を行うものであり、
前記始動入球部へ遊技球を入球させることで、前記第1設定手段により前記特定期間が前記第1期間として設定される状態と、前記第2設定手段により前記特定期間が前記第2期間として設定される状態とが変化することを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて特定制御を行うか否かの付与判定が行われる構成において、始動入球部への入球に基づいて、特定期間の長さも変化する。このようにすることで、始動入球部への入球で大当たり判定が行われる、といった従来の遊技とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴K8.前記始動入球部への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
を備え、
前記判定手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記付与判定を順次行う構成であり、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が特定数未満である場合に、前記第1設定手段により前記第1期間が設定され、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が前記特定数以上である場合に、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される構成であることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて付与判定用の特別情報が取得され、その特別情報が所定数を上限として記憶される構成において、記憶されている特別情報の数に基づいて特定期間の長短が設定される。このようにすることで、所謂付与判定待ちの特別情報ですら、遊技に関与させることができ、特別情報を取得させること、すなわち始動入球部へ入球させることの重要性を高めて、遊技性を向上させることができる。しかも、特定制御が行われる契機となった特別情報とは異なる特別情報を用いて当該特定制御に関する特定期間を設定することとなるため、特別情報と特定制御という一対一の関係しかなかった従来の遊技性とは大きく異なる、斬新な遊技性を提供することが可能となる。
特徴K9.前記第1設定手段により前記第1期間が設定される場合よりも、前記第2設定手段により前記第2期間が設定される場合の方が、遊技者にとって有利となることを特徴とする特徴K8に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶されている特別情報の数が多いほど、遊技者にとって有利となる。このようにすることで、例えば、特定制御が行われることを、報知演出前や報知演出の際中に把握した遊技者であっても、特別情報の数が少なければ、更に始動入球部へ入球させるべく遊技球を発射するものと考えられる。よって、所謂止め打ちを抑止することが可能となる。
特徴K10.前記報知演出手段は、前記判定手段による判定に結果に基づいて、前記報知演出を実行する場合の当該報知演出の継続期間を設定する継続期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該継続期間設定手段により設定される継続期間に基づいて前記報知演出を実行するものであり、
前記継続期間設定手段は、前記判定手段による判定結果が前記特定制御を実行することなる判定結果であった場合の方が、前記特定制御を実行することとならない場合よりも、長い前記継続期間を設定し易い構成であることを特徴とする特徴K9に記載の遊技機。
一般的に、大当たりとなる遊技回では長い演出が行われ、当該遊技回の演出を存分に楽しませる工夫が施される。しかし、余りに長すぎると、大当たりとなることを途中又は先に把握した遊技者や、大当たりに基づく特典を早く得たい遊技者は、当該遊技回を冗長なものと感じてしまう可能性がある。その一方で、上記のように長い演出を楽しみたい遊技者もいるわけで、両者の異なる要望を満たすことは困難とも考えられる。そこで上記構成のように、特定制御となる報知演出が長いほど、特別情報を取得させる時間が確保されるようにすることで、遊技者にとって有利な第2期間が設定される可能性が高くなり、演出を長く楽しみたい遊技者にとっても、その長い演出を無意味と感じてしまう遊技者にとっても、有意義な時間とすることができる。
特徴K11.前記始動入球部へ遊技球を受入易い第1状態と当該第1状態よりも前記始動入球部へ遊技球を受入にくい第2状態とに切換可能な可変受入手段(電動役物134a)と、
前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態に切り換え、その後前記第2状態に切り換える可変受入制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御手段による前記可変受入制御の制御モードとして、前記可変受入手段が前記第1状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度状態(高頻度サポートモード)と低頻度状態(低頻度サポートモード)とが設定されていることを特徴とする特徴K9又は特徴K10に記載の遊技機。
上記構成のように、始動入球部への入球を補助する可変受入手段を利用することで、特別情報の貯まり易さが変化する。具体的には、始動入球部への入球を受入れる第1状態となる頻度が高い高頻度状態では特別情報が取得され易く、高頻度状態よりも第1状態となる頻度が低い低頻度状態では特別情報が取得されにくくなる。そのため、高頻度状態では、第2設定手段により第2期間が設定される可能性が高くなり、低頻度状態では、第1設定手段により第1期間が設定される可能性が高くなる。よって、単に付与判定が行われる頻度の高低だけでなく、特定期間の長短及びその有利度にも関連付けることができ、遊技性を向上させることが可能となる。
特徴K12.前記報知演出手段は、前記判定手段による判定に結果に基づいて、前記報知演出を実行する場合の当該報知演出の継続期間を設定する継続期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該継続期間設定手段により設定される継続期間に基づいて前記報知演出を実行するものであり、
前記継続期間設定手段は、前記高頻度状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定制御を実行することなる判定結果であった場合の方が、前記低頻度状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定制御を実行することなる判定結果であった場合よりも、短い前記継続期間を設定し易い構成であることを特徴とする特徴K11に記載の遊技機。
高頻度状態中は低頻度状態中よりも特別情報が貯まり易い、という前提に立てば、特定制御が行われる場合に、第2期間が設定される可能性も高くなる。その一方で、上記構成のように、高頻度状態中は、特定制御が行われることとなる報知演出の継続期間が、低頻度状態中よりも短くなり易い構成とすると、当該特定制御が行われることとなる報知演出が開始されてから特別情報を取得させようとしても間に合わない場面も生じ得る。このようにすることで、特別情報をなるべく上限値である所定数近くまで記憶させた状態で遊技を推移させる意義を高めることができ、高頻度状態中に、可変受入手段が第1状態である状況を狙って遊技球を発射させる、所謂止め打ち行為を抑止することが可能となる。
<特徴L群>
特徴L1.遊技領域(遊技領域PE)を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33a、下作動口33b)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な開状態と入球困難又は入球不可能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置32、132)と、
前記可変入球手段を前記閉状態から前記開状態とし、その後前記閉状態とする可変入球制御を実行可能な可変入球制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を順次実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が、前記移行情報に対応しているとする移行結果であった場合、遊技状態を前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が行われる特定状態へ移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回の演出を開始し、その後、当該移行判定の結果に対応する結果報知を行ってから当該遊技回の演出を終了する遊技回制御手段(報知・演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記結果報知が行われる特定期間を設定する期間設定手段(主制御装置81による停止開始時処理を実行する機能)を備え、
前記期間設定手段は、前記特別情報についての前記移行判定の結果が前記移行結果とは異なる特定結果である場合、前記特定期間を、前記移行手段により前記特定状態へ移行された場合において前記可変入球手段が前記閉状態から前記開状態に切り換えられるまでの待機期間に対応する長さの期間となるように設定可能であることを特徴とする遊技機。
移行判定が行われることに基づいて遊技回の演出が開始され、移行判定の結果に対応する結果報知がなされて当該遊技回が終了する、という一連の遊技回の流れにおいて、移行判定の結果が移行結果であれば遊技回後に可変入球手段による可変入球制御が行われる特定状態に移行し、移行判定の結果が移行結果ではなければ記憶手段に特別情報が記憶されている限り上記の遊技回が順次行われる。このような遊技性においては、遊技回の演出において移行結果であることを期待させる演出が行われて遊技者の注目度が高められる工夫が施されている一方で、遊技回の演出後には、当該遊技回の契機となった移行判定の結果が結果報知として報知されるため、当該結果報知によって例えば移行結果ではないことを遊技者は明確に認識することができてしまう。そうすると、遊技回の演出を如何様に盛り上げたとしても、最終的には当該結果報知が行われるのであるなら、その結果報知にのみ関心が寄せられてしまい、当該結果報知によって当たり外れの確認作業が行われるだけの遊技性となってしまいかねない。かといって、遊技回の演出後に結果報知を行わない構成としたり、当該結果報知をわかりにくくする構成としてしまうと、例えば遊技ホールの管理者等による移行判定の結果の確認作業が困難となる、といった不都合が生じ得る。
そこで、上記構成においては、結果報知を行う特定期間を、移行判定の結果が移行結果であった場合において可変入球手段が閉状態から開状態に切り換えられるまでの待機期間に応じた長さに設定することが可能としている。そのため、移行結果ではない特定結果(外れ結果)であることが結果報知として報知されたとしても、特定期間が経過するまで次の遊技回の演出が開始されないことを通じて、もしかしたら結果報知されている結果が特定結果(外れ結果)ではなく移行結果であるのかもしれない、という期待を持たせつつ、当該結果報知を見させることが可能となる。そして、このような構成であれば、結果報知について、わかりにくくしたりする必要もなく、且つ結果報知の最終タイミング(次の遊技回の演出の開始タイミング)まで注目度を高めることが可能となる。
特徴L2.前記期間設定手段は、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記移行結果である場合の前記結果報知が行われる前記特定期間を、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記特定結果である場合の前記結果報知が行われる前記特定期間よりも短く設定することを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果である場合に可変入球手段が開状態となるまでの待機期間分の差を少なくすることができる。よって、特定結果である場合の特定期間と、移行結果である場合の特定期間及び待機期間、とを対応付けることが可能となる。また、このようにすれば、待機期間側を短くする必要が生じず、可変入球手段の制御が行われる準備や、演出を行う期間を十分に確保することができる。
特徴L3.前記期間設定手段は、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記特定結果である場合の前記特定期間を、前記移行結果である場合の前記特定期間と前記待機期間との合計期間となるように設定することを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果である場合の特定期間と、移行結果である場合の特定期間及び待機期間、とが同じ長さの期間となる。これにより、次の遊技回が開始されるか否か、及び可変入球手段の開閉態様と、からは、特定結果か移行結果かを判別することができなくなる。よって、両結果をわかりにくくする効果を好適に高めることが可能となる。
特徴L4.前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記特定結果である場合、前記移行手段は前記特定状態へ移行させず、前記遊技回制御手段は、当該特定結果が報知される前記特定期間が経過した場合、前記情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていることを条件として、次の前記特別情報についての前記遊技回の演出を開始するものであることを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定結果は、特定状態に移行しない、所謂外れ結果となる。しかも、例えば、可変入球手段が特定状態よりも少ない回数開閉される所謂小当たり結果とも異なり、可変入球手段の開閉が行われない完全外れとなる。このようにすることで、特定状態に移行する移行結果と、特定状態に移行しない特定結果とで有利度が大きく異なることとなり、特定期間の長さを特徴L1のように設定することによる演出効果を好適に高めることが可能となる。
特徴L5.前記遊技回制御手段は、前記移行判定の結果が前記移行結果である場合に前記結果報知として停止させる特定停止態様を、前記移行判定の結果が前記特定結果である場合に停止させる手段(報知・演出制御装置82によるステップS6503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回制御手段による結果報知からは、移行結果なのか特定結果なのかが判断がつかなくなる。これにより、両結果をわかりにくくする効果を好適に高めることが可能となる。
特徴L6.前記移行判定手段による前記移行判定の判定モードとして、前記移行結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとが設けられており、
前記期間設定手段は、前記低確率モードにおいて前記移行判定の結果が前記特定結果である場合には、前記特定期間を前記待機期間に対応する長さの期間となるように設定する一方、前記高確率モードにおいて前記移行判定の結果が前記特定結果である場合には、前記低確率モードにおいて設定する前記特定期間とは異なる期間となるように当該特定期間を設定することを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
移行結果となる確率が低い低確率モード時においてこそ、移行結果となることを大いに期待しているという遊技者の心理を利用すれば、特定結果となることに基づいて特定期間を特徴L1のようにすることで演出効果が好適に高められるといえる。そこで、上記構成のようにすることで、特徴L1の演出効果を存分に発揮させることが可能となるとともに、高確率モード時の遊技進行の妨げとならないようにすることができる。
特徴L7.前記移行判定手段による前記移行判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段とは異なる特定報知手段(メイン表示部43)にて遊技回の演出を開始し、その後、当該移行判定の結果に対応する結果報知を行ってから当該遊技回の演出を終了する第2遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記第2遊技回制御手段は、前記移行判定の結果が前記移行結果である場合、前記結果報知として当該移行結果に対応する移行結果報知を行い、前記移行判定の結果が前記特定結果である場合、前記結果報知として前記移行結果報知とは異なる特定結果報知を行うことを特徴とする特徴L1乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技回制御手段による結果報知を確認すれば、移行判定の結果が移行結果なのか特定結果なのかが明確に区別可能となる。これにより、特徴L1の構成による演出効果を得つつも、遊技ホールの管理者等による結果の確認作業を実行させることが可能となる。
なお、「所定の報知手段」と「特定報知手段」との関係について、例えば、「前記所定の報知手段よりも前記特定報知手段の方が小さい」等として識別性に差を生じさせれば、遊技者に見せたい報知手段と、遊技ホールの管理者に見せたい報知手段とを、両立させることができる。また、「前記所定の報知手段と前記特定報知手段との間を遊技球が流下可能」とすることで、仮に両報知手段を遊技者が確認しようとしても、その間に遊技領域が介在することとなり、一方の報知手段から他方の報知手段へと視線を移す際に、遊技球の流下に気を取られ、両報知手段の結果報知が一致しないことに対する違和感を感じさせにくくすることができる。
<特徴M群>
特徴M1.所定の取得条件が成立したことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段に取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報について、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の結果が、前記特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記付与判定手段による前記付与判定の結果が前記付与対応結果となる確率が、相対的に高低となるように高確率状態と低確率状態とが設定されており、
遊技状態を、前記高確率状態に設定する状態設定手段(主制御装置81による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記状態設定手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数に応じて前記高確率状態の設定を行うことが可能となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて判定用情報が取得され、その判定用情報が情報記憶手段に記憶されるとともに、当該判定用情報について付与判定が行われる遊技機において、付与判定の確率が相対的に高低となる高確率状態と低確率状態とが設定されており、その設定が情報記憶手段に記憶されている判定用情報の数に応じて行われる。そのため、従来のように付与判定の結果や、その結果に基づいて特典が付与される場合の種類によって高確率状態や低確率状態に設定される遊技機とは、全く異なる斬新な遊技性とすることが可能となる。
特に、判定用情報の数に応じて行う構成としていることから、例えば、判定用情報の数が多ければ、高確率状態とされ易い構成であれば、なるべく取得条件を成立させようと遊技を行うと考えられるし、その逆の構成であれば、特典を得る契機となる付与判定を行わせたいものの、取得条件をなるべく成立させないようにしつつも付与判定を行わせる、といった特殊な遊技性も実現可能となる。このように、取得条件の成立との関係によって、特典の付与され易さが異なるようになるため、遊技者がその付与され易さに関与することが可能となり、遊技への積極参加を通じて興趣向上が図られる。
特徴M2.前記設定手段により前記高確率状態の設定が行われる契機となる特定事象(V入賞)が生じ得る特定期間(可変入賞装置132が開放状態とされる期間)が設定されており、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数が第1数である場合に、前記特定期間において前記特定事象を発生可能とする第1手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数が前記第1数とは異なる第2数である場合に、前記特定期間において前記特定事象の発生を制限する第2手段と、
を備えていることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴M1の判定用情報の数に応じて高確率状態の設定を行うといった斬新な遊技性を、特定期間中の特定事象の発生の有無、という遊技者にとってわかり易く、簡素な構成にて実現可能となる。これにより、判定用情報の数が高確率状態の設定に関与していることが、明確に把握され、特徴M1の遊技性を存分に楽しませることが可能となる。
特徴M3.前記特定事象は、予め定められた開始タイミングから所定期間が経過したタイミングある特定タイミングで生じ得るものであり、
前記第1手段は、前記特定期間に前記特定タイミングが含まれるように設定するものであり、
前記第2手段は、前記特定期間に前記特定タイミングが含まれない又は前記第1手段により設定される場合よりも前記特定タイミングが含まれにくくなるように設定するものであることを特徴とする特徴M2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定事象が発生し得るタイミングが、特定期間に含まれるか否かといった、期間の設定により、特徴M2の効果を奏することができる。これにより、複雑な制御や、見た目上わかりにくい処理を要さず、期間の設定といった簡素且つわかり易い構成にて特徴M1の遊技性を実現することが可能となる。
特徴M4.前記第1手段は、前記特定期間が開始されるまでの待機期間を第1期間として設定することで、前記特定期間に前記特定タイミングが含まれるように設定するものであり、
前記第2手段は、前記待機期間を前記第1期間とは異なる第2期間として設定することで、前記特定期間に前記特定タイミングが含まれない又は前記第1手段により設定される場合よりも前記特定タイミングが含まれにくくなるように設定するものであることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段や第2手段は、特定期間を異ならせるのではなく、特定期間前の待機期間を異ならせる。これにより、例えば特定期間において役物が動作して特典が付与され易くなる等の構成であれば、当該役物の動作態様を異ならせる必要が生じない。よって、見た目上の公平性を担保しつつ、特徴M1の遊技性を実現することができる。
特徴M5.前記状態設定手段は、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた状況で前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数が、当該付与判定の結果に基づいて前記特典付与手段により前記特典が付与される状況で前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数と同じである場合と異なっている場合とで、前記高確率状態に設定するか否かを異ならせることが可能となっていることを特徴とする特徴M1乃至M4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定が行われてから、当該付与判定の結果に基づいて特典が付与されるまでの期間において判定用情報の数が同じである場合と異なることとなった場合とで、高確率状態も設定するか否かが異なることとなる。つまり、付与判定が行われてから特典が付与されるまでの期間において取得条件を成立させたか否かによって、高確率状態となるかどうかが異なることとなる。このようにすることで、付与判定が行われた後、特典が付与されるまでの所謂待ちの時間を利用して、遊技の肝となる部分の設定を行わせる構成となり、従来にはない斬新な遊技性を実現することができる。
特徴M6.遊技状態として、前記所定の取得条件が成立し易い第1遊技状態(高頻度サポートモード)と、当該第1遊技状態よりも前記所定の取得条件が成立しにくい第2遊技状態(低頻度サポートモード)と、が設定されていることを特徴とする特徴M1乃至M5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高確率状態との設定に大きく関与する判定用情報の記憶数が第1遊技状態と第2遊技状態とで異なることとなる。例えば、判定用情報の記憶数が多いほど高確率状態に設定され易い構成であれば、所定の取得条件が成立し易い第1遊技状態の方が第2遊技状態よりも高確率状態に設定され易い状態となる。また、逆の構成であれば、所定の取得条件の成立し易さと、高確率状態への設定され易さとが相反する遊技となり斬新な感覚の遊技性となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴M群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴M群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。